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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】非水系口腔用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61Q 11/00 20060101AFI20220518BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20220518BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20220518BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20220518BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20220518BHJP
【FI】
A61Q11/00
A61K8/73
A61K8/34
A61K8/46
A61K8/42
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020530757
(86)(22)【出願日】2018-07-17
(86)【国際出願番号】 JP2018026699
(87)【国際公開番号】W WO2020016926
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2020-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】391066490
【氏名又は名称】日本ゼトック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】井路端 直彦
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-521707(JP,A)
【文献】国際公開第2004/041229(WO,A1)
【文献】特開平03-038516(JP,A)
【文献】特開2006-282550(JP,A)
【文献】国際公開第2016/112208(WO,A2)
【文献】欧州特許出願公開第01949887(EP,A2)
【文献】特開2017-057146(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシプロピルセルロースを含む非水系口腔用組成物であって、
グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールおよびポリエチレングリコールよりなる群から選択される少なくとも1種である特定非水系溶媒の含有率が30質量%以上85質量%以下であり、
アルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤の含有率が0.1質量%以上10質量%以下であり、
アルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤の含有率が0.1質量%以上10質量%以下であり、
前記アルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤がラウロイルメチルタウリンナトリウムまたはN-ステアロイル-N-メチルタウリンナトリウムであり、
前記アルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤がコカミドプロピルベタインまたはラウリン酸アミドプロピルベタインであることを特徴とする非水系口腔用組成物。
【請求項2】
前記アルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤の含有率をX1[質量%]、前記アルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤の含有率をX2[質量%]としたとき、0.1≦X1/X2≦10の関係を満足する請求項に記載の非水系口腔用組成物。
【請求項3】
さらにキサンタンガムを0.1質量%以上5.0質量%以下の含有率で含む請求項1または2に記載の非水系口腔用組成物。
【請求項4】
さらにヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.1質量%以上5.0質量%以下の含有率で含む請求項1ないしのいずれか1項に記載の非水系口腔用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非水系口腔用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、保管時等において、特定の含有成分が水の存在下にて変性してしまうことを防止するための手段として、水を実質的に含まないまたは含む場合でもその含有率が低い非水系口腔用組成物が用いられている。また、非水系口腔用組成物は水以外の比較的極性のある非水系溶媒と共に、ヒドロキシプロピルセルロースやカラギーナン、カルナウバロウ等の増粘剤を配合させ、組成物としての性状・形状を確保させている。
【0003】
また、当該溶媒と共に、ヒドロキシプロピルセルロースを用いた場合、高温保管時において固液分離する課題を有していた。
【0004】
一方、口腔用組成物にはその洗浄力および発泡力を高めるために、ラウリル硫酸ナトリウムのようなアルキル硫酸ナトリウム系の陰イオン界面活性剤が配合されてきた(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0005】
ラウリル硫酸ナトリムは発泡力が高いものの、口腔粘膜および歯ぐきに対する刺激性が強い。また、非水系口腔用組成物には製剤自体に水を実質的に含まない又は含む場合でもその含有率が低いため、ラウリル硫酸ナトリウムの口腔粘膜への刺激が更に高まるという問題が生じた。また、口腔粘膜に刺激の少ない発泡剤を選択した場合、非水系口腔用組成物では満足のいく発泡量が得られないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第4520858号公報
