(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-18
(45)【発行日】2022-05-26
(54)【発明の名称】澱粉分解物及び/又はトレハロースを含む錠剤
(51)【国際特許分類】
A23L 29/262 20160101AFI20220519BHJP
A23L 29/30 20160101ALI20220519BHJP
A23L 29/294 20160101ALI20220519BHJP
A23L 29/269 20160101ALI20220519BHJP
A23L 29/256 20160101ALI20220519BHJP
A23L 29/238 20160101ALI20220519BHJP
A23L 29/212 20160101ALI20220519BHJP
A61K 9/20 20060101ALN20220519BHJP
A61K 47/38 20060101ALN20220519BHJP
A61K 47/36 20060101ALN20220519BHJP
A61K 47/26 20060101ALN20220519BHJP
A61K 47/02 20060101ALN20220519BHJP
【FI】
A23L29/262
A23L29/30
A23L29/294
A23L29/269
A23L29/256
A23L29/238
A23L29/212
A61K9/20
A61K47/38
A61K47/36
A61K47/26
A61K47/02
(21)【出願番号】P 2018019163
(22)【出願日】2018-02-06
【審査請求日】2020-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000175283
【氏名又は名称】三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 寛之
【審査官】戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-023479(JP,A)
【文献】特開2001-131091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 29/00-29/30
A23L 33/00-33/29
A61K 9/20
FSTA/CAplus/AGRICOLA/BIOSIS/
MEDLINE/EMBASE(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)セルロースを15質量%未満、
(B)デキストロース当量(DE)が
11以上70以下の澱粉分解物及び/又はトレハロース、及び
(C)
塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、グルコン酸ナトリウム、乳酸カルシウム、及びクエン酸ナトリウムからなる群から選択される一種以上の金属塩、及び
キサンタンガム、カラギナン、グァーガム、ウェランガム及びα化澱粉からなる群から選択される一種以上
を含有する、錠剤。
【請求項2】
前記(B)成分の含有量が、10~95質量%である、請求項
1に記載の錠剤。
【請求項3】
前記金属塩の含有量が、0.2~10質量%である、請求項1
又は2のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項4】
とろみ剤である、請求項1~
3のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項5】
咀嚼・嚥下機能低下者用のとろみ剤である、請求項
4に記載の錠剤。
【請求項6】
少なくとも
(B)デキストロース当量(DE)が
11以上70以下の澱粉分解物及び/又はトレハロース、
(C)
塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、グルコン酸ナトリウム、乳酸カルシウム、及びクエン酸ナトリウムからなる群から選択される一種以上の金属塩、及び
キサンタンガム、カラギナン、グァーガム、ウェランガム及びα化澱粉からなる群から選択される一種以上を含む成分を予め造粒し、得られた顆粒を用いて打錠により錠剤化することを特徴とする、請求項1~
5のいずれか1項に記載の錠剤の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、澱粉分解物及び/又はトレハロースを含有する錠剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢者の増加に伴い、食物を噛み砕き飲み込むといった一連の動作に障害を持つ、いわゆる咀嚼・嚥下機能低下者が増加する傾向にある。このような咀嚼・嚥下機能低下者向けに、種々の増粘化剤(とろみ剤(とろみ調整食品))が開発されている。
