(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-18
(45)【発行日】2022-05-26
(54)【発明の名称】3Dジオロケーションシステム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/28 20060101AFI20220519BHJP
G01S 5/02 20100101ALI20220519BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
G01C21/28
G01S5/02 Z
G01C21/26 P
(21)【出願番号】P 2018538642
(86)(22)【出願日】2017-01-25
(86)【国際出願番号】 CA2017000015
(87)【国際公開番号】W WO2017127914
(87)【国際公開日】2017-08-03
【審査請求日】2020-01-24
(32)【優先日】2016-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518176518
【氏名又は名称】ビーテミア インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゾソ、ナタニエル
(72)【発明者】
【氏名】ティオー、ヴィクトリアン
(72)【発明者】
【氏名】デュプラン、エリック
(72)【発明者】
【氏名】ボーモン、マルタン
(72)【発明者】
【氏名】ベダール、ステファン
【審査官】平井 功
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0343460(US,A1)
【文献】特開2004-062874(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0327022(US,A1)
【文献】特表2010-535568(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0282622(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
G09B 23/00-29/14
G01S 5/00- 5/14
G01S 19/00-19/55
G01C 22/00-22/02
A61B 5/06- 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの変位を監視する3Dジオロケーションシステムであって、
前記ユーザの左右の足-足首構造に配置されるよう構成される一対の慣性センサであって、前記慣性センサが前記ユーザの生体力学情報を提供する、一対の慣性センサと、
前記ユーザの左右の大腿部および胴体の方向を示す情報を提供する少なくとも一対の第1の方向センサと、
前記ユーザの左右の脛の方向を示す情報を提供する少なくとも一対の第2の方向センサと、
通信リンクを介して前記慣性センサおよび前記第1及び第2の方向センサと通信するプロセッサであって、前記プロセッサが、命令を備える関連メモリを有し、前記命令が、前記プロセッサで実行されると、以下のステップ、すなわち、
前記生体力学情報と、前記ユーザの前記左右の大腿部、前記胴体、および前記左右の脛の前記方向を示す前記情報とを受信するステップと、
前記生体力学情報と、前記左右の大腿部、前記胴体、および前記左右の脛の前記方向を示す前記情報とを使用して前記ユーザの3D座標を計算するステップと、
前記ユーザの前記計算された3D座標を提供するステップと、
を実行する、プロセッサと、
を備え、
前記生体力学情報と、前記左右の大腿部、前記胴体、ならびに前記左右の脛の前記方向を示す前記情報とが、前記ユーザの前記3D座標を連続的に計算する前記プロセッサに連続的に提供され、したがって、前記ユーザの変位の監視を可能にし、
前記ユーザの前記生体力学情報が、前記ユーザの前記左右の足-足首構造に配置されるよう構成される前記慣性センサのそれぞれでの加速度を含み、前記ユーザの前記3D座標を計算する前記ステップが、以下のサブステップ、すなわち、
グローバル基準系回転マトリクスを適用することによりグローバル基準系の前記ユーザの足に関して前記左右の足-足首構造に配置されるよう構成される前記慣性センサのそれぞれの加速度を表現するサブステップと、
前記ユーザの前記左右の足-足首構造に配置されるよう構成される前記慣性センサのそれぞれに対する位置を得るために前記グローバル基準系で表現された前記加速度を二重積分するサブステップと、
前記ユーザの前記左右の大腿部、前記胴体、および前記左右の脛の前記方向を示す情報を使用して前記ユーザの姿勢を生成するサブステップと、
前記3D座標を得るためにセンサ融合アルゴリズムを使用して各慣性センサの前記位置と前記ユーザの前記姿勢とをマージするサブステップと、