【文献】特許第3929650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、高温保管時において固液分離や硬化が生じにくく、かつ、発泡力が高く、口腔粘膜および歯ぐきに対する刺激性の低い、非水系口腔用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的は、下記(1)~()の本発明により達成される。
(1) ヒドロキシプロピルセルロースを含む非水系口腔用組成物であって、
グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールおよびポリエチレングリコールよりなる群から選択される少なくとも1種である特定非水系溶媒の含有率が30質量%以上85質量%以下であり、
アルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤の含有率が0.1質量%以上10質量%以下であり、
アルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤の含有率が0.1質量%以上10質量%以下であり、
前記アルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤がラウロイルメチルタウリンナトリウムまたはN-ステアロイル-N-メチルタウリンナトリウムであり、
前記アルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤がコカミドプロピルベタインまたはラウリン酸アミドプロピルベタインであることを特徴とする非水系口腔用組成物。
【0011】
) 前記アルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤の含有率をX1[質量%]、前記アルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤の含有率をX2[質量%]としたとき、0.1≦X1/X2≦10の関係を満足する上記(1)に記載の非水系口腔用組成物。
【0012】
) さらにキサンタンガムを0.1質量%以上5.0質量%以下の含有率で含む上記(1)または(2)に記載の非水系口腔用組成物。
【0013】
) さらにヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.1質量%以上5.0質量%以下の含有率で含む上記(1)ないし()のいずれかに記載の非水系口腔用組成物。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、非水系溶媒とヒドロキシプロピルセルロースの親和性が高まり、高温保管時においても固液分離や硬化が生じにくく、かつ、発泡力が高く、口腔粘膜および歯ぐきに対する刺激性の低い非水系口腔用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細な説明をする。
《非水系口腔用組成物》
【0016】
従来より、口腔用組成物にはその洗浄力および発泡力を高めるために発泡剤として、ラウリル硫酸ナトリウムのようなアルキル硫酸ナトリウム系の陰イオン界面活性剤が配合されてきた。
【0017】
しかし、ラウリル硫酸ナトリムは、発泡力が高いものの、非水系口腔用組成物においては口腔粘膜および歯ぐきに対する刺激性が強いという問題があった。
【0018】
そこで、本発明者は、非水系口腔用組成物において、高温保管時において固液分離や硬化を生じにくくし、口腔粘膜および歯ぐきに対する刺激性を抑制しつつ、十分な発泡力を発揮させることを目的に鋭意研究を行った。その結果、アルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤およびアルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤を、所定の含有率で用いることにより、これらが相乗的に作用し、高温保管時に硬化や非水系溶媒とヒドロキシプロピルセルロースが分離することなく、アルキル硫酸ナトリウムを含有していなくても、ラウリル硫酸ナトリムを用いた場合に匹敵する発泡力を実現しつつ、口腔粘膜および歯ぐきに対する刺激性の低い非水系口腔用組成物を提供することができることを見出した。
【0019】
すなわち、本発明の非水系口腔用組成物は、ヒドロキシプロピルセルロースを含む非水系口腔用組成物であって、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールおよびポリエチレングリコールよりなる群から選択される少なくとも1種である特定非水系溶媒の含有率(前記群に含まれる複数種の溶媒を含む場合には、これらの含有率の総和)が30質量%以上85質量%以下であり、アルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤の含有率が0.1質量%以上10質量%以下であり、アルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤の含有率が0.1質量%以上10質量%以下であることを特徴とする。
【0020】
このような構成により、前述したような優れた効果が得られる。特に、高温保管時における安定性、口腔粘膜および歯ぐきに対する刺激性を抑制しつつ、非水系口腔用組成物の使用時において発生する泡の量(発泡量)が適度に多くなり、泡の持続性に優れ泡垂れが生じにくくなり、また、泡質(泡の弾力性、肌理の細かさ等)が向上し、非水系口腔用組成物の使用感が優れたものとなる。
【0021】
これに対し、このような条件を満たさない場合には、満足のいく結果が得られない.
