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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-18
(45)【発行日】2022-05-26
(54)【発明の名称】カバー組立体
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/12 20060101AFI20220519BHJP
   H01Q 1/42 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
H01Q1/12 Z
H01Q1/42
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020054646
(22)【出願日】2020-03-25
(62)【分割の表示】P 2019131243の分割
【原出願日】2019-07-16
(65)【公開番号】P2021019345
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2021-10-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 [公開場所] Modus,LLC 222 Dore Street,San Francisco,CA 94103 [公開年月日] 令和1年7月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000217653
【氏名又は名称】電気興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 成佳
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0043707(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0057047(US,A1)
【文献】特開2018-046505(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103669959(CN,A)
【文献】中国実用新案第205828663(CN,U)
【文献】特開2012-075240(JP,A)
【文献】米国特許第06111553(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0117337(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0140347(US,A1)
【文献】特開平10-152893(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒体を周方向所定間隔で分割してできる2個の立体を各々の外形として有するとともに、収容空間部を内部に有する2個のカバーと、
前記2個のカバーが全体として前記筒体となるように配置されたときに隣接する一方のカバーの周方向一端部と他方のカバーの周方向一端部との間隔が調整可能なように、前記一方のカバーの周方向他端部と前記他方のカバーの周方向他端部とを接合するヒンジ部と、
前記2個のカバーが全体として前記筒体となるように配置された状態で、前記2個のカバーの内周面に囲まれるように位置する柱の地上部における中間部に対して、前記2個のカバーを取り付けるための取付機構と
を備え
前記取付機構は、
前記柱に取り付けられ、前記柱の高さ方向と同方向の穴部を有するブラケットと、
前記ブラケットの穴部と、前記カバーの周方向端部の、前記柱の高さ方向と同方向の穴部とを貫通するように設けられるボルトであって、前記ブラケットの穴部と前記カバーの周方向端部の穴部とのいずれか一方が前記カバーの径方向に延びる長穴部である、ボルトと
を備える、カバー組立体。
【請求項2】
筒体を周方向所定間隔で分割してできるn個の立体を各々の外形として有するとともに、収容空間部を内部に有するn個のカバー(nは3以上の整数である)と、
第1番目のカバーから第n番目のカバーが順に周方向に隣接して全体として前記筒体となるように配置されたときに、互いに周方向に隣接する前記第n番目のカバーの周方向端部と前記第1番目のカバーの周方向端部との間隔が調整可能なように、互いに隣接する第k番目のカバーの周方向端部と第(k+1)番目のカバーの周方向端部とを接合するヒンジ部(kは1以上かつ(n-1)以下の整数である)と、
前記n個のカバーが全体として前記筒体となるように配置された状態で、前記n個のカバーの内周面に囲まれるように位置する柱の地上部における中間部に対して、前記n個のカバーを取り付けるための取付機構と
