(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】情報提供装置、及び情報提供方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20220518BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20220518BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20220518BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20220518BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20220518BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20220518BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G08G1/00 X
G08G1/0969
B60W40/02
B60W50/14
B60W60/00
(21)【出願番号】P 2018004785
(22)【出願日】2018-01-16
【審査請求日】2020-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】真野 香織
【審査官】藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-136233(JP,A)
【文献】特開2015-017944(JP,A)
【文献】特開2017-211359(JP,A)
【文献】国際公開第2016/152873(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0341277(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/26 ~ 21/36
G08G 1/00 ~ 1/16
B60W 30/00 ~ 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転機能を有する移動体の運転者に対して、情報を提供する情報提供装置であって、
自動運転による前記移動体の移動が可能な自動運転区間の情報
として、前記自動運転区間の道路形状及び前記自動運転区間の環境の情報を含む自動運転区間情報を取得する自動運転区間情報取得部と、
前記自動運転区間情報取得部により取得された
前記自動運転区間情報により示される前記自動運転区間の道路形状又は前記自動運転区間の環境に基づいて
、前記自動運転区間における推奨行為を決定する推奨行為決定部と、
前記自動運転区間情報取得部により取得された前記自動運転区間情報により示される前記自動運転区間の道路形状又前記自動運転区間の環境に基づいて、前記推奨行為に適した実施タイミングを決定する実施タイミング決定部と、
前記推奨行為決定部により決定された
前記推奨行為
と、前記実施タイミング決定部により決定された前記推奨行為の実施タイミングとを、前記運転者に報知
し、前記推奨行為決定部により複数の前記推奨行為が決定された場合には、前記実施タイミング決定部により決定された各推奨行為の実施タイミングに基づいて、各推奨行為を実施するスケジュールを決定し、該スケジュールを前記運転者に報知する推奨行為報知部と
を備えていることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記推奨行為決定部は、複数の前記推奨行為に優先度を設定し、
前記推奨行為報知部は、前記各推奨行為に設定された前記優先度に基づいて、前記スケジュールを決定することを特徴とする請求項
1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記自動運転区間情報取得部は、前記自動運転区間の情報として、前記移動体が前記自動運転区間を自動運転により走行する際の自動運転レベルを取得し、
前記推奨行為報知部は、前記自動運転レベルに基づいて、前記推奨行為を決定することを特徴とする請求項1
又は請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
自動運転機能を有する移動体の運転者に対して、情報を提供する情報提供方法であって、
自動運転による前記移動体の移動が可能な自動運転区間の情報
として、前記自動運転区間の道路形状及び前記自動運転区間の環境の情報を含む自動運転区間情報を取得する自動運転区間情報取得ステップと、
前記自動運転区間情報取得ステップにより取得された
