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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-18
(45)【発行日】2022-05-26
(54)【発明の名称】水栓装置
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/042 20060101AFI20220519BHJP
【FI】
E03C1/042 F
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019003869
(22)【出願日】2019-01-11
(65)【公開番号】P2020111973
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2020-10-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000144072
【氏名又は名称】SANEI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】片岡 健介
【審査官】池谷 香次郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-160631(JP,A)
【文献】特開2006-144326(JP,A)
【文献】特開2018-066210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/00ー1/10
H02G 3/22-3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲部分を有する環状部材と、
前記環状部材の先端に設けられた吐水ヘッドと、
前記環状部材及び/又は吐水ヘッドに取り付けられる電気部品と、
前記吐水ヘッドに連結されるとともに、前記環状部材の内部に出し入れ移動可能に挿通された給水管と、
前記電気部品に接続されたケーブルと、
前記環状部材の環状内側に配設されたベース部品とを備え、
前記電気部品のケーブルが前記環状部材の内部に配線された水栓であって、
前記環状部材は、右側壁及び左側壁が下方に向かうに従って幅狭となるように構成され、
前記ベース部品は、前記ベース部品の外周に前記電気部品に接続されたケーブルを保持する保持部が設けられ且つベース部品を環状部材の環状内側において移動することを阻止する長手方向規制部として作用する取付本体部が設けられるとともに、周方向規制部として機能する断面円弧状のガイド部が、取付本体部の幅方向の端部から突設され、幅狭となった環状部材の右側壁及び左側壁に当接することによって回転しなくなるように形成され、
前記取付本体部は、環状部材のほぼCの字状に湾曲した形状に沿った正面視円弧状に形成されており、
前記ベース部品は、電気部品側の先端の電気部品取付部とケーブルを固定するベース部品の後端部とを離して形成され、
前記ベース部品は、前記環状部材の環状内側における長さが、取付本体部における電気部品側の先端と環状部材の後端側の後端との間の円弧に対応する中心角が120度を超える長さに形成された、
水栓装置。
【請求項2】
湾曲部分を有する環状部材と、
前記環状部材の先端に設けられた吐水ヘッドと、
前記環状部材及び/又は吐水ヘッドに取り付けられる電気部品と、
前記吐水ヘッドに連結されるとともに、前記環状部材の内部に出し入れ移動可能に挿通された給水管と、
前記電気部品に接続されたケーブルと、
前記環状部材の環状内側に配設されたベース部品とを備え、
前記電気部品のケーブルが前記環状部材の内部に配線された水栓であって、
前記環状部材は、右側壁及び左側壁が下方に向かうに従って幅狭となるように構成され、
前記ベース部品は、前記ベース部品の外周に前記電気部品に接続されたケーブルを保持する保持部が設けられ且つ前記環状部材の内部において、ベース部品を取り付ける取付本体部を備えるとともに、ベース部品を環状部材の環状内側において移動することを阻止するための断面円弧状のガイド部が突設され、
前記取付本体部は、環状部材のほぼCの字状に湾曲した形状に沿った正面視円弧状に形成されており、
前記ベース部品は、周方向規制部として機能する断面円弧状のガイド部が、取付本体部の幅方向の端部から突設され、前記ガイド部が幅狭となった環状部材の右側壁及び左側壁に当接することによって回転しなくなる周方向規制部を構成し、
前記ベース部品は、環状部材の貫通孔に嵌合される電気部品側の先端の電気部品取付部とケーブルを固定するベース部品の後端部とを離して形成され、
前記ベース部品のガイド部は、吐水ヘッド側から離れるに従ってその径が短くなるテーパー状の環状部材の内部において、吐水ヘッド側から離れるに従って環状部材の内側に引っ掛かり環状部材の長手方向への移動を規制する長手方向規制部が形成され、
前記ベース部品は、前記環状部材の環状内側における長さが、取付本体部における電気部品側の先端と環状部材の後端側の後端との間の円弧に対応する中心角が120度を超える長さに形成された、
水栓装置。
【請求項3】
湾曲部分を有する環状部材と、
前記環状部材の先端に設けられた吐水ヘッドと、
前記環状部材及び/又は吐水ヘッドに取り付けられる電気部品と、
前記吐水ヘッドに連結されるとともに、前記環状部材の内部に出し入れ移動可能に挿通された給水管と、
前記電気部品に接続されたケーブルと、
前記環状部材の環状内側に配設されたベース部品とを備え、
前記電気部品のケーブルが前記環状部材の内部に配線された水栓であって、
