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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】口腔洗浄器
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/032 20060101AFI20220518BHJP
   A61C 17/00 20060101ALI20220518BHJP
   A61C 17/02 20060101ALI20220518BHJP
【FI】
A61C17/032
A61C17/00 A
A61C17/02 J
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019537081
(86)(22)【出願日】2017-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-30
(86)【国際出願番号】 US2017067792
(87)【国際公開番号】W WO2018128834
(87)【国際公開日】2018-07-12
【審査請求日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】15/401,144
(32)【優先日】2017-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519081776
【氏名又は名称】トゥースシャワー,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】ToothShower,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギュネスト,リサ,ミケーレ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレイク,ロバート,ジェイムス
(72)【発明者】
【氏名】オルメ,ブリアン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ファリス,ジェレミー,マーク,ジュニア.
(72)【発明者】
【氏名】シャナハン,ダニエル
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-516232(JP,A)
【文献】特開平05-123265(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1337774(KR,B1)
【文献】特開2008-132099(JP,A)
【文献】特開2012-085682(JP,A)
【文献】実開平07-015004(JP,U)
【文献】特開2006-141913(JP,A)
【文献】特開2004-097776(JP,A)
【文献】特開2004-236808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 17/032
A61C 17/00
A61C 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔洗浄器であって、
a)高圧水の供給源をピックの入口に接続するための水供給システムと、
b)口内洗浄剤のリザーバを前記ピックの前記入口に接続するための口内洗浄剤供給システムと、
c)遮断弁とハンドポンプとを備えるハンドルとを備え、
i)前記遮断弁は、
1)遮断弁入口と、
2)遮断弁出口と、
3)前記遮断弁入口を前記遮断弁出口に接続する内部流路を含む本体と、
4)ばね装填弁ボタンとを含み、
a)前記ばね装填弁ボタンは常開位置に付勢されており、
b)前記ばね装填弁ボタンは、閉鎖状態にされると前記内部流路を閉鎖し、
ii)前記ハンドポンプは、
1)定常時の伸長形態に付勢されているばね装填ピストンと、
2)ポンプボタンであって、圧力が前記ポンプボタンに加えられたときに、前記ばね装填ピストンが圧縮されるように前記ばね装填ピストンに取り付けられた、該ポンプボタンと、
3)前記ばね装填ピストンに接続され、前記ばね装填ピストン内に流体が流入することを許容するように付勢された入口逆止弁と、
4)前記ばね装填ピストンに接続され、前記ばね装填ピストンから流体が流出することを許容するように付勢された出口逆止弁とを含み、
d)前記水供給システムは、前記遮断弁を備え、
e)前記口内洗浄剤供給システムは、前記ハンドポンプを含み、
f)前記ポンプボタンが使用者によって押されると、前記ハンドポンプ内の前記ばね装填ピストンが実質的に圧縮される前に前記弁ボタンが前記遮断弁を閉じるように、前記ポンプボタンが前記弁ボタンに連結されている、口腔洗浄器。
【請求項2】
コンソールと、フレキシブル供給チューブとを更に含み、
a)前記コンソールは、
i)前記リザーバと、
ii)口内洗浄剤チューブと、
iii)前記高圧水の供給源に繋がるための給水チューブとを含み、
b)前記フレキシブル供給チューブは、
i)第1のルーメンと、
ii)第2のルーメンとを含み、
c)前記第1のルーメンは、前記水供給システムの一部であり、前記高圧水を前記給水チューブから前記ハンドルへ運ぶように構成され、
d)前記口内洗浄剤チューブは、前記口内洗浄剤供給システムの一部であり、前記リザーバから前記第2のルーメンへ口内洗浄剤を運ぶように構成され、
e)前記第2のルーメンは前記口内洗浄剤供給システムの一部であり、前記口内洗浄剤チューブから前記ハンドルへ口内洗浄剤を運ぶように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の口腔洗浄器。
【請求項3】
前記ピックを更に含み、前記ピックはマッサージャーピックであり、
前記マッサージャーピックは、
a)入口及び出口を有する中空の左側枝部と、
b)入口及び出口を有する中空の右側枝部と、
c)入口及び出口を有する入口チューブと、
