IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大同マシナリー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-四角ボックス柱の製造方法 図1
  • 特許-四角ボックス柱の製造方法 図2
  • 特許-四角ボックス柱の製造方法 図3
  • 特許-四角ボックス柱の製造方法 図4
  • 特許-四角ボックス柱の製造方法 図5
  • 特許-四角ボックス柱の製造方法 図6
  • 特許-四角ボックス柱の製造方法 図7
  • 特許-四角ボックス柱の製造方法 図8
  • 特許-四角ボックス柱の製造方法 図9
  • 特許-四角ボックス柱の製造方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】四角ボックス柱の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B23C 3/30 20060101AFI20220518BHJP
   B23K 25/00 20060101ALI20220518BHJP
   B23C 7/00 20060101ALI20220518BHJP
   B23B 41/00 20060101ALI20220518BHJP
   E04C 3/32 20060101ALN20220518BHJP
【FI】
B23C3/30
B23K25/00 J
B23C7/00
B23B41/00 K
E04C3/32
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018095119
(22)【出願日】2018-05-17
(65)【公開番号】P2019198929
(43)【公開日】2019-11-21
【審査請求日】2021-03-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000149505
【氏名又は名称】大同マシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002033
【氏名又は名称】特許業務法人東名国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 則俊
(72)【発明者】
【氏名】加藤 賢二
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-352487(JP,A)
【文献】特開平02-217164(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0177362(US,A1)
【文献】特開平06-155122(JP,A)
【文献】特開2001-121292(JP,A)
【文献】特開昭61-162273(JP,A)
【文献】特開昭62-57778(JP,A)
【文献】特開2005-66757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23C 3/00
B23C 3/30
B23K 25/00
B23C 7/00
B23B 41/00
B23P 23/00 - 23/06
B26F 1/16
E04C 3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角ボックス柱を構成する厚板に溶接作業用の長孔を形成するための四角ボックス柱の製造方法であって、
前記厚板を貫通する第一基準孔、及び前記第一基準孔から離間した位置に設けられ、前記第一基準孔と同一の孔径の前記厚板を貫通する第二基準孔をそれぞれ穿孔ドリルにより形成する基準孔形成工程と、
前記第一基準孔及び前記第二基準孔の間をプランジカッターによって除去し、前記第一基準孔及び前記第二基準孔を連通させた長孔を形成するプランジ加工工程と
を具備する四角ボックス柱の製造方法。
【請求項2】
前記第一基準孔の第一孔中心及び前記第二基準孔の第二孔中心を結ぶ仮想線に沿って、前記プランジカッターのカッター中心を前記第一孔中心から前記第二孔中心に向けて段階的に近接させるカッター移動工程を更に具備する請求項1に記載の四角ボックス柱の製造方法。
【請求項3】
四角ボックス柱を構成する厚板に溶接作業用の長孔を形成するための四角ボックス柱の製造方法であって、
前記厚板を貫通する基準孔を穿孔ドリルにより形成する基準孔形成工程と、
前記基準孔の孔中心から所定方向に沿って、前記基準孔の周囲の前記厚板をプランジカッターによって除去し、前記基準孔を含む長孔を形成するプランジ加工工程と
を具備する四角ボックス柱の製造方法。
【請求項4】
前記基準孔の前記孔中心から所定方向に延びる仮想線に沿って、前記プランジカッターのカッター中心を前記孔中心から段階的に離間させカッター移動工程を更に具備する請求項3に記載の四角ボックス柱の製造方法。
【請求項5】
