(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】撮像モジュールおよびそのモールド感光アセンブリ並びに製造方法および電子機器
(51)【国際特許分類】
H04N 5/225 20060101AFI20220518BHJP
H01L 23/02 20060101ALI20220518BHJP
【FI】
H04N5/225 700
H04N5/225 800
H04N5/225 400
H01L23/02 F
(21)【出願番号】P 2019555470
(86)(22)【出願日】2018-04-12
(86)【国際出願番号】 CN2018082819
(87)【国際公開番号】W WO2018188628
(87)【国際公開日】2018-10-18
【審査請求日】2019-12-05
(31)【優先権主張番号】201710236249.6
(32)【優先日】2017-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518168041
【氏名又は名称】▲寧▼波舜宇光▲電▼信息有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 明珠
(72)【発明者】
【氏名】田中 武彦
(72)【発明者】
【氏名】郭 楠
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 振宇
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 波杰
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-005720(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0260035(US,A1)
【文献】特開平04-037053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/225
H01L 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの撮像モジュールに適用されるモールド感光アセンブリであって、
透明材料からなる一つのモールド部本体を含むモールド部と、
感光チップと、
前記感光チップが電気的に接続されて貼設される回路基板とを含み、
モールド成型工程によって、前記モールド部の前記モールド部本体、前記感光チップ、および前記回路基板は一体構造に形成され、
前記モールド部本体の外表面を被覆する遮光層をさらに含み、前記遮光層は、前記モールド部本体の上表面に少なくとも一つの光通過領域を規定し、前記光通過領域と前記感光チップとは対応して前記感光チップに光路を提供するようにな
り、
前記モールド部本体は、前記モールド部本体の上表面がへこんで形成する少なくとも一つの凹溝を備え、前記凹溝に前記光通過領域が設置されている、ことを特徴とするモールド感光アセンブリ。
【請求項2】
前記モールド部本体は、前記感光チップと前記回路基板とを完全に被覆している、請求項1に記載のモールド感光アセンブリ。
【請求項3】
前記光通過領域を覆うフィルター層をさらに備える、請求項1に記載のモールド感光アセンブリ。
【請求項4】
前記フィルター層の縁と前記遮光層の縁とが重なって設置されている、請求項
3に記載のモールド感光アセンブリ。
【請求項5】
前記光通過領域を覆う光反射層をさらに備える、請求項1に記載のモールド感光アセンブリ。
【請求項6】
前記光反射層の縁と前記遮光層の縁とが重なって設置されている、請求項
5に記載のモールド感光アセンブリ。
【請求項7】
前記凹溝に取り付けられて前記光通過領域を被覆する光透過素子をさらに含む、請求項1に記載のモールド感光アセンブリ。
【請求項8】
前記モールド部本体は前記光透過素子の外周側および底部に包囲され、前記光透過素子の上表面と前記モールド部本体の上表面とは同じ平面にある、請求項
7に記載のモールド感光アセンブリ。
【請求項9】
前記凹溝は、上から下に向かって徐々に小さくなっている、請求項
7に記載のモールド感光アセンブリ。
【請求項10】
フィルター素子をさらに含み、前記フィルター素子は感光チップの表面に貼設されており、前記フィルター素子は前記感光チップに前記モールド部本体により覆われている、請求項1に記載のモールド感光アセンブリ。
【請求項11】
前記モールド部は、前記モールド部本体の周囲部が上方に延びて形成される少なくとも一つのレンズ取付部をさらに含み、前記レンズ取付部と前記モールド部本体は一体的に成形され接続されている、請求項1に記載のモールド感光アセンブリ。
【請求項12】
前記回路基板に電気的に接続される少なくとも一つの電子部品をさらに含み、前記モールド部本体は前記感光チップ、前記回路基板、および前記電子部品を被覆している、請求項1に記載のモールド感光アセンブリ。
【請求項13】
前記感光チップと前記回路基板を電気的に接続する少なくとも一つの接続ワイヤをさらに含み、前記モールド部本体は前記接続ワイヤを被覆している、請求項1に記載のモールド感光アセンブリ。
【請求項14】
レンズと、
請求項1に記載のモールド感光アセンブリと
を含む撮像モジュールであって、前記レンズは、前記感光チップの感光経路に支持されていることを特徴とする、撮像モジュール。
【請求項15】
少なくとも二つのレンズと、
少なくとも二つの感光チップと、
前記感光チップが電気的に接続されて貼設される少なくとも一つの回路基板と、
一つのジョイントモールド部とを含むアレイ撮像モジュールであって、
前記レンズは、対応する前記感光チップの感光経路に保持され、
前記ジョイントモールド部、前記回路基板、および前記感光チップはモールド成型工程によって一体化され、前記ジョイントモールド部は透明材料からなることであって、
前記ジョイントモールド部の外表面を被覆する遮光層をさらに含み、前記遮光層は、前記ジョイントモールド部の上表面
に光通過領域を規定し、前記光通過領域と前記感光チップとは対応して前記感光チップに光路を提供するようにな
り、
前記ジョイントモールド部は、前記ジョイントモールド部の上表面がへこんで形成する凹溝を備え、前記凹溝に前記光通過領域が設置されている、ことを特徴とする、アレイ撮像モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学結像分野に係るものであり、特に、撮像モジュールおよびそのモールド感光アセンブリ並びに製造方法および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のモールディング、特にMOC(Molding on Chip)では、金型による損傷や他の物質による汚染を避けるために、チップの感光領域を厳密に保護する必要があるが、実際の製造では、欠陥が発生することは避けられず、最終的には製品の廃棄とコスト損失を引き起こしてしまう。
【0003】
従来のモールディングで使用されるモールディング材料は、不透明な材料である場合が多く、通常は黒色である。従来の射出成形プロセスでは、ナイロン、LCP(Liquid Crystal Polymer、液晶高分子重合体)、PP(Polypropylene、ポリプロピレン)などが使用され、成形プロセスでは一般的に樹脂が使用される。これらの不透明材料で作られたモールド感光アセンブリは、チップの感光領域の保護を実現できる一方、モールド感光アセンブリおよび撮像モジュールを製造する際に構造とプロセスでは多く制限され、特に、チップの感光領域の上方の光窓を形成するための貫通孔が必要となる。製造された製品の信頼性を改善する必要があり、環境に対する要求も高く、劣悪な環境では損傷または汚染されて製品の信頼性が影響されてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一つの目的は、撮像モジュールおよびそのモールド感光アセンブリ並びに製造方法および電子機器を提供することであり、該モールド感光アセンブリの少なくとも一つのモールド部のモールド部本体は透明材料からなるものである。
【0005】
本発明のもう一つの目的は、撮像モジュールおよびそのモールド感光アセンブリ並びに製造方法および電子機器を提供することであり、該モールド部本体の外表面に少なくとも一つの遮光層が設置されており、該遮光層の大きさと寸法を調整することにより、光入射窓の大きさ、位置、形などの特性をすばやく調整することができ、従来方法で光入射窓を調整するために金型を作ってトライアルをする複雑な工程を省ける。
【0006】
本発明のもう一つの目的は、撮像モジュールおよびそのモールド感光アセンブリ並びに製造方法および電子機器を提供することであり、少なくとも一つのフィルター素子を前記モールド感光アセンブリの少なくとも一つの感光チップの少なくとも一つの感光領域の上方に直接に貼設することができ、前記フィルター素子を調整する代わりに、前記遮光層の大きさと寸法を調整することができる。
【0007】
本発明のもう一つの目的は、撮像モジュールおよびそのモールド感光アセンブリ並びに製造方法および電子機器を提供することであり、前記モールド部は、前記感光チップおよび前記モールド感光アセンブリの少なくとも一つの回路基板を完全に覆うことができ、前記感光領域を保護するステップが省かれ、コストを削減すると同時に歩留まりと効率を高めることができる。
【0008】
本発明のもう一つの目的は、撮像モジュールおよびそのモールド感光アセンブリ並びに製造方法および電子機器を提供することであり、前記撮像モジュールの信頼性はさらに向上し、仮に半製品であっても比較的に劣悪な環境で使用でき、汚れや軽微な損傷なら直接に拭き取ってきれいに洗えばよく、または、プラズマプロセスや研磨などの物理的手段によって透明材料の表面層を除去すればよい。
【0009】
