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特許7076193誤差補正に基づいたバッテリ状態推定方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-19
(45)【発行日】2022-05-27
(54)【発明の名称】誤差補正に基づいたバッテリ状態推定方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/367 20190101AFI20220520BHJP
   G01R 31/3842 20190101ALI20220520BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220520BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
G01R31/367
G01R31/3842
H01M10/48 P
H02J7/00 X
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2017219136
(22)【出願日】2017-11-14
(65)【公開番号】P2018084578
(43)【公開日】2018-05-31
【審査請求日】2020-10-16
(31)【優先権主張番号】10-2016-0155567
(32)【優先日】2016-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】金 振 豪
(72)【発明者】
【氏名】宋 泰 元
(72)【発明者】
【氏名】金 聖 ▲益▼
【審査官】小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-47580(JP,A)
【文献】特開2014-182072(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0219726(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/36-31/396
H01M 10/48
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリの以前時間区間の電圧誤差に基づいて決定された補正値を用いて、前記バッテリの現在時間区間の電気的な物理量情報を補正するステップと、
前記補正された電気的な物理量情報に基づいて前記バッテリの状態情報を決定するステップと、
含み、
前記電圧誤差は、前記バッテリの前記以前時間区間の推定電圧情報と前記バッテリの前記以前時間区間の検出電圧情報との間の差であり、さらに、
前記電圧誤差及び前記バッテリの前記以前時間区間の推定開放電圧情報に基づいて決定された容量誤差を用いて、前記補正値を決定するステップ、を含む、
バッテリ状態推定方法。
【請求項2】
前記補正値を決定するステップは、
前記容量誤差に加重値を適用するステップと、
前記加重値が適用された容量誤差を定数値割った値を前記補正値として決定するステップと、
を含む、請求項に記載のバッテリ状態推定方法。
【請求項3】
前記加重値は、前記現在時間区間の電流情報及び前記以前時間区間の電流情報のうちいずれか1つ又は両方に基づいて算出される電流平均値により決定される、
請求項に記載のバッテリ状態推定方法。
【請求項4】
前記容量誤差は、前記推定開放電圧情報により示される推定開放電圧から前記電圧誤差の一部値を減算した第1開放電圧に対応する第1状態情報と、前記推定開放電圧情報により示される推定開放電圧に前記電圧誤差の残り値を加算した第2開放電圧に対応する第2状態情報との間の差を用いて決定される、
請求項に記載のバッテリ状態推定方法。
【請求項5】
前記現在時間区間の前記電気的な物理量情報としての放電電流情報を補正するための補正値及び前記現在時間区間の前記電気的な物理量情報としての充電電流情報を補正するための補正値のうちいずれか1つ又は両方を前記放電電流の積算値、前記充電電流の積算値、及び、前記電圧誤差に対応する容量誤差に基づいて決定するステップ、をさらに含む、
請求項1に記載のバッテリ状態推定方法。
【請求項6】
前記現在時間区間の前記電気的な物理量情報としての電流情報に基づいて放電電流積算値及び充電電流積算値を演算するステップと、
前記放電電流積算値及び前記充電電流積算値の絶対値の間の比較によって放電電流情報及び充電電流情報のうち補正する電流情報を決定するステップと、
前記放電電流積算値及び前記充電電流積算値の絶対値の比率と前記電圧誤差に対応する容量誤差に基づいて、前記決定された電流情報に対する補正値を決定するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載のバッテリ状態推定方法。
【請求項7】
前記現在時間区間の前記電気的な物理量情報としての電流情報に基づいて放電電流積算値及び充電電流積算値を演算するステップと、
前記放電電流積算値及び前記充電電流積算値の絶対値に基づいて決定される比率、前記電圧誤差に対応する容量誤差、及び放電補正比率に基づいて前記現在時間区間の放電電流情報に対する補正値を決定するステップと、
前記放電電流積算値及び前記充電電流積算値の絶対値に基づいて決定される比率、前記容量誤差、及び充電補正比率に基づいて前記現在時間区間の充電電流情報に対する補正値を決定するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載のバッテリ状態推定方法。
【請求項8】
バッテリの現在時間区間の電気的な物理量情報を受信するステップと、
前記バッテリの以前時間区間の電圧誤差に対応する容量誤差を用いて補正値を決定するステップと、
前記補正値を用いて前記電気的な物理量情報を補正するステップと、
含み、
前記電圧誤差は、前記バッテリの前記以前時間区間の推定電圧情報と前記バッテリの前記以前時間区間の検出電圧情報との間の差である、
バッテリ状態情報誤差補正方法。
【請求項9】
前記容量誤差は、前記電圧誤差及び前記バッテリの前記以前時間区間の推定開放電圧情報に基づいて決定される、
請求項に記載のバッテリ状態情報誤差補正方法。
【請求項10】
前記容量誤差は、前記以前時間区間の推定開放電圧情報により示される推定開放電圧から前記電圧誤差の一部値を減算した第1開放電圧に対応する第1状態情報と、前記推定開放電圧情報により示される推定開放電圧に前記電圧誤差の残り値を加算した第2開放電圧に対応する第2状態情報との間の差を用いて決定される、
請求項に記載のバッテリ状態情報誤差補正方法。
【請求項11】
前記補正値を決定するステップは、
前記容量誤差に加重値を適用するステップと、
前記加重値が適用された容量誤差を定数値割った値を前記補正値として決定するステップと、
を含む、請求項に記載のバッテリ状態情報誤差補正方法。
【請求項12】
前記加重値は、前記現在時間区間の電流情報及び前記以前時間区間の電流情報のうちいずれか1つ又は両方に基づいて算出される電流平均値により決定される、
請求項11に記載のバッテリ状態情報誤差補正方法。
【請求項13】
前記補正値を決定するステップは、前記現在時間区間の前記電気的な物理量情報としての放電電流情報を補正するための補正値、及び前記現在時間区間の前記電気的な物理量情報としての充電電流情報を補正するための補正値のうちいずれか1つ又は両方を前記放電電流の積算値、前記充電電流の積算値、及び前記電圧誤差に対応する容量誤差に基づいて決定するステップを含む、
請求項に記載のバッテリ状態情報誤差補正方法。
【請求項14】
