(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】装飾部品を製造する方法
(51)【国際特許分類】
C25D 7/00 20060101AFI20220518BHJP
C23C 28/00 20060101ALI20220518BHJP
C25D 5/34 20060101ALI20220518BHJP
C25D 11/04 20060101ALI20220518BHJP
C25D 11/16 20060101ALI20220518BHJP
C25D 11/26 20060101ALI20220518BHJP
G04B 45/00 20060101ALI20220518BHJP
C25D 11/14 20060101ALN20220518BHJP
【FI】
C25D7/00 B
C23C28/00 A
C23C28/00 C
C25D5/34
C25D11/04 305
C25D11/16
C25D11/26 302
G04B45/00 D
C25D11/14 Z
(21)【出願番号】P 2020555321
(86)(22)【出願日】2019-06-18
(86)【国際出願番号】 EP2019066099
(87)【国際公開番号】W WO2020002060
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2020-10-09
(32)【優先日】2018-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599044744
【氏名又は名称】コマディール・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ロマン,ジョアン
(72)【発明者】
【氏名】ル ブドゥワル,ダミアン
(72)【発明者】
【氏名】オーブリー,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ヴュイユ,ピエリ
(72)【発明者】
【氏名】ネトゥシル,アレクサンドル
【審査官】池ノ谷 秀行
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-144489(JP,A)
【文献】特開2001-068828(JP,A)
【文献】特開2008-089533(JP,A)
【文献】特開2008-275522(JP,A)
【文献】特表2012-502813(JP,A)
【文献】特表2012-512385(JP,A)
【文献】特開2013-024878(JP,A)
【文献】特開2013-167628(JP,A)
【文献】特開2014-121608(JP,A)
【文献】特表2016-506264(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0229307(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 5/00 - 7/12
G04B 37/22
G04B 45/00 - 45/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非導電性材料で構成された支持体(2)を備える
装飾部品(1)を製造する方法であって、前記支持体(2)は、導電性材料で構成された美的要素(3)が充填される少なくとも1つの凹部(4)を有し、前記美的要素(3)は、可視面となる前記部品(1)の面(2a)において装飾を形成するものであり、前記方法は、
前記少なくとも1つの凹部(4)を有する前記支持体(2)を準備するとともに、前記部品(1)の前記美的要素(3)を形成するためのプリフォームを準備するステップと、
前記支持体(2)の前記少なくとも1つの凹部(4)に前記プリフォームを圧入により嵌め込むステップと、を含み、
前記方法は、次に、前記美的要素(3)の表面を電気化学的に処理する電気化学的表面処理ステップを含み、前記少なくとも1つの凹部(4)は、前記表面処理において前記美的要素(3)に電流を流すための1つ以上の接点(4b)をそれぞれ形成するために、非可視面となる前記部品(1)の面(2b)における1つ以上の箇所で開口している、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記支持体(2)は、セラミック、サファイア、およびエナメルから選択された材料で構成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記美的要素(3)は、非晶質金属、結晶質金属、またはそれらの合金の1つ、で構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記美的要素(3)は、アルミニウム合金、チタン合金、または貴金属合金で構成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記嵌め込むステップに続く機械的研削ステップの後に、前記電気化学的表面処理ステップを実行することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの凹部(4)に嵌め込まれた前記美的要素(3)に石(6)をセットするステップの後に、前記電気化学的表面処理ステップを実行することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記電気化学的表面処理ステップは、陽極酸化プロセスまたは貴金属の金属堆積プロセスであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