d)左端部、右端部及び上面を有する中空のブリッジ部とを含み、
e)前記入口チューブの前記出口は、前記左側枝部の前記入口と前記右側枝部の前記入口とに接続され、
f)前記ブリッジ部の前記左端部は前記左側枝部の前記出口に接続され、
g)前記ブリッジ部の前記右端部は前記右側枝部の前記出口に接続され、
h)前記上面は複数の出口オリフィスを有することを特徴とする請求項1に記載の口腔洗浄器。
【請求項4】
請求項に記載の口腔洗浄器であって、
前記ブリッジ部は、ある曲率半径を有する長手方向に凹状の弓形形状を有する、口腔洗浄器。
【請求項5】
a)前記ブリッジ部の前記上面は、複数の上向きの集束ノズルを備え、
b)前記ブリッジ部の前記上面はエラストマー層で覆われており、
c)前記エラストマー層は、複数の上向きの小隆起部を形成する形状とされており、
d)前記出口オリフィスの各々は、前記ノズルの1つ及び前記小隆起部の1つを通過していることを特徴とする請求項に記載の口腔洗浄器。
【請求項6】
前記複数の出口オリフィスの各々は、0.45~1mmの範囲の直径を有することを特徴とする請求項に記載の口腔洗浄器。
【請求項7】
前記遮断弁の前記入口は、前記遮断弁の前記出口と同方向であることを特徴とする請求項1に記載の口腔洗浄器。
【請求項8】
a)前記ハンドポンプは、シリンダを含むことを特徴とする請求項1に記載の口腔洗浄器。
【請求項9】
a)前記ハンドルは人の手に適合するように寸法決めされており、
b)前記ポンプボタンは、前記人の親指から圧力を受けるように寸法が決められ、位置決めされていることを特徴とする請求項1に記載の口腔洗浄器。
【請求項10】
前記ピックを更に含み、
前記ピックはブラシを含むことを特徴とする請求項1に記載の口腔洗浄器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、歯及び歯茎用の洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
口腔洗浄器の現在の設計は、共通のリザーバ内で口内洗浄剤と水を混合し、その混合物を高圧でピックに送るために電動ポンプを使用する。その高圧流はパルス流であり得る。使用者は、該使用者の歯をクリーニングし、該使用者の歯茎を洗浄するためにピックを使用者の口に入れる。しかし、希釈せずに元の濃度の口内洗浄剤を使用者の口に供給可能で、かつ電動ポンプの使用を必要とせずに高圧の洗浄水のパルス流を使用者の口へ供給可能な口腔洗浄器が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の概要は、本発明を理解するためのガイドとして提供されている。この概要には必ずしも、本発明の最も総括的な実施形態又は最も広い範囲の代替実施形態が記載されているわけではない。
【0004】
改良された口腔洗浄器は、高圧水供給システムを低圧口内洗浄剤供給システムと並列に備えており、二種の流体を選択的に共通のピックに供給する。水供給システムは、シャワーヘッドなどの高圧水供給源から水を供給する。口内洗浄剤供給システムは、リザーバなどの低圧の口内洗浄剤供給源から口内洗浄剤を供給する。両システムは、使用者が把持するハンドル内において組み合わされている。ピックはハンドルに取り付けられる。使用者は、ピックを使用者の口の中に入れ、ハンドルを用いてそれを操作することにより使用者の歯及び歯茎を洗浄する。本明細書において、「ピック」とは、流体入口と流体出口とを有する任意のデバイスである。ピックとしては、大きな入口と小さな出口を有する円錐チューブ、複数の流体出口を有するT字型デバイス、及びハンドル内の流体入口とブラシ内の1つ以上の流体出口を有する歯ブラシなどのブラシ付きデバイス等が挙げられる。この歯ブラシは、歯の上面と側面を同時に洗浄するための複数のヘッドを有していてもよい。
【0005】
ハンドル内の水供給システムは、ばね装填弁ボタンを備えた遮断弁を有する。ばね装填弁ボタンは常開位置にばね付勢されている。ばね装填弁ボタンが押されると、遮断弁が遮断され、従って高圧水がピックに対して遮断される。これにより、ピック内の圧力が下がり、これもハンドル内に配置されたハンドポンプで低圧口内洗浄剤をピックに圧送することが可能となる。また、これによって、使用者が口へのピックの出し入れ時にピックへの高圧水をオフにすることが可能となる。使用者が口内洗浄剤をピックに圧送し終えると、遮断弁内のばね装填弁ボタンが解放され、遮断弁が開かれ、高圧水が再びピック内に導入される。高圧水の圧力を変動させることによって高圧水を使用者歯と歯茎に対してパルス的に作用させる圧力オシレータがハンドルに存在していてもよい。ピックは単一の出口オリフィスを有していてもよく、又は複数の出口オリフィスを有していてもよい。
【0006】
口内洗浄剤供給システムは、ハンドルに取り付けられたハンドポンプを有する。ハンドポンプは、リザーバからピックへの口内洗浄剤の圧送のために使用される。口内洗浄剤は、使用者が前記使用者の口に導入したいと考えている任意の流体であり得る。これには、リステリン(登録商標)マウスウォッシュ、クロルヘキシジンなどの処方口腔洗浄剤、歯のホワイトニング剤、エッセンシャルオイル及び食塩水の洗浄剤が含まれる。ハンドポンプは、ばね装填ピストンを備えており、これは定常時の伸長形態に付勢されている。本明細書で使用されるとき、「ばね装填ピストン」は、圧縮されると復元力を有する任意の圧縮可能なチャンバをさす。これには、例えば、壁厚のエラストマーブラダが含まれる。ばね装填ピストンにはポンプボタンが取り付けられており、使用者は、手でピストンを圧縮し、それにより口内洗浄剤をピックに圧送することができる。特に、ポンプボタンは、人の親指で押されるように配置され、寸法が決められている。
【0007】
ハンドル内部のハンドポンプは、使用者がハンドポンプのポンプボタンに圧力を加えると、遮断弁の弁ボタンが押し込まれて遮断弁が閉じられるようにハンドル内側の遮断弁に隣接して取り付けられている。遮断弁が閉じられると、高圧水はピックから遮断される。ピック内の圧力が低下し、使用者はハンドポンプを使用して口内洗浄剤をピック内に送り込むことが可能となる。使用者がポンプボタンを離すと、遮断弁が開き、再び高圧水がピックに供給される。
