(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-18
(45)【発行日】2022-05-26
(54)【発明の名称】通話録音システム、録音通話再生方法
(51)【国際特許分類】
H04M 3/51 20060101AFI20220519BHJP
H04M 3/53 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
H04M3/51
H04M3/53
(21)【出願番号】P 2018059422
(22)【出願日】2018-03-27
【審査請求日】2021-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000233295
【氏名又は名称】株式会社日立情報通信エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 輝美
(72)【発明者】
【氏名】杉山 隆司
【審査官】大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-169037(JP,A)
【文献】特開2017-011460(JP,A)
【文献】特開2016-156996(JP,A)
【文献】特開2004-282615(JP,A)
【文献】特開2014-022818(JP,A)
【文献】特開2001-292239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/00
G06Q 10/00-50/00
G06F 16/00-17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話制御部により取得された
、通話端末
で行われた通話に関する通話情報に含まれる前記通話端末の操作情報を端末操作情報テーブルに登録する通話情報登録部と、
通話録音部により取得された
、前記通話の録音データを録音情報テーブルに登録する録音情報登録部と、
前記通話端末の操作情報に基づいて前記録音データの再生不要区間を認識し、前記認識した結果を含む再生画面を表示部に表示する通話情報再生部と、
を備えることを特徴とする通話録音システム。
【請求項2】
前記通話情報再生部は、前記通話端末の操作情報に含まれる保留操作および転送操作に基づいて前記再生不要区間を認識し、当該再生不要区間を含む前記再生画面を表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通話録音システム。
【請求項3】
前記通話情報再生部は、前記再生不要区間における前記録音データの再生をスキップさせるボタンを前記再生画面に表示し、ユーザから前記再生をスキップさせるか否かを選択させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の通話録音システム。
【請求項4】
前記通話情報再生部は、前記保留操作および/または前記転送操作の回数または/および当該操作の時間が所定の閾値以上である場合、前記再生画面に警告を表示する、
ことを特徴とする請求項2に記載の通話録音システム。
【請求項5】
通話情報登録部が、通話制御部により取得された
、通話端末
で行われた通話に関する通話情報に含まれる前記通話端末の操作情報を端末操作情報テーブルに登録し、
録音情報登録部が、通話録音部により取得された
、前記通話の録音データを録音情報テーブルに登録し、
通話情報再生部が、前記通話端末の操作情報に基づいて前記録音データの再生不要区間を認識し、前記認識した結果を含む再生画面を表示部に表示する、
ことを特徴とする録音通話再生方法。
【請求項6】
前記通話情報再生部が、前記通話端末の操作情報に含まれる保留操作および転送操作に基づいて前記再生不要区間を認識し、当該再生不要区間を含む前記再生画面を表示する、
ことを特徴とする請求項5に記載の録音通話再生方法。
【請求項7】
前記通話情報再生部が、前記再生不要区間における前記録音データの再生をスキップさせるボタンを前記再生画面に表示し、ユーザから前記再生をスキップさせるか否かを選択させる、
ことを特徴とする請求項5に記載の録音通話再生方法。
【請求項8】
通話情報再生部が、前記保留操作および/または前記転送操作の回数または/および当該操作の時間が所定の閾値以上である場合、前記再生画面に警告を表示する、
ことを特徴とする請求項6に記載の録音通話再生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話録音システム、録音通話再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コールセンタにおいて、顧客とオペレータとの間の通話を録音する様々な技術が存在する。例えば、特許文献1では、「通話開始」や「通話終了」といった通話イベントに基づいて、音声認識処理で不要となる区間の音声を削除し、音声認識システムと連携させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、通話イベントを用いて音声認識処理で不要である区間の音声を削除しているが、再生時には当該削除を行っていないため、再生が不要な区間の音声(例えば、保留操作時のガイダンス音)であってもそのまま再生されてしまう。したがって、オペレータや管理者は、録音ファイルを再生したときに画面上に表示される音声波形を自ら目視する等して、録音ファイルの中で再生不要な区間を判断しなければならない。この場合、目視により再生不要と判断された区間が、必ずしも実際に再生が不要な区間と一致しないことによる再生位置の調整が必要となり、その操作が煩雑で手間や時間がかかっていた。
