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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-18
(45)【発行日】2022-05-26
(54)【発明の名称】酸性ガス処理
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/50 20060101AFI20220519BHJP
   B01D 53/14 20060101ALI20220519BHJP
   B01D 53/52 20060101ALI20220519BHJP
   B01D 53/75 20060101ALI20220519BHJP
   B01D 53/78 20060101ALI20220519BHJP
   C01B 17/04 20060101ALI20220519BHJP
   C01B 17/74 20060101ALI20220519BHJP
   C01B 17/60 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
B01D53/50 220
B01D53/14 210
B01D53/52 ZAB
B01D53/75
B01D53/78
C01B17/04 V
C01B17/74 D
C01B17/60 B
【請求項の数】 40
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019082510
(22)【出願日】2019-04-24
(65)【公開番号】P2020011229
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2020-02-19
(31)【優先権主張番号】201810804898.6
(32)【優先日】2018-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】16/191,852
(32)【優先日】2018-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518101495
【氏名又は名称】ジァンナン・エンバイロメンタル・プロテクション・グループ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】JIANGNAN ENVIRONMENTAL PROTECTION GROUP INC.
【住所又は居所原語表記】Harneys Fiduciary(Cayman)Limited, 4th Floor, Harbour Place, 103 South Church Street, P.O. Box 10240, Grand Cayman KY1-1002, Cayman Islands
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ルオ、ジン
(72)【発明者】
【氏名】キ、リファン
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0352489(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103822217(CN,A)
【文献】特開2018-009781(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102826572(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/34-53/73
53/74-53/85
53/92,53/96
53/14-53/18
C01B 15/00-23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸性ガスを処理する方法であって、
酸性ガスを受けることと、
前記酸性ガスから、硫酸アンモニウム及び放出基準を満たす最終テールガスを獲得することと、
を含み、
前記酸性ガスを前処理した後の酸性テールガスのエンタルピー値が、60kJ/kg~850kJ/kg(乾燥ガス)の範囲内で調整され、前記酸性テールガスのエンタルピー値(H)は、式:H=(1.01+1.88b)×t+2490bに従って計算され、ここで、tは酸性テールガスの温度(℃)であり、bは乾燥ガス中の水蒸気含有量(kg/kg(乾燥ガス))である、方法。
【請求項2】
前記前処理が、
前記酸性ガスから硫黄を回収して硫黄回収済テールガスを生成することと、
次いで、前記硫黄回収済ガスを焼却することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記前処理が、前記酸性ガスから硫酸を生成すること及び/又は焼却することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記酸性ガスを、石油化学の化学反応、天然ガス化学反応及び/又は石炭化学反応により供給することを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記前処理が、接触分解再生煙道ガスを発生させることを含み、
前記酸性テールガスが、前記再生煙道ガスを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記獲得が、調整済酸性テールガスを、全てアンモニア循環脱硫反応器内での、冷却段階、吸収段階及び水洗段階に通過させることを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記調整が、前記酸性テールガスの温度及び/又は前記酸性テールガスの湿度を変化させることを含み、及び/又は前記酸性テールガスから硫黄、ダスト及び/又は不純物を除去することを更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記調整により前記エンタルピー値が80~680kJ/kg(乾燥ガス)に調整される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記調整により前記エンタルピー値が100~450kJ/kg(乾燥ガス)に調整される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記調整により有機物含有量が30ppm以下の調整済酸性テールガスが生成する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記調整により元素硫黄及び硫化水素の含有量が30ppm以下の調整済酸性テールガスが生成する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記回収が、前記酸性ガスを、1段階、2段階若しくは3段階のClaus硫黄回収システム、液相接触酸化硫黄回収システム、生物学的硫黄回収システム、SuperClaus硫黄回収システム及び/又はEuroClaus硫黄回収システムに流すことを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記硫酸生成が湿式硫酸生成及び/又は乾式硫酸生成を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項14】
前記回収が、モル比HS/SOが1.2~3の範囲の硫黄回収済ガスを生成することを含む、請求項2又は12に記載の方法。
【請求項15】
前記焼却が、600℃~1300℃の範囲の温度で行われ、酸性テールガスを生成する、請求項2に記載の方法。
【請求項16】
前記焼却において、前記硫黄回収済テールガスの滞留時間が1秒~6秒の範囲である、請求項2又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記酸性テールガスの酸素含有量が2%~5%の範囲である、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記酸性テールガスの硫黄酸化物含有量が2000mg/Nm~150000mg/Nmの範囲の範囲である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記酸性テールガスの硫黄酸化物含有量が5000mg/Nm~55000mg/Nmの範囲の範囲である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記獲得が、アンモニア脱硫循環吸収液の懸濁物質含有量を200mg/L以下まで低下させることを含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記獲得が、アンモニア脱硫循環吸収液の油含有量を100mg/L以下まで低下させることを更に含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記酸性テールガスが、石油化学、天然ガス化学及び石炭化学の酸性ガスを硫黄回収+焼却、硫酸生成及び焼却等のプロセスによって処理した後に得られるか、又は前記酸性テールガスが、接触分解再生煙道ガスを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記酸性テールガスのエンタルピー値を初めに調節システムによって調整し、次いで前記酸性テールガスを後続のアンモニア脱硫プロセスに送り込む、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記方法が、
1)酸性ガスを、硫黄回収+焼却若しくは硫酸生成若しくは焼却によって処理するか、又は接触分解触媒再生プロセスによって直接処理することにより、酸性テールガスを得ることと、
2)前記酸性テールガスを調節システムに送り込み、前記酸性テールガスのエンタルピー値を80~680kJ/kg(乾燥ガス)の範囲内に調整することと、
3)前記エンタルピー値要件を満たす前記酸性テールガスを、処理のためにアンモニア脱硫プロセスに送り込み、最終テールガスが多段階循環吸収によって放出基準を満たすという目的を達成することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記テールガスのエンタルピー値を100~450kJ/kg(乾燥ガス)の範囲内に調整する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
請求項1に記載の酸性ガスを処理する方法を行うための装置であって、
酸性ガス前処理システムと、
調節システムと、
前記酸性ガス前処理システムと流体連通したアンモニア脱硫システムと、
を備え、
前記酸性ガス前処理システムと、前記調節システムと、前記アンモニア脱硫システムとが、下流方向に沿って連続して接続され、
前記酸性ガス前処理システムが、硫黄回収システム+焼却システム、硫酸生成システム、及び/又は接触分解触媒再生システムを含み、
前記アンモニア脱硫システムが、アンモニア含有吸収液を循環させるように構成され、
前記調節システムが、前記調節システム内のガス温度を調節するように構成された温度調節器及び/又は前記調節システム内のガス湿度を調節するように構成された湿度調節器を含み、
前記調節システムが、酸性テールガスのエンタルピー値を、60kJ/kg~850kJ/kg(乾燥ガス)に調整し、前記酸性テールガスのエンタルピー値(H)は、式:H=(1.01+1.88b)×t+2490bに従って計算され、ここで、tは酸性テールガスの温度(℃)であり、bは乾燥ガス中の水蒸気含有量(kg/kg(乾燥ガス))である、装置。
【請求項27】