前記補正値を決定するステップは、
前記現在時間区間の前記電気的な物理量情報としての電流情報に基づいて放電電流積算値及び充電電流積算値を演算するステップと、
前記放電電流積算値及び前記充電電流積算値の絶対値の間の比較によって放電電流情報及び充電電流情報のうち補正する電流情報を決定するステップと、
前記放電電流積算値及び前記充電電流積算値の絶対値の比率と前記容量誤差に基づいて、前記決定された電流情報に対する補正値を決定するステップと、
を含む、請求項に記載のバッテリ状態情報誤差補正方法。
【請求項15】
前記補正値を決定するステップは、
前記現在時間区間の前記電気的な物理量情報としての電流情報に基づいて放電電流積算値及び充電電流積算値を演算するステップと、
前記放電電流積算値及び前記充電電流積算値の絶対値の比率、前記容量誤差、及び放電補正比率に基づいて前記現在時間区間の放電電流情報に対する補正値を決定するステップと、
前記放電電流積算値及び前記充電電流積算値の絶対値の比率、前記容量誤差、及び充電補正比率に基づいて前記現在時間区間の充電電流情報に対する補正値を決定するステップと、
を含む、請求項に記載のバッテリ状態情報誤差補正方法。
【請求項16】
命令語を保管するコンピュータで読み出し可能な記録媒体であって、
前記命令語が実行されると、プロセッサに、請求項1ないし15のうちいずれか一項を実施させる、
コンピュータで読み出し可能な記録媒体。
【請求項17】
バッテリの以前時間区間の電圧誤差に基づいて決定された補正値を用いて、前記バッテリの現在時間区間の電気的な物理量情報を補正し、前記補正された電気的な物理量情報に基づいて前記バッテリの状態情報を決定するコントローラと、
前記コントローラの動作に関する命令語を格納するメモリと、
含み、
前記電圧誤差は、前記バッテリの前記以前時間区間の推定電圧情報と前記バッテリの前記以前時間区間の検出電圧情報との間の差である、
前記コントローラは、前記電圧誤差及び前記バッテリの前記以前時間区間の推定開放電圧情報に基づいて決定された容量誤差を用いて前記補正値を決定する、
バッテリ状態推定装置。
【請求項18】
前記コントローラは、前記容量誤差に加重値を適用し、前記加重値が適用された容量誤差を前記現在時間区間に対応する時間値割った値を前記補正値として決定する、
請求項17に記載のバッテリ状態推定装置。
【請求項19】
前記容量誤差は、前記推定開放電圧情報により示される推定開放電圧から前記電圧誤差の一部値を減算した第1開放電圧に対応する第1状態情報、及び前記推定開放電圧情報により示される推定開放電圧から前記電圧誤差の残り値を加算した第2開放電圧に対応する第2状態情報の間の差を用いて決定される、
請求項17に記載のバッテリ状態推定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリの状態を推定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリ管理システム(Battery Management System:BMS)は、バッテリの最適運用のためにSOC(Stage Of Charge)、SOH(State Of Health)などのバッテリ状態を推定する。SOC、SOH推定の正確度によって、バッテリの使用可能な領域が拡張される。そのため、BMSは、バッテリ状態を正確に推定することが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一実施形態は、バッテリの状態を正確に推定することにある。また、一実施形態は、バッテリモデル(一例として、電気化学的モデル)の複雑度及び算出時間を増加させることなく、バッテリの状態を正確に推定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一側面に係るバッテリ状態推定方法は、バッテリの以前時間区間の電圧誤差に基づいて決定された補正値を用いて、前記バッテリの現在時間区間の電気的な物理量情報を補正するステップと、前記補正された電気的な物理量情報に基づいて前記バッテリの状態情報を決定するステップとを含む。
【0005】
前記電圧誤差は、前記バッテリの前記以前時間区間の推定電圧情報と前記バッテリの前記以前時間区間の電圧情報との間の差である。
【0006】
バッテリ状態推定方は、前記電圧誤差及び前記バッテリの前記以前時間区間の推定開放電圧情報に基づいて決定された容量誤差を用いて、前記補正値を決定するステップをさらに含み得る。
【0007】
前記補正値を決定するステップは、前記容量誤差に加重値を適用するステップと、前記加重値が適用された容量誤差を定数値に割った値を前記補正値として決定するステップとを含み得る。
【0008】
前記加重値は、前記現在時間区間の電流情報及び前記以前時間区間の電流情報のうちいずれか1つ又は両方に基づいて算出される電流平均値により決定され得る。
【0009】
前記容量誤差は、前記推定開放電圧情報で前記電圧誤差の一部値を減算した第1開放電圧に対応する第1状態情報と、前記推定開放電圧情報で前記電圧誤差の残り値を加算した第2開放電圧に対応する第2状態情報との間の差を用いて決定され得る。
【0010】
バッテリ状態推定方法は、前記現在時間区間の放電電流情報を補正するための補正値及び前記現在時間区間の充電電流情報を補正するための補正値のうちいずれか1つ又は両方を前記放電電流情報の積算値、前記充電電流情報の積算値、及び前記電圧誤差に対応する容量誤差に基づいて決定するステップをさらに含み得る。
【0011】
バッテリ状態推定方法は、前記現在時間区間の電流情報に基づいて放電電流積算値及び充電電流積算値を演算するステップと、前記放電電流積算値及び前記充電電流積算値の絶対値の間の比較によって放電電流情報及び充電電流情報のうち補正する電流情報を決定するステップと、前記放電電流積算値及び前記充電電流積算値の絶対値の比率と前記電圧誤差に対応する容量誤差に基づいて、前記決定された電流情報に対する補正値を決定するステップとをさらに含み得る。
【0012】
バッテリ状態推定方法は、前記現在時間区間の電流情報に基づいて放電電流積算値及び充電電流積算値を演算するステップと、前記放電電流積算値及び前記充電電流積算値の絶対値に基づいて決定される比率、前記電圧誤差に対応する容量誤差、及び放電補正比率に基づいて前記現在時間区間の放電電流情報に対する補正値を決定するステップと、前記比率、前記容量誤差、及び充電補正比率に基づいて前記現在時間区間の充電電流情報に対する補正値を決定するステップとをさらに含み得る。
【0013】
一実施形態に係るバッテリ状態情報誤差補正方法は、バッテリの現在時間区間の電気的な物理量情報を受信するステップと、前記バッテリの以前時間区間の電圧誤差に対応する容量誤差を用いて補正値を決定するステップと、前記補正値を用いて前記電気的な物理量情報を補正するステップとを含む。
【0014】
前記電圧誤差は、前記バッテリの前記以前時間区間の推定電圧情報と前記バッテリの前記以前時間区間の電圧情報との間の差である。
【0015】
前記容量誤差は、前記電圧誤差及び前記バッテリの前記以前時間区間の推定開放電圧情報に基づいて決定され得る。
【0016】
前記容量誤差は、前記以前時間区間の推定開放電圧情報で前記電圧誤差の一部値を減算した第1開放電圧に対応する第1状態情報と、前記推定開放電圧情報で前記電圧誤差の残り値を加算した第2開放電圧に対応する第2状態情報との間の差を用いて決定され得る。
【0017】
前記補正値を決定するステップは、前記容量誤差に加重値を適用するステップと、前記加重値が適用された容量誤差を定数値に割った値を前記補正値として決定するステップとを含み得る。
