(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】ミルクフォームを生成するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
A47J 31/44 20060101AFI20220518BHJP
A47J 31/42 20060101ALI20220518BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20220518BHJP
A23C 9/156 20060101ALI20220518BHJP
A23F 5/24 20060101ALI20220518BHJP
【FI】
A47J31/44 410
A47J31/42
B67D1/08 Z
A23C9/156
A23F5/24
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2016240123
(22)【出願日】2016-12-12
【審査請求日】2019-12-03
(32)【優先日】2015-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】504237533
【氏名又は名称】シュタイナー・アーゲー・ウェギス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】シュタイナー,アドリアン
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-000593(JP,A)
【文献】国際公開第2014/096181(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0064941(US,A1)
【文献】特表2012-509060(JP,A)
【文献】特開平02-248671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
B67D 1/04
A23C 9/156
A23F 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミルクフォーム入り飲料を調製するための、ミルクフォームを生成する方法であって、気体媒質を、搬送中のミルクに供給することが可能であり、生成されたミルク/気体媒質混合物は、ミルクフォーム用またはミルクフォーム入り飲料用の出口(24)にミルクポンプ(3)で送られ、このとき、生成されるミルクフォームは、目標設定器(9)に設定された稠度目標値に対応する特定の稠度を有する、方法において、
前記生成されるミルクフォームの稠度を、調節プロセスで、前記目標設定器(9)の稠度目標値をもって監視し、この監視結果に基づいて、前記ミルクフォームの稠度を、前記ミルクポンプ(3)の動作速度を変更することによって調整し、
前記ミルクフォームの温度は前記調節プロセスに提供される稠度調整用のパラメータであ
り、
前記稠度は、前記出口(24)の手前を通って流れるミルクフォームの電気的特性を測定することによって、特定される、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記調節プロセスでは、前記特定されたミルクフォームの稠度が前記稠度目標値から逸脱している場合には、供給される気体媒質量を制御することによって、前記稠度を前記稠度目標値に一致させる、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記生成されるミルクフォームの稠度を、いくつかの異なる値に設定可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ミルクをポンプ(3)によって搬送し、このとき、前記稠度が高くなるにつれて、ミルクフォームの搬送抵抗ひいては前記ポンプの電力消費は増加し、さらにその逆も同様であることから、同じ速度に制御された前記ポンプの電力消費を測定することによって、前記ミルクフォームの稠度を特定する、ことを特徴とする、請求項1~
3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
供給される気体媒質量を制御することによって、前記生成されるミルクフォームの稠度を変更または設定可能であることを特徴とする、請求項1~
4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記生成されるミルクフォームの稠度を、その気体媒質体積率に関して測定し、供給される気体媒質量を制御することによって変更可能である、ことを特徴とする、請求項1~
4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
ミルクフォーム入り飲料を調製するための、ミルクフォームを生成する方法であって、供給されるミルクに、気体媒質を供給することによって所定の稠度のミルクフォームの生成が可能であり、生成されたミルク/気体媒質混合物は、ミルクフォーム用またはミルクフォーム入り飲料用の出口(24)にミルクポンプ(3)で送られる、方法において、
