(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-18
(45)【発行日】2022-05-26
(54)【発明の名称】破断した半導体ダイを含む半導体デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 25/065 20060101AFI20220519BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20220519BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20220519BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20220519BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20220519BHJP
H01L 27/10 20060101ALI20220519BHJP
H01L 27/11556 20170101ALI20220519BHJP
H01L 27/11582 20170101ALI20220519BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20220519BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20220519BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20220519BHJP
H01L 21/301 20060101ALN20220519BHJP
【FI】
H01L25/08 E
H01L27/04 E
H01L27/10 495
H01L27/11556
H01L27/11582
H01L29/78 371
H01L21/78 T
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020104308
(22)【出願日】2020-06-17
【審査請求日】2020-06-19
(32)【優先日】2020-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511242535
【氏名又は名称】サンディスク テクノロジーズ エルエルシー
【住所又は居所原語表記】5080 Spectrum Drive,Suite 1050W,Addison,Texas 75001,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル リネン
(72)【発明者】
【氏名】キルバカラン ペリヤナン
(72)【発明者】
【氏名】ジャヤヴェル パチャムトゥ
(72)【発明者】
【氏名】ナレンディラン シーアール
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ ドラキア
(72)【発明者】
【氏名】エヴェレット ライオンズ ザ フォース
(72)【発明者】
【氏名】ホワン フイン
(72)【発明者】
【氏名】ダット ディン
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-186653(JP,A)
【文献】特開2002-280521(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0240782(US,A1)
【文献】特開平03-069142(JP,A)
【文献】特開昭63-285945(JP,A)
【文献】特開2003-273229(JP,A)
【文献】特開2003-224190(JP,A)
【文献】特開2017-055052(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0175006(US,A1)
【文献】特開2021-047968(JP,A)
【文献】特開2020-145231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/065
H01L 21/822
H01L 27/10
H01L 27/11556
H01L 27/11582
H01L 21/336
H01L 21/301
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ダイであって、
基板と、
前記基板内のダイボンドパッドであって、前記半導体ダイとの間で電気信号を伝達するように構成されたダイボンドパッドと、
前記基板内のメモリセルアレイであって、前記ダイボンドパッドに電気的に結合され、複数のブロックに分割されたメモリセルアレイと、を備え、
前記半導体ダイが、前記半導体ダイの元のサイズよりも小さいサイズに破断され、
前記半導体ダイは前記半導体ダイの端部において前記複数のブロックのうちの一のブロックにおいて破断される、半導体ダイ。
【請求項2】
前記メモリセルアレイが、前記半導体ダイを破断する際に破断される、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項3】
前記メモリセルアレイが、前記半導体ダイのスクライブライン基準軸に沿って順次配置された複数のブロックを含み、前記メモリセルアレイは、前記ブロックが沿って配置されている前記スクライブライン基準軸に垂直な平面内で破断される、請求項2に記載の半導体ダイ。
【請求項4】
前記メモリセルアレイが、前記ダイボンドパッドに電気的に結合された電気トレースを含み、前記電気トレースが破断される、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項5】
前記破断した電気トレースが、前記メモリセルアレイ内のビット線を含む、請求項4に記載の半導体ダイ。
【請求項6】
一対の電気トレースが、前記一対の電気トレース間の電気的短絡を除去するために破断されている、請求項4に記載の半導体ダイ。
