(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-19
(45)【発行日】2022-05-27
(54)【発明の名称】蓄電池管理方法、蓄電池管理装置及び蓄電池管理プログラム
(51)【国際特許分類】
H01M 10/42 20060101AFI20220520BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
H01M10/42 P
H02J7/00 Z
(21)【出願番号】P 2018133817
(22)【出願日】2018-07-17
【審査請求日】2021-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社エンビジョンAESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【氏名又は名称】小山 卓志
(74)【代理人】
【識別番号】100088041
【氏名又は名称】阿部 龍吉
(72)【発明者】
【氏名】海野 誠
【審査官】赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-212534(JP,A)
【文献】特開2011-124159(JP,A)
【文献】特開2014-11060(JP,A)
【文献】特開2001-43901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/42-10/48
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池の載置方向を取得する載置方向取得ステップと、
前記載置方向取得ステップにより取得された前記載置方向に基づいて、前記載置方向毎に、前記蓄電池が載置された累積載置時間及び前記蓄電池が使用された累積使用時間の少なくとも一方を、載置時間として管理する載置時間管理ステップと、
前記載置時間管理ステップにより管理されている前記載置時間に基づいて、前記蓄電池の前記載置方向を決定する決定ステップと、を備える、
蓄電池管理方法。
【請求項2】
前記決定ステップは、前記載置方向毎の前記載置時間を比較し、前記載置時間が短い方の載置方向を、前記蓄電池の前記載置方向として決定する、
請求項1に記載の蓄電池管理方法。
【請求項3】
前記載置方向取得ステップにより取得された前記載置方向と、前記決定ステップにより決定された前記載置方向とに基づいて、前記載置方向に関する載置方向出力情報を出力する出力ステップを備える、
請求項1又は請求項2に記載の蓄電池管理方法。
【請求項4】
前記出力ステップは、前記載置方向取得ステップにより取得された前記載置方向と、前記決定ステップにより決定された前記載置方向とが異なるとき、前記載置方向出力情報として、載置方向の変更が必要である旨を示す載置方向変更情報を出力する、
請求項3に記載の蓄電池管理方法。
【請求項5】
前記蓄電池の履歴情報を管理する履歴管理ステップと、
前記履歴管理ステップにより管理されている前記履歴情報に基づいて、前記載置時間管理ステップにより管理されている前記載置時間を補正する補正ステップと、を備える、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の蓄電池管理方法。
【請求項6】
蓄電池の載置方向を取得する載置方向取得手段と、
前記載置方向取得手段により取得された前記載置方向に基づいて、前記載置方向毎に、前記蓄電池が載置された累積載置時間及び前記蓄電池が使用された累積使用時間の少なくとも一方を、載置時間として管理する載置時間管理手段と、
前記載置時間管理手段により管理されている前記載置時間に基づいて、前記蓄電池の前記載置方向を決定する決定手段と、を備える、
蓄電池管理装置。
【請求項7】
蓄電池の載置方向を取得する載置方向取得ステップと、
前記載置方向取得ステップにより取得された前記載置方向に基づいて、前記載置方向毎に、前記蓄電池が載置された累積載置時間及び前記蓄電池が使用された累積使用時間の少なくとも一方を、載置時間として管理する載置時間管理ステップと、
前記載置時間管理ステップにより管理されている前記載置時間に基づいて、前記蓄電池の前記載置方向を決定する決定ステップと、をコンピュータに実行させる、
蓄電池管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池管理方法、蓄電池管理装置及び蓄電池管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題やエネルギー問題に対する関心が高まる中、様々な分野の製品で蓄電池が使用されている。その例としては、電気自動車、電動フォークリフト、電車、電動アシスト自転車等の電動車両、ドローン、無人ヘリコプター等の無人航空機(UAV)、非常用電源やピークシフト等を目的とする定置用蓄電池等が挙げられる。