前記基準孔形成工程は、
前記第一基準孔及び前記第二基準孔を穿設する穿孔ドリルを装着したガントリー型穿孔装置が用いられ、
前記プランジ加工工程は、
前記ガントリー型穿孔装置の前記穿孔ドリルを前記プランジカッターに交換した前記ガントリー型穿孔装置が用いられる請求項1または2に記載の四角ボックス柱の製造方法。
【請求項6】
エレクトロスラグ溶接後のビードを前記ガントリー型穿孔装置に取り付けられたミーリング工具を用いて除去するビード除去工程を更に具備する請求項5に記載の四角ボックス柱の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、四角ボックス柱の製造方法に関する。更に詳しくは、四枚の鋼製の厚板を組み合わせて構築され、大型建造物等の柱部材として主に使用される、四角筒状の四角ボックス柱の製造過程で実施され、エレクトロスラグ溶接を行う溶接作業用の長孔を設けるための四角ボックス柱の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高層ビルやスポーツ競技施設等の建築物、高速道路や鉄橋等の橋脚、或いは、タンカー、大型客船、または貨物船等の大型船舶など、種々の大型の建造物や構造物を建築または建造することが行われている。これらの大型の建造物や構造物など(以下、「大型建造物等」と称す。)を建造等する場合において、主骨格となる柱部材として、鋼製の厚板(スキンプレート)を組み合わせて構築された四角ボックス柱と呼ばれる建築構造材料が多く用いられている。四角ボックス柱は、四枚の厚板によって囲まれた空間を内部に有し、四角筒状(或いは四角管状)を呈し、高強度性及び高耐荷重性等に優れた部材として、種々の産業分野において実施されている。
【0003】
以下、四角ボックス柱の構成について具体的に説明する。四角ボックス柱100は、例えば、図8図10に示されるように、互いに離間して配された鋼製の一対の縦板101a,101bと、当該縦板101a,101bとそれぞれ接続された鋼製の一対の横板102a,102bとを有し、縦板101a,101bの側辺、及び、横板102a,102bの側辺を連結し、四角筒状に組み合わせて構築されたものである。ここで、縦板101a等が“厚板(フランジ)”に相当し、横板102a等が“厚板(ウェブ)”にそれぞれ相当する。縦板101a,101b及び横板102a,102bのそれぞれの側辺の連結箇所(隅部)は、例えば、「サブマージアーク溶接」によって接合されている。
【0004】
四角筒状を呈する四角ボックス柱100の内部は、縦板101a等及び横板102a等によって囲まれた空間Sが存在している。そのため、四角ボックス柱100に、例えば、横方向(縦板101a等に直交する方向)から強い荷重が加わると、上記空間Sが押し潰され、縦板101a等及び横板102a等の一部が撓んだり、或いは変形したりする可能性があった。そこで、四角ボックス柱100の耐荷重性等の強度を向上させる目的で、上記の空間Sに、四角ボックス柱100の断面方向を略閉塞するように、複数の補強材(ダイヤフラム104)が所定の間隔で挿設されている。これにより、四角ボックス柱100に対し、上記のような強い荷重が加わっても、複数のダイヤフラム104によって縦板101a等の変形などの不具合を防ぐことができる。そのため、四角ボックス柱100の耐荷重性等が更に高められることになり、大型建造物等の柱部材として高い安全性を確保して広く用いることができる。
【0005】
ここで、補強材として使用されるダイヤフラム104は、四角ボックス柱100の内部の空間Sの断面形状と略一致し、所定の厚さで形成された略矩形状の板状部材であり、縦板101a等と同様に鋼製の厚板によって構成されている。そして、四角ボックス柱100の内部の空間Sに配設され、縦板101a等及び横板102a等の空間Sに相対する内面103と、ダイヤフラム104の側辺105とを溶接することで、ダイヤフラム104は縦板101a等に接合され、固定される(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
なお、補強材として使用されるダイヤフラム104の中には、例えば、中央部分に円形状の刳抜孔109を有するものであっても構わない(図8参照)。係る刳抜孔109を有しても補強材としての機能を十分に発揮することができる。更に、四角ボックス柱100を柱部材として大型建造物の一部に設置した後、当該四角ボックス柱100の内部の空間Sにコンクリート材を流し込み、その後固化させることで、四角ボックス柱100の内部にコンクリートを充填した柱部材が構築されることがある。複数のダイヤフラム104によってそれぞれ区画された四角ボックス柱100の内部の空間Sを、上記刳抜孔109によって連通させることができ、コンクリート材の流し込み作業を容易に行う利点を有している。内部の空間Sに充填されたコンクリート材が完全に固化することで、四角ボックス柱100の耐荷重性等の力学的特性を更に向上させることができる。