非導電性材料で構成された支持体(2)を備える部品(1)であって、前記支持体(2)は、導電性材料で構成された美的要素(3)が充填されている少なくとも1つの凹部(4)を有し、前記美的要素(3)は、前記部品(1)の可視面(2a)において装飾を形成するものであり、前記部品(1)は、
前記少なくとも1つの凹部(4)は、非可視面となる前記部品(1)の面(2b)における1つ以上の箇所で開口していることと、
前記美的要素(3)は、前記可視面(2a)から露出している前記美的要素(3)の表面に被覆層を有することと、
前記被覆層は、陽極酸化層または貴金属の金属層であること
と、
前記部品は、時計製作用または宝飾品用の外装部品であること
を特徴とする部品。
【請求項9】
前記支持体(2)は、セラミック、サファイア、およびエナメルから選択された材料で構成されることを特徴とする、請求項8に記載の部品(1)。
【請求項10】
前記美的要素(3)は、非晶質金属、結晶質金属、またはそれらの合金の1つ、で構成されることを特徴とする、請求項8または9のいずれか一項に記載の部品(1)。
【請求項11】
前記美的要素(3)は、アルミニウム合金、チタン合金、または貴金属合金で構成されることを特徴とする、請求項8~10のいずれか一項に記載の部品(1)。
【請求項12】
前記部品は、前記美的要素(3)が嵌め込まれた前記少なくとも1つの凹部(4)を有する前記支持体(2)を形成する時計ベゼルであり、前記美的要素(3)は、前記ベゼルのインデックスまたは環状部分を形成している、ことを特徴とする、請求項
8~11のいずれか一項に記載の部品(1)。
【請求項13】
前記部品は、前記美的要素(3)が嵌め込まれた前記少なくとも1つの凹部(4)を有する前記支持体(2)を形成するミドルケースであり、前記美的要素(3)は、前記ミドルケースのホーン(5a)にまで及ぶ前記ミドルケースの部分を形成している、ことを特徴とする、請求項
8~11のいずれか一項に記載の部品(1)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの凹部(4)は、前記ミドルケースの前記ホーン(5a)に配置されたバネ棒挿入孔(7)に連通していることを特徴とする、請求項
13に記載の部品(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾部品を製造する方法に関する。より具体的には、本発明は、非導電性材料で構成された支持体に嵌め込まれる導電性の美的要素を備える装飾部品を製造する方法に関するものである。この製造方法は、嵌め込みステップの後に、嵌め込まれた要素の電気化学的表面処理ステップを含む。
【背景技術】
【0002】
計時器外装部品を美的要素で装飾することが知られている。例えば、インデックスのようなモチーフで装飾された時計ベゼルがある。一般的にはセラミック製であるこれらのベゼルは、金、銀、または白金のような様々な材料を用いて様々な方法で指標を付けることが可能である。この指標付けは、凸部または凹部で構成することができる。凹状の指標の場合、これは、支持体に予め機械加工された凹部に充填することにより実現される。このような指標付けを実現するために用いる原理は、最初に物理気相成長(PVD)によって導電性接着層を堆積させることにある。接着層を堆積させたら、電鋳によって凹部に金属を充填する。この方法は、複雑であるとともに極めて時間がかかるという欠点がある。
【0003】
特許文献1に記載されている他の方法は、支持体に設けられた凹部に美的要素を圧入することにより嵌め込むことにある。この文献は、より具体的には、例えば、時計ベゼル上にインデックスを形成するために、非晶質金属材料で構成された美的要素をホットプレスによってセラミック製の支持体内に嵌め込む方法について記載している。この方法は、実施が簡単であるとともに、非常に再現性が高く、ほとんどの支持体に適合するという利点がある。様々に異なる材料を嵌め込むことによって、いくつかの色および仕上げを組み合わせることが可能となる。しかしながら、そのような部品の生産コストは極めて高く、多くの場合、使用する材料によって仕上げが決まり、ゴムのような材料の場合はマット仕上げ、金属の場合はサテン仕上げである。さらに、実現できる色の範囲は、限定されるか、または非常に長い開発期間を要することが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、製造コストを削減しつつ、実現できる色および仕上げの範囲を拡大することを可能とする、装飾部品を製造する新規の方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のため、本発明は、支持体内に要素を圧入することによる嵌め込み方法の利点と電気化学的表面処理の利点とを組み合わせて、実現できる色および仕上げを所望通りに変更することを可能とするとともに、嵌め込まれた要素の上に保護層を形成することを可能とする製造方法を提案する。
【0007】
