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特許7075703情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-18
(45)【発行日】2022-05-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20220519BHJP
   A61B 5/1171 20160101ALI20220519BHJP
   A61B 5/1172 20160101ALI20220519BHJP
【FI】
G06T7/00 510D
G06T7/00 510E
G06T7/00 530
A61B5/1171 100
A61B5/1171 300
A61B5/1172
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2018513135
(86)(22)【出願日】2017-04-12
(86)【国際出願番号】 JP2017015038
(87)【国際公開番号】W WO2017183543
(87)【国際公開日】2017-10-26
【審査請求日】2020-03-05
(31)【優先権主張番号】P 2016084969
(32)【優先日】2016-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501431073
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丁 明珍
【審査官】▲広▼島 明芳
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2004/090814(WO,A1)
【文献】特開2008-046677(JP,A)
【文献】国際公開第2010/058514(WO,A1)
【文献】特開昭58-031478(JP,A)
【文献】特開2010-287023(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00 - 7/90
A61B 5/1171 - 5/1172
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部により取得された画像データから生体認証用の生体領域を特定する領域特定部と、
前記生体領域から取得可能な生体情報が変化するように、前記生体領域に応じた処理領域に画像処理を施す画像処理部と、
前記生体領域から前記生体情報を取得可能であるか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記判定部は、
前記撮像部が起動されてから前記撮像部によりユーザ操作に応じた撮影を行うまでの間に前記撮像部により取得された第1の画像データに基づき、前記生体領域から前記生体情報を取得可能であり、且つ、前記画像処理部による前記画像処理が無効となっている場合に前記画像処理を有効に設定するよう促すために、前記判定により第1の判定を行い、前記撮像部による前記ユーザ操作に応じた撮影により取得された第2の画像データに基づき前記判定により第2の判定を行い、
前記画像処理部は、
前記第2の判定の結果、前記生体領域から前記生体情報を取得可能であるとされた場合に、前記第2の画像データに基づき前記生体領域に応じた処理領域に画像処理を施す、
情報処理装置。
【請求項2】
前記画像処理部が施す前記画像処理は、ぼかし処理を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画像処理部が施す前記画像処理は、エッジ強調処理をさらに含む、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画像処理部が施す前記画像処理は、ランダムに選択されるピクセルの値を変更する処理をさらに含む、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画像処理部が施す前記画像処理は、前記処理領域を置き換える置換処理を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記置換処理は、予め記憶された複数の生体パターンから選択された1の生体パターンで前記処理領域を置き換える処理である、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記画像処理部が施す前記画像処理は、前記生体領域から検出される特徴点に関する情報を変化させる特徴点変形処理を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記特徴点変形処理は、前記生体領域から検出された特徴点の移動、削除のうち、少なくともいずれか一つを含む、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記画像処理部が施す前記画像処理は、前記生体領域から検出される静脈に関する情報を変化させる静脈変形処理を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記静脈変形処理は、前記静脈の移動、削除、長さの変更のうち、少なくともいずれか一つを含む、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記判定部の前記第1の判定により前記生体領域から前記生体情報を取得可能であると判定された場合に、警告画面を表示させる、請求項1~10のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記情報処理装置は、外部と通信を行う通信部をさらに備え、
前記判定部は、画像データを外部に送信させるための操作入力が行われた場合に、前記画像データから特定された生体領域から前記生体情報を取得可能であるか否かを判定する、請求項1~11のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記判定部は、前記生体領域の大きさに基づいて、前記生体領域から前記生体情報を取得可能であるか否かを判定する、請求項1~12のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記判定部は、前記生体領域に含まれる色に基づいて、前記生体領域から前記生体情報を取得可能であるか否かを判定する、請求項1~13のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記情報処理装置は、前記処理領域に前記画像処理が施された画像から、前記画像データを復元する復元部をさらに備える、請求項1~14のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記復元部は、前記画像処理のパラメータに基づいて、前記画像データを復元する、請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記生体情報は、虹彩情報、指紋情報、静脈情報のうち、少なくともいずれか一つを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項18】
プロセッサにより実行される、
撮像部により取得された画像データから生体認証用の生体領域を特定することと、
前記生体領域から取得可能な生体情報が変化するように、前記生体領域に応じた処理領域に画像処理を施すことと、
前記生体領域から前記生体情報を取得可能であるか否かを判定することと、
を含み、
前記判定すること
前記撮像部が起動されてから前記撮像部によりユーザ操作に応じた撮影を行うまでの間に前記撮像部により取得された第1の画像データに基づき、前記生体領域から前記生体情報を取得可能であり、且つ、前記画像処理を施すことによる前記画像処理が無効となっている場合に前記画像処理を有効に設定するよう促すために、前記判定により第1の判定を行い、前記撮像部による前記ユーザ操作に応じた撮影により取得された第2の画像データに基づき前記判定により第2の判定を行い、
前記画像処理を施すことは、
前記第2の判定の結果、前記生体領域から前記生体情報を取得可能であるとされた場合に、前記第2の画像データに基づき前記生体領域に応じた処理領域に画像処理を施す、
情報処理方法。
【請求項19】
コンピュータに、
撮像部により取得された画像データから生体認証用の生体領域を特定する機能と、
前記生体領域から取得可能な生体情報が変化するように、前記生体領域に応じた処理領域に画像処理を施す機能と、
前記生体領域から前記生体情報を取得可能であるか否かを判定する機能と、
を実現させ、
前記判定する機能は、
前記撮像部が起動されてから前記撮像部によりユーザ操作に応じた撮影を行うまでの間に前記撮像部により取得された第1の画像データに基づき、前記生体領域から前記生体情報を取得可能であり、且つ、前記画像処理を施す機能による前記画像処理が無効となっている場合に前記画像処理を有効に設定するよう促すために、前記判定により第1の判定を行い、前記撮像部による前記ユーザ操作に応じた撮影により取得された第2の画像データに基づき前記判定により第2の判定を行い、
前記画像処理を施す機能は、
前記第2の判定の結果、前記生体領域から前記生体情報を取得可能であるとされた場合に、前記第2の画像データに基づき前記生体領域に応じた処理領域に画像処理を施す、
ための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本人確認する認証技術のうち、生体認証の1つとして虹彩認証がある。虹彩認証は、例えば特許文献1に記載されているように、眼の瞳孔の周囲にある環状の虹彩から取得される虹彩情報を用いて本人確認を行う技術である。虹彩認証は、例えば入室時の認証やコンピュータへのログオン等に利用されている他、近年ではスマートフォン等の携帯端末使用時の認証にも利用されている。
【0003】
一方、スマートフォン等の通信機能と撮影機能を備えた携帯端末の普及等により、撮影された画像がネットワーク上に多数公開されている。また、カメラ技術の発展に伴い、ネットワーク上に公開される画像の画質も向上している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-34876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、第三者に公開される画像に虹彩が含まれる場合、第三者が画像から虹彩情報を取得して、虹彩認証において第三者による不正認証が行われる恐れがある。
【0006】