【0007】
ここで、四角ボックス柱100にダイヤフラム104を固定する場合、例えば、一対の縦板101a,101b及び一対の横板102a,102bを仮溶接し、四角筒状に仮組みした仮組体110を準備する(図9参照)。そして、縦板101a等及び横板102a等の内面103とダイヤフラム104の側辺105との間を、それぞれ「エレクトロスラグ溶接」によって溶接することが行われる。
【0008】
エレクトロスラグ溶接を実施するために、縦板101a等(または横板102a等)の内面103及びダイヤフラム104の側辺105の間に所定の空隙106を設け、当該空隙106に溶接用のトーチ(図示しない)を進入させ、溶接を行いながら徐々にトーチを空隙106から引出し、溶接層107を内面103及び側辺105の間に形成する必要がある。そして、最終的には、縦板101a等(または横板102a等)、及び、ダイヤフラム104の間に均一な幅で形成された溶接層107によって、縦板101a等とダイヤフラム104との間が強力に固定されることになる(図10参照)。
【0009】
エレクトロスラグ溶接の実施前のダイヤフラム104は、縦板101a等の内面103に当該ダイヤフラム104の幅と略一致する間隔で互いに離間した一対の当板108の間に取付けられている(例えば、図9参照)。そのため、上記のような仮組みされた仮組体110において、溶接用のトーチの先端を仮組体110の内部に進入させるための溶接作業用の“孔H”を縦板101a等(または横板102a等)にあける孔あけ加工が必要となっている。ここで、孔Hの孔あけ加工のためには、例えば、周知のガントリー型穿孔装置等の設備が主に用いられている。
【0010】
エレクトロスラグ溶接を行うための縦板101a等及びダイヤフラム104の側辺105の間の空隙106は、断面視で一般的に横長形状をしている。すなわち、エレクトロスラグ溶接において、溶接用のトーチの先端を横方向に移動させながら溶接層107を形成する必要があった。そのため、溶接作業用に孔あけする孔Hも空隙106の形状に合わせて横長形状の長孔にする必要があった。
【0011】
しかしながら、上記したガントリー型穿孔装置による孔あけ加工は、ドリル径に相当する円形状の貫通孔しかあけることができなかった。そのため、長孔(孔H)を形成するために、別の工程が実施されていた。例えば、ガントリー型穿孔装置を用いて、縦板101a等に対して、一対の円形状の基準孔を設けた後(基準孔形成工程)、当該基準孔の間の領域をガス溶断によって除去するガス溶断工程が実施されていた。これにより、一対の基準孔が連通した横長形状の長孔を形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開平7-1148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記に示したように、エレクトロスラグ溶接のために設ける孔は、長孔とする必要があり、ガントリー型穿孔装置を用いた一対の基準孔を形成する基準孔形成工程と、基準孔の間をガス溶断するガス溶断工程の二つの工程が必要であった。
【0014】
基準孔形成工程は、予めデータ入力した値によってプログラミング制御し、自動化することが可能であった。しかしながら、ガス溶断工程は、熟練した技術者によって主に手作業で実施されることが多く、作業時間が多くかかることがあった。特に、一つの四角柱ボックス柱に対しては、複数の箇所に上記長孔を形成する必要があるため、技術者に多くの作業負担を課すとともに、作業時間が更に長くなる傾向があった。
【0015】
加えて、近年においては、ガス溶断を行うことのできる熟練した技術者の数が不足し、技術者の確保に問題が生じることがあった。特に、ガス溶断の経験が浅い技術者の場合、ガス溶断工程に作業時間が長くなる傾向があった。また、ガス溶断による加工精度が安定しないことがある等の不具合を生じることがあった。そのため、ガス溶断工程を実施することなく、四角ボックス柱に対する横長形状の孔あけ加工作業を実施することができるとともに、作業の省力化、作業時間の短縮化、及び自動化可能な技術であって、安定した加工精度を維持することのできる孔あけ加工技術の開発が期待されていた。
【0016】
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、四角ボックス柱の製造過程で実施されるエレクトロスラグ溶接のための溶接作業用の長孔を、ガス溶断工程を必要とすることなく、安定した加工精度を維持し、かつ作業時間の短縮化及び自動化の可能な四角ボックス柱の製造方法の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によれば、上記課題を解決した四角ボックス柱の製造方法が提供される。
【0018】