本発明のもう一つの目的は、撮像モジュールおよびそのモールド感光アセンブリ並びに製造方法および電子機器を提供することであり、モールディングに必要な金型の加工困難性および時間は大幅に低下するとともに、製造時の材料充填の難しさも明らかに低下し、効率は改善されると同時にコストは削減される。
【0010】
本発明のもう一つの目的は、撮像モジュールおよびそのモールド感光アセンブリ並びに製造方法および電子機器を提供することであり、前記感光チップの上方の前記モールド部本体の異なる厚さおよび異なる材料、ひいては異なる表面形状を調整することにより、異なる光学性能を得ることができる。これは、透明材料全体およびその上方のレンズは互いに一つの巨大なレンズ群を形成したことに相当し、レンズ設計により多くの設計スペースを提供し、最終的には組み立てられた前記撮像モジュールによりよい光学性能とより小さい外形寸法をもたらすことができる。
【0011】
本発明のもう一つの目的は、撮像モジュールおよびそのモールド感光アセンブリ並びに製造方法および電子機器を提供することであり、前記モールド部の少なくとも一つの光通過領域は、少なくとも一つのフィルター層または少なくとも一つの光反射層を覆う。これにより、よりよい透過率を得ることができ、しかもフィルタリング効率を高めることができる。
【0012】
本発明のもう一つの目的は、撮像モジュールおよびそのモールド感光アセンブリ並びに製造方法および電子機器を提供することであり、これにより、光の反射、フラッシュ(flash)、迷光を減少させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の上記少なくとも一つの目的を実現するために、本発明は、少なくとも一つの撮像モジュールに適用されるモールド感光アセンブリを提供し、該モールド感光アセンブリは、
透明材料からなる一つのモールド部本体を含む少なくとも一つのモールド部と、
少なくとも一つの感光チップと、
前記感光チップが設置されている少なくとも一つの回路基板とを含み、
モールド成型工程によって、前記モールド部の前記モールド部本体、前記感光チップ、および前記回路基板は一体構造に形成されている。
【0014】
一部の実施形態では、前記モールド感光アセンブリは、少なくとも一つの遮光層をさらに含み、前記モールド部本体は、前記感光チップと前記回路基板とを完全に覆い、前記遮光層は、前記モールド部本体の外表面の一部を被覆し、しかも前記モールド部本体の上端に少なくとも一つの光通過領域が形成され、該光通過領域と前記感光チップとは対応して前記感光チップに光路を提供する。
【0015】
一部の実施形態では、前記モールド部の前記光通過領域は、少なくとも一つのフィルター層または少なくとも一つの光反射層により覆われる。
【0016】
一部の実施形態では、前記フィルター層の縁または前記光反射層の縁と前記遮光層の縁とが重なって設置されている。
【0017】
一部の実施形態では、前記モールド部の前記モールド部本体の上端は、前記モールド部本体の上表面がへこんで形成する少なくとも一つの凹溝を備え、前記凹溝に前記光通過領域が設置されている。
【0018】
一部の実施形態では、前記モールド部は、前記モールド部本体の周囲部が上方に延びて形成される少なくとも一つのレンズ取付部をさらに含み、前記レンズ取付部と前記モールド部本体は一体成形され接続されている。
【0019】
一部の実施形態では、前記モールド部の上端は平面状であり、すなわち、前記モールド部本体の上表面は平坦であり、前記モールド部本体の平坦な上表面に前記光通過領域は画定される。
【0020】
一部の実施形態では、前記モールド部は前記感光チップを完全に覆う。
【0021】
一部の実施形態では、前記モールド部本体は前記光透過素子の外周側および底部を包囲しており、前記光透過素子の上表面と前記モールド部の上表面とは同じ平面にある。
【0022】
一部の実施形態では、前記感光チップと前記回路基板を電気的に接続する少なくとも一つの接続ワイヤをさらに含み、前記モールド部は前記接続ワイヤを覆う。
【0023】
一部の実施形態では、前記回路基板に設置される少なくとも一つの電子部品をさらに含み、前記モールド部は前記電子部品を覆う。
【0024】
一部の実施形態では、前記モールド部は、少なくとも一つのモールド部本体と、前記モールド部本体の外表面の一部を覆う少なくとも一つの遮光層とをさらに含み、前記モールド部本体には、前記感光チップに光路を提供するように前記感光チップと対応する少なくとも一つの貫通孔が形成される。
【0025】
一部の実施形態では、前記貫通孔の底部は、下から上に向かって徐々に大きくなる傾斜状を呈する。
【0026】
一部の実施形態では、前記モールド感光アセンブリは、一つの光透過素子をさらに含み、前記モールド部は、光をフィルタリングするために前記貫通孔に前記光透過素子を支持する。
【0027】
一部の実施形態では、前記モールド部の上端は、少なくとも一つの撮像モジュールのレンズ、駆動器、またはフィルター素子を取り付けることに適する。
【0028】
一部の実施形態では、前記モールド部の上端は一つの取付溝を有し、前記取付溝は、少なくとも一つの撮像モジュールのフィルター素子、レンズ、または駆動器を取り付けるように前記貫通孔と連通する。
【0029】
一部の実施形態では、前記回路基板に設置される少なくとも一つの電子部品をさらに含み、前記モールド部は前記電子部品を覆う。
【0030】
一部の実施形態では、前記感光チップと前記回路基板を電気的に接続する少なくとも一つの接続ワイヤをさらに含み、前記モールド部は前記接続ワイヤの一部または全部を覆う。
【0031】
一部の実施形態では、前記感光チップは一つの感光領域と一つの非感光領域を含み、前記非感光領域は前記感光領域の周囲を囲み、前記モールド部は前記感光チップの前記非感光領域を覆う。
【0032】
一部の実施形態では、前記モールド部は少なくとも一つのレンズ取付部をさらに含み、前記レンズ取付部と前記モールド部本体は一体成形され接続されている。
【0033】
本発明のもう一方において、少なくとも一つのレンズと、一つ以上の前記モールド感光アセンブリとを含む撮像モジュールが提供され、前記レンズは、前記モールド感光アセンブリの前記感光チップの光学経路に位置する。
【0034】
一部の実施形態では、前記モールド部に支持され、しかも前記レンズと前記モールド感光アセンブリとの間に設置される少なくとも一つのフィルター素子をさらに含む。
【0035】
一部の実施形態では、前記感光チップに貼設される少なくとも一つのフィルター素子をさらに含む。
【0036】
一部の実施形態では、前記撮像モジュールは、固定焦点撮像モジュールまたはズーム撮像モジュールである。
【0037】
一部の実施形態では、前記モールド感光アセンブリは、前記回路基板に設置される一つの支持素子をさらに含む。
【0038】
一部の実施形態では、前記モールド部は前記支持素子の外側辺を包埋する。
【0039】
一部の実施形態では、前記支持素子は前記接続ワイヤを包埋する。
【0040】
本発明のもう一方において、本発明は、少なくとも一つのレンズと、一つ以上の前記モールド感光アセンブリとを含む撮像モジュールを提供し、前記レンズは、前記モールド感光アセンブリの前記感光チップの光学経路に位置し、前記モールド感光アセンブリの前記モールド部と前記レンズは、前記撮像モジュールの少なくとも一つのレンズ群を形成する。
【0041】
本発明のもう一方において、本発明は、一つ以上の前記撮像モジュールを含む電子機器を提供し、前記撮像モジュールのそれぞれは、画像を取得するために使用される。
【0042】
本発明のもう一方において、本発明は、少なくとも二つのレンズと、少なくとも二つの前記モールド感光アセンブリとを含むアレイ撮像モジュールを提供し、各前記レンズは、各モールド感光アセンブリの各感光チップの光学経路に位置する。
【0043】
一部の実施形態では、少なくとも二つのフィルター素子をさらに含み、各前記フィルター素子は各モールド部に支持され、しかも各前記レンズと各前記モールド感光アセンブリとの間に設置される。
【0044】
一部の実施形態では、少なくとも二つのフィルター素子をさらに含み、各前記フィルター素子は各前記感光チップに貼設される。
【0045】
一部の実施形態では、各前記撮像モジュールは、固定焦点撮像モジュールまたはズーム撮像モジュールである。
【0046】
本発明のもう一方において、本発明は、少なくとも二つのレンズと、二つの前記モールド感光アセンブリとを含むアレイ撮像モジュールを提供し、各前記レンズは、各前記モールド感光アセンブリの各前記感光チップの光学経路に位置し、複数の前記モールド感光アセンブリの前記モールド部は一体成形されている。
【0047】
本発明のもう一方において、本発明は、少なくとも一つの前記撮像モジュールと、少なくとももう一つの前記撮像モジュールとを含むアレイ撮像モジュールを提供し、前記撮像モジュールともう一つの前記撮像モジュールとは並列して設置され、隣接する二つの撮像モジュールは前記モールドにより一体成形され接続される。
【0048】
一部の実施形態では、隣接する前記回路基板は連接して一体化された回路基板を形成する。
【0049】
一部の実施形態では、隣接する前記回路基板は間隔を置いて設置され、前記モールド部は隣接する前記回路基板の間隔を充填して隣接する前記回路基板を一体成形接続する。
【0050】
一部の実施形態では、隣接する前記光透過素子は連接して一体構造に形成される。
【0051】
本発明のもう一方において、本発明は、
少なくとも二つのレンズと、
少なくとも二つの感光チップと、
前記感光チップが電気的に接続されて貼設される少なくとも一つの回路基板と、
透明材料からなる一つのジョイントモールド部と
を含むアレイ撮像モジュールであって、前記レンズは、対応する前記感光チップの感光経路に保持され、モールド成型工程によって、前記ジョイントモールド部、前記回路基板、および前記感光チップは一体化構造に形成されている、アレイ撮像モジュールを提供する。
