(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】縫合糸アンカードライバー
(51)【国際特許分類】
A61B 17/04 20060101AFI20220518BHJP
A61B 17/56 20060101ALI20220518BHJP
【FI】
A61B17/04
A61B17/56
(21)【出願番号】P 2020550162
(86)(22)【出願日】2018-10-19
(86)【国際出願番号】 US2018056635
(87)【国際公開番号】W WO2019182645
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2020-10-05
(32)【優先日】2018-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロンバルド ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】ブレスリック グレイディ
(72)【発明者】
【氏名】サミット マシュー シー.
(72)【発明者】
【氏名】アルフォンソ グレゴリー エー.
(72)【発明者】
【氏名】シボドー ロバート エー.
【審査官】山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0085851(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02446831(EP,A2)
【文献】特開2012-179374(JP,A)
【文献】特開2017-80428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/04
A61B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縫合糸アンカードライバーであって、
近位端および遠位端を有するハンドルと、
そこから中央に延在するシャフトを有する、前記ハンドル内のくぼみと、
中央開口部を有する戻り止めリングであって、前記戻り止めリングが一つ以上の突起を有する、戻り止めリングと、
中央開口部を有するスプールであって、前記スプールが、第一の構成と第二の構成との間で回転可能であり、前記スプールが第一の側面および第二の側面を有し、前記第二の側面がそこから延在する複数の突出部を有する、スプールと、を備え、
前記シャフトが、前記戻り止めリングの前記突起が前記スプールから延在する前記複数の突出部に隣接するように、前記戻り止めリングの前記中央開口部および前記スプールの前記中央開口部を通って延在し、
前記第一の構成では、前記一つ以上の突起のうちの一つが前記複数の突出部のうちの二つの間に延在し、前記第二の構成では、前記一つ以上の突起のうちの一つが前記複数の突出部のうちの一つと整列し、
前記一つ以上の突起が、前記戻り止めリングから半径方向に延在するアームであり、
前記複数の突出部が、前記スプールの前記中央開口部に向かって半径方向に延在する、縫合糸アンカードライバー。
【請求項2】
前記ハンドルの前記遠位端から延在するドライバーをさらに備える、請求項1に記載の縫合糸アンカードライバー。
【請求項3】
前記一つ以上の突起が、前記戻り止めリングから前記くぼみ内の前記スプールの前記第二の側面に向かって延在する、請求項1に記載の縫合糸アンカードライバー。
【請求項4】
前記複数の突出部が、前記スプールの前記第二の側面から前記くぼみ内の前記戻り止めリングに向かって延在する、請求項3に記載の縫合糸アンカードライバー。
【請求項5】
前記シャフトがプロング端をさらに含む、請求項1に記載の縫合糸アンカードライバー。
【請求項6】
前記くぼみが前記ハンドルの第一の側面に延在する、請求項1に記載の縫合糸アンカードライバー。
【請求項7】
前記ハンドルの外部上にスロットをさらに備え、前記スロットが前記くぼみ内に延在する、請求項1に記載の縫合糸アンカードライバー。
【請求項8】
前記スロットが、前記ハンドルの前記遠位端から延在するドライバーに隣接している、請求項
7に記載の縫合糸アンカードライバー。
【請求項9】
前記スプールの周りに巻かれ、前記ハンドル上の前記スロットを通って延在する縫合糸をさらに備える、請求項
7に記載の縫合糸アンカードライバー。
【請求項10】
前記スプールが、前記第一の側面上に、それを通して前記縫合糸の端を受容するように構成された開口部を含む、請求項
8に記載の縫合糸アンカードライバー。
【請求項11】
