IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日本マイクロニクスの特許一覧

<>
  • 特許-電気的接続装置 図1
  • 特許-電気的接続装置 図2
  • 特許-電気的接続装置 図3
  • 特許-電気的接続装置 図4
  • 特許-電気的接続装置 図5
  • 特許-電気的接続装置 図6
  • 特許-電気的接続装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-18
(45)【発行日】2022-05-26
(54)【発明の名称】電気的接続装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/073 20060101AFI20220519BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
G01R1/073 E
H01L21/66 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017106198
(22)【出願日】2017-05-30
(65)【公開番号】P2018200289
(43)【公開日】2018-12-20
【審査請求日】2020-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000153018
【氏名又は名称】株式会社日本マイクロニクス
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 達哉
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0210505(US,A1)
【文献】特表2010-508533(JP,A)
【文献】特表2008-544283(JP,A)
【文献】特開平05-211215(JP,A)
【文献】特開2006-300733(JP,A)
【文献】特許第5430687(JP,B2)
【文献】特開平04-148541(JP,A)
【文献】特開2011-145279(JP,A)
【文献】特開2016-217855(JP,A)
【文献】国際公開第2017/069028(WO,A1)
【文献】特開2014-020787(JP,A)
【文献】国際公開第2007/023884(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0313659(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/073
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線配置部材と、
前記配線配置部材に形成された配線パターンと接続する基端部、及び被検査体と接触する先端部を有するプローブと、
前記配線配置部材と隣接して配置され、前記プローブを保持するプローブヘッドと、
前記プローブヘッドから前記配線配置部材に向けて一端部が突出するように前記プローブヘッドに配置され、前記一端部が前記配線配置部材の前記プローブヘッドに対向し前記基端部が接続する前記配線パターンが配置された固定面に固定されて前記プローブヘッドと前記配線配置部材を結合する固定部品と
を備え、
前記固定部品が前記プローブヘッドを貫通して前記固定部品の端部が前記配線配置部材に結合し、前記プローブヘッドと前記配線配置部材の間に露出する部分の前記固定部品の長さを調整して、前記プローブヘッドと前記配線配置部材の間隔を制御する
ことを特徴とする電気的接続装置。
【請求項2】
前記固定部品がピン形状であり、
前記固定部品のシャフトが前記プローブヘッドを貫通し、前記シャフトと連結する前記固定部品のヘッドが前記プローブヘッドに当接していることを特徴とする請求項1に記載の電気的接続装置。
【請求項3】
前記固定面に、前記一端部が結合するアンカーが配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気的接続装置。
【請求項4】
前記固定部品と前記アンカーがねじ結合されていることを特徴とする請求項3に記載の電気的接続装置。
【請求項5】
前記配線配置部材の前記固定面に設けられた凹部の内部に、前記アンカーが配置されていることを特徴とする請求項3又4に記載の電気的接続装置。
【請求項6】
前記配線配置部材が、前記プローブの間隔よりも配線の間隔を広くするスペーストランスフォーマであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電気的接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査体の電気的特性の測定に使用される電気的接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路などの被検査体の電気的特性を基板の状態で測定するために、被検査体に接触させるプローブを有する電気的接続装置が用いられている。電気的接続装置には、プローブを保持するプローブヘッドを、プローブと電気的に接続する配線パターンが配置されたプリント基板に取り付けた構成が使用される。このとき、プローブの間隔よりもプリント基板に配置する配線パターンの間隔を広くするために、プローブヘッドとプリント基板との間にスペーストランスフォーマを配置した構成の電気的接続装置が使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