を備え
前記取付機構は、
前記柱に取り付けられ、前記柱の高さ方向と同方向の穴部を有するブラケットと、
前記ブラケットの穴部と、前記カバーの周方向端部の、前記柱の高さ方向と同方向の穴部とを貫通するように設けられるボルトであって、前記ブラケットの穴部と前記カバーの周方向端部の穴部とのいずれか一方が前記カバーの径方向に延びる長穴部である、ボルトと
を備える、カバー組立体。
【請求項3】
前記収容空間部にアンテナ素子が収容される、請求項1又は2に記載のカバー組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のカバーを備えたカバー組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、設置柱などの建造物にアンテナ取付金具などを介して取り付けられた
アンテナが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-158119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
柱の中間部に対して、当該柱から水平に突出した金具を取り付け、その金具を介してア
ンテナ等の各種機器を柱に取り付けた場合、当該柱付近の景観を損なう可能性がある。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑み、柱付近の景観を損なう可能性を低減しつつ各種機器
を当該柱に効率的に取り付けることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るカバー組立体は、筒体を周方向所定間隔で分割してできる2個の立体を各々の外形として有するとともに、収容空間部を内部に有する2個のカバーと、前記2個のカバーが全体として前記筒体となるように配置されたときに隣接する一方のカバーの周方向一端部と他方のカバーの周方向一端部との間隔が調整可能なように、前記一方のカバーの周方向他端部と前記他方のカバーの周方向他端部とを接合するヒンジ部と、前記2個のカバーが全体として前記筒体となるように配置された状態で、前記2個のカバーの内周面に囲まれるように位置する柱の地上部における中間部に対して、前記2個のカバーを取り付けるための取付機構とを備える。前記取付機構は、前記柱に取り付けられ、前記柱の高さ方向と同方向の穴部を有するブラケットと、前記ブラケットの穴部と、前記カバーの周方向端部の、前記柱の高さ方向と同方向の穴部とを貫通するように設けられるボルトであって、前記ブラケットの穴部と前記カバーの周方向端部の穴部とのいずれか一方が前記カバーの径方向に延びる長穴部である、ボルトとを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、柱付近の景観を損なう可能性を低減しつつ各種機器を当該柱に効率的
に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】アンテナカバー組立体を示す斜視図である。
図2】アンテナカバー組立体が柱に取り付けられた状態を示す説明図である。
図3】アンテナカバー組立体の取付け時の様子を示す斜視図である。
図4】アンテナカバー組立体の取付け時の様子を示す別の斜視図である。
図5】アンテナカバー組立体の取付け時の様子を示す平面図である。
図6】第1の比較例を示す説明図である。
図7】第2の比較例を示す説明図である。
図8】底面に別のカバーが取り付けられた状態を示す斜視図である。
図9】ヒンジ部の別の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は、以
下の実施形態によって限定されるものではない。
【0010】
図1図5に示すように、アンテナカバー組立体100は、第1アンテナカバー1及び
第2アンテナカバー2を備える。第1アンテナカバー1及び第2アンテナカバー2はいず
れも、外形が略半円筒形状であり、アンテナ素子が収容される空間部Sを内部に有する。
アンテナ素子は、空間部S内で径方向外側を向くように配置され、径方向外側方向に電磁
波を放射するとともに、アンテナカバーの外から径方向内側方向に到来する電磁波を受信
する。第1アンテナカバー1と第2アンテナカバー2とは大きさが略同じである。第1ア
ンテナカバー1及び第2アンテナカバー2は、一例として繊維強化プラスチック(FRP
)製である。
【0011】
第1アンテナカバー1は、外周面11と、内周面12と、半円筒の軸方向を上下方向と
したときの軸方向上端面13及び軸方向下端面と、周方向両端面とを有する。第2アンテ