【0018】
前記加重値は、前記現在時間区間の電流情報及び前記以前時間区間の電流情報のうちいずれか1つ又は両方に基づいて算出される電流平均値により決定され得る。
【0019】
前記補正値を決定するステップは、前記現在時間区間の放電電流情報を補正するための補正値、及び前記現在時間区間の充電電流情報を補正するための補正値のうちいずれか1つ又は両方を前記放電電流情報の積算値、前記充電電流情報の積算値、及び前記電圧誤差に対応する容量誤差に基づいて決定するステップを含み得る。
【0020】
前記補正値を決定するステップは、前記現在時間区間の電流情報に基づいて放電電流積算値及び充電電流積算値を演算するステップと、前記放電電流積算値及び前記充電電流積算値の絶対値の間の比較によって放電電流情報及び充電電流情報のうち補正する電流情報を決定するステップと、前記放電電流積算値及び前記充電電流積算値の絶対値の比率と前記容量誤差に基づいて、前記決定された電流情報に対する補正値を決定するステップとを含み得る。
【0021】
前記補正値を決定するステップは、前記現在時間区間の電流情報に基づいて放電電流積算値及び充電電流積算値を演算するステップと、前記放電電流積算値及び前記充電電流積算値の絶対値の比率、前記容量誤差、及び放電補正比率に基づいて前記現在時間区間の放電電流情報に対する補正値を決定するステップと、前記比率、前記容量誤差、及び充電補正比率に基づいて前記現在時間区間の充電電流情報に対する補正値を決定するステップとを含み得る。
【0022】
一実施形態に係るバッテリ状態推定装置は、バッテリの以前時間区間の電圧誤差に基づいて決定された補正値を用いて、前記バッテリの現在時間区間の電気的な物理量情報を補正し、前記補正された電気的な物理量情報に基づいて前記バッテリの状態情報を決定するコントローラと、前記コントローラの動作に関する命令語を格納するメモリとを含む。
【0023】
前記コントローラは、前記電圧誤差及び前記バッテリの前記以前時間区間の推定開放電圧情報に基づいて決定された容量誤差を用いて前記補正値を決定し得る。
【0024】
前記コントローラは、前記容量誤差に加重値を適用し、前記加重値が適用された容量誤差を前記現在時間区間に対応する時間値に割った値を前記補正値として決定し得る。
【0025】
前記容量誤差は、前記推定開放電圧情報で前記電圧誤差の一部値を減算した第1開放電圧に対応する第1状態情報、及び前記推定開放電圧情報で前記電圧誤差の残り値を加算した第2開放電圧に対応する第2状態情報の間の差を用いて決定され得る。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、バッテリの状態を正確に推定することができる。また、本発明は、バッテリモデル(一例として、電気化学的モデル)の複雑度及び算出時間を増加させることなくバッテリの状態を正確に推定できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】一実施形態に係るバッテリ状態推定装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図2】一実施形態に係るバッテリ状態推定装置の区間における動作を説明するための図である。
図3】一実施形態に係る電流情報に対する補正値の決定を説明するための図である。
図4A】一実施形態に係る充電電流情報及び/又は放電電流情報に対する補正値の決定を説明するための図である。
図4B】一実施形態に係る充電電流情報及び/又は放電電流情報に対する補正値の決定を説明するための図である。
図5A】一実施形態に係る充電電流情報及び/又は放電電流情報に対する補正値の決定を説明するための図である。
図5B】一実施形態に係る充電電流情報及び/又は放電電流情報に対する補正値の決定を説明するための図である。
図6】一実施形態に係るバッテリ状態情報誤差補正方法を説明するためのフローチャートである。
図7】一実施形態に係るバッテリ状態推定方法を説明するためのフローチャートである。
図8】一実施形態に係るバッテリシステムを説明するためのブロック図である。
図9】一実施形態に係るバッテリ状態推定装置を説明するためのブロック図である。
図10】一実施形態に係る状態情報を提供する一例を説明するための図である。
図11】一実施形態に係る状態情報を提供する異なる一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付する図面を参照しながら実施形態を詳細に説明する。
【0029】
本明細書で開示されている特定の構造的又は機能的な説明は単に実施形態を説明するための目的として例示されたものであり、実施形態は様々な異なる形態で実施され、本明細書に説明された実施形態に限定されることはない。
【0030】
本明細書で用いる用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられるものであって、本発明を限定しようとする意図はない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0031】
異なる定義がされない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いられる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0032】
また、添付図面を参照して説明することにおいて、図面符号に関係なく同一の構成要素には同一の参照符号を付与し、これに対する重複説明は省略する。実施形態の説明において、関連する公知技術に対する具体的な説明が実施形態の要旨を不必要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0033】
図1は、一実施形態に係るバッテリ状態推定装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0034】
バッテリ状態推定装置は、現在時間区間(例えば、Nthperiod(N番目の期間))で動作すると仮定する。
【0035】
図1を参照すると、バッテリ状態推定装置は、バッテリの物理量情報を受信する(S110)。バッテリは、例えば、バッテリセル、バッテリモジュール、又は、バッテリパックを示す。物理量情報は、例えば、バッテリの電気的な物理量情報(一例として、電圧情報、電流情報など)と熱的物理量情報(一例として、温度情報)のいずれか1つ又はその組み合わせを含む。
【0036】
電圧情報、電流情報、及び温度情報のそれぞれは、電圧プロファイル、電流プロファイル、及び温度プロファイルとして相違に表現される。
【0037】
バッテリ状態推定装置は、単一センサ又はセンサのグループを含む検出システムからバッテリの物理量情報を受信する。別の表現にすれば、バッテリ状態推定装置は、検出システムを用いてバッテリの物理量情報を収集する。検出システムは、例えば、電圧センサ、電流センサ、及び温度センサのいずれか1つ又はその組に合わせを含む。検出システムは前述した事項に制限されない。
【0038】
バッテリ状態推定装置は、補正値を決定する(S120)。一例として、バッテリ状態推定装置は、以前時間区間(例えば、(N-1)thperiod((N-1)番目の期間))の電圧誤差に基づいて、現在時間区間の電流情報を補正するために用いられる補正値を決定する。現在時間区間は現在区間を示し、以前時間区間は以前の区間を示す。同様に、最初の時間区間は最初の区間に示し、2番目の時間区間は2番目の区間を示す。また、(N-1)th時間区間は(N-1)th区間を示し、Nth時間区間はNth区間を示す。