前記生成されるミルクフォームの稠度を、調整可能な稠度目標値をもって監視し、前記生成されるミルクフォームの稠度が前記目標稠度値を逸脱した場合に、前記ミルクに供給される気体媒質量を変更可能にして前記ミルクフォームの稠度を調節
し、
前記稠度は、前記出口(24)の手前を通って流れるミルクフォームの電気的特性を測定することによって、特定されることを特徴とする方法。
【請求項8】
使用されるミルクの種類、および/またはミルク貯蔵容器(1,1’)の充填レベル、および/またはミルクの温度をパラメータとして、供給される気体媒質量の目標値を設定可能であることを特徴とする、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
生成されるべきミルクフォームの稠度に応じて、供給される気体媒質量の前記目標値を設定可能であることを特徴とする、請求項
7または
8に記載の方法。
【請求項10】
請求項
7~9のいずれかに記載の方法を実施するための装置であって、
生成されるミルクフォームの稠度を、回路によって、および/または調節プロセスにおいて調整する際に、前記ミルクフォームの稠度を
、該ミルクフォームの電気的特性を測定することによって特定する少なくとも1つの稠度センサと、この稠度センサの特定した稠度が前記稠度目標値を逸脱している場合に、供給される気体媒質の供給ラインを開閉する調節要素(15)を備える、ことを特徴とする装置。
【請求項11】
前記稠度センサは、前記出口(24)の手前のライン(23)を通って流れるミルクフォームの電気的特性を測定することによって稠度を特定するために使用可能であるように設計されており、これは、容量式測定または抵抗式測定によって実施可能である、ことを特徴とする、請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
前記ミルクフォームの調度は、ミルクを搬送するためのポンプ(3)の電力消費を測定することによって、特定する、ことを特徴とする、請求項
10または11に記載の装置。
【請求項13】
請求項
7~9のいずれかに記載の方法を実施するための装置であって、
稠度目標値の設定器(9)と、稠度の実際値を
、ミルクフォームの電気的特性を測定することによって特定するセンサ(11)と、前記稠度の実際値と前記稠度目標値との偏差を示す信号を送出する信号発信器(12)と、空気供給ライン(6)を絞り調整または全開または閉鎖するための調節要素(15)をさらに含むことを特徴とする装置。
【請求項14】
前記調節要素(15)は、比例弁または絞り弁である、ことを特徴とする、請求項
10に記載の装置。
【請求項15】
前記ミルクフォームの加熱のためのヒータ(27)をさらに有することを特徴とする、請求項
13または14に記載の装置。
【請求項16】
供給容器(1,1’)からミルクを搬送するためのポンプ(3)を備え、このとき、前記気体媒質を供給することが可能であり、同じ速度に制御された前記ポンプ(3)の電力消費に応じて、ミルクフォームの稠度のための値を、前記気体媒質量調節器(8)の前記稠度目標値の設定器(9)に設定可能である、ことを特徴とする、請求項
13に記載の装置。
【請求項17】
請求項
10~16のいずれかに記載の装置を備えたコーヒーマシンであって、
生成すべき飲料のタイプに基づく望ましいミルクフォーム稠度を調整するためにプログラム可能であることを特徴とするコーヒーマシン。
【請求項18】
前記稠度目標値の設定器の設定のためのミルク種類表示部および/または充填レベル表示部(28)を、ミルク貯蔵容器(1,1’)に設けることを特徴とする、請求項
17に記載のコーヒーマシン。
【請求項19】
少なくとも1つのコーヒーミルの個々の粉砕度を、制御システムによって設定可能であり、前記個々の粉砕度は、前記稠度目標値の設定器(9)を設定するためのパラメータとして作用する、ことを特徴とする、請求項
17または18に記載のコーヒーマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、コーヒーマシンでミルクフォーム入り飲料を調製するための、ミルクフォームを生成する方法に関するものであり、特に空気である気体媒質を、搬送中のミルクに供給することが可能であり、生成されたミルク/空気混合物は、ミルクフォーム用またはミルクフォーム入り飲料用の出口に送られ、このとき、生成されるミルクフォームは、特定の稠度を有する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1によるコーヒーマシン用の一般的な装置では、コールドとホットの両方のミルク飲料だけではなく、カプチーノ、ラッテマキアート、ミルクコーヒー、またはチョコレート飲料のような、ミルクフォーム入り飲料用のコールドミルクフォームおよびホットミルクフォームを生成することが可能である。
【0003】