そこで、本開示では、画像から虹彩情報が取得されることによる不正認証を抑制することが可能な情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、撮像部により取得された画像データから生体認証用の生体領域を特定する領域特定部と、前記生体領域から取得可能な生体情報が変化するように、前記生体領域に応じた処理領域に画像処理を施す画像処理部と、前記生体領域から前記生体情報を取得可能であるか否かを判定する判定部と、を備え、前記判定部は、前記撮像部が起動されてから前記撮像部によりユーザ操作に応じた撮影を行うまでの間に前記撮像部により取得された第1の画像データに基づき、前記生体領域から前記生体情報を取得可能であり、且つ、前記画像処理部による前記画像処理が無効となっている場合に前記画像処理を有効に設定するよう促すために、前記判定により第1の判定を行い、前記撮像部による前記ユーザ操作に応じた撮影により取得された第2の画像データに基づき前記判定により第2の判定を行い、前記画像処理部は、前記第2の判定の結果、前記生体領域から前記生体情報を取得可能であるとされた場合に、前記第2の画像データに基づき前記生体領域に応じた処理領域に画像処理を施す、情報処理装置が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、プロセッサにより実行される、撮像部により取得された画像データから生体認証用の生体領域を特定することと、前記生体領域から取得可能な生体情報が変化するように、前記生体領域に応じた処理領域に画像処理を施すことと、前記生体領域から前記生体情報を取得可能であるか否かを判定することと、を含み、前記判定すること、前記撮像部が起動されてから前記撮像部によりユーザ操作に応じた撮影を行うまでの間に前記撮像部により取得された第1の画像データに基づき、前記生体領域から前記生体情報を取得可能であり、且つ、前記画像処理を施すことによる前記画像処理が無効となっている場合に前記画像処理を有効に設定するよう促すために、前記判定により第1の判定を行い、前記撮像部による前記ユーザ操作に応じた撮影により取得された第2の画像データに基づき前記判定により第2の判定を行い、前記画像処理を施すことは、前記第2の判定の結果、前記生体領域から前記生体情報を取得可能であるとされた場合に、前記第2の画像データに基づき前記生体領域に応じた処理領域に画像処理を施す、情報処理方法が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、コンピュータに、撮像部により取得された画像データから生体認証用の生体領域を特定する機能と、前記生体領域から取得可能な生体情報が変化するように、前記生体領域に応じた処理領域に画像処理を施す機能と、前記生体領域から前記生体情報を取得可能であるか否かを判定する機能と、を実現させ、前記判定する機能は、前記撮像部が起動されてから前記撮像部によりユーザ操作に応じた撮影を行うまでの間に前記撮像部により取得された第1の画像データに基づき、前記生体領域から前記生体情報を取得可能であり、且つ、前記画像処理部による前記画像処理が無効となっている場合に前記画像処理を有効に設定するよう促すために、前記判定により第1の判定を行い、前記撮像部による前記ユーザ操作に応じた撮影により取得された第2の画像データに基づき前記判定により第2の判定を行い、前記画像処理を施す機能は、前記第2の判定の結果、前記生体領域から前記生体情報を取得可能であるとされた場合に、前記第2の画像データに基づき前記生体領域に応じた処理領域に画像処理を施す、ための、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本開示によれば、画像から虹彩情報が取得されることによる不正認証を抑制することが可能である。
【0011】
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の第一の実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示す説明図である。
図2】同実施形態に係る画像処理部160による画像処理を模式的に示す説明図である。
図3】同実施形態に係る情報処理装置1の動作例を示すフローチャートである。
図4】本開示の第二の実施形態に係る情報処理装置2の構成例を示すブロック図である。
図5】同実施形態に係る情報処理装置2の動作例を示すフローチャートである。
図6】本開示の第三の実施形態に係る情報処理装置3の構成例を示すブロック図である。
図7】同実施形態に係る画像処理部360の一例を模式的に示す説明図である。
図8】同実施形態において、出力画像から入力画像を復元する際の動作例を示す説明図である。
図9】変形例1に係る情報処理装置4の構成例を示すブロック図である。
図10】本技術を指紋認証へ適用した情報処理装置5の構成例を示すブロック図である。
図11】特徴点変形処理の例を示す説明図である。
図12】特徴点変形処理の例を示す説明図である。
図13】情報処理装置5の動作例を示す説明図である。
図14】本技術を静脈認証へ適用した情報処理装置6の構成例を示すブロック図である。
図15】静脈変形処理の例を示す説明図である。
図16】情報処理装置6の動作例を示す説明図である。
図17】変形例3に係る情報処理システム1000の構成例を示すブロック図である。
図18】同変形例の動作例を示すフローチャート図である。
図19】同変形例の動作例を示すフローチャート図である。
図20】ハードウェア構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
<<1.第一の実施形態>>
<1-1.概要>
<1-2.構成例>
<1-3.動作例>
<1-4.効果>
<1-5.補足>
<<2.第二の実施形態>>
<2-1.構成例>
<2-2.動作例>
<2-3.効果>
<<3.第三の実施形態>>
<3-1.構成例>
<3-2.動作例>
<3-3.効果>
<3-4.補足>
<<4.変形例>>
<4-1.変形例1>
<4-2.変形例2>
<4-3.変形例3>
<<5.ハードウェア構成例>>
<<6.むすび>>
【0015】
<<1.第一の実施形態>>
<1-1.背景>
本開示の第一の実施形態に係る情報処理装置について説明する前に、まず、本実施形態による情報処理装置の創作に至った背景を説明する。
【0016】
近年、本人確認する認証技術の1つとして虹彩認証が用いられている。虹彩認証は、眼の瞳孔の周囲にある環状の虹彩から取得される虹彩情報(生体情報の一例)を用いて本人確認を行う技術である。近年のカメラ技術の発展に伴い、虹彩認証専用の装置のみならず、スマートフォン等の携帯端末が有するカメラでも、虹彩認証のための虹彩情報を取得可能な画質での撮影が可能である。
【0017】
また、スマートフォン等のカメラを備えた携帯端末の普及等により、撮影された画像がネットワーク上に多数公開されている。ネットワーク上に公開される画像の中には、所謂自分撮り(selfie)の画像も多く、また、自分撮りの画像にはユーザの顔領域が大きく含まれるものが多い。また、近年のカメラ技術の発展に伴い、公開される画像の画質が向上している。
【0018】
ユーザの顔領域を含んだ画像が、第三者でも閲覧可能な状態で公開される場合、虹彩認証のための虹彩情報が第三者により取得され、虹彩認証において第三者による不正認証が行われる恐れがある。
【0019】
そこで、上記事情を一着眼点にして本実施形態を創作するに至った。本実施形態によれば、画像から虹彩情報が取得されることによる不正認証を抑制することが可能である。以下、本開示の第一の実施形態において、上記の効果を実現するための構成例を説明する。
【0020】
<1-2.構成例>
図1は、本開示の第一の実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示す説明図である。図1に示すように、本実施形態に係る情報処理装置1は、制御部10、通信部11、撮像部12、記憶部13、操作部14、及び表示部15を備える。
【0021】
制御部10は、情報処理装置1の各構成を制御する。例えば、制御部10は後述する通信部11による通信を制御する通信制御機能、表示部15による表示を制御する表示制御機能を有する。また、本実施形態による制御部10は、図1に示すように、領域特定部120、判定部140、画像処理部160、及び虹彩登録認証部180としても機能する。
【0022】
領域特定部120は、撮像部12により取得される入力画像(画像データ)から虹彩領域(生体領域の一例)を特定する。例えば、領域特定部120は、顔認識技術等により検出される眼領域において、黒目部分(瞳孔)と白目部分とを特定し、瞳孔の境界と白目の境界とによって特定される領域を虹彩領域として特定してもよい。
【0023】
領域特定部120により特定される虹彩領域の情報は、判定部140、画像処理部160、及び虹彩登録認証部180に提供される。
【0024】
なお、領域特定部120による虹彩領域特定の対象となる画像データは撮像部12により取得される画像に限定されず、例えば、通信部11を介して外部装置から取得される画像であってもよいし、記憶部13に予め記憶された画像であってもよい。
【0025】
判定部140は、領域特定部120により特定される虹彩領域から、虹彩認証に用いられる虹彩情報を取得可能であるか否かを判定する。例えば、判定部140は、虹彩領域の大きさ、または虹彩領域に含まれる色に基づいて、虹彩領域から虹彩情報を取得可能であるか否かを判定してもよい。
【0026】
例えば、判定部140が判定に用いる虹彩領域の大きさは、虹彩領域の左端と右端の水平距離であってもよいし、虹彩領域を円に近似して得られる円の外径であってもよいし、虹彩領域の面積であってもよい。また、判定部140は、例えば虹彩領域の大きさが所定値以上である場合に虹彩領域から虹彩情報を取得可能であると判定してもよい。
【0027】
また、判定部140は、虹彩領域に含まれる色の平均値が、所定の色範囲に含まれる場合に、虹彩領域から虹彩情報を取得可能であると判定してもよい。所定の色範囲は、例えば青色、または緑色を示す範囲であってもよい。
【0028】
例えば、判定部140は、虹彩領域の左端と右端の水平距離が所定値(例えば150ピクセル)以上、かつ、虹彩領域に含まれる色の平均値が所定の色範囲に含まれる場合に、虹彩領域から虹彩情報を取得可能であると判定してもよい。
【0029】
なお、判定部140により、虹彩領域から虹彩情報を取得可能であると判定された場合、制御部10は、警告表示が行われるように表示部15を制御してもよい。係る構成によれば、ユーザは画像(画像データ)から虹彩情報が取得され得ることを把握して、例えば当該画像を外部に送信させないようにしたり、後述する画像処理部160による画像処理が行われるように設定したりすることが可能である。
【0030】
また、判定部140は、後述する操作部14を介して、画像データを外部に送信させるための操作入力が行われた場合に、領域特定部120により当該画像データから特定された虹彩領域から虹彩情報を取得可能であるか否かを判定してもよい。係る構成によれば、画像データが外部に送信される前に、当該画像データから虹彩情報を取得可能であるか否かを判定されるため、より不正認証を抑制することが可能となる。
【0031】
画像処理部160は、領域特定部120により特定される虹彩領域から取得可能な虹彩情報が変化するように、当該虹彩領域に応じた処理領域に画像処理を施して、出力画像を生成する。処理領域は、例えば虹彩領域そのものであってもよいし、虹彩領域に外接する矩形領域であってもよいし、虹彩領域と瞳孔の領域を含む領域であってもよい。
【0032】
例えば、画像処理部160は、処理領域として、領域特定部120により特定される虹彩領域を入力画像から抽出して画像処理を施し、画像処理結果を入力画像に合成して、出力画像を生成してもよい。
【0033】
係る構成により、出力画像から取得され得る虹彩情報は、入力画像から取得可能な虹彩情報と異なるため、例えば出力画像が第三者に提供された場合であっても、第三者による不正認証を抑制することが可能である。