【0003】
嗜好性(味・外観への影響)や機能性(低添加量で効果を発揮)の面から、増粘多糖類を主とした「とろみ剤」が好んで使用されている。
とろみ剤としては、増粘多糖類を単独若しくは組み合わせた粉体について粒子径を調整する手法などが用いられてきた他、特許文献1に開示されているように、増粘多糖類及びデキストリン等の水溶性糖類を造粒した顆粒は、ダマにならず、良好に分散し、短時間で所定の物性に達し、その経時変化が少なく、安定な物性を示し、好ましい味・外観であり、口腔内で食塊を形成しやすく、咽頭での付着性が小さいなどの特性を満たし、現在の主流の技術となっている。
【0004】
さらには、増粘多糖類、結晶セルロース及び/又は粉末セルロース、水溶性糖類、並びに金属塩を含む錠剤も提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4657893号公報
【文献】特許第6045238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在主に使用されている増粘多糖類及び水溶性糖類の造粒物によるとろみ剤には、以下のような課題が考えられる。
1)溶解性を向上させるために顆粒化することで嵩高くなり、運搬時や保存時に嵩張る、
2)通常、規定量の混合対象物に対して一袋使用するといった、使い切りの小袋に封入した形態で提供されるため、混合対象物の量が規定量よりも少ない場合若しくは規定量の倍数でない場合には、どれだけの量を加えて良いか分かりにくく、利便性に欠ける、また残った顆粒が吸湿する、
3)使用毎に計量する形態(大容量の密封保存容器で提供)をとった場合であっても、計量に手間がかかる、経時的に顆粒が吸湿する、計量の繰り返しによって衛生状態が低下する等である。
【0007】
さらに、現在提案されている、増粘多糖類、セルロース、水溶性糖類、並びに金属塩を含む錠剤を用いると、使用する食品等に、濁りが生じるという課題がある。
【0008】
本発明では、混合対象物への溶解性が良く、使用に際して、透明に近い外観を達成することもできる錠剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定量未満のセルロース、所定の澱粉分解物及び/又はトレハロース及び金属塩を用いて、特定範囲の組成で錠剤化することにより、驚くべきことに、手撹拌のような緩い撹拌でも、容易に溶解し、混合対象物中で短時間で所望の粘度が発現し、さらには透明性も兼ね備えた外観を与えることができる錠剤を得られることを見出し、本発明を成すに至った。
【0010】
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)(A)セルロースを15質量%未満、(B)デキストロース当量(DE)が8以上70以下の澱粉分解物及び/又はトレハロース、及び(C)金属塩、を含有する、錠剤。
(2)さらに、増粘多糖類を含有する、(1)に記載の錠剤。
(3)前記金属塩が、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、グルコン酸ナトリウム、乳酸カルシウム、及びクエン酸ナトリウムからなる群から選択される一種以上の金属塩である、(1)又は(2)に記載の錠剤。
(4)前記(B)成分の含有量が、10~95質量%である、(1)~(3)のいずれかに記載の錠剤。
(5)前記金属塩の含有量が、0.2~10質量%である、(1)~(4)のいずれかに記載の錠剤。
(6)前記増粘多糖類がキサンタンガム、カラギナン、グァーガム、ウェランガム及びα化澱粉からなる群から選択される一種以上である、(2)~(5)のいずれかに記載の錠剤。
(7)とろみ剤である、(1)~(6)のいずれかに記載の錠剤。
(8)咀嚼・嚥下機能低下者用のとろみ剤である、(7)に記載の錠剤。
(9)少なくとも(B)デキストロース当量(DE)が4以上70以下の澱粉分解物及び/又はトレハロース、及び(C)金属塩を含む成分を予め造粒し、得られた顆粒を用いて打錠により錠剤化することを特徴とする、(1)~(8)のいずれかに記載の錠剤の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、混合対象物での溶解性に優れる、澱粉分解物及び/又はトレハロースを含有する錠剤を提供できる。本発明の錠剤はとろみ剤として特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の錠剤は、(A)セルロースを15質量%未満、(B)デキストロース当量(DE)が8以上70以下の澱粉分解物及び/又はトレハロース、及び(C)金属塩を含有する錠剤である。
