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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-18
(45)【発行日】2022-05-26
(54)【発明の名称】電源供給装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20220519BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H02M7/48 N
H02J9/06 120
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021512218
(86)(22)【出願日】2019-08-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-23
(86)【国際出願番号】 KR2019011030
(87)【国際公開番号】W WO2020060061
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-03-02
(31)【優先権主張番号】10-2018-0112833
(32)【優先日】2018-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】クォン、ヒョクイル
(72)【発明者】
【氏名】ファン、クワンギュ
(72)【発明者】
【氏名】アン、クワンスン
【審査官】土井 悠生
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-084766(JP,A)
【文献】特表2010-519890(JP,A)
【文献】特開2011-160647(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0380570(US,A1)
【文献】特開2018-129961(JP,A)
【文献】特開2004-153883(JP,A)
【文献】特開2018-137893(JP,A)
【文献】特開平08-251781(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0357773(US,A1)
【文献】特開2000-004512(JP,A)
【文献】特開2013-233044(JP,A)
【文献】国際公開第2018/100645(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/145679(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/00-7/98
H02J 1/00-7/12
H02J 7/34-11/00
H02B 1/00-1/38
H02B 1/46-7/08
H02G 5/00-5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源を受電して負荷に供給する複数の電源モジュールと、
前記複数の電源モジュールの一側に設置され、自己電力を前記負荷に供給する無停電供給モジュールと、
前記複数の電源モジュール又は前記無停電供給モジュールの一側に設置され、電力を変換して前記負荷に供給するインバータモジュールと、
前記複数の電源モジュール、前記無停電供給モジュール及び前記インバータモジュールの筐体の内部にそれぞれ備えられる直流バスバーと、
隣接する前記直流バスバーを連結する連結バスバーとを含み、
前記複数の電源モジュール及び前記無停電供給モジュールの内部で、それぞれ前記直流バスバーの上方に交流/直流コンバータ又は直流/直流コンバータが備えられるか、前記直流バスバーの下方に前記交流/直流コンバータ又は前記直流/直流コンバータが備えられる電源供給装置。
【請求項2】
前記複数の電源モジュールは、正常状態で前記負荷に電力を供給するメインモジュールと、前記メインモジュールが作動不能の場合に前記負荷に電力を供給するバイパスモジュールとを含む請求項1に記載の電源供給装置。
【請求項3】
前記複数の電源モジュール及び前記無停電供給モジュールを制御する制御モジュールをさらに含む請求項2に記載の電源供給装置。
【請求項4】
前記直流バスバーは、それぞれの前記筐体の中間部に設置される請求項1に記載の電源供給装置。
【請求項5】
前記複数の電源モジュール及び前記無停電供給モジュールの内部で、前記直流バスバーの上方に交流/直流コンバータ又は直流/直流コンバータが備えられる場合は、他の電力機器が前記直流バスバーの下方に配置され、