【0008】
或いは、使用者がポンプボタンを押すと、ハンドポンプ内のばね装填ピストンが実質的に圧縮される前に、弁ボタンが遮断弁を閉じるように、ポンプボタンと弁ボタンを任意の方法で連結してもよい。本明細書で使用されるとき、「実質的に圧縮される」とは、アイテムがその元の体積の90%未満に圧縮されることを意味する。前記結合は、機械的、電気的、流体的及び/又は油圧的な結合であり得る。例えば、機械的結合では、ポンプボタンがピストンに接触して口内洗浄剤を圧送する前に、ポンプボタンが最初に弁ボタンを押して弁を閉じるようにポンプボタンを弁ボタンに接続してもよい。
【0009】
別の代替的実施形態では、遮断弁とハンドポンプとが単一のユニットに組み込まれている。
【0010】
ピック内の高圧水がハンドポンプに逆流するのを防ぐために、ばね装填ピストンの出口に取り付けられた出口逆止弁が存在する。また、ポンプボタンが押されたときに口内洗浄剤がリザーバに逆流するのを防ぐために、ばね装填ピストンの入口に入口逆止弁が取り付けられている。入口弁又は出口弁は、開くために正圧を必要とするばね付勢された圧力リリーフ弁であってもよい。これにより、システムを通した口内洗浄剤の吸い上げを防ぐことができる。
【0011】
口内洗浄剤リザーバは、シャワーの壁に取付けられたコンソールに収納されていてもよい。高圧水は、シャワーヘッドから、コンソールを通して配管で供給されてもよい。デュアル・ルーメンフレキシブル供給チューブは、低圧口内洗浄剤と高圧水を別々にコンソールからハンドルに運ぶことができる。ハンドルが使用されていないときにハンドルを保持するためのマウントがコンソール上に設けられてもよい。マウントは、ハンドルがコンソールに収納された時に口内洗浄剤がリザーバから吸い出されないように、ピックの出口オリフィスを口内洗浄剤リザーバの頂部より上に保持するような寸法とされている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は口腔洗浄器の概略図である。
図2図2は例示的なハンドルの図である。
図3図3Aは、内部流体システムを見ることができるようにハウジングを取り除いて示した図2のハンドルの図である。図3Bは、ばね装填ピストンがエラストマーブラダとされていることを除いて、図3Aのハンドルと同様なハンドルの図である。
図4図4は、図3Aのハンドポンプと組み合わせられた図3Aの遮断弁の切り欠き側面図である。
図5図5は、ハンドル内の圧力オシレータが見えるように、上から見た図3Bのハンドルの図である。
図6図6は、図5の圧力オシレータの図である。
図7図7は、内部タービンホイールを示す図5の圧力オシレータの切り欠き底面図である。
図8図8Aは、コンソールの図である。図8Bは、リザーバカバーと右収納ドアを取り外した状態の図8Aのコンソールの図である。
図9図9Aは、内部の口内洗浄剤リザーバを示すためにハウジングを取り除いて示した図8Aのコンソールの図である。図9Bは、上部背面から見た図9Aのコンソールの図である。
図10図10は、左側枝部及び右側枝部と複数の出口オリフィスを備えたマッサージャーピックの図である。
図11図11は、例示的なマッサージャーピックの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明では、非限定的な例示的実施形態を説明する。あらゆる個々の特徴は、少なくとも本明細書に記載された利点のために異なる用途によって必要とされる他の特徴と組み合わせることができる。
【0014】
本明細書で使用されるとき、用語「約」は、他に具体的な指定がない限り、所与の値の±10%を意味する。
【0015】
本明細書で使用されるとき、用語「形状とされ」は、所与の形状の純粋な形態からのわずかな差違があってもアイテムの全体的な外観が所与の形状を有することを意味する。
【0016】
本明細書で使用されるとき、用語「実質的に」は、他に具体的な指定がない限り、所与の値の90%超であることを意味する。
【0017】
図1は、口腔洗浄器100の概略図である。口腔洗浄器は、高圧水供給システム101と低圧口内洗浄剤供給システム103とを備える。両システムは、一部がコンソール102及び取り付けられたハンドル104に収容されている。取り付けはフレキシブル供給チューブ109によってなされる。
【0018】
コンソール
水供給システムは、給水チューブ122を備える。これにより、シャワーヘッド138に連通する配管などの高圧水の供給源136から高圧水が運ばれる。高圧水の流れる方向をシャワーヘッドから水供給システムに変更するために三方弁142を設けてもよい。電動ポンプなど、任意の高圧水の供給源を使用することができる。水の最低圧力は0.695バールである。2.75~4.13バールが適切である。高圧水供給源からの水の圧力を高めて制御するために、電動ポンプを設けることができる。電動ポンプは電池式であってもよい。また、高圧水供給源からの圧力を減少させ制御するために圧力調整器を設けることができる。高圧水供給源が6.89バール以上の場合には、圧力調整器が必要になるであろう。スクリーンなどのフィルタ123を給水チューブに設けて、供給水から微粒子を除去することができる。
【0019】
