(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】衣服
(51)【国際特許分類】
A41D 13/002 20060101AFI20220518BHJP
【FI】
A41D13/002 105
(21)【出願番号】P 2018085706
(22)【出願日】2018-04-26
【審査請求日】2021-01-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】特許業務法人勇智国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100105120
【氏名又は名称】岩田 哲幸
(74)【代理人】
【識別番号】100106725
【氏名又は名称】池田 敏行
(74)【代理人】
【識別番号】100125955
【氏名又は名称】藤田 有三子
(72)【発明者】
【氏名】山内 憲
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/009108(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/171531(WO,A1)
【文献】特開2009-143336(JP,A)
【文献】特開2003-161086(JP,A)
【文献】特開2005-041300(JP,A)
【文献】国際公開第2015/140926(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D13/00-13/12
A41D20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服であって、
着用者の身体の少なくとも一部を覆うように構成され、且つ、開口部を有する服地と、
前記服地に着脱可能に構成された送風装置とを備え、
前記服地のうち、前記開口部を全周に亘って取り巻く周縁部は、第1の厚みを有する薄肉部と、前記第1の厚みよりも大きい第2の厚みを有する厚肉部とを含み、
前記送風装置は、
ファンと、
前記ファンを収容し、且つ、前記開口部に一部が挿通可能に構成されたハウジング
であって、前記ファンの回転軸と同軸状に配置され、前記開口部に挿通される筒状部と、前記筒状部から前記回転軸に対して径方向外側に突出するとともに、第1面を有する突出部とを含むハウジングと、
第2面を有し、前記ハウジングの
前記突出部との間で前記周縁部の少なくとも一部を挟持するように構成された挟持部とを備え、
前記
突出部および前記挟持部は、
前記第1面と前記第2面とが、前記回転軸の延在方向において前記第1の厚みに対応する隙間をあけて対向し、前記薄肉部の少なくとも一部を挟持するように構成さ
れており、
前記
突出部および前記挟持部のうち少なくとも一方は、前記
回転軸の延在方向において前記第2の厚みに対応する隙間を形成し、前記厚肉部の少なくとも一部を収容可能な凹部を有
し、
前記薄肉部の少なくとも一部は、前記厚肉部に対し、前記開口部の径方向外側に設けられ、
前記凹部は、前記突出部および前記挟持部のうち少なくとも一方の前記径方向外側の縁よりも内側に設けられ、
前記服地のうち、少なくとも前記周縁部は、ゴム製または可撓性を有する樹脂製のシートによって形成されており、
前記薄肉部および前記厚肉部は、前記シートの厚みが異なる部分として一体的に形成されていることを特徴とする衣服。
【請求項2】
請求項
1に記載の衣服であって、
前記厚肉部は、前記開口部を全周に亘って取り巻くように環状に設けられていることを特徴とする衣服。
【請求項3】
請求項
2に記載の衣服であって、
前記突出部は、環状のフランジ部として構成されており、
前記挟持部は、前記フランジ部に対向するように前記筒状部の外周に着脱可能に構成された環状部材であって、
前記凹部は、前記突出部および前記挟持部のうち少なくとも一方に環状に設けられていることを特徴とする衣服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風装置が着脱可能な衣服に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ファンを収容する本体と、取付けリングとを備えた送風装置を着脱可能な衣服が開示されている。送風装置は、衣服に形成された開口部に本体の一部が挿入された状態で、本体に設けられたフランジと取付けリングとが服地を挟持することで、衣服に取り付けられる。この衣服は、服地が引っ張られた場合に送風装置が衣服から容易に外れることを防止するために、開口部の周囲に縫い込まれた円環状の補強板を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、開口部の周囲の服地の伸び縮みを防ぐため、補強板の素材としては、プラスチックや金属が採用されている。このため、フランジと取付けリングによって挟持される開口部の周縁部全体が、他の部分に比べて厚みが大きくなったり、あるいは硬くなったりしやすい。そこで、送風装置の脱落を防止することが可能なより合理的な構成が求められている。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、送風装置を着脱可能な衣服において、送風装置の脱落を防止するための合理的な構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様として、服地と、送風装置とを備えた衣服が提供される。服地は、着用者の身体の少なくとも一部を覆うように構成されている。また、服地は、開口部を有する。送風装置は、服地に着脱可能に構成されている。服地のうち、開口部を全周に亘って取り巻く周縁部は、第1の厚みを有する薄肉部と、第1の厚みよりも大きい第2の厚みを有する厚肉部とを含む。送風装置は、ファンと、ハウジングと、挟持部とを備えている。ハウジングは、ファンを収容する。また、ハウジングは、開口部にその一部が挿通可能に構成されている。挟持部は、ハウジングとの間で周縁部の少なくとも一部を挟持するように構成されている。ハウジングおよび挟持部は、所定方向において第1の厚みに対応する隙間をあけて対向し、薄肉部の少なくとも一部を挟持するように構成された第1面および第2面を夫々に有する。更に、ハウジングおよび挟持部のうち少なくとも一方は、所定方向において第2の厚みに対応する隙間を形成し、厚肉部の少なくとも一部を収容可能な凹部を有する。
【0007】
なお、本態様にいう「挟持」とは、必ずしも第1面と第2面とが薄肉部全体を両側から押さえつけた状態を要するものではなく、第1面と第2面とが薄肉部に実質的に接触可能な状態も含みうる。また、「第1または第2の厚みに対応する」とは、第1または第2厚みに等しいことを要するものではなく、若干大きいまたは小さいことも許容する意である。
【0008】
本態様に係る衣服は、送風装置が装着された状態では、送風装置のハウジングの一部が服地の開口部に挿通され、ハウジングと挟持部との間で、開口部を全周に亘って取り巻く周縁部の少なくとも一部が挟持される。このとき、ハウジングの第1面と挟持部の第2面とが、周縁部のうち薄肉部を挟持する一方、ハウジングおよび挟持部のうち少なくとも一方に設けられた凹部が、薄肉部よりも厚い厚肉部を収容する。つまり、周縁部と、ハウジングおよび挟持部とが、凹凸構造を介して係合する。このため、服地が引っ張られた場合でも、この係合によって、送風装置が周縁部から外れ、衣服から脱落するのを効果的に防止することができる。このように、本態様によれば、送風装置が衣服から脱落するのを防止するための合理的な構成が実現される。