ナ収容部2は、外周面21と、内周面22と、半円筒の軸方向を上下方向としたときの軸
方向上端面23及び軸方向下端面と、周方向両端面とを有する。
【0012】
第1アンテナカバー1の周方向両端部のうち、一方を周方向第1端部1aと呼び、他方
を周方向第2端部1bと呼ぶ。そして、第1アンテナカバー1と第2アンテナカバー2と
が全体として略円筒体となるように配置された状態で、第1アンテナカバー1の周方向第
1端部1aと対向する第2アンテナカバー2の周方向両端部の一方を、第2アンテナカバ
ー2の周方向第1端部2aと呼ぶ。また、上記状態で、第1アンテナカバー1の周方向第
2端部1bと対向する第2アンテナ収容部2の周方向両端部の他方を、第2アンテナカバ
ー2の周方向第2端部2bと呼ぶ。
【0013】
アンテナカバー組立体100はさらに、第1アンテナカバー1の周方向第2端部1bと
第2アンテナカバー2の周方向第2端部2bとを接合し、軸方向に揺動可能なヒンジ部H
を備える。ヒンジ部Hは、第1アンテナカバー1の周方向第1端部1aと第2アンテナカ
バー2の周方向第1端部2aとの間隔Dが調整可能なように、設けられている。このよう
に、アンテナカバー組立体100はいわゆるクラムシェル型である。
【0014】
アンテナカバー組立体100を柱9に取り付ける際には、第1アンテナカバー1と第2
アンテナカバー2とをヒンジ部Hにより揺動させて、間隔Dを広げる。間隔Dが広げられ
た状態で、第1アンテナカバー1及び第2アンテナカバー2を柱9に近づけ、両アンテナ
カバーの内周面間に柱9が位置するようにする。その後、両アンテナカバーをヒンジ部H
により揺動させて、間隔Dをゼロにする。続いて、アンテナカバー組立体100が備える
取付機構(後述)により、アンテナカバー組立体100が柱9に固定される。
【0015】
上記取付機構は、第1アンテナカバー1と第2アンテナカバー2とが全体として略円筒
体となるように配置された状態で、第1アンテナカバー1の内周面12と第2アンテナカ
バー2の内周面22との間に位置する柱9に対して両アンテナカバーが取り付けられるた
めの機構である。柱9の例として、電柱、街灯の支柱、信号柱が挙げられる。
【0016】
取付機構は、一例として、複数のリング状部品5と第1ブラケット6とボルト7と、第
2ブラケット8とを備える。複数のリング状部品5は、柱9の中間部の外周面に接するよ
うに、かつ柱9の高さ方向(すなわち垂直方向)に間隔を置いて柱9に取り付けられる。
【0017】
第1ブラケット6は、全体として細長い形状であり、長手方向に垂直な断面構造が略U
字状である。第1ブラケット6は、長手方向が垂直方向となるように配置された状態で、
水平方向に向かい合う第1及び第2の平面部61及び62と、両平面部を連結する第3の
平面部63とを備える。第1の平面部61には、長手方向に間隔を置いて複数の穴部が設
けられており、これらの複数の穴部と対向するように第2の平面部62にも複数の穴部が
設けられている。
【0018】
そして、各リング状部品5が、第1の平面部61に設けられた複数の穴のうちの1つと
、その穴に対応するように設けられた第2の平面部62における穴とに挿入された状態で
、各リング状部材5が柱9に取り付けられる。これにより、第1ブラケット6は、第1の
平面部61及び第2の平面部62が柱9に接触した状態で、柱9に取り付けられる。
【0019】
第1ブラケット6において、第3の平面部63の長手方向両端部から、水平方向かつ柱
9から遠ざかる方向に延びるように第4の平面部64が形成されている。この第4の平面
部64には、リング状部品5の周方向と平行な方向に間隔を置いて2つの穴部64a及び
64bが設けられている。
【0020】
他方、第1アンテナカバー1において、軸方向上端面13の周方向両端部は、周方向両
端面15及び16から周方向に突出した形状である。両突出部にはそれぞれ、軸方向に穿
設され、かつ径方向に長い長穴部13a及び13bが設けられている。また、第2アンテ
ナカバー2において、軸方向上端面23の周方向両端部は、周方向両端面から周方向に突
出した形状である。両突出部にはそれぞれ、軸方向に穿設され、かつ径方向に長い長穴部
23a及び23bが設けられている。
【0021】
同様に、第1アンテナカバー1において、軸方向下端面の周方向両端部も、周方向両端
面15及び16から周方向に突出した形状である。両突出部にはそれぞれ、軸方向に穿設
され、かつ径方向に長い長穴部が設けられている。また、第2アンテナカバー2において
、軸方向下端面の周方向両端部は、周方向両端面から周方向に突出した形状である。両突
出部にはそれぞれ、軸方向に穿設され、かつ径方向に長い長穴部が設けられている。
【0022】
そして、カバー組立体が閉じられたとき(すなわち間隔Dがゼロのとき)に、長穴部1