給水チューブは、コンソールの中を通って延在する。コンソールはシャワーの壁に取り付けることができる。任意の取り付け手段を使用することができる。コンソールは、シンクの隣などの任意の都合の良い場所に取り付けることができる。閉止弁118を給水チューブ内、かつコンソールの一部として設けることができる。使用者は閉止弁を使用して高圧水をオン又はオフにすることができる。使用者は、閉止弁を部分的に閉じることによって高圧水の流れを中間値に調整することもできる。給水チューブは、コンソールの底部付近でコンソール隔壁接続部品146に接続することができる。隔壁接続部品へのチューブの取り付けは、恒久的であってもよく、取り外し可能であってもよい(例えばインサート接続部品)。フレキシブル供給チューブは、コンソール隔壁接続部品に接続し、高圧水と低圧口内洗浄剤の両方を別々の流れとしてハンドルに運ぶことができる。フレキシブル供給チューブはデュアル・ルーメンチューブでもよい。前記デュアル・ルーメンチューブの第1のルーメン110は、比較的大きい内径を有し、前記コンソール隔壁接続部品を介して給水チューブに接続することができる。比較的大きな直径により、高圧水が第1のルーメンを通過するときの高圧水の圧力降下を最小限に抑えられる。適切な内径は3mm以上である。適切な直径は更に4.5~7.5mmの範囲であろう。フレキシブル供給チューブは、高圧水をコンソールからハンドルまで運ぶのに適した任意の長さとすることができる。適切な長さは0.5~2mの範囲である。適切な長さは約1mである。
【0020】
このコンソールは、ある量の口内洗浄剤128を保持するためのリザーバ114を備えることができる。口内洗浄剤は、人の口への導入に適した任意の流体であり得る。リザーバは開口した頂部130を有し、従って概ね大気圧(すなわち0.0バール)であり得る。口内洗浄剤チューブ144は、リザーバの内側の底部付近から延び、リザーバの頂部を超えて延び、更にリザーバの外側でコンソール隔壁接続部品へと下方に延びることができる。その後、口内洗浄剤チューブをフレキシブル供給チューブの第2のルーメン108に接続することができる。第2のルーメンの内径は、第1のルーメンの内径より小さくてもよい。これにより、第2のルーメンの容積が小さく保たれるので、口内洗浄剤をピック106に送するために、使用者がハンドル内のハンドポンプ156を何度も動作させる必要がない。第2のルーメンの適切な直径は4mm以下である。適切な直径は、2.75mm~3.25mmの範囲であろう。
【0021】
フレキシブル供給チューブのルーメンは、断面が円形である必要はない。ルーメンは任意の適切な形状であり得る。非円形ルーメンの適切な寸法は、チューブ内の容積及び/又は流れに対する圧力降下に関する標準的な流体力学的計算を用いることによって、本明細書に記載の円形ルーメンの対応する適切な直径から計算することができる。
【0022】
コンソールは、コンソールマウント115を含むことができる。これは、ハンドル上のハンドルマウント162に嵌合する。使用していないときには、組み合わせたマウントがハンドルを保管位置に保持する。コンソールマウントは、磁石132と棚部134とを備えることができる。ハンドルマウントは、磁石164と張り出し部166とを備えることができる。両磁石、棚部及び張り出し部は、ハンドルがコンソールに取り付けられるときに整列し、張り出し部が棚部上に位置し、両磁石は概ね互いに対向し、互いに引き合う。棚部の高さは、ピックの出口オリフィス120がリザーバの頂部130より上になるように設定される。これにより、ハンドルがコンソール上に収納される際に、口内洗浄剤供給システムを通して口内洗浄剤が吸い上げられるのを防ぐことができる。
【0023】
コンソールはハウジング112を有することができる。シャワー水又は他の物質がリザーバに入るのを防ぐために、コンソールハウジング内においてリザーバの頂部の上にカバー124を設けてもよい。カバーは、リザーバを開けて再充填することを容易に行えるように蝶番を付けられてもよい。使用者がいつリザーバを補充する必要があるかを見ることが可能となるように、レベルゲージ105を設けることができる。
【0024】
収納室116をコンソール内に設けることができる。収納室は、1つ以上の追加のピック140を収納するために使用されるであろう。追加のピックは、口腔洗浄器を使用する異なる人が使用することができる。ピックは色分けすることができる。収納室を覆うために、コンソールハウジングにドア126を設けてもよい。
【0025】
ハンドル
フレキシブル供給チューブは、高圧水と低圧口内洗浄剤をハンドル104に運ぶ。フレキシブル供給チューブは、ハンドルの底部にある底部隔壁接続部品182に繋ぐことができる。フレキシブル供給チューブの第1のルーメンは、ハンドル内の入口水チューブ184に繋がっている。入口水チューブは、ハンドル内に取り付けられた遮断弁154の入口に繋がっている。遮断弁の出口は出口水チューブ160に繋がっている。出口水チューブは、任意の圧力オシレータ158の入口に繋がっていてもよい。圧力オシレータの出口190は、ハンドルの頂部付近で頂部隔壁接続部品186に繋がっている。ピック106は頂部隔壁接続部品に繋がっている。頂部隔壁接続部品に開放可能な接続部を設けて、ピックを所定の位置に保持し、次いで必要に応じて取り外すことができるようにしてもよい。開放可能な接続部は、手で操作できるワンタッチで取り外しが可能な接続部(quick disconnect)であってもよい。
【0026】
遮断弁は、本体168及びばね装填弁ボタン170を備える。ハンドルはハウジング152を備えていてもよい。遮断弁の本体は、ばね装填弁ボタンに圧力が加えられたときに所定位置にしっかりと保持されるようにハンドルのハウジングに当接した状態で配置される。ばね装填弁ボタンは常開位置に付勢される。ボタンを押すと遮断弁が閉じる。ボタンを離すと遮断弁が開く。
【0027】
フレキシブル供給チューブ内の第2のルーメンは、ハンドルの底部隔壁接続部品を通してフレキシブルな入口側口内洗浄剤チューブ192に接続されている。入口側口内洗浄剤チューブは、ハンドポンプ156の入口逆止弁178に繋がっている。ハンドポンプは、入口逆止弁、ばね装填ピストン174、ポンプボタン176及び出口逆止弁172を含む。出口逆止弁はフレキシブルな出口側口内洗浄剤チューブ194に繋がっている。出口側口内洗浄剤チューブはオシレータ出口190に繋がっている。
【0028】