[1] 四角ボックス柱を構成する厚板に溶接作業用の長孔を形成するための四角ボックス柱の製造方法であって、前記厚板を貫通する第一基準孔、及び前記第一基準孔から離間した位置に設けられ、前記第一基準孔と同一の孔径の前記厚板を貫通する第二基準孔をそれぞれ穿孔ドリルにより形成する基準孔形成工程と、前記第一基準孔及び前記第二基準孔の間をプランジカッターによって除去し、前記第一基準孔及び前記第二基準孔を連通させた長孔を形成するプランジ加工工程とを具備する四角ボックス柱の製造方法。
【0019】
[2] 前記第一基準孔の第一孔中心及び前記第二基準孔の第二孔中心を結ぶ仮想線に沿って、前記プランジカッターのカッター中心を前記第一孔中心から前記第二孔中心に向けて段階的に近接させるカッター移動工程を更に具備する前記[1]に記載の四角ボックス柱の製造方法。
【0020】
[3] 四角ボックス柱を構成する厚板に溶接作業用の長孔を形成するための四角ボックス柱の製造方法であって、前記厚板を貫通する基準孔を穿孔ドリルにより形成する基準孔形成工程と、前記基準孔の孔中心から所定方向に沿って、前記基準孔の周囲の前記厚板をプランジカッターによって除去し、前記基準孔を含む長孔を形成するプランジ加工工程とを具備する四角ボックス柱の製造方法。
【0021】
[4] 前記基準孔の前記孔中心から所定方向に延びる仮想線に沿って、前記プランジカッターのカッター中心を前記孔中心から段階的に離間させカッター移動工程を更に具備する前記[3]に記載の四角ボックス柱の製造方法。
【0022】
[5] 前記基準孔形成工程は、前記第一基準孔及び前記第二基準孔を穿設する穿孔ドリルを装着したガントリー型穿孔装置が用いられ、前記ガントリー型穿孔装置の前記穿孔ドリルを前記プランジカッターに交換した前記ガントリー型穿孔装置が用いられる前記[1]または2]に記載の四角ボックス柱の製造方法。
【0023】
[6] エレクトロスラグ溶接後のビードを前記ガントリー型穿孔装置に取り付けられたミーリング工具を用いて除去するビード除去工程を更に具備する前記[5]に記載の四角ボックス柱の製造方法。
【発明の効果】
【0024】
本発明の四角ボックス柱の製造方法によれば、ガス溶断工程を必要とすることなく、四角ボックス柱を構築するためのエレクトロスラグ溶接用の長孔(長孔)を、高い精度で安定的に、かつ低コストで形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態である四角ボックス柱の製造方法に使用されるガントリー型穿孔装置及び孔あけ加工の対象となる仮組体の一例を示す説明図である。
図2】厚板に穿孔された第一基準孔及び第二基準孔を模式的に示す説明図である。
図3図2の模式断面図である。
図4】プランジ加工工程を示す模式断面図である。
図5】一回目のプランジ加工工程の終了後を示す説明図である。
図6図5の模式断面図である。
図7】孔あけ加工の完了後の状態を模式的に示す説明図である。
図8】四角ボックス柱の概略構成を示す斜視図である。
図9】仮組体の概略構成を示す正面図である。
図10】ダイヤフラムの溶接後の四角ボックス柱の概略構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しつつ本発明の四角ボックス柱の製造方法について詳述する。ここで、本発明の四角ボックス柱の製造方法は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、種々の設計の変更、修正及び改良等を加え得るものである。
【0027】
1.四角ボックス柱の製造方法
本発明の一実施形態の四角ボックス柱の製造方法1(以下、単に「製造方法1」と称す。)は、四角ボックス柱を構築する製造過程で実施され、四枚の厚板2(縦板及び横板)を組み合わせたワークW(仮組体)の内部に挿設される補強用のダイヤフラムをエレクトロスラグ溶接によって固定するための溶接作業用の長孔LH(図7参照)を形成するものである。なお、四角ボックス柱、仮組体、及びダイヤフラムは、既に示した図8図10と基本的に同一の構成を備えているため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0028】
製造方法1について、更に、具体的に説明すると、当該製造方法1は、厚板2を貫通する第一基準孔3、及び第一基準孔3から離間した位置に設けられ、厚板2を貫通する第二基準孔4をそれぞれ形成する基準孔形成工程S1と、貫通した第一基準孔3及び第二基準孔4の間をプランジカッター20(図4参照)によって除去し、第一基準孔3及び第二基準孔4を連通させた横長形状の孔(長孔LH(図7参照))を形成するプランジ加工工程S2とを具備して主に構成されている。ここで、厚板2は、スキンプレートとも呼称され、一対の縦板(フランジ)及び一対の横板(ウェブ)として構成されるものである。また、第一基準孔3及び第二基準孔4は、同一の孔径で形成されている。
【0029】