【0052】
本発明のもう一方において、本発明は、一つ以上の前記アレイ撮像モジュールを含む電子機器を提供し、アレイ撮像モジュールのそれぞれは、画像を取得するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】
図1は、本発明の一つの好ましい実施形態の撮像モジュールおよびそのモールド感光アセンブリ並びに製造方法および電子機器の立体模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の上記実施形態の前記モールド感光アセンブリの製造模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の上記実施形態の前記モールド感光アセンブリの製造模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の上記実施形態の前記撮像モジュールの立体模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の上記実施形態の前記モールド感光アセンブリのもう一つの変形実施形態の立体模式図である。
【
図6】
図6は、本発明の上記実施形態の電子機器のブロック模式図である。
【
図8】
図8は、本発明の上記実施形態の前記モールド感光アセンブリに基づくもう一つの実施形態の立体模式図である。
【
図9】
図9は、本発明の上記実施形態の前記モールド感光アセンブリに基づくもう一つの実施形態の立体模式図である。
【
図10】
図10は、本発明の上記実施形態の前記モールド感光アセンブリに基づくもう一つの実施形態の立体模式図である。
【
図11】
図11は、本発明の上記実施形態の前記モールド感光アセンブリに基づくもう一つの実施形態の立体模式図であるである。
【
図12】
図12は、本発明の上記実施形態の前記モールド感光アセンブリに基づくもう一つの実施形態の立体模式図であるである。
【
図13】
図13は、本発明の上記実施形態の前記モールド感光アセンブリに基づくもう一つの実施形態の立体模式図であるである。
【
図14】
図14は、本発明の上記実施形態の前記モールド感光アセンブリに基づくもう一つの実施形態の立体模式図であるである。
【
図15】
図15は、本発明の上記実施形態の前記撮像モジュールに基づくもう一つの実施形態の立体模式図であるである。
【
図16】
図16は、本発明の一つの実施形態のアレイ撮像モジュールの立体模式図であるである。
【
図17】
図17は、本発明の上記実施形態の前記アレイ撮像モジュールに基づくもう一つの実施形態の立体模式図であるである。
【
図18】
図18は、本発明の上記実施形態の前記アレイ撮像モジュールに基づくもう一つの実施形態の立体模式図であるである。
【
図19】
図19は、本発明の上記実施形態の前記アレイ撮像モジュールに基づくもう一つの実施形態の立体模式図であるである。
【
図20】
図20は、本発明の上記実施形態の前記アレイ撮像モジュールに基づくもう一つの実施形態の立体模式図であるである。
【
図21】
図21は、本発明の上記実施形態の前記アレイ撮像モジュールに基づくもう一つの実施形態の立体模式図であるである。
【
図22】
図22は、本発明の上記実施形態の前記アレイ撮像モジュールに基づくもう一つの実施形態の立体模式図であるである。
【
図23】
図23は、本発明の上記実施形態の前記アレイ撮像モジュールに基づくもう一つの実施形態の立体模式図であるである。
【
図24】
図24は、本発明の上記実施形態の前記アレイ撮像モジュールに基づくもう一つの実施形態の立体模式図であるである。
【
図25】
図25は、本発明の上記実施形態の前記アレイ撮像モジュールに基づくもう一つの実施形態の立体模式図であるである。
【
図26】
図26は、本発明の上記実施形態の前記アレイ撮像モジュールに基づくもう一つの実施形態の立体模式図であるである。
【
図27】
図27は、本発明の上記実施形態の前記アレイ撮像モジュールに基づくもう一つの実施形態の立体模式図であるである。
【
図28】
図28は、本発明の上記実施形態の前記アレイ撮像モジュールに基づくもう一つの実施形態の立体模式図であるである。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下の記載は本発明を開示して当業者が本発明を実現できるようにするものである。以下に記載の好ましい実施例は例示に過ぎず、当業者は他の明らかな変化形に容易に想到できる。以下の記載において定義された本発明の基本的な原理は他の実施形態、変形形態、改善形態、均等形態及び本発明の趣旨と範囲から離脱しない他の技術構成に応用できる。
【0055】
当業者は以下のように理解できる。本発明の開示において、用語の「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等が示す方位または位置関係は図面に示された方位または位置関係に基づくもので、本発明を説明しやすく及び簡単に説明するためのものであり、対象の装置または素子が必然的に特定の方位、特定の方位のある構造及び操作を示しまたは示唆するものではなく、このため、前記用語は本発明に対する制限と理解することはできない。
【0056】
以下のように理解できる。用語の「一」は「少なくとも一つの」または「一つまたは複数の」と理解すべきであり、即ち一つの実施形態において、一つの素子の数量は一つとすることができ、他の実施形態において、該素子の数量は複数とすることができ、用語「一」は数量に対する制限と理解してはならない。
【0057】
図1から
図4に示すように、本発明の一つの好ましい実施形態のモールド感光アセンブリと撮像モジュールは説明されている。モールド感光アセンブリ10は、前記撮像モジュールの組立製造に用いられ、モールド感光アセンブリ10は、一つのモールド部11と一つの感光部12とを含む。モールド部11は感光部12と一体成形接続されている。前記モールド部11の一つのモールド部本体111は透明材料からなり、モールド部本体111の表面に遮光層、光反射層、または光透過素子などを形成するために感光部12の表面を完全に覆うことができる。
【0058】
本発明のモールド部本体111は透明材料からなり、使用される透明材料として、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ4-メチルペンテン-1、ポリアクリレート、透明エポキシ樹脂、APO樹脂、ZEONEX樹脂、ARTON樹脂などが挙げられる。前記透明材料のタイプは単なる例であり、実施可能なその他の透明材料であってよく、本発明はこの点において限定されていないことを当業者は理解するであろう。
【0059】
感光部12は、一つの感光チップ121と一つの回路基板122とを含み、感光チップ121は回路基板122の上に設置されている。本発明のこの実施形態によって、感光チップ121は回路基板122に成形接続されている。つまり、本発明のこの好ましい実施形態では、透明材料からなるモールド部本体111は、チップに成形される方法、すなわちMOCというモールディング方法により感光部12にモールディングされて感光チップ121は回路基板122に貼設されるようにする。MOCモールディング方法の基本概念および基本プロセスは、当業者に知られているので、ここでは説明しない。
【0060】
感光部12はさらに、一つの接続ワイヤ123および一つの電子部品124を含む。接続ワイヤ123は、感光チップ121と回路基板122に電気的に接続されている。本発明の各実施形態では、ワイヤ123は、金線、銅線、アルミニウム線、および銀線などとして具体的に実施可能である。なお、接続ワイヤ123が金線、銅線、アルミニウム線、および銀線などとして実施されることは、ただ例示に過ぎず、本発明はその他の実施形態ではその他の合理的な実施方法を有してもよく、本発明はこの点において限定されないことは、当業者が理解するであろう。感光部12はさらに、図示しない一つの接続回路を含み、該接続回路は回路基板122に予め設置されており、電子部品124は前記接続回路および感光チップ121に接続されている。したがって、感光チップ121は感光作業をすることができる。すなわち、電子部品124は、回路基板122と感光チップ121に電気的に接続されている。
【0061】
本発明の好ましい実施形態では、電子部品124は回路基板122に突出して設置されている。本発明の各実施形態において、電子部品124は、抵抗器、コンデンサ、ダイオード、三極管、ポテンショメータ、リレーまたは駆動器などとして具体的に実施可能である。なお、電子部品124が抵抗器、コンデンサ、ダイオード、三極管、ポテンショメータ、リレーまたは駆動器などとして具体的に実施されることは、ただ例示に過ぎず、本発明はその他の実施形態ではその他の合理的な実施方法を有してもよく、本発明はこの点において限定されないことは、当業者が理解するであろう。本発明の本実施形態では、電子部品124が回路基板122に突出して設置されることを例として説明したが、本発明のその他の実施形態では、電子部品124を回路基板突出させることなく、回路基板122に埋設してもよいことは、当業者が理解するであろう。電子部品124の形状、種類、および設置位置は、本発明に制限されていないと当業者が理解するであろう。
【0062】
本発明の好ましい実施形態では、透明材料からなるモールド部本体111は、接続ワイヤ123および電子部品124を内部に収容している。好ましくは、モールド部本体111は、接続ワイヤ123および電子部品124を完全に包む。このように、接続ワイヤ123および電子部品124は空間に直接に露出せず、モールド感光アセンブリ10を組み立てて前記撮像モジュールを形成する時、電子部品124はモールディングコーティングにより、接続ワイヤ123の表面に埃や雑物がとどまるのを防ぐ。モールディング過程およびその後の組立および作動中においても、接続ワイヤ123を保護することができる。