この種のコーヒーマシンは、多くの場合、その使用および運転の条件が変化するにもかかわらず、製品の品質に関して、厳しい要件を常に満たしていなければならない。供給される空気量は、標高または海抜でのコーヒーマシンの場所に応じて、様々に異なる空気圧の影響を受けるので、例えば、生成されるミルクフォームの品質に対して、それぞれの実効大気圧は重要な役割を果たす。さらに他の因子として、使用されるミルクの温度および/またはミルクの種類の性質がある。
【0004】
冒頭で規定したタイプの周知のコーヒーマシンでは、供給される空気量は、スロットルまたは類似の手段によって、手動で設定することができる。ところが、一度設定された空気量は、その後、運転中に、上述の撹乱因子にさらされて、これにより、吸入空気量に想定外の変動が生じ、その結果、ミルクフォームの品質は変化して、不満足なものとなり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の根底にある目的は、このような欠点を解消するとともに、冒頭で規定したタイプの方法を考案することであり、これにより、使用および運転の条件が変化する場合であっても、生成されるミルクフォームの常に完全な品質を確保する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴による方法および請求項11による装置によって達成される。
【0008】
このように、生成されるミルクフォームの稠度を、本発明により特定することによって、さらには、調節プロセスにより稠度を監視すること、および/または稠度を設定することによって、一方で、ミルクフォームの品質を、変化する運転条件に応じて常に最適に維持することが可能であり、さらに、その稠度を所望通りに設定することが可能である。
【0009】
調節プロセスでは、このように、生成されるミルクフォームの稠度を特定し、それが目標値から逸脱している場合には、特に供給される空気量を制御することによって、その稠度が目標値に常に略相当するように変更する。
【0010】
さらに、本発明は、生成されるべきミルクフォームの温度および/または稠度に応じて、供給される空気量の目標値を設定可能であるように規定する。これにより、フォーム入りのコールド飲料およびホット飲料における空気量を正確に調節することが可能となる。これは、いくつかの異なるフォーム稠度による飲料の調製についても言えることである。
【0011】
さらに、本発明は、使用されるミルクの種類および/またはミルク貯蔵容器の充填レベルに応じて、供給される空気量の目標値を設定することも可能であるように規定する。これにより、例えば、ロングライフミルク用、ホールミルク用、またはスキムミルク用として、それぞれ特別な設定が可能となる。同じことは、ミルク容器が満杯または略空での運転についても言える。
【0012】
本発明による装置は、主に、標準化された部品で構成されており、占有するスペース量が少なく、新規のコーヒーマシンおよび既に使用されているコーヒーマシンに容易に組み込むことが可能である。さらに、本装置は、取り外すことも容易であり、従って、様々に異なるタイプのマシンに組み込むことができる。
【0013】
極めて効果的には、容量式測定または電気抵抗式測定による実施が可能な、稠度を特定するする少なくとも1つのセンサを、調節回路用の実際値センサとして設ける。
【0014】
さらに、本発明は、ミルクフォームの加熱を制御する弁によって、さらに/またはミルクフォームの稠度についての測定値としてのポンプの電力消費によって、空気量調節システムの稠度目標値の設定器を調整可能であるように規定する。このような空気量調節は、生成されるべき飲料のタイプに関わりなく、さらに、それに適したミルクフォームの稠度レベルに関わりなく、コールド飲料およびホット飲料のために有効である。
【0015】
本発明による装置は、さらに、ポンプの流量用の調節回路を備えることもでき、この流量の違いによって、ミルクフォームの稠度に関する結果を得ることが可能となる。
【0016】
稠度目標値の設定器を設定するために、ミルク貯蔵容器は、さらに、その設定器に作用的に接続されたミルク種類表示および/または充填レベル表示および/または温度表示を備えることもできる。このようにして、使用されるミルクの種類および/またはミルク容器の充填レベルに応じて、供給される空気量を調節することが可能である。
【0017】
粉砕度を自動的に調節するコーヒーミルを備えたコーヒーマシンでは、製品の品質を最大限に向上させる目的で、稠度目標値の設定器を設定する際に、必要に応じて、コーヒーの粉砕度も考慮に入れることが効果的である。
【0018】
以下で、本発明について、次のような図面を参照して、例示的な実施形態によって、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、ミルクフォームおよび/またはミルクフォーム入り飲料を生成するための、本発明による装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1の装置は、1つ以上のミルク容器1、1’を備え、そこから吸入ライン2を介して、ポンプ3でコールドミルクを吸入する。ミルク容器1、1’は、オプションとして、方向弁4によって、吸入ライン2に接続することができる。それらの容器は、ロングライフミルク、ホールミルク、またはスキムミルクなどの様々に異なる種類のミルク、さらにはチョコレート、バニラなどの添加物入りのミルクを収容することができる。吸入ライン2には、さらに、ポンプ3で吸入されるミルクの流量を測定することが可能な測定装置5を備えることが好ましい。
