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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-18
(45)【発行日】2022-05-26
(54)【発明の名称】除雪具
(51)【国際特許分類】
   E04D 15/00 20060101AFI20220519BHJP
   E01H 5/02 20060101ALI20220519BHJP
   E04H 9/16 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
E04D15/00 X
E01H5/02
E04H9/16 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2016127192
(22)【出願日】2016-06-28
(65)【公開番号】P2018003292
(43)【公開日】2018-01-11
【審査請求日】2019-06-27
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515107672
【氏名又は名称】池畠 志朋
(74)【代理人】
【識別番号】100110560
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 恵三
(72)【発明者】
【氏名】池畠 志朋
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3198420(JP,U)
【文献】特開平10-292672(JP,A)
【文献】特開2009-274668(JP,A)
【文献】特開2015-048627(JP,A)
【文献】登録実用新案第3113582(JP,U)
【文献】実開昭62-110419(JP,U)
【文献】実開昭62-110418(JP,U)
【文献】特開昭61-207753(JP,A)
【文献】特開平11-280036(JP,A)
【文献】実開昭60-172926(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/00-15/07
E04H 9/16
B60S 1/00- 1/68
E01H 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物等の屋根に積もった雪を手作業により下ろす際に使用する除雪具であって、
作業者が把持する左右各一対の作業棒と、
前記作業棒との間で支持され且つ前記屋根の除雪箇所に架け渡されるネット状の本体と、
前記本体の長手方向と平行かつ前記作業棒との間で連結可能に配置されるワイヤー部材と、
前記本体の途中に配置される回転部材と、
前記本体の端部に、前記本体が架け渡される方向と平行に配置されるレーキ部材と、を備えることを特徴とする除雪具。
【請求項2】
前記本体、前記ワイヤー部材、前記回転部材および前記レーキ部材で構成された除雪ユニット部を複数備えると共に、
当該除雪ユニット部同士を連結する連結部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の除雪具。
【請求項3】
前記回転部材は、略球形であり、合成樹脂又は弾性体により成型され、その表面には凹凸部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の除雪具。
【請求項4】
前記作業棒は、長さ調整手段を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の除雪具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物等の屋根に積もった雪を手作業により下ろすために用いる除雪具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建物等の屋根に積もった雪を手作業により下ろす場合、作業者自身が屋根に上がり、スコップやスノーダンプを用いて雪を地上へ下ろすことが行われてきた。このような除雪作業は、屋根の上での重労働に加え、転落等の危険も伴うので、行える作業者が限られてしまっていた。そこで、屋根に上がらずに地上から除雪作業を行えるようにする技術が、特許文献1に係る発明によって提供されている。特許文献1に係る発明は、先端が傾斜した柄と、柄の先端に取り付けられた雪掻き板と、雪掻き板又はその近傍に一端が取り付けられたロープと、を有する雪おろし器であり、このロープを引くことにより、雪掻き板が雪に埋まり、雪を深く削り落とす。
【0003】
また、特許文献2に係る発明は、一端が屋根の棟の支持装置に取り付けられ、他端が地上まで延在するワイヤーロープを設けた発明であり、このワイヤーロープの他端部を左右に移動させることによって、雪庇を含む屋根に積もった雪を地上へかき落とす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開昭62-38922号公報