【0063】
感光チップ121は、一つの感光領域1211と一つの非感光領域1212とを含み、感光チップの感光領域1211と非感光領域1212は一体に成形され、感光領域1211は感光チップ121の中部に位置し、非感光領域1212は感光チップ121の外部に位置し、しかも非感光領域1212は感光領域1211の少なくとも一側を囲む。物体によって反射または射出された光は、透明材料からなるモールド部本体111を通して感光チップ121の感光領域1211によって受光されて光電変換され、これによって物体に関連する画像を得ることができる。
【0064】
なお、本発明の本好ましい実施形態では、透明材料からなるモールド部本体111は好ましくは、感光チップ121の上表面を完全に覆う。すなわち、好ましくは、モールド部11は、感光チップ121の感光領域1211と非感光領域1212とを覆う。本発明の本好ましい実施形態では、透明材料からなるモールド部本体111は、感光チップ121および回路基板122を完全に覆うことができ、これによって、感光チップ121の感光領域1211を保護するステップを省略でき、コストを削減すると同時に歩留まりおよび効率を高めることができる。
【0065】
さらに、透明材料からなるモールド部本体111は、感光チップ121の上表面を完全に覆ってから透明材料の表面に遮光層を形成することができる。つまり、モールド感光アセンブリ10はさらに一つの遮光層112を含む。遮光層112は、モールド部本体111の外表面に設置される。本発明の本好ましい実施形態では、遮光層112は、感光領域1211の上方領域を被覆していない。すなわち、本発明の本好ましい実施形態では、モールド部本体111の外表面に遮光層112のない領域には、モールド部11の一つの光通過領域110が形成され、光通過領域110は、遮光層112によりモールド部11に規定され、感光領域1211と対応し、これによって、物体により反射された外部の光は、モールド部11の光通過領域110を通して感光チップ121の感光領域1211によって受光されて光電変換され、物体に関連する画像を得ることができる。
【0066】
本発明の好ましい実施形態では、モールド部本体111の外表面は、光通過領域110を除き、外表面は遮光層112により被覆されることはたが例示に過ぎず、その他の実施形態ではその他の合理的な実施方法があることは、当業者が理解するであろう。言い換えれば、感光領域1211の受光および光電変換を影響しない状況下で、モールド部11のモールド部本体111の外表面の遮光層112の設置位置を実際の需要に合わせて調整することは、当業者が理解するであろう。遮光層112の大きさと寸法も、実際の需要に合わせて調整することができる。
【0067】
また、遮光層112の大きさと寸法を調整することにより、光入射窓、すなわち、ここでいう光通過領域110の大きさ、位置、形などの特性をすばやく調整することができ、従来方法で光入射窓を調整するために金型を作ってトライアルをする複雑な工程を省ける。
【0068】
なお、透明材料からなるモールド部本体111は、組立て形成された撮像モジュールの信頼性はさらに向上することができ、仮に組み立てて形成されたモールド感光アセンブリ10などの半製品であっても比較的に劣悪な環境で使用することができる。汚れや軽微な損傷がある場合に、直接に拭き取ってきれいに洗えばよく、または、プラズマプロセスや研磨などの物理的手段によってモールド部11の表面層を除去すればよい。
【0069】
図4に示すように、本発明のこの好ましい実施形態に係るモールド感光アセンブリ10により組み立ててなる撮像モジュール100は説明されている。撮像モジュール100は、モールド感光アセンブリ10と一つのレンズ20とを含む。レンズ20は、モールド感光アセンブリ10の感光素子21の感光経路に設置されて支持される。物体により反射された光はレンズ20から撮像モジュール100の内部に入って、モールド感光アセンブリ10の感光チップ121によって受光されて光電変換され、物体に関連する画像を得る。
【0070】
また、本発明の好ましい実施形態では、MOCモールディングプロセスにより、撮像モジュール100はズーム撮像モジュールとして実施される。撮像モジュール100はさらに一つの駆動器30を含み、駆動器30はレンズ20を駆動して感光チップ121の感光経路に沿って往復移動させて撮像モジュール100の焦点距離を調整することができる。言い換えれば、駆動器30により、レンズ20は駆動器30に駆動可能に設置支持されている。なお、駆動器30のタイプについて、本発明の撮像モジュール100では限定されていない。例えば、別の実施形態では、駆動器30は、ボイスコイルモータなど、レンズ20を駆動して感光素子21の感光経路に沿って変位させることができる任意の駆動器として実施することができ、駆動器30は、電気エネルギーと制御信号を受け取って作業状態に入ることができる。
【0071】
その他の実施形態では、撮像モジュール100は一つの固定焦点撮像モジュールとして実施されることは、当業者が理解するであろう。すなわち、撮像モジュール100は一つの固定焦点撮像モジュールとして実施される場合、モールド部11は変形され、レンズ20を組み立てるためのレンズの支持架台として実施され、レンズ20は、モールド感光アセンブリ10の一体化成形の後に、レンズの支持架台としてのモールド部11に直接に取り付けられ、これによって、撮像モジュール100の組立工程を簡略化した。
【0072】
さらに、
図1と
図4に示すように、撮像モジュール100は、レンズ20の光学経路に位置する少なくとも一つのフィルター素子40をさらに含む。本発明のこの好ましい実施形態では、モールド感光アセンブリ10のモールディング成形後に、フィルター素子40は、モールド感光アセンブリ10のモールド部10の頂部に貼設されて撮像モジュール100を組み立てて形成する。フィルター素子40は、感光チップ121の感光経路に位置する。物体により反射された光はレンズ20の各光学レンズから、フィルター素子40によりフィルタリングされてから撮像モジュール100の内部に入って、感光素子21によって受光されて光電変換されることができる。すなわち、フィルター素子40は、レンズ20の各光学レンズ内の、物体によって反射された光から、赤外線部分または可視光部分などの迷光をフィルタリングすることができ、これによって撮像モジュール100の結像品質を変えることができる。
【0073】
具体的には、本発明のこの好ましい実施形態では、フィルター素子40は、レンズ20の光学経路に位置し、フィルター素子40は、モールド部11の光通過領域110に設置される。すなわち、モールド部11のモールド部本体111とフィルター素子40の底部と接触する部位には、遮光層112は設置されていない。なお、本発明のこの好ましい実施形態では、フィルター素子40はモールド部11に直接に貼設されており、しかも感光チップ121の感光領域1211の直上方に位置する。遮光層112の大きさを調整可能であるため、従来技術と比べ、フィルター素子40の大きさを制限するに役立つ小さいレンズ台を別途追加する必要はなく、遮光層112を調整すればよい。
【0074】
さらに、モールド部11の上表面がへこんで一つの凹溝を形成し、光通過領域110は該凹溝の底表面に規定され、感光領域1211と対応する。フィルター素子40は光通過領域110を被覆して光をフィルタリングする。好ましくは、本実施形態では、前記凹溝は上から下に向かって徐々に小さくなり、フィルター素子40の寸法を減少させる一方、型の抜き取り中の抵抗を低減するように一定の抜き勾配を形成する。
【0075】
撮像モジュール100についての異なる例示において、フィルター素子40は異なるタイプのものとして実施可能である。例えば、フィルター素子40は、赤外線カットフィルター素子、全透過スペクトルフィルター素子およびその他のフィルター素子または複数のフィルター素子の組み合わせとして実施可能である。例えば、フィルター素子40は、赤外線カットフィルター素子と全透過スペクトルフィルター素子との組み合わせとして実施可能であり、すなわち、該赤外線カットフィルター素子と該全透過スペクトルフィルター素子は、感光素子21の感光経路に選択的に配置されるように切り替えることができ、例えば、昼間など光が十分な環境で撮像モジュール100を使用する場合、前記赤外線カットフィルター素子は、物体により反射されて撮像モジュール100に入った光の中の赤外線をフィルタリングするように、前記赤外線カットフィルター素子を感光チップ121の感光経路に切り替えてもよく、また、夜間など暗い環境で撮像モジュール100を使用する場合、物体により反射されて撮像モジュール100に入った光の中の赤外線部分を透過させるように、前記全透過スペクトルフィルター素子を感光チップ121の感光経路に切り替えてもよい。
【0076】
図5は、
図1に示す好ましい実施形態に係るモールド部11のもう一つの変形実施形態を示す。
図1に示す実施形態に係るモールド部11とは違って、
図5には、モールド部11は、一つのレンズ取付部114をさらに含む。すなわち、この実施形態では、モールド部11は、モールド部本体111とレンズ取付部114とを含む。遮光層112は、モールド部本体111の外表面に設置される他、実際の需要に合わせてレンズ取付部114の外表面にも設置される。モールド部本体11とレンズ取付部114は一体成形により接続されている。レンズ取付部114は、レンズ20(レンズ20は
