(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-19
(45)【発行日】2022-05-27
(54)【発明の名称】スリーブ装着工具、および、スリーブ装着方法
(51)【国際特許分類】
H02G 1/02 20060101AFI20220520BHJP
H02G 1/04 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
H02G1/02
H02G1/04
(21)【出願番号】P 2018061327
(22)【出願日】2018-03-28
【審査請求日】2021-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000242644
【氏名又は名称】北陸電力株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591083772
【氏名又は名称】株式会社永木精機
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】垣内 聡
(72)【発明者】
【氏名】神田 義和
(72)【発明者】
【氏名】牧野 浩
(72)【発明者】
【氏名】永木 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】小倉 隆
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開平4-00207(JP,A)
【文献】特開2010-051081(JP,A)
【文献】特開昭62-31312(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106384975(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/02
H02G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリーブ支持具を備えた基部と、
前記基部の一方側に配置され、前記基部に対してスライド移動可能な第1スライド棒と、
前記基部の他方側に配置され、前記基部に対してスライド移動可能な第2スライド棒と、
スライド棒操作部と
を具備し、
前記スライド棒操作部は、前記第1スライド棒のスライド移動と前記第2スライド棒のスライド移動とを独立して操作可能である
スリーブ装着工具。
【請求項2】
前記基部は、電線の露出心線を支持する心線支持具を備える
請求項1に記載のスリーブ装着工具。
【請求項3】
前記心線支持具は、
第1電線の露出心線を支持する第1心線支持具と、
第2電線の露出心線を支持する第2心線支持具と
を含み、
前記スリーブ支持具は、前記第1心線支持具と前記第2心線支持具との間に配置されている
請求項2に記載のスリーブ装着工具。
【請求項4】
前記第1スライド棒の端部に第1電線把持具が接続されているか、あるいは、前記第1スライド棒の端部に第1電線把持具を取り付け可能であり、
前記第2スライド棒の端部に第2電線把持具が接続されているか、あるいは、前記第2スライド棒の端部に第2電線把持具を取り付け可能である
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスリーブ装着工具。
【請求項5】
前記スライド棒操作部は、
前記第1スライド棒をスライド移動させる第1スライド棒操作部と、
前記第2スライド棒をスライド移動させる第2スライド棒操作部と
を含むか、あるいは、
前記スライド棒操作部は、前記第1スライド棒を駆動する第1荷重伝達機構、または、前記第2スライド棒を駆動する第2荷重伝達機構に、選択的に連結可能である
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスリーブ装着工具。
【請求項6】
スリーブカバーを把持するスリーブカバー把持具を更に具備する
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスリーブ装着工具。
【請求項7】
前記基部が、略中央部分で分割、或いは、折り曲げ可能である
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のスリーブ装着工具。
【請求項8】
前記スリーブ支持具は、前記基部の棒状部に着脱可能な取付部を備える
請求項1乃至7のいずれか一項に記載のスリーブ装着工具。
【請求項9】
前記スリーブ支持具を開閉する揺動式の操作レバーを更に具備する
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のスリーブ装着工具。
【請求項10】
スリーブ装着工具を用いたスリーブ装着方法であって、
前記スリーブ装着工具は、
スリーブ支持具を備えた基部と、
前記基部の一方側に配置され、前記基部に対してスライド移動可能な第1スライド棒と、
前記基部の他方側に配置され、前記基部に対してスライド移動可能な第2スライド棒と、
前記第1スライド棒の端部に接続された第1電線把持具と、
前記第2スライド棒の端部に接続された第2電線把持具と
を具備し、
前記スリーブ装着方法は、
前記スリーブ支持具によってスリーブを支持する工程と、
前記第2スライド棒が前記基部に対して相対移動しない状態で前記第1スライド棒を前記基部側に引き込んで、前記第1電線把持具によって把持された第1電線を第2方向に移動させることにより、前記第1電線の露出心線を前記スリーブの第1端部に挿入する工程と、
前記第1スライド棒が前記基部に対して相対移動しない状態で前記第2スライド棒を前記基部側から突出する方向に移動させることにより、前記第2電線把持具によって把持された第2電線を前記第2方向に移動させる工程と、
前記第1スライド棒が前記基部に対して相対移動しない状態で前記第2スライド棒を前記基部側に引き込んで、前記第2電線把持具によって把持された前記第2電線を前記第2方向とは反対方向である第1方向に移動させることにより、前記第2電線の露出心線を前記スリーブの第2端部に挿入する工程と
を具備する
スリーブ装着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スリーブを電線に装着するスリーブ装着工具、および、スリーブ装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電線の切分工法が知られている。電線の切分工法では、架空電線が第1電線と、第2電線とに切り分けられる。架空電線の接地側において必要な作業が行われた後、切り分けられた第1電線と第2電線とは、スリーブを介して接続される。
【0003】
関連する技術として、特許文献1には、架線工事方法が記載されている。特許文献1に記載の架線工事方法では、一方の被覆電線の被覆部が一方の把持器によって把持され、他方の被覆電線の心線に筒状の接続スリーブが装着された状態で他方の被覆電線の被覆部が他方の把持器によって把持される。その後、伸縮器の操作部を遠隔操作具で回転操作することにより、一方の把持器と他方の把持器との間の距離が小さくなり、接続スリーブの一端の開口から一方の被覆電線の心線が接続スリーブ内に挿入される。
【0004】
また、特許文献2には、電線切り分け工事用柱間引留工具が記載されている。特許文献2に記載の工具は、操作軸を備えた伸縮操作体と、伸縮操作体の両側に接続された内外筒よりなる一対の伸縮棒とを備える。また、伸縮操作体の両側の内筒の自由端がわには、それぞれ、電線用把持部材が取り付けられ、かつ、内筒の基端がわ内周面には、それぞれ、メネジ部が形成されている。当該メネジ部には、伸縮操作体の両側の内筒を対称かつ同時に伸縮作動させる同軸状のネジ軸が、それぞれ螺合されている。工具の使用に際しては、操作軸を操作させて、ネジ軸を所定方向に螺動させることにより、伸縮操作体の両側の伸縮棒を収縮させる。こうして、2つの電線用把持部材間の距離が小さくなり、2つの電線用把持部材によって把持された電線を弛めて所要の切分け作業を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-51081号公報
【文献】特開2015-70651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
第1電線と第2電線とを、スリーブを介して接続する場合、一般的には、第1電線の端部と第2電線の端部との間にスリーブを配置するために、第1電線の端部と第2電線の端部とをスリーブの長さ以上離間させる必要がある。当該離間動作を、従来の電線切分工具を用いて行う場合、電線切分工具の伸縮棒を、スリーブの長さ以上伸長させればよい。しかし、伸縮棒を大きく伸長させると、第1電線および第2電線の弛み(すなわち、弛度)が大きくなり、弛んだ電線が、下方に位置する電線等に接近または接触してしまう可能性がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、第1電線と第2電線とをスリーブを介して接続する際に、第1電線および第2電線の弛みを抑制可能なスリーブ装着工具およびスリーブ装着方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下に示す、スリーブ装着工具、および、スリーブ装着方法に関する。
【0009】
(1)スリーブ支持具を備えた基部と、
前記基部の一方側に配置され、前記基部に対してスライド移動可能な第1スライド棒と、
前記基部の他方側に配置され、前記基部に対してスライド移動可能な第2スライド棒と、
スライド棒操作部と
を具備し、
前記スライド棒操作部は、前記第1スライド棒のスライド移動と前記第2スライド棒のスライド移動とを独立して操作可能である
スリーブ装着工具。
(2)前記基部は、電線の露出心線を支持する心線支持具を備える
上記(1)に記載のスリーブ装着工具。
(3)前記心線支持具は、
第1電線の露出心線を支持する第1心線支持具と、
第2電線の露出心線を支持する第2心線支持具と
を含み、
前記スリーブ支持具は、前記第1心線支持具と前記第2心線支持具との間に配置されている
上記(2)に記載のスリーブ装着工具。