前記硫黄回収システムが、1段階、2段階若しくは3段階のClaus硫黄回収システム、液相接触酸化硫黄回収システム、又は生物学的硫黄回収システムを含む、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記硫黄回収システムが、前記Claus硫黄回収システムと流体連通した、SuperClaus硫黄回収システム、EuroClaus硫黄回収システム、生物学的硫黄回収システム又は液相接触酸化硫黄回収システムを更に含む、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記調節システムが、前記アンモニア脱硫システムと流体連通している、請求項26~28のいずれか一項に記載の装置。
【請求項30】
前記アンモニア脱硫システムと流体連通した、硫黄除去デバイス、ダスト除去装置及び/又は不純物除去装置を更に備える、請求項26~29のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
前記調節システムにおいて、前記温度調節器と、前記湿度調節器と、前記硫黄除去デバイスとが、下流方向に連続して接続される、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記アンモニア脱硫システムが、
前記吸収液を受けるように構成された濃縮デバイスと、
前記吸収液中に懸濁している固体を回収するように構成された固液分離デバイスと、
回収された前記固体を乾燥させるように構成された乾燥デバイスと、
を含む吸収液処理システムを含む、請求項26~31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
前記吸収液処理システムが、前記固液分離デバイスと流体連通し且つ操作上その下流方向に配置される浄液デバイスを更に含む、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記吸収液処理システムが、前記濃縮デバイス及び前記固液分離デバイスに流体連通し、且つ操作上、前記濃縮デバイスの下流且つ前記固液分離デバイスの上流に配置される蒸発結晶化デバイスを更に含む、請求項32又は33に記載の装置。
【請求項35】
前記浄液デバイスが、前記固液分離デバイスと流体連通した、油除去デバイス及び/又は懸濁物質除去デバイスを含む、請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前記懸濁物質除去デバイスが、懸濁物質含有量が200mg/L以下の循環吸収液を生じるように構成される、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記油除去デバイスが、前記固液分離デバイスと流体連通した、空気浮上デバイス、吸着デバイス及び/又は精密濾過デバイスを含む、請求項35又は36に記載の装置。
【請求項38】
前記油除去デバイスが、油含有量が100mg/L以下の循環吸収液を生じるように構成される、請求項35~37のいずれか一項に記載の装置。
【請求項39】
前記油除去デバイスが前記焼却システムに接続される、請求項35~38のいずれか一項に記載の装置。
【請求項40】
前記油除去デバイスが、前記焼却システムと流体連通し且つ操作上その上流に配置される、請求項39に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年7月20日に出願された中国特許出願第201810804898.6号の米国特許法第119条に基づく優先権を主張し、この出願の内容は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は石油化学産業、天然ガス化学産業、石炭化学産業及び他の産業の製造プロセスにおけるアンモニア脱硫プロセスを用いた酸性硫化物ガス(例えば硫化水素、二酸化硫黄、COS、CS等)の除去に関する。本開示は特に、アンモニア脱硫プロセスを酸性テールガスの処理に用いることで、最終テールガスが多段階循環吸収によって放出基準を満たすという目的を達成し、特に、酸性テールガスのエンタルピー値を初めに調節システムによって調整し、次いで酸性テールガスを後続のアンモニア脱硫プロセスに送り込む、酸性ガスの処理に関する。本開示は石油化学産業、天然ガス化学産業、石炭化学産業等の技術分野に適用することができる、対応する酸性ガスを処理するデバイスに更に関する。
【背景技術】
【0003】
酸性ガスは、石油化学産業、天然ガス化学産業、石炭化学産業、シェール油化学産業及びシェールガス化学産業等に由来する、特に硫化水素、硫黄酸化物、有機硫黄等のような硫黄含有物質を含むプロセスガスを指す。酸性ガス中の有害成分は主に、硫化水素、二酸化硫黄、COS、CS等であり、高濃度のHS(概して、石油化学産業については70%~95%、天然ガス化学産業については30%~80%、石炭化学産業については20%~50%)を含み、放出基準を満たすために処理する必要がある。
【0004】
硫化物含有酸性ガスの処理技術については従来のClaus+水素化還元吸収再生(低温SCOT)技術、硫酸を生成する乾式プロセス、焼却+テールガス脱硫技術、硫酸を生成する湿式プロセス、従来のClaus+Super(Euro)Claus技術、従来のClaus+テールガス焼却+テールガス脱硫技術、従来のClaus+接触酸化、従来のClaus+生物学的脱硫等のような様々な方法があるが、最も一般的に用いられている技術は、従来のClaus+水素化還元吸収再生技術である。
【0005】
Claus硫黄回収段階では、硫化水素の85%~99%が硫黄に変換され、15%未満の硫化物が水素化によって還元され、吸収され、再生されてHSが得られ、Claus硫黄回収デバイスに戻される。
【0006】
しかしながら、上記の処理後であっても、依然として酸性ガスが環境基準を満たすことは困難であり、直接放出することができず、更なる処理が必要とされる。更なる処理技術としては、アルカリ法によるテールガス脱硫、テールガス生物脱硫(bio-desulfurization)、Cansolv等が挙げられる。環境中に放出される硫黄の基準が厳しくなるにつれ、規定の硫黄回収率が99.9%以上に達し、テールガス中の硫黄酸化物濃度を100mg/Nm又は更には50mg/Nm未満に制御することが必要となる可能性がある。
【0007】
しかしながら、概して、既存のプロセスは多額の投資、高い運転コスト及び汚染物質の高い排出濃度を有し、又は更には、特に起動時及び停止時に放出基準を満たすことが困難である。
【0008】
特許文献1は、ナトリウム法脱硫を用い、同時に副生成物である亜硫酸ナトリウムを回収し、煙道ガスを脱硫前に脱酸する高濃度煙道ガス脱硫方法を開示している。処理前の煙道ガス中の二酸化硫黄の濃度は10000mg/m~100000mg/mの範囲であり、酸素含有量は2000mg/m~10000mg/mの範囲であり、処理後の煙道ガス中の二酸化硫黄の濃度は200mg/m未満である。一般的な亜硫酸ナトリウム法と比較すると、この方法における脱酸工程では、流出物として二酸化硫黄の一部を低値低濃度硫酸へと変換する必要があり、煙道ガス中の二酸化硫黄の回収率は低下する。さらに、この方法では完全に脱酸することが困難であり、生成物である亜硫酸ナトリウムの純度は低く、この方法は多額の投資及び高い運転コストを有する。
【0009】
特許文献2は、脱流済テールガス及び硫黄生成物を得るためにClausテールガスの生物学的脱硫に用いられる生物学的脱硫技術を開示している。主要プロセスは以下の通りである:テールガスを吸収機に導入し、リーンソルベント(lean solvent)と接触させて脱流済テールガス及びリッチソルベント(rich solvent)を得て、リッチソルベントをバイオリアクターデバイスに導入し、そこで溶解硫化水素を生物学的に酸化して、硫黄生成物及びリーンソルベントを得る。テールガス中の硫化水素を10ppm未満とすることができる。この方法は多額の投資、困難な操作及び廃液放出を有し、連続的な安定した生物活性を保つことが困難である。
【0010】
特許文献3は、以下のようなCansolvプロセスフローを説明している:二酸化硫黄の濃度は7×10-4~5×10-3であり、有機アミン液の質量濃度は20%以上であり、吸収液の温度は10℃~50℃であり、1000gの吸収液当たりに吸収される二酸化硫黄は100g超であり、脱着温度は70℃~90℃であり、1gの二酸化硫黄の脱着につき4g~10gの蒸気が消費される。この方法は多額の投資、廃酸放出及び高いエネルギー消費を有する。
【0011】
特許文献4は、二酸化硫黄、酸素及び水を含有するClausプロセスのテールガスを、多孔質炭素脱硫剤で満たされた反応器に連続して添加し、30℃~150℃の反応温度で、テールガス中の二酸化硫黄及び水が多孔質炭素の表面上で接触酸化反応を受けて硫酸を生じ、同時に再生洗浄剤(regeneration detergent)を反応器に連続して導入するClausプロセスのテールガスを処理する方法を開示している。この方法では、脱硫率は最大93%であり、最終テールガス放出は高い環境保護要件を満たすことができず、副生成物である低濃度硫酸を使用することは困難である。多段階Clausプロセスのテールガスは、依然として放出要件を満たすことができない。
【0012】
世界中の国々で放出されている二酸化硫黄の程度は様々である。中国の二酸化硫黄の排出は莫大であり、環境及び社会に大きな影響を与えている。2014年の二酸化硫黄の排出の総量は1974万トンであり、2015年の二酸化硫黄の排出の総量は1859万1000トンであったが、これは世界第1位であり、多大な経済的損失を引き起こし、中国の生態学的環境及び人々の健康に深刻な影響を与えた。
【0013】
上記の技術の不利点及び中国における二酸化硫黄の排出量の現実に鑑みて、様々なテールガス脱硫技術が生まれている。現在、何百もの成熟した脱硫技術が存在するが、中でも湿式脱硫プロセスが最も広く用いられており、世界の総脱硫設備容量の約85%を占める。一般的な湿式煙道ガス脱硫技術としては、石灰石-石膏法、二重アルカリ法、炭酸ナトリウム法、アンモニア法、酸化マグネシウム法等が挙げられる。アンモニア脱硫は、アンモニアを吸収剤として用いる湿式脱硫プロセスであり、この方法は、SOを用いて硫酸アンモニウム肥料を生成することができ、エネルギー消費が低く、付加価値が高く、資源の再生利用を実現するグリーン(green)煙道ガス管理スキームである。大量の利用可能なアンモニア水が化学産業の製造プロセスにおいて生成することから、アンモニア脱硫の使用が化学産業におけるテールガスに望まれる可能性がある。
【0014】
アンモニア脱硫プロセスは、主に3つのプロセス:吸収、酸化及び濃縮(結晶化)で構成される。初めに、二酸化硫黄を亜硫酸アンモニウムで吸収し、亜硫酸アンモニウムと亜硫酸水素アンモニウムとの混合溶液を得た後、アンモニアを添加することによって中和を行い、再び亜硫酸アンモニウムを得る:
(NHSO+HO+SO=2NHHSO
(NHH(2-x)SO+(2-x)NH=(NHSO
【0015】
酸化空気を溶液中に導入して亜硫酸(水素)アンモニウムを酸化し、硫酸(水素)アンモニウムを得る:
(NHSO+1/2O=(NHSO
【0016】
硫酸アンモニウムを含有する循環吸収液を濃縮、結晶化、固液分離及び乾燥に供し、最終生成物である硫酸アンモニウムを得る。
【0017】
特許文献5は、特に以下の工程を含む、酸性テールガスのアンモニア法煙道ガス管理装置及び方法を開示している:1)吸収塔に導入するテールガス中の二酸化硫黄の濃度を30000mg/Nm以下に制御すること;2)プロセス水又は硫酸アンモニウム溶液を、噴霧のために吸収塔の入口煙道パイプ内又は吸収塔内に供給し、温度を低下させること;3)脱硫吸収液の酸化を実現するために酸化セクションを吸収塔内に設け、酸化分配器を酸化セクションに設けること;4)吸収セクションを吸収塔内に設け、吸収液分配器を用いて、吸収セクション内でのアンモニア含有吸収液による脱硫噴霧吸収を達成すること(アンモニア含有吸収液はアンモニア貯蔵タンクにより補充される);5)吸収塔内の吸収セクションの上部に、テールガス中の吸収液を洗浄して、吸収液の漏出を低減する水洗層を備えさせること;6)吸収塔内の水洗層の上部に、精製済テールガス中の霧粒の含有量を制御する曇り除去装置を備えさせること。石炭化学産業では、Claus硫黄回収+アンモニア脱硫の統合脱硫技術の使用により、後処理の投資コストを低減させることができ、フローが簡素化され、プロセスが石炭化学産業における酸性ガス処理に主に適用されるが、ここで吸収塔に導入するテールガス中の二酸化硫黄の濃度を30000mg/Nm以下に制御する必要があり、エンタルピー値及び不純物含有量等のテールガスの他のパラメーターについての要件は指定されていない。