【請求項7】
前記破断した半導体ダイの前記サイズが、前記半導体ダイを含む半導体パッケージのサイズに基づいて、カスタマイズされる、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項8】
前記破断した半導体ダイの前記サイズが、前記半導体ダイを含む半導体パッケージのサイズと、前記パッケージに含まれる半導体ダイの数と、に基づいて、カスタマイズされる、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項9】
前記半導体ダイは、前記半導体ダイが破断される前に冷却される、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項10】
半導体デバイスであって、
第1の半導体ダイであって、
第1の基板と、
前記第1の基板内の第1の群のダイボンドパッドであって、前記第1の半導体ダイとの間で電気信号を伝達するように構成されている、第1の群のダイボンドパッドと、
前記第1の基板内の第1の集積回路であって、前記第1の群のダイボンドパッドに電気的に結合された第1の集積回路と、を含み、その端部において破断されたブロックを含む、第1の半導体ダイと、
第2の半導体ダイであって、
第2の基板と、
前記第2の基板内の第2の群のダイボンドパッドであって、前記第2の半導体ダイとの間で電気信号を伝達するように構成されている、第2の群のダイボンドパッドと、
前記第2の基板内の第2の集積回路であって、前記第2の群のダイボンドパッドに電気的に結合された第2の集積回路と、を含む、第2の半導体ダイと、を備え、
前記第2の半導体ダイが、その端部において一対の破断した
電気トレースを含
み、前記破断により前記一対の破断した
電気トレースの間での電気的短絡を除去する、半導体デバイス。
【請求項11】
前記第2の半導体ダイ
のサイズが、前記半導体デバイスのフォームファクタに基づいてカスタマイズされる、請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記第2の半導体ダイがメモリダイであり、前記第2の集積回路がメモリセルアレイを含む、請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
前記メモリセルアレイが、前記第2の半導体ダイを破断する際に破断される、請求項12に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
前記第2の集積回路が、前記第2の群のダイボンドパッドに電気的に結合された電気トレースを含み、前記電気トレースが破断される、請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
前記破断した電気トレースが
、メモリセルアレイ内のビット線を含む、請求項14に記載の半導体デバイス。
【請求項16】
前記第2の半導体ダイが、前記第2の半導体ダイが破断される前に冷却される、請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項17】
前記第1の半導体ダイ及び前記第2の半導体ダイが、オフセット構成で互いに積層され、これによりワイヤボンドを受容するために前記第1及び第2の群のボンドパッドが露出され、利用可能な状態とされる、請求項10に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ポータブル消費者向け電子機器に対する需要の大きな高まりは、高容量記憶デバイスの必要性を推進している。フラッシュメモリ記憶カードなどの不揮発性半導体メモリデバイスは、デジタル情報の記憶及び交換に対するますます高まる要求を満たすために広く使用されている。それらの携帯性、汎用性、及び頑丈な設計は、それらの高い信頼性及び大きな容量と共に、例えば携帯電話、デジタルカメラ、ビデオゲームコンソール、パーソナルデジタルアシスタント、医療電子機器、モバイル及び非モバイルコンピュータ、サーバ及びソリッドステートドライブ(SSD)を含む、多種多様な電子デバイスでの使用に理想的なメモリデバイスを作製してきた。
【0002】
近年、層に形成されたメモリセルストリングを有する3D積層メモリ構造を使用して、超高密度メモリデバイスが提案されている。そのような記憶デバイスの1つは、Bit Cost Scalable(BiCS)アーキテクチャと呼ばれることがある。BiCS及び他のNANDメモリデバイスは、シリコンなどの基板ベース内に形成されたメモリデバイス層を含むウェハ内に作製される。ウェハは、個々の半導体ダイにダイシングされ、その後、積層され、電気的に接続され、封入されて、完成した半導体メモリパッケージを形成することができる。
【0003】
半導体ダイは、標準的なサイズで作製される。しかしながら、時には、より小さい半導体ダイを使用することが望ましい。例えば、半導体ダイをオフセット階段状構成(offset stepped configuration)でパッケージングする場合、積層体内の標準サイズのダイのうちのいくつかが、パッケージの標準的なフットプリントの外側に延在するであろう点にオフセットされることが起こり得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本技術の実施形態による半導体デバイスを形成するためのフローチャートである。
【
図2】本技術の実施形態による、半導体ウェハ及びその半導体ダイの上面図である。
【
図3】本技術の実施形態による、半導体ダイの断面端形図である。
【
図4】本技術の実施形態による、半導体ダイからのメモリセルアレイの一部分の斜視図である。
【
図5】本技術の実施形態による、半導体ダイの部分を折り取るための切線を有する、半導体ウェハ及びその半導体ダイの上面図である。
【
図6】本技術の実施形態による、スクライブラインでスコアリングされた半導体ダイの断面端形図である。
【
図7】本技術の実施形態による、半導体ダイの厚さを通って、ダイを破断するためのスクライブラインの伝播を示す半導体ダイの断面端形図である。
