(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】充電回路、電子機器、充電方法および装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220518BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20220518BHJP
H01M 10/46 20060101ALI20220518BHJP
【FI】
H02J7/00 B
H02J7/00 K
H01M10/44 Q
H01M10/46
H01M10/44 A
(21)【出願番号】P 2020096654
(22)【出願日】2020-06-03
【審査請求日】2020-06-03
(31)【優先権主張番号】201911280493.8
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スン チャンユー
(72)【発明者】
【氏名】ファン ジエ
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-296820(JP,A)
【文献】国際公開第2011/142369(WO,A2)
【文献】特表2012-524517(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0207475(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H01M 10/42 -10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電回路であって、
インターフェースモジュールと、
直列接続される複数のバッテリと、
前記インターフェースモジュールに接続され、且つ前記複数のバッテリに直列接続される第1充電モジュールと、
前記インターフェースモジュールに接続され、少なくとも1つのバッテリに直列接続される第2充電モジュールと、
前記第2充電モジュールに接続され、前記第2充電モジュールと、第2充電モジュールに直列接続されたバッテリとの間の導通状態を切り替えるために使用される第1スイッチ回路とを含み、
前記第1充電モジュールが充電状態であり、前記第2充電モジュールと、対応するバッテリとの間が導通状態である場合、前記充電回路は、非同期充電モードに切り替え、前記充電回路が非同期充電モードである場合、少なくとも1つのバッテリの充電電流は、他のバッテリの充電電流と異なることを特徴とする、前記充電回路。
【請求項2】
前記第1充電モジュールが充電状態であり、前記第2充電モジュールと、対応するバッテリとの間が遮断状態である場合、前記充電回路は、同期充電モードに切り替え、前記充電回路が同期充電モードである場合、充電されるバッテリの充電電流は同じであることを特徴とする、
請求項1に記載の充電回路。
【請求項3】
前記充電回路は、
前記第2充電モジュールおよび前記第1充電モジュールの両方に接続される第2スイッチ回路をさらに含み、
前記充電回路が非同期充電モードである場合、前記第2スイッチ回路は、各バッテリの電流変化に従って、前記各バッテリの充電電流の大きさを調整するように構成されることを特徴とする、
請求項1に記載の充電回路。
【請求項4】
前記複数のバッテリは、直列接続された第1バッテリパックおよび第2バッテリパックを含み、各バッテリパックは、少なくとも1つのバッテリを含み、
前記第2スイッチ回路は、
第1導通状態および第2導通状態を含む第1スイッチと、
一端は前記第1バッテリパックの負極に接続され、他端は接地される第5スイッチと、
一端は前記第2バッテリパックの正極に接続され、他端は前記第5スイッチを介して接地される第2スイッチと、
一端は前記第2バッテリパックの負極に接続され、他端は前記第1バッテリパックの正極に接続される第3スイッチと、
一端は前記第2バッテリパックの負極に接続され、他端は接地される第4スイッチとを含み、
前記第1スイッチが第1導通状態に切り替える場合、前記第2スイッチおよび前記第4スイッチは、導通状態に切り替え、前記第3スイッチおよび前記第5スイッチは、遮断状態に切り替え、
前記第1スイッチが第2導通状態に切り替える場合、前記第2スイッチおよび前記第4スイッチは、遮断状態に切り替え、前記第3スイッチおよび前記第5スイッチは、導通状態に切り替えることを特徴とする、
請求項3に記載の充電回路。
【請求項5】
前記第2バッテリパックの充電電流が徐々に減少し、前記第1バッテリパックの充電電流が徐々に増加する場合、前記第1スイッチは、前記第1導通状態から第2導通状態に切り替えることを特徴とする、
請求項4に記載の充電回路。
【請求項6】
前記第1充電モジュールは、前記第2充電モジュールと電気的に接続され、前記第1充電モジュールおよび前記第2充電モジュールの一方は、主充電モジュールであり、他方は、補助充電モジュールであり、
前記第2バッテリパックが充電完了した場合、前記主充電モジュールは、充電停止命令を生成するように構成され、前記第1充電モジュールは、前記充電停止命令に従って出力電流をゼロに調整し、前記第2充電モジュールは、第1バッテリパックを充電することを特徴とする、
請求項5に記載の充電回路。
【請求項7】
前記第1バッテリパックおよび前記第2バッテリパックの電圧がプリセットされた閾値より低く、且つ前記第1スイッチが前記第1導通状態である場合、前記第1充電モジュールの出力電流はゼロであり、前記第2充電モジュールは、前記第2バッテリパックを予備充電することを特徴とする、
請求項4に記載の充電回路。
【請求項8】
前記第1充電モジュールは、前記第2充電モジュールと電気的に接続され、前記第1充電モジュールおよび前記第2充電モジュールの一方は、主充電モジュールであり、他方は、補助充電モジュールであり、
前記第2バッテリパックの充電電流が最大に達する場合、前記主充電モジュールは充電命令を生成し、前記充電命令は、前記第1充電モジュールが前記第1バッテリパックを予備充電するように指示するために使用されることを特徴とする、
請求項7に記載の充電回路。
【請求項9】
前記第1スイッチ回路は、単極単投スイッチまたは単極多投スイッチを含むことを特徴とする、
請求項1に記載の充電回路。
【請求項10】
前記第1充電モジュール及び前記第2充電モジュールのうちのいずれか
の充電モジュールは、少なくとも1つのバッテリが1回の充電周期を完了する期間に従って、前記少なくとも1つのバッテリの劣化状態を決定することを特徴とする、
請求項1に記載の充電回路。
【請求項11】
前記第1充電モジュールおよび前記第2充電モジュールの入力電圧は同じであり、前記第1充電モジュールおよび前記第2充電モジュールの出力電圧の比率は、前記第1充電モジュールに直列接続されたバッテリの数と前記第2充電モジュールに直列接続されたバッテリの数の比率に等しいことを特徴とする、
請求項1に記載の充電回路。
【請求項12】
電子機器であって、
請求項1ないし11のいずれか一項に記載の充電回路を含むことを特徴とする、前記電子機器。
【請求項13】
充電方法であって、