【0009】
本発明の一態様において、薄肉部の少なくとも一部は、厚肉部に対し、開口部の径方向外側に設けられていてもよい。ハウジングは、筒状部と、突出部とを含んでいてもよい。筒状部は、ファンの回転軸と同軸状に配置され、服地の開口部に挿通される部分である。突出部は、筒状部からファンの回転軸に対して径方向外側に突出するとともに、第1面を有する部分である。そして、突出部および挟持部は、第1面と第2面とが回転軸の延在方向において対向して薄肉部の少なくとも一部を挟持するように構成されていてもよい。更に、凹部は、突出部および挟持部のうち少なくとも一方の径方向外側の縁よりも内側に設けられていてもよい。
【0010】
本態様によれば、周縁部は、ファンの回転軸に対して径方向外側に筒状部から突出する突出部と、ファンの回転軸方向に突出部に対向する挟持部との間で挟持される。よって、突出部と挟持部とで周縁部を容易に挟持することができる。また、厚肉部は、突出部および挟持部のうち少なくとも一方の径方向外側の縁よりも内側で凹部に収容され、薄肉部は、厚肉部の径方向外側で、第1面と第2面の間に挟持される。よって、周縁部が、ファンの回転軸に対して径方向外側に引っ張られても、送風装置が周縁部から外れ、衣服から脱落するのを効果的に防止することができる。
【0011】
本発明の一態様において、厚肉部は、開口部を全周に亘って取り巻くように環状に設けられていてもよい。言い換えると、周縁部は、開口部の全周に亘って、環状の凸部としての厚肉部を含んでいてもよい。本態様によれば、開口部の全周に凹凸構造を有する周縁部と、ハウジングおよび挟持部とを、より容易に係合させることができる。更に、本態様において、突出部は、環状のフランジ部として構成されていてもよい。挟持部は、フランジ部に対向するように筒状部の外周に着脱可能に構成された環状部材であってもよい。更に、凹部は、突出部および挟持部のうち少なくとも一方に環状に設けられていてもよい。この場合、周縁部と、ハウジングおよび挟持部とが、開口部の全周に亘って凹凸構造を介して係合するため、送風装置が周縁部から外れ、衣服から脱落するのをより確実に防止することができる。また、衣服に対する送風装置の装着の安定性を高めることができる。
【0012】
本発明の一態様において、薄肉部は、服地の一部によって形成されていてもよい。一方、厚肉部は、服地の一部と、環状の弾性部材とによって形成されていてもよい。本態様によれば、環状の弾性部材を服地に取り付けるという簡便な方法で厚肉部を形成することができる。
【0013】
本発明の一態様において、服地のうち、少なくとも周縁部は、樹脂製またはゴム製のシートによって形成されていてもよい。そして、薄肉部および厚肉部は、シートの厚みが異なる部分として一体的に形成されていてもよい。本態様によれば、異なる厚みを有する薄肉部と厚肉部を含む周縁部を、簡便な方法で形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図5】上着に装着された状態の送風装置の断面図である。
【
図7】上着のファン取付け部およびその周辺領域の説明図である。
【
図9】リング部材が装着された状態のハウジングの断面図である。
【
図10】
図5に対応する、第1の変形例のファン取付け部と送風装置の説明図である。
【
図11】
図5に対応する、第2の変形例のファン取付け部と送風装置の説明図である。
【
図12】
図5に対応する、第3の変形例のファン取付け部と送風装置の説明図である。
【
図13】第4の変形例に係る服地と送風装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、本発明に係る送風装置の一例として、送風装置500を例示する。また、送風装置500を着脱可能な衣服として、上着1を例示する。
【0016】
まず、本実施形態の上着1および送風装置500の概略構成と、送風装置500の使用態様について、簡単に説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施形態の送風装置500は、例えば、上着1に装着されて使用される。
図2に示すように、上着1は、左右の前身頃、後身頃、および袖を含み、着用者の上半身を覆う服地10を主体として構成された、前開きで長袖の上衣である。上着1は、一般的には、下着やTシャツ等の上に着用される。服地10は、後身頃の下方(詳細には、着用時に使用者の腰周りの背中側を覆う部分)の2箇所に、送風装置500を取り付けるための取付け孔11を有する。つまり、上着1には、2つの送風装置500が取り付け可能である。なお、取付け孔11は、送風装置500のハウジング50(
図4参照)の最大径と概ね同径の円形の貫通孔として構成されている。
【0018】
図3~
図5に示すように、送風装置500は、モータ61およびファン63(
図5参照)を収容するハウジング50と、リング部材57とを備えている。ハウジング50は、ファン63の形状に対応して、ファン63の回転軸A1方向にみて概ね円形の収容体として構成されている。ハウジング50の回転軸A1方向における一端部には、回転軸A1に対して径方向外側に突出する環状のフランジ部52が設けられている。リング部材57は、全体としては、ハウジング50の外周部に着脱可能な短尺の円筒体として形成されている。リング部材57(より詳細には、後述の筒状部571)の中心軸A2方向における一端部には、径方向外側に突出する環状のフランジ部573が設けられている。
【0019】
本実施形態では、送風装置500は、フランジ部52が上着1の外面側(使用者の身体とは反対側)に配置された状態で、ハウジング50のフランジ部52以外の部分が取付け孔11から上着1の内部(使用者の身体側)に挿入される。そして、所定の動作線に沿って、リング部材57が上着1の内部からハウジング50の外周部に同軸状に嵌め込まれる。これにより、ハウジング50のフランジ部52とリング部材57のフランジ部573とによって服地10(詳細には、取付け孔11の周縁部)が挟持された状態で、送風装置500が上着1に対して装着される。送風装置500は、吸気口530(
図1参照)を介して上着1の外部から空気を吸い込み、排気口540から上着1の内部へ向けて送出する。上着1の内部へ送出された空気は、使用者の身体を冷却しつつ上着1の内部を流れ、襟元や袖口から上着1の外部へ流出する。送風装置500の装着によって上着1内を通気可能とすることで、使用者は高温下においても快適な作業環境を得ることができる。
【0020】
なお、以下の説明では、便宜上、送風装置500の方向に関しては、送風装置500が上着1に装着され、更に上着1が着用されたときの使用者の向きを基準として定義する。具体的には、ファン63の回転軸A1の延在方向(回転軸A1方向ともいう)を前後方向、上着1の外面側(つまり、ハウジング50の吸気口530およびフランジ部52側)を後側、上着1の内面側(つまり、ハウジング50の排気口540側)を前側とする。また、回転軸A1および中心軸A2周りの周方向に関しては、送風装置500を前側からみた場合を基準として、時計回り方向CWおよび反時計回り方向CCW(
図4参照)を規定する。
【0021】
以下、上着1の詳細構成について説明する。
【0022】
上述のように、