プローブヘッドの撓みを抑制するために、柱状の固定部品によってプローブヘッドの上方に配置したスティフナー(補強材)とプローブヘッドを連結する方法が使用されている。この方法では、スペーストランスフォーマやプリント基板などの配線パターンが配置されている部材(以下において「配線配置部材」という。)がプローブヘッドの上方に配置されている場合には、配線配置部材に固定部品を通過させるための貫通穴を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-178405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
配線配置部材に貫通穴を形成することによって、配線配置部材において配線を配置できない領域が増大し、配線のレイアウトの自由度の減少による配線効率の低下が生じる。このため、配線配置部材の面積の拡大や配線層の多層化が必要になる。その結果、製造コストが増大するなどの問題が生じる。
【0006】
上記問題点を鑑み、本発明は、プローブヘッドの撓みを抑制し、且つ配線配置部材での配線効率の低下を抑制できる電気的接続装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、配線配置部材と、配線配置部材に形成された配線パターンと接続する基端部、及び被検査体と接触する先端部を有するプローブと、配線配置部材と隣接して配置され、プローブを保持するプローブヘッドと、プローブヘッドから配線配置部材に向けて一端部が突出するようにプローブヘッドに配置され、一端部が配線配置部材のプローブヘッドに対向し基端部が接続する配線パターンが配置された固定面に固定されてプローブヘッドと配線配置部材を結合する固定部品とを備え、固定部品がプローブヘッドを貫通して固定部品の端部が配線配置部材に結合し、プローブヘッドと配線配置部材の間に露出する部分の固定部品の長さを調整して、プローブヘッドと配線配置部材の間隔を制御する電気的接続装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、プローブヘッドの撓みを抑制し、且つ配線配置部材での配線効率の低下を抑制できる電気的接続装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る電気的接続装置の構成を示す模式図である。
図2】本発明の実施形態に係る電気的接続装置の固定部品とアンカーとの結合方法の例を示す模式図であり、図2(a)は結合する前の状態を示し、図2(b)は結合した状態を示す。
図3】比較例の電気的接続装置の構成を示す模式図である。
図4】比較例の電気的接続装置の配線配置部材に形成される貫通穴の配置例を示す模式的な平面図である。
図5】比較例の電気的接続装置の配線配置部材の配線領域を示す模式的な平面図である。
図6】本発明の実施形態に係る電気的接続装置の配線配置部材の配線領域を示す模式的な平面図である。
図7】本発明の実施形態の変形例に係る電気的接続装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各部の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置などを下記のものに特定するものでない。
【0011】
図1に示す本発明の実施形態に係る電気的接続装置1は、被検査体2の電気的特性の測定に使用される。電気的接続装置1は垂直動作式プローブカードであり、被検査体2の測定時に、プローブ10の先端部が被検査体2の検査用パッド(図示略)と接触する。図1では、プローブ10が被検査体2に接触していない状態を示している。測定時には、例えば被検査体2を搭載したチャック3が上昇して、プローブ10の先端部が被検査体2に接触する。
【0012】
電気的接続装置1は、配線配置部材30と、配線配置部材30に形成された配線パターン(図示略)と接続する基端部を有するプローブ10と、配線配置部材30と隣接して配置され、プローブ10を保持するプローブヘッド20と、プローブヘッド20から配線配置部材30に向けて一端部が突出するようにプローブヘッド20に配置された固定部品100とを備える。固定部品100の一端部が、配線配置部材30のプローブヘッド20に対向する固定面301に固定されている。このように、固定部品100がプローブヘッド20と配線配置部材30を結合する。
【0013】
固定部品100の材料には、例えば、SUSや鉄鋼材などが使用される。図1に示す固定部品100はピン形状であり、固定部品100のシャフトがプローブヘッド20を貫通し、シャフトと連結する固定部品100のヘッドがプローブヘッド20に当接している。具体的には、プローブヘッド20の下面に設けられた凹部の内部に固定部品100のヘッドが収納されている。
【0014】
図1に示すように、配線配置部材30の固定面301に、固定部品100の一端部が結合するアンカー35が配置されている。アンカー35には、例えば、厚みが1~3mm程度のブロック状のSUSや鉄鋼材などが使用される。アンカー35が配置された領域に対応するプローブヘッド20の上面には、凹部が形成されている。つまり、プローブヘッド20の上面に形成された凹部の内部に、アンカー35が配置された状態である。これにより、プローブヘッド20とアンカー35との接触を防止できる。
【0015】
なお、固定部品100とアンカー35をねじ結合させることが好ましい。例えば、アンカー35の下面を、「めねじ」形状に加工する。そして、固定部品100の一端部を「おねじ」形状に加工する。これにより、プローブヘッド20と配線配置部材30の間隔を調整しながら、固定部品100によってプローブヘッド20と配線配置部材30を結合できる。
【0016】