そこから中央に延在するステムを有するキャップを有する締結具をさらに備え、前記ステムが、前記シャフトの内側チャネル内に延在するように構成される、請求項1に記載の縫合糸アンカードライバー。
【請求項12】
前記一つ以上の突起のうちの少なくとも一つが、所定の力の印加毎に、前記複数の前記突出部の二つの間から、前記複数の前記突出部のうちの隣接する二つに移動するように構成される、請求項1に記載の縫合糸アンカードライバー。
【請求項13】
前記所定の力が、前記スプールの周りに巻かれ、前記ハンドル上の前記スロットを通って延在する縫合糸に対して付与される、請求項
12に記載の縫合糸アンカードライバー。
【請求項14】
前記所定の力が、前記縫合糸に取り付けられたアンカーに対して付与される、請求項
12に記載の縫合糸アンカードライバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年3月23日出願の「Quickset Anchor System」と題された、米国仮特許出願第62/646,954号、2018年3月23日出願の「Auto Release Spool」と題された、米国仮特許出願第62/647,255号、および2018年3月26日出願の「Auto Release Spool」と題された、米国仮特許出願第62/648034号に優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本開示は一般に、軟組織の骨修復手技のための縫合糸アンカー装置に関し、より具体的には、張力機構を有する縫合糸アンカードライバーに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
縫合糸アンカードライバーの例として、例えば、米国特許出願公開第2005/85851号、欧州特許出願公開第2446831号に開示のものがある。
縫合糸アンカーは通常、外科手技において軟組織を骨に修復するために使用される。通常、縫合糸アンカーは最初に、ドライバーと共に予め形成された穴に挿入される。次に、保持クリートから引っ張ることで、縫合糸がドライバーから取り外される。多くの縫合糸アンカードライバーにおいて、アンカーを挿入した後に縫合糸および針を外すことは、手技中に余分な時間を必要とする追加のステップである。全縫合糸アンカーなどの配置可能なアンカーの場合、牽引力を縫合糸リムに印加して、アンカーをその最終形状に形成し、アンカーを骨穴に固定する必要がある。現在、ドライバーを取り外す工程、縫合糸を解放する工程、およびアンカーを牽引する工程は別個に実行されており、これによって外科医の効率が低下し、疲労が増大することになる。
【0004】
そのため、配置可能なアンカーをその最終形状に付勢し、ハンドルから縫合糸を自動的に解放する張力機構を有する使いやすい縫合糸アンカードライバーのニーズが存在する。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態は、縫合糸アンカードライバーに関する。一態様によれば、縫合糸アンカードライバーは、近位端および遠位端を有するハンドルを有する。ハンドルは、そこから中央に延在するシャフトを有するくぼみを有する。縫合糸アンカードライバーは、戻り止めリングおよびスプールを有する。戻り止めリングは、中央開口部および一つ以上の突起を有する。スプールは、中央開口部を有し、第一の構成と第二の構成との間で回転可能である。スプールは第一の側面および第二の側面を有する。第二の側面は、そこから延在する複数の突出部を有する。くぼみ内のシャフトは、戻り止めリングの突起がスプールから延在する複数の突出部に隣接するように、戻り止めリングの中央開口部およびスプールの中央開口部を通って延在する。第一の構成では、一つ以上の突起のうちの一つは、複数の突出部のうちの二つの間に延在する。第二の構成では、一つ以上の突起のうちの一つは、複数の突出部のうちの一つと整列している。
【0006】
別の態様によれば、縫合糸アンカードライバーは、近位端、遠位端、およびそこから延在する歯止めを有するロックアームを有する、ハンドルを有する。ハンドルは、それを横切って延在するバリア部材を有するくぼみを有する。くぼみは、第一の表面および第二の表面を有するスプールを保持するように構成される。スプールは、第一の表面と第二の表面との間に少なくとも部分的に分離された第一のチャネルおよび第二のチャネルを有する。複数の歯は、スプールの第二の表面から半径方向に延在する。スプールの第二のチャネルは、縫合糸の長さに接続された針を収納するように構成されたくぼみを有する。第一の構成では、ロックアームの歯止めは、複数の歯のうちの二つの間に延在する。第二の構成では、ロックアームは、歯止めが複数の歯の上方にあるように移動する。スプールは、第一の構成では回転可能ではなく、第二の構成では回転可能である。