(4)前記第1スライド棒の端部に第1電線把持具が接続されているか、あるいは、前記第1スライド棒の端部に第1電線把持具を取り付け可能であり、
前記第2スライド棒の端部に第2電線把持具が接続されているか、あるいは、前記第2スライド棒の端部に第2電線把持具を取り付け可能である
上記(1)乃至(3)のいずれか一つに記載のスリーブ装着工具。
(5)前記スライド棒操作部は、
前記第1スライド棒をスライド移動させる第1スライド棒操作部と、
前記第2スライド棒をスライド移動させる第2スライド棒操作部と
を含むか、あるいは、
前記スライド棒操作部は、前記第1スライド棒を駆動する第1荷重伝達機構、または、前記第2スライド棒を駆動する第2荷重伝達機構に、選択的に連結可能である
上記(1)乃至(4)のいずれか一つに記載のスリーブ装着工具。
(6)スリーブカバーを把持するスリーブカバー把持具を更に具備する
上記(1)乃至(5)のいずれか一つに記載のスリーブ装着工具。
(7)前記基部が、略中央部分で分割、或いは、折り曲げ可能である
上記(1)乃至(6)のいずれか一つに記載のスリーブ装着工具。
(8)前記スリーブ支持具は、前記基部の棒状部に着脱可能な取付部を備える
上記(1)乃至(7)のいずれか一つに記載のスリーブ装着工具。
(9)前記スリーブ支持具を開閉する揺動式の操作レバーを更に具備する
上記(1)乃至(8)のいずれか一項に記載のスリーブ装着工具。
(10)スリーブ装着工具を用いたスリーブ装着方法であって、
前記スリーブ装着工具は、
スリーブ支持具を備えた基部と、
前記基部の一方側に配置され、前記基部に対してスライド移動可能な第1スライド棒と、
前記基部の他方側に配置され、前記基部に対してスライド移動可能な第2スライド棒と、
前記第1スライド棒の端部に接続された第1電線把持具と、
前記第2スライド棒の端部に接続された第2電線把持具と
を具備し、
前記スリーブ装着方法は、
前記スリーブ支持具によってスリーブを支持する工程と、
前記第2スライド棒が前記基部に対して相対移動しない状態で前記第1スライド棒を前記基部側に引き込んで、前記第1電線把持具によって把持された第1電線を第2方向に移動させることにより、前記第1電線の露出心線を前記スリーブの第1端部に挿入する工程と、
前記第1スライド棒が前記基部に対して相対移動しない状態で前記第2スライド棒を前記基部側から突出する方向に移動させることにより、前記第2電線把持具によって把持された第2電線を前記第2方向に移動させる工程と、
前記第1スライド棒が前記基部に対して相対移動しない状態で前記第2スライド棒を前記基部側に引き込んで、前記第2電線把持具によって把持された前記第2電線を前記第2方向とは反対方向である第1方向に移動させることにより、前記第2電線の露出心線を前記スリーブの第2端部に挿入する工程と
を具備する
スリーブ装着方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、第1電線と第2電線とをスリーブを介して接続する際に、第1電線および第2電線の弛みを抑制可能なスリーブ装着工具およびスリーブ装着方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1(a)乃至
図1(d)は、第1の実施形態におけるスリーブ装着工具の概略正面図である。
【
図2】
図2は、第2の実施形態におけるスリーブ装着工具の概略正面図である。
【
図3】
図3は、スリーブ支持具および心線支持具の一例を示す概略正面図である。
【
図4】
図4は、スリーブ支持具の一例を示す概略側面図である。
【
図5】
図5は、心線支持具の一例を示す概略側面図である。
【
図6】
図6は、電線支持具の一例を示す概略側面図である。
【
図7】
図7は、スリーブカバー把持具の一例を示す概略2面図である。
図7の左側には、正面図が記載され、
図7の右側には側面図が記載されている。
【
図8】
図8は、第2の実施形態におけるスリーブ装着方法の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、スリーブ装着方法の一工程を示す図である。
【
図10】
図10は、スリーブ装着方法の一工程を示す図である。
【
図11】
図11は、スリーブ装着方法の一工程を示す図である。
【
図12】
図12は、スリーブ装着方法の一工程を示す図である。
【
図13】
図13は、スリーブ装着方法の一工程を示す図である。
【
図14】
図14は、スリーブ装着方法の一工程を示す図である。
【
図15】
図15は、スリーブ装着方法の一工程を示す図である。
【
図16】
図16は、スリーブ装着方法の一工程を示す図である。
【
図17】
図17は、スリーブ装着方法の一工程を示す図である。
【
図18】
図18は、1つのスライド棒操作部が、第1スライド棒および第2スライド棒の各々を独立的に操作可能である様子を模式的に示す概略縦断面図である。
【
図19】
図19は、スリーブ支持具および心線支持具のうちの少なくとも一方を基部の棒状部に取り付ける取付部の変形例を模式的に示す概略側面図である。
【
図20】
図20は、スリーブ支持具および心線支持具のうちの少なくとも一方を開閉する開閉操作機構の変形例を模式的に示す概略側面図である。なお、
図20において、開閉操作機構の内部構造が理解しやすいように、一部分(より具体的には、第1分割体、第2分割体)については断面図が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、実施形態におけるスリーブ装着工具1、および、スリーブ装着方法について、詳しく説明する。なお、本明細書において、同種の機能を有する部材には、同一または類似の符号が付されている。そして、同一または類似の符号の付された部材について、繰り返しとなる説明が省略される場合がある。
【0013】
(方向の定義)
本明細書において、第2スライド棒5から第1スライド棒4に向かう方向を「第1方向」と定義し、第1スライド棒4から第2スライド棒5に向かう方向を「第2方向」と定義する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1を参照して、第1の実施形態におけるスリーブ装着工具1Aについて説明する。
図1(a)乃至
図1(d)は、第1の実施形態におけるスリーブ装着工具1Aの概略正面図である。
【0015】
第1の実施形態におけるスリーブ装着工具1Aは、基部2と、第1スライド棒4と、第2スライド棒5と、スライド棒操作部6と、第1電線把持具7aと、第2電線把持具7bとを具備する。
【0016】
基部2は、スリーブSVを支持するスリーブ支持具21と、露出心線WCを支持する心線支持具26とを備える。
【0017】
図1に記載の例では、基部2の第1方向側の端部に、スリーブSVの一端を支持する第1スリーブ支持具21aが設けられ、かつ、基部2の第2方向側の端部に、スリーブSVの他端を支持する第2スリーブ支持具21bが設けられている。
図1に記載の例では、基部2が、2個のスリーブ支持具(21a、21b)を備えているが、基部2が備えるスリーブ支持具の数は1個または3個以上であってもよい。また、基部2における各スリーブ支持具の配置は、
図1に記載の例に限定されず任意である。
【0018】
図1に記載の例では、基部2の第1方向側の端部に、第1電線W1の露出心線WC1を支持する第1心線支持具26aが設けられ、かつ、基部2の第2方向側の端部に、第2電線W2の露出心線WC2を支持する第2心線支持具26bが設けられている。
図1に記載の例では、基部2が、2個の心線支持具(26a、26b)を備えているが、基部2が備える心線支持具の数は3個以上であってもよい。
図1に記載の例では、第1心線支持具26aが、スリーブ支持具21(より具体的には、第1スリーブ支持具21a)の第1方向側に配置され、第2心線支持具26bが、スリーブ支持具21(より具体的には、第2スリーブ支持具21b)の第2方向側に配置されている。換言すれば、スリーブ支持具21は、第1心線支持具26aと第2心線支持具26bとの間に配置されている。
【0019】
図1に記載の例では、スリーブ支持具21と、心線支持具26とが別体であるが、スリーブ支持具21と心線支持具26とが一体であってもよい。換言すれば、スリーブ支持具21の少なくとも一部と心線支持具26の少なくとも一部とが共通化されていてもよい。
【0020】
なお、露出心線WCの中心軸とスリーブSVの中心軸との整合状態の維持が、遠隔操作工具を用いて行われる場合、あるいは、スリーブ支持具21が心線支持具の機能を兼ね備える場合等には、心線支持具26は省略されても構わない。
【0021】
第1スライド棒4は、基部2の一方側(
図1に記載の例では、第1方向側)に配置され、基部2に対してスライド移動可能な部材である。第1スライド棒4は、スライド棒操作部6を操作することにより、基部2の第1方向側端部20aからの突出量が変化する。
図1に記載の例では、スライド棒操作部6(より具体的には、第1スライド棒操作部6a)を第1操作方向R1に操作すると、第1スライド棒4が基部2側に引き込まれる。その結果、第1方向側端部20aからの第1スライド棒4の突出量が減少する。他方、スライド棒操作部6(より具体的には、第1スライド棒操作部6a)を第2操作方向に操作すると、第1スライド棒4が基部2側から突出する方向に移動する。その結果、第1方向側端部20aからの第1スライド棒4の突出量が増加する。
【0022】
第2スライド棒5は、基部2の他方側(
図1に記載の例では、第2方向側)に配置され、基部2に対してスライド移動可能な部材である。第2スライド棒5は、スライド棒操作部6を操作することにより、基部2の第2方向側端部20bからの突出量が変化する。
図1に記載の例では、スライド棒操作部6(より具体的には、第2スライド棒操作部6b)を第1操作方向R3に操作すると、第2スライド棒5が基部2側に引き込まれる。その結果、第2方向側端部20bからの第2スライド棒5の突出量が減少する。他方、スライド棒操作部6(より具体的には、第2スライド棒操作部6b)を第2操作方向R4に操作すると、第2スライド棒5が基部2側から突出する方向に移動する。その結果、第2方向側端部20bからの第2スライド棒5の突出量が増加する。
