(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-18
(45)【発行日】2022-05-26
(54)【発明の名称】オンプレミスコンピューティングシステムとオフプレミスクラウドコンピューティングシステムとを使用して電気通信ネットワークを運用する方法、システム、およびコンピュータ読取可能な記録媒体
(51)【国際特許分類】
H04M 3/00 20060101AFI20220519BHJP
H04L 41/00 20220101ALI20220519BHJP
【FI】
H04M3/00 A
H04L41/00
(21)【出願番号】P 2020502270
(86)(22)【出願日】2018-07-18
(86)【国際出願番号】 US2018042607
(87)【国際公開番号】W WO2019018472
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2020-05-21
(32)【優先日】2017-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502303739
【氏名又は名称】オラクル・インターナショナル・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バンツクル,アピルックス
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0040975(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M3/00
H04L41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気通信ネットワークを運用するシステムであって、
前記システムは、
オフプレミスクラウドコンピューティングシステムと、
オンプレミスコンピューティングシステムと、を備え、
前記オンプレミスコンピューティングシステムは、
少なくとも1つのプロセッサを含み、
前記電気通信ネットワークのネットワークに影響を与える1つまたは複数の電気通信機能を実行し、
前記電気通信ネットワークの1つまたは複数の他の電気通信機能を前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードするように構成され、
前記電気通信ネットワークの前記他の電気通信機能を前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードすることは、前記他の電気通信機能のうちの1つを実装するアプリケーション用のクラウドアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を使用して、前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムに電気通信データを送信することを含
み、
前記オンプレミスコンピューティングシステムは、前記電気通信ネットワーク、前記ネットワークに影響を与える電気通信機能、または両方によって生成されたイベントをイベントレコーダに記録させるように構成され、
前記オンプレミスコンピューティングシステムは、停止後にクラウドサービスが利用可能になった後、記録された前記イベントを再生するように構成される、システム。
【請求項2】
前記ネットワークに影響を与える電気通信機能の各々は、動作の際に、前記電気通信ネットワーク上のサービスを中断する可能性が
ある電子通信機能を含み、前記他の電気通信機能の各々は、動作の際に、前記電気通信ネットワーク上のサービスを中断する可能性がない
電子通信機能を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ネットワークに影響を与える電気通信機能の各々は、電気通信規格文書でネットワークに影響を与える機能として定義されている
電子通信機能を含む、請求項1または請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記オンプレミスコンピューティングシステムは、第1のコンピュータシステムを備え、
前記ネットワークに影響を与える電気通信機能を実行することは、前記第1のコンピュータシステムでポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)を実行することを含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記オンプレミスコンピューティングシステムは、第2のコンピュータシステムと第3のコンピュータシステムとを備え、
前記ネットワークに影響を与える電気通信機能を実行することは、前記第2のコンピュータシステムでセッションボーダコントローラ(SBC)を実行し、前記第3のコンピュータシステムでDiameterシグナリングルータ(DSR)を実行することを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記電気通信ネットワークの前記他の電気通信機能を前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードすることは、スポンサーデータ機能、複雑な請求/課金機能、およびネットワーク分析機能のうち1つまたは複数の機能をオフロードすることを含む、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記電気通信ネットワークの前記他の電気通信機能を前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードすることは、共有クォータ機能をオフロードして、複数の加入者が前記電気通信ネットワークのネットワーク利用のために同一のクォータを共有できるようにすることを含む、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記電気通信ネットワークの前記他の電気通信機能を前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードすることは、前記アプリケーション用のオンプレミスアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を使用して、前記電気通信データに対応するアプリケーション固有のデータを受信することを含む、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
電気通信ネットワークを運用するシステムであって、
前記システムは、
オフプレミスクラウドコンピューティングシステムと、
オンプレミスコンピューティングシステムと、を備え、
前記オンプレミスコンピューティングシステムは、
少なくとも1つのプロセッサを含み、
前記電気通信ネットワークのネットワークに影響を与える1つまたは複数の電気通信機能を実行し、
前記電気通信ネットワークの1つまたは複数の他の電気通信機能を前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードするように構成され、
前記電気通信ネットワークの前記他の電気通信機能を前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードすることは、前記他の電気通信機能のうちの1つを実装するアプリケーション用のクラウドアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を使用して、前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムに電気通信データを送信することを含み、
前記システムは、さらに、
前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムは、前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムで実行する前記他の電気通信機能を実装するアプリケーションによって生成されたイベントをイベントレコーダに記録させるように構成され、
前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムは、停止後にクラウドサービスが利用可能になった後に、前記停止の前に記録されたイベントを使用して、サービスを再生するように構成される
、システム。
【請求項10】
電気通信ネットワークを運用する方法であって、
前記方法は、
少なくとも1つのプロセッサを含むオンプレミスコンピューティングシステムで、前記電気通信ネットワークのネットワークに影響を与える1つまたは複数の電気通信機能を実行することと、