を含み、
前記ユーザの前記変位が監視されている構造の壁の位置を提供する少なくとも1つのライダ型センサをさらに備え、メモリに格納される前記命令が、前記プロセッサ上で実行されると、ドリフト誤差を制限するために、壁の前記位置が前記ユーザが静止していることを示す場合に、前記グローバル基準系で表現された前記加速度を二重積分する前記サブステップを停止するさらなるステップを実行する、
3Dジオロケーションシステム。
【請求項2】
ユーザの変位を監視する3Dジオロケーションシステムであって、
前記ユーザの左右の足-足首構造に配置されるよう構成される一対の慣性センサであって、前記慣性センサが前記ユーザの生体力学情報を提供する、一対の慣性センサと、
前記ユーザの左右の大腿部および胴体の方向を示す情報を提供する少なくとも一対の第1の方向センサと、
前記ユーザの左右の脛の方向を示す情報を提供する少なくとも一対の第2の方向センサと、
通信リンクを介して前記慣性センサおよび前記第1及び第2の方向センサと通信するプロセッサであって、前記プロセッサが、命令を備える関連メモリを有し、前記命令が、前記プロセッサで実行されると、以下のステップ、すなわち、
前記生体力学情報と、前記ユーザの前記左右の大腿部、前記胴体、および前記左右の脛の前記方向を示す前記情報とを受信するステップと、
前記生体力学情報と、前記左右の大腿部、前記胴体、および前記左右の脛の前記方向を示す前記情報とを使用して前記ユーザの3D座標を計算するステップと、
前記ユーザの前記計算された3D座標を提供するステップと、
を実行する、プロセッサと、
を備え、
前記生体力学情報と、前記左右の大腿部、前記胴体、ならびに前記左右の脛の前記方向を示す前記情報とが、前記ユーザの前記3D座標を連続的に計算する前記プロセッサに連続的に提供され、したがって、前記ユーザの変位の監視を可能にし、
前記ユーザの左右の大腿部および胴体の前記方向を示す情報を提供する前記少なくとも一対の第1の方向センサが、前記ユーザの左右の脚-膝または大腿部-臀部構造に配置されるよう構成されて、前記ユーザの生体力学情報を提供する、一対の慣性センサであり、
前記ユーザの左右の脛の前記方向を示す情報を提供する前記少なくとも一対の第2の方向センサが、左右の膝および臀部に配置されるよう構成される一対の角度位置センサであ
り、
前記ユーザの前記生体力学情報が、前記ユーザの前記左右の足-足首構造に配置されるよう構成される前記慣性センサのそれぞれでの加速度を含み、前記ユーザの前記3D座標を計算する前記ステップが、以下のサブステップ、すなわち、
グローバル基準系回転マトリクスを適用することによりグローバル基準系の前記ユーザの足に関して前記左右の足-足首構造に配置されるよう構成される前記慣性センサのそれぞれの加速度を表現するサブステップと、
前記ユーザの前記左右の足-足首構造に配置されるよう構成される前記慣性センサのそれぞれに対する位置を得るために前記グローバル基準系で表現された前記加速度を二重積分するサブステップと、
前記ユーザの前記左右の大腿部、前記胴体、および前記左右の脛の前記方向を示す情報を使用して前記ユーザの姿勢を生成するサブステップと、
前記3D座標を得るためにセンサ融合アルゴリズムを使用して各慣性センサの前記位置と前記ユーザの前記姿勢とをマージするサブステップと、
を含み、
前記ユーザの前記変位が監視されている構造の壁の位置を提供する少なくとも1つのライダ型センサをさらに備え、メモリに格納される前記命令が、前記プロセッサ上で実行されると、ドリフト誤差を制限するために、壁の前記位置が前記ユーザが静止していることを示す場合に、前記グローバル基準系で表現された前記加速度を二重積分する前記サブステップを停止するさらなるステップを実行する、
3Dジオロケーションシステム。
【請求項3】
前記ライダ型センサが、前記ユーザが着用する外骨格および一対の装具装置のうちの一方によって提供される、請求項
1又は2に記載の3Dジオロケーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2016年1月25日に出願された米国仮特許出願第62/286,896号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、3Dジオロケーションシステムに関し、より具体的には、本開示は、GPS信号が存在しない場合に動作する3Dジオロケーションシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
いくつかの活動では、常に人の位置を知ることが必要になる。例えば、消防士の場合、行動不能になると、部隊の指揮官は行動不能となった消防士のいる場所に救援を送ることができなければならない。レスキューチームの視界は非常に限られており、探索領域は通常制限されており、探索が速くなればなるほど、行動不能な消防隊員を救う機会が増える。同じ状況は、全地球測位システム(GPS)信号にアクセスできない建物内または地下を移動する兵士にも当てはまる。
