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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-19
(45)【発行日】2022-05-27
(54)【発明の名称】フレキシブル・グリップ
(51)【国際特許分類】
   A63B 60/16 20150101AFI20220520BHJP
   A63B 53/14 20150101ALI20220520BHJP
【FI】
A63B60/16
A63B53/14 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017074377
(22)【出願日】2017-04-04
(65)【公開番号】P2017189607
(43)【公開日】2017-10-19
【審査請求日】2020-03-02
(31)【優先権主張番号】15/098,371
(32)【優先日】2016-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390033020
【氏名又は名称】イートン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104385
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100135035
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ジェームズ・デイヴィス
(72)【発明者】
【氏名】リン・ユー・シュー
(72)【発明者】
【氏名】リタ・チャン
(72)【発明者】
【氏名】ジャック・カオ
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-201890(JP,A)
【文献】特開2014-046203(JP,A)
【文献】特開平11-114115(JP,A)
【文献】特表2012-521899(JP,A)
【文献】特開2000-024140(JP,A)
【文献】実開昭50-053062(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0182755(US,A1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0410195(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 49/00-60/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブのハンドルに取り付けるためのフレキシブル・グリップであって、
(a)前記ハンドルを受容する開端部を有する、フレキシブルなエラストマーよりなる管状本体であって、ショアAスケールで45以下のデュロメータ硬度を有する管状本体と、
(b)前記開端部の反対側の前記管状本体の端部に設けられるクロージャ部材であって、周囲の少なくとも一部分がベース表面から隆起されてリッジを形成し、前記ベース表面から1個の離散した隆起部分として隆起された部分を有する離散した中央部分であって、前記ハンドルの衝撃を吸収するために撓むように構成された、湾曲表面を有する離散した中央部分を有するクロージャ部材と、
(c)前記ベース表面となる前記リッジと前記離散した中央部分の中間の領域と、を備え
前記離散した中央部分は、前記リッジの高さの上に延在する、フレキシブル・グリップ。
【請求項2】
前記管状本体は非円形断面を有し、前記周囲の一部分が平坦化され、前記リッジが前記平坦化部分上で延在され前記平坦化部分の形状と一致する、請求項1記載のフレキシブル・グリップ。
【請求項3】
前記リッジは、前記周囲の少なくとも半分にわたって連続的に延在する、請求項1記載のフレキシブル・グリップ。
【請求項4】
ゴルフクラブのハンドルに取り付けるためのフレキシブル・グリップであって、
(a)前記ハンドルを受容する開端部を有する、フレキシブルなエラストマーよりなる管状本体であって、ショアAスケールで45以下のデュロメータ硬度を有する管状本体と、
(b)前記開端部の反対側の前記管状本体の端部に設けられるクロージャ部材であって、周囲の少なくとも一部分がベース表面から隆起されて前記周囲の一部分についてリッジを形成し、前記ベース表面から1個の離散した隆起部分として隆起された部分を有する離散した中央部分であって、前記ハンドルの衝撃を吸収するために撓むように構成された、湾曲表面を有する離散した中央部分を有するクロージャ部材と、を備え
