IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社saiブランドの特許一覧

<>
  • 特許-中空部材の連結具 図1
  • 特許-中空部材の連結具 図2
  • 特許-中空部材の連結具 図3
  • 特許-中空部材の連結具 図4
  • 特許-中空部材の連結具 図5
  • 特許-中空部材の連結具 図6
  • 特許-中空部材の連結具 図7
  • 特許-中空部材の連結具 図8
  • 特許-中空部材の連結具 図9
  • 特許-中空部材の連結具 図10
  • 特許-中空部材の連結具 図11
  • 特許-中空部材の連結具 図12
  • 特許-中空部材の連結具 図13
  • 特許-中空部材の連結具 図14
  • 特許-中空部材の連結具 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-18
(45)【発行日】2022-05-26
(54)【発明の名称】中空部材の連結具
(51)【国際特許分類】
   F16B 7/18 20060101AFI20220519BHJP
   E04B 1/58 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
F16B7/18 D
E04B1/58 503Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021033884
(22)【出願日】2021-03-03
【審査請求日】2021-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】510334767
【氏名又は名称】株式会社saiブランド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】結城 拓士
【審査官】土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】実公昭63-032803(JP,Y2)
【文献】特開2002-220875(JP,A)
【文献】特開平11-210720(JP,A)
【文献】実開昭60-075502(JP,U)
【文献】実開昭57-066102(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 7/18
E04B 1/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一方向に延在する側壁を有する長尺の中空部材の連結端部に被連結部材を連結するための連結具であって、
前記中空部材の前記連結端部において前記側壁の内側に形成された中空部内に配置され、前記第一方向に延在すると共に第一ボルト孔を有する第一板部と、前記第一板部に接続されると共に前記第一方向と直交する第二方向に延在する第二板部と、を含む連結金具本体と、
前記側壁の連結端部側において前記中空部を挟んで対向する位置に形成された一対の側壁側ボルト孔と前記連結金具本体における前記第一ボルト孔とに挿嵌されることで、前記連結金具本体を前記側壁に固定する通しボルトと、
第一端が前記中空部内に配置された前記連結金具本体の前記第二板部に接続されると共に、前記第一端と反対側の第二端が前記連結端部から外部に突出するように前記第一方向に沿って延在する連結ボルトであって、前記中空部材の前記連結端部に直接又は間接的に突き当てた状態で前記第二方向に延在するように配置された前記被連結部材に形成された挿通孔に挿嵌される連結ボルトと、
前記被連結部材の前記挿通孔に挿通された状態の前記連結ボルトにおける前記第二端側に螺着されることで前記被連結部材を前記中空部材の前記連結端部側へ締め付けて前記中空部材と連結する締結用ナットと、
を備え
前記連結ボルトが、
前記第一端に設けられた多角形の頭部と、
前記頭部から前記第二端側に延出した軸部と、
を有し、
前記連結ボルトが、前記連結金具本体の前記第二板部に設けられた第二ボルト孔に、前記中空部材の前記連結端部とは反対側から前記軸部を挿通させ、前記多角形の頭部の少なくとも一辺が前記連結金具本体の前記第一板部に沿って配置され、前記連結金具本体と接続される中空部材の連結具。
【請求項2】
第一方向に延在する側壁を有する長尺の中空部材にアタッチメントを連結する連結具であって、
前記中空部材の連結端部に当接して配置されるベースプレートと、
前記中空部材の前記連結端部において前記側壁の内側に形成された中空部内に配置され、前記第一方向に延在すると共に第一ボルト孔を有する第一板部と、前記第一板部に接続されると共に前記第一方向と直交する第二方向に延在する第二板部と、を含む連結金具本体と、
前記側壁の連結端部側において前記中空部を挟んで対向する位置に形成された一対の側壁側ボルト孔と前記連結金具本体における前記第一ボルト孔とに挿嵌されることで、前記連結金具本体を前記側壁に固定する通しボルトと、
第一端が前記中空部内に配置された前記連結金具本体の前記第二板部に接続されると共に、前記第一端と反対側の第二端が前記連結端部から外部に突出するように前記第一方向に沿って延在する連結ボルトであって、前記ベースプレートに形成された挿通孔に挿嵌される連結ボルトと、
前記ベースプレートの前記挿通孔に挿通された状態の前記連結ボルトにおける前記第二端側に螺着されることで前記ベースプレートを前記中空部材の前記連結端部側へ締め付ける締結用ナットと、
を備え、
前記連結ボルトの前記アタッチメントと連結させる部分が、前記締結用ナットから突出し、前記ベースプレートに対して立設するように配置された中空部材の連結具。