図2に示す上着1は、着用者の上半身を覆うように構成された服地10を備えている。一般的に、服地10は、前身頃、後身頃、袖等の複数の部分が縫い合わせられることで形成される。服地10は、少なくとも1層のシート状素材で構成されていればよい。典型的には、服地10を構成するシート状部材として、天然繊維、化学繊維、またはこれらを複合した繊維を含む生地(織物、編物、不織布等)が採用される。なお、本実施形態では、送風装置500によって上着1の内部に送出された空気が服地10を通過することを抑制するために、比較的通気性の低い化学繊維の織物生地が採用されている。また、本実施形態では、服地10のほぼ全体が、同じ織物生地で構成されているが、服地10は、異なる素材で構成された部分を含んでもいてもよい。
【0023】
また、上述のように、服地10の後身頃には、2つの取付け孔11が形成されている(
図2参照)。取付け孔11の周縁部、つまり、取付け孔11を全周に亘って取り巻く領域は、送風装置500が上着1に装着される場合に、ハウジング50のフランジ部52とリング部材57とによって挟持される領域である。この領域を、ファン取付け部13ともいう。
【0024】
本実施形態では、ファン取付け部13は、送風装置500が服地10から外れることを防止するための構成を有する。より詳細には、
図5に示すように、ファン取付け部13は、服地10の一部によって形成された薄肉部131と、服地10の一部および弾性リング136によって形成された厚肉部135とを含む。
【0025】
本実施形態では、薄肉部131は、生地が複数層に重ねられ、縫い合わされた部分として構成されている。具体的には、
図6および
図7に示すように、薄肉部131は、例えば、後身頃を構成する生地(後身頃地)101の内面(使用者の身体側に対向する面)側に、取付け孔11を中心として別の生地(当て布)103が縫い付けられることで形成されている(折り返された縫い代および縫目の図示は省略)。このとき、弾性リング136が後身頃地101と当て布103の間に配置され、取付け孔11の縁に沿って縫い込まれることで、厚肉部135が形成されている。本実施形態では、弾性リング136として、ゴム製のリング(いわゆるOリング)が採用されている。このような構成により、厚肉部135の厚みT2は、概ね弾性リング136の厚み分だけ、薄肉部131の厚みT1よりも大きい。詳細は後述するが、薄肉部131は、ファン取付け部13のうち、フランジ部52の挟持面521とフランジ部573の挟持面574によって挟持される部分として構成されている。一方、厚肉部135は、リング部材57の凹部575に収容される部分として構成されている。
【0026】
また、
図2に示すように、上着1(例えば、前身頃)には、ポケット17が設けられている。ポケット17には、送風装置500の電源としてのバッテリ8が装着されたバッテリホルダ81を収容可能である。バッテリホルダ81と2つの送風装置500は、二股状の接続ケーブル83によって電気的に接続される。
【0027】
以下、送風装置500の詳細構成について説明する。
【0028】
まず、ハウジング50内に収容されたモータ61およびファン63について説明する。
図5に示すように、本実施形態では、モータ61として、比較的小型で高出力なブラシレスモータが採用されている。また、ファン63として、複数の羽根を備えた軸流ファンが採用されている。ファン63は、モータ61のロータと共に回転するモータシャフト611に同軸状に取り付けられている。ファン63は、モータ61の駆動に伴って、モータシャフト611の回転軸A1周りにモータシャフト611と一体的に回転される。なお、本実施形態では、バッテリホルダ81(
図2参照)には、送風装置500(詳細には、モータ61)の駆動開始および停止の指示を入力するための操作ボタン(図示略)が設けられている。また、操作ボタンは、モータ61の回転数の設定のための指示も入力可能とされている。そして、バッテリホルダ81に搭載されたコントローラ(例えば、CPUを備えたマイクロコンピュータ、図示略)によって、設定された回転数に応じてモータ61の駆動制御が行われる。
【0029】
次に、ハウジング50について説明する。
図4および
図5に示すように、ハウジング50は、筒状部51と、フランジ部52と、吸気側カバー部53と、排気側カバー部54とを含む。なお、本実施形態のハウジング50は樹脂製である。
【0030】
筒状部51は、概ね円筒状に形成されており、ファン63の回転軸A1と同軸状に、ファン63の一部を囲むように配置されている。筒状部51は、送風装置500が上着1に装着されるときに、取付け孔11に挿通される部分である。なお、筒状部51の外周部には、リング部材57を回転軸A1方向および回転軸A1周りの周方向においてハウジング50に対して係止するための構成が設けられているが、この点については、後で詳述する。
【0031】
フランジ部52は、筒状部51の後端部(つまり、回転軸A1方向においてファン63の吸気側に位置する端部)から径方向外側に突出する環状の部分である。フランジ部52は、リング部材57が筒状部51に嵌め込まれたときに、回転軸A1方向においてリング部材57に対向し、ファン取付け部13を挟持するように構成されている。フランジ部52の前面は、フランジ部573の後面との間でファン取付け部13(詳細には、薄肉部131)を挟持する挟持面521として機能する(
図6参照)。
【0032】
図5に示すように、吸気側カバー部53は、筒状部51の後端部を覆うように配置されている。
図1に示すように、吸気側カバー部53は、後側からみて中央部に配置された板状の閉塞部531と、閉塞部531から概ね放射状に延在し、筒状部51の後端部に接続する複数のリブ533とを含む。閉塞部531と複数のリブ533と筒状部51の後端部によって規定される開口が、吸気口530を構成する。なお、吸気口530は、回転軸A1方向に吸気側カバー部53を貫通している。
【0033】
図3および
図4に示すように、排気側カバー部54は、筒状部51の前端部(つまり、回転軸A1方向においてファン63の排気側に位置する端部)を覆うように配置されている。本実施形態では、排気側カバー部54は、全体としては、回転軸A1方向において筒状部51の前端部から離れる方向(前方)に突出する円形ドーム状に形成されている。排気側カバー部54は、前側からみて中央部に配置された円板状の閉塞部541と、全体としては閉塞部541から円弧状に延在して筒状部51の前端部に接続する複数のリブ543とを含む。閉塞部541と複数のリブ543と筒状部51の前端部によって規定される開口が、排気口540を構成する。なお、排気口540は、回転軸A1方向および回転軸A1に交差する方向に排気側カバー部54を貫通している。ファン63が回転駆動されると、後方から前方へ、吸気口530を通ってハウジング50内へ流入した空気は、排気口540を通って、後方から前方へ、また径方向外側へ向かって流出する。
【0034】
なお、
図3および
図5に示すように、排気側カバー部54の周方向における一部には、凹部545が設けられている。凹部545に対して回転軸A1側には、モータ61に電気的に接続されたコネクタ62が配置されている。上述のようにバッテリホルダ81に接続された接続ケーブル83のコネクタ831(
図2参照)が凹部545に配置され、コネクタ62に接続されることで、バッテリホルダ81と送風装置500とが電気的に接続される。
【0035】
以下、リング部材57について説明する。
図3~
図5に示すように、リング部材57は、筒状部571と、フランジ部573とを含む。なお、本実施形態では、筒状部571およびフランジ部573は、樹脂によって一体的に形成されている。
【0036】
筒状部571は、ハウジング50の筒状部51に外嵌される部位である。そこで、筒状部51は、ハウジング50の筒状部51の外径よりも僅かに大きい内径を有する短尺状の円筒体として形成されている。なお、筒状部571の外周面には、略三角形状のリブが複数配置されている。これらの三角リブは、使用者が指を掛けてリング部材57を把持したり、中心軸A2周りに回転させたり、回転しないように押えたりすることを容易にするための指掛け部として構成されている。