充電回路に適用され、前記充電回路は、直列接続された複数のバッテリを含み、
前記充電方法は、
非同期充電命令を取得することと、
前記非同期充電命令に従って、少なくとも1つのバッテリと他のバッテリが非同期充電を実行するように制御して、前記少なくとも1つのバッテリと前記他のバッテリが同時に最大充電電力段階にないようにすることとを含み、
前記少なくとも1つのバッテリと他のバッテリが非同期充電されるように制御することは、
前記少なくとも1つのバッテリを予備充電することと、
前記少なくとも1つのバッテリが定電流充電段階であるかどうかを判断することと、
前記少なくとも1つのバッテリが定電流充電段階である場合、プリセットされた非同期充電戦略に従って、他のバッテリが予備充電されるように制御することと、
前記少なくとも1つのバッテリが定電圧充電段階であるかどうかを判断することと、
前記少なくとも1つのバッテリが定電圧充電段階である場合、前記プリセットされた非同期充電戦略に従って、他のバッテリが定電流充電段階に入るように制御することとを含むことを特徴とする、前記充電方法。
【請求項14】
前記充電方法は、
充電命令を受信することであって、前記充電命令は、前記非同期充電命令および同期充電命令を含むことと、
前記充電命令のタイプを判断することであって、前記充電命令が非同期充電命令である場合、少なくとも1つのバッテリと他のバッテリが非同期充電されるように制御し、前記充電命令が同期充電命令である場合、前記複数のバッテリが同期充電されるように制御することとをさらに含むことを特徴とする、
請求項13に記載の充電方法。
【請求項15】
充電装置であって、
充電回路に適用され、前記充電回路は、直列接続された複数のバッテリを含み、
前記充電装置は、
非同期充電命令を取得するように構成される取得モジュールと、
前記非同期充電命令に従って、少なくとも1つのバッテリと他のバッテリが非同期充電されるように制御して、前記少なくとも1つのバッテリと前記他のバッテリが同時に最大充電電力段階にないように構成される制御モジュールとを含み、
前記制御モジュールは、
前記少なくとも1つのバッテリを予備充電するように構成される予備充電ユニットと、
前記少なくとも1つのバッテリが定電流充電段階にあるかどうかを判断するように構成される第1判断ユニットと、
前記少なくとも1つのバッテリが定電流充電段階にある場合、プリセットされた非同期充電戦略に従って、他のバッテリが予備充電されるように制御するように構成される第1制御ユニットと、
前記少なくとも1つのバッテリが定電圧充電段階にあるかどうかを判断するように構成される第2判断ユニットと、
前記少なくとも1つのバッテリが定電圧充電段階にある場合、前記プリセットされた非同期充電戦略に従って、他のバッテリが定電流充電段階に入るように制御するように構成される第2制御ユニットとを含むことを特徴とする、前記充電装置。
【請求項16】
前記充電装置は、
充電命令を受信するように構成される受信モジュールであって、前記充電命令は、前記非同期充電命令および同期充電命令を含む受信モジュールと、
前記充電命令のタイプを判断するように構成される判断モジュールであって、前記充電命令が非同期充電命令である場合、少なくとも1つのバッテリと他のバッテリが非同期充電されるように制御し、前記充電命令が同期充電命令である場合、前記複数のバッテリが同期充電されるように制御する判断モジュールとをさらに含むことを特徴とする、
請求項15に記載の充電装置。
【請求項17】
コンピュータ命令が記憶され
たコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記
コンピュータ命令がプロセッサによって実行されるとき、請求項13ないし14のいずれか一項に記載の方
法を実現する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項18】
電子機器であって、
プロセッサと、
プロセッサ実行可能命令
が記憶
されたメモリとを含み、
前記プロセッサ実行可能命令が前記プロセッサ
によって実行されるとき、
前記電子機器に請求項13ないし14のいずれか一項に記載の方
法を実現
させる、前記電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年12月13日に中国特許局に提出された、出願番号がCN2019112804938である中国特許出願に基づいて提出されるものであり、当該中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全ての内容が参照によって本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、端末技術分野に関し、特に、充電回路、電子機器、充電方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、スマート端末の高機能化に伴い、消費電力も増加している。したがって、スマート端末の消費電力を満たし、スマート端末のバッテリー寿命を長くするために、一部のスマート端末では、バッテリ容量を増加するために、複数のバッテリを構成し始めている。ただし、バッテリの数の増加に伴い、バッテリの充電方法および充電効率に新たな課題をもたらした。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、関連技術の欠点を解決するための充電回路、電子機器、充電方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例の第1態様によれば、充電回路を提供し、前記充電回路は、
インターフェースモジュールと、
直列接続される複数のバッテリと、
前記インターフェースモジュールに接続され、且つ前記複数のバッテリに直列接続される第1充電モジュールと、
前記インターフェースモジュールに接続され、少なくとも1つのバッテリに直列接続される第2充電モジュールと、
前記第2充電モジュールと接続され、前記第2充電モジュールと、第2充電モジュールに直列接続されたバッテリとの間の導通状態を切り替えるために使用される第1スイッチ回路とを含み、
ここで、前記第1充電モジュールが充電状態であり、前記第2充電モジュールと、対応するバッテリとの間が導通状態である場合、前記充電回路は、非同期充電モードに切り替え、前記充電回路が非同期充電モードである場合、少なくとも1つのバッテリの充電電流は、他のバッテリの充電電流と異なる。
【0006】
代替的に、前記第1充電モジュールが充電状態であり、前記第2充電モジュールと、対応するバッテリとの間が遮断状態である場合、前記充電回路は、同期充電モードに切り替え、前記充電回路が同期充電モードである場合、充電されるバッテリの充電電流は同じである。
【0007】
代替的に、前記充電回路は、
前記第2充電モジュールおよび前記第1充電モジュールの両方に接続される第2スイッチ回路をさらに含み、
前記充電回路が非同期充電モードである場合、前記第2スイッチ回路は、各バッテリの電流変化に従って、各前記バッテリの充電電流の大きさを調整するように構成される。
【0008】