このため、複数の固定部品100を配置することにより、プローブヘッド20に撓みが発生した場所の近くのプローブヘッド20と配線配置部材30の間隔を調整することも可能である。つまり、固定部品100のねじの締め方を調整することによって、プローブヘッド20と配線配置部材30の間に露出する部分の固定部品100の長さを調整する。これにより、プローブヘッド20の撓みを矯正することができる。
【0017】
ねじ結合以外の方法によって、固定部品100とアンカー35を接合してもよい。例えば、図2(a)と図2(b)に示すようなロック機構によって固定部品100とアンカー35を接合する。即ち、図2(a)に示すように、ロック溝350が形成されたアンカー35を用意し、このロック溝350に対応した形状のスプリングピン101を固定部品100の一端部に配置する。固定部品100の一端部をアンカー35に挿入した後に固定部品100を回転させ、図2(a)に矢印で示すようにスプリングピン101を移動させることにより、図2(b)に示すようにロック溝350にスプリングピン101が嵌合する。これにより、固定部品100とアンカー35が結合される。
【0018】
図1に示した電気的接続装置1では、配線配置部材30は、プローブ10の間隔よりも配線の間隔を広くするスペーストランスフォーマである。配線配置部材30の固定面301に配置されてプローブ10の基端部と接続する配線パターンと、固定面301と対向する配線配置部材30の上面に配置された配線パターンが、配線配置部材30の内部に配置された内部配線(図示略)によって接続される。
【0019】
配線配置部材30の上方に、インターポーザ40とプリント基板50が積層されている。インターポーザ40及びプリント基板50も配線配置部材である。即ち、図1に示した電気的接続装置1は、プローブヘッド20、配線配置部材30、インターポーザ40及びプリント基板50を積層した構造である。
【0020】
インターポーザ40は、板状の支持部41と、支持部41を貫通する複数の中継部材42を有する。中継部材42には、弾性を有する導電性の材料が使用される。支持部41の下面に露出した中継部材42の一方の端部は、配線配置部材30の上面に配置された配線パターンと接続されている。支持部41の上面に露出した中継部材42の他方の端部は、プリント基板50の下面に配置された配線パターンと接続されている。これにより、配線配置部材30の配線パターンとプリント基板50の配線パターンは、インターポーザ40を中継して電気的に接続される。
【0021】
中継部材42が弾性を有するため、配線配置部材30やプリント基板50に撓みが生じても、中継部材42が弾性変形して、配線配置部材30の配線パターンとプリント基板50の配線パターンの電気的な接続が維持される。支持部41に貫通穴を形成した場合、中継部材42を配置する領域が制限される。
【0022】
プリント基板50に形成された配線パターンは、図示を省略するICテスタなどの検査装置と電気的に接続される。上記のように、配線配置部材30、インターポーザ40及びプリント基板50を介して、プローブ10が検査装置と電気的に接続される。プローブ10を介して、検査装置によって被検査体2に所定の電圧や電流が印加される。そして、被検査体2から出力される信号がプローブ10を介して検査装置に送られ、被検査体2の特性が検査される。
【0023】
プリント基板50の上面には、スティフナー60が配置されている。スティフナー60により、電気的接続装置1の機械的強度が向上する。図1に示すように、プリント基板50とインターポーザ40を貫通する支持部材110によって、配線配置部材30がスティフナー60に固定されている。即ち、ピン形状の支持部材110のシャフトの先端部が配線配置部材30の上面に配置された固定具111に固定され、支持部材110の頭部がスティフナー60の上面に形成された凹部の内部に当接している。支持部材110と固定具111とは、例えば、ねじ結合される。ねじの締め方の強さを調整することにより、配線配置部材30の撓みを矯正できる。
【0024】
また、電気的接続装置1は、プリント基板50の外縁部に配置された固定リング70を更に備える。固定リング70は、配線配置部材30やインターポーザ40の周囲を囲んで配置されている。固定リング70の下端は、配線配置部材30の下方にせり出した部分を有し、このせり出した部分が配線配置部材30の外縁部を下方から支持している。そして、プローブヘッド20の外縁部を貫通する柱状の固定部材120の先端部が、固定リング70のせり出した部分に固定されている。これらにより、配線配置部材30及びプローブヘッド20が、プリント基板50とスティフナー60に支持されている。
【0025】
製造時の組み立て公差や加工公差、部材撓みなどにより、プローブヘッド20に撓みが発生する場合がある。この撓みにより、プローブ10の基端部と配線配置部材30との接触が安定せず、接点不良が発生する。このため、プローブヘッド20の撓みを抑制するために、種々の対策が検討されてきた。
【0026】
例えば、図3に示した比較例の電気的接続装置1Aでは、プローブヘッド20の下面からスティフナー60まで固定部品100Aが挿入されている。固定部品100Aは、プローブヘッド20の他に、配線配置部材30、インターポーザ40及びプリント基板50を貫通している。
【0027】
このため、図4に示すように、固定部品100Aを通過させるための貫通穴300が、配線配置部材30に形成されている。貫通穴300及びその周辺には、配線を配置することができない。このため、配線配置部材30における配線効率が低下する。図4に示した領域Sの拡大図を図5に示す。
【0028】
例えば、配線配置部材30の主面の電子部品200が配置された領域の残余の領域に平面視で径が3.2mmの貫通穴300を形成すると、貫通穴300の周囲には1.5mmの範囲で配線を配置することが禁止される。つまり、直径6.2mmの配線禁止領域320が設定される。
