(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】情報処理システム、コンピュータシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220518BHJP
G16H 70/40 20180101ALI20220518BHJP
【FI】
G06Q30/02 300
G16H70/40
(21)【出願番号】P 2021042046
(22)【出願日】2021-03-16
【審査請求日】2021-03-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513007239
【氏名又は名称】エンサイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】原田 康行
(72)【発明者】
【氏名】田中 朝
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-091199(JP,A)
【文献】特開2018-081529(JP,A)
【文献】特開2006-189981(JP,A)
【文献】特許第5492336(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置と、当該端末装置と情報交換可能に接続されたコンピュータシステムとを備える情報処理システムであって、
前記端末装置は、対象薬剤の入力を受け付け、当該受け付けた対象薬剤を識別する情報を前記コンピュータシステムへ送信し、
前記コンピュータシステムは、
記憶装置に記憶された薬剤売上データを集計して得られた前記対象薬剤の単位期間におけ
る全体エリアの
規格単位数量合計を、
記憶装置に記憶されたレセプトデータを集計して得られた当該対象薬剤の単位期間における
全体エリアの平均投与日数と当該対象薬剤の
全体エリアの1人あたりの1日平均投与量で割ることによって、単位期間における対象薬剤の全体エリアにおける処方患者数を決定し、前記決定された単位期間における対象薬剤の全体エリアにおける処方患者数に、全体エリアの
規格単位数量合計に占める対象エリアの
規格単位数量合計の比率を乗じることによって、単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を決定し、当該単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を前記端末装置へ送信し、
前記端末装置は、当該単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を受信し、当該受信した処方患者数を表示制御する
情報処理システム。
【請求項2】
前記端末装置は、対象エリアの入力を更に受け付け、当該受け付けた対象エリアを前記コンピュータシステムへ送信し、
前記コンピュータシステムは、前記決定された対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数と、
前記レセプトデータに基づいて当該対象薬剤が処方された年代が集計されることで得られた全体エリアにおける当該対象薬剤が処方された年代比率を少なくとも用いて、当該対象エリアにおける当該対象薬剤の年代別の処方患者数または患者比率を決定し、当該年代別の処方患者数または患者比率を前記端末装置へ送信し、
前記端末装置は、前記年代別の処方患者数または患者比率を受信し、当該受信した処方患者数または患者比率を表示制御する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記コンピュータシステムは、前記決定された対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数に対して全体エリアにおける当該対象薬剤が処方された前記年代比率を乗じ、第1の補正係数を乗じ、更に第2の補正係数を乗じて前記年代別の処方患者数または患者比率を決定し、
前記第1の補正係数は、全体エリアに占める当該年代の比率に対する前記対象エリアの当該年代の比率の割合、または全体エリアに占める当該年代の人口に対する前記対象エリアの当該年代の人口の割合であり、
前記第2の補正係数は、前記対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数を対象エリアの年代別の中間補正後患者数の合計で割った値であり、当該年代別の中間補正後患者数は、前記決定された対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数に対して全体エリアにおける当該対象薬剤が処方された前記年代比率を乗じ、第1の補正係数を乗じた値である
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記端末装置は、対象エリアの入力を更に受け付け、当該受け付けた対象エリアを前記コンピュータシステムへ送信し、
前記コンピュータシステムは、前記決定された対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数に、
前記レセプトデータに基づいて当該対象薬剤が処方された診療科が集計されることで得られた全体エリアの診療科比率をかけることによって、当該対象エリアにおける当該対象薬剤の診療科別の処方患者数または患者比率を決定し、当該診療科別の処方患者数または患者比率を前記端末装置へ送信し、
前記端末装置は、前記診療科別の処方患者数または患者比率を受信し、当該受信した診療科別の処方患者数または患者比率を表示制御する
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記コンピュータシステムは、前記決定された対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数に対して全体エリアにおける当該対象薬剤が処方された前記診療科比率を乗じ、第3の補正係数を乗じ、更に第4の補正係数を乗じて前記診療科別の処方患者数または患者比率を決定し、
前記第3の補正係数は、全体エリアに占める当該診療科比率に対する前記対象エリアの当該診療科比率の割合、または全体エリアに占める当該診療科の医師数に対する前記対象エリアの当該診療科の医師数の割合であり、
前記第4の補正係数は、前記対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数を対象エリアの診療科別の中間補正後患者数の合計で割った値であり、当該診療科別の中間補正後患者数は、対象薬剤について単位期間における対象エリアにおける処方患者数に対して、対応する診療科の処方患者比率を乗じ、更に対応する診療科の第3の補正係数を乗じる値である
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記コンピュータシステムは、前記全体エリアに含まれるエリアそれぞれを対象エリアとして、単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を決定する
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
ユーザによって入力された対象薬剤を取得する取得部と、
記憶装置に記憶された薬剤売上データを集計して得られた前記対象薬剤の単位期間におけ
る全体エリアの
規格単位数量合計を、
記憶装置に記憶されたレセプトデータを集計して得られた当該対象薬剤の単位期間における
全体エリアの平均投与日数と当該対象薬剤の
全体エリアの1人あたりの1日平均投与量で割ることによって、単位期間における対象薬剤の全体エリアにおける処方患者数を決定し、前記決定された単位期間における対象薬剤の全体エリアにおける処方患者数に、全体エリアの
規格単位数量合計に占める対象エリアの
規格単位数量合計の比率を乗じることによって、単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を決定する処理部と、
を備えるコンピュータシステム。
【請求項8】
コンピュータに、
ユーザによって入力された対象薬剤を取得する手順、
