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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-18
(45)【発行日】2022-05-26
(54)【発明の名称】遠隔制御ユニットおよび電気自転車
(51)【国際特許分類】
   B62J 6/16 20200101AFI20220519BHJP
   B62J 45/00 20200101ALI20220519BHJP
   B62J 50/00 20200101ALI20220519BHJP
   B62M 6/00 20100101ALI20220519BHJP
   B62M 25/00 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
B62J6/16
B62J45/00
B62J50/00
B62M6/00
B62M25/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018510872
(86)(22)【出願日】2016-08-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-09-06
(86)【国際出願番号】 EP2016070085
(87)【国際公開番号】W WO2017032836
(87)【国際公開日】2017-03-02
【審査請求日】2019-08-23
(31)【優先権主張番号】102015216188.9
(32)【優先日】2015-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102015216186.2
(32)【優先日】2015-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102015216178.1
(32)【優先日】2015-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517221055
【氏名又は名称】バイクテック アーゲー
【氏名又は名称原語表記】BIKETEC AG
【住所又は居所原語表記】Schwende 1, 4950 Huttwil (CH)
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】イヴィカ ドゥーデヴィク
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス ビート シュトゥーダー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ウォルター スーター
(72)【発明者】
【氏名】ジーモン ランツ
(72)【発明者】
【氏名】ロビン ブードトリ
(72)【発明者】
【氏名】ティモ ヴォルク
(72)【発明者】
【氏名】オーマル アフザル
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-125015(JP,A)
【文献】特開2008-213825(JP,A)
【文献】特開2004-58993(JP,A)
【文献】特開2015-71364(JP,A)
【文献】実公昭63-16624(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 6/16
B62J 45/00
B62J 50/00
B62M 6/00
B62M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルバー・グリップ(28)の領域内にディスプレイ・ユニット(24)から離れて位置し、支援レベルの選択のための2つの支援選択キー(30、32)と、ディスプレイ・ユニット(24)上に示すメニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択のための少なくとも1つの入力デバイス(34)とを備え、
入力デバイス(34)および支援選択キー(30、32)が、乗り手の前記ハンドルバー・グリップ(28)を把持する手の親指の移動範囲に人間工学的に適合される曲率の共通線(60)に沿って位置し、
前記支援選択キー(30、32)が、乗り手の親指のための凹状セクションを形成するように、互いに向かって傾斜して位置する、電気自転車(1)の前記ディスプレイ・ユニット(24)用の遠隔制御ユニット(26)。
【請求項2】
前記入力デバイスが、ジョイスティック(34)として構成される請求項1に記載の遠隔制御ユニット。
【請求項3】
前記ジョイスティック(34)が、4方向に移動可能であり、メニュー項目の選定/選択が、前記ジョイスティック(34)上にかかる圧力によって実施される請求項2に記載の遠隔制御ユニット。
【請求項4】
前記支援選択キー(30、32)が、前記ハンドルバー・グリップ(28)に固定された共通の端部セクション(40)に、それぞれ弾性的に接続された自由作動セクション(38)を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の遠隔制御ユニット。
