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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-18
(45)【発行日】2022-05-26
(54)【発明の名称】多段拡張機能を有するタイヤ成形ドラム
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/24 20060101AFI20220519BHJP
【FI】
B29D30/24
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021006864
(22)【出願日】2021-01-20
【審査請求日】2021-01-20
(31)【優先権主張番号】10-2020-0163658
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520246869
【氏名又は名称】ドンバン エンジニアリング カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DONGBANG ENGINEERING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】245, Sonjae-ro, Gwangsan-gu, Gwangju 62209, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】キム ジス
(72)【発明者】
【氏名】ホン キフン
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-024931(JP,A)
【文献】特開平7-100954(JP,A)
【文献】特開2015-39821(JP,A)
【文献】特開2020-23091(JP,A)
【文献】実開平2-104223(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 30/00-30/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ半製品の生産に使用されるゴムバンドの中央部が巻かれるセンタードラムと、
前記センタードラムを中心に両側に設置されて前記ゴムバンドの両側部が巻かれ、上部に設置されたブラダリングが内部リンク作用によってドラムの径方向に上昇および下降運動するサイドドラムと、を含み、
前記サイドドラムのブラダリングにリンク連結されてブラダリングをドラムの径方向に上昇及び下降させる駆動リンクをさらに含み、
前記駆動リンクは、
サイドドラムの最外側に設置され、センタードラムに向かって前進運動する第1駆動リンクと、
前記第1駆動リンクとセンタードラムの方向に相互連結され、センタードラムに向かって前進運動する第2駆動リンクと、
前記第2駆動リンクとセンタードラムの方向に相互連結され、センタードラムに向かって前進運動する第3駆動リンクと、を含むことを特徴とする、タイヤ成形ドラム。
【請求項2】
前記ブラダリングが、前記第3駆動リンクにリンク連結されて前記駆動リンクの前後進運動によってドラムの径方向に上昇及び下降するが、
前記第1駆動リンクが最大に前進した後、前記第2駆動リンクが前進し、前記第2駆動リンクが最大に前進した後、前記第3駆動リンクが前進することを特徴とする、請求項に記載のタイヤ成形ドラム。
【請求項3】
前記第1駆動リンク及び前記第2駆動リンクが最大に前進した状態でのブラダリングの上昇高さは、前記第1駆動リンクが最大に前進した状態でのブラダリングの上昇高さよりも高く、
前記第1駆動リンク乃至前記第3駆動リンクが最大に前進した状態でのブラダリングの上昇高さは、前記第1駆動リンク及び前記第2駆動リンクが最大に前進した状態でのブラダリングの上昇高さよりも高いことを特徴とする、請求項に記載のタイヤ成形ドラム。
【請求項4】
前記第1駆動リンクの最大前進長さを制限する第1段差部と、
前記第2駆動リンクの最大前進長さを制限する第2段差部と、
前記第1駆動リンク及び前記第2駆動リンクが最大に前進した状態で前記第3駆動リンクが最大前進長さを制限する第3段差部とをさらに含むことを特徴とする、請求項に記載のタイヤ成形ドラム。
【請求項5】
前記第1駆動リンク及び前記第2駆動リンクが最大に前進した状態でのブラダリングの上昇高さは、前記第1駆動リンクが前進した状態で形成されたタイヤ半製品上にゴムバンドが巻かれながら増加した高さに対応することを特徴とする、請求項に記載のタイヤ成形ドラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多段拡張機能を有するタイヤ成形ドラムに係り、より詳細には、タイヤ半製品の生産に使用されるサイドドラムがリンク構造を介して多段拡張機能を有するタイヤ成形ドラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で別に表示されない限り、このセクションで説明される内容は、この出願の請求項に関する従来技術ではなく、このセクションに含まれるとして従来技術と認められるのではない。