【文献】特開2011-080263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に係る発明は、雪掻き板にかかる荷重や屋根に配置する労力等を考慮すると、雪掻き板の面積や重量を小さく且つ少なくしなければならず、その結果一度に除雪できる範囲が狭くなってしまう。そのため、屋根全体等の広範囲を除雪するためには、ロープ引き動作を何度も繰り返さなければならず、多大な労力を要してしまう。また、特許文献2に係る発明は、屋根の棟に予め大型の支持装置を設置しなければならず、構造が複雑化し、多大な設置コストがかかってしまう。本発明は、係る問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の除雪具は、建物等の屋根に積もった雪を、作業者が手作業により除雪する際に使用する除雪具であって、前記作業者が把持する左右各一対の作業棒と、当該作業棒との間で支持され且つ前記屋根の除雪箇所に架け渡されるネット状の本体と、当該本体の長手方向と平行かつ前記作業棒との間で連結可能に配置されるワイヤー部材と、前記本体の途中に配置される回転部材と、前記本体の端部に、前記本体が架け渡される方向と平行かつ一列に配置されるレーキ部材と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の除雪具は、前記発明において、前記ネット状の本体、前記ワイヤー部材、前記回転部材および前記レーキ部材とで構成された除雪ユニット部を複数備えると共に、当該除雪ユニット部同士を連結する連結部材を備えることを特徴とする。
【0008】
また、前記回転部材は、略球形であり、合成樹脂又は弾性体により成型され、その表面には凹凸部を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記作業棒は、長さ調整手段を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明に係る除雪具の構成図である。
図2図2は、作業棒を示す正面図である。
図3図3は、回転部材の構成図である。
図4図4は、図1の一部拡大図である。
図5図5は、回転部材の配置例を示す正面図である。
図6図6は、レーキ部材の構成図である。
図7図7は、連結部材の構成図である。
図8図8は、本発明に係る除雪具の使用方法を示す斜視図である。
図9図9は、本発明に係る除雪具の使用方法を示す側面図である。
図10図10は、本発明に係る除雪具による自動車の除雪作業を示す正面図である。
図11図11は、本発明に係る除雪具による農業用ビニールハウスの除雪作業を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明に係る除雪具100の構成図である。この除雪具100は、前記作業者が把持する左右各一対の作業棒2と、当該作業棒2の間で支持され且つ屋根の除雪箇所に架け渡されるネット状の本体1と、当該本体1の途中に配置される回転部材3と、前記本体1の後側端部1bに、前記本体1が架け渡される方向と平行かつ一列に配置されるレーキ部材4と、から構成される。
【0012】
前記本体1は、略長方形のネット状であり、天然繊維又は合成繊維を撚糸13としたものから編網される。合成繊維の場合、例えばポリエチレン系、ポリアミド系、ポリエステル系を用いることが好ましい。編網の方法として、有結節又は無結節のどちらも採用可能であるが、有結節では、たとえ破損が生じてもその切り口が広がらなく、また、後述する回転部材3の取り付けも容易に行えるので好ましい。前記本体1の各辺の長さは、例えば、長辺が60cm程度であり、短辺が40cm程度である。
【0013】
前記撚糸13の直径は、除雪箇所または頻度により適宜選択されるが、例えば2mm以上6mm以下である。また、前記本体1の1マスの大きさは、例えば各辺が50mm以上100mm以下の矩形である。前記本体1の長手両端1a及び1bには、帯状部材11が、前記本体1の表裏に渡り且つ前記長手両端1a及び1bを覆うようにそれぞれ装着され、また、後述するワイヤー部材5が挿通し得る隙間を前記長手両端1a及び1bとの間に空けて装着される。当該帯状部材11は、前記本体1の長手方向の長さと等しく、例えばポリステル系の合成樹脂により形成され、厚さは0.5mm以上2mm以下が好ましい。また、前記本体1は、一枚のネットで構成されるに限られず、複数枚のネットを重ねて構成してもよい。
【0014】
図2は、前記作業棒2を示す正面図である。前記作業棒2は、図2(a)に示すように、複数の筒状部材21を入れ子式に配置することによって伸縮自在に構成され、例えば、直径が30mm以上40mm以下のアルミニウム合金製の中空パイプにより形成されることが好ましい。また、各筒状部材21の長さは、例えば60cm以上70cm以下であることが好ましい。前記本体1の一番近くに位置する筒状部材21の上側先端には、略逆U字状の先端金具22が装着され、その他の各筒状部材21の上側先端近傍には、所定の長さに伸長した各筒状部材21の位置を固定するための固定ネジ23が設けられる。また、前記作業者が把持する筒状部材21の下側先端には雌ネジ部24が設けられ、当該雌ネジ部24と係合可能な雄ネジ部25を有するストラップ26が着脱可能に装着される。当該ストラップ26は、前記作業者に前記作業棒2を把持し易くさせ、作業性を向上させるためのものである。他にも、滑り止め効果のある弾性体によるグリップ28や、T字状のグリップバー(図示省略)などを、前記作業者が把持する筒状部材21に設けても良い。