記憶装置に記憶された薬剤売上データを集計して得られた前記対象薬剤の単位期間におけ
る全体エリアの
規格単位数量合計を、
記憶装置に記憶されたレセプトデータを集計して得られた当該対象薬剤の単位期間における
全体エリアの平均投与日数と当該対象薬剤の
全体エリアの1人あたりの1日平均投与量で割ることによって、単位期間における対象薬剤の全体エリアにおける処方患者数を決定し、前記決定された単位期間における対象薬剤の全体エリアにおける処方患者数に、全体エリアの
規格単位数量合計に占める対象エリアの
規格単位数量合計の比率を乗じることによって、単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を決定する手順、
を実行させるためのプログラム。
【請求項9】
端末装置と、当該端末装置と情報交換可能に接続されたコンピュータシステムとを備える情報処理システムであって、
前記端末装置は、対象薬剤の入力を受け付け、当該受け付けた対象薬剤を識別する情報を前記コンピュータシステムへ送信し、
前記コンピュータシステムは、記憶装置に記憶された薬剤
売上データを集計して得られた前記対象薬剤の単位期間における対象エリアの規格単位数量合計を、記憶装置に記憶されたレセプトデータを集計して得られた当該対象薬剤の単位期間における全体エリアの平均投与日数と当該対象薬剤の全体エリアの1人あたりの1日平均投与量で割ることによって、単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を決定し、当該単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を前記端末装置へ送信し、
前記端末装置は、当該単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を受信し、当該受信した処方患者数を表示制御する
情報処理システム。
【請求項10】
ユーザによって入力された対象薬剤を取得する取得部と、
記憶装置に記憶された薬剤
売上データを集計して得られた前記対象薬剤の単位期間における対象エリアの規格単位数量合計を、記憶装置に記憶されたレセプトデータを集計して得られた当該対象薬剤の単位期間における全体エリアの平均投与日数と当該対象薬剤の全体エリアの1人あたりの1日平均投与量で割ることによって、単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を決定する処理部と、
を備えるコンピュータシステム。
【請求項11】
ユーザによって入力された対象薬剤を取得する手順、
記憶装置に記憶された薬剤
売上データを集計して得られた前記対象薬剤の単位期間における対象エリアの規格単位数量合計を、記憶装置に記憶されたレセプトデータを集計して得られた当該対象薬剤の単位期間における全体エリアの平均投与日数と当該対象薬剤の全体エリアの1人あたりの1日平均投与量で割ることによって、単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を決定する手順、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、コンピュータシステム及びプログラム
に関する。
【背景技術】
【0002】
レセプトデータには、一定期間内に患者に対して行なわれた医療行為に応じた医療費の実績値が含まれる場合がある。特許文献1には、地域毎の医療機関端末から、一定期間内に患者に対して行なわれた医療行為に応じた医療費の実績値が含まれるレセプトデータを受信し、地域毎の医療費の推定値と、地域毎の医療費の実績値とを比較し、比較結果を出力する地域医療連携支援サーバが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、医薬品の統計情報(例えば、対象薬剤の対象エリアもしくはエリア毎の処方患者数に関する情報、対象エリアにおける当該対象薬剤の処方患者数の年代別人数、及び/または対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数の診療科比率など)の取得を容易化して、医薬品の統計情報を営業またはマーケティングを利用することが望まれる。具体的には例えば、医薬品の営業またはマーケティングで強化すべきエリア、エリア且つ年代、及び/またはエリア且つ診療科の把握を容易化することによって、医薬品の営業またはマーケティングのターゲットの明確化を支援することが望まれる。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、医薬品の営業またはマーケティングのターゲットの明確化を支援することを可能とする情報処理システム、コンピュータシステム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理システムは、端末装置と、当該端末装置と情報交換可能に接続されたコンピュータシステムとを備える情報処理システムであって、前記端末装置は、対象薬剤の入力を受け付け、当該受け付けた対象薬剤を識別する情報を前記コンピュータシステムへ送信し、前記コンピュータシステムは、記憶装置に記憶された薬剤売上データを集計して得られた単位期間における対象薬剤の全体エリアの規格単位数量合計を、記憶装置に記憶されたレセプトデータを集計して得られた当該対象薬剤の単位期間における全体エリアの平均投与日数と当該対象薬剤の全体エリアの1人あたりの1日平均投与量で割ることによって、単位期間における対象薬剤の全体エリアにおける処方患者数を決定し、前記決定された単位期間における対象薬剤の全体エリアにおける処方患者数に、全体エリアの規格単位数量合計に占める対象エリアの規格単位数量合計の比率を乗じることによって、単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を決定し、当該単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を前記端末装置へ送信し、前記端末装置は、当該単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を受信し、当該受信した処方患者数を表示制御する。
【0007】
この構成によれば、ユーザは、単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数の把握を容易化することで、当該対象薬剤の営業またはマーケティングで強化すべきエリアの把握することができる。よって、医薬品の営業またはマーケティングのターゲットの明確化を支援することができる。
【0008】
本発明の第2の態様に係る情報処理システムは、第1の態様に係る情報処理システムであって、前記端末装置は、対象エリアの入力を更に受け付け、当該受け付けた対象エリアを前記コンピュータシステムへ送信し、前記コンピュータシステムは、前記決定された対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数と、全体エリアにおける当該対象薬剤が処方された年代比率を少なくとも用いて、当該対象エリアにおける当該対象薬剤の年代別の処方患者数または患者比率を決定し、当該年代別の処方患者数または患者比率を前記端末装置へ送信し、前記端末装置は、前記年代別の処方患者数または患者比率を受信し、当該受信した処方患者数または患者比率を表示制御する。
【0009】
この構成によれば、ユーザは、対象エリアにおける当該対象薬剤の年代別の処方患者数または患者比率の把握を容易化することで、対象エリアにおいて当該対象薬剤の営業またはマーケティングで強化すべき年代の把握することがきる。よって、医薬品の営業またはマーケティングのターゲットの明確化を支援することができる。
【0010】