【0023】
スライド棒操作部6は、第1スライド棒4および第2スライド棒5をスライド移動させる操作部である。
図1に記載の例では、スライド棒操作部6は、第1スライド棒4をスライド移動させる第1スライド棒操作部6aと、第2スライド棒5をスライド移動させる第2スライド棒操作部6bとを備える。そして、第1スライド棒4のスライド移動と第2スライド棒5のスライド移動とが独立して操作される。より具体的には、第1スライド棒操作部6aが操作されると、第1スライド棒4は基部2に対して相対移動するが、第2スライド棒5は基部2に対して相対移動しない。また、第2スライド棒操作部6bが操作されると、第2スライド棒5は基部2に対して相対移動するが、第1スライド棒4は基部2に対して相対移動しない。
【0024】
なお、スリーブ装着工具1Aが、スライド棒操作部6に作用する操作力を第1スライド棒4または第2スライド棒5のうちのいずれか一方に選択的に伝達する機構を有する場合等には、第1スライド棒操作部6aと第2スライド棒操作部6bとが共通化されてもよい。
【0025】
第1電線把持具7aは、第1電線W1(より具体的には、第1電線W1のうち心線が露出していない部分WP1)を把持する。第1電線把持具7aは、第1スライド棒4の端部に接続される。よって、第1スライド棒4が基部2に対してスライド移動すると、第1電線把持具7aは基部2に対して相対移動する。
図1に記載の例では、スリーブ装着工具1Aが、第1電線把持具7aを備えている。代替的に、出荷状態等において、スリーブ装着工具1Aが第1電線把持具7aを備えておらず、スリーブ装着工具1Aが、既存の第1電線把持具に取り付けられるように構成されてもよい。
【0026】
第2電線把持具7bは、第2電線W2(より具体的には、第2電線W2のうち心線が露出していない部分WP2)を把持する。第2電線把持具7bは、第2スライド棒5の端部に接続される。よって、第2スライド棒5が基部2に対してスライド移動すると、第2電線把持具7bは基部2に対して相対移動する。
図1に記載の例では、スリーブ装着工具1Aが、第2電線把持具7bを備えている。代替的に、出荷状態等において、スリーブ装着工具1Aが第2電線把持具7bを備えておらず、スリーブ装着工具1Aが、既存の第2電線把持具に取り付けられるように構成されてもよい。
【0027】
第1の実施形態におけるスリーブ装着工具1Aでは、スライド棒操作部6は、第1スライド棒4のスライド移動と第2スライド棒5のスライド移動とを独立して操作可能である。よって、第1電線W1の露出心線WC1をスリーブSVに挿入するに際しては、第1スライド棒4を、スリーブSVの長さよりも短い距離だけ移動させればよく(
図1(a)および
図1(b)を参照)、第2電線W2の露出心線WC2をスリーブSVに挿入するに際しては、第2スライド棒5を、スリーブSVの長さよりも短い距離だけ移動させればよい(
図1(c)および
図1(d)を参照)。このため、第1電線W1と第2電線W2とをスリーブSVを介して接続する工程において、第1電線把持具7aと第2電線把持具7bとの間の距離の拡大を、従来と比較して抑制することができる。その結果、第1電線W1および第2電線W2の全体の弛みを抑制することができる。
【0028】
また、第1の実施形態におけるスリーブ装着工具1Aの基部2は、略中央部分で分割、或いは、折り曲げ可能としてもよい。分割可能とする場合、例えば、基部2の分割体の一方に凹部、分割体の他方に凸部を設け、凹部と凸部を係合後にネジ等で固定すればよい。或いは、分割体の形状を、第1方向および第2方向に力をかけた際に分割体が互いに分離されない形状とし、一方の分割体を他方の分割体に対して、第1方向および第2方向の鉛直方向に移動させることにより両分割体を結合可能および/または分離可能としてもよい。また、折り曲げ可能とする場合には、略中央部分で基部2が折り曲がるように、ヒンジ等で接合すればよい。基部2の略中央部分で分割、或いは、折り曲げ可能とすることでスリーブ装着工具1Aを2つ折りにできるので、持ち運び時や保管時に、スリーブ装着工具1Aをコンパクトにすることができる。
【0029】
また、露出心線WCの末端は、径外方向に広がる傾向があり、従来、露出心線WCの内径よりも僅かに大きなスリーブ開口部に露出心線WCを挿入する作業は容易ではなかった。これに対し、第1の実施形態において、スリーブ装着工具1Aが心線支持具26を備える場合には、露出心線WCをスリーブSVに挿入する工程において、露出心線WCとスリーブSVとの間の心出しを容易に行うことができる。このため、スリーブ開口部に露出心線WCを挿入する作業が容易となる。より具体的には、スリーブSVがスリーブ支持具21によって支持され、露出心線WCが心線支持具26によって支持された状態でスライド棒(第1スライド棒4または第2スライド棒5)を基部2側に引き込めば、自動的に、露出心線WCがスリーブSVに挿入される。このため、作業者は、容易に露出心線WCをスリーブSVに挿入することができる。
【0030】
(スリーブ装着方法)
図1を参照して、第1の実施形態におけるスリーブ装着方法について説明する。
【0031】
第1ステップST1において、スリーブSVがスリーブ支持具21によって支持される。
図1(a)には、第1ステップST1が実行された後の状態が示されている。
【0032】
第2ステップST2において、第1スライド棒4を基部2側に引き込んで、第1電線把持具7aによって把持された第1電線W1を第2方向に移動させることにより、第1電線W1の露出心線WC1をスリーブSVの第1端部に挿入する。
図1(b)には、第2ステップST2が実行された後の状態が示されている。なお、第2ステップST2は、例えば、スライド棒操作部6(より具体的には、第1スライド棒操作部6a)を操作することによって行われる。
【0033】
第3ステップST3において、第2スライド棒5を基部2側から突出する方向に移動させることにより、第2電線把持具7bによって把持された第2電線W2を第2方向に移動させる。
図1(c)には、第3ステップST3が実行された後の状態が示されている。なお、第3ステップST3は、例えば、スライド棒操作部6(より具体的には、第2スライド棒操作部6b)を操作することによって行われる。
【0034】
なお、第3ステップST3の実行後に、露出心線WC2の端部と、スリーブSVの第2方向側端部とが互いに対向していない場合には、遠隔操作工具を用いて、露出心線WC2の端部をスリーブSVの第2方向側端部と対向する位置に移動させればよい。より具体的には、遠隔操作工具を用いて、露出心線WC2の端部を移動させて、当該端部を第2心線支持具26bに支持させればよい。
【0035】
第4ステップST4において、第2スライド棒5を基部2側に引き込んで、第2電線把持具7bによって把持された第2電線W2を第1方向に移動させることにより、第2電線W2の露出心線WC2をスリーブSVの第2端部に挿入する。
図1(d)には、第4ステップST4が実行された後の状態が示されている。なお、第4ステップST4は、例えば、スライド棒操作部6(より具体的には、第2スライド棒操作部6b)を操作することによって行われる。
【0036】
以上のとおり、第1の実施形態におけるスリーブ装着方法では、第1電線W1および第2電線W2の全体の弛みを抑制しつつ、簡単な操作で、第1電線W1の露出心線WC1および第2電線W2の露出心線WC2にスリーブSVを装着することができる。
【0037】
(第2の実施形態)
図2乃至
図7を参照して、第2の実施形態におけるスリーブ装着工具1Bについて説明する。
図2は、第2の実施形態におけるスリーブ装着工具1Bの概略正面図である。
図3は、スリーブ支持具21および心線支持具26の一例を示す概略正面図である。
図4は、スリーブ支持具21の一例を示す概略側面図である。
図5は、心線支持具26の一例を示す概略側面図である。
図6は、電線支持具8の一例を示す概略側面図である。
図7は、スリーブカバー把持具9の一例を示す概略2面図である。
図7の左側には、正面図が記載され、
図7の右側には側面図が記載されている。
【0038】
第2の実施形態の各部材に関し、第1の実施形態に記載の部材と同様の機能を有する部材については、第1の実施形態において使用された符号と同一の符号を付し、同一の符号が付された部材についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0039】
第2の実施形態におけるスリーブ装着工具1Bは、基部2と、第1スライド棒4と、第2スライド棒5と、スライド棒操作部6とを備える。スリーブ装着工具1Bは、第1電線把持具7a、第2電線把持具7b、電線支持具8、および、スリーブカバー把持具9のうちの少なくとも1つを備えていてもよい。
【0040】
(基部2)
図2に記載の例において、基部2は、第1方向に沿って延在する棒状部20と、スリーブ支持具21と、心線支持具26と、スライド棒操作部6とを備える。
【0041】
図2に記載の例では、棒状部20は、第1方向側端部20aと第2方向側端部20bとを備え、少なくとも一部が中空である管状体である。棒状部20は、FRP製(繊維強化プラスチック製)であってもよいし、金属製であってもよい。
【0042】
続いて、
図3乃至
図5を参照して、スリーブ支持具21および心線支持具26について説明する。
【0043】
図3に記載の例では、スリーブ支持具21は、棒状部20に取り付けられる取付部23と、スリーブSV等を支持する支持部210とを備える。取付部23には、棒状部20の一部を受容する貫通孔231が設けられている(
図4を参照)。スリーブ支持具21は、棒状部20に対して、第1方向に沿って位置調整可能であってもよい。この場合、実際に使用するスリーブSVの長さに対応して、スリーブ支持具21の位置を調整することができる。よって、スリーブ装着工具1Bの汎用性が向上する。また、スリーブ支持具21は、棒状部20に対して着脱自在であってもよい。この場合、実際に使用するスリーブSVの径に対応して最適なスリーブ支持具21を棒状部20に取り付けることが可能となる。よって、スリーブ装着工具1Bの汎用性が向上する。
【0044】