前記複数の電源モジュール及び前記無停電供給モジュールの内部で、前記直流バスバーの下方に交流/直流コンバータ又は直流/直流コンバータが備えられる場合は、他の電力機器が前記直流バスバーの上方に配置される請求項4に記載の電源供給装置。
【請求項6】
前記制御モジュールには、前記制御モジュールの内部に備えられる前記直流バスバーに接続され、前記制御モジュールの外部に露出する外部直流バスバーが設けられる請求項3に記載の電源供給装置。
【請求項7】
前記直流バスバーの両端部には、縦方向連結部が長さ方向に形成されて備えられ、前記直流バスバーの側面部には、横方向連結部が幅方向に形成されて備えられる請求項1に記載の電源供給装置。
【請求項8】
前記連結バスバーには、前記縦方向連結部又は前記横方向連結部が締結されるように溝で形成される結合部が設けられる請求項7に記載の電源供給装置。
【請求項9】
前記結合部は、U字状溝又は段付き溝であることを特徴とする請求項8に記載の電源供給装置。
【請求項10】
前記筐体の枠に配置される外郭フレームと、隣接する前記外郭フレーム間に配置される中間フレームとをさらに含む請求項1に記載の電源供給装置。
【請求項11】
前記外郭フレームの一側面には、切欠部が長さ方向に切欠形成され、前記一側面に対向する他の側面には、複数の締結孔が長さ方向に形成される請求項10に記載の電源供給装置。
【請求項12】
前記締結孔が形成される面には、凹状の段差部が長さ方向に形成される請求項11に記載の電源供給装置。
【請求項13】
前記外郭フレームの両端部には、締結凹部が形成される請求項10に記載の電源供給装置。
【請求項14】
隣接する3つの前記外郭フレームを連結する3方向フレーム連結具をさらに含む請求項13に記載の電源供給装置。
【請求項15】
前記3方向フレーム連結具は、本体部と、直交する3方向に前記本体部からそれぞれ突設され、前記締結凹部に挿入される3つの締結部とを含む請求項14に記載の電源供給装置。
【請求項16】
前記中間フレームの両端部には、切欠形成される嵌合部が設けられる請求項10に記載の電源供給装置。
【請求項17】
前記嵌合部に挿入結合され、前記外郭フレームに締結される1方向フレーム連結具をさらに含む請求項16に記載の電源供給装置。
【請求項18】
前記1方向フレーム連結具は、段差が形成されて前記嵌合部に挿入される挿入部と、ネジ孔が形成されて前記外郭フレームに当接する結合面部とを含む請求項17に記載の電源供給装置。
【請求項19】
前記筐体には、前記縦方向連結部又は前記横方向連結部が配置される部分にバスバーホールが形成される請求項7に記載の電源供給装置。
【請求項20】
前記筐体には、前記外郭フレームの一部が露出するようにフレームホールが形成される請求項10に記載の電源供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源供給装置に関し、より詳細には、複数の電源供給モジュールを有する電源供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電源供給装置は、電源から交流電源の供給を受け、負荷が用いることのできる交流又は直流電源に変換して負荷に供給する装置である。設備規模が大きな所や安定した電力供給が必要な所には、複数の電源供給モジュールで構成された電源供給装置が設置される。このような複数の電源供給モジュールは、直流バスライン(直流バスバー)を介して接続されてもよい。ここで、複数の電源供給モジュールには、無停電電源装置(UPS; Uninterruptible Power Supply)が含まれてもよい。
【0003】
図1を参照して、従来技術による電源供給装置について説明する。
【0004】
従来技術による電源供給装置は、一列に配置された複数の電源供給モジュールで構成される。複数のモジュールは、例えばバイパスモジュール1と、メインモジュール2と、電力半導体モジュール3と、インバータモジュール4とからなる。複数のモジュールの上方には直流電源を供給するコモンバスバー(Common Busbar)5が設けられ、各モジュールに直流電源を供給する。
【0005】
メインモジュール2とバイパスモジュール1には、交流電源6、7が供給される。一方、非常時の自己電力供給のための無停電電源供給モジュールとして電力半導体モジュール3が設けられる。インバータモジュール4は、負荷に接続され、負荷(図示せず)に電源を供給する。正常状態では、メインモジュール2が交流電源7から受けた電力を負荷に供給する。事故や故障などによりメインモジュール2が作動しない場合は、バイパスモジュール1が交流電源6から受けた電力を負荷に供給する。メインモジュール2からバイパスモジュール1に電源供給経路を変更する場合、停電状態を回避するために、電力半導体モジュール3が臨時に負荷に電力を供給する。
【0006】
