特許 7075561 浴槽のゴミ除去装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2022-05-18

(45)【発行日】2022-05-26

(54)【発明の名称】浴槽のゴミ除去装置

(51)【国際特許分類】

   A47L 25/00 20060101AFI20220519BHJP

   A47K 3/00 20060101ALI20220519BHJP

【ＦＩ】

A47L25/00 D

A47K3/00 H

A47K3/00 Q

【請求項の数】 1

(21)【出願番号】P 2017152770

(22)【出願日】2017-07-21

(65)【公開番号】P2019022638

(43)【公開日】2019-02-14

【審査請求日】2020-05-15

(73)【特許権者】

【識別番号】597087642

【氏名又は名称】有限会社ビレジオン

(72)【発明者】

【氏名】村上 勲

【審査官】大内 康裕

(56)【参考文献】

【文献】特開２００１－１７３０６４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１３－１６５９３９（ＪＰ，Ａ）

【文献】実公昭３５－０１９５５０（ＪＰ，Ｙ１）

【文献】特開２００９－１１８８８６（ＪＰ，Ａ）

【文献】実開平０６－０８５６６１（ＪＰ，Ｕ）

【文献】特開平０１－２１８４２７（ＪＰ，Ａ）

【文献】実開昭６３－１３２６７３（ＪＰ，Ｕ）

【文献】欧州特許出願公開第０４０１４３６（ＥＰ，Ａ１）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ａ４７Ｌ ２５／００

Ａ４７Ｋ ３／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

入浴後に浴槽の底面に溜まったゴミの混入した貯留水を吸入するゴミ吸入器と、前記浴槽の排出口に固定し前記ゴミの混入した貯留水を排出するゴミ排出器とを備え、
前記ゴミ吸入器は、前面にスリット開口部を設け、上面は弾性フイルムで覆うとともに前記スリット開口部より前方に細棒突起を付けた前記弾性フイルムの張出部を設けたゴミ吸入ケースと、前記ゴミ吸入ケースの後面にゴミの送出管を設け、
前記ゴミ吸入ケースは、前記スリット開口部の下側に設け下側先端がゴミ除去時に浴槽の底面に当接するコの字形状に形成されたゴミ収集板を設けることとしたことを特徴とする浴槽のゴミ除去装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、入浴後に浴槽の底面に溜まったゴミを簡潔構造で容易に排出することができる浴槽のゴミ除去装置に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、入浴後に浴槽の底面に溜まったゴミの除去は、浴槽の水を流し底面に残った水と共に排出することが行われている。
また、入浴後の浴槽の底面に溜まったゴミを底面の水と共に浴槽外に排出するものもある（例えば特許文献１参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】特開２０１３－１６５９３９号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかしながら、入浴後に浴槽の底面に溜まったゴミを浴槽の水と共に排出する場合には、浴槽の水はすべて排出されてしまい追い炊きはできず不経済と云う問題があった。
また、入浴後に浴槽の底面に溜まったゴミを底面の水と共に浴槽外に排出する場合には、ポンプなどを使用し排出しなければならず複雑構造でやはり不経済と云う問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、入浴後に浴槽の底面に溜まったゴミを簡潔構造で容易に排出することができる浴槽のゴミ除去装置を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0005】

本発明の浴槽のゴミ除去装置は、入浴後に浴槽の底面に溜まったゴミの混入した貯留水を吸入するゴミ吸入器と、前記浴槽の排出口に固定し前記ゴミの混入した貯留水を排出するゴミ排出器とを備えることとした。
また、前記ゴミ吸入器は、前面にスリット開口部を設け、上面は弾性フイルムで覆うとともに前記スリット開口部より前方に細棒突起を付けた前記弾性フイルムの張出部を設けたゴミ吸入ケースと、前記ゴミ吸入ケースの後面にゴミの送出管を設けることとした。
また、前記ゴミ吸入ケースは、前記スリット開口部の下側に設け下側先端がゴミ除去時に浴槽の底面に当接する断面長方形状のゴミ収集板を設けることとした。
また、前記弾性フイルムの張出部は、厚さを０．３ｍｍとすることとした。
また、前記ゴミ吸入ケースの上面を覆う前記弾性フイルムは、少なくとも前記ゴミ吸入ケースの側面内側まで延長することとした。
また、前記弾性フイルムは、透明とすることとした。
さらに、前記ゴミ排出器は、前記ゴミ吸入器と接続する送入栓を形成し前記ゴミの混入した貯留水を送入するゴミの送入筒と、前記送入筒が上側に接続し、円周内側下面に沿って同一断面の突出部を形成した環状吸着ゴム板とを設けることとした。