【0003】
タイヤは、大きく精錬、半製品、成形、加硫などの4つの製造工程を経て完成される。まず、ミキサーで各種ゴムと薬品などを混合・ミキシングして配合ゴムを生産する精錬工程が行われた後、定められたゴムを持ってタイヤの規格に基づいて一定の幅、厚さにトレッドとサイドウォールを射出する工程である押出工程が行われる。次に、鋼線にゴムを被せ、所定の回数で巻いた後、規格に合わせて射出されたビードフィラーを付着させるビード工程が行われ、トレッドやサイドウォール、ビード、ベルト、カーカスなどのすべての半製品を順番に組み立ててグリーンタイヤ(通常、グリーンケースという)を作る成形工程によって、グリーンタイヤが製造される。その後、前記グリーンタイヤをモールドに投入し、所定の温度と圧力を一定の時間加えて、完成したタイヤが得られる加硫工程によって仕上げられる。
【0004】
ここで、グリーンタイヤを製造するために、タイヤ成形ドラムに必要なすべての半製品を組み立てるが、これに必要な半製品を製作するためにドラムを使用する。前記ドラムは、大きく、半製品の中央に対応する位置に設置されるセンタードラムと、前記センタードラムを中心に両側に設置されるサイドドラムとから構成できる。前記センタードラムとサイドドラムを含むドラムを介してタイヤ半製品を生産する過程を説明すると、次の通りである。まず、前記センタードラムが固定された状態で、両側に形成されたサイドドラムが径方向に沿って上下運動するように構成される。前記サイドドラムが径方向に上昇して前記センタードラムとサイドドラムとの水平が取れた状態でゴムバンドがドラムに巻かれる。その後、サイドドラムが下降して、センタードラムに位置したゴムバンドとサイドバンドに位置したゴムバンドとの高さ差が発生した状態で、サイドドラムに形成されたターンアップブラダーによってゴムバンドの両側部をターンアップして半製品が生産される。
【0005】
ここで、前記タイヤ半製品は、既に設計されたセンタードラムとサイドドラムの位置や相互作用関係によって同じ品質のタイヤ半製品が生産され、特に半製品を単一層ではなく、複数の積層構造で生産するためには、前述した半製品の生産過程を繰り返し行って半製品を積層させる。しかし、一般なセンタードラム及びサイドドラムは、前述したように、既に設計された位置及び作用関係を持つようになり、最初のゴムバンドをドラムに積層させ、サイドをターンアップした後、その上に積層されるべきゴムバンドをドラムに巻く場合、センタードラムに位置したゴムバンドとサイドドラムに位置したゴムバンドとの高さ差が発生する。より詳細には、最初の第1ゴムバンドの両側部がターンアップされて第1半製品が生成された後、第2ゴムバンドが第1ゴムバンドの上部に積層されて巻かれた状態で、第1半製品生産過程と同じ過程で進行する場合、センタードラムに巻かれた第2ゴムバンドとサイドドラムに巻かれた第2ゴムバンドとの間には、第1ゴムバンドの厚さだけの直径差が発生するので、第2ゴムバンドは、水平をなしていない状態で両側部がターンアップされる。
【0006】
これは、生産された半製品の品質が劣るという問題点を生じさせる。特に、複数の半製品を積層形成する過程ではかかる問題点がさらに大きくなるので、センタードラムとサイドドラムとの水平を取るための手段が求められた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、センタードラムを中心に両側に形成されたサイドドラムにおいて、内部リンク構造を介して多段拡張機能を有するタイヤ成形ドラムを提供しようとする。
【0008】
また、本発明の課題は上述した技術的課題に限定されず、以降の説明から別の技術的課題が導き出される可能性もあるのは自明である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係るタイヤ成形ドラムは、タイヤ半製品の生産に使用されるゴムバンドの中央部が巻かれるセンタードラムと、前記センタードラムを中心に両側に設置されて前記ゴムバンドの両側部が巻かれ、上部に設置されたブラダリングが内部リンク作用によってドラムの径方向に上昇および下降運動するサイドドラムと、を含む。
【0010】
本発明の好適な特徴によれば、前記サイドドラムのブラダリングにリンク連結されてブラダリングをドラムの径方向に上昇及び下降させる駆動リンクをさらに含み、前記駆動リンクは、サイドドラムの最外側に設置され、センタードラムに向かって前進運動する第1駆動リンクと、前記第1駆動リンクとセンタードラムの方向に相互連結され、センタードラムに向かって前進運動する第2駆動リンクと、前記第2駆動リンクとセンタードラムの方向に相互連結され、センタードラムに向かって前進運動する第3駆動リンクと、を含む。
【0011】