各モジュールには、交流を直流に変換するAC/DCコンバータ8、直流を交流に変換するDC/ACコンバータ9、直流電圧を昇降するためのDC/DCコンバータ10の少なくとも1つのコンバータが備えられる。また、各モジュールには、遮断器、制御装置、PLC、無停電電源制御装置などの各種電力機器が設置される。
【0007】
通常、これらの各種電力機器とコンバータは、モジュール内で2段に構成される。モジュール内では、これらの電力機器とコンバータを接続するために、ケーブル11又はバスバー12が複雑に接続されている。
【0008】
このような従来技術による電源供給装置には次のような問題がある。
【0009】
まず、各モジュールが一列に配置されているので、空間に制限がある場合は設置が困難であるという問題がある。例えば、空間の長さがモジュール全体の長さに満たない場合は電源供給装置の設置が困難である。
【0010】
また、モジュールの内部構造を見ると、各モジュールは2段構造に形成され、内部に各種電力機器とコンバータが配置され、外部にコモンバスバーが配置されて各モジュールに電流を供給するようになっている。これらコモンバスバーとモジュール間には、接続バスバー又は接続ケーブルが用いられる。これらバスバーやケーブルが電力機器とコンバータ間に複雑に絡まっているので、組立や設置だけでなく、メンテナンスも困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、長さに制限のある空間内に配置することのできる電源供給装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、モジュール内部の機器と接続線が簡潔に構成され、設置及びメンテナンスが容易な電源供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施形態による電源供給装置は、交流電源を受電して負荷に供給する複数の電源モジュールと、前記複数の電源モジュールの一側に設置され、自己電力を前記負荷に供給する無停電供給モジュールと、前記複数の電源モジュール又は前記無停電供給モジュールの一側に設置され、電力を変換して前記負荷に供給するインバータモジュールと、前記複数の電源モジュール、前記無停電供給モジュール及び前記インバータモジュールの筐体の内部にそれぞれ備えられる直流バスバーと、隣接する前記直流バスバーを連結する連結バスバーとを含み、前記複数の電源モジュール及び前記無停電供給モジュールの内部で、それぞれ前記直流バスバーの上方に交流/直流コンバータ又は直流/直流コンバータが備えられるか、前記直流バスバーの下方に前記交流/直流コンバータ又は前記直流/直流コンバータが備えられる。
【0014】
ここで、前記複数の電源モジュールは、正常状態で前記負荷に電力を供給するメインモジュールと、前記メインモジュールが作動不能の場合に前記負荷に電力を供給するバイパスモジュールとを含む。
【0015】
また、前記電源供給装置は、前記複数の電源モジュール及び前記無停電供給モジュールを制御する制御モジュールをさらに含む。
【0016】
さらに、前記直流バスバーは、それぞれの前記筐体の中間部に設置される。
【0017】
さらに、前記複数の電源モジュール及び前記無停電供給モジュールの内部で、前記直流バスバーの上方に交流/直流コンバータ又は直流/直流コンバータが備えられる場合は、他の電力機器が前記直流バスバーの下方に配置され、前記複数の電源モジュール及び前記無停電供給モジュールの内部で、前記直流バスバーの下方に交流/直流コンバータ又は直流/直流コンバータが備えられる場合は、他の電力機器が前記直流バスバーの上方に配置される。
【0018】
さらに、前記制御モジュールには、前記制御モジュールの内部に備えられる前記直流バスバーに接続され、前記制御モジュールの外部に露出する外部直流バスバーが設けられてもよい。
【0019】
さらに、前記直流バスバーの両端部には、縦方向連結部が長さ方向に形成されて備えられ、前記直流バスバーの側面部には、横方向連結部が幅方向に形成されて備えられてもよい。
【0020】
さらに、前記連結バスバーには、前記縦方向連結部又は前記横方向連結部が締結されるように溝で形成される結合部が設けられてもよい。
【0021】
さらに、前記結合部は、U字状溝又は段付き溝であることを特徴とする。
【0022】
さらに、前記電源供給装置は、前記筐体の枠に配置される外郭フレームと、隣接する前記外郭フレーム間に配置される中間フレームとをさらに含んでもよい。
【0023】
さらに、前記外郭フレームの一側面には、切欠部が長さ方向に切欠形成され、前記一側面に対向する他の側面には、複数の締結孔が長さ方向に形成されてもよい。
【0024】
さらに、前記締結孔が形成される面には、凹状の段差部が長さ方向に形成されてもよい。
【0025】
さらに、前記外郭フレームの両端部には、締結凹部が形成されてもよい。