例えば、ヒドロキシプロピルセルロースを含んでいないと、非水系口腔用組成物の高温保管時における安定性が低下し、固液分離や硬化が生じ易くなる。また、使用時において発生する泡の持続性が低下して泡垂れが生じやすくなり、また、泡質(泡の弾力性、肌理の細かさ等)が低下し、非水系口腔用組成物の使用感が著しく低下するか、そもそも、非水系口腔用組成物として成立しない。
【0022】
また、前述した特定非水系溶媒を含まない場合や含んでいても含有率が前記下限値未満である場合には、非水系口腔用組成物中に含まれる固形分(溶解状態のものの含む)を好適に混合することが困難になり、非水系口腔用組成物の使用感が著しく低下する。
【0023】
また、前述した特定非水系溶媒の含有率の和が前記上限値を超える場合には、相対的に他の成分の含有率が低下し、発泡力(非水系口腔用組成物の使用時における発泡量、泡の持続性(泡垂れのし難さ)、泡の弾力性、肌理の細かさ等の泡質等)が著しく低下する等の問題を生じる。また、他の非水系溶媒に置換した場合も同様に発泡力および使用感が著しく低下する等の問題を生じる。
【0024】
また、アルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤を含まない場合や含んでいても含有率が前記下限値未満である場合には、他の発泡剤を比較的高い含有率で含んでいたとしても、十分な発泡力(非水系口腔用組成物の使用時における発泡量、泡の持続性(泡垂れのし難さ)、泡の弾力性、肌理の細かさ等の泡質等)が得られない。
【0025】
また、アルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤の含有率が前記上限値を超える場合も、含有率が過少である場合と同様に、十分な発泡力(非水系口腔用組成物の使用時における発泡量、泡の持続性(泡垂れのし難さ)、泡の弾力性、肌理の細かさ等の泡質等)が得られない。
【0026】
また、アルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤を含まない場合や含んでいても含有率が前記下限値未満である場合には、他の発泡剤を比較的高い含有率で含んでいたとしても、十分な発泡力(非水系口腔用組成物の使用時における発泡量、泡の持続性(泡垂れのし難さ)、泡の弾力性、肌理の細かさ等の泡質等)が得られない。
【0027】
また、アルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤の含有率が前記上限値を超える場合には、含有率が過少である場合と同様に、十分な発泡力(非水系口腔用組成物の使用時における発泡量、泡の持続性(泡垂れのし難さ)、泡の弾力性、肌理の細かさ等の泡質等)が得られない。
【0028】
また、アルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤、アルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤のうち、少なくとも一方について、代わりに他の界面活性剤に置き換えた場合にも、十分な発泡力(非水系口腔用組成物の使用時における発泡量、泡の持続性(泡垂れのし難さ)、泡の弾力性、肌理の細かさ等の泡質等)が得られない。
【0029】
なお、本明細書中において、口腔用組成物とは、練歯磨剤、液状歯磨剤、潤製歯磨剤等の歯磨剤類、クリーム剤、軟膏剤、貼付剤、口中清涼剤、洗口剤、チューインガム等、口腔内に適用される組成物のことを指す。
【0030】
また、本明細書において、非水系口腔用組成物とは、口腔用組成物全体に対する水の含有量が0質量%以上3質量%以下のことを指し、好ましくは0質量%以上1質量%以下、より好ましくは実質的に水を全く含有しない(水の含有率が100ppm以下の)口腔用組成物を意味する。
【0031】
<ヒドロキシプロピルセルロース>
前述したように、本発明の非水系口腔用組成物は、ヒドロキシプロピルセルロースを含んでいる。
【0032】
ヒドロキシプロピルセルロースは、セルロースに酸化プロピレンを反応させて得られる非イオン系セルロースエーテルである。分子重合度の違いにより、様々な粘度を発現させるグレードが存在する。低粘度グレードのものは、1mPa・s以上4mPa・s以下程度であり、高粘度グレードのものは1000mPa・s以上5000mPa・s以下程度のものまである。この粘度は、各ヒドロキシプロピルセルロース2質量%水溶液について、回転粘度計を用いて測定した値(mPa・s)である。
【0033】
本発明の非水系口腔用組成物を構成するヒドロキシプロピルセルロースは、上記のようにして求められる粘度が150mPa・s以上4000mPa・s以下の範囲のものであるのが好ましい。
【0034】
非水系口腔用組成物中においてヒドロキシプロピルセルロースは、組成物としての性状・形状を確保させ、使用時において発生する泡の持続性を向上させ、泡垂れを生じにくくさせる機能を有している。
【0035】
非水系口腔用組成物中におけるヒドロキシプロピルセルロースの含有率は、特に限定されないが、0.1質量%以上5.0質量%以下であるのが好ましく、0.3質量%以上3.0質量%以下であるのがより好ましく、0.5質量%以上2.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
【0036】
これにより、前述したようなヒドロキシプロピルセルロースを含むことによる効果がより顕著に発揮される。
【0037】
<特定非水系溶媒>
【0038】
前述したように、本発明の非水系口腔用組成物は、特定非水系溶媒(グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールおよびポリエチレングリコールよりなる群から選択される少なくとも1種)を含んでいる。