【0015】
また、前記作業棒2は上記の入れ子式の他に、図2(b)に示すように、互いに連結可能に形成された単位作業棒27を長手方向に複数配置することによって、所定の長さで伸長可能に構成される。すなわち、前記単位作業棒27の一端には雄ネジ部25が設けられ、他端には雄ネジ部25と係合可能な雌ネジ部24が設けられる。当該係合式では、前記固定ネジ23は不要であるが、その他の素材、長さ及び前記ストラップ26等に関しては、上記の入れ子式と同様であるため説明を省略する。以上より、前記作業棒2は、除雪対象箇所の高さに応じて容易に長さを調整でき、また、前記除雪具100の使用後にはコンパクトに収納することができる。
【0016】
図3は、前記回転部材3の構成図である。前記回転部材3は、合成樹脂または弾性体を材料として一体成型により形成される。例えば、合成樹脂においてはポリエチレン系、ポリアミド系、ポリエステル系を用いることが好ましく、弾性体においてはシリコンゴム等を用いることが好ましい。前記回転部材3は、前記本体1の1マス内に嵌り得る略球形であり、例えば直径10mm以上60mm以下である。しかし、これに限らず、ラグビーボール状の楕円形(図示省略)のもの等も用いることができ、他にも、前記本体1の1マス内に嵌り得ない直径のものであってもマスを仕切る撚糸13を取り除き、1マスの大きさを広げることによって用いることができる。
【0017】
前記回転部材3は、その表面に複数の凹凸部31が設けられ、内部には前記回転部材3の中心を通る貫通孔3aが設けられる。前記凹凸部31は、前記回転部材3の表面に3箇所以上設けることが好ましく、形状は略半球、円錐、円柱、角錐、角柱等を採用できる。前記凹凸部31が、建物等の屋根または建物等の屋根に積もった雪からの押圧力を受けることにより、前記回転部材3が回転し易くなり、また、前記回転部材3が回転することにより建物等の屋根に積もった雪をある程度の大きさまで砕く効果を得られる。前記貫通孔3aは、後述する貫通部材32が挿通し得る大きさ、例えば、直径8mm以上30mm以下である。前記貫通部材32は、前記貫通孔3aに挿通し得る合成樹脂または金属製の中空円柱状である。すなわち、塩化ビニール又はアルミニウム合金を用いて、内径は6mm以上20mm以下、外径は7mm以上25mm以下、長さは前記貫通孔3aよりも4cm程度長く形成される。
【0018】
図4は、図1の一部拡大図である。図5は、前記回転部材3の配置例を示す正面図である。図4に示すように、前記回転部材3は、前記本体1の1マス内に、マスを形成する撚糸13と干渉しないように配置される。詳細には、前記貫通孔3aに前記貫通部材32を挿通させ、当該貫通部材32に後述するワイヤー部材5を挿通させる。そして、当該ワイヤー部材5と前記撚糸13を固定することで、前記本体1の所定のマス内に前記回転部材3が配置される。前記本体1における前記回転部材3の配置場所は、図1又は図5に示すように、1列に配置しても良いし、規則的または不規則的に配置しても良い。また、用いられる前記回転部材3の大きさは、単一の大きさのもので統一して配置しても良いし、大小違う大きさのものを組み合わせて配置しても良い。例えば、直径10mm,20mm,30mmの大きさの異なる前記回転部材3を、隣り合う当該回転部材3同士が同じ大きさとならないよう一列に配置した場合、当該回転部材3が建物等の屋根に積もった雪を砕き易くなるので好ましい。
【0019】
図6は、前記レーキ部材4の構成図であり、図6(a)はその正面図、図6(b)はその側面図である。図6(a)に示すように、前記レーキ部材4は、平板部41と、当該平板部41の下端縁から延び、雪をかき下ろすための複数の刃42とで構成される。図6(b)に示すように、前記平板部41と前記刃42とが成す角度Tは、例えば135度以上140度以下程度の鈍角が好ましい。このように設定することで、前記刃42が建物等の屋根に積もった雪をかき下ろし易くなる。また、前記刃42は、建物等の屋根を傷付けず且つ前記除雪具100を使用する際の屋根との摩擦抵抗を減らすために、正面視及び側面視における形状が、先端に向かって徐々に細くなるよう形成され且つ刃先は丸みを帯びるよう形成される。例えば、前記刃42の突出長は、2cm程度が好ましい。
【0020】
前記レーキ部材4は、金属を所定の樹脂でコーティングしたもの又はガラス繊維強化樹脂を素材として形成される。例えば、所定の樹脂とはシリコーン樹脂が好ましく、また、ガラス繊維強化樹脂とは、ガラス繊維強化ナイロン樹脂が好ましい。また、前記レーキ部材4は、前記帯状部材11と同等の長さで形成される(図1参照)だけではなく、例えば、20cm程度の所定の長さで形成されたものを複数用いても良い(図示省略)。前記レーキ部材4は、図1及び図6に示すように、前記本体1の後側端部1bに、前記本体1が架け渡される方向と平行に配置され、前記本体1と前記平板部41とが直角となるように前記帯状部材11に固着される。
【0021】
