(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】作業工具
(51)【国際特許分類】
B25F 5/00 20060101AFI20220518BHJP
【FI】
B25F5/00 Z
(21)【出願番号】P 2018133773
(22)【出願日】2018-07-14
【審査請求日】2021-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】特許業務法人勇智国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100105120
【氏名又は名称】岩田 哲幸
(74)【代理人】
【識別番号】100106725
【氏名又は名称】池田 敏行
(74)【代理人】
【識別番号】100125955
【氏名又は名称】藤田 有三子
(72)【発明者】
【氏名】古澤 正規
(72)【発明者】
【氏名】水谷 彰良
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-094905(JP,A)
【文献】特開2013-158879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端工具を駆動して被加工材に対して加工作業を行う作業工具であって、
前記作業工具の上下方向を規定する駆動軸周りに回転可能に支持され、第1クランプ部を下端部に有するスピンドルと、
前記スピンドルに同軸状に挿入可能に構成されたシャフト部と、前記シャフト部の下端部に設けられ、前記第1クランプ部と共に前記先端工具をクランプするように構成された第2クランプ部とを有するクランプシャフトと、
通過部を有する保持部材と、
前記通過部を通過可能な第1位置と、前記通過部を通過不能に前記保持部材に係合する第2位置との間で、前記保持部材に対して前記駆動軸周りに相対的に回動可能に構成された係合部材と、
前記保持部材を付勢する付勢部材とを備え、
前記係合部材は、前記第1位置では、前記保持部材に対する前記クランプシャフトの前記上下方向の移動を許容する一方、前記第2位置では、前記保持部材に対する前記クランプシャフトの下方向への移動を禁止するように構成されており、
前記保持部材は、前記係合部材が前記第2位置に配置された状態で、前記付勢部材によって上方に付勢され、前記クランプシャフトを前記スピンドルに対して固定状に保持するように構成され
ており、
前記保持部材は、前記クランプシャフトを前記スピンドルに対して固定状に保持する保持位置と、前記クランプシャフトの前記スピンドルからの取り外しを許容する解放位置との間で、前記スピンドルに対して相対的に移動可能であって、
前記保持部材は、前記保持位置および前記解放位置の夫々において、前記付勢部材の付勢力によって保持されるように構成され、
前記保持部材が前記解放位置に配置され、前記係合部材が前記第1位置に配置された状態で、前記シャフト部が前記スピンドル内に挿入されるのに応じて、前記保持部材は、前記駆動軸周りに回動しつつ前記保持位置へ向けて移動し、これにより前記係合部材が前記第2位置に相対移動し、
前記スピンドルは、前記駆動軸に対して傾斜した傾斜溝を外周部に有し、
前記保持部材は、前記傾斜溝内に配置された凸部と、前記凸部に回動可能に取り付けられたローラとを有し、
前記凸部は、前記ローラを介して前記傾斜溝に係合しており、
前記付勢部材は、捩りバネとしての機能を備え、前記保持部材を前記駆動軸周りに回動付勢して前記凸部を前記傾斜溝に係合させることで、前記保持部材を前記保持位置で保持することを特徴とする作業工具。
【請求項2】
請求項1に記載の作業工具であって、
前記係合部材は、前記シャフト部と一体的に形成されていることを特徴とする作業工具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の作業工具であって、
前記保持部材は、下壁部を有し、
前記通過部は、前記下壁部を前記上下方向に貫通する、周囲が閉じた貫通孔であって、
前記係合部材は、前記第2位置において、前記下壁部の上面の一部に面接触するように構成されていることを特徴とする作業工具。
【請求項4】
請求項1~
3の何れか1つに記載の作業工具であって、
前記係合部材は、前記駆動軸を挟んで互いに平行に対向する一対の平面を有し、
前記通過部は、前記係合部材に概ね整合する断面形状を有することを特徴とする作業工具。
【請求項5】
請求項1~
4の何れか1つに記載の作業工具であって、
前記シャフト部の外周部に配置され、前記シャフト部が前記スピンドルの内側に配置された場合、前記スピンドルの内周面と摩擦接触するように構成された弾性部材を更に備えたことを特徴とする作業工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先端工具を駆動して被加工材に対して加工作業を行う作業工具に関する。
【背景技術】
【0002】
モータの出力をスピンドルに伝達し、スピンドルの下端に固定された先端工具を駆動することで、被加工材に加工作業を行う作業工具が知られている。このような作業工具には、スパナ等の補助工具を使用する必要はなく、先端工具をスピンドルに固定することが可能なものがある。例えば、特許文献1には、クランプシャフトを上方に付勢した状態でスピンドルに対して固定状に保持し、スピンドルの下端部とクランプシャフトの下端部の間で先端工具をクランプするように構成された作業工具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された作業工具では、クランプシャフトをスピンドルに対して固定状に保持するために、クランプシャフトの上端部に係合可能なボールまたはクランプ部材が用いられている。このため、この作業工具では、ボールまたはクランプ部材が径方向に移動可能なスペースが必要となる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、作業工具において、クランプシャフトをスピンドルに対して固定状に保持するための合理的な構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、先端工具を駆動して被加工材に対して加工作業を行う作業工具が提供される。この作業工具は、スピンドルと、クランプシャフトと、保持部材と、係合部材と、付勢部材とを備えている。
【0007】
スピンドルは、作業工具の上下方向を規定する駆動軸周りに回転可能に支持されている。また、スピンドルは、第1クランプ部を下端部に有する。クランプシャフトは、シャフト部と第2クランプとを有する。シャフト部は、スピンドルに同軸状に挿入可能に構成されている。第2クランプ部は、シャフト部の下端部に設けられ、第1クランプ部と共に先端工具をクランプするように構成されている。保持部材は、通過部を有する。係合部材は、第1位置と第2位置との間で、保持部材に対して駆動軸周りに相対的に回動可能に構成されている。第1位置とは、係合部材が通過部を通過可能な位置である。第2位置とは、係合部材が、通過部を通過不能に保持部材に係合する位置である。付勢部材は、保持部材を付勢するように構成されている。更に、係合部材は、第1位置では、保持部材に対するクランプシャフトの上下方向の移動を許容する一方、第2位置では、保持部材に対するクランプシャフトの下方向への移動を禁止するように構成されている。そして、保持部材は、係合部材が第2位置に配置された状態で、付勢部材によって上方に付勢され、クランプシャフトをスピンドルに対して固定状に保持するように構成されている。
【0008】