前記環状部材は、右側壁及び左側壁が下方に向かうに従って幅狭となるように構成され、
前記ベース部品は、前記ベース部品の外周に前記電気部品に接続されたケーブルを保持する保持部が設けられ且つ前記環状部材の内部において、ベース部品を取り付ける取付本体部を備えるとともに、ベース部品を環状部材の環状内側において移動することを阻止するための断面円弧状のガイド部が突設され、
前記取付本体部は、環状部材のほぼCの字状に湾曲した形状に沿った正面視円弧状に形成されており、
前記ベース部品は、周方向規制部として機能する断面円弧状のガイド部が、取付本体部の幅方向の端部から突設され、前記ガイド部が幅狭となった環状部材の右側壁及び左側壁に当接することによって回転しなくなる周方向規制部を構成し、
前記ベース部品は、環状部材の貫通孔に嵌合される電気部品側の先端の電気部品取付部とケーブルを固定するベース部品の後端部とを離して形成され、
前記ベース部品のガイド部は、吐水ヘッド側から離れるに従ってその径が短くなるテーパー状の環状部材の内部において、吐水ヘッド側から離れるに従って環状部材の内側に引っ掛かり環状部材の長手方向への移動を規制する長手方向規制部が形成され、
前記ベース部品は、ケーブルがベース部品の後端方向に引っ張られたときに、ベース部品のガイド部が環状部材の内部に引っかかり、ケーブルにかかる負荷を逃がすように構成されていることを特徴とする、水栓装置。
【請求項4】
前記ベース部品は、取付本体部の先端部分に、電気部品を取り付けるためのベース部が連設され、ベース部の幅方向における端縁に、電気部品を取り付けるための電気部品取付部が形成されている、請求項1ないし3のいずれかに記載の水栓装置。
【請求項5】
前記ベース部品は、環状部材の内部において、環状部材の内面とベース部品との間の空間にケーブルが配線されるように構成され、前記ベース部品のガイド部を避けた位置であって、取付本体部の上部にケーブル固定部たる突出部及びケーブル係止部を備え、
前記突出部は、吐水ヘッド側及び吐水ヘッドとは離れる後端近傍に設けられ、
前記ケーブル係止部は、吐水ヘッドとは離れる側の後端近傍に突設された、請求項1ないし4のいずれかに記載の水栓装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水栓装置に関し、特に、例えばカウンター等取付基体の表側に配置される水栓の本体部が、吐水管を有する取付装置により取付基体に取付固定される形態の水栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、センサーを設けた水栓は、パイプ形状のものに横穴を開けて、その横穴からセンサーを外にさす構造のものがある。
この従来の水栓において、パイプの中に別途位置決めを設けず、横穴に嵌合させたセンサー部を、位置決めとすることにより、構造をシンプルにすることが考えられる。
ところが、パイプ内のセンサー部は、シンクの下の電源や電磁弁、もう一方の基板などとケーブルで結ぶ構造となるが、そのケーブルはシンク下で外部に露出する構造となる。そのために、施工時や使用時に誤ってケーブルが引っ張られると、センサー部分に余分な負荷がかかる事になる。センサー部分に余分な負荷がかかると、ケーブルの切断、基板の故障を防止するためにケーブルを途中で固定しておくことが望ましい。そのとき構造を簡単にするためには、センサー部をベース部品22の端部などに固定するのが望ましい。しかしながら、その構造にすると、今度はパイプの横穴と嵌合している部品に余分な負荷がかかることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-144330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は上記事情に鑑みなされたもので、ケーブルにかかる負荷がセンサー、基板及び横穴との嵌合部分にかかることなく、悪影響を与えることのない、水栓装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかる水栓装置は、
湾曲部分を有する環状部材と、
前記環状部材の先端に設けられた吐水ヘッドと、
前記環状部材及び/又は吐水ヘッドに取り付けられる電気部品と、
前記吐水ヘッドに連結されるとともに、前記環状部材の内部に出し入れ移動可能に挿通された給水管と、
前記電気部品に接続されたケーブルと、
前記環状部材の環状内側に配設されたベース部品とを備え、
前記電気部品のケーブルが前記環状部材の内部に配線された水栓であって、
前記環状部材は、右側壁及び左側壁が下方に向かうに従って幅狭となるように構成され、
前記ベース部品は、前記ベース部品の外周に前記電気部品に接続されたケーブルを保持する保持部が設けられ且つベース部品を環状部材の環状内側において移動することを阻止する長手方向規制部として作用する取付本体部が設けられるとともに、周方向規制部として機能する断面円弧状のガイド部が、取付本体部の幅方向の端部から突設され、幅狭となった環状部材の右側壁及び左側壁に当接することによって回転しなくなるように形成され、
前記取付本体部は、環状部材のほぼCの字状に湾曲した形状に沿った正面視円弧状に形成されており、
前記ベース部品は、電気部品側の先端の電気部品取付部とケーブルを固定するベース部品の後端部とを離して形成され、
前記ベース部品は、前記環状部材の環状内側における長さが、取付本体部における電気部品側の先端と環状部材の後端側の後端との間の円弧に対応する中心角が120度を超える長さに形成された、
水栓装置である。