【0014】
錠剤とは、有効成分又は有効成分に賦形剤等を加えたものを圧縮成型などの方法により一定の形に成型した固形製剤のことである。粉体や液体製剤に比べて携帯性に優れ、容易に一定量を取ることができるため、計量性や取り扱いに優れ、さらに衛生面にも優れるという特徴を有する。
【0015】
[(A)セルロース]
本発明でいうセルロースとは、草木類や微生物などから得られるセルロースのことであり、最も一般的なものとしては木材パルプを機械的若しくは化学的に処理して得られる粉末セルロースや結晶セルロースなどが挙げられる。本発明では、セルロースが含まれる場合には、セルロースのなかでも極めて純度が高く、流動性が良く、打錠に対する製造適性に優れる結晶セルロースを用いることが特に好ましい。
【0016】
結晶セルロースとは、例えば木材パルプ、精製リンターなどのセルロース系素材を、酸加水分解、アルカリ酸化分解、酵素分解などにより解重合処理して得られる平均重合度30~400のものをいう。
【0017】
本発明の錠剤中におけるセルロースの含量は、15質量%未満である。すなわち、本発明では、セルロースの含量が、15質量%未満であっても、錠剤が混合対象物中で崩壊し、溶解性が良い。
【0018】
セルロースは市販品を用いることもできる。
【0019】
本発明の錠剤中におけるセルロースの含有量は、15質量%未満であり、好ましくは、12質量%以下であり、より好ましくは、10質量%以下であり、セルロースは、錠剤に含まれなくても良い。
セルロースの含有量は、0以上15質量%未満、より好ましくは、0以上12質量%以下、さらに好ましくは、0以上10質量%以下である。
【0020】
[(B)澱粉分解物及び/又はトレハロース]
本発明の錠剤に、澱粉分解物が含まれる場合、澱粉分解物のデキストロース当量(DE)は、8以上70以下であり得る。澱粉分解物のデキストロース当量(DE)は、好ましくは、8以上50以下であり、より好ましくは、8以上45以下である。
【0021】
ここで、DEは、澱粉の加水分解の程度の指標である。DEは、下記式(II)により算出されるものとする。
DE=[(グルコース換算した還元糖量)/(乾物重量)]×100 ・・・(II)
【0022】
「グルコース換算した還元糖量」(以下、単に「還元糖量」ともいう)とは、直接還元糖の量を、それと等量の還元力を示すグルコース(=デキストロース)の重量として表した値をいう。還元糖量は、常法により測定することができる。還元糖量の測定法としては、ウイルシュテッター・シューデル法が挙げられる。ウイルシュテッター・シューデル法は、アルドースがアルカリ性ヨード溶液(NaIO)によって定量的に酸化されてアルドン酸となる反応を利用する方法であり、還元糖の酸化に消費されたI2量から還元糖量を求める方法である。本発明では、ウイルシュテッター・シューデル法で測定したDEを基準にする。
【0023】
なお、澱粉分解物は、通常、分子構造(鎖長等)の異なる複数種の澱粉分解物分子の混合物として提供され得る。すなわち、「デキストロース当量(DE)が、8以上70以下の澱粉分解物」とは、具体的には、錠剤に含まれる澱粉分解物分子の混合物全体として、「DEが、8以上70以下の澱粉分解物」であればよい。従って、錠剤を調製するための原料としては、DEが、8未満の澱粉分解物を用いることも可能である。
【0024】
本発明においては、説明の便宜上、錠剤を調製する前の原料として、例えば、「DE8の澱粉分解物」と言う時には、DE8の澱粉分解物分子の混合物を「1種」の澱粉分解物として扱うものとする。但し、錠剤に含まれる澱粉分解物のDEを指す場合には、錠剤に含まれる澱粉分解物全体としてのDE値を用いるものとする。すなわち、澱粉分解物としては、原料としては、1種の澱粉分解物を用いてもよく、2種又はそれ以上の澱粉分解物を組み合わせて用いてもよいが、錠剤に含まれる澱粉分解物の合計は、DE値が8以上70以下となる。
例えば、DE4とDE40の澱粉分解物として市販されている2種類の澱粉分解物を等量ずつ使用することで、錠剤に含まれる澱粉分解物をDE22とすることができる。
【0025】
澱粉分解物としては、市販品を用いてもよく、適宜製造して取得したものを用いてもよい。
【0026】
澱粉分解物の製造方法は特に制限されず、公知の方法を利用できる。澱粉分解物は、例えば、アミラーゼ等の酵素又は塩酸等の酸を用いた澱粉の加水分解により製造することができる。
【0027】
澱粉分解物の原料となる澱粉としては、コーンスターチ(デントコーンスターチ)、ワキシーコーンスターチ、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ(キャッサバ澱粉)、小麦澱粉、米澱粉が挙げられる。