本態様によれば、保持部材と係合部材とを相対的に回動させ、保持部材に対する係合部材の位置を、係合部材が通過部を通過可能な第1位置と、係合部材が保持部材に係合する第2位置との間で変化させるだけで、保持部材によるクランプシャフトの保持状態を切り替えることができる。よって、従来のように、クランプシャフトを保持するボールやクランプ部材を径方向に移動させる場合に比べ、径方向の必要スペースを最小限とすることができる。このように、本態様によれば、スピンドルに対してクランプシャフトを固定状に保持するための合理的な構成を備えた作業工具が提供される。
【0009】
なお、本態様に係る作業工具は、第1クランプ部と第2クランプ部とによって、駆動軸周りに回転可能なスピンドルに固定された先端工具を駆動する作業工具一般を指すものである。このような作業工具の例として、振動工具や、回転工具等が挙げられる。振動工具とは、所定の角度範囲内で駆動軸周りに往復回動されるスピンドルによって、先端工具を揺動駆動するように構成された作業工具である。回転工具とは、駆動軸周りに回転されるスピンドルによって、先端工具を回転駆動するように構成された作業工具(例えば、グラインダ、サンダ、ポリッシャ)である。また、保持シャフトの通過部は、保持シャフトにおいて、少なくとも部分的に閉じられた空間部あるいは通路ということもできる。典型的には、通過部は、貫通孔または凹部として構成されうる。
【0010】
本発明の一態様において、係合部材は、クランプシャフトのシャフト部と一体的に形成されていてもよい。本態様によれば、係合部材を別個に工具本体に配置する必要をなくし、構成の簡素化および組立性の向上を実現することができる。なお、係合部材は、シャフト部のいずれの部分に一体形成されてもよいが、シャフト部の上端部(つまり、第1クランプ部とは反対側の端部)に設けられると好ましい。
【0011】
本発明の一態様において、保持部材は、下壁部を有し、通過部は、下壁部を上下方向に貫通する、周囲が閉じた貫通孔として構成されていてもよい。この場合に、係合部材は、第2位置において、下壁部の上面の一部に面接触するように構成されていてもよい。本態様によれば、係合部材と保持部材とが点接触あるいは線接触する場合に比べ、係合部材と保持部材との安定した係合状態を確立することができ、また、係合部材の耐久性を高めることができる。
【0012】
本発明の一態様において、保持部材は、保持位置と解放位置との間で、スピンドルに対して相対的に移動可能に構成されていてもよい。保持位置とは、保持部材がクランプシャフトをスピンドルに対して固定状に保持する位置である。解放位置とは、保持部材が、クランプシャフトのスピンドルからの取り外しを許容する位置である。そして、保持部材は、保持位置および解放位置の夫々において、付勢部材の付勢力によって保持されるように構成されていてもよい。更に、保持部材が解放位置に配置され、係合部材が第1位置に配置された状態で、シャフト部がスピンドル内に挿入されるのに応じて、保持部材は、駆動軸周りに回動しつつ保持位置へ向けて移動し、これにより係合部材が第2位置に相対移動するように構成されていてもよい。本態様によれば、使用者は、シャフト部をスピンドルに挿入する操作のみで(つまり、ワンタッチで)、保持部材を回動させ、クランプシャフトをスピンドルに固定状に保持させることができる。
【0013】
本発明の一態様において、スピンドルは、駆動軸に対して傾斜した傾斜溝を外周部に有し、保持部材は、傾斜溝内に配置された凸部を有していてもよい。そして、付勢部材は、捩りバネとしての機能を備え、保持部材を駆動軸周りに回動付勢して凸部を前記傾斜溝に係合させることで、保持部材を保持位置で保持するように構成されていてもよい。本態様によれば、傾斜溝を利用して、捩りバネの捩り力で保持部材を上方に付勢し、保持位置で保持することができる。
【0014】
本発明の一態様において、保持部材は、凸部に回動可能に取り付けられたローラを有し、凸部は、ローラを介して傾斜溝に係合していてもよい。本態様によれば、ローラが傾斜溝内を転動することで、保持部材の移動をスムーズに案内することができる。
【0015】
本発明の一態様において、係合部材は、駆動軸を挟んで互いに平行に対向する一対の平面を有し、通過部は、係合部材に概ね整合する断面形状を有してもよい。本態様によれば、係合部材および通過部を容易に作製することができる。また、比較的小さい相対回動角度で、係合部材を保持部材により確実に係合させることが可能となる。
【0016】
本発明の一態様において、作業工具は、シャフト部の外周部に配置され、シャフト部がスピンドルの内側に配置された場合、スピンドルの内周面と摩擦接触するように構成された弾性部材を更に備えていてもよい。本態様によれば、ロック部が第1位置に配置され、保持部材に対するクランプシャフトの上下方向の移動が許容された場合であっても、弾性部材の摩擦力によって、クランプシャフトが自重でスピンドルから落下するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】保持シャフトがクランプ位置に配置されたときの振動工具の断面図である。
【
図4】クランプシャフト、スピンドル、保持機構、解除機構の分解斜視図である。
【
図5】
図3のV-V線におけるクランプシャフトと保持シャフトの断面図であって、ロック部がロック位置に配置されたときのクランプシャフトと保持シャフトの位置関係の説明図である。
【
図6】
図5に対応する断面図であって、ロック部がアンロック位置に配置されたときのクランプシャフトと保持シャフトの位置関係の説明図である。
【
図7】保持シャフトがクランプ位置に配置されたときのスピンドル、保持シャフト、および解除レバーの斜視図である。
【
図8】
図3のVIII-VIII線における保持シャフト、付勢バネ、およびスピンドルの断面図である。
【
図9】
図3に対応する断面図であって、保持シャフトがアンクランプ位置に配置されたときの振動工具の部分断面図である。
【
図10】
図3のX-X線における断面図であって、解除レバーが初期位置に配置され、保持シャフトがクランプ位置に配置されているときの解除レバーと保持シャフトの位置関係の説明図である。
【
図11】
図3のXI-XI線における断面図である。
【
図12】
図10に対応する断面図であって、解除レバーが回動位置へ回動され、保持シャフトがアンクランプ位置に配置されたときの解除レバーと保持シャフトの位置関係の説明図である。
【
図13】保持シャフトがアンクランプ位置に配置されたときのスピンドル、保持シャフト、および解除レバーの斜視図である。
【
図14】
図10に対応する断面図であって、保持シャフトがアンクランプ位置に配置された状態で解除レバーが初期位置へ復帰したときの解除レバーと保持シャフトの位置関係の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、作業工具として、先端工具91を揺動駆動して、被加工材(図示せず)に対して加工作業を行う電動式の振動工具1を例示する(
図1参照)。振動工具1には、装着可能な先端工具91として、ブレード、スクレーパ、研削パッド、研磨パッド等の複数種類が用意されている。使用者は、これらの先端工具91のうち、切断、剥離、研削、研磨等、所望の加工作業に適した1つを選択して振動工具1に装着し、加工作業を行うことができる。なお、以下で参照する図面では、先端工具91の一例として、ブレードが振動工具1に装着された例が図示されている。
【0019】
まず、振動工具1の概略構成について説明する。
図1および