【0034】
また、画像処理部160は、判定部140により虹彩領域から虹彩情報を取得可能であると判定された場合に、処理領域に画像処理を施してもよい。係る構成により、虹彩領域から虹彩情報が取得可能である場合に後述の画像処理を行えばよく、虹彩情報が取得不可能である場合の処理量を抑制することが可能である。また、虹彩情報が取得不可能である場合には画像処理部160による画像処理が行われないため、画像処理による影響(例えば画像の劣化等)が発生しない。
【0035】
本実施形態に係る画像処理部160は、図1に示すようにぼかし部162としての機能を有し、画像処理部160が施す画像処理は、ぼかし部162によるぼかし処理を含む。例えば、ぼかし部162によるぼかし処理は、各ピクセルの周囲3×3ピクセルの範囲に対して、次式に示すような3×3のフィルタを適用する正規化ぼかし(Box blur)処理であってもよい。
【0036】
【数1】
【0037】
また、ぼかし部162によるぼかし処理は、各ピクセルの周囲3×3ピクセルの範囲に対して、次式に示すような3×3のフィルタを適用するガウシアンぼかし(Gaussian blur)処理であってもよい。
【0038】
【数2】
【0039】
なお、上記では、ぼかし部162によるぼかし処理において、3×3のフィルタが用いられる例を示したが、本技術は係る例に限定されず、他のサイズのフィルタが用いられてぼかし処理が行われてもよい。
【0040】
図2は、本実施形態に係る画像処理部160による画像処理を模式的に示す説明図である。図2に示す入力画像E10において、領域特定部120により虹彩領域E12が特定されている。なお、図2に示すように、虹彩領域E12は、例えば瞳孔領域E14の周囲の領域として特定される。
【0041】
画像処理部160は、図2に示す入力画像E10から、虹彩領域E12を抽出してぼかし処理(画像処理の一例)を施し、ぼかし処理の結果を入力画像E10に合成して、出力画像E20を生成する。図2に示すように、出力画像E20における虹彩領域E22は、入力画像E10における虹彩領域E12に比べ、ぼけ(ブラ―)効果が発生し、模様が失われ、または不明瞭になっている。
【0042】
図2に示す虹彩領域E22から取得される虹彩情報は、虹彩領域E12から取得される本来の(虹彩認証に用いられる)虹彩情報とは異なるため、出力画像E20が第三者に提供された場合であっても、第三者による不正認証を抑制することが可能である。
【0043】
また、上述したように、処理領域(図2の例では虹彩領域E12)に対してぼかし処理が施されるため、図2の出力画像E20のように、虹彩領域E22以外の領域にはぼかし処理の影響がなく、画像全体に処理が施されるのに比べて影響や違和感が小さい。
【0044】
なお、図2では入力画像が眼画像である例を示したが、入力画像は眼画像に限定されない。また、画像処理部160により生成された出力画像は、例えば記憶部13に記憶されてもよいし、通信部11を介して、外部装置に送信されてもよい。
【0045】
図1に示す虹彩登録認証部180は、虹彩認証に係る虹彩情報の登録処理、及び、登録された虹彩情報と認証用の虹彩情報とを照合する認証処理を行う。虹彩登録認証部180は、例えば後述する操作部14を介したユーザの入力に応じて、登録処理、または認証処理を行ってもよい。
【0046】
例えば、虹彩登録認証部180は、領域特定部120が特定した虹彩領域から虹彩情報を取得して、当該虹彩情報を記憶部13に記憶させることで、登録処理を行う。また、虹彩登録認証部180は、領域特定部120が特定した虹彩領域から虹彩情報を取得して、記憶部13に記憶された虹彩情報と照合することで、認証処理を行う。
【0047】
通信部11は、外部装置とデータの送受信(通信)を行う。例えば通信部11は、画像処理部160により生成された出力画像を外部装置へ送信してもよい。
【0048】
撮像部12は、画像を取得するカメラモジュールである。撮像部12は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を用いて実空間を撮像することにより画像を取得する。撮像部12により取得された画像は、例えば入力画像として領域特定部120に提供される。
【0049】
記憶部13は、情報処理装置1の各構成が機能するためのプログラムやパラメータを記憶する。例えば、記憶部13は登録された虹彩情報を記憶してもよい。また、記憶部13は、画像処理部160が入力画像の虹彩領域に画像処理を施すことで生成された出力画像を記憶してもよい。
【0050】
操作部14は、ユーザの入力を受け付け、制御部10に提供する。例えば、ユーザは、操作部14を操作して、情報処理装置1のモード選択を行ってもよく、例えば虹彩情報の登録または虹彩認証を行うための登録・認証モード、または画像を撮影して記録するための撮影モードのいずれかを選択してもよい。また、ユーザは、操作部14を操作して、画像処理部160による虹彩領域に対する画像処理機能の設定(以下、虹彩処理設定と呼ぶ場合がある)のオン/オフを切り替えてもよい。
【0051】
また、ユーザは、操作部14を操作して、撮像部12により撮像された画像データや、記憶部13に記憶された画像データを、外部に送信させるための操作入力を行ってもよい。
【0052】
なお、操作部14は、例えばタッチパネルにより実現されてもよく、また、マウス、キーボード、ボタン、スイッチ、レバー、またはダイヤルなどにより実現されてもよい。
【0053】
表示部15は、例えばディスプレイ等の表示装置であり、制御部10に制御されて、様々な画面を表示する。例えば表示部15は、登録・認証モード、または撮影モードのいずれかをユーザに選択させるためのモード選択画面を表示してもよい。
【0054】
また、表示部15は、判定部140により、入力画像の虹彩領域から虹彩情報を取得可能であると判定され、かつ虹彩処理設定がオフの場合に、虹彩処理設定をオンにするよう促し、虹彩処理設定を切り替えるための警告画面を表示してもよい。係る構成により、入力画像から虹彩情報を取得可能であることがユーザに把握され、ユーザは虹彩情報が第三者に取得されることを防ぐために、虹彩処理設定を行うことが出来る。
【0055】
以上、本実施形態による情報処理装置1の構成例について具体的に説明した。なお、図1に示す情報処理装置1の構成は一例であって、本実施形態は係る例に限定されない。例えば、上記では情報処理装置1が画像処理機能と虹彩登録認証機能とを備える例を説明したが、本技術は係る例に限定されず、画像処理機能と虹彩登録認証機能とは、異なる装置に備えられてもよい。また、情報処理装置1は、例えばスマートフォンまたはPDA(Personal Digital Assistant)等のユーザにより携帯される携帯端末であってもよいし、PC(Personal Computer)、デジタル家電機器、ゲーム機または、その他の種類の装置であってもよい。また、本実施形態による制御部10の各機能は、通信部11を介して接続される他の情報処理装置が有してもよい。
【0056】
<1-3.動作例>
続いて、本実施形態による情報処理装置1の動作例について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態による情報処理装置1の動作例を示すフローチャートである。
【0057】
図3に示すように、ユーザ操作によりカメラ(撮像部12)が起動する(S102)と、表示部15は制御部10に制御されて、登録・認証モード、または撮影モードのいずれかをユーザに選択させるためのモード選択画面を表示する(S104)。
【0058】
ユーザにより登録・認証モードが選択された場合、処理はステップS106に進み、虹彩登録認証部180による虹彩情報の登録処理、または虹彩認証処理が行われる。
【0059】
一方、ユーザにより、撮影モードが選択された場合、処理はステップS108に進み、領域特定部120が、撮像部12により取得される画像から虹彩領域を特定する。続いて、判定部140がステップS108で特定された虹彩領域から、虹彩情報を取得可能であるか否かを判定する(S110)。
【0060】
虹彩情報を取得可能であると判定され、虹彩処理設定がオフである場合(S110においてYESかつS112においてNO)、制御部10は、虹彩処理設定をオンにするよう促し、虹彩処理設定を切り替えるための警告・設定画面を表示部15に表示させる(S114)。警告・設定画面において、ユーザの操作が行われた後に処理はステップS116に進む。
【0061】
一方、虹彩情報を取得可能ではないと判定された場合(S110においてNO)、または、虹彩情報を取得可能であると判定され、虹彩処理設定がオンである場合(S110においてYESかつS112においてYES)、処理はステップS116に進む。
【0062】
ステップS116において、例えばユーザ操作により撮影が実行されると、撮像部12により入力画像が取得され、取得された入力画像から領域特定部120が虹彩領域を特定する(S118)。続いて、判定部140がステップS118で特定された虹彩領域から、虹彩情報を取得可能であるか否かを判定する(S120)。虹彩情報が取得可能ではないと判定された場合(S120においてNO)、または、虹彩情報が取得可能と判定されたが虹彩処理設定がオフの場合(S120においてYESかつS122においてNO)処理は終了する。
【0063】
一方、虹彩情報が取得可能と判定され、虹彩処理設定がオンの場合(S120においてYESかつS122においてYES)、画像処理部160のぼかし部162は、入力画像から抽出した虹彩領域(処理領域の一例)にぼかし処理を施す(S124)。さらに、画像処理部160は、虹彩領域にぼかし処理を施した結果を入力画像の虹彩領域に合成して、出力画像を生成する(S126)。
【0064】
以上、本実施形態による情報処理装置1の動作例について具体的に説明した。なお、図3に示す情報処理装置1の動作は一例であって、本実施形態は係る例に限定されない。例えば、通信部11により外部装置から取得された画像を入力画像として、図3に示すステップS118~S126と同様の処理が行われてもよい。
【0065】
<1-4.効果>
以上説明したように、本開示の第一の実施形態によれば、取得可能な虹彩情報を変化させる画像処理を施すことで、不正認証を抑制することが可能である。
【0066】
<1-5.補足>
なお、上記では、判定部140により虹彩領域から虹彩情報が取得可能と判定され、かつ虹彩処理設定がオンの場合に、画像処理部160が、虹彩領域から取得可能な虹彩情報を変化させる画像処理を施す例を説明したが、本技術は係る例に限定されない。
【0067】
例えば、判定部140により虹彩領域から虹彩情報が取得可能と判定された場合、ユーザによる設定に関わらず、画像処理部160は、虹彩領域から取得可能な虹彩情報を変化させる画像処理を施してもよい。また、情報処理装置1が判定部140を備えなくてもよく、例えば画像処理部160は、領域特定部120により特定される虹彩領域に対して、常に画像処理を施してもよい。
【0068】
<<2.第二の実施形態>>
以上、本開示の第一の実施形態を説明した。続いて、本開示の第二の実施形態を説明する。以下に説明する第二の実施形態で施される画像処理は、第一の実施形態で説明したぼかし処理に加え、ランダムに選択されるピクセルの値を変更する処理、及びエッジ強調処理を含む。