ハンドポンプは、ハンドルハウジングの内側で遮断弁に隣接して可動的に取り付けることができ、これによって、ポンプボタンが押され、横方向の力がばね装填ピストンにかかると、ばね装填ピストンが横方向に移動して弁ボタンに力を加え、遮断弁を閉じることができる。遮断弁が閉じられると、ピック内の高圧水が排出され、オシレータ出口の圧力が低下する。次にばね装填ピストンはポンプボタンに置かれた手の力で圧縮されて、口内洗浄剤はオシレータ出口に圧送され、それによりピックに圧送される。ポンプボタンを放すと、遮断弁の弁ボタンが開位置に戻り、高圧水がピックに再び供給される。
【0029】
或いは、遮断弁とハンドポンプをハンドルの中に並置されるように取り付けてもよい。弁ボタンとポンプボタンは、使用者がポンプボタンを押し下げると弁ボタンが押し下げられ、ばね装填ピストンがポンプボタンによって圧縮される前に遮断弁を閉じるように機械的に接続される。ハンドポンプ及び遮断弁は、ハンドポンプ及び遮断弁が並置されているときには、ハンドルハウジングの内側にかつ互いに隣接して堅固に取り付けられ得る。
【0030】
ハンドポンプ内の出口逆止弁は、ばね装填ピストンから離れる方向に付勢されているので、前記出口逆止弁は、遮断弁の下流の高圧水がハンドポンプに逆流するのを防止する。ハンドポンプの入口逆止弁は、ばね装填ピストン内に向かう方向に付勢されており、ばね装填ピストンが圧縮されたときに口内洗浄剤がリザーバ内に逆流することがない。
【0031】
圧力オシレータ158は、ピックに流入する水の圧力を変動させる任意の装置であり得る。このような装置としては、機械装置、電動装置、及び流体装置等が挙げられる。本明細書では、図6及び図7を参照して、例示的なタービンベースの圧力オシレータについて説明する。しかし、圧力オシレータは必須ではない。圧力オシレータがなくてもシステムは有効に動作する。
【0032】
例示的なハンドル
図2は、例示的なハンドル200の図である。ハンドルは、頂部隔壁接続部品204と、ハウジング202と、底部隔壁接続部品206とを備える。ハウジングは、膨らみ部222の上に張り出し部224が設けられる形状とされている。これは、例えばシャワーでの使用のために使用者の手が滑りやすくなっていても信頼できる握り部を使用者のために提供する。張り出し部はハンドルマウントの一部である。磁石226をハウジングの内側かつ張り出し部の下に設けて、コンソール内の対応する磁石と結合させることができる。しかし、人の手で保持できるものであれば、任意の形状のハウジングを使用することができる。
【0033】
ピックボタン212は、ピック214が頂部隔壁接続部品の適所に保持され得るように設けることができる。ピックボタンが押されると、ピックが解放される。しかし、ピックを保持する手段としては任意の手段を使用することができる。
【0034】
ポンプボタン208はハウジングから突出しており、使用者は、上記のように、ポンプボタンを押して口内洗浄剤をピックに圧送することができる。
【0035】
底部隔壁接続部品は、デュアル・ルーメンフレキシブル供給チューブ232の端部を受けるように適合させることができる。フレキシブル供給チューブは、高圧水を運ぶための第1のルーメン234と、低圧の口内洗浄剤を運ぶための第2のルーメン236とを含むことができる。配管はデュアル・ルーメンである必要はない。口内洗浄剤用と高圧水用に別々のチューブを使用することができる。
【0036】
図3Aは、内部流体システムを見ることができるようにハウジングを取り外した状態で示す図2のハンドルの図300である。内部流体システムは、水供給システム301及び口内洗浄剤供給システム303の一部を含む。ハンドル内の水供給システムは、底部隔壁接続部品307内の第1のルーメン342(カバーを外した状態)と、水入口チューブ308と、弁ボタン306を有する遮断弁304と、水出口チューブ302と、圧力オシレータ314とを含む。図3Aでは、圧力オシレータが水出口チューブに隠れている。図5では、圧力オシレータはアイテム314として示されている。ピック214は、圧力オシレータの出口に取り付けられた状態で図示されており、所定の位置にピックを保持する頂部隔壁接続部品は見えないようにされている。ピック出口オリフィス324は、ピックの遠位先端部に設けられているのが示されている。ピック入口326がピックの近位端部に設けられているのが示されている。
【0037】
ハンドル内の口内洗浄剤供給システムは、底部隔壁接続部品内の第2のルーメン344と、入口側口内洗浄剤チューブ322と、ハンドポンプ305と、出口側口内洗浄剤チューブ312とを備える。ハンドポンプは、入口逆止弁320と、ばね装填ピストン318と、ポンプボタン208と、出口逆止弁316とを備える。ハンドポンプは、その底部が遮断弁の弁ボタンの頂部に位置するように、ハンドルの内側に可動的に取り付けることができる。遮断弁が所定位置に強固に取り付けられるように遮断弁はハンドルハウジング(アイテム202、図2)に当接しており、ハンドポンプのポンプボタンが押されてばね装填ピストンの底部が押し下げられると、弁ボタンを押すことができる。
【0038】
図3Bは、ハンドル331の図であり、ばね装填ピストンがエラストマーブラダ334として示されていることを除いて、図3Aのハンドル300と同様である。出口逆止弁332及び入口逆止弁336はフラップ弁として示されている。ばね装填ピストンは、人が持つハンドルに取り付けることができるならば、任意の構成をのものを使用することができる。
【0039】
図4は、図3Aのハンドポンプ305と組み合わせた図3Aの遮断弁304の切り欠き側面図である。ピック214、圧力オシレータ314、水出口チューブ302、及び水入口チューブ308が概略的に示されている。
【0040】
遮断弁は、本体402と、キャップ404と、ばね装填弁ボタン306とを備える。本体は、入口412と、内部流路416と、内部流路に対して直角をなす横方向孔424と、出口414とを備える。ばね装填弁ボタンは、シャフト406と、ばね426と、遠位先端部422とを備える。
【0041】