【0037】
フランジ部573は、リング部材57がハウジング50に装着されたときに、前後方向(回転軸A1方向)においてハウジング50のフランジ部52に対向するように構成されている。より詳細には、フランジ部573は、筒状部571の中心軸A2方向における一端部(具体的には、後端部)から径方向外側に突出する環状の部分として構成されている。なお、本実施形態では、フランジ部573の外径は、ハウジング50のフランジ部52の外径と概ね同じに設定されている。フランジ部573の後面は、フランジ部52の前面である挟持面521との間でファン取付け部13(詳細には、薄肉部131)を挟持する挟持面574として機能する(
図6参照)。
【0038】
更に、本実施形態では、リング部材57は、送風装置500が服地10から外れることを防止するための構成を有する。より詳細には、
図5および
図6に示すように、リング部材57は、後端部に形成された環状の凹部575を有する。凹部575は、径方向において最も内側の端に環状に設けられ、フランジ部573の挟持面574よりも前方へ凹んでいる。詳細は後述するが、凹部575は、リング部材57がハウジング50に装着されたときに、ファン取付け部13の厚肉部135が収容される凹部として構成されている。
【0039】
上述のように構成された送風装置500は、更に、2種類の係止機構を備えている。第1の係止機構は、リング部材57をハウジング50に対して回転軸A1方向(中心軸A2方向)に係止することで、ハウジング50に対するリング部材57の回転軸A1方向の移動を規制するように構成された機構である。第2の係止機構は、リング部材57をハウジング50に対して回転軸A1周りの周方向に係止することで、ハウジング50に対するリング部材57の回転を規制するように構成された機構である。以下、これらの係止機構の構成について、順に説明する。
【0040】
まず、第1の係止機構の構成について説明する。
図4に示すように、本実施形態では、第1の係止機構は、ハウジング50の筒状部51に設けられたガイド溝71と、リング部材57の筒状部571に設けられた係止突起73とを含む。
【0041】
図4および
図8に示すように、ガイド溝71は、筒状部51の外周面から径方向内側に凹むように形成された溝である。ガイド溝71は、全体としては略L字状に形成されており、第1部分711と第2部分714とを含む。第1部分711は、ガイド溝71のうち、筒状部51の前端から後方へ延びる部分である。第2部分714は、ガイド溝71のうち、第1部分711の後側部分から連続して周方向に(詳細には、
図4の時計回り方向CWに)延びる部分である。本実施形態では、ガイド溝71は、リング部材57がハウジング50に対して着脱される過程で、リング部材57の係止突起73が通過可能な経路を規定する溝として構成されている。具体的には、リング部材57がハウジング50に対して着脱される過程で、係止突起73は、ガイド溝71内に挿入され、ガイド溝71に沿って案内される。
【0042】
第1部分711の前端は、リング部材57の係止突起73をガイド溝71へ受け入れる受入口を構成する。第2部分714の前端を規定する壁面(つまり、筒状部51の外周面から溝の底まで径方向内側に伸展する面部)は、周方向に(詳細には、時計回り方向CWに)延在しつつ、フランジ部52に向けて後方に僅かに傾斜している。この壁面を、ガイド面715という。ガイド面715の周方向における中間部には、回転軸A1に概ね直交する面である第1係止部716が形成されている。時計回り方向CWにおいて、第1係止部716の下流側の端(
図8の下端)には、後方(
図8の右方)への僅かな段差718が設けられている。ガイド面715は、段差718から更に下流側へ僅かに傾斜しつつ延びている。
【0043】
ガイド面715の終端部(つまり、第1部分711から最も離れた端部)には、回転軸A1に概ね直交する面である第2係止部717が形成されている。つまり、第2係止部717は、第1係止部716よりも時計回り方向CWにおいて下流側に配置されている。また、回転軸A1方向(つまり、フランジ部52とフランジ部573の対向方向、前後方向)において、第2係止部717は、第1係止部716に対して異なる位置にある。より詳細には、回転軸A1方向において、第2係止部717は、第1係止部716よりもフランジ部52に近い位置(より後方)にある。つまり、回転軸A1方向における第2係止部717とフランジ部52との間の距離は、第1係止部716とフランジ部52との間の距離よりも短い。
【0044】
図4に示すように、係止突起73は、リング部材57の筒状部571の内周面から径方向内側に突出するように設けられている。本実施形態では、係止突起73は、直方体状の突起として、筒状部571の後端に、筒状部571と一体的に形成されている。上述のように、係止突起73はガイド溝71内を案内されるため、係止突起73は、ガイド溝71内に挿入可能なサイズに設定されている。
【0045】
なお、詳細な図示は省略するが、本実施形態では、3つのガイド溝71が、筒状部51の周方向において3箇所に等間隔で設けられている。また、3つの係止突起73が、筒状部571の周方向において3箇所に等間隔で設けられている。
【0046】
次に、第2の係止機構の構成について説明する。
図4、
図8および
図9に示すように、本実施形態では、第2の係止機構は、ハウジング50の筒状部51に設けられた回転係止部75と、リング部材57の筒状部571に設けられた係止片77とを含む。
【0047】
本実施形態では、回転係止部75は、第1凹部751および第2凹部756を含む。第1凹部751および第2凹部756は、いずれも筒状部51の外周面から径方向内側に凹むように形成された凹部であって、係止片77を周方向に係止するように構成されている。
【0048】
図4および
図8に示すように、第1凹部751は、フランジ部52から前方へ向けて筒状部51の前端の近傍まで延在する凹部として設けられている。また、
図9に示すように、第1凹部751は、回転軸A1に直交する断面がV字状に形成されている。第1凹部751を規定する2面のうち、時計回り方向CWにおいて上流側の面752は、概ね径方向に延在する一方、下流側の面753は、面752と筒状部51の外周面とを緩やかに傾斜しながら接続する。面752は、後述する係止片77の爪771と係合する係合面として機能する。また、面753は、第1凹部751内に配置された爪771の時計回り方向CWへの離脱を案内するガイド面として機能する。
【0049】
図4および
図8に示すように、第2凹部756は、時計回り方向CWにおいて第1凹部751の下流側、且つ、回転軸A1方向において筒状部51の概ね中央部に、側面視矩形状の凹部として設けられている。また、
図9に示すように、第2凹部756は、回転軸A1に直交する断面も矩形状に形成されている。第2凹部756を規定する3面のうち、時計回り方向において最上流側の面757は、概ね径方向に延在し、係止片77の爪771と係合する係合面として機能する。更に、
図8に示すように、第2凹部756の前端部は、第1凹部751の前端部よりも筒状部51の前端から離間した位置にある。
【0050】
なお、回転軸A1方向(前後方向)において、第1凹部751の前端と第2凹部756の前端の間の距離は、ガイド溝71の第1係止部716と第2係止部717の間の距離に対応している。また、時計回り方向CWにおいて、第1凹部751の上流側の端と第2凹部756の上流側の端の間の距離は、ガイド溝71の第1係止部716の下流側の端と第2係止部717の下流側の端の間の距離に対応している。