前記離散した中央部分は、前記リッジの高さの上に延在する、フレキシブル・グリップ。
【請求項5】
フレキシブル・グリップ用のキャップであって、
(a)前記フレキシブル・グリップに取り付けられるよう構成される管状部分であって、ショアAスケールで45以下のデュロメータ硬度を有する管状本体と、
(b)前記管状部分の端部を閉じるよう延在されるクロージャ部分であって、周囲の少なくとも一部分が前記クロージャ部分の面表面から隆起されてリッジを形成し、前記面表面から1個の離散した隆起部分として隆起された部分を有する離散した中央部分であって、前記ハンドルの衝撃を吸収するために撓むように構成された、湾曲表面を有する離散した中央部分を有するクロージャ部分と、を備え
前記離散した中央部分は、前記リッジの高さの上に延在するキャップ。
【請求項6】
前記リッジは、前記クロージャ部分の前記周囲の少なくとも25%にわたって延在される、請求項記載のキャップ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブのハンドルに取り付けるための管状のフレキシブル・グリップ、特に、管状の鋼製ハンドルを有するゴルフクラブに係わり、管状のハンドルはフレキシブル・グリップが取り付けられた場合に開けられる。ゴルフクラブは、通常、ゴルフクラブ用に特定的に設計されたバッグで運ばれる又は運搬される。使用において、クラブは、バッグに戻されるとき、一般的にハンドルから最初にバッグの開いている側にユーザによって落とされ、それによりグリップの端部がバッグの底に当たるまでクラブを倒すことができる。フレキシブル・グリップの端部は、グリップと成形されるか成形中又は成形後にグリップに取り付けられるキャップによって典型的には閉じられる。そのため、ユーザがゴルフバッグにクラブのグリップの端部を最初に落とすと、クラブの鋼製の管状ハンドルの端部はグリップがバッグの底に当たるとグリップの閉端部を圧縮する。
【0002】
パターゴルフクラブ用にフレキシブルな管状グリップを提供する際、パターで使用する場合にクラブのユーザの「感じ方」を向上させるよう比較的柔らかい弾性材料よりなるフレキシブル・グリップを形成することが望ましいことが分かっている。スピードと力で振られる他のゴルフクラブと比べてパターの制限されたストロークや比較的遅い動きのスピードを鑑みて、グリップに比較的柔らかい弾性材料を使用することで、ユーザは比較的短いストローク中にクラブに与えられる力の増加した感覚を得ることができる。パター用のフレキシブル・グリップは、パターストローク中のユーザによるクラブの把持を容易にするよう、周囲に平坦化部分を有する非円形断面を有して一般的に形成される。
【0003】
他のクラブと比較してパターが使用される回数が増加すると、結果として、クラブゴルフクラブのバッグから取り出され、入れられる回数が多くなり、鋼製シャフトの端部によってグリップの閉端部が圧縮される頻度がより頻繁になり、このような当たりが多数回行われると、閉端部の破断又はシャフトの閉端部に対する突き抜けが頻繁に生ずる。そのため、クラブがバッグに落とされた場合に閉端部がクラブのシャフトによって破断されることを防止するよう、ゴルフクラブ、特に、比較的柔らかいグリップを有するパターに用いられるフレキシブル・グリップの閉端部を保護する方法又は手段を提供することが望ましい。
【0004】
更に、グリップの美的アピールを向上させるためにパターグリップ用のクロージャ又はキャップに滑らかな形状を与えることが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、管状グリップ用の端部クロージャがクロージャ又はキャップの周囲の一部分の周りに形成される隆起されたリッジを有するパター等のゴルフクラブ用のフレキシブルな弾性グリップを説明する。管状グリップは、あるバージョンでは、周囲の一部分が平坦化された非円形断面を有してもよい。本バージョンでは、隆起されたリッジは平坦化部分上で連続的に延在される。あるバージョンでは、隆起されたリッジは、グリップの断面の周囲の少なくとも半分にわたって延在される。グリップ用のクロージャ又はキャップの中央領域は、離散した隆起部分を有してもよく、あるバージョンでは、該隆起部分はドーム形状又は球形状を有し、別のバージョンでは楕円構成を有し得る。