【
図8】メモリセルアレイが破断する平面を示す斜視図である。
【
図9】半導体ダイが破断した後のメモリセルアレイの一部分の電気トレースの上面図である。
【
図10】本技術の実施形態による、メモリセルアレイのそれぞれのトレース間の任意の電気的短絡をクリアした後の、メモリセルアレイの一部分の電気トレースの上面図である。
【
図11】半導体ダイを最終厚さにバック研削した後の半導体ダイの断面端形図で
【
図12】本技術の実施形態による、破断部分が除去された最終半導体ダイを示す断面端形図である。
【
図13】本技術の実施形態による、破断した半導体ダイから構成される完成した半導体デバイスの断面端形図である。
【
図14】本技術の実施形態による、標準サイズ及び破断した半導体ダイから構成される完成した半導体デバイスの断面端形図である。
【
図15】本技術の実施形態による、標準サイズ及び破断した半導体ダイから構成される完成した半導体デバイスの断面端形図である。
【
図16】本技術の実施形態による、ウェハにスコアリングするための支持テーブルの上面図である。
【
図17】本技術の実施形態による、ウェハにスコアリングするための支持テーブルの上面図である。
【
図18】本技術の実施形態による、ウェハを破断するための固定具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
ここで、本技術は、図を参照して説明され、実施形態では、破断した半導体ダイ及び破断した半導体ダイを使用して形成される半導体デバイスに関連する。ウェハ内の半導体ダイの製造中に、ウェハは、半導体ダイの各行の一部を通る一連の平行スクライブラインでスコアリングされてもよい。スクライブラインは次に、ウェハの全厚を通る{1,0,0}結晶面を通って、伝播して、半導体ダイのそれぞれの一部を折り取る。破断面は、破断した半導体ダイ内に残っているメモリセルが破断によって影響を受けないように設けられる。
【0006】
半導体ダイの破断後、ウェハを再組み立てし、読取/書込動作について試験することができる。メモリセルアレイ内のビット線などの電気トレースが、ダイ破断プロセス中に共に短絡することが起こり得る。本技術の更なる態様によれば、これらの電気的短絡は、電気トレースのそれぞれを通じて電流を流すことによって、クリアするか、又は「ポッピング」することができる。
【0007】
電気的試験及び任意の電気的短絡のポッピングの後、半導体ウェハをバック研削プロセスで薄くすることができ、破断した半導体ダイを取り除いて、破断した部分を廃棄することができる。その後、破断した半導体ダイは、それ自体によって、又は標準サイズの半導体ダイと共に、パッケージ化されてもよい。
【0008】
本発明は、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではないことが理解される。むしろ、これらの実施形態は、本開示が完璧かつ完全であり、本発明を当業者に十分に伝えるように提供される。実際、本発明は、添付の「特許請求の範囲」によって定義される本発明の範囲及び趣旨内に含まれる、これらの実施形態の代替物、修正、及び均等物を網羅することが意図される。更に、本発明の以下の詳細な説明において、本発明の完璧な理解を提供するために、数多くの具体的な詳細が記載される。しかしながら、本発明が、そのような具体的な詳細を伴わずに実施され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0009】
本明細書で使用する場合、「頂部」及び「底部」、「上方」及び「下方」、並びに「垂直」及び「水平」という用語、並びにそれらの形態は、単に例として、及び例解目的のためであるに過ぎず、参照された項目が位置及び配向において交換され得る限り、本技術の説明を限定することを意図するものではない。また、本明細書で使用するとき、「実質的に」及び/又は「約」という用語は、指定された寸法又はパラメータが、所与の用途の許容可能な製造許容範囲内で変化し得ることを意味する。一実施形態では、許容可能な製造許容差は、所与の寸法の±2.5%である。パラメータに応じて、製造公差は、例えば、±5%、±10%及び±25%を含む更なる実施形態におけるものよりも大きくてもよい。
【0010】
ここで、本技術の一実施形態を、
図1のフローチャート及び
図2~
図18の図面を参照して説明する。工程200では、
図2に示すように、半導体ウェハ100が多数の半導体ダイ102に加工され得る。半導体ウェハ100は、チョクラルスキー(Czochralski、CZ)法又は浮遊ゾーン(floating zone、FZ)法のいずれかに従って成長させた単結晶シリコンであり得るウェハ材料のインゴットとして開始してよい。しかしながら、ウェハ100は、更なる実施形態において、他の材料で、及び他のプロセスによって形成されてもよい。
【0011】
半導体ウェハ100は、インゴットから切断され、第1の主面104及び表面104の反対側の第2の主面106(
図3)の両方で研磨されて、平滑な表面を提供することができる。第1の主面104は、様々な加工工程を経て、ウェハ100をそれぞれの半導体ダイ102に分割し、それぞれの半導体ダイ102の集積回路を第1の主面104の上及び/又は中に形成することができる。
【0012】
具体的には、工程200では、半導体ダイ102は、
図3の断面端形図に示すように、誘電体基板114内に作製されたメモリセルアレイ110の形態の集積回路を含むように実施形態において処理され得る。
図3は、ウェハ100からの単一の半導体ダイ102を示す。基板114は、例えば二酸化ケイ素などのシリコンであってもよいか、又はシリコンを含んでもよいが、更なる実施形態では他の材料であってもよいか、又はそれを含んでもよい。パッシベーション層116は、ダイ102の表面の上に形成されてもよい。パッシベーション層116は、例えば二酸化ケイ素であってもよいが、更なる実施形態では他の材料で形成されてもよい。このような追加の材料としては、窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、又は他の材料が挙げられ得る。