【0051】
図4および
図8に示すように、筒状部51の前端部には、時計回り方向CWにおいて第1凹部751の上流側に、ガイド凹部78が設けられている。ガイド凹部78は、第1凹部751および第2凹部756と比べて浅い凹部であって、前端の中央部が最も深くなるように、全体が湾曲面によって規定されている。ガイド凹部78は、後述する係止片77(詳細には、爪771)を受け入れ、筒状部51の外周面へと案内する。
【0052】
なお、本実施形態では、時計回り方向CWにおいて、上流側から順に、ガイド凹部78、第1凹部751、第2凹部756が配置されている。更に、ガイド凹部78、第1凹部751、第2凹部756を1組として、3組のガイド凹部78、第1凹部751、第2凹部756が、夫々、上述の3つのガイド溝71の間に配置されている。
【0053】
図9に示すように、係止片77は、可撓性を有する帯状部材として、リング部材57の筒状部571の周方向に延在するように、筒状部51と一体的に形成されている。係止片77は、時計回り方向CWにおける上流側端部が筒状部51に接続されており、筒状部51に対して径方向に撓むことができる。係止片77の時計回り方向CWにおける下流側端部(先端部)の内面(中心軸A2側の面)には、径方向内側に突出する爪771が設けられている。係止片77は、爪771を介して上述の第1凹部751および第2凹部756に係止可能に構成されている。また、係止片77の先端部には、径方向外側へ突出するタブ776が設けられている。タブ776は、使用者が、反時計回り方向CCWに指で押圧操作すること、または、指で摘んで操作することができるように構成されており、爪771の第1凹部751(面752)または第2凹部756(面757)に対する係合を解除するのに使用される。
【0054】
以上の構成を有する送風装置500は、使用者によって、上着1(
図1および
図2参照)に取り付けられて使用される。なお、本実施形態の送風装置500は、上述の2種類の係止機構によって、様々な厚みの衣服に対応可能とされている。より詳細には、送風装置500は、上着1以外にも、薄肉部131および厚肉部135とは異なる厚みの薄肉部および厚肉部を含むファン取付け部を備えた衣服に着脱可能である。
【0055】
以下、上着1に対する送風装置500の着脱について説明する。
【0056】
送風装置500を上着1に装着する場合には、使用者はまず、
図4に示すようにリング部材57が取り外された状態のハウジング50を、上着1の取付け孔11(
図2参照)に挿入する。具体的には、フランジ部52の挟持面(前面)521がファン取付け部13の外面に当接した状態で、筒状部51と排気側カバー部54を取付け孔11から上着1の内側へ挿入する。これにより、取付け孔11の縁に沿って弾性リング136が縫い込まれた厚肉部135は、筒状部51の周囲に配置される。厚肉部135は、弾性リング136の弾性力によって、筒状部51の外周面にフィットする。
【0057】
本実施形態の送風装置500は、リング部材57がハウジング50に対して所定の動作線に沿って装着されるように構成されている。なお、「動作線」とは、リング部材57がハウジング50に対して装着されるときに辿る動線、または操作線のことをいう。あるいは、リング部材57がハウジング50に対して装着されるときの装着方向と言い換えることもできる。動作線は、典型的には、所定方向への直線状または曲線状の動作、あるいは、かかる動作が複数組み合わされたものとして表される。本実施形態では、リング部材57は、回転軸A1方向にハウジング50に対して近接する方向(言い換えると、フランジ部573がフランジ部52に近づく方向)に相対移動され、その後、時計回り方向CWに相対移動されることで、ハウジング50に装着される。
【0058】
より具体的には、使用者は、係止突起73がガイド溝71の受入口に夫々対向し、且つ、係止片77の爪771がガイド凹部78に対向するように、リング部材57をハウジング50に対して位置合わせする。そして、使用者は、リング部材57をハウジング50に対して後方へ移動する。係止突起73がガイド溝71のうち第1部分711に沿って案内されることで、リング部材57は、ハウジング50に対して回転軸A1方向に後方へ装着案内される。係止突起73が第2部分714の位置に達すると、使用者は、リング部材57をハウジング50に対して時計回り方向CWに回転させ、係止突起73を第2部分714に進入させる。なお、これに伴い、係止片77の爪771は、ガイド凹部78を規定する湾曲面に沿ってガイド凹部78から離脱する。係止片77が径方向外側に撓んだ状態で、爪771は、筒状部51の外周面に沿って時計回り方向CWに移動する。
【0059】
係止突起73が第2部分714内に配置されている場合、係止突起73は、ガイド面715によって回転軸A1方向において前方への移動が規制される。使用者は、
図8に示すように、上着1のファン取付け部13の厚みに応じて、係止突起73の前端が、第1係止部716に当接する第1位置、または、第2係止部717に当接する第2位置に配置されるまで、リング部材57を時計回り方向CWに回動させる。係止突起73は、第1位置において、時計回り方向CWにおける下流側の端が、第1係止部716の下流側に形成された段差718に当接する。係止突起73は、第2係止位置において、時計回り方向CWにおける下流側の端が、第2部分714の下流側の端に当接する。よって、使用者は、係止突起73の前端面がガイド面715に沿って時計回り方向CWに移動するようにリング部材57を回動させることで、係止突起73を第1位置または第2位置まで容易且つスムーズに移動させることができる。
【0060】
係止突起73が第1位置に配置されたときのフランジ部573とフランジ部52との間の対向方向(つまり、回転軸A1方向、前後方向)における距離(つまり、挟持面574と挟持面521の間の距離)は、係止突起73が第2位置に配置されたときの距離よりも大きい。フランジ部573とフランジ部52との間の距離は、フランジ部573とフランジ部52とで挟持可能なファン取付け部13(詳細には、薄肉部131)の厚みに対応する。よって、使用者は、ファン取付け部13の厚みに応じて、係止突起73を第1位置と第2位置のどちらに係止させればよい。何れの場合も、係止突起73が前方でガイド面715の第1係止部716または第2係止部717に係止されることで、回転軸A1方向において、リング部材57がハウジング50から離れる方向(前方)に移動することが規制される。
【0061】
更に、係止突起73が第1位置に配置されると、
図9に示すように、爪771は、係止片77の復元力で第1凹部751内に入り込み、面752に係合する。同様に、係止突起73が第2位置に配置されると、爪771は、係止片77の復元力で第2凹部756内に入り込み、面757に係合する。何れの場合も、係止片77が第1凹部751または第2凹部756に周方向に係止されることで、リング部材57が周方向(特に、反時計回り方向CCW)に回転することが規制される。
【0062】
本実施形態の上着1のファン取付け部13は比較的薄いため、使用者は、係止突起73が第2位置に配置されるまで、ハウジング50に対してリング部材57を移動させる。係止突起73が第2位置に配置されると、