【0026】
さらに、前記電源供給装置は、隣接する3つの前記外郭フレームを連結する3方向フレーム連結具をさらに含んでもよい。
【0027】
さらに、前記3方向フレーム連結具は、本体部と、直交する3方向に前記本体部からそれぞれ突設され、前記締結凹部に挿入される3つの締結部とを含んでもよい。
【0028】
さらに、前記中間フレームの両端部には、切欠形成される嵌合部が設けられてもよい。
【0029】
さらに、前記電源供給装置は、前記嵌合部に挿入結合され、前記外郭フレームに締結される1方向フレーム連結具をさらに含んでもよい。
【0030】
さらに、前記1方向フレーム連結具は、段差が形成されて嵌合部に挿入される挿入部と、ネジ孔が形成されて前記外郭フレームに当接する結合面部とを含んでもよい。
【0031】
さらに、前記筐体には、前記縦方向連結部又は前記横方向連結部が配置される部分にバスバーホールが形成されてもよい。
【0032】
さらに、前記筐体には、前記外郭フレームの一部が露出するようにフレームホールが形成されてもよい。
【発明の効果】
【0033】
本発明の各実施形態による電源供給装置によれば、長さに制限のある空間内に設置することができる。すなわち、複数のモジュールを一列に配置するだけでなく、複数の列に配置することができる。また、各モジュールを異なる配置方向に設定することができる。
【0034】
さらに、モジュール内部の装置とバスバーが簡潔に配置されるので、メンテナンスが容易になる。
【0035】
さらに、各モジュールが規格化されるので、様々な構成の組立及び配置が容易になる。すなわち、必要なモジュールを適宜選択して接続、配置、使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】従来技術による電源供給装置の構造図である。
図2】本発明の一実施形態による電源供給装置の構造図である。
図3図2に示す任意のモジュールの斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による電源供給装置に適用される直流バスバーと連結バスバーの斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による電源供給装置に適用されるモジュールフレームの斜視図である。
図6図5に示す外郭フレームの分解斜視図である。
図7図5に示す中間フレームの分解斜視図である。
図8】本発明の一実施形態による電源供給装置の配置を示す平面図である。
図9】本発明の他の実施形態による電源供給装置の配置を示す平面図である。
図10】本発明のさらに他の実施形態による電源供給装置の配置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について説明するが、これらは本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が発明を実施することができるように詳細に説明するためのものであり、本発明の技術的思想及び範囲を限定するものではない。
【0038】
図2は本発明の一実施形態による電源供給装置の構造図である。図面を参照して、本発明の各実施形態による電源供給装置について詳細に説明する。
【0039】
本発明の一実施形態による電源供給装置は、交流電源を受電して負荷に供給する複数の電源モジュール20、30と、複数の電源モジュール20、30の一側に設置され、自己電力を前記負荷に供給する無停電供給モジュール35と、前記複数の電源モジュール又は前記無停電供給モジュールの一側に設置され、電力を変換して前記負荷に供給するインバータモジュール40と、複数の電源モジュール20、30、無停電供給モジュール35及びインバータモジュール40の内部にそれぞれ備えられる直流バスバー60と、隣接する直流バスバー60を連結する連結バスバー65とを含み、複数の電源モジュール20、30及び無停電供給モジュール35には、それぞれ直流バスバー60の上方に交流/直流コンバータ又は直流/直流コンバータが備えられるか、前記直流バスバーの下方に交流/直流コンバータ又は直流/直流コンバータが備えられる。
【0040】
本発明の一実施形態による電源供給装置は、複数のモジュールを含む。これら複数のモジュールは、電源モジュール20、30、35と、インバータモジュール40と、制御モジュール25とからなる。ここで、電源モジュール20、30、35は、メインモジュール30と、バイパスモジュール20と、無停電供給モジュール35とを含む。
【0041】
メインモジュール30とバイパスモジュール20には、それぞれ交流電源51、52から交流電力が供給される。正常状態では、メインモジュール20が第1交流電源51から受けた電力を負荷(図示せず)に供給する。事故や故障などによりメインモジュール30が作動しない場合は、バイパスモジュール20が第2交流電源52から受けた電力を負荷に供給する。