【発明の効果】

【0006】

本発明の浴槽のゴミ除去装置は、入浴後に浴槽の底面に溜まったゴミの混入した貯留水を吸入するゴミ吸入器と、前記浴槽の排出口に固定し前記ゴミの混入した貯留水を排出するゴミ排出器とを備えることとしたため、入浴後に浴槽の底面に溜まったゴミを簡潔構造で容易に排出することができる。
また、前記ゴミ吸入器は、前面にスリット開口部を設け、上面は弾性フイルムで覆うとともに前記スリット開口部より前方に細棒突起を付けた前記弾性フイルムの張出部を設けたゴミ吸入ケースと、前記ゴミ吸入ケースの後面にゴミの送出管を設けることとしたため、簡潔容易で極めて円滑にゴミの混入した貯留水を吸入することができる。
また、前記ゴミ吸入ケースは、前記スリット開口部の下側に設け下側先端がゴミ除去時に浴槽の底面に当接する断面長方形状のゴミ収集板を設けることとしたため、極めて円滑にゴミの混入した貯留水を吸入することができる。
また、前記弾性フイルムの張出部は、厚さを０．３ｍｍとすることとしたため、可撓性と適切な強度を保ちゴミの流れを円滑としている。
また、前記ゴミ吸入ケースの上面を覆う前記弾性フイルムは、少なくとも前記ゴミ吸入ケースの側面内側まで延長することとしたため、接着剤などで確実に固定されると共にゴミの混入した貯留水の流れを円滑としている。
また、前記弾性フイルムは、透明とすることとしたため、前記ゴミ吸入ケースの上面よりゴミの吸入状況を的確に監視することができる。
さらに、前記ゴミ排出器は、前記ゴミ吸入器と接続する送入栓を形成し前記ゴミの混入した貯留水を送入するゴミの送入筒と、前記送入筒が上側に接続し、円周内側下面に沿って同一断面の突出部を形成した環状吸着ゴム板とを設けることとしたため、浴槽の排出口の大きさに左右されず排出口を塞ぐと共に前記ゴミ吸入器で吸入したゴミの混入した貯留水を容易に浴槽から排出することができる。

【図面の簡単な説明】

【0007】

【図1】 本発明の実施形態の浴槽のゴミ除去装置で使用するゴミ吸入器の斜視図を示す。

【図2】 本発明の実施形態の浴槽のゴミ除去装置のゴミ吸入器で使用するゴミ収集板の図を示し、図２（Ａ）は断面図を示し、図２（Ｂ）は作成図を示す。

【図3】 本発明の実施形態の浴槽のゴミ除去装置のゴミ吸入器で使用するゴミ吸入ケースの断面図を示す。

【図4】 本発明の実施形態の浴槽のゴミ除去装置で使用するゴミ排出器の断面図を示す。

【図5】 本発明の実施形態の浴槽のゴミ除去装置を使用するときの図を示し、図５（Ａ）はゴミ吸入器の断面図を示し、図５（Ｂ）はゴミ排出器の側面図を示す。

【発明を実施するための形態】

【0008】

以下、本発明の実施形態の浴槽のゴミ除去装置につき説明する。

【実施例】

【0009】

図１は、本発明の実施形態の浴槽のゴミ除去装置で使用するゴミ吸入器の斜視図を示し、図４は、本発明の実施形態の浴槽のゴミ除去装置で使用するゴミ排出器の断面図を示す。
図１、図４に示すように、本発明の実施形態の浴槽のゴミ除去装置３０は、浴後の浴槽の底面に溜まったゴミを吸入するゴミ吸入器１０と、浴槽の排出口に固定しゴミ吸入器１０により吸入したゴミを排出するゴミ排出器２０とで構成されている。