図5には図示されていない)の取付に用いられ、すなわち、モールド感光アセンブリ10は撮像モジュールの組立に用いられる場合、レンズ20に安定した取付位置を提供するように、レンズ20はレンズ取付部114の内側に取り付けられる。レンズ取付部114はモールド部本体111の周囲部から上方に一体的に延びてレンズ20を支持固定するための位置を提供し、これにより、レンズ20を取り付けるために別途部品を提供する必要はない。言い換えれば、モールド部11は上方に一体的に延び、しかも回路基板122、感光チップ121、接続ワイヤ123、電子部品124をそれぞれモールディングするように、およびレンズ20を支持するように、内部に段差が形成されている。
【0077】
なお、レンズ取付部114の内側面は平坦であり、ねじ山のないレンズ20を取り付けて固定焦点モジュールを形成するのに適している。特に、レンズ20は、接着によりレンズ取付部114に固定することができる。また、レンズ20はレンズ取付部114に取り付けられているから、モールド部11は従来の撮像モジュールにおける支持架台または鏡筒として機能し、レンズ20に支持固定の位置を提供し、モールド部11は従来の支持架台に取って代わり、レンズ20に取付位置を提供する。これにより、支持架台の接着組立時の傾斜誤差が回避され、撮像モジュールの組立時の累積公差が減少する。
【0078】
図6と
図7に示すように、本発明の前記モールド感光アセンブリにより組み立ててなる撮像モジュール100は、電子機器本体200に配置することができる。つまり、電子機器本体200は、少なくとも一つの撮像モジュール100を含み、撮像モジュール100のそれぞれは画像を取得するために使用され、撮像モジュール100のそれぞれは、レンズ20とモールド感光アセンブリ10とをさらに含む。
【0079】
なお、撮像モジュール100は、電子機器本体200の裏面、すなわち、電子機器本体200の表示画面とは反対側に配置することができる。撮像モジュール100は、電子機器本体200の前面、すなわち電子機器本体200の表示画面の側に配置されるか、もしくは少なくとも一つの撮像モジュール100は電子機器本体200の裏面に配置されて、少なくとも一つの撮像モジュール100は電子機器本体200の前面に配置されてもよい。勿論、その他の実施形態では、撮像モジュール100を電子機器本体200の側面に配置してもよく、本発明はこの点において限定されないことは、当業者が理解するであろう。
【0080】
図8から
図12は、本発明の好ましい実施形態に係るモールド部11の変形実施形態を示す。これらの変形実施形態では、モールド感光アセンブリ10A、10B、10C、10Dは、遮光層112A、112B、112C、112D、モールド部11A、11B、11C、11D、および感光部12A、12B、12C、12Dを含み、モールド部11A、11B、11C、11Dは、感光部12A、12B、12C、12Dの表面を覆い、遮光層112A、112B、112C、112Dは、モールド部11A、11B、11C、11Dの外表面に貼設されている。
【0081】
感光部12A、12B、12C、12Dは、感光チップ121A、121B、121C、121D、回路基板122A、122B、122C、122D、接続ワイヤ123A、123B、123C、123D、および電子部品124A、124B、124C、124Dを含む。モールド部11A、11B、11C、11Dは、モールド部本体111A、111B、111C、111Dを含む。感光チップ121A、121B、121C、121Dは、感光領域1211A、1211B、1211C、1211D、および非感光領域1212A、1212B、1212C、1212Dを備える。
図8に示すように、本発明の好ましい実施形態に係るモールド部11に基づくもう一つの変形実施形態は説明される。上記好ましい実施形態とは違って、モールド部11Aの頂部は平面である。そのため、型の製造困難性は低下する。モールド部11Aの頂部の取付表面と、感光チップ121Aの感光表面との差は、もはや型によって実現する必要がないので、型は極小さい表面差を提供すれば同じ構造要件を実現することができ、型の加工困難性と時間は大幅に低下するとともに、製造時の材料充填の難しさも明らかに低下し、効率の向上とコストの削減に大いに寄与する。
【0082】
すなわち、光通過領域110Aは、遮光層112Aによりモールド部本体111Aの平坦な頂部取付表面に規定され、感光チップ121Aの感光領域121Aと対応する。これ相応に、光透過素子40あは光通過領域110Aを被覆してモールド部本体111Aの平坦な頂部取付表面に貼設される。
【0083】
図9に示すように、本発明の好ましい実施形態に係るモールド部11に基づくもう一つの変形実施形態は説明される。
図8のモールド部11Aと比べ、フィルター素子40Bの貼設に寄与するため、モールド部11Bの頂部取付表面の光通過領域110Bは下方および内部に延びてフィルター素子取付溝を形成し、フィルター素子40Bは該フィルター素子取付溝内に取り付けられ、フィルター素子40Bの上表面と、遮光層112Bが配置されているモールド部11Bの頂部取付表面とは、同じ平面にある。このように、
図8に示す実施形態と比べ、
図9に示す実施形態のフィルター素子40Bは、モールド部11Bのモールド部本体111Bから突出することはない。
【0084】
すなわち、前記凹溝は、前記フィルター素子取付溝として実施される。光通過領域110Bは、前記フィルター素子取付溝の底表面として規定され、フィルター素子40Bは、前記フィルター素子取付溝に取り付けられる。この時、モールド部本体111Bは、光透過素子40Bの外周側および底面に包囲され、光透過素子40Bの上表面とモールド部11Bの頂部取付表面とは同じ水平面にある。
図10に示すように、本発明の好ましい実施形態に係るモールド部11のもう一つの変形実施形態は説明される。
図8に示すモールド部11Aと比べ、フィルター素子40Cの取付位置は異なる。
図10に示す実施形態では、フィルター素子40Cは感光チップ121C上に貼設される。すなわち、モールディング時に、モールディング成形したモールド部11Cは、フィルター素子40Cと感光部12Cの感光チップ121Cを完全に覆う。こうすると、
図9に示す実施形態のように、モールド部11Bの上表面にフィルター素子40Bを取り付けるためのフィルター素子取付溝を別途形成する必要はなくなる。これによって、さらに型の加工困難性と時間は大幅に低下するとともに、製造時の材料充填の難しさも明らかに低下し、効率の向上とコストの削減に大いに寄与する。
【0085】
すなわち、光透過領域110Aは、遮光層112Aによりモールド部本体111Aの平坦な頂部取付表面に規定され、感光チップ121Aの感光領域121Aと対応する。モールド部本体111Cは、感光チップ121Cにフィルター素子40Cを覆い、しかも感光チップ121C、回路基板122C、接続ワイヤ123Cおよび/または電子部品124Cを覆う。
【0086】
フィルター素子40の取付位置は、実施形態によって複数の変形実施方式がある。
図10には、フィルター素子40Cは感光チップ121Cに貼設されている。フィルター素子40Cと感光アセンブリ20Cとは型内で組立成形される。その他の実施形態、例えば
図1と
図8に示す実施形態では、フィルター素子40、40Aは、モールド部11、11の頂部に設置され、モールド感光アセンブリ10、10Aが一体化成形された後にフィルター素子40、40Aが取り付けられる。
【0087】
図10に示す実施形態では、フィルター素子40Cは感光素子121Cに貼設されており、しかもモールド部11Cに覆われるという変形実施形態は、
図1と
図5に示す実施形態に適用することができ、これは、フィルター素子40の異なる取付位置の変形実施方式である。勿論、その他の実施形態ではその他の実施方式も使用でき、本発明はこの点において限定されないことは、当業者が理解するであろう。
【0088】
図11に示すように、本発明の好ましい実施形態に係るモールド部11のもう一つの変形実施形態は説明される。さらに、
図8の実施形態と比べ、フィルター素子40Aは省略され、フィルタリング作用を果たすフィルタコーティングを用い、非遮光領域、すなわちモールド部11Dの光透過領域110Dにおいてフィルター層113Dを直接に形成すればよい。すなわち、フィルター素子40Aは、フィルター層113Dとして実施可能である。従来のフィルター素子40に使用される無機ガラス基材と比べ、モールディング材料に使用される有機材料はよりよい透過率を有し、フィルタリング効率をある程度向上させることができる。
【0089】
なお、遮光層112Dとフィルター層113Dの接触縁は、フルスペクトル光が感光チップ121Dの感光領域1211Dに直接は入らないようにするために、互いに重なり合っている。遮光層112Dは、フィルター層113Dの上にあってもよく、フィルター層113Dの下にあってもよいことは、当業者が理解するであろう。
図12に示すように、本発明の好ましい実施形態に係るモールド部10のもう一つの変形実施形態は説明される。さらに、
図1に示す実施形態と比べ、フィルター素子40は省略され、フィルタリング作用を果たす吸光材料を用い、非遮光領域、すなわちモールド部11の光透過領域110において光反射層113aを直接に形成すればよい。光反射層113aは、赤外光や可視光などの特定の波長の光を一括して反射する。同様に、従来のフィルター素子40に使用される無機ガラス基材と比べ、モールディング材料に使用される有機材料はよりよい透過率を有し、フィルタリング効率をある程度向上させることができる。なお、遮光層112と光反射層113aの接触縁は、フルスペクトル光が感光チップ121の感光領域1211に直接は入らないようにするために、互いに重なり合っている。遮光層112は、光反射層113aの上にあってもよく、光反射層113aの下にあってもよい。
【0090】
光反射層113aは、
図11に示す実施形態のフィルター層113Dの代わりに、
図11に示す実施形態に実施してもよいことは、当業者が理解するであろう。勿論、その他の実施形態ではその他の実施方式も使用でき、本発明はこの点において限定されない。