【請求項3】
前記締結用ナットから突出した前記連結ボルトの第二端側と螺合する第一のアタッチメント取付用ナットと、
前記アタッチメントの少なくとも一部を貫通して設けられた取付孔に、前記連結ボルトの第二端側を通して前記アタッチメントを前記第一のアタッチメント取付用ナットの前記第二端側に隣接させた状態で、前記連結ボルトの第二端側に螺合し、前記第一のアタッチメント取付用ナットとの間で前記アタッチメントを挟持する第二のアタッチメント取付用ナットと、
を備える請求項2に記載の中空部材の連結具。
【請求項4】
第一方向に延在する側壁を有する長尺の中空部材にアタッチメントを連結する連結具であって、
前記中空部材の連結端部に当接して配置されるベースプレートと、
前記中空部材の前記連結端部において前記側壁の内側に形成された中空部内に配置され、前記第一方向に延在すると共に第一ボルト孔を有する第一板部と、前記第一板部に接続されると共に前記第一方向と直交する第二方向に延在する第二板部と、を含む連結金具本体と、
前記側壁の連結端部側において前記中空部を挟んで対向する位置に形成された一対の側壁側ボルト孔と前記連結金具本体における前記第一ボルト孔とに挿嵌されることで、前記連結金具本体を前記側壁に固定する通しボルトと、
第一端が前記中空部内に配置された前記連結金具本体の前記第二板部に接続されると共に、前記第一端と反対側の第二端が前記連結端部から外部に突出するように前記第一方向に沿って延在する連結ボルトであって、前記第二端が前記ベースプレートに形成された挿通孔に挿嵌されると共に前記アタッチメントの少なくとも一部を貫通して設けられた取付孔に挿通される連結ボルトと、
前記ベースプレートに形成された挿通孔、および前記アタッチメントの取付孔に挿通された状態の前記連結ボルトにおける前記第二端側に螺着されることで前記アタッチメントを前記ベースプレートと共に前記中空部材の連結端部側へ締め付けて前記中空部材と連結する締結用ナットと、
を備える中空部材の連結具。
【請求項5】
第一方向に延在する側壁を有する長尺の中空部材に管状アタッチメントを連結する連結具であって、
前記中空部材の連結端部に当接して配置されるベースプレートと、
前記中空部材の前記連結端部において前記側壁の内側に形成された中空部内に配置され、前記第一方向に延在すると共に第一ボルト孔を有する第一板部と、前記第一板部に接続されると共に前記第一方向と直交する第二方向に延在する第二板部と、を含む連結金具本体と、
前記側壁の連結端部側において前記中空部を挟んで対向する位置に形成された一対の側壁側ボルト孔と前記連結金具本体における前記第一ボルト孔とに挿嵌されることで、前記連結金具本体を前記側壁に固定する通しボルトと、
前記ベースプレートの前記中空部材と当接する面と反対側の面に当接して配置され、前記第一方向と直交する第二方向に延在すると共に第一取付孔を有する第一取付板部と、前記第一方向に延在すると共に第二取付孔を有する第二取付板部と、を含むベース金物と、
第一端が前記中空部内に配置された前記連結金具本体の前記第二板部に接続されると共に、前記第一端と反対側の第二端が前記連結端部から外部に突出するように前記第一方向に沿って延在する連結ボルトであって、前記第二端が前記ベースプレートに形成された挿通孔に挿嵌されると共に前記ベース金物の前記第二取付孔に挿通される連結ボルトと、
前記ベースプレートに形成された挿通孔、および前記ベース金物の前記第二取付孔に挿通された状態の前記連結ボルトにおける前記第二端側に螺着されることで前記ベース金物を前記ベースプレートに締結する締結用ナットと、
前記管状アタッチメントの連結端部側周壁において中空部を挟んで対向する位置に形成された一対のベース側ボルト孔と前記ベース金物における前記第二取付孔とに挿嵌されることで、前記ベース金物と前記管状アタッチメントとを連結するベース側ボルトと、
を備える中空部材の連結具。
【請求項6】
前記連結ボルトが、
前記第一端に設けられた頭部と、
前記頭部から前記第二端側に延出した軸部と、
を有し、
前記連結ボルトが、前記連結金具本体の前記第二板部に設けられた第二ボルト孔に、前記中空部材の前記連結端部とは反対側から前記軸部を挿通させることで前記連結金具本体と接続された請求項~5の何れか1項に記載の中空部材の連結具。
【請求項7】
前記連結ボルトの頭部が多角形であり、前記多角形の少なくとも一辺が、前記連結金具本体の前記第一板部に沿って配置される請求項6に記載の中空部材の連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、柱状の鋼材の端部に、他の鋼材を連結する場合、これら鋼材を互いに溶接することや、一方の鋼材の端部に連結用のプレートを溶接し、このプレートと他の鋼材とを複数のボルトで締結するといった手法が用いられている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-78692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の連結手法では、溶接の手間や、多数のボルトを締結する手間が生じるという問題があった。また、各部材を溶接によって連結すると、作業者の熟練度によって、強度や精度にバラツキが生じることがあり、また、接合状態の良否を目視等で確認することが難しいことから、適切な品質を安定的に確保することが容易ではなかった。
【0005】