【0021】
本装置は、独立したユニットとして構成することができる。しかしながら、効果的には、市販のコーヒーマシンの構成要素とすることもできる。
【0022】
ミルクフォームを生成するために、空気入口6’を有するとともに吸入ライン2に開口している空気供給ライン6を介して、特定量の空気または類似の気体媒質を、ミルクに混合する。当然のことながら、フォームを生成することなく、単なるホットミルクまたはコールドミルクの通出を可能とするように、出口への空気の供給を無効にすることも可能である。
【0023】
ポンプ3は、その一部として、本装置内に組み込まれた速度調節器を備えており、これは、稠度目標値の設定器17と、モータ電力供給ライン21を介して作動させる実際値センサ20と、ライン18を介して目標値からの実際値の偏差を特定するとともに必要に応じてライン21を介してポンプ速度の再調整を実施する信号センサ19と、で構成される。
【0024】
ミルク用かつ場合によっては空気用の吸入ライン2において、ポンプ3の直後で、または絞り弁もしくはノズルとすることができる絞り点22が設けられたラインセクションの後で、その通路開口は、最初に先細りになった後に広がっている。このようにして、供給されるミルク/空気混合物をミルクフォームに変化させることを容易としている。また、この絞り点22は、ポンプ3に直接接続することもできる。
【0025】
ポンプ3に通じる吸入ライン2の後に続いて、出口ライン24を有するライン23があり、これは、好ましくは最大30cmの長さのパイプまたはチューブとして設けられており、このラインにおいて、ミルクフォームは、引き続き生成されて、安定化されることができ、これにより、例えばカップ25に注出されるときに、稠度が一定に維持された高品質のフォームが生成される。
【0026】
本装置では、オプションとして、方向弁26によって作動させることが可能な2つの並列セクション23a、23bをライン23が有することによって、任意選択的に、コールドミルクフォームおよびホットミルクフォームを生成することが可能となり、ラインセクション23aにはフローヒータ27が設けられる。ミルクフォームがラインセクション23aを通って搬送される場合には、出口ライン24において、ホットミルクフォームまたはフォーム入りホット飲料が生成される。それ以外の場合は、ミルクフォームは、ラインセクション23bを通って出口ライン24に直接搬送されて、そこで、コールドミルクフォームまたはフォーム入りコールド飲料として取り出すことができる。また、これは、ポンプ3に直接接続することもできる。さらに、それらの並列セクション23a、23bの各々に、絞り点22を設けることができる。
【0027】
本発明によれば、生成されるミルクフォームを、その稠度を特定することによる調節プロセスによって監視するか、またはその稠度を調整により変更する。
【0028】
調節プロセスでは、このように、生成されるミルクフォームの稠度を特定し、それが目標値から逸脱している場合には、特に供給される空気量を制御することによって、その稠度が目標値に常に略相当するように変更する。この目的のため、稠度を特定するセンサ31を、調節回路35用の実際値センサとして設けており、調節回路35は、空気量調節器の稠度目標値の設定器9または調節回路8に接続された稠度目標値の設定器33を有する。
【0029】
当該センサ31は、出口24の手前のライン23を通って流れるミルクフォームの電気的特性を測定することによって稠度を特定するために使用可能であるように設計されている。これは、容量式測定によって、またはフォームに含まれる気泡の量が異なることによって電気抵抗が変化する抵抗式測定によって、実施することができる。
【0030】
追加的または代替的に、ポンプ3の電力消費を測定することによって、ミルクフォームの稠度を特定するように規定することができ、これは、上述のポンプ3の調節により、同じ速度で実施される。稠度は、クリーム性がより高くなるにつれて、ミルクの搬送抵抗ひいてはポンプ3の電力消費が増加し、逆に、この抵抗は、ミルクフォームの液体率がより高くなるにつれて減少する。効果的には、電力消費を測定するために、ライン18を介して調節回路16に接続されたセンサまたは測定手段が、ポンプ3に組み込まれている。そして、目標値からの偏差を、ライン32を介して空気量調節システムの稠度目標値の設定器9に伝送し、このようなポンプの電力消費の測定によって、ミルクフォームの最適な稠度を実現するための、信頼性の高い値を得ることが可能となる。
【0031】
本発明の枠内で、上述の調節を用いるか否かに関わりなく、生成されるミルクフォームの稠度をいくつかの異なる値に設定することも、例えば、2つの異なる稠度を選択可能な回路を制御システム7内に設けることによって可能であり、1つはカプチーノ用、もう1つは、注出された飲料表面の図形パターン生成用であって、例えば、ハート、花、または植物の形などが描かれる。