図2に示すように、振動工具1は、長尺状のハウジング(工具本体ともいう)10を備えている。ハウジング10内には、スピンドル5、モータ3、駆動機構4等が収容されている。スピンドル5は、ハウジング10の長軸方向における一端部に収容されている。また、スピンドル5は、ハウジング10の長軸に交差する(詳細には、直交する)駆動軸A1に沿って配置されている。スピンドル5は、軸方向の一端部がハウジング10から突出し、外部へ露出している。この部分には、先端工具91を着脱可能である。また、ハウジング10の長軸方向における他端部には、モータ3への給電用のバッテリ93が着脱可能である。スピンドル5は、駆動機構4を介して伝達されるモータ3の動力によって、駆動軸A1周りに所定の角度範囲内で往復回動される。これにより、スピンドル5に取り付けられた先端工具91が所定の角度範囲内で揺動され、被加工材に対する加工作業が行われる。
【0020】
なお、以下の説明では、便宜上、振動工具1の方向に関し、駆動軸A1方向を上下方向と定義し、先端工具91が装着されるスピンドル5の一端部側を下側、反対側を上側と定義する。また、駆動軸A1に直交し、且つ、ハウジング10の長軸方向に対応する方向を前後方向と定義し、スピンドル5が収容されているハウジング10の一端部側を前側、バッテリ93が装着される他端部側を後側と定義する。また、駆動軸A1およびハウジング10の長軸に直交する方向を、左右方向と定義する。
【0021】
以下、振動工具1の詳細構成について説明する。
【0022】
まず、ハウジング10について説明する。
図2に示すように、ハウジング10は、振動工具1の外郭を形成する長尺状の筐体である。ハウジング10の前端部には、スピンドル5が収容されている。ハウジング10の略中央部には、モータ3が収容されている。モータ3とスピンドル5の間には、駆動機構4が収容されている。ハウジング10の中央部は、使用者によって把持される把持部13を構成している。ハウジング10の上面には、使用者が把持部13を把持した状態で操作可能なスライド式のスイッチ15が配置されている。本実施形態では、スイッチ15がオン位置に切り替えられると、モータ3が駆動される。ハウジング10の後端部には、充電式のバッテリ93が着脱されるバッテリ装着部17が設けられている。なお、バッテリ93およびバッテリ装着部17の構成については周知であるため、ここでの説明は省略する。
【0023】
以下、モータ3、駆動機構4、スピンドル5、およびその他の内部機構について、順に説明する。
【0024】
図2に示すように、モータ3は、モータシャフト31の回転軸A2がスピンドル5の駆動軸A1に直交するように配置されている。つまり、回転軸A2は、ハウジング10の長軸に沿って、前後方向に延在している。
【0025】
以下、駆動機構4の構成について説明する。駆動機構4は、モータ3の動力によって、スピンドル5を駆動軸A1周りの所定の角度範囲内で往復回動させるように構成されている。
図2に示すように、本実施形態の駆動機構4は、偏心シャフト41と、揺動アーム43と、駆動ベアリング45とを備えている。なお、このような構成の駆動機構4については周知であるため、ここでは簡単に説明する。偏心シャフト41は、モータシャフト31に連結されており、回転軸A2に対して偏心した偏心部411を有する。偏心部411の外周部には、駆動ベアリング45が取り付けられている。揺動アーム43は、駆動ベアリング45とスピンドル5とを接続する部材である。揺動アーム43の一端部は、環状に形成され、スピンドル5の外周部に固定されている。一方、揺動アーム43の他端部は、二股状に形成され、左右から駆動ベアリング45の外周部に当接するように配置されている。
【0026】
以下、スピンドル5の構成について説明する。
図3に示すように、スピンドル5は、上下方向に延在する中空の円筒状部材である。スピンドル5は、ハウジング10の前端部内で、駆動軸A1周りに回転可能に支持されている。より詳細には、スピンドル5の上端部および下端部は、ハウジング10に固定された2つのベアリング501、502によって支持されている。上述の揺動アーム43の一端部は、ベアリング501、502の間でスピンドル5の外周部に固定されている。スピンドル5の下端部(ベアリング502よりも下側の部分)は、ハウジング10から外部へ露出している。スピンドル5の内部には、スピンドル5の下端の開口を通して、後述のクランプシャフト6(詳細には、シャフト部61)を挿入可能である。
【0027】
スピンドル5の下端部には、スピンドル5の径方向外側に突出するフランジ状の工具装着部50が設けられている。工具装着部50には、クランプシャフト6を介して先端工具91が取り外し可能に装着される。本実施形態では、工具装着部50の下端部には、上方に凹む凹部500が形成されている。一方、本実施形態の振動工具1に装着可能な先端工具91(ブレード、スクレーパ、研削パッド、研磨パッド等)は何れも、凹部500に嵌合可能な凸部911を有する。凹部500と凸部911は、夫々、駆動軸A1に対して傾斜する傾斜面を含む。これらの傾斜面は、凸部911が凹部500に嵌合されたときに互いに当接し、動力伝達面として機能する。本実施形態では、先端工具91は、これらの傾斜面が当接した状態で、工具装着部50と、クランプシャフト6のクランプヘッド63とによってクランプされ、スピンドル5に対して固定される。スピンドル5に対する先端工具91の固定およびその解除については、後で詳述する。
【0028】
スピンドル5の下端部は、クランプシャフト6のシャフト部61が挿入される部分であって、シャフト部61の径より僅かに大きい内径を有する。一方、スピンドル5の下端部以外の部分(より上方の部分)は、下端部よりも大きい内径を有する。以下では、スピンドル5のうち、より小さい内径を有する下端部を小径部51といい、より大きい内径を有する他の部分を大径部53というものとする。大径部53内には、クランプシャフト6をスピンドル5に対して固定状に保持するための保持機構7が配置されている。
【0029】
図3および
図4に示すように、大径部53は、一対のピン係合溝54を有する。一対のピン係合溝54は、夫々、径方向にスピンドル5を貫通する貫通孔であって、駆動軸A1を基準として180度の回転対称となるように(2回対称となるように)配置されている。各ピン係合溝54は、駆動軸A1および駆動軸A1に直交する仮想的な平面に対して斜めに延在する第1部分541と、駆動軸A1方向に(上下方向に)延在する第2部分542とを含む。なお、本実施形態では、駆動軸A1に直交する仮想的な平面に対する第1部分541の傾斜角は、7~10度程度に設定されている。ピン係合溝54には、後述の係合ピン75の両端部(詳細にはローラ76)が係合している。
【0030】
更に、
図3に示すように、上下方向において、小径部51と大径部53の間には、両者を区画する区画壁57が設けられている。区画壁57の中央部には、区画壁57を上下方向に貫通する位置決め孔571が設けられている。位置決め孔571は、左右方向に長い長穴として構成されており、位置決め孔571の前端および後端は、互いに平行な一対の平面によって規定されている。
【0031】
以下、クランプシャフト6の構成について説明する。本実施形態のクランプシャフト6は、スピンドル5に着脱可能な長尺部材として構成されている。以下では、クランプシャフト6の方向については、スピンドル5に挿入された状態を基準として説明する。
図3および
図4に示すように、本実施形態のクランプシャフト6は、シャフト部61と、クランプヘッド63と、位置決め部65と、ネック部66と、ロック部67とを含む。
【0032】