【請求項5】
照明を切り替える光スイッチ(42)が、前記支援選択キー(30、32)間の領域内に横方向にずらされて位置する請求項1から4のいずれか一項に記載の遠隔制御ユニット。
【請求項6】
前記光スイッチ(42)が、ボタンに触れることによって順次起動される複数の機能を有する請求項5に記載の遠隔制御ユニット。
【請求項7】
枢動軸(44)に沿って中央に装着された、ギア選択用のロッカ・スイッチ(46)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の遠隔制御ユニット。
【請求項8】
上側部分(52)およびモジュール式に交換可能な下側部分(54)を備え、前記ロッカ・スイッチ(46)が、前記下側部分(54)に割り当てられる請求項7に記載の遠隔制御ユニット。
【請求項9】
前記ロッカ・スイッチ(46)が、略中央に位置する、自動ギア選択を起動する自動キー(58)を有する請求項7または8に記載の遠隔制御ユニット。
【請求項10】
前記遠隔制御ユニット(26)が、乗り手に情報を通知するための振動を発生する振動モータを有する請求項1から9のいずれか一項に記載の遠隔制御ユニット。
【請求項11】
電気自転車(1)のディスプレイ・ユニット(24)用の遠隔制御ユニット(26)を備える電気自転車であって、前記遠隔制御ユニット(26)が、ハンドルバー・グリップ(28)の領域内に前記ディスプレイ・ユニット(24)から離れて位置し、支援レベルの選択のための2つの支援選択キー(30、32)と、ディスプレイ・ユニット(24)上に示されるメニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択のための少なくとも1つの入力デバイス(34)とを備え、
入力デバイス(34)および支援選択キー(30、32)が、乗り手の前記ハンドルバー・グリップ(28)を把持する手の親指の移動範囲に人間工学的に適合される曲率の共通線(60)に沿って位置し、
前記支援選択キー(30、32)が、乗り手の親指のための凹状セクションを形成するように、互いに向かって傾斜して位置する、電気自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに係る遠隔制御ユニットおよび請求項12のプリアンブルに係る電気自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
電動アシスト自転車またはeバイクなどの電気自転車は、使いやすく、無公害の輸送手段として大変人気がある。さまざまな応用分野に対して、個々に適したタイプの自転車が利用可能である。これらには、とりわけ、道路やなだらかな地形におけるレジャー時の使用または通勤に合わせて最適化された自転車(例えば、シティバイクやツーリングバイク)およびオフロードでの使用、特に山地形に合わせたさまざまな設計で開発されているeマウンテンバイク(E-MTB)が含まれる。電気自転車は、乗り手に大きな負担をかけることなく作動半径を増大させ、平均運転速度を増大させる可能性を提供する。
【0003】
駆動ユニットおよび電池ユニットに加えて、ディスプレイ・ユニットおよびディスプレイ・ユニット用の遠隔制御ユニットも有する電気自転車が、先行技術から知られている。遠隔制御ユニットは、ハンドルバー・グリップの領域内にディスプレイ・ユニットから離れて位置し、電気駆動装置の支持レベルの選定のための支援選択キーが設けられる。さらに、遠隔制御ユニットは、ディスプレイ・ユニット上に示されるメニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択のための入力デバイスを有する。そのような遠隔制御ユニットの欠点は、頻繁に使用される支援選択キーおよび入力デバイスが、互いに隣り合って位置するため、乗り手の親指によって人間工学的に操作できないことである。入力デバイスを操作するために、安全に係わる乗り手の手の再配置が頻繁に必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、本発明の目的は、電動機動性を運動系およびライフスタイル志向のサイクリストの要求に合わせる新規の遠隔制御ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1の特徴の組み合わせを有する遠隔制御ユニットおよび請求項12に係る電気自転車によって達成される。
【0006】
本発明に係る自転車のディスプレイ・ユニット用の遠隔制御ユニットは、ハンドルバー・グリップの領域内にディスプレイ・ユニットから離れて位置し、支援レベルの選択のための2つの支援選択キーを有し、ディスプレイ・ユニット上に示されるメニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択のための少なくとも1つの入力デバイスを備え、入力デバイスおよび支援選択キーが、乗り手のハンドルバー・グリップを把持する手の親指の移動範囲に人間工学的に適合される曲率の共通線に沿って位置し、支援選択キーが、乗り手の親指のための凹状セクションを形成するように、互いに向かって傾斜して位置する。本発明によれば、入力ユニットおよび支援選択キーは、共通線に沿って位置する。共通線は、人間工学的に弧状に多次元的に湾曲することができる。入力デバイスおよびキーは、好ましくは、これらが乗り手の親指によって人間工学的に操作可能なように上下に位置する。支援選択キーおよび入力デバイスを操作させるために、安全に係わる乗り手の手の再配置は、必要とされない。