3aと穴部64aとを貫通するように、そして、長穴部23aと穴部64bとを貫通する
ように、ボルト7が設けられる。柱9の直径に応じて、径方向に長い長穴部13a及び2
3aに沿ってボルト7を移動させ、適切な位置でボルト7を固定することができる。
【0023】
第2ブラケット8は全体として略L字型であり、第1アンテナカバー1の長穴部13b
の軸方向内側に位置し、水平方向に延びる第1の平面部81と、第1の平面部81の径方
向内側端部から軸方向外側に延びる第2の平面部82とを有する。
【0024】
第1の平面部81には、周方向に間隔を置いて2つの穴部が設けられている。一方の穴
部と、長穴部13bとを貫通するように、ボルト7が設けられる。また、カバー組立体が
閉じられたとき(すなわち間隔Dがゼロのとき)に、第1の平面部における他方の穴部と
、長穴部23bとを貫通するように、ボルト7が設けられる。長穴13b及び23bにお
けるボルト7の締結位置は、径方向に調整可能である。
【0025】
第2の平面部82は、第1ブラケット6を固定するリング状部材5と同様のリング状部
材を介して、柱9に取り付けられる。
【0026】
長穴部13a及び13bと同様の長穴部が、第1カバー1の軸方向下端面にも設けられ
ている。また、長穴部23a及び23bと同様の長穴部が、第2カバー2の軸方向下端面
にも設けられている。そして、長穴部13a及び13b並びに23a及び23bに関して
述べた柱9への取付けと同様の取付けが、第1カバー1の軸方向下端面に設けられた長穴
部及び第2カバー2の軸方向下端面に設けられた長穴部に関しても行われる。
【0027】
このように、リング状部材5と、第1ブラケット6と、ボルト7と、第2ブラケット8
とを備えた取付機構により、アンテナカバー組立体100は、その中心軸と柱9の中心軸
とが同軸となるように、柱9に取り付けられる。
【0028】
以上のように、略円筒体のアンテナカバー組立体100は、柱9の中間部に対し、柱9
の外周面を取り巻くように取り付けることができる。つまり、略円筒体のアンテナカバー
組立体100の中空部に柱が位置する。そして、両アンテナカバーの空間部に収容された
アンテナ素子は、径方向外側方向に電磁波を放射するとともに、アンテナカバーの外から
径方向内側方向に到来する電磁波を受信する。いずれのアンテナ素子においても、電磁波
の伝搬経路の途中に柱9が位置することはない。そのため、柱9によるアンテナ電気特性
の劣化(特に、水平面指向性の劣化)を抑えることができる。これは特に、アンテナが水
平オムニアンテナの場合に有益である。
【0029】
なお、比較例として、図6に、柱9の中間部から水平方向に突出した金具91によりア
ンテナ200が柱9に取り付けられた状態を示す。この場合、アンテナ200の電磁波の
伝搬経路によっては、経路の途中に柱9が位置することとなり、水平面指向性、反射特性
などのアンテナ電気特性が劣化する可能性がある。
【0030】
また、図7に示すように、柱9aの頂部にアンテナ200を取り付けることができれば
、アンテナ電気特性の劣化を抑えることができる。しかし、柱の頂部に限定されることか
ら、一定の範囲を有する柱の中間部への取付けに比べて、取付けの自由度が低い。また、
柱9aの頂部に避雷針などの別の部品が既に設けられているなどの理由から、図7に示す
ような取付けは事実上、不可能であることが多い。
【0031】
図1図5に示した実施形態によれば、柱の中間部のスペースを有効に活用しつつ、ア
ンテナ電気特性の劣化を抑えることができる。また、アンテナを柱の中間部に簡易に取り
付けることができる。加えて、柱を取り巻くように、柱に対して同軸に設けられることか
ら、柱から水平方向に突出した金具により取り付ける場合に比べて、景観が損なわれてし
まうことを抑えることができる。
【0032】
さらに、アンテナが柱と同軸に取り付けられることにより、アンテナ受風荷重の低下に
つながり、柱に対する負荷も低減される。特に図6に示した形態に比べて、受風荷重によ
る回転モーメントの低下も期待でき、柱への取付強度も一定程度、下げることができる。
【0033】
さらに、アンテナカバー組立体を柱に取り付けるための部品点数が比較的少なくて済む
。また、長穴部13a及び23aにより、アンテナカバー組立体が取り付けられる柱の径
に合わせて、ボルト7の固定位置を調整することができる。つまり、アンテナカバー組立
体の柱中間部への取付けが容易である。
【0034】
また、ヒンジ部Hにより、第1アンテナカバーと第2アンテナカバーとの位置合わせが
容易である。
【0035】
なお、径の異なる柱に対応可能な位置調整機構の例として、長穴部を挙げたが、これに