【0039】
非水系口腔用組成物中において特定非水系溶媒は、非水系口腔用組成物中の固形分を好適に混合し、不均一なばらつきの発生を防止したり、非水系口腔用組成物の粘性を好適に調整したりする機能を発揮し、非水系口腔用組成物の使用感の向上に寄与する。
【0040】
非水系口腔用組成物中における特定非水系溶媒の含有率は、30質量%以上85質量%以下であればよいが、40質量%以上80質量%以下であるのが好ましく、50質量%以上75質量%以下であるのがより好ましく、60質量%以上70質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
【0041】
本発明の非水系口腔用組成物を構成する特定非水系溶媒は、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールおよびポリエチレングリコールよりなる群から選択される少なくとも1種であればよいが、特に、本発明の非水系口腔用組成は、プロピレングリコールを含んでいるのが好ましい。
【0042】
<アルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤>
前述したように、本発明の非水系口腔用組成物は、アルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤を含んでいる。
【0043】
非水系口腔用組成物中においてアルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤は、非水系口腔用組成物の使用時における発泡量を向上させる機能を有しており、特に、アルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤とともに、所定の含有率の条件で含まれることにより、発泡力(非水系口腔用組成物の使用時における発泡量、泡の持続性(泡垂れのし難さ)、泡の弾力性、肌理の細かさ等の泡質等)を向上させる機能を有している。
【0044】
非水系口腔用組成物中におけるアルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤の含有率は、0.1質量%以上10質量%以下であればよいが、0.3質量%以上3.0質量%以下であるのが好ましく、0.4質量%以上2.0質量%以下であるのがより好ましく、0.5質量%以上1.5質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
【0045】
アルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム(日光ケミカルズ)、ラウロイルメチルタウリンナトリウム(日光ケミカルズ)、ミリストイルメチルタウリンナトリウム(日光ケミカルズ)、パルミトイルメチルタウリンナトリウム(日光ケミカルズ)、N-ステアロイル-N-メチルタウリンナトリウム(日光ケミカルズ)等が挙げられるが、中でも、ラウロイルメチルタウリンナトリウムが好ましい。
【0046】
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
【0047】
<アルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤>
前述したように、本発明の非水系口腔用組成物は、アルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤を含んでいる。
【0048】
非水系口腔用組成物中においてアルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤は、非水系口腔用組成物の使用時における発泡量を向上させる機能を有しており、特に、アルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤とともに、所定の含有率の条件で含まれることにより、発泡力(非水系口腔用組成物の使用時における発泡量、泡の持続性(泡垂れのし難さ)、泡の弾力性、肌理の細かさ等の泡質等)を向上させる機能を有している。
【0049】
非水系口腔用組成物中におけるアルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤の含有率は、0.1質量%以上10質量%以下であればよいが、0.3質量%以上3.0質量%以下であるのが好ましく、0.4質量%以上2.0質量%以下であるのがより好ましく、0.5質量%以上1.5量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
【0050】
アルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸アミドプロピルベタイン(日油)、コカミドプロピルベタイン(Goldschmidt AG)、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン(日油)、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン等が挙げられるが、中でも、コカミドプロピルベタインが好ましい。
【0051】
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
【0052】