隆起されたドームは、クラブがゴルフバッグにハンドルから最初に落とされた場合に鋼製のクラブシャフトの開端部によってキャップが破断されることを防止するようバンパ又はクッションとなる。隆起された中央部分には、特に、パターのグリップ用に使用される場合にグリップを説明する情報を追加するよう、グラフィックスが成形されてもよい。特にドーム形状の隆起部分は、クラブバッグの底に衝突するクラブのハンドルの衝撃を吸収するよう幾らか撓む。隆起されたリッジは、2乃至6ミリメートルの範囲の幅を有してもよく、あるバージョンでは、3乃至5ミリメートルの幅を有する。隆起されたリッジは、1乃至3ミリメートルの範囲の高さを有してもよく、あるバージョンでは、1.5乃至2ミリメートルの範囲の高さを有する。離散した中央部分はリッジの下1乃至2ミリメートルで延在されてもよく、リッジの上2乃至4ミリメートルで延在されてもよい。あるバージョンでは、離散した中央部分は、2乃至3ミリメートルの範囲の量でリッジの上に延在される。リッジは、クロージャ部材又はキャップの周囲の少なくとも25%にわたって延在され、あるバージョンでは、リッジはグリップの周囲の約半分にわたって延在される。グリップの管状部材は、ショアAスケールで45以下のデュロメータ硬度を有してもよく、あるバージョンでは、管状部材は、ショアAスケールで30乃至35の範囲のデュロメータ硬度を有する。クロージャ部材又はキャップは、ショアAスケールで50以上のデュロメータ硬度を有してもよく、あるバージョンでは、キャップは、ショアAスケールで60乃至80の範囲のデュロメータ硬度を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本開示のフレキシブル・グリップの側面図であって、破線の輪郭線で示されるゴルフクラブのシャフトの端部上に受容される滑らかな端部クロージャを示す。
図2図2は、図1の線2-2を示す断面に沿って取られた断面図を示す。
図3図3は、図1のグリップの端部クロージャの斜視図を示す。
図4図4は、図3のクロージャの上面図を示す。
図5図5は、図3のクロージャの底面図を示す。
図6図6は、図3のクロージャの左側面図を示す。
図7図7は、図3のクロージャの右側面図を示す。
図8図8は、図3のクロージャの正面図を示す。
図9図9は、図3のクロージャの背面又は裏面図を示す。
図10図10は、図1のクロージャ又はキャップの別のバージョンの斜視図を示す。
図11図11は、図10のクロージャの上面図を示す。
図12図12は、図10のクロージャの底面図を示す。
図13図13は、図10のクロージャの右側面図を示す。
図14図14は、図10のクロージャの左側面図を示す。
図15図15は、図10のクロージャの正面図を示す。
図16図16は、図10のクロージャの背面又は裏面図を示す。
【0007】
詳細な説明
図1を参照するに、本開示のフレキシブルな管状グリップ10は、図1において破線の輪郭線で一般的に示されるゴルフクラブの典型的には金属製のシャフト12上に受容される管状の本体部分16を有する。
【0008】
図2を参照するに、管状部材16は、非円形の断面を有し、パターゴルフクラブに用いられるグリップの構成に一般的な平坦化部分18を断面の周囲に有する。
【0009】
図3を参照するに、管状の本体部分16(図3に図示せず)の自由端部を閉じる端部キャップ14の一つのバージョンが平坦化部分18を含む非円形構成を有するとして示され、クラブシャフトの内部に空気循環を提供するための孔20が設けられる。キャップ14は、ベース表面22又は端面にキャップ14の周囲の一部分にわたって連続的に延在される周方向隆起されたリッジ24が設けられている。図3のバージョンでは、隆起されたリッジ24は、キャップ14の周囲の少なくとも半分にわたって連続的に延在され、平坦化部分18を含む。
【0010】
図3のキャップ14は、端面又はベース表面22の離散した中央部分又は領域26にリッジ24の上部より僅かに高められた湾曲表面が設けられ、図3に示すバージョンでは、ドーム形状を有する。本実施では、湾曲した離散した中央部分26又はドーム形状部分が3乃至6ミリメートルの範囲の高さを有し、あるバージョンでは、4乃至5ミリメートルの幅を有すれば十分であると分かった。本実施では、隆起されたリッジ24が1乃至3ミリメートルの範囲の高さを有し、あるバージョンでは、リッジ24が1.5乃至2ミリメートルの範囲の高さを有すれば十分である。該高さは、表面22の低点からグリップの軸に対して平行に測定されるドーム26の最大高さまでを測定したものである。
【0011】