【0042】
一方、非常時の自己電力供給のために無停電電源供給モジュール35が設けられる。無停電供給モジュール35は、電力半導体モジュールともいう。無停電供給モジュール35は、メインモジュール30からバイパスモジュール20に電源供給経路を変更する場合に、停電防止のために臨時に用いられる。
【0043】
インバータモジュール40は、前記モジュールで変換された直流電力を交流電力に変換して負荷に電源を供給する。
【0044】
以下、本発明の特徴について各モジュール毎に具体的に説明する。
【0045】
メインモジュール30は、正常状態で電源(第1交流電源51)から交流電源を受電し、直流電源に変換して他のモジュール又は負荷に直流電源を供給する装置である。
【0046】
メインモジュール30は、第1交流電源51から交流電力を受電する。
【0047】
メインモジュール30には、第1交流電源51から受電した交流電力を直流電力に変換するために、第1交流(AC)/直流(DC)コンバータ56及び第2交流/直流コンバータ57が備えられる。備えられる第1交流/直流コンバータ56又は第2交流/直流コンバータ57は、複数であってもよい。
【0048】
メインモジュール30には、変換された直流電力を第1交流/直流コンバータ56から伝送するために、直流バスバー60が備えられる。直流バスバー60は、メインモジュール30の中間部に設置される。
【0049】
メインモジュール30には、過電流や地絡事故などの送配電系統の事故に対応できるように、交流電力ラインに設置される交流遮断器71と、直流電力ラインに設置される直流遮断器72とが備えられる。メインモジュール30において、交流遮断器71と直流遮断器72は、直流バスバー60の上方に配置される。
【0050】
メインモジュール30において、第1交流/直流コンバータ56は、直流バスバー60の下方に配置される。
【0051】
メインモジュール30において、第1交流/直流コンバータ56が直流バスバー60の下方に配置され、遮断器71、72などのその他の電力機器が直流バスバー60の上方に配置され、このような配置が各モジュールに共通して適用されることにより、モジュールを規格化することができるので、組立及び設置の容易性が確保され、メンテナンスの際の利便性も向上する。
【0052】
バイパスモジュール20は、メインモジュール30が正常な通電機能が実行できない場合に、電源(第2交流電源52)から交流電源を受電し、直流電源に変換して他のモジュール又は負荷に直流電源を供給する装置である。
【0053】
バイパスモジュール20は、第2交流電源52から交流電力を受電する。
【0054】
バイパスモジュール20には、第2交流電源52から受電した交流電力を直流電力に変換するために、第1交流/直流コンバータ56及び第2交流/直流コンバータ57が備えられる。備えられる第1交流/直流コンバータ56又は第2交流/直流コンバータ57は、複数であってもよい。
【0055】
バイパスモジュール20には、変換された直流電力を第1交流/直流コンバータ56から伝送するために、直流バスバー60が備えられる。直流バスバー60は、バイパスモジュール20の中間部に設置される。
【0056】
バイパスモジュール20には、過電流や地絡事故など送配電系統の事故に対応できるように、交流電力ラインに設置される交流遮断器71と、直流電力ラインに設置される直流遮断器72とが備えられる。バイパスモジュール20において、交流遮断器71と直流遮断器72は、直流バスバー60の上方に配置される。
【0057】
バイパスモジュール20において、第1交流/直流コンバータ56は、直流バスバー60の下方に配置される。
【0058】
バイパスモジュール20において、第1交流/直流コンバータ56が直流バスバー60の下方に配置され、遮断器71、72などのその他の電力機器が直流バスバー60の上方に配置され、このような配置が各モジュールに共通して適用されることにより、モジュールを規格化することができるので、組立及び設置の容易性が確保され、メンテナンスの際の利便性も向上する。
【0059】
制御モジュール25は、電源モジュール20、30、35を制御することにより、負荷への電力供給を円滑にし、外部に直流電力を伝送するために設けられる。制御モジュール25には、電源供給装置の各モジュールを制御するための各種制御装置やインタフェース機器が設置される。このような装置や機器として、PLC HMI(programmable logic controller Human Machine Interface)、UPS S/W(uninterruptible power supply switch)、制御TR(transmit-receive switch)などを含む。