前記自動運転区間情報により示される前記自動運転区間の道路形状又は前記自動運転区間の環境に基づいて
、前記自動運転区間における推奨行為を決定する推奨行為決定ステップと、
前記自動運転区間情報取得ステップにより取得された前記自動運転区間情報により示される前記自動運転区間の道路形状又前記自動運転区間の環境に基づいて、前記推奨行為に適した実施タイミングを決定する実施タイミング決定ステップと、
前記推奨行為決定ステップにより決定された
前記推奨行為
と、前記実施タイミング決定ステップにより決定された前記推奨行為の実施タイミングとを、前記運転者に報知
し、前記推奨行為決定ステップにより複数の前記推奨行為が決定された場合には、前記実施タイミング決定ステップにより決定された各推奨行為の実施タイミングに基づいて、各推奨行為を実施するスケジュールを決定し、該スケジュールを前記運転者に報知する推奨行為報知ステップと
を含んでいることを特徴とする情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、及び情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動運転制御により車両を走行させる自動運転予定区間と自動運転予定時間を表示して、自動運転予定区間で提供可能なサービス(映画等の音声付き映像や音楽の再生)を運転者に提示するようにした情報提供装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された情報提供装置においては、自動運転予定時間に応じて、提供可能なサービスを決定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今後の自動運転制御のレベルの向上によって、自動運転中の運転者の負担が大幅に軽減すると想定されるため、運転者による自動運転中の時間のさらなる活用が期待できる。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、自動運転中に可能となる運転者の行為の実施を、より有効に支援することができる情報提供装置及び情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の情報提供装置は、自動運転機能を有する移動体の運転者に対して、情報を提供する情報提供装置であって、自動運転による前記移動体の移動が可能な自動運転区間の情報として、前記自動運転区間の道路形状及び前記自動運転区間の環境の情報を含む自動運転区間情報を取得する自動運転区間情報取得部と、前記自動運転区間情報取得部により取得された前記自動運転区間情報により示される前記駆動運転区間の道路形状又は前記自動運転区間の環境に基づいて、前記自動運転区間における推奨行為を決定する推奨行為決定部と、前記自動運転区間情報取得部により取得された前記自動運転区間情報により示される前記自動運転区間の道路形状又前記自動運転区間の環境に基づいて、前記推奨行為に適した実施タイミングを決定する実施タイミング決定部と、前記推奨行為決定部により決定された前記推奨行為と、前記実施タイミング決定部により決定された前記推奨行為の実施タイミングとを、前記運転者に報知し、前記推奨行為決定部により複数の前記推奨行為が決定された場合には、前記実施タイミング決定部により決定された各推奨行為の実施タイミングに基づいて、各推奨行為を実施するスケジュールを決定し、該スケジュールを前記運転者に報知する推奨行為報知部とを備えていることを特徴とする。
【0008】
また、前記推奨行為決定部は、複数の前記推奨行為に優先度を設定し、前記推奨行為報知部は、前記各推奨行為に設定された前記優先度に基づいて、前記スケジュールを決定する構成としてもよい。
【0010】
また、前記自動運転区間情報取得部は、前記自動運転区間の情報として、前記移動体が前記自動運転区間を自動運転により走行する際の自動運転レベルを取得し、前記推奨行為報知部は、前記自動運転レベルに基づいて、前記推奨行為を決定する構成としてもよい。
【0011】