【0013】
メモリセルアレイ110は、各要素が個々にアクセス可能である複数のメモリ素子を含むように構成されていてもよい。非限定的な例として、メモリセルアレイ110は、直列に接続されたメモリ素子を含むNAND構成(NANDメモリ)のフラッシュメモリシステムであってもよい。メモリセルアレイ110は、いわゆるBiCSを含む2次元(2D)、又は3次元(3D)メモリセルアレイであり得る。ここで、1つのNAND構成の更なる詳細を、
図4の斜視図を参照して説明する。他のメモリ構成が提供され得ることが理解される。
【0014】
図4は、垂直NANDストリングとして配置される複数の不揮発性メモリセルを含む、メモリセルアレイ110を備え得るモノリシック3次元メモリセルアレイの例示的な一実施形態の一部の斜視図である。
図4に示すメモリアレイ110は、メモリ素子が複数のメモリデバイスレベルを占有するように配置され、それによって、3次元の、すなわち、x、y、及びz方向の、構造を形成し、半導体ダイ102の主平面104に対し、z方向は実質的に垂直であり、x及びy方向は実質的に平行である。
【0015】
図4に示すメモリセルアレイ110の部分は、2つの平面120、122に分割される。次いで、各平面をn個のブロック(BK
0、BK
1、BK
2、BK
3、...、BK
n)に分割する。一実施例では、各平面は、約2000個のブロックを有し得る。しかしながら、異なる数のブロック及び平面を、異なる実施形態で使用することができる。ブロックは、共通のワード線のセットを共有する、接続されたメモリセルの群を表し得る。実施形態では、第1のブロックBK
0は、ダイボンドパッド108を含むダイ102の端部に最も近くてもよい。各平面120、122は、同一であってもよい。第1及び第2の平面内のブロックは、y軸に沿って配置されてもよく、各ブロックは、y軸に垂直なx-z平面内に存在する境界を有してもよい。
【0016】
図4は、NANDストリング124の垂直列(平面120、122のBK
0の破線で示される垂直列の1並び)を表す複数の円を更に示す。垂直列のそれぞれは、複数の選択トランジスタ及び複数のメモリセルを含む。
図4は、メモリセルアレイ110の一部分のみを示し、各平面120、122は、示されているよりも多くのNANDストリング124の垂直列を含み得る。
図4は、各平面120、122に1組の電気トレース130を更に示しており、この電気トレース130は、例えば、ブロックのそれぞれにおいて垂直NANDストリング124の上方に配置され、垂直NANDストリング124に電気的に接続されたビット線であってもよい。示されているより多くの電気トレース130が存在してもよい。
【0017】
メモリセルアレイ110は、既知の追加の構成要素を含んでもよい。メモリセルアレイ110の特定の構成が
図4に示されているが、メモリセルアレイ110のメモリ素子は、更なる実施形態では他の構成を有してもよい。例えば、メモリセルアレイ110は、例えば、NORメモリセルアレイのように、各要素が個別にアクセス可能であるように構成され得る。NAND及びNORメモリ構成は例示的であり、メモリ素子は、別の方法で構成され得る。
【0018】
工程204において、メモリセルアレイ110の形成後又は形成中に、半導体ダイ102の基板114内に内部電気接続部が形成されてもよい。内部電気接続部は、基板114の層を通って連続的に形成された金属相互接続126及びビア128の複数の層を含み得る。当該技術分野において既知であるように、金属相互接続126、ビア128、及び基板114は、フォトリソグラフィプロセス及び薄膜堆積プロセスを使用して、一度に層を形成することができる。フォトリソグラフィプロセスは、例えば、パターン定義、プラズマ、化学エッチング、又はドライエッチング及び研磨を含んでもよい。薄膜堆積プロセスは、例えば、スパッタリング及び/又は化学蒸着を含んでもよい。金属相互接続126は、当該技術分野において既知であるように、例えば銅及び銅合金を含む様々な導電性金属から形成されてもよく、ビア128は、当該技術分野において既知であるように、例えばタングステン、銅及び銅合金を含む様々な導電性金属で裏打ち及び/又は充填されてもよい。
【0019】
工程208では、
図2及び
図3に示すように、ボンドパッド108を半導体ダイ102の主平面104上に形成することができる。メモリセルアレイ110は、金属相互接続126及びビア128によってボンドパッド108に電気的に接続されてもよい。
図2及び
図3に示される金属相互接続126、ビア128、及びボンドパッド108の数及び位置は、単なる例としてであり、更なる実施形態では異なり得る。例えば、各ダイ102は、更なる実施形態に示されるよりも多くの金属相互接続126、ビア128、及びボンドパッド108を含んでもよく、ボンドパッド108の様々な他のパターンを含んでもよい。
【0020】
「背景技術」の項に記載されているように、半導体ダイ102は、従来、標準的なサイズで形成されており、時として、より小さいカスタマイズされた寸法の半導体ダイ102を形成することが望ましい場合がある。本技術の態様によれば、半導体ダイ102を、y軸に垂直な平面で破断して(
図3及び
図4)、そのようなカスタマイズされた半導体ダイ102を形成することができる。具体的には、半導体ダイ102を破断して、各半導体ダイ102から部分メモリセルアレイ110などの集積回路の一部分を折り取ることができる。以下に説明するように半導体ダイ102の破断は、本明細書において破断した半導体ダイ102’及び破断部分132と称されるものをもたらす。破断した半導体ダイ102’は、(半導体ダイ102よりも少ないメモリ容量を有するが)動作可能な半導体ダイである。破断した部分132は、以下に説明するように、破断した半導体ダイ102’がウェハ100からダイシングされるときに廃棄され得る。
【0021】
工程212では、半導体ウェハ100は、例えば