代替的に、前記複数のバッテリは、直列接続された第1バッテリパックおよび第2バッテリパックを含み、各バッテリパックは、少なくとも1つのバッテリを含み、
前記第2スイッチ回路は、
第1導通状態および第2導通状態を含む第1スイッチと、
一端は前記第1バッテリパックの負極に接続され、他端は接地される第5スイッチと、
一端は前記第2バッテリパックの正極に接続され、他端は前記第5スイッチを介して接地される第2スイッチと、
一端は前記第2バッテリパックの負極に接続され、他端は前記第1バッテリパックの正極に接続される第3スイッチと、
一端は前記第2バッテリパックの負極に接続され、他端は接地される第4スイッチとを含み、
ここで、前記第1スイッチが第1導通状態に切り替える場合、前記第2スイッチおよび前記第4スイッチは、導通状態に切り替え、前記第3スイッチおよび前記第5スイッチは、遮断状態に切り替え、
前記第1スイッチが第2導通状態に切り替える場合、前記第2スイッチおよび前記第4スイッチは、遮断状態に切り替え、前記第3スイッチおよび前記第5スイッチは、導通状態に切り替える。
【0009】
代替的に、前記第2バッテリパックの充電電流が徐々に減少し、前記第1バッテリパックの充電電流が徐々に増加する場合、前記第1スイッチは、前記第1導通状態から前記第2導通状態に切り替える。
【0010】
代替的に、前記第1充電モジュールは、前記第2充電モジュールと電気的に接続され、前記第1充電モジュールおよび前記第2充電モジュールの一方は、主充電モジュールであり、他方は、補助充電モジュールであり、
前記第2バッテリパックが充電完了した場合、前記主充電モジュールは、充電停止命令を生成するように構成され、前記第1充電モジュールは、前記充電停止命令に従って出力電流をゼロに調整し、前記第2充電モジュールは、第1バッテリパックを充電する。
【0011】
代替的に、前記第1バッテリパックおよび前記第2バッテリパックの電圧がプリセットされた閾値より低く、且つ前記第1スイッチが前記第1導通状態である場合、前記第1充電モジュールの出力電流はゼロであり、前記第2充電モジュールは、前記第2バッテリパックを予備充電する。
【0012】
代替的に、前記第1充電モジュールは、前記第2充電モジュールと電気的に接続され、前記第1充電モジュールおよび前記第2充電モジュールの一方は、主充電モジュールであり、他方は、補助充電モジュールであり、
ここで、前記第2バッテリパックの充電電流が最大に達する場合、前記主充電モジュールは充電命令を生成し、前記充電命令は、前記第1充電モジュールが前記第1バッテリを予備充電するように指示するために使用される。
【0013】
代替的に、前記第1スイッチ回路は、単極単投スイッチまたは単極多投スイッチを含む。
【0014】
代替的に、いずれかの前記充電モジュールは、少なくとも1つのバッテリが1回の充電周期を完了する期間に従って、前記少なくとも1つのバッテリの劣化状態を決定する。
【0015】
代替的に、前記第1充電モジュールおよび前記第2充電モジュールの入力電圧は同じであり、前記第1充電モジュールおよび前記第2充電モジュールの出力電圧の比率は、前記第1充電モジュールに直列接続されたバッテリの数と前記第2充電モジュールに直列接続されたバッテリの数の比率に等しい。
【0016】
本開示の実施例の第2態様によれば、電子機器を提供し、前記電子機器は、上記のいずれかの実施例に記載の充電回路を含む。
【0017】
本開示の実施例の第3態様によれば、充電回路に適用される充電方法を提供し、前記充電回路は、直列接続された複数のバッテリを含み、
前記充電方法は、
非同期充電命令を取得することと、
前記非同期充電命令に従って、少なくとも1つのバッテリと他のバッテリが非同期充電を実行するように制御して、前記少なくとも1つのバッテリと前記他のバッテリが同時に最大充電電力段階にないようにすることとを含む。
【0018】
代替的に、前記充電方法は、
充電命令を受信することであって、前記充電命令は、前記非同期充電命令および同期充電命令を含むことと、
前記充電命令のタイプを判断することであって、前記充電命令が非同期充電命令である場合、少なくとも1つのバッテリと他のバッテリが非同期充電されるように制御し、前記充電命令が同期充電命令である場合、前記複数のバッテリが同期充電されるように制御することとをさらに含む。
【0019】
代替的に、前記少なくとも1つのバッテリと他のバッテリが非同期充電されるように制御することは、
前記少なくとも1つのバッテリを予備充電することと、
前記少なくとも1つのバッテリが定電流充電段階であるかどうかを判断することと、
前記少なくとも1つのバッテリが定電流充電段階である場合、プリセットされた非同期充電戦略に従って他のバッテリが予備充電されるように制御することと、
前記少なくとも1つのバッテリが定電圧充電段階であるかどうかを判断することと、
前記少なくとも1つのバッテリが定電圧充電段階である場合、前記プリセットされた非同期充電戦略に従って他のバッテリが定電流充電段階に入るように制御することと含む。
【0020】
本開示の実施例の第4態様によれば、充電回路に適用される充電装置を提供し、前記充電回路は、直列接続された複数のバッテリを含み、
前記充電装置は、
非同期充電命令を取得するように構成される取得モジュールと、
前記非同期充電命令に従って、少なくとも1つのバッテリと他のバッテリが非同期充電されるように制御して、前記少なくとも1つのバッテリと前記他のバッテリが同時に最大充電電力段階にないように構成される制御モジュールとを含む。
【0021】
代替的に、前記充電装置は、
充電命令を受信するように構成される受信モジュールであって、前記充電命令は、前記非同期充電命令および同期充電命令を含む受信モジュールと、
前記充電命令のタイプを判断するように構成される判断モジュールであって、前記充電命令が非同期充電命令である場合、少なくとも1つのバッテリと他のバッテリが非同期充電されるように制御し、前記充電命令が同期充電命令である場合、前記複数のバッテリが同期充電されるように制御する判断モジュールとをさらに含む。
【0022】
代替的に、前記制御モジュールは、
前記少なくとも1つのバッテリを予備充電するように構成される予備充電ユニットと、
前記少なくとも1つのバッテリが定電流充電段階にあるかどうかを判断するように構成される第1判断ユニットと、
前記少なくとも1つのバッテリが定電流充電段階にある場合、プリセットされた非同期充電戦略に従って、他のバッテリが予備充電されるように制御するように構成される第1制御ユニットと、
前記少なくとも1つのバッテリが定電圧充電段階にあるかどうかを判断するように構成される第2判断ユニットと、
前記少なくとも1つのバッテリが定電圧充電段階にある場合、前記プリセットされた非同期充電戦略に従って、他のバッテリが定電流充電段階に入るように制御するように構成される第2制御ユニットとを含む。
【0023】
本開示の実施例の第5態様によれば、コンピュータ命令が記憶されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記命令がプロセッサによって実行されるとき、上記のいずれかの実施例に記載の方法のステップを実現する。
【0024】
本開示の実施例の第6態様によれば、電子機器を提供し、前記電子機器は、