次に、本発明の情報提供方法は、自動運転機能を有する移動体の運転者に対して、情報を提供する情報提供方法であって、自動運転による前記移動体の移動が可能な自動運転区間の情報として、前記自動運転区間の道路形状及び前記自動運転区間の環境の情報を含む自動運転区間情報を取得する自動運転区間情報取得ステップと、前記自動運転区間情報取得ステップにより取得された前記自動運転区間情報により示される前記自動運転区間の道路形状又は前記自動運転区間の環境に基づいて、前記自動運転区間における推奨行為を決定する推奨行為決定ステップと、前記自動運転区間情報取得ステップにより取得された前記自動運転区間情報により示される前記自動運転区間の道路形状又前記自動運転区間の環境に基づいて、前記推奨行為に適した実施タイミングを決定する実施タイミング決定ステップと、前記推奨行為決定ステップにより決定された前記推奨行為と、前記実施タイミング決定ステップにより決定された前記推奨行為の実施タイミングとを、前記運転者に報知し、前記推奨行為決定部により複数の前記推奨行為が決定された場合には、前記実施タイミング決定ステップにより決定された各推奨行為の実施タイミングに基づいて、各推奨行為を実施するスケジュールを決定し、該スケジュールを前記運転者に報知する推奨行為報知ステップと、を含んでいることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の情報提供装置、及び情報提供方法によれば、自動走行区間の情報に基づいて決定された推奨行為が、移動体の運転者に対して報知される。そのため、運転者は、自動走行区間を自動運転により移動する際に適した行為を行うことができ、これにより、自動運転による移動時間をより有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】推奨行為及び優先度の設定テーブルの説明図。
【
図6】推奨行為のスケジュールの表示画面の説明図。
【
図7】音楽鑑賞の設定区間におけるプレイリスト選択画面の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[1.情報提供装置の構成]
図1を参照して、本実施形態の情報提供装置10は、車両1(本発明の移動体に相当する)に搭載されている。車両1は、運転者による操作に応じて走行制御を行う手動運転制御と、運転者の操作によらずに或い操作の一部を補助して運転制御を行う自動運転制御とを選択的に実行する機能を有している。ここで、自動運転制御には、運転者の操作によらずに車両1の走行を制御する完全自動運転制御の他、運転者の操作を補助して車両1の走行を制御する部分自動運転制御も含まれる。部分自動運転制御には、例えば、車両1が走行車線からはみ出さないようにする車線維持制御、前走車との車間を一定に維持して走行する車間距離制御等が含まれる。情報提供装置10は、専用機であってもよく、車両1に備えられたECU(Electronic Control Unit)等の機能の一部として構成されてもよい。
【0015】
情報提供装置10は、CPU20、メモリ40、各種インターフェース回路(図示しない)等により構成された電子回路ユニットである。CPU20は、メモリ40に保存された情報提供装置10の制御用プログラム41を実行することによって、現在位置検出部21、地図情報取得部22、目的地設定部23、経路案内部24、自動運転区間情報取得部25、推奨行為決定部26、実施タイミング決定部27、及び推奨行為報知部28として機能する。
【0016】
情報提供装置10には、操作ユニット50、スピーカー60、マイク61、ジャイロセンサ63、GPS(Global Positioning System)受信機64、ネットワーク通信部65、及び記憶装置70が接続されている。
【0017】
操作ユニット50は、フラットタイプの表示器51aと表示器51aの表面に配置されたタッチスイッチ51bとを有するタッチパネル51、及びボタンスイッチ52を備えている。タッチスイッチ51b及びボタンスイッチ52の操作状態を示す操作信号が、操作ユニット50から情報提供装置10に入力される。また、情報提供装置10から出力される制御信号によって、表示器51aの画面表示が制御される。
【0018】
情報提供装置10からスピーカー60に音出力信号が出力され、マイク61により収音された音入力信号が情報提供装置10に入力される。ジャイロセンサ63は、車両1の角速度を検出し、角速度検出信号を情報提供装置10に入力する。GPS受信機64は、GPS衛星からの電波を受信して車両1の現在位置(緯度、経度)を検出し、位置検出信号を情報提供装置10に入力する。ネットワーク通信部65は、通信ネットワーク100を介した情報提供装置10と情報サーバー101等との間の通信を中継する。記憶装置70には、地図情報データ71等が保存されている。
【0019】
現在位置検出部21は、GPS受信機64から入力される位置検出信号、及びジャイロセンサ63から入力される角速度検出信号に基づいて、車両1の現在位置(緯度、経度)を検出する。地図情報取得部22は、記憶装置70から地図情報データ71を読み込んで、車両1が走行する道路の情報を取得する。なお、ネットワーク通信部65により情報サーバー101にアクセスして、情報サーバー101から地図情報データを取得するようにしてもよい。
【0020】
