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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-18
(45)【発行日】2022-05-26
(54)【発明の名称】光波長合分波器
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/12 20060101AFI20220519BHJP
【FI】
G02B6/12 336
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017234357
(22)【出願日】2017-12-06
(65)【公開番号】P2019101315
(43)【公開日】2019-06-24
【審査請求日】2020-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】591230295
【氏名又は名称】NTTエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 大輔
(72)【発明者】
【氏名】西里 洋一
【審査官】林 祥恵
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-122557(JP,A)
【文献】特開平11-160555(JP,A)
【文献】特開2004-145166(JP,A)
【文献】特開2007-094063(JP,A)
【文献】特開2016-020900(JP,A)
【文献】米国特許第06678446(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0133655(US,A1)
【文献】SEYRINGER, D. et al.,"Calculation of accurate channel spacing of an AWG optical demultiplexer applying proportional method",PROCEEDINGS OF SPIE 9520,INTEGRATED PHOTONICS: MATERIALS, DEVICES, AND APPLICATIONS III,2015年06月01日,Vol. 9520,pp. 95200T-1 - 95200T-8
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/12-6/14
G02F 1/00-1/125
G02F 1/21-1/39
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネル数N、チャネル周波数間隔Δfの多重光信号を波長λNごとの光信号に分波する光波長合分波器であって、
入力された多重光信号を2つの入力に分岐して、それぞれを2つの導波路から出力する入力導波路と、
前記2つの導波路の他端に一端が接続された第1のスラブ導波路と、
前記第1のスラブ導波路の他端に接続され、所定間隔で長さが異なる導波路長の複数の導波路を有するアレイ導波路と、
前記アレイ導波路に一端が接続された第2のスラブ導波路と、
前記第2のスラブ導波路の他端に接続されたそれぞれ複数の導波路を含む2つの導波路群を有する出力導波路とを備え、
前記2つの導波路のうちの一方の導波路の前記第1のスラブ導波路との接続位置は前記第1のスラブ導波路の接続端面における中心位置から外周側に所定の離間間隔(ΔW)GHzずれた位置に、他方の導波路の前記第1のスラブ導波路との接続位置は前記一方の導波路とは反対側に所定の間隔(ΔW+Δf)GHzずれた位置に配置されると共に、前記出力導波路の2つの導波路群の間の中心位置が第2のスラブ導波路の中心位置と一致するように前記2つの導波路群が配置され、
前記他方の導波路の前記第1のスラブ導波路との接続位置と該第1のスラブ導波路の接続端面における中心位置との間隔は、前記導波路群の前記第2のスラブ導波路との接続位置と該第2のスラブ導波路の接続端面における中心位置との間隔と等しく設定され、前記2つの導波路群のそれぞれにおいて隣接する導波路の間の間隔は、前記チャネル周波数間隔の2倍に設定されることを特徴とする光波長合分波器。
【請求項2】
前記2つの導波路は、パラボラ導波路であることを特徴とする請求項1に記載の光波長合分波器。
【請求項3】