図6に示すように、挟持面574と挟持面521は、回転軸A1方向(前後方向)において、ファン取付け部13の薄肉部131の厚みT1に対応する隙間をあけて対向し、薄肉部131を挟持する。より詳細には、挟持面574と挟持面521は、厚みT1に対応する距離D1だけ離間して、概ね平行に配置される。なお、ここでいう挟持とは、薄肉部131全体を両側から押さえつけた状態である必要はなく、薄肉部131に実質的に接触可能な状態であることを含む意である。また、「厚みT1に対応する」とは、厚みT1と概ね等しいか、厚みT1より若干大きいまたは小さいことをいうものである。
【0063】
また、凹部575は、径方向においてリング部材57の最も内側でフランジ部52の挟持面521に対向して、前後方向において、ファン取付け部13の厚肉部135の厚みT2に対応する隙間を形成する。より詳細には、凹部575の底面576と挟持面521は、厚肉部135の厚みT2に対応する距離D2(典型的には、厚みT2と概ね等しい距離)だけ離間して概ね平行に配置される。なお、「厚みT2に対応する」とは、厚みT2と概ね等しいか、厚みT2より若干大きいまたは小さいことをいうものである。このような構成により、係止突起73が第2位置に配置されると、凹部575は、筒状部51の周囲に配置された厚肉部135を収容する。凹部575の径方向外側では、挟持面574と挟持面521の間の隙間が小さいため、厚肉部135は凹部575に係合した状態で保持される。これにより、服地10が引っ張られた場合でも、送風装置500がファン取付け部13から外れることを防止することができる。
【0064】
一方、送風装置500が、上着1に代えて、薄肉部131と厚肉部135よりも夫々厚みが大きい薄肉部と厚肉部とを含むファン取付け部(但し、薄肉部と厚肉部の厚みの差が、厚みT1とT2の差と概ね等しいファン取付け部)を備えた衣服に装着される場合には、係止突起73が第1位置に配置された状態で、リング部材57がハウジング50に装着されればよい。この場合も、凹部575に係合した状態で保持される厚肉部によって、送風装置500がファン取付け部13から外れることを防止することができる。
【0065】
送風装置500を上着1から取り外す時には、リング部材57は、動作線を装着時とは反対方向に辿ることになる。つまり、リング部材57は、反時計回り方向CCWに相対移動され、その後、回転軸A1方向にハウジング50から離れる方向(言い換えると、フランジ部573がフランジ部52から離れる方向)に相対移動されることで、ハウジング50から取り外される。
【0066】
より具体的には、使用者は、第1凹部751または第2凹部756に係止された係止片77のタブ776を反時計回り方向CCWに押圧することで(または指で摘んで径方向外側へ引っ張ることで)係止片77を撓ませ、係止を解除する。これにより、リング部材57のハウジング50に対する周方向の移動が許容される。使用者は、リング部材57をハウジング50に対して反時計回り方向CCWに回動させ、係止突起73を、第2部分714から第1部分711内へ移動させる。そして、リング部材57をハウジング50に対して前方へ相対移動させ、係止突起73を第1部分711から離脱させる。使用者は、リング部材57をハウジング50から取り外した後、ハウジング50を上着1から取り外すことができる。
【0067】
以上に説明したように、本実施形態では、送風装置500が上着1に装着される場合、ハウジング50の一部が服地10の取付け孔11に挿通され、ハウジング50(フランジ部52)とリング部材57とによって、取付け孔11を全周に亘って取り巻くファン取付け部13が挟持される。このとき、挟持面521と挟持面574とが、ファン取付け部13のうち、薄肉部131を挟持する一方、リング部材57に設けられた凹部575が、薄肉部131よりも厚い厚肉部135を収容する。つまり、ファン取付け部13と、ハウジング50(フランジ部52)およびリング部材57とが、凹凸構造を介して係合する。このため、服地10が引っ張られた場合でも、この係合によって、送風装置500がファン取付け部13から外れ、上着1から脱落するのを効果的に防止することができる。また、このような凹凸構造を利用することで、円環状の補強材を用いる場合に比べ、ファン取付け部13において、比較的厚みが大きい部分の割合を小さくすることができる。
【0068】
特に、本実施形態では、ファン取付け部13は、取付け孔11に挿通された筒状部51から回転軸A1に対して径方向外側に突出するフランジ部52と、回転軸A1方向においてフランジ部52と対向するリング部材57によって挟持される。よって、フランジ部52とリング部材57とでファン取付け部13を容易に挟持することができる。また、厚肉部135は、取付け孔11の縁に沿って設けられる一方、薄肉部131は、厚肉部135に対して径方向外側に設けられている。そして、厚肉部135は、リング部材57(フランジ部573)の径方向外側の縁よりも内側で凹部575に収容され、薄肉部131は、厚肉部135の径方向外側で、挟持面521と挟持面574によって挟持される。よって、ファン取付け部13が、回転軸A1に対して径方向外側に引っ張られても、送風装置500がファン取付け部13から外れ、上着1から脱落するのを効果的に防止することができる。
【0069】
更に、本実施形態では、厚肉部135は、取付け孔11を全周に亘って取り巻くように環状に設けられている。また、何れも環状に構成されたフランジ部52およびリング部材57のうち、リング部材57に、環状の凹部575が設けられている。よって、ファン取付け部13と、フランジ部52およびリング部材57とが、開口部の全周に亘って凹凸構造を介して係合するため、送風装置500がファン取付け部13から外れ、上着1から脱落するのをより確実に防止することができる。また、上着1に対する送風装置500の装着の安定性を高めることができる。
【0070】
また、本実施形態では、薄肉部131は、服地10の一部(詳細には、後身頃地101と当て布103)によって形成される。一方、厚肉部135は、服地10の一部(詳細には、後身頃地101と当て布103)と、弾性リング136とによって形成されている。このように、厚肉部135は、弾性リング136を服地10に取り付けるという簡便な方法で形成されている。また、従来のように、ファン取付け部13に取り付けられた円環状の補強材を挟持する構成では、補強材には、ある程度剛性の高い素材が用いられる必要がある。これに対し、本実施形態では、ファン取付け部13と、ハウジング50およびリング部材57とが、凹凸構造を介して係合するため、厚肉部135の形成に、変形しやすく柔らかい弾性リング136を好適に採用することができる。これにより、上着1の洗濯時等の取り扱いがより容易となる。また、一般的に、弾性リング(いわゆるOリング)136は上述の補強材に比べて安価な部品であるため、上着1の製造コストも抑えることができる。
【0071】
以上に説明したように、本実施形態の上着1および送風装置500によれば、送風装置500の脱落を防止するための合理的な構成を実現することができる。
【0072】
上記実施形態は単なる例示であり、本発明に係る衣服は、例示された上着1の構成に限定されるものではない。例えば、下記に例示される変更を加えることができる。なお、これらの変更は、これらのうちいずれか1つのみ、あるいは複数が、実施形態に示す上着1あるいは各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
【0073】
例えば、ファン取付け部13(薄肉部131および厚肉部135)と送風装置500との係合構造は、上記実施形態に例示されたものに限られず、適宜、変更されうる。以下に、かかる係合構造の変形例について説明する。但し、かかる係合構造に関する変更は、以下の変形例に限られるものではない。なお、以下の変形例の説明では、上記実施形態と実質的に同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0074】