目的地設定部23は、車両1の乗員(主として運転者)によるタッチスイッチ51bの操作、或いはマイク61に入力される乗員の音声による指示等に応じて、これから走行する車両1の経路の目的地を設定する。経路案内部24は、車両1の現在位置(出発地)から目的地までの経路(ルート)を、地図情報取得部22により取得された道路の情報に基づいて決定し、運転者に対して経路案内(ナビゲーション)を行う。具体的には、経路案内部24は、車両1が経路に沿って走行するように、表示器51aへの経路地図の表示及びスピーカー60からの音声ガイダンスの出力等を行う。
【0021】
自動運転区間情報取得部25は、経路案内部24により決定された現在地から目的地までの経路のうち、自動運転制御による車両1の走行が可能な区間である自動運転区間(例えば、高速道路)の情報を取得する。自動運転区間情報取得部25は、地図情報データ71から、自動運転区間の勾配、カーブの多さ、道路の周囲状況(市街地、郊外等)の情報を取得する。また、自動運転区間情報取得部25は、情報サーバー101から自動運転区間の環境(景色、静けさ等)の情報を取得する。自動運転区間情報取得部25は、取得したこれらの情報(自動運転区間情報)を記録した自動運転区間情報データ42を、メモリ40に保存する。
【0022】
図2は、自動運転区間情報と、自動運転区間情報に適合した推奨行為とを対応付けた推奨行為テーブル200と、乗員による操作に応じて設定された各推奨行為の優先度を示す優先度設定テーブル201とを示している。
【0023】
推奨行為決定部26は、
図2に示した推奨行為テーブル200を参照して、自動運転区間情報、自動運転区間の走行時間、及び自動運転レベル(完全自動運転制御、半自動運転制御等)に基づいて、自動運転区間に適合した推奨行為を決定する。例えば、自動運転区間情報が自動運転区間にカーブが少ない区間があることを示しているときには、推奨行為決定部26は、カーブが少ない区間に割り当てられた推奨行為である食事及び読書を、自動運転区間に適合した推奨行為として決定する。
【0024】
実施タイミング決定部27は、自動運転区間情報データ42を参照して、推奨行為を実施するタイミングを決定する。推奨行為報知部28は、推奨行為決定部26により決定された推奨行為と、実施タイミング決定部27により決定された推奨行為の実施タイミングとに応じて、推奨行為を実施するスケジュールを作成して報知する。
【0025】
[2.推奨行為の報知処理]
図3~
図4に示したフローチャートに従って、情報提供装置10により実行される推奨行為の報知処理について説明する。情報提供装置10は、経路案内部24により決定された経路に自動運転区間が含まれている場合に、
図3~
図4に示したフローチャートによる処理を実行する。
【0026】
図3のステップS1~S2は、推奨行為決定部26による処理である。推奨行為決定部26は、ステップS1で、経路案内部24により決定された経路における自動運転可能時間(自動運転区間の走行時間)Taを算出する。続くステップS2で、推奨行為決定部26は、自動運転可能時間Ta、自動運転レベル、及び自動運転区間情報取得部25により取得された自動運転区間情報等に基づいて、自動運転区間における推奨行為を決定し、推奨行為の選択画面を表示器51aに表示する。なお、自動運転区間情報取得部25による処理は、本発明の情報提供方法における自動運転区間情報取得ステップに相当する。また、推奨行為決定部26による処理は、本発明の情報提供方法における推奨行為決定ステップに相当する。
【0027】
図5に示したように、推奨行為決定部26は、出発地Psから目的地Peまでの経路Rtの地図を表示したナビゲーション画面に、推奨行為の選択部310を重畳させた画面300を、表示器51aに表示する。選択部310には、推奨行為のアイコンの一覧311、各推奨行為の選択ボタン312、及び各推奨行為の優先度設定ボタン313が含まれている。運転者は、選択ボタン312をタッチ操作して各推奨行為を選択すると共に、優先度設定ボタン313を操作して推奨行為の優先度(1~5)を設定する。優先度は1が最高であり、5が最低である。
【0028】
選択された推奨行為については、先端ボタン312がチェック済み表示となる。また、実行不能な行為については、選択不可となる。
図5の例では、自動運転のレベルが完全自動ではなく、半自動であって運転者の操作が必要であるため、睡眠の選択が不可である場合を示している。選択が不可である睡眠のアイコンは暗表示とされ、選択ボタン312及び優先度設定ボタン313は表示されていない。
【0029】
次のステップS3は、実施タイミング決定部27及び推奨行為報知部28による処理である。実施タイミング決定部27は、ステップS2で選択された推奨行為と、自動運転区間情報により示される自動運転区間の道路特性(カーブの量、勾配、景色等)に基づいて、各推奨行為の実施タイミングを決定する。なお、実施タイミング決定部27による処理は、本発明の情報提供方法における実施タイミング決定ステップに相当する。また、推奨行為報知部28による処理は、本発明の情報提供方法における推奨行為報知ステップに相当する。