【0091】
図1から
図12に示す各実施形態は、いずれもMOCプロセスを使用している。
図13、
図14、
図15に示すように、撮像モジュール100E、100F、100Gは、MOBプロセスに基づいたものであり、モールド部11の形状と構造および変形実施形態は、本発明者のその他の特許書類に記載のMOBプロセスのモールド部11および変形とは同じであることができる。その相違点として、
図13に示す実施形態では、モールド部本体111Eは透明材料からなるに対して、本発明者のその他の特許書類に記載のMOBプロセスのモールド部本体111および変形実施形態の材料は非透明材料である。この材料の入替も同じく、上記MOCモールディングプロセスの利点を実現できる。また、光の反射、フラッシュ(flash)、迷光を減少させることもできる。
【0092】
図13から
図15に示すように、モールド感光アセンブリ10E、10F、10Gは、モールド部11E、11F、11G、および感光部12E、12F、12Gを含み、感光部12E、12F、12Gは、感光チップ121E、121F、121G、および回路基板122E、122F、122Gを含む。感光チップ121E、121F、121Gは、回路基板122E、122F、122Gに設置され、モールディングプロセスによって、モールド部11E、11F、11G、感光チップ121E、121F、121G、および回路基板122E、122F、122Gは一体化構造に形成される。
【0093】
モールド部11E、11F、11Gはさらに、少なくとも一つのモールド部本体111E、111F、111Gを含む。感光モジュール10E、10F、10Gはさらに、少なくとも一つの遮光層112E、112F、112Gを含み、遮光層112E、112F、112Gは、モールド部本体111E、111F、111Gの外表面の一部を被覆し、しかもモールド部本体111E、111F、111Gには少なくとも一つの貫通孔が形成され、該貫通孔は、感光チップ121E、121F、121Gと対応して感光チップ121E、121F、121Gに光路を提供する。貫通孔の底部は、下から上に向かって徐々に大きくなる傾斜状を呈する。モールド部本体111E、111F、111Gは透明材料からなる。
【0094】
モールド部11E、11F、11Gの頂端は、少なくとも一つの撮像モジュールのレンズ、駆動器、またはフィルター素子を取り付けるのに適する。モールド感光アセンブリ10E、10F、10Gは、少なくとも一つの電子部品124E、124F、124Gをさらに含み、電子部品124E、124F、124Gは回路基板122E、122F、122Gに設置され、モールド部11E、11F、11Gは、電子部品124E、124F、124Gをも覆う。モールド感光アセンブリ10E、10F、10Gは、少なくとも一つの接続ワイヤ123E、123F、123Gをさらに含み、接続ワイヤ123E、123F、123Gは、感光チップ121E、121F、121Gと回路基板122E、122F、122Gとを電気的に接続し、モールド部11E、11F、11Gは、接続ワイヤ123E、123F、123Gの一部または全部をも覆う。
【0095】
本発明のもう一部の実施形態では、モールド部11Eは、感光チップ121Eの非感光領域1212Eをも覆う。すなわち、非感光領域1212Eは、透明材料からなるモールド部本体111Eによって保護され、感光チップ121Eの感光領域1211Eを露出して光変換信号を受信する。光透過素子40E、40Fは、光をフィルタリングするように前記モールド部により貫通孔に支持され、埃などによる感光領域1211Eの汚染を避けるように密閉空間を形成している。
【0096】
また、その他の実施形態では、
図13と
図15に示すように、モールド部11Eの頂端には一つと取付溝があり、該取付溝は、少なくとも一つの撮像モジュールのフィルター素子40E、40F、40G、レンズ20E、20G、または駆動器30E、30Gを取り付けるように、前記貫通孔と連通している。
【0097】
図14に示すように、
図13と違って、モールド部11Fはさらに、少なくとも一つのレンズ取付部114を備え、レンズ取付部114とモールド部本体111Fは一体成形接続されている。すなわち、レンズ取付部114は、モールド部本体111Fの周囲部が上方に延びて形成される。レンズ取付部114は、少なくとも一つの撮像モジュールのレンズの取付に使用される。
【0098】
図2と
図3に示すように、モールディングプロセスによってモールド部本体111を形成する際に、一つの成形型900により、流体形態として実施される成形材料を硬化させてから回路基板122のモールド部本体111に成形させる。
【0099】
具体的には、成形型900は、一つの上型901と一つの下型902とを含み、上型901と下型902を組み合わせるように、上型901と下型902の少なくとも一方は移動可能であり、そして、上型901と下型902との間に少なくとも一つの成形空間903が形成され、モールド部本体111は、前記成形材料を成形空間903に注入して硬化させてから形成される。
【0100】
なお、本発明に係る流体形態の前記成形材料は、液体材料または固体粒子材料もしくは液体と固体粒子との混合材料であってもよい。成形材料が液体材料であろうと、固体粒子材料であろうと、液体と固体粒子との混合材料であろうと、成形型900の成形空間903に注入した後、硬化してモールド部本体111を形成することができることは理解できる。例えば、本発明のこの具体例において、流体形態の前記成形材料は、液体などの熱硬化性材料として実施され、前記成形材料は、成形型900の成形空間903に注入して硬化させてからモールド部本体111を形成する。なお、流体形態の前記成形材料は成形型900の成形空間903に注入された、流体形態の前記成形材料の硬化方式は、本発明の内容と範囲を限定しない。
【0101】
よって、成形型900の製造困難性は低減される。頂部の取付表面とチップ感光表面との差は、もはや成形型900によって実現する必要がないので、型は極小さい表面差を提供すれば同じ構造要件を実現することができ、成形型900の加工困難性と時間は大幅に低下するとともに、製造時の材料充填の難しさも明らかに低下し、効率が向上すると同時にコストも削減される。
【0102】
なお、本発明のモールド感光アセンブリのモールド部分は、成形型900がチップの表面に接触する必要がなくなり、半製品が成形型900のキャビティ内に成形型900の一側に固定される必要があり、もう一側では成形型900と全く接触していないことを除き、その他は従来のものと同じである。
【0103】
なお、遮光層112とフィルター層113の形成は、任意の順序で行われてもよく、形成方式として、電気めっき、化学めっき、スパッタリング、貼り付け、印刷、スプレイ、コーティング、モールディング、射出成形などを含むが、これらに限定されない。同時に、遮光層またはフィルター層が不要な位置に一定の保護対策をし、保護対策として、この工程の前に、マスク(mask)、型、その他の媒体または遮光層自体など、その他の除去可能な材料を使用して予め遮蔽してもよく、この工程の実行中にソフトウェア設定によって所望の層を所望の形状に直接に形成させてもよい。
【0104】
すなわち、モールディングプロセスによってモールド部11を形成する場合、下記のステップを採用することができる:
(a)モールド感光アセンブリ10の感光部12を成形型900の成形空間903に収容し、モールド感光アセンブリ10の半製品が下型902に固定され、モールド感光アセンブリ10の感光チップ121と上型901の内底面との間には所定の間隔がある。
(b)流体形態の成形材料を成形空間903内に注入し、前記成形材料は透明材料である。
(c)前記成形材料を硬化させてモールド部本体111を形成し、モールド部本体111は感光部12の表面を覆う。
(d)感光チップ121に対応し、所定の位置に一つの遮光層を形成し、光通過領域112を規定する。
(e)光をフィルタリングするために光通過領域112に一つのフィルター層または光反射層を形成する。または、
(f)光通過領域112を被覆する一つの光透過素子40を貼設する。
【0105】
好ましくは、上型901の内底面に、前記光透過素子取付溝を形成するために凸部が形成する。型の抜き取り中の抵抗を低減するように、該凸部は上から下に向かって徐々に小さくなる。この時、光通過領域112は前記光透過素子取付溝の底部に規定され、光透過素子40または前記フィルター層はそれに対応して前記光透過素子取付溝に取り付けられるか形成される。
【0106】
勿論、
図8と
図10に示すモールド部を形成する時、モールド部11の頂部は平坦であり、前記凸部を形成する必要はない。さらに、
図10に示すモールド感光アセンブリ10Cを形成する時、まずフィルター素子40Cを感光チップ121Cに貼設してからステップ(a)を実行し、これにより、モールド部11Cは、フィルター素子40Cと感光チップ121Cの表面を覆うことになる。
【0107】
図15に示すように、撮像モジュール100Gはさらに、少なくとも一つのフレーム状の支持素子70Gを含み、支持素子70Gは回路基板122Gに設置され、モールド部本体111Gは成形された後、少なくとも支持素子70Gの外側辺を包埋し、これによって感光チップ121G、回路基板122G、支持素子70G、およびモールド部本体111Gは一体的に結合される。モールド部本体111Gは、接続ワイヤ123Gの少なくとも一部を包埋してもよく、または支持素子70Gは、接続ワイヤ123Gの少なくとも一部を包埋し、モールド部本体111Gと支持素子70Gはそれぞれ接続ワイヤ123Gの少なくとも一部を包埋する。その他の例には、モールド部本体111Gはさらに、支持素子70Gの上表面の少なくとも一部を包埋してもよい。
【0108】