非水系口腔用組成物における、アルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤の含有率をX1[質量%]、アルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤の含有率をX2[質量%]としたとき、0.1≦X1/X2≦10の関係を満足するのが好ましく、0.2≦X1/X2≦5.0の関係を満足するのがより好ましく、0.4≦X1/X2≦3.0の関係を満足するのがさらに好ましい。
【0053】
これにより、非水系口腔用組成物の使用時において発生する泡の量、泡の持続性、泡質が特に優れたものとなり、非水系口腔用組成物の使用感がさらに向上する。
【0054】
また、非水系口腔用組成物におけるアルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤の含有率とアルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤の含有率との和(X1+X2)は、0.6質量%以上6.0質量%以下であるのが好ましく、0.8質量%以上4.0質量%以下であるのがより好ましく、1.0質量%以上3.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
【0055】
これにより、非水系口腔用組成物の使用時において発生する泡の量、泡の持続性、泡質が特に優れたものとなり、非水系口腔用組成物の使用感がさらに向上する。
【0056】
<キサンタンガム>
本発明の非水系口腔用組成物は、キサンタンガムを含んでいてもよい。
【0057】
これにより、前述した成分と併用することによる相乗的な効果が発揮され、非水系口腔用組成物の使用時において発生する泡の持続性、泡質がさらに向上し、非水系口腔用組成物の使用感がさらに向上する。
【0058】
非水系口腔用組成物中におけるキサンタンガムの含有率は、0.1質量%以上5.0質量%以下であるのが好ましく、0.3質量%以上3.0質量%以下であるのがより好ましく、0.5質量%以上2.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
【0059】
<ヒドロキシプロピルメチルセルロース>
本発明の非水系口腔用組成物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含んでいてもよい。
【0060】
これにより、前述した成分と併用することによる相乗的な効果が発揮され、非水系口腔用組成物の使用時において発生する泡の持続性、泡質がさらに向上し、非水系口腔用組成物の使用感がさらに向上する。
【0061】
非水系口腔用組成物中におけるヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有率は、0.1質量%以上5.0質量%以下であるのが好ましく、0.3質量%以上3.0質量%以下であるのがより好ましく、0.5質量%以上2.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
【0062】
<水により変性しやすい成分>
本発明の非水系口腔用組成物は、水により変性しやすい成分を含んでいてもよい。
これにより、口腔用組成物を非水系とすることによる効果がより顕著に発揮される。
【0063】
水により変性しやすい成分としては、例えば、α-第三リン酸カルシウム(α-TCP)、フッ化物、酵素類、ヒノキチオールやトリクロサン等の抗菌剤、銅クロロフィリンナトリウム、塩化リゾチームやε-アミノカプロン酸等の抗炎症剤、アスコルビン酸やその塩類等のビタミン剤、生薬、乳酸菌等が挙げられ、これらの群から選択される1種または2種以上を用いることができる。
【0064】
α-第三リン酸カルシウム(α-TCP)は、口腔内において極めて再石灰化促進効果が高く、虫歯の予防・修復等に特に有効である。その一方で、α-TCPは、水存在下においてアパタイト化合物へ転換する性質があり、その反応は、フッ化物またはその他のリン酸カルシウムの存在で加速され、自己硬化反応を起こすため、通常の水を含有した歯磨剤等の口腔用組成物には安定配合ができなかった。
【0065】
フッ化物としては、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化錫等が挙げられる。
【0066】
酵素としては、溶菌作用やタンパク分解作用を有するリゾチーム、ムタナーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、デキストラナーゼ等が挙げられる。これらの酵素は、水を含有する口腔用組成物においては、加水分解しやすいという性質がある。
【0067】
また、ヒノキチオールは、強い抗菌活性と広い抗菌スペクトルを有する天然系の殺菌剤として知られている化合物であり、ε-アミノカプロン酸は、抗プラスミン効果、止血効果、抗炎症効果を有する化合物である。これらの化合物(有効成分)も、水を含有する口腔用組成物においては、加水分解しやすいという性質がある。
【0068】
アスコルビン酸およびその塩類は、酸化防止剤としての機能に加えて、歯肉炎、歯槽膿漏等の予防に有効であることが知られているが、水存在下では容易に分解反応が進み、含量低下や変色を生じる。
【0069】
アスコルビン酸の塩としては、例えば、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸マグネシウム等が挙げられる。
【0070】
<その他の成分>
本発明の非水系口腔用組成物は、上記以外の成分を含むものであってもよい。
【0071】
このような成分(その他の成分)としては、例えば、研磨剤、上記以外の湿潤剤、溶剤、上記以外の粘結剤、香料、清掃剤、甘味剤、pH調整剤、防腐剤、可溶化剤、上記以外の発泡剤、滑沢剤、油、着色剤、キレート剤、保湿剤、抗菌剤、抗炎症剤、ビタミン剤、生薬等が挙げられる。