【0060】
制御モジュール25には、モジュール間での直流電力の伝送のために、直流バスバー60が備えられる。直流バスバー60は、制御モジュール25の中間部に設置される。
【0061】
制御モジュール25には、電源供給装置と外部間での直流電力の伝送のために、外部直流バスバー69が備えられる。外部直流バスバー69は、制御モジュール25の直流バスバー60に接続され、制御モジュール25の外部に露出する。
【0062】
制御モジュール25には、過電流や地絡事故などの送配電系統の事故に対応できるように、直流電力ラインに設置される直流遮断器72が備えられる。制御モジュール25において、直流遮断器72は、直流バスバー60の上方に配置される。
【0063】
無停電供給モジュール35は、自己電源で負荷に電力を供給するために設けられる。無停電供給モジュール35は、臨時電源供給モジュールである。例えば、無停電供給モジュール35は、メインモジュール30からバイパスモジュール20に電源供給線路を変更する際の電源の切断(停電)を防止するために設けられる。
【0064】
無停電供給モジュール35は、バッテリ電源55から電力を受電する。
【0065】
無停電供給モジュール35には、バッテリ電源55から受電した直流電力を昇降するために、第1直流(DC)/直流(DC)コンバータ58及び第2直流/直流コンバータ59が備えられる。備えられる第1交流/直流コンバータ56又は第2交流/直流コンバータ57は、複数であってもよい。
【0066】
無停電供給モジュール35には、直流電力の伝送のために、直流バスバー60が備えられる。直流バスバー60は、無停電供給モジュール35の中間部に設置される。
【0067】
無停電供給モジュール35には、過電流や地絡事故などの送配電系統の事故に対応できるように、直流電力ラインに設置される直流遮断器72が備えられる。また、バッテリ電源55と直流電力ライン間には、第2直流遮断器73が備えられる。無停電供給モジュール35において、直流遮断器72と第2直流遮断器73は、直流バスバー60の上方に配置される。
【0068】
無停電供給モジュール35において、第1直流/直流コンバータ58は、直流バスバー60の下方に配置される。
【0069】
無停電供給モジュール35において、第1直流/直流コンバータ58が直流バスバー60の下方に配置され、遮断器71、72などのその他の電力機器が直流バスバー60の上方に配置され、このような配置が各モジュールに共通して適用されることにより、モジュールを規格化することができるので、組立及び設置の容易性が確保され、メンテナンスの際の利便性も向上する。
【0070】
インバータモジュール40は、各モジュールで変換された直流電力を交流電力に変換し、負荷に交流電力を供給するために設けられる。インバータモジュール40には、インバータ41が複数設けられる。インバータ41は、メインモジュール30、制御モジュール25、無停電供給モジュール35にそれぞれ接続される。インバータ41で交流に変換された電力は、各負荷に供給される。
【0071】
インバータモジュール40には、各モジュールから供給される直流電力を伝送するために、直流バスバー60が備えられる。
【0072】
図3図2に示すメインモジュールの斜視図であり、図4は各モジュールに適用される直流バスバーと連結バスバーの斜視図である。
【0073】
各モジュール20、25、30、35、40は、構造物として筐体と、フレームとを含む。各モジュールに共通して適用される事項であるので、一例としてメインモジュール30について説明する。特に例外的に説明、適用されるものでない限り、後述する事項はメインモジュール30だけでなく、他のモジュールにも適用される。
【0074】
メインモジュール30は、構造物として筐体31と、フレーム80、85、45とを有する。筐体31は、各電力機器を収容するために設けられる。フレーム80、85、45は、筐体31内に備えられる外郭フレーム80及び中間フレーム85と、筐体31の下方に備えられるベースフレーム45とを含む。各フレーム80、85、45は、選択的に備えられる。
【0075】
筐体31は、キャビネット状に形成されてもよい。筐体31の前面にドア34(図8参照)が形成されるので、ドア34を開放すると内部にアクセスすることができる。筐体31は、ベースフレーム45により支持される。
【0076】
筐体31の両側面と背面には、フレーム80、85が露出するフレームホール32と、直流バスバー61が露出するバスバーホール33がそれぞれ複数形成される。フレームホール32は、上、下端部に形成されてもよく、バスバーホール33は、中間部に形成されてもよい。
【0077】