【0030】
続くステップS4~S5は、推奨行為報知部28による処理である。推奨行為報知部28は、ステップS4で、実施タイミング決定部27により決定された各推奨行為の実施タイミングを示すスケジュールを決定して、
図6に示したように、スケジュールを示す画面400を表示器51aに表示する。
図6では、出発地Psから途中箇所P51~P56を経由して目的地Peに至る経路Rtを示す地図表示に、食事区間(P51~P52)、メール区間(P53~P55)、及び音楽鑑賞区間(P55~P56)を設定したスケジュールが表示されている。
【0031】
推奨行為報知部28は、画面400に、「←他のスケジュールを表示」ボタン410、「このスケジュールに決定する」ボタン411、及び「他のスケジュールを表示→」ボタン412を表示する。そして、推奨行為報知部28は、「このスケジュールに決定する」ボタン411がタッチ操作されたときは、画面400に表示しているスケジュールを、運転者に対して実施タイミングの報知を行うスケジュールに決定し、ステップS5に処理を進める。
【0032】
また、「←他のスケジュールを表示」ボタン410又は「他のスケジュールを表示→」ボタン412が操作されたときには、推奨行為報知部28は、表示中のスケジュールとは別のスケジュールを画面400に表示する。
【0033】
続くステップS5で、推奨行為報知部28は、車両1による経路の走行の進行に従って、スケジュールにおける各推奨行為の実施タイミングになったことを判断して、
図7に示したように表示器51aに、報知画面500を表示する。
図7の例では、音楽鑑賞の実施タイミングになったこと(車両1が音楽鑑賞の推奨区間に到達したこと)を報知するポップアップ部510が表示されている。
【0034】
ポップアップ部510には、音楽のプレイリスト511が含まれ、運転者は、プレイリスト511に表示されているプレイリストA~Gボタンの何れかをタッチ操作することにより、プレイリストを選択することができる。情報提供装置10は、選択されたプレイリストにより示される音楽を再生してスピーカー60から出力する。
【0035】
情報提供装置10は、続くステップS6で、車両1が自動運転から手動運転への切替地点に近づいたか否かを判断し、自動運転から手動運転への切替地点に近づいたときにステップS7に処理を進める。ステップS7で、情報提供装置10は、手動運転に切り替わることを、表示器51aへの表示とスピーカー60からの音声出力によって運転者に通知する。
【0036】
[3.スケジュールの決定処理]
図4に示したフローチャートに従って、
図3のステップS3における推奨行為報知部28による推奨行為の実施スケジュールの決定処理について説明する。
図4のフローチャートは、運転者が推奨行為の中から「食事」と「音楽鑑賞」を選択し、「食事」の優先度を「1」に設定し、「音楽鑑賞」の優先度を「2」に設定した場合の例を示している。
【0037】
図4のステップS10で、推奨行為報知部28は、自動運転区間において、勾配やカーブが少ない区間S1とS1の走行時間(予測時間)T1を算出する。また、続くステップS11で、推奨行為報知部28は、「音楽鑑賞」に必要な最低限時間Tmを参照する。
【0038】
次のステップS12で、推奨行為報知部28は、自動運転可能時間Taから勾配やカーブが少ない走行区間S1の走行時間T1を減じた時間(Ta-T1)が、最低限時間Tm以上である(Tm≦Ta-T1)か否かを判断する。そして、推奨行為報知部28は、Tm≦Ta-T1であるときはステップS13に処理を進め、Tm>Ta-T1であるときにはステップS20に処理を進める。
【0039】
Tm≦Ta-T1であるとき(ステップS12でYES)は、自動運転区間において、勾配やカーブが少ない走行区間S1の走行時間T1を全て、優先度が高い「食事」に割り当てても、残り時間内に「音楽鑑賞」に必要な最低限時間Tmを確保できる。そこで、ステップS13で、推奨行為報知部28は、騒音の少ない走行区間S2と走行区間S2の走行時間(推定時間)S2を算出する。
【0040】
次のステップS14で、推奨行為報知部28は、勾配やカーブが少ない走行区間S1と騒音の少ない走行区間S2との重複区間があるか否かを判断する。そして、推奨行為報知部28は、S1とS2の重複区間があるときはステップS20に処理を進め、S1とS2の重複区間がないときにはステップS15に処理を進める。
【0041】
ステップS15で、推奨行為報知部28は、「食事」と「音楽鑑賞」を異なる走行区間で行うスケジュールを作成して、ステップS16に処理を進める。