【0072】
清掃剤としては、例えば、シリカゲル、沈降性シリカ、含水ケイ酸、無水ケイ酸、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤;第二リン酸カルシウム二水和物、第二リン酸カルシウム無水和物等の歯磨用リン酸水素カルシウム;軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム;リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸マグネシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、二酸化チタン、合成樹脂系研磨剤、アルミナ、ゼオライト等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0073】
上記以外の湿潤剤としては、例えば、ソルビトール、エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、マンニトール、パラチノース、トレハロースやその他希少糖等の糖類から選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0074】
溶剤としては、例えば、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
【0075】
上記以外の粘結剤として、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース等やその塩および誘導体;アルギン酸やその塩およびその誘導体、カラギーナン等のガム類;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成粘結剤等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0076】
香料としては、例えば、l-メントール、l-カルボン、シンナミックアルデヒド、オレンジオイル、アネトール、1,8-シネオール、メチルサリシレート、オイゲノール、チモール、リナロール、リモネン、メントン、メンチルアセテート、シトラール、カンファー、ボルネオール、ピネン、スピラントール、エチルアセテート、エチルブチレート、イソアミルアセテート、ヘキサナール、ヘキセナール、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、ベンズアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、フラネオール、マルトール、エチルマルトール、ガンマ/デルタデカラクトン、ガンマ/デルタウンデカラクトン、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド、メンチルラクテート、エチレングリコール-l-メンチルカーボネート等の香料成分;ペパーミント油、スペアミント油、ユーカリ油、クローブ油、タイム油、セージ油、カルダモン油、ローズマリー油、マジョラム油、レモン油、ナツメグ油、ラベンダー油、パラクレス油等の天然精油;アップル、ストロベリー、ブルーベリー、ピーチ、グレープ、ワイン、ヨーグルト等の調合フレーバー等の公知の香料素材等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0077】
甘味剤としては、例えば、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム、ステビア等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0078】
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、または、リン酸水素二ナトリウム等のこれらの化学的に可能な塩や水酸化ナトリウム等が挙げられ、組成物のpHが適切な範囲となるように、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0079】
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、安息香酸およびその塩、サリチル酸およびその塩、ソルビン酸およびその塩、フェノキシエタノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0080】
可溶化剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、大豆リン脂質等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0081】
上記以外の発泡剤としては、例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸モノグリセリンスルホン酸ナトリウム、α-オレフィンスルホン酸ナトリウム、N-アシルグルタメート等のN-アシルアミノ酸塩、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、マルチトール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本発明の非水系口腔用組成物は、少量(例えば、0.1質量%以下)のラウリル硫酸ナトリウムを含有することを排除するものではないが、ラウリル硫酸ナトリウムを含有していないのが好ましい。
【0082】