【0028】
本発明の錠剤にはまた、澱粉分解物と共に、又は澱粉分解物の代わりにトレハロースが含まれていても良い。
【0029】
本発明の錠剤中における8以上70以下の澱粉分解物及び/又はトレハロースの合計含量は、好ましくは、10以上95質量%以下、より好ましくは、15以上95質量%以下、さらに好ましくは、20以上92質量%以下である。
【0030】
[(C)金属塩]
本発明で用いる金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、グルコン酸ナトリウム、乳酸カルシウム、クエン酸ナトリウム(クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム)などが挙げられる。特に金属塩としては、塩化カルシウム、塩化カリウム、グルコン酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムからなる群から選択される一種以上を用いることが好ましい。
【0031】
本発明の錠剤中における金属塩の含量は、0.2以上10質量%以下であることが好ましく、0.3以上9質量%以下であることがより好ましい。溶解性向上と最終食品に対する風味への影響を考慮して、0.5以上8質量%以下であることが最も好ましい。金属塩は無水物でも、結晶水を持つものであっても、その混合物でも構わないが、結晶水を持つ場合は、無水物換算した質量で含量を計算する。
【0032】
[増粘多糖類]
本発明の錠剤は、(A)~(C)成分の他に、任意に増粘多糖類を含むことができる。本発明で用いられ得る増粘多糖類としては、例えば、キサンタンガム、カラギナン、ガラクトマンナン(グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム)、グルコマンナン、ジェランガム(脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランラム)、寒天、アルギン酸、アルギン酸塩類、ペクチン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、大豆多糖類、アラビアガム、ガティガム、トラガントガム、カラヤガム、カシアガム、ラムザンガム、ウェランガム、マクロホモプシスガム、カードラン、プルラン、α化澱粉、α化加工澱粉などが挙げられる。
【0033】
好ましくは、キサンタンガム、カラギナン、グァーガム、ウェランガム及びα化澱粉からなる群から選択される一種以上、より好ましくは、キサンタンガム、ウェランガム及びα化澱粉からなる群から選択される一種以上、更に好ましくはキサンタンガムであり得る。
【0034】
キサンタンガムは混合対象物中における粘度発現性に優れ、良好な食感を有することなどから、とろみ剤に好適に用いることができる多糖類であるが、一方で、上記増粘多糖類の中でも、特にダマになりやすい性質を有する。しかし、本発明にかかる構成要件をとることで、手撹拌であっても水中で容易に溶解し、ダマにならず迅速に混合対象物に粘度を付与することが可能な錠剤を提供できる。
【0035】
錠剤中における増粘多糖類含量は、含まれる場合、好ましくは、5~50質量%、より好ましくは、8~50質量%であり得る。液状食品に粘度を付与する際に、錠剤数を適正にする、若しくは錠剤の大きさを適正にする観点から、これらの値であることが好ましい。
【0036】
[その他の成分]
本発明の錠剤は、(A)~(C)成分の他に、溶解性を向上させるために、さらに重曹及び有機酸を含有してもよい。両者を併用することで、水中に投入時、重曹及び有機酸が反応して発泡するため、澱粉分解物及び/又はトレハロースを含む錠剤の溶解性をより一層向上させることが出来る。
【0037】
重曹は、含まれる場合、1~10質量%、有機酸は含まれる場合、1~10質量%とすることが好ましい。より好ましい含量は、重曹1~5質量%、有機酸1~5質量%である。重曹又は有機酸の含量が10質量%を超えると味に対する影響が大きく好ましくない。重曹は一般的に入手可能なものであればよく、炭酸水素ナトリウムを主体とするもので、酸と反応して発泡するものであれば、特に制限はない。また、重曹又は有機酸が1質量%未満であると発泡が不十分になる可能性がある。本発明の有機酸としては、飲食可能であり、常温で固体のものが好ましい。例えば、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸、グルコン酸、グルクロン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、アスコルビン酸などが挙げられる。