前記アレイ導波路の複数の導波路は扇型の円周に沿って複数並列するように配置され、前記2つの入力のうちの一方の入力は、前記扇型の内周側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光波長合分波器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光波長合分波器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の通信需要の拡大や高精細動画の配信要求の高まりを受けて、将来の光通信ネットワークには100Tbps以上の高速化と大容量化とが期待されている。高速大容量通信を支える技術は波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)であり、重要なデバイスは光波長合分波器である。光合分波器の中でも、平面基板上に形成された導波路から構成されるアレイ導波路型回折格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)は、小型集積性や量産性に優れ、同一プロセス、同一工程数で作製できるため、特性のバラツキが小さいという利点がある。
【0003】
また、例えば1chあたり100Gbpsのような高速な変調方式を伴う通信においては、非常に広帯域な帯域幅が必要とされている。AWGの帯域特性は一般にフラットトップ形状になっており、光源の波長がずれる程度を補償することは可能であるが、高速な変調方式に必要とされる帯域特性を確保するためには、更に帯域特性を広げる必要があり、これを満足するためには周波数間隔を今より広くする必要がある。しかしながら周波数間隔を広くしようとすると、利用する波長範囲における総ch数が少なくなり総容量が少なくなるため、周波数間隔を維持しながら帯域特性を広げることが望ましい。
【0004】
従来のAWG100の構成の一例を図4に示す。図4において(a)はAWG100の全体構成を示している。このAWG100は1対多の双方向光素子であって、1つの入出力導波路101と、2つのスラブ導波路102、104と、1つの入出力導波路101と1つのスラブ導波路102の間に設けられたパラボラ導波路106と、2つのスラブ導波路102、104の間に設けられたアレイ導波路103と、複数の導波路を含む入出力導波路群105とを備えている。図4(b)に入出力導波路群105とスラブ導波路104との接続部を示している。図4(b)に示すように、入出力導波路群105はテーパー導波路で構成されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】K. Okamoto and A. Sugita,"Flat spectral response arrayed-waveguide grating multiplexer with parabolic waveguide horns" Electronics Letters, vol. 32, pp.1661-1662, (1996)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、AWGにおいては図4(b)に示すように、複数の導波路を含む入出力導波路105においては隣接する導波路との機械的間隔(ピッチ)は分波しようとする多重信号の周波数間隔(チャネル周波数間隔)で規定されている。したがって、従来のAWGにおいては、入出力導波路105の各導波路の幅を広げても、隣接する導波路とのチャネル周波数間隔までが限界であり、AWGの入出力導波路の各導波路の幅をチャネル周波数間隔より広くすることは困難であった。例えば、フラットタイプAWGにおける、3dB帯域幅は一般的には概ねチャネル周波数間隔の75%、最大でも200%が限界であった。
【0007】
本発明は上記従来の問題に鑑みなされたものであって、本発明の課題は、入出力導波路の隣接する導波路との間の間隔を入力信号のチャネル周波数間隔より広くすることができる光波長合分波器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、一実施形態に記載された発明は、チャネル数N、チャネル周波数間隔Δfの多重光信号を波長λNごとの光信号に分波する光波長合分波器であって、入力された多重光信号を2つの入力に分岐して、それぞれを2つの導波路から出力する入力導波路と、前記2つの導波路の他端に一端が接続された第1のスラブ導波路と、前記第1のスラブ導波路の他端に接続され、所定間隔で長