オンプレミスネットワークを使用する前記オンプレミスコンピューティングシステムで、前記電気通信ネットワークの1つまたは複数の他の電気通信機能を前記オンプレミスネットワークから切り離されたオフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードすることと、を含み、
前記電気通信ネットワークの前記他の電気通信機能を前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードすることは、前記他の電気通信機能のうちの1つを実装するアプリケーション用のクラウドアプリケーションプログラミングインターフェイス
(API)を使用して、前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムに電気通信データを送信することを含
み、
前記方法は、さらに、
前記電気通信ネットワーク、前記ネットワークに影響を与える電気通信機能、または両方によって生成されたイベントをイベントレコーダに記録させることと、
停止後にクラウドサービスが利用可能になった後、記録された前記イベントを再生することと、を含む、方法。
【請求項11】
前記ネットワークに影響を与える電気通信機能の各々は、動作の際に、前記電気通信ネットワーク上のサービスを中断する可能性があ
る電子通信機能を含み、前記他の電気通信機能の各々は、動作の際に、前記電気通信ネットワーク上のサービスを中断する可能性がない
電子通信機能を含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記ネットワークに影響を与える電気通信機能の各々は、電気通信規格文書でネットワークに影響を与える機能として定義されている
電子通信機能を含む、請求項
10または請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記オンプレミスコンピューティングシステムは、第1のコンピュータシステムを備え、
前記ネットワークに影響を与える電気通信機能を実行することは、前記第1のコンピュータシステムでポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)を実行することを含む、請求項
10~請求項
12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記オンプレミスコンピューティングシステムは、第2のコンピュータシステムと第3のコンピュータシステムとを備え、
前記ネットワークに影響を与える電気通信機能を実行することは、前記第2のコンピュータシステムでセッションボーダコントローラ(SBC)を実行し、前記第3のコンピュータシステムでDiameterシグナリングルータ(DSR)を実行することを含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記電気通信ネットワークの前記他の電気通信機能を前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードすることは、スポンサーデータ機能、複雑な請求/課金機能、およびネットワーク分析機能のうち1つまたは複数の機能をオフロードすることを含む、請求項
10~請求項
14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記電気通信ネットワークの前記他の電気通信機能を前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードすることは、共有クォータ機能をオフロードして、複数の加入者が前記電気通信ネットワークのネットワーク利用のために同一のクォータを共有できるようにすることを含む、請求項
10~請求項
14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記電気通信ネットワークの前記他の電気通信機能を前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードすることは、前記オンプレミスネットワークと、前記アプリケーション用のオンプレミスアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)とを使用して、前記電気通信データに対応するアプリケーション固有のデータを受信することを含む、請求項
10~請求項
14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
電気通信ネットワークを運用する方法であって、
前記方法は、
少なくとも1つのプロセッサを含むオンプレミスコンピューティングシステムで、前記電気通信ネットワークのネットワークに影響を与える1つまたは複数の電気通信機能を実行することと、
オンプレミスネットワークを使用する前記オンプレミスコンピューティングシステムで、前記電気通信ネットワークの1つまたは複数の他の電気通信機能を前記オンプレミスネットワークから切り離されたオフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードすることと、を含み、
前記電気通信ネットワークの前記他の電気通信機能を前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードすることは、前記他の電気通信機能のうちの1つを実装するアプリケーション用のクラウドアプリケーションプログラミングインターフェイス
(API)を使用して、前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムに電気通信データを送信することを含み、
前記方法は、さらに、
前記他の電気通信機能を実装し、前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムで実行するアプリケーションによって生成されたイベントをイベントレコーダに記録させるように前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムを構成することと、
停止後にクラウドサービスが利用可能になった後に、前記停止の前に記録されたイベントを使用して、サービスを再生するように前記オフプレミスクラウドコンピューティングシステムを構成することと、を含む
、方法。
【請求項19】
1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときに、前記1つまたは複数のプロセッサに請求項
10~請求項
18のいずれか1項に記載の方法を実行させるための実行可能な命令を有したコンピュータ読取可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権主張]
この出願は、2017年7月18日に出願された、米国特許出願番号15/653,487の優先権の利益を請求する。その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本明細書に記載の主題は、一般に、電気通信ネットワークの運用に関する。より詳細には、本明細書に記載の主題は、オンプレミスコンピューティングシステムとオフプレミスクラウドコンピューティングシステムとを使用して電気通信ネットワークを運用する方法、システム、およびコンピュータ読取可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
Long Term Evolution(LTE)ネットワークなどの第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)モバイルネットワークには、典型的に、コアネットワーク、トランスポートネットワーク、および1つ以上の無線アクセスネットワークが含まれる。モバイルネットワーク用のコアネットワークは、無線アクセスネットワークの1つに接続されたワイヤレスデバイスとインターネットなどのパケットネットワークとの間のパス上のサービスノード間にベアラ(論理接続)を確立する。次に、サービスノードはベアラを使用して、ワイヤレスデバイスとパケットネットワークとの間で加入者のトラフィックを転送する。
【0004】
電気通信ネットワーク事業者は、信頼性の懸念から、ネットワーク内のクラウドサービスを利用することに消極的である。たとえば、Diameterルーティング、ポリシーコントロール、およびセッションボーダコントロールは、すべて、Diameterシグナリングルータ(DSR)、ポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)、およびセッションボーダコントローラ(SBC)によってそれぞれ実行される電気通信機能である。共有データクォータ、スポンサーデータ、複雑な請求と課金、およびネットワーク分析などの他の電気通信機能は、同じネットワークノードによって提供される。