【0039】
電流情報に対する補正値の決定について、図3を参照して詳しく説明する。異なる一例として、バッテリ状態推定装置は、現在区間の放電電流情報を補正するために用いられる補正値、及び現在区間の充電電流情報を補正するために用いられる補正値のうち少なくとも1つを放電電流情報の積算値、充電電流情報の積算値、及び電圧誤差に対応する容量誤差に基づいて決定し得る。充電電流情報及び/又は放電電流情報に対する補正値の決定については図4A図5Bを参照して詳しく説明する。
【0040】
バッテリ状態推定装置は、電気的な物理量情報を補正する(S130)。バッテリ状態推定装置は、補正値を用いて現在区間の電流情報を補正する。例えば、補正値がIcorrectであり、現在区間の電流情報がIとすれば、バッテリ状態推定装置は、補正された電流情報I+Icorrectを生成するためにIにIcorrectを加える。
【0041】
バッテリ状態推定装置は、バッテリの状態情報を決定する(S160)。例えば、バッテリ状態推定装置は、補正された電気的な物理量情報及び/又は温度情報に基づいてバッテリの状態情報を決定する。状態情報は、例えば、充電状態(一例として、State Of Charge(SOC))、寿命状態(一例として、Stage Of Health(SOH))などを含む。一実施形態において、バッテリ状態推定装置は、バッテリモデルによってバッテリの状態情報を決定する。例えば、バッテリモデルに補正された電流情報及び/又は温度情報が入力される。バッテリモデルによってSOCなどバッテリの現在の状態、電荷又はコンディションに対する数値が算出される。
【0042】
バッテリモデルは、バッテリの特性がモデリングされたものであってもよい。バッテリモデルは、例えば、電気回路の構成によってバッテリの入力特性と出力特性がモデリングされた電気回路モデル(Electrical Circuit Model)、又はバッテリ内部の化学的作用に対する特性がモデリングされた電気化学的モデル(Electrochemical Model)であってもよい。バッテリモデルは前述した事項に制限されない。
【0043】
バッテリモデルは、バッテリ状態推定装置内に格納される。これに制限されず、バッテリモデルは、バッテリ状態推定装置外部に位置するメモリに格納される。
【0044】
バッテリ状態推定装置は、電圧誤差を演算する(S140)。一実施形態において、バッテリ状態推定装置は、現在区間の電圧情報及び推定電圧情報に基づいて電圧誤差を演算する。例えば、バッテリ状態推定装置は、下記の数式(1)により電圧誤差△Vを演算する。
【0045】
△V=V検出-V推定 (1)
数式(1)で、電圧情報V検出は、現在区間で検出された(又は、測定された)バッテリの電圧を示す。推定電圧情報V推定は、現在区間で推定されたバッテリの電圧を示す。推定電圧情報V推定は、バッテリモデルによって決定される。例えば、バッテリモデルは、物理量情報(一例として、補正された電流情報及び/又は温度情報)が入力され、入力された物理量情報に基づいて推定電圧情報V推定を決定する。
【0046】
バッテリ状態推定装置は、電圧誤差に基づいて容量誤差を決定する(S150)。一実施形態において、バッテリ状態推定装置は、電圧誤差及びバッテリの推定開放電圧(Open Circuit Voltage:OCV)情報を用いて容量誤差を決定する。ここで、推定開放電圧情報は、現在区間で推定されたバッテリの開放回路電圧を示す。推定開放電圧情報は、バッテリモデルによって決定される。例えば、バッテリモデルは、物理量情報(一例として、補正された電流情報及び/又は温度情報)が入力され、入力された物理量情報に基づいてバッテリの推定開放電圧情報を決定する。
【0047】
バッテリ状態推定装置は、推定開放電圧情報で電圧誤差の一部の値を減算した第1開放電圧、及び推定開放電圧情報で電圧誤差の残り値を加算した第2開放電圧を決定する。例えば、バッテリ状態推定装置は、下記の数式(2)により第1開放電圧及び第2開放電圧を決定する。
【0048】
第1開放電圧=推定OCV-α
第2開放電圧=推定OCV+β
α+β=△V (2)
数式(2)で、推定OCVは推定開放電圧情報を示す。一実施形態において、α及びβそれぞれは△V/2であって、互いに同一である。実施により、α及びβそれぞれはそれぞれ異なってもよい。
【0049】
バッテリ状態推定装置は、予め定義された対応情報を参照して第1開放電圧に対応する第1状態情報及び第2開放電圧に対応する第2状態情報を決定する。ここで、予め定義された対応情報は、OCV-SOCルックアップテーブル又はOCV-SOCカーブを含む。下記の表1はOCV-SOCルックアップテーブルに対する一例を示す。OCV-SOCルックアップテーブルは下記の表1に制限されることはない。
【0050】
【表1】
バッテリ状態推定装置は、第2状態情報と第1状態情報との間の差を用いて容量誤差を決定する。例えば、バッテリ状態推定装置は、下記の数式(3)により容量誤差を決定する。
【0051】
△capacity=△SOC×capacity (3)
数式(3)で、△SOCは第2状態情報と第1状態情報との間の差を示し、capacityはバッテリの容量を示し、△capacityは容量誤差を示す。
【0052】
現在区間の容量誤差△capacityは以降区間(例えば、(N+1)thperiod))の電気的な物理量情報を補正するための補正値を決定するために用いてもよい。
【0053】
図2は、一実施形態に係るバッテリ状態推定装置の区間における動作を説明するための図である。
【0054】
図2に示された最初の区間210について説明すれば、入力電流のグラフ211が示されている。入力電流は、最初の区間210におけるバッテリの電流(一例として、充電電流又は放電電流)を示す。
【0055】
電流センサは、センサノイズを有する。センサノイズに対するグラフ212が示されている。そのため、電流センサの測定電流情報はセンサノイズを含む。測定電流情報に対するグラフ213が示されている。グラフ213には、グラフ211で示されていないセンサノイズが観察される。測定電流情報は、図1を参照して説明した電流情報に対応する。
【0056】
バッテリ状態推定装置は、測定電流情報を電流センサから受信する。また、図2には示していないが、バッテリ状態推定装置は、電圧センサから測定電圧情報を受信し、温度センサから測定温度情報を受信する。測定電圧情報は、図1を参照して説明した電圧情報V検出に対応し、測定温度情報は図1を参照して説明した温度情報に対応する。
【0057】
バッテリ状態推定装置は、測定電流情報をバッテリモデル214に入力する。また、図2には示していないが、バッテリ状態推定装置は、測定温度情報をバッテリモデル214に入力する。バッテリモデル214は、測定電流情報及び測定温度情報のうち少なくとも1つに基づいて、最初の区間210におけるバッテリの状態情報を決定する。また、バッテリモデル214は、測定電流情報及び測定温度情報のうち少なくとも1つに基づいて、最初の区間210におけるバッテリの電圧を推定する。別の表現にすれば、最初の区間210における推定電圧情報が決定される。
【0058】
グラフ215は、測定電圧情報及び推定電圧情報を示す。上記で説明したように、バッテリモデル214が有する誤差によって測定電圧情報及び推定電圧情報は異なってもよい。
【0059】