【0003】
このような蓄電池は、例えば、複数の電池セルが積層された積層体と、この積層体を含浸する電解液とを、蓄電池の容器に収容した構造を有している。そのため、蓄電池が、長期間同一の方向で載置された状態のまま使用された場合、電解液の濃度に偏りが発生することにより、蓄電池の充放電特性が低下し、蓄電池の寿命が短縮してしまう。
【0004】
そこで、蓄電池の寿命が短縮しないように、特許文献1には、満充電の蓄電池を所定の時間放電し、その後、所定の時間充電する充放電パターンを1サイクルとしたときに、蓄電池の上下の位置を、所定のサイクル(例えば、50~200)ごとに反転させて使用する蓄電池の使用方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、蓄電池の充放電状態として、上記のような特定の充放電パターンを単純に繰り返すような場合だけでなく、例えば、満充電の蓄電池を、充電率が50%になるまで放電した後しばらく放電しなかったり、蓄電池を満充電まで充電した状態でしばらく放電しなかったりというように、充放電を不規則に行うような場合も当然想定され得る。
【0007】
しかし、特許文献1に開示された蓄電池の使用方法では、特定の充放電パターンが所定のサイクル数(例えば、50~200)だけ行われるごとに、蓄電池の上下の位置を反転させて使用するものであるため、上記のように、充放電を不規則に行うような場合には、蓄電池の上下の位置を反転させるタイミングにばらつきが発生することになる。そのため、電解液の濃度の偏りをタイミング良く解消することができないため、蓄電池の寿命の短縮化を確実に防止することができない。
【0008】
本発明は、蓄電池の充放電状態に関わらず、蓄電池の寿命の短縮化を確実に防止することができる蓄電池管理方法、蓄電池管理装置及び蓄電池管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するものであって、本発明の一実施形態に係る蓄電池管理方法は、
蓄電池の載置方向を取得する載置方向取得ステップと、
前記載置方向取得ステップにより取得された前記載置方向に基づいて、前記載置方向毎に、前記蓄電池が載置された累積載置時間及び前記蓄電池が使用された累積使用時間の少なくとも一方を、載置時間として管理する載置時間管理ステップと、
前記載置時間管理ステップにより管理されている前記載置時間に基づいて、前記蓄電池の前記載置方向を決定する決定ステップと、を備える。
【0010】
また、本発明の一実施形態に係る蓄電池管理方法は、
前記決定ステップは、前記載置方向毎の前記載置時間を比較し、前記載置時間が短い方の載置方向を、前記蓄電池の前記載置方向として決定する。
【0011】
また、本発明の一実施形態に係る蓄電池管理方法は、
前記載置方向取得ステップにより取得された前記載置方向と、前記決定ステップにより決定された前記載置方向とに基づいて、前記載置方向に関する載置方向出力情報を出力する出力ステップを備える。
【0012】
また、本発明の一実施形態に係る蓄電池管理方法は、
前記出力ステップは、前記載置方向取得ステップにより取得された前記載置方向と、前記決定ステップにより決定された前記載置方向とが異なるとき、前記載置方向出力情報として、載置方向の変更が必要である旨を示す載置方向変更情報を出力する。
【0013】
また、本発明の一実施形態に係る蓄電池管理方法は、
前記蓄電池の履歴情報を管理する履歴管理ステップと、
前記履歴管理ステップにより管理されている前記履歴情報に基づいて、前記載置時間管理ステップにより管理されている前記載置時間を補正する補正ステップと、を備える。
【0014】
また、本発明の一実施形態に係る蓄電池管理装置は、
蓄電池の載置方向を取得する載置方向取得手段と、
前記載置方向取得手段により取得された前記載置方向に基づいて、前記載置方向毎に、前記蓄電池が載置された累積載置時間及び前記蓄電池が使用された累積使用時間の少なくとも一方を、載置時間として管理する載置時間管理手段と、
前記載置時間管理手段により管理されている前記載置時間に基づいて、前記蓄電池の前記載置方向を決定する決定手段と、を備える。
【0015】
また、本発明の一実施形態に係る蓄電池管理プログラムは、
蓄電池の載置方向を取得する載置方向取得ステップと、
前記載置方向取得ステップにより取得された前記載置方向に基づいて、前記載置方向毎に、前記蓄電池が載置された累積載置時間及び前記蓄電池が使用された累積使用時間の少なくとも一方を、載置時間として管理する載置時間管理ステップと、