プロセッサと、
プロセッサ実行可能命令を記憶するように構成されるメモリとを含み、
ここで、前記プロセッサは、実行されるとき、上記のいずれかの実施例に記載の方法のステップを実現するように構成される。
【発明の効果】
【0025】
本開示の実施例によって提供される技術的解決策は、以下の有益な効果を含み得る。
【0026】
上記した実施例からわかるように、本開示の充電回路は、直列接続された複数のバッテリを非同期充電することができるため、ユーザは、必要に応じて、関連技術における同期充電モードまたは本開示で提供される非同期充電モードを選択することにより、充電時間と充電発熱量のバランスを取り、異なる状況でのユーザの異なるニーズを満たすことができる。
【0027】
上記の一般的な説明および後述する詳細な説明は、単なる例示および説明に過ぎず、本開示を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
ここでの図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、本開示と一致する実施例を示し、明細書とともに本開示の原理を説明するために使用される。
【
図1】一例示的な実施例によって示された充電回路の例示的な状態図である。
【
図2】一例示的な実施例によって示された充電回路の別の例示的な状態図である。
【
図3】一例示的な実施例によって示された別の充電回路の概略構造図である。
【
図4】一例示的な実施例によって示された別の充電回路の例示的な状態図である。
【
図5】一例示的な実施例によって示された別の充電回路の別の例示的な状態図である。
【
図6】関連技術におけるリチウムバッテリを充電する際の時間-電流曲線図である。
【
図7】一例示的な実施例によって示された電子機器の概略構造図である。
【
図8】一例示的な実施例によって示された充電方法のフローチャートである。
【
図9】一例示的な実施例によって示された充電装置のブロック図である。
【
図10】一例示的な実施例によって示された別の充電装置のブロック図である。
【
図11】一例示的な実施例によって示されたさらに別の充電装置のブロック図である。
【
図12】一例示的な実施例によって示された充電装置に使用される概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここで、例示的な実施例について詳細に説明し、その例は図面に示される。特に明記しない限り、以下の説明が添付の図面に関する場合、異なる図面の同じ数字は同じまたは類似な要素を表す。以下の例示的な実施例で説明される実施形態は、本開示と一致するすべての実施形態を表すものではない。むしろ、それらは、添付された特許請求の範囲に詳述されたように、本開示の特定の態様と一致する装置および方法の例である。
【0030】
本開示で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本開示を限定することを意図するものではない。本開示および添付の特許請求の範囲で使用された単数形の「1つ」、「前記」、「上記」および「当該」は、文脈が他の意味を明確に示さない限り、複数形も含むことを意図する。また、本明細書で使用される「および/または」という用語は、1つまたは複数の関連する列挙された項目の任意またはすべての可能な組み合わせを指し、含むことも理解されたい。
【0031】
本開示では、「第1」、「第2」、「第3」などの用語を使用して様々な情報を説明することができるが、これらの情報はこれらの用語に限定されないことを理解されたい。これらの用語は、同じタイプの情報をお互いに区別するためにのみ使用される。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1情報は第2情報とも称し得、同様に、第2情報は第1情報とも称し得る。文脈に応じて、本明細書で使用される「…ば」という語は,「…場合」または「…時」または「…決定に応答して」と解釈することができる。
【0032】
図1は、一例示的な実施例によって示された充電回路100の例示的な状態図であり、
図2は、一例示的な実施例によって示された充電回路100の別の例示的な状態図である。
図1および
図2に示されるように、当該充電回路100は、インターフェースモジュール1、複数のバッテリ2、第1充電モジュール3および第2充電モジュール4を含み得る。ここで、当該複数のバッテリ2は、互いに直列接続され、当該第1充電モジュール3は、当該複数のバッテリ2と直列接続され、第2充電モジュール4および第1充電モジュール3は、インターフェースモジュール1に並列接続され、当該インターフェースモジュール1は、外部充電端子に接続され、当該充電回路100と組み合わせて、複数のバッテリ2の充電を実現することができる。
図1および
図2に示される実施例を例にとると、当該複数のバッテリ2は、第1バッテリ21および第2バッテリ22を含み得、当該第1バッテリ21、第2バッテリ22および第1充電モジュール3の間は、互いに直列接続される。他の実施例では、複数のバッテリ2は、3つまたは3つ以上のバッテリを含むこともでき、本開示はこれに対して限定しないことが理解できる。
【0033】
さらに、当該充電回路100は、第1スイッチ回路5を含むこともでき、当該第1スイッチ回路5は、第2充電モジュール4に接続され、第2充電モジュール4と、第2充電モジュール4と直列接続されたバッテリとの間の導通状態を切り替えるように構成される。例えば、
図1および
図2に示されるように、第2充電モジュール4は、第1スイッチ回路5と直列接続され、当該第2充電モジュール4は、第2バッテリ22とも直列接続される。
図1に示されるように、第1スイッチ回路5が開いた状態である場合、第2充電モジュール4と第2バッテリ22との間は遮断状態であり、
図2に示されるように、第1スイッチ回路5が閉じた状態である場合,第2充電モジュール4と第2バッテリ22との間は導通状態である。
【0034】
図1に示されるように、第1充電モジュール3が充電状態であり、且つ第2充電モジュール4と第2バッテリ22との間は遮断状態である場合、第1バッテリ21および第2バッテリ22の充電電流は等しく、両方とも第1充電モジュール3の出力電流I
3に等しく、このとき、充電回路100は同期充電モードである。
図2に示されるように、第1充電モジュール3が充電状態であり、且つ第2充電モジュール4と第2バッテリ22との間は導通状態である場合、第1バッテリ21の充電電流は、第1充電モジュール3の出力電流I
3に等しく、第2バッテリ22の充電電流は、第1充電モジュール3の出力電流I
3と第2充電モジュール4の出力電流I
4の和に等しい。もちろん、
図2では、バッテリが2つしかないため、2つのバッテリの充電電流は等しくないが、実際には、他の実施例では、第2充電モジュール4は、複数のバッテリと直列接続されてもよく、このとき、第1充電モジュール3と直列接続されたバッテリの充電電流は、第2充電モジュール4と直列接続されたバッテリの充電電流とは異なり、即ち、充電回路100が非同期充電モードである場合、少なくとも1つのバッテリの充電電流は、他のバッテリの充電電流とは異なる。