バッテリ状態推定装置は、測定電圧情報と推定電圧情報との間の差を演算して、最初の区間210における電圧誤差△Vを決定する。図2に示すように、バッテリ状態推定装置は、最初の区間210における測定電圧情報の最後の値と推定電圧情報の最後の値との間の差を演算して、電圧誤差△Vを決定し得る。実施により、バッテリ状態推定装置は、最初の区間210の「測定電圧情報-推定電圧情報」(又は、「測定電圧情報-推定電圧情報」の絶対値)の平均値を電圧誤差△Vとして決定する。電圧誤差△Vの決定に対する説明は例示的な事項である。したがって、電圧誤差△Vの決定は前述した事項に制限されることはない。
【0060】
バッテリ状態推定装置は、電圧誤差△Vに基づいて以降区間、すなわち、2番目の区間の測定電流を補正するために用いられる補正値を決定する。補正値決定については後述する。
【0061】
最初の区間210で決定された補正値に対するグラフ216が示されている。
【0062】
N番目の区間Nthperiod220が開始すると仮定する。バッテリ状態推定装置は、N番目の区間220における測定電流情報を受信する。
【0063】
バッテリ状態推定装置は、以前の区間(N-1)thperiodの電圧誤差に基づいて決定された補正値を用いて、N番目の区間220における測定電流情報を補正し得る。バッテリ状態推定装置は、補正された測定電流情報及び/又は測定温度情報をバッテリモデルに入力する。バッテリモデルは、補正された測定電流情報及び/又は測定温度情報に基づいて、N番目の区間220におけるバッテリの状態情報を決定できる。
【0064】
図1を参照して説明された事項は、図2を参照して説明された事項に適用され得るため、詳細な説明は省略する。
【0065】
図3は、一実施形態に係る電流情報に対する補正値の決定を説明するための図である。
【0066】
図3を参照すると、Nthperiodの測定電流情報を補正するために用いられる補正値は、(N-1)thperiodの△V330及び推定OCV情報311に基づいて決定される。以下、補正値決定について詳細に説明する。
【0067】
バッテリモデル310は、(N-1)thperiodの補正された測定電流情報及び測定温度情報が入力される。バッテリモデル310は、(N-1)thperiodの補正された測定電流情報及び測定温度情報のうち少なくとも1つに基づいて、バッテリの(N-1)thperiodの推定OCV情報311及び推定電圧情報312を決定する。
【0068】
バッテリ状態推定装置は、(N-1)thperiodの測定電圧情報320及び推定電圧情報312を用いて△V330を決定する。
【0069】
バッテリ状態推定装置は、推定OCV311情報及び△V330に基づいて第1OCV及び第2OCVを決定する。例えば、第1OCVは、推定OCV311から電圧誤差△V330の一部値αを減算した値であり、第2OCVは、推定OCV311から電圧誤差△V330の残り値βを減算した値である。
【0070】
バッテリ状態推定装置は、OCV-SOCカーブ340を参照して第1OCVに対応する第1SOC及び第2OCVに対応する第2SOCを決定する。第1SOC及び第2SOCが決定されれば、バッテリ状態推定装置は△SOCを演算する。△SOC=第2SOC-第1SOCである。
【0071】
バッテリ状態推定装置は、△SOCとバッテリの容量を乗算して(N-1)thperiodの容量誤差△capacityを演算する。バッテリ状態推定装置は、△capacityをメモリ又はバッファに格納する。
【0072】
thperiodを開始すれば、電流センサはバッテリの電流を検出する。バッテリ状態推定装置は、Nthperiodの電流情報350を収集する。Nthperiodの電流情報350に対するグラフが示されている。
【0073】
バッテリ状態推定装置は、△capacityに基づいてNthperiodで補正する容量△capacity_Nを決定する。一実施形態において、バッテリ状態推定装置は、△capacityに加重値(weight)を適用して△capacity_Nを決定する。例えば、バッテリ状態推定装置は、下記の数式(4)により△capacity_Nを決定することができる。
【0074】
△capacity_N=△capacity×w (4)
数式(4)で、wは加重値を示す。加重値は、現在時間区間の電流情報及び以前時間区間の電流情報のうち少なくとも1つに基づいて算出される電流平均値により決定される。電流平均値が大きければ、小さい加重値が決定される。電流平均値が大きければ、Nthperiodの電流情報が補正値に補正されるとき、補正値によって誤差が発生する可能性がある。そのため、小さい加重値が決定され得る。電流平均値が小さければ、大きい加重値が決定される。電流平均値が小さければ、Nthperiodの電流情報が補正値に補正されるとき、補正値による誤差が発生しない。そのため、大きい加重値が決定され得る。以下、加重値の決定について詳しく説明する。
【0075】
バッテリ状態推定装置は電流平均値を算出する。電流平均値は、例えば、Nthperiodの電流情報の絶対値の平均値、Nthperiodの電流情報の平均値、又はNthperiodを含んでいる最近m個の区間の電流情報の移動平均値である。バッテリ状態推定装置は、電流平均値によりwを決定する。例えば、バッテリ状態推定装置は、電流平均値が予め決定した基準(例えば、1C-rate)以上であれば、w=0.1に決定し、電流平均値が予め決定した基準未満であれば、w=0.01に決定する。wに対する数値は例示的な事項に過ぎず、wは前述した事項に制限されない。異なる一例として、バッテリ状態推定装置は、電流値とwとの間の対応関係を示す対応情報を参照してwを決定する。対応情報は、電流値-wに対するテーブル又は関数を含む。下記の表2は、電流値-wに対するテーブルの一例を示す。電流値-wに対するテーブルは下記の表2に制限されない。
【0076】
【表2】
電流平均値が0.1C-rateとして算出された場合、バッテリ状態推定装置はw=0.2として決定する。
【0077】
数式(4)によって算出された△capacity_Nは正数又は負数である。△capacity_Nが正数(positive number)であることは、センサノイズ及び/又はバッテリモデルが有する誤差によって状態情報にバッテリの実際の放電容量が反映されないことを意味する。後述するが、バッテリ状態推定装置は、状態情報に実際の放電容量が反映されるように、△capacity_Nに対応する補正値だけ電流情報を補正する。また、△capacity_Nが負数(negative number)であることは、センサノイズ及び/又はバッテリモデルが有する誤差によって状態情報にバッテリの実際の充電容量が反映されないことを意味する。後述するが、バッテリ状態推定装置は、状態情報に実際の充電容量が反映されるように、△capacity_Nに対応する補正値だけ電流情報を補正する。
【0078】
バッテリ状態推定装置は、△capacity_Nを定数値で割った値を補正値として決定する。定数値は状態情報のアップデート周期として、Nthperiodの長さである。例えば、定数値は100ms(millisecond)であり得る。定数値は前述した事項に制限されない。また、定数値は設定によって変更され得る。
【0079】
図3に示された例は図2に示された例とは異なって、補正値は、現在時間区間Nthperiodとして決定される。図2に示された例の場合、補正値は以前時間区間(N-1)thperiodとして決定される。
【0080】
バッテリ状態推定装置は、補正値を用いてNthperiodの電流情報350を補正する。上記で説明したように、バッテリ状態推定装置は、電流情報350に補正値を加えてもよい。
【0081】