さが異なる導波路長の複数の導波路を有するアレイ導波路と、前記アレイ導波路に一端が接続された第2のスラブ導波路と、前記第2のスラブ導波路の他端に接続されたそれぞれ複数の導波路を含む2つの導波路群を有する出力導波路とを備え、前記2つの導波路のうちの一方の導波路の前記第1のスラブ導波路との接続位置をチャネル周波数間隔Δfだけ他方の導波路に近づけたときの2つの導波路の中心位置が第1のスラブ導波路の接続端面における中心位置と一致するように、前記2つの導波路が配置されると共に、前記出力導波路の2つの導波路群の間の中心位置が第2のスラブ導波路の中心位置と一致するように前記2つの導波路群が配置され、前記他方の導波路の前記第1のスラブ導波路との接続位置と該第1のスラブ導波路の接続端面における中心位置との間隔は、前記導波路群の前記第2のスラブ導波路との接続位置と該第2のスラブ導波路の接続端面における中心位置との間隔と等しく設定され、前記2つの導波路群のそれぞれにおいて隣接する導波路の間の間隔は、前記チャネル周波数間隔の2倍に設定されることを特徴とする光波長合分波器である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態の光波長合分波器の構成例を示す図である。
図2】第2の実施形態の光波長合分波器の構成例を示す図である。
図3】実施例1で用いる光波長合分波器の構成の一例を示す図である。
図4】従来のAWG型光波長合分波器の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は本実施形態の光波長合分波器の構成を示す図である。本実施形態の光波長合分波器は、波長数(チャネル数)がN、チャネル周波数間隔Δf(GHz)の多重光信号を波長λNごとの光信号に分波するものとして説明する。本実施形態の光波長合分波器1は、図1に示すように、第1の入出力導波路10と、第1のスラブ導波路20と、アレイ導波路30と、第2のスラブ導波路40と、第2の入出力導波路50とを備えた、いわゆるAWGにより構成される。第1の入出力導波路は、2つの入出力12、13に分岐されており、2つの入出力12、13は2つのパラボラ導波路14、15を介して第1のスラブ導波路20の所定の位置に接続している。また、第2の入出力導波路50は2つの導波路群51、52により構成されており、2つの導波路群51、52は第2のスラブ導波路40の所定の位置に接続している。第2のスラブ導波路40に接続する部分の第2の入出力導波路50は直線導波路であるが、図4(b)の従来構造の例のようにテーパー導波路でも良い。
【0012】
アレイ導波路30は、長さが所定長ΔLで異なる複数の導波路が扇型の円周に沿って複数並列するように配置されており、一番外周側に配置された導波路の長さが一番長く、一番内周側に配置された導波路の長さが一番短い。本明細書では、アレイ導波路30が扇型に配列されており、光波長合分波器1自体も光導波方向とは垂直に外周側内周側で識別される扇型に構成されているものとして説明する。
【0013】
第1の入出力導波路10は、1つの入出力11をY分岐により2つの入出力12、13に分岐された構成である。第1の入出力導波路10には、波長数(チャネル数)がN、チャネル周波数間隔Δfの多重光信号を入力することができる。
【0014】
第1の入出力導波路10の2つの入力のうちの一方の入出力12はパラボラ導波路14と接続され、さらにパラボラ導波路14は、第1のスラブ導波路20の接続端面における中心位置から外周側に所定の離間間隔ΔWGHzずれた位置に接続されており、他方の入出力13はパラボラ導波路15と接続され、さらにパラボラ導波路15は、第1のスラブ導波路20の接続端面における中心位置から内周側、すなわちパラボラ導波路14とは反対側に所定の間隔(ΔW+Δf)GHzずれた位置に接続されている。いいかえると、2つのパラボラ導波路14、15のうちの1つのパラボラ導波路15をチャネル周波数間隔Δfだけもう1つのパラボラ導波路14に近づけたとき、2つのパラボラ導波路14、15の中心位置が第1のスラブ導波路20の接続端面における中心位置と一致するように、2つのパラボラ導波路14、15は配置されている。この離間間隔ΔWは、入力される光信号のチャネル数Nおよびチャネル周波数間隔Δfに基づいて十分大きく設定される。例えば、離間間隔ΔWは、チャネル周波数間隔Δfの4倍以上に設定することが好ましい。
【0015】