図5に示されるようにスクライブライン140でスコアリングされてもよい。実施形態では、スクライブライン140は、ウェハ100上に並んでいる半導体ダイにおいて、それぞれの半導体ダイ102の一部分を通過して互いに並行であってもよい。実施形態では、スクライブライン140は、半導体ダイの各並びの幅寸法wに沿って同じ位置を通過して、ウェハ100内の各破断した半導体ダイ102’の同じ幅w’を提供してもよい。破断した半導体ダイ102’の寸法w’は、実施形態において異なり得るが、例えば、元の完全ダイ102の幅寸法wの50%~95%であってもよい。
【0022】
図6の断面図に示されるように、スクライブライン140は、第2の平面106内に形成されてもよく、その一方で、アクティブな第1の主面104は支持テーブル上に支持される。スクライブライン140が作製されている間にウェハ100を支持するための支持テーブルの一例を
図16~
図17に関して以下に説明する。スクライブライン140は、例えばダイヤモンド刃、レーザー、プラズマ切断装置、又はウォータージェットを含む様々な技術を使用して形成されてもよいが、他の技術が想到される。
【0023】
工程214において、ウェハはスクライブライン140に沿って応力がかけられ、
図7の断面図及び
図8の斜視図で示されるように、ウェハ100を完全に通ってスクライブライン140によって開始された切断を伝播することができる。スクライブライン140に沿ってウェハに応力をかけ、ウェハを破断するための固定具の一例を、
図18に関して以下に説明する。ウェハ100の結晶性組成物のために、ウェハの応力は、スクライブライン140からの平面切断142を伝播し、この切断は、第2の主面106から第1の主面104まで完全に平面方向にウェハを通って進行することになる。
図8に示されるように、この切断は、メモリセルアレイ110及びウェハの全厚を通る{1,0,0}結晶面(すなわち、x-z平面)を通って自然に伝播して、各半導体ダイ102の部分132を破断することになる。
【0024】
図7及び
図8に示されるように、破断した部分132は、メモリセルアレイ110の破断した部分を含んでもよい。{1,0,0}結晶面に沿ってウェハ100が破断される自然な傾向は、ブロック(BK
0、BK
1、BK
2、BK
3、...,BK
n)もまた、{1,0,0}結晶面に沿って配向及び分割されるという利点をもたらす。したがって、ダイ102の破断は、ブロックの1つを通っているか、又はブロックの組の間の境界にあることになる。その結果、電気トレース130に沿った電圧は、切断142の直前のブロック内(例えば、ブロックBK
0、BK
1、BK
2、BK
3など、ダイボンドパッド108に最も近い)のNANDストリングとの間で影響を受けないままになる。したがって、平面切断142によるダイ102の破断は、破断したダイ102’内に残るブロックに関して通常の読取/書込動作に影響を与えない。破断した部分132内の切断142の後ろのブロック(例えば、ブロックBK
nなど)は、破断したダイ102’内のブロックの動作に影響を与えずにダイ102から有効に切断される。実施形態では、平面切断142に隣接する1つ又は2つ以上のブロックは、これらのブロックで読取/書込動作が実行されないようにガードバンドとして指定されてもよい。
【0025】
ウェハ100は、様々な方法により、スクライブライン140に沿って応力を受けて、平面切断142を伝播してもよい。ウェハ100は、例えば、
図18に関して後述される固定具186を使用して応力を受け、破断されてもよい。代替的に又は追加的に、ウェハを冷却して、電気トレース130の展性を低減しつつ、破断プロセス中に切断に至る熱力学的応力をウェハ内に生成することによって、ウェハ100に応力を与えてもよい。更なる実施形態では、伸長してウェハに応力を与えることができる接着テープ上に、ウェハを配置してもよい。更なる実施形態では、スクライブライン140の形成だけで、平面切断142が表面106から表面104までウェハの全厚を通って伝播することを可能にするのに十分な応力であり得る。
【0026】
平面切断142に沿ってダイ102が破断されるとき、電気トレース130(又は他の電気トレース)のうちの1つ又は2つ以上がきれいに切断されないことが起こり得る。そのようなトレースは、例えば、破断工程中に断線する前に伸長した状態になり得る。この例では、これらの電気トレースのうちの1つ又は2つ以上が電気的に共に短絡することが起こり得る。例えば、
図9は、平面切断142できれいに切断されない電気トレース130を有する破断した半導体ダイ102’のメモリセルアレイ110の一部の上面図を示す。この例における2つのそのようなトレース130a及び130bは、共に短絡して示される。本技術の更なる態様によれば、これらの電気的短絡を除去する、又は「ポッピング」することができる。
【0027】
短絡された電気トレース130は、様々な方法によってポッピングされてもよい。一実施形態において、短絡された電気トレースは、電気的にポッピングされ得る。例えば、電流は、電気トレース130に印加されてもよく、隣接するトレース130を異なる電圧にバイアスする。トレース130の切断端部は、トレース130の無傷部分よりも薄くなる可能性があり、トレース130a及び130bなどの任意の短絡されたトレース間の電気的接続が不十分である可能性が高い。したがって、電流は電気的短絡において良好に導通せず、短絡された電気トレースにわたって電流が提供されると、エネルギーは熱の形態で短絡に集中することになる。結果として、局所加熱の任意の電気的短絡にて領域146が得られる。これらの局所加熱の領域は、電圧差に基づいて電気的短絡を酸化する。電気的短絡は、電流の印加時に酸化及び開放する電気ヒューズを効果的に形成するであろう。
図10は、電流がトレース130a及び130bを通過した後に、
図9の電気的短絡がポッピングされていることを示す。
【0028】