【0007】
本明細書に記載の一部の実施形態によれば、縫合糸は、縫合糸アンカードライバーまたはアンカー配置装置のハンドルのスプール(例えば、静的戻り止めリングに対してスピン可能)から解放/巻き出すことができるが、スプールは、(一例として)回転することができるようになる前に、張力機構である、静的戻り止めリング上のフィンガー様またはその他の突起に影響を与えてこれを偏向させるスプールの歯によって付与される力を克服する必要があり、次に、縫合糸(スプールの周りに巻かれ、ハンドル上のスロットを通って延在する)および取り付けられたアンカー(アンカーが骨穴内に少なくともある程度固定されている場合)に対して張力を付与する。アンカーが軟質アンカーである場合、アンカーが骨穴内に設定/配置された後、この力を調整、予め設定および/または構成/利用して、軟質アンカーを設定、および/または軟質アンカーの設定/配置をテストしうる。さらに、力を使用して、硬質アンカーの設定/配置をテストしうる。張力機構によって付与される力を克服し、スプールを回転させて配置/設定および/またはテストするために使用される力は、ハンドルを骨穴/配置部位から離れる方向に引っ張ることによってユーザーによって与えられる。張力機構によって付与される力は、本開示のレビューと併せて、当業者によって理解されるべきであるように、例えば、フィンガー様の突起の(または歯の)厚さ、密度および/または長さを変更することによることを含む、多くの方法で増大/減少しうる。
【0008】
当然のことながら、以下でより詳細に考察した前述の概念および追加的概念のすべての組み合わせは(そのような概念は互いに矛盾していないとすると)、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられる。特に、本開示の最後に現れる請求項に記載された主題のすべての組み合わせは、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられる。また、参照により組み込まれる任意の開示においても現れうる、本明細書において明示的に用いられる用語は、本明細書に開示される特定の概念と最も一致する意味と一致するものを理解されるべきである。
【0009】
本発明のこれらおよびその他の態様は、以下に記述される実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一つまたは複数の態様は、本明細書の終了時に特許請求の範囲の例として特に指摘され、特定的に特許請求される。本発明の前述およびその他の物体、特徴、および利点は、以下の記述から添付図面と併せて明らかである。
【0011】
【
図1】
図1は、一実施形態による、縫合糸アンカードライバーの概略部分分解斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態による、縫合糸アンカードライバーの概略部分切欠底面図である。
【
図3】
図3は、一実施形態による、縫合糸アンカードライバーの張力機構の戻り止めリングの概略斜視図である。
【
図4】
図4は、一実施形態による、第一の構成にあるスプールおよび戻り止めリングの概略切欠側面図である。
【
図5】
図5は、一実施形態による、第二の構成にあるスプールおよび戻り止めリングの概略切欠側面図である。
【
図6】
図6は、代替的な実施形態による、縫合糸アンカードライバーの概略斜視図である。
【
図7】
図7は、代替的な実施形態による、縫合糸アンカードライバーの概略部分分解斜視図である。
【
図8】
図8は、代替的な実施形態による、第一の構成にあるアンカードライバーの戻り止めリングおよびスプールの概略側面図である。
【
図9】
図9は、代替的な実施形態による、第二の構成にあるアンカードライバーの戻り止めリングおよびスプールの概略側面図である。
【
図10】
図10は、別の代替的な実施形態による、縫合糸アンカードライバーの部分分解斜視図である。
【
図11】
図11は、さらに別の代替的な実施形態による、第一の構成にある縫合糸アンカードライバーの概略側面図である。
【
図12】
図12は、さらに別の代替的な実施形態による、ガイドに挿入された縫合糸アンカードライバーのドライバーの概略側面図である。
【
図13】