本発明にかかる水栓装置は、
湾曲部分を有する環状部材と、
前記環状部材の先端に設けられた吐水ヘッドと、
前記環状部材及び/又は吐水ヘッドに取り付けられる電気部品と、
前記吐水ヘッドに連結されるとともに、前記環状部材の内部に出し入れ移動可能に挿通された給水管と、
前記電気部品に接続されたケーブルと、
前記環状部材の環状内側に配設されたベース部品とを備え、
前記電気部品のケーブルが前記環状部材の内部に配線された水栓であって、
前記環状部材は、右側壁及び左側壁が下方に向かうに従って幅狭となるように構成され、
前記ベース部品は、前記ベース部品の外周に前記電気部品に接続されたケーブルを保持する保持部が設けられ且つ前記環状部材の内部において、ベース部品を取り付ける取付本体部を備えるとともに、ベース部品を環状部材の環状内側において移動することを阻止するための断面円弧状のガイド部が突設され、
前記取付本体部は、環状部材のほぼCの字状に湾曲した形状に沿った正面視円弧状に形成されており、
前記ベース部品は、周方向規制部として機能する断面円弧状のガイド部が、取付本体部の幅方向の端部から突設され、前記ガイド部が幅狭となった環状部材の右側壁及び左側壁に当接することによって回転しなくなる周方向規制部を構成し、
前記ベース部品は、環状部材の貫通孔に嵌合される電気部品側の先端の電気部品取付部とケーブルを固定するベース部品の後端部とを離して形成され、
前記ベース部品のガイド部は、吐水ヘッド側から離れるに従ってその径が短くなるテーパー状の環状部材の内部において、吐水ヘッド側から離れるに従って環状部材の内側に引っ掛かり環状部材の長手方向への移動を規制する長手方向規制部が形成され、
前記ベース部品は、前記環状部材の環状内側における長さが、取付本体部における電気部品側の先端と環状部材の後端側の後端との間の円弧に対応する中心角が120度を超える長さに形成された、
水栓装置である。
本発明にかかる水栓装置は、
湾曲部分を有する環状部材と、
前記環状部材の先端に設けられた吐水ヘッドと、
前記環状部材及び/又は吐水ヘッドに取り付けられる電気部品と、
前記吐水ヘッドに連結されるとともに、前記環状部材の内部に出し入れ移動可能に挿通された給水管と、
前記電気部品に接続されたケーブルと、
前記環状部材の環状内側に配設されたベース部品とを備え、
前記電気部品のケーブルが前記環状部材の内部に配線された水栓であって、
前記環状部材は、右側壁及び左側壁が下方に向かうに従って幅狭となるように構成され、
前記ベース部品は、前記ベース部品の外周に前記電気部品に接続されたケーブルを保持する保持部が設けられ且つ前記環状部材の内部において、ベース部品を取り付ける取付本体部を備えるとともに、ベース部品を環状部材の環状内側において移動することを阻止するための断面円弧状のガイド部が突設され、
前記取付本体部は、環状部材のほぼCの字状に湾曲した形状に沿った正面視円弧状に形成されており、
前記ベース部品は、周方向規制部として機能する断面円弧状のガイド部が、取付本体部の幅方向の端部から突設され、前記ガイド部が幅狭となった環状部材の右側壁及び左側壁に当接することによって回転しなくなる周方向規制部を構成し、
前記ベース部品は、環状部材の貫通孔に嵌合される電気部品側の先端の電気部品取付部とケーブルを固定するベース部品の後端部とを離して形成され、
前記ベース部品のガイド部は、吐水ヘッド側から離れるに従ってその径が短くなるテーパー状の環状部材の内部において、吐水ヘッド側から離れるに従って環状部材の内側に引っ掛かり環状部材の長手方向への移動を規制する長手方向規制部が形成され、
前記ベース部品は、ケーブルがベース部品の後端方向に引っ張られたときに、ベース部品のガイド部が環状部材の内部に引っかかり、ケーブルにかかる負荷を逃がすように構成されていることを特徴とする、水栓装置である。
本発明にかかる水栓装置は、
前記ベース部品が、取付本体部の先端部分に、電気部品を取り付けるためのベース部が連設され、ベース部の幅方向における端縁に、電気部品を取り付けるための電気部品取付部が形成されていることが好ましい。
本発明にかかる水栓装置は、
前記ベース部品が、環状部材の内部において、環状部材の内面とベース部品との間の空間にケーブルが配線されるように構成され、前記ベース部品のガイド部を避けた位置であって、取付本体部の上部にケーブル固定部たる突出部及びケーブル係止部を備え、
前記突出部が、吐水ヘッド側及び吐水ヘッドとは離れる後端近傍に設けられ、
前記ケーブル係止部が、吐水ヘッドとは離れる側の後端近傍に突設されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0006】
この発明によれば、より簡単な構造で、ケーブルにかかる負荷を、基板、センサー及び横穴との嵌合部などに悪影響を与えず、水栓構造を構成するその他の部分に逃がすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態である水栓装置を示す斜視図解図である。
図2図1図示実施の形態のベース部品と電気部品とケーブル等を示す断面図解図 である。
図3】キャビネットに取り付けられた水栓装置の一部を断面とした図解図である。
図4】キャビネットに取り付けられた水栓装置の断面図解図である。
図5】吐水管の要部を示す断面図解図である。
図6】(A)は、図2A-A断面図解図、(B)は、図2B-B断面図解図である。
図7】(A)は、図2C-C断面図解図、(B)は、図2D-D断面図解図である。
図8】電気部品を取り付けたベース部品の斜視図解図である。