シャフト部61は、円柱状に形成されている。シャフト部61は、スピンドル5の小径部51に、スピンドル5と同軸状に挿入される部分である。シャフト部61の上端部の外周には、環状の溝が形成されており、この溝に環状の弾性部材(いわゆるOリング)69が装着されている。弾性部材69は、シャフト部61が小径部51に挿入された場合、小径部51の内周面に当接し、摩擦力を生じさせる(摩擦接触する)ことで、自重によるクランプシャフト6の落下を抑制するように構成されている。
【0033】
クランプヘッド63は、シャフト部61の下端部から径方向外側に突出したフランジ状の部分である。クランプヘッド63は、工具装着部50の下側に配置され、工具装着部50と共に先端工具91をクランプするように構成されている。
【0034】
位置決め部65は、シャフト部61と同軸状に、シャフト部61の上端部から上方に延びる長尺状の部分である。位置決め部65は、スピンドル5の位置決め孔(長穴)571に整合する断面形状を有している。つまり、位置決め部65の外周面は、軸線(駆動軸A1)を中心として互いに平行に対向する一対の平面651を含む。平面651間の距離は、位置決め孔571の幅(前端および後端を規定する一対の平面間の距離)よりも僅かに小さく設定されている(
図3参照)。また、位置決め部65の最大径は、シャフト部61の径と概ね等しく、位置決め孔571の最大径よりも僅かに小さく設定されている。
【0035】
ネック部66は、シャフト部61と同軸状に、位置決め部65から上方に延びる部分であって、シャフト部61よりも小径の円柱状に形成されている。ネック部66の径は、位置決め部65の平面651間の距離と概ね等しく、位置決め孔571の幅よりも僅かに小さく設定されている。
【0036】
ロック部67は、ネック部66の上端部に接続する部分であって、概ね矩形ブロック状に形成されている。駆動軸A1に直交する方向におけるロック部67の長さは、ネック部66の径よりも大きく、ロック部67の両端部は、ネック部66よりも径方向外側へ突出している。ロック部67は、上から見た場合、位置決め部65と概ね整合する形状を有する。つまり、ロック部67の外周面(側面)は、軸線(駆動軸A1)を中心として互いに平行に対向する一対の平面671を含む。ロック部67の平面671間の距離は、位置決め部65の平面651間の距離と等しく、位置決め孔571の幅よりも僅かに小さく設定されている。ロック部67の最大径は、シャフト部61の径と概ね等しく、位置決め孔571の最大径よりも僅かに小さく設定されている。
【0037】
このような構成により、位置決め部65およびロック部67は、駆動軸A1周りの周方向において、スピンドル5に対して特定の位置に配置された場合にのみ、位置決め孔571を通過することが可能である。また、詳細は後述するが、位置決め部65が位置決め孔571に挿入されると、位置決め孔571の前端および後端を規定する一対の平面が、位置決め部65の一対の平面651に対向し、クランプシャフト6の駆動軸A1周りの位置決め部65の回転を規制する(
図3参照)。つまり、位置決め部65が位置決め孔571に挿入されると、クランプシャフト6は、駆動軸A1周りの周方向において位置決めされた状態で保持されることになる。
【0038】
以下、スピンドル5の大径部53内に配置された保持機構7の構成について説明する。保持機構7は、クランプシャフト6を上方に付勢した状態でスピンドル5に対して固定状に保持するように構成された機構である。
図3および
図4に示すように、本実施形態の保持機構7は、保持シャフト71と、係合ピン75と、付勢バネ77とを主体として構成されている。
【0039】
保持シャフト71は、駆動軸A1に沿って上下方向に延びる長尺状の部材であって、スピンドル5の大径部53内にスピンドル5と同軸状に配置されている。保持シャフト71は、スピンドル5に対して上下方向に移動可能、且つ、駆動軸A1周りに回動可能に配置されている。保持シャフト71は、大径部711と、小径部715と、レバー係合部717とを含む。
【0040】
大径部711は、保持シャフト71の下端部を構成する部分である。大径部711は、スピンドル5の大径部53の内径と概ね等しい外径を有し、大径部53の内周面に沿って摺動可能である。小径部715は、大径部711から上方に延在する部分であって、大径部711よりも小径に形成されている。レバー係合部717は、小径部715から上方に突出し、矩形状の断面を有する部分であって、保持シャフト71の上端部を構成する。なお、小径部715とレバー係合部717は1本のベースシャフト701として形成されている一方、大径部711は、有底の円筒部材702がベースシャフト701の下端部に圧入固定されることで形成されている。このとき、円筒部材702の底壁部(下壁部)703がベースシャフト701の下端から下方に離間した位置に配置されることで、保持シャフト71の下端部内には、空間710が形成されている(
図3参照)。空間710は、クランプシャフト6のロック部67の挿入、および、その駆動軸A1周りの相対的な回動を許容する。
【0041】
また、
図3および
図5に示すように、底壁部703には、ロック孔714が設けられている。ロック孔714は、底壁部703を上下方向に貫通する、周囲が閉じた貫通孔である。ロック孔714は、上述のスピンドル5の位置決め孔571と概ね同一の断面形状を有する長穴として構成されている。つまり、ロック孔714も、ロック部67よりも僅かに大きく、ロック部67に整合する断面形状を有する。よって、ロック部67は、
図6に示すように、駆動軸A1周りの周方向において、保持シャフト71に対して特定の位置に配置された場合にのみ、ロック孔714を上下方向に通過することが可能である。
【0042】
ロック部67がロック孔714を通って空間710内に配置された後、ロック部67と保持シャフト71とが特定の角度範囲内で相対的に回動すると、
図5に示すように、ロック部67はロック孔714を通過不能となり、保持シャフト71に係合する。具体的には、底壁部703の上面704の一部(詳細には、ロック孔714の周囲の領域)が、面接触によりロック部67の下面673と係合する。つまり、底壁部703の上面704のうち、ロック孔714の周囲の領域は、係合面(受け面)として機能する。ロック部67と保持シャフト71の係合によって、クランプシャフト6は保持シャフト71に連結される。なお、本実施形態のロック部67とロック孔714との関係では、回動角度範囲は、0度よりも大きく180度よりも小さければロック部67は保持シャフト71に係合可能であるが、より確実な係合のためには、15度~90度であることが好ましく、30度~90度であることがより好ましい。ロック部67の動作効率と確実な係合とのバランスを考慮すると、回動角度は、概ね30度~60度であることが更に好ましい。
【0043】
なお、以下では、保持シャフト71に対するクランプシャフト6(ロック部67)の周方向位置については、ロック部67がロック孔714を通過可能な位置(
図6に示す位置)を、アンロック位置といい、ロック部67がロック孔714を通過不能であって、保持シャフト71に係合可能な位置(例えば、
図5に示す位置)を、ロック位置という。本実施形態では、周方向における保持シャフト71とクランプシャフト6(ロック部67)との相対的な位置関係は、後述の解除レバー81の操作、または、保持シャフト71へのクランプシャフト6の挿入に応じて変化する。この点については、後で詳述する。
【0044】
また、