本発明の好適な特徴によれば、前記ブラダリングは、第3駆動リンクにリンク連結されて駆動リンクの前後進運動によってドラムの径方向に上昇及び下降するが、前記第1駆動リンクが最大に前進した後、第2駆動リンクが前進し、第2駆動リンクが最大に前進した後、第3駆動リンクが前進することを特徴とする。
【0012】
本発明の好適な特徴によれば、前記第1駆動リンク及び第2駆動リンクが最大に前進した状態でのブラダリングの上昇高さは、前記第1駆動リンクが最大に前進した状態でのブラダリングの上昇高さよりも高く、前記第1駆動リンク乃至第3駆動リンクが最大に前進した状態でのブラダリングの上昇高さは、前記第1駆動リンク及び第2駆動リンクが最大に前進した状態でのブラダリングの上昇高さよりも高いことを特徴とする。
【0013】
本発明の好適な特徴によれば、前記第1駆動リンクの最大前進長さを制限する第1段差部と、前記第2駆動リンクの最大前進長さを制限する第2段差部と、前記第1駆動リンク及び第2駆動リンクが最大に前進した状態で第3駆動リンクが最大前進長さを制限する第3段差部とをさらに含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の好適な特徴によれば、前記第1駆動リンク及び第2駆動リンクが最大に前進した状態でのブラダリングの上昇高さは、前記第1駆動リンクが前進した状態で形成されたタイヤ半製品上にゴムバンドが巻かれながら増加した高さに対応することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施形態によれば、センタードラムとサイドドラムとの水平関係を維持した状態でゴムバンドが巻かれて積層されることにより、複数のタイヤ半製品を積層させる過程でも同じ品質を維持することができるという利点がある。
【0016】
また、本発明の実施形態によれば、サイドドラムに形成されたリンク構造の相互作用のみでサイドドラムの高さを微調整することができるという利点がある。
【0017】
本発明の効果は、上述した効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明または特許請求の範囲に記載された発明の構成から推論可能なすべての効果を含むものと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態によるタイヤ成形ドラムの断面図である。
図2】本発明の一実施形態によるタイヤ成形ドラムの作動状態図である。
図3】本発明の一実施形態によるタイヤ成形ドラムの作動状態図である。
図4】本発明の一実施形態によるタイヤ成形ドラムの作動状態図である。
図5】本発明の一実施形態によるタイヤ成形ドラムにおいて、第1駆動リンク乃至第3駆動リンクが前進しながらブラダリングが上昇する高さ差を示す断面図である。
図6】本発明の一実施形態によるタイヤ成形ドラムにおいて、第1駆動リンク乃至第3駆動リンクが前進しながらブラダリングが上昇する高さ差を示す断面図である。
図7】本発明の一実施形態によるタイヤ成形ドラムにおいて、第1駆動リンク乃至第3駆動リンクが前進しながらブラダリングが上昇する高さ差を示す断面図である。
図8】本発明の一実施形態によるタイヤ成形ドラムにおいて、第1駆動リンク乃至第3駆動リンクが前進しながらブラダリングが上昇する高さ差を示す断面図である。
図9】本発明の一実施形態によるタイヤ成形ドラムにおいて、第1駆動リンク乃至第3駆動リンクが前進しながらブラダリングが上昇する高さ差を示す断面図である。
図10】本発明の一実施形態によるタイヤ成形ドラムにおいて、第1駆動リンク乃至第3駆動リンクが前進しながらブラダリングが上昇する高さ差を示す断面図である。
図11】本発明の一実施形態によるタイヤ成形ドラムにおいて、第1駆動リンク乃至第3駆動リンクが前進しながらブラダリングが上昇する高さ差を示す断面図である。
図12】本発明の一実施形態によるタイヤ成形ドラムにおいて、第1駆動リンク乃至第3駆動リンクが前進しながらブラダリングが上昇する高さ差を示す断面図である。
図13】本発明の一実施形態によるタイヤ成形ドラムにおいて、第1駆動リンク乃至第3駆動リンクが前進しながらブラダリングが上昇する高さ差を示す断面図である。
図14】本発明の一実施形態によるタイヤ成形ドラムにおいて、第1駆動リンク乃至第3駆動リンクが前進しながらブラダリングが上昇する高さ差を示す断面図である。
図15】本発明の一実施形態によるタイヤ成形ドラムにおいて、第1駆動リンク乃至第3駆動リンクが前進しながらブラダリングが上昇する高さ差を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、好適な実施形態によるタイヤ成形ドラムの構成、動作及び作用効果について説明する。参考までに、以下の図面において、各構成要素は、利便性及び明確性のために省略されるか或いは概略的に図示された。各構成要素の大きさは、実際の大きさを反映するものではない。また、明細書全体にわたって、同一の参照符号は同一の構成要素を指し、個別図面における同一の構成に対する符号は省略することにする。