図9】電気部品を取り付けたベース部品の斜視図解図である。
図10】ベース部品、電気部品及びホースガイドを示す図であり、(A)は、平面 図解図であり、(B)は、底面図解図である。
図11】ベース部品及び電気部品の面図解図である。
図12】ベース部品に電気部品取り付ける方法を示す平面図解図である。
図13】水栓装置の面図解図である。
図14】吐水管と吐水ヘッドとの関係を示す断面図解図である。
図15】ベース部品の構造を示す正面略図である。
図16】水栓装置の図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に本発明に係るキッチン用の自動水栓に適用した実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
本発明にかかる水栓装置10は、湾曲部分を有する環状部材12と、
前記環状部材12の先端に設けられた吐水ヘッド14と、
前記環状部材12及び/又は吐水ヘッド14に取り付けられる電気部品16と、
前記吐水ヘッド14に連結されるとともに、前記環状部材12の内部に出し入れ移動可能に挿通された給水管18と、
前記電気部品16に接続されたケーブル20と、
前記環状部材12の環状内側に配設されたベース部品22とを備え、
前記電気部品16のケーブル20が前記環状部材12の内部に配線された水栓である。
【0009】
キッチンのキャビネット200は、カウンター(取付基台)202であり、このカウンター202の上に起立する状態で水栓装置10の本体部180と吐水管186とが設けられている。吐水管186は、図2に示しているように、ほぼCの字状に湾曲している、グースネック形状を形成している。
【0010】
吐水管186は、湾曲部分を有する環状部材12と、前記環状部材12の先端に着脱可能に設けられた吐水ヘッド14とを有している。
図2に示すように、吐水管186の先端側の内部には、電気部品16としての第1切換装置30,第2切換装置40,第3切換装置50及び連結部品60が配置されている。
電気部品16は、環状部材12に設けられ、水栓使用者の人体、指等の物体を非接触又は接触により検出するセンサ部を構成する基板を備えている。
電気部品16は、環状部材12の先端側の上部に形成された貫通孔190に嵌合されるとともに、貫通孔190を通じて、その一部が環状部材12の外面側に露出している。
【0011】
また、電気部品16は、センサ部を構成する基板等に接続されて、センサ部等による検出に基づく信号の伝達やセンサ部等に電力を供給するケーブル20に接続されている。
ケーブル20は、第3切換装置50を取り付ける第3取付部106の環状部材12の内部を通り、カウンタ202の下部において、所定の弛みを持たせた状態で、カウンタ202(図示略)に設けられた電源基板212及びACアダプタ214にそれぞれ接続されている。
【0012】
前記ベース部品22は、前記ベース部品22の外周に前記ケーブル20を保持するとともにベース部品22を環状部材12の環状内側において移動をすることを阻止するための取付本体部80が設けられるとともに、ベース部品22を環状部材12の環状内側において移動をすることを阻止するためのガイド部82が設けられている。
前記ベース部品22の取付本体部80及びガイド部82は、吐水ヘッド14から離れるに従ってその径が短くなるテーパー状の環状部材12の内部において、吐水ヘッド14から離れるに従って環状部材12の内側に引っ掛かり環状部材12の長手方向への移動を規制する長手方向規制部を構成している。
【0013】
前記ベース部品22は、前記環状部材12の内部において、ベース部品22を取り付ける取付本体部80を備え、前記取付本体部80は、前記長手方向規制部として作用する。
前記ベース部品22は、前記取付本体部80には、前記環状部材12の内部に当接して長手方向規制部として作用する断面円弧状のガイド部82が幅方向の端部から突設されている。
前記ベース部品22は、環状部材12のほぼCの字状に湾曲した形状に沿った正面視円弧状の取付本体部80を形成されている。
【0014】
前記ベース部品22は、電気部品16側の先端と環状部材12の後端側(すなわち水栓の本体部180に取り付けられる側)の後端との間における取付本体部80の円弧に対応する中心角が90度を超えるように形成されている。
ベース部品22は、環状部材12の孔の中における長さを、電気部品16側の先端と環状部材12の後端側の後端との間の正面視円弧に対応する中心角が120度を超える長さにすることにより、環状部材12の貫通孔190に嵌合される電気部品16の電気部品取付部120とケーブル20を固定するベース部品22の後端部とを離して、環状部材12の内径に沿ったガイド部82が設けられている。ベース部品22のその構成により、ケーブル20がベース部品22の後端方向に引っ張られた時には、ベース部品22のガイド部82が環状部材12の内部に引っかかり、環状部材12側に負荷を逃がすことができる。
【0015】
ケーブル20は、電力が供給される給電線、センサ部を構成する基板等による検出に基づく電気信号が伝達される信号線等の複数の電線を並列状態でモールドして、円形ないしは扁平形状に形成されている。
また、ケーブル20は、連結部品60に接続される側の第1コードと、電源基板212及びACアダプタ214に接続される側の第2コードとを含み、各コードの端部と連結部品60とが接続され、連結部品60と第3切換装置50との間、第3切換装置50と第2切換装置40との間、第2切換装置40と第1切換装置30との間が、接続部品50a、40a及び30aにより接続されている。
【0016】