【0005】
本発明は、手間や時間をかけることなく、再生不要区間を把握することが可能な通話録音システム、録音通話再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる通話録音システムは、通話制御部により取得された通話端末の操作情報を端末操作情報テーブルに登録する通話情報登録部と、通話録音部により取得された前記通話の録音データを録音情報テーブルに登録する録音情報登録部と、前記通話端末の操作情報に基づいて前記録音データの再生不要区間を認識し、前記認識した結果を含む再生画面を表示部に表示する通話情報再生部と、を備えることを特徴とする通話録音システムとして構成される。
【0007】
また、本発明は、上記通話録音システムで実行される録音通話再生方法としても把握される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、手間や時間をかけることなく、再生不要区間を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図5】オペレータ端末に表示される通話情報検索画面の例を示す図である。
【
図6】オペレータ端末に表示される通話情報再生画面の例を示す図である。
【
図7】本システムにおける録音時の動作例を示すシーケンス図である。
【
図8】本システムにおける再生時の動作例を示すシーケンス図である。
【
図9】
図6に示した通話情報再生画面の詳細部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる通話録音システム、録音通話再生方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
図1は、本実施の形態における通話録音システムが用いられるコールセンタの構成例を示す図である。
図1に示すように、コールセンタ1000は、IP-PBX(Internet Protocol-Private Branch eXchange、IP回線対応構内交換機)装置100と、CTI(Computer Telephony Integration)サーバ200と、通話録音装置300と、通話録音情報管理装置400と、オペレータの通話端末であるオペレータ端末500(500A、500B)とを有して構成されている。顧客の通話端末TとIP-PBX装置100との間は公衆網N1により接続され、IP-PBX装置100、CTIサーバ200、通話録音装置300、通話録音情報管理装置400、オペレータ端末500(500A、500B)は、コールセンタ1000の構内のIP回線網N2により接続されている。
【0012】
IP-PBX装置100は、ハードウェアとしてはCPU(Central Processing Unit)やメモリ等を有した一般的なコンピュータであり、顧客の通話端末Tからの呼を受けて、IP網と公衆網N1のプロトコル変換、発着信の呼制御などの処理を行う装置である。
【0013】
CTIサーバ(通話制御サーバ)200は、IP-PBX装置100と同様、ハードウェアとしては一般的なコンピュータであり、オペレータ端末500への呼制御を行う装置である。CTIサーバ200は、コールセンタ1000全体を管理し、IP-PBX装置100から受取った呼をオペレータ端末500に送信したり、呼状態が接続中(通話中)になると、必要な指示を通話録音情報管理装置400に与えるなどの処理を実行する。また、CTIサーバ200は、顧客とオペレータ間あるいはオペレータ間の通話において、通話端末Tとオペレータ端末500(500A、500B)との間やオペレータ端末間の通話音声や、端末操作情報を含む当該通話の属性等、通話に関する情報(通話情報)を取得し、通話録音情報管理装置400に出力する。
【0014】
通話録音装置300は、IP-PBX装置100等と同様、ハードウェアとしては一般的なコンピュータであり、通話端末Tとオペレータ端末500(500A、500B)との間やオペレータ端末間の通話音声を録音する。また、通話録音装置300は、通話音声を録音した録音ファイルや、当該通話音声の録音データを含む当該録音の属性等、録音に関する情報(録音情報)を通話録音情報管理装置400に出力する。
【0015】
通話録音情報管理装置400は、IP-PBX装置100等と同様、ハードウェアとしては一般的なコンピュータであり、顧客とオペレータとの間の通話を管理する装置である。通話録音情報管理装置400の具体的な構成については後述する。
【0016】