【0038】
本発明の錠剤は(A)~(C)成分以外に、セルロース以外の崩壊剤、滑沢剤や食品素材など、その他の成分を含んでも構わない。
崩壊剤としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルメロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類(セルロースの誘導体)、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルスターチ、ヒドロキシプロピルスターチ、α化澱粉、部分α化澱粉等の澱粉類、クロスポビドン、崩壊用精製寒天、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。
【0039】
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、酒石酸カリウムナトリウム、軽質無水ケイ酸、カルナウバロウ、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、硬化油等が挙げられる。滑沢効果が高い滑沢剤は、錠剤の溶解性を悪化させる傾向にあるため、滑沢性と溶解性のバランスに優れたステアリン酸カルシウム、タルク、硬化ナタネ油が好ましい。錠剤中における滑沢剤の含量は好ましくは0.1~10質量%、さらに好ましくは0.1~5質量%である。
【0040】
食品素材としては、例えば、抹茶粉末、野菜粉末、青汁粉末、ココアパウダー、コーヒーパウダー、脱脂粉乳、果物粉末、コンソメエキス、ビーフエキス、チキンエキスなど、目的・用途に応じて様々な食品素材を添加することが出来る。例えば、抹茶粉末を加えて錠剤化することにより、とろみがあり、適度に濁った本格的なお茶が、容易に調製可能となる。
【0041】
[錠剤]
本発明の錠剤の硬度は、特に限定はないが、15~70Nであることが好ましい。硬度が低いほど溶解性は良好になるが、硬度が15N以上であると、軽く指で押しただけでは錠剤に割れ・欠けは生じにくくなり、輸送中、携帯時の保形性が担保でき、実用性に優れる。硬度が70N以下で、錠剤が水中で崩壊しやすく、溶解性が比較的良好である。硬度は、好ましくは20~60Nである。ここで、本発明において、硬度とは、テクスチャーアナライザーTA-XT plus(Stable Micro Systems社)により測定した錠剤硬度のことである。
【0042】
本発明の錠剤は、剤形に特に制限はないが、例えば、円形、楕円形、多角形、星形、環状形などの任意の形状が挙げられ、使用時の扱いやすさの観点からは円形が好ましく、目安は5~20mmφである。あまりに小さい錠剤であると、とろみを付けるのに大量の錠剤が必要となってしまい、携帯性や取り扱いに優れるという本発明の効果が薄れてしまう。一般的に錠剤が5mmφ以上では溶解性が極端に低下する傾向があるが、本発明では5~20mmφの錠剤、特には10mmφ以上であっても極めて良好な溶解性を示すという利点を有する。
【0043】
錠剤の厚みは、1~20mmが好ましく、2~15mmがより好ましく、3~12mmがさらに好ましい。
【0044】
錠剤の重量は、200mg~3000mg程度が好ましく、400mg~2000mg程度がより好ましく、600~1500mgがさらに好ましい。
【0045】
[用途]
本発明の錠剤は、錠剤型増粘化剤として用いることができる。すなわち、経口組成物(医薬品又は医薬部外品を含む)や飲食品組成物といった混合対象物に混合し、とろみのある液状物を調製する場合のとろみ剤(すなわち、混合対象物にとろみを与えるとろみ付与剤)として有用に利用できる。
【0046】
本発明の錠剤は、混合対象物に対して、手撹拌(例.150~300rpm)などの緩い撹拌条件であっても容易に溶解しダマにならず、かつ良好な粘度発現性を有する。一般にとろみ剤は、低温ほどダマが生じにくく、高温ほどダマが生じやすい傾向にあるが、本発明の錠剤を用いる場合、高温でもダマが生じにくい。
【0047】
本効果から、本発明の錠剤は、咀嚼・嚥下機能低下者向けのとろみ剤(介護用途)としても特に有用に利用できる。
【0048】
なお、本発明の錠剤は、セルロースを含有するにも関わらず、溶解後の液の白濁が少ないため、牛乳、味噌汁又は流動食などの透明ではない飲食品だけでなく、水やお茶、ジュースのような透明度の高い飲料にも好適に利用できる。
【0049】
さらに、本発明の錠剤は、咀嚼・嚥下機能低下者向けのとろみ剤としての用途に限らず、片栗粉等の一般的なとろみを付ける素材の代替としての利用も可能である。また、本発明の錠剤は、少量とはいえ、食物繊維であるセルロースを含有するため、とろみ付け以外にも、食物繊維強化目的で使用することも可能である。