そこで、本発明は、中空部材と他の部材とを容易に連結可能とする中空部材の連結具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る第一の連結具は、
第一方向に延在する側壁を有する長尺の中空部材の連結端部に被連結部材を連結するための連結具であって、
前記中空部材の前記連結端部において前記側壁の内側に形成された中空部内に配置され、前記第一方向に延在すると共に第一ボルト孔を有する第一板部と、前記第一板部に接続されると共に前記第一方向と直交する第二方向に延在する第二板部と、を含む連結金具本体と、
前記側壁の連結端部側において前記中空部を挟んで対向する位置に形成された一対の側壁側ボルト孔と前記連結金具本体における前記第一ボルト孔とに挿嵌されることで、前記連結金具本体を前記側壁に固定する通しボルトと、
第一端が前記中空部内に配置された前記連結金具本体の前記第二板部に接続されると共に、前記第一端と反対側の第二端が前記連結端部から外部に突出するように前記第一方向に沿って延在する連結ボルトであって、前記中空部材の前記連結端部に直接又は間接的に突き当てた状態で前記第二方向に延在するように配置された前記被連結部材に形成された挿通孔に挿嵌される連結ボルトと、
前記被連結部材の前記挿通孔に挿通された状態の前記連結ボルトにおける前記第二端側に螺着されることで前記被連結部材を前記中空部材の前記連結端部側へ締め付けて前記中空部材と連結する締結用ナットと、
を備える。
【0007】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る第二の連結具は、
第一方向に延在する側壁を有する長尺の中空部材にアタッチメントを連結する連結具であって、
前記中空部材の連結端部に当接して配置されるベースプレートと、
前記中空部材の前記連結端部において前記側壁の内側に形成された中空部内に配置され、前記第一方向に延在すると共に第一ボルト孔を有する第一板部と、前記第一板部に接続されると共に前記第一方向と直交する第二方向に延在する第二板部と、を含む連結金具本体と、
前記側壁の連結端部側において前記中空部を挟んで対向する位置に形成された一対の側壁側ボルト孔と前記連結金具本体における前記第一ボルト孔とに挿嵌されることで、前記連結金具本体を前記側壁に固定する通しボルトと、
第一端が前記中空部内に配置された前記連結金具本体の前記第二板部に接続されると共に、前記第一端と反対側の第二端が前記連結端部から外部に突出するように前記第一方向に沿って延在する連結ボルトであって、前記ベースプレートに形成された挿通孔に挿嵌される連結ボルトと、
前記ベースプレートの前記挿通孔に挿通された状態の前記連結ボルトにおける前記第二端側に螺着されることで前記ベースプレートを前記中空部材の前記連結端部側へ締め付ける締結用ナットと、
を備え、
前記連結ボルトの前記アタッチメントと連結させる部分が、前記締結用ナットから突出し、前記ベースプレートに対して立設するように配置された連結具。
【0008】
前記第二の連結具は、
前記締結用ナットから突出した前記連結ボルトの第二端側と螺合する第一のアタッチメント取付用ナットと、
前記アタッチメントの少なくとも一部を貫通して設けられた取付孔に、前記連結ボルトの第二端側を通して前記アタッチメントを前記第一のアタッチメント取付用ナットの前記第二端側に隣接させた状態で、前記連結ボルトの第二端側に螺合し、前記第一のアタッチメント取付用ナットとの間で前記アタッチメントを挟持する第二のアタッチメント取付用ナットと、
を備えてもよい。
【0009】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る第三の連結具は、
第一方向に延在する側壁を有する長尺の中空部材にアタッチメントを連結する連結具であって、
前記中空部材の連結端部に当接して配置されるベースプレートと、
前記中空部材の前記連結端部において前記側壁の内側に形成された中空部内に配置され、前記第一方向に延在すると共に第一ボルト孔を有する第一板部と、前記第一板部に接続されると共に前記第一方向と直交する第二方向に延在する第二板部と、を含む連結金具本体と、
前記側壁の連結端部側において前記中空部を挟んで対向する位置に形成された一対の側壁側ボルト孔と前記連結金具本体における前記第一ボルト孔とに挿嵌されることで、前記連結金具本体を前記側壁に固定する通しボルトと、
第一端が前記中空部内に配置された前記連結金具本体の前記第二板部に接続されると共に、前記第一端と反対側の第二端が前記連結端部から外部に突出するように前記第一方向に沿って延在する連結ボルトであって、前記第二端が前記ベースプレートに形成された挿通孔に挿嵌されると共に前記アタッチメントの少なくとも一部を貫通して設けられた取付孔に挿通される連結ボルトと、
前記ベースプレートに形成された挿通孔、および前記アタッチメントの取付孔に挿通された状態の前記連結ボルトにおける前記第二端側に螺着されることで前記アタッチメントを前記ベースプレートと共に前記中空部材の連結端部側へ締め付けて前記中空部材と連結する締結用ナットと、
を備える。
【0010】
前記第一~第四の連結具は、
前記連結ボルトが、
前記第一端に設けられた頭部と、
前記頭部から前記第二端側に延出した軸部と、
を有し、
前記連結ボルトが、前記連結金具本体の前記第二板部に設けられた第二ボルト孔に、前記中空部材の前記連結端部と反対側から前記第二ボルト孔に前記軸部を挿通させることで前記連結金具本体と接続されてもよい。
【0011】