【0018】
特許文献6は、以下の工程を含む、アンモニア脱硫技術を用いて酸性硫化物ガスを効率的に除去する方法を開示している:1)前処理:酸性ガス中の硫化物を硫黄回収、硫酸生成及び/又は焼却等の前処理方法に供し、それにより酸性ガス中の残留硫黄を硫黄酸化物へと変換し、硫黄酸化物を含有する酸性テールガスを得ること(酸性ガスは石油化学産業、天然ガス化学産業、石炭化学産業等に由来する);2)硫黄酸化物のアンモニア吸収:硫黄酸化物を含有する酸性テールガスをアンモニア吸収デバイスに導入し、硫黄酸化物を循環吸収液によって吸収すること;3)硫酸アンモニウム後処理:硫黄酸化物を完全に吸収する、飽和した又はほぼ飽和した吸収液を濃縮、結晶化、固液分離及び乾燥に供し、固体硫酸アンモニウム生成物を得ること。硫黄酸化物(二酸化硫黄、三酸化硫黄及びそれらの水和物)を酸性テールガスから除去する。さらに、硫酸、硫黄及び硫酸アンモニウム副生成物が生じ、基準を満たす処理ガスが放出される。吸収液の成分、密度、循環量又は他のパラメーターは、酸性テールガス中の異なる硫黄酸化物濃度及び硫黄酸化物吸収量に応じて調整される。酸性ガス中の硫黄酸化物の濃度が30000mg/Nm未満である場合、酸性ガスを前処理することなくアンモニア吸収デバイスに直接導入する。前処理後の酸性テールガスのエンタルピー値及び不純物含有量、並びに不純物がアンモニア脱硫システムに入った後の処理方法は、このプロセスでは指定されない。
【0019】
特許文献7及び特許文献8も、それぞれアンモニア脱硫による酸性テールガスの処理の改善を試みているが、これらの改善措置は依然として理想的ではない。さらに、酸性テールガスのエンタルピー値の制御は、これらの文献のいずれにも述べられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【文献】中国特許出願第200910188118号
【文献】中国特許出願第200580011908.X号
【文献】米国特許第5019361号
【文献】中国特許出願第201210288895号
【文献】中国特許出願第201310130225.4号
【文献】中国特許出願第201410006886.0号
【文献】中国特許出願第201611185413.7号
【文献】中国特許出願第201810062243.6号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
したがって、より好適な酸性テールガスパラメーターを決定し、脱硫方法を更に改善することが望まれる。これにより、アンモニア脱硫デバイスの投資及び運転コストを低減し、長期安定運転を達成し、テールガスの酸性ガス前処理とアンモニア脱硫との相乗的制御を達成し、アンモニア回収率を改善し、エアロゾルの生成を制御し、生成物の品質を改善することができる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の目的及び利点は、以下の詳細な説明を添付の図面と併せて考慮することで明らかとなる。図面全体を通して、同様の参照符号は同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の原理に従う実施例1の例示的な装置を示す図である。
図2】本発明の原理に従う実施例2の例示的な装置を示す図である。
図3】本発明の原理に従う調節システムの例示的な装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
定義
「アンモニア回収率」は、ガス浄化プロセスに添加され、続いてプロセスから捕捉及び抽出されたアンモニアの割合又はパーセンテージを意味する。
【0025】
「ダスト」は取扱い、処理加工又は接触の際にガス流に沿って浮動するのに十分に細かい粒状物質を意味する。ダストには、固体エアロゾル粒子及び液体エアロゾル粒子を含むエアロゾル、煤煙、木炭、未燃焼石炭(non-combusted coal)、微粒鉱物、砂、砂利、塩及びそれらの任意の組合せが含まれるが、これらに限定されない。
【0026】
「酸化率」は、その物質のより酸化されたと特定される種へと変換された所与の物質のパーセンテージ(モルパーセントで算出される)を意味する。例えば、アンモニアを含む種と硫黄酸化物とを含有する混合物中では、混合物のX mol%が硫酸アンモニウムであり、Y mol%が亜硫酸アンモニウムであり、Z mol%が、酸化される余地が硫酸アンモニウムよりも大きい幾つかの他のアンモニア、硫黄及び/又は酸素含有種である場合、硫酸アンモニウムが最も酸化された特定される種であることから、混合物の酸化率はX mol%となる。
【0027】
「硫黄酸化物又はSO」は、硫黄及び酸素を含有する化学種を意味する。硫黄酸化物には一酸化硫黄(SO)、二酸化硫黄(SO)、三酸化硫黄(SO)、高級硫黄酸化物(SO及びSO、並びにそれらのポリマー縮合物)、一酸化二硫黄(SO)、二酸化二硫黄(disulfur dioxide)(S)及び低級硫黄酸化物(S、S及びS(ここで、n及びxは任意の可能な化学量論数値である))等の化合物が含まれる。
【0028】
上記の定義又は本願中に別記される説明が、一般に用いられるか、辞書に規定されるか、又は引用することにより本願の一部をなす情報源に提示される意味(明示的又は暗示的な)と矛盾する場合には、特に本願及び特許請求の範囲の用語が一般的な定義、辞書の定義又は引用することにより本明細書の一部をなす定義に従うのではなく、本願中の定義又は説明に従って解釈されることが理解される。特許請求の範囲の用語を辞書によって解釈した場合にのみ理解することができる場合には、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, 5th Edition, 2005, (John Wiley & Sons, Inc.)に記載があれば、その定義が優先されるものとする。
【0029】
本開示は、酸性テールガスを処理するためのアンモニア脱硫の使用における以下の従来技術の問題:デバイスの長期安定運転を達成することができないこと、低い生成物の品質、並びにアンモニア漏出の源流(headstream)及びエアロゾルの生成制御の難しさのいずれにも関しないか、一部又は全てに関する、酸性ガスを処理する装置及び方法を提供する。
【0030】
酸性ガスを処理する装置及び方法は、酸性テールガスを処理するためのアンモニア脱硫プロセスの使用を含んでいてもよく、多段階循環吸収によって基準を満たす最終テールガスの放出及び低コストでの効率的な酸性テールガス処理を達成することができる。ここで、アンモニア脱硫の多段階循環吸収は冷却サイクル、SO吸収サイクル及び水洗サイクルの1つ以上を含み得る。
【0031】
上記のように得られる酸性テールガスのエンタルピー値を初めに調節システムによって調整し、次いで酸性テールガスを後続のアンモニア脱硫プロセスに送り込むことが有利であり得る。
【0032】
酸性テールガスのエンタルピー値は、脱硫デバイスの安定な標準運転に影響を及ぼす。エンタルピー値が高く、吸収温度が高い場合、アンモニア漏出が顕著となる可能性があり、吸収効率を保証することができない。一方、エンタルピー値が低く、吸収温度が低い場合、循環吸収液の酸化率が低くなる可能性があり、後処理システムを安定に運転することができない。さらに、焼却システムにおける硫黄回収済テールガスの焼却が不完全となる可能性があるため、硫化水素がより低温で焼却される場合に硫黄へと変換される傾向があり、硫化水素、元素硫黄及び有機物が亜硫酸アンモニウムの酸化及び硫酸アンモニウムの結晶化に影響を及ぼし、生成物の品質が低下する恐れがある。酸性ガス又は硫黄回収済テールガス中の実質的に全ての硫化水素、有機物及び元素硫黄を焼却システムにより焼却することが望まれる際には、焼却温度を1300℃以上に上昇させ、過剰空気の係数を1.8まで増加させ、滞留時間を7秒まで延長する必要がある場合がある。しかしながら、これにより焼却システムの投資及び運転コストが増大し、大量の燃料ガスを消費する可能性がある。さらに、焼却済煙道ガスが高濃度の窒素酸化物を含有し、高い運転コストと共に脱窒投資が増大し、最終流出ガスの窒素酸化物含有量の基準を満たすことが容易でない可能性がある。
【0033】
酸性テールガスのエンタルピー値は、アンモニア脱硫のプロセスに入る前に60kJ/kg~850kJ/kg(乾燥ガス)、例えば80kJ/kg~680kJ/kg(乾燥ガス)又は100kJ/kg~450kJ/kg(乾燥ガス)の範囲内で適切に制御されるものとする。
【0034】
調節システムは、温度調整ユニット及び/又は湿度調整ユニット、又は温度調整ユニット及び湿度調整ユニットの両方を含み得る。酸性テールガスのエンタルピー値は、アンモニア脱硫のプロセスに入る酸性テールガスの温度及び湿度を測定し、テールガスの温度及び湿度を調節システムにより調整することによって制御することができる。
【0035】
テールガスのエンタルピー値の例示的な式は、H=(1.01+1.88b)×t+2490bである。ここで、tは温度(℃)であり、bは乾燥ガス中の水蒸気含有量(kg/kg(乾燥ガス))である。
【0036】
調節システムにおいて処理される酸性テールガス自体の異なる温度及び湿度に応じて、温度調整ユニットが相応に加熱装置又は冷却装置、例えば加熱器若しくは冷却器、又は他の温度制御装置を備えていてもよく、湿度調整ユニットが相応に加湿装置又は除湿装置、例えば窒素ガス若しくは二酸化炭素ガスの分配を行うか、又は水蒸気を添加することができる装置を備えていてもよいことが当業者には理解される。好適な温度調節装置及び湿度調節装置自体は、当業者に既知である。
【0037】
調節システムは、硫黄除去ユニット、ダスト除去ユニット及び不純物除去ユニットの1つ以上を更に含み得る。このため、酸性テールガスの総ダスト含有量を調節システムによって調整することができ、調整後の酸性テールガスの総酸性ダスト含有量は200mg/Nm以下、例えば50mg/Nm以下であり得る。
【0038】
酸性テールガスの不純物含有量を調節システムによって調整することができ、調整後の酸性テールガスの有機物含有量は30ppm以下、例えば10ppm以下であり、及び/又は元素硫黄及び硫化水素の含有量は30ppm以下、例えば10ppm以下であり得る。
【0039】
アンモニア脱硫の循環吸収液を、循環吸収液中の懸濁物質含有量が200mg/L以下となり得るように、及び/又は油含有量が100mg/L以下となり得るように精製処理に供することができる。
【0040】
装置及び方法に適用可能な酸性テールガスの供給源は、石油化学産業、天然ガス化学産業、石炭化学産業等において一般に使用される限りにおいて特に制限されない。ここで、酸性テールガスは、例として、石油化学、天然ガス化学及び石炭化学の酸性ガスを硫黄回収+焼却、硫酸生成及び焼却等のプロセスによって処理した後に得られるテールガスを含み、又は酸性テールガスは、例として、接触分解再生煙道ガスを含み得る。
【0041】
硫黄回収は、1段階~3段階Claus硫黄回収プロセス、SuperClaus硫黄回収プロセス、EuroClaus硫黄回収プロセス、液相接触酸化硫黄回収プロセス又は生物学的硫黄回収プロセス等の硫黄回収プロセスを含んでいてもよく、硫酸生成プロセスを湿式硫酸生成プロセス又は乾式硫酸生成プロセスによって行うことができる。
【0042】
硫黄回収済テールガス中のHS/SOのモル比を1.2~3、例えば1.5~2.5に制御することができる。
【0043】
硫黄回収+焼却プロセス及び焼却プロセスにおいて、焼却温度が600℃~1300℃、例えば650℃~950℃であり、滞留時間が1秒~6秒、例えば1.5秒~4秒であり、酸性テールガスの酸素含有量が2%~5%、例えば3%~4%であり、酸性テールガスの硫黄酸化物含有量が2000mg/Nm~150000mg/Nm、例えば5000mg/Nm~55000mg/Nmであり得る。