図13は、さらに別の代替的な実施形態による、第二の構成にある縫合糸アンカードライバーの概略側面図である。
【
図14】
図14は、さらに別の代替的な実施形態による、縫合糸アンカードライバーのスプールおよび縫合糸構成要素の概略斜視図である。
【
図15】
図15は、さらに別の代替的な実施形態による、縫合糸アンカードライバーのスプールの概略上面図である。
【
図16】
図16は、さらに別の代替的な実施形態による、縫合糸構成要素がその上に装填されたスプールの概略上面図である。
【
図17】
図17は、さらに別の代替的な実施形態による、縫合糸アンカードライバーに装填されたスプールの概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の態様および特定の特徴、利点、およびその詳細は、添付図面に図示した非限定的な例を参照しながらより完全に以下に説明される。本発明の詳細を不必要に不明瞭にしないよう、周知の構造の説明は省略される。しかしながら、本発明の態様を示しつつ、詳細な説明および特定の非限定的な例は、例示のみによって与えられ、限定されるものではないことが理解されるべきである。本発明の基礎となる概念の精神および/または範囲内での様々な置換、修正、追加、および/または配置は、本開示から当業者には明らかであろう。
【0013】
ここで図面を参照すると、同様の参照番号が全体を通して同様の部分を指しており、
図1は、一実施形態による、縫合糸アンカードライバー100の概略斜視図を示す。縫合糸アンカードライバー100はハンドル102を備える。ハンドル102は、中央長手方向y-y軸に沿って近位端104から遠位端106に延在する。ハンドル102は、例えば、円筒形または長方形などの任意の形状でありうる。図示した実施形態に示すように、ハンドル102は、ハンドル102がユーザーの手の中に適合するように構成されるように人間工学的に設計されている。ハンドル102は、プラスチックまたは任意のその他の適切な材料(本開示のレビューと併せて当業者によって理解されるべきであるように)からなりうる。
【0014】
ここで
図2を参照すると、一実施形態による、縫合糸アンカードライバー100の概略部分切欠底面図が示されている。
図1に示すアンカードライバー100はまた、ハンドル102の遠位端106内に延在するドライバー108も備える。ドライバー108は、ステンレス鋼などの金属または任意のその他の適切な材料(本開示のレビューと併せて当業者によって理解されるべきであるように)からなりうる。図示した実施形態では、ドライバー108は、中央長手方向y-y軸に沿って遠位端106から遠位に延在する。
【0015】
図1および
図2に示すように、アンカードライバー100はさらに、張力機構200を備える。張力機構200は、
図1に示すように、戻り止めリング202、スプール204、およびシャフト206を含む。
図1に示す実施形態では、ハンドル102は、その中に戻り止めリング202およびスプール204を軸方向に保持するようにサイズ決めされ、構成されたくぼみ110を含む。シャフト206は、くぼみ110内の中央に位置し、くぼみ100からハンドル102の第一の側面112に延在する。図示した実施形態では、シャフト206は、ハンドル102の第一の側面112を越えて延在しない(延在することは可能である)。さらに、
図1および
図2に示すように、シャフト206は、戻り止めリング202およびスプール204がくぼみ110内にシャフト206の周りに取り外し可能に取り付けられうるように、プロング端208を有する。プロング端208は、戻り止めリング202およびスプール204をくぼみ110内に維持するが、プロング端208のプロングが相互に向かって移動すると、戻り止めリング202およびスプール204はくぼみ110から取り外されうる。
【0016】
さらに
図2を参照すると、戻り止めリング202は、くぼみ110内にシャフト206の周りに位置付けられる。スプール204は次に、スプール204がハンドル102の第一の側面112に延在するように、くぼみ110内にシャフト206の周りに、戻り止めリング202上に位置付けられる。スプール204をくぼみ110内に挿入する前に、縫合糸300(縫合糸アンカー(図示せず)に接続されている)がスプール204の周りに巻かれる。縫合糸アンカー(図示せず)は、米国特許第9,826,971号に示され説明される全縫合糸または「軟質」アンカーなどの任意のアンカーであってもよく、米国特許第9,826,971号の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0017】