本発明の第3の態様に係る情報処理システムは、第2の態様に係る情報処理システムであって、前記コンピュータシステムは、前記決定された対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数に対して全体エリアにおける当該対象薬剤が処方された前記年代比率を乗じ、第1の補正係数を乗じ、更に第2の補正係数を乗じて前記年代別の処方患者数または患者比率を決定し、前記第1の補正係数は、全体エリアに占める当該年代の比率に対する前記対象エリアの当該年代の比率の割合、または全体エリアに占める当該年代の人口に対する前記対象エリアの当該年代の人口の割合であり、前記第2の補正係数は、前記対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数を対象エリアの年代別の中間補正後患者数の合計で割った値であり、当該年代別の中間補正後患者数は、前記決定された対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数に対して全体エリアにおける当該対象薬剤が処方された前記年代比率を乗じ、第1の補正係数を乗じた値である。
【0011】
この構成によれば、ユーザは、対象エリアにおける当該対象薬剤の年代別の処方患者数または患者比率の把握を容易化することで、対象エリアにおいて当該対象薬剤の営業またはマーケティングで強化すべき年代の把握することがきる。よって、医薬品の営業またはマーケティングのターゲットの明確化を支援することができる。
【0012】
本発明の第4の態様に係る情報処理システムは、第1から3のいずれかの態様に係る情報処理システムであって、前記端末装置は、対象エリアの入力を更に受け付け、当該受け付けた対象エリアを前記コンピュータシステムへ送信し、前記コンピュータシステムは、前記決定された対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数に、全体エリアの診療科比率をかけることによって、当該対象エリアにおける当該対象薬剤の診療科別の処方患者数または患者比率を決定し、当該診療科別の処方患者数または患者比率を前記端末装置へ送信し、前記端末装置は、前記診療科別の処方患者数または患者比率を受信し、当該受信した診療科別の処方患者数または患者比率を表示制御する。
【0013】
この構成によれば、ユーザは、対象エリアにおける当該対象薬剤の診療科別の処方患者数または患者比率の把握を容易化することで、対象エリアにおいて当該対象薬剤の営業またはマーケティングで強化すべき年代の把握することがきる。よって、医薬品の営業またはマーケティングのターゲットの明確化を支援することができる。
【0014】
本発明の第5の態様に係る情報処理システムは、第4の態様に係る情報処理システムであって、前記コンピュータシステムは、前記決定された対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数に対して全体エリアにおける当該対象薬剤が処方された前記診療科比率を乗じ、第3の補正係数を乗じ、更に第4の補正係数を乗じて前記診療科別の処方患者数または患者比率を決定し、前記第3の補正係数は、全体エリアに占める当該診療科比率に対する前記対象エリアの当該診療科比率の割合、または全体エリアに占める当該診療科の医師数に対する前記対象エリアの当該診療科の医師数の割合であり、前記第4の補正係数は、前記対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数を対象エリアの診療科別の中間補正後患者数の合計で割った値であり、当該診療科別の中間補正後患者数は、対象薬剤について単位期間における対象エリアにおける処方患者数に対して、対応する診療科の処方患者比率を乗じ、更に対応する診療科の第3の補正係数を乗じる値である。
【0015】
この構成によれば、ユーザは、対象エリアにおける当該対象薬剤の診療科別の処方患者数または患者比率の把握を容易化することで、対象エリアにおいて当該対象薬剤の営業またはマーケティングで強化すべき年代の把握することがきる。よって、医薬品の営業またはマーケティングのターゲットの明確化を支援することができる。
【0016】
本発明の第6の態様に係る情報処理システムは、第1から5のいずれかの態様に係る情報処理システムであって、前記コンピュータシステムは、前記全体エリアに含まれるエリアそれぞれを対象エリアとして、単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を決定する。
【0017】
この構成によれば、ユーザは、全体エリアに含まれるエリアそれぞれについて、単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を把握することができる。
【0018】
本発明の第7の態様に係るコンピュータシステムは、ユーザによって入力された対象薬剤を取得する取得部と、記憶装置に記憶された薬剤売上データを集計して得られた前記対象薬剤の単位期間における全体エリアの規格単位数量合計を、記憶装置に記憶されたレセプトデータを集計して得られた当該対象薬剤の単位期間における全体エリアの平均投与日数と当該対象薬剤の全体エリアの1人あたりの1日平均投与量で割ることによって、単位期間における対象薬剤の全体エリアにおける処方患者数を決定し、前記決定された単位期間における対象薬剤の全体エリアにおける処方患者数に、全体エリアの規格単位数量合計に占める対象エリアの規格単位数量合計の比率を乗じることによって、単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を決定する処理部と、を備える。
【0019】
この構成によれば、ユーザは、単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数の把握を容易化することで、当該対象薬剤の営業またはマーケティングで強化すべきエリアの把握することができる。よって、医薬品の営業またはマーケティングのターゲットの明確化を支援することができる。
【0020】
本発明の第8の態様に係るプログラムは、第1から7のいずれかの態様に係る情報処理システムであって、コンピュータに、ユーザによって入力された対象薬剤を取得する手順、記憶装置に記憶された薬剤売上データを集計して得られた前記対象薬剤の単位期間における全体エリアの規格単位数量合計を、当該対象薬剤の単位期間における全体エリアの平均投与日数と当該対象薬剤の全体エリアの1人あたりの1日平均投与量で割ることによって、単位期間における対象薬剤の全体エリアにおける処方患者数を決定し、前記決定された単位期間における対象薬剤の全体エリアにおける処方患者数に、全体エリアの規格単位数量合計に占める対象エリアの規格単位数量合計の比率を乗じることによって、単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を決定する手順、を実行させるためのプログラムである。
【0021】
この構成によれば、ユーザは、単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数の把握を容易化することで、当該対象薬剤の営業またはマーケティングで強化すべきエリアの把握することができる。よって、医薬品の営業またはマーケティングのターゲットの明確化を支援することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様によれば、ユーザは、単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数の把握を容易化することで、当該対象薬剤の営業またはマーケティングで強化すべきエリアの把握することができる。よって、医薬品の営業またはマーケティングのターゲットの明確化を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概略構成図である。
【
図2】本実施形態に係る端末装置の概略構成図である。
【
図3】本実施形態に係るコンピュータシステムの概略構成図である。
【
図4】比較例における対象薬剤のエリア毎の算出方法を説明するための模式図である。
【
図5】本実施形態における対象薬剤のエリア毎の算出方法を説明するための模式図である。
【
図6】ストレージ23に記憶されているテーブルの例である。
【
図7】規格単位数量について説明するための表である。
【
図8】ストレージ23に記憶されているテーブルの例の続きである。
【
図9】ストレージ23に記憶されているテーブルの例の続きである。