任意の電気的短絡をポッピングするための電気トレース130への電流は、例えば、一連の書込/消去動作において印加され得る。例えば、トレース130がビット線である場合、ソースを接地している間にプログラムされた代替のNANDストリング、及びプログラムされていない代替のNANDストリングを残して電流を印加することができる。ブロックのワード線をより低い電圧にオンしている間に、ブロックのビット線に高電圧を印加して、代替のビット線を接地することができる。
【0029】
電気トレースは、更なる実施形態では電流以外の方法によってポッピングされてもよい。1つのこのような更なる実施形態では、電気的短絡は化学的にポッピングされてもよい。例えば、任意の電気的短絡が化学的にエッチングされてもよい。
【0030】
電気的短絡のポッピング後、破断した半導体ダイ102’の動作を、例えば、読取/書込動作又は電気的バーンインを用いて、工程220で電気的に試験することができる。電気的試験工程220は、更なる実施形態では、電気的短絡ポッピング工程216と組み合わされてもよい。
【0031】
実施形態では、ウェハ100内の半導体ダイ102は、ウェハ100が全厚(例えば、760μm)で、上記のように破断される。それぞれのダイ102を破断した後、個々の断片(破断したダイ102’及び破断部分132)は、一緒に保持されてもよく、ないしは別の方法でウェハ100に再組み立てされてもよい。その後、第1の主面104がチャック又は他の支持面上に支持されている状態で、第2の主面106は、
図11に示されるように、工程224でバック研削プロセスを受けることができる。実施形態では、ウェハ100は、バック研削プロセスにおいて25μmまで薄化されてもよいが、最終寸法は、更なる実施形態におけるものよりも薄くても、厚くてもよい。更なる実施形態では、ウェハ100は、工程224でバック研削プロセス後に上述したように破断され得ることが企図される。
【0032】
工程226では、完成した破断したダイ102’は、
図12に示すように、ウェハ100からダイシングされてもよく、破断部分132は廃棄されてもよい。実施形態では、ウェハ100は、ダイシングテープ上に支持され、次いで、例えば、上述のスコアリング方法及び伝播方法を使用してダイシングされてもよい。更なる実施形態では、ウェハ100は、ウェハ100の最終全厚を貫通する鋸又はレーザーを使用してダイシングされてもよい。更なる実施形態では、各半導体ダイ102の輪郭の周りのダイシング工程226は、半導体ダイ102のそれぞれを破断するために、上記のスコアリング工程212及び伝播工程214と同時にかつ同じプロセスで実行されてもよい。このような実施形態では、破断した半導体ダイ102’は、同じプロセスで破断及びダイシングされるであろう。
【0033】
ダイシング後、破断したダイ102’は、
図13に示すように、工程228で半導体デバイス150に積層され、パッケージ化されてもよい。破断したダイ102’(灰色の陰影で示される)は、各ダイ上のボンドパッド108が覆われていない状態で、階段状オフセット構成で基板152上に取り付けられてもよい。その後、破断したダイ102’は、既知のワイヤボンディングプロセスでボンドワイヤ154を使用して、互いに、及び基板152にワイヤボンディングすることができる。破断したダイ102’は、例えばシリコン貫通ビア(TSV)を使用するなど、更なる実施形態における他の方法により、互いに、及び基板152に電気的に結合することができる。
【0034】
破断したダイ102’及び電気的接続は、工程232で成形コンパウンド156内に封入されて、完成した半導体デバイス150を形成することができる。半導体デバイス150は、4つの破断したダイ102’を含むものとして示されているが、デバイス150は、例えば1、2、8、16、32、64又は他の数のダイを含む、他の数の破断したダイ102’を含んでもよいことが理解される。はんだボール158は、工程234において基板152の底面上に任意選択的に設けられて、半導体デバイス150をプリント回路基板などのホストデバイスに接続することを可能にし得る。
【0035】
図13は、完全に破断したダイ102’から構成された半導体デバイス150を示す。更なる実施形態では、破断したダイ102’は、標準サイズのダイ102と一緒に混合されてもよい。2つの例を
図14及び
図15に示す。
図14は、多数の標準サイズの半導体ダイ102を含む半導体デバイス160を示す。デバイス160などの半導体パッケージは、典型的には、標準サイズのパッケージ、例えばマイクロSDフォームファクタなどで提供される。
図14において、標準サイズのダイの積層体の最上部の別の標準サイズのオフセット半導体ダイ102の提供により、半導体デバイス160のフットプリントの外側に延在する場合がある。したがって、半導体デバイス160の必要なフットプリント内にとどまりつつ、追加の破断したダイ102’(灰色の陰影で示される)を、標準サイズのダイの積層体の最上部に、代わりに追加することができる。
【0036】
図13の半導体デバイス150のように、
図14の半導体デバイス160の半導体ダイ102、102’は、各ダイ上のボンドパッド108が覆われていない状態で階段状オフセット構成で基板162上に取り付けられてもよい。その後、標準ダイ102及び破断したダイ102’は、既知のワイヤボンディングプロセスでボンドワイヤ164を使用して、互いに、及び基板162にワイヤボンディングすることができる。上記のように、ダイ102、102’は、例えばTSVを使用するなど、更なる実施形態における他の方法によって、互いに、及び基板162に結合されてもよい。成形コンパウンド166は、ダイ102、102’及び電気接続部の周囲に設けられて、完成した半導体デバイス160を形成することができる。半導体デバイス160内の標準的な半導体ダイ102及び破断したダイ102’の数は、単なる例として示されており、更なる実施形態では、より多くの若しくはより少ない標準ダイ102及び/又はより多くの若しくはより少ない破断したダイ102’が存在し得る。
【0037】