図8の上段は、「食事」と「音楽鑑賞」を異なる走行区間で行うスケジュールの例である。この例では、自動運転区間P11~P13において、P11~P12が「食事」の実施区間に設定され、P12~P13が「音楽鑑賞」の実施区間に設定されている。
【0042】
ステップ20で、推奨行為報知部28は、「食事」と「音楽鑑賞」を、一部又は全部が重複する走行区間で行うスケジュールを作成して、ステップS16に処理を進める。
図8の中段は、「食事」と「音楽鑑賞」を一部が重複する走行区間で行うスケジュールの例である。この例では、自動運転区間P21~P24において、P21~P22が「食事」の実施区間に設定され、P22~P24が「音楽鑑賞」の実施区間に設定されている。この場合、P22~P23の区間が重複している。
【0043】
また、
図8の下段は、「食事」と「音楽鑑賞」を全部が重複する走行区間で行うスケジュールの例である。この例では、自動運転区間P31~P33いおいて、P31~P32が「食事」及び「音楽鑑賞」の実施区間に設定されている。この場合、P31~P32の区間が重複している。
【0044】
ステップS16で、推奨行為報知部28は、ステップS15又はS20で作成したスケジュールを、表示器51aに表示する。
【0045】
[4.他の実施形態]
上記実施形態では、情報提供装置10が車両1に搭載されている例を示したが、本発明の情報提供装置は、ポータブルタイプであって、運転者が車両1に持ち込んで使用される構成であってもよい。この場合、ポータブルタイプの情報提供装置は、専用機であってもよく、スマートフォン等の汎用端末において情報提供装置用のアプリケーションプログラムを実行する構成であってもよい。
【0046】
上記実施形態では、推奨行為に優先度を設定し、優先度に従って推奨行為を実施するスケジュールを決定したが、推奨行為に優先度を設定しない場合であっても、本発明の効果を得ることができる。
【0047】
上記実施形態では、推奨行為と推奨行為の実施タイミングを報知したが、実施タイミングの報知を行わない場合であっても、本発明の効果を得ることができる。
【0048】
上記実施形態では、本発明の移動体として、道路を走行する車両1を示したが、本発明の移動体はこれに限らず、自動運転機能を有する移動体(鉄道車両、船舶等)であれば、本発明の適用が可能である。
【0049】
なお、
図1は、本願発明を理解容易にするために、情報提供装置10の機能構成を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、情報提供装置10の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
【0050】
また、情報提供装置10においてCPU20で実行される制御用プログラム41は、例えば、通信ネットワークを介して外部サーバーからダウンロードされ、それからRAM等のメモリ40上にロードされてCPU20により実行されるようにしてもよい。また、通信ネットワークを介して、外部サーバーからRAM等のメモリ40に直接ロードされ、CPU20により実行されるようにしてもよい。或いは、情報提供装置10に接続された記憶媒体から、RAM等のメモリ40上にロードされるようにしてもよい。
【0051】
また、
図3,4に示したフローチャートの処理単位は、情報提供装置10による処理の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。情報提供装置10の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。また、同様の処理結果が得られるのであれば、上記各フローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
【符号の説明】
【0052】
1 車両
10 情報提供装置
20 CPU
21 現在位置検出部
22 地図情報取得部
23 目的地設定部
24 経路案内部
25 自動運転区間情報取得部
26 推奨行為決定部
27 実施タイミング決定部
28 推奨行為報知部
40 メモリ
41 制御用プログラム
42 自動運転区間情報データ
50 操作ユニット
51 タッチパネル
51a 表示器
51b タッチスイッチ
52 ボタンスイッチ
60 スピーカー
61 マイク
63 ジャイロセンサ
64 GPS受信機
65 ネットワーク通信部
70 記憶装置
71 地図情報データ
100 通信ネットワーク
101 情報サーバー
200 推奨行為テーブル
201 優先度設定テーブル
300 ナビゲーション画面
310 選択リスト
311 一覧
312 選択ボタン
313 優先度設定ボタン