【0005】
したがって、これらの困難に照らして、電気通信ネットワークを運用する際にオフプレミスクラウドコンピューティングシステムを使用する方法、システム、およびコンピュータ読取可能な記録媒体の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[要約]
本明細書に記載の主題は、ネットワークに影響を与える機能にオンプレミスコンピューティングシステムを使用し、他の電気通信機能にオフプレミスクラウドコンピューティングシステムを使用して電気通信ネットワークを運用する方法、システム、およびコンピュータ読取可能な記録媒体に関する。いくつかの例では、一の方法は、少なくとも1つのプロセッサを含むオンプレミスコンピューティングシステムで、電気通信ネットワークのネットワークに影響を与える1つまたは複数の電気通信機能を実行することを含む。その方法は、オンプレミスネットワークを使用するオンプレミスコンピューティングシステムで、電気通信ネットワークの1つまたは複数の他の電気通信機能をオンプレミスネットワークから切り離されたオフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードすることを含む。
【0007】
本明細書に記載の主題のいくつかの態様では、一のシステムは、電気通信ネットワークのオンプレミスネットワークと、オンプレミスネットワークから切り離されたオフプレミスクラウドコンピューティングシステムと、オンプレミスコンピューティングシステムとを含む。オンプレミスコンピューティングシステムは、少なくとも1つのプロセッサを含み、電気通信ネットワークのネットワークに影響を与える1つまたは複数の電気通信機能を実行し、オンプレミスネットワークを使用して、電気通信ネットワークの1つまたは複数の他の電気通信機能をオフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードするように構成される。
【0008】
いくつかの例では、ネットワークに影響を与える電気通信機能の各々は、動作の際に、電気通信ネットワーク上のサービスを中断する可能性があり、他の電気通信機能の各々は、動作の際に、電気通信ネットワーク上のサービスを中断する可能性がない。いくつかの例では、ネットワークに影響を与える電気通信機能の各々は、電気通信規格文書でネットワークに影響を与える機能として定義されている。
【0009】
いくつかの例では、オンプレミスコンピューティングシステムは、第1のコンピュータシステムを含み、ネットワークに影響を与える電気通信機能を実行することは、第1のコンピュータシステムでポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)を実行することを含む。いくつかの例では、オンプレミスコンピューティングシステムは、第2のコンピュータシステムと第3のコンピュータシステムとを含み、ネットワークに影響を与える電気通信機能を実行することは、第2のコンピュータシステムでセッションボーダコントローラ(SBC)を実行し、第3のコンピュータシステムでDiameterシグナリングルータ(DSR)を実行することを含む。
【0010】
いくつかの例では、電気通信ネットワークの他の電気通信機能をオフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードすることは、共有クォータ機能、スポンサーデータ機能、複雑な請求/課金機能、およびネットワーク分析機能のうち1つまたは複数の機能をオフロードすることを含む。
【0011】
いくつかの例では、電気通信ネットワークの他の電気通信機能をオフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードすることは、オンプレミスネットワークを使用して、他の電気通信機能の1つを実装するアプリケーション用のクラウドアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を使用して、クラウドコンピューティングシステムに電気通信データを送信することを含む。いくつかの例では、電気通信ネットワークの他の電気通信機能をオフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードすることは、オンプレミスネットワークとアプリケーション用のオンプレミスAPIとを使用して、電気通信データに対応するアプリケーション固有のデータを受信することを含む。
【0012】
いくつかの例では、クラウドコンピューティングシステムは、クラウドコンピューティングシステムを実行する他の電気通信機能を実装するアプリケーションよって生成されたイベントをイベントレコーダに記録させるように構成される。いくつかの例では、クラウドコンピューティングシステムは、停止前に記録されたイベントを使用して、停止後にクラウドサービスが利用可能になった後、サービスを再生するように構成される。
【0013】
いくつかの例では、オンプレミスコンピューティングシステムは、電気通信ネットワークまたはネットワークに影響を与える他の電気通信機能によって生成されたイベントをイベントレコーダに記録させるように構成される。いくつかの例では、オンプレミスコンピューティングシステムは、停止後にクラウドサービスが利用可能になった後、記録されたイベントを再生するように構成される。
【0014】
本明細書に記載の主題は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実装されてもよい。したがって、本明細書で使用される「機能」、「ノード」または「モジュール」という用語は、説明されている機能を実装するためのハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアのコンポーネントを指す。いくつかの例では、本明細書に記載の主題は、コンピュータのプロセッサによって実行されたときにコンピュータにステップを実行させる、コンピュータが実行可能な命令が格納された不揮発性のコンピュータ読取可能な記録媒体を使用して実装されてもよい。
【0015】
本明細書に記載の主題を実現するのに適したコンピュータ読取可能な記録媒体には、ディスクメモリデバイス、チップメモリデバイス、プログラマブルロジックデバイス、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、光学読み取り/書き込みメモリ、キャッシュメモリ、磁気読み取り/書き込みメモリ、フラッシュメモリ、および特定用途向け集積回路のような不揮発性のコンピュータ読取可能な記録媒体が含まれる。加えて、本明細書に記載の主題を実現するコンピュータ読取可能な記録媒体は、単一のデバイスまたはコンピューティングプラットフォーム上に配置されてもよく、または、複数のデバイスまたはコンピューティングプラットフォームにわたって分散されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】電気通信ネットワークを運用するための例示的なシステムのブロック図である。
【
図2】例示的なオンプレミスコンピューティングシステムのブロック図である。
【
図3】例示的なオフプレミスクラウドコンピューティングシステムのブロック図である。
【
図4】オンプレミスコンピューティングシステムを使用して電気通信ネットワークを運用するための例示的な方法のフローチャートである。
【
図5】オフプレミスクラウドコンピューティングシステムを使用して電気通信ネットワークを運用するための例示的な方法のフローチャートである。
【
図6】オンプレミスおよびオフプレミスクラウドコンピューティングシステムの両方でイベントレコーダを使用するシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[詳細な説明]
本明細書に記載の主題は、ネットワークに影響を与える機能にオンプレミスコンピューティングシステムを使用して、および、他の電気通信機能にオフプレミスクラウドコンピューティングシステムを使用して、電気通信ネットワークを運用する方法、システム、およびコンピュータ読取可能な記録媒体に関する。
【0018】
図1は、電気通信ネットワークを運用するための例示的なシステム100のブロック図である。電気通信ネットワークは、たとえば、ロングタームエボリューション(LTE)セルラー電気通信ネットワークとすることができる。
【0019】