さらに、支持素子70Gは、感光チップ121Gの感光接続点1210Gと回路基板122Gの回路接続点1221Gとの接続を妨げないように、接続ワイヤ123Gの外側に設置され、これにより、特に接続ワイヤ123Gが金線である場合、接続ワイヤ123Gの必要な長さを短縮する。この時、支持素子70Gの内側辺は接続ワイヤ123Gを包埋してもよいし、モールド部11Gは支持素子70Gと接続ワイヤ123Gを包埋してもよい。
【0109】
支持素子70Gは、接着剤が硬化後に形成されてもよく、金属めっきまたは化学めっきにより形成されてもよく、溶液塗布後に溶媒がなくなり硬化して形成されてもよく、しかもこれらに限定されない。これによって、支持素子70Gは回路基板122Gから突出し、モールディングプロセスにおいて、回路基板122Gに感光チップ121Gが実装される領域の平坦性が確保される。また、支持素子70Gは弾性を有してもよく、成形型900が型締される時に上型901と下型902に生じる衝撃力は、支持素子70Gにより吸収され、回路基板122Gに作用することは避けられる。また、支持素子70Gは変形により、支持素子70Gの上表面と上型901との間に隙間が形成することを防止できる。また、支持素子70Gは、上型901の前記成形面を支持することができ、これにより、上型901から接続ワイヤ123Gに圧力を印加することを防止でき、接続ワイヤ123Gの良好な導電性を保証することができる。
【0110】
本発明はさらに、本発明のモールド感光アセンブリ10より組み立てられたアレイ撮像モジュール1000を開示し、モールド部本体のそれぞれは透明材料からなる。アレイ撮像モジュール1000は各種の電子機器に適用することができ、使用者は該アレイ撮像モジュールを介して物体または人物の画像を撮像することができ、例えば、前記アレイ撮像モジュールは、物体または人物の画像または動画などの画像データの撮像に使用できる。好ましくは、前記アレイ撮像モジュールは、モバイル電子デバイスに適用することができ、例えば、該モバイル電子デバイスは、携帯電話またはタブレットデバイスであってもよいが、これらに限定されない。
【0111】
図16から
図28に示すように、本発明のアレイ撮像モジュールを次の記載において、デュアルレンズのアレイ撮像モジュールとして実施する例として、本発明の内容と利点が説明される。該アレイ撮像モジュールは、二つのレンズと二つのモールド感光アセンブリとを含むが、本発明のその他の実施形態では、レンズとモールド感光アセンブリの数は三つ以上など、より多くしてもよい。その数が本発明のアレイ撮像モジュールに対する制限ではないと当業者は理解するであろう。
【0112】
一つのレンズと一つのモールド感光アセンブリは互いに協同して撮像することができると当業者は理解するであろう。具体的には、物体や人物などの被写体により反射される光は、レンズを通した後にモールド感光アセンブリの感光チップにより受光されて光電変換される。言い換えれば、前記感光チップは、光信号を電気信号に変換することができ、しかも該電気信号は、モールド前記感光アセンブリの前記回路基板を介して前記電子機器に送信されて前記電子機器上に被写体に関する画像を生成させることができる。
【0113】
具体的には、
図16から
図28に示すように、アレイ撮像モジュール1000H、1000I、1000J、1000K、1000L、1000M、1000N、1000O、1000P、1000Q、1000R、1000S、1000Tはそれぞれ、レンズ20H、20I、20J、20K、20L、20M、20N、20O、20P、20Q、20R、20S、20Tと、モールド感光アセンブリ10H、10I、10J、10K、10L、10M、10N、10O、10P、10Q、10R、10S、10Tとを含む。ズーム撮像モジュール1000H、1000I、1000J、1000K、1000L、1000M、1000N、1000O、1000P、1000Q、1000R、1000S、1000Tはさらに、駆動器30H、30I、30J、30K、30L、30M、30N、30O、30P、30Q、30R、30S、30Tを含んでもよい。
【0114】
モールド感光アセンブリ10H、10I、10J、10K、10L、10M、10N、10O、10P、10Q、10R、10S、10Tはそれぞれ、遮光層112H、112I、112J、112K、112L、112M、112N、112O、112P、112Q、112R、112S、112Tと、モールド部11H、11I、11J、11K、11L、11M、11N、11O、11P、11Q、11R、11S、11Tと、感光部12H、12I、12J、12K、12L、12M、12N、12O、12P、12Q、12R、12S、12Tとを含む。感光部12H、12I、12J、12K、12L、12M、12N、12O、12P、12Q、12R、12S、12Tはそれぞれ、感光チップ121H、121I、121J、121K、121L、121M、121N、121O、121P、121Q、121R、121S、121Tと、回路基板122H、122I、122J、122K、122L、122M、122N、122O、122P、122Q、122R、122S、122Tと、接続ワイヤ123H、123I、123J、123K、123L、123M、123N、123O、123P、123Q、123R、123S、123Tと、電子部品124H、124I、124J、124K、124L、124M、124N、124O、124P、124Q、124R、124S、124Tとを含む。モールド部11H、11I、11J、11K、11L、11M、11N、11O、11P、11Q、11R、11S、11Tはそれぞれ、モールド部本体111H、111I、111J、111K、111L、111M、111N、111O、111P、111Q、111R、111S、111Tを含む。
【0115】
感光チップ121H、121I、121J、121K、121L、121M、121N、121O、121P、121Q、121R、121S、121Tはそれぞれ、感光領域1211H、1211I、1211J、1211K、1211L、1211M、1211N、1211O、1211P、1211Q、1211R、1211S、1211Tと、非感光領域1212H、1212I、1212J、1212K、1212L、1212M、1212N、1212O、1212P、1212Q、1212R、1212S、1212Tとを含む。上記実施形態における前記レンズと前記モールド感光アセンブリは、アレイ撮像モジュール1000H、1000I、1000J、1000K、1000L、1000M、1000N、1000O、1000P、1000Q、1000R、1000S、1000Tを構成するのに適用でき、各素子間の関連、製造方式および特徴などについてはここでは贅言しない。
【0116】
図16に示すように、アレイ撮像モジュール1000Hの一つの実施方式は説明される。アレイ撮像モジュール1000Hは、二つのレンズ20H、二つの感光チップ121H、および一つの回路基板122Hを含み、回路基板122H上に、少なくとも一つのジョイントモールド部300Hが成形され、少なくとも二つの接続ワイヤ123Hが設置され、感光チップ121Hはそれぞれ回路基板122Hのチップ貼付領域に貼設され、接続ワイヤ123Hによって各感光チップ121Hは導通される。光学レンズ20Hはそれぞれ各感光チップ121Hの感光経路に保持される。ジョイントモールド部300Hは、隣接するモールド部本体111Hが一体接続成形される。遮光層112Hは、ジョイントモールド部300Hの外表面を被覆する。
【0117】
また、アレイ撮像モジュール1000Hはさらに、二つの駆動器30Hを含んでもよく、レンズ20Hはそれぞれ駆動可能に駆動器30Hのそれぞれに設置され、駆動器30Hはそれぞれモールド部11Hに貼設され、これによって、レンズ20Hはそれぞれ各感光チップ121Hの感光経路に保持される。
【0118】
さらに、撮像モジュール1000Hはさらに、少なくとも一つのフィルター素子40Hを含んでもよく、各フィルター素子40Hはそれぞれ各レンズ20Hと各感光チップ121Hとの間に保持される。例えば、各フィルター素子40Hのそれぞれは、モールド部11Hに貼設され、これによってフィルター素子40Hはそれぞれ、各レンズ20Hと各感光チップ121Hとの間に保持される。
【0119】
なお、
図16に示すアレイ撮像モジュール1000Hは例示に過ぎず、アレイ撮像モジュール1000Hはより多くのレンズ20Hを含む場合、感光チップ121Hの数、フィルター素子40Hの数、および駆動器30Hの数はいずれもレンズ20Hの数と一致してもよい。
【0120】
つまり、アレイ撮像モジュール1000Hのモールド感光アセンブリ10Hは、
図1のモールド感光アセンブリ10として実施可能であり、特に、隣接する回路基板122がつながって一体化された回路基板、すなわち回路基板122Hを形成する。
【0121】
アレイ撮像モジュール1000Hのジョイントモールド部300H、駆動器30H、フィルター素子40H、および一体化回路基板などの特徴は次の実施形態にも適用できるので、ここでは贅言しない。
【0122】
図17は、アレイ撮像モジュール1000Hの一つの変形実施形態を示す。
図16と違って、アレイ撮像モジュール1000Iは、二つのレンズ20Iと、二つの感光チップ121Iと、二つの回路基板122Iとを含み、二つの回路基板122Iは、接続されるモールド部11Iにより一体成形結合されている。すなわち、撮像モジュール1000Iのモールド感光アセンブリ10Iは、
図1に示すモールド感光アセンブリ10として実施可能であり、特に、隣接する回路基板122、すなわち回路基板122Iは、間隔を置いて設置され、モールド部11Iは隣接する回路基板122の間隔を充填して回路基板122をつながる。
【0123】
図18は、アレイ撮像モジュール1000Hのもう一つの変形実施形態を示す。モールド部11Jは、