簡単な背景として、縫合糸アンカーが、本明細書で使用される場合、軟質縫合糸アンカーおよび硬質縫合糸アンカーを含むことができる。軟質縫合糸アンカーは、直径が骨穴のサイズよりも大きくなるように変形することにより、事前に形成された骨穴内に保持される縫合材料のフィラメントから形成され、それにより、海綿状骨内および骨皮質下に存在する。こうした一つの縫合糸アンカーが米国特許第9826971号で開示されている。軟質アンカーは通常、完全に縫合材料で作られているため、それらは「全縫合」アンカーと呼ばれることもあり、一般に繊維状構築物のアンカー本体部分(または、米国特許第9173652号に記載されているように、可撓性のウェブなどの繊維状、編組または織布タイプの構造)および、縫合糸またはフィラメント部分を含み、米国特許第9173652号の全体が本明細書に参照として組み込まれる。このような全縫合糸アンカーを挿入/配置するための方法および装置は公知であり、その例は、米国特許第9173652号に開示される。
【0018】
米国特許第8409252号に記述されるように、例えば、「非軟質」、「硬い」または「硬質」縫合糸アンカーは、一般に「硬い」アンカー本体部分(内側部材および外部部材を含んでもよいし、含まなくてもよい)および縫合糸/フィラメント部分を含む。こうした縫合糸アンカーのアンカー本体は、生体適合性および/または生体吸収性材料で形成され得る。これらの材料は、例えば、骨の治癒過程の間、身体によって再吸収されるこうした組成物のものであり得る。内側および外側部材での使用に適した例示的な材料には、ポリエーテルエーテルケトン(「PEEK」)、ポリ乳酸/β-リン酸三カルシウム(「PLA/ベータ-TCP」)複合材料、超高分子重量ポリエチレン(「UHMWPE」)、およびその他の金属、非金属、高分子材料が含まれるが、これらに限定されない。
【0019】
図2に示すように、縫合糸300の第一の端302は、スプール204内の開口部210を通して引っ張られて、スプール204の周りに巻かれる際に縫合糸300がほぐれることが防止されうる。別の実施形態では、スプール204は従来的なスロット、フック、またはコネクタを有して、縫合糸300の第一の端302を固定してもよい。縫合糸300は、
図2に示す通り、縫合糸300の第2の端304がドライバー108の近くにハンドル102から遠位に延在するように、スプール204から延在する。
図10に示す実施形態では、ハンドル102は、くぼみ110からハンドル102上のドライバー102に隣接する位置に延在するスロット114またはその他の開口部を含む。
【0020】
ここで
図3を参照すると、一実施形態による、縫合糸アンカードライバー100の張力機構200の戻り止めリング202の概略斜視図が示されている。図示した実施形態では、戻り止めリング202は、戻り止めリング202がハンドル102のくぼみ110内に配置された時に、張力機構200のシャフト206を収容する中央開口部212を含む。戻り止めリング202はまた、戻り止めリング202の表面216から延在する一つ以上のフィンガー様の突起214を含む。フィンガー様の突起214は、以下に説明するようにスプール204を係合する。
【0021】
図1~
図2に戻ると、スプール204は同様に、ハンドル102のくぼみ110内にシャフト206を収容するための中央開口部213を含む。スプール204はまた、そこから延在する複数の隆起、歯またはその他の突出部218を含む。歯218は、スプール204から戻り止めリング202の表面216に向かって延在する。戻り止めリング202およびスプール204がくぼみ110内に取り付けられると、戻り止めリング202のフィンガー様の突起214がスプール204の歯218に隣接する。
【0022】
ここで
図4および
図5を参照すると、一実施形態による、第一の構成および第二の構成におけるスプール204および戻り止めリング202の概略切欠側面図がそれぞれ示されている。第一の構成では、
図4に示す通り、戻り止めリング202の突起214は、スプール204の二つの歯218の間のギャップ220内にある。張力機構200を第二の構成に移動させるためには、スプール204を回転させる。スプール204は、縫合糸300に牽引力が印加されると回転する。縫合糸300への牽引力により、スプール204に対してトルクがかかってスプール204が回転する。
【0023】
スプール204は、スプール204の歯218の間のギャップ220内に延在する戻り止めリング202の突起214、またはスプール204の歯218上の捕捉のために回転に抵抗する。回転に対する抵抗は、縫合糸300に取り付けられたアンカー(図示せず)に力を印加する。力は、配置可能な縫合糸アンカー(図示せず)を拡張させる、あるいはその最終形状に向けて形成させる。力は、