直流バスバー60は、相対的に長い第1直流バスバー61と、相対的に短い第2直流バスバー64と、第1直流バスバー61又は第2直流バスバー64を連結する連結バスバー65とを含む。筐体31の内部には、第1直流バスバー61又は第2直流バスバー64が設置される。各モジュールに適した直流バスバーが適用される。
【0078】
第1直流バスバー61は、筐体31の中間部に設置されてもよい。よって、第1直流バスバー61を境に第1段と第2段に分けられてもよい。コンバータは、第1直流バスバー61の下方(すなわち、第1段)に配置され、コンバータを除く遮断器などの他の電力機器は、第1直流バスバー61の上方(すなわち、第2段)に配置される。当然ながら、それとは逆に設置することも可能である。
【0079】
第1直流バスバー61は、板状のプレートで形成されてもよい。ここで、第1直流バスバー61の両端部には、縦方向連結部62が長さ方向に形成される。一方、第1直流バスバー61の側面部には、横方向連結部63が幅方向に形成される。縦方向連結部62は、横方向連結部63に垂直な方向に形成されてもよい。設けられる横方向連結部63は、複数であってもよい。
【0080】
第2直流バスバー64は、第1直流バスバー61と同様に形成されてもよい。第2直流バスバー64は、備えられる横方向連結部63が単数であること以外は、第1直流バスバー61と同様に形成されてもよい。
【0081】
隣接するモジュール間に、各直流バスバー61、64を連結するための連結バスバー65が設けられる。連結バスバー65は、板状のプレートで形成されてもよい。連結バスバー65の両端部には、それぞれ直流バスバー61、64が連結される結合部66が設けられる。結合部66は、連結部62、63が収容される溝で形成されてもよい。ここで、形成される結合部66は、U字状溝や段付き溝など様々な形状である。
【0082】
直流バスバー61、64と連結バスバー65は、螺合により締結されてもよい。直流バスバー60と連結バスバー65により、直流電源を各モジュール間又は外部に伝送することができる。また、直流バスバー60が第1直流バスバー61及び第2直流バスバー64と連結バスバー65に区分され、直流バスバー61、64がモジュールの内部に設置されるので、各モジュールを独立して配置し、選択的に装置を構成することができる。
【0083】
図5は本発明の一実施形態による電源供給装置に適用されるモジュールフレームの斜視図であり、図6図5に示す外郭フレームの分解斜視図であり、図7図5に示す中間フレームの分解斜視図である。
【0084】
フレーム80、85、45は、筐体31内に備えられる外郭フレーム80及び中間フレーム85と、筐体31の下方に備えられるベースフレーム45とを含む。
【0085】
筐体31の下方には、ベースフレーム45が設けられる。ベースフレーム45は、モジュールを支持する。
【0086】
筐体31の内部には、外郭フレーム80と中間フレーム85が備えられる。
【0087】
外郭フレーム80は、筐体31の枠に配置され、筐体31を支持する。外郭フレーム80は、一文字状に形成されてもよい。外郭フレーム80は、断面が長方形に形成されてもよく、内部に中空部が形成されてもよい。外郭フレーム80は、適切な長さに形成され、筐体31の枠に沿って横方向又は縦方向に配置される。
【0088】
外郭フレーム80の一側面には、切欠部81が長さ方向に切欠形成され、前記一側面に対向する他の側面には、複数の締結孔82が長さ方向に形成される。締結孔82が形成される面には、凹状の段差部83が長さ方向に形成されてもよい。外郭フレーム80の両端部には、締結凹部84が形成される。
【0089】
外郭フレーム80を連結するために、3方向フレーム連結具90が設けられる。3方向フレーム連結具90は、本体部91と、直交する3方向に本体部91からそれぞれ突出する締結部92、93、94とを含む。例えば、各締結部92、93、94は、互いに直交するx、y、z方向に突設されてもよい。
【0090】
3方向フレーム連結具90の各締結部92、93、94は、外郭フレーム80の締結凹部84に挿入される。外郭フレーム80は、3方向フレーム連結具90に連結されて3次元的形状をなし、筐体31の枠に設置されて筐体31を支持する。
【0091】
3方向フレーム連結具90の第1締結部92には、結合孔95が形成される。外郭フレーム80の切欠部81、第1締結部92の結合孔95、ベースフレーム45の締結孔46が一直線上に置かれて結合された状態で、切欠部81、結合孔95、締結孔46を貫通して締結するネジにより、外郭フレーム80がベースフレーム45に固定結合される。よって、筐体31は、ベースフレーム45に固定されて支持される。ベースフレーム45が適用されない部分では、外郭フレーム80が3方向フレーム連結具90に連結され、螺合により固定されてもよい。
【0092】
2つの外郭フレーム80間に、中間フレーム85が結合されてもよい。中間フレーム85は、外郭フレーム80が長く形成される箇所の支持力を補強するために設置されるものであってもよい。中間フレーム85の両端部には、切欠形成される嵌合部86が設けられる。