補正された電流情報の一例360が示されている。太い実線が補正された電流情報を示す。△capacity_Nが正数であれば、すなわち、補正値が正数であれば、現在時間区間の電流情報は補正値だけ上にシフトされる。そのため、0よりも大きい電流情報が補正前よりも多くなるため、現在時間区間の状態情報には放電容量がさらに反映される。
【0082】
補正された電流情報の他の一例370が示されている。太い実線が補正された電流情報を示す。△capacity_Nが負数であれば、すなわち、補正値が負数であれば、現在時間区間の電流情報は補正値だけ下にシフトされる。そのため、0よりも小さい電流情報が補正前よりも多くなるため、現在時間区間の状態情報には充電容量がさらに反映される。
【0083】
図4A図5Bは、一実施形態に係る充電電流情報及び/又は放電電流情報に対する補正値の決定を説明するための図である。
【0084】
図4A図5Bを参照すると、バッテリ状態推定装置は、充電電流情報及び/又は放電電流情報に対する補正値を決定する。以下、図4A図5Bのそれぞれに示された例について説明する。
【0085】
図4Aに示された例の場合、バッテリ状態推定装置はNthperiodで△capacity_Nを決定する。△capacity_Nの決定に対しては上記で説明したため、詳しい説明を省略する。
【0086】
バッテリ状態推定装置はNthperiodの放電電流積算(accumulation)値と充電電流積算値を演算する。放電電流積算値は、Nthperiodの放電電流情報の積算値である。言い換えれば、放電電流積算値は、Nthperiodの電流情報410のうち0よりも大きい電流情報の合計を示す。充電電流積算値は、Nthperiodの充電電流情報の積算値である。言い換えれば、充電電流積算値は、Nthperiodの電流情報410のうち0よりも小さい電流情報の合計を示す。充電電流積算値は負数であり得る。バッテリ状態推定装置は、充電電流積算値に絶対値を適用する。バッテリ状態推定装置は、例えば、下記の数式(5)により放電電流積算値を演算し、下記の数式(6)により充電電流積算値を演算する。
【0087】
Coulomb_countingdischarge=a
a*=abs(a) (5)
数式(5)で、aは放電電流積算値を示し、abs()は絶対値を示す。実施により、バッテリ状態推定装置はaに絶対値を適用しなくてもよい。
【0088】
Coulomb_countingcharge=b
b*=abs(b) (6)
数式(6)で、bは充電電流積算値を示し、abs()は絶対値を示す。
【0089】
バッテリ状態推定装置はa*とb*間の比較結果によって放電電流情報を補正するか、又は充電電流情報を補正するかを決定する。別の表現にすれば、バッテリ状態推定装置は、a*とb*間の比較結果に基づいて、放電電流情報及び充電電流情報のうち補正する電流情報を決定する。バッテリ状態推定装置は、a*(又は、a)とb*に基づいて決定される比率と電圧誤差に対応する容量誤差△capacity_Nに基づいて、補正する電流情報に対する補正値を決定する。以下、詳しく説明する。
【0090】
a*>b*(又は、a>b*)であれば、バッテリ状態推定装置は、放電電流情報を補正する。この場合、バッテリ状態推定装置は、a*+b*とa*(又は、a+b*とa)の間の比率及び△Capacity_Nに基づいて、放電電流情報に対する容量誤差△Capacitydischargeを決定する。バッテリ状態推定装置は、△Capacitydischargeに基づいて放電電流情報に対する補正値I_correctdischargeを決定する。例えば、a*>b*であれば、バッテリ状態推定装置は、下記の数式(7)によりI_correctdischargeを決定する。
【0091】
△Capacitydischarge=△Capacity_N×((a*+b*)/a*)
I_correctdischarge=△Capacitydischarge/dt (7)
数式(7)で、dtは上記で説明した定数値である。dtは、例えば、Nthperiodの長さである。実施により、数式(7)において((a*+b*)/a*)は(a*/(a*+b*))に代替される。
【0092】
バッテリ状態推定装置は、放電電流情報にI_correctdischargeを加えて放電電流情報を補正する。補正された電流情報420が示されている。補正された電流情報420で、放電電流情報がI_correctdischargeだけ上にシフトされる。
【0093】
a*<b*(又は、a<b*)であれば、バッテリ状態推定装置は、充電電流情報を補正するものと決定する。この場合、バッテリ状態推定装置は、a*+b*とb*(又は、a+b*とb*)間の比率、及び△Capacity_Nに基づいて充電電流情報に対する容量誤差△Capacitychargeを決定する。バッテリ状態推定装置は、△Capacitychargeに基づいて充電電流情報に対する補正値I_correctchargeを決定する。a*>b*であれば、バッテリ状態推定装置は、例えば、下記の数式(8)によりI_correctchargeを決定する。
【0094】
△Capacitycharge=△Capacity_N×((a*+b*)/b*)
I_correctcharge=△Capacitycharge/dt (8)
実施により、数式(8)で、((a*+b*)/b*)は(b*/(a*+b*))に代替される。
【0095】
バッテリ状態推定装置は、充電電流情報からI_correctchargeを差し引いて充電電流情報を補正する。補正された電流情報430が示されている。補正された電流情報430で、充電電流情報はI_correctchargeだけ下にシフトされる。
【0096】
a*=b*であれば、バッテリ状態推定装置は、放電電流情報及び充電電流情報のうちいずれかを補正するかを任意に決定し得る。
【0097】
図4Bに示された例の場合、バッテリ状態推定装置は、充電電流情報及び放電電流情報の全てを補正できる。この場合、バッテリ状態推定装置は、a*(又は、a)とb*に基づいて決定される比率、及び△Capacity_Nだけではなく、放電補正比率をさらに考慮して放電電流情報に対する補正値を決定する。また、バッテリ状態推定装置は、a*(又は、a)とb*に基づいて決定される比率、及び△Capacity_Nだけではなく、充電補正比率をさらに考慮して充電電流情報に対する補正値を決定する。以下で詳しく説明する。
【0098】
バッテリ状態推定装置は、a*+b*とa*(又は、a+b*とb*)間の比率、放電補正比率、及び△Capacity_Nに基づいて放電電流情報に対する容量誤差△Capacitydischargeを決定する。バッテリ状態推定装置は、△Capacitydischargeに基づいて、放電電流情報に対する補正値I_correctdischargeを決定する。また、バッテリ状態推定装置は、a*+b*とb*(又は、a+b*とb*)間の比率、充電補正比率、及び△Capacity_Nに基づいて充電電流情報に対する容量誤差△Capacitychargeを決定する。バッテリ状態推定装置は、△Capacitychargeに基づいて充電電流情報に対する補正値I_correctchargeを決定する。バッテリ状態推定装置は、例えば、下記の数式(9)によりI_correctdischargeを決定し、下記の数式(10)によりI_correctchargeを決定する。
【0099】
△Capacitydischarge=△Capacity_N×x×((a*+b*)/a*)
I_correctdischarge=△Capacitydischarge/dt (9)
【0100】
△Capacitycharge=△Capacity_N×y×((a*+b*)/b*)
I_correctcharge=△Capacitycharge/dt (10)