本実施では、離散した中央部分又はドーム部分26がリッジの高さの下2ミリメートル又はリッジの高さの上3ミリメートルの一方に延在すれば十分であることが分かった。あるバージョンでは、ドーム26の形状にある離散した中央部分は、2乃至3ミリメートルの範囲の量でリッジの高さの上に延在している。本実施では、リッジがクロージャ部材又はキャップの周囲の少なくとも25%にわたって延在すれば十分であると分かった。
【0012】
本実施では、ショアAスケールで45以下のデュロメータ硬度を有する弾性材料よりなる管状のフレキブル本体16を形成すれば十分であることが分かり、あるバージョンでは、管状部材16はショアAスケールで30乃至35の範囲のデュロメータ硬度を有する。クロージャ部材又はキャップ14は、ショアAスケールで50以上のデュロメータ硬度を有してもよく、あるバージョンでは、キャップはショアAスケールで60乃至80の範囲のデュロメータ硬度を有する。
【0013】
図4及び図5を参照するに、キャップ14は端面の反対側に直径が減少された円筒形部分28を有し、この小径の円筒部分28は管状本体16の端部の内周に受容されるようサイズが決められ構成される。小径の円筒部分28は、図6及び図7に示すように、湾曲表面26が平坦化部分の遠位側に更に被さるよう位置される。キャップ又はクロージャ部材14は、予め硬化され、その後、フレキブルな本体16と適所に硬化されてもよく、或いは、予め硬化され、管状部材16の端部に接着接合されてもよい。望ましい場合には、装飾印30、32がクロージャ又は端部キャップ14の端面22に設けられてもよい。小径の円筒部分28は、所望であれば、長さ及び直径が変化してもよい。代替的には、小径の円筒部分は省略されてもよい。
【0014】
図6及び図7を参照するに、端面又はベース表面22での離散した中央部分又はドーム26の終端を示すようリッジ24の一部分が切り取られている。図3乃至図7に例示されるバージョンでは、ベース表面22又は端面は、平坦化部分18が反対側にあるキャップのエッジよりも大きい厚さを有して湾曲部分14に楕円体構成を与えるよう、平坦化部分18のある端部と反対側のキャップの端部でドーム表面の湾曲が同時に終端するよう湾曲されることに注意する。
【0015】
図10乃至図16を参照するに、グリップ10用の端部キャップの別のバージョンは一般的に参照番号40で示され、管状部材16の外周と一致するよう構成される上部分42、及び、管状部材16の内周に受容されるよう構成される小径の円筒部分44を有する。キャップ40は、周囲46の平坦化部分がパターグリップの構成と一致するよう形成され、上部分42の周囲の厚さが略一定となるよう端面48が略平面構成に形成される。図10に示すように、キャップ40は、周囲の一部分に設けられ、平坦化部分46にわたって連続的に延在される隆起されたリッジ50を有する。キャップ40は、バージョン14について上述したように、空気循環のために孔54が設けられた、隆起された離散中央部分52を有する。離散した中央部分はドーム形状であり、平坦化部分の反対側のキャップの下エッジにまで延在するが、上部分42の周囲は周囲について略均一の厚さを有する。リッジ50及び離散した中央部分は、前述したバージョン14と同じ高さ及び幅を有してもよい。
【0016】
従って、本開示は、ゴルフクラブ、特に、パター用のフレキシブルな管状グリップであって、端面の周方向に隆起されたリッジが周囲の少なくとも25%にわたって延在され、隆起され湾曲された離散した中央部分であって、衝撃を吸収し、クラブがゴルフバッグに落とされた際にグリップの端部が破断されるかクラブの管状の金属製シャフトがグリップの端部を突き抜けることを防止する離散した中央部分を有するクロージャ又は端部キャップが上に設けられた比較的柔らかい管状部分を有するゴルフクラブ用のフレキシブルな管状グリップを説明する。リッジ及びドーム状の端部キャップを有する本開示のグリップは、クロージャ又はキャップの端面に装飾印が設けられてもよい。クロージャ又はキャップは、グリップの管状部分と一体成形されてもよく、又は、予め硬化され管状部分の成形後に接着接合されてもよい。
【0017】
図面を参照して模範的なバージョンを説明した。当業者には先の詳細な説明を読み理解することで変更及び修正が明らかになるであろう。模範的なバージョンは、添付の特許請求の範囲又はその等価物内に含まれる限り全ての変更及び修正を含むと考えられることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16