図6(a)に示すように、前記ワイヤー部材5は、金属または合成繊維により形成され、両端には後述する連結部材6を繋ぐための連結輪5aが設けられる。例えば、金属においてはステンレスを用いることが好ましく、合成繊維においてはポリアミド系を用いることが好ましい。また、前記ワイヤー部材5の直径は、例えば、5mm以上10mm以下である。
【0022】
図7は、前記連結部材6の構成図である。図7に示すように、前記連結部材6は、細長い楕円形状の金属製リング部材であり、所謂ナスカンとして構成されている。詳細には、連結部材6は、通常はバネ(図示省略)の付勢力でリングは閉じられており、レバー61をリングの内側へ押し下げることによってリングが開く構成となっている。前記レバー61は、軸6aによって回動自在に軸支される。また、前記連結部材6は、例えば、アルミニウム合金にて形成される。本願発明に係る除雪具において、前記連結部材6は、前記作業棒2の先端金具22と前記ワイヤー部材5の連結輪5aとを連結し、また、後述する前記除雪ユニット部12同士を連結するために用いられる。(図示省略)
【0023】
図1に示すように、前記除雪ユニット部12は、前記本体1、前記回転部材3、前記レーキ部材4及び前記ワイヤー部材5とで構成される。建物等の屋根の除雪箇所に合わせて、単数の前記除雪ユニット部12を用い、または複数の前記除雪ユニット部12を用いる場合には前記連結部材6で直列に繋ぐことにより、前記除雪具100の除雪可能面積を調整することができる。
【0024】
次に、前記除雪具100の使用方法を説明する。図8は、前記除雪具100の使用方法を示す斜視図である。図9は、前記除雪具100の使用方法を示す側面図である。ここで、図8に示す座標軸xは屋根Rの棟に対して平行な方向を示し、座標軸yは前記屋根Rの傾斜面に対して平行な方向を示し、座標軸zは前記屋根Rの傾斜面に対して垂直な方向を示している。
【0025】
まず、作業者Pは、必要数の前記除雪ユニット部12を前記連結部材6によって連結する。また、前記作業棒2も必要な長さとなるよう調整する。そして、必要数を連結した前記除雪ユニット部の前後両端に位置する連結輪5aに、前記作業棒2の先端金具22を前記連結部材6によってそれぞれ連結する。(図1参照)ここまでの連結作業は、地上において行う。
【0026】
次に、2人の作業者P,Pは、地上にて前記作業棒2を把持し、前記除雪ユニット部12を弛まないように屋根Rの除雪箇所にx方向に架け渡す。そして、作業者P,Pは、両手引き鋸を使用する要領で、前記除雪ユニット部12をx方向に往復移動させつつ、z方向にも所定量移動させる。このとき、z方向への移動は、前記本体1の前側端部1a方向(前記レーキ部材4が装着されていない側)から行う。これにより雪Sは、前記本体1の前側端部1aによって分断され、前記除雪ユニット部12が雪Sの中へ侵入していく。
【0027】
前記除雪ユニット部12が雪Sに対して所定量侵入したら、作業者P,Pは、前記除雪ユニット部12をy方向へ所定量引き下ろす。このとき、前記レーキ部材4の刃42が、90度以上120度以下の角度で屋根Rに常に接地するように前記除雪具100を動かす。また、前記回転部材3は、雪Sからの押圧力を受け回転し、それにより固まっている雪Sをある程度の大きさまで砕く。すなわち、図9に示すように、前記本体1の1マスよりも細かく砕かれた雪S1は、屋根Rと前記除雪ユニット部12との間に入るが、前記本体1の後側端部1bに装着された前記レーキ部材4によって地上へかき下ろされる。一方、前記本体1の1マスよりも大きい塊の雪S2は、前記本体1の上に保持されたまま地上へ引き下ろされる。このとき、雪Sから分断された雪S2は、所謂雪崩が起きている状態に近くなり、作業者P,Pは少ない力で雪S2を屋根Rから下ろすことができる。すなわち、図9に示すように、屋根Rと雪S2との間に前記本体1が侵入すると、前記回転部材3の回転および雪S2の自重により、雪S2は滑るように移動して、屋根Rから落ちる。また、雪S2が移動するのと並行して、雪S1は前記レーキ部材4によって屋根Rからかき下ろされる。
【0028】
以上の作業を、除雪対象箇所に対して必要回数繰り返すことで、屋根Rの広範囲の雪Sを容易に地上へ下ろすことができる。なお、前記除雪ユニット12の各方向への移動距離は、作業者P,Pの体力、雪質(雪の硬さ)、積雪量等に応じて適宜調節する。
【0029】
以上、本願発明に係る前記除雪具100によれば、作業者Pは、屋根に上がることなく、簡易な構成にて屋根Rに積もった雪Sを容易に除雪することができる。また、除雪をする際、雪Sを下す方向G(図8又は図9参照)に作業者P,Pが位置しないため、安全性も確保できる。
【0030】
加えて、前記除雪ユニット部12は、棒状部材のような剛性を有しておらず、長手方向の形状を変形することが可能である。そのため、除雪対象物の除雪面が、平坦面のみならず湾曲等しているものであっても、その除雪面形状に沿って配置または当接することができ、汎用性が極めて高い。例えば、図10又は図11に示すように、自動車Cの屋根Rに対してや、農業用ビニールハウスBの屋根Rに対しても、容易に除雪を行うことができる。
【符号の説明】
【0031】
1 本体
2 作業棒
3 回転部材
4 レーキ部材
5 ワイヤー部材
100 除雪具
R 建物等の屋根
S 屋根に積もった雪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11