【0069】
<2-1.構成例>
図4は、本開示の第二の実施形態に係る情報処理装置2の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、本実施形態に係る情報処理装置2は、制御部20の機能構成が図1に示した制御部10の機能構成と一部異なる点で、図1の情報処理装置1と異なる。なお、図4に示す各構成のうち、図1に示した各構成と実質的に同様の構成については、同一の符号を付してあるため、説明を省略する。以下では、本実施形態に係る制御部20が有する画像処理部260としての機能について説明する。
【0070】
画像処理部260は、図1を参照して説明した画像処理部160と同様に、領域特定部120により特定される虹彩領域から取得可能な虹彩情報が変化するように、当該虹彩領域に応じた処理領域に画像処理を施して、出力画像を生成する。図4に示すように、本実施形態に係る画像処理部260は、ぼかし部162としての機能に加え、ランダム変形部264、及びエッジ強調部266としての機能を有する。以下、画像処理部260が有する、ランダム変形部264、及びエッジ強調部266の機能について説明する。なお、本実施形態に係る画像処理部260が施す画像処理は、図1を参照して説明したぼかし部162によるぼかし処理に加え、以下に説明するランダム変形部264による処理、及びエッジ強調部266による処理をさらに含む。
【0071】
ランダム変形部264は、処理領域(例えば虹彩領域)のピクセルのうち、ランダムに選択されるピクセルの値(例えば、所謂RGB値)を変更する。変更後のピクセルの値は、変更前の当該ピクセルの値に所定の値を加えた値であってもよいし、ランダムに選択される値であってもよい。また、ランダム変形部264によるピクセルの値を変更する処理は、例えば、ぼかし部162によるぼかし処理の後に行われてもよい。
【0072】
係る構成により、画像処理部260による画像処理が施された後の虹彩領域から、画像処理部260による画像処理が施される前の虹彩情報を取得することがより困難となり、不正認証をより抑制することが可能となる。
【0073】
エッジ強調部266は、処理領域に、エッジ(輪郭)を強調するエッジ強調処理を施す。エッジ強調部266によるエッジ強調処理は、例えば、エッジ強調フィルタを適用する処理であってもよい。また、エッジ強調部266によるエッジ強調処理は、例えば、ランダム変形部264によるピクセルの値を変更する処理の後に行われてもよい。
【0074】
係る構成により、ぼかし部162によるぼかし処理による影響が軽減されて、処理領域と処理領域以外の領域との間の画質差が小さくなり、出力画像を見るユーザは違和感を受け難くなる。
【0075】
<2-2.動作例>
以上、本開示の第二の実施形態に係る情報処理装置2の構成例を説明した。続いて、本実施形態による情報処理装置2の動作例について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態による情報処理装置2の動作例を示すフローチャートである。
【0076】
図5に示すステップS202~S224の処理は図3を参照して説明した。ステップS102~S124の処理と同様であるため、説明を省略する。続くステップS226において、画像処理部260のランダム変形部264は、虹彩領域(処理領域の一例)のピクセルのうち、ランダムに選択されるピクセルの値を変更するランダム変形処理を施す。
【0077】
続いて、画像処理部260のエッジ強調部266は、虹彩領域に、エッジ(輪郭)を強調するエッジ強調処理を施す(S228)。さらに、画像処理部260は、虹彩領域にステップS224~S228の処理を施した結果を入力画像の虹彩領域に合成して、出力画像を生成する(S230)。
【0078】
<2-3.効果>
以上説明したように、本開示の第二の実施形態によれば、取得可能な虹彩情報を変化させる画像処理を施すことで、不正認証を抑制することが可能である。また、ぼかし処理とランダム変形処理を施した後にエッジ強調処理を施すことで、取得可能な虹彩情報を変化させつつ、ユーザに与える違和感を小さくすることが可能となる。
【0079】
<<3.第三の実施形態>>
以上、本開示の第一の実施形態、及び第二の実施形態を説明した。続いて、本開示の第三の実施形態として、情報処理装置が、処理領域に画像処理が施された出力画像から入力画像を復元する復元部をさらに備える例を説明する。なお、本実施形態において、出力画像から入力画像を復元する、という表現は、入力画像と完全に一致する画像を取得することに限定されず、出力画像から入力画像を推定することを含む。
【0080】
<3-1.構成例>
図6は、本開示の第三の実施形態に係る情報処理装置3の構成例を示すブロック図である。図6に示すように、本実施形態に係る情報処理装置3は、制御部30の機能構成が図1に示した制御部10の機能構成と一部異なる点で、図1の情報処理装置1と異なる。なお、図6に示す各構成のうち、図1に示した各構成と実質的に同様の構成については、同一の符号を付してあるため、説明を省略する。以下では、本実施形態に係る制御部30が有する画像処理部360、及び復元部370としての機能について説明する。
【0081】
画像処理部360は、図1を参照して説明した画像処理部160や、図4を参照して説明した画像処理部260と同様に、虹彩領域から取得可能な虹彩情報が変化するように、当該虹彩領域に応じた処理領域に画像処理を施して、出力画像を生成する。また、本実施形態に係る画像処理部360は、処理領域に施した画像処理のパラメータを記憶部13に記憶させてもよい。なお、本実施形態に係る画像処理部360が画像処理を施す処理領域は、例えば虹彩領域そのものであってもよい。
【0082】
図7は本実施形態に係る画像処理部360の一例を模式的に示す説明図である。図7に示すフィルタ部362に入力されるf(x,y)は、入力画像の虹彩領域(処理領域の一例)を示している。また、図7に示すフィルタ部362の伝達関数H(u,v)は、例えば以下に示す関数h(x,y)のフーリエ変換である。
【0083】
【数3】
【0084】
なお、上記の数式(3)において、rは半径(フィルタ中心部との距離)、σは分散を表す。
【0085】
また、加算部364は、フィルタ部362の出力に、ノイズ関数η(x,y)を加算して、g(x,y)を出力する。なお、ノイズ関数η(x,y)は、例えば平均0のホワイトガウスノイズを表す。また、画像処理部360は、g(x,y)を入力画像に合成して、出力画像を生成する。
【0086】
なお、本実施形態に係る画像処理部360による画像処理は上記の例に限定されない。画像処理部360による画像処理は、例えば図4を参照して説明した画像処理部260と同様にランダム変形処理、及びエッジ強調処理を含んでもよい。
【0087】
復元部370は、処理領域に画像処理が施された出力画像から、入力画像(画像データ)を復元する。復元部370による復元処理は、画像処理部360が施す画像処理に合わせて、様々な方法で行われてもよい。また、復元部370は、画像処理部360が施した画像処理のパラメータを記憶部13から取得し、当該パラメータに基づいて、入力画像を復元してもよい。
【0088】
復元部370は、例えば次式のような伝達関数を有するフィルタであってもよい。
【0089】
【数4】
【0090】
上記の数式(4)において、H(u,v)は図7に示したフィルタ部362の伝達関数である。
【0091】
また、復元部370は、次式のような伝達関数を有するフィルタであってもよい。
【0092】
【数5】
【0093】
なお、上記の数式(5)において、H(u,v)は図7に示したフィルタ部362の伝達関数である。また、H(u,v)はH(u,v)の複素共役である。また、Sη(u,v)、及びS(u,v)はそれぞれ図7を参照して説明したη(x,y)、及びf(x,y)のパワースペクトル密度であり、η(x,y)、及びf(x,y)のフーリエ変換をF(u,v)、及びN(u,v)とすると、それぞれ次式で表される。
【0094】
【数6】
【0095】
復元部370は、例えば上述した伝達関数によるフィルタを、処理領域にかけて得られた出力結果を、出力画像と合成することで、入力画像を復元した復元画像を生成する。なお、復元部370が復元処理を施す処理領域は、領域特定部120により特定される虹彩領域に応じた領域であってもよいし、記憶部13に含まれるパラメータに基づいて特定される領域であってもよい。
【0096】
係る構成により、例えばユーザは、画像処理部360により画像処理を施された出力画像を保存、または公開し、さらに、出力画像から、入力画像を復元した復元画像を得ることも可能となる。
【0097】
なお、画像処理部360による画像処理と、復元部370による復元処理は、秘匿される(処理方法が第三者に公開されない)ことが望ましい。画像処理部360による画像処理と、復元部370による復元処理が秘匿されることで、第三者が入力画像を復元することは困難となり、不正認証を抑制することが可能である。
【0098】
<3-2.動作例>
以上、本開示の第三の実施形態に係る情報処理装置3の構成例を説明した。続いて、本実施形態による情報処理装置3の動作例について説明する。なお、本実施形態において、入力画像に画像処理を施す際の動作例は、例えばステップS124の代わりに図7を参照して説明した画像処理が行われる点を除いて、図3を参照して説明した第一の実施形態の動作例と同様であるため、説明を省略する。
【0099】
以下では、図8を参照して、本実施形態において、出力画像から入力画像を復元する際の動作例を説明する。図8は、本実施形態において、出力画像から入力画像を復元する際の動作例を示す説明図である。
【0100】
図8に示すように、まず、ユーザ操作により、記憶部13に記憶される画像の中から、復元処理の対象となる画像(出力画像)が選択される(S302)。続いて、ステップS302で選択された画像から、領域特定部120が虹彩領域を特定する(S304)。続いて、復元部370が記憶部13に記憶された画像処理に係るパラメータに基づいて虹彩領域に対して復元処理を行い(S306)、復元結果を出力画像の虹彩領域に合成して復元画像を生成する(S308)。
【0101】
以上、本実施形態において、出力画像から入力画像を復元する際の動作例について具体的に説明した。なお、図8に示す動作は一例であって、本実施形態は係る例に限定されない。例えば、通信部11により外部装置から取得された画像を対象に、復元処理が行われてもよい。
【0102】
<3-3.効果>
以上説明したように、本開示の第三の実施形態によれば、取得可能な虹彩情報を変化させる画像処理を施すことで、不正認証を抑制することが可能である。また、本実施形態による情報処理装置は、復元部を備えることで、画像処理が施された出力画像から、入力画像を復元した復元画像を得ることも可能である。
【0103】
<3-4.補足>
なお、上記では、情報処理装置3が画像処理部と復元部の両方の機能を有する例を説明したが、本技術は係る例に限定されない。例えば、画像処理部と復元部の機能は、異なる装置に備えられてもよい。また、係る場合、画像処理部を備える装置から復元部を備える装置に、画像処理のパラメータが提供されてもよい。
【0104】
<<4.変形例>>