前記第一~第四の連結具は、前記連結ボルトの頭部が多角形であり、前記多角形の少なくとも一辺が、前記連結金具本体の前記第一板部に沿って配置されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、中空部材と他の部材とを容易に連結可能とする中空部材の連結具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、第一実施形態に係る連結具を用いて中空部材と第二部材とを連結した連結構造を示す正面図である。
図2図2は、第一実施形態に係る連結構造を示す側面図である。
図3図3は、第一実施形態に係る連結構造を示す底面図である。
図4図4は、第一実施形態に係る連結具の分解斜視図である。
図5図5は、連結金具本体31の一例を示す図であり、図5(A)は正面図、図5(B)は上面図、図5(C)は底面図、図5(D)は側面図である。
図6図6は、変形例1に係る連結具を用いて中空部材と第二部材とを連結した連結構造を示す正面図である。
図7図7は、変形例1に係る連結構造を示す底面図である。
図8図8は、第二実施形態に係る連結具を用いて中空部材と第二部材と第三部材とを連結した連結構造を示す正面図である。
図9図9は、第二実施形態に係る連結構造を示す底面図である。
図10図10は、第二実施形態に本実施形態に係る連結具を用いたデッキの構成を示す図である。
図11図11は、変形例2に係る連結具を用いて中空部材と第二部材第三部材とを連結した連結構造を示す図である。
図12図12は、第三実施形態に係る連結具を用いて中空部材と第二部材と第三部材とを連結した連結構造を示す図である。
図13図13は、第三実施形態に係る第三部材の底面、正面、及び側面を示す斜視図である。
図14図14は、第四実施形態に係る連結具を用いて中空部材と管状アタッチメントとを連結した連結構造を示す図である。
図15図15は、第四実施形態に係る連結具を用いて管状アタッチメントを連結した状態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第一実施形態>
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態は本発明の一例であり、本発明の構成は以下の例には限定されない。
【0015】
図1は、第一実施形態に係る連結具30を用いて中空部材10と被連結部材20とを連結した連結構造を示す正面図、図2は、第一実施形態に係る連結構造を示す側面図、図3
は、第一実施形態に係る連結構造を示す底面図、図4は、第一実施形態に係る連結具30の分解斜視図である。図1図4では、Y軸を高さ方向、X軸を左右方向、Z軸を奥行方向として示したが、これらの方向は本実施形態における説明の便宜上例示したもので、この方向に限定されるものではない。なお、以降の図面においても同様である。
【0016】
中空部材10は、第一方向(図1ではY軸方向)に延在する側壁11を有する長尺の部材であり、この側壁11によって囲まれ、少なくとも第一方向側の端部において外部と通じた中空部12を有する円筒管や角筒管等、中空の管部材である。側壁11は、後述の通しボルトを設けることができるように、中空部12を挟んで対向する位置に側壁11を有していればよく、Y軸回りに中空部12の周囲を完全に囲う形状でなくてもよい。例えば、中空部材10は、断面がH字状のH形鋼や、C字状のC形鋼であってもよい。即ち、本実施形態では、X-Z断面がH字状や字状の側壁の間に中空部を有するH形鋼やC形鋼も中空部材と称する。なお、本実施形態の中空部材10は、横断面(X-Z断面)が図3に示すように四角形の角パイプである。中空部材10は、中空部12が中空部材10の外部と通じた開口となっている。
【0017】
被連結部材20は、中空部材10の第一方向側の一端(連結端部、図1では上端)13と接し、この上端13において側壁11間に架け渡される面を有する部材である。なお、本実施形態の被連結部材20は、縦断面(X-Y断面)が図2に示すようにC字状のC形鋼である。
【0018】
本実施形態の中空部材10及び被連結部材20は、鋼材であるが、連結具30による締結力に耐えるものであれば、材質は特に限定されるものではない。中空部材10及び被連結部材20は、例えば、合成樹脂、セラミック、木材、コンクリートなどであってもよい。
【0019】
≪連結具≫
連結具30は、連結金具本体31、通しボルト32、連結ボルト33、及び締結用ナット34を有する。連結金具本体31は、中空部材10の中空部12内に配置され、通しボルト32を通すための第一ボルト孔310が設けられている。図5は、連結金具本体31を示す図であり、図5(A)は連結金具本体31の正面図、図5(B)は連結金具本体31の上面図、図5(C)は連結金具本体31の底面図、図5(D)は連結金具本体31の側面図である。
【0020】
連結金具本体31は、中空部材10の連結端部13において側壁11の内側に形成された中空部12内に配置され、第一方向に延在すると共に第一ボルト孔310を有する第一板部312と、第一板部312に接続されると共に第一方向と直交する第二方向に延在する第二板部311とを有する。第二板部311には、連結ボルト33を通す第二ボルト孔313が設けられている。本実施形態の連結金具本体31は、図1に示すように、第二板部311の両辺縁に第一板部312を垂設し、正面視においてコ字状の部材である。なお、これに限らず、連結金具本体31は、第二板部311の片辺に第一板部312を設けたL字状であってもよい。
【0021】