【0035】
上記した技術的解決策からわかるように、本開示の充電回路は、直列接続された複数のバッテリを非同期充電することができるため、ユーザは、必要に応じて、関連技術における同期充電モードまたは本開示で提供される非同期充電モードを選択することにより、充電時間と充電発熱量のバランスを取り、異なる状況でのユーザの異なるニーズを満たすことができる。例えば、ユーザが短時間で充電したい場合は、同期充電方式を採用することができるが、このときは充電発熱量が大きく、充電時間に制限がない場合または電子機器を急に使用する必要がない場合は、非同期充電方式を採用することができるため、複数のバッテリが同時に最大充電電力で充電されることを回避し、充電熱を低減し、サーマルスタックの設計の難しさを軽減することができる。
【0036】
ここで、
図1および
図2に示されるように、当該第1スイッチ回路5は、単極単投スイッチを含み得、当該単極単投スイッチによって、第2充電モジュール4と、当該第2充電モジュール4と直列接続されたバッテリとの間のオン/オフ状態を実現する。または、
図3ないし5に示されるように、当該第1スイッチ回路5は、単極多投スイッチを含み得、単極多投スイッチと第2充電モジュール4が導通した場合、第2充電モジュール4と、第2充電モジュール4と直列接続されたバッテリとの間は導通状態であり、単極多投スイッチが第2充電モジュール4と遮断されて第1充電モジュール3に接続した場合、第2充電モジュール4と、第2充電モジュール4と直列接続されたバッテリとの間は遮断状態であり、さらに、
図4および
図5に示される第2回路スイッチ6を介して、第1充電モジュール3から出力された電流は、
図3の矢印が示す方向に沿って流れることができる。以下、この状況について詳しく説明する。
【0037】
図4および
図5に示されるように、当該充電回路は、第2スイッチ回路6を含むこともでき、当該第2スイッチ回路6は、第1充電モジュール3および第2充電モジュール4の両方に接続され、充電回路100が非同期充電モードである場合、当該第2スイッチ回路6は、各バッテリの電流変化に従って、各バッテリの充電電流を調整するように構成され、順次にバッテリのうちの1つが大電流で定電圧段階まで充電される場合、小電流に調整して当該完全充電に近いバッテリを充電し、大電流で完全に充電されていないバッテリを充電することができることにより、当該複数のバッテリの最大充電電力が存在する期間を回避し、放熱を低減することができる。
【0038】
図4および
図5に示される実施例を詳細に説明する前に、
図6に示されるように、関連技術におけるリチウムバッテリを充電する際の時間-電流曲線図であり、横軸は時間、縦軸は電流である。t
1段階では、リチウムバッテリをトリクル充電することができ、トリクル充電段階では電流が小さく、リチウムバッテリの電圧が閾値に達する場合、充電電流を増加し、t
2期間内でリチウムバッテリを定電流充電することができ、当該段階は、充電効率が最も高い段階であり、リチウムバッテリの電圧が別の閾値に達する場合、充電電流を減少し、t
3期間内でリチウムバッテリを定電圧充電することができ、最終的に、t
4期間内で充電終了段階に入る。
【0039】
図4および
図5に示される実施例を再び参照すると、当該複数のバッテリ2は、第1バッテリパックおよび第2バッテリパックを形成することができ、各バッテリパックは、少なくとも1つのバッテリを含み得る。
図4および
図5に示されるように、第1バッテリ21は第1バッテリパックを形成し、第2バッテリ22は第2バッテリパックを形成することができる。他の実施例において、第1バッテリパックは、複数のバッテリを含むこともでき、当該第1バッテリパックは、第1充電モジュール3と直列接続され、第2充電モジュール4と並列接続される。
【0040】
さらに、当該第2スイッチ回路6は、第1スイッチ61、第2スイッチ62、第3スイッチ63、第4スイッチ64、および第5スイッチ65を含み得る。ここで、当該第1スイッチ61は、第1導通状態および第2導通状態を含み、第2スイッチ62の一端は第2バッテリ22の正極に接続され、他端は第5スイッチ65を介して接地され、第3スイッチ63の一端は第2バッテリ22の負極に接続され、他端は第1バッテリ21の正極に接続され、第4スイッチ64の一端は第2バッテリ22の負極に接続され、他端は接地され、第5スイッチ65の一端は第1バッテリ21の負極に接続され、他端は接地される。
【0041】
前記第1スイッチ61が
図4に示されるような第1導通状態に切り替える場合、第2スイッチ62および第4スイッチ64は、導通状態に切り替え、第3スイッチ63および第5スイッチ65は、遮断状態に切り替える。このとき、第1充電モジュール3、第1バッテリ21、第2スイッチ62、第2バッテリ22および第4スイッチ63は第1充電回路を構成し、当該第1充電回路の充電電流は、第1充電モジュール3の出力電流I
3に等しく、第2充電モジュール4、第2バッテリ22および第4スイッチ64は第2充電回路を構成し、当該第2充電回路の充電電流は、第2充電モジュール4の出力電流I
4に等しい。第1バッテリ21に入力される充電電流はI
3に等しく、第2バッテリ22に入力される充電電流はI
3+I
4に等しいことが分かり、このとき、第2バッテリ22の充電電力は第1バッテリ21の充電電力より大きい。
【0042】
第2バッテリ22が定電流充電段階である場合、I3+I4の大電流で充電することができ、充電プロセスの進行に伴い、第2バッテリ22は徐々に完全充電になり、第2バッテリ22の充電電流は徐々に減少し、第1バッテリ21が定電流充電段階に入り始めるため、当該第1バッテリ21の充電電流は徐々に増加し、このとき、第1スイッチ61を第1導通状態から第2導通状態に切り替えて、第2バッテリ22に入力される充電電流を減少させることができ、第2バッテリ22が定電圧充電段階に切り替え、第1バッテリ21に入力される充電電流を増加させ、第1バッテリ21が定電流充電段階に切り替える。充電プロセスの安全性を向上させるために、第2バッテリ22が定電流充電段階である場合、I3+I4の充電電流は、第2バッテリ22が耐える最大充電電流より小さいか等しいことが理解できる。
【0043】
前記第1スイッチ62が
図5に示されるような第2導通状態に切り替える場合、前記第2スイッチ62および前記第4スイッチ64は、遮断状態に切り替え、前記第3スイッチ63および前記第5スイッチ65は、導通状態に切り替える。このとき、第1充電モジュール3、第2バッテリ22、第3スイッチ63、第1バッテリ21、および第5スイッチ65は、第3充電回路を構成し、当該第3充電回路の充電電流は、第1充電モジュール3の出力電流I
3に等しく、第2充電モジュール4、第1バッテリ21および第5スイッチ65は第4充電回路を構成し、当該第4充電回路の充電電流は、第2充電モジュール4の出力電流I
4に等しい。第1バッテリ21に入力される充電電流はI
3+I
4に等しく、第2バッテリ22に入力される充電電流はI
3に等しいことが分かり、このとき、第2バッテリ22の充電電力は第1バッテリ21の充電電力より大きい。充電プロセスの安全性を向上させるために、第1バッテリ21か定電流充電段階である場合、I3+I4の充電電流は、第1バッテリ21が耐える最大充電電流より小さいか等しいことが理解できる。