遮断弁の入口と出口は共線的である(同一直線上にある)ので、加圧された水はハンドルの底部からハンドルの上部に取り付けられたピックまで流れることができる。入口及び出口が共線的であることは、遮断弁の幅410を入口水チューブ又は出口水チューブの直径の2倍未満に維持するのに役立つ。このことは、ハンドル全体の幅を、人の手に収まる程度に小さくするのに役立つ。遮断弁の適切な幅は12.5mmである。入口水チューブの適切な外径は8.5mmである。入口水チューブの外径に対する遮断弁の幅の適切な比は1.5以下である。
【0042】
或いは、遮断弁の入口及び出口は同方向で、それらの間に横方向のオフセットがあってもよい。本明細書で使用するとき、「同方向」とは、入口の長手軸と出口の長手軸とがほぼ同じ方向にあることを意味するが、これらの軸は互いに横方向にずれていてもよい。共線性は、横方向のオフセットがほぼゼロの場合である一方向性(unidirectionality)の特殊なケースである。オフセットが概ねゼロより大きい場合は、「ドッグレッグ」と呼ばれることがある。
【0043】
弁ボタンは弁本体の孔に水平に取り付けられている。ばね426は弁ボタンの軸をとり囲んでいる。ばねは定常時において圧縮されているため、弁ボタンは外向きに付勢される。ばね装填弁ボタンを孔に対して水密にするためにOリングのようなシール428を設けてもよい。キャップ404は、弁ボタンを孔内に保持するために、弁本体に螺合されるかスナップ取付けされるか、圧入されるか、又は他の方法で弁本体に取り付けられ得る。
【0044】
弁ボタンの先端部は、部分的に弁本体の内部流路内に延在していてもよい。内部流路の直径が2mmの場合には、適した延在量は1mmである。凹状の座部418が、内部流路内で弁ボタンの先端部に対向して設けられてもよい。弁ボタンが押し込まれると、先端部は内部流路の残部を横切って座部内に進み、該内部流路を密止する。シャフトの外径は、遮断弁が閉じたときに内部流路を完全にブロックするように、内部流路の内径よりも大きくなければならない。内部流路の内径が2mmのとき、シャフトの適切な外径は3mmである。
【0045】
遮断弁の幅を狭くするためには、遮断弁を閉じるために弁ボタンの先端を更に遠くまで移動させる必要が生じないように、内部流路の直径を小さくする必要がある。これにより、キャップの頂部より上に伸びる弁ボタンの長さを小さく保つことができる。内部流路の適切な直径は2mmである。
【0046】
遮断弁の入口及び出口の適切な内径は約4.5mmである。内部流路の直径を入口又は出口の直径の1/2未満にできるのは驚くべきことである。通常、このようにした場合、汎用遮断弁では許容できない圧力降下を生ずる。しかし、本明細書に記載の用途では、ピックの出口オリフィス324の直径が更に小さいなどの理由から、小さい直径の内部流路が許容される。出口オリフィスの適切な直径は、0.45~1.0mmの範囲にある。これは、霧化を起こすことなくピックを出る高圧水の速度を最大にするために必要である。このように、ハンドルを通って流れる高圧水の圧力降下の大部分は、高圧水が歯を洗浄するための高速水ジェットに変換されるピックの出口オリフィスで起こる。
【0047】
図4のハンドポンプ305は、出口逆止弁316(概略的に図示)と、シリンダ436と、ばね装填ピストン318と、入口逆止弁320(概略的に図示)とを含む。ピストンはシリンダ内に取り付けられている。ピストンシャフト444及びピストンスプリング442(概略的に図示)は、ピストンから横方向に延びており、ポンプボタン208に取り付けられている。シリンダの底部には凹部432が設けられている。遮断弁の弁ボタンは凹部に位置している。凹部は、遮断弁のキャップの頂部が嵌るのに十分な大きさとすることができる。
【0048】
ポンプボタンが押され、遮断弁が閉じられ、口内洗浄剤がピックに圧送されたときに、口内洗浄剤438の前縁が出口逆止弁から出ている状態が図示されている。ハンドポンプの出口は圧力オシレータの出口に接続され、従ってピックの入口に接続されている。
【0049】
図5は、圧力オシレータ314が見える状態で示した図3Bのハンドル331の図である。遮断弁304及びエラストマーブラダ334も示されている。圧力オシレータは、オシレータ入口502と、オシレータ出口504と、タービンハウジング506と、1つ以上の取り付けタブ512と、口内洗浄剤ポート508とを有する。水出口チューブ302は遮断弁から延び、高圧水をタービンハウジング内に水平に導入するように曲げられている。オシレータ出口は、それがピック214に繋がる場所であるタービンハウジングの頂部から上向きに延びる。出口側口内洗浄剤チューブ312は、エラストマーブラダから上に向かって延び、次に口内洗浄剤ポートに水平に繋がっている。口内洗浄剤ポートはオシレータ出口に接続されている。従って、動作中、水だけが圧力オシレータを通過する。これにより、口内洗浄剤に含まれている可能性のある化学物質やその他の物質が原因で起こる可能性のある目詰まりが最小限に抑えられる。また、口内洗浄剤をピック内に圧送するのに必要な手で加える圧力は小さくてすむ。
【0050】
図6は、図5の圧力オシレータ314の図である。オシレータ入口502、オシレータ出口504、タービンハウジング506、口内洗浄剤ポート508、及び取り付けタブ512を見ることができる。タービンハウジングは頂部602、側壁604及び底部606を含む。
【0051】
図7は、図5の圧力オシレータ314の切り欠き底面図である。オシレータ入口502、オシレータ出口504、及び口内洗浄剤ポート508を見ることができる。圧力オシレータはタービン700を含む。タービンはタービンハウジング506及びタービンホイール702を含む。タービンハウジングは頂部602、側壁604及び底部(アイテム606、図6)を含む。タービンホイールは、ハブ714と複数の羽根712とを含む。タービン側壁は、概ね円形の水平断面を有する。タービン入口708は、側壁に対して概ね接線方向となる方向にオシレータ入口からハウジング内に高圧水を導入する。
【0052】