【0004】
通常、GPSは利用可能である。しかし、建物によっては、GPS信号を受信することが、もし信号が存在していても極端に制限される可能性がある。GPSがなければ、デッドレコニング以外には現在のところ明白な解決策は存在しない。このアルゴリズムは、慣性センサを使用し、本質的に、グローバル座標における加速度を計算する(センサの向きを把握することで、ローカル基準(すなわち、センサ)の測定加速度をグローバル座標系(すなわち、ワールド座標系)に変換することができる)。この数値積分は、誤差を累積する傾向があり、通常は移動距離の約3%である。GPSなしで100m移動すると、誤差は±3mとなり、したがって、救援を必要としているユーザがいるのがどのフロアなのかを正確に知るには大きすぎるため、1チームではなく3つの救援チームを送るか(すなわち、最上階、中間階、最下階)、または1つのチームの所要時間を3倍にする必要がある。さらに、慣性航法では、足が地面に接触しているときに「リセット」する必要がある。このリセットがなければ、誤差は指数関数的に増加する。言うまでもなく、誤った時刻にリセットが発生すると、誤差が増加する。
【0005】
したがって、GPS信号が存在しない場合に移動する人の3D座標を提供するための正確な3Dジオロケーションシステムが必要である。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、ユーザの変位を監視するためのジオロケーションシステムを提供し、本ジオロケーションシステムは、
ユーザの生体力学情報を提供する、ユーザの左右の足-足首構造に配置されるように構成された一対の慣性センサと、
ユーザの左右の大腿部および胴体の空間方向を示す情報を提供する少なくとも1対の空間方向センサと、
ユーザの左右の脛の空間方向を示す情報を提供する少なくとも1対の空間方向センサと、
慣性センサおよび空間方向センサと通信リンクを介して通信するプロセッサであって、命令を備える関連メモリを有するプロセッサであって、命令は、プロセッサ上で実行されると、以下のステップ、すなわち、
生体力学情報と、ユーザの左右の大腿部、胴体、および左右の脛の空間方向を示す情報とを受信するステップと、
生体力学情報と、左右の大腿部、胴体、および左右の脛の空間方向を示す情報とを使用してユーザの3D座標を計算するステップと、
ユーザの計算された3D座標を提供するステップと、を実行するプロセッサとを備え、
生体力学情報と、左右の大腿部、胴体、および左右の脛の空間方向を示す情報とは、ユーザの3D座標を連続的に計算するプロセッサに連続的に提供され、したがって、ユーザの変位を監視することを可能にする。
【0007】
本開示はまた、上記で開示した3Dジオロケーションシステムを提供し、
ユーザの左右の大腿部および胴体の空間方向を示す情報を提供する少なくとも一対の空間方向センサが、ユーザの左右の脚-膝または大腿部-臀部に位置するように構成された一対の慣性センサであり、慣性センサが、ユーザの生体力学情報を提供し、
ユーザの左右の脛の空間方向を示す情報を提供する少なくとも一対の空間方向センサが、左右の膝および臀部に配置されるように構成された一対の角度位置センサである。
【0008】
本開示はさらに、上記で開示した3Dジオロケーションシステムを提供し、ユーザの生体力学情報は、ユーザの左右の足-足首構造に配置されるように構成される慣性センサのそれぞれでの加速度を含み、ユーザの3D座標を計算するステップは、以下のサブステップ、すなわち、
グローバル参照系回転行列を適用することによって、ユーザの足に対してユーザの左右の足-足首構造に位置するよう構成される慣性センサのそれぞれの加速度を回転するサブステップと、
ユーザの左右の足-足首構造に配置されるように構成された慣性センサのそれぞれの位置を得るために回転加速度を二重積分するサブステップと、
ユーザの左右の大腿部、胴体、および左右の脛の空間方向の空間方向を示す情報を使用してユーザの姿勢を生成するサブステップと、
センサ融合アルゴリズムを使用して各慣性センサの位置をユーザの姿勢とマージして3D座標を得るサブステップと、を含む。
【0009】
本開示はまたさらに、上述のような3Dジオロケーションシステムを提供し、慣性センサおよび空間方向センサが、ユーザが装着する外骨格および一対の装具装置のうちの1つによって提供される。
【0010】
本開示はまた、上述のような3Dジオロケーションシステムを提供し、さらに、通信リンクを介してプロセッサと通信する遠隔監視システムを備え、通信リンクは、有線通信リンク、無線通信リンク、またはその両方の組み合わせである。
【0011】