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、硬化油等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0083】
油としては、例えば、ココナッツ油、オリーブ油、ごま油、落花生油、パセリ油、パセリ種子オイル、紅花油等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0084】
着色剤としては、例えば、青色1号等のタール色素、二酸化チタン等の顔料や、各種染料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0085】
保湿剤としては、例えば、アミノ酸またはその塩、ピロリドンカルボン酸、ムチン、ヒアルロン酸またはその塩、コンドロイチン硫酸等のムコ多糖類、乳酸ナトリウム、尿素、パンテノール、アロエエキス、ローズマリーエキス、タイムエキス、チャエキス(チャ乾留エキス)等の天然エキス成分、コラーゲン、エラスチン等のいわゆる細胞外マトリックス等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0086】
抗菌剤としては、例えば、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、チモール等のフェノール系抗菌剤;塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化デカリニウム、クロルヘキシジン塩酸塩、クロルヘキシジングルコン酸ナトリウム、ビサボロールクロルヘキシジン、ラクトフェリン等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0087】
抗炎症剤としては、例えば、塩化リゾチーム、ε-アミノカプロン酸、アルミニウムヒドロキシルアラントイン、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸塩類、グァイアズレンスルホン酸、酢酸dl-α-トコフェロール等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0088】
ビタミン剤としては、例えば、レチノイン酸、β-カロテン等のビタミンA類、パントテン酸またはその塩類、ナイアシン、ビオチン等のビタミンB類、α-トコフェロール等のビタミンE類、葉酸等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0089】
生薬としては、例えば、オウゴン、キキョウ、ジオウ、カミツレ、カノコソウ、ナツメ、ホップ、ラメンダー、リンデン、カリン、キンギンカ、クマザサ、グミ、チョウジ、デンシチニンジン、サルビア、ムクロジ、ケイヒ、ブクリョウ、シャクヤク、サンザシ、トウキ、チャ、ウラジロガシ、オオバク、シラカバ、ニンジン、アセンヤク、ウコン、ローズマリー等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0090】
口腔用組成物が上記のような生薬を含むものである場合、口腔用組成物は、上記のような生薬を、例えば、乾燥した状態の植物を粉砕してそのまま含むものであってもよいし、水や有機溶媒等の抽出溶媒や超臨界流体等の抽出媒体を用いて抽出された抽出エキスや抽出エキスから抽出媒体を除去して得られた成分(抽出物)として含むものであってもよい。
【0091】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記のものに限定されるものではない。
【実施例
【0092】
以下に具体的な実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0093】
《1》非水系口腔用組成物の製造
各実施例および各比較例に係る非水系口腔用組成物を以下のようにして製造した。
【0094】
(実施例1)
まず、室温(23℃)において、ヒドロキシプロピルセルロース、特定非水系溶媒としてのプロピレングリコール、アルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤としてのラウロイルメチルタウリンナトリウム、アルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤としてのコカミドプロピルベタイン、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、リン酸カルシウム、無水ケイ酸、グリセリン脂肪酸エステルを所定の比率で混合し、非水系口腔用組成物用基剤を製造した。
【0095】
その後、室温(23℃)において、この非水系口腔用組成物用基剤と、アスコルビン酸とを所定の割合で混合し、表1に示すような組成の非水系口腔用組成物としての練歯磨剤を得た。
【0096】
(実施例2~19)
非水系口腔用組成物用基剤、非水系口腔用組成物(練歯磨剤)の製造に用いる成分の種類、割合を調整することにより、表1、表2に示す組成となるようにした以外は、前記実施例1と同様にして非水系口腔用組成物としての練歯磨剤を製造した。
【0097】
(比較例1~15)
非水系口腔用組成物用基剤、非水系口腔用組成物(練歯磨剤)の製造に用いる成分の種類、割合を調整することにより、表2に示す組成となるようにした以外は、前記実施例1と同様にして非水系口腔用組成物としての練歯磨剤を製造した。
【0098】
前述した各実施例および各比較例に係る非水系口腔用組成物の組成を表1、表2にまとめて示す。なお、表1、表2中、各成分の含有率の単位は、質量%である。また、前記各実施例および各比較例の非水系口腔用組成物(練歯磨剤)では水の含有率は、100ppm以下であった。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