タービン出口704はタービン頂部に配置されている。タービン出口により、水がタービンから圧力オシレータの出口に流れることが可能となる。口内洗浄剤ポート508はタービン出口の下流に位置する。
【0053】
タービンハウジングは、側壁の円形断面のほぼ中央に位置する垂直軸706を有する。垂直軸は、タービンハウジングの頂部又は底部に取り付けることができる。タービンホイールのハブはこの軸上にある。タービン羽根はハブから径方向に延びる。タービン羽根はハブ上で規則的に離間されている。各羽根は遠位先端部732を有する。羽根の遠位先端部と側壁との間に間隙726が存在する。各羽根は、幅710及び長さ711によって表される。
【0054】
動作中、高圧水がタービン入口に流入し、タービンホイールを回転させる。高圧水はその後タービン出口から流出する。羽根がタービン出口の前を通り過ぎるとき、出口は部分的に塞がれる。これにより、タービン出口から流出してピックに入る高圧水に圧力変動が生ずる。タービン出口の直径が約3mmである場合、羽根の適切な幅は1mm以上である。側壁の直径は約13mmである。実験により、羽根の先端と側壁との間の0.5mm以上の比較的広い間隙がタービンホイールの自由回転を助けることが分かった。従って、側壁直径に対する間隙の適切な比率は、0.03以上である。
【0055】
適切なハブ直径は約5.5mmである。適切なホイール全体の直径は約12mmである。適切な羽根の数は6枚である。入口と出口の間には常に少なくとも1枚の羽根が存在するように、タービン出口はタービン入口から十分に離れたところに配置する必要がある。これにより、羽根の回転なしに水が直接出口に流れることが防止される。従って、タービン入口と出口との間の最も近い間隔718は、隣接する2枚の羽根の先端部間の間隔716よりも大きくなければならない。例えば、羽根先端部が5.5mm離れている場合、タービン入口とタービン出口との間の最も近い間隔は少なくとも5.5mmとすべきである。5.9mmの間隔が適切である。
【0056】
例示的なコンソール
図8Aは、例示的なコンソール800の図である。コンソールは、ハウジング810と、口内洗浄剤用のリザーバ(アイテム902、図9A)と、リザーバのカバー802と、リザーバレベルゲージ812と、給水チューブ816と、棚部808と、閉止弁814と、コンソール隔壁接続部品818と、左側収納ドア804と、右側収納ドア806を備える。図2のデュアル・ルーメンフレキシブル供給チューブ232は、コンソール隔壁接続部品の底部に取り付けられている。コンソール隔壁接続部品は、コンソールの底部付近に取り付けられている。給水チューブは高圧水を高圧水供給源からコンソール隔壁接続部品まで運ぶ。閉止弁は、給水チューブを必要に応じて閉じるか、又は開くように構成されている。リザーバのカバーは、後部ヒンジでハウジングの上部に取り付けられている。リザーバのカバーは、ハウジングの上に張り出し、ハウジング外側からカバーの下への空気通路822を形成する。これにより、口内洗浄剤が圧送されたときに空気がリザーバに入ることが可能となる。左側ドアと右側ドアはそれぞれヒンジでハウジングの背面に取り付けられている。
【0057】
棚部808は、ハンドルの張り出し部224(図2)のための安定クレードルを形成するように設計されている。本明細書で使用されるとき、「安定クレードル」は、アイテムが重力によってその上に保持されるようにアイテムを保持する取り付け部である。前記棚部は、前記張り出し部のための安定クレードルを形成する。この安定クレードルが形成される理由の一つは、棚部が、前記張り出し部の下の前記ハンドルの周りに部分的に巻き付く弓形の形態を有するためである。例えば閉止弁814内に更に磁石を設けて、ハンドル内の磁石がそれに向かって引き寄せられることにより、クレードルに保持されたハンドルの安定性を高めるようにしてもよい。
【0058】
図8Bは、リザーバのカバー及び右側収納ドアが取り外された状態の図8Aのコンソールの図830である。リザーバ入口832を見ることができる。動作中、使用者が、リザーバのカバーを開けて、リザーバ入口に口内洗浄剤を注ぐことができる。その後、カバーを閉じてシャワー水などの異物がリザーバに入るのを防止する。右側の収納室834は、1以上の追加のピック836のためのスペースを有する。ピックは、1以上のクリップ838によって適所に保持される。ピックは、異なる色のピックを異なる使用者に割り当てられるように、色分け842してもよい。収納室は、底部よりも頂部の方が広くなっている。上部の領域には、図11で説明されているように、より幅広のピックを収納するためのクリップやその他のホルダーが設けられていてもよい。左側の収納ドアで覆われている左側の収納室にも同様の構造、又は異なる構造を設けることができる。
【0059】
図9Aは、ハウジングを取り外した状態の図8A及び図8Bのコンソールの図900である。給水チューブ816、リザーバ入口832、レベルゲージ812、閉止弁814及びコンソール隔壁接続部品818(カバーを取り外した状態)を見ることができる。またリザーバ902を見ることができる。リザーバは、口内洗浄剤と適合性のある任意の材料で作ることができる。ポリエチレンが適切な材料である。材料は少なくとも半透明又は透明であってよく、それによって口内洗浄剤のレベルをレベルゲージ内で見ることが可能となる。リザーバの形状は、所望のハウジング形状に一致するように適合させることができる。
【0060】
リザーバは頂部908及び底部906を有する。コンソール口内洗浄剤チューブ904は、リザーバの底部付近からリザーバの頂部まで延びて、その後、下方に延びてコンソール隔壁接続部品に至るようにすることができる。そこで、コンソール口内洗浄剤チューブ904はフレキシブル供給チューブ232の第2のルーメン236に接続されている。コンソール口内洗浄剤チューブをリザーバの底部からリザーバの頂部に向かって延びるようにすることの利点は、口内洗浄剤を除去するための部品をリザーバの底部に設ける必要がないことである。このような接続部品は、漏れを生ずる可能性がある。