電気部品16のセンサ部等により水栓使用者の人体、指等の物体が非接触又は接触により検出されると、その検出に基づく信号がケーブル20を介して電磁弁ユニット210に伝達される。そして、センサ部等により検出された電気信号に基づいて、電磁弁ユニット210が動作して、吐水管186からの吐止水が切換えられる。
【0017】
図4に示すように、吐水管186の環状部材12の内部において、ケーブル20は、環状部材12の内面とベース部品22との間の空間に配線されている。また、図2に示すように、ケーブル20は、環状部材12の湾曲部分の内部におけるベース部品22の取付本体部80の側方に配設された連結部品60に接続するように、配設される。すなわち、環状部材12の湾曲部分の上側から下方に下がった位置において、連結部品60が位置するように、ベース部品22のベース部100の上面で、ガイド部82を避けた位置に配設されている。
【0018】
図2及び図9に示すように、本実施形態の水栓装置10は、上記の特定位置にケーブル20が配線されるように、ケーブル20をベース部品22の外周に保持させるケーブル保持部90を備えている。ケーブル保持部90は、ベース部品22の取付本体部80の上部に形成されたケーブル固定部たる突出部92及びケーブル係止部94を含み、環状部材12の環状内側の上方に位置するように形成されている。
【0019】
ベース部品22は、取付本体部80の上面において、吐水ヘッド14側及び吐水ヘッド14とは離れる側の後端近傍(水栓の本体部180に取り付けられる側の近傍)にケーブル20を固定するケーブル保持部90を構成する突出部92が設けられている。又、吐水ヘッド14とは離れる側の後端近傍にケーブル20を固定するケーブル保持部90を構成するケーブル係止部94が突設されている。
ケーブル20を固定するケーブル保持部90を構成する突出部92は、一対の脚部96a及び96bの上に架設部96cがかけ渡された断面Cの字型であり、脚部96aと脚部96bとの間に、結束バンド、紐等を通して、ケーブル20を結わえて止めるように構成されている。
ケーブル20を固定するケーブル保持部90を構成するケーブル係止部94は、脚部98aの上部に脚部98aより大経の頭部98bが突設されており、脚部98aにケーブル20を係止することができるように構成されている。
【0020】
前記した取付状態において、ベース部品22の取付本体部80の吐水ヘッド14側の上面に形成されたケーブル保持部90にケーブル20が適宜紐などで結わえ付けられ、連結部品60に連結されたケーブル20の端部と、ケーブル保持部90に固定されたケーブル20の部位との間が一定の距離に固定され、その間のケーブル20の長さが変化することがないように形成されている。
【0021】
更に、ケーブル20は、ベース部品22の取付本体部80に形成されたケーブル保持部90に、紐等で、結わえ付けられた後に、2本のケーブル係止部94の周りに周回させて係止させる。
この実施の形態においては、一方のケーブル係止部94の周りに周回させた後に、反転させて2本のケーブル係止部94の間を通し、他方のケーブル係止部94の周りを周回させて反転させ、ベース部品22の後端側のケーブル保持部90に、紐等で結わえ付けた後に、キャビネット200の中の電源基板212に、連結する。
従って、ケーブル20を配設した状態で、ベース部品22を環状部材12の中に挿入するとき、例え、ケーブル20を引っ張っても、ケーブル20は、ベース部品22に固定され、且つ、ベース部品22は後端に向かうに従って、先細になっているために環状部材12に適宜な位置で固定することができる。
それゆえに、ケーブル20が、連結部品60との連結部位で、連結部品60から離れることがない。
【0022】
ベース部品22は、環状部材12の環状内側に、環状部材12の吐水ヘッド14側の第一端部側の開口部から取付本体部80を挿入することにより、環状部材12に取り付けられる。
ベース部品22を、環状部材12の環状内側の中央付近において取付本体部80を位置させて、且つ、ガイド部82を環状部材12の環状内側の下に位置させて、吐水ヘッド14から離れる側である後端方向に挿入する。
ベース部品22は、環状部材12の吐水ヘッド14から離れる側である後端である第二端部側の開口部に近くに従って、取付本体部80が幅狭となった環状部材12の内周壁面に当接し、環状部材12の長手方向の適宜な位置において固定され、且つベース部品22のガイド部82が環状部材12の下側の右側壁12a及び左側壁12bに当接することにより、環状部材12の主方向における適宜な位置において固定される。
【0023】
上記の取り付け状態においては、環状部材12の環状内側における平面視左右の端部側に、ベース部品22の取付本体部80幅方向における端部及び他端部が当接することにより、環状部材12に対するベース部品22の長手方向の一方側(環状部材12の吐水ヘッド14から離れる側の後端側)への移動が規制される。
そして、環状部材12の環状内側における下側の右側壁12a及び下側の左側壁12b側に、ベース部品22のガイド部82が当接すること、及びベース部品22のガイド部82が当接することにより、環状部材12に対するベース部品22の周方向の方側(環状部材12の下方側)への移動が規制される。
【0024】
すなわち、ベース部品22は、環状部材12の右側壁12a及び左側壁12bが下方に向かうに従って幅狭となること及びベース部品22のガイド部82が幅狭となった環状部材12の右側壁12a及び左側壁12bに当接することによって回転しなくなるために、周方向規制部として機能する。