【0044】
この方法は、下記のプロセス工程:
1)酸性ガスを、硫黄回収+焼却若しくは硫酸生成若しくは焼却によって処理するか、又は接触分解触媒再生プロセスによって直接処理することにより、酸性テールガスを得ることと、
2)酸性テールガスを調節システムに送り込み、テールガスのエンタルピー値を60kJ/kg~850kJ/kg(乾燥ガス)、例えば80kJ/kg~680kJ/kg(乾燥ガス)又は100kJ/kg~450kJ/kg(乾燥ガス)の範囲内に調整することと、
3)エンタルピー値要件を満たす酸性テールガスを、処理のためにアンモニア脱硫プロセスに送り込み、最終テールガスが多段階循環吸収によって放出基準を満たすという目的を達成することと、
も含み得る。
【0045】
工程2)において得られる酸性テールガスを、アンモニア脱硫プロセスに送り込む前に調節システムにおいて総ダスト含有量が200mg/Nm以下となり、及び/又は有機物含有量が30ppm以下となり、及び/又は元素硫黄含有量が30ppm以下となるように更に処理することができる。
【0046】
装置は、酸性ガス前処理システム及びアンモニア脱硫システムを備える、酸性ガスを処理するデバイスを備え得る。
【0047】
酸性ガス前処理システムは、硫黄回収システム+焼却システム、硫酸生成システム、焼却システム及び接触分解触媒再生システムの1つ以上を含み得る。アンモニア脱硫システムは、従来のアンモニア脱硫デバイスとすることができ、その構造は当該技術分野で既知のものであってもよく、例えば本出願人が出願した中国特許出願第201710379460.3号、中国特許出願第201810057884.2号を参照することができる。中国特許出願第201710379460.3号、中国特許出願第201810057884.2号は、その全体が引用することにより本明細書の一部をなす。
【0048】
硫黄回収システムは、1段階~3段階Claus硫黄回収システム、SuperClaus硫黄回収システム、EuroClaus硫黄回収システム、液相接触酸化硫黄回収システム及び生物学的硫黄回収システムの1つ以上を含み得る。
【0049】
装置は、温度調節装置及び/又は湿度調節装置、又は温度調節装置及び湿度調節装置の両方を含む調節システムも備えることができる。調節システムは、硫黄除去デバイス、ダスト除去装置及び不純物除去装置の1つ以上を含み得る。
【0050】
酸性ガス前処理システム、調節システム及びアンモニア脱硫システムは、連続して接続することができる。酸性ガス前処理システムは、硫黄回収システム+焼却システムを含み得る。調節システムは、互いに連続して任意の順序で接続され得る温度調節装置、湿度調節装置及び不純物除去装置の1つ以上、又は互いに連続して任意の順序で接続され得る不純物除去装置、温度調節装置、湿度調節装置及び不純物除去装置の1つ以上を含み得る。
【0051】
装置は、濃縮装置、固液分離装置及び乾燥装置の1つ以上を含み得る吸収液処理システムを更に備えることができる。
【0052】
吸収液処理システムは、浄液装置及び蒸発結晶化装置の1つ以上を更に含み得る。浄液装置は、油除去装置及び懸濁物質除去装置の1つ以上を含み得る。懸濁物質除去装置は、懸濁物質含有量が200mg/L以下、20mg/L~100mg/L又は30mg/L~50mg/Lの循環吸収液を生じるように構成することができる。
【0053】
油除去装置は、油含有量が100mg/L以下、例えば10mg/L~80mg/L又は20mg/L~30mg/Lの循環吸収液を生じるように構成することができる。油除去装置は、空気浮上装置、吸着装置若しくは精密濾過装置の1つ以上、又はそれらの組合せを含み得る。
【0054】
油除去装置は、焼却システムに接続することができる。
【0055】
石油化学産業に由来する酸性ガスを硫黄回収+焼却(前処理)に供して酸性テールガスを得た後、酸性テールガスのエンタルピー値を、アンモニア脱硫プロセスに送り込む前に調節システムで調整することができる。ここで、アンモニア脱硫の多段階循環吸収は、1段階の冷却サイクル、2段階のSO吸収サイクル及び1段階の水洗サイクルを含み得る。
【0056】
調節システムは、連続して接続される温度調節ユニット、湿度調節ユニット及び硫黄除去ユニットの1つ以上を含み得る。酸性テールガスのエンタルピー値を初めに冷却装置により560kJ/kg~720kJ/kg(乾燥ガス)に調整し、次いで低温低エンタルピー窒素ガスを除湿装置により補充して、酸性テールガスのエンタルピー値を440kJ/kg~530kJ/kg(乾燥ガス)に更に調整することができる。次いで、テールガスの元素硫黄及び硫化水素の含有量を吸着硫黄除去装置により4ppm~7.5ppmに調節し、制御することができる。
【0057】
酸性ガスの硫化水素含有量は、例えば約90%であり、残りは窒素、二酸化炭素であり、酸性ガスを処理する硫黄回収システムは、空気法(air-method)3段階Claus硫黄回収プロセスを含み得る。硫黄回収済テールガス中のHS/SOのモル比は1.7~2.8に制御され、焼却システムの焼却温度は850℃~950℃であり、滞留時間は2秒~4秒であり、酸性テールガスの酸素含有量は約3%であり、焼却済テールガス中の硫黄酸化物含有量は、約12000mg/Nm~15000mg/Nmであり得る。
【0058】
46000Nm/時間という酸性ガスの例示的な流量については、硫黄回収率は96%であり、年間稼働時間は8400時間であり、1年当たり477000トンの硫黄及び1年当たり80500トンの硫酸アンモニウムを処理後に得ることができる。
【0059】
調節システムを酸性テールガスの有機物含有量の制御に用いない場合、アンモニア脱硫の循環吸収液を油除去処理に供して、循環吸収液の油含有量を50mg/L以下にすることができる。
【0060】
例示的な酸性ガス処理装置は、酸性ガス前処理システム(硫黄回収システム+焼却システム)、調節システム及びアンモニア脱硫システムの1つ以上を含み得る。
【0061】
硫黄回収システムは、熱反応+3段階Claus触媒反応装置を含み得て、Claus触媒回収機(recoverer)は、加水分解触媒を充填していない回収機であり得る。
【0062】
調節システムは、連続して接続される温度調節装置、湿度調節装置及び硫黄除去デバイスの1つ以上を含み得る。
【0063】
酸性ガスの硫黄回収システム、焼却システム、調節システム及びアンモニア脱硫システムは、連続して接続することができる。温度調節装置は2段階廃熱回収装置であり、第1段階廃熱回収の副生成物は飽和蒸気であり、第2段階廃熱回収ではボイラ用水を予熱し、湿度調節装置は窒素ガス分配装置を含み得る。
【0064】
装置は、濃縮装置、固液分離装置及び乾燥装置の1つ以上を含み得る吸収液処理システムを備えていてもよい。
【0065】
吸収液処理システムは浄液装置を含み得る。浄液装置は、油含有量が50mg/L以下の循環吸収液を生じるように構成することができる油除去装置を含み得る。油除去装置は、空気浮上装置+精密濾過装置を含み得る。
【0066】
油除去装置を焼却システムに接続し、廃油を焼却システムにおいて水、二酸化炭素及び二酸化硫黄へと完全に焼却することができる。
【0067】
装置及び方法に関して、アンモニア脱硫の認可された一連の特許、例えば中国特許出願第200510040801.1号、中国特許出願第03158258.3号、中国特許出願第201010275966.8号、中国特許出願第200510040800.7号、中国特許出願第03158257.5号等、並びに審査中の中国特許出願第201710379460.3号、中国特許出願第201710379458.6号、中国特許出願第201710154157.3号、中国特許出願第201710800599.0号、中国特許出願第201710865004.X号及び中国特許出願第201810329999.2号を参照することができる。
【0068】
以前の酸性ガス処理プロセスと比較して、上記装置及び方法では、酸性テールガス制御パラメーターを特定し、前処理+調整+アンモニア脱硫プロセスを酸性ガスの処理に用い、特に酸性テールガスのエンタルピー値を制御することによって、アンモニア脱硫システムの投資及び運転コストを低減し、長期安定運転を達成し、酸性テールガスの酸性ガス前処理とアンモニア脱硫との相乗的制御を達成し、アンモニア回収率を改善し、エアロゾルの生成を制御し、生成物の品質を改善することができる。
【0069】
酸性ガスを処理する装置及び方法が提供される。装置及び方法は、酸性ガス前処理システムと、酸性ガス前処理システムと流体連通したアンモニア脱硫システムとを含み得る。
【0070】
前処理システムは、硫黄回収システム+焼却システム、硫酸生成システム、及び接触分解触媒再生システムの1つ以上を含み得る。硫黄回収システムは、Claus硫黄回収システムを含み得る。Claus硫黄回収システムは、1段階Claus硫黄回収システムであってもよい。Claus硫黄回収システムは、2段階Claus硫黄回収システムであってもよい。Claus硫黄回収システムは、3段階Claus硫黄回収システムであってもよい。
【0071】
硫黄回収システムは、液相接触酸化硫黄回収システムを含み得る。硫黄回収システムは、生物学的硫黄回収システムを含み得る。
【0072】
硫黄回収システムは、Claus硫黄回収システムと流体連通したSuperClaus硫黄回収システムを含み得る。
【0073】
硫黄回収システムは、Claus硫黄回収システムと流体連通したEruoClaus硫黄回収システムを含み得る。
【0074】
硫黄回収システムは、Claus硫黄回収システムと流体連通した生物学的硫黄回収システムを含み得る。
【0075】
硫黄回収システムは、Claus硫黄回収システムと流体連通した液相接触酸化硫黄回収システムを含み得る。
【0076】
装置は、アンモニア脱硫システムと流体連通し、それより上流の調節システムを備えることができる。調節システムは、該調節システム内のガス温度を調節するように構成された温度調節器を含み得る。調節システムは、該調節システム内のガス湿度を調節するように構成された湿度調節器を含み得る。
【0077】
装置は、アンモニア脱硫システムと流体連通した硫黄除去デバイスを備えることができる。装置は、アンモニア脱硫システムと流体連通したダスト除去装置を備えることができる。
【0078】
装置は、アンモニア脱硫システムと流体連通した不純物除去装置を備えることができる。
【0079】
装置は、
アンモニア脱硫システムと流体連通した硫黄除去デバイスと、
アンモニア脱硫システムと流体連通したダスト除去装置と、
を備えることができる。
【0080】
装置は、
アンモニア脱硫システムと流体連通した硫黄除去デバイスと、
アンモニア脱硫システムと流体連通した不純物除去装置と、
を備えることができる。
【0081】
装置は、
アンモニア脱硫システムと流体連通したダスト除去装置と、
アンモニア脱硫システムと流体連通した不純物除去装置と、
を備えることができる。
【0082】
酸性ガス前処理システムと、調節システムと、アンモニア脱硫システムとを下流方向に沿って連続して接続することができる。
【0083】
酸性ガス前処理システムは、硫黄回収システム+焼却システムを含み得る。
【0084】
装置は、アンモニア脱硫システムと流体連通し、それより上流の調節システムを備えることができる。調節システムは、調節システム内のガス温度を調節するように構成された温度調節器を含み得る。調節システムは、調節システム内のガス湿度を調節するように構成された湿度調節器を含み得る。
【0085】
装置は、アンモニア脱硫システムと流体連通した硫黄除去デバイスを備えることができる。
【0086】
酸性ガス前処理システムと、調節システムと、アンモニア脱硫システムとを下流方向に沿って連続して接続することができる。
【0087】
酸性ガス前処理システムは、硫黄回収システム+焼却システムを含み得る。調節システムにおいて、温度調節器と、湿度調節器と、硫黄除去デバイスとを下流方向に連続して接続することができる。調節システムにおいて、温度調節器と、湿度調節器と、硫黄除去デバイスとを下流方向に連続して接続する。