【0044】
さらに、第2バッテリ22の充電段階は、第1バッテリ21の充電段階より先であるため、第2バッテリ22は、第1バッテリ21の前に充電を完了し、第2バッテリ22が完全充電に近づく場合、当該第2バッテリ22は、第3充電モジュール3によって個別に充電される。したがって、本開示における第1充電モジュール3および第2充電モジュール4は、I2Cバスを介して電気的に接続されることができる。当該第1充電モジュール3および第2充電モジュール4の一方は、主管理モジュールであり、他方は、補助管理モジュールであり、第2バッテリ22が充電を完了する場合、主管理モジュールによって充電停止命令を生成し、当該第1充電モジュール3は、当該充電停止命令に従って、出力電流をゼロに調整して第2バッテリ22の充電を停止することができ、このとき、第1バッテリ21は、第2充電モジュール4によって個別に充電されることができる。第2バッテリ22が完全充電に近づく場合、第1バッテリ21は、I3+I4の大電流で長時間充電されたため、第1バッテリ21は、定電圧充電段階に近いか、すでに定圧充電段階にあり、したかって、このとき、第1充電モジュール3は動作を停止し、充電時間を延長しない。
【0045】
例えば、本開示では、第1充電モジュール3を補助充電モジュールとして使用し、第2充電モジュール4を主充電モジュールとして使用することができる。したがって、第2充電モジュール4によって充電停止命令を生成し、さらにI2Cバスによって当該命令を第1充電モジュール3に送信することができるため、第1充電モジュール3の電流の出力を停止することができる。もちろん、他の実施例では、第1充電モジュール3が主充電モジュールであってもよく、第2充電モジュール4が補助充電モジュールであってもよく、本開示はこれに対して限定しない。
【0046】
本開示の技術的解決策に基づいて、ある場合には、ユーザは、第1バッテリ21および第2バッテリ22の電圧がプリセットされた閾値より低いときに、第1バッテリ21および第2バッテリ22を非同期充電することができ、このとき、第1スイッチ61は第1導通状態に切り替えて、第1充電モジュール3の出力電流をゼロに調整し、第2充電モジュール4によって第2バッテリ22を予備充電することができる。ここで、当該プリセットされた閾値は3Vであり得、第1バッテリ21および第2バッテリ22の電圧が3Vより低い場合、第1バッテリ21および第2バッテリ22のバッテリ残量が少ないため、第2バッテリ22を先に充電してから第1バッテリ21を充電することにより、第1バッテリ21と第2バッテリ22の最大充電電力の期間をずらすことができる。
【0047】
さらに、当該第1充電モジュール3と第2充電モジュール4は、I2Cバスを介して電気的に接続されることができる。当該第1充電モジュール3および第2充電モジュール4の一方は、主管理モジュールであり、他方は、補助管理モジュールである。第2バッテリ22の充電電流が最大に達する場合、当該第2バッテリ22が定電流充電段階に入り始めると見なすことができるため、主充電モジュールによって充電命令を生成することができ、当該充電命令は、第1充電モジュール3によって第1バッテリ21を予備充電するように指示するために使用されことができ、このとき、第1スイッチ61は、第1導通状態である。
【0048】
本開示の技術的解決策に基づいて、第1充電モジュール3は、複数のバッテリに直列接続されるため、第2充電モジュール4も複数のバッテリに直列接続されるが、第1充電モジュール3と直列接続されたバッテリの数は、第2充電モジュール4と直列接続されたバッテリの数と異なり、当該第1充電モジュール3および第2充電モジュール4は、同じインターフェースモジュール1に並列接続されるため、第1充電モジュール3と第2充電モジュール4の入力電圧は等しく、倍圧充電を実現するために、第1充電モジュール3と第2充電モジュール4の出力電圧の比率は、第1充電モジュール3と直列接続されたバッテリの数と、第2充電モジュール4と直列接続されたバッテリの数の比率に等しい。
【0049】
本開示の技術的解決策に基づいて、電子機器の耐用年数が増加するにつれて、各バッテリパックにおいて、バッテリの容量の低下や、バッテリの充放電効率の低下などのさまざまな損失が生じる可能性があることが予想され得る。したがって、バッテリパックの劣化状況を取得することは、電子機器がバッテリのセルフテストを実行して、適切な充電方式を設定することに役立つ。本開示の技術的解決策において、各バッテリパックと他のバッテリパックとの間の充電は、非同期充電であるため、いずれかの充電管理モジュールによって、各バッテリパックの完全充電の充電周期を取得することにより、各バッテリパックの劣化状態を決定し、充放電の安全性を向上させることができる。
【0050】
上記の各実施例に基づいて、本開示は、
図7に示されるような電子機器200をさらに提供し、当該電子機器200は、上記のいずれかの実施例に記載の充電回路100を含む。当該電子機器200は、携帯電話端末やタブレット端末などのスマート機器を含み得る。
【0051】
本開示の技術的解決策に基づいて、本開示は、充電回路に適用される充電方法をさらに提供し、前記充電回路は、直列接続された複数のバッテリを含み、
図8に示されたように、当該充電方法は、以下のステップを含み得る。
【0052】
ステップ801において、非同期充電命令を取得する。
【0053】
本実施例において、当該非同期充電命令は、ユーザ操作に基づいて生成され得るか、または当該非同期充電命令は、電子機器におけるデフォルトの充電命令であり得るか、あるいは、当該非同期充電命令は現在の応用シナリオに従って電子機器自体によって生成されてもよく、本開示はこれに対して限定しない。
【0054】
ステップ802において、前記非同期充電命令に従って、少なくとも1つのバッテリと他のバッテリが非同期充電されるように制御して、前記少なくとも1つのバッテリと前記他のバッテリが同時に最大充電電力段階でないようにする。
【0055】
本実施例において、少なくとも1つのバッテリの最大充電電力の期間を他のバッテリの最大充電電力の期間からずらすことにより、複数の直列接続されたバッテリが同時に最大充電電力段階に入ることを回避し、サーマルスタックを低減し、出力端に対する出力電力要求を低減することができる。
【0056】
さらに、充電命令を取得することもでき、当該充電命令は、非同期充電命令および同期充電命令を含み得、前記充電命令のタイプを判断し、充電命令が非同期充電命令である場合、少なくとも1つのバッテリと他のバッテリが非同期充電されるように制御し、充電命令が同期充電命令である場合、前記複数のバッテリが同期充電されるように制御する。
【0057】