オペレータ端末500は、PC(Personal Computer)等と同様、ハードウェアとしては一般的なコンピュータであり、コールセンタ1000のオペレータあるいは管理者が操作する端末であり、通話機能を有している。オペレータ端末500は、CTIサーバ200からの指示に従って、IP-PBX装置100から受け取った呼に対して応答し、オペレータが顧客の通話端末Tと公衆網N1を介した外線による通話を行う。オペレータ端末500には、キーボードやマウスといった入力装置や、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置が接続されている。
【0017】
図1に示すように、通話録音情報管理装置400は、CTIサーバ200から受け取った通話端末Tやオペレータ端末500の端末操作情報や通話情報を登録する通話情報登録部401と、通話録音装置300から受け取った録音情報および録音ファイルを登録する録音情報登録部402と、記憶部403と、登録された通話情報を検索し、通話情報検索画面を生成する通話情報検索部404と、録音ファイルを再生する通話情報再生部405とを有して構成されている。
【0018】
また、記憶部403は、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置から構成され、CTIサーバ200から受け取った通話情報(例えば、通話開始時刻、通話終了時刻、通信元、通信先等)から生成される通話情報テーブル4031と、通話録音装置300から受け取った録音情報(例えば、録音開始時刻、録音終了時刻、録音ファイルの格納先等)から生成される録音情報テーブル4032と、上記通話情報に含まれる端末操作情報(例えば、通話時のオペレータ端末の操作内容や操作時刻等)から生成される端末操作情報テーブル4033とを記憶する。
【0019】
通話録音情報管理装置400は、ハードウェアとしては、一般的なコンピュータにより構成される。本実施例では、通話録音情報管理装置400が1つの装置である前提で説明しているが、利用環境に応じて、上記各部を複数の装置により実現することとしてもよい。通話録音情報管理装置400が行う具体的な処理については、シーケンス図を用いて後述する。
【0020】
図2は、通話情報テーブル4031の例を示す図である。
図2に示すように、通話情報テーブル4031には、通話端末Tとオペレータ端末500との間の通話を識別するための通話IDと、当該通話IDにより識別される通話の開始日時である通話開始日時と、当該通話IDにより識別される通話の終了日時である通話終了日時と、当該通話をした顧客端末Tの識別情報である相手先電話番号と、当該通話をしたオペレータ端末500の識別情報である内線番号と、当該内線番号のオペレータを識別するためのオペレータIDと、当該オペレータIDにより識別されるオペレータの所属部署とが対応付けて記憶されている。
【0021】
図2では、例えば、通話ID「1000」により識別される通話は、2017年12月24日の10時00分00秒に開始され、2017年12月24日の10時10分00秒に終了したことを示している。また、このときの通話は、相手先電話番号「0901122XXXX」と、X部署に所属するオペレータAが使用した内線「9001」との間で行われた通話であることを示している。
【0022】
図3は、録音情報テーブル4032の例を示す図である。
図3に示すように、録音情報テーブル4032には、通話IDにより識別される通話の録音の開始日時である録音開始日時と、当該通話IDにより識別される通話の録音の終了日時である録音終了日時と、上述した通話IDと、受話側の録音内容を記録したファイルのパスを示す受話側録音ファイルパスと、送話側の録音内容を記録したファイルのパスを示す送話側録音ファイルパスとが対応付けて記憶されている。
図3では特に示していないが、実際には、上記パスで示される録音ファイルの実体データが格納されている。
【0023】
図3では、例えば、通話ID「1000」により識別される通話の録音は、2017年12月24日の10時00分01秒に開始され、2017年12月24日の10時10分00秒に終了したことを示している。また、このときの録音ファイルは、受話側については通話録音情報管理装置400のEドライブの「¥Voice¥xxx1-1.wav」、送話側については通話録音情報管理装置400のEドライブの「¥Voice¥xxx1-2.wav」として記録されていることを示している。
【0024】
図4は、端末操作情報テーブル4033の例を示す図である。
図4に示すように、端末操作情報テーブル4033には、上記通話IDと、上記内線番号と、当該内線番号で通話をしたオペレータの操作内容と、その操作時刻とが対応付けて記憶されている。
【0025】
図4では、例えば、通話ID「1000」により識別される通話では、内線番号「9001」で通話をしたオペレータ(所属X、オペレータA)は、10時00分00秒に受話器を持ち上げて受話を開始し、保留ボタンを押下する等して10時01分00秒に受話を保留し、再度保留ボタンを押下する等して10時01分20秒に受話を再開していることを示している。
【0026】
図5は、オペレータ端末に表示される通話情報検索画面の例を示す図である。