システム100は、オンプレミスコンピューティングシステム104のオンプレミスデータ通信ネットワーク102を含む。システム100は、オンプレミスネットワーク102から切り離されたオフプレミスクラウドコンピューティングシステム106を含む。いくつかの例では、オンプレミスコンピューティングシステム104は、すべての機器がビルやビル群などの単一の物理的な施設に配置されているので、「オンプレミス」とみなされる。
【0020】
しかしながら、一般的に、オンプレミスコンピューティングシステム104の異なるコンピュータは物理的に異なる場所にあってもよく、オンプレミスネットワーク102を使用して通信することができる。典型的には、オンプレミスコンピューティングシステム104を実装する機器は、電気通信ネットワーク事業者によって管理されている。
【0021】
対照的に、オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106は、オンプレミスネットワーク102から切り離されており、ネットワーク事業者または異なる事業体によって管理されていてもよい。オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106は、特定の事業者向けに電気通信アプリケーションをホスティングするようなものでもよいし、様々なネットワーク事業者向けに電気通信アプリケーションをホスティングするようなものでもよいし、一般的に他のアプリケーションをホスティングするようなものでもよい。
【0022】
システム100は、進化型ノードB(eNodeB)108およびアンテナ110を含む無線アクセスネットワークを含んでもよい。eNodeB108は、加入者114a,114bのユーザ機器112a,112bと通信するためのLTE無線アクセスネットワークの一要素である。eNodeB108は、ユーザ機器112a,112bと電気通信ネットワークのコアネットワークとに直接通信し、eNodeB108は、アーキテクチャを簡素化し、応答時間を短縮するために、無線ネットワークコントローラ(RNC)などの別個のコントローラを欠いていてもよい。いくつかの例では、システム100は、たとえば、モバイル通信用のグローバルシステム(GSM(登録商標))ネットワークにおける基地局(BTS)を使用するような、別のタイプの無線アクセスネットワークを含む。
【0023】
ユーザ機器112a,112bの各々は、任意の適切なユーザーコンピュータシステムとすることができる。ユーザ機器112a,112bの各々は、通常、少なくとも1つのプロセッサ、メモリ、無線通信ハードウェア、ディスプレイ、および少なくとも1つのユーザ入力デバイスを含む。ユーザ機器112a,112bは、たとえば、電話、タブレット、またはラップトップなどの無線モバイルデバイスを含むことができる。
【0024】
動作の際に、オンプレミスコンピューティングシステム104は、ネットワークに影響を与える電気通信機能を実行する。オンプレミスコンピューティングシステム104は、オンプレミスネットワーク102を使用して他の電気通信機能をオフプレミスクラウドコンピューティングシステム106にオフロードする。オンプレミスコンピューティングシステム104は、従来のオンプレミス電気通信機能、新しい電気通信機能、またはその両方をオフロードしてもよい。このドキュメントでは、「オフロード」という用語は、一般に、リモートシステムがデータを使用して機能を実行するために、リモートシステムにデータを送信することを指すために使用される。
【0025】
一般に、ネットワークに影響を与える電気通信機能は、動作の際に、電気通信ネットワーク上の加入者114a,114bへのサービスを中断させる可能性がある電気通信機能である。サービスの中断とは、標準的なまたは基本的な電気通信サービスを中断させることを指し、加入者114a,114bは、電話を発信または受信したり、データを送受信したりすることができない。たとえば、ネットワークに影響を与える電気通信機能は、電気通信規格文書でネットワークに影響を与えるものとして定義され得る。
【0026】
ネットワーク事業者は、オンプレミスコンピューティングシステム104を使用して、電気通信ネットワークのネットワークに影響を与える電気通信機能のすべてを実行するようにシステム100を構成することができる。ネットワーク事業者は、オンプレミスコンピューティングシステム104が残りの電気通信機能をオフロードするように構成することにより、電気通信ネットワークのネットワークに影響を与えない残りの電気通信機能の一部またはすべてをオフプレミスクラウドコンピューティングシステム106上で実行するようにシステム100を構成できる。たとえば、オンプレミスコンピューティングシステム104は、共有クォータ機能、スポンサーデータ機能、複雑な請求/課金機能、およびネットワーク分析機能のうちの1つまたは複数の機能をオフロードすることができる。
【0027】
いくつかの例では、電気通信ネットワークの他の電気通信機能をオフプレミスクラウドコンピューティングシステム106にオフロードすることは、オンプレミスネットワーク102を使用して、他の電気通信機能の1つを実装するアプリケーション用のクラウドアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を使用して電気通信データをオフプレミスクラウドコンピューティングシステム106に送信することを含む。次に、電気通信ネットワークの他の電気通信機能をオフプレミスクラウドコンピューティングシステム106にオフロードすることは、オンプレミスネットワーク102およびアプリケーション用のオンプレミスAPIを使用して、電気通信データに対応するアプリケーション固有のデータを受信することを含み得る。
【0028】
ネットワーク事業者は、オンプレミスコンピューティングシステム104を使用して、電気通信ネットワークの、ネットワークに影響を与える電気通信機能とネットワークに影響を与えない電気通信機能との両方を実行するようにシステム100を構成することができる。しかしながら、このような構成では、オンプレミス機器への不必要な設備投資が発生するかもしれない。その場合、オンプレミス機器によって提供される一部のサービスは、電気通信ネットワークの設計目標を満たすが低コストで、もしくは、クラウドコンピューティングに関連する他の利点を備えた状態で、オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106によって提供されることができる。
【0029】
たとえば、オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106にいくつかの機能を実装すると、拡張性とリモート管理とが可能になる。オンプレミス機器への不必要な設備投資を回避するために、ネットワーク事業者は、電気通信機能をネットワークに影響を与える機能と他の機能とに分割する。前述のように、電気通信機能を実行するアプリケーションは、APIを使用して通信できる。
【0030】
ネットワークに影響を与える機能にオンプレミスコンピューティングシステムを使用し、他の電気通信機能にオフプレミスクラウドコンピューティングシステムを使用して電気通信ネットワークを運用すると、既存のオンプレミス電気通信機器にクラウドサービスを追加することにより、既存のオンプレミス電気通信機器の有用性を拡張できる。他の電気通信機能にオフプレミスクラウドコンピューティングシステムを使用すると、電気通信機能へのクラウドアーキテクチャの使用を増やすための方法を提供することもできる。
【0031】
図2は、例示的なオンプレミスコンピューティングシステム、たとえば、
図1のオンプレミスコンピューティングシステム104のブロック図である。オンプレミスコンピューティングシステム104は、少なくとも3つの別個のオンプレミスサーバ202,204,206を含む。
【0032】
サーバ202は、1つまたは複数のプロセッサ208とプロセッサ208が実行可能な命令を格納するメモリ210とを含み、サーバ204は、1つまたは複数のプロセッサ216とプロセッサ216が実行可能な命令を格納するメモリ218とを含み、サーバ206は、1つまたは複数のプロセッサ224とプロセッサ224が実行可能な命令を格納するメモリとを含む。たとえば、サーバ202,204,206の各々は、1つまたは複数のプロセッサブレードを含むコンピューティングプラットフォーム上で実装されることが可能であり、それぞれがネットワークに影響を与える電気通信機能を実装する。
【0033】
サーバ202は、ポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)212を実行するように構成される。PCRF212は、ネットワークに影響を与える電気通信機能の一例である。PCRF212が設計どおりに機能し得ない場合には、電気通信ネットワークの加入者はサービスの中断を経験するかもしれない。
【0034】