図4に示すように、大径部711(詳細には、空間710の上側の部分)には、径方向(駆動軸A1に直交する方向)に大径部711を貫通する貫通孔713が設けられている。係合ピン75は、小径の円柱状部材であって、貫通孔713に嵌合されている。係合ピン75は、大径部711の外径よりも長く、係合ピン75の両端部は、大径部711から外側に突出している。係合ピン75の両端部には、ローラ76が回転可能に支持されている。
図7に示すように、係合ピン75は、ローラ76を介してピン係合溝54に係合している。
【0045】
本実施形態では、付勢バネ77として、圧縮バネおよび捩りバネの両機能を備えたコイルバネが採用されている。
図3および
図4に示すように、付勢バネ77は、保持シャフト71の小径部715に外装されて、上下方向に延在している。
図8に示すように、付勢バネ77の下端部(作動端部)は、保持シャフト71に設けられた係止溝716に係止される。付勢バネ77の上端部(固定端部)は、スピンドル5に設けられた係止溝531に係止される。なお、係止溝716は、小径部715に設けられ、上下方向に延在している(
図9参照)。係止溝531は、大径部53の上端部に設けられている(
図4参照)。付勢バネ77の上側には、円筒状のバネ受け部材59が配置されている。また、
図3に示すように、バネ受け部材59は、大径部53に嵌合され、止め輪591によって上方への移動が規制されている。
【0046】
保持機構7は、付勢バネ77が保持シャフト71の大径部711の上端とバネ受け部材59の下端の間で圧縮され、且つ、上から見て時計回り方向に捩られた状態(軸方向および捩り方向の負荷がかけられた状態)で、
図3および
図7に示すようにスピンドル5に組み付けられている。これにより、保持シャフト71は、下方、且つ、上から見て反時計回り方向に付勢されている。そして、軸方向力と捩り力とが釣り合う位置で、係合ピン75がローラ76を介してピン係合溝54の第1部分541(詳細には、第1部分541を規定する傾斜面)に係合することで、スピンドル5に対する保持シャフト71の軸方向の移動および駆動軸A1周りの回動が規制される。このとき、保持シャフト71は、付勢バネ77の捩り力によって、上方に付勢された状態で保持される。以下では、このときの保持シャフト71の位置を、クランプ位置という。
【0047】
保持シャフト71がクランプ位置に配置されると、ロック部67を介して保持シャフト71に連結されたクランプシャフト6は、上方に付勢された状態でスピンドル5に対して固定状に保持され、工具装着部50とクランプヘッド63によって先端工具91がクランプされる。なお、保持シャフト71がクランプ位置に配置されているときには、ロック部67は、ベースシャフト701の下端から僅かに下方に離間している。
【0048】
更に、
図3に示すように、本実施形態では、スピンドル5の上側には、保持シャフト71を駆動軸A1周りに回動させるように構成された解除機構8が設けられている。詳細は後述するが、保持シャフト71が解除機構8によってクランプ位置からアンクランプ位置に移動されることで、保持シャフト71からクランプシャフト6を取り外すことが可能となる。
【0049】
以下、解除機構8の構成について説明する。
図3および
図4に示すように、本実施形態の解除機構8は、解除レバー81と、付勢バネ83とを主体として構成されている。
【0050】
解除レバー81は、使用者による回動操作が可能な状態で、ハウジング10に支持されている。本実施形態では、解除レバー81は、ハウジング10の前端部の上面に配置された上側部材811と、上側部材811に連結されて下方に突出する下側部材815とによって形成されている。上側部材811は、平面視円形のベース部812と、ベース部812から概ね法線方向に突出するレバー部813とを含む。下側部材815は、段付きの筒状部材として構成されている。下側部材815の上側部分は、外径がより小さい小径部とされており、ベース部812に設けられた円筒孔に嵌合可能である。本実施形態では、上側部材811および下側部材815は、ハウジング10に固定された筒状の保持スリーブ87を上下から挟んだ状態で、互いに相対回動不能に嵌合され、ネジで固定されている。これにより、上側部材811および下側部材815は、解除レバー81として一体化され、保持スリーブ87によって、駆動軸A1周りに回動可能に支持されている。
【0051】
また、
図10に示すように、下側部材815の内側には、駆動軸A1周りの周方向の2箇所に、係合部816が設けられている。
図3に示すように、保持シャフト71がクランプ位置で保持されているときには、レバー係合部717は、バネ受け部材59よりも上方に突出して、下側部材815の内部に配置される。係合部816は、保持シャフト71のレバー係合部717の側面に対して当接可能な凸部として構成されている。
【0052】
本実施形態では、付勢バネ83として、捩りコイルバネが採用されている。
図3に示すように、付勢バネ83は、保持スリーブ87およびベース部812の円筒部に外装されている。
図11に示すように、付勢バネ83の下端部(固定端部)は、保持スリーブ87に設けられた係止溝871に係止されており、上端部(作動端部)は、ベース部812に係止されている。付勢バネ83は、上から見て時計回り方向に捩られた状態(捩り方向の負荷がかけられた状態)で解除レバー81に組み付けられる。これにより、解除レバー81は、上から見て反時計回り方向に付勢され、レバー部813が後方に延在してハウジング10の左側面に当接する位置で保持される(
図1に参照)。以下、このときの解除レバー81の位置を、初期位置という。
【0053】
以下、先端工具91の取り外し時および装着時の保持機構7および解除機構8の動作について説明する。
【0054】
まず、先端工具91の取り外しについて説明する。
【0055】
図3、
図5、
図7、および
図10に示すように、解除レバー81が初期位置に配置され、保持シャフト71がクランプ位置に配置されている場合、保持シャフト71のレバー係合部717は、解除レバー81の下側部材815の内側で、係合部816から周方向の押圧を受けることなく保持されている。また、上述のように、係合ピン75の両端部(ローラ76)は、ピン係合溝54の第1部分541に係合している。更に、ロック部67がロック位置に配置され、下面673が上面704に面接触した状態で底壁部703に係合することで、クランプシャフト6は、ロック部67を介して保持シャフト71に連結されている。これにより、クランプシャフト6が上方に付勢された状態でスピンドル5に対して固定状に保持され、工具装着部50とクランプヘッド63によって先端工具91がクランプされている。
【0056】
この状態から、使用者によってレバー部813が把持され、解除レバー81が、初期位置から、付勢バネ83の付勢力に抗して時計回り方向(
図10の矢印CW方向)に回動される。この過程で、係合部816がレバー係合部717に当接し、付勢バネ77の付勢力に抗して、保持シャフト71を解除レバー81と同じ方向(上から見て時計回り方向)に回動させる。ピン係合溝54の第1部分541に係合した係合ピン75は、保持シャフト71の回動に伴って、第1部分541内を斜め下方へ移動する。このとき、ローラ76が第1部分541内を転動することで、係合ピン75は第1部分541に沿って案内される。これにより、保持シャフト71は、スピンドル5に対して、駆動軸A1周りに回動しつつ下方へ移動する。解除レバー81および保持シャフト71の回動に伴って、付勢バネ83および付勢バネ77には、夫々、捩り力(トルク)が作用する。
【0057】