数式(9)で、xは放電補正比率を示す。数式(10)で、yは充電補正比率を示す。一実施形態において、x=y=0.5であり得る。これに制限されず、バッテリ状態推定装置は、バッテリの状態情報(例えば、SOC)に基づいてx及びyを決定し得る。例えば、SOC≧80%であれば、バッテリ状態推定装置はx=0.7、y=0.3に決定され、20%<SOC<80%であれば、バッテリ状態推定装置はx=0.5、y=0.5に決定される。SOC≦20%であれば、バッテリ状態推定装置はx=0.3、y=0.7に決定される。
【0101】
実施により、数式(9)で、((a*+b*)/a*)は(a*/(a*+b*))に代替され、数式(10)で、((a*+b*)/b*)は(b*/(a*+b*))に代替される。
【0102】
バッテリ状態推定装置は、放電電流情報に放電補正比率が考慮された補正値I_correctdischargeを加え、充電補正比率が考慮された補正値I_correctchargeを充電電流情報から差し引く。そのため、現在時間区間の電流情報410が補正され得る。補正された電流情報440が示されている。補正された電流情報440で、放電電流情報は放電補正比率が考慮された補正値I_correctdischargeだけ上にシフトされ、放電電流情報は、充電補正比率が考慮された補正値I_correctchargeだけ下にシフトされる。
【0103】
図5Aに示された例の場合、バッテリ状態推定装置は、a*とb*を演算する。a*とb*に対する演算は図4Aを参照して説明したので、詳しい説明を省略する。
【0104】
バッテリ状態推定装置は、a*(又は、a)とb*間の比較結果によって放電電流情報及び充電電流情報のうち補正する電流情報を決定する。バッテリ状態推定装置は、a*(又は、a)とb*に基づいて決定される比率と△Capacity_Nに基づいて、補正する電流情報に対する補正値を決定する。以下で詳しく説明する。
【0105】
a*>b*であれば、バッテリ状態推定装置は、放電電流情報を補正するものと決定する。バッテリ状態推定装置は、△Capacitydischargeを決定する。△Capacitydischargeに対しては数式(7)を参照して説明したので、詳しい説明を省略する。△Capacitydischargeが決定されれば、バッテリ状態推定装置は、下記の数式(11)を成立させる放電加重値因子(factor)を決定し得る。
【0106】
【数1】
数式(11)で、Idischargeは現在時間区間(Nthperiod)の放電電流情報を示し、wfdischargeは放電加重値因子を示す。
【0107】
放電加重値因子は、放電電流情報に対する補正値を示す。バッテリ状態推定装置は、放電電流情報に放電加重値因子を適用する。そのため、現在時間区間の電流情報510が補正される。補正された電流情報520が示されている。
【0108】
a*<b*であれば、バッテリ状態推定装置は、充電電流情報を補正するものと決定する。この場合、バッテリ状態推定装置は、△Capacitychargeを決定する。△Capacitychargeに対しては数式(8)によって説明したので、詳しい説明を省略する。△Capacitychargeが決定されれば、バッテリ状態推定装置は、下記の数式(12)を成立させる充電加重値因子を決定する。
【0109】
【数2】
数式(12)で、Ichargeは現在時間区間(Nthperiod)の充電電流情報を示し、wfchargeは充電加重値因子を示す。
【0110】
充電加重値因子は、充電電流情報に対する補正値を示す。バッテリ状態推定装置は、充電電流情報に充電加重値因子を適用して現在時間区間の電流情報510を補正する。補正された電流情報530が示されている。
【0111】
a*=b*であれば、バッテリ状態推定装置は、放電電流情報及び充電電流情報のいずれを補正するかを任意に決定する。
【0112】
図5Bに示された例の場合、バッテリ状態推定装置は、放電電流情報及び充電電流情報皆を補正する。この場合、バッテリ状態推定装置は、放電補正比率を考慮して放電電流情報に対する容量誤差を決定し、充電補正比率を考慮して充電電流情報に対する容量誤差を決定する。例えば、バッテリ状態推定装置は、上記の数式(9)によって説明した△Capacitydischargeを決定し、上記の数式(10)を用いて説明した△Capacitychargeを決定する。△Capacitydischargeが決定されれば、上記の数式(11)を成立させる放電加重値因子が決定され、△Capacitychargeが決定されれば、上記の数式(12)を成立させる充電加重値因子が決定される。
【0113】
バッテリ状態推定装置は、放電電流情報に放電加重値因子を適用し、充電電流情報に充電加重値因子を適用する。補正された電流情報540が示されている。
【0114】
図6は、一実施形態に係るバッテリ状態情報誤差補正方法を説明するためのフローチャートである。
【0115】
バッテリ状態情報誤差補正方法は、バッテリ状態推定装置によって実行される。
【0116】
図6を参照すると、バッテリ状態推定装置は、バッテリの現在時間区間の電気的な物理量情報を受信する(S610)。
【0117】
バッテリ状態推定装置は、バッテリの以前時間区間の電圧誤差に対応する容量誤差を用いて補正値を決定する(S620)。
【0118】
バッテリ状態推定装置は、補正値を用いて現在時間区間の電気的な物理量情報を補正する(S630)。
【0119】
図1図5を参照して説明された事項は図6を参照して説明された事項に適用され得るため、詳細な説明は省略する。
【0120】
図7は、一実施形態に係るバッテリ状態推定方法を説明するためのフローチャートである。
【0121】
バッテリ状態推定方法は、バッテリ状態推定装置によって実行される。
【0122】
図7を参照すると、バッテリ状態推定装置は、バッテリの現在時間区間の物理量情報を受信する(S710)。物理量情報は、例えば、電流情報、電圧情報、及び温度情報のうちいずれか1つ又はその組み合わせを含む。
【0123】
バッテリ状態推定装置は、バッテリの以前時間区間の電圧誤差に基づいて決定された補正値を用いて、物理量情報のうち電気的な物理量情報を補正する(S720)。図2を参照して説明したように、補正値は以前時間区間で決定される。また、図3を参照して説明したように、補正値は現在時間区間で決定される。
【0124】
バッテリ状態推定装置は、補正された電気的な物理量情報に基づいてバッテリの状態情報を決定する(S730)。例えば、バッテリ状態推定装置は、補正された電流情報に基づいて、バッテリの現在時間区間の状態情報を決定する。また、バッテリ状態推定装置は、温度情報及び電圧情報のうちの1つ以上と補正された電流情報に基づいてバッテリの現在時間区間の状態情報を決定することができる。
【0125】
一実施形態に係るバッテリ状態推定装置は、バッテリモデル内のパラメータを補正することなく、バッテリモデルから入力される物理量情報を補正する。そのため、バッテリモデルの構造変更、バッテリモデルの複雑度、及び/又は算出処理量が大きく増加せずに、補正された物理量に基づいてバッテリの状態が推定され、推定正確度が増加する。また、バッテリモデルとして電気化学的モデルが用いられる場合、バッテリの内部状態(例えば、負極電位、リチウムイオンの濃度など)に関する情報が損失されることなく格納され得る。
【0126】
図1図6を参照して説明された事項は、図7を参照して説明された事項に適用され得るため、詳細な説明は省略する。
【0127】
図8は、一実施形態に係るバッテリシステムを説明するためのブロック図である。