非同期充電については、次の方法を参照することができる。充電の初期段階では、当該少なくとも1つのバッテリを予備充電し、他のバッテリは充電されないようにすることができ、その後、少なくとも1つのバッテリの充電プロセスの進行に伴い、当該少なくとも1つのバッテリ両端の電圧が徐々に増加するため、当該少なくとも1つのバッテリが定電流充電段階であるかどうかは、当該少なくとも1つのバッテリの電圧値によって判断することができ、当該少なくとも1つのバッテリが定電流充電段階である場合、プリセットされた非同期充電戦略に従って他のバッテリが予備充電されるように制御し、非同期充電プロセスの進むに伴い、当該少なくとも1つのバッテリの電圧が増加し続けるため、当該少なくとも1つのバッテリが定電圧充電段階であるかどうかは、当該少なくとも1つのバッテリ両端の電圧によって判断することができ、当該少なくとも1つのバッテリが定電圧充電段階である場合、プリセットされた非同期充電戦略に従って他のバッテリが定電流充電段階に入るように制御する。最後に、当該少なくとも1つのバッテリが完全に充電された後、他のバッテリは、完全に充電されるまで小電流で充電されることができる。
【0058】
ここで、定電流充電段階での充電電力は一般に比較的大きいため、当該実施例では、少なくとも1つのバッテリの定電流充電段階と他のバッテリの定電流充電段階をずらして、最大充電電力の期間が互いに一致しないという目的を達成することができる。
【0059】
上記の充電方法の実施例に対応して、本開示は、充電装置の実施例をさらに提供する。
【0060】
図9は、一例示的な実施例によって示された充電装置900のブロック図である。当該装置900は、充電回路に適用され、前記充電回路は、直列接続された複数のバッテリを含む。
図9を参照すると、当該装置900は、取得モジュール901と、制御モジュール902とを含み、
前記取得モジュール901は、非同期充電命令を取得するように構成され、
前記制御モジュール902は、前記非同期充電命令に従って、少なくとも1つのバッテリと他のバッテリが非同期充電されるように制御して、前記少なくとも1つのバッテリと前記他のバッテリが同時に最大充電電力段階にないように構成される。
【0061】
図10に示されるように、
図10は、一例示的な実施例によって示された別の充電装置900のブロック図であり、当該実施例は、上記の
図9に示される実施例に基づいており、装置900は、受信モジュール903と、判断モジュール904とをさらに含み、ここで、
前記受信モジュール903は、充電命令を受信するように構成され、前記充電命令は、前記非同期充電命令および同期充電命令を含み、
前記判断モジュール904は、前記充電命令のタイプを判断するように構成され、前記充電命令が非同期充電命令である場合、少なくとも1つのバッテリおよび他のバッテリが非同期充電されるように制御し、前記充電命令が同期充電命令である場合、前記複数のバッテリが同期充電されるように制御する。
【0062】
図11に示されるように、
図11は、一例示的な実施例によって示されたさらに別の充電装置900のブロック図であり、当該実施例は、上記の
図9に示される実施例に基づいており、前記制御モジュール902は、
前記少なくとも1つのバッテリを予備充電するように構成される予備充電ユニット9021と、
前記少なくとも1つのバッテリが定電流充電段階であるかどうかを判断するように構成される第1判断ユニット9022と、
前記少なくとも1つのバッテリが定電流充電段階にある場合、他のバッテリがプリセットされた非同期充電戦略に従って予備充電されるように制御するように構成される第1制御ユニット9023と、
前記少なくとも1つのバッテリが定電圧充電段階であるかどうかを判断するように構成される第2判断ユニット9024と、
前記少なくとも1つのバッテリが定電圧充電段階にある場合、他のバッテリが前記プリセットされた非同期充電戦略に従って定電流充電段階に入るように制御するように構成される第2制御ユニット9025とをさらに含む。
【0063】
上記の実施例の装置に関して、各モジュールが操作を実行する具体的な方法は、前記方法の実施例で詳細に説明され、ここでは詳細に説明しない。
【0064】
装置の実施例に関しては、それらは基本的に方法の実施例に対応するため、関連する部分は方法の実施例の説明を参照することができる。上記で説明された装置の実施例は例示的なものに過ぎず、前記分離部材として説明されたユニットは、物理的に分離されている場合とされていない場合があり、ユニットとして表示された部材は、物理ユニットである場合もそうでない場合もあり、1箇所に配置される場合もあれば、複数のネットワークユニットに分散される場合もある。実際の必要に応じて、その中の一部または全部のモジュールを選択して本開示の技術案の目的を実現することができる。当業者は、創造的な努力なしに理解し、実施することができる。
【0065】
対応的に、本開示は、充電回路に適用される充電装置をさらに提供し、前記充電回路は、直列接続された複数のバッテリを含む。前記充電装置は、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を記憶するように構成されるメモリとを含み、ここで、前記プロセッサは、非同期充電命令を取得し、前記非同期充電命令に従って、少なくとも1つのバッテリと他のバッテリが非同期充電されるように制御して、前記少なくとも1つのバッテリと前記他のバッテリが同時に最大充電電力段階でないように構成される。
【0066】
対応的に、本開示は、充電回路を含む端末をさらに提供し、前記充電回路は、直列接続された複数のバッテリを含む。前記端末は、メモリ、および1つまたは複数のプログラムをさらに含み、ここで、1つまたは複数のプログラムは、メモリに記憶され、且つ1つまたは複数のプロセッサによって実行される前記1つまたは複数のプログラムに次の動作を実行するための命令が含まれるように構成されることにより、非同期充電命令を取得することと、前記非同期充電命令に従って、少なくとも1つのバッテリと他のバッテリが非同期充電されるように制御して、前記少なくとも1つのバッテリと前記他のバッテリが同時に最大充電電力段階にないようにすることとを含む。
【0067】
図12は、一例示的な実施例によって示された充電装置1200に使用される概略構造図である。例えば、装置1200は携帯電話、コンピュータ、デジタル放送端末、メッセージングデバイス、ゲームコンソール、タブレットデバイス、医療機器、フィットネス機器、携帯情報端末等であってもよい。
【0068】
図12を参照すれば、装置1200は、処理コンポーネント1202、メモリ1204、電力コンポーネント1206、マルチメディアコンポーネント1208、オーディオコンポーネント1210、入力/出力(I/O)インターフェース1212、センサコンポーネント1214、及び通信コンポーネント1216のうちの1つまたは複数のコンポーネットを含むことができる。
【0069】
処理コンポーネント1202は、一般的に、ディスプレイ、電話、データ通信、カメラ操作及び記録操作に関する操作のような装置1200の全般的な操作を制御する。処理コンポーネント1202は、前記の方法のステップのすべてまたは一部を完了するために、1つまたは複数のプロセッサ1220によって命令を実行する。加えて、処理コンポーネント1202は、処理コンポーネント1202および他のコンポーネントの間の相互作用を容易にするために、1つまたは複数のモジュールを含むことができる。例えば、処理コンポーネント1202は、マルチメディアコンポーネント1208と処理コンポーネント1202との間の相互作用を容易にするために、マルチメディアモジュールを含むことができる。