図5に示すように、戻り止めリング202の突起214が抵抗または牽引力を克服して、歯218間のギャップ220から移動して複数の歯218のうちの一つと整列するまで縫合糸に対して印加される。縫合糸300にかかる追加的な張力により、戻り止めリング202の突起214が隣接するギャップ220内に移動し、ここでスプール204は回転に対して抵抗する。上述のように、抵抗は縫合糸アンカー(図示せず)に力を印加し、縫合糸アンカーをその最終形状へと配置または形成させる。こうして、張力は、選択された数のスプール204の回転を通して、縫合糸アンカー(図示せず)に選択的に印加されうる。
【0024】
ここで
図6および
図7を参照すると、代替的な実施形態による縫合糸アンカードライバー100の概略部分分解斜視図が示されている。図示した実施形態では、アンカードライバー100の張力機構200の戻り止めリング202は、
図1~
図2の実施形態に示す突起214の代わりに一つ以上のアーム214’を含む。
図7では、アーム214’は半径方向に延在するが、
図1~
図2では、突起214は戻り止めリング202の表面216からハンドル102の第一の側面112に向かって延在する。半径方向アーム214’を収容するために、
図6~
図7のスプール204の実施形態は、スプール204の中央開口部213に向かって内側に延在する放射状の隆起、歯またはその他の突出部218’を含む。
【0025】
ここで
図8および9を参照すると、代替的な実施形態による(
図6~
図7および
図10に関連して示され説明される代替的な実施形態の一部分に適用および実質的に例示できる)第一の構成および第二の構成における、アンカードライバー100の戻り止めリング202およびスプール204の概略側面図がそれぞれ示されている。第一の構成では、
図8に示すとおり、戻り止めリング202のアーム214’は、スプール204の歯218’の間のギャップ220’内にある。張力機構200を第二の構成に移動させるためには、スプール204を縫合糸300に印加された牽引力によって回転させる。上述のように、スプール204は回転に抵抗し、縫合糸アンカー(図示せず)に力を印加して、縫合糸アンカーを部分的に配置する。スプール204は、
図9に示すように戻り止めリング202のアーム214’が最終的に歯218’の間のギャップ220’から移動して歯218’と整列するまで、回転に抵抗する。上述のように、スプール204の継続的な回転はそれぞれ、縫合糸300および縫合糸アンカー(図示せず)に追加的な力を印加し、縫合糸アンカー(図示せず)を配置する。
【0026】
ここで
図10を参照すると、別の代替的な実施形態による、縫合糸アンカードライバー100の概略部分分解斜視図が示されている。
図6~
図9に示す実施形態と同様に、
図10のアンカードライバー100は、そこから半径方向に延在するアーム214’を有する戻り止めリング202を有する。放射状のアーム214’は、
図10に示す通り、スプール204の放射状の隆起、歯、またはその他の突出部218’を係合する。しかしながら、
図10に示す実施形態では、張力機構200のシャフト206’は、プロング端208(
図1に示す)を有さない。図示した実施形態では、シャフト206’は剛性管であり、円筒形の形状である。戻り止めリング202およびスプール204をハンドル102のくぼみ110内に維持するために、張力機構200は追加的に締結具222を含む。図示した実施形態では、締結具222は、そこから中央に延在するステム226を有するキャップ224である。使用時には、締結具222のステム226は、スプール204の開口部213および戻り止めリング202内の開口部212を通して、さらに管状シャフト206’内の内側チャネル228を通して配置される。
【0027】
ここで
図11~
図13を参照すると、さらに別の代替的な実施形態による、第一の構成と第二の構成との間の縫合糸アンカードライバー400の概略側面図が示されている。
図11~
図13に示す実施形態では、アンカードライバー400は、中央長手方向y-y軸に沿って近位端404から遠位端406に延在するハンドル402を備える。ハンドル402は、プラスチックまたは任意のその他の適切な材料からなり、ユーザーの手の中に適合するように人間工学的に設計された任意の形状でありうる(
図1~
図10に示す実施形態と併せて説明するように)。