【0007】
本発明の特に好ましい実施形態では、入力デバイスは、ジョイスティックとして構成される。その結果、ディスプレイ・ユニット上に示されるメニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択は、好ましくは乗り手の親指によって、直感的に人間工学的に実施することができる。
【0008】
ジョイスティックは、好ましくは、4方向(上方向および下方向、左および右)すべてに移動可能であり、メニュー項目の選択/選択は、ジョイスティックにかかる圧力を活用して実施される(圧力機能)。メニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択は、多機能ジョイスティックを用いて実施され、それにより、さらなる作動要素は必要とされない。このため、遠隔制御ユニットは、かなりコンパクトで見た目が美しく構成される。ジョイスティックは、具体的には、曲線状コーナーを有する矩形のバックライト・シンボルを有していてもよい。
【0009】
支援選択キーが互いに傾斜するように位置する場合、特に有利であることが判明している。この場合、支援レベルの選択は、乗り手の親指によって実施されてもよい。支援選択キーは、好ましくは凹面セクションを形成する。親指は、互いに上下に位置するキー間に載せることができるので、操作が直感的に実施され、支援レベルを増大させるための支援選択キーは、好ましくは、進行方向の前方に位置し、支援レベルを低減させるための支援選択キーは、進行方向の後方に位置する。
【0010】
さらに、支援選択キーが、乗り手の手に向けて傾斜することが好ましい。操作は、好ましくは乗り手の親指によって人間工学的に実施され得る。
【0011】
支援レベルを増大させるための支援選択キーは、好ましくは、プラスシンボルで示され、支援レベルを低減させるための支援選択キーは、好ましくはマイナスシンボルで示される。このシンボルは、好ましくはバックライト付きであり、このため、視界が悪い状態でも認識可能である。
【0012】
製造技術および操作に関して、支援選択キーが、ハンドルバー・グリップに固定された共通の端部セクションに、それぞれ弾性的に接続された自由作動セクションを有する場合に有利であると判明している。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、照明を切り替える光スイッチが、支援選択キー間の領域内で側方にずらされる。好ましくは、光スイッチは、乗り手の手から離れる方向に支援選択キーの隣に位置する。光スイッチが支援選択キー間の中央で横方向にずらされて位置する場合、特に有利であることが判明している。
【0014】
好ましくは、光スイッチは、3つの機能を有し、その各々は、キーを押さえることによって順次起動される:キーを(2秒以上)押さえ続ける、点灯/消灯;キーを押す、すれ違いビーム;キーを2回押す、明るくする。その結果、有利には、点灯/低光/高光/消灯のための1つのボタンが存在する。光スイッチは、バックライト光シンボルを有していてもよい。
【0015】
ギア付きモータの電子ギアシフトを有する電気自転車では、遠隔制御ユニットは、好ましくは、枢動軸に沿って、ギア選択のための中央に装着されたロッカ・スイッチを有する。本発明によれば、ロッカ・スイッチが2つの作動表面を有する場合、有利であり、第1の作動表面が、乗り手の手を向く側に位置し、第2の作動表面が、乗り手の手から外方を向く側に位置する。好ましくは、入力デバイス、支援選択キー、およびロッカ・スイッチは、共通線に沿って位置する。キーは、好ましくは、これらが乗り手の親指によって人間工学的に動作可能なように上下に位置する。支援選択キーおよびロッカ・スイッチを操作するために、安全に係わる乗り手の手の再配置は必要とされない。
【0016】
遠隔制御ユニットの好ましい実施形態では、遠隔制御ユニットは、上側部分と、モジュール式に交換可能な下側部分とを有し、ロッカ・スイッチは、下側部分に割り当てられる。このため、遠隔制御ユニットは、電気ギア付きモータを有する自転車および有さない自転車にモジュール式に適合可能である。この目的のために、クランプ半体として設計された下側部分は、ロッカ・スイッチを有してまたは有さずに装着される。上側部分および下側部分各々の締め付け部分は、好ましくは、ハンドルバーの約2分の1に係合する。上側部分および下側部分は、好ましくは、可撓性バンドによって電気的に接続される。
【0017】
ロッカ・スイッチは、好ましくは、略中央に位置する、自動ギア選択を起動する自動キーを有する。自動キーは、好ましくは、動かず、自動ギア選択を起動する。例えば、これは、ギア付きモータの第1または第2のギアを起動する。
【0018】