通しボルト32は、雄ネジ部321と、頭部322とを有する。通しボルト32は、雄ネジ部321が、側壁11の中空部12を挟んで対向する位置に設けられた側壁側ボルト孔111及び連結金具本体31の第一ボルト孔310に通された状態で、雄ネジ部321の頭部322と反対側の端部からナット323が螺合される。通しボルト32は、側壁11の側壁側ボルト孔111及び連結金具本体31の第一ボルト孔310に挿嵌されることで、連結金具本体31を側壁11に対して固定する。
【0022】
連結ボルト33は、第一端が連結金具本体31に接続されると共に、第一端と反対側の第二端が、第一方向に沿って延在し、中空部材10の連結端部13から外部に突出するように配置され、被連結部材20の挿通孔21に挿嵌される。本実施形態の連結ボルト33は、ボルトであり、第一端に設けられた頭部331と、頭部331から第二端側に延出した軸部332とを有する。連結ボルト33は、連結金具本体31の第二板部311に対して第二板部311の下側(連結端部と反対側)から第二ボルト孔313に軸部332を貫通させ、頭部331の軸部332よりも径方向(第一方向と直交する方向)に張り出した部分における第一方向側の面334が第二板部311下面に当接して抜け止めされることで連結金具本体31と接続される。なお、連結ボルト33と連結金具本体31との接続は、これに限定されるものではない。例えば、連結ボルト33が、頭部を有しない全ネジであって、頭部331に代えてナットを第一端に螺合させることにより連結金具本体31に接続する構成でもよい。また、連結ボルト33は、棒状の連結ボルト33が溶接によって連結金具本体31と接続される構成であってもよい。また、連結ボルト33と連結金具本体31が一体的に形成されてもよい。
【0023】
連結ボルト33の頭部331は、下端側から第一方向に見た場合に多角形(図3の例では6角形)である。一方、連結ボルト33が通される連結金具本体31の第二ボルト孔313は、図4に示すように第二板部311の中心に対して偏心して設けられている。そして、この第二ボルト孔313に連結ボルト33の軸部332を通した場合、図3に示すように連結ボルト33における頭部331の少なくとも一辺333が、連結金具本体31における第一板部312の内側面314に沿って配置される。これにより連結ボルト33は、第一方向の中心軸回りの回転が止められている。
【0024】
締結用ナット34は、連結ボルト33の軸部332において第二端側の少なくとも被連結部材20を貫通して配置される部分に設けられた雄ネジ部に螺合し、被連結部材20側に締め込まれる。
【0025】
≪連結構造≫
本実施形態では、連結具30によって、中空部材10と被連結部材20とを連結することにより連結構造を構成している。先ず、連結金具本体31の第二ボルト孔313に、連結ボルト33の第二端を通して、連結金具本体31と連結ボルト33とを接続する。この連結ボルト33と接続した状態の連結金具本体31を中空部材10の中空部12内に挿入し、連結金具本体31の第一ボルト孔310と中空部材10の側壁側ボルト孔111とが同軸上に位置するように配置する。そして、通しボルト32を連結金具本体31の第一ボルト孔310と中空部材10の側壁側ボルト孔111とに挿嵌することで、連結金具本体31を側壁11に対して固定する。このとき、連結ボルト33は、第二端が中空部材10の連結端部13から外側へ突出するように配置される。この連結ボルト33の第二端を被連結部材20の挿通孔21に通し、被連結部材20を中空部材10の連結端部13に突き当て、被連結部材20が第二方向に延在し、側壁11間にかけ渡されるように配置する。なお、被連結部材20は、中空部材10の連結端部13と直接当接されてもよいし、後述のベースプレートやパッキン等の部材を介して間接的に突き当てられてもよい。そして、連結ボルト33の第二端側に締結用ナット34を螺着し、被連結部材20側に締め込む。このとき連結ボルト33は、下端の頭部331が連結金具本体31に止められ、連結金具本体31が通しボルト32によって側壁11に対して固定されている。即ち、連結ボルト33は、側壁11に対して固定されている。このため、締結用ナット34が連結ボルト33に対して被連結部材20側に締め込まれと、被連結部材20を中空部材10の連結端部13に圧接させる。換言すると、締結ナット34を締め込む力が、連結ボルト33の第二端を引き上げ、第一端との間で連結ボルト33を張設すると共に、締結ナット34が被連結部材20を中空部材10の連結端部13に締め付ける。これにより連結具30は、中空部材10と被連結部材20とを連結させる。
【0026】
≪実施形態の効果≫
上述のように本実施形態によれば、中空部材10や被連結部材20を溶接することなく、容易に連結することができる。特に中空部材10の外側でボルト等の締め付けを行うので、容易に連結作業を行うことができる。このようにボルト等によるネジ連結の場合、例えば所定のボルトを用いて所定のトルクで締め付ければ、ボルトの径等に基づいて設計した通りの強度を得やすく、溶接のように接合状態に差がでることが少ない。即ち、連結作業を行う作業者の技能や練度等に依らず、所要の結果が得られ、連結時の適切な品質を保つことができる。また、本実施形態では、通しボルト32と締結用ナット34とにおける二か所のネジ連結によって中空部材10と被連結部材20とを連結でき、連結の手間を低減できる。また、ネジ連結によって中空部材10と被連結部材20とを連結しているので、メンテナンス時や廃棄時に分解することも容易である。
【0027】
更に、本実施形態の連結具30は、連結金具本体31の第二ボルト孔313に連結ボルト33を通した場合に、連結ボルト33における頭部331の一辺333が、連結金具本体31の内側面314に沿って配置され、連結ボルト33が回り止めされる。これにより連結時に、連結ボルト33が回転しないように工具等で押さえる必要が無く、作業性を向上させることができる。