支持部210には、閉状態と開状態との間で、支持部の状態を変化させるスリーブ支持具操作部212が設けられている。支持部210が閉状態にあるとき、支持部210はスリーブSVを拘束し、スリーブSVは支持部210に対して実質的に相対移動することができない。他方、支持部210が開状態にあるとき、支持部210にスリーブSVを載置したり、支持部210からスリーブSVを取り外したりすることが可能である。
図3に記載の例では、スリーブ支持具操作部212は、遠隔操作工具の先端を受け入れ可能な貫通孔を有するアイボルト(eye bolt)またはアイナット(eye nut)である。
【0045】
図3に記載の例では、支持部210は、スリーブSVを支持する第1部分214と、露出心線WCが挿通される第2部分216とを備える。また、
図3に記載の例では、第2部分216の内面は、第1部分214に向かうにつれて縮径するテーパ面216aを備えている。第2部分216がテーパ面216aを備えることにより、露出心線WCの末端に広がりや曲がりのある場合でも、第2部分216への露出心線WCの挿入が円滑に行われる。なお、第2部分216の内面によって規定される心線案内路217と、第1部分214の内面によって規定されるスリーブ受容部215とは、互いに連通している。第1部分214の内面は、スリーブSVの端面に対向することとなる端面支持面214aと、スリーブSVの外周面と対向することとなる外周面支持面214bとを備えていることが好ましい。
【0046】
図3に記載の例では、心線支持具26は、基部2の棒状部20に取り付けられる取付部23と、露出心線WCおよび/または被覆電線を支持する支持部260とを備える。
図3に記載の例では、心線支持具26の取付部23と、スリーブ支持具21の取付部23とが同一である。換言すれば、心線支持具26とスリーブ支持具21とが、取付部23を共用している。この場合、スリーブ支持具21と心線支持具26との間の位置関係を維持した状態で、取付部23を、棒状部20に取り付けることができる。なお、
図1に記載の例のように、心線支持具26の取付部と、スリーブ支持具21の取付部とが別体であっても構わない。
【0047】
支持部260には、閉状態と開状態との間で、支持部の状態を変化させる心線支持具操作部262が設けられている。支持部260が閉状態にあるとき、支持部260は露出心線WCおよび/または被覆電線を拘束し、露出心線WCは第1方向に垂直な方向に支持部260に対して相対移動することができない。他方、支持部260が開状態にあるとき、支持部260に露出心線WCおよび/または被覆電線を載置したり、支持部260から露出心線WCおよび/または被覆電線を取り外したりすることが可能である。
図3に記載の例では、心線支持具操作部262は、遠隔操作工具の先端を受け入れ可能な貫通孔を有するアイボルト(eye bolt)またはアイナット(eye nut)である。
【0048】
支持部260は、露出心線WCおよび/または被覆電線が挿通される心線受容部267を備えることが好ましい。なお、
図3には図示されていないが、心線受容部267の内面は、スリーブSVの支持部210に向かうにつれて縮径するテーパ面を備えていてもよい。心線受容部267がテーパ面を備える場合、心線受容部267への露出心線WCの挿入が円滑に行われる。
【0049】
図3に記載の例では、心線支持具26の支持部260と、スリーブ支持具21の支持部210との間に、隙間Gが設けられている。当該隙間Gの存在により、作業者は、心線支持具26側から挿入された露出心線WCが、スリーブ支持具21に達しているか否かを確認することができる。換言すれば、作業者は、スリーブSVに露出心線WCを挿入する作業が順調に進んでいるか否かを確認することができる。なお、隙間Gはなくてもよい。
【0050】
図4を参照して、スリーブ支持具21について、更に説明する。
図4に記載の例では、スリーブSVを支持する支持部210が、第1分割体218aと第2分割体218bとを備える。そして、スリーブ支持具操作部212を操作することにより、第1分割体218aと第2分割体218bとの間の間隔を調整可能である。
図4に記載の例では、第1分割体218aと第2分割体218bとが、第1方向に垂直な方向(第3方向)に沿って近接可能かつ離間可能である。なお、第1分割体218aと第2分割体218bとの間の間隔が小さくなった状態が、スリーブSVが拘束される閉状態に対応し、第1分割体218aと第2分割体218bとの間の間隔が拡大された状態が、スリーブSVの拘束が解除される開状態に対応する。
【0051】
図4に示されるように、第1分割体218aと第2分割体218bのうちの一方には、スリーブ受容部215へのスリーブSVの挿入を案内するガイド部材219(例えば、ガイド板)が設けられていてもよい。第1分割体218aと第2分割体218bのうちの一方が、ガイド部材219を備えることにより、スリーブ受容部215へのスリーブSVの挿入が円滑に行われる。なお、
図4に記載の例では、ガイド部材219は、第3方向に垂直なガイド表面219cを備えている。
【0052】
図5を参照して、心線支持具26について、更に説明する。
図5に記載の例では、露出心線WCおよび/または被覆電線を支持する支持部260が、第1分割体268aと第2分割体268bとを備える。そして、心線支持具操作部262を操作することにより、第1分割体268aと第2分割体268bとの間の間隔を調整可能である。
図5に記載の例では、第1分割体268aと第2分割体268bとが、第1方向に垂直な方向(第3方向)に沿って近接可能かつ離間可能である。なお、第1分割体268aと第2分割体268bとの間の間隔が小さくなった状態が、露出心線WCおよび/または被覆電線が拘束される閉状態に対応し、第1分割体268aと第2分割体268bとの間の間隔が拡大された状態が、露出心線WCおよび/または被覆電線の拘束が解除される開状態に対応する。
【0053】
図5に示されるように、第1分割体268aと第2分割体268bのうちの一方には、心線受容部267への露出心線WCおよび/または被覆電線の挿入を案内するガイド部材269(例えば、ガイド板)が設けられていてもよい。第1分割体268aと第2分割体268bのうちの一方が、ガイド部材269を備えることにより、心線受容部267への露出心線WCおよび/または被覆電線の挿入が円滑に行われる。なお、
図5に記載の例では、ガイド部材269は、第3方向に垂直なガイド表面269cを備えている。
【0054】
図3乃至
図5に記載のスリーブ支持具21および/または心線支持具26は、
図2に記載の第2スリーブ支持具21bおよび/または第2心線支持具26bとして採用可能である。また、
図3乃至
図5に記載のスリーブ支持具21および/または心線支持具26の鏡像体は、
図2に記載の第1スリーブ支持具21aおよび/または第1心線支持具26aとして採用可能である。
【0055】
なお、
図2乃至
図5に記載の例では、スリーブ支持具操作部212と、心線支持具操作部262とが別々の操作部である。代替的に、スリーブ支持具操作部212と心線支持具操作部262とが1つの操作部によって構成されていてもよい。この場合、1つの操作部を操作することにより、第1分割体218aと第2分割体218bとの間の間隔と、第1分割体268aと第2分割体268bとの間の間隔とが、同時に調整される。なお、一方のスリーブ支持具および心線支持具(例えば、第1スリーブ支持具21aおよび第1心線支持具26a)に対応する操作部を一つの操作部により構成し、他方のスリーブ支持具および心線支持具(例えば、第2スリーブ支持具21bおよび第2心線支持具26b)に対応する操作部を別々の操作部(212、262)によって構成してもよい。
【0056】
(第1スライド棒4)
図2に示されるように、第1スライド棒4は、第1方向に沿って延在する細長部材である。第1スライド棒4は、中空であってもよいし中実であってもよい。
図2に記載の例では、第1スライド棒4の一部が、基部2の内部に挿入されている。第1スライド棒4と、第1スライド棒操作部6aとは、操作力伝達可能に構成されており、第1スライド棒操作部6aを操作することにより、基部2からの第1スライド棒4の突出量が変化する。第1スライド棒4の先端部には、第1電線把持具7aが接続されている。
【0057】
(第2スライド棒5)
第2スライド棒5は、第2方向に沿って延在する細長部材である。第2スライド棒5は、中空であってもよいし中実であってもよい。
図2に記載の例では、第2スライド棒5の一部が、基部2の内部に挿入されている。第2スライド棒5と、第2スライド棒操作部6bとは、操作力伝達可能に構成されており、第2スライド棒操作部6bを操作することにより、基部2からの第2スライド棒5の突出量が変化する。第2スライド棒5の先端部には、第2電線把持具7bが接続されている。
【0058】
(スライド棒操作部6)
図2に記載の例では、第1スライド棒操作部6aおよび第2スライド棒操作部6bの各々は、遠隔操作工具の先端を受け入れ可能な貫通孔を有するアイボルト(eye bolt)またはアイナット(eye nut)を含む。
【0059】
遠隔操作工具を用いて第1スライド棒操作部6aを操作することにより、第1スライド棒4が基部2に対してスライド移動するメカニズムの一例について説明する。一例として、(A)第1スライド棒操作部6aには、当該第1スライド棒操作部6aとともに回転軸AX1まわりを回転する第1傘歯車が設けられ、(B)基部2の内側には、第1傘歯車と荷重伝達可能に接続された第2傘歯車が配置され、(C)第2傘歯車は、外ねじが外周に配置されたねじ棒とともに、当該ねじ棒の長手方向軸まわりを回転し、(D)第1スライド棒4が、当該ねじ棒に螺合されている場合を想定する。この場合、遠隔操作工具によって、第1スライド棒操作部6aを回転軸AX1まわりに回転させると、第1傘歯車が回転軸AX1まわりを回転し、第2傘歯車およびねじ棒が、ねじ棒の長手方向軸まわりを回転する。ねじ棒が回転すると、ねじ棒に螺合する第1スライド棒4が、基部2に引き込まれる方向(または基部2から突出する方向)に移動する。こうして、第1スライド棒4が、基部2に対して相対的にスライド移動する。
【0060】