図11に示すアンカードライバー400はまた、ハンドル402の遠位端406内に延在するドライバー408も備える。ドライバー408は、金属(または任意のその他の適切な材料)からなってもよく、中央長手方向y-y軸に沿って遠位端406から遠位に延在する。
図11に示すように、ハンドル402は、張力機構500のスプール504を受容するくぼみ410を含む。図示した実施形態では、スプール504はくぼみ410内にスライドし、ハンドル402のアームまたはロッドなどの張力機構500のバリア部材502によってくぼみ410内に保持される。
【0028】
図14~
図17を簡単に参照すると、さらに別の代替的な実施形態による、スプール504および縫合糸構成要素600の様々な図が示されている。
図14は、縫合糸アンカードライバー400のスプール504および縫合糸構成要素600の斜視図を示す。縫合糸構成要素600は、その中に埋め込まれた、あるいはフックされた針604を有する発泡体ブロック602と、針604に取り付けられた縫合糸606の長さとを含む。縫合糸構成要素600はまた、縫合糸300の長さ上に縫合糸アンカー306を含む。図示した実施形態では、針604は湾曲しているか、またはフック状である。
【0029】
図15は、第一の表面506と第二の表面508を有し、それらの間に少なくとも部分的に分離された第一のチャネル510および第二のチャネル512を有する、スプール504の一実施形態を示す。
図15および
図16(および
図11)の両方に示すように、スプール504の第二の表面508は、複数の半径方向に延在する歯514を含む。スプール504の第二のチャネル512は、
図16に示す通り、発泡体ブロック602を収容またはその他の方法で収納するように構成されたくぼみ516を含む。
【0030】
針604は湾曲しているか、またはフック状であるため、針604は、発泡体ブロック602がスプール504のくぼみ516内に挿入された時に、第二のチャネル512に沿って延在する。
図17に示すように、針604に取り付けられた縫合糸606の長さは、第一のチャネル510の周りに巻かれる。針604に取り付けられた縫合糸606の長さがスプール504に装填された後、スプール504はハンドル402のくぼみ410内に配置される。
図11に示すように、スプール504は、第二の表面508および歯514がハンドル402のバリア部材502に隣接するように、くぼみ410内に配置される。縫合糸アンカー306(および取り付けられた縫合糸300)もまた、ドライバー408上に装填される。
【0031】
さらに
図11を参照すると、ハンドル402は、アンカードライバー400が第一の構成にある時に、歯止め412またはスプール504の複数の歯514のうちの二つの間のギャップ518内に延在するその他の類似の突出部を有するロックアーム416を追加的に含む。第一の構成では、縫合糸アンカー306を固定の張力を有する縫合糸300と共に挿入しうるように、歯止め412は、スプール504がハンドル402のくぼみ410内で回転することを防止する。具体的には、縫合糸アンカー306は、縫合糸300にかかる張力によって、ハンドル402のスプール504に接続されている予め形成された穴(または骨穴)内に挿入される。スプール504は回転できないため、縫合糸300にスラック(または張力の低減)が導入されない。縫合糸アンカー306上に固定の張力がかかると、
図12に示す通り、ドライバー408によって縫合糸アンカー306がガイド700を通して骨穴に挿入される。
【0032】
ここで
図13を参照すると、さらに別の代替的な実施形態による、第二の構成における縫合糸アンカードライバー400の側面図が示されている。図示した実施形態では、ドライバー408は、ガイド700内に可能な限り遠くに進んでいる。ガイド700は、歯止め412を有するロックアーム416に隣接するハンドル402内のスロット414に入る特徴702を含む。ドライバー408がガイド700の中へと可能な限り遠くに延在するのにつれて、ガイド700の特徴702がスロット414に入り、ロックアーム416をスプール504から離れる方向に偏向させる。ロックアーム416がスプール504から離れる方向に偏向するため、歯止め412はスプール504の歯514の間のギャップ518を係合解除する。次いで、スプール504がハンドル402のくぼみ410内で自由にスピンする、あるいは回転する。スプール504はくぼみ410内でスピンできるため、針604および取り付けられた縫合糸606の長さ、および縫合糸300(縫合糸アンカー306に接続された)がハンドル402からほどかれ(すなわち、取り外され)、縫合糸アンカー306の配置が完了しうる。