第2の入出力導波路50は、2つの導波路群51、52を有している。2つの導波路群51、52には、光波長合分波器1に入力される光信号のチャネル数Nに基づいて、それぞれN/2本の導波路が設けられている。導波路群51は、その中心位置が第2のスラブ導波路40の接続端面における中心位置から内周側に離間間隔ΔWGHzずれた位置となるように、第2のスラブ導波路40に接続している。導波路群52は、その中心位置が第2のスラブ導波路40の接続端面における中心位置から外周側に離間間隔ΔWGHzずれた位置となるように、第2のスラブ導波路40に接続している。すなわち、導波路群51、52のそれぞれの中心位置が第2のスラブ導波路40の中心位置と一致するように導波路群51、52が配置される。ここで、第2の入出力導波路50に接続される2つの導波路群51、52のそれぞれの中心位置の離間間隔ΔWは、第1のスラブ導波路20に接続される第1の入出力導波路10(パラボラ導波路14、15)の中心位置からの離間間隔ΔWと同じに設定される。2つの出力導波路群51、52のそれぞれN/2本の導波路の配置間隔P(ピッチ)は、入力される光信号のチャネル周波数間隔Δfに基づいて、P=2Δfのピッチで配置される。
【0016】
また、光波長合分波器1のFSRは、2つの導波路群51、52の第2のスラブ導波路40の接続端面における中心位置からの離間距離ΔWとチャネル周波数間隔Δfに基づいて十分大きく設定することができる。
【0017】
次に動作について説明する。本実施形態の光波長合分波器では、第1の入出力導波路10には、波長λ1、λ2、λ3・・・λNのNチャネルの多重光信号が入力される。入力されたN多重光信号はY分岐を経て2つのパラボラ導波路14、15から第1のスラブ導波路20に入力される。第1のスラブ導波路20に対して異なる位置から入力された光信号は、アレイ導波路30により、波長ごとに異なる位相に変調がなされ、第2のスラブ導波路40に入力される。第2のスラブ導波路に入力された光信号は、波長分波されて第2の入出力導波路50に出力される。
【0018】
第1の入出力導波路10に入力された波長λ1、λ2、λ3・・・λNのNチャネルの多重光信号は、波長λ1、λ2・・・の光信号が順に、第2の入出力導波路50の2つの導波路群51、52のそれぞれに交互に出力される。導波路群51には、奇数番目の波長λ1、λ3、λ5・・・が出力され、導波路群52には、偶数番目の波長λ2、λ4、λ6・・・が出力される。
【0019】
このように本実施形態の光波長合分波器では、第2の入出力導波路50の導波路群51、52のそれぞれにおいては、第1の入出力導波路10から入力された波長λ1、λ2、λ3・・・λNの光信号が1つ飛ばしの順番で出力される。したがって、導波路群51、52のそれぞれにおける導波路間隔Pは、チャネル周波数間隔Δfの2倍のP=2Δfに設定することが可能となる。
【0020】
また、本実施形態の光波長合分波器において、第2の入出力導波路から光信号を入力すると、上記とは逆の動作により合波器として機能することができる。この場合、導波路群51から入力された光信号は、第1の入出力導波路10のパラボラ導波路14に接続し、導波路群52から入力された光信号は、第1の入出力導波路10のパラボラ導波路15に接続する。
【0021】
本実施形態の光波長合分波器によれば、隣接する導波路間隔Pを入力チャネル周波数間隔の2倍まで広くすることができるので、出力導波路幅を十分広く作製できる。したがって、波長がずれても広帯域な伝送特性が維持できる。
【0022】
本実施形態の光波長合分波器によれば、1つのAWGに2つの入力を配置する構成で、透過帯域の広い光波長合分波器を実現できる。本実施形態の光波長合分波器は1つのAWGに作製できるため、小型化が容易なだけではなく、精密設計に基づき作製でき、特性も各チャネル間でばらつくことがないため、歩留まり良く、均一な特性に作製できるためコスト低減効果もある。
【0023】
(第2の実施形態)
第1の実施形態の説明では、入力導波路の2つの入力と第1のスラブ導波路との間にパラボラ導波路を設けた構成について説明した。しかしながら、このパラボラ導波路を設けず、入力導波路の2つの入力と第1のスラブ導波路とを直接接続した構成としてもよい。
【0024】
図2は、第2の実施形態の光波長合分波器の構成例を示す図である。本実施形態の光波長合分波器は、図2に示すように、パラボラ導波路を設けず、入力導波路の2つの入出力12、13と第1のスラブ導波路20とを直接接続した以外は第1の実施形態の構成と同様であるので、その説明を省略する。2つの入出力12、13の第1のスラブ導波路20との接続位置は、第1の実施形態における2つのパラボラ導波路14、15の第1のスラブ導波路20との接続位置と同様に設定することができる。