本発明は、より具体的には、セラミックのような非導電性材料で構成された支持体内に導電性要素を嵌め込むことに関する。従って、本発明の発明性は、それぞれの嵌め込まれた要素に電流を供給するために、視認できないがアクセス可能な接点を支持体上に構成することにある。
【0008】
これを実現するため、支持体は、美的要素を嵌め込むための少なくとも1つの凹部を有し、その少なくとも1つの凹部は、表面処理中に美的要素に電流を流すことを可能とする1つ以上の接点をそれぞれ形成するために、非可視面となる部品の面における1つ以上の箇所で開口している。これらの視認できない接点によって、時計ベゼルのタキメータスケールのような多数の微細な装飾に電流を流すことが可能である。処理に応じて、これらの装飾において、幅広い範囲の色さらには色階調を得ることができる。これらの接点によって、それぞれの装飾に同じ電気化学的処理を施すことが可能となり、または場合によっては、電気化学的処理ごとに装飾のうちの1つ以上のみに電流を流すことにより、様々に異なる処理を組み合わせることが可能となる。また、より低コストの材料で構成された要素を嵌め込んだ後に、それを、アルミニウムの場合は陽極酸化処理によって硬化させることも想定できる。さらに、より低コストの金属材料で構成された要素を嵌め込んだ後に、貴金属を堆積させることも想定できる。この場合、使用される貴金属の量は最小限であり、材料の無駄がない。
【0009】
この電気化学的処理は、嵌め込まれた装飾の最終的な表面状態である研磨、サテン仕上げ、サンドブラストで実施され、従って、製造プロセスの最後に実施される。
【0010】
本発明の他の特徴および効果は、添付の図面を参照して非限定的な例として提示される好ましい実施形態についての以下の説明において明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、装飾部品の平面図を示しており、より正確には、本発明の製造方法によって嵌め込まれるとともに電気化学的に処理されたインデックスを有する、時計ベゼルを示している。
【
図2】
図2は、この同じ装飾部品の部分断面図を示している。
【
図3】
図3は、支持体にプリフォームを嵌め込むステップを概略的に示している。
【
図4】
図4は、支持体にプリフォームを嵌め込むステップを概略的に示している。
【
図5】
図5は、支持体にプリフォームを嵌め込むステップを概略的に示している。
【
図6】
図6Aは、いくつかの美的要素が嵌め込まれたベゼルの前面すなわち可視面の図、および1つの美的要素に注目した断面図を示している。
図6Bは、この同じベゼルの裏面の図を示している。
【
図7】
図7Aは、バネ棒挿入孔に連通した凹部をミドルケースに有する、時計ケースの3次元図を示している。
図7Bは、凹部に嵌め込まれた美的要素を有する、この同じ時計ケースを示している。
図7Cは、凹部に嵌め込まれるとともに石がセットされた美的要素を有する、この同じ時計ケースを示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、1つ以上の凹部を備えた支持体内にホットプレスによって1つ以上の美的要素を嵌め込むステップを含み、さらに、その美的要素の表面を電気化学的に処理するステップを含む、装飾部品を製造する方法に関する。本発明は、さらに、この方法で製造される装飾部品に関する。その部品は、特に、ベゼル、文字盤、ケース、竜頭、プッシュボタン、クリスタル、ブレスレット要素などのような、計時器外装部品とすることができる。
図1および2に示す例では、部品1は、支持体2を形成する環状体を有する時計ベゼルであり、インデックスを形成する美的要素3を受容するために支持体2に配置された凹部4を備える。
図7A~7Cに示す他の例では、部品1は、石6がセットされる美的要素3がそれぞれ1つずつ嵌め込まれた2つの凹部4を備えた、時計ミドルケース5である。
【0013】
本発明によれば、支持体は、セラミック、エナメル、サファイアなどのような非導電性材料で構成される。美的要素は、結晶質または非晶質の金属合金のような導電性材料で構成される。例えば、それは、アルミニウム合金、チタン合金、または金合金もしくは白金合金のような貴金属合金であってよい。従って、さらなる例として、部品は、結晶質アルミニウム合金で構成されたインデックスを有するジルコニア製の時計ベゼルで構成することができる。
【0014】
支持体2は、レーザエッチング、機械加工などによって形成された少なくとも1つの凹部4を有する。凹部4は、可視面となる支持体2の面2aにおいて、所望の装飾の輪郭に対応した形状4aを有する(
図2)。本発明によれば、凹部のうちの少なくとも1つは、支持体2の非可視面2bにおいて開口している。効果的には、美的要素3は、凹部4の全空間に充填されており、支持体2の面2aから突き出ているか、または支持体2の面2aと同一平面である。変形例では、美的要素は、凹部の空間に部分的にのみ充填されることも想定できる。
【0015】
本発明によれば、美的要素は、ホットプレスによって支持体の凹部に嵌め込まれる。プレス温度は、嵌め込まれる材料によって異なる。例えば、結晶質金属合金の場合、美的要素を構成する合金の固相線温度と液相線温度の間の温度で、嵌め込みを実施する。非晶質金属合金の場合、その合金のガラス転移温度Tgと結晶化温度Txの間の温度で、嵌め込みを実施する。同様に、材料に応じて圧力を適応させる。例えば、印加荷重は、300~1000kgの間であってよい。欧州特許第2315673号に記載されているのと同様の方法で、嵌め込みを実施する。より正確には、