【0070】
メモリ1204は、装置1200での操作をサポートするために、様々なタイプのデータを格納するように構成される。これらのデータの例には、装置1200で動作する任意のアプリケーションまたは方法の指示、連絡先データ、電話帳データ、メッセージ、写真、ビデオ等が含まれる。メモリ1204は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、プログラム可能な読み取り専用メモリ(PROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスクまたは光ディスクなど、あらゆるタイプの揮発性または不揮発性ストレージデバイスまたはそれらの組み合わせによって具現されることができる。
【0071】
電力コンポーネント1206は、装置1200の様々なコンポーネントに電力を提供する。電力コンポーネント1206は、電力管理システム、1つまたは複数の電源、及び装置1200の電力の生成、管理および分配に関する他のコンポーネントを含むことができる。
【0072】
マルチメディアコンポーネント1208は、前記装置1200とユーザとの間の、出力インターフェースを提供するスクリーンを含む。いくつかの実施例において、スクリーンは、液晶ディスプレイ(LCD)およびタッチパネル(TP)を含み得る。スクリーンがタッチパネルを含む場合、スクリーンは、ユーザからの入力信号を受信するためのタッチスクリーンとして実装されることができる。タッチパネルは、タッチ、スワイプ及びタッチパネルでのジェスチャーを感知するための1つまたは複数のタッチセンサを含む。前記タッチセンサは、タッチまたはスワイプ操作の境界を感知するだけでなく、前記タッチまたはスワイプ操作に関連する持続時間及び圧力も検出することができる。いくつかの実施例において、マルチメディアコンポーネント1208は、1つのフロントカメラおよび/リアカメラを含む。装置1200が、撮影モードまたはビデオモードなどの動作モードにあるとき、フロントカメラ及び/またはリアカメラは、外部のマルチメディアデータを受信することができる。各フロントカメラおよびリアカメラは、固定光学レンズシステムであり、または焦点距離と光学ズーム機能を持つことができる。
【0073】
オーディオコンポーネント1210は、オーディオ信号を出力および/または入力するように構成される。例えば、オーディオコンポーネント1210は、1つのマイクロフォン(MIC)を含み、装置1200が通話モード、録音モード及び音声認識モードなどの動作モードにあるとき、マイクロフォンは、外部オーディオ信号を受信するように構成される。受信されたオーディオ信号は、さらに、メモリ1204に記憶されてもよく、または通信コンポーネント1216によって送信されてもよい。いくつかの実施例において、オーディオコンポーネント1210は、オーディオ信号を出力するためのスピーカをさらに含む。
【0074】
I/Oインターフェース1212は、処理コンポーネント1202と周辺インターフェースモジュールとの間にインターフェースを提供し、前記周辺インターフェースモジュールは、キーボード、クリックホイール、ボタンなどであってもよい。これらのボタンは、ホームボタン、ボリュームボタン、スタートボタン、ロックボタンを含み得るが、これらに限定されない。
【0075】
センサコンポーネント1214は、装置1200に各方面の状態の評価を提供するための1つまたは複数のセンサを含む。例えば、センサコンポーネント1214は、装置1200のオン/オフ状態と、装置1200のディスプレイやキーパッドなどのコンポーネントの相対的な位置づけを検出することができ、センサコンポーネント1214は、装置1200または装置1200のコンポーネントの位置の変化、ユーザとの装置1200の接触の有無、装置1200の向きまたは加速/減速、及び装置1200の温度の変化も検出することができる。センサコンポ―ネット1214は、物理的接触なしに近くの物体の存在を検出するように構成された近接センサを含むことができる。センサコンポーネント1214は、撮像用途で使用するためのCMOSまたはCCD画像センサなどの光センサも含むことができる。いくつかの実施例において、前記センサコンポーネント1214は、加速度センサ、ジャイロスコープセンサ、磁気センサ、圧力センサまたは温度センサをさらに含むことができる。
【0076】
通信コンポーネント1216は、装置1200と他の装置の間の有線または無線通信を容易にするように構成される。装置1200は、WiFi、2Gまたは3G、4G LTE、5G NRまたはそれらの組み合わせなどの通信規格に基づく無線ネットワークにアクセスすることができる。一例示的な実施例において、通信コンポーネント1216は、放送チャンネルによって外部放送管理システムからの放送信号または放送関連情報を受信する。一例示的な実施例において、前記通信コンポーネント1216は、短距離通信を促進するための近距離通信(NFC)モジュールをさらに含む。例えば、NFCモジュールは、無線周波数識別(RFID)技術、赤外線データ協会(IrDA)技術、超広帯域(UWB)技術、ブルートゥース(登録商標)(BT)技術及び他の技術に基づいて具現されることができる。
【0077】
例示的な実施例において、装置1200は、前記方法を実行するために、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサまたは他の電子部品によって具現されることができる。
【0078】
例示的な実施例において、命令を含むメモリ1204などの、命令を含む非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、前記命令は、装置1200のプロセッサ1220によって実行されて前記方法を完了することができる。例示的な実施例において、命令を含むメモリ204などの、命令を含む非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、前記命令は、装置200のプロセッサ220によって実行されて前記方法を完了することができる。
【0079】
当業者は、明細書を考慮して、本明細書に開示される発明を実施した後、本開示の他の実施形態を容易に想到し得るであろう。本開示は、本開示のあらゆる変形、応用または適応性変化を網羅することを意図し、これらの変形、応用または適応性変化は、本開示の普通の原理に準拠し、本開示によって開示されない本技術分野における公知知識または従来の技術的手段を含む。明細書と実施例は、例示としてのみ考慮され、本開示の実施例の真の範囲及び思想は添付の特許請求の範囲によって示される。
【0080】
本開示は、上記に既に説明し且つ図面に示した正確な構造に限定されるものではなく、その範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更を行うことができることを理解されたい。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。