【
図11】対象エリアにおける対象薬剤の処方患者数の年代別人数、及び診療科比率の推定処理を説明するための模式図である。
【
図12】対象エリアにおける対象薬剤の処方患者数の年代別人数の算出方法を説明するための模式図である。
【
図14】
図14は、ストレージ23に記憶されているテーブル及び処理を説明するための模式図である。
【
図21】対象エリアにおける対象薬剤の処方患者数の診療科別人数の算出方法を説明するための模式図である。
【
図23】ストレージ23に記憶されているテーブル及び処理を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、各実施形態について、図面を参照しながら説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。以下、本実施形態では、医薬品を薬剤と称して説明する。
【0025】
<本実施形態の課題>
対象薬剤の対象エリアの平均投与日数と当該対象エリアの1日平均投与量は、レセプトデータから取得可能である。このことから、対象薬剤の対象エリアの処方患者数は、対象エリアの対象薬剤の
規格単位数量合計を、当該対象薬剤の
対象エリアの平均投与日数で割り、更に当該対象薬剤の
対象エリアの1人あたりの1日平均投与量で割ることによって、原理的には推定できる可能性がある(
図4参照)。
【0026】
しかしながら、レセプトデータが少ない場合には、対象エリアを細かくすればするほど、対象エリア毎のレセプトデータが少なくなり、その対象エリアにおける対象薬剤の平均投与日数や1日平均投与量を正確に把握することが困難である。その結果、対象薬剤の対象エリア(もしくはエリア毎)の処方患者数が、実施の値とは乖離してしまい、推定することが難しいという問題がある。また同様の理由により、対象エリアにおける当該対象薬剤の処方患者数の年代別人数を推定することが難しいという問題がある。更に同様の理由により、対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数の診療科比率を推定することが難しいという問題がある。このように、医薬品の統計情報(例えば、対象薬剤の対象エリアもしくはエリア毎の処方患者数に関する情報)の取得を容易化して、医薬品の統計情報を営業またはマーケティングを利用することにより、医薬品の営業またはマーケティングを効率化することが望まれる。
【0027】
本実施形態では、医薬品の統計情報(例えば、対象薬剤の対象エリアもしくはエリア毎の処方患者数に関する情報)の取得を容易化して、医薬品の統計情報を営業またはマーケティングを利用することにより、医薬品の営業またはマーケティングを効率化することを課題とする。その一例として本実施形態の一つの課題は、対象薬剤の対象エリア(もしくはエリア毎)の処方患者数を推定することである。また他の一例として本実施形態の別の課題は、対象エリアにおける当該対象薬剤の処方患者数の年代別人数を推定することである。また他の一例として本実施形態の別の課題は、対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数の診療科比率を推定することである。
【0028】
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概略構成図である。
図1に示すように、情報処理システムSは、端末装置1-1~1-Nと通信回路網CNを介して接続されたコンピュータシステム2とを備える。
【0029】
端末装置1-1~1-Nは、別々のユーザ(例えば、製薬会社の担当者)が使用されるもので、例えば、多機能携帯電話(いわゆるスマートフォン)などの携帯電話、タブレット、ノートパソコン、またはデスクトップパソコンなどである。本実施形態では、端末装置1-1~1-Nには、例えばWEBブラウザを介して、コンピュータシステム2から送信された情報が表示されるものとして以下説明する。なお、この例はあくまで一例であって、これに限らず、端末装置1-1~1-Nに、専用のアプリケーションがインストールされて、そのアプリケーションにおいて、コンピュータシステム2から送信された情報が表示されてもよい。
【0030】
コンピュータシステム2は、本実施形態に係る情報処理システムSを管理する管理団体によって使用されるものである。コンピュータシステム2は端末装置1-1~1-Nに対して情報を提供する。コンピュータシステム2は、一台のコンピュータであってもよいし、複数のコンピュータであってもよい。以下、端末装置1-1~1-Nを総称して端末装置1とも呼ぶ。
【0031】
図2は、本実施形態に係る端末装置の概略構成図である。
図2に示すように、端末装置1は例えば、入力インタフェース11と、通信モジュール12と、ストレージ13と、メモリ14と、出力インタフェース15と、プロセッサ16とを備える。
入力インタフェース11は、ユーザからの入力を受け付け、受け付けた入力に応じた入力信号をプロセッサ16へ出力する。
通信モジュール12は、通信回路網CNに接続されて、通信回路網CNに接続されているコンピュータシステム2と通信する。この通信は有線であっても無線であってもよいが、無線であるものとして説明する。
【0032】
ストレージ13には、プロセッサ16が読み出して実行するためのプログラム及び各種のデータが格納されている。
メモリ14は、データ及びプログラムを一時的に保持する。メモリ14は、揮発性メモリであり、例えばRAM(Random Access Memory)である。
出力インタフェース15は、ディスプレイ17に接続されており、プロセッサ16の指令に従って映像信号をディスプレイ17に出力する。
プロセッサ16は、ストレージ13から本実施形態に係るプログラムをメモリ14にロードし、当該プログラムに含まれる一連の命令を実行することによって、情報を受け付ける受付部161、情報を処理する処理部162、通信を制御する通信制御部163として機能する。これらのそれぞれの処理については後述する。
ディスプレイ17は、プロセッサ16の指令に従って情報を表示する。なおディスプレイ17は端末装置1に外付けで接続されているだけではなく、端末装置1に内蔵であってもよい。
【0033】
図3は、本実施形態に係るコンピュータシステムの概略構成図である。
図3に示すように、コンピュータシステム2は、入力インタフェース21と、通信モジュール22と、ストレージ23と、メモリ24と、出力インタフェース25と、プロセッサ26とを備える。
入力インタフェース21は、コンピュータシステム2の管理者(例えば、管理団体の従業員)からの入力を受け付け、受け付けた入力に応じた入力信号をプロセッサ26へ出力する。
通信モジュール22は、通信回路網CNに接続されており、端末装置1-1~1-Nと通信する。この通信は有線であっても無線であってもよいが、有線であるものとして説明する。
【0034】
ストレージ23は、プロセッサ26が読み出して実行するためのプログラム及び各種のデータが格納されている。
メモリ24は、データ及びプログラムを一時的に保持する。メモリ24は、揮発性メモリであり、例えばRAM(Random Access Memory)である。
出力インタフェース25は、外部の装置と接続可能であり、当該外部の装置へ信号を出力可能である。
【0035】
プロセッサ26は、ストレージ23からプログラムをメモリ24にロードし、当該プログラムに含まれる一連の命令を実行することによって、情報を取得する取得部261、情報を処理する処理部262、通信を制御する通信制御部263として機能する。それぞれの処理については後述する。
【0036】
<対象薬剤の対象エリア(もしくはエリア毎)の処方患者数の推定>
続いて
図4の比較例と比較しながら、
図5の本実施形態の対象薬剤の対象エリア(もしくはエリア毎)の処方患者数の推定処理について説明する。
図4は、比較例における対象薬剤のエリア毎の算出方法を説明するための模式図である。
図5は、本実施形態における対象薬剤のエリア毎の算出方法を説明するための模式図である。
図4に示すように、対象薬剤(
図4の例の場合、薬剤A)の対象エリア(例えば、A県、B県、C県、D県、E県)の処方患者数は、対象エリアの対象薬剤の
規格単位数量合計を、当該対象薬剤の