ハンドルバー・グリップ軸の方向に見ると、入力デバイス、支援選択キーおよびロッカ・スイッチは、好ましくは、凸状に弓状の共通線に沿って延び、その曲率曲線は、乗り手の親指の移動範囲に人間工学的に適合される。
【0019】
好ましくは、遠隔制御ユニットは、乗り手に情報を通知するための振動を発生する振動モータを有する。例えば、最も高い支援レベルに到達すると、短い振動によって合図され得る。さらに、切り替え操作が、短い振動によって提案され得る。好ましくは、ディスプレイ・ユニット上でギア提案が行われ、例えばディスプレイ上の上方向矢印はシフトアップを提案し、振動は、ディスプレイ・ユニットが新しい情報を表示していることを乗り手に通知する。
【0020】
本発明による自転車は、電気自転車のディスプレイ・ユニット用の遠隔制御ユニットを有し、遠隔制御ユニットは、ハンドルバー・グリップの領域内にディスプレイ・ユニットから離れて位置することができ、支援レベルの選択のための2つの支援選択キーを有し、ディスプレイ・ユニット上に示されるメニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択のための少なくとも1つの入力デバイスとを備え、入力デバイスおよび支援選択キーが、乗り手のハンドルバー・グリップを把持する手の親指の移動範囲に人間工学的に適合される曲率の共通線に沿って位置し、支援選択キーが、乗り手の親指のための凹状セクションを形成するように、互いに向かって傾斜して位置する。本発明によれば、入力ユニットおよび支援選択キーは、共通線に沿って位置する。その結果、乗り手による特に人間工学的かつ安全な操作が可能となる。
【0021】
本発明の特に好ましい例示的な実施形態では、電子制御ユニット、駆動ユニット、および電池ユニットが、さらに設けられる。電子制御ユニットが自転車フレームのシート・チューブ内に位置する場合に特に有利であることが判明している。その結果、フレームと組み立て要素との間の高度に統合された相互作用が達成される。特に自転車フレームのダウン・チューブ内に位置する電池ユニットの設計が限定されずに、電池セルのためのより広い空間ひいては長い作動距離を利用できる。電池ユニットおよび電子制御ユニットの熱デカップリングにより、高い効率性が達成される。制御ユニット用の締め付けオプションを有する特別な電池ハウジングは必要とされない。全体として、最高強度のコンパクトで均一なフレーム形状が、この変形例において達成される。したがって、本発明に係る概念は、ライフスタイルに関心を持つ、意欲的なスポーツ系の乗り手の要求をも満たす。
【0022】
電子制御ユニットがシート・チューブの下側領域内に駆動ユニットに隣接して位置する場合、特に有利であることが判明している。その結果、電気線の長さは、最小限に低減される。その結果、電気自転車は、最適化された空間要求事項に合わせた構造的かつ審美的に最良の特徴を有する最適化されたフレーム断面を有する。
【0023】
好ましい例示的な実施形態では、電子制御ユニットは、駆動ユニットのフレーム側駆動キャリア(モータブラケット)に取り付けられる。その結果、さらなる締め付け要素は必要とされない。重量の低減が達成され得る。
【0024】
電子制御ユニットには、好ましくは、駆動ユニットに対向する端部セクションにおいてのみ線材の接続部が設けられるので、構造が簡易化され、線材の長さが最小となる。すべての線材は、好ましくは、フレームの底部において外に誘導される。
【0025】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの止め具、具体的には、シート・ポスト用のボトル・ホルダの締め付け要素、例えばボトル・ホルダ・ブッシュが、電子制御ユニットの上方に位置する。その結果、電子制御ユニットが長いシート・ポストによって損傷を受けることが、防止される。
【0026】
好ましくは、遠隔制御ユニットの少なくとも1つの信号線が、ディスプレイ・ユニットに接続され、ディスプレイ・ユニットの少なくとも1本の電気線が、電子制御ユニットに接続される。遠隔制御ユニットとディスプレイ・ユニットとの間に1本だけのバス線が設けられる場合、特に有利であることが判明している。さらに、ディスプレイ・ユニットと電子制御ユニットとの間に1本だけのバス線が設けられる場合、特に有利である。したがって、敷設されるケーブルの数ひいては重量および組み立てコストが、最小限に抑えられる。
【0027】
ブレーキ信号線がディスプレイ・ユニットに直接的に接続される場合、特に有利である。その結果、電子制御ユニットとディスプレイとの間には、1本の電気線のみが必要とされる。線材の数が低減される。ブレーキがかけられたとき、ブレーキ灯が起動される。
【0028】
したがって、遠隔制御ユニットが、複数の信号線を含む単一のバスケーブルによってディスプレイ・ユニットに接続される場合、好ましくなる。
【0029】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、センサ線が、電子制御ユニットに直接的にそれぞれ接続される。この場合、線材の数も低減される。具体的には、以下が設けられてよい:キックスタンドのセンサ(スタンドが折り畳まれているときの安全停止)、ギアリングのセンサ、加速度センサ(3Dジャイロおよび加速度計)、折り畳み自転車における自転車の折り畳みを検出するためのセンサ、圧力センサおよび温度センサ。