なお、第1スライド棒操作部6aを操作することにより、第1スライド棒4を基部2に対してスライド移動させるメカニズムとして、上記メカニズム以外の任意のメカニズムが採用されてもよい。
【0061】
遠隔操作工具を用いて第2スライド棒操作部6bを操作することにより、第2スライド棒5を基部2に対してスライド移動させるメカニズムとしては、第1スライド棒操作部6aを操作することにより、第1スライド棒4を基部2に対してスライド移動させるメカニズムと同様のメカニズムを採用することが可能である。
【0062】
(電線把持具7)
第1電線把持具7aは、第1把持片71と第2把持片72とを備え、第1把持片71と第2把持片72とによって、第1電線W1(より具体的には、第1電線のうち心線が露出していない部分)が挟持される。
図2に記載の例では、第1電線把持具7aは、平行リンク機構を備えている。そして、第1把持片71と第2把持片72との間に配置された第1電線W1が第1電線把持具7aに対して第1方向に移動しようとすると、当該平行リンク機構の作用により、第1把持片71および第2把持片72によって第1電線W1が挟持される力が増大する。
【0063】
第1電線把持具7aは、第1接続部74を介して、第1スライド棒4に接続されている。なお、第1電線把持具7aと第1スライド棒4との間の接続は、第1方向に垂直な揺動軸まわりに揺動可能な接続であってもよいし、揺動不能な接続であってもよい。第1電線把持具7aは、スリーブ装着工具1Bに含まれていてもよいし、スリーブ装着工具1Bに含まれていなくてもよい。スリーブ装着工具1Bが、第1電線把持具7aを含まない場合には、スリーブ装着工具1Bに、既存の第1電線把持具を取り付ければよい。
【0064】
第2電線把持具7bは、第2接続部76を介して、第2スライド棒5に接続されている。第2電線把持具7bの構成は、第1電線把持具7aの構成と同様であるため、第2電線把持具7bについての繰り返しとなる説明は省略する。なお、第1電線把持具7aと第1スライド棒4との間の接続、および、第2電線把持具7bと第2スライド棒5との間の接続のうちの一方の接続が、第1方向に垂直な揺動軸まわりに揺動可能な接続であり、他方の接続が、揺動不能な接続であってもよい。
【0065】
(電線支持具8)
電線支持具8は、第1電線把持具7aと第2電線把持具7bとの間の領域において、第1電線W1または第2電線W2を支持する部材である。電線支持具8は、電線(第1電線W1または第2電線W2)に直接接触することにより電線を支持する部材であってもよいし、電線の周囲を囲むことにより、電線の位置を規定する部材であってもよい。
【0066】
図2に記載の例では、電線支持具8の個数は3個(第1電線支持具8a、第2電線支持具8b、第3電線支持具8c)である。代替的に、電線支持具8の数は、1個であってもよいし、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
図2に記載の例では、各電線支持具(第1電線支持具8a、第2電線支持具8b、第3電線支持具8c等)が、スリーブ装着工具1Bの基部2に取り付けられている。また、第1電線支持具8aが、第1心線支持具26aよりも第1方向側に配置され、第2電線支持具8b(および、第3電線支持具8c)が、第2心線支持具26bよりも第2方向側に配置されている。
【0067】
第1電線支持具8aは、電線を切断することにより第1電線W1と第2電線W2とが形成される時、第1電線W1の端部を支持する(なお、「端部を支持する」ことには、「端部の位置を規定する」ことが包含される。)。第2電線支持具8bは、電線の切断後に、第2電線W2の端部を支持する(なお、「端部を支持する」ことには、「端部の位置を規定する」ことが包含される。)。
【0068】
第3電線支持具8cは、基部2に対して、第2電線支持具8bと反対側に配置されている。換言すれば、第2電線支持具8bが基部2の上方に位置するとき、第3電線支持具8cが基部2の下方に位置するように構成されている。遠隔操作工具を用いて第2電線W2を移動させることにより、第2電線W2の端部の位置を、第2電線支持具8bによって支持される位置から、第3電線支持具8cによって支持される位置に変更する場合を想定する。この場合、第1電線支持具8aによって支持される第1電線W1の端部と、第3電線支持具8cによって支持される第2電線W2の端部とが、好適に振り分けられる(例えば、上下に振り分けられる)。
【0069】
代替的に、あるいは、付加的に、第1電線支持具8aおよび/または第2電線支持具8bは、基部2の長手方向軸まわりに回転可能であってもよい。この場合、第1電線支持具8aまたは第2電線支持具8bを基部2の長手方向軸まわりに回転させることにより、第1電線支持具8aによって支持された第1電線W1の端部と、第2電線支持具8bによって支持された第2電線W2の端部とを振り分ける(例えば、上下に振り分ける)ことができる。なお、第1電線支持具8aおよび/または第2電線支持具8bが、基部2の長手方向軸まわりに回転可能である場合には、第3電線支持具8cは省略されてもよい。
【0070】
図6に記載の例では、第2電線支持具8bは、電線(例えば、第2電線W2)を受け入れる受容空間SPを備える。
図6に記載の例では、第2電線支持具8bは、枠部材81bと、枠部材81bの開口部を開閉自在な開閉部材82bとを備える。そして、枠部材81bと開閉部材82bとによって、受容空間SPが規定されている。
【0071】
また、
図6に記載の例では、第3電線支持具8cは、電線(例えば、第2電線W2)を受け入れる受容空間を備える。
図6に記載の例では、第3電線支持具8cは、枠部材81cと、枠部材81cの開口部を開閉自在な開閉部材82cとを備える。そして、枠部材81cと開閉部材82cとによって、受容空間が規定されている。
図2および
図6に記載の例では、第3電線支持具8cは、第2電線支持具8bと一体的に構成されている。代替的に、第3電線支持具8cは、第1電線支持具8aと一体的に構成されてもよいし、あるいは、第1電線支持具8aおよび第2電線支持具8bとは独立して構成されてもよい。
【0072】
第1電線支持具8aの構造は、第2電線支持具8bの構造と同様である。よって、第1電線支持具8aの構造についての詳細な説明は省略する。
図2に示されるように、第1電線支持具8aは、枠部材81aと、枠部材81aの開口部を開閉自在な開閉部材82aとを備える。
【0073】
(スリーブカバー把持具9)
図2に記載の例では、スリーブ装着工具1Bは、スリーブカバーSC(
図13等を参照)を把持するスリーブカバー把持具9を備える。スリーブカバー把持具9は、第1電線W1または第2電線W2に沿って配置されたスリーブカバーSCを把持する。スリーブカバー把持具9は、例えば、第1スライド棒4、第2スライド棒5、第1電線把持具7a、第2電線把持具7bのいずれかに取り付けられる。
【0074】
スリーブ装着工具1Bがスリーブカバー把持具9を備える場合、第1電線の露出心線WC1および第2電線の露出心線WC2をスリーブSVに挿入する際に、スリーブカバーSCの移動が抑制され、スリーブカバーSCが作業の邪魔にならない。また、露出心線WC1および露出心線WC2が挿入されたスリーブSVを圧縮工具により圧縮する際に、スリーブカバーSCの移動が抑制され、スリーブカバーSCが作業の邪魔にならない。スリーブSVの圧縮後、スリーブカバーSCは、スリーブSVを覆う位置に移動され、スリーブカバーSCによって、スリーブSVと露出心線(WC1、WC2)との間の接続部が保護される。
【0075】
図2に記載の例では、スリーブカバー把持具9は、第1スリーブカバーSC1(
図13等を参照。)を把持する第1スリーブカバー把持具9aと、第2スリーブカバーSC2(
図15等を参照。)を把持する第2スリーブカバー把持具9bとを含む。第1スリーブカバー把持具9aは、例えば、第1スライド棒4または第1電線把持具7aに取り付けられ、第2スリーブカバー把持具9bは、例えば、第2スライド棒5または第2電線把持具7bに取り付けられる。
【0076】
スリーブカバー把持具9が、第1スリーブカバー把持具9aおよび第2スリーブカバー把持具9bを含む場合、スリーブカバーとして、第1スリーブカバーSC1と第2スリーブカバーSC2とに分割された分割型のスリーブカバーを用いることができる。分割型のスリーブカバーを用いる場合、各スリーブカバー(第1スリーブカバーSC1、第2スリーブカバーSC2)の長さが短くなる。よって、電線に多少の湾曲がある場合であっても、スリーブカバーを電線(第1電線W1または第2電線W2)に沿って移動させる作業を容易に実施することができる。なお、第1スリーブカバーSC1と第2スリーブカバーSC2とが、スリーブSVを覆う位置に移動された後、第1スリーブカバーSC1と第2スリーブカバーSC2とは互いに連結される。
【0077】
図7を参照して、スリーブカバー把持具9の構造の一例についてより詳細に説明する。
【0078】
図7に記載の例では、スリーブカバー把持具9は、スライド棒(例えば、第2スライド棒5)または電線把持具(例えば、第2電線把持具7b)に取り付けられる取付部93と、スリーブカバーSCを支持する支持部95とを備える。
【0079】
支持部95には、閉状態と開状態との間で、支持部95の状態を変化させるスリーブカバー把持具操作部952が設けられている。支持部95が閉状態にあるとき、支持部95はスリーブカバーSCを把持する。他方、支持部95が開状態にあるとき、支持部95にスリーブカバーSCを挿入したり、支持部95からスリーブカバーSCを取り外したりすることが可能である。
図7に記載の例では、スリーブカバー把持具操作部952は、遠隔操作工具の先端を受け入れ可能な貫通孔を有するアイボルト(eye bolt)またはアイナット(eye nut)である。
【0080】
図7に記載の例では、スリーブカバーSCを支持する支持部95が、第1分割体958aと第2分割体958bとを備える。そして、スリーブカバー把持具操作部952を操作することにより、第1分割体958aと第2分割体958bとの間の間隔を調整可能である。
図7に記載の例では、第1分割体958aと第2分割体958bとが、第1方向に垂直な方向(第3方向)に沿って近接可能かつ離間可能である。なお、第1分割体958aと第2分割体958bとの間の間隔が小さくなった状態が、スリーブカバーSCが把持される閉状態に対応し、第1分割体958aと第2分割体958bとの間の間隔が拡大された状態が、スリーブカバーSCの把持状態が解除される開状態に対応する。