又、環状部材12の内周壁が吐水ヘッド14から離れるに従って幅狭となるテーパー状であるために、ベース部品22のケーブル保持部90が環状部材12の内周壁面に当接することによって、環状部材12に対するベース部品22の軸方向(長さ方向)の移動が規制される長手方向規制部として機能する。
したがって、本実施形態においては、環状部材12の右側壁12a及び左側壁12b並びにベース部品22のガイド部82が周方向規制部として機能する。
また、環状部材12における後部側に、ベース部品22の取付本体部80が当接することにより、環状部材12に対するベース部品22の軸方向(長さ方向)の移動を規制する、長手方向規制部として機能する。
【0025】
ベース部品22の取付本体部80の下部には、給水管18の吐水ヘッド14側の端部の近傍を保持するホースガイド86が付設されている。ホースガイド86は、環状部材12の内側において、給水管18が吐水ヘッド14の側に出入できるように給水管18を保持する。給水管18の吐水ヘッド14側には、吐水ヘッド14を構成するシャワーヘッドが連結されている。吐水ヘッド14と給水管18との連結部分は、給水管18がホースガイド86に収納された状態のとき、ほぼ環状部材12の先端すなわち第1切換装置30が位置する先端部分に位置するように構成されている。
【0026】
環状部材12は、吐水ヘッド14側に、平面視方形の貫通孔190が、手前側と向こう側とに前後一対穿設されている。
貫通孔190は、吐水ヘッド14側の第1貫通孔192と、第1貫通孔192より向こう側の第2貫通孔194とを備える。特に、第2貫通孔194は、ベース部品22の長手方向において、第2切換装置40のボタン表面部材46の第1貫通孔192から突き出る部分の長さより、第2貫通孔194におけるベース部品22の長手方向の長さの方が僅かに長くなるように形成されている。
【0027】
環状部材12の先端には、第1切換装置30が設けられている。第1切換装置30は、例えば、発光部と受光部を有する赤外線式測距センサである。第1切換装置30は、発光部から吐水ヘッド14の吐水口70の下方に光を投光し、投光した光による使用者の手または食器等の被検知物からの反射光を受光部で受光し、所定の検知エリア内に被検知物があるか否かを検知する。第1切換装置30は、被検知物の検知結果を示す信号を、電源基板212の制御部に出力する。
【0028】
第1切換装置30は、光センサにより構成され、第1切換装置基板32が第1切換装置ケース34の中に収納され、第1切換装置ケース34は、連結部材をもってベース部100に固定されている。第1切換装置30は、人体の手または食器等を検知して、吐水と止水とを切り替えるように構成されている。
【0029】
第2切換装置40は、第1切換装置30が反応しないようにするためのスイッチであり、ボタンスイッチをもって構成されている。使用者から見て吐水ヘッド14の向こう側、かつ第3切換装置50よりも手前側には、押しボタン式の第2切換装置40が設けられている。第2切換装置40がオフにされているときは、第1切換装置30は作動せず、第1切換装置30の下方に物体が存在しても吐水口70から給水されることはない。
【0030】
第2切換装置40は、第2切換装置基板42、第2切換装置ケース44、及びボタン表面部材46を備える。
第2切換装置40は、ボタンスイッチの第2切換装置基板42が第2切換装置ケース44に取り付けられている。
第2切換装置ケース44は、第2切換装置基板42を覆うようにボタン表面部材46が移動可能に取り付けられている。
【0031】
ボタン表面部材46は、環状部材12の第1貫通孔192に、嵌装されている。第1貫通孔192に嵌装されたボタン表面部材46の外周縁と第1貫通孔192の開口縁との間には、若干の隙間がある。
第2切換装置ケース44のボタン表面部材46は、環状部材12に形成された第1貫通孔192より僅かに 突き出ている。
【0032】
第3切換装置50は、連続吐水と止水とを切り換えるセンサであり、光センサにより構成されている。光センサを構成する第3切換装置基板は、第3切換装置ケースに取り付けられている。なお、第1切換装置30では、検知エリア内で被検知物が検知されている間だけ、吐水口70から給水を行うように制御される。それに対し、第3切換装置50では、一旦検知エリア内で被検知物が検知されると、その後被検知物が検知されなくなっても吐水口70からの給水が継続される。検知エリア内でもう一度被検知物が検知されると、吐水口70からの給水が停止される。
【0033】
第3切換装置50は、第3切換装置基板52、第3切換装置ケース54を備える。
第3切換装置ケースの上面における平面視方形状の突出部が、第2貫通孔194に嵌装されるように構成されている。
第2貫通孔194に嵌装された第3切換装置ケースの突出部と第2貫通孔194の開口部との間には、殆ど隙間がないように構成されている。
第3切換装置50の突出部は、環状部材12に形成された第2貫通孔194より僅かに突き出ている。
【0034】
連結部品60は、コネクタの連結部品基板62及び連結部品ケース64を備える。
連結部品基板62は、制御プログラムを、外部装置から、第1切換装置30、第2切換装置40及び第3切換装置50の基板に送る機能を備える。
連結部品60は、環状部材12の内部に収納されている。
【0035】
第2切換装置40の第2切換装置ケース44の左右の両端縁には、電気部品16をベース部100に取り付けるための電気部品取付部120が形成されている。