【0030】
通信は、好ましくは、CANバス方法、特に好ましくはCANオープン法によって実施される。CAN変換装置が、適合要求事項のために設けられる。
【0031】
本発明は、すべてのタイプの自転車、特にマウンテンバイク(ハードテイル設計またはフルサスペンション設計の両方)に広く使用可能であるが、他の自転車、例えばロードバイクフレーム、したがって最終的には結果として、ツーリングバイク、シティバイク、もしくはクロスバイク、または他の現代型の自転車に使用することもできる。そのコンパクトで魅力的な設計により、クラシック自転車および電気自転車の利点を大幅に組み合わせたバイクの構造を可能にする。
【0032】
さらに好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0033】
本発明の好ましい実施形態が、次いで、添付の図を参照してより詳細に説明される。この目的のために、以下の図面が詳細に示される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明による電気自転車の側面図である。
図2】ハンドルバーの領域内の図1からの電気自転車の詳細図である。
図3】ハンドルバーにある遠隔制御ユニットの詳細図である。
図4】ハンドルバーにある遠隔制御ユニットの側面図である。
図5】遠隔制御ユニットの別の詳細図である。
図6】遠隔制御ユニットの別の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、本発明による電気自転車1の側面図を示し、電気自転車1は、ダイアモンドフレームとして構成された例となる自転車フレーム2を有し、ダウン・チューブ4と、トップ・チューブ6と、シート・チューブ8と、ヘッド・チューブ10と、駆動ユニット14用の駆動キャリア12と、シート支柱16および下側支柱18と、電池ユニット20とを有する。
【0036】
具体的には、ハンドルバー22の領域内の図1からの電気自転車1の詳細な図を示す図2からわかるように、ハンドルバー22上の中央に位置するディスプレイ・ユニット24および遠隔制御ユニット26が設けられる。遠隔制御ユニット26は、左ハンドルバー・グリップ28の領域内にディスプレイ・ユニット24から離れて位置し、モータ支援レベルの選択のための2つの支援選択キー30、32と、ディスプレイ・ユニット24上に表示されたメニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択のためのジョイスティック34として設計された入力デバイスとを有する。
【0037】
ハンドルバー22上の遠隔制御ユニット26の詳細図を示す図3によれば、入力デバイス34および支持選択ボタン30、32は、共通線60に沿って位置する。ジョイスティック34およびキー30、32は、乗り手の親指によって人間工学的に動作可能なように互いに上下に位置する。支持選択ボタン30、32およびジョイスティック34を作動させるために、安全に係わる乗り手の手の再配置は必要とされない。
【0038】
ジョイスティック34は、好ましくは、マッシュルーム様の曲線状縁を有する正方形として構成され、4方向(上方向および下方向、左および右)すべてに移動可能であり、メニュー項目の選択/選択は、ジョイスティック34にかかる圧力を活用して実施される(圧力機能)。メニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択は、多機能ジョイスティック34を用いて実施されるので、さらなる操作要素は必要とされない。このため、遠隔制御ユニット26は、極めてコンパクトで見た目が美しく構成される。ジョイスティック34は、具体的には、丸みを帯びたコーナーを有する矩形の、フレーム様のバックライト・シンボル36を有する。
【0039】
具体的には、ハンドルバー22にある遠隔制御ユニット26の側面図を示す図4からわかるように、支援選択キー30、32は、約120°から170°の範囲の、好ましくは約155°の角度αで互いに傾斜して位置する。この場合、支援レベルの選択は、乗り手の親指によって実施されてもよい。支援選択キー30、32は、好ましくは凹状セクションを形成する。親指は、互いに上下に位置するキー30、32間に載せることができるので、操作が直感的に実施され、支援レベルを増大させるための支援選択キー30は、進行方向の前方に位置し、支援レベルを低減させるための支援選択キー32は、進行方向の後方および下方に位置する。さらに、支援選択キー30、32は、乗り手の手の方向に下方向に傾斜して位置する。操作は、好ましくは乗り手の親指によって人間工学的に実施され得る。
【0040】
支援レベルを増大させるための支援選択キー30は、プラスシンボルで示され、支援レベルを低減させるための支援選択キー32は、マイナスシンボルで示される(図3を比較)。シンボルはバックライト付きであり、このため、視界が悪い状態でも認識可能である。
【0041】