いくつかの例では、サーバ202は専用のPCRFサーバでもよく、すなわち、サーバ202が他の電気通信機能のうちPCRF212のみを実行するようにしてもよい。たとえば、ネットワーク事業者はPCRF212が他の電気通信ノードに対し高可用性で動作することを保証できるため、電気通信ネットワーク上の加入者のためにサービスの中断を減らし得ることに役立つかもしれない。
【0035】
PCRF212は、3GPPポリシーチャージングコントロール(PCC)アーキテクチャの一部である。PCCの要素は、アクセス、リソース、およびサービスの質(QoS)制御を提供する。3GPPの標準化は、無線アクセスネットワーク、サービスとシステムの側面、および、コアネットワークと端末を含む。3GPPの標準は、進化したIPマルチメディアサブシステム(IMS)ネットワークなどのさまざまなネットワークに対応している。
【0036】
動作の際に、PCRF212は、リアルタイム、または、ほぼリアルタイムで機能して、電気通信ネットワークのポリシールールを決定する。PCRF212は、ネットワークコアで動作し、ユーザ情報およびその他の特殊機能に集中的にアクセスできる。
【0037】
PCRF212は、電気通信ネットワーク、運用支援システム、およびその他のソースへの情報またはこれらからの情報をリアルタイム、または、ほぼリアルタイムで集約できる。これにより、電気通信ネットワーク上でアクティブな各加入者のために、ルールを作成し、ポリシー決定を自動的に行うことに役立ち得る。PCRF212を使用すると、電気通信ネットワークは複数のサービス、QoSレベル、および課金ルールを提供することができる。
【0038】
いくつかの例では、PCRF212は、ネットワークポリシーとユーザポリシーとの両方をリアルタイム、または、ほぼリアルタイムで管理できる機能を提供する。PCRF212は、効率的かつ動的に、ネットワークトラフィックをルーティングおよび優先順位付けする。PCRF212は、デバイス、ネットワーク、ロケーション、および請求データのうちの1つまたは複数に基づいて、加入者コンテキストの統合ビューを提供できる。PCRF212は、収益保証と帯域幅管理とに重要な情報を提供できる。
【0039】
PCRF212は、Diameterを使用して電気通信機能を実装する他のアプリケーションと通信できる。Diameterは、コンピューターネットワークの、認証、承認、およびアカウンティングプロトコルである。Diameterアプリケーションは、新しいコマンドおよび/または属性、たとえば、拡張認証プロトコル(EAP)で使用するコマンドおよび属性を追加することにより、基本プロトコルを拡張する。典型的なDiameterパケットは、Diameterヘッダーと、Diameterメッセージに関連する情報をカプセル化するための属性値ペア(AVP)とを含み、含まれる属性値ペア(AVP)の数は可変である。
【0040】
サーバ204は、セッションボーダコントローラ(SBC)220を実行するように構成される。SBC220は、ネットワークに影響を与える電気通信機能の一例である。SBC220が設計どおりに機能し得ない場合には、電気通信ネットワークの加入者はサービスの中断を経験するかもしれない。
【0041】
いくつかの例では、サーバ204は専用のSBCサーバでもよく、すなわち、サーバ204が他の電気通信機能のうちSBC220のみを実行するようにしてもよい。たとえば、ネットワーク事業者はSBC220が他の電気通信ノードに対し高可用性で動作することを保証できるため、電気通信ネットワーク上の加入者のためにサービスの中断を減らし得ることに役立つかもしれない。
【0042】
SBC220は、ボーダコントロール機能(BCF)を実行するように構成されてもよい。SBC220は、電気通信ネットワーク内のノード間の通信を容易にすることができる。SBC220は、ネットワークアドレス変換(NAT)および/またはファイアウォール機能を実行または利用してもよい。SBC220は、1つまたは複数の検査および/またはセキュリティ機能を実行してもよい。
【0043】
たとえば、SBC220は、受信したコール要求または関連するコールが疑わしいかどうかを判定する際に、ディープパケットインスペクション(DPI)、ヘッダーインスペクション、または他の技術を使用してもよい。この例では、受信したコール要求または関連するコールが疑わしいと判断された場合、1つまたは複数のノード(たとえば、PCRF212など)に通知されてもよいし、受信したコール要求または関連するコールを処理するための適切なアクションが決定されてもよい。
【0044】
サーバ206は、Diameterシグナリングルータ(DSR)228を実行するように構成される。DSR228は、ネットワークに影響を与える電気通信機能の一例である。DSR228が設計どおりに機能し得ない場合には、電気通信ネットワークの加入者はサービスの中断を経験するかもしれない。
【0045】
いくつかの例では、サーバ206は専用のDSRサーバでもよく、すなわち、サーバ206が他の電気通信機能のうちDSR228のみを実行するようにしてもよい。たとえば、ネットワーク事業者はDSR228が他の電気通信ノードに対し高可用性で動作することを保証できるため、電気通信ネットワーク上の加入者のためにサービスの中断を減らし得ることに役立つかもしれない。
【0046】
DSR228は、電気通信機能(ネットワークに影響を与える電気通信機能と他の電気通信機能との両方の機能)を実行するアプリケーションを含むDiameterノード間で、Diameterメッセージ(たとえば、Credit-Control-Request(CCR)メッセージおよびCredit-Control-Answer(CCA)メッセージ)をルーティングするように構成されている。たとえば、DSR228は、LTEシグナリングルータ、LTE Diameterシグナリングルータ、Diameterシグナリングエージェント、Diameterプロキシ、Diameterルーティングエージェント、またはDiameterリダイレクトエージェントであってもよい。DSR228は、さまざまなメッセージを処理する機能を含んでもよく、電気通信ネットワーク内のさまざまなノードにメッセージを提供するためにルーティング情報(たとえば、ローカルまたはリモートデータベースから取得された情報)を使用してもよい。
【0047】
DSR228は、加入者バインディング用に構成されてもよい。効率とコスト削減のために、一部の電気通信プロバイダーは、電気通信ネットワークのPCRFサーバのプールから選択された特定のPCRFサーバに加入者を接続する。PCRFは、接続されている加入者のポリシーの決定および管理をするように構成されているため、加入者が常に同じPCRFサーバを使用することでコンピューティングおよびネットワークリソースの点でより効率的になり得る。加入者を特定のPCRFサーバに接続することにより、個々のPCRFサーバは、他のPCRFサーバに接続されている加入者のデータを取得および維持する必要がない。
【0048】
動作の際に、DSR228は、加入者とPCRFサーバのプールから選択されたPCRFサーバとの間にバインディングを作成する。DSR228は、特定の加入者のすべてのポリシーメッセージを、その加入者のポリシールールを現在ホストしているPCRFサーバにルーティングする。DSR228は、信頼できない外部ネットワークからPCRFサーバのナンバーおよびIDなどのネットワークトポロジ情報を隠すためのトポロジハイディングなど、他の機能を実行できる。
【0049】
DSR228は、バインディングデータベースを含む加入者のバインディングリポジトリ(SBR)を使用してバインディングを維持できる。SBRは、セッションデータベースとバインディングデータベースとの両方をホストでき、セッションデータと加入者のPCRFバインディングデータとを格納および管理するために、分散され、拡張性があり、かつ高可用性のデータベース機能をDSR228に提供できる。バインディングデータベースには、加入者とPCRFサーバとの間のバインディングが格納され、セッションデータベースには、ポリシーセッションに関連するDiameterセッション情報が格納される。
【0050】
ポリシーセッションは、Gx、Gxx、Gx-Prime、Rx、およびS9などの複数のDiameterインターフェイスを使用して確立され得る。セッションは、バインディングがそれを超えて作成され得るかどうかに応じて、binding-capable、または、binding-dependentとして特徴付けられる。
【0051】
binding-capableインターフェイスを介したセッションは、PCRFサーバへのバインディングを確立することができるが、binding-dependentインターフェイスを介したセッションは、PCRFサーバへの既存のバインディングによるが、通常、それ自体では新しいバインディングを作成できない。