《2》評価
成人10名に、前記各実施例および各比較例に係る非水系口腔用組成物を、市販歯ブラシに約1g乗せて、1分間のブラッシングをしてもらい、以下の項目について評価してもらった。
【0102】
《2-1》泡垂れのし難さ
各被験者に、それぞれ、1分間のブラッシング中における口腔外への泡垂れの発生し難さについて、泡垂れがし難い場合:2ポイント、泡垂れがし易いとも、し難いとも評価しがたい場合:1ポイント、泡垂れがし易い場合:0ポイントで採点してもらい、10人の被験者のポイントの平均値を求め、以下の基準に従い評価した。
【0103】
A:ポイントの平均値が1.8ポイント以上。
B:ポイントの平均値が1.4ポイント以上1.8ポイント未満。
C:ポイントの平均値が1.0ポイント以上1.4ポイント未満。
D:ポイントの平均値が0.6ポイント以上1.0ポイント未満。
E:ポイントの平均値が0.6ポイント未満。
【0104】
《2-2》発泡量
1分間のブラッシング後に、口腔内の泡を試験管に吐き出してもらい、その直後に泡量を測定し、10名についての平均値を求め、以下の基準に従い評価した。
【0105】
A:泡量の平均値が20mL以上。
B:泡量の平均値が17mL以上20mL未満。
C:泡量の平均値が14mL以上17mL未満。
D:泡量の平均値が11mL以上14mL未満。
E:泡量の平均値が11mL未満。
【0106】
《2-3》泡質評価
《2-3-1》泡の弾力性
各被験者に、それぞれ、ブラッシング時の口腔内の泡について、優れた弾力性を感じた場合:2ポイント、中程度の弾力性を感じた場合:1ポイント、弾力性に劣っていると感じた場合:0ポイントで採点してもらい、10人の被験者のポイントの平均値を求め、以下の基準に従い評価した。
【0107】
A:ポイントの平均値が1.8ポイント以上。
B:ポイントの平均値が1.4ポイント以上1.8ポイント未満。
C:ポイントの平均値が1.0ポイント以上1.4ポイント未満。
D:ポイントの平均値が0.6ポイント以上1.0ポイント未満。
E:ポイントの平均値が0.6ポイント未満。
【0108】
《2-3-2》泡の肌理の細かさ
各被験者に、それぞれ、ブラッシング時の口腔内の泡について、肌理の細かさ(クリーミーさ)が優れていると感じた場合:2ポイント、中程度の肌理の細かさを感じた場合:1ポイント、肌理の細かさに劣っていると感じた場合:0ポイントで採点してもらい、10人の被験者のポイントの平均値を求め、以下の基準に従い評価した。
【0109】
A:ポイントの平均値が1.8ポイント以上。
B:ポイントの平均値が1.4ポイント以上1.8ポイント未満。
C:ポイントの平均値が1.0ポイント以上1.4ポイント未満。
D:ポイントの平均値が0.6ポイント以上1.0ポイント未満。
E:ポイントの平均値が0.6ポイント未満。
【0110】
《2-4》刺激性
各被験者に、それぞれ、ブラッシング時の口腔粘膜および歯ぐきに対する刺激性について、刺激が弱いと感じた場合:2ポイント、中程度の刺激を感じた場合:1ポイント、刺激が強いと感じた場合:0ポイントで採点してもらい、10人の被験者のポイントの平均値を求め、以下の基準に従い評価した。
【0111】
A:ポイントの平均値が1.8ポイント以上。
B:ポイントの平均値が1.4ポイント以上1.8ポイント未満。
C:ポイントの平均値が1.0ポイント以上1.4ポイント未満。
D:ポイントの平均値が0.6ポイント以上1.0ポイント未満。
E:ポイントの平均値が0.6ポイント未満。
【0112】
《2-5》安定性
前記各実施例および各比較例に係る非水系口腔用組成物を、60℃の恒温器にて、それぞれ、3週間保管し、性状について以下の基準に従い判定した。
【0113】
A:硬化や固液分離は見られず、安定であった。
B:やや硬化傾向や固液分離傾向が見られるが安定である。
C:硬化や固液分離が見られた。
これらの結果を表3に示す。
【0114】
【表3】
【0115】
表3から明らかなように、本発明では、優れた結果が得られたのに対し、比較例では、満足のいく結果が得られなかった。
【0116】
また、アスコルビン酸の代わりに、α-第三リン酸カルシウム(α-TCP)、フッ化ナトリウム、リゾチーム、ヒノキチオール、ε-アミノカプロン酸を用いた以外は、前記各実施例および各比較例と同様にして非水系口腔用組成物としての練歯磨剤を製造し、前記と同様の評価を行ったところ、前記と同様の結果が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明の非水系口腔用組成物は、ヒドロキシプロピルセルロースを含む非水系口腔用組成物であって、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールおよびポリエチレングリコールよりなる群から選択される少なくとも1種である特定非水系溶媒の含有率が30質量%以上85質量%以下であり、アルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン界面活性剤の含有率が0.1質量%以上10質量%以下であり、アルキルアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤の含有率が0.1質量%以上10質量%以下であることを特徴とする。そのため、高温保管時において非水系溶媒とヒドロキシプロピルセルロースの親和性が高まり、固液分離や硬化が生じにくく、かつ、発泡力が高く、口腔粘膜および歯ぐきに対する刺激性の低い、非水系口腔用組成物を提供することができる。従って、本発明の非水系口腔用組成物は、産業上の利用可能性を有する。