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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】収納ユニット
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/125 20190101AFI20220518BHJP
【FI】
G07D11/125
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019026135
(22)【出願日】2019-02-17
(65)【公開番号】P2020135252
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000230858
【氏名又は名称】日本金銭機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174816
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 貴久
(74)【代理人】
【識別番号】100192692
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】冨吉 哲也
(72)【発明者】
【氏名】伊尾瀬 晋
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-174131(JP,A)
【文献】特開2010-102360(JP,A)
【文献】特開2017-107351(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 9/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送出される紙葉類を収納袋に収納する収納ユニットであって、
対向するように配置された第1部材と第2部材との間に前記収納袋の袋口が開口するように配置され、当該第1部材と第2部材とが当接する閉塞状態が形成されることにより当該収納袋の袋口をシーリング可能なシーリング機構と、
前記第1部材と第2部材とが所定距離を有して形成される開口状態を保持するラッチ機構と、
前記ラッチ機構によって保持されている開口状態を解除するレバーと、
前記レバーによって前記開口状態が解除された際、前記閉塞状態を形成するように前記第1部材と第2部材とを引き寄せるバネ機構と、
前記開口状態の場合、当該収納ユニットの引き出しを規制するロック機構とを備える、収納ユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類を収納袋に収納する収納ユニットに関し、より特定的には、紙葉類を収納袋に収納して当該収納袋の袋口が閉塞された状態で取り出せる収納ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、納金機(計数機)に入金された紙幣は、1枚ずつ識別されながら計数され、その後、金庫や収納袋に収納されて集金される。また、紙幣を納金機に入金する場合に限らず、例えば、自動販売機等の装置において、入金されて蓄蔵された紙幣や硬貨を集金しなければならない場合がある。
【0003】
そこで、硬貨出金口の下に取り外し可能に取り付けられ、硬貨入出金装置が排出する硬貨を回収する回収袋が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017‐138987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の回収袋では、当該回収袋に硬貨を収納して袋口を閉塞するという手順を確実に行わなければならず、正しい手順を実行しなければならないという煩わしさがあるとともに、万が一、誤った手順を実行してしまうというおそれもある。
【0006】
それ故に、本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的の1つは、送出される紙葉類が収納袋に収納されて、当該収納袋の袋口が閉塞された状態で取り出されるという手順を確実に実行できる収納ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも以下のような構成を備え、もしくは手順を実行する。なお、以下の説明において、本発明の理解を容易にするために図面に示されている符号等を付記する場合があるが、本発明の各構成要素は、図面に示されているものに限定されるものではなく、当業者が技術的に理解しうる範囲にまで広く解釈されるべきものである。
【0008】
本発明の一局面に係る収納ユニットは、送出される紙葉類を収納袋に収納する収納ユニットであって、対向するように配置された第1部材と第2部材との間に前記収納袋の袋口が開口するように配置され、当該第1部材と第2部材とが当接する閉塞状態が形成されることにより当該収納袋の袋口をシーリング可能なシーリング機構と、前記第1部材と第2部材とが所定距離を有して形成される開口状態を保持するラッチ機構と、前記ラッチ機構によって保持されている開口状態を解除するレバーと、前記レバーによって前記開口状態が解除された際、前記閉塞状態を形成するように前記第1部材と第2部材とを引き寄せるバネ機構と、前記開口状態の場合、当該収納ユニットの引き出しを規制するロック機構とを備える。
【0009】
また、上述した本発明の一局面に係る収納ユニットが行うそれぞれの処理は、一連の処理手順を与える収納方法として捉えることができる。この方法は、一連の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムの形式で提供されても構わない。このプログラムは、所定のサーバからダウンロードする形態で、プログラムが格納された所定のサーバにインターネット経由でアクセスする形態で、もしくはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録された形態で、コンピュータに導入されてもよい。また、上述した本発明の一局面に係る収納ユニットを構成する一部又は全部の機能ブロックは、集積回路であるLSI(Large-Scale Integration)等として実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、送出される紙葉類が収納袋に収納されて、当該収納袋の袋口が閉塞された状態の収納袋を取り出すという手順を確実に実行する収納ユニットを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る収納ユニット100が用いられている様子を示す概要図である。
図2】本発明の一実施形態に係る収納ユニット100におけるシーリング機構110の開口状態と閉塞状態とを示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る収納ユニット100におけるラッチ機構120およびバネ機構140の詳細を示す拡大図である。