ここで、上記基準孔形成工程は、厚板2を貫通する一つ基準孔、換言すれば、上記第一基準孔3のみを形成するものであっても構わない。更に、プランジ加工工程は、上記のような第一基準孔3及び第二基準孔4の間をプランジカッター20によって除去するものでなく、一つの基準孔の孔中心から所定方向に沿って当該基準孔の周囲の厚板を除去し、基準孔を含む長孔を形成するものであっても構わない。
【0030】
すなわち、エレクトロスラグ溶接を行うための溶接作業用の長孔の長さが短い場合には、一対の基準孔(第一基準孔3及び第二基準孔4)を形成する必要はなく、一つの基準孔のみを形成するものであってもよい。これにより、基準孔を二つ設ける必要がなく、作業時間の短縮を図ることができる。以下において、特に断りのない限り、厚板2に対して第一基準孔3及び第二基準孔4を設けたものを例として説明を行うものとする。
【0031】
更に、本実施形態の製造方法1は、エレクトロスラグ溶接後の溶接ビード112(図10参照)を除去する溶接ビード除去工程を具備するものであっても構わない。すなわち、図9,10に示されるように、縦板101a等の内面103及びダイヤフラム104の側辺105の間に形成された空隙106に、厚板2にあけられた孔Hを介して溶接用のトーチ(図示しない)を進入させ、溶接(エレクトロスラグ溶接)を行いながら徐々にトーチを空隙106から引き出すことにより、当該空隙106に充填された溶接層107が形成される。このとき、溶接層107の一部は、図10に示すように、縦板101a等の外面111から突出(または盛出)した部位である溶接ビード112が残る。
【0032】
そこで、この外面111から突出した溶接層107の一部である溶接ビード112が溶接ビード除去工程によって除去される。ここで、溶接ビード除去工程は、例えば、後述するガントリー型穿孔装置10のドリルユニット14(詳細は後述する)にエンドミル等のミーリング工具を取設したものを用いることができる。これにより、溶接ビード112の除去(ガウジング、或いははつり)作業を自動化することができる。そのため、主に手作業で実施していた溶接ビード112の除去時間の短縮化及び作業工数の削減化によって、作業効率をより良好なものとすることができる。
【0033】
2.ガントリー型穿孔装置
上記の製造方法1において、基準孔形成工程S1及びプランジ加工工程S2は、それぞれ周知の穿孔装置であるガントリー型穿孔装置10(以下、単に「穿孔装置10」と称す。)等を用いて実施することができる(図1参照)。ここで穿孔装置10は、載置テーブル11、一対のX軸ガイドレール12a,12b、ガントリーユニット13、及びドリルユニット14等を具備して主に構成されている。
【0034】
穿孔装置10について、更に詳しく説明すると、穿孔装置10の載置テーブル11は、X軸(図1における紙面左右方向に相当)及び当該X軸に直交するY軸(図1における紙面上下方向に相当)が規定され、載置テーブル11の上面に、ワークWの長手方向をX軸に沿って、横置きにした状態で載置するためのものである。ワークWのサイズは、特に限定されるものではないが、上述したように最終製品として柱部材となる鋼製の四角ボックス柱であるため、例えば、幅が200mm~1500mm程度のものが使用されることがあり、長さが数十mを超えるものがある。そのため、かかる長尺体、かつ重量物のワークWを水平方向に一致させた状態で、下方から安定して支持するために、載置テーブル11は堅牢な構造である必要がある。これにより、ワークWは、自重によって撓むことなく、水平方向の長手方向を一致させた状態で載置テーブル11に載置される。
【0035】
載置テーブル11に載置された穿孔対象及び加工対象のワークWの任意の位置に、載置テーブル11のX軸(図1参照)及びX軸に直交するY軸(図1参照)に沿ってガントリーユニット13及びドリルユニット14を転動させ、ドリルユニット14に装着された穿孔ドリル(図示しない)を穿孔位置に合わせることができる。その後、穿孔ドリルを回転させた状態でドリルユニット14をX軸及びY軸に直交するZ軸方向(図1における紙面奥行き方向に相当、または図4参照)に移動させることで、穿孔ドリルによって厚板2に第一基準孔3及び第二基準孔4を穿設することができる(図2参照)。なお、ガントリーユニット13及びドリルユニット14の転動及びドリルユニット14の稼働は、周知の各種の駆動モータやギア等の駆動手段(図示しない)を用いることでそれぞれ可能となっている。また、ガントリーユニット13及びドリルユニット14の転動位置、換言すれば、穿孔ドリル等のドリル位置は、プログラミングされた数値制御によって任意の位置まで正確に移動させることができる。更に、ドリルユニット14による穿孔ドリルの回転数や送り速度等は任意に制御することができる。また、第一基準孔3等の孔あけに使用する穿孔ドリルは、周知のものを使用することができる。すなわち、本発明の加工方法は、従来から使用されている設備を流用することが可能であり、新たな設備コストがかかることがない。
【0036】
図2は、厚板2(ワークW)に穿孔した第一基準孔3及び第二基準孔4を上方から視た拡大断面図である。ここで、図2は第一基準孔3等の周囲の一定の範囲を示したものであり、図2における二点鎖線は厚板2の境界を示すものではない(以下、図3図4図5図6、及び図7において同じ)。