以上、本開示の各実施形態を説明した。以下では、本開示の各実施形態の幾つかの変形例を説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で本開示の各実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで本開示の各実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、本開示の各実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本開示の各実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0105】
<4-1.変形例1>
上記実施形態では、画像処理部が処理領域に施す画像処理の例として、ぼかし処理、エッジ強調処理、ランダム変形処理について説明したが、本技術は係る例に限定されない。画像処理部は処理領域に他の画像処理を施してもよい。以下では、変形例1として、画像処理部が他の画像処理を施す例を説明する。
【0106】
図9は、変形例1に係る情報処理装置4の構成例を示すブロック図である。図9に示すように、本変形例に係る情報処理装置4は、制御部40の機能構成が図4に示した第2の実施形態に係る制御部20の機能構成と一部異なる点で、図4の情報処理装置2と異なる。なお、図9に示す各構成のうち、図4に示した各構成と実質的に同様の構成については、同一の符号を付してあるため、説明を省略する。以下では、本変形例に係る制御部40が有する画像処理部460としての機能について説明する。
【0107】
画像処理部460は、図1を参照して説明した画像処理部160や、図4を参照して説明した画像処理部260と同様に、虹彩領域から取得可能な虹彩情報が変化するように、当該虹彩領域に応じた処理領域に画像処理を施して、出力画像を生成する。図9に示すように、本変形例に係る画像処理部460は、ぼかし部162、エッジ強調部266としての機能に加え、置換部464としての機能を有する。以下、画像処理部460が有する、置換部464としての機能について説明する。なお、本変形例に係る画像処理部460が施す画像処理は、図4を参照して説明したぼかし部162によるぼかし処理、エッジ強調部266によるエッジ強調処理に加え、以下に説明する置換部464による置換処理をさらに含む。
【0108】
置換部464は、虹彩領域(処理領域の一例)を置き換える置換処理を処理領域に施す。置換処理は、例えば予め記憶部13に記憶された複数の虹彩パターン(生体パターンの一例)から選択された1の虹彩パターンで虹彩領域を置き換える処理であってもよい。なお、虹彩パターンは虹彩を模して疑似的に生成されたものでもよいし、撮像された他の人の虹彩に基づいて生成されたものでもよい。
【0109】
また、虹彩パターンは、虹彩の画像であってもよいし、虹彩の模様の情報であってもよい。虹彩パターンが虹彩の画像である場合、置換部464が施す置換処理は、虹彩領域に含まれる全てのピクセルの値を、虹彩パターンのピクセルの値で置き換える処理であってよい。また、置換部464が施す置換処理は、虹彩領域から模様を抽出し、抽出された模様に対応するピクセルを虹彩パターンのピクセルの値で置き換える処理であってもよい。
【0110】
また、置換部464は、予め記憶部13に記憶された複数の虹彩パターンからランダムに虹彩パターンを選択して虹彩領域を置き換えてもよいし、虹彩領域に類似する虹彩パターンを選択して虹彩領域を置き換えてもよい。
【0111】
以上、本変形例に係る構成例について説明した。なお、本変形例に係る情報処理装置4の動作は、ぼかし処理(S224)とエッジ強調処理(S228)との間で、ランダム変形処理(S226)に代えて上述した置換処理が施される点を除いて、図5を参照して説明した情報処理装置2の動作と同様であるため、説明を省略する。
【0112】
以上、変形例1について説明した。本変形例によれば、置換処理により、虹彩領域が他の虹彩パターンに置き換えられるため、取得可能な虹彩情報を変化させ、不正認証を抑制することが可能である。
【0113】
なお、上記では、画像処理部460が、置換処理の前後にぼかし処理、エッジ強調処理を施す例について説明したが、係る例に限定されない。例えば高精度に(違和感なく)置換処理を施せる場合等には、画像処理部460はぼかし処理やエッジ強調処理を施さなくてもよい。また、画像処理部460は、ランダム変形処理等の他の画像処理を施してもよい。
【0114】
<4-2.変形例2>
上記実施形態では、虹彩認証用の虹彩領域から取得可能な虹彩情報が変化するように画像処理を施す例について説明したが、本技術は虹彩認証以外の生体認証にも広く適用することが可能である。つまり、上述した虹彩認証は生体認証の一例であり、虹彩領域は生体認証用の生体領域の一例であると解される。以下では、変形例2として、他の生体認証への適用例について説明する。
【0115】
(指紋認証の例)
まず、本技術を指紋認証へ適用する例について説明する。図10は、本技術を指紋認証へ適用した情報処理装置5の構成例を示すブロック図である。図10に示すように、情報処理装置5は、制御部50の機能構成が図4に示した第2の実施形態に係る制御部20の機能構成と一部異なる点で、図4の情報処理装置2と異なる。なお、図10に示す各構成のうち、図4に示した各構成と実質的に同様の構成については、同一の符号を付してあるため、説明を省略する。以下では、制御部50が有する領域特定部520、特徴点検出部530、判定部540、及び画像処理部560としての機能について説明する。
【0116】
領域特定部520は、図1を参照して説明した領域特定部120と同様に、撮像部12により取得される入力画像(画像データ)から生体領域を特定する。ただし、領域特定部520は、生体領域として虹彩領域ではなく指紋認証用の指領域を特定する点において、領域特定部120と異なる。なお、領域特定部520は、指紋認証用の指領域として、指全体を特定してもよいし、(指紋が存在するであろう)指先だけを特定してもよい。なお、指領域が手の甲側の領域である場合には指紋が含まれないため、領域特定部520は、手のひら側の指領域のみを指紋認証用の指領域として特定してもよい。指領域の特定は、周知の画像認識技術により実現可能であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0117】
領域特定部520により特定される指領域の情報は、特徴点検出部530、判定部540、及び画像処理部560に提供される。
【0118】
なお、領域特定部520による指領域特定の対象となる画像データは撮像部12により取得される画像に限定されず、例えば、通信部11を介して外部装置から取得される画像であってもよいし、記憶部13に予め記憶された画像であってもよい。
【0119】
特徴点検出部530は、領域特定部520により特定される指領域から、特徴点を検出する。特徴点検出部530により検出される特徴点は、指紋認証に用いられる特徴点であってもよく、例えば、指紋模様の中心点、分岐点、端点、接合点等であってもよい。特徴点検出部530は、検出した特徴点に関する情報(例えば検出された特徴点の数、位置、種類、向き等)を判定部540、及び画像処理部560へ提供する。
【0120】
判定部540は、領域特定部520により特定される指領域から、指紋認証に用いられる指紋情報(生体情報の一例)を取得可能であるか否かを判定する。例えば、判定部540は、特徴点検出部530から提供される特徴点に関する情報に基づいて、指領域から指紋情報を取得可能であるか否かを判定してもよい。例えば、判定部540は、十分な数の特徴点が検出されたか否かを判定することにより、指領域から指紋情報を取得可能であるか否かを判定してもよい。
【0121】
画像処理部560は、図1を参照して説明した画像処理部160や、図4を参照して説明した画像処理部260と同様に、生体領域から取得可能な生体情報が変化するように、当該生体領域に応じた処理領域に画像処理を施して、出力画像を生成する。ただし、画像処理部560は、領域特定部520により特定される指領域(生体領域の一例)から取得可能な指紋情報(生体情報の一例)が変化するように、当該指領域に応じた処理領域に画像処理を施して、出力画像を生成する。
【0122】
また、図10に示すように、情報処理装置5が有する画像処理部560は、ぼかし部162、エッジ強調部266としての機能に加え、特徴点変形部564としての機能を有する。以下、画像処理部560が有する、特徴点変形部564の機能について説明する。なお、画像処理部560が施す画像処理は、図4を参照して説明したぼかし部162によるぼかし処理、エッジ強調部266によるエッジ強調処理に加え、以下に説明する特徴点変形部564による特徴点変形処理をさらに含む。
【0123】
特徴点変形部564は、指領域(処理領域の一例)に対して、指領域から検出される指紋認証のための特徴点に関する情報が変化する画像処理(以下、特徴点変形処理と呼称する)を施す。例えば、特徴点変形部564は、特徴点検出部530により指領域から検出された特徴点の移動(指領域内の座標変更)、削除、または上記の組み合わせによる特徴点変形処理を施してもよい。なお、特徴点変形部564は、検出された全ての特徴点に対して特徴点変形処理を施す必要はなく、検出された特徴点のうち、一部の特徴点を対象として特徴点変形処理を行ってもよい。
【0124】
特徴点変形部564は、特徴点検出部530により指領域から検出された特徴点の周囲に特徴領域を設定し、特徴点の移動に応じて特徴領域を移動させ、移動後の特徴領域の周辺に疑似的な指紋パターン(縞)を生成してもよい。また、特徴点変形部564は、特徴点検出部530により指領域から検出された特徴点の周囲に特徴領域を設定し、特徴点の削除に応じて特徴領域及び特徴領域の周辺に疑似的な指紋パターンを生成してもよい。特徴点変形部564は、元々指領域に含まれていた指紋パターンが失われるような処理を施してもよい。図11図12は、特徴点変形部564による特徴点変形処理の例を示す説明図である。
【0125】
図11に示す指領域F10は、特徴点検出部530により検出された特徴点と、特徴点の周囲に設定される特徴領域を説明するための説明図である。位置P11、及び位置P12は、それぞれ検出された特徴点の位置を示し、位置P11、P12の周囲には、それぞれ特徴領域R11、R12が設定されている。
【0126】
図11に示す模式図M10には、特徴点変形部564による特徴点の移動を模式的に示している。図11に示す例では、特徴点変形部564は、位置P11の特徴点を位置P21へ移動し、位置P12の特徴点を位置P22へ移動する。
【0127】
図11に示す指領域F20は、特徴点変形部564による特徴点の移動に応じた特徴領域の移動と、疑似的な指紋パターンの生成を説明するための説明図である。図11に示す例では、指領域F10における位置P11、P12の特徴点の移動に応じて、上述した特徴領域R11、R12が移動し、移動後の位置P21、P22の周囲に特徴領域R21、R22として示されている。さらに、特徴領域R21、R22の周辺に疑似的な指紋パターン(縞)が特徴点変形部564により生成されている。
【0128】