図5に示すように、通話情報検索画面501には、検索条件として、通話開始日時の入力欄5011と、上記内線番号の入力欄5012と、上記相手先電話番号の入力欄5013とが表示されている。また、通話情報検索画面501には、上記各欄から入力された検索条件をキーにして通話情報を検索するための検索ボタン5014が表示されている。当該検索ボタンの押下により、
図2に示した通話情報テーブル4031の中から、検索条件に該当する通話情報が検索結果5015として表示される。
【0027】
図5では、2017年12月24日の9時00分から2017年12月24日の11時00分までに開始された通話情報が2つ検索され、そのうちの1つは、2017年12月24日の10時00分00秒に通話が開始された通話ID「1000」により識別される通話であることを示している(
図2参照)。さらに、上記検索結果5015として表示された通話情報には、当該通話を再生するための再生ボタンB1が対応付けて表示される。当該再生ボタンの押下により、
図6に示す通話情報再生画面が表示される。
【0028】
図6は、オペレータ端末に表示される通話情報再生画面の例を示す図である。
図6に示すように、通話情報再生画面601には、通話情報が録音された録音ファイルを再生したときに表示する音声データの波形を表示する波形表示部6011と、上記録音ファイルの再生操作を行う再生操作部6012と、上記録音ファイルの録音元となる通話情報を表示する通話情報表示部6013とが表示されている。また、再生操作部6012には、再生不要と判断された再生不要区間T(
図6では、T1~T3までの3箇所)と、当該再生不要区間の開始位置(黒三角印)および終了位置(白三角印)が表示されている。さらに、再生操作部6012には、上記録音ファイルを再生するための再生ボタンB2、上記録音ファイルの開始位置まで戻る戻りボタンB3、上記録音ファイルの終了位置まで進む進行ボタンB4、上記録音ファイルの再生を停止する停止ボタンB5、上記再生不要区間の再生をスキップするスキップボタンB6が表示されている。
【0029】
図6では、通話ID「1000」で識別される通話が再生された状態を示している。オペレータ端末500は、オペレータや管理者から、上記各ボタンの押下を受け付けると、当該ボタンに対応した処理を実行する。例えば、オペレータ端末500は、スキップボタンB6の押下を受けると、スキップボタンB6が押下された通話の通話IDをキーにして、通話情報テーブル4031、録音情報テーブル4032、端末操作情報テーブル4033を参照し、「保留」となっている端末操作情報の操作時刻と、その次の端末操作情報の操作時刻とを読み取る。オペレータ端末500は、これらの時刻の差を算出することにより、「保留」として操作されているスキップ時間を算出する。そして、オペレータ端末500は、算出した上記スキップ時間では通話(例えば、保留音)をスキップして再生する。
【0030】
本実施例では、オペレータ端末500が、上記スキップ時間において自動的に通話をスキップすることとしているが、通話を自動的にスキップさせるか否かを、通話情報再生画面から選択させることとしてもよい。例えば、オペレータ端末500は、スキップボタンB6の2回押下(ダブルクリック)を受け付けると、上記スキップ時間においてもスキップさせることなく通話を再生させてもよい。このように、再生不要区間における通話をスキップさせるか否かをユーザに選択させることにより、当該ユーザのニーズに応じて通話の再生が可能となる。
【0031】
図7は、本システムにおける録音時の動作例を示すシーケンス図である。
図7では、顧客からの通話を受信し、保留操作、別オペレータへの転送操作、保留操作を実施したときの録音時の動作を例に説明し、転送前のオペレータAの通話や録音を、それぞれ、通話A、録音A等と表示し、転送後のオペレータBの通話や録音を、それぞれ、通話B、録音B、あるいはこれらの通話における端末操作を、受話A、受話B、保留A、保留B等と表示している。
【0032】
図7に示すように、オペレータ端末500Aが、顧客端末Tからの通話を受話すると(S701)、CTIサーバ200が、当該通話の呼をIP-PBX装置100から受け(S702)、通話録音情報管理装置400に当該通話の通話情報を送信する(S703)。
【0033】
通話録音情報管理装置400では、通話情報登録部401が、CTIサーバ200から受信した通話情報に含まれる端末操作情報を読み取って端末操作情報テーブル4033(
図4)に通話ID「1000」として登録するとともに(S704)、通話情報を通話情報テーブル4031(
図2)に通話ID「1000」として登録する(S705)。S702からS705までの各処理は、通話Aにおける保留、再開、転送、切断の各端末操作についても同様に登録される。
【0034】
その後、オペレータ端末500Aからオペレータ端末500Bに転送操作されると、上記のとおり、当該端末操作情報が端末操作情報テーブル4033に登録される(S706、S707、S708)。また、上記転送操作により、オペレータ端末500Bがオペレータ端末500Aからの通話を受話すると(S709)、通話Aの場合と同様に、端末操作情報テーブル4033、および通話情報を通話情報テーブル4031に、通話が切断されるまで、通話B(通話ID1001)として登録される(S710~S713)。