【0088】
アンモニア脱硫システムは、
アンモニア含有吸収液を循環させるように構成され、
吸収液を受けるように構成された濃縮デバイス、
吸収液中に懸濁している固体を回収するように構成された固液分離デバイス、及び
回収された固体を乾燥させるように構成された乾燥デバイス
の1つ以上を含み得る吸収液処理システムを含み得る。
【0089】
吸収液処理システムは、固液分離デバイスと流体連通し、操作上、その下流方向に配置される浄液デバイスを含み得る。吸収液処理システムは、濃縮デバイス及び固液分離デバイスの一方又は両方に流体連通し、且つ操作上、濃縮デバイスの下流且つ固液分離デバイスの上流に配置され得る蒸発結晶化デバイスを含み得る。
【0090】
吸収液処理システムは、濃縮デバイス及び固液分離デバイスの一方又は両方に流体連通し、且つ操作上、濃縮デバイスの下流且つ固液分離デバイスの上流に配置され得る蒸発結晶化デバイスを含み得る。
【0091】
浄液デバイスは、固液分離デバイスと流体連通した油除去デバイスを含み得る。
【0092】
浄液デバイスは、固液分離デバイスと流体連通した懸濁物質除去デバイスを含み得る。
【0093】
浄液デバイスは、固液分離デバイスと流体連通した懸濁物質除去デバイスを含み得る。
【0094】
懸濁物質除去デバイスは、懸濁物質含有量が200mg/L以下の循環吸収液を生じるように構成することができる。懸濁物質含有量は20mg/L~100mg/Lの範囲であり得る。懸濁物質含有量は30mg/L~50mg/Lの範囲であり得る。
【0095】
油除去デバイスは、固液分離デバイスと流体連通した空気浮上デバイスを含み得る。
【0096】
油除去デバイスは、固液分離デバイスと流体連通した吸着デバイスを含み得る。
【0097】
油除去デバイスは、固液分離デバイスと流体連通した精密濾過デバイスを含み得る。
【0098】
油除去デバイスは、固液分離デバイスと流体連通した吸着デバイスを含み得る。
【0099】
油除去デバイスは、固液分離デバイスと流体連通した精密濾過デバイスを含み得る。
【0100】
油除去デバイスは、固液分離デバイスと流体連通した精密濾過デバイスを更に含む。
【0101】
油除去デバイスは、油含有量が100mg/L以下の循環吸収液を生じるように構成することができる。油含有量は10mg/L~80mg/Lの範囲であり得る。油含有量は20mg/L~30mg/Lの範囲であり得る。油除去デバイスは、焼却システムと流体連通し、操作上、その上流に配置することができる。
【0102】
この方法は、酸性ガスを受けることと、酸性ガスから、硫酸アンモニウム、及び、放出基準を満たす最終テールガスの1つ又は両方を獲得することとを含み得る。放出基準は、中国GB31570-2015として公表された「石油精製産業についての汚染物質の排出基準(Emission Standard of Pollutants for Petroleum Refining Industry)」と題する文書(その全体が引用することにより本明細書の一部をなす)に規定される基準であり得る。
【0103】
放出基準は、中国GB31571-2015として公表された「石油化学産業についての汚染物質の排出基準(Emission Standard of Pollutants for Petroleum Chemistry Industry)」と題する文書(その全体が引用することにより本明細書の一部をなす)に規定される基準であり得る。
【0104】
汚染物質排出基準の例示的な例
下記に引用する「石油精製産業についての汚染物質の排出基準」の表3及び表4は、プロセス加熱炉の再生煙道ガス、FCC触媒再生煙道ガス、酸性ガス回収プラントのテールガス中の粒状物質、ニッケル及びその化合物、二酸化硫黄及び硫酸ミストの汚染物質排出基準を示す。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
下記に引用する「石油化学産業についての汚染物質の排出基準」の表4及び表5は、プロセス加熱炉デバイスのテールガス中の粒状物質及び二酸化硫黄の排出要件を示す。
【0108】
【表3】
【0109】
【表4】
【0110】
獲得は、
酸性ガスから硫黄を回収して硫黄回収済テールガスを生成することと、
次いで、硫黄回収済ガスを焼却することと、
の一方又は両方を含み得る。
【0111】
獲得は酸性ガスから硫酸を生成することを含み得る。
【0112】
獲得は焼却することを含み得る。
【0113】
この方法は、酸性ガスを石油化学の化学反応により供給することを含み得る。この方法は、酸性ガスを天然ガス化学反応により供給することを含み得る。この方法は、酸性ガスを石炭化学反応により供給することを更に含み得る。
【0114】
獲得は、接触分解再生煙道ガスを発生させることを含み得る。酸性テールガスは再生煙道ガスを含み得る。
【0115】
獲得は、酸性テールガスのエンタルピー値を調整することを含み得る。
【0116】
獲得は、調整済テールガスを、全てアンモニア循環脱硫反応器内での、冷却段階、吸収段階及び水洗段階の1つ以上に通過させることを含み得る。
【0117】
調整は、酸性テールガスの温度を変化させることを含み得る。
【0118】
調整は、酸性テールガスの湿度を変化させることを含み得る。
【0119】
調整は、酸性テールガスの温度を変化させることを含み得る。
【0120】
調整は、酸性テールガスから硫黄を除去することを含み得る。
【0121】
調整は、酸性テールガスからダストを除去することを含み得る。
【0122】
調整は、酸性テールガスから不純物を除去することを含み得る。
【0123】
調整によりエンタルピー値を60kJ/kg~850kJ/kg(乾燥ガス)に調整することができる。調整によりエンタルピー値を80kJ/kg~680kJ/kg(乾燥ガス)に調整することができる。調整によりエンタルピー値を100kJ/kg~450kJ/kg(乾燥ガス)に調整することができる。
【0124】
回収は、酸性ガスを1段階のClaus硫黄回収システムに流すことを含み得る。回収は、酸性ガスを2段階のClaus硫黄回収システムに流すことを含み得る。回収は、酸性ガスを3段階のClaus硫黄回収システムに流すことを含み得る。
【0125】
回収は、酸性ガスを液相接触酸化硫黄回収システムに流すことを含み得る。回収が酸性ガスを生物学的硫黄回収システムに流すことを含み得る。回収は、酸性ガスをSuperClaus硫黄回収システムに流すことを含み得る。回収は、酸性ガスをEuroClaus硫黄回収システムに流すことを含み得る。回収は、酸性ガスを生物学的硫黄回収システムに流すことを更に含む。回収は、酸性ガスを液相接触酸化硫黄回収システムに流すことを含み得る。
【0126】
硫酸生成は、湿式硫酸生成を含み得る。硫酸生成は、乾式硫酸生成を含み得る。
【0127】
回収は、モル比HS/SOが1.2~3の範囲の硫黄回収済ガスを生成することを含み得る。該モル比は1.5~2.5の範囲であり得る。
【0128】
焼却は、600℃~1300℃の範囲の温度で行うことができる。焼却により酸性テールガスを生成することができる。
【0129】
焼却において、硫黄回収済テールガスの滞留時間は1秒~6秒の範囲であり得る。
【0130】
酸性テールガスの酸素含有量は2%~5%の範囲を有し得る。
【0131】
酸性テールガスの硫黄酸化物含有量は2000mg/Nm~150000mg/Nmの範囲であり得る。焼却は、650℃~950℃の範囲の温度で行うことができる。
【0132】
焼却において、硫黄回収済テールガスの滞留時間は1.5秒~4秒の範囲であり得る。
【0133】
酸性テールガスの酸素含有量は3%~4%の範囲であり得る。
【0134】
酸性テールガスの硫黄酸化物含有量は5000mg/Nm~55000mg/Nmの範囲であり得る。
【0135】
この方法は、硫黄酸化物含有量が2000mg/Nm~150000mg/Nmの範囲の酸性テールガスを生成することを含み得る。
【0136】
焼却は、600℃~1300℃の範囲の温度で行うことができる。焼却により酸性テールガスを生成することができる。
【0137】
この方法は、焼却滞留時間が1秒~6秒の範囲の硫黄回収済テールガスを焼却することを含み得る。
【0138】
酸性テールガスの酸素含有量は2%~5%の範囲である。
【0139】
焼却は、650℃~950℃の範囲の温度で行うことができる。
【0140】
焼却において、硫黄回収済テールガスの滞留時間は1.5秒~4秒の範囲であり得る。
【0141】
酸性テールガスの酸素含有量は3%~4%の範囲であり得る。
【0142】
酸性テールガスの硫黄酸化物含有量は5000mg/Nm~55000mg/Nmの範囲であり得る。
【0143】
この方法は、酸素含有量が2%~5%の範囲の酸性テールガスを生成することを含み得る。
【0144】
酸性テールガスの硫黄酸化物含有量は2000mg/Nm~150000mg/Nmの範囲であり得る。
【0145】
焼却は、600℃~1300℃の範囲の温度で行うことができる。焼却により酸性テールガスを生成することができる。
【0146】
焼却において、硫黄回収済テールガスの滞留時間は1秒~6秒の範囲であり得る。
【0147】
焼却は、650℃~950℃の範囲の温度で行うことができる。
【0148】
焼却において、硫黄回収済テールガスの滞留時間は1.5秒~4秒の範囲であり得る。
【0149】
酸性テールガスの酸素含有量は3%~4%の範囲であり得る。
【0150】
酸性テールガスの硫黄酸化物含有量は5000mg/Nm~55000mg/Nmの範囲であり得る。
【0151】
焼却において、硫黄回収済テールガスの滞留時間は1秒~6秒の範囲であり得る。
【0152】
この方法は、酸素含有量が2%~5%の範囲の酸性テールガスを生成することを含み得る。
【0153】
この方法は、硫黄酸化物含有量が2000mg/Nm~150000mg/Nmの範囲の酸性テールガスを生成することを含み得る。
【0154】
焼却は、600℃~1300℃の範囲の温度で行うことができる。焼却により酸性テールガスを生成することができる。
【0155】
焼却は、650℃~950℃の範囲の温度で行うことができる。
【0156】
焼却において、硫黄回収済テールガスの滞留時間は1.5秒~4秒の範囲であり得る。
【0157】
酸性テールガスの酸素含有量は3%~4%の範囲であり得る。
【0158】
酸性テールガスの硫黄酸化物含有量は5000mg/Nm~55000mg/Nmの範囲であり得る。
【0159】
獲得は、アンモニア脱硫循環吸収液の懸濁物質含有量を200mg/L以下まで低下させることを含み得る。
【0160】
獲得は、アンモニア脱硫循環吸収液の油含有量を100mg/L以下まで低下させることを含み得る。
【0161】
獲得は、アンモニア脱硫循環吸収液の油含有量を100mg/L以下まで低下させることを含み得る。
【0162】
調整により有機物含有量が30ppm以下の調整済テールガスが生成することができる。
【0163】
調整により元素硫黄及び硫化水素の含有量が30ppm以下の調整済テールガスが生成することができる。
【0164】
調整により有機物含有量が10ppm以下の調整済テールガスが生成することができる。
【0165】
調整により元素硫黄及び硫化水素の含有量が10ppm以下の調整済テールガスが生成することができる。
【0166】
酸性ガスを、硫黄回収+焼却若しくは硫酸生成若しくは焼却によって処理するか、又は接触分解触媒再生プロセスによって直接処理することにより、酸性テールガスを得ることができる。
【0167】
酸性テールガスを調節システムに送り込み、テールガスのエンタルピー値を60kJ/kg~850kJ/kg(乾燥ガス)、例えば80kJ/kg~680kJ/kg(乾燥ガス)又は100kJ/kg~450kJ/kg(乾燥ガス)の範囲内に調整することができる。
【0168】
選択されるエンタルピー基準を満たす酸性テールガスを、処理のためにアンモニア脱硫プロセスに送り込み、最終テールガスが多段階循環吸収による放出基準を満たすという目的を達成することができる。