【0052】
DSR228がすべてのメッセージを加入者から(おそらく複数のインターフェイスとデバイスを介して)同じPCRFサーバにルーティングするために、DSR228は通常、着信Diameter要求メッセージの情報によって加入者を識別するように構成される。一の加入者は、使用されるアクセスネットワークとデバイスタイプとに応じて、複数の加入者識別子に関連付けられることができる。
【0053】
加入者識別子は、呼び出し元の加入者キーまたはキーとすることができる。加入者PCRFバインディングの作成を促し得るメッセージは、加入者を一意に識別するために使用され得る、加入者のデバイス国際モバイル加入者ID(IMSI)を含むことができる。IMSIは、バインディングデータベースにおいて加入者アンカーキーとして使用されることができる。
【0054】
サーバ202は、PCRF212用のAPI214を実装して、オフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードされるアプリケーションと通信する。たとえば、PCRF212は、他の電気通信機能の1つを実装するアプリケーションのために、電気通信データをオンプレミスネットワーク102を使用してオフプレミスクラウドコンピューティングシステムに送信するためにAPI214を使用してもよい。PCRF212は、オンプレミスネットワーク102を使用して、電気通信データに対応するアプリケーション固有のデータを受信するためにAPI214を使用してもよい。
【0055】
サーバ204は、SBC220用のAPI222を実装して、オフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードされるアプリケーションと通信する。たとえば、SBC220は、他の電気通信機能の1つを実装するアプリケーションのために、電気通信データをオンプレミスネットワーク102を使用してオフプレミスクラウドコンピューティングシステムに送信するためにAPI222を使用してもよい。SBC220は、オンプレミスネットワーク102を使用して、電気通信データに対応するアプリケーション固有のデータを受信するためにAPI222を使用してもよい。
【0056】
サーバ206は、DSR228用のAPI230を実装して、オフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードされるアプリケーションと通信する。たとえば、DSR228は、他の電気通信機能の1つを実装するアプリケーションのために、電気通信データをオンプレミスネットワーク102を使用してオフプレミスクラウドコンピューティングシステムに送信するためにAPI230を使用してもよい。DSR228は、オンプレミスネットワーク102を使用して、電気通信データに対応するアプリケーション固有のデータを受信するためにAPI230を使用してもよい。
【0057】
いくつかの例では、オンプレミスコンピューティングシステム104は、ネットワークに影響を与える電気通信機能を実装するアプリケーションによって生成されたイベントを記録するためのイベントレコーダ232を実行するように構成される。また、オンプレミスコンピューティングシステム104は、停止後にクラウドサービスが利用可能になった後に、記録済みのイベントを再生(リプレイ)するように構成されることができる。
【0058】
たとえば、オンプレミスコンピューティングシステム104は、特定のアプリケーションのイベント記録を登録してもよい。登録は、イベント記録の時間枠の指定、または、記録できるデータ量に関するデータ制限の指定を含む。また、イベントレコーダ232は、登録されたアプリケーションのイベントを記録し、登録時に指定されたとおりにレコードを削除する。
【0059】
イベントレコーダ232は、オンプレミスコンピューティングシステム104の外部にあっても内部にあってもよい。たとえば、サーバ202、サーバ204、およびサーバ206のうちの1つまたは複数のサーバは、イベントレコーダ232を実装してもよい。例示の目的のために、
図2では、イベントレコーダ232は、サーバ202、サーバ204、およびサーバ206と別個に描かれているが、サーバ202、サーバ204、およびサーバ206は、それぞれ別個のイベントレコーダを実装してもよいし、イベントレコーダ232をまとめて実装してもよい。
【0060】
いくつかの例では、オンプレミスコンピューティングシステム104は、
図2に示されていない、ネットワークに影響を与える他の電気通信機能を実行するように構成されている。たとえば、オンプレミスコンピューティングシステム104は、ポリシーおよび課金実施機能(PCEF)、たとえば、パケットゲートウェイ(PGW)、アクセスネットワークゲートウェイ(AN-GW)、または他のゲートウェイとして機能するコンピュータシステム上の機能、および、モビリティマネジメントエンティティ(MME)を実行するように構成されることができる。これらの例示的な機能は、例示の目的のために以下で説明される。
【0061】
PCEFは、PCRF212によって行われたポリシーチャージングコントロール(PCC)のいずれの決定も実施し、サービスデータフロー(たとえば、要求されたサービスに関連するパケットの転送またはドロップ)を処理するように構成される。PCEFは、トラフィックの検出と結果としてのポリシーの実施のために構成されてもよい。PCEFは、ユーザ機器およびすべての要求されたサービスについて情報をPCRF212に提供する。
【0062】
PGWは、ユーザ機器にとって、または/および、ユーザ機器からのトラフィックの出入り口ポイントになることにより、ユーザ機器から外部のパケットデータネットワークへの接続を提供できる。PCEFは、PGWと組み合わせて、ポリシーの実施、パケットフィルタリング、課金サポート、パケットスクリーニングなどを実行できる。
【0063】
AN-GWは、たとえば、地理的サービスエリア内のモバイル基地局など、多数のモバイル基地局との間でデータパケットを配信するように構成されている。AN-GWは、パケットのルーティングと転送、モビリティ管理(アタッチ/デタッチと位置管理)、論理的リンク管理、および認証などを含む電気通信機能、および、課金機能を実行する。AN-GWのロケーションレジスタは、AN-GWに登録された加入者の位置情報と加入者プロファイルとを保存できる。
【0064】
MMEは、再送信を含むアイドルモードUEページングとタグ付けとの処理を担うことができる。MMEはベアラのアクティブ化/非アクティブ化プロセスに関与することができ、初期接続時、および、コアネットワーク(CN)ノードの再配置を伴うイントラネットワークのハンドオーバ時にUEのサービングゲートウェイ(SGW)を選択する役割を担うことができる。
【0065】
MMEは、加入者の認証を担うことができる。非アクセスストラタム(NAS)シグナリングはMMEで終了し、MMEはユーザ機器への一時的なIDの生成と割り当てを担うことができる。MMEは、サービスプロバイダーのパブリックランドモバイルネットワーク(PLMN)にとどまるためにUEの承認を確認し、UEローミング制限を実施することができる。MMEは、NASシグナリングの暗号化/整合性保護のためにネットワーク内の終端点になることができ、セキュリティキー管理を取り扱うことができる。
【0066】
図3は、例示的なオフプレミスクラウドコンピューティングシステム、たとえば
図1のオフプレミスクラウドコンピューティングシステム106のブロック図である。オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106は、1つまたは複数のプロセッサ302と、プロセッサ302が実行可能な命令を格納するメモリ304とを含む。オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106は、アプリケーションホスト306、イベントレコーダ308、およびサービスリプレイヤ310を実装するように構成される。
【0067】
クラウドコンピューティングは、構成可能なコンピューティングリソース(たとえば、ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、およびサービスなど)の共有プールへの便利なオンデマンドネットワークアクセスを可能にするモデルである。クラウド(またはネットワーク)を介して提供またはアクセスされるサービスは、クラウドサービスと呼ばれる。オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106は、セルフサービス、サブスクリプションベース、弾力的な拡張性、信頼性、高可用性、および安全な方法で顧客に配信される一連のアプリケーション、ミドルウェア、およびデータベースサービスを含んでもよい。