【0020】
図1は本発明の一実施形態によるタイヤ成形ドラムの断面図を示す。
【0021】
本発明の一実施形態によるタイヤ成形ドラムは、タイヤ半製品の生産に使用されるゴムバンドの中央部が巻かれるセンタードラム1と、前記センタードラム1を中心に両側に設置されて前記ゴムバンドの両側部が巻かれ、上部に設置されたブラダリング3が内部リンク作用によってドラムの径方向に上昇および下降運動するサイドドラム2と、を含む。
【0022】
前記センタードラム1及びサイドドラム2は、タイヤの成形に使用されるドラムであって、円筒状をしており、ゴムバンドがドラムの外周面に円周方向に沿って巻かれる。前記ゴムバンドの中央部は、センタードラム1の中央に位置し、前記ゴムバンドの側面部は、センタードラム1の両側に設置されたサイドドラム2のブラダリング3上に位置する。このようにゴムバンドがドラムに巻かれた状態で、前記サイドドラム2が直径方向に沿って下降し、サイドドラム2に形成されたターンアップブラダー4によってゴムバンドの両側部がターンアップされながらタイヤ半製品が生産される。前記タイヤ半製品は、単一層ではなく、複数の積層構造を持つように生産することができる。これは、前述した半製品生産過程を繰り返し行うことにより、積層された半製品を作る。ここで、前記サイドドラム2が上下運動する高さは、既に設計された高さだけ上昇及び下降するが、センタードラムにおいて一番目のゴムバンドで作られた半製品上に、二番目のゴムバンドが巻かれながら、二番目のゴムバンドの厚さだけの高さ差が発生するので、前記サイドドラム2が上昇の際に前述した高さ差だけさらに上昇する必要が存在する。
【0023】
それにより、本発明の好適な特徴によれば、前記サイドドラム2のブラダリング3にリンク連結されてブラダリング3をドラムの径方向に上昇及び下降させる駆動リンク5をさらに含むが、前記駆動リンク5は、サイドドラム2の最外側に設置され、センタードラム1に向かって前進運動する第1駆動リンク51と、前記第1駆動リンク51とセンタードラム1の方向に相互連結され、センタードラム1に向かって前進運動する第2駆動リンク53と、前記第2駆動リンク53とセンタードラム1の方向に相互連結され、センタードラム1に向かって前進運動する第3駆動リンク55とを含む。
【0024】
前記第1駆動リンク51乃至第3駆動リンク55を含む駆動リンク5は、サイドドラム2に形成されたブラダリング3を多段拡張させるための構造であって、サイドドラム2の最外側に設置された第1駆動リンク51がセンタードラム1に向かって前進すると、リンク連結されたブラダリング3が上昇する。より詳細には、前記駆動リンク5は、サイドドラム2の最外側からセンタードラム1に向かって第1駆動リンク51、第2駆動リンク53、第3駆動リンク55が順番に連結されている。前記ブラダリング3は、第3駆動リンク55にリンク連結されており、駆動リンク5の前後進に応じて、リンク連結されたブラダリング3が上昇または下降運動するように構成される。ここで、前記第1駆動リンク51が前進すると、第3駆動リンク55が一緒に前進しながら、リンク連結されたブラダリング3を上昇させる。
【0025】
図2は本発明の一実施形態によるタイヤ成形ドラムにおいて、第1駆動リンク乃至第3駆動リンクが前進しながらブラダリングが上昇する高さ差を示す断面図である。
【0026】
本発明の好適な特徴によれば、前記ブラダリング3は、第3駆動リンク55にリンク連結されて駆動リンク5の前後進運動によってドラムの径方向に上昇及び下降するが、前記第1駆動リンク51が最大に前進した後、第2駆動リンク53が前進し、第2駆動リンク53が最大に前進した後、第3駆動リンク55が前進することを特徴とする。
【0027】
また、本発明の好適な特徴によれば、前記第1駆動リンク51及び第2駆動リンク53が最大に前進した状態でのブラダリング3の上昇高さは、前記第1駆動リンク51が最大に前進した状態でのブラダリング3の上昇高さよりも高く、前記第1駆動リンク51乃至第3駆動リンク55が最大に前進した状態でのブラダリング3の上昇高さは、前記第1駆動リンク51及び第2駆動リンク53が最大に前進した状態でのブラダリング3の上昇高さよりも高いことを特徴とする。
【0028】
前記駆動リンク5が前後進する方式としては、まず、第1駆動リンク51がセンタードラム1に向かって前進すると、順番に連結された第2駆動リンク53及び第3駆動リンク
55が一緒に前進しながらブラダリング3を上昇させる。ここで、前記第1駆動リンク51が最大に前進した状態で第2駆動リンク53が前進すると、相互連結された第3駆動リンク55が一緒に前進しながらブラダリング3はもう一度上昇することになる。同様に、第2駆動リンク53が最大に前進した状態で第3駆動リンク55が前進すると、ブラダリング3がさらに上昇することになる。このように、リンク構造を持つ駆動リンク5及びブラダリング3によってブラダリング3が多段拡張構造を持つことにより、複数の半製品を積層させる場合において、センタードラム1とサイドドラム2との高さ差を無くし、水平状態でゴムバンドを巻くようにして、安定した品質を維持することができる。