電気部品取付部120は、第2切換装置40をベース部100に取り付ける第2取付部122と、第3切換装置50をベース部100に取り付ける第3取付部124と、連結部品60をベース部100に取り付ける第4取付部126とは、取り付け構造が異なっている。
【0036】
第2切換装置40をベース部100に取り付ける第2取付部122は、第2切換装置40を環状部材12の長手方向ないしは幅方向に若干移動可能に形成されている。
第2取付部122を構成する嵌め込み突部132の下側端部は、略円柱状の挟抱部を構
成し、その直径は、第2切換装置40を取り付ける嵌め込み受け部110を構成する、一対の挟抱片の挟抱部分の間隔よりも、若干小さい。
第2取付部122を構成する嵌め込み突部132の上側端部は、U字型の柱状で、下側端部よりその幅は狭く、一対の挟抱片の開口部に挿入し易く形成している。
【0037】
一方、第3切換装置50をベース部100に取り付ける第3取付部124及び連結部品60をベース部100に取り付ける第4取付部126は、ベース部100の上において第3切換装置50及び連結部品60を移動しないように形成されている。
第3取付部124を構成する嵌め込み突部134及び第4取付部126を構成する嵌め込み突部136の中央部は、略円柱状の挟抱部を構成し、その直径は、第3切換装置50を取り付ける第3取付部の嵌め込み受け部112及び連結部品60を取り付ける第4取付部の嵌め込み受け部114を構成する、1対の挟抱片の挟抱部分の間隔と略同じである。
第3取付部124を構成する嵌め込み突部134及び第4取付部126を構成する嵌め込み突部136の上下端部は、U字型の柱状で、中央部よりその幅は短く、一対の挟抱片の開口部に挿入し易く形成している。
【0038】
ベース部品22は、取付本体部80の先端部分に、電気部品16を取り付けするためのベース部100が連設されている。
ベース部100の幅方向における端縁に、電気部品16を取り付けるための電気部品取付部102が形成されている。電気部品取付部102は、第2切換装置40を取り付ける第2取付部104と、第3切換装置50を取り付ける第3取付部106と、連結部品60を取り付ける第4取付部108とは、その構造が異なっている。
【0039】
第2切換装置40を取り付ける第2取付部104は、第2切換装置40を、環状部材12の長手方向ないしは幅方向に若干移動可能に取り付けられるように形成されている。第3切換装置50を取り付ける第3取付部106及び連結部品60を取り付ける第4取付部108は、第3切換装置50及び連結部品60を移動しないように形成されている。
【0040】
第2切換装置を取り付ける第2取付部104は、ベース部100より上方に向けて突き出された第2切換装置を取り付ける嵌め込み受け部110が、第2切換装置40の第2切換装置ケース44に突設された嵌め込み突部を緩合するように構成されている。
一方、第3切換装置を取り付ける第3取付部106は、ベース部100より上方に向けて突き出された第3切換装置を取り付ける嵌め込み受け部112が、第3切換装置50の第3切替装置ケース54に突設された嵌め込み突部を固定するように構成されている。
また、連結部品を取り付ける第4取付部108は、ベース部100より上方に向けて突き出された連結部品を取り付ける嵌め込み受け部114が、連結部品60の連結部品ケース64に突設された嵌め込み突部を固定するように構成されている。
【0041】
第2切換装置を取り付ける第2取付部104は、ベース部100より上方に向けて突き出された挟抱片を備えた第2切換装置の嵌め込み受け部110が、第2切換装置40の第2切換装置ケース44に突設された第2取付部122を構成する嵌め込み突部132を、緩合するように構成されている。
一方、第3切換装置50を取り付ける第3切換装置を取り付ける第3取付部106及び連結部品60を取り付ける連結部品を取り付ける第4取付部108は、ベース部100より上方に向けて突き出された挟抱片を備えた嵌め込み受け部112及び突き出された挟抱片を備えた嵌め込み受け部114が、第3切換装置50の第3切換装置ケース54に突設された第3取付部124を構成する嵌め込み突部134及び連結部品60の連結部品ケース64に突設された第4取付部126を構成する嵌め込み突部136を、固定するように構成されている。
【0042】
第2切換装置を取り付ける第2取付部104を形成する一対の挟抱片は、対向し、第2取付部122を構成する嵌め込み突部132を最初に受け入れる開口部分は狭く括れており、下側端頭部が中に入るに従って下側端部を挟み抱くように円弧状に広がった挟抱部分を備えている。
嵌め込み突部132は、第2切換装置を取り付ける第2取付部104を構成する左右1対の挟抱片の中に開口部より挿入されて、円弧状の挟抱部により挟持されて係合される。
第3切換装置を取り付ける第3取付部106を形成する一対の挟抱片は、対向し、第3取付部124を構成する嵌め込み突部134を最初に受け入れる開口部分は狭く括れており、下側端部が中に入るに従って下側端部を挟み抱くように円弧状に広がった挟抱部分を備えている。
嵌め込み突部134は、第3切換装置を取り付ける第3取付部106を構成する左右1対の挟抱片の中に開口部より挿入されて、円弧状の挟抱部により挟持されて係合される。
連結部品を取り付ける第4取付部108を形成する一対の挟抱片は、対向し、第4取付部126を構成する嵌め込み突部136を最初に受け入れる開口部分は狭く括れており、下側端部が中に入るに従って下側端部を挟み抱くように円弧状に広がった挟抱部分を備えている。
嵌め込み突部136は、連結部品を取り付ける第4取付部108を構成する左右1対の挟抱片の中に開口部より挿入されて、円弧状の挟抱部により挟持されて係合される。