図12に示す指領域F10は、図11に示した指領域F10と同様であるため説明を省略する。図12に示す模式図M20には、特徴点変形部564による特徴点の移動、及び削除を模式的に示している。図12に示す例では、特徴点変形部564は、位置P11の特徴点を削除し、位置P12の特徴点を位置P32へ移動する。
【0129】
図12に示す指領域F30は、特徴点変形部564による特徴点の移動に応じた特徴領域の移動と、疑似的な指紋パターンの生成を説明するための説明図である。図12に示す指領域F30の例では、上述した指領域F10における位置P11の特徴点の削除に応じて、特徴領域R11も削除されている。また、上述した指領域F30における位置P12の特徴点の移動に応じて、特徴領域R12が移動し、移動後の位置P32の周囲に特徴領域R32として示されている。さらに、特徴領域R32の周辺に疑似的な指紋パターン(縞)が特徴点変形部564により生成されている。
【0130】
以上、特徴点変形部564による特徴点変形処理について説明した。なお、図11図12では、特徴点変形処理として、特徴点の移動、または特徴点の移動と削除が行われる例を説明したが、特徴点の削除のみを行う場合であっても特徴点変形処理に含まれる。
【0131】
以上、情報処理装置5の構成例を説明した。続いて、情報処理装置5の動作例について説明する。図13は、図10に示した情報処理装置5の動作例を示す説明図である。
【0132】
図13に示すように、ユーザ操作によりカメラ(撮像部12)が起動する(S502)。続いて、領域特定部520が、撮像部12により取得される画像から指領域を特定し(S504)、特徴点検出部530が特定された指領域から特徴点を検出する(S506)。さらに、判定部540が、ステップS506で検出された特徴点に基づいて、ステップS506で特定された指領域から指紋情報を取得可能であるか否かを判定する(S510)。
【0133】
指紋情報を取得可能であると判定され、指紋処理設定がオフである場合(S510においてYESかつS512においてNO)、制御部50は、指紋処理設定をオンにするよう促し、指紋処理設定を切り替えるための警告・設定画面を表示部15に表示させる(S514)。警告・設定画面において、ユーザの操作が行われた後に処理はステップS516に進む。
【0134】
一方、指紋情報を取得可能ではないと判定された場合(S510においてNO)、または、指紋情報を取得可能であると判定され、指紋処理設定がオンである場合(S510においてYESかつS512においてYES)、処理はステップS516に進む。
【0135】
ステップS516において、例えばユーザ操作により撮影が実行されると、撮像部12により入力画像が取得され、取得された入力画像から領域特定部520が指領域を特定する(S518)。続いて、判定部540がステップS518で特定された指領域から、指紋情報を取得可能であるか否かを判定する(S520)。指紋情報が取得可能ではないと判定された場合(S520においてNO)、または、指紋情報が取得可能と判定されたが指紋処理設定がオフの場合(S520においてYESかつS522においてNO)処理は終了する。
【0136】
一方、指紋情報が取得可能と判定され、指紋処理設定がオンの場合(S520においてYESかつS522においてYES)、画像処理部560のぼかし部562は、入力画像から抽出した指領域(処理領域の一例)にぼかし処理を施す(S524)。続いて、画像処理部560の特徴点変形部564は、指領域(処理領域の一例)に、指領域から検出される特徴点に関する情報が変化するような特徴点変形処理を施す(S526)。
【0137】
続いて、画像処理部560のエッジ強調部266は、指領域に、エッジ(輪郭)を強調するエッジ強調処理を施す(S528)。さらに、画像処理部560は、指領域にステップS524~S528の処理を施した結果を入力画像の指領域に合成して、出力画像を生成する(S530)。
【0138】
以上、説明した情報処理装置5によれば、取得可能な指紋情報を変化させる画像処理を施すことで、生体認証として指紋認証が用いられる場合であっても不正認証を抑制することが可能である。
【0139】
なお、上記では、画像処理部560がぼかし処理、特徴点変形処理、及びエッジ強調処理を行う例を説明したが、係る例に限定されない。例えば、画像処理部560による画像処理は、図4を参照して説明したランダム変形処理を含んでもよいし、図9を参照して説明した置換処理を含んでもよい。なお、画像処理部560が置換処理を行う場合には、記憶部13に複数の指紋パターンが記憶され、画像処理部560は、当該複数の指紋パターンから選択された1の指紋パターンで処理領域を置き換えてもよい。
【0140】
(静脈認証の例)
続いて、本技術を静脈認証(生体認証の一例)へ適用する例について説明する。図14は、本技術を静脈認証へ適用した情報処理装置6の構成例を示すブロック図である。図14に示すように、情報処理装置6は、制御部60の機能構成が図4に示した第2の実施形態に係る制御部20の機能構成と一部異なる点で、図4の情報処理装置2と異なる。なお、図14に示す各構成のうち、図4に示した各構成と実質的に同様の構成については、同一の符号を付してあるため、説明を省略する。以下では、制御部60が有する領域特定部620、静脈検出部630、判定部640、及び画像処理部660としての機能について説明する。
【0141】
領域特定部620は、図10を参照して説明した領域特定部520と同様に、撮像部12により取得される入力画像(画像データ)から指領域(生体領域の一例)を特定する。ただし、領域特定部620は、静脈認証用の指領域を特定するため、指領域として、指全体を特定してもよい。指領域の特定は、周知の画像認識技術により実現可能であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0142】
領域特定部620により特定される指領域の情報は、静脈検出部630、判定部640、及び画像処理部660に提供される。
【0143】
なお、領域特定部620による指領域特定の対象となる画像データは撮像部12により取得される画像に限定されず、例えば、通信部11を介して外部装置から取得される画像であってもよいし、記憶部13に予め記憶された画像であってもよい。
【0144】
静脈検出部630は、領域特定部620により特定される指領域から、静脈を検出する。静脈の検出は周知の画像認識技術により実現可能であるためここでの詳細な説明は省略する。静脈検出部630は、検出した静脈に関する情報(例えば検出された静脈の数、位置、種類、向き、長さ等)を判定部640、及び画像処理部660へ提供する。
【0145】
判定部640は、領域特定部620により特定される指領域から、静脈認証に用いられる静脈情報を取得可能であるか否かを判定する。例えば、判定部640は、静脈検出部630から提供される静脈に関する情報に基づいて、指領域から情報を取得可能であるか否かを判定してもよい。例えば、判定部640は、十分な数の静脈が検出されたか否かを判定することにより、指領域から静脈情報を取得可能であるか否かを判定してもよい。
【0146】
画像処理部660は、図1を参照して説明した画像処理部160や、図4を参照して説明した画像処理部260と同様に、生体領域から取得可能な生体情報が変化するように、当該生体領域に応じた処理領域に画像処理を施して、出力画像を生成する。ただし、画像処理部660は、領域特定部620により特定される指領域(生体領域の一例)から取得可能な静脈情報(生体情報の一例)が変化するように、当該指領域に応じた処理領域に画像処理を施して、出力画像を生成する。
【0147】
また、図14に示すように、情報処理装置6が有する画像処理部660は、ぼかし部162、エッジ強調部266としての機能に加え、静脈変形部664としての機能を有する。以下、画像処理部660が有する、静脈変形部664の機能について説明する。なお、画像処理部660が施す画像処理は、図4を参照して説明したぼかし部162によるぼかし処理、エッジ強調部266によるエッジ強調処理に加え、以下に説明する静脈変形部664による静脈変形処理をさらに含む。
【0148】
静脈変形部664は、指領域(処理領域の一例)に対して、指領域から検出される静脈に関する情報を変化させる画像処理(以下、静脈変形処理と呼称する)を施す。例えば、静脈変形部664は、静脈検出部630により指領域から検出された静脈の移動(指領域内の座標変更)、削除、長さの変更、または上記の組み合わせによる静脈変形処理を施してもよい。なお、静脈変形部664は検出された全ての静脈に対して静脈変形処理を施す必要はなく、検出された静脈のうち、一部の静脈を対象として静脈変形処理を行ってもよい。図15は、静脈変形部664による静脈変形処理の例を示す説明図である。
【0149】
図15の指領域F40には、静脈検出部630により検出された静脈の一例として、静脈V40が示されている。静脈変形部664は、例えば、図15に示す指領域F41のように、静脈V40の長さを変更してもよい。また、静脈変形部664は、図15に示す指領域F42のように、静脈V40を移動させてもよい。なお、静脈変形部664は、静脈V40を移動する際、静脈V40を反転させたり、回転させたりしてから移動させてもよい。また、静脈変形部664は、図15に示す指領域F43のように、静脈V40を削除してもよい。
【0150】
以上、静脈変形部664による静脈変形処理について説明した。なお、図15では、静脈変形処理として静脈の移動(指領域内の座標変更)、削除、または長さの変更、が行われる例を説明したが、上記の組み合わせも静脈変形処理に含まれる。
【0151】
以上、情報処理装置6の構成例を説明した。続いて、情報処理装置6の動作例について説明する。図16は、図14に示した情報処理装置6の動作例を示す説明図である。
【0152】
図16に示すように、ユーザ操作によりカメラ(撮像部12)が起動する(S602)。続いて、領域特定部620が、撮像部12により取得される画像から指領域を特定し(S604)、静脈検出部630が特定された指領域から静脈を検出する(S606)。さらに、判定部640が、ステップS606で検出された静脈に基づいて、ステップS606で特定された指領域から静脈情報を取得可能であるか否かを判定する(S610)。
【0153】
静脈情報を取得可能であると判定され、静脈処理設定がオフである場合(S610においてYESかつS612においてNO)、制御部60は、静脈処理設定をオンにするよう促し、静脈処理設定を切り替えるための警告・設定画面を表示部15に表示させる(S614)。警告・設定画面において、ユーザの操作が行われた後に処理はステップS616に進む。
【0154】
一方、静脈情報を取得可能ではないと判定された場合(S610においてNO)、または、静脈情報を取得可能であると判定され、静脈処理設定がオンである場合(S610においてYESかつS612においてYES)、処理はステップS616に進む。
【0155】
ステップS616において、例えばユーザ操作により撮影が実行されると、撮像部12により入力画像が取得され、取得された入力画像から領域特定部620が指領域を特定する(S618)。続いて、判定部640がステップS618で特定された指領域から、静脈情報を取得可能であるか否かを判定する(S620)。静脈情報が取得可能ではないと判定された場合(S620においてNO)、または、静脈情報が取得可能と判定されたが静脈処理設定がオフの場合(S620においてYESかつS622においてNO)処理は終了する。