【0035】
オペレータ端末500Aとオペレータ端末500Bとの間の通話が切断されると、顧客端末Tとオペレータ端末500Aとの通話が再開され(S714)、S702からS705までの各処理と同様に、通話A(通話ID1000)として登録される(S714~S716)。
【0036】
顧客端末Tとオペレータ端末500Aとの間の通話が終了すると、通話録音装置300は、録情報登録部402が、通話録音装置300から受け取った録音ファイルを含む録音情報を録音情報テーブル4032(
図3)に登録する(S717、S718)。
【0037】
このように、
図7に示した録音時の動作が行われることにより、通話情報を通話情報テーブル4031、録音情報テーブル4032、端末操作情報テーブル4033の各テーブルに、それぞれ、通話A、通話Bに関する通話情報、録音情報および録音ファイル、端末操作情報が登録される。続いて、通話再生時の動作について説明する。
【0038】
図8は、本システムにおける再生時の動作例を示すシーケンス図である。
図8では、オペレータAがオペレータ端末500Aを操作して、通話ID「1000」で識別される通話を再生する場合を例に説明する。以下では、オペレータ端末500Aは、オペレータAからの操作を受け付けて、通話情報検索画面501を表示させた状態にあるものとする。
【0039】
まず、オペレータ端末500Aは、通話情報検索画面501において、オペレータAから、内線番号等の検索条件の入力を受け付け、当該検索条件を通話録音情報管理装置400に送信する(S801)。通話録音情報管理装置400の通話情報検索部404は、オペレータ端末500Aから受け取った上記検索条件をキーにして通話情報テーブル4031にアクセスし(S802)、上記検索条件に該当する通話情報を検索結果として取得し(S803)、オペレータ端末500Aに送信する(S804)。
【0040】
オペレータ端末500Aは、通話情報検索画面501の検索結果5015に、上記取得された通話情報を表示し、オペレータAから、通話ID「1000」の通話の再生操作(例えば、再生ボタンの押下)を受け付ける。オペレータ端末500Aは、当該通話IDを含む通話Aの再生要求を通話録音情報管理装置400に送信する(S805)。
【0041】
通話録音情報管理装置400の通話情報再生部405は、上記通話IDをキーにして録音情報テーブル4032、端末操作情報テーブル4033にアクセスし(S806)、上記通話IDに対応する録音情報および録音ファイルを検索結果として取得し(S807.S808)、オペレータ端末500Aに送信する(S809)。
【0042】
具体的には、通話情報再生部405は、選択された通話ID「1000」をキーに録音情報テーブル4032を検索して当該通話IDに対応する録音ファイルの格納先を取得するとともに、上記通話IDをキーにして通話情報テーブル4031を検索して当該通話IDに対応する通話情報を取得する(通話Aの通話情報)。さらに、通話情報再生部405は、選択された通話ID「1000」、および上記取得した通話情報に含まれる当該通話IDに対応する内線番号「9001」をキーに端末操作情報テーブル4033にアクセスし、当該通話の端末操作情報を取得する(通話Aの端末操作情報)。
【0043】
さらに、通話情報再生部405は、転送後の通話情報を取得するため、上記取得した通話情報に含まれる内線番号に一致する相手先電話番号を含む通話情報を検索し、検索した通話情報の通話ID「1001」を取得する。通話情報再生部405は、通話ID「1000」の場合と同様、上記相手先電話番号を含む通話情報の通話IDをキーに、録音情報テーブル4032を検索して当該通話IDに対応する録音ファイルの格納先を取得するとともに、上記相手先電話番号を含む通話情報の通話IDをキーにして通話情報テーブル4031を検索して当該通話IDに対応する通話情報を取得する(通話Bの通話情報)。さらに、通話情報再生部405は、選択された通話ID「1001」、および上記相手先電話番号を含む通話情報の通話IDに対応する内線番号「9002」をキーに端末操作情報テーブル4033にアクセスし、当該通話の端末操作情報を取得する(通話Bの端末操作情報)。
【0044】
このように、転送前の通話Aおよび転送後の通話Bについて、通話情報、録音情報、端末操作情報、録音ファイルがそれぞれ取得されると、オペレータ端末500Aは、これらの情報を元に、通話情報再生画面601を表示する。その際、通話情報再生部405は、通話A、通話Bそれぞれの録音ファイルを解析する等して波形データを生成し、当該波形データを表示するとともに、通話A、通話Bにおけるそれぞれの端末操作情報を読み取り、再生不要区間、および端末操作情報で示される通話状態を表示する。
【0045】
図9は、
図6に示した通話情報再生画面601の詳細部分901を示す図である。
図9では、通話情報表示部については省略している。
【0046】