対象エリアの平均投与日数で割り、更に当該対象薬剤の
対象エリアの1日平均投与量で割ることによって、原理的には推定できる可能性がある、しかしながら、レセプトデータが少ない場合には、対象エリアを細かくすればするほど、対象エリア毎のレセプトデータが少なくなり、その対象エリアにおける対象薬剤の
平均投与日数や1日平均投与量を正確に把握することが困難である。その結果、対象薬剤の対象エリア(もしくはエリア毎)の処方患者数が、実施の値とは乖離してしまい、推定することが難しいという問題がある。
【0037】
それに対して、本実施形態では、
図5に示すように、対象薬剤(
図5の例では薬剤A)の単位期間における全国における処方患者数[人/日]は、当該対象薬剤の当該単位期間における全国の
規格単位数量合計(単位は、錠、注射剤であればmlなど)を、当該対象薬剤(
図5の例では薬剤A)の単位期間における
全体エリアの平均投与日数[日]及び当該対象薬剤(
図5の例では薬剤A)の
全体エリアの1人あたりの1日平均投与量[個/人]で割った値である。ここで単位期間は、設定された期間であれば、期間の長さは問わないものとする。ここでは一例として単位期間は1月であるものとして説明する。
【0038】
この対象薬剤(
図5の例では薬剤A)の単位期間における全国における処方患者数[人/日]に、エリア(
図5の例では都道府県)毎の数量データ比率を掛けることによって、対象薬剤(
図5の例では薬剤A)について単位期間におけるエリア(
図5の例では都道府県)毎の処方患者数を決定する。これにより、対象エリア毎のレセプトデータが少なくても、その対象エリアにおける対象薬剤の
推計処方患者数の精度を維持することができる。
【0039】
続いて、対象薬剤の対象エリア(もしくはエリア毎)の処方患者数の推定のために用いられるテーブル及びその処理の流れについて
図6~
図9を参照して説明する。
図6は、ストレージ23に記憶されているテーブルの例である。
図6に示す薬剤数量テーブルT1には例えば、薬剤を識別する薬剤ID、薬剤名、剤型分類、用量、売上、規格単位、単位薬価、規格単位数量、エリア、診察年(処方年)、診察月(処方月)の組のレコードが格納されている。
【0040】
処理部262が薬剤数量テーブルT1の規格単位数量をエリア別且つ月別に集計することによって、対象薬剤のエリア別月別の規格単位数量集計テーブルT2が生成される。これにより、
図6に示すように、対象薬剤のエリア別月別の規格単位数量集計テーブルT2には、例えば、薬剤ID、薬剤名、剤型分類、規格単位数量合計、エリア、年、月の組のレコードが格納される。
図6では紙面の都合上、2020年1月のデータしか示していないが、例えば推計が必要な全ての期間で処理される。
【0041】
ここで、規格単位数量について
図7を用いて説明する。
図7は、規格単位数量について説明するための表である。規格単位は、当該薬剤の薬価基準(薬価をまとめたリスト)で規定する単位であり、薬剤毎に決められている。
図7の表で「20mg1錠」を規格単位としている。また規格単位数量は、規格単位ごとに数えた数量のことである。また単位薬価は、規格単位に対応する薬価である。
【0042】
図8は、ストレージ23に記憶されているテーブルの例の続きである。
図8に示すレセプトデータテーブルT3は、患者を識別する患者ID、年代、受信診療科、適応症名、適応症を識別する適応症コード、薬剤ID、剤形、容量、調剤数量、処方回[/日]、投与日数、1日投与量、エリア、診察年、診察月の組のレコードが格納されている。
【0043】
処理部262がレセプトデータテーブルT3の投与日数の平均、1日投与量の平均を単位期間(ここでは一例として1か月)別に決定することによって、対象薬剤の1日投与量・月間投与日数の全国平均テーブルT4が生成される。
図8に示すように、対象薬剤の1日投与量・月間投与日数の全国平均テーブルT4には、例えば、薬剤ID、剤型、月間平均投与日数、平均1日投与量、エリア、診察年、診察月の組のレコードが格納される。
【0044】
図9は、ストレージ23に記憶されているテーブルの例の続きである。この
図9を用いて処理部262の処理例を説明する。
図9に示すように、処理部262は、対象薬剤のエリア別月別の規格単位数量集計テーブルT2の対象エリアの規格単位数量合計を、対象薬剤の1日投与量・月間投与日数の全国平均テーブルT4の月間平均投与量と平均1日投与量で割ることにより、対象エリアのエリア別処方患者数を決定する。そして処理部262は、決定した対象エリアのエリア別処方患者数を、対象薬剤の対象月の処方患者数テーブルT5に、当該対象エリアと関連付けて保存する。処理部262は、この一例の処理を、エリア毎に実行する。これにより、ストレージ23の対象薬剤の対象月の処方患者数テーブルT5に、対象薬剤の対象月の処方患者数テーブルT5には例えば、薬剤ID、剤形、月間平均投与に数、平均1日投与量、規格単位数量合計、エリア、エリア別処方患者数、診察年(処方年)、診察月(処方月)の組のレコードが格納される。
【0045】
続いて
図10を用いて、端末装置1のディスプレイ17に表示される画面遷移の一例について説明する。
図10は、画面遷移の一例である。
図10に示すように、画面G1には対象薬剤を選択するためのセレクトボックスB1が表示され、送信ボタンB2が表示される。セレクトボックスB1がユーザによって操作されて対象薬剤が選択され、送信ボタンB2が押された場合、端末装置1からコンピュータシステム2に対象薬剤を識別する情報が送信され、それに応じて端末装置1はコンピュータシステム2から情報を受信しその情報を表示することにより、画面G2に遷移する。
【0046】
画面G2には一例として対象薬剤を選択するためのセレクトボックスB1、送信ボタンB2に加えて、対象薬剤の対象月の処方患者数の表R1が表示される。この対象薬剤の対象月の処方患者数の表R1は、対象薬剤の対象月の処方患者数テーブルT5の情報を表示したものである。
【0047】
なお、ここでは、予め決められた全てのエリアについて当該対象薬剤の単位期間(対象月)の処方患者数を決定したが、これに限らず、ユーザが指定する対象エリアまたは予め決められた対象エリアについて当該対象薬剤の単位期間(対象月)の処方患者数を決定してもよい。
【0048】
以上、本実施形態に係る情報処理システムSは、端末装置1と、当該端末装置1と情報交換可能に接続されたコンピュータシステム2とを備える情報処理システムある。端末装置1は、対象薬剤の入力を受け付け、当該受け付けた対象薬剤を識別する情報を前記コンピュータシステムへ送信する。コンピュータシステム2は、記憶装置に記憶された薬剤売上データを集計して得られた当該対象薬剤の単位期間における全体エリアの規格単位数量合計を、記憶装置に記憶されたレセプトデータを集計して得られた当該対象薬剤の単位期間における全体エリアの平均投与日数と当該対象薬剤の全体エリアの1人あたりの1日平均投与量で割ることによって、単位期間における対象薬剤の全体エリアにおける処方患者数を決定し、前記決定された単位期間における対象薬剤の全体エリアにおける処方患者数に、全体エリアの規格単位数量合計に占める対象エリアの規格単位数量合計の比率を乗じることによって、単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を決定し、当該単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を前記端末装置へ送信する。端末装置2は、当該単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を受信し、当該受信した処方患者数を表示制御する。本実施形態では一例として、コンピュータシステム2は、前記全体エリアに含まれるエリアそれぞれを対象エリアとして、単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を決定する。
【0049】
この構成により、ユーザは、単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数の把握を容易化することで、医薬品の営業またはマーケティングで強化すべきエリアの把握することができる。よって、医薬品の営業またはマーケティングのターゲットの明確化を支援することができる。