図12に示すように、解除レバー81が、初期位置から時計回り方向に概ね90度の位置(以下、回動位置という)まで回動されると、係合ピン75の端部(ローラ76)が、斜めに延びる第1部分541と、上下方向に延びる第2部分542の接続部分に到達する。すると、予め圧縮されていた付勢バネ77の軸方向の復元力によって、保持シャフト71が下方へ付勢される。係合ピン75は、ローラ76を介して第2部分542に係合し、第2部分542に沿って下方へ案内される。なお、保持シャフト71は、付勢バネ77の捩り方向の復元力によって、上から見て反時計回り方向にも付勢されるが、ローラ76を介して係合ピン75が第2部分542に係合することで、保持シャフト71の回動は規制される。このため、保持シャフト71は、下方へ直線状に移動する。
【0058】
図13に示すように、保持シャフト71は、係合ピン75が第2部分542の下端に当接する位置まで移動し、付勢バネ77の軸方向の付勢力によって、この位置で保持される。以下、このときの保持シャフト71の位置をアンクランプ位置という。
図9に示すように、アンクランプ位置では、保持シャフト71のレバー係合部717は、解除レバー81の係合部816から下方に離間している。
【0059】
なお、解除レバー81の回動に伴って、保持シャフト71はスピンドル5に対して駆動軸A1周りに回動するが、クランプシャフト6はスピンドル5に対して回動不能に保持されている。よって、保持シャフト71に対するクランプシャフト6の周方向位置が変化する。なお、本実施形態では、解除レバー81の初期位置から回動位置までの回動角度(時計回り方向をプラスとする)は、概ね90度であるのに対し、保持シャフト71のクランプ位置からアンクランプ位置までの回動角度、つまり、ロック部67のアンロック位置からロック位置までの回動角度は、概ね30~60度の範囲内に設定されている。
【0060】
保持シャフト71がクランプ位置からアンクランプ位置まで回動されると、クランプシャフト6は、
図5に示すロック位置から、
図6に示すように、ロック部67が保持シャフト71のロック孔714を通過可能なアンロック位置へ相対的に移動する。これにより、保持シャフト71とクランプシャフト6の係合が解除され、クランプシャフト6の下方向への移動が許容される。つまり、工具装着部50とクランプヘッド63による先端工具91のクランプが解除される。また、このとき、ロック孔714とスピンドル5の位置決め孔571とは上下に重なり合う位置に配置されている。よって、保持シャフト71およびスピンドル5からのクランプシャフト6の取り外し(引き抜き)が可能となる。
【0061】
また、解除レバー81の回動に伴って、保持シャフト71がクランプ位置からアンクランプ位置へ向けて下方へ移動する過程で、ベースシャフト701の下端がロック部67の上端に当接し、クランプシャフト6を押圧して下方へ移動させる。上述のように、クランプシャフト6の回動は規制されているため、クランプシャフト6は回動することなく下方へ直線状に移動する。このとき、シャフト部61の外周部に装着された弾性部材69の摩擦力により、クランプシャフト6は、自重で落下することなく小径部51内を摺動する。そして、
図9に示すように、保持シャフト71がアンクランプ位置まで到達しても、クランプシャフト6は、小径部51に挿入された状態で保持される。使用者は、先端工具91と共にクランプシャフト6をスピンドル5および保持シャフト71から引き抜くことで、先端工具91を取り外すことができる。
【0062】
保持シャフト71がアンクランプ位置に配置された状態で、使用者がレバー部813の把持を解除すると、回動位置への解除レバー81の回動時に付勢バネ83に付与された捩り力に対応する復元力によって、解除レバー81は初期位置へ向けて反時計回り(
図12の矢印CCW方向)に回動する。このとき、上述したように、保持シャフト71のレバー係合部717は、解除レバー81の係合部816から下方に離間している(
図9参照)。また、係合ピン75の両端部(ローラ76)が、ピン係合溝54の第2部分542に係合することで、保持シャフト71の回動が規制されている。よって、
図14に示すように、解除レバー81が初期位置に戻っても、保持シャフト71は回動せず、アンクランプ位置で保持されることになる。これにより、使用者は、解除レバー81を離した状態で、クランプシャフト6および先端工具91を容易に取り外すことができる。
【0063】
次に、先端工具91の取付けについて説明する。
【0064】
先端工具91の取付け時には、上述のように、保持シャフト71は、付勢バネ77の軸方向の付勢力によってアンクランプ位置に保持されており、クランプシャフト6は取り外された状態である。使用者はまず、所望の加工作業に応じた先端工具91を選択し、先端工具91の凸部911の中央部に設けられた貫通孔にクランプシャフト6を挿通する。そして、スピンドル5および保持シャフト71に対するクランプシャフト6の周方向位置を調整し、ロック部67側から、クランプシャフト6をスピンドル5および保持シャフト71に挿入する。具体的には、使用者は、ロック部67および位置決め部65が、スピンドル5の位置決め孔571を通過可能、且つ、ロック部67が保持シャフト71のロック孔714を通過可能な位置に、クランプシャフト6を位置決めする。なお、上述のように、アンクランプ位置では、保持シャフト71はスピンドル5に対して回動不能に保持されており、位置決め孔571とロック孔714は、上下方向に重なる位置にある。よって、このときの位置決めは、周方向において、ロック部67をアンロック位置に配置することと同義である。
【0065】
クランプシャフト6をアンロック位置に配置して、スピンドル5および保持シャフト71に対して上方へ移動させると、
図9に示すように、ロック部67がロック孔714を通って保持シャフト71下端部の空間710内に進入する。そして、ロック部67の上端がベースシャフト701の下端に当接し、付勢バネ77の軸方向の付勢力に抗して保持シャフト71を上方に押し上げる。ローラ76を介して第2部分542に係合した係合ピン75(
図13参照)は、第2部分542内を、第1部分541との接続部に向かって上方へ移動する。
【0066】
係合ピン75が、第2部分542と第1部分541の接続部に到達すると、回動位置への解除レバー81の回動時に付勢バネ77に付与された捩り力に対応する復元力によって、保持シャフト71は、スピンドル5に対して、上から見て反時計回り方向に回動し、係合ピン75は、第1部分541内を斜め上方に移動する。そして、係合ピン75(ローラ76)が、捩り力と軸方向力が釣り合う位置で第1部分541(傾斜面)に係合し、保持シャフト71は、クランプ位置に復帰して保持される。
【0067】
この間、位置決め部65が位置決め孔571内に配置されることで、スピンドル5に対するクランプシャフト6の回動は規制されている。よって、保持シャフト71がスピンドル5に対して駆動軸A1周りに回動するのに伴って、保持シャフト71に対するロック部67の周方向位置が、アンロック位置(
図6参照)からロック位置(
図5参照)へと変化する。その結果、ロック部67が保持シャフト71に係合することで、クランプシャフト6が保持シャフト71に連結される。よって、保持シャフト71がクランプ位置に復帰すると、クランプシャフト6は上方に付勢された状態でスピンドル5に対して固定状に保持されて、工具装着部50とクランプヘッド63によって先端工具91がクランプされる。
【0068】