本開示は、上述のような3Dジオロケーションシステムをさらに提供し、さらに、ユーザの変位が監視されている構造の周りに配置される少なくとも3つの無線周波数センサビーコンを備え、メモリに格納される命令が、プロセッサ上で実行されると、さらに、ユーザの位置を三角測量するステップと、無線周波数センサビーコンの少なくとも3つから信号を受信した場合にユーザの位置をリセットするステップとを実行する。
【0012】
本開示はまたさらに、上述のような3Dジオロケーションシステムを提供し、さらに、ユーザの変位が監視されている構造の壁の位置を提供する少なくとも1つのライダ型センサを備え、メモリに格納される命令が、プロセッサ上で実行されると、ドリフト誤差を制限するために、壁の位置がユーザが静止していることを示す場合に、回転加速度を二重積分するサブステップを停止するさらなるステップを実行する。ライダ型センサは、ユーザが着用する外骨格および一対の装具装置とのうちの一方によって提供することができる。
【0013】
本開示の実施形態は、添付の図面を参照して、例示のみのために記載される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】GPS信号がない場合の移動体の3Dジオロケーションに対する3Dジオロケーションシステムの概略図である。
【
図2】
図1の3Dジオロケーションシステムの代替実施形態の概略図である。
【
図3】本開示の例示的な実施形態による3Dジオロケーション計算処理のフロー図である。
【
図4】
図1の3Dジオロケーションシステムのさらなる代替実施形態の概略図である。
【0015】
異なる図で使用される同様の参照符号は、同様の構成要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
一般に、本開示の非限定的な例示的実施形態は、全地球測位システム(GPS)信号が存在しない場合に、移動する人の3D座標を提供するための3次元(3D)ジオロケーションシステムを提供する。3Dジオロケーションシステムは、左右の足-足首構造に配置されるように構成された2つの慣性センサと、一連のセンサとを使用して、ユーザの下肢(脛、大腿部、胴体)の各区分の空間方向を測定する。例示的な実施形態では、3Dジオロケーションシステムは、左右の脚-膝構造または大腿部-臀部構造における2つの追加の慣性センサならびに左右の膝および大腿部の角度位置を示す情報を提供するセンサを使用し、例えば、米国特許第9,370,439号“LOAD DISTRIBUTION DEVICE FOR HUMAN JOINTS”に記載されているような、ユーザが着用する外骨格または装具装置によって提供することができる。ユーザの3D座標をこのように判定することは、膝および臀部角度と組み合わせられた慣性センサからのユーザに関する生体力学情報を使用して実行される。
【0017】
既知の位置および方向(例えば、最後に把握したGPS位置および方向)から開始して、3Dジオロケーションシステムは、慣性センサによって計算された方向を使用して、加速度をグローバル座標系に回転させる。適切なフィルタリングおよび誤差補正による二重積分により、各慣性センサの位置が与えられる。同時に、各セグメント(脛、大腿部、胴体)の向きは、他の慣性センサに関する各慣性センサの相対位置の判定を可能にし、各ステップにおける最大誤差を最小にするのに役立つ。すべての慣性センサデータならびにセグメントの向き(例えば、膝角度および臀部角度)を使用するデータ融合アルゴリズムは、ユーザの位置を計算する際の精度を高めることを可能にする。
【0018】
図1を参照すると、3Dジオロケーションシステム10は、命令を備える関連メモリ14を伴うプロセッサ12を含み、その命令がプロセッサ12で実行されると、以下でさらに説明する3Dジオロケーション計算処理100のステップを実行する。3Dジオロケーションシステム10はさらに、右20aおよび左20bの足-足首構造に配置された慣性センサと通信するための入出力(I/O)インターフェース16と、右30aおよび左30bの大腿部および胴体の空間方向を観測するセンサと、右40aおよび左40b脛空間方向を観測するセンサと、有線、無線、またはその両方の組み合わせとすることができる通信リンク18を介したオプションの遠隔監視システム50とを含む。
【0019】
図2に示す3Dジオロケーションシステム10の例示的な実施形態では、右30aおよび左30bの大腿部および胴体の空間方向を観測するセンサは、それぞれ、右30’aおよび左30’bの脚-膝または大腿部-臀部構造に位置する慣性センサの形態をとり、右40aおよび左40bの脛の空間方向を観測するセンサは、それぞれ、右40’aおよび左40’bの膝および臀部の角度位置センサの形態をとる。
【0020】
角度位置センサ40’a、40’bは、角度位置を示す情報を提供する任意のセンサの形態をとることができ、または膝角度および臀部角度が直接測定によって判定され得るように角度位置を生成すること、または様々なタイプのセンサによって提供される生体力学情報から導き出すことができることが理解されるべきである。