【0068】
オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106は、ネットワーク事業者などの顧客向けに、以下の1つまたは複数のクラウドコンピューティング機能を実装するように構成されてもよい。
・オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106内のサービスおよびリソースに対する、プロビジョニング、管理、および、顧客の加入状況の追跡
・オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106内のサービスを利用する顧客に予測可能な運用費用を提供
・オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106内での、強固なIDドメインの分離、および、顧客データの保護を提供
・オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106の、透過的なアーキテクチャおよび設計管理を顧客に提供
・データの保護、および、データプライバシー基準および規制の遵守を顧客に保証
・オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106内でサービスを構築および展開するための統合開発エクスペリエンスを顧客に提供
・オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106内での、ビジネスソフトウェア、ミドルウェア、データベース、およびインフラストラクチャサービス間のシームレスな統合を顧客に提供
【0069】
アプリケーションホスト306は、様々なアプリケーション312およびAPI322をホストすることによりクラウドコンピューティングサービスを提供するように構成される。アプリケーションホスト306は、アプリケーション312がプロセッサ302およびメモリ304などのクラウドコンピューティングリソースにアクセスするためのプラットフォームを提供する。たとえば、アプリケーションホスト306は、1つまたは複数の仮想マシン(VM)を実行するためのプロセッサ、システムメモリ、ストレージデバイスなどのコンピューティングデバイスのコンポーネントをシミュレートするように構成された仮想化環境を含むことができる。仮想マシンは、Webサーバ機能やクラウドアプリケーションサービスなどのさまざまな機能および/またはサービスを実行するように構成されることができ、さまざまなノード、コンポーネント、および/またはユーザと対話することができる。
【0070】
アプリケーション312は、ネットワークに影響を与えない電気通信機能を実装する少なくともいくつかのアプリケーションを含む。ネットワークに影響を与えない電気通信機能は、クラウドAPIを使用して電気通信データを受信できる。ネットワークに影響を与えない電気通信機能は、オンプレミスAPIを使用して、電気通信データに対応するアプリケーション固有のデータを送信できる。
【0071】
たとえば、オンプレミスコンピューティングシステム104は、共有クォータ機能、スポンサーデータ機能、複雑な請求/課金機能、およびネットワーク分析機能のうちの1つまたは複数の機能をオフロードすることができる。共有クォータ機能は、複数の加入者がネットワーク使用において同じクォータ、たとえば、1か月などの期間にわたる、データ量、呼び出し時間、またはテキストメッセージのために同じクォータを共有することが可能となる。
【0072】
動作の際に、オンプレミスコンピューティングシステム104で実行されるPCRFなどのネットワークに影響を与える機能は、使用データなどの電気通信データを共有クォータ機能に供給してもよい。オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106で実行される共有クォータ機能は、共有クォータを超えたかどうかを判断し、共有クォータを超えた場合にレポートなどのアプリケーション固有の応答データをPCRFに送信できる。
【0073】
オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106に実装された共有クォータ機能を備えたシステムでは、電気通信ネットワークは、オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106のコスト削減と拡張性との恩恵を受ける。共有クォータ機能は、加入者へのサービスの中断を防ぐためにリアルタイムで継続的に実行する必要がないため、共有クォータ機能のオフロードによる遅延は、ネットワーク事業者にとって許容できるものである。
【0074】
スポンサーデータ機能は、企業、教育機関、政府などの事業体が1人または複数人の加入者に対する請求を処理することを可能にする。スポンサーデータ機能の中には、顧客のニーズに従って動作するようにカスタマイズされたデータを必要とするようなものがあってもよいし、加入者へのサービスの中断を防ぐために、リアルタイムで継続的に実行する必要がないようなものがあってもよい。これらのスポンサーデータ機能は、オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106にオフロードされることができる。
【0075】
複雑な請求/課金機能は、顧客のニーズに応じて異なる。これらの機能をオフプレミスクラウドコンピューティングシステム106にオフロードすることで、ネットワーク事業者は、オンプレミスコンピューティングシステム104のコンピューティング負荷の増大によって影響する加入者サービスを増やすことなく、請求/課金のより多くのバリエーションをサポートできる。
【0076】
同様に、ネットワーク分析機能は、顧客のニーズに応じて異なり得る。ネットワーク分析機能の中には、まれにしか実行する必要がないものがあってもよいが、これにより、コンピューティングリソースの使用率が突然増加する可能性がある。オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106はクラウドコンピューティングテクノロジーによって拡張性を実現するように構成されているため、オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106は、追加のリソースを割り当て、その後それらのリソースの割り当てを解除することにより、そのようなネットワーク分析機能を実行できるようにしてもよい。これにより、オンプレミスコンピューティングシステム104を離れ、ネットワークに影響を与える電気通信機能を中断することなく実行し続ける。
【0077】
イベントレコーダ308は、ネットワークに影響を与えない電気通信機能を実装するアプリケーションによって生成されたイベントを記録するように構成される。イベントレコーダ308は、オンプレミスコンピューティングシステム104宛のイベントを記録する。たとえば、オンプレミスコンピューティングシステム104は、特定のアプリケーションのイベント記録を登録してもよい。登録は、イベント記録の時間枠の指定、または、記録できるデータ量に関するデータ制限の指定を含む。次に、イベントレコーダ308は、登録されたアプリケーションのイベントを記録し、登録時に指定されたとおりにレコードを削除する。
【0078】
オンプレミスコンピューティングシステム104は、たとえば、クラウドAPIを使用して、イベントレコーダ308とメッセージを交換することにより登録することができる。いくつかの例では、特定のアプリケーションの登録がなくても記録を保証するために、すべての電気通信機能のイベントを記録するように、ネットワーク事業者によってイベントレコーダ308が事前設定される。
【0079】
サービスリプレイヤ310は、停止前にイベントレコーダ308によって記録されたイベントを使用して、停止後にオンプレミスサービスが利用可能になった後にサービスを再生するように構成される。たとえば、サービスリプレイヤ310は、オフプレミスクラウドコンピューティングシステム106によって、たとえば、システムまたはネットワークオペレーティングアプリケーションと通信することによって、停止の開始時間および終了時間を決定することができる。停止は、一般的な停止、たとえば、ネットワーク接続の完全な損失の場合もあれば、電気通信ネットワークに固有の停止の場合もある。
【0080】
次に、サービスリプレイヤ310は、開始時間と終了時間との間に生成されたイベントの記録の複製を生成することができる。結果として、たとえ特定のアプリケーションがその機能を繰り返すことができなくても、サービスリプレイヤ310は、そのデータの提供に遅れがあっても、停止中にデータが失われることを防ぐことができる。