限定されない。柱の外周とアンテナカバーとを繋ぐ突出し腕の長さ調整は、アンテナカバ
ーの長穴部ではなく、第1ブラケット6において行うようにしてもよい。
【0036】
2つのアンテナカバーの各空間部内のアンテナ素子に通電するためのケーブルは、各ア
ンテナカバーの軸方向下端面に設けられた端子を通して下方に延ばすことができる。図8
に示すように、上記端子を隠すために、柱9に取り付けられたアンテナカバー組立体10
0の底面にカバーCを取り付けてもよい。
【0037】
近年、ネットワークの高密度化を図るべく、大型タワーへのアンテナ設置ではなく、小
型柱へのアンテナ設置が増加傾向にある。上記実施形態によれば、街路に隣接する照明柱
の中間部、信号柱の中間部などのデッドスペースを有効活用し、かつ景観を大きく損ねる
ことなくアンテナを設置することができる。
【0038】
アンテナ素子を収容するアンテナカバーを備えたアンテナカバー組立体についてこれま
で説明したが、これに限定されない。収容空間部に各種機器が収容されたカバー組立体と
することができる。各種機器の例として、アンテナ素子の他、各アンテナ素子に電力を分
配する分配器などを含む無線通信機器と、各種センサやモジュールなどのIoT機器と、
監視カメラシステム、デジタルサイネージなどで用いられる機器とが挙げられる。
【0039】
カバー1及びカバー2の外周面に、デジタルサイネージで用いられるディスプレイ又は
プロジェクタを設置することも可能である。
【0040】
ヒンジ部の例として、図5に、回転軸部が当該ヒンジのカバー1及び2への取付け位置
よりも周方向内側に位置しているヒンジ部Hを示したが、これに限られない。図9に示す
ように、回転軸部が当該ヒンジのカバー1及び2への取付け位置よりも周方向外側、かつ
カバー1及び2の外周面外側に位置しているヒンジ部Haを用いることも可能である。
【0041】
ヒンジ部は必須の要素ではない。ヒンジ部がない場合は、柱9を挟むようにしてカバー
1及びカバー2を全体として略円筒体となるように組み合わせた上で、両カバーを互いに
固定すればよい。
【0042】
上記実施形態においては、略円筒体を縦に半分に切ってできる2つの略半円筒体の各々
をカバーとしたが、これに限定されない。カバー組立体が備える複数のカバーは、円筒、
角筒を含む筒体を周方向所定間隔で分割してできる複数の立体を各々の外形として有する
とともに、収容空間部を内部に有していればよい。
【0043】
これまでに説明した実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
[付記1]
カバー組立体は、筒体を周方向所定間隔で分割してできる複数の立体を各々の外形とし
て有するとともに、収容空間部を内部に有する複数のカバーと、前記複数のカバーが全体
として筒体となるように配置された状態で、前記複数のカバーの内周面に囲まれるように
位置する柱に対して、前記複数のカバーを取り付けるための取付機構とを備える。
【0044】
[付記2]
前記複数のカバーの個数を2個とすることができる。この場合、前記2個のカバーが全
体として前記筒体となるように配置されたときに隣接する一方のカバーの周方向一端部と
他方のカバーの周方向一端部との間隔が調整可能なように、前記一方のカバーの周方向他
端部と前記他方のカバーの周方向他端部とを接合するヒンジ部が設けられる。
【0045】
[付記3]
前記複数のカバーの個数はn個であってもよい。ただし、nは3以上の整数である。そ
して、第1番目のカバーから第n番目のカバーが順に周方向に隣接して全体として前記筒
体となるように配置されたときに、互いに周方向に隣接する前記第n番目のカバーの周方
向端部と前記第1番目のカバーの周方向端部との間隔が調整可能なように、互いに隣接す
る第k番目のカバーの周方向端部と第(k+1)番目のカバーの周方向端部とを接合する
ヒンジ部がさらに設けられていてもよい。ただし、kは1以上かつ(n-1)以下の整数
である。
【0046】
本発明の特定の実施形態について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定され
ず、本発明の技術的思想に基づく種々の変更は本発明の概念に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
100 アンテナカバー組立体

1 第1アンテナカバー
11 外周面
12 内周面
13 軸方向上端面
1a 周方向第1端部
1b 周方向第2端部

2 第2アンテナカバー
21 外周面
22 内周面
23 軸方向上端面
2a 周方向第1端部
2b 周方向第2端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9