【0081】
図7に記載のスリーブカバー把持具9は、
図2に記載の第2スリーブカバー把持具9bとして採用可能である。また、
図7に記載のスリーブカバー把持具9の鏡像体は、
図2に記載の第1スリーブカバー把持具9aとして採用可能である。
【0082】
第2の実施形態におけるスリーブ装着工具1Bは、第1の実施形態におけるスリーブ装着工具1Aと同様の効果を奏する。加えて、第2の実施形態におけるスリーブ装着工具1Bが、少なくとも1つの電線支持具8を備える場合には、第1電線W1の端部と、第2電線W2の端部とを振り分けることができる。この場合、第1電線W1の端部と第2電線W2の端部との間の意図せぬ接触(短絡)が抑制される。また、第2の実施形態におけるスリーブ装着工具1Bが、少なくとも1つのスリーブカバー把持具9を備える場合には、スリーブカバーSCの移動が防止される。このため、スリーブSVに露出心線を挿入する作業中、あるいは、スリーブSVを圧縮する作業中に、スリーブカバーSCが邪魔になることはない。なお、第2の実施形態における電線支持具8および/またはスリーブカバー把持具9の構成は、第1の実施形態において採用されてもよい。
【0083】
(スリーブ装着方法)
図8乃至
図17を参照して、第2の実施形態におけるスリーブ装着方法の一例について説明する。
図8は、第2の実施形態におけるスリーブ装着方法の一例を示すフローチャートである。
図9乃至
図17の各々は、スリーブ装着方法の一工程を示す図である。
【0084】
第1ステップST101において、スリーブ装着工具1Bが、電線Wに取り付けられる。当該取り付けは、電線Wに、第1電線把持具7aおよび第2電線把持具7bを取り付けることにより実行される。
図9に記載の例では、スリーブ装着工具1Bは、電線Wの被覆層が剥ぎ取られて心線WCが露出している部分(露出部A)に対向するように、電線Wに取り付けられている。代替的に、スリーブ装着工具1Bが電線Wに取り付けられた後に、電線Wの被覆層が剥ぎ取られて露出部Aが形成されてもよい。
【0085】
第1ステップST101において、電線Wは、電線支持具8(具体的には、第1電線支持具8aおよび第2電線支持具8b)によって支持されることが好ましい。電線Wを電線支持具8によって支持させる工程は、例えば、開閉部材(82a、82b)を開位置に移動させ、電線Wを枠部材(81a、81b)内に移動させ、その後、開閉部材(82a、82b)を閉位置に移動させることにより実行される。なお、電線Wを電線支持具8によって支持させる工程と、電線Wに、第1電線把持具7aおよび第2電線把持具7bを取り付ける工程とは、どちらの工程を先に実行してもよい。
【0086】
第2ステップST102において、第1電線把持具7aと第2電線把持具7bとの間隔を縮小させることにより、電線Wのうちの第1電線把持具7aと第2電線把持具7bとの間に位置する部分を撓ませる(
図10を参照)。第2ステップST102は、スライド棒操作部6(例えば、第1スライド棒操作部6a)を操作して、第1スライド棒4を基部2側に引き込み、スライド棒操作部6(例えば、第2スライド棒操作部6b)を操作して、第2スライド棒5を基部2側に引き込むことにより実行される。なお、第1スライド棒4の引き込み工程と、第2スライド棒5の引き込み工程とは、どちらの工程を先に実行してもよい。代替的に、第1スライド棒4の引き込み工程と、第2スライド棒5の引き込み工程とを交互に繰り返し実行してもよい。
【0087】
第3ステップST103において、第1電線把持具7aと第2電線把持具7bとの間において、電線Wが切断具によって切断される。当該切断により、電線Wは、第1電線W1と第2電線W2とに分離される。なお、切断位置は、電線Wのうち心線WCが露出している部分(露出部A)であることが好ましい。この場合、切断によって、第1電線W1の端部が露出心線WC1となり、第2電線W2の端部が露出心線WC2となる。なお、電線の切断前に電線の被覆層が剥ぎ取られるのに代えて、電線の切断後に、第1電線W1の端部および第2電線W2の端部の被覆層が剥ぎ取られるようにしてもよい。この場合、第1ステップST101の前に電線の被覆層を剥ぎ取る必要はない。
【0088】
第3ステップST103において使用される切断具は、例えば、遠隔操作工具の先端に取り付けられた切断具である。
図11には、第3ステップST103が実行された後の状態が示されている。
【0089】
図12に示されるように、第4ステップST104において、第1電線W1の端部と、第2電線W2の端部とが振り分けられる(例えば、上下に振り分けられる)。第4ステップST104は、例えば、第2電線W2の端部を、第2電線支持具8bから第3電線支持具8cに向けて移動させ、第2電線W2の端部を第3電線支持具8cによって支持させることにより実行される。代替的に、第4ステップST104は、第2電線W2の端部を支持する第2電線支持具8bを、基部2の長手方向軸まわりに回転させることにより実行されてもよい。
【0090】
第4ステップST104において、付加的に、第1電線W1の端部と第2電線W2の端部との間の距離を大きくするために、第1スライド棒4および/または第2スライド棒5が、基部2から突出する方向に移動されてもよい。当該移動は、スライド棒操作部6(具体的には、第1スライド棒操作部6aおよび/または第2スライド棒操作部6b)を操作することにより行われる。
【0091】
第4ステップST104の実行後に、第1電線W1の端部および第2電線W2の端部のうちの一方に絶縁キャップIC(
図13を参照)が装着されてもよい。あるいは、第1電線W1の端部および第2電線W2の端部の両方に絶縁キャップが装着されてもよい。
【0092】
なお、上述の第1ステップST101乃至第4ステップST104の実行中、スリーブ支持具21および心線支持具26は開状態であることが好ましい。同様に、上述の第1ステップST101乃至第4ステップST104の実行中、スリーブカバー把持具9は開状態であることが好ましい。
【0093】
図13に示されるように、第5ステップST105において、第1スリーブカバーSC1の内部を第1電線W1が通過するように第1スリーブカバーSC1が押し込まれ、その後、第1スリーブカバーSC1が第1スリーブカバー把持具9aによって把持される。第5ステップST105は、例えば、絶縁性ヤットコ等の遠隔操作工具を用いて実行される。
【0094】
なお、第1電線W1の端部に絶縁キャップが装着されている場合には、第5ステップST105の実行前に、第1電線W1の端部から絶縁キャップが取り外される。また、矢印Bで示されるように、第5ステップST105の実行前に、第1スライド棒4が基部2から突出する方向に移動されてもよい。
【0095】
図13に示されるように、第6ステップST106において、スリーブSVが、スリーブ支持具21によって支持される。第6ステップST106において、まず、絶縁ヤットコ等の遠隔操作工具を用いて、スリーブSVがスリーブ支持具21上に載置される。その後、遠隔操作工具を用いて、スリーブ支持具操作部212が操作され、スリーブ支持具21の状態が開状態から閉状態に変更される。その結果、スリーブSVはスリーブ支持具21によって位置決め支持される。なお、スリーブ支持具21が、第1スリーブ支持具21aおよび第2スリーブ支持具21bを含む場合には、スリーブSVは、第1スリーブ支持具21aおよび第2スリーブ支持具21bによって位置決め支持される。
【0096】
図13に示されるように、第7ステップST107において、第1電線W1の露出心線WC1が第1心線支持具26aによって支持される。第7ステップST107において、まず、遠隔操作工具を用いて、露出心線WC1が第1心線支持具26a内に移動される。その後、遠隔操作工具を用いて、第1心線支持具操作部262aが操作され、第1心線支持具26aの状態が開状態から閉状態に変更される。その結果、露出心線WC1が、第1心線支持具26aによって拘束される。当該拘束により、スリーブSVと露出心線WC1との間の心出しが行われるとともに、第1電線W1の曲がり癖が矯正される。その結果、後続の工程(露出心線WC1をスリーブSVに挿入する工程)が円滑に実行される。
【0097】
第7ステップST107は、第6ステップST106の前に実行されてもよい。
【0098】
図14に示されるように、第8ステップST108において、第1電線W1の露出心線WC1が、スリーブSV内に挿入される。第8ステップST108は、スライド棒操作部6(例えば、第1スライド棒操作部6a)を操作して、第1スライド棒4を基部2側に引き込むことにより実行される。第8ステップST108の実行により、第1電線W1および第2電線W2の下方への撓みが減少する。また、第8ステップST108の実行により、第1スリーブカバーSC1が、第1心線支持具26aに接近する。
【0099】
第1スリーブカバー把持具9aによって把持された第1スリーブカバーSC1は、第1電線W1を直線形状に維持する拘束具としても機能する。よって、スリーブ装着工具1Bが第1スリーブカバー把持具9aを備える場合には、露出心線WC1をスリーブSV内に挿入する工程がより一層円滑に行われる。
【0100】
図15に示されるように、第9ステップST109において、スライド棒操作部6(例えば、第2スライド棒操作部6b)が操作されて、第2スライド棒5が基部2から突出する方向に移動される。第9ステップST109の実行により、第2電線W2の露出心線WC2が、スリーブSVの第2方向側に退避する。なお、第9ステップST109の実行により、第1電線W1および第2電線W2の下方への撓みは増加する。
【0101】
なお、第2電線W2の端部に絶縁キャップが装着されている場合には、第9ステップST109の実行前に、第2電線W2の端部から絶縁キャップが取り外される。
【0102】