【0081】
イベントレコーダ308とサービスリプレイヤ310とは、ともに、ネットワークに影響を与えない電気通信機能の信頼性を高めることができる。ネットワークに影響を与えない電気通信機能がオフプレミスクラウドコンピューティングシステム106で実行されているが、この場合、ネットワーク障害または他の非電気通信アプリケーションに関連するシステムのオーバーロードにより、オンプレミスコンピューティングシステム104よりも多くの中断が発生する可能性があるので、信頼性が向上していることは有益である。
【0082】
図4は、オンプレミスコンピューティングシステムおよびオフプレミスクラウドコンピューティングシステムを使用して電気通信ネットワークを運用するための例示的な方法400のフローチャートである。方法400は、オンプレミスコンピューティングシステム、たとえば、
図1のオンプレミスコンピューティングシステム104により実行される。
【0083】
方法400は、少なくとも1つのプロセッサを含むオンプレミスコンピューティングシステムで、電気通信ネットワークのネットワークに影響を与える1つまたは複数の電気通信機能を実行することを含む(402)。いくつかの例では、ネットワークに影響を与える電気通信機能の各々は、動作の際に、電気通信ネットワーク上のサービスを中断する可能性があるが、他の電気通信機能の各々は、動作の際に、電気通信ネットワーク上のサービスを中断する可能性がない。いくつかの例では、ネットワークに影響を与える電気通信機能の各々は、電気通信規格文書でネットワークに影響を与える機能として定義されている。
【0084】
方法400は、オンプレミスネットワークを使用するオンプレミスコンピューティングシステムにおいて、オンプレミスネットワークから切り離されたオフプレミスクラウドコンピューティングシステムへの電気通信ネットワークの1つまたは複数の他の電気通信機能をオフロードすることを含む(404)。電気通信ネットワークの他の電気通信機能をオフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードすることは、共有クォータ機能、スポンサーデータ機能、複雑な請求/課金機能、およびネットワーク分析機能のうち1つまたは複数の機能をオフロードすることを含めることができる。
【0085】
いくつかの例では、オンプレミスコンピューティングシステムは、第1のコンピュータシステムを含み、ネットワークに影響を与える電気通信機能を実行することは、第1のコンピュータシステムでポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)を実行することを含む。いくつかの例では、オンプレミスコンピューティングシステムは、第2のコンピュータシステムと第3のコンピュータシステムとを含み、ネットワークに影響を与える電気通信機能を実行することは、第2のコンピュータシステムでセッションボーダーコントローラ(SBC)を実行し、第3のコンピュータシステムでDiameterシグナリングルータ(DSR)を実行することを含む。
【0086】
いくつかの例では、電気通信ネットワークの他の電気通信機能をオフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードすることは、オンプレミスネットワークを使用して、他の電気通信機能の1つを実装するアプリケーション用のクラウドAPIを使用してクラウドコンピューティングシステムに電気通信データを送信することを含む(406)。いくつかの例では、電気通信ネットワークの他の電気通信機能をオフプレミスクラウドコンピューティングシステムにオフロードすることは、オンプレミスネットワークおよびアプリケーション用のオンプレミスAPIを使用して、電気通信データに対応するアプリケーション固有のデータを受信することを含む(408)。
【0087】
いくつかの例では、方法400は、他の電気通信機能を実装し、オフプレミスクラウドコンピューティングシステムで実行するアプリケーションによって生成されたイベントをイベントレコーダに記録させるようにオフプレミスクラウドコンピューティングシステムを構成することを含む。次に、方法400は、停止前に記録されたイベントを使用して停止後にクラウドサービスが利用可能になった後にサービスを再生するようにオフプレミスクラウドコンピューティングシステムを構成することを含むことができる。
【0088】
図5は、オンプレミスコンピューティングシステムおよびオフプレミスクラウドコンピューティングシステムを使用して電気通信ネットワークを運用するための例示的な方法500のフローチャートである。方法500は、
図1のオフプレミスクラウドコンピューティングシステム106などのオフプレミスクラウドコンピューティングシステムによって実行される。
【0089】
方法500は、ネットワークに影響を与えない電気通信機能を実行するためのアプリケーションをホストすることを含む(502)。方法500は、他の電気通信機能のうちの1つを実装するアプリケーション用のクラウドAPIを使用して電気通信データを受信することを含む(504)。方法500は、アプリケーション用のオンプレミスAPIを使用して、電気通信データに対応するアプリケーション固有のデータを送信することを含む(506)。
【0090】
いくつかの例では、方法500は、他の電気通信機能を実装し、オフプレミスクラウドコンピューティングシステムで実行するアプリケーションによって生成されたイベントをイベントレコーダに記録させることを含む(508)。次いで、方法500は、停止前に記録されたイベントを使用して、停止後にクラウドサービスが利用可能になった後にサービスを再生することを含むことができる(510)。
【0091】
図6は、オンプレミスおよびオフプレミスクラウドコンピューティングシステムの両方でイベントレコーダを使用するシステム600を示すブロック図である。システム600は、オンプレミスシステム602およびオフプレミスクラウドシステム604を含む。オンプレミスシステム602は、クラウドAPIを使用してオフプレミスクラウドシステム604に電気通信データを送信し(606)、オフプレミスクラウドシステム604は、オンプレミスAPIを使用してアプリケーション固有のデータを受信する(608)。
【0092】
オンプレミスシステム602は、オフプレミスクラウドシステム604の停止中にネットワークイベントを記録および再生するように構成されたイベントレコーダ610を含む。オフプレミスクラウドシステム604が停止した場合(たとえば、ネットワーク障害またはオフプレミスクラウドシステム604の他の障害)、オンプレミスシステム602は、イベントを記憶し、オンプレミスシステム602とオフプレミスクラウドシステム604との間の通信が再確立された後、イベントを再生することができる。オンプレミスシステム602は、たとえば、クラウドAPIを使用してバッファリングを実行でき、または、オンプレミスシステム602は、記録および再生の機能を実行するDSRなどのクラウドゲートウェイを含んでいてもよい。
【0093】
オフプレミスクラウドシステム604は、また、停止中にネットワークイベントを記録および再生するように構成されたイベントレコーダ612を含む。オンプレミスシステム602およびオフプレミスクラウドシステム604の両方がイベントレコーダを含むため、オフプレミスクラウドシステム604が停止する場合はあるが、オフプレミスクラウドシステム604にオフロードされた他の電気通信機能は動作を継続できる。
【0094】
したがって、本明細書では、特定の実施形態、特徴、および例示的な実施形態を参照して方法、システム、およびコンピュータ読取可能な記録媒体について説明したが、主題の有用性はこれに限定されず、むしろ、本明細書の開示に基づいて、本主題の分野の当業者に示唆される多数の他の変形例、修正、および代替形態にまで拡張および包含することを理解されたい。
【0095】
本明細書に記載の構造および特徴の様々な組み合わせおよびサブコンビネーションが意図され、本開示の知識を有する当業者には明らかであろう。本明細書で開示されるような様々な特徴および要素のいずれかは、本明細書でそうでないことが示されない限り、1つまたは複数の他の開示される特徴および要素と組み合わせることができる。同様に、特許請求の範囲に記載の主題は、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変形例、修正、および代替形態を含むものと広く解釈されることを意図している。
【0096】
本開示の主題の範囲から逸脱することなく、本開示の主題の様々な詳細を変更できることが理解される。さらに、前述の説明は、例示のみを目的とするものであり、限定を目的とするものではない。