【0128】
図8を参照すると、バッテリシステム800は、バッテリ810、検出システム820、830、及び840、及びバッテリ状態推定装置850を含む。
【0129】
検出システム820、830、及び840は、バッテリ状態推定装置850外部に位置するものとして図示されている。検出システム820、830、及び840は、バッテリ状態推定装置850内部に位置する。
【0130】
バッテリ状態推定装置850は、コントローラ860及びメモリ870を含む。
【0131】
コントローラ860は、バッテリの現在時間区間の物理量情報を受信する。コントローラ860は、例えば、検出システム820、830、及び840からバッテリ810の物理量情報を受信する。別の表現にすれば、コントローラ860は、検出システム820、830、及び840を用いてバッテリ810の物理量情報を収集する。
【0132】
コントローラ860は、バッテリの以前時間区間の電圧誤差に基づいて決定された補正値を用いて、バッテリの電気的な物理量情報を補正する。
【0133】
コントローラ860は、補正された電気的な物理量情報に基づいてバッテリの状態情報を決定する。
【0134】
メモリ870は、コントローラ860の動作に関する1つ以上の命令語を格納する。1つ以上の命令語が実行されれば、前述したコントローラ860の動作が実行される。
【0135】
図1図7を参照して説明された事項は、図8を参照して説明された事項に適用され得るため、詳細な説明は省略する。
【0136】
図9は、一実施形態に係るバッテリ状態情報誤差補正装置を説明するためのブロック図である。
【0137】
図9を参照すると、バッテリ状態情報誤差補正装置900は、コントローラ910及びメモリ920を含む。
【0138】
コントローラ910は、バッテリの現在時間区間の電気的な物理量情報を受信する。
【0139】
コントローラ910は、バッテリの以前時間区間の電圧誤差に対応する容量誤差を用いて補正値を決定する。
【0140】
コントローラ910は、補正値を用いて電気的な物理量情報を補正する。
【0141】
メモリ920は、コントローラ910の動作に関する1つ以上の命令語を格納する。1つ以上の命令語が実行されれば、前述したコントローラ910の動作が実行される。
【0142】
図1図8を参照して説明された事項は、図9を参照して説明された事項に適用され得るため、詳細な説明は省略する。
【0143】
図10は、一実施形態に係る状態情報を提供する一例を説明するための図である。
【0144】
図10を参照すると、自動車1010が示されている。自動車1010は、電気自動車又はハイブリッド自動車であり得る。
【0145】
バッテリシステム1020は、バッテリパック1030及びバッテリ管理システム(Battery Management System:BMS)1040を含む。図10に図示された例とは異なって、バッテリ管理システム1040はバッテリパック1030に含まれてよい。
【0146】
バッテリパック1030は、複数のバッテリモジュール1031、1032、及び1033を含む。ここで、複数のバッテリモジュール1031、1032、及び1033のそれぞれは複数のバッテリセルを含む。
【0147】
バッテリ管理システム1040は、マスタバッテリ管理装置1044及び複数のスレーブバッテリ管理装置1041、1042、及び1043を含む。
【0148】
複数のスレーブバッテリ管理装置1041、1042、及び1043のそれぞれは、上記で説明したバッテリ状態推定装置(図示せず)を含む。別の表現にすれば、複数のスレーブバッテリ管理装置1041、1042、及び1043は、上記で説明したバッテリ状態情報誤差補正方法及び/又はバッテリ状態推定方法を行う。
【0149】
実施により、マスタバッテリ管理装置1044がバッテリ状態推定装置を含んでもよい。別の表現にすれば、マスタバッテリ管理装置1044は、上記で説明したバッテリ状態情報誤差補正方法及び/又はバッテリ状態推定方法を行う。
【0150】
バッテリ管理システム1040は、エネルギー格納装置(Energy Storage System;ESS)のような大容量バッテリ管理システムに搭載される。また、バッテリ管理システム1040は、充電可能なバッテリが搭載される電子機器又は機器管理システムに搭載される。
【0151】
図1図9を参照して説明された事項は、図10を参照して説明された事項に適用され得るため、詳細な説明は省略する。
【0152】
図11は、一実施形態に係るバッテリの状態情報を提供する異なる一例を説明するための図である。
【0153】
図11を参照すると、複数のバッテリそれぞれの状態情報1110が計器盤に出力される。ここで、バッテリは、バッテリセル又はバッテリモジュールを示す。また、図11には図示していないが、バッテリパックに対する状態情報1110が計器盤に出力されてもよい。
【0154】
バッテリ管理システムは、バッテリの状態情報をECU(Electronic Control Unit)に送信し、ECUはバッテリの状態情報を計器盤に出力し得る。
【0155】
図1図10を参照して説明された事項は、図11を参照して説明された事項に適用され得るため、詳細な説明は省略する。
【0156】
実施例に係る方法は、多様なコンピュータ手段を介して実施されるプログラム命令の形態で具現化され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独又は組み合わせて含む。記録媒体及びプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計して構成されたものであってよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり、使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気-光媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含む。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。ハードウェア装置は、本発明の動作を実行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成されてよく、その逆も同様である。
【0157】
上述のように実施例をたとえ限定された図面によって説明しても、当技の術分野で通常の知識を有する者であれば、前記に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が、説明された方法と異なる順序で実行されたり、かつ/あるいは、説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法と異なる形態で結合又は組み合わせられたり、他の構成要素又は均等物によって置き換えたり、置換されても適切な結果を達成することができる。
【0158】
したがって、他の具現、他の実施例、及び請求範囲と均等なものも後述する請求範囲の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0159】
210 最初の区間
220 N番目の区間
310 バッテリモデル
320 測定電圧情報
810 バッテリ
820 検出システム
860 コントローラ
870 メモリ
910 コントローラ
920 メモリ
1030 バッテリパック
1040 バッテリ管理システム
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11