【0032】
コーヒーマシンの自動運転では、どの飲料が選択されたのかに応じて、このような稠度値の切り換え設定を、自動的に実施することもできる。
【0033】
他の利点は、このセンサ31または追加のセンサを用いて、さらに、本装置の洗浄プロセスにおいて水の硬度および/または洗浄剤の濃度を検出することもできることである。この場合、調節システム(詳述せず)によって洗浄剤の量を調整することができ、または洗浄中に機能異常を調査およびレポートすることができる。これに関して、そのセンサは、やはり液体の容量式測定または電気抵抗式測定によって機能する。
【0034】
空気含有量は、ミルクフォームまたはミルクフォーム入り飲料の品質にとって重要である。例えば大気圧のような変動因子に関わらず、運転中に空気含有量が常に最適に維持されるように、本装置は、コーヒーマシンの制御システム7に組み込まれた空気量調節器8を備え、これは、自動調整可能な稠度目標値の設定器9と、流量測定装置10と、実際値センサ11と、(目標値からの実際値の偏差を示す信号を送出する)信号センサ12と、このセンサでライン13を介して制御されて空気供給ライン6を開閉するための調節要素としての比例弁または絞り弁15と、で構成されている。
【0035】
比例弁15によれば、特に微細な空気量調節が可能になるという効果が得られる。しかしながら、言うまでもなく、本発明の枠内で、調節要素として、他の同様に作動する弁またはいわゆるアクチュエータを使用することも可能である。
【0036】
記載の例示的な実施形態では、当該使用中のミルク容器1または1’の、一方でミルクの種類および/または充填レベルであり、さらには温度である主要パラメータを含むことによって、空気量調節器8用の稠度目標値の設定器9の調整を自動的に実施する。この目的のため、適切な表示要素28を容器に設けており、それらは、ライン29を介して稠度目標値の設定器9に対して作用的である。
【0037】
個々の容器に対する目標値設定の割り当ては、方向弁4の当該切換位置を示すライン30を介して実施される。同じポンプ出力の場合でも、当該ミルク容器1または1’の充填レベルに応じて、その容器が満杯であるときには、より多くのミルクが吸い上げられ、あるいはその容器またはそれらの容器が空または略空であるときには、より少ないミルクが吸い上げられる。従って、これに応じて、供給される空気を増減することによって、搬送中のミルクに対して空気は同じ比率に維持される。
【0038】
ミルクフォームの温度は、稠度目標値の設定器9の調整のための他のパラメータとして作用する。この目的のため、ライン14を介して方向弁26を稠度目標値の設定器9に接続しており、これにより、当該運転状態「コールドミルクフォームまたはホットミルクフォーム」を、稠度目標値の設定器に対して表示する。
【0039】
記載の例示的な実施形態では、稠度目標値の設定器9は、さらに、ライン32を介して、ポンプ3の現在の電力消費に応じて調整される。同じ量の出力に対して、稠度がより高い場合には、ポンプの仕事量はより大きくならざるを得ないので、場合によって、電力量は、調製中のミルクフォームの稠度に依存する。このようにして、ポンプのモータ電力供給ライン18によって、フォームの稠度を調節することが可能であるとともに、それを、例えばカプチーノ、ラッテマキアート、ミルクコーヒー、または例えばチョコレート飲料など、調製すべき製品のタイプに応じて、プログラムすることが可能である。
【0040】
記載の装置は、自動コーヒーマシンの構成要素として設計されている。しかしながら、独立した装置として機能することも容易に可能であり、または既製のマシンに後から組み込むことも可能である。
【0041】
本発明による装置は、実際の装置が単純であること、および、供給される空気量は、主要パラメータを用いて自動的に調整されるので、手動で調整する必要がないこと、を特徴とする。それらの主要パラメータは、使用条件に応じて、ケースバイケースで選択することができる。
【0042】
当然のことながら、このような調節は、別の実施形態によって実施することもできる。その場合、比例弁または絞り弁に代えて、例えば、逆止弁などを調節要素として用いることもできる。
【0043】
ミルク吸入用のポンプ3または絞り点22に代えて、蒸気噴射などと共に、試験済みベンチュリシステムによる吸入を用いることもできる。
【0044】
本発明による装置またはコーヒーマシンの使用状況に応じて、目標値の設定用として、1つまたはいくつかのパラメータが効果的であり得る。
【0045】
本発明について、上述の例示的な実施形態によって十分に提示している。当然のことながら、本発明は、さらなる変形例によって説明することもできる。その場合、いくつかのセンサを、例えば、2つのラインセクション23a、23bのそれぞれに設けることもできる。
【0046】
原理的には、生成されるミルクフォームの稠度の変更を、例えば、調節弁によって絞り点で異なる絞り手段を用いることにより、またはポンプ速度を変更することにより、機械的手段によって実現することも可能である。