【0021】
3Dジオロケーションシステム10は、慣性センサ20a、20b、30’a、30’bならびに膝および臀部の角度位置センサ40’a、40’bのそれぞれから生体力学情報、例えば、向き、測定回転、および測定加速度を取得し、ユーザの3D座標を計算する。任意選択的に、この情報は、ユーザの変位の監視を可能にするために、通信リンク18を介して遠隔監視システム50に提供される。
【0022】
ここで
図3を参照すると、プロセッサ12(
図1および
図2参照)によって実行される3Dジオロケーション計算処理100の用例のフロー図が示される。ユーザの各ステップで実行される処理100のステップは、ブロック102から110によって示される。
【0023】
処理100はブロック102で開始し、慣性センサ20a、20b、30’a、30’bのそれぞれからの生体力学情報ならびに膝および臀部センサ40’a、40’bの角度位置がプロセッサ12に供給される(すなわち、慣性センサ20a、20b、右30aおよび左30b大腿部および胴体空間方向を観測するセンサ、ならびに右40aおよび左40b脛空間方向を観測するセンサ)。
【0024】
次に、ブロック104において、各足の慣性センサ20a、20bに対する加速度が、回転行列を用いてグローバル基準系に対して相対的に回転される。例えば、慣性センサ20a、20bが、グローバル基準系に関して、それぞれ10度、-20度および30度のロール、ピッチ、およびヨーを有すると仮定すると、その場合、各慣性センサ20a、20bの加速度ベクトルには、-10度、20度、30度のロール、ピッチ、およびヨーに相当する回転行列が適用され、その結果、加速度は、鉛直加速度が慣性センサ20a、20bのトップ/ボトムではなく重力の反対に対応するグローバル基準系に関して表される。
【0025】
ブロック106において、加速度は、二重積分され(すなわち、加速度は、時間t=0での速度に関する速度を得るために積分され、ついで、その速度が、時間t=0での位置に関する位置を得るために積分される)、誤差訂正されて、各慣性センサ20a、20bの初期位置が得られる。
【0026】
ブロック108において、各慣性センサ20a、20bの位置は、慣性センサ30’a、30’bおよび角度位置センサ40’a、40’bによって提供される膝角度および臀部角度を使用して生成されるユーザの姿勢とのセンサ融合アルゴリズムとマージされ、3D座標の単一訂正ボディセットが得られる。
【0027】
最後に、ブロック110において、ユーザの3D座標が提供される。
【0028】
図4を参照すると、3Dジオロケーションシステム10のさらに別の実施形態が示されており、これは、ユーザが移動している建物または他の構造の周りに配置される3つ以上の無線周波数(RF)センサビーコン60をさらに含む。これらのRFセンサビーコン60は、ユーザの位置を三角測量するために使用することができ、その結果、プロセッサ12がRFセンサビーコン60の少なくとも3つから信号を受信するときはいつでも、3Dジオロケーション計算処理100は、ユーザの位置を正確に三角測量し、ユーザの位置をリセットすることができる。読み取りの間に、3Dジオロケーション計算処理100は、様々なセンサ20a、20b、30a、30b、30’a、30’b、40a、40b、40’a、40’bによって提供される信号により、ユーザの位置を判定する。
【0029】
この代替実施形態では、3Dジオロケーションシステム10は、ユーザが装着する外骨格または装具装置によって提供される少なくとも1つのライダ型センサ70(または、他のマッピングセンサ)も含むことができる。少なくとも1つのライダ型センサ70は、壁の位置を読み取り、3Dジオロケーション計算処理100がドリフト誤差を制限するのを助ける。少なくとも1つのライダ型センサ70からの信号が、ユーザがその周囲に関して比較的静止していることを示す場合、3Dジオロケーション計算処理100は、現在の速度誤差を排除するためにブロック106での加速度の二重積分を停止する。
【0030】
上述の代替実施形態では、少なくとも3つのRFセンサビーコン60および少なくとも1つのライダ型センサ70を別々にまたは組み合わせて使用することができることを理解されたい。さらに、少なくとも3つのRFセンサビーコン60および/または少なくとも1つのライダ型センサ70は、
図2に示す3Dジオロケーションシステム10の代替実施形態と共に使用することができることを理解されたい。
【0031】
本開示は、特定の非限定的な例示的実施形態およびその例によって説明してきたが、特許請求の範囲で請求される本開示の範囲から逸脱することなく変更を本特定の実施形態に適用することができることが当業者には明らかであろうことに留意されたい。