【0050】
<対象エリアにおける対象薬剤の年代別の処方患者数の推定>
続いて対象エリアにおける対象薬剤の年代別の処方患者数の推定について説明する。
図11は、対象エリアにおける対象薬剤の処方患者数の年代別人数、及び診療科比率の推定処理を説明するための模式図である。上述の処理の結果、エリア(例えば、都道府県)別に対象薬剤(
図11の例では薬剤A)の単位期間における処方患者数が得られているものとして説明する。
【0051】
図11に示すように、一つの実施例として処理部262は、対象エリア(
図11の例ではエリアA)の単位期間における処方患者数に対して、当該対象エリア(
図11の例ではエリアA)の年齢比率を乗じることにより、対象エリア(
図11の例ではエリアA)の単位期間における年齢別の処方患者数を決定する。
【0052】
図12、
図13を用いて、対象エリアにおける対象薬剤の年代別の処方患者数の推定処理の具体例について説明する。
図12は対象エリアにおける対象薬剤の処方患者数の年代別人数の算出方法を説明するための模式図である。
図13は
図12の続きの模式図である。
図12に示すように、上記の処理で、対象薬剤(
図12の例では薬剤A)について単位期間における対象エリア(例えば対象の都道府県)における処方患者数の推定結果が得られているものとする。
図12の例では、対象エリア(例えば対象の都道府県)における処方患者数は175人である。
【0053】
対象薬剤のレセプトデータから算出された年代別の処方患者数から、年代別の処方患者比率が決定される。例えば、年代が10代の場合、100[人]/2200[人]×100で5[%]が10代の処方患者数として得られる。
【0054】
図12には、全国平均における人口の年代別比率が示されており、対象エリア(例えば対象の都道府県)における人口の年代別比率が示されている。ここで、補正係数は、全国平均における人口の年代別比率を、対象エリア(例えば対象の都道府県)における人口の年代別比率に補正するための係数である。具体的には各年代の補正係数は、当該年代の対象エリア(例えば対象の都道府県)における人口の比率を、当該年代の全国平均における人口の比率で割ったものである。例えば、年代が10代の場合、15[%]/10[%]で1.50が10代の補正係数として得られる。
【0055】
年代別の中間補正後患者数は、対象薬剤(
図12の例では薬剤A)について単位期間における対象エリア(例えば対象の都道府県)における処方患者数に対して、対応する年代の処方患者比率を乗じ、更に対応する年代の補正係数(第1の補正係数ともいう)を乗じることによって決定される。例えば年代が10代の場合、補正後の年代別の処方患者数は12(=175[人]×5[%]×1.50)人で、その比率は7%である。ここでは第1の補正係数は一例として、全体エリアに占める当該年代の比率に対する前記対象エリアの当該年代の比率の割合である。
【0056】
ここで補正後患者数の合計が、元の対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数と一致していないので、
図13に示すように、補正後患者数に第2の補正係数を乗じて更に補正する。これにより、年代別の処方患者数及び/または年代別の患者比率が得られる。ここで、第2の補正係数は、決定された対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数を対象エリアの年代別の中間補正後患者数の合計で割った値である。ここでは一例として、第2の補正係数は175/168である。
【0057】
【0058】
図14の対象薬剤の対象月の処方患者数テーブルT5は例えばストレージ23に記憶されている。
図14の対象薬剤の対象月の処方患者数テーブルT5には例えば、薬剤を識別する薬剤ID、剤形、月間平均投与日数、平均1日投与量、エリア、エリア別処方患者数、年診察年(処方年)、診察月(処方月)の組のレコードが格納される。
【0059】
この対象薬剤の対象月の処方患者数テーブルT5を、ユーザによって選択されたエリアに絞ると、対象エリアの対象薬剤の対象月における処方患者数テーブルT6が得られる。この対象エリアの対象薬剤の対象月における処方患者数テーブルT6には、対象エリア(ここでは一例として北海度)について、薬剤を識別する薬剤ID、剤形、月間平均投与日数、平均1日投与量、エリア、エリア別処方患者数、診察年(処方年)、診察月(処方月)の組のレコードが格納される。
【0060】
図15のレセプトデータテーブルT3には例えば、患者を識別する患者ID、年代、受診診療科、適応症、適応症を識別する適応症コード、薬剤を識別する薬剤ID、剤形、容量、調剤数量、処方回数/日、月間投与日数、1日投与量、エリア、診察年(処方年)、診察月(処方月)の組のレコードが格納されている。
【0061】
このレセプトデータテーブルT3のデータを、対象月についてエリア毎に集計すると、対象薬剤の対象月における全国の年代別処方患者数テーブルT7が得られる。この年代別処方患者数テーブルT7には、薬剤を識別する薬剤ID、剤形、年代、処方患者数、処方患者比率、エリア、診察年(処方年)、診察月(処方月)の組のレコードが格納される。
【0062】
図16のエリア別年齢別人口テーブルT8は例えばストレージ23に記憶されている。
図16のエリア別年齢別人口テーブルT8には、エリア、年代、人口の組のレコードが格納されている。
【0063】
処理部262が例えば
図16のエリア別年齢別人口テーブルT8から、全国の人口を抽出し人口比率を作成することで、全国人口比率テーブルT9が得られる。全国人口比率テーブルT9には、エリア、年代、人口、人口比率の組のレコードが格納される。
【0064】
また処理部262が例えば
図16のエリア別年齢別人口テーブルT8から、対象エリアの人口を抽出し人口比率を決定することで、対象エリア人口比率テーブルT10が得られる。対象エリア人口比率テーブルT10には、エリア、年代、人口、人口比率の組のレコードが格納される。
【0065】
図17に示すように、処理部262は例えば、処理過程で第1の中間テーブルT11を生成する。ここで第1の中間テーブルT11は、薬剤ID、剤形、エリア、エリア別処方患者数、年代、全国における年代別の処方患者比率、全国における年代別の人口比率、対応するエリアにおける年代別の人口比率、第1の補正係数、中間補正後患者数が格納される。
【0066】
ここで、第1の中間テーブルT11のエリア別処方患者数は、対象エリアの対象薬剤の対象月における処方患者数テーブルT6から取得される。また第1の中間テーブルT11の全国における年代別の処方患者比率は、対象薬剤の対象月における全国の年代別処方患者数テーブルT7から取得される。また第1の中間テーブルT11の全国における年代別の人口比率は全国人口比率テーブルT9から得られる。また第1の中間テーブルT11の対応するエリアにおける年代別の人口比率は、当該対応するエリアの対象エリア人口比率テーブルT10から得られる。
【0067】
図17の第1の中間テーブルT11に示すように、年代別の中間補正後患者数は、エリア別処方患者数に、全国における年代別の処方患者比率を乗じ、更に第1の補正係数(=対応するエリアにおける年代別の人口比率/全国における年代別の人口比率)を乗じることによって得られる。
【0068】
なお、ここでは第1の補正係数は、全体エリアに占める当該年代の比率に対する前記対象エリアの当該年代の比率の割合であるもとして説明するが、これに限らず、比率同士の割合ではなく、実際の人数同士の割合であってもよく、具体的には「全体エリアに占める当該年代の人口」に対する「前記対象エリアの当該年代の人口の比率」の割合であってもよい。
【0069】
図18の第2の中間テーブルT12に示すように、第1の中間テーブルT11の中間補正後患者数に、第2の補正係数(=エリア別処方患者数/年代別の中間補正後患者数の合計)を乗じることによって補正後患者数が得られる。この補正後患者数は、対象薬剤の対象エリアにおける年代別の患者数である。
【0070】
処理部262は例えば、この補正後患者数の計算を年代毎に実行することによって、対象薬剤の対象エリアについて、