【0037】
更に、穿孔装置10は、ドリルユニット14に装着した穿孔ドリルをプランジカッター20に交換することでプランジ加工工程S2を実施することができる。ここで、プランジ加工工程S2(プランジ加工)は、先端に切れ刃21が設けられたプランジカッター20を、厚板2に対して垂直方向(Z軸方向:図4参照)に沿って移動させることにより、厚板2の切削加工を行うことが可能なものである。ここで、プランジカッター20自体は、周知のものであり、既存のプランジカッターを使用することができる。また、プランジ加工工程S2による、厚板2の切削条件は任意に設定することができる。例えば、本実施形態の製造方法1は、先端に一対の切れ刃21が互いに180°の間隔で離間して配置されたプランジカッター20が用いられている。
【0038】
加えて、穿孔装置10は、X軸方向及びY軸方向に沿って自在に転動可能なガントリーユニット13及びドリルユニット14に係る構成を備えているため、厚板2に既に設けられた第一基準孔3の第一孔中心3cと、第二基準孔4の第二孔中心4cを結ぶ仮想線Lに沿ってプランジカッター20のカッター中心20cをプログラミングされた数値制御によって移動させることできる(カッター移動工程S3)。更に、プランジカッター20の移動は、第一孔中心3cから第二孔中心4cに向けてカッター中心20cを段階的に近接させるようにプログラムされている。
【0039】
ここで、カッター移動工程S3におけるプランジカッター20の移動距離は、任意のものとすることができる。例えば、上記仮想線Lに沿って第一孔中心3cから第二孔中心4cに向かって5mmずつ段階的に移動させるような数値制御を行うことができる。これにより、プランジ加工工程S2及びカッター移動工程S3を複数回繰り返すことで、最終的に第一基準孔3及び第二基準孔4の間の領域R(図2等参照)を除去し、第一基準孔3及び第二基準孔4が連通した長孔LHを形成することができる。これにより、孔あけ加工が完了する。ここで、図2において、プランジ加工S2によって削り取られる領域Rにハッチングを施して示している。
【0040】
カッター移動工程S3におけるプランジカッター20の移動距離は、上記示したように、第一孔中心3c及び第二孔中心4cの間を等間隔にしたものに限定されるものではない。例えば、厚板2に第一基準孔3及び第二基準孔4があけられた状態(図2参照)で、第一回目のプランジ加工工程S2を実施する場合、第一孔中心3cからのカッター中心20cの移動距離L1(図5参照)を、第二回目以降のプランジ加工工程S2の移動距離L2等(詳細は後述する)よりも広く設定したものであっても構わない。
【0041】
プランジ加工工程S2による厚板2の切削により、プランジカッター20で削り取られた削り屑(切り屑)等が必然的に発生する。このとき、第一回目のプランジ加工工程S2の場合、プランジカッター20のカッター外周と、第一基準孔3の孔壁(第一孔中心3cよりも外側:図4における紙面左側に相当)との間が狭い可能性がある。そのため、削り取られた切り屑が厚板2の外部に排出されず、プランジカッター20及び第一基準孔3の孔壁の間に挟まってしまう可能性がある。その結果、プランジカッター20の滑らかな回転を損なうことがあり、安定したプランジ加工工程S2が実施できないことがある。
【0042】
そこで、第一回目のプランジ加工工程S2の移動距離L1をそれ以降のプランジ加工工程S2よりも広くするように設定することで、上記不具合を解消することが可能となる。具体例を示すと、第一回目のプランジ加工工程S2における移動距離L1(第一孔中心3cからのカッター中心20cの距離)を6.5mmと設定し、二回目以降のプランジ加工工程S2の移動距離L2等(移動前後のカッター中心20cの間の距離)を5mmと設定することができる。すなわち、第一回目のプランジ加工工程S2における移動距離L1を、以降のプランジ加工S2における移動距離L2等よりも広く設定することができる。これにより、切り屑が挟まるといった上記不具合が生じる可能性を低く抑えることができる。
【0043】
3.加工方法の具体例
以下、本実施形態の製造方法1による厚板2(ワークW)に対する長孔LHの加工の詳細について説明を行う。始めに、穿孔装置10を用い、ドリルユニット14に装着された穿孔ドリルによってワークW(厚板2)を貫通する第一基準孔3を所定の穿孔位置に穿設する。ここで、第一基準孔3の穿孔位置は、予め穿孔装置10にデータ入力されており、当該データに基づくプログラミングによる数値制御を実施することで、ガントリーユニット13及びドリルユニット14をX軸方向及びY軸方向に沿って自在に転動させ、穿孔ドリルのドリル中心が当該穿孔位置に到達するように制御される。
【0044】
3.1 基準孔形成工程