製造技術および操作に関して、遠隔制御ユニット26の支援選択キー30、32が、乗り手の手を向く自由作動セクション38と、共通の弾性的に装着された端部セクション40とを有する場合に有利であると判明している。
【0042】
さらに、遠隔制御ユニット26は、支援選択キー30、32間の領域内の中央に位置し、横方向にずらされた幅広形態の矩形光スイッチ42を有する。光スイッチ42は、乗り手の手から離れる方向で支援選択キー30、32に隣接して、それらの端部セクション40の領域内に位置する。
【0043】
好ましくは、光スイッチ42は、3つの機能を有し、その各々は、キーを押さえることによって順次起動される:キーを(2秒以上)押さえ続ける、点灯/消灯;キーを押す、すれ違いビーム;キーを2回押す、明るくする。その結果、有利には、点灯/低光/高光/消灯のための1つのボタンが存在する。光スイッチは、バックライト付き光シンボルを有する。
【0044】
具体的には、遠隔制御ユニット26のさらなる詳細図を示す図5からわかるように、図示する電気自転車には、ギア付きモータの電子ギアシフトが設けられ、遠隔制御ユニット26は、枢動軸44に沿って中央に装着されたギア選択のためのロッカ・スイッチ46を有する。
【0045】
図3によれば、ロッカ・スイッチ44は、2つの作動表面48、50を有し、第1の作動表面48は、乗り手の手を向く側に位置し、第2の作動表面50は、乗り手の手から外方を向く側に位置する。ジョイスティック36、支援選択キー30、32およびロッカ・スイッチ46は、共通線60に沿って位置する。キーは、乗り手の親指によって人間工学的に動作可能なように上下に位置する。支持選択ボタン30、32、ジョイスティック36およびロッカ・スイッチ46を操作するために、安全に係わる乗り手の手の再配置は必要とされない。
【0046】
具体的には、図4および5に示されるように、遠隔制御ユニット26は、上側部分52と、モジュール式に交換可能な下側部分54とを有し、ロッカ・スイッチ46は、乗り手の手の方向に弧状に湾曲して延びる下側部分54の支持アーム56に割り当てられる。このため、遠隔制御ユニット26は、電子ギア付きモータなしに自転車にモジュール式に適合可能である。この目的のために、クランプ半体として設計された下側部分は、ロッカ・スイッチを有して、または、有さずに装着される。ロッカ・スイッチを有さない変形例は図示されていない。この場合、支持アームも省かれる。上側部分52および下側部分54は、内側に位置する可撓バンドを活用して電気的に接続される(図示せず)。
【0047】
具体的には、遠隔制御ユニット26のさらに詳細な図を示す図6からわかるように、ロッカ・スイッチ46は、略中央に位置する正方形の自動キー58を有する。自動キー58は、好ましくは、ロッカ・スイッチ46と共に動かず、自動ギア選択を起動する。
【0048】
ハンドルバー・グリップ軸の方向で見ると、ジョイスティック34、支援選択キー30、32およびロッカ・スイッチ46がともに凸状で弧状の共通線60(図5の点線)に沿って延び、その曲率曲線は、乗り手の親指の移動範囲に人間工学的に適合される。
【0049】
本発明は、すべてのタイプの自転車、特にマウンテンバイク(ハードテイル設計またはフルサスペンション設計の両方)に使用可能であるが、他の自転車、例えばロードバイクフレーム、したがって最終的には結果として、ツーリングバイク、シティバイク、もしくはクロスバイク、または他の現代型の自転車に使用することもできる。そのコンパクトで魅力的な設計により、クラシック自転車および電気自転車の利点を大きく組み合わせたバイクの構造を可能にする。
【0050】
本発明の実施形態は、図面に示され上記で説明したような例には限定されないが、当業者によって複数の変形例において可能である。
【0051】
電気自転車1のディスプレイ・ユニット24用の遠隔制御ユニット26が開示されており、遠隔制御ユニット26は、ハンドルバー・グリップ28の領域内にディスプレイ・ユニット24から離れて位置し、支援レベルの選択のための支援選択キー30、32を有し、ディスプレイ・ユニット24上に示すメニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択のための少なくとも1つの入力デバイス34を有する。本発明によれば、入力ユニット34および支援選択キー30、32がともに共通線60に沿って位置する。さらに、そのような遠隔制御ユニット26を備える電気自転車1が、開示される。
【符号の説明】
【0052】
1 電気自転車
2 自転車フレーム
4 ダウン・チューブ
6 トップ・チューブ
8 シート・チューブ
10 ヘッド・チューブ
12 駆動キャリア
14 駆動ユニット
16 シート支柱
18 下側支柱
20 電池ユニット
22 ハンドルバー
24 ディスプレイ・ユニット
26 遠隔制御ユニット
28 左ハンドルバー・グリップ
30 支援選択キー
32 支援選択キー
34 ジョイスティック
36 シンボル
38 作動セクション
40 端部セクション
42 光スイッチ
44 枢動軸
46 ロッカ・スイッチ
48 作動表面
50 作動表面
52 上側部分
54 下側部分
56 支持アーム
58 自動キー
60 線材
図1
図2
図3
図4
図5
図6