図19の補正後年代別患者数テーブルT13が得られる。ここで、
図19の補正後年代別患者数テーブルT13には、薬剤ID、剤形、エリア、年代、補正後患者数、補正後患者比率、診察年(処方年)、診察月(処方月)の組のレコードが格納される。
【0071】
続いて
図20を用いて、端末装置1のディスプレイ17に表示される画面遷移の一例について説明する。
図20は、画面遷移の一例である。
図20に示すように、画面G3には対象薬剤を選択するためのセレクトボックスB3が表示され、対象エリアを選択するためのセレクトボックスB4が表示され、送信ボタンB5が表示される。セレクトボックスB3がユーザによって操作されて対象薬剤が選択され、セレクトボックスB4がユーザによって操作されて対象エリアが選択され、且つ送信ボタンB5が押された場合、端末装置1からコンピュータシステム2に対象薬剤を識別する情報及び対象エリアを識別する情報が送信される。それに応じて端末装置1はコンピュータシステム2から情報を受信しその情報を表示することにより、画面G4に遷移する。
【0072】
画面G4には一例として対象薬剤を選択するためのセレクトボックスB3、対象エリアを選択するためのセレクトボックスB4、送信ボタンB5に加えて、対象薬剤の対象月の年代別処方患者数の表R2が表示される。この対象薬剤の対象月の年代別処方患者数の表R2は、
図19の補正後年代別患者数テーブルT13の情報を表示したものである。
【0073】
以上のように、端末装置1は、対象エリアの入力を更に受け付け、当該受け付けた対象エリアを前記コンピュータシステム2へ送信する。コンピュータシステム2は、前記決定された対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数と、全体エリアにおける当該対象薬剤が処方された年代比率を少なくとも用いて、当該対象エリアにおける当該対象薬剤の年代別の処方患者数または患者比率を決定し、当該年代別の処方患者数または患者比率を前記端末装置へ送信する。端末装置1は、前記年代別の処方患者数または患者比率を受信し、当該受信した処方患者数または患者比率を表示制御する。
【0074】
具体的には例えば、コンピュータシステム2は、前記決定された対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数に対して全体エリアにおける当該対象薬剤が処方された前記年代比率を乗じ、第1の補正係数を乗じ、更に第2の補正係数を乗じて前記年代別の処方患者数または患者比率を決定する。
【0075】
この構成により、ユーザは、対象エリアにおける当該対象薬剤の年代別の処方患者数または患者比率の把握を容易化することで、対象エリアにおいて当該対象薬剤の営業またはマーケティングで強化すべき年代の把握することがきる。よって、医薬品の営業またはマーケティングのターゲットの明確化を支援することができる。
【0076】
<対象エリアの対象薬剤の診療科毎の処方患者数の推定>
続いて対象エリアの対象薬剤の診療科毎の処方患者数の推定処理について説明する。
図11に示すように、一つの実施例として処理部262は、対象エリア(
図11の例ではエリアA)の単位期間における処方患者数に対して、当該対象エリア(
図11の例ではエリアA)の診療科比率を乗じることにより、対象エリア(
図11の例ではエリアA)の単位期間における診療科毎の処方患者数を決定する。
【0077】
図21、
図22を用いて、対象エリアにおける対象薬剤の診療科別の処方患者数の推定処理の具体例について説明する。
図21は対象エリアにおける対象薬剤の処方患者数の診療科別人数の算出方法を説明するための模式図である。
図22は
図21の続きの模式図である。
図21に示すように、上記の処理で、対象薬剤(
図21の例では薬剤A)について単位期間における対象エリア(例えば対象の都道府県)における処方患者数の推定結果が得られているものとする。
図21の例では、対象エリア(例えば対象の都道府県)における処方患者数は175人である。
【0078】
対象薬剤のレセプトデータから算出された診療科別の処方患者数から、診療科別の処方患者比率が決定される。例えば、診療科が一般内科の場合、100[人]/1000[人]×100で10[%]が一般内科の処方患者数として得られる。
【0079】
図21には、全国平均における診療科比率が示されており、対象エリア(例えば対象の都道府県)における診療科比率が示されている。ここで本実施形態では診療科比率は、一例として医師割合である。また
図21の補正係数は、全国平均における診療科比率を、対象エリア(例えば対象の都道府県)における診療科比率に補正するための係数である。具体的には各診療科の補正係数は、対象エリア(例えば対象の都道府県)における診療科比率を、当該診療科の全国平均における診療科比率で割ったものである。例えば、診療科が一般内科の場合、30[%]/40[%]で0.75が一般内科の補正係数として得られる。
【0080】
診療科別の中間補正後患者数は、対象薬剤(
図12の例では薬剤A)について単位期間における対象エリア(例えば対象の都道府県)における処方患者数に対して、対応する診療科の処方患者比率を乗じ、更に対応する診療科の補正係数(第3の補正係数ともいう)を乗じた値である。ここで、例えば診療科が一般内科の場合、補正後の一般内科の処方患者数は13(=175[人]×10[%]×0.75)人で、その比率は6%である。ここでは第3の補正係数は一例として、全体エリアに占める当該年代の比率に対する前記対象エリアの当該年代の比率の割合である。
【0081】
ここで、第3の補正係数は、全体エリアに占める当該診療科比率に対する前記対象エリアの当該診療科比率の割合、または全体エリアに占める当該診療科の医師数に対する前記対象エリアの当該診療科の医師数の割合である。
【0082】
ここで補正後患者数の合計が、元の対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数と一致していないので、
図22に示すように、補正後患者数に第4の補正係数を乗じて更に補正する。これにより、診療科別の処方患者数及び/または診療科別の患者比率が得られる。
ここで第4の補正係数は、前記対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数を対象エリアの診療科別の中間補正後患者数の合計で割った値である。ここでは一例として、第4の補正係数は175/228である。
【0083】
【0084】
図23のレセプトデータテーブルT3には例えば、患者を識別する患者ID、年代、受診診療科、適応症、適応症を識別する適応症コード、薬剤を識別する薬剤ID、剤形、容量、調剤数量、処方回数/日、月間投与日数、1日投与量、エリア、診察年(処方年)、診察月(処方月)の組のレコードが格納されている。
【0085】
このレセプトデータテーブルT3のデータを、対象月について診療科毎に集計すると、対象薬剤の対象月における全国の診療科別処方患者数テーブルT14が得られる。この診療科別処方患者数テーブルT14には、薬剤を識別する薬剤ID、剤形、受診診療科、処方患者数、処方患者比率、エリア、診察年(処方年)、診察月(処方月)の組のレコードが格納される。
【0086】
図24のエリア別診療科別医師数テーブルT15は例えばストレージ23に記憶されている。
図24のエリア別診療科別医師数テーブルT15には、エリア、受診診療科、当該エリア且つ当該診療科の医師数の組のレコードが格納されている。
【0087】
処理部262が例えば
図24のエリア別診療科別医師数テーブルT15から、全国の診療科別医師数を抽出し人口比率を決定することで、全国診療科医師比率テーブルT9が得られる。全国診療科医師比率テーブルT16には、エリア、受診診療科、対応する診療科の医師数、医師の合計数に占める対応する診療科の医師比率の組のレコードが格納される。
【0088】
また処理部262が例えば
図24のエリア別診療科別医師数テーブルT15から、対象エリアの診療科医師数を抽出し医師比率を決定することで、対象エリア診療科別医師比率テーブルT17が得られる。対象エリア診療科別医師比率テーブルT17には、エリア、受診診療科、医師数、医師比率の組のレコードが格納される。