図10を参照して、第1の変形例の送風装置501について説明する。
図10に示すように、送風装置501では、ハウジング50の筒状部51に、前後方向においてファン取付け部13の厚肉部135の厚みT2に対応する隙間を形成し、厚肉部135を収容可能な凹部551が設けられている。より詳細には、凹部551は、筒状部51の後端部(フランジ部52との境界領域)に設けられた、径方向内側に凹む環状の凹部である。凹部551の前端を規定する面と挟持面521との間の距離は、厚みT2に概ね等しく設定されている。挟持面521および挟持面574は、凹部551の径方向外側で、厚みT1に対応する隙間をあけて対向し、薄肉部131を挟持する。なお、本変形例では、取付け孔11に筒状部51を挿通可能とし、厚肉部135を凹部551内にフィットさせるために、後身頃地101および当て布103のうち、少なくともファン取付け部13を形成する部分には、伸縮性に優れた生地が採用される。送風装置501が服地10に装着された場合も、上記実施形態と同様、ファン取付け部13と、ハウジング50およびリング部材57とが、凹凸構造を介して係合することで、送風装置501がファン取付け部13から外れるのを効果的に防止することができる。
【0075】
図11を参照して、第2の変形例の送風装置502について説明する。
図11に示すように、送風装置502では、ハウジング50およびリング部材57の夫々に、凹部552および凹部578が設けられている。凹部552および凹部578は、共に、前後方向においてファン取付け部13の厚肉部135の厚みT2に対応する隙間を形成し、厚肉部135を収容可能である。より詳細には、凹部552は、フランジ部52の径方向内側の端に設けられた環状の凹部であって、挟持面521よりも後方に凹んでいる。凹部578は、リング部材57の径方向内側の端に設けられた環状の凹部であって、挟持面574よりも前方に凹んでいる。凹部552および凹部578は、前後方向において対向しており、前後方向における凹部552の底面と凹部578の底面との間の距離は、厚みT2に概ね等しく設定されている。挟持面521および挟持面574は、凹部552および凹部578の径方向外側で、厚みT1に対応する隙間をあけて対向し、薄肉部131を挟持する。送風装置502が服地10に装着された場合も、上記実施形態と同様、ファン取付け部13と、ハウジング50およびリング部材57とが、凹凸構造を介して係合することで、送風装置502がファン取付け部13から外れるのを効果的に防止することができる。
【0076】
図12を参照して、第3の変形例の服地100および送風装置503について説明する。
図12に示すように、本変形例の服地100では、ファン取付け部130の厚肉部135は、取付け孔11の縁から若干離間した位置に設けられている。つまり、環状のファン取付け部130には、径方向内側から順に、薄肉部131、厚肉部135、薄肉部131が含まれている。厚肉部135は、服地100の後面側に突出するように形成されている。また、本変形例の送風装置503では、ハウジング50に、ファン取付け部130の厚肉部135の厚みT2に対応する隙間を形成する凹部553が設けられている。より詳細には、凹部553は、フランジ部52の径方向の中央部に設けられた環状の凹部であって、挟持面521よりも後方に凹んでいる。前後方向において、凹部553は、リング部材57の挟持面574に対向している。前後方向における凹部553の底面と挟持面574との間の距離は、厚みT2に概ね等しく設定されている。挟持面521および挟持面574は、凹部553の径方向内側および外側で、厚みT1に対応する隙間をあけて対向し、薄肉部131を挟持する。送風装置503が服地100に装着された場合も、上記実施形態と同様、ファン取付け部130と、ハウジング50およびリング部材57とが、凹凸構造を介して係合することで、送風装置503がファン取付け部130から外れるのを効果的に防止することができる。
【0077】
図13を参照して、第4の変形例の服地20について説明する。本変形例の服地20は、上記実施形態の服地10とは異なり、その一部が他の部分とは異なる素材で構成されている。より詳細には、
図13に示すように、服地20は、ファン取付け部23を含む一部の領域がゴム製のシート203で構成され、後身頃地201を含むその他の部分が、服地10と同様、化学繊維の織物生地で構成されている。
【0078】
シート203は矩形状に形成されており、その中央部に取付け孔11を有する。ファン取付け部23は、シート203のうち、取付け孔11を全周に亘って取り巻く環状の領域であって、薄肉部231と厚肉部235とを含む。本変形例では、薄肉部231および厚肉部235は、同じシート203の厚みが異なる部分として一体的に形成されている。薄肉部231は、ファン取付け部23のうち、シート203の厚みと同じ厚みを有する環状の部分である。厚肉部235は、取付け孔11の縁に沿って、薄肉部231よりも厚く(前方に突出するように)形成された環状の部分である。つまり、上記実施形態と同様、薄肉部231は、厚肉部235に対して径方向外側に設けられている。後身頃地201には、シート203よりも一回り小さい矩形状の開口部202が形成されている。シート203は、その縁が開口部202の周縁部に重なった状態で、後身頃地201に接着されている。
【0079】
送風装置500が本変形例の服地20に装着された場合も、上記実施形態と同様、ファン取付け部23と、ハウジング50およびリング部材57とが、凹凸構造を介して係合することで、送風装置502がファン取付け部23から外れるのを効果的に防止することができる。また、本変形例では、ゴム製の1枚のシート203を用いて、異なる厚みを有する薄肉部231および厚肉部235を含むファン取付け部23を、簡便な方法で形成することができる。なお、シート203は、ゴムに代えて、可撓性を有する樹脂で形成されていてもよい。
【0080】
なお、取付け孔11を全周に亘って取り巻くファン取付け部13、130、23において、厚肉部135、235は、必ずしも上述の例のように環状に設けられる必要はないが、送風装置500~503の外れにくさと装着の安定性の観点からは、取付け孔11を周方向に取り巻く割合が大きい方が好ましい。同様に、ハウジング50およびリング部材57の少なくとも一方に設けられる凹部は、環状でもよいし、環状でなくてもよい。また、薄肉部131、231を挟持する挟持面521および挟持面574は、必ずしも回転軸A1方向(前後方向)に概ね直交する平面である必要はない。例えば、回転軸A1に対して傾斜する円錐面であってもよいし、湾曲面であってもよい。更に、薄肉部131、231は、環状のフランジ部52およびフランジ部573ではなく、夫々、ハウジング50の筒状部51およびリング部材57の筒状部571の外周部から放射状に突出する複数の突出部の対向面の間に挟持されてもよい。
【0081】
また、ハウジング50に着脱可能なリング部材57に代えて、ハウジング50に連結され、ハウジング50との間でファン取付け部13、130、23の少なくとも一部を挟持可能な位置と、挟持不能な位置との間で回動可能なクランプ部材が設けられてもよい。例えば、半円に概ね対応する円弧状に形成された2つのクランプ部材が、夫々、回転軸A1に直交し、且つ、互いに平行な回動軸周りに回動可能に筒状部51に支持されればよい。2つのクランプ部材が、フランジ部52に対向する位置まで互いから離れる方向(後方)に回動され、係止されると、リング部材57のように、フランジ部52の挟持面521と、挟持面521に対向するクランプ部材の挟持面との間で薄肉部131、231を挟持可能となる。一方、2つのクランプ部材は、互いに近づく方向(前方)に回動されると、フランジ部52との間で薄肉部131、231を挟持不能となる。この場合、厚肉部135、235を収容する凹部は、例えば、クランプ部材およびフランジ部52の少なくとも一方に設けられればよい。なお、クランプ部材の係止機構は、例えば、ハウジング50およびクランプ部材の一方に設けられた可撓性を有する係止片と、他方に設けられた係止片が係止可能な凹部によって構成される。