【0169】
幾つかの実施形態は、例示的な装置に関連して示される及び/又は記載される特徴を除外していてもよい。幾つかの実施形態は、例示的な装置に関連して示されも、記載されもしない特徴を含んでいてもよい。例示的な装置及び方法の特徴を組み合わせることができる。例えば、例示的な一実施形態は、別の例示的な実施形態に関連して示される特徴を含んでいてもよい。
【0170】
例示的な方法の工程を本明細書に示される及び/又は記載される順序以外の順序で行うことができる。幾つかの実施形態は、例示的な方法に関連して示される及び/又は記載される工程を除外していてもよい。幾つかの実施形態は、例示的な方法に関連して示されも、記載されもしない工程を含んでいてもよい。例示的な方法工程を組み合わせることができる。例えば、例示的な一方法は、別の例示的な方法に関連して示される工程を含んでいてもよい。
【0171】
実施形態は、例示的な装置の特徴の一部若しくは全て及び/又は例示的な方法の工程の一部若しくは全てを含み得る。
【0172】
本明細書に記載される装置及び方法は、例示的なものである。本発明に従う装置及び方法を、ここで本明細書の一部をなす実施例及び図面に関連して説明する。図面には本発明の原理に従う例示的な装置の特徴及び方法工程を示す。他の実施形態を用いることができ、構造、機能及び手続きの変更を本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく行うことができることを理解されたい。
【実施例
【0173】
実施例1
石油化学産業に由来する酸性ガス1を使用した。酸性ガス1を硫黄回収システム2に通して硫黄回収済テールガス6を得た後、焼却システム5に通して酸性テールガス6を得た(前処理システム)。酸性テールガスのエンタルピー値を調節システム7によって調整した後、調整済テールガス8を、アンモニア脱硫システム10に送り込み、そこにアンモニア9を導入した。アンモニア脱硫システム10の多段階循環吸収は、1段階の冷却サイクル、2段階のSO吸収サイクル及び2段階の水洗サイクルを含むものであった。
【0174】
図3に示される本明細書の調整システム7は、連続して接続される不純物除去装置17、冷却装置14、除湿装置15及び硫黄除去デバイス16を含むものであった。酸性テールガスの有機物含有量を不純物除去装置17によって4.5ppm以下まで低下させ、酸性テールガス6のエンタルピー値を冷却装置14により600kJ/kg~810kJ/kg(乾燥ガス)に更に調整した後、水蒸気含有量の低い低温二酸化炭素ガスを除湿装置15により補充して、酸性テールガス6のエンタルピー値を410kJ/kg~505kJ/kg(乾燥ガス)に更に調整した。次いで、調整済テールガス8の元素硫黄及び硫化水素の含有量を、テールガス中の硫黄及び硫化水素を吸着硫黄除去装置16により吸着することによって3ppm以下に制御した。
【0175】
本実施例では、酸性ガス1の硫化水素含有量は75%であり、残りは窒素、二酸化炭素、水素及び一酸化炭素であった。硫黄回収システム2には、空気法2段階Claus硫黄回収プロセスを採用した。硫黄回収済テールガス4中のHS/SOのモル比は1.4~2.2に制御され、焼却システム5の焼却温度は750℃~810℃であり、滞留時間は2秒~2.8秒であり、酸性テールガスの酸素含有量は2.8%であり、硫黄酸化物含有量は22400mg/Nmであった。
【0176】
酸性ガス1の流量は8100Nm/時間であり、硫黄回収率は93.6%であり、年間稼働時間は8400時間であり、1年当たり68200トンの硫黄3及び1年当たり19000トンの硫酸アンモニウム11が得られ、アンモニア回収率は99.1%であった。
【0177】
したがって、本実施例において上述の処理方法を行うための装置は、連続して接続される酸性ガス前処理システム(硫黄回収システム+焼却システム)、調節システム及びアンモニア脱硫システムを備える。
【0178】
硫黄回収システムはブロワ装置、熱反応装置及び2段階Claus触媒反応装置を含むものであった。
【0179】
加えて、調節システムは、連続して接続される不純物除去装置、冷却装置、除湿装置及び脱硫装置を含むものであった。不純物除去装置は接触酸化装置であり、脱硫装置は活性炭吸着装置であり、冷却装置は、0.3MPa~0.5MPaの飽和蒸気の副生成物を生じる1段階廃熱回収装置であり、除湿装置を二酸化炭素ガス供給源に接続した。
【0180】
装置は、濃縮循環タンク、固液分離装置及び乾燥装置を含む吸収液処理システムを備えるものであった。アンモニア脱硫システムには、塔内での飽和結晶化プロセスを採用した。
【0181】
調整済テールガスの量は、68450Nm/時間(標準状態、湿量基準、実際酸素量)であり、SO濃度は16100mg/Nmであり、塔は直径3.2m、高さ42mであり、最終テールガスの二酸化硫黄含有量は32.4mg/Nmであり、遊離アンモニアは1.3mg/Nmであり、総ダストは9.5mg/Nmであった。
【0182】
本実施例におけるアンモニア脱硫装置及び方法については、中国特許出願第201710379460.3号、中国特許出願第201710865004.X号及び中国特許出願第201810329999.2号を参照することができる。
【0183】
実施例2
天然ガス化学産業に由来する酸性ガス1を使用した。酸性ガス1を硫酸生成システム13に通して硫酸3及び酸性テールガス6を得た後、酸性テールガスのエンタルピー値を調節システム7によって調整した。次いで、調整済テールガスをアンモニア脱硫システム10に送り込み、そこにアンモニア9を添加した。アンモニア脱硫システム10の多段階循環吸収は、1段階の冷却サイクル、1段階のSO吸収サイクル及び1段階の水洗サイクルを含むものであった。
【0184】
ここで、調節システム7は水蒸気添加装置であり、酸性テールガス6のエンタルピー値を、水蒸気を添加することによって320kJ/kg~410kJ/kg(乾燥ガス)に調整した。
【0185】
使用した酸性ガス1において、硫化水素含有量は45%であり、CO含有量は30%であり、残りは窒素、水素、一酸化炭素及びメタンであった。硫酸生成システム13には、湿式硫酸生成プロセスを採用した。酸性テールガス中の硫黄酸化物含有量は、5350mg/Nmであった。
【0186】
酸性ガス1の流量は7200Nm/時間であり、硫酸回収率は98%であり、年間稼働時間は8400時間であり、1年当たり119000トンの硫酸3及び1年当たり3200トンの硫酸アンモニウム11が得られ、アンモニア回収率は99.4%であった。
【0187】
したがって、上述の方法を行うための装置は、連続して接続される湿式硫酸生成システム、調節システム及びアンモニア脱硫システムを備えるものであった。
【0188】
湿式硫酸生成システムは、焼却装置、変換装置及び凝縮装置を含むものであった。
【0189】
調節システムは、水蒸気添加装置を含むものであった。
【0190】
装置は、固液分離装置、乾燥装置を含む吸収液処理システムを備えるものであった。アンモニア脱硫システムには、塔内での飽和結晶化プロセスを採用した。
【0191】
調整済テールガスの量は、38450Nm/時間(標準状態、湿量基準、実際酸素量)であり、SO濃度は4830mg/Nmであり、塔は直径2.6m、高さ33mであり、最終テールガスの二酸化硫黄含有量は16.8mg/Nmであり、遊離アンモニア含有量は0.6mg/Nmであり、総ダストは4.5mg/Nmであった。
【0192】
本実施例におけるアンモニア脱硫装置及び方法については、中国特許出願第201710379460.3号、中国特許出願第201710865004.X号及び中国特許出願第201810329999.2号を参照することができる。
【0193】
実施例3
石油化学の接触分解触媒再生に由来する酸性テールガスを使用した。酸性テールガスのエンタルピー値を調節システムによって調整した後、酸性テールガスを、アンモニア脱硫システムに送り込んだ。アンモニア脱硫システムの多段階循環吸収は、2段階の洗浄サイクル、1段階のSO吸収サイクル及び1段階の水洗サイクルを含むものであった。
【0194】
調節システムは、冷却装置、ダスト除去装置及び不純物除去装置であった。有機物含有量を不純物除去装置によって6.2ppm以下まで低下させた。酸性テールガスのエンタルピー値を冷却装置により370kJ/kg~408kJ/kg(乾燥ガス)に更に調整した。次いで、総ダスト含有量をダスト除去装置によって20mg/Nm~30mg/Nmまで低下させた。
【0195】
酸性テールガスの流量は210000Nm/時間であり、硫黄酸化物含有量は2350mg/Nmであり、総ダスト含有量は100mg/Nm~230mg/Nmであった。年間稼働時間は8400時間であり、1年当たり4100トンの硫酸アンモニウムがアンモニア脱硫システムの処理後に得られ、アンモニア回収率は99.3%であった。
【0196】
したがって、上述の方法を行うための装置は、連続して接続される接触分解触媒再生システム及び調節システム及びアンモニア脱硫システムを備えるものであった。
【0197】
調節システムは、冷却装置、ダスト除去装置及び不純物除去装置を含むものであった。
【0198】
装置は、蒸発結晶化装置、固液分離装置及び乾燥装置を含む吸収液処理システムを備えるものであった。
【0199】
吸収液処理システムは、浄液装置を含むものであった。浄液装置は、油含有量が80mg/L以下、懸濁物質含有量が120mg/L以下の循環吸収液を生じるように構成された、油除去装置及び懸濁物質除去装置を含むものであった。油除去装置は空気浮上装置+精密濾過装置であり、懸濁物質除去装置は、プレートフィルタプレス及びフレームフィルタプレス等の加圧濾過装置であった。
【0200】
油除去装置は焼却システムに接続され、廃油は焼却システムにおいて水、二酸化炭素及び二酸化硫黄へと完全に焼却された。
【0201】
吸収塔は直径6m、高さ32mであり、最終テールガスの二酸化硫黄含有量は23.3mg/Nmであり、遊離アンモニア含有量は0.75mg/Nmであり、総ダストは14.5mg/Nmであった。
【0202】
本実施例のアンモニア脱硫装置及び方法については、本出願人によって出願された中国特許出願第201710379460.3号及び中国特許出願第201810057884.2号を参照することができる。
【0203】
比較例1
実施例1を、酸性テールガスを調節システム7によって調整せず、1段階廃熱回収に供した酸性テールガスをアンモニア脱硫システムに直接送り込んだ点を除いて繰り返した。アンモニア脱硫システムに入るテールガスのパラメーター及び運転効果は、以下のように比較される。
【0204】
【表5】
【0205】
比較例1における最終テールガスの二酸化硫黄濃度、遊離アンモニア含有量及び総ダスト含有量が全て実施例1よりも高く、アンモニア回収率が実施例1よりも4.7%低い94.3%でしかなく、多大な二次汚染が生じたことが分かる。
【0206】
比較例2
実施例2を、酸性テールガスを調節システム7によって調整せず、酸性テールガスをアンモニア脱硫システムに直接送り込んだ点を除いて繰り返した。アンモニア脱硫システムに入るテールガスのパラメーター及び運転効果は、以下のように比較される。
【0207】
【表6】
【0208】
比較例2における最終テールガスの二酸化硫黄濃度、遊離アンモニア含有量及び総ダスト含有量が全て実施例2よりも高く、アンモニア回収率が実施例2よりも2.2%低い97.2%でしかなく、多大な二次汚染が生じたことが分かる。
【0209】
比較例3
実施例3を、酸性テールガスを調節システムによって調整せず、廃熱回収及び脱窒に供した接触分解触媒再生システムの酸性テールガスをアンモニア脱硫システムに直接送り込んだ点を除いて繰り返した。アンモニア脱硫システムに入るテールガスのパラメーター及び運転効果は、以下のように比較される。
【0210】
【表7】
【0211】
比較例3における最終テールガスの二酸化硫黄濃度、遊離アンモニア含有量及び総ダスト含有量が全て実施例3よりも高く、アンモニア回収率が実施例3よりも8%低い91.3%でしかなく、多大な二次汚染が生じたことが分かる。