【0050】
より詳細には、本発明の錠剤を経口組成物(医薬品又は医薬部外品を含む)に混合し、とろみのある液状物を調製する場合の経口組成物としては、好ましくは、シロップ剤や液剤が挙げられる。さらには、散剤、顆粒剤等を水等の液体に予め溶解した上で、さらに本発明の錠剤でとろみをつけることも可能である。
【0051】
本発明の錠剤を飲食品組成物に混合し、とろみのある液状物を調製する場合の飲食品組成物としては、好ましくは、水、果実及び/又は野菜を原料とする果実及び/又は野菜系飲料;牛乳その他の乳含有飲料;清涼飲料水;コーヒー含有飲料;茶系飲料;アルコール含有飲料などの飲料組成物一般;スープ、味噌汁、流動食などの液状の飲食品;焼き肉、焼き鳥、鰻蒲焼き等に用いられるタレ、トマトケチャップ、ソース、麺つゆ等の調味料一般;レトルト食品を含む農畜水産加工品を広く例示することができる。
【0052】
特に、本発明は、飲食品組成物のなかでも、水分含量が高い液状物に対して有用である。飲料組成物や食品組成物としては、流動状であってもよい。
【0053】
飲料組成物として上記果実及び/又は野菜系飲料には、例えば果実飲料、果実ジュース、オレンジジュース、うんしゅうみかんジュース、グレープフルーツジュース、レモンジュース、りんごジュース、ぶどうジュース、パインアップルジュース、ももジュース、果実ミックスジュース、果粒入り果実ジュース、果実・野菜ミックスジュース、果汁入り飲料、野菜汁ジュース等が含まれる。
【0054】
飲料組成物として上記乳含有飲料には、加工乳、コーヒーやフルーツ等を含有する乳飲料、乳酸菌飲料、ドリンクヨーグルト、乳清飲料、希釈用乳清飲料等が含まれる。
【0055】
飲料組成物として上記清涼飲料水には、スポーツドリンク、ニアウォーター、経口補水液、機能性飲料、その他清涼飲料(ドリンクスープ、ぜんざいドリンク、しるこドリンク、甘酒、ゼリー飲料、味噌汁、ココア、チョコレートドリンク、豆乳など)等が含まれる。
【0056】
飲料組成物として上記コーヒー含有飲料は、コーヒー豆を原料とした飲料であり、その他の成分として、糖類、乳製品、乳化された食用油脂、又はその他の可食物などを含有するものであってもよい。例えば、コーヒー、コーヒー飲料、コーヒー入り清涼飲料水及び乳飲料等が含まれる。
【0057】
飲料組成物として上記茶系飲料は、不発酵茶(緑茶、煎茶、番茶、ほうじ茶、玄米茶、抹茶、玉緑茶、玉露等)に限らず、半発酵茶(烏龍茶等)、発酵茶(紅茶等)等、各種茶葉から抽出された抽出物を原料とした飲料をいう。
【0058】
飲料組成物として上記アルコール含有飲料は、アルコールを含有する飲料であり、例えば、酒税法上の「酒」を指すアルコール飲料が挙げられる。具体的には、清酒類(清酒、合成清酒)、焼酎、ビール、果実酒類(ワインなどのぶどう酒、梅酒などの甘味果実酒)、ウイスキー類(ウイスキー、ブランデー)、スピリッツ類(スピリッツ)、リキュール類、雑酒(発泡酒、粉末酒、その他の雑酒)、その他の醸造酒などを挙げることができる。当該アルコール含有飲料には、発泡酒等のように炭酸とアルコールの両方を含む飲料も含まれる。アルコールを含有する飲料のアルコール度数は、好ましくは、飲料中のアルコール含量が1度以上、好ましくは1~20度であることが望ましい。
【0059】
食品組成物としては、コンソメスープ、ポタージュスープ、クリームスープ、中華スープ、野菜スープなどの各種スープ、シチュウ、カレー、グラタンなどの調理ソースや味噌汁、清汁、蛋白質・リン・カリウム調整食品、塩分調整食品、油脂調整食品、整腸作用食品、カルシウム・鉄・ビタミン強化食品、低アレルギー食品、濃厚流動食、ミキサー食、及びキザミ食などの特殊食品や治療食の液状食品を挙げることができる。また、本発明の食品には、粥、雑炊、うどん、そば、鍋料理などの固形物を含む液状食品も含まれる。
【0060】
本明細書において、「嚥下」とは口腔内の物を飲み下すことをいう。また「咀嚼」とは、口腔内で物を細断化することをいう。ここで細断化には、下顎や歯を使って噛み砕くことだけでなく、歯茎又は舌を使って押し潰すことも含まれる。
【0061】
本発明の錠剤を使用した後の混合対象物の粘度は、特に限定はされないが、例えば、50~1000mPa・sとすることができ、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは60~800mPa・s、より好ましくは70~700mPa・s、更に好ましくは75~600mPa・s、特に好ましくは75~500mPa・sである。
【0062】