【0043】
この実施の形態においては、挟抱片は、第2取付部122を構成する嵌め込み突部132、第3取付部124を構成する嵌め込み突部134、第4取付部126を構成する嵌め込み突部136が、第2切換装置40、第3切換装置50及び連結部品60の各ケース部の左右端縁において、前後一対ずつ配設されていることに対応して、ベース部100の左右端縁において、前後一対ずつ配設されている。
この実施の形態においては、挟抱片は、ベース部100に取り付けられる第2切換装置40と第3切換装置50と連結部品60との間の間隔に対応して、嵌め込み突部132と嵌め込み突部134と嵌め込み突部136との左右及び前後における間隔が設けられている。
【0044】
ベース部品22を環状部材12の環状部内に取り付けるとき、ベース部品22の後端側を、環状部材12の吐水ヘッド14側の開口部に挿入し、ベース部品22に固定された第3切換装置50を第2貫通孔194に嵌合させ、その後手前側の第2切換装置40を第1貫通孔192に緩挿させ、ベース部品22を環状部材12の所定位置に配設する。
【0045】
図2及び3に示しているように、キャビネット200の内部には一対の止水栓の間の位置においてバルブユニット(第1の本体部)(図示せず)が配設されている。
そしてこのバルブユニット(図示せず)の後述の水流入口に対して給水用の元配管(以下単に給水元管と略す)が止水栓(図示せず)、分岐継手(図示せず)及び接続ホース(図示せず)を介して接続されている。
また後述の湯流入口に対して給湯用の元配管(以下単に給湯元管と略す)が、止水栓(図示せず)及び接続ホース(図示せず)を介して接続されている。
このバルブユニットの水流出口及び湯流出口からは、水の供給管232及び湯の供給管230が上向きに延び出しており、それらの先端が上記の水栓の本体部180に接続されて、その水栓の本体部180に水,湯がそれぞれ供給されるようになっている。
【0046】
水栓の本体部180には、混合弁184(図4図示)が内蔵されていて、その混合弁184の下流部から水又は湯(混合弁184で温調された湯)を流出させる剛性の流出管234が下向きに延び出して、電磁弁ユニット210に接続されており、電磁弁ユニット210から延び出した可撓性の給水管18が環状部材12を介して上記の吐水ヘッド14に接続されている。
給水管18は、ストッパ242を外装されており、ストッパ242により所定の装置で停止できるように構成されており、それから上向きに延び出した後、環状部材12を挿通し吐水ヘッド14に接続されている。
【0047】
キャビネット200の内部には、第1切換装置30、第2切換装置40、第3切換装置50、連結部品60及び電磁弁ユニット210に、電力を供給する電源基板212が設けられている。
電源基板212は、第1切換装置30、第2切換装置40、第3切換装置50、連結部品60及び電磁弁ユニット210を制御する制御装置を備えている。電磁弁ユニット210と電源基板212とは、コード240で電気的に接続されている。
【0048】
図3及び4に示しているように、本実施形態においては、給水元管,給湯元管からの水,湯は、水の供給管232,湯の供給管230を通じて水栓の本体部180に内蔵された混合弁184に供給される。
供給された水と湯とはシングルレバーハンドル182の操作に基づいて所定比率で混合された上、同じくそのシングルレバーハンドル182の操作に基づいて決定された所定流量で、給水管18を通じ吐水ヘッド14に送られ、先端の吐水口70から吐水される。
ここでシングルレバーハンドル182は、左右回動操作によって水と湯との混合比率の調節即ち温度調節を行い、また上下回動操作によって流量調節を行う。
【0049】
以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0050】
10 水栓装置
12 環状部材
14 吐水ヘッド
16 電気部品
18 給水管
20 ケーブル
22 ベース部品
30 第1切換装置
32 第1切換装置基板
34 第1切換装置ケース
40 第2切換装置
42 第2切換装置基板
44 第2切換装置ケース
46 ボタン表面部材
50 第3切換装置
52 第3切換装置基板
54 第3切換装置ケース
60 連結部品
62 連結部品基板
64 連結部品ケース
70 吐水口
80 取付本体部
82 ガイド部
86 ホースガイド
90 ケーブル保持部
92 突出部
94 ケーブル係止部
96a 脚部
96b 脚部
96c 架設部
98a 脚部
98b 頭部
100 ベース部
102 電気部品取付部
104 第2切換装置を取り付ける第2取付部
106 第3切換装置を取り付ける第3取付部
108 連結部品を取り付ける第4取付部
110 第2切換装置を取り付ける第2取付部の嵌め込み受け部
112 第3切換装置を取り付ける第3取付部の嵌め込み受け部
114 連結部品を取り付ける第4取付部の嵌め込み受け部

120 電気部品取付部
122 第2取付部
124 第3取付部
126 第4取付部
132 嵌め込み突部
134 嵌め込み突部
136 嵌め込み突部
180 水栓の本体部
184 混合弁
182 シングルレバーハンドル
186 吐水管
190 貫通孔
192 第1貫通孔
194 第2貫通孔
200 キャビネット
202 カウンター
210 電磁弁ユニット
212 電源基板
214 ACアダプタ
230 湯の供給管
232 水の供給管
234 流出管
240 コード
242 ストッパ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16