第10ステップST110において、第2スリーブカバーSC2の内部を第2電線W2が通過するように第2スリーブカバーSC2が押し込まれ、その後、第2スリーブカバーSC2が第2スリーブカバー把持具9bによって把持される。第10ステップST110は、例えば、絶縁性ヤットコ等の遠隔操作工具を用いて実行される。なお、第10ステップST110は、第2電線W2の端部を、第2スライド棒5の上方に移動させてから実行される。第2電線W2の端部の移動は、例えば、第2電線W2の端部を第3電線支持具8c内から第2電線支持具8b内に移し替えることを含む。
【0103】
第11ステップST111において、第2電線W2の露出心線WC2が第2心線支持具26bによって支持される。第11ステップST111において、まず、遠隔操作工具を用いて、露出心線WC2が第2心線支持具26b内に移動される。その後、遠隔操作工具を用いて、第2心線支持具操作部262bが操作され、第2心線支持具26bの状態が開状態から閉状態に変更される。その結果、露出心線WC2が、第2心線支持具26bによって拘束される。当該拘束により、スリーブSVと露出心線WC2との間の心出しが行われるとともに、第2電線W2の曲がり癖が矯正される。
【0104】
図16に示されるように、第12ステップST112において、第2電線W2の露出心線WC2が、スリーブSV内に挿入される。第12ステップST112は、スライド棒操作部6(例えば、第2スライド棒操作部6b)を操作して、第2スライド棒5を基部2側に引き込むことにより実行される。第12ステップST112の実行により、第1電線W1および第2電線W2の下方への撓みが減少する。また、第12ステップST112の実行により、第2スリーブカバーSC2が、第2心線支持具26bに接近する。
【0105】
第2スリーブカバー把持具9bによって把持された第2スリーブカバーSC2は、第2電線W2を直線形状に維持する拘束具としても機能する。よって、スリーブ装着工具1Bが第2スリーブカバー把持具9bを備える場合には、露出心線WC2をスリーブSV内に挿入する工程がより一層円滑に行われる。
【0106】
第12ステップST112の実行後に、スリーブ支持具(21a、21b)によるスリーブSVに対する拘束、心線支持具(26a、26b)による露出心線に対する拘束、および、スリーブカバー把持具(9a、9b)によるスリーブカバーに対する拘束が解除または低減されてもよい。これらの拘束の解除または低減は、スリーブ支持具操作部212、心線支持具操作部262、および、スリーブカバー把持具操作部952を遠隔操作工具によって操作することにより実行される。これらの拘束が解除または低減された状態で、第1スライド棒4および/または第2スライド棒5を基部2側に引き込むと、露出心線WC1および露出心線WC2が、スリーブSVのより深い位置まで挿入される。そして、スリーブ圧縮装置を用いてスリーブSVを圧縮することで、切り分けた第1電線W1と第2電線W2を接続できる。
【0107】
第13ステップST113において、スリーブ装着工具1Bが、第1電線W1および第2電線W2から取り外される。
【0108】
第14ステップST114において、第1スリーブカバーSC1および第2スリーブカバーSC2がスリーブSVを覆う位置に移動され、第1スリーブカバーSC1と第2スリーブカバーSC2とが連結される。
【0109】
本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態は適宜変形または変更され得ることが明らかである。また、各実施形態で用いられる任意の構成要素を、他の実施形態に組み合わせることが可能であり、また、各実施形態において任意の構成要素を省略することも可能である。
【0110】
例えば、
図1または
図2に記載の例では、スライド棒操作部6が、第1スライド棒4をスライド移動させる第1スライド棒操作部6aと、第2スライド棒5をスライド移動させる第2スライド棒操作部6bを含む例について説明された。代替的に、
図18に示されるように、1つのスライド棒操作部6cが、第1スライド棒4および第2スライド棒5の各々を独立的に操作可能であってもよい。
【0111】
図18に記載の例では、スライド棒操作部6cは、第1スライド棒4を駆動する第1荷重伝達機構61、または、第2スライド棒5を駆動する第2荷重伝達機構62に、選択的に連結可能である。より具体的には、スライド棒操作部6cは、操作部側係合部63を備え、第1荷重伝達機構61は、操作部側係合部63に係合可能な第1係合部61aを備え、第2荷重伝達機構62は、操作部側係合部63に係合可能な第2係合部62aを備える。そして、操作部側係合部63が、第1係合部61aまたは第2係合部62aに選択的に係合する。こうして、スライド棒操作部6cに作用する操作力を、第1係合部61aまたは第2係合部62aを介して、第1スライド棒4または第2スライド棒5に選択的に伝達することができる。
【0112】
図18に記載の例では、スライド棒操作部6cは、基部2に対して相対移動可能に取り付けられている。スライド棒操作部6cと基部2との間には、付勢部材64が介在されており、当該付勢部材64は、スライド棒操作部6cを、第1係合部61aまたは第2係合部62aに向かう方向に付勢する。また、
図18に記載の例では、操作部側係合部63に、第1係合部61a(または第2係合部62a)に吸着される磁石65が配置されている。代替的に、あるいは、付加的に、第1係合部61a、および、第2係合部62aの各々に、操作部側係合部63を吸着する磁石が配置されていてもよい。
【0113】
図18に記載の例では、第1荷重伝達機構61は、第1係合部61aとともに回動する第1傘歯車61bと、第1スライド棒4に螺合する第1ネジ棒61cとともに回動する第2傘歯車61eとを備える。このため、スライド棒操作部6cが第1軸AT1回りを回転するように操作されると、操作部側係合部63に係合した第1係合部61aが第1傘歯車61bとともに第1軸AT1回りを回転する。
図18に記載の例では、第1傘歯車61bと第2傘歯車61eとが互いに噛合している。よって、第1傘歯車61bが第1軸AT1回りを回転すると、第1傘歯車61bに噛合する第2傘歯車61eが、第1ネジ棒61cとともに、第1軸AT1に垂直な第2軸AT2まわりを回転する。第1ネジ棒61cのネジ部61dは、第1スライド棒4と螺合している。このため、第1ネジ棒61cが第2軸AT2まわりを回転すると、第1スライド棒4が、第2軸AT2に沿う方向にスライド移動する。
【0114】
同様に、
図18に記載の例では、第2荷重伝達機構62は、第2係合部62aとともに回動する第3傘歯車62bと、第2スライド棒5に螺合する第2ネジ棒62cとともに回動する第4傘歯車62eとを備える。このため、スライド棒操作部6cが第3軸AT3回りを回転するように操作されると、操作部側係合部63に係合した第2係合部62aが第3傘歯車62bとともに第3軸AT3回りを回転する。
図18に記載の例では、第3傘歯車62bと第4傘歯車62eとが互いに噛合している。よって、第3傘歯車62bが第3軸AT3回りを回転すると、第3傘歯車62bに噛合する第4傘歯車62eが、第2ネジ棒62cとともに、第3軸AT3に垂直な第4軸AT4まわりを回転する。第2ネジ棒62cのネジ部62dは、第2スライド棒5と螺合している。このため、第2ネジ棒62cが第4軸AT4まわりを回転すると、第2スライド棒5が、第4軸AT4に沿う方向にスライド移動する。なお、第4軸AT4と第2軸AT2とは、一直線上に配置された軸である。
【0115】
図18に記載の例において、スライド棒操作部6cの操作部側係合部63の係合対象を、第1係合部61aから第2係合部62aに切り替える場合を想定する。この場合、まず、遠隔操作工具を用いて、スライド棒操作部6cを、付勢部材64による付勢力および/または磁石65による吸着力に抗して、第1係合部61aから離間する方向に移動させる。次に、遠隔操作工具を用いて、スライド棒操作部6cを、第1係合部61aに対向する位置から第2係合部62aに対向する位置にスライド移動させる。基部2には、スライド棒操作部6cの当該スライド移動をガイドする長孔等のガイド部が設けられていることが好ましい。続いて、スライド棒操作部6cは、付勢部材64による付勢力および/または磁石65による吸着力により、第2係合部62aに係合する。
【0116】
スライド棒操作部6cの操作部側係合部63の係合対象を、第2係合部62aから第1係合部61aに切り替える動作は、スライド棒操作部6cの操作部側係合部63の係合対象を、第1係合部61aから第2係合部62aに切り替える動作と同様であるため、繰り返しとなる説明は省略する。
【0117】
図19には、スリーブ支持具21および心線支持具26のうちの少なくとも一方を基部2の棒状部20に取り付ける取付部23の変形例が示されている。
図19に記載の例では、取付部23が、基部2の棒状部20に対して着脱可能である。
【0118】
図19に記載の例では、取付部23は、スリーブ支持具21および心線支持具26のうちの少なくとも一方が取り付けられた取付部ベース部材23aと、取付部ベース部材23aに対して相対移動可能なグリップ部材23bとを備える。グリップ部材23bが取付部ベース部材23aに対してグリップ位置にあるとき、グリップ部材23bおよび取付部ベース部材23aによって取付部23は、棒状部20に固定される。他方、グリップ部材23bが取付部ベース部材23aに対してグリップ開放位置にあるとき、取付部23を、棒状部20から取り外すこと(あるいは、取付部23を、棒状部20に取り付けること)が可能である。
【0119】
図19に記載の例では、グリップ部材23bは、取付部ベース部材23aに揺動可能に取り付けられており、グリップ部材23bは、取付部ベース部材23aに対して第1揺動軸AS1まわりを揺動自在である。取付部ベース部材23aおよびグリップ部材23bの各々は、棒状部20の外面形状に相補的な内面(より具体的には、円弧状の面)を有する。取付部ベース部材23aの内面には、棒状部20に対する滑りを抑制するための弾性体24aが配置されていてもよい。同様に、グリップ部材23bの内面には、棒状部20に対する滑りを抑制するための弾性体24bが配置されていてもよい。
【0120】