【0010】

図１に示すように、ゴミ吸入器１０は、平面台形の箱型のゴミ吸入ケース１２を設けている。ゴミ吸入ケース１２は、前面にスリット開口部１６を形成し、上面内側側面に細長のフランジ１４ａ、１４ｂを形成し上面内側後面に細長のフランジ１４ｃを形成しており、フランジ１４ａ、１４ｂ、１４ｃの下側に固定し弾性透明フイルム１３で上面を覆うとともにスリット開口部１６より前方に弾性透明フイルム１３の張出部１３ｃを設けている。
弾性透明フイルム１３の張出部１３ｃの先端側下方に細棒突起１５を設けている。また、ゴミ吸入ケース１２の後面にゴミの送出管１８を設けている。ゴミ吸入ケース１２の後面には送出穴１８ａが形成されており、ゴミ吸入ケース１２とゴミの送出管１８とは連通している。

【0011】

ゴミ吸入ケース１２は、スリット開口部１６の下側先端に浴槽の底面にゴミ除去時に当接する断面長方形状のゴム材で形成したゴミ収集板１７を設けている。ゴミ吸入器１０により浴槽の底面に溜まったゴミの除去を行うとき、ゴミ収集板１７の先端下部と細棒突起１５の下端が浴槽の底面に当接する。

【0012】

弾性透明フイルムの張出部１３ｃは、前後の所定の幅に対し厚さを０．３ｍｍとなっている。弾性透明フイルムの張出部１３ｃの前後の所定の幅は通常４５ｍｍに設定している。
そのため、弾性透明フイルムの張出部１３ｃは可撓性と適切な強度を保ちゴミの流れを円滑としている。
また、ゴミ吸入ケース１２の上面を覆う弾性透明フイルム１３は、不透明とすることもできるが、透明とすることによりゴミの状況を的確に監視することができる。

【0013】

ゴミ収集板１７は、図２（Ａ）に示すように、上面側の上面部１７ａと、下面側の下面部１７ｂと、前面側の側面部１７ｃとで断面がコの字形状に形成され、ゴミ吸入ケース１２の前面側に伸びたゴミ吸入ケース板１２ａに固定されている。そのため、ゴミ収集板１７は、ゴミの除去を行うとき前面側の下側エッジ部Ｓを浴槽の底面に当接することができる。
従って、ゴミ収集板１７は、極めて円滑にゴミの混入した貯留水を吸入することができる。
また、コの字形状に形成する前のゴミ収集板１７は、図２（Ｂ）に示すように、切り欠き部１９を中央部に設け、矢印Ｋに示すように両端を内側に折り曲げ図２（Ａ）に示すコの字形状に形成される。

【0014】

弾性透明フイルム１３は、図３に示すように、フランジ１４ａ、１４ｂの下側に固定されゴミ吸入ケース１２の側面内側まで延長しており、弾性透明フイルム１３を確実に固定すると共にゴミの混入した貯留水の流れを円滑としている。
なお、弾性透明フイルム１３はゴミ吸入ケース１２の後面内側まで延長することもできるが、その場合送出管１８への送出穴を設ける必要がある。