【0212】
幾つかの例示的な実施形態を以下に特定する:
(A)酸性ガスを処理する方法であって、アンモニア脱硫プロセスを酸性テールガスの処理に用い、それにより最終テールガスが多段階循環吸収によって放出基準を満たすという目的を達成する、方法。
(B)酸性テールガスが石油化学、天然ガス化学及び石炭化学の酸性ガスを硫黄回収+焼却、硫酸生成及び焼却等のプロセスによって処理した後に得られるテールガスを含む、(A)の方法。
(C)酸性テールガスが接触分解再生煙道ガスを含む、(A)の方法。
(D)酸性テールガスのエンタルピー値を初めに調節システムによって調整し、次いで酸性テールガスを後続のアンモニア脱硫プロセスに送り込む、(B)又は(C)の方法。
(E)多段階循環吸収が冷却サイクル、吸収サイクル及び水洗サイクルを含む、(A)の方法。
(F)調節システムが温度調整ユニット及び/又は湿度調整ユニット、又は温度調整ユニット及び湿度調整ユニットの両方を含む、(D)の方法。
(G)調節システムが硫黄除去ユニット、ダスト除去ユニット及び不純物除去ユニットの1つ以上を更に含む、(F)の方法。
(H)調整後のテールガスのエンタルピー値が60kJ/kg~850kJ/kg(乾燥ガス)、例えば80kJ/kg~680kJ/kg(乾燥ガス)又は100kJ/kg~450kJ/kg(乾燥ガス)の範囲内である、(D)の方法。
(I)硫黄回収を1段階~3段階Claus硫黄回収プロセス、SuperClaus硫黄回収プロセス、EuroClaus硫黄回収プロセス、液相接触酸化硫黄回収プロセス又は生物学的硫黄回収プロセス等の硫黄回収プロセスによって行い、硫酸生成プロセスを湿式硫酸生成プロセス又は乾式硫酸生成プロセスによって行う、(B)の方法。
(J)硫黄回収済テールガス中のHS/SOのモル比を1.2~3、例えば1.5~2.5に制御する、(I)の方法。
(K)硫黄回収+焼却プロセス及び焼却プロセスにおいて、焼却温度が600℃~1300℃、例えば650℃~950℃であり、滞留時間が1秒~6秒、例えば1.5秒~4秒であり、酸性テールガスの酸素含有量が2%~5%、例えば3%~4%であり、酸性テールガスの硫黄酸化物含有量が2000~150000mg/Nm、例えば5000~55000mg/Nmである、(B)の方法。
(L)アンモニア脱硫の循環吸収液を、循環吸収液中の懸濁物質含有量が200mg/L以下となり、及び/又は油含有量が100mg/L以下となるように精製処理に供する、(A)の方法。
(M)調整後のテールガスの有機物含有量が30ppm以下、例えば10ppm以下であり、及び/又は元素硫黄及び硫化水素の含有量が30ppm以下、例えば10ppm以下である、(G)の方法。
(N)特定のプロセス工程が、
1)酸性ガスを、硫黄回収+焼却若しくは硫酸生成若しくは焼却によって処理するか、又は接触分解触媒再生プロセスによって直接処理することにより、酸性テールガスを得ることと、
2)酸性テールガスを調節システムに送り込み、テールガスのエンタルピー値を60~850kJ/kg(乾燥ガス)、例えば80~680kJ/kg(乾燥ガス)又は100~450kJ/kg(乾燥ガス)の範囲内に調整することと、
3)エンタルピー値要件を満たす酸性テールガスを、処理のためにアンモニア脱硫プロセスに送り込み、最終テールガスが多段階循環吸収によって放出基準を満たすという目的を達成することと、
を含む、(A)~(M)のいずれか1つの方法。
(O)酸性ガスを処理する装置であって、酸性ガス前処理システム及びアンモニア脱硫システムを備える、装置。
(P)前処理システムが硫黄回収システム+焼却システム、硫酸生成システム、焼却システム及び接触分解触媒再生システムを含む、(O)の装置。
(Q)硫黄回収システムが1段階~3段階Claus硫黄回収システム、SuperClaus硫黄回収システム、EuroClaus硫黄回収システム、液相接触酸化硫黄回収システム及び生物学的硫黄回収システムを含む、(P)の装置。
(R)温度調節装置及び/又は湿度調節装置、又は温度調節装置及び湿度調節装置の両方を含む調節システムも備える、(O)の装置。
(S)調節システムが硫黄除去装置、ダスト除去装置及び不純物除去装置の1つ以上を更に含む、(Q)の装置。
(T)酸性ガス前処理システム、調節システム及びアンモニア脱硫システムが連続して接続され、酸性ガス前処理システムが硫黄回収システム+焼却システムを含み、調節システムが連続して接続される温度調節装置、湿度調節装置及び硫黄除去装置を含む、(S)の装置。
(U)濃縮装置、固液分離装置及び乾燥装置を含む吸収液処理システムを更に備える、(O)の装置。
(V)吸収液処理システムが浄液装置及び蒸発結晶化装置の1つ以上を更に含む、(U)の装置。
(W)浄液装置が油除去装置及び懸濁物質除去装置の1つ以上を含んでいてもよい、(V)の装置。
(X)懸濁物質除去装置が、懸濁物質含有量が200mg/L以下、例えば20~100mg/L又は30~50mg/Lの循環吸収液を生じるように構成される、(W)の装置。
(Y)油除去装置が空気浮上装置、吸着装置若しくは精密濾過装置、又はそれらの組合せである、(W)の装置。
(Z)油除去装置が、油含有量が100mg/L以下、例えば10~80mg/L又は20~30mg/Lの循環吸収液を生じるように構成される、(Y)の装置。
(AA)油除去装置が焼却システムに接続される、(V)~(Z)のいずれか1つの装置。
【0213】
1. 酸性ガスを処理する装置であって、
酸性ガス前処理システムと、
酸性ガス前処理システムと流体連通したアンモニア脱硫システムと、
を備える、装置。
2. 前処理システムが、硫黄回収システム+焼却システムを含む、実施形態1の装置。
3. 前処理システムが、硫酸生成システムを含む、実施形態1の装置。
4. 前処理システムが、接触分解触媒再生システムを含む、実施形態1の装置。
5. 硫黄回収システムが、1段階のClaus硫黄回収システムを含む、実施形態2の装置。
6. 硫黄回収システムが、2段階のClaus硫黄回収システムを含む、実施形態2の装置。
7. 硫黄回収システムが、3段階のClaus硫黄回収システムを含む、実施形態2の装置。
8. 硫黄回収システムが、液相接触酸化硫黄回収システムを含む、実施形態2の装置。
9. 硫黄回収システムが、生物学的硫黄回収システムを含む、実施形態2の装置。
10. 硫黄回収システムが、Claus硫黄回収システムと流体連通したSuperClaus硫黄回収システムを更に含む、実施形態5~7のいずれかの装置。
11. 硫黄回収システムが、Claus硫黄回収システムと流体連通したEuroClaus硫黄回収システムを更に含む、実施形態5~7のいずれかの装置。
12. 硫黄回収システムが、Claus硫黄回収システムと流体連通した生物学的硫黄回収システムを更に含む、実施形態5~7のいずれかの装置。
13. 硫黄回収システムが、Claus硫黄回収システムと流体連通した液相接触酸化硫黄回収システムを更に含む、実施形態5~7のいずれかの装置。
14. アンモニア脱硫システムと流体連通し且つそれより上流の調節システムを更に備える、実施形態1の装置。
15. 調節システムが、該調節システム内のガス温度を調節するように構成された温度調節器を含む、実施形態14の装置。
16. 調節システムが、該調節システム内のガス湿度を調節するように構成された湿度調節器を含む、実施形態15の装置。
17. 調節システムが、該調節システム内のガス湿度を調節するように構成された湿度調節器を含む、実施形態14の装置。
18. アンモニア脱硫システムと流体連通した硫黄除去デバイスを更に備える、実施形態14~17のいずれかの装置。
19. アンモニア脱硫システムと流体連通したダスト除去装置を更に備える、実施形態14~17のいずれかの装置。
20. アンモニア脱硫システムと流体連通した不純物除去装置を更に備える、実施形態14~17のいずれかの装置。
21. アンモニア脱硫システムと流体連通した硫黄除去デバイスと、
アンモニア脱硫システムと流体連通したダスト除去装置と、
を更に備える、実施形態14~17のいずれかの装置。
22. アンモニア脱硫システムと流体連通した硫黄除去デバイスと、
アンモニア脱硫システムと流体連通した不純物除去装置と、
を更に備える、実施形態14~17のいずれかの装置。
23. アンモニア脱硫システムと流体連通したダスト除去装置と、
アンモニア脱硫システムと流体連通した不純物除去装置と、
を更に備える、実施形態14~17のいずれかの装置。
24. 酸性ガス前処理システムと、
調節システムと、
アンモニア脱硫システムとが下流方向に沿って連続して接続される、実施形態18~23のいずれかの装置。
25. 酸性ガス前処理システムが硫黄回収システム+焼却システムを含む、実施形態24の装置。
26. アンモニア脱硫システムと流体連通し且つそれより上流の調節システムを更に備える、実施形態1の装置。
27. 調節システムが、該調節システム内のガス温度を調節するように構成された温度調節器を含む、実施形態26の装置。
28. 調節システムが、該調節システム内のガス湿度を調節するように構成された湿度調節器を含む、実施形態27の装置。
29. アンモニア脱硫システムと流体連通した硫黄除去デバイスを更に備える、実施形態28の装置。
30. 酸性ガス前処理システムと、
調節システムと、
アンモニア脱硫システムとが下流方向に沿って連続して接続される、実施形態29の装置。
31. 酸性ガス前処理システムが、硫黄回収システム+焼却システムを含む、実施形態30の装置。
32. 調節システムにおいて、温度調節器と、湿度調節器と、硫黄除去デバイスとが下流方向に連続して接続される、実施形態31の装置。
33. 調節システムにおいて、温度調節器と、湿度調節器と、硫黄除去デバイスとが下流方向に連続して接続される、実施形態30の装置。
34. アンモニア脱硫システムが、
アンモニア含有吸収液を循環させるように構成され、
吸収液を受けるように構成された濃縮デバイスと、
吸収液中に懸濁している固体を回収するように構成された固液分離デバイスと、
回収された固体を乾燥させるように構成された乾燥デバイスと、
を含む吸収液処理システムを含む、実施形態1の装置。
35. 吸収液処理システムが、固液分離デバイスと流体連通し且つ操作上その下流方向に配置される浄液デバイスを更に含む、実施形態34の装置。
36. 吸収液処理システムが、濃縮デバイス及び固液分離デバイスに流体連通し且つ操作上、濃縮デバイスの下流且つ固液分離デバイスの上流に配置される蒸発結晶化デバイスを更に含む、実施形態35の装置。
37. 吸収液処理システムが、濃縮デバイス及び固液分離デバイスに流体連通し且つ操作上、濃縮デバイスの下流且つ固液分離デバイスの上流に配置される蒸発結晶化デバイスを更に含む、実施形態34の装置。
38. 浄液デバイスが、固液分離デバイスと流体連通した油除去デバイスを含む、実施形態35又は36の装置。
39. 浄液デバイスが、固液分離デバイスと流体連通した懸濁物質除去デバイスを含む、実施形態38の装置。
40. 浄液デバイスが、固液分離デバイスと流体連通した懸濁物質除去デバイスを含む、実施形態35又は36の装置。
41. 懸濁物質除去デバイスが、懸濁物質含有量が200mg/L以下の循環吸収液を生じるように構成される、実施形態39又は40の装置。
42. 懸濁物質含有量が20~100mg/Lの範囲である、実施形態41の装置。
43. 懸濁物質含有量が30~50mg/Lの範囲である、実施形態42の装置。
44. 油除去デバイスが、固液分離デバイスと流体連通した空気浮上デバイスを含む、実施形態38の装置。
45. 油除去デバイスが、固液分離デバイスと流体連通した吸着デバイスを更に含む、実施形態44の装置。
46. 油除去デバイスが、固液分離デバイスと流体連通した精密濾過デバイスを更に含む、実施形態45の装置。
47. 油除去デバイスが、固液分離デバイスと流体連通した吸着デバイスを更に含む、実施形態38の装置。
48. 油除去デバイスが、固液分離デバイスと流体連通した精密濾過デバイスを更に含む、実施形態38の装置。
49. 油除去デバイスが、固液分離デバイスと流体連通した精密濾過デバイスを更に含む、実施形態47の装置。