図9に示すように、当該画面では、通話情報再生部405が、端末操作情報表示部9011、オペレータAの通話状態表示部9012、波形表示部9013、再生操作部9014を表示している。
【0047】
端末操作情報表示部9011は、上記処理で取得されたオペレータAの端末操作情報から得られる情報を表示する領域である。例えば、通話情報再生部405は、端末操作情報テーブル4033を参照し、操作時刻と当該操作時刻における操作内容とを時系列に表示する。
【0048】
オペレータAの通話状態表示部9012は、検索した通話IDで識別される通話の主体となるオペレータAの通話状態を示す情報を表示する領域である。例えば、通話情報再生部405は、端末操作情報テーブル4033を参照し、端末操作情報が「開始」から「保留」までの間であれば「顧客と会話」、「保留」から「再開」までの間であれば「保留」を通話状態としてそれぞれ端末操作情報表示部9011に表示する。
【0049】
波形表示部9013は、取得した通話A、通話Bの録音ファイルの音声を波形で表示した波形データを表示する領域である。例えば、通話情報再生部405は、通話情報テーブル4031、録音情報テーブル4032、端末操作情報テーブル4033を参照して、端末操作情報、相手先電話番号を読み出して解析する等して、上記オペレータAの通話状態における音声波形を表示する。
【0050】
再生操作部9014は、再生不要区間の開始時刻、終了時刻、その間の再生不要区間を示す情報を表示する領域である。例えば、通話情報再生部405は、端末操作情報テーブル4033を参照し、端末操作情報が、「保留」から「再開」までの間であれば「保留」、「転送」から「再開」までの間であれば「転送」と認識し、当該「保留」、「転送」の間は、それぞれオペレータAによる通話ではないと判断する。通話情報再生部405は、これらの区間(
図9では、T1~T3までの3箇所)を再生不要区間と認識し、その認識結果を、再生不要区間の開始時刻、終了時刻、当該再生不要区間として、それぞれ再生操作部9014に表示する。
【0051】
このように、通話情報再生画面601やその詳細部分901が表示されることにより、オペレータや管理者は、再生不要区間を明確に認識することができ、従来のように、音声波形から再生不要区間を探し出すという無駄な操作が不要となり、再生時の操作性を向上させるとともに、操作時間の短縮を図ることができる。さらに、スキップボタンの押下により、オペレータや管理者は、再生不要区間をスキップするか否かを自ら選択しつつ、容易に通話を再生することができる。
【0052】
すなわち、通話情報登録部401が、CTIサーバ200により取得された通話端末(顧客端末T、オペレータ端末500)の操作情報を端末操作情報テーブル4033に登録し、録音情報登録部402が、通話録音装置300により取得された通話の録音データを録音情報テーブル4032に登録し、通話情報再生部405が、上記通話端末の操作情報に基づいて上記録音データの再生不要区間を認識し、認識した結果を含む通話情報再生画面601をオペレータ端末500の表示装置に表示するので、オペレータや管理者は、一見して、正しい再生不要区間を把握することができるため、再生不要区間を探し出す等の手間や時間をかける必要がなくなる。
【0053】
また、通話情報再生部405が、上記通話端末の操作情報に含まれる保留操作および転送操作に基づいて再生不要区間を認識し、当該再生不要区間を含む通話情報再生画面601を表示するので、保留操作や転送操作に伴う再生不要区間を容易に把握することができる。
【0054】
また、通話情報再生部405は、上記再生不要区間における録音データの再生をスキップさせるボタンB6を通話情報再生画面601に表示し、オペレータや管理者から上記再生不要区間における再生をスキップさせるか否かを選択させるので、オペレータや管理者は、必要に応じて当該区間の通話を再生することができる。
【0055】
以上、図面を用いて詳細に説明したが、本発明は上述の種々の例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0056】
例えば、
図6や
図9に示した通話情報再生画面において、通話情報再生部405は、保留操作および/または転送操作の回数または/および当該操作の時間が所定の閾値以上(例えば、回数であれば、保留操作や転送操作がそれぞれ2回以上、時間であれば、保留中や転送中の時間がそれぞれ3分以上)であるか否かを判定し、当該操作の時間が所定の閾値以上であると判定した場合、再生画面に、顧客が許容する標準的な待機時間を超えると判断し、その旨の警告を表示してもよい。このような警告を表示することにより、オペレータに対して、自らの通話中に生じた保留や転送の回数や時間の多さを注意喚起することができる。
【符号の説明】
【0057】
1000 コールセンタ
100 IP-PBX装置
200 CTIサーバ
300 通話録音装置
400 通話録音情報管理装置
401 通話情報登録部
402 録音情報登録部
403 記憶部
404 通話情報検索部
405 通話情報再生部
4031 通話情報テーブル
4032 録音情報テーブル
4033 端末操作情報テーブル
500 オペレータ端末