【0029】
配線の幅が0.1mm、配線ピッチが0.1mmの場合に、貫通穴300の周囲に配置可能な配線が6本である配線領域311と、配置可能な配線が5本である配線領域312が設定される。一方、貫通穴300を形成したことにより生じる配線禁止領域320には、貫通穴300を形成しなければ30本の配線が可能である。1つの配線層に配置可能な配線の数が11本であるため、配線できない30本の配線を配置するためには、3層の配線層が更に必要である。或いは、配線配置部材30を大型化して配置可能な領域の面積を増大させる必要がある。プリント基板50などにおいても、同様に、配線の多層化や面積の拡大などの対応が必要である。
【0030】
しかしながら、配線配置部材の多層化や面積の拡大などの対応では、電気的接続装置の製造コストが増大する。また、配線効率の低下により、配線抵抗が増大するなどの現象により、電気的接続装置の特性が低下する。
【0031】
更に、配線配置部材にそれぞれ貫通穴を形成することにより、製造工程が長期化する問題が生じる。また、プローブヘッド20の上方に複数の配線配置部材を積層した構成において撓みを調整するために、配線配置部材それぞれについて精度が必要である。
【0032】
これに対し、図1に示した電気的接続装置1では、配線配置部材30に貫通穴を形成しないため、図6に示すように配線領域310に41本の配線を配置できる。このため、配線層の多層化や面積の拡大などの対策をしなくても、配線効率の低下が抑制される。このため、比較例の場合に生じるような製造コストの増大、電気的接続装置の特性の低下、製造工程の長期化などの問題が生じない。
【0033】
以上に説明したように、本発明の実施形態に係る電気的接続装置1では、撓みが生じないようにプローブヘッド20を支持するための固定部品100が、プローブヘッド20の直上に配置された配線配置部材30の固定面301に固定されている。このため、スペーストランスフォーマやプリント基板などの配線配置部材を貫通しない。したがって、プローブヘッド20の撓みによる接点不良を抑制し、且つ、配線配置部材の配線効率の低下を抑制できる。このため、図1に示した電気的接続装置1によれば、被検査体2の多ピン化に対応してプローブ10の本数が増大した場合にも、スペーストランスフォーマやプリント基板などに配線パターンを高密度に配置することができる。
【0034】
<変形例>
図7に示した変形例の電気的接続装置1では、配線配置部材30の固定面301に設けられた凹部の内部に、固定部品100の一端部が結合されるアンカー35が配置されている。他の構成は、図1に示した電気的接続装置1と同様である。
【0035】
被検査体2について高周波特性を測定するためなどに、プローブ10の長さを短くすることが必要な場合がある。しかし、図1に示すように配線配置部材30の固定面301にアンカー35を配置した場合には、アンカー35の厚みに対応して、プローブ10のプローブヘッド20を貫通する部分を長くする必要がある。このため、プローブ10の長さを短くすることが阻害される。
【0036】
更に、配線配置部材30の固定面301にアンカー35を配置した場合には、プローブヘッド20とアンカー35との接触を防止するために、プローブヘッド20のアンカー35と対向する領域に形成する凹部を大きめに形成する必要がある。しかし、凹部を大きくすると、プローブヘッド20の機械的強度が低下する。
【0037】
これに対し、図7に示した電気的接続装置1によれば、配線配置部材30の固定面301に設けられた凹部の内部にアンカー35を配置することにより、プローブ10の長さを短くすることができる。また、プローブ10とアンカー35との接触を防止するための凹部をプローブヘッド20の上面に形成する必要がなく、プローブヘッド20の機械的強度の低下が抑制される。
【0038】
なお、配線配置部材30の固定面301に凹部を形成することにより、配線配置部材30の配線効率が低下するおそれがある。しかし、インターポーザ40やプリント基板50などの配線効率の低下は生じず、これらの配線配置部材において高密度の配線を実現できる。
【0039】
(その他の実施形態)
上記のように本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0040】
例えば、上記では、スペーストランスフォーマの下面に固定部品100の一端部が固定される場合を例示的に示したが、固定部品100が固定される配線配置部材30は、電気的接続装置1の構成によって異なる。即ち、プローブヘッド20の直上にスペーストランスフォーマ以外の配線基板が配置される場合には、その配線基板の下面に固定部品100の一端部が固定される。
【0041】
また、アンカー35とねじ結合する固定部品100を使用してプローブヘッド20と配線配置部材30の間隔を調整する例を記載したが、他の方法を使用してもよい。例えば、長さの異なる固定部品100に交換することによって、プローブヘッド20と配線配置部材30の間隔を調整してもよい。
【0042】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態などを含むことはもちろんである。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0043】
1…電気的接続装置
2…被検査体
10…プローブ
20…プローブヘッド
30…配線配置部材
35…アンカー
40…インターポーザ
50…プリント基板
60…スティフナー
70…固定リング
100…固定部品
300…貫通穴
301…固定面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7