【0089】
図25に示すように、処理部262は例えば、処理過程で第3の中間テーブルT18を生成する。ここで第3の中間テーブルT18は、薬剤ID、剤形、エリア、エリア別処方患者数、受診診療科、全国における対象薬剤の診療科別の処方患者比率、全国における医師の合計数に占める対応する診療科の医師比率、対応するエリアにおける医師の合計数に占める対応する診療科の医師比率、第3の補正係数、中間補正後患者数が格納される。
【0090】
ここで、第3の中間テーブルT18のエリア別処方患者数は、対象エリアの対象薬剤の対象月の処方患者数テーブルT6から取得される。また第3の中間テーブルT18の全国における診療科別の処方患者比率は、対象薬剤の対象月における全国の診療科別処方患者数テーブルT14から取得される。
【0091】
また第3の中間テーブルT18の「全国における医師の合計数に占める対応する診療科の医師比率」は、全国診療科医師比率テーブルT16から得られる。また第3の中間テーブルT18の「対応するエリアにおける医師の合計数に占める対応する診療科の医師比率」は、対象エリア診療科医師比率テーブルT17から得られる。
【0092】
図25の第3の中間テーブルT18に示すように、診療科別の中間補正後患者数は、当該診療科のエリア別処方患者数に、全国における年代別の処方患者比率を乗じ、更に第3の補正係数(=対応するエリアにおける医師の合計数に占める当該診療科の医師比率/全国における医師の合計数に占める当該診療科の医師比率)を乗じることによって得られる。
【0093】
なお、ここでは第3の補正係数は、「全国における医師の合計数に占める当該診療科の医師比率」に対する「対応するエリアにおける医師の合計数に占める当該診療科の医師比率」の割合であるもとして説明するが、これに限らず、医師比率同士の割合ではなく、実際の医師数同士の割合であってもよく、具体的には「全国における医師の合計数に占める当該診療科の医師数」に対する「対応するエリアにおける医師の合計数に占める当該診療科の医師数」の割合であってもよい。
【0094】
図26の第4の中間テーブルT19に示すように、第3の中間テーブルT18の中間補正後患者数に、第4の補正係数(=エリア別処方患者数/診療科別の中間補正後患者数の合計)を乗じることによって補正後患者数が得られる。この補正後患者数は、対象薬剤の対象エリアにおける診療科別の患者数である。
【0095】
処理部262は例えば、この補正後患者数の計算を診療科毎に実行することによって、対象薬剤の対象エリアについて、
図27の補正後診療科別患者数テーブルT20が得られる。ここで、
図27の補正後診療科別患者数テーブルT20には、薬剤ID、剤形、エリア、診療科、補正後患者数、補正後患者比率、診察年(処方年)、診察月(処方月)の組のレコードが格納される。
【0096】
続いて
図28を用いて、端末装置1のディスプレイ17に表示される画面遷移の一例について説明する。
図28は、画面遷移の一例である。
図28に示すように、画面G5には対象薬剤を選択するためのセレクトボックスB6が表示され、対象エリアを選択するためのセレクトボックスB7が表示され、送信ボタンB8が表示される。セレクトボックスB6がユーザによって操作されて対象薬剤が選択され、セレクトボックスB7がユーザによって操作されて対象エリアが選択され、且つ送信ボタンB8が押された場合、端末装置1からコンピュータシステム2に対象薬剤を識別する情報及び対象エリアを識別する情報が送信される。それに応じて端末装置1はコンピュータシステム2から情報を受信しその情報を表示することにより、画面G6に遷移する。
【0097】
画面G6には一例として対象薬剤を選択するためのセレクトボックスB6、対象エリアを選択するためのセレクトボックスB7、送信ボタンB8に加えて、対象薬剤の対象月の診療科別処方患者数の表R3が表示される。この対象薬剤の対象月の診療科別処方患者数の表R3は、
図27の補正後診療科別患者数テーブルT20の情報を表示したものである。
【0098】
以上のように、端末装置1は、対象エリアの入力を更に受け付け、当該受け付けた対象エリアをコンピュータシステム2へ送信する。
コンピュータシステム2は、前記決定された対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数に、当該対象エリアの診療科比率をかけることによって、当該対象エリアにおける当該対象薬剤の診療科別の処方患者数または患者比率を決定し、当該診療科別の処方患者数または患者比率をこの端末装置1へ送信する。この端末装置1は、前記診療科別の処方患者数または患者比率を受信し、当該受信した診療科別の処方患者数または患者比率を表示制御する。
【0099】
その際、具体的に例えばコンピュータシステム2は、前記決定された対象エリアの当該対象薬剤の処方患者数に対して全体エリアにおける当該対象薬剤が処方された前記診療科比率を乗じ、第3の補正係数を乗じ、更に第4の補正係数を乗じて前記診療科別の処方患者数または患者比率を決定する。
【0100】
この構成により、ユーザは、対象エリアにおける当該対象薬剤の診療科別の処方患者数または患者比率の把握を容易化することで、対象エリアにおいて当該対象薬剤の営業またはマーケティングで強化すべき年代の把握することがきる。よって、医薬品の営業またはマーケティングのターゲットの明確化を支援することができる。
【0101】
なお、上述した実施形態で説明したコンピュータシステム2の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、コンピュータシステム2の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0102】
また、コンピュータシステム2の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0103】
さらに、一つまたは複数の情報機器によってコンピュータシステム2を機能させてもよい。複数の情報機器を用いる場合、そのうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システム1の少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0104】
また、方法の発明においては、全ての工程(ステップ)をコンピュータによって自動制御で実現するようにしてもよい。また、各工程をコンピュータに実施させながら、工程間の進行制御を人の手によって実施するようにしてもよい。また、さらには、全工程のうちの少なくとも一部を人の手によって実施するようにしてもよい。
【0105】
以上、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0106】
1 端末装置
11 入力インタフェース
12 通信モジュール
13 ストレージ
14 メモリ
15 出力インタフェース
16 プロセッサ
161 受付部
162 処理部
163 通信制御部
17 ディスプレイ
2 コンピュータシステム
21 入力インタフェース
22 通信モジュール
23 ストレージ
24 メモリ
25 出力インタフェース
26 プロセッサ
261 取得部
262 処理部
263 通信制御部
【要約】 (修正有)
【課題】医薬品の営業またはマーケティングのターゲットの明確化を支援する。
【解決手段】端末装置は、対象薬剤の入力を受け付け、受け付けた対象薬剤を識別する情報をコンピュータシステムへ送信する。コンピュータシステムは、単位期間における対象薬剤の全体エリアの処方数量を、対象薬剤の単位期間における平均投与日数と対象薬剤の1人あたりの1日平均投与量で割ることによって、単位期間における対象薬剤の全体エリアにおける処方患者数を決定し、決定された単位期間における対象薬剤の全体エリアにおける処方患者数に、全体エリアの処方数に占める対象エリアの処方数の比率を乗じることによって、単位期間における当該対象薬剤の対象エリアの処方患者数を決定し、単位期間における対象薬剤の対象エリアの処方患者数を端末装置へ送信する。端末装置は、単位期間における対象薬剤の対象エリアの処方患者数を受信し、受信した処方患者数を表示制御する。
【選択図】
図5