50. 油除去デバイスが、固液分離デバイスと流体連通した精密濾過デバイスを更に含む、実施形態44の装置。
51. 油除去デバイスが、油含有量が100mg/L以下の循環吸収液を生じるように構成される、実施形態44~50のいずれかの装置。
52. 油含有量が10~80mg/Lの範囲である、実施形態51の装置。
53. 油含有量が20~30mg/Lの範囲である、実施形態52の装置。
54. 油除去デバイスが、焼却システムと流体連通し且つ操作上その上流に配置される、実施形態44~53のいずれか1つの装置。
55. 酸性ガスを処理する方法であって、
酸性ガスを受けることと、
酸性ガスから、硫酸アンモニウム及び放出基準を満たす最終テールガスを獲得することと、
を含む、方法。
56. 放出基準が、中国GB31570-2015として公表された「石油精製産業についての汚染物質の排出基準」と題する文書に規定される、実施形態55の方法。
57. 放出基準が、中国GB31571-2015として公表された「石油化学産業についての汚染物質の排出基準」と題する文書に規定される、実施形態55の方法。
58. 獲得が、
酸性ガスから硫黄を回収して硫黄回収済テールガスを生成することと、
次いで、硫黄回収済ガスを焼却することと、
を含む、実施形態55の方法。
59. 獲得が、酸性ガスから硫酸を生成することを含む、実施形態55の方法。
60. 獲得が、焼却することを含む、実施形態55の方法。
61. 酸性ガスを石油化学の化学反応により供給することを更に含む、実施形態55~60のいずれかの方法。
62. 酸性ガスを天然ガス化学反応により供給することを更に含む、実施形態55~60のいずれかの方法。
63. 酸性ガスを石炭化学反応により供給することを更に含む、実施形態55~60のいずれかの方法。
64. 獲得が、接触分解再生煙道ガスを発生させることを含み、
酸性テールガスが再生煙道ガスを含む、実施形態55の方法。
65. 獲得が、酸性テールガスのエンタルピー値を調整することを含む、実施形態55~64のいずれかの方法。
66. 獲得が、調整済テールガスを、全てアンモニア循環脱硫反応器内での、冷却段階、吸収段階及び水洗段階に通過させることを含む、実施形態55の方法。
67. 調整が酸性テールガスの温度を変化させることを含む、実施形態65の方法。
68. 調整が酸性テールガスの湿度を変化させることを含む、実施形態65の方法。
69. 調整が酸性テールガスの温度を変化させることを更に含む、実施形態68の方法。
70. 調整が酸性テールガスから硫黄を除去することを更に含む、実施形態67~69のいずれかの方法。
71. 調整が酸性テールガスからダストを除去することを更に含む、実施形態67~69のいずれかの方法。
72. 調整が酸性テールガスから不純物を除去することを更に含む、実施形態67~69のいずれかの方法。
73. 調整が酸性テールガスから不純物を除去することを更に含む、実施形態70の方法。
74. 調整が酸性テールガスから不純物を除去することを更に含む、実施形態71の方法。
75. 調整によりエンタルピー値が60~850kJ/kg(乾燥ガス)に調整される、実施形態65の方法。
76. 調整によりエンタルピー値が80~680kJ/kg(乾燥ガス)に調整される、実施形態75の方法。
77. 調整によりエンタルピー値が100~450kJ/kg(乾燥ガス)に調整される、実施形態76の方法。
78. 回収が酸性ガスを1段階のClaus硫黄回収システムに流すことを含む、実施形態55の方法。
79. 回収が酸性ガスを2段階のClaus硫黄回収システムに流すことを含む、実施形態55の方法。
80. 回収が酸性ガスを3段階のClaus硫黄回収システムに流すことを含む、実施形態55の方法。
81. 回収が酸性ガスを液相接触酸化硫黄回収システムに流すことを含む、実施形態55の方法。
82. 回収が酸性ガスを生物学的硫黄回収システムに流すことを含む、実施形態55の方法。
83. 回収が酸性ガスをSuperClaus硫黄回収システムに流すことを更に含む、実施形態78~80のいずれかの方法。
84. 回収が酸性ガスをEuroClaus硫黄回収システムに流すことを更に含む、実施形態78~80のいずれかの方法。
85. 回収が酸性ガスを生物学的硫黄回収システムに流すことを更に含む、実施形態78~80のいずれかの方法。
86. 回収が酸性ガスを液相接触酸化硫黄回収システムに流すことを更に含む、実施形態78~80のいずれかの方法。
87. 硫酸生成が湿式硫酸生成を含む、実施形態59の方法。
88. 硫酸生成が乾式硫酸生成を含む、実施形態59の方法。
89. 回収が、モル比HS/SOが1.2~3の範囲の硫黄回収済ガスを生成することを含む、実施形態78~88のいずれかの方法。
90. モル比が1.5~2.5の範囲である、実施形態89の方法。
91. 焼却が、
600℃~1300℃の範囲の温度で行われ、
酸性テールガスを生成する、実施形態56の方法。
92. 焼却において、硫黄回収済テールガスの滞留時間が1秒~6秒の範囲である、実施形態91の方法。
93. 酸性テールガスの酸素含有量が2%~5%の範囲である、実施形態91又は92の方法。
94. 酸性テールガスの硫黄酸化物含有量が2000mg/Nm~150000mg/Nmの範囲である、実施形態91~93のいずれかの方法。
95. 焼却が650℃~950℃の範囲の温度で行われる、実施形態91~94のいずれかの方法。
96. 焼却において、硫黄回収済テールガスの滞留時間が1.5秒~4秒の範囲のである、実施形態91~95のいずれかの方法。
97. 酸性テールガスの酸素含有量が3%~4%の範囲である、実施形態91~96のいずれかの方法。
98. 酸性テールガスの硫黄酸化物含有量が5000mg/Nm~55000mg/Nmの範囲である、実施形態91~97のいずれかの方法。
99. 硫黄酸化物含有量が2000mg/Nm~150000mg/Nmの範囲の酸性テールガスを生成することを更に含む、実施形態56の方法。
100. 焼却が、
600℃~1300℃の範囲の温度で行われ、
酸性テールガスを生成する、実施形態99の方法。
101. 焼却滞留時間が1秒~6秒の範囲の硫黄回収済テールガスを焼却することを更に含む、実施形態99又は100の方法。
102. 酸性テールガスの酸素含有量が2%~5%の範囲である、実施形態99~101のいずれかの方法。
103. 焼却が650℃~950℃の範囲の温度で行われる、実施形態99~102のいずれかの方法。
104. 焼却において、硫黄回収済テールガスの滞留時間が1.5秒~4秒の範囲である、実施形態99~103のいずれかの方法。
105. 酸性テールガスの酸素含有量が3%~4%の範囲である、実施形態99~104のいずれかの方法。
106. 酸性テールガスの硫黄酸化物含有量が5000mg/Nm~55000mg/Nmの範囲である、実施形態99~105のいずれかの方法。
107. 酸素含有量が2%~5%の範囲の酸性テールガスを生成することを更に含む、実施形態56の方法。
108. 酸性テールガスの硫黄酸化物含有量が2000mg/Nm~150000mg/Nmの範囲である、実施形態107の方法。
109. 焼却が、
600℃~1300℃の範囲の温度で行われ、
酸性テールガスを生成する、実施形態107又は108の方法。
110. 焼却において、硫黄回収済テールガスの滞留時間が1秒~6秒の範囲である、実施形態107~109のいずれかの方法。
111. 焼却が650℃~950℃の範囲の温度で行われる、実施形態107~110のいずれかの方法。
112. 焼却において、硫黄回収済テールガスの滞留時間が1.5秒~4秒の範囲である、実施形態107~111のいずれかの方法。
113. 酸性テールガスの酸素含有量が3%~4%の範囲である、実施形態107~112のいずれかの方法。
114. 酸性テールガスの硫黄酸化物含有量が5000mg/Nm~55000mg/Nmの範囲である、実施形態107~113いずれかの方法。
115. 焼却において、硫黄回収済テールガスの滞留時間が1秒~6秒の範囲である、実施形態56の方法。
116. 酸素含有量が2%~5%の範囲の酸性テールガスを生成することを更に含む、実施形態115の方法。
117. 硫黄酸化物含有量が2000mg/Nm~150000mg/Nmの範囲の酸性テールガスを生成することを更に含む、実施形態115又は116の方法。
118. 焼却が、
600℃~1300℃の範囲の温度で行われ、
酸性テールガスを生成する、実施形態115~117のいずれかの方法。
119. 焼却が650℃~950℃の範囲の温度で行われる、実施形態115~118のいずれかの方法。
120. 焼却において、硫黄回収済テールガスの滞留時間が1.5秒~4秒の範囲である、実施形態115~119のいずれかの方法。
121. 酸性テールガスの酸素含有量が3%~4%の範囲である、実施形態115~120のいずれかの方法。
122. 酸性テールガスの硫黄酸化物含有量が5000mg/Nm~55000mg/Nmの範囲である、実施形態115~121のいずれかの方法。
123. 獲得が、アンモニア脱硫循環吸収液の懸濁物質含有量を200mg/L以下まで低下させることを含む、実施形態55の方法。
124. 獲得が、アンモニア脱硫循環吸収液の油含有量を100mg/L以下まで低下させることを更に含む、実施形態123の方法。
125. 獲得が、アンモニア脱硫循環吸収液の油含有量を100mg/L以下まで低下させることを含む、実施形態55の方法。
126. 調整により有機物含有量が30ppm以下の調整済テールガスが生成する、実施形態67の方法。
127. 調整により元素硫黄及び硫化水素の含有量が30ppm以下の調整済テールガスが生成する、実施形態67の方法。
128. 調整により有機物含有量が10ppm以下の調整済テールガスが生成する、実施形態126又は127の方法。
129. 調整により元素硫黄及び硫化水素の含有量が10ppm以下の調整済テールガスが生成する、実施形態126~128のいずれかの方法。
130. 調整により元素硫黄及び硫化水素の含有量が30ppm以下の調整済テールガスが生成する、実施形態68の方法。
131. 調整により有機物含有量が30ppm以下の調整済テールガスが生成する、実施形態68の方法。
132. 調整により有機物含有量が10ppm以下の調整済テールガスが生成する、実施形態130又は131の方法。
133. 調整により元素硫黄及び硫化水素の含有量が10ppm以下の調整済テールガスが生成する、実施形態130~132のいずれかの方法。
134. 特定のプロセス工程が、
a)酸性ガスを、硫黄回収+焼却若しくは硫酸生成若しくは焼却によって処理するか、又は接触分解触媒再生プロセスによって直接処理することにより、酸性テールガスを得ることと、
b)酸性テールガスを調節システムに送り込み、該テールガスのエンタルピー値を60kJ/kg~850kJ/kg(乾燥ガス)、例えば80kJ/kg~680kJ/kg(乾燥ガス)又は100kJ/kg~450kJ/kg(乾燥ガス)の範囲内に調整することと、
c)エンタルピー値要件を満たす酸性テールガスを、処理のためにアンモニア脱硫プロセスに送り込み、最終テールガスが多段階循環吸収によって放出基準を満たすという目的を達成することと、
を含む、上記の実施形態のいずれか1つの方法。
【0214】
このように、酸性ガスを処理する装置及び方法を提示した。限定ではなく例示を目的として提示される記載の例以外の例によって本発明を実施することができることが当業者には理解される。本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0215】
1 酸性ガス
2 硫黄回収システム
3 硫黄/硫酸
4 硫黄回収済テールガス
5 焼却システム
6 酸性テールガス
7 調整システム
8 調整済テールガス
9 アンモニア
10 アンモニア脱硫システム
11 硫酸アンモニウム
12 最終テールガス
13 硫酸生成システム
14 冷却装置
15 除湿装置
16 硫黄除去デバイス
17 ダスト除去/不純物除去装置
図1
図2
図3