図15に示す半導体デバイス170は、標準的な半導体ダイ102と、標準サイズのパッケージ内で第1及び第2の向かい合って階段方向に積層された破断した半導体ダイ102’(灰色の陰影で示される)の両方を含む。半導体デバイス170は、基板172上に取り付けられた、ボンドワイヤ174を使用して一緒にワイヤボンディングされた、多数のダイ102、102’を含み得る。デバイス170は、成形コンパウンド176内に封入されてもよい。示される実施形態では、積層体の中央での破断したダイ102’の使用は、例えばマイクロSDフォームファクタなどの標準サイズのパッケージ内で、ダイの全て(この例では16)が互いの上にオフセット積層されることを可能にする。この実施形態の破断したダイ102’は、示されるように、積層体の中央、積層体の底部及び/又は積層体の上部に、提供されて、ダイの全てが標準サイズのパッケージ内に収まることを可能にし得る。
【0038】
半導体デバイス170内の標準的な半導体ダイ102及び破断したダイ102’の数は、単なる例として示されており、更なる実施形態では、より多くの若しくはより少ない標準ダイ102及び/又はより多くの若しくはより少ない破断したダイ102’が存在し得る。ダイ102、102’は、例えばTSVを使用すること、又はダイが第1の方向に階段を付けることから第2の、反対方向へ切り替わる境界でインタポーザを使用することを含む、他の方法によって、互いに、及び基板172と電気的に接続されてもよい。
【0039】
上記のように、半導体ウェハ100は、工程212においてスクライブライン140でスコアリングされてもよい。
図16及び
図17は、スクライブライン140を形成するために一例で使用され得るテーブル180の上面図である。ウェハ100は、
図16に示すように、第1の主面104が上向きに向いている状態で、テーブル180上の拘束具(図示せず)によって固定位置に取り付けられてもよい。次いで、上縁部基準軸182(ダイ102のいくつかの並びについて示される)を使用して、半導体ダイ102の各並びの上縁部に留意することができる。スクライブライン基準軸184(ダイ102のいくつかの並びについて示される)を使用して、スクライブライン140が形成される上縁部からの距離に留意することができる。基準軸182及び184は、物理的マーカー、コンピュータメモリに記憶された又は他の方法による光学ビームで、テーブル180上に示されてもよい。
【0040】
言及された基準軸を用いて、次にウェハ100を、第2の主面106を上向きに向けて反転させることができる。ウェハ100は、例えば、ウェハ100内のノッチ185を基準点として使用して、
図16と同じ向きで固定することができる。次いで、第2の主面106は、半導体ダイ102の各並びのスクライブライン基準軸184と一致してスクライブライン140でスコアリングされてもよい。上述のように、スクライブライン140は、例えば、スクライブライン基準軸184でウェハ100の表面にわたって自動的に引かれ得るブレードを使用して形成されてもよい。スクライブライン140は、代替的に、スクライブライン基準軸184のそれぞれにおいて直線縁部を整列させ、直線縁部にわたって引かれたブレードを使用してウェハ100をスコアリングすることによって、手動で形成されてもよい。スクライブライン140は、更なる実施形態における他の方法によって、第1の主面104内の半導体ダイの縁部に対する第2の主面106上のそれらの適切な位置に形成されてもよい。
【0041】
上述のように、ウェハ100は、工程214においてスクライブライン140で応力を受け、破断されてもよい。
図18は、本技術の一実施形態により、ウェハ100に応力を与え、破断するための固定具186の斜視図である。固定具186は、軸Aに平坦な平面及びヒンジ(図示せず)を有するベースプレート188を含む。ヒンジは、縁部190が軸Aを中心にしてベースプレート188に対して時計回り及び/又は反時計回りに回転することができるように、縁部190をベースプレート188に回転可能に取り付ける。縁部190がベースプレート188と接触するシーム192が形成される。
【0042】
固定具186は、ベースプレート188の平坦な平面に面する平坦な平面を有するトッププレート196を更に含んでもよい。トッププレート196は、トッププレート196がベースプレート188に向かって又はベースプレート188から離れて移動できるように、トッププレートの孔内に嵌合するベースプレート上のピンによってベースプレート188に締結されてもよい。トッププレート196は、更なる実施形態では、他の方法によってベースプレート188に移動可能に締結されてもよい。
【0043】
スクライブライン140でウェハ100を破断するために、ウェハを、ウェハ100の第2の主面106が上方に面して(トッププレート196に向かって)、ベースプレート188とトッププレート196との間に挿入することができる。縁部190は、ウェハ100の縁部を固定するためのリップ194を含んでもよい。トッププレート196は、縁部196aとリップ194との間に空間を形成するためにシーム192から離間された縁部196aを備える。
【0044】
ウェハ100は、スクライブライン140がシーム192と平行であり、シーム192の上に位置合わせされるように配置される。ウェハ100は、ウェハノッチ185内の多数の穴199のうちの1つの内部に嵌合するピン198によって、その位置に固定されてもよい。また、破断プロセス中のウェハ100の移動を防止するために、トッププレート196に軽い圧力を加えてもよい。次に、縁部190を軸Aの周りで回転させて、位置合わせされたスクライブライン140でウェハに応力を与え、破断することができる。記載されるように、実施形態では、縁部190は時計回り、反時計回り、又は時計回り及び反時計回りの両方に回転してもよい。
【0045】