【0033】
本明細書で定義され使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書内の定義、および/または定義された用語の通常の意味を制御するために理解されるべきである。
【0034】
本明細書で様々な実施形態が説明され、図示されてきたが、当業者は、本明細書に記載の機能を実施し、および/または結果および/または一つもしくは複数の利点を得るための様々な他の手段、および/または構造を容易に想起するであろうし、そのような変形および/または変更の各々は、本明細書に記載の実施形態の範囲内であると見なされる。より一般的に、当業者は、本明細書に記載されるすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成が、例示的であり、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成が、教示が使用される一つまたは複数の特定の用途に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、本明細書に記載される特定の実施形態に対する多数の同等物を単に通常の実験を用いて認識することができ、または確認することができる。従って、前述の実施形態は、単に例示的なものとして提示されており、添付した特許請求の範囲およびその等価物の範囲内で、実施形態は、具体的に説明および請求された以外のその他の方法で、実行できることが理解されよう。本開示の実施形態は、本明細書に記載される個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法を対象とする。さらに、こうした特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、二つ以上のこうした特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせが、本開示の範囲内に含まれる。
【0035】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためであり、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。用語「備える(comprise)」(および「備える(comprises)」や「備える(comprising)」などのcompriseの任意の形式)、「有する(have)」(および「有する(has)」や「有する(having)」などのhaveの任意の形式)、「含む(include)」(および「含む(includes)」や「含む(including)」などのincludeの任意の形式)、および「包含する(contain)」(および「包含する(contains)」や「包含する(containing)」などのcontainの任意の形式)は、オープンエンドのリンク動詞であることがさらに理解されるだろう。結果として、一つまたは複数のステップまたは要素を「備える(comprise)」、「有する(have)」、「含む(include)」または「包含する(contain)」方法またはデバイス。同様に、一つまたは複数の特徴を「備える(comprise)」、「有する(have)」、「含む(include)」または「包含する(contain)」方法のステップ、またはデバイスの要素は、それら一つまたは複数の特徴を有するが、それらの一つまたは複数の特徴のみを保持することに限定されない。さらに、特定の方法で構成されるデバイスまたは構造は、少なくともそのように構成されるが、リストされていない方法で構成することもできる。
【0036】
以下の特許請求の範囲の全ての手段またはステッププラス機能要素の対応する構造、材料、行為および同等物は、もしあれば、具体的に請求される他の特許請求の要素と組み合わせて、機能を実行するための構造、材料または行為を含むことを意図している。本発明の説明は、例示および説明の目的で提示されてきたが、本発明に開示された形態で網羅的または限定されるものではない。多くの修正および変形は、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。実施形態は、本発明の一つまたは複数の態様の原理および実際の応用を最もよく説明し、当業者が、考えられる特定の用途に適した様々な修正を有する様々な実施形態について本発明の一つまたは複数の態様を理解できるように選択および説明された。