【0029】
本発明の好適な特徴によれば、前記第1駆動リンク51の最大前進長さを制限する第1段差部52と、前記第2駆動リンク53の最大前進長さを制限する第2段差部54と、前記第1駆動リンク51及び第2駆動リンク53が最大に前進した状態で第3駆動リンク55が最大前進長さを制限する第3段差部56とをさらに含むことを特徴とする。
【0030】
前記第1段差部52乃至第3段差部56は、駆動リンク5が前進することが可能な最大長さを限定しながら駆動リンク5が段差部52、54、56に支持されることにより、ブラダリング3が移動せずに固定される。例えば、前記第1駆動リンク51が第1段差部52まで前進すると、それ以上前進することができなくなり、第1駆動リンク51は前後進せずに固定された状態を維持し、それにより、リンク連結されたブラダリング3も上昇した高さで固定される。前記第2駆動リンク53と第3駆動リンク55が第2段差部54及び第3段差部56まで前進して固定されることも、第1駆動リンク51と同様の方式で行われるので、説明を省略する。
【0031】
本発明の好適な特徴によれば、前記第1駆動リンク51及び第2駆動リンク53が最大に前進した状態でのブラダリング3の上昇高さは、前記第1駆動リンク51が前進した状態で形成されたタイヤ半製品上にゴムバンドが巻かれながら増加した高さに対応することを特徴とする。
【0032】
多段拡張が可能な駆動リンク5の構造を形成することは、複数のタイヤ半製品を積層させるためのものであり、一番目のゴムバンドが巻かれた状態でターンアップブラダー4によってゴムバンドの両側部がターンアップされて半製品が生産された後、二番目のゴムバンドがセンタードラム1及びサイドドラム2に巻かれると、サイドドラム2のブラダリング3上に巻かれたゴムバンドとセンタードラム1の一番目に生産された半製品上に巻かれたゴムバンドとの高さ差(H2-H1)が発生する。ここで、前記高さ差(H2-H1)は、半製品の厚さに対応する差である。これは、前記第1駆動リンク51が前進した状態で第2駆動リンク53が前進することにより、高さ差(H2-H1)を補償する。
【0033】
このように二つの半製品が積層された状態で三番目のゴムバンドを積層させてステッチ(stitching)するために、前記ブラダリング3は、二つの半製品が積層されて高くなった高さH3だけさらに上昇しなければならない。これにより、第3駆動リンク55が最大に前進しながら、第2駆動リンク53が最大に前進した状態での高さよりも高くなった高さ(H3-H2)だけ上昇して、センタードラム1とサイドドラム2とが水平状態を維持する。
【0034】
以上、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明したが、本明細書に記載された実施形態、及び図面に示された構成は、本発明の最も好適な一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替することができる様々な均等物と変形例があり得ることを理解すべきである。したがって、以上で記述した実施形態は、あらゆる面で例示的なもので、限定的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は、詳細な説明よりは後述の特許請求の範囲によって示
され、特許請求の範囲の意味および範囲、そしてその等価概念から導き出されるすべての変更または変形形態も本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0035】
1 センタードラム
2 サイドドラム
3 ブラダリング
4 ターンアップブラダー
5 駆動リンク
51 第1駆動リンク
52 第1段差部
53 第2駆動リンク
54 第2段差部
55 第3駆動リンク
56 第3段差部
【要約】
【課題】サイドドラムがリンク構造を介して多段拡張機能を有するタイヤ成形ドラムを提供する。
【解決手段】タイヤ成形ドラムは、タイヤ半製品の生産に使用されるゴムバンドの中央部が巻かれるセンタードラムと、センタードラムを中心に両側に設置されてゴムバンドの両側部が巻かれ、上部に設置されたブラダリングが内部リンク作用によってドラムの径方向に上昇および下降運動するサイドドラムと、ブラダリングにリンク連結されてブラダリングをドラムの径方向に上昇及び下降させる駆動リンクとを含み、駆動リンクは、サイドドラムの最外側に設置され、センタードラムに向かって前進運動する第1駆動リンクと、第1駆動リンクとセンタードラムの方向に相互連結され、センタードラムに向かって前進運動する第2駆動リンクと、第2駆動リンクとセンタードラムの方向に相互連結され、センタードラムに向かって前進運動する第3駆動リンクとを含む。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15