ウェハ100の一片が破断すると、破断した断片をリップ194内から取り除くことができ、ウェハを矢印Bの方向に移動させて、次のスクライブライン140をシーム192と位置合わせし、プロセスを繰り返すことができる。シーム192を用いてウェハ100の本当に最初のスクライブライン140を位置合わせするために、より多くのスペースが必要とされることが考えられる。したがって、リップ194は、更なる実施形態において、縁部部分190上の2つ以上の位置に固定されてもよい。上述のように、ウェハ100がスクライブライン140のそれぞれで破断されると、ウェハは、例えば、ダイシングテープ上で、バック研削、ダイシング、及び更なる加工のために、ウェハの元の輪郭に再組み立てすることができる。ウェハは、更なる実施形態では、他の固定具を使用して、また他の方法によって、破断され得ることが理解される。
【0046】
上記のように、半導体ウェハ100は、破断工程214のために冷却されてもよい。具体的には、室温でのメモリセルアレイ110内の電気トレースの展性を考慮すると、ウェハ100及びメモリダイ102を室温で破断することにより、ウェハ100内のダイ102が破断されるときに、きれいに切断されない電気トレースをもたらし得る。本技術は、ウェハ100を室温で破断することによって生じ得る任意の電気的短絡をポッピングするための上記のようなポッピング方法を提供する。しかしながら、更なる実施形態では、ウェハは、破断の前に冷却されてもよい。本技術の態様によれば、破断前のウェハの冷却は、破断線に沿った電気トレースのよりきれいな断線をもたらす。
【0047】
一実施形態では、ウェハ100は、-40°Fでドライアイス浴にウェハを浸漬することによって冷却され得る。他の温度が想到される。ウェハは、ドライアイス浴中に浸漬される際に、例えばポリエチレン袋などの保護エンクロージャ内に封入されてもよいが、保護エンクロージャは、更なる実施形態では省略されてもよい。ウェハ100は、例えば、(保護エンクロージャの有無にかかわらず)液体窒素中にウェハ100を浸漬するなど、他の手段によって冷却されてもよい。
【0048】
ウェハ100を冷却することにより、メモリセルアレイ110の電気トレース130は展性が低くなる。したがって、ウェハ100が平面切断142に沿って破断すると、トレース130はよりきれいに断線する。ウェハを冷却すると、電気トレース130のきれいな断線を提供することができるが、上記の電気的短絡をポッピングする方法は、破断前にウェハを冷却する方法と共に使用され得ることが考えられる。ウェハ100は、冷却され、その後、上述のように固定具186内で破断され得る。あるいは、ウェハ100を冷却することにより、ウェハ100が固定具186を必要とせずにスクライブライン140で破断することができるように平面切断142の伝播を促進する熱力学的応力をウェハ100内に発生させてもよい。
【0049】
上記の実施形態では、各半導体ダイ102から破断した集積回路は、メモリセルアレイ110の一部である。しかしながら、更なる実施形態では、各半導体ダイから破断される集積回路は、他の種類の集積回路であってもよいことが理解される。このような追加のタイプの集積回路としては、例えば、制御論理集積回路、ランダムアクセスメモリ集積回路、及び他の種類の集積回路を挙げることができる。
【0050】
本技術は、少なくとも例えば、未分割の元の半導体ダイ102のいくつかの所定の、かつカスタマイズ可能な分割サイズの、破断した半導体ダイ102’が提供されるという利点を提供する。転じて、破断した半導体ダイ102’は、未分割の元の半導体ダイ102のメモリセルアレイのいくつかの所定の、かつカスタマイズ可能な断片であるメモリセルなどの集積回路を有し得る。カスタマイズされ、縮小したサイズの破断した半導体ダイの提供は、所定のフォームファクタ及び/又はフットプリントを有するパッケージ内に、より多くの半導体ダイをオフセット積層させることを可能にする。
【0051】
本技術の一例は、基板と、基板内のダイボンドパッドと、を含む半導体ダイに関する。ダイボンドパッドは、半導体ダイとの間で電気信号を伝達するように構成されている。半導体ダイは、基板内に集積回路を更に含み、集積回路はダイボンドパッドに電気的に結合されている。この例では、半導体ダイは、半導体ダイの元のサイズよりも小さいサイズに破断される。
【0052】
本技術の別の例は、第1及び第2の半導体ダイを含む半導体デバイスに関する。第1の半導体ダイは、第1の基板と、第1の基板内のダイボンドパッドの第1の群とを含む。第1の群のダイボンドパッドは、第1の半導体ダイとの間で電気信号を伝達するように構成されている。第1の半導体ダイは、第1の基板内に第1の集積回路を更に含み、第1の集積回路は、第1の群のダイボンドパッドに電気的に結合されている。第2の半導体ダイは、第2の基板と、第2の基板内のダイボンドパッドの第2の群とを含む。第2の群のダイボンドパッドは、第2の半導体ダイとの間で電気信号を伝達するように構成されている。第2の半導体ダイは、第2の基板内に第2の集積回路を更に含み、第2の集積回路は、第2の群のダイボンドパッドに電気的に結合されている。この例では、第2の半導体ダイは、第2の半導体ダイの元のサイズよりも小さいサイズ、及び第1の半導体ダイよりも小さいサイズに破断される。
【0053】
本技術の更なる例は、基板と、基板内のダイボンドパッドとを含む半導体ダイに関する。ダイボンドパッドは、半導体ダイとの間で電気信号を伝達するように構成されている。半導体ダイは、基板内にメモリセルアレイを更に含み、メモリセルアレイは、ダイボンドパッドに電気的に結合されたビット線を含む。この例では、半導体ダイは、半導体ダイの元のサイズよりも小さいサイズに破断される。本実施例の半導体ダイは、半導体ダイの破断時に互いに接触するビット線間の電気的短絡をクリアするための手段を更に含む。
【0054】
前述の詳細な説明は、例示及び説明の目的のために提示したものである。前述の詳細な説明は、網羅的であること、又は開示した正確な形態に限定することを意図したものではない。上記の教示に鑑みて多くの修正及び変形が可能である。説明した実施形態は、提案した本発明の原理及びその実際の用途を最良に説明するために選択されたものであり、それによって、当業者が様々な実施形態で、企図される特定の使用法に適するように様々な修正を伴って、本発明を最良に利用することを可能にする。本発明の範囲は、本明細書に添付の請求項によって定義されることが意図されている。