以上に説明したように、本実施形態の振動工具1は、スピンドル5の工具装着部50とクランプシャフト6のクランプヘッド63によってクランプされた先端工具91を、駆動軸A1周りに揺動駆動するように構成されている。クランプシャフト6は、ロック部67を介して保持シャフト71に連結され、付勢バネ77によって上方に付勢された保持シャフト71によって、スピンドル5に対して固定状に保持される。より詳細には、ロック部67は、アンロック位置とロック位置との間で、保持シャフト71に対して駆動軸A1周りに相対的に回動可能に構成されている。ロック部67は、保持シャフト71のロック孔714を通過可能なアンロック位置では、保持シャフト71に対するクランプシャフト6の上下方向の移動を許容する。一方、ロック部67は、保持シャフト71に係合するロック位置では、保持シャフト71に対するクランプシャフト6の下方向への移動を禁止する。
【0069】
このような構成の振動工具1では、保持シャフト71とロック部67とを相対的に回動させ、保持シャフト71に対するロック部67の位置を、アンロック位置とロック位置との間で変化させるだけで、保持シャフト71によるクランプシャフト6の保持状態を切り替えることができる。よって、従来のように、クランプシャフトを保持するボールやクランプ部材を径方向に移動させる場合に比べ、径方向の必要スペースを最小限とすることができる。特に、本実施形態では、ロック部67は、クランプシャフト6のシャフト部61と一体的に形成されている。これにより、保持シャフト71に係合し、クランプシャフト6を保持シャフト71に連結するための係合部材を別個にハウジング10内に配置する必要をなくし、構成の簡素化および組立性の向上を実現することができる。
【0070】
本実施形態では、保持シャフト71のロック孔714は、底壁部(下壁部)703を上下方向に貫通する、周囲が閉じた貫通孔として構成されている。そして、ロック部67は、ロック位置において、底壁部703の上面704のうち、ロック孔714の周辺領域に面接触するように構成されている。よって、点接触あるいは線接触に比べ、ロック部67と保持シャフト71との安定した係合状態を確立することができる。また、ロック部67の下面673が局所的に摩耗するのを抑制できるため、ロック部67の耐久性を高めることができる。
【0071】
また、ロック部67は、駆動軸A1を挟んで互いに平行に対向する一対の平面(側面)671を有し、ロック孔714は、ロック部67に概ね整合する断面形状を有している。このような構成を採用することで、ロック部67およびロック孔714を容易に作製することができる。また、比較的小さい相対回動角度で、ロック部67を保持シャフト71により確実に係合させることが可能となる。
【0072】
本実施形態では、保持シャフト71は、クランプ位置とアンクランプ位置との間で、スピンドル5に対して相対的に移動可能(詳細には、上下方向および周方向に移動可能)に構成されており、いずれの位置においても、付勢バネ77の付勢力によって保持される。つまり、解除レバー81の回動操作が解除されても、保持シャフト71がクランプ位置に自動的に復帰することがない。そして、保持シャフト71がアンクランプ位置に配置され、ロック部67がアンロック位置に配置された状態で、シャフト部61が付勢バネ77の付勢力に抗してスピンドル5内に挿入されるのに応じて、保持シャフト71は、駆動軸A1周りに回動しつつクランプ位置へ向けて移動し、これによりロック部67がロック位置に相対移動する。よって、使用者は、シャフト部61をスピンドル5に挿入する操作のみで(つまり、ワンタッチで)、保持シャフト71を回動させてロック部67をロック位置に相対的に移動させ、クランプシャフト6をスピンドル5に固定状に保持させることができる。
【0073】
本実施形態では、付勢バネ77は、捩りバネとしての機能を備えており、保持シャフト71を駆動軸A1周りに回動付勢して、係合ピン75を、ピン係合溝54のうち、第1部分541(傾斜面)に係合させることで、保持シャフト71をクランプ位置で保持するように構成されている。つまり、駆動軸A1に対して傾斜する第1部分541を利用して、付勢バネ77の捩り力で保持シャフト71を上方に付勢し、クランプ位置で保持することができる。特に、本実施形態では、駆動軸A1に直交する仮想的な平面に対する第1部分541の傾斜角を適切に設定し、力の増幅につなげている。また、係合ピン75は、ローラ76を介してピン係合溝54に係合しているため、ローラ76がピン係合溝54内を転動することで、保持シャフト71の移動をスムーズに案内することができる。
【0074】
上記実施形態は単なる例示であり、本発明に係る作業工具は、例示された振動工具1の構成に限定されるものではない。例えば、下記に例示される変更を加えることができる。なお、これらの変更は、これらのうちいずれか1つのみ、あるいは複数が、実施形態に示す振動工具1、あるいは各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
【0075】
例えば、本発明に係る作業工具は、先端工具91を回転駆動する回転工具(例えば、グラインダ、サンダ、ポリッシャ)として具現化されてもよい。
【0076】
ロック部67およびロック孔714の構成は、適宜変更されてよい。例えば、ロック部67は、必ずしもクランプシャフト6(シャフト部61)に一体化されている必要はない。ロック部67は、保持シャフト71に対して駆動軸A1周りに相対的に回動可能であって、アンロック位置において、クランプシャフト6の上下方向の移動を許容し、且つ、ロック位置において、保持シャフト71と係合してクランプシャフト6と保持シャフト71を連結し、クランプシャフト6の下方向への移動を禁止することが可能である限りにおいて、クランプシャフト6とは別個の部材として構成され、スピンドル5内に配置されていてもよい。
【0077】
また、ロック孔714およびロック部67の形状は、上記実施形態で例示された長穴に限られず、ロック部67が保持シャフト71に対してアンロック位置から回動された場合に、ロック孔714の周囲の領域に係合可能であればよい。例えば、上から見たときのロック部67の形状と、ロック孔714の形状は、円形以外の形状(例えば、楕円形、多角形)から任意に選択されうる。ロック部67と保持シャフト71の確実な係合状態を得るためには、ロック部67がロック位置に配置されたとき、ロック部67と保持シャフト71とは、より広範囲で面接触することが好ましい。ロック位置とアンロック位置との間の好ましい回動角度範囲は、ロック孔714およびロック部67の形状に応じて適宜設定されうる。また、ロック孔714は、アンロック位置に配置されたロック部67が通過可能な空間部(通路)である限りにおいて、例えば、周囲が閉じた貫通孔ではなく、外周の一部が切れた凹部として構成されていてもよい。ロック孔714およびロック部67の形状は、必ずしも整合している必要はない。
【0078】
上記実施形態では、位置決め孔571により、スピンドル5に対するクランプシャフト6の駆動軸A1周りの回動が規制される一方、解除レバー81の回動や、クランプシャフト6の挿入に応じて保持シャフト71が回動されることで、ロック部67の相対的な回動が実現されている。これとは反対に、保持シャフト71は回動が規制された状態でスピンドル5に保持され、クランプシャフト6が保持シャフト71に対して回動可能であってもよい。この場合、例えば、使用者は、ロック部67がアンロック位置に配置された状態でクランプシャフト6をロック孔714に挿入し、クランプシャフト6を手動で回動させることでロック位置に相対的に移動させることができる。
【0079】