図19に記載の例では、グリップ部材23bに、グリップ部材23bをグリップ位置に保持するための磁石235が配置されている。磁石235は、取付部ベース部材23aによって吸着され、グリップ部材23bをグリップ位置に保持する。代替的に、あるいは、付加的に、取付部ベース部材23aに、グリップ部材23bをグリップ位置に保持するための磁石が配置されていてもよい。
【0121】
図19に記載の例では、取付部23は、グリップ部材23bが、グリップ位置からグリップ開放位置に向けて移動するのを防止するロック部材25を備える。ロック部材25は、例えば、取付部ベース部材23aに揺動可能に取り付けられる。
図19に記載の例では、ロック部材25は、取付部ベース部材23aに対して第2揺動軸AS2まわりを揺動自在である。
【0122】
取付部23を棒状部20に取り付けるに際しては、まず、取付部ベース部材23aを、棒状部20の周囲に配置する。次に、グリップ部材23bを、グリップ開放位置からグリップ位置に向けて移動させる。こうして、取付部23が棒状部20に取り付けられる。続いて、ロック部材25を、ロック開放位置からロック位置に移動させることにより、グリップ部材23bがグリップ位置から移動しないようにロックされる。
【0123】
取付部23を棒状部20から取り外すに際しては、取付部23を棒状部20に取り付ける動作と逆の動作を実行すればよい。
【0124】
図19に記載の例では、取付部23が、取付部ベース部材23aとグリップ部材23bとを備える。このため、取付部23を、簡単な操作で、基部2の棒状部20に取り付けることができ、また、取付部23を、簡単な操作で、基部2の棒状部20から取り外すことができる。さらに、取付部23を、簡単な操作で、棒状部20に取り付けることができることは、取付部23を、簡単な操作で、棒状部20の長手方向に沿って位置変更できることを意味する。この場合、使用するスリーブSVの長さ等に応じて、棒状部20に対する取付部23の取り付け位置を簡単に調整することができる。
【0125】
図20には、スリーブ支持具21および心線支持具26のうちの少なくとも一方を開閉する開閉操作機構Mの変形例が示されている。
図4あるいは
図5に記載の例では、スリーブ支持具21あるいは心線支持具26の開閉が、アイボルト、アイナット等の操作部(212;262)を回転させることにより行われた。これに対し、
図20に記載の例では、スリーブ支持具21あるいは心線支持具26の開閉が、揺動式の操作レバー(212a;262a)により行われる。操作レバー(212a;262a)は、例えば、トグルレバーである。
【0126】
図20を参照して、揺動式の操作レバー(212a;262a)により、スリーブ支持具21あるいは心線支持具26の開閉が行われるメカニズムの一例について説明する。
【0127】
図20に記載の例では、操作レバー(212a;262a)が第1位置(例えば、上側位置)にあるとき、支持具(21;26)は開放状態にある。
図20に記載の例では、支持具(21;26)の開放状態は、第1分割体(218a;268a)と第2分割体(218b;268b)とが離間配置された状態を意味する。
図20に記載の例では、操作レバー(212a;262a)が第2位置(例えば、下側位置)にあるとき、支持具(21;26)は閉鎖状態にある。
図20に記載の例では、支持具(21;26)の閉鎖状態は、第1分割体(218a;268a)と第2分割体(218b;268b)とが近接配置された状態を意味する。
【0128】
図20に記載の例では、操作レバー(212a;262a)が第1位置(上側位置)から第2位置(下側位置)に移動すると、第1押圧体27aが、第1分割体(218a;268a)を、第2分割体に向かう方向に押圧し、第2押圧体27bが、第2分割体(218b;268b)を、第1分割体に向かう方向に押圧する。こうして、支持具(21;26)が閉鎖状態となる。
【0129】
図20に記載の例では、第1分割体(218a;268a)と第2分割体(218b;268b)との間に付勢部材28が配置されている。付勢部材28は、第1分割体(218a;268a)および第2分割体(218b;268b)が互いに離間する方向に、第1分割体(218a;268a)および第2分割体(218b;268b)を付勢する。このため、操作レバー(212a;262a)が第2位置(下側位置)から第1位置(上側位置)に移動すると、付勢部材28が、第1分割体(218a;268a)を、第2分割体から離れる方向に押圧し、付勢部材28が、第2分割体(218b;268b)を、第1分割体から離れる方向に押圧する。こうして、支持具(21;26)が開放状態となる。
【0130】
図20に記載の例では、第1押圧体27aが固定された第1シャフト29aが、操作レバー(212a;262a)に取り付けられた第1ピン29cに枢着されている。また、第2押圧体27bが第1シャフト29aの長手方向に沿って摺動自在であり、かつ、第2押圧体27bが、連結部材CNを介して、操作レバー(212a;262a)に取り付けられている。より具体的には、連結部材CNは、第2ピン29dを介して、第2押圧体27bに枢動可能に取り付けられ、かつ、第3ピン29eを介して、操作レバー(212a;262a)に枢動可能に取り付けられている。
【0131】
図20に記載の例において、操作レバー(212a;262a)が第1位置(上側位置)から第2位置(下側位置)に移動することにより、操作レバー(212a;262a)が第3ピン29eのまわりを回動すると、第1ピン29cが、第3ピン29eのまわりを回動する。その結果、第1ピン29cに接続された第1シャフト29aおよび第1押圧体27aが第2押圧体27bに近づく方向に移動する。こうして、支持具(21;26)が閉鎖状態となる。
【0132】
図20に記載の例では、支持具(21;26)に、位置決めストッパ(より具体的には、センタリングピンCP)が設けられている。このため、支持具(21;26)が閉鎖状態にあるとき、支持具(21;26)は、位置決めストッパにより規定される位置に位置決めされる。
図20に記載の例では、位置決めストッパにより規定される位置は、棒状部20の中心軸の直上位置に対応する。
【0133】
より具体的には、第1分割体(218a;268a)は、位置決めストッパに係合可能な係合部EN1を備える。このため、第1分割体(218a;268a)は、位置決めストッパを超えて第2分割体側に移動することができない。また、第2分割体(218b;268b)は、位置決めストッパに係合可能な係合部EN2を備える。このため、第2分割体(218b;268b)は、位置決めストッパを超えて第1分割体側に移動することができない。こうして、第1分割体(218a;268a)および第2分割体(218b;268b)は、位置決めストッパが配置された位置で、互いに接触することとなる。
【0134】
なお、開閉操作機構Mには、株式会社ミスミ社製のトグルクランプ(型番:MC02-S2)が用いられてもよい。
【0135】
図20に記載の例では、揺動式の操作レバー(212a;262a)によって、支持具(21;26)が開閉される。よって、遠隔操作工具を用いて、支持具(21;26)の開閉を容易に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明のスリーブ装着工具およびスリーブ装着方法を用いると、第1電線および第2電線の全体の弛みを抑制しつつ、簡単な操作で、第1電線の露出心線および第2電線の露出心線にスリーブSVを装着することができる。したがって、スリーブ装着工具の製造業者、スリーブ装着作業を実施する業者にとって有用である。
【符号の説明】
【0137】
1、1A、1B スリーブ装着工具
2 基部
4 第1スライド棒
5 第2スライド棒
6 スライド棒操作部
6a 第1スライド棒操作部
6b 第2スライド棒操作部
6c スライド棒操作部
7 電線把持具、7a 第1電線把持具、7b 第2電線把持具
8 電線支持具、8a 第1電線支持具、8b 第2電線支持具、8c 第3電線支持具
9 スリーブカバー把持具、9a 第1スリーブカバー把持具、9b 第2スリーブカバー把持具
20 棒状部、20a 第1方向側端部、20b 第2方向側端部
21 スリーブ支持具、21a 第1スリーブ支持具 21b 第2スリーブ支持具
23 取付部、23a 取付部ベース部材、23b グリップ部材、24a 弾性体、
24b 弾性体、25 ロック部材
26 心線支持具、26a 第1心線支持具、26b 第2心線支持具
27a 第1押圧体、28a 第2押圧体、28 付勢部材
29a 第1シャフト、29c 第1ピン、29d 第2ピン、29e 第3ピン
61 第1荷重伝達機構、61a 第1係合部、61b 第1傘歯車、61c 第1ネジ棒、61d ネジ部、61e 第2傘歯車
62 第2荷重伝達機構、62a 第2係合部、62b 第3傘歯車、62c 第2ネジ棒、62d ネジ部、62e 第4傘歯車
63 操作部側係合部
64 付勢部材
65 磁石
71 第1把持片
72 第2把持片
74 第1接続部
76 第2接続部
81a、81b、81c 枠部材
82a、82b、82c 開閉部材
93 取付部
95 支持部
210 支持部
212 スリーブ支持具操作部
212a 操作レバー
214 第1部分、214a 端面支持面、214b 外周面支持面
215 スリーブ受容部
216 第2部分、216a テーパ面
217 心線案内路
218a 第1分割体、218b 第2分割体
219 ガイド部材、219c ガイド表面
231 貫通孔
235 磁石
260 支持部
262 心線支持具操作部、262a 第1心線支持具操作部、262b 第2心線支持具操作部
262a 操作レバー
267 心線受容部
268a 第1分割体、268b 第2分割体
269 ガイド部材、269c ガイド表面
952 スリーブカバー把持具操作部
958a 第1分割体、958b 第2分割体、
A 露出部、AS1 第1揺動軸、AS2 第2揺動軸、AT1 第1軸、AT2 第2軸、AT3 第3軸、AT4 第4軸、AX1 回転軸、CN 連結部材、CP センタリングピン、EN1 係合部、EN2 係合部、M 開閉操作機構、G 隙間、IC 絶縁キャップ、SC スリーブカバー、SC1 第1スリーブカバー、SC2 第2スリーブカバー、SP 受容空間、SV スリーブ、W 電線、W1 第1電線、W2 第2電線、WC 心線、WC1 露出心線、WC2 露出心線