【0025】
この実施形態の光波長合分波器では、第1のスラブ導波路20への入力が直線導波路となるので、2次モードが励起せず、AWGの帯域特性がガウス形状となる点で上記第1の実施形態の光波長合分波器とは異なるが、それ以外は同様の動作となる。第1の実施形態におけるパラボラ導波路では、2次モードが励起するため透過帯域がフラットになり透過損失の点で有利ではあるが、第2の実施形態の直線導波路であっても、波長ずれに対しても広帯域な伝送特性を実現することできる。
【0026】
本実施形態の光波長合分波器によれば、1つのAWGに2つの入力を配置する構成で、透過帯域の広い光波長合分波器を実現できる。本実施形態の光波長合分波器は1つのAWGに作製できるため、小型化が容易なだけではなく、精密設計に基づき作製でき、特性も各チャネル間でばらつくことがないため、歩留まり良く、均一な特性に作製できるためコスト低減効果もある。
【実施例1】
【0027】
次に上記実施形態の光波長合分波器の具体的構成例について説明する。図3は本実施例の光波長合分波器の構成の一例を示す図である。本実施例では、第1の実施形態の光波長合分波器を例に挙げて説明するが、パラボラ導波路14、15を設けない以外は、第2の実施形態の光波長合分波器でも同様に構成することができる。本実施例では、光波長合分波器において、チャネル数N=10、チャネル周波数間隔Δf=37.5GHzの光信号(λ1~λ10)が多重化された多重化光信号を波長ごとの光信号に分波した。本実施例では、中心位置からの所定の間隔はΔW=300GHzに設定し、光波長合分波器のFSRは2ΔW+Δf=637.5GHzに設定した。
【0028】
第1の入出力導波路10の2つのパラボラ導波路14、15は、第1のスラブ導波路20の入力端における中心位置を挟んで、パラボラ導波路14は中心位置から外周側に300GHz離れた位置に、パラボラ導波路15は中心位置から内周側に337.5GHz離れた位置にそれぞれ配置される。
【0029】
第2の入出力導波路50の2つの導波路群51、52のそれぞれの中心位置は、第2のスラブ導波路40の出力端における中心位置を挟んで、導波路群51は中心位置から内周側に300GHz離れた位置に、導波路群52は中心位置から外周側に300GHz離れた位置にそれぞれ配置される。
【0030】
まず、光波長合分波器1に、光信号(λ1~λ10)が多重化された多重化光信号が第1の入出力導波路10に入力されると、2つの入出力12、13に分岐される。2つに分岐された10チャネルの光信号(λ1~λ10)は、パラボラ導波路14とパラボラ導波路15からそれぞれ第1のスラブ導波路20に導波される。第1のスラブ導波路20に導波された光は、アレイ導波路30を経由して、第2のスラブ導波路40に入力され、第2の入出力導波路50に出力される。
【0031】
第2のスラブ導波路40と第2の入出力導波路50との接続部においては、パラボラ導波路14から入力された光信号は、第2の入出力導波路50の導波路群51に接続し、パラボラ導波路15から入力された光信号は、第2の入出力導波路50の導波路群52に接続される。ここで、導波路群51には、パラボラ導波路14から入力された光λ1~λ10のうち、λn(nは1から9の奇数:奇数チャネル)の光信号のみが出力され、導波路群52にはパラボラ導波路15から入力された光λ1~λ10のうち、λn+1(nは1から9の奇数:偶数チャネル)の光信号のみが出力される。
【0032】
このようにチャネル周波数間隔37.5GHz(λn+1-λn=37.5GHz)の光信号は2つの出力群λ1、λ3、λ5、λ7、λ9とλ2、λ4、λ6、λ8、λ10とに2分され、それぞれの導波路群51、52に入力される。それぞれの出力群におけるチャネル周波数間隔は75GHz(λn+2-λn=75GHz)となり、各導波路群51、52における隣接導波路間隔Pは2分された光信号λn、λn+1(nは1から5の整数)のチャネル周波数間隔の2倍に等しいので、チャネル周波数間隔すなわちP=75GHzに設定できる。
【符号の説明】
【0033】
1 光波長合分波器
10 第1の入出力導波路
12、13 入出力
20 第1のスラブ導波路
30 アレイ導波路
40 第2のスラブ導波路
50 第2の入出力導波路
51、52 導波路群
図1
図2
図3
図4