ガントリーユニット13及びドリルユニット14の転動によって、予め規定された穿孔位置に穿孔ドリルのドリル中心が位置するように制御がなされた後、ドリルユニット14に装着された穿孔ドリルの駆動を開始する。穿孔ドリルは予め設定された回転数によって、先端のドリル部(図示しない)を回転させながら、Z軸方向(図4参照)に沿って下降するように制御される。
【0045】
所定の回転数でドリル部が回転した状態で下降した穿孔ドリルは、最終的にドリル部の先端が厚板2に当接し、更に下降を継続することで厚板2の一部が円形状に削り取られる。その結果、当該厚板2を貫通する第一基準孔3が形成される。なお、第一基準孔3を形成した後の穿孔ドリルは、ドリルユニット14の制御によって上昇(逆Z軸方向に相当)し、基準孔形成工程S1の実施前の初期位置まで復帰する。
【0046】
次に、再びガントリーユニット13及びドリルユニット14をX軸及びY軸に沿って転動させ、予め指定された第二基準孔4の穿孔位置に穿孔ドリルのドリル中心を移動させる。なお、第二基準孔4の形成の詳細は、上記第一基準孔3の形成と同一であるため、詳細な説明は省略する。このとき、第二基準孔4は、第一基準孔3から予め規定された距離だけ離間した箇所に穿孔位置が設定されている。更に、第一基準孔3及び第二基準孔4は、穿孔装置10を用いて一連の流れで穿孔が行われるため、第一基準孔3及び第二基準孔4は、当然に同一の孔径で形成される。これにより、厚板2に対して所定の間隔をあけて貫通して並設された一対の同一孔径の基準孔3,4の形成が完了する(基準孔形成工程S1)。なお、本実施形態の製造方法1においては、第一基準孔3及び第二基準孔4の孔径は、それぞれ28mmとなるように穿孔ドリルのドリル径が選択されている。
【0047】
基準孔形成工程S1が完了することにより、第一基準孔3及び第二基準孔4の間には、プランジ加工工程S2によって除去される領域R(図2におけるハッチング参照)が存在している。また、図3は、図2を側方から視た断面図を模式的に示している。なお、既に説明したように形成する長孔LHの長さが比較的短い場合は、上記基準孔形成工程S1において、厚板2に対する第二基準孔4の形成を省略することができる。すなわち、基準孔形成工程S1に要する作業時間の短縮化を図り、作業効率を良好なものとすることができる。
【0048】
3.2 プランジ加工工程及びカッター移動工程S3
次に、穿孔装置10のドリルユニット14の先端に設けられた穿孔ドリルをプランジ加工用のプランジカッター20に変更する。なお、プランジカッター20の詳細は既に説明したため、ここでは説明を省略する。また、本実施形態の製造方法1では、プランジカッター20のカッター径は、25mmものが選択されている。すなわち、上述した第一基準孔3及び第二基準孔4の孔径(=28mm)よりも、プランジ加工によって形成する孔径が小さくなるように設定されている。
【0049】
プランジカッター20に交換後の穿孔装置10を用い、再び、ガントリーユニット13及びドリルユニット14を制御し、第一基準孔3の第一孔中心3c及び第二基準孔4の第二孔中心4cを結んだ仮想線Lの線上に位置し、かつ、第一孔中心3cから所定の間隔だけ離間した位置(第二孔中心4cに近接する位置)にカッター中心20cがくるようにプランジカッター20を移動させる。
【0050】
ここで、本実施形態の製造方法1では、第一回目のプランジ加工工程S2を実施するために、第一孔中心3cから6.5mm離間した仮想線Lの線上にカッター中心20cが位置するように設定されている。すなわち、既に説明したように、プランジカッター20の移動距離L1が6.5mmとなるように設定される(図7参照)。なお、これらのプランジカッター20(カッター中心20c)の移動(カッター移動工程S3)は、予め穿孔装置10にデータ入力された値に基づき、ガントリーユニット13及びドリルユニット14をプログラミング制御することで所定の位置まで移動させることができる。すなわち、プランジ加工の加工位置まで自動制御することができる。
【0051】
プランジカッター20が所定の位置まで移動した後、ドリルユニット14を駆動させ、プランジカッター20を回転させる。そして、プランジカッター20を下方向(Z軸方向)に移動させることで、プランジカッター20の切れ刃21によって、第一基準孔3の孔壁を含む領域Rの一部が削り取られる(切削加工(プランジ加工))。係るプランジ加工工程S2は、例えば、図4に示されるように、プランジカッター20の先端に設けられた切れ刃21が、厚板2に対して垂直に接することで、当該切れ刃21によって、厚板2の一部を深さ方向(Z軸方向)に沿って削り取るものである。ここで、本実施形態の製造方法1では、プランジカッター20のカッター回転数(主軸回転数)を1000rpmに設定し、Z軸方向の送り速度(下降速度)を340mm/minに設定した切削条件でプランジ加工工程S2を実施している。
【0052】
本実施形態の製造方法1において、前述した通り、先端に一対の切れ刃21が設けられているため、1つの切れ刃21による切削量を0.17mmとして、一分間当たりの送り速度が算出されている。