【0156】
一方、静脈情報が取得可能と判定され、静脈処理設定がオンの場合(S620においてYESかつS622においてYES)、画像処理部660のぼかし部662は、入力画像から抽出した指領域(処理領域の一例)にぼかし処理を施す(S624)。続いて、画像処理部660の静脈変形部664は、指領域(処理領域の一例)に、指領域から検出される静脈に関する情報が変化するような静脈変形処理を施す(S626)。
【0157】
続いて、画像処理部660のエッジ強調部266は、指領域に、エッジ(輪郭)を強調するエッジ強調処理を施す(S628)。さらに、画像処理部660は、指領域にステップS624~S628の処理を施した結果を入力画像の指領域に合成して、出力画像を生成する(S630)。
【0158】
以上、説明した情報処理装置6によれば、取得可能な静脈情報を変化させる画像処理を施すことで、生体認証として静脈認証が用いられる場合であっても不正認証を抑制することが可能である。
【0159】
上述したように、本技術は虹彩認証以外の生体認証へ適用することも可能である。なお、上述した生体領域または生体情報と画像処理との組み合わせは一例であって、係る例に限定されない。例えば、ぼかし処理、エッジ強調処理、生体パターンの置換処理、特徴点に関する情報を変化させる処理は、対象となる生体領域の種類に関わらず、生体情報を変化させるのに有効である。また、ランダム変形処理は、虹彩情報を変化させるのに特に有効である。また、特徴点の削除、及び移動は、指紋情報、または静脈情報を変化させるのに特に有効である。
【0160】
また、上述した生体情報を変化させるための処理を組み合わせたり、選択して施すことも可能である。例えば、領域特定部は複数の種類の生体領域を特定可能であってもよく、領域特定部が特定可能であった生体領域に対応する生体情報を変化させるように、続く処理が行われてもよい。例えば、上述した虹彩情報、指紋情報、静脈情報の全てを変化可能な構成の場合、領域特定部は入力画像から虹彩領域、指紋領域、静脈領域の全ての特定を試みる。そして、続く特徴点検出部、静脈検出部、判定部、及び画像処理部が、領域特定部により特定された生体領域に対応する生体情報に応じた処理を施すことで、取得可能な生体情報を変化させてもよい。また、入力画像の内容次第では複数の生体情報を変形させる処理を施すことが望ましい場合もある。例えば、指が写っている入力画像に対しては、指紋情報と静脈情報の両方を変化させるような画像処理が施されてもよい。また、指と目の両方が写っている入力画像に対しては、虹彩情報、指紋情報、及び静脈情報の全てを変化させるような画像処理が施されてもよい。
【0161】
<4-3.変形例3>
上記実施形態では、画像の取得(撮像)を行う情報処理装置が、生体領域の特定、生体領域への画像処理等を行う例を説明したが、本技術は係る例に限定されない。例えば、画像の取得を行う装置と、生体領域の特定、生体領域への画像処理等を行う装置は異なる装置であってもよく、以下では変形例3として、係る例について説明する。
【0162】
図17は本変形例に係る情報処理システム1000の構成例を示すブロック図である。図17に示すように、本変形例に係る情報処理システム1000は、ユーザ端末7、サーバ8、及び通信網9を含む。なお、図17に示す各構成のうち、図1に示した各構成と実質的に同様の構成については、同一の符号を付してあるため、説明を省略する。
【0163】
ユーザ端末7は、図17に示すように、通信部11、撮像部12、記憶部13、操作部14、表示部15、及び制御部70を備える情報処理装置であり、例えばスマートフォンやタブレット端末等であってもよい。図17に示す通信部11、撮像部12、記憶部13、操作部14、及び表示部15の機能は、図1を参照して説明した通信部11、撮像部12、記憶部13、操作部14、及び表示部15の機能と同様であるため、説明を省略する。
【0164】
制御部70は、ユーザ端末7の各構成を制御する。例えば、制御部70は通信部11による通信を制御する通信制御機能、表示部15による表示を制御する表示制御機能を有する。また、本変形例による制御部70は、撮像部12により取得された入力画像を暗号化する暗号化機能や、通信部11により受信された情報を復号する復号機能を有する。
【0165】
サーバ8は、図17に示すように、通信部81、及び制御部80を備える情報処理装置である。図17に示す通信部81の機能は、図1を参照して説明した通信部11の機能と同様であるため、説明を省略する。
【0166】
制御部80は、サーバ8の各構成を制御する。例えば、制御部80は通信部81による通信を制御する通信制御機能、画像を暗号化する暗号化機能や、通信部11により受信された情報を復号する復号機能等を有する。また、本変形例によるサーバ8は、例えばSNS(Social Networking Service)、ソーシャルメディア等のサービスを提供してもよく、通信網9を介して、画像等の情報を他の装置へ公開する機能を有してもよい。さらに、図17に示すように、制御部80は、領域特定部820、判定部840、及び画像処理部860としての機能を有する。
【0167】
領域特定部820は、上述した領域特定部120、領域特定部520、領域特定部620と同様に、生体認証用の生体領域を特定する。なお、領域特定部820の機能は、領域特定部120、領域特定部520、領域特定部620のいずれかの機能と同様であってもよいし、上記の組み合わせであってもよい。
【0168】
判定部840は、上述した判定部140、判定部540、判定部640と同様に、領域特定部820により特定された生体領域から生体情報を取得可能であるか否かを判定する。なお、判定部840の機能は、判定部140、判定部540、判定部640のいずれかの機能と同様であってもよいし、上記の組み合わせであってもよい。
【0169】
画像処理部860は、上述した画像処理部160、画像処理部260、画像処理部360、画像処理部460、画像処理部560、画像処理部660と同様に、生体領域から取得可能な生体情報が変化するように、生体領域に応じた処理領域に画像処理を施す。なお、画像処理部860の機能は、画像処理部160、画像処理部260、画像処理部360、画像処理部460、画像処理部560、画像処理部660のいずれかの機能と同様であってもよいし、上記の組み合わせであってもよい。つまり、画像処理部860が施す画像処理は、上述したぼかし処理、エッジ処理、ランダム変形処理、置換処理、特徴点変形処理、静脈変形処理のうち、1または複数を含んでもよい。
【0170】
また、図17には図示していないが、制御部80は、特徴点検出部、静脈検出部としての機能を有してもよい。
【0171】
通信網9は通信網9に接続されている装置から送信される情報の有線、または無線の伝送路である。例えば、通信網9は、インターネット、電話回線網、衛星通信網等の公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等を含んでもよい。また、通信網9は、IP-VPN(Internet Protocol-Virtual Private Network)等の専用回線網を含んでもよい。
【0172】
以上、本変形例の構成について説明した。続いて、本変形例の動作について、図18図19を参照して説明する。図18図19はそれぞれ本変形例の動作例を示すフローチャート図である。
【0173】
図18には、サーバ8が、SNS(Social Networking Service)、ソーシャルメディア等のサービスを提供し、他の装置へ画像を公開する機能を有し、サーバ8で画像処理が施された後に、画像が公開される場合の動作例を示している。図18に示す例では、まず例えばユーザ操作により撮影が実行されると、ユーザ端末7の撮像部12により入力画像が取得される(S702)。続いて、ユーザ端末7の制御部70が入力画像を暗号化し(S704)、暗号化された画像がユーザ端末7からサーバ8へ送信される(S706)。
【0174】
暗号化された画像を受信したサーバ8の制御部80は、復号処理を行い、入力画像を取得する(S708)。続いて、サーバ8の領域特定部820が入力画像から生体領域を特定する(S710)。続いて、サーバ8の判定部840がステップS710で特定された生体領域から、生体情報を取得可能であるか否かを判定する(S712)。
【0175】
生体情報が取得可能であると判定された場合(S712においてYES)、サーバ8の画像処理部860が、生体領域から取得可能な生体情報が変化するように、生体領域に応じた処理領域に画像処理を施す(S714)。さらに、サーバ8は、ステップS714で画像処理が施されて得られた出力画像を、通信網9を介して他の装置へ公開する(S716)。
【0176】
一方、生体情報が取得可能ではないと判定された場合(S712においてNO)、サーバ8は、入力画像に画像処理を施すことなく、通信網9を介して他の装置へ入力画像を公開する(S716)。
【0177】
また、図19に示す例では、サーバ8が他の装置へ画像を公開する機能を有していなくてもよく、サーバ8で画像処理が施された後に、ユーザ端末7が画像公開機能を有する他のサーバ(例えば不図示のSNSサーバ)へ画像を送信する場合の動作例を示している。図19に示すステップS802~S810の処理は、図18を参照して説明したステップS702~S710の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0178】
続くステップS812において、サーバ8の判定部840がステップS810で特定された生体領域から、生体情報を取得可能であるか否かを判定する。
【0179】
生体情報が取得可能であると判定された場合(S812においてYES)、サーバ8の画像処理部860が、生体領域から取得可能な生体情報が変化するように、生体領域に応じた処理領域に画像処理を施す(S814)。さらに、サーバ8は、ステップS814で画像処理が施されて得られた出力画像を暗号化する(S816)。
【0180】
一方、生体情報が取得可能ではないと判定された場合(S812においてNO)、サーバ8は、入力画像に画像処理を施すことなく、入力画像を暗号化する(S816)。
【0181】
続いて、サーバ8からユーザ端末7へステップS816で暗号化された画像が送信され(S818)、ユーザ端末7で復号される(S820)。続いて、ユーザ端末7は、ステップS820で復号して得た画像を、不図示のSNSサーバへ送信する(S822)。
【0182】
なお、図18図19に示した動作は一例であって、係る例に限定されない。例えば、ステップS812において生体情報が取得可能ではないと判定された場合、画像処理不要であることを示す情報がサーバ8からユーザ端末7へ送信されて、ユーザ端末7はステップS802で得た入力画像を、不図示のSNSサーバへ送信してもよい。
【0183】
<<5.ハードウェア構成例>>
以上、本開示の各実施形態と変形例を説明した。上述した領域特定処理、判定処理、画像処理、虹彩登録認証処理、復元処理等の情報処理は、ソフトウェアと、情報処理装置1~3のハードウェアとの協働により実現される。以下では、本実施形態に係る情報処理装置である情報処理装置1~6、ユーザ端末7、サーバ8のハードウェア構成例として、情報処理装置2000のハードウェア構成例について説明する。
【0184】