本明細書において、「粘度」は、測定対象の組成物を20℃の恒温槽にて30分間保持し、温度を20℃に調温した。次いで、コーンプレート型回転粘度計を用いて、ずり速度50s-1の条件で各々、2分間測定することによって求めることができる。以下、本明細書で「粘度」とはかかる方法で算出される値をいう。
【0063】
[錠剤の製造方法]
本発明は、澱粉分解物及び/又はトレハロースを含む錠剤の製造方法にも関する。
本発明の錠剤は、上記原料を含有する混合粉体及び/又はその顆粒を圧縮成型することで製造できる。
【0064】
具体的には、(A)含まれる場合には、セルロース、(B)デキストロース当量(DE)が8以上70以下となるような澱粉分解物及び/又はトレハロース、及び(C)金属塩を混合後、打錠(圧縮成型)することで製造できる。
【0065】
さらには、例えば、(A)含まれる場合には、セルロース、(B)デキストロース当量(DE)が8以上70以下となるような澱粉分解物及び/又はトレハロース、及び(C)金属塩を含む成分を造粒して顆粒化し、その顆粒を圧縮成型することで製造できる。
【0066】
また、別の態様として、例えば、少なくとも(B)デキストロース当量(DE)が8以上70以下となるような澱粉分解物及び/又はトレハロース、及び(C)金属塩を含む成分を造粒して顆粒化し、含まれる場合には、(A)セルロースを混合して圧縮成型することで製造できる。
【0067】
打錠装置としては、単発打錠機、ロータリー打錠機(リブラ2(商品名);菊水製作所)など、目的とする錠剤量や大きさにより適宜選択することが可能である。
また粉末や顆粒を臼に供給するフィーダー部は、粉末の流動性や顆粒の大きさから、撹拌フィーダーやオープンフィーダーなどフィーダーの種類を選択することができる。
【0068】
本発明では打錠の際に、少なくとも(B)デキストロース当量(DE)が8以上70以下となるような澱粉分解物及び/又はトレハロース、及び(C)金属塩を含む成分をあらかじめ造粒した顆粒を用いることが好ましい。さらには、(A)セルロース、(B)デキストロース当量(DE)が8以上70以下となるような澱粉分解物及び/又はトレハロース、及び(C)金属塩を含む成分を予め造粒した顆粒とすることも好ましい。
【0069】
各成分の含有量が本発明の範囲に含まれる限りは、錠剤に使用する全量を顆粒にしてから打錠しても良く、一部を顆粒に用いて残りを粉末で後添して打錠しても構わない。
【0070】
金属塩を予め造粒した顆粒として用いる場合、金属塩は造粒時のバインダー液として用いても良く、造粒時の原料粉末として用いても良い。
【0071】
本発明における好ましい製造態様を以下に詳細に例示するが、本発明は特にこれに制限されない;
(I)セルロース、デキストロース当量(DE)が4以上70以下の澱粉分解物及び/又はトレハロース及び金属塩の混合物を造粒した顆粒、並びに残りの原料(必要に応じて、セルロース及びデキストロース当量(DE)が4以上70以下の澱粉分解物及び/又はトレハロース及び金属塩の残部の他、含まれる場合には、重曹、有機酸等)を混合後、打錠する、錠剤の製造方法。
(II)デキストロース当量(DE)が4以上70以下の澱粉分解物及び/又はトレハロース及び金属塩の混合物を造粒した顆粒、並びに残りの原料(セルロース、必要に応じて、デキストロース当量(DE)が4以上70以下の澱粉分解物及び/又はトレハロース及び金属塩の残部、の他、含まれる場合には、重曹、有機酸等)を混合後、打錠する、錠剤の製造方法。
(III)金属塩を含有する溶液をバインダー液に用いて、セルロース及びデキストロース当量(DE)が4以上70以下の澱粉分解物及び/又はトレハロースの混合物を造粒後、残りの原料(必要に応じてセルロース、デキストロース当量(DE)が4以上70以下の澱粉分解物及び/又はトレハロース、金属塩の残部の他、含まれる場合には、重曹、有機酸等)を混合し、打錠する、錠剤の製造方法。
(IV)金属塩を含有する溶液をバインダー液に用いて、デキストロース当量(DE)が4以上70以下の澱粉分解物及び/又はトレハロースの混合物を造粒後、残りの原料(セルロース、必要に応じて、デキストロース当量(DE)が4以上70以下の澱粉分解物及び/又はトレハロース、金属塩の残部の他、含まれる場合には、重曹、有機酸等)を混合し、打錠する、錠剤の製造方法。
なお、別途、増粘多糖類を含有する場合は、好ましくは、増粘多糖類は、顆粒部に含有させることが好ましい。
【0072】
上記製造態様(I)~(IV)に示す通り、造粒原料に用いる澱粉分解物としては、DE4~8の澱粉分解物も使用することが可能である。その場合には、錠剤に含まれる澱粉分解物の全体のDEが8以上となるように、顆粒と混合する粉末部の澱粉分解物のDEを調製する。
【0073】