【0028】
<変形例1>
図6は、変形例1に係る連結具30Aを用いて中空部材10と被連結部材20Aとを連結した連結構造を示す正面図、図7は変形例1に係る連結構造を示す底面図である。本変形例では、角パイプである中空部材10Aと、H形鋼である被連結部材20Aとを連結する例を示している。本変形例に係る連結具30Aは、前述の第一実施形態に係る連結具30と比べて、通しボルト32、連結ボルト33、及び締結用ナット34を複数備えている点が異なっている。なお、その他の構成は、前述の第一実施形態と同じであり、同一の要素には同符号を付すなどして再度の説明を省略する。
【0029】
本変形例に係る連結具30Aは、連結金具本体31A、二つの通しボルト32、四つの連結ボルト33、及び四つの締結用ナット34を有する。
【0030】
連結金具本体31Aは、第二板部311に連結ボルト33が貫通する四つの第二ボルト孔313が設けられ、両辺縁の第一板部312にそれぞれ、二つの第一ボルト孔310が設けられている。同様に、中空部材10Aの第二方向に対向する側壁11には、それぞれ二つ、合計四つの貫通穴111が設けられている。
【0031】
二つの通しボルト32はそれぞれ、側壁11の側壁側ボルト孔111及び連結金具本体31の第一ボルト孔310に挿嵌されることで、連結金具本体31Aを側壁11に対して固定する。
【0032】
四つの連結ボルト33はそれぞれ、連結金具本体31の第二板部311に対して下側から第二ボルト孔313、及び被連結部材20Aの挿通孔21を貫通して設けられている。そして、四つの締結用ナット34がそれぞれ連結ボルト33の上端側のネジ部に螺合し、被連結部材20側に締め込まれる。
【0033】
これにより本変形例の連結具30Aにおいても、前述の第一実施形態と同様、ネジ連結により、容易に中空部材10Aと被連結部材20Aとを連結できる。また、本変形例の連結具30Aは、通しボルト32、連結ボルト33、及び締結用ナット34を適宜設定することにより、要求される強度を得ることができる。
【0034】
<第二実施形態>
図8は、第二実施形態に係る連結具30Bを介して中空部材10Bとアタッチメント40とを連結した連結構造を示す正面図、図9は第二実施形態に係る連結構造を示す底面図である。本実施形態に係る連結具30Bは、前述の第一実施形態に係る連結具30と比べて、ベースプレート20Bを備えたことと、連結ボルト33の上部にアタッチメント40を連結した構成が主に異なっている。なお、前述の第一実施形態と同じ要素には同符号を付すなどして再度の説明を省略する。
【0035】
中空部材10Bは、円筒や角筒等、中空の部材であり、第一方向に延在する柱状の部材である。本実施形態の中空部材10Bは、略円筒状の杭であり、少なくとも下端(先端)が地中に埋設される。
【0036】
ベースプレート20Bは、中空部材10Bの第一方向側の上端13と接し、この上端13において第二方向に対抗する側壁11間に架け渡される面22を有する板状の部材である。なお、本実施形態のベースプレート20Bは、平面形状(X-Y面における外形)が図9に示すように円形であり、この円の直径が中空部材10Bの直径よりも大きいため、筒状である中空部材10Bの上端開口を塞ぐように取り付けられる。
【0037】
アタッチメント40は、連結ボルト33と連結するための貫通穴41を有する部材であり、本実施形態では根太50を横架するための根太受け部材である。本実施形態のアタッチメント40は、鋼材であるが、その材質は特に限定されるものではない。アタッチメント40は、例えば、合成樹脂、セラミック、木材などであってもよい。
【0038】
連結金具本体31は、中空部材10Bの中空部12内に配置され、通しボルト32が側壁11の側壁側ボルト孔111及び連結金具本体31の第一ボルト孔310に挿嵌されることで、側壁11に対して固定される。
【0039】
連結ボルト33は、連結金具本体31の第二板部311に対して下側から第二ボルト孔313、及びベースプレート20Bの挿通孔21を貫通して設けられる。また、締結用ナット34が連結ボルト33の上端側のネジ部に螺合し、ベースプレート20B側に締め込まれて、中空部材10とベースプレート20Bとが締結される。
【0040】
締結用ナット34の締結後、連結ボルト33の上部に、第一のアタッチメント取付用ナット352を螺合させ、アタッチメント40の貫通穴41に連結ボルト33の上端を通して、アタッチメント40を第一のアタッチメント取付用ナット352の上に載置する。そして、第二のアタッチメント取付用ナット351を連結ボルト33の上端から螺合し、アタッチメント40側に締め込んで、第二のアタッチメント取付用ナット351と第一のアタッチメント取付用ナット352とでアタッチメント40を挟持し、アタッチメント40と連結ボルト33とを連結している。
【0041】
図10は、本実施形態に係る連結具30Bを用いたデッキの構成を示す図である。図10の例では、複数の中空部材(杭)10をX軸方向に所定の間隔を空けて打設し、中空部材10の列を形成し、この中空部材10の列をZ軸方向に所定の間隔を空けて複数列形成する。即ち、中空部材10をマトリクス状に打設する。
【0042】
次に各中空部材10の上端にベースプレート20Bを配置し、前述のように締結用ナット34によって中空部材10Bにベースプレート20Bを取り付ける。これによりベースプレート20Bを貫通した連結ボルト33の上部が、ベースプレート20Bに対して立設された状態となる。そして、この連結ボルト33の上部に、根太受け部材であるアタッチメント40をアタッチメント取付用ナット351,352によって連結する。