図9は、情報処理装置2000のハードウェア構成の一例を示す説明図である。図9に示したように、情報処理装置2000は、CPU(Central Processing Unit)2001と、ROM(Read Only Memory)2002と、RAM(Random Access Memory)2003と、入力装置2004と、出力装置2005と、ストレージ装置2006と、撮像装置2007と、通信装置2008とを備える。
【0185】
CPU2001は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置2000内の動作全般を制御する。また、CPU2001は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM2002は、CPU2001が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM2003は、CPU2001の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバス等から構成されるホストバスにより相互に接続されている。主に、CPU2001、ROM2002及びRAM2003とソフトウェアとの協働により、制御部10、制御部20、制御部30、制御部40、制御部50、制御部60、制御部70、制御部80の機能が実現される。
【0186】
入力装置2004は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ及びレバー等ユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU2001に出力する入力制御回路等から構成されている。情報処理装置2000のユーザは、該入力装置2004を操作することにより、情報処理装置2000に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0187】
出力装置2005は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED装置、シースルーディスプレイ、及びランプ等の表示装置を含む。さらに、出力装置2005は、スピーカ及びヘッドホン等の音声出力装置を含む。例えば、表示装置は、撮像された画像や生成された画像等を表示する。一方、音声出力装置は、音声データ等を音声に変換して出力する。出力装置2005は、例えば図1を参照して説明した表示部15に対応する。
【0188】
ストレージ装置2006は、データ格納用の装置である。ストレージ装置2006は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置及び記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置等を含んでもよい。ストレージ装置2006は、CPU2001が実行するプログラムや各種データを格納する。ストレージ装置2006は、図1を参照して説明した記憶部13に対応する。
【0189】
撮像装置2007は、光を集光する撮影レンズ及びズームレンズ等の撮像光学系、及びCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の信号変換素子を備える。撮像光学系は、被写体から発せられる光を集光して信号変換部に被写体像を形成し、信号変換素子は、形成された被写体像を電気的な画像信号に変換する。撮像装置2007は、図1を参照して説明した撮像部12に対応する。
【0190】
通信装置2008は、例えば、通信網に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、通信装置2008は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置、LTE(Long Term Evolution)対応通信装置、有線による通信を行うワイヤー通信装置、またはブルートゥース(登録商標)通信装置を含んでもよい。通信装置2008は、例えば図1を参照して説明した通信部11、図17を参照して説明した通信部81に対応する。
【0191】
<<6.むすび>>
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0192】
例えば、上記実施形態における各ステップは、必ずしもフローチャート図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、上記実施形態の処理における各ステップは、フローチャート図として記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0193】
また、上記実施形態によれば、CPU2001、ROM2002、及びRAM2003などのハードウェアを、上述した情報処理装置1~6、ユーザ端末7、サーバ8の各構成と同様の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも提供可能である。また、該コンピュータプログラムが記録された記録媒体も提供される。
【0194】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0195】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
画像データから生体認証用の生体領域を特定する領域特定部と、
前記生体領域から取得可能な生体情報が変化するように、前記生体領域に応じた処理領域に画像処理を施す画像処理部と、
を備える情報処理装置。
(2)
前記画像処理部が施す前記画像処理は、ぼかし処理を含む、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記画像処理部が施す前記画像処理は、エッジ強調処理をさらに含む、前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記画像処理部が施す前記画像処理は、ランダムに選択されるピクセルの値を変更する処理をさらに含む、前記(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記画像処理部が施す前記画像処理は、前記処理領域を置き換える置換処理を含む、前記(1)~(4)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(6)
前記置換処理は、予め記憶された複数の生体パターンから選択された1の生体パターンで前記処理領域を置き換える処理である、前記(5)に記載の情報処理装置。
(7)
前記画像処理部が施す前記画像処理は、前記生体領域から検出される特徴点に関する情報を変化させる特徴点変形処理を含む、前記(1)~(6)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(8)
前記特徴点変形処理は、前記生体領域から検出された特徴点の移動、削除のうち、少なくともいずれか一つを含む、前記(7)に記載の情報処理装置。
(9)
前記画像処理部が施す前記画像処理は、前記生体領域から検出される静脈に関する情報を変化させる静脈変形処理を含む、前記(1)~(8)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(10)
前記静脈変形処理は、前記静脈の移動、削除、長さの変更のうち、少なくともいずれか一つを含む、前記(9)に記載の情報処理装置。
(11)
前記情報処理装置は、前記生体領域から前記生体情報を取得可能であるか否かを判定する判定部をさらに備え、
前記画像処理部は、前記判定部により前記生体領域から前記生体情報を取得可能であると判定された場合に、前記処理領域に前記画像処理を施す、前記(1)~(10)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(12)
前記情報処理装置は、
前記領域特定部により特定された前記生体領域から生体情報を取得可能であるか否かを判定する判定部をさらに備え、
前記判定部により前記生体領域から前記生体情報を取得可能であると判定された場合に、警告画面を表示させる、前記(1)~(10)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(13)
前記情報処理装置は、外部と通信を行う通信部をさらに備え、
前記判定部は、画像データを外部に送信させるための操作入力が行われた場合に、前記画像データから特定された生体領域から前記生体情報を取得可能であるか否かを判定する、前記(12)に記載の情報処理装置。
(14)
前記判定部は、前記生体領域の大きさに基づいて、前記生体領域から前記生体情報を取得可能であるか否かを判定する、前記(11)~(13)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(15)
前記判定部は、前記生体領域に含まれる色に基づいて、前記生体領域から前記生体情報を取得可能であるか否かを判定する、前記(11)~(14)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(16)
前記情報処理装置は、前記処理領域に前記画像処理が施された画像から、前記画像データを復元する復元部をさらに備える、前記(1)~(15)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(17)
前記復元部は、前記画像処理のパラメータに基づいて、前記画像データを復元する、前記(16)に記載の情報処理装置。
(18)
前記生体情報は、虹彩情報、指紋情報、静脈情報のうち、少なくともいずれか一つを含む、前記(1)~(17)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(19)
画像データから生体認証用の生体領域を特定することと、
前記生体領域から取得可能な生体情報が変化するように、前記生体領域に応じた処理領域に画像処理を施すことと、
を含む情報処理方法。
(20)
コンピュータに、
画像データから生体認証用の生体領域を特定する機能と、
前記生体領域から取得可能な生体情報が変化するように、前記生体領域に応じた処理領域に画像処理を施す機能と、
を実現させるための、プログラム。
【符号の説明】
【0196】
1、2、3、4、5、6 情報処理装置
7 ユーザ端末
8 サーバ
9 通信網
10、20、30、40、50、60、70、80 制御部
11 通信部
12 撮像部
13 記憶部
14 操作部
15 表示部
120、520、620、820 領域特定部
140、540、640、840 判定部
160、260、360、460、560、660、860 画像処理部
162、562、662 ぼかし部
180 虹彩登録認証部
264 ランダム変形部
266 エッジ強調部
362 フィルタ部
364 加算部
370 復元部
464 置換部
530 特徴点検出部
564 特徴点変形部
630 静脈検出部
664 静脈変形部
図1
図2
図3
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図5
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