保持シャフト71を付勢する付勢バネ77は、圧縮バネと捩りバネの両機能を有する必要はなく、例えば、圧縮バネの機能のみを発揮する弾性体、または捩りバネの機能のみを発揮する弾性体が採用されてもよい。例えば、圧縮バネの機能のみを発揮する弾性体は、保持シャフト71を常時上方向に付勢してクランプ位置に保持するように構成されていればよい。また、例えば、捩りバネの機能のみを発揮する弾性体が採用される場合、第1部分541と同様の傾斜溝と係合ピン75とを利用して、保持シャフト71をクランプ位置に保持すればよい。いずれの場合も、解除レバー81に代えて、偏心部を有するカムレバーを用いて、弾性体の付勢力に抗して保持シャフト71を下方へ移動させ、アンクランプ位置で保持すればよい。
【0080】
ロック部67がアンロック位置に配置されたときにクランプシャフト6が自重で落下するのを抑制するための弾性部材69は、環状である必要はない。例えば、シャフト部61の外周面の周方向の複数の位置に、弾性部材が取り付けられていてもよい。また、弾性部材69は省略されてもよい。
【0081】
スピンドル5の構成(例えば、形状、支持構造等)は、上記実施形態の例に限られるものではなく、適宜、変更されてよい。例えば、スピンドル5は、複数の部材が一体的に結合されることで形成されていてもよい。上述の実施形態では、工具装着部50は、凸部911を有する先端工具91に対応する凹部500を有する。そして、先端工具91は、その傾斜面が工具装着部50の傾斜面に当接した状態で、工具装着部50に固定される。しかしながら、工具装着部50は、平面状の下面を有し、平面状の上面を有する先端工具を固定可能な構成とされてもよい。なお、この場合、先端工具を工具装着部50に位置決めするために、工具装着部50と先端工具に、突起と嵌合孔とが設けられていてもよい。
【0082】
ハウジング10、モータ3、および駆動機構4の構成についても、適宜、変更が可能である。例えば、ハウジング10は、弾性部材を介して相対移動可能に連結されたインナハウジングとアウタハウジングとを含む、いわゆる防振ハウジングとして構成されていてもよい。また、例えば、モータ3は、交流モータであってもよい。モータ3は、モータシャフト31の回転軸A2が駆動軸A1と平行に延在するように、ハウジング10の前端部に収容されていてもよい。
【0083】
本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。振動工具1は、本発明の「作業工具」の一例である。先端工具91は、本発明の「先端工具」の一例である。駆動軸A1は、本発明の「駆動軸」の一例である。スピンドル5は、本発明の「スピンドル」の一例である。工具装着部50は、本発明の「第1クランプ部」の一例である。クランプシャフト6は、本発明の「クランプシャフト」の一例である。シャフト部61は、本発明の「シャフト部」の一例である。クランプヘッド63は、本発明の「第2クランプ部」の一例である。保持シャフト71は、本発明の「保持部材」の一例である。ロック孔714は、本発明の「通過部」の一例である。ロック部67は、本発明の「係合部材」の一例である。アンロック位置およびロック位置は、夫々、本発明の「第1位置」および「第2位置」の一例である。付勢バネ77は、本発明の「付勢部材」の一例である。
【0084】
底壁部703は、本発明の「下壁部」の一例である。上面704は、「下壁部の上面」の一例である。クランプ位置およびアンクランプ位置は、夫々、本発明の「保持位置」および「解放位置」の一例である。ピン係合溝54(詳細には第1部分541)は、本発明の「傾斜溝」の一例である。係合ピン75は、本発明の「凸部」の一例である。ローラ76は、本発明の「ローラ」の一例である。一対の平面671は、本発明の「一対の平面」の一例である。
【0085】
更に、本発明および上記実施形態とその変形例の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様は、独立して、あるいは、実施形態に示す振動工具1、上記変形例、または各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
[態様1]
前記スピンドルは、前記スピンドルに対する前記クランプシャフトの前記駆動軸周りの回動を規制する回動規制部を有する。
なお、回転規制部は、典型的には、クランプシャフトに当接することで、クランプシャフトの回動を規制する。位置決め孔571の前端および後端を規定する一対の平面(区画壁57の壁面)が、本態様における「回動規制部」の一例である。
[態様2]
前記係合部材は、前記シャフト部の上端部に設けられている。
[態様3]
前記保持位置と前記解放位置は、前記上下方向においても、前記駆動軸周りの周方向においても、互いに異なる位置である。
[態様4]
前記付勢部材は、圧縮バネおよび捩りバネの両機能を備えたコイルバネであって、前記保持部材が前記解放位置に配置されているときには、圧縮に対応する復元力で前記保持部材を前記スピンドルに対して下方に付勢し、前記保持部材が前記保持位置に配置されているときには、捩りに対応する復元力で前記保持部材を前記スピンドルに対して上方へ付勢する。
[態様5]
前記スピンドルは、前記傾斜溝の下端に接続して下方に延在する鉛直溝を有し、
前記保持部材が前記解放位置に配置されているときには、前記凸部が前記鉛直溝に係合することで、前記スピンドルに対する前記保持部材の回動を規制する。
[態様6]
前記スピンドルは、前記傾斜溝の下端に接続して下方に延在する鉛直溝を有し、
前記凸部が前記傾斜溝と前記鉛直溝の接続部に配置された場合、前記付勢部材の圧縮に対応する復元力によって、前記凸部が前記鉛直溝に沿って下方へ移動し、前記保持部材を下方へ案内する。
[態様7]
使用者による操作に応じて、前記保持部材を前記駆動軸周りに回動させることで、前記保持部材を前記保持位置から前記解放位置へ移動させるように構成された操作部材と、
前記操作部材を付勢する第2の付勢部材とを更に備え、
前記第2の付勢部材は、前記保持部材が前記解放位置で保持された状態で、前記操作部材を付勢して、前記初期位置に復帰させるように構成されていることを特徴とする作業工具。
解除レバー81は、本態様における「操作部材」の一例である。付勢バネ83は、本態様における「第2の付勢部材」の一例である。
[態様8]
前記操作部材は、前記保持部材に当接して回動させるように構成された当接部を有し、
前記保持部材は、前記解放位置へ配置された場合、前記当接部から離間するように構成されている。
係合部816は、本態様における「当接部」の一例である。
【符号の説明】
【0086】
1:振動工具
10:ハウジング
13:把持部
15:スイッチ
17:バッテリ装着部
3:モータ
31:モータシャフト
4:駆動機構
41:偏心シャフト
411:偏心部
43:揺動アーム
45:駆動ベアリング
5:スピンドル
50:工具装着部
500:凹部
501:ベアリング
502:ベアリング
51:小径部
53:大径部
531:係止溝
54:ピン係合溝
541:第1部分
542:第2部分
57:区画壁
571:位置決め孔
59:バネ受け部材
591:止め輪
6:クランプシャフト
61:シャフト部
63:クランプヘッド
65:位置決め部
651:平面
66:ネック部
67:ロック部
671:平面
673:下面
69:弾性部材
7:保持機構
701:ベースシャフト
702:円筒部材
703:底壁部
704:上面
71:保持シャフト
710:空間
711:大径部
713:貫通孔
714:ロック孔
715:小径部
716:係止溝
717:レバー係合部
75:係合ピン
76:ローラ
77:付勢バネ
8:解除機構
81:解除レバー
811:上側部材
812:ベース部
813:レバー部
815:下側部材
816:係合部
83:付勢バネ
87:保持スリーブ
871:係止溝
91:先端工具
911:凸部
93:バッテリ
A1:駆動軸
A2:回転軸