【0061】
閉止弁は、ハンドル912と本体914とを備える。給水チューブは閉止弁の本体に接続されており、ハンドルを回すと遮断される。閉止弁はボール弁であってもよい。ハンドルに供給される圧力を減少させる必要がある場合には、閉止弁を代わりに調節弁とすることができる。
【0062】
図9Bは、上面後方からの図9Aのコンソールの図900である。給水チューブ816は、リザーバ902内のU字流路922を通って下方に延びる。そのチューブは次に閉止弁の本体914に繋がっている。その後、給水チューブはコンソール隔壁接続部品とフレキシブル供給チューブの第1のルーメン234に繋がっている。
【0063】
リザーバを支持するために棚部926を設けることができる。コンソール口内洗浄剤チューブ904がリザーバの頂部908から出現しているのを見ることができる。コンソール口内洗浄剤チューブを固定するためにクリップ924が設けられている。
【0064】
マッサージャーピック
図10は、マッサージャーピック1000の図である。マッサージャーピックは、人の歯茎をマッサージ、及び/又はその人の歯を洗浄するために使用することができる。マッサージャーピックは、流体が流入する(1022)入口チューブ1002と、左側枝部1004と、右側枝部1006とを有する。左側枝部及び右側枝部は、入口チューブの先端部から水平方向に延びる。前記両枝部は湾曲していてもよい。前記枝部はフレキシブル1008であり得る。複数の出口オリフィス1014が前記枝部上に存在していてもよい。前記複数の出口オリフィスは全て枝部の同じ側にあってもよい。従って、マッサージャーピックが使用者の口の中に配置されると、出口の水1024は前記人の歯及び歯茎の同じ側に当たる。
【0065】
隆起した小隆起部1012を左側及び右側枝部に設けることができる。オリフィスは前記小隆起部を通って延びるように構成できる。小隆起部をマッサージ効果を得るために人の歯茎にこすりつけてもよい。別の実施形態では、1つの枝部のみがマッサージャーピックに設けられてもよい。
【0066】
図11は、例示的なマッサージャーピック1100の長手方向断面図である。このマッサージャーピックは、入口チューブ1102と、中空の左側枝部1104と、中空の右側枝部1106と、中空のブリッジ部1113とを備える。入口チューブは、入口1152及び出口1154を有する。左側枝部は、入口1166及び出口1168を有する。右側枝部は、入口1156及び出口1158を有する。ブリッジ部は、左端部1164、右端部1162、及び上面1108を有する。入口チューブの出口は、左側枝部及び右側枝部の入口に接続されている。左側枝部及び右側枝部の出口は、ブリッジ部の左側と右側の端部に接続されている。ブリッジ部の上面には複数の出口オリフィス1114が存在する。これらのオリフィスはそれぞれ、0.45~1mmの範囲の直径を有し得る。
【0067】
ブリッジ部は、長手方向に凹状の弓形形状1172を有し得る。入口チューブ、左側枝部、右側枝部、及びブリッジ部は、プラスチックなどの硬質材料1117から作ることができる。硬質ではあるものの、ブリッジ部は、凹状の弓形形状の曲率半径よりも小さい又は大きい曲率半径を有する表面に押し付けられたときに内側又は外側に曲がるために十分な可撓性を有していてもよい。例えば、ブリッジ部の弓形形状は、マッサージャーピックが、人が提供することができる標準的な力で使用者の歯又は歯茎に押し付けられたときに使用者の歯又は歯茎の形状に一致した形状となり得る。その人の口から取り出されると、それは元の形に戻ることが可能である。或いは、マッサージャーピックが、最初の使用時に人の口の形状に適合し、その人の口から取り出されたときに前記形状を維持するように設計されてもよい。
【0068】
ブリッジ部の上面は、複数の上向きの集束ノズル1116を形成してもよい。ブリッジ部の上向き壁は、複数の上向きの小隆起部1112に形成されたエラストマー層1115で覆われた構成とし得る。各出口オリフィスは、上向きのノズルと上向きの小隆起部のうちの1つを通過する。出口オリフィスのエラストマー層を通過する部分は広がる形状としてもよい。これにより、ブリッジ部とエラストマー層の界面に大気圧より低い圧力が発生し得る。大気圧より低い圧力により、出口オリフィス内の水がエラストマー層とブリッジ部の上面との間から漏れて両者が互いに分離する可能性が低くなる。エラストマー層がブリッジ部の出口オリフィスから後退した構成としてもよい。これにより、エラストマー層を製造するために使用される成形プロセスからの迷走フラッシング(stray flashing)により出口オリフィスへの重なりが生じ、エラストマー層の下側に水が向けられる可能性が低くなる。
【0069】
入口チューブ1102は入口接続品1103を備えていてもよい。入口接続部は、アダプタ接続部品1122に元の状態に戻せるように(reversibly)繋げるように適合できる。入口接続品をアダプタ接続部品に接続するためにねじ山1105及びOリング1107を設けてもよい。アダプタ接続部品は、ワンタッチで取り外せる接続部1124などのいくつかの代替接続手段のうちの1つを有することができる。図11はチューブ接続部1134を含む代替のアダプタ接続部品1132を示す。或いは、入口接続部それ自体が、ワンタッチで取り外せる接続部、チューブ接続部又は他の適切な接続部であってもよい。
【0070】
結論
本開示を、1以上の異なる例示的実施形態を参照して説明してきたが、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく様々な変更を加えて実施することができること、その要素を均等物で置き換えて実施できることは理解されよう。更に、その本質的な範囲又はその教示から逸脱することなく特定の状況に適応するように多くの改変を加えることができる。従って、本開示は、本発明を実施するために考えられた最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11