図3~5を用いて、本発明による製造方法の嵌め込みステップを概略的に示している。最初に、凹部(群)4、および美的要素(群)3を形成するためのプリフォーム(群)、を備えた支持体2を準備する(
図3)。インデックスで装飾される時計ベゼルの場合、嵌め込まれる美的要素は、リング径およびリング幅がインデックスのそれと略等しい寸法の環状プリフォームの形態を呈する。プリフォーム3を、支持体2の面2a上で凹部4の位置に配置する。このアセンブリをプレス内に配置して、圧力P下での嵌め込みを、材料が軟化する上記の温度範囲内で実施する(
図4)。凹部に合金を嵌め込むステップの後に続いて、冷却ステップを実施し、さらに場合によっては、美的要素3の余り部分を除去する(
図5)ことを可能にするとともに、支持体と美的要素の可視面を切れ目なく互いにつなげることを可能とする研磨のような、上面2aおよび美的要素3の機械的研削ステップを実施する。
【0016】
例えば、ジルコニア系の支持体に7075アルミニウム金属合金を嵌め込む場合、プリフォームを、550℃で90秒間加熱して、750kgのオーダの荷重でプレスした。
【0017】
嵌め込みステップおよび場合によっては機械的研削ステップの後に、美的要素に仕上げ処理を施す。この仕上げ処理は、材料の外観および/または硬度を変化させることを目的とした、嵌め込まれた金属材料の選択的な電気化学的処理からなる。それは、着色を伴う陽極酸化または着色を伴わない陽極酸化、銀、金、ロジウム、白金などのような貴金属の堆積、であってよい。従って、より低コストのアルミニウム合金を嵌め込んだ後に、それを陽極酸化によって硬化させること、または、より低コストの導電性材料を嵌め込んだ後に、貴金属でメッキすること、が想定できる。本発明が対象とする支持体は非導電性であるので、その難しさは、電気化学的処理の際に、装飾部品上で絶対に視認できてはいけない接点を介して、美的要素に電流を流すことにある。この目的のため、凹部のうちの1つ以上は、装飾部品の非可視面となる面において開口するように構成される。非可視面において開口しているこれらの凹部は、嵌め込まれた美的要素に電流を流すことを可能とするほど多くの接点を形成する。嵌め込みよって形成される金属のインデックスを有するセラミック製の時計ベゼルの例に戻ると、
図2に示すように、インデックスのそれぞれのための凹部4は、ベゼル1の裏面2bにおいて開口している。接点4bによって、電気化学的処理の際にインデックスのそれぞれに電流を流すことが可能となる。支持体2の裏面2bにおけるこれらの接点4bは、支持体2の可視面2aにおいて開口している凹部の部分4aの断面よりも小さい断面を有することができる。これらの接点によって、それぞれのインデックスに同じ電気化学的処理を施すことが可能となり、または場合によっては、電気化学的処理ごとにインデックスのうちの1つ以上のみに電流を流すことにより、様々に異なる処理を組み合わせることが可能となる。
【0018】
図6Aおよび7Bの例のように、美的要素3がより大きいサイズである場合、美的要素の均一な電気化学的処理を確保するためには、美的要素ごとに複数の接点が必要となることがある。
図6Aでは、例として、ベゼル1の可視面2aの環状部分に3つの美的要素3が配置される。この構成では、非導電性材料で構成されたインデックスを含む基板2上に、美的要素3が嵌め込まれる。これらの3つの要素に電流を流すことを可能とする接点を形成するために、ベゼル1は、
図6Bに示すその裏面2bに、凹部4と連通した複数のオリフィス4bを備える。
図6Aの断面図に示すように、美的要素3ごとに2つの接点4bを設ける。
図7Bおよび7Cは、支持体に配置された凹部に嵌め込まれた美的要素の他の構成を示している。嵌め込まれた美的要素3は、時計ミドルケース5のホーン5aにまで及ぶとともに、後続の工程で石6をセットするための複数の収容部3aを有しており、これは、セラミックのような低延性材料で構成された時計ケースを装飾するのに特に効果的である。他の例と同様に、美的要素を受容する凹部は、時計ケースの非可視面において少なくとも1つの箇所で開口している。従って、
図7Aに示すように、凹部4はバネ棒挿入孔7と連通することが想定できる。当然のことながら、凹部4は、美的要素3に電流を流す接点を形成することを可能とする他の貫通オリフィスによって、複数箇所で連通することができる。このように、本発明は、時計ケースの非可視面に設けられた接点(群)によって、石がセットされた後の美的要素を電気化学的に処理することを可能とする。
【0019】
時計製作で用いる装飾部品の場合について、より具体的に本発明について説明したが、本発明による方法は、宝飾品、テレフォニー、自動車産業などのような他の多くの分野における装飾部品の製造に適用されることは明らかである。
【符号の説明】
【0020】
1 装飾部品
2 支持体
2a 可視面
2b 非可視面
3 美的要素またはプリフォーム
3a 収容部
4 凹部
4a 支持体の可視面において開口している部分
4b 接点とも呼ばれる、支持体の非可視面において開口している部分
5 時計ケース
5a ホーン
6 石
7 バネ棒挿入孔