造粒方法には特に制限はないが、流動層造粒法が増粘多糖類の分散性や作業性の観点から最も好ましい。その他、転動造粒法、複合造粒法、撹拌造粒法、混練撹拌造粒法、押出し造粒法、噴霧乾燥造粒法、真空凍結造粒法などで造粒した顆粒を用いても構わない。
【実施例】
【0074】
以下に、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。
【0075】
表1~表2、表4~表6の処方の実施例及び比較例に基づき、顆粒部に記載した成分を粉体混合し、バインダー液に水を用いて流動層造粒にて顆粒を調製した。
なお、結晶セルロースとしては、旭化成ケミカルズ株式会社製の結晶セルロース製剤「セオラスUF-F702」を使用した。
金属塩のうち、塩化カリウムは、無水物を使用した。
【0076】
次いで、調製した顆粒に、粉末部に示す量の各成分を混合し、卓上錠剤成型機(市橋精機)にて打錠した。1錠当たり1gとなるように錠剤を調製した。硬度の測定は、テクスチャーアナライザーTA-XT plus(Stable Micro Systems社)により、1錠をセットし、錠剤の硬度を測定した。5錠の測定値を平均し、錠剤硬度とした。
【0077】
表3の処方の実施例については、別々の顆粒部として記載した成分を、それぞれに粉体混合し、バインダー液に水を用いて流動層造粒にて顆粒をそれぞれに調製した。それぞれに調製した顆粒を混合し、その後、卓上錠剤成型機(市橋精機)にて打錠した。1錠当たり1gとなるように錠剤を調製した。
【0078】
表7~9の処方については、記載した成分を粉体混合し、バインダー液に水を用いて流動層造粒にて顆粒を調製し、卓上錠剤成型機(市橋精機)にて打錠した。1錠当たり1gとなるように錠剤を調製した。
【0079】
[溶解性試験]
得られた実施例及び比較例の錠剤について、溶解性試験を行った。具体的には、200mlのビーカーにイオン交換水を100gと、長さ2cmの回転子を入れ、恒温槽中20℃に調温した。スターラー(アズワン社製REXIM)にビーカーを乗せ、水がこぼれないようにゆっくりと回転数を240rpmまで上げた。240rpmは手撹拌を再現するための撹拌条件である。そこに、錠剤2錠を加え、30秒間撹拌し、撹拌後の状態を下の基準で判断した。
【0080】
(溶解性 評価基準)
- :錠剤が完全に崩壊し、ダマを生じることなく良好に溶解する。
± :錠剤がほぼ崩壊し、大きなダマを生じることなく良好に溶解する。
+ :錠剤が部分的(一錠の半分以上)に崩壊し、未崩壊部分が残存する。
++ :錠剤は一部崩壊するが、半分以上塊として残る。
+++:錠剤表面のみ水和し、全く崩壊しない。
【0081】
[透明性試験]
表8に示す実施例及び比較例の錠剤を20℃にてイオン交換水に溶解して、液状物を調製し、30分後の溶液の720nmにおける吸光度を測定し、透過率とした。結果も表8の下欄に示す。
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
実施例の錠剤は、実用的な硬度を有しつつ、手撹拌を想定した緩い撹拌条件(240rpm)で容易に錠剤が崩壊し、ダマを生じることなく極めて良好な溶解性を示した。実施例の錠剤は透明性も良好であることがわかった。さらに、増粘多糖類の種類を変えても、実施例においては、同様の良好な結果が示された。
【0092】
(とろみ付飲料調製例)
実施例1の製造方法に準じて製造した錠剤(組成:顆粒部 キサンタンガム20%、塩化カリウム3.3%、トレハロース16.7%、粉末部 結晶セルロース5%、澱粉分解物(DE=40)55%;1錠当たり1000mg)を用い、10℃に冷蔵した100%りんごジュース透明)にとろみを付与した。具体的には、1000mg錠剤2錠を用いて、当該りんごジュース(100ml)と混合し、軽くかき混ぜた。その結果、ダマを生じることなく、5分といった極めて短時間で当該りんごジュースにとろみを付けることができ、とろみ剤として優れた利点を有していた。当該りんごジュースの粘度は、286mPa・sであった。
【0093】
実施例1の製造方法に準じて製造した錠剤(組成:顆粒部 キサンタンガム20%、塩化カリウム3.3%、トレハロース16.7%、粉末部 結晶セルロース5%、澱粉分解物(DE=40)55%;1錠当たり1000mg)を用い、60℃の緑茶に、とろみを付与した。具体的には、1000mg錠剤2錠を用いて、当該緑茶(100ml)と混合し、軽くかき混ぜた。その結果、ダマを生じることなく、3分といった極めて短時間で当該緑茶にとろみを付けることができ、とろみ剤として優れた利点を有していた。当該緑茶の粘度は、180mPa・sであった。
【0094】
一方、比較例3の錠剤を用いた場合、上記ジュースにも、お茶にも、錠剤は一部崩壊するものの完全には崩壊せず、溶解性が不十分であり、良好なとろみを付けることができなかった。