【0082】
上述のファン取付け部13、130では、服地10の一部(詳細には、後身頃地101および当て布103)に弾性リング136を縫い込むことで、厚肉部135が形成されている。しかしながら、弾性リング136は、後身頃地101および当て布103に接着や溶着等の方法で取り付けられていてもよい。厚肉部135は、弾性リング136以外の部材を服地10の一部に取り付けることで形成されてもよい。この場合、可撓性を有する部材(例えば、ワイヤや紐)を採用すると、洗濯時等の取り扱いが容易であるため、より好ましい。あるいは、厚肉部135は、服地10を構成する布地を複数層に縫い重ねたり、接着したりすることで形成されていてもよい。
【0083】
以下、その他の変形例について説明する。
【0084】
少なくとも回転軸A1方向(前後方向)において、リング部材57をハウジング50に対して係止するための係止機構は、上記実施形態で例示された構成に限られず、適宜変更が可能である。例えば、ハウジング50(筒状部51)およびリング部材57の一方に可撓性を有する係止片が設けられ、他方に係止片が係止可能な凹部が設けられていてもよい。あるいは、筒状部51の外周面に雄ネジ部が形成され、リング部材57の内周面に、この雄ネジ部が螺合可能な雌ネジ部が形成されていてもよい。また、係止機構は、上記実施形態の例のように、ファン取付け部13の厚みに応じて係止位置を調整可能でなくてもよい。つまり、所定の単一の係止位置でのみ係止可能であればよい。
【0085】
ハウジング50において、筒状部51、フランジ部52、吸気側カバー部53、排気側カバー部54の形状、吸気口530や排気口540の数や位置が変更されてもよい。また、モータ61として、ブラシレスモータに代えて、ブラシを有するモータが採用されてもよい。1つのハウジング50内に複数のファン63が収容された構成であってもよい。この場合、ファン63の数に対応して、モータ61も複数設けられていてもよい。
【0086】
更に、本発明に係る衣服は、必ずしも上着1のような前開きの長袖の上衣である必要はなく、例えば、フード付きの上衣、袖無しの上衣(ベスト)、上衣とズボンがつながった所謂つなぎ服、またはズボンとしても好適に実現することができる。なお、衣服の用途は特に限定されるものではなく、例えば、作業着、スポーツウェア、レジャーウェア、消防服、防護服、手術着等として実現されうる。また、衣服は、表地と裏地の2層構造の服地を備えていてもよい。この場合、取付け孔11およびファン取付け部13、130、23が表地に設けられ、送風装置500~503の装着時には、排気側カバー部54が表地と裏地の間の内部空間に配置されてもよい。この場合、冷却の必要性が高い襟元や脇等に、適宜、通気度が比較的高い領域(開口を含む)が設けられ、ここから流出する空気によって着用者の身体が冷却されてもよい。また、衣服における取付け孔11の大きさや形状は、装着される送風装置の構成に応じて適宜変更されうる。また、取付け孔11の位置および数(つまり、取付け可能な送風装置500~503の数)等も、適宜変更することができる。
【0087】
上記実施形態および変形例の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。上着1は、本発明の「衣服」の一例である。服地10、100、20は、各々、本発明の「服地」の一例である。取付け孔11は、本発明の「開口部」の一例である。送風装置500~503は、各々、本発明の「送風装置」の一例である。ファン取付け部13、130、23は、本発明の「周縁部」の一例である。薄肉部131、231は、各々、本発明の「うすインク部」の一例である。厚肉部135、235は、各々、本発明の「厚肉部」の一例である。ファン63、ハウジング50は、夫々、本発明の「ファン」、「ハウジング」の一例である。リング部材57は、本発明の「挟持部」および「環状部材」の一例である。変形例のクランプ部材は、本発明の「挟持部」の一例である。挟持面521、挟持面574は、夫々、本発明の「第1面」、「第2面」の一例である。凹部575、551、552、578、553は、各々、「凹部」の一例である。筒状部51は、本発明の「筒状部」の一例である。フランジ部52は、本発明の「突出部」および「フランジ部」の一例である。弾性リング136は、本発明の「環状の弾性部材」の一例である。シート203は、本発明の「シート」の一例である。
【0088】
本発明および上記実施形態の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様のうち少なくとも1つが、上述の実施形態、変形例、もしくは各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されてもよい。
【0089】
[態様1]
前記厚肉部は、前記開口部の縁に沿って設けられていてもよい。
[態様2]
態様1において、
前記凹部は、前記環状部材として構成された前記挟持部の径方向内側の縁に沿って設けられていてもよい。
[態様3]
前記薄肉部は、前記厚肉部の径方向外側に隣接する環状の領域であってもよい。
[態様4]
前記送風装置は、少なくとも前記回転軸の延在方向において、前記挟持部を前記ハウジングに対して係止する係止機構を更に備え、
前記係止機構は、前記第1面と前記第2面とが前記第1の厚みに対応する隙間をあけて対向するように、前記挟持部を前記ハウジングに対して係止するように構成されていてもよい。
ガイド溝71および係止突起73は、本態様における「係止機構」の一例である。
[態様5]
態様3において、
前記係止機構は、前記第1の厚みに応じて、前記回転軸の延在方向における前記ハウジングに対する前記挟持部の係止位置を調整可能に構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1:上着
10、100、20:服地
11:取付け孔
101、201:後身頃地
103:当て布
13、130、23:ファン取付け部
131、231:薄肉部
135、235:厚肉部
136:弾性リング
17:ポケット
202:開口部
203:シート
500、501、502、503:送風装置
50:ハウジング
51:筒状部
52:フランジ部
521:挟持面
53:吸気側カバー部
530:吸気口
531:閉塞部
533:リブ
54:排気側カバー部
540:排気口
541:閉塞部
543:リブ
545:凹部
551、552、553:凹部
57:リング部材
571:筒状部
573:フランジ部
574:挟持面
575、578:凹部
576:底面
61:モータ
611:モータシャフト
62:コネクタ
63:ファン
71:ガイド溝
711:第1部分
714:第2部分
715:ガイド面
716:第1係止部
717:第2係止部
718:段差
73:係止突起
75:回転係止部
751:第1凹部
752:面
753:面
756:第2凹部
757:面
77:係止片
78:ガイド凹部
8:バッテリ
81:バッテリホルダ
83:接続ケーブル
831:コネクタ
A1:回転軸
A2:中心軸