【0093】
嵌合部86に結合されるように、1方向フレーム連結具96が設けられる。1方向フレーム連結具96は、略直方体状に形成されてもよい。1方向フレーム連結具96は、中間フレーム85の嵌合部86に嵌合され、外郭フレーム80に螺合される。
【0094】
1方向フレーム連結具96は、段差が形成される挿入部97と、ネジ孔98が形成される結合面部99とを含む。1方向フレーム連結具96の挿入部97が中間フレーム85の両端部に形成された嵌合部86に挿入結合され、1方向フレーム連結具96の結合面部99が外郭フレーム80に当接して結合される。
【0095】
以下、上記構成を有する電源供給装置における各モジュールの配置形態について説明する。
【0096】
図8は本発明の一実施形態による電源供給装置の平面図である。理解の便宜上、他の構成要素は省略し、筐体とバスバーのみ示している。
【0097】
本実施形態において、各モジュールは、一列に配置される。同図には、左からバイパスモジュール20、制御モジュール25、メインモジュール30、無停電供給モジュール35、インバータモジュール40が配置された例を示している。ここで、このようなモジュール間の配置順序は、必要に応じて変更できることは言うまでもない。
【0098】
隣接するモジュールの直流バスバー61、64は、連結バスバー65により連結される。各モジュールの直流バスバー61、64の縦方向連結部62に連結バスバー65が結合された形態で連結される。
【0099】
ここで、図示していないが、隣接するモジュール間で互いに接する2つの外郭フレーム80は、フレームホール32を介して互いに螺合されてもよい。こうすることにより、筐体31の支持力が向上する。
【0100】
図9は本発明の他の実施形態による電源供給装置の平面図である。
【0101】
同図に示す本実施形態においては、各モジュールが2列に配置されている。制御モジュール25を除く他のモジュールは、互いに背面が対向する状態で2列に配置される。同図に示すように、同じ列に配置されたモジュール間では、直流バスバー61の縦方向連結部62と連結バスバー65が互いに結合された状態で連結されており、異なる列に配置されて隣接する(対向する)モジュール間では、直流バスバー61の横方向連結部63と連結バスバー65が互いに結合された状態で連結されている。
【0102】
このように、モジュールが複数列に配置された構成によれば、電源供給装置の占める面積は同一であるが、長さが減少するので、長さ方向に制限のある空間内に設置することができる。
【0103】
図10は本発明のさらに他の実施形態による電源供給装置の平面図である。
【0104】
同図に示す本実施形態においては、電源供給装置が設置される中心部に空間が生じるように各モジュールが周囲を囲む形態に配置されている。一モジュールの背面に、隣接する他のモジュールの側面が当接するように配置されてもよい。一モジュールの直流バスバー61の縦方向連結部62と、隣接する他のモジュールの直流バスバー61の横方向連結部63とが連結バスバー65により連結される。本実施形態の電源供給装置は、略正方形の床面積を有し、中間に空間が形成されるので、狭い空間に設置することができ、メンテナンスのための作業空間を設けることができる。
【0105】
本発明の各実施形態による電源供給装置によれば、長さに制限のある空間内に設置することができる。すなわち、複数のモジュールを一列に配置するだけでなく、複数の列に配置することもできる。また、各モジュールを異なる配置方向に設定することができる。
【0106】
さらに、モジュール内部の装置とバスバーが簡潔に配置されるので、メンテナンスが容易になる。
【0107】
さらに、各モジュールが規格化されるので、様々な構成の組立及び配置が容易になる。すなわち、必要なモジュールを適宜選択して接続、配置、使用することができる。
【0108】
前述した実施形態は本発明を実現する実施形態であり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な変更及び変形が可能であろう。よって、本発明の実施形態は本発明の技術思想を説明するためのものであり、これらの実施形態に本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。すなわち、本発明の保護範囲は請求の範囲により解釈されるべきであり、それと均等の範囲内にあるあらゆる技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈すべきである。
図1
図2
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