【0043】
根太50は、X方向に並ぶアタッチメント40上に横架され、ビス51(図8)によってアタッチメント40に固定される。なお、アタッチメント40は、アタッチメント取付用ナット351,352による締結位置を連結ボルト33に沿って上下に変えることによって、高さ調整が可能なため、地面GLの高さや中空部材10Bの埋め込み深さの誤差を吸収して、アタッチメント40が根太50を所定の高さで受けることができる。
【0044】
根太50は、Z方向に所定の間隔を空けて複数配置される。そして、床材(デッキ材)60が、これら根太50上に掛け渡され、根太50に対して固定される。
【0045】
このように本実施形態に係る連結具30Bは、地面GLに打設された中空部材10Bに対して根太受け部材であるアタッチメント40を容易に連結できるので、デッキを設置する際の作業性を向上させることができる。
【0046】
<変形例2>
図11は、変形例2に係る連結具30Cを用いて中空部材10Bとベースプレート20Bとアタッチメント40Aとを連結した連結構造を示す図である。本変形例は、第二実施形態と比べてアタッチメント40Aをアイナットとした構成が異なっている。なお、その他の構成は、前述の第二実施形態と同じであり、同一の要素には同符号を付すなどして再度の説明を省略する。
【0047】
本変形例に係る連結具30Cは、中空部材10Bに対してベースプレート20Bを締結用ナット34で締結した状態で、アタッチメント40Aとしてのアイナットを連結ボルト33の上端に螺合させる。これにより本変形例に係る連結具30Cは、地面GLに打設した中空部材10Bとアイナット(アタッチメント40A)とを容易に連結でき、地面GLに対するアイナットの固設を容易にすることができる。
【0048】
<第三実施形態>
図12は、第三実施形態に係る連結具30Dを用いて中空部材10Bとベースプレート20Bとアタッチメント40Aとを連結した連結構造を示す図である。図13は、アタッチメント40Aの底面、正面、及び側面を示す斜視図である。本実施形態は、前述の第一又は第二実施形態と比べて、支柱を立設する際の基礎となるアタッチメントをアタッチメント40Aとした構成が異なっている。なお、その他の構成は、前述の実施形態と同じであり、同一の要素には同符号を付すなどして再度の説明を省略する。
【0049】
本実施形態のアタッチメント40Aは、円筒状の周壁45と、この円筒の中心軸49に対して直交し、周壁45の下端において円筒の内空を外部に対して画する底部42とを有している。底部42には、第一方向に貫通し、第一方向と直交方向(図13ではZ軸方向)に長手とした長穴43が設けられている。
【0050】
本実施形態に係る連結具30Dは、連結ボルト33が軸部332を連結金具本体31の第二ボルト孔313に通されて連結金具本体31と接続し、連結金具本体31を中空部材10Bの中空部12内に位置させた状態で、通しボルト32が側壁11の側壁側ボルト孔111及び連結金具本体31の第一ボルト孔310に挿嵌されて、連結金具本体31及び連結ボルト33を側壁11に対して固定する。このとき連結ボルト33の上部は、中空部材10Bの上部開口から上方向(第一方向)に突出して設けられている。この状態でベースプレート20Bが、挿通孔23に連結ボルト33の上部を通して側壁11の上端13の上に配置され、更にアタッチメント40Aが長穴43に連結ボルト33の上部を通してベースプレート20B上に配置される。そして、締結用ナット34が連結ボルト33の上部に螺合され、ベースプレート20B及びアタッチメント40Aを中空部材10Bに対して
締結させる。
【0051】
これにより支柱(不図示)の下端をアタッチメント40Aの上部開口から内空44へ挿入し支柱をアタッチメント40Aに対して固定することで、本実施形態に係る連結構造(中空部材10B、連結具30D、及びアタッチメント40A)を支柱の基礎として利用することができる。
【0052】
このように本実施形態によれば、杭として打設した中空部材10Bに対して、アタッチメント40Aを容易に連結することができるので、支柱を立てる際の作業性を向上させることができる。
【0053】
また、本実施形態のアタッチメント40Aは、長穴43を介して連結ボルト33と連結しているので、長穴43内で連結ボルト33を通す位置を変えることで、中空部材10Bの中心に対してアタッチメント40Aを偏心させることができる。即ち、X-Z面において、中空部材10を打設した位置と、支柱を立てる位置とに誤差が生じた場合でも、この誤差に応じてアタッチメント40Aの取り付け位置を調整でき、支柱を精度良く立てることができる。
【0054】
<第四実施形態>
図14は、第四実施形態に係る連結具30Eを用いて中空部材10Bと管状アタッチメント40Bとを連結した連結構造を示す図、図15は、第四実施形態に係る連結具30Eを用いて管状アタッチメント40Bを連結した状態の平面図である。本変形例は、第三実施形態と比べて管状アタッチメント40Bを中空部材10Bと連結する構成が異なっている。なお、その他の構成は、前述の第三実施形態と同じであり、同一の要素には同符号を付すなどして再度の説明を省略する。
【0055】