【0053】
一回目のプランジ加工工程S2を完了することにより、第一基準孔3及び第二基準孔4の間の領域Rの一部が除去された状態となる(図5及び図6参照)。換言すれば、第一回目のプランジ加工工程S2によって、第一基準孔3よりも僅か等に孔面積が拡がった孔H1が形成されたことになる。
【0054】
その後、穿孔装置10を制御し、プランジカッター20のカッター中心20cを第一回目のプランジ加工工程S2よりも更に第一孔中心3cから離間した位置(第二孔中心4cに近接する位置)まで段階的にプランジカッター20を移動させる。ここで、本実施形態の製造方法1では、二回目以降のプランジ加工工程S2は、その移動前及び移動後のカッター中心20cの移動距離L2,L3,L4,L5,L6がそれぞれ5mmとなるように設定されている(図7参照)。すなわち、二回目以降のプランジ加工工程S2は、5mmずつ徐々に段階的に第二孔中心4cにカッター中心20cが近づくように設定されている。
【0055】
プランジ加工工程S2によるプランジ加工及びカッター移動工程S3によるプランジカッター20の移動によって、第一基準孔3より孔面積が広くなった孔H1が第二基準孔4と連通するまで繰り返す。これにより、第一基準孔3及び第二基準孔4の間を連通する横長形状の孔(長孔LH)が最終的に形成される(図7参照)。なお、図7に示されるように、第一基準孔3及び第二基準孔4の孔径(=28mm)に対し、プランジカッター20のカッター径(=25mm)が小さくなるように設定したため、最終的に得られた長孔LHは、中央付近が僅かに狭くなったものとなる。
【0056】
図7に示すように、第一基準孔3及び第二基準孔4が連通することで、エレクトロスラグ溶接を行うためのトーチの先端が横方向(図4における水平方向)に沿って空隙106(図10参照)内を自在に移動することができ、精度良く溶接層107(図10参照)を形成することができる。なお、既に説明したように、基準孔形成工程S1において第二基準孔4を設けない場合、上記のプランジカッター20による加工は、基準孔(図示しない)の孔中心から所定の方向に沿ってプランジカッター20のカッター中心を移動させることによって行われるものであっても構わない。この場合、基準孔の孔中心に対するプランジカッター20のカッター中心20cの移動距離、或いはプランジカッターのカッター径等は上記と同様任意に設定することができる。
【0057】
更に、本実施形態の製造方法1によれば、基準孔形成工程S1及びプランジ加工工程S2で使用した穿孔装置10を、溶接ビード112を除去する溶接ビード除去工程に使用することができる。すなわち、穿孔装置10のドリルユニット14に周知のミーリング工具を取り付け、溶接ビード112の除去を行うことができる。これにより、四角ボックス柱の製造に係る作業効率をより良好なものとすることができる。
【0058】
以上示したように、本実施形態の製造方法1によれば、プランジカッター20を用い、プランジ加工工程S2及びカッター移動工程S3を複数回繰り返すことで、第一基準孔3及び第二基準孔4の連通した長孔LHを形成することができる。特に、穿孔装置10に対して予め穿孔位置等に係るデータを入力しておけば、厚板2に対して基準孔形成工程S1、プランジ加工工程S2、及びカッター移動工程S3を自動化して行うことができる。そのため、四角ボックス柱に対する長孔の加工のための作業時間を短縮化することができるとともに、作業コストや安定した加工精度を維持した加工を行うことが可能となる。特に、従来行っていたガス溶断工程が不要となるため、熟練した技術者の不足によって生じる問題を解消することができるとともに、加工精度にバラツキが生じることもない。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の四角ボックス柱の製造方法によれば、建築構造部材として使用される四角ボックス柱の製造過程において特に有用に使用することができる。
【符号の説明】
【0060】
1:加工方法(四角ボックス柱の製造方法)、2:厚板、3:第一基準孔、3c:第一孔中心、4:第二基準孔、4c:第二孔中心、10:穿孔装置(ガントリー型穿孔装置)、11:載置テーブル、12a,12b:X軸ガイドレール、13:ガントリーユニット、14:ドリルユニット、20:プランジカッター、20c:カッター中心、21:切れ刃、100:四角ボックス柱、101a,101b:縦板、102a,102b:横板、103:内面、104:ダイヤフラム、105:側辺、106:空隙、107:溶接層、108:当板、109:刳抜孔、110:仮組体、111:外面、112:溶接ビード、H,H1:孔、L:仮想線、L1,L2,L3,L4,L5,L6:移動距離、LH:長孔、R:領域、S:空間、S1:基準孔形成工程、S2:プランジ加工工程、S3:カッター移動工程、W:ワーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10