図4】本発明の一実施形態に係る収納ユニット100を用いて、収納袋200に紙幣を収納する様子を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る収納ユニット100におけるロック機構150の詳細を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、あくまで、本発明を実施するための具体的な一例を挙げるものであって、本発明を限定的に解釈させるものではない。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る収納ユニット100が用いられている様子を示す概要図である。図1において、納金機(計数機)300に入金された紙幣は、金庫400に送出される。その際、金庫400内部に収納袋200を配置した収納ユニット100を用いることにより、紙幣を収納袋200に収納し、当該収納袋200を取り出せるようにしている。
【0014】
図2は、本発明の一実施形態に係る収納ユニット100におけるシーリング機構110の開口状態と閉塞状態とを示す図である。収納ユニット100は、シーリング機構110と、ラッチ機構120と、袋保持部130とを備える。なお、シーリング機構110は、対向するように配置された第1部材111と第2部材112とで構成されている。
【0015】
図2(A)において、シーリング機構110は、第1部材111と第2部材112とが所定距離を有して配置されることによって開口状態を形成しており、ラッチ機構120によって当該開口状態を保持している。開口状態において、袋保持部130によって収納袋200を袋口が開口するように配置されることになる。
【0016】
図2(B)において、シーリング機構110は、第1部材111と第2部材112とが当接することによって閉塞状態を形成している。開口状態において上述したように収納袋200の袋口が開口するように配置されていれば、閉塞状態において当該袋口はシーリングされることになる。
【0017】
シーリングは、テープを備える収納袋200を用いて、当該テープで収納袋200の袋口が閉じられるようにしている。ただし、これに限定されるものではなく、第1部材111と第2部材112とが当接することにより収納袋200の袋口をシーリングすることができれば、例えば、熱融着や圧着などの手段を用いても構わない。
【0018】
ここで、シーリング機構110が開口状態から閉塞状態に移行する仕組みを、より詳細に説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る収納ユニット100におけるラッチ機構120およびバネ機構140の詳細を示す拡大図である。
【0019】
第2部材112がラッチ機構120におけるラッチ部材122に保持されることによって開口状態が保持されているが、レバー121が操作されることにより、第2部材112を保持しているラッチ部材122が解除される。
【0020】
そうすれば、バネ機構140におけるバネ部材141によって第2部材112が第1部材111に引き寄せられるように移動し、その結果、第2部材112が第1部材111に当接して閉塞状態を形成することになる。なお、バネ部材141は、典型的にはコンストンバネである。
【0021】
図4は、本発明の一実施形態に係る収納ユニット100を用いて、収納袋200に紙幣を収納する様子を示す図である。
【0022】
(A)金庫400内に配置されている収納ユニット100を引き出す。この際、シーリング機構110は閉塞状態であり、シーリング機構110が開口状態である場合には収納ユニット100は引き出せないようにロック機構によってロックされている。
【0023】
ここで、ロック機構の詳細について詳しく説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る収納ユニット100におけるロック機構150の詳細を示す拡大図である。開口状態において収納ユニット100が金庫400から引き出される方向に移動できないように、第2部材112がロック部材151によって規制されている。
【0024】
換言すれば、第2部材112が第1部材111の方向へ移動すれば、当該ロック部材151による規制が解除され、収納ユニット100が金庫400から引き出される方向に移動できるようになる。収納ユニット100が金庫400から引き出される方向に押し出すようにバネ部材152が配置されていることが好ましい。バネ部材152は、典型的には、コイルバネであり、収納ユニット100が金庫400からスムーズに引き出されるようにしている。
【0025】
(B)第2部材112を第1部材111から引き離してシーリング機構110を開口状態にし、ラッチ機構120によって第2部材112を保持して、当該開口状態を維持する。
【0026】
(C)収納袋200を袋口が開口するように収納ユニット100が配置する。
【0027】
(D)収納袋200が配置されてシーリング機構110が開口状態のまま、収納ユニット100を金庫400内に押し込む。
【0028】
(E)金庫400内の適正な位置に収納ユニット100が設置される。ここで適正な位置とは、納金機300から送出される紙幣が開口した収納袋200の袋口に送入される位置である。そして、収納ユニット100は、当該適正な位置において、ロック機構150によってロックされ、引き出されないようになっている。
【0029】
この状態で、納金機300から送出される紙幣が収納袋200に収納される。その後、シーリング機構110を開口状態から閉塞状態にすることによって、収納袋200の袋口を閉塞する。
【0030】
(F)金庫400内でシーリング機構110が閉塞状態である収納ユニット100を金庫400内から引き出す。そして、紙幣が収納されている収納袋200を、袋口が閉塞された状態で取り出すことができる。
【0031】
以上のように、本発明の一実施形態に係る収納ユニット100によれば、納金機300から送出される紙幣が収納袋200に収納されて、当該収納袋200の袋口が閉塞された状態の収納袋200を取り出すという手順を確実に実行することができる。
【0032】
図5を用いて説明したように、ロック機構150により、収納袋200の袋口を閉塞しない状態では、収納ユニット100を引き出すことができないため、収納袋200に紙幣を収納した後、袋口が開口したままの状態で当該収納袋200を取り出すことができない。万が一、誤った手順を実行しようとしても、紙幣がこぼれ落ちる等の重大な事態は回避できるため、安全性が確保できていると言える。
【0033】
なお、本実施形態では、納金機300から送出される紙幣を収納袋200に収納するものとしたが、これに限定されるものではなく、自動販売機や遊戯機等に蓄蔵される紙幣でも構わない。
【0034】
また、収納袋200に収納する対象は、紙幣に限定されるものではなく、チケットや金券等の紙葉類であれば何でもよく、さらには、硬貨やメダル等のコイン類であっても構わない。
【0035】
以上、本発明の一実施形態についての具体的な説明を行った。上記説明は、あくまで一実施形態としての説明であって、本発明の範囲はこの一実施形態に留まらず、当業者が把握可能な範囲にまで広く解釈されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、納金機等から送出される紙幣を収納袋に収納する場面に利用可能であって、特に、納金機、計数機、紙葉類集積装置、遊戯機、および自動販売機等に用いる収納ユニット等に有用である。
【符号の説明】
【0037】
100 収納ユニット
110 シーリング機構
111 第1部材
112 第2部材
120 ラッチ機構
121 レバー
122 ラッチ部材
130 袋保持部
140 バネ機構
141 バネ部材(コンストンバネ)
150 ロック機構
151 ロック部材
152 バネ部材(コイルバネ)
200 収納袋
300 納金機(計数機)
400 金庫

図1
図2
図3
図4
図5