図5に示すモールド部11の構造と同じであり、すなわち、
図5に示すモールド感光アセンブリ10は、モールド感光アセンブリ10Jとして本実施形態で実施される。具体的には、モールド部11Jは少なくとも一つのレンズ取付部114Jをさらに含み、レンズ取付部114Jはモールド部本体111Jから上方に一体的に延び、レンズ20はそれぞれレンズ取付部114Jに設置され、これによってレンズはそれぞれ、各感光チップ121Jの感光経路に保持される。
【0124】
図19は、アレイ撮像モジュール1000Hのもう一つの変形実施形態を示す。アレイ撮像モジュール1000Kの一つのレンズ20Kは、駆動可能に駆動器30Kに設置され、駆動器30Kはモールド部11Kに貼設され、もう一つのレンズ20Kはレンズ取付部114Kに設置され、これによって、レンズ20Kは感光チップ121Kの感光経路に保持される。
図19のモールド部11Kは、
図1に示すモールド部11及び
図5に示すモールド部11がアレイ撮像モジュール1000Kにおける実施されたものである。
【0125】
つまり、
図16から
図19に示すように、遮光層112H、112I、112J、112Kは、感光領域1211H、1211I、1211J、1211Kに規定される光通過領域110H、110I、110J、110Kに対応する。フィルター素子40H、40I、40J、40Kは、光通過領域110H、110I、110J、110Kを被覆する。
【0126】
図20は、アレイ撮像モジュール1000Hのもう一つの変形実施形態を示す。
図16に示すアレイ撮像モジュール1000Hと違って、フィルター素子40Hは省略され、アレイ撮像モジュール1000Lのフィルタリング機能に対する需要は、モールド部11Lの上表面にフィルター層113Lを設置することにより満たされる。つまり、モールド感光アセンブリ10Lは、
図12に示すモールド感光アセンブリ10として実施され、特に、隣接する回路基板122はつながって一体化された回路基板、すなわち回路基板122Lを形成する。
【0127】
図21は、アレイ撮像モジュール1000Hのもう一つの変形実施形態を示す。
図20に示すアレイ撮像モジュール1000Lと違って、アレイ撮像モジュール1000Mは、二つのレンズ20Mと、二つの感光チップ121Mと、二つの回路基板122Mとを含み、二つの回路基板122Mは、接続されるモールド部11Mにより一体成形結合されている。すなわち、
図20と違って、回路基板122Mは互いに間隔を置いて設置され、モールド部11Mは隣接する回路基板122Mの間隔を充填して回路基板122Mをつながる。
【0128】
図22は、アレイ撮像モジュール1000Hの一つの変形実施形態を示す。
図20に示すアレイ撮像モジュール1000Lと違って、モールド部11Nは少なくとも一つのレンズ取付部114Nをさらに含み、レンズ取付部114Nはモールド部本体111Nから上方に一体的に延び、各レンズ20Nはそれぞれレンズ取付部114Nに設置され、これによってレンズ20Nはそれぞれ、各感光チップ121Nの感光経路に保持される。
【0129】
図23は、アレイ撮像モジュール1000Hのもう一つの変形実施形態を示す。
図22に示すアレイ撮像モジュール1000Nと違って、アレイ撮像モジュール1000Oの一つのレンズ20Oは、駆動可能に駆動器30Oに設置され、駆動器30Oはモールド部11Oに貼設され、もう一つのレンズ20Oはレンズ取付部114Oに設置され、これによって、レンズ20Oは感光チップ121Oの感光経路に保持される。
【0130】
つまり、
図20から
図23に示すように、遮光層1211L、1211M、1211N、1211Oは、感光領域1212L、1212M、1212N、1212Oに規定される光通過領域110L、110M、110N、110Oに対応する。フィルター素子は省略され、フィルター層113L、113M、113N、113Oは、光通過領域110L、110M、110N、110Oを被覆する。
【0131】
上記記載されたアレイ撮像モジュールは、いずれも前述のMOCプロセスにより実現でき、具体的な実現ステップおよびプロセスについてはここでは贅言しない。
【0132】
図24は、アレイ撮像モジュール1000Hのもう一つの変形実施形態を示す。アレイ撮像モジュール1000Pのモールド部11Pは、
図13に示すモールド部11Eの構造と同じである。特に、隣接する回路基板122がつながって一体化された回路基板、すなわち回路基板122Pを形成する。
【0133】
図25は、アレイ撮像モジュール1000Hのもう一つの変形実施形態を示す。
図24に示すアレイ撮像モジュール1000Pと違って、アレイ撮像モジュール1000Qは、二つのレンズ20Qと、二つの感光チップ121Qと、二つの回路基板122Qとを含み、二つの回路基板122Qは、接続されるモールド部11Qにより一体成形結合されている。すなわち、回路基板122Qは互いに間隔を置いて設置され、モールド部11Qは隣接する回路基板122Qの間隔を充填して回路基板122Qをつながる。
【0134】
図26は、アレイ撮像モジュール1000Hのもう一つの変形実施形態を示す。
図24に示すアレイ撮像モジュール1000Pとは違って、アレイ撮像モジュール1000Rのモールド部11Rは少なくとも一つのレンズ取付部114Rをさらに含み、レンズ取付部114Rはモールド部本体111Rから上方に一体的に延び、各レンズはそれぞれレンズ取付部114Rに設置され、これによって各レンズ20Rはそれぞれ、各感光チップ121Rの感光経路に保持される。すなわち、モールド感光アセンブリ10Rの構造は、
図14に示すモールド感光アセンブリ10Fの構造と同じであり、特に、隣接する回路基板122Fが隣接して一体化された回路基板、すなわち回路基板122Rを形成する。
【0135】
図27は、アレイ撮像モジュール1000Hのもう一つの変形実施形態を示す。
図26に示すアレイ撮像モジュール1000Rとは違って、アレイ撮像モジュール1000Sの一つのレンズ20Sは、駆動可能に駆動器30Sに設置され、駆動器30Sはモールド部11Sに貼設され、もう一つのレンズ20Sはレンズ取付部114Sに設置され、これによって、レンズ20Sは感光チップ121Sの感光経路に保持される。
【0136】
図28は、アレイ撮像モジュール1000Hのもう一つの変形実施形態を示す。上記実施形態と違って、アレイ撮像モジュール1000Tのフィルター素子40Tの数は一つであるため、レンズ20Tのそれぞれは、フィルター素子40Tの異なる位置と対応可能になる。すなわち、隣接する撮像モジュール1000Tの光透過素子はつながって一体化され、光透過素子40Tを形成する。
【0137】
つまり、
図24から
図28に示すアレイ撮像モジュールは、いずれも前述のMOBプロセスにより実現でき、ここでは贅言しない。この場合、光透過素子40P、40Q、40R、40S、40Tは、モールド部本体111P、111Q、111R、111S、111Tに支持され、感光チップ121P、121Q、121S、121Tの感光領域に対応する。
【0138】
なお、本発明のその他の実施形態では、前記モールド感光アセンブリとその他の一般的な光学レンズとを組み立てて撮像モジュールまたはアレイ撮像モジュールを形成する時、
図1から
図12に示すMOCモールディングプロセスによって透明材料からなるモールド部本体111と光学レンズは、前記撮像モジュールまたは前記アレイ撮像モジュールの少なくとも一つのレンズ群を形成することができる。すなわち、成形後のモールド部本体111は、その他の一般的なレンズの光学設計を協力することができる。空気と比べ、透明材料が光に対する屈折率は大きいため、チップ上方の透明層の厚さ、材料、さらに表面形状を調整することにより、異なる光学性能を得ることができる。これは、透明材料全体と上方のレンズとは、一つの巨大なレンズ群を形成することに相当し、これにより、レンズ設計により多くの設計スペースを提供し、最終的には組み立てられた撮像モジュールまたはアレイ撮像モジュールによりよい光学性能とより小さい外形寸法をもたらすことができる。
【0139】
なお、遮光層112の形成前に内部構造を直接に観察することができるので、超音波検査またはX線検査などの複雑な工程が省略され、不良品の発見効率が向上する。その後の工程において異常が発生した場合、遮光層112を除去してモールド部11の透明部分を露出させ、製品に問題があるか否かを直接にチェックすることができる。
【0140】
また、前記モールド感光アセンブリにより組み立て形成される撮像モジュールまたはアレイ撮像モジュールのその他の部品、例えば、レンズや駆動器などは、不透明な接着剤を利用して固定することができるので、遮光作用を果たすことができ、これら接着剤の塗布位置での遮光層112は省略可能であるので、材料と工程を節約することができる。また、前記モールド感光アセンブリにより組み立て形成される撮像モジュールまたはアレイ撮像モジュールが電子機器200内に配置される時、撮像モジュールまたはアレイ撮像モジュールの装着位置の側面には光が照射しないか、あるいは機器のその他の部品によって光が遮蔽される場合、その側面の遮光層112も省略できる。
【0141】
なお、本発明は主に、単体の撮像モジュールを例として本発明の撮像モジュールの特徴及び利点について説明したが、その他の実施形態では、撮像モジュール100は、デュアルレンズ撮像モジュールまたはアレイ撮像モジュールであってもよいので、単体の撮像モジュールは、本発明の内容と範囲を限定しないことは、当業者は理解するであろう。
【0142】
上記記載および図面に示された本発明の実施形態は例示に過ぎず、本発明を限定するものではないと当業者は理解すべきである。本発明の目的は完全で効果的に実現されている。本発明の機能および構造の原理は実施形態において開示および説明されており、前記原理に反しない限り、本発明の実施形態について如何なる変形または改善をすることができる。