管状アタッチメント40Bは、底部の無い円管状の部材であり、周壁45のベースプレート20Bと当接する連結端部側に一対のベース側ボルト孔451を備えている。ベース側ボルト孔451は、管状アタッチメント40Bの連結端部側周壁45において中空部44を挟み第二方向に対向する位置に形成されている。管状アタッチメント40Bは、第三実施形態のアタッチメント40Aと比べ、底部42を省略して、ベース側ボルト孔451を設けた形状である。
【0056】
本実施形態の連結具30Eは、第三実施形態の連結具30Dと比べ、ベース金物51と、ベース側ボルト52とを更に備えている。
【0057】
ベース金物51は、第一方向と直交する第二方向に延在する第一取付板部511と、第一取付板部511の両辺に接続され第一方向に延在する第二取付板部512とを有している。ベース金物51は、ベースプレート20Bの中空部材10Bと当接する面22と反対側の面24に、第一取付板部511の下面が直接又は間接的に当接するように配置される。
【0058】
ベース金物51の第一取付板部511には、連結ボルト33の上端(第二端)を挿通する第一取付孔513が設けられ、第二取付板部512には、ベース側ボルト52を挿通する第二取付孔510が設けられている。第一取付板部511は、第一方向と直交する第二方向に長手であり、第一取付孔513は、第一取付板部511の長手方向に沿って設けられた長孔である。
【0059】
ベース側ボルト52は、管状アタッチメント40Bのベース側ボルト孔451と、ベース金物51の第二取付孔510とに挿嵌されることで、ベース金物51と管状アタッチメ
ント40Bとを連結する。なお、本実施形態では、一本のベース側ボルト52で管状アタッチメント40Bを第二方向に貫通する構成としたが、これに限らず、例えばベース金物51における第二取付板部512の第二取付孔510に雌ネジ部を設け、ベース側ボルト52が管状アタッチメント40Bのベース側ボルト孔451を通り、ベース金物51の第二取付孔510に螺合する構成であってもよい。
【0060】
本実施形態に係る連結具30Eは、前述の第三実施形態と同様に連結ボルト33を連結金具本体31と接続し、連結金具本体31を通しボルト32で中空部材10Bの側壁11に対し、ベースプレート20Bの挿通孔23に連結ボルト33の上部を通してベースプレート20Bを側壁11の上端13の上に配置される。この状態で、ベース金物51が、第一取付孔513に連結ボルト33の上部を通してベースプレート20B上に配置され、締結用ナット34が連結ボルト33の上部に螺合され、ベースプレート20B及びベース金物51を中空部材10Bに対して締結させる。
【0061】
そして、ベース金物51にアタッチメント40Bの下端を被せるようにアタッチメント40Bが連結端部をベースプレートに突き当てて配置され、ベース側ボルト52が、管状アタッチメント40Bのベース側ボルト孔451と、ベース金物51の第二取付孔510とに挿嵌され、ベース側ボルト52の先端にナット523が螺着されることで、ベース金物51と管状アタッチメント40Bとが連結される。
【0062】
これにより支柱(不図示)の下端をアタッチメント40Bの上部開口から内空44へ挿入し支柱をアタッチメント40Aに対して固定することで、本実施形態に係る連結構造(中空部材10B、連結具30E、及びアタッチメント40B)を支柱の基礎として利用することができる。
【0063】
このように本実施形態によれば、杭として打設した中空部材10Bに対して、アタッチメント40Bを容易に連結することができるので、支柱を立てる際の作業性を向上させることができる。
【0064】
また、本実施形態のアタッチメント40Bは、ベース金物51の第一取付孔513が長穴であり、図15(B)に示すように、第一取付孔513内で連結ボルト33を通す位置を変えることができ、この第一取付孔513の長さL1の範囲で、中空部材10Bの中心に対してアタッチメント40Bを偏心させることができる。また、図15(C)に示すように、連結ボルト33を中心にアタッチメント40Bを回転させて配置することができる。即ち、X-Z面において、中空部材10を打設した位置と、支柱を立てる位置とに誤差が生じた場合でも、この誤差に応じてアタッチメント40Bの取り付け位置を調整でき、支柱を精度良く立てることができる。
【0065】
〈その他〉
本発明は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0066】
10,10B 中空部材
20 被連結部材
20B ベースプレート
30,30A~30E 連結具
31 連結金具本体
32 通しボルト
33 連結ボルト
34 ナット
351,352 アタッチメント取付用ナット
40,40A,40B アタッチメント
【要約】
【課題】中空部材と他の部材とを容易に連結可能とする中空部材の連結具を提供する。
【解決手段】本発明に係る中空部材の連結具は、第一方向に延在する側壁を有する長尺の中空部材の連結端部に被連結部材を連結するための連結具であって、中空部材の中空部内に配置され、第一ボルト孔を有する第一板部と、第一板部に接続される第二板部とを含む連結金具本体と、側壁の対向する位置に形成された一対の側壁側ボルト孔と連結金具本体における第一ボルト孔とに挿嵌される通しボルトと、第一端が中空部内に配置された連結金具本体の第二板部に接続されると共に、第二端が被連結部材に形成された挿通孔に挿嵌される連結ボルトと、被連結部材の挿通孔に挿通された状態の連結ボルトにおける第二端側に螺着されることで被連結部材を中空部材の連結端部側へ締め付けて中空部材と連結する締結用ナットとを備える。
【選択図】図8
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15