【0015】

図４は、本発明の実施形態の浴槽のゴミ除去装置のゴミ排出器の断面図を示す。図４に示すように、浴槽のゴミ除去装置３０のゴミ排出器２０は、形成した送入栓２２が図１に示すゴミの送出管１８とビニールチューブ２４で接続するゴミの送入筒２１と、ゴミの除去を行うとき浴槽２９の底面２９ａに固定可能の環状吸着ゴム板２３とを設けている。
環状吸着ゴム板２３は、ゴミの送入筒２１が同一円心で上側に接続し、円周内側下面に沿って同一断面で環状に形成された突出部２３ｃと、環状板部２３ｂと、送入筒の固定部２３ａを形成している。
浴槽２９は貯留水Ｗが溜まっており、ゴミ排出器２０は、貯留水Ｗの圧力Ｐにより撓みゴミの除去を行うときは浴槽２９の底面２９ａに固定されている。そのため、ゴミの混入した貯留水は図１に示すゴミ吸入器１０より送入栓２２に送入し排出口２８より排出する。
なお、環状吸着ゴム板２３の突出部２３ｃの内径は通常使用されている排出口２８より大に設定されており、ゴミ排出器２０は通常使用の排出口に適応する。

【0016】

図５は、本発明の実施形態の浴槽のゴミ除去装置を使用するときの図を示し、図５（Ａ）はゴミ吸入器の断面図を示し、図５（Ｂ）はゴミ排出器の側面図を示す。
図５（Ａ）に示すように、ゴミの除去を行うときには、ゴミ吸入器１０は浴槽２９の底面２９ａに押し当てられ弾性透明フイルム１３の張出部１３ｃとゴミ収集板１７はわずかに湾曲し、ゴミ収集板１７の先端と細棒突起１５の下端は浴槽２９の底面２９ａに当接しゴミの送出管１８により矢印Ａに示すように前方への移動が繰り返される。
浴槽２９に貯留の貯留水Ｗに混入にしたゴミ吸入器１０の前方のゴミＥは貯留水とともに矢印Ｂに示すようにゴミ吸入ケース１２に吸入され、送出穴１８ａを通りゴミの送出管１８より送出する。
従って、ゴミ吸入器は簡潔容易で極めて円滑にゴミの混入した貯留水を吸入することができる。

【0017】

図５（Ｂ）に示すように、ゴミ排出器２０は、浴槽２９に貯留の貯留水Ｗの圧力により浴槽２９の底面２９ａに排出口２８の上部で固定されている。
ビニールチューブ２４は図５（Ａ）に示すゴミの送出管１８に接続しており、ゴミ吸入器１０よりのゴミＥの混入した貯留水は送入筒２１と環状吸着ゴム板２３とを通り、排出口２８より排出する。
従って、ゴミ排出器２０は、極めて容易に排出口２８を塞ぐと共にゴミ吸入器１０で吸入したゴミの混入した貯留水を容易に浴槽から排出することができる。
なお、図５（Ａ）の矢印Ｂに示すように貯留水Ｗの流れは、ゴミ吸入器１０を貯留水Ｗの水面下に沈めることにより、スリット開口部１６が水面より上に出ない限り継続する。

【0018】

以上述べたごとく、本発明の浴槽のゴミ除去装置３０は、入浴後に浴槽２９の底面２９ａに溜まったゴミを吸入するゴミ吸入器１０と、浴槽２９の排出口２８に接続し吸入したゴミを排出するゴミ排出器２０とを設けることとしたため、入浴後に浴槽２９の底面２９ａに溜まったゴミを簡潔構造で容易に排出することができる。なお、より簡潔構造とする場合には、ゴミ収集板１７を設置せずに使用することもできる。

【産業上の利用可能性】

【0019】

本発明の浴槽のゴミ除去装置は、家庭用や工場用などの各種浴槽の洗浄用に幅広く利用することができる。

【符号の説明】

【0020】

１０ ゴミ吸入器
１２ ゴミ吸入ケース
１３ 弾性透明フイルム
１３ｃ 張出部
１４ａ、１４ｂ、１４ｃ フランジ
１５ 細棒突起
１６ スリット開口部
１７ ゴミ収集板。
１８ ゴミの送出管
２０ ゴミ排出器
２１ ゴミの送入筒
２３ 環状吸着ゴム板
２８ 排出口
２９ 浴槽
３０ 浴槽のゴミ除去装置

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】