前記載置時間管理ステップにより管理されている前記載置時間に基づいて、前記蓄電池の前記載置方向を決定する決定ステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態に係る蓄電池管理方法、蓄電池管理装置及び蓄電池管理プログラムによれば、載置方向毎に、蓄電池が載置された累積載置時間及び蓄電池が使用された累積使用時間の少なくとも一方を管理することにより、蓄電池の載置方向を決定するので、蓄電池の充放電状態に関わらず、蓄電池の寿命の短縮化を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る蓄電池管理システム1の全体を示す概略構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る電池パック10の各載置方向を示し、(a)は第1方向、(b)は第2方向を示す概略構成図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る蓄電池管理装置4を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る蓄電池データベース412に記憶されている情報を示し、(a)は載置時間情報412a、(b)は履歴情報412bを示すデータ構成図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る蓄電池管理装置4による蓄電池管理処理(蓄電池管理方法)を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態に係る電池パック10の載置方向を変更する際の累積載置時間及び載置方向の推移を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を参照しつつ説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る蓄電池管理システム1の全体を示す概略構成図である。
図1に示す蓄電池管理システム1は、電気自動車2に搭載されている電池パック(蓄電池)10を、交換ステーション3で交換(取り付け、取り外し)するとともに、その電池パック10の各種の情報を蓄電池管理装置4で管理するシステムである。
【0020】
蓄電池管理システム1は、電池パック10を搭載する電気自動車2と、電池パック10に搭載されている電池パック10を交換する設備である交換ステーション3と、電池パック10の各種の情報を管理する蓄電池管理装置4と、各装置間を通信可能に接続する通信ネットワーク5とを備える。なお、
図1では、1つの電気自動車2と、1つの交換ステーション3しか図示されていないが、蓄電池管理システム1は、複数の電気自動車2と、複数の交換ステーション3とを備え、それらで使用される複数の電池パック10を管理するシステムである。
【0021】
図2は、本発明の実施形態に係る電池パック10の各載置方向を示し、(a)は第1方向、(b)は第2方向を示す概略構成図である。電池パック10は、電池パック10を電気自動車2に搭載するときや交換ステーション3に収納するときの設置面Sに対して載置可能な面として、第1面11と、第1面11とは反対側の第2面12とを備える。
【0022】
ここで、電池パック10が、
図2(a)に示すように、設置面Sに対して第1面11を下側に載置されたときの電池パック10の載置方向を「第1方向」とする。また、電池パック10が、
図2(b)に示すように、設置面Sに対して第2面12を下側に載置されたときの電池パック10の載置方向を「第2方向」とする。
【0023】
また、電池パック10は、第1のプラス端子13a及びマイナス端子13bと、第2のプラス端子14a及びマイナス端子14bと、第1面11に形成された凹部15とを備える。
【0024】
載置方向が第1方向であるときの第1のプラス端子13a及びマイナス端子13bと、載置方向が第2方向であるときの第2のプラス端子14a及びマイナス端子14bとは、同じ位置になるように、対称的に配置されている。したがって、電池パック10を電気自動車2に搭載したときや交換ステーション3に収納したときに、載置方向に応じて、第1のプラス端子13a及びマイナス端子13bか、第2のプラス端子14a及びマイナス端子14bのいずれかが、電気自動車2のコネクタや交換ステーション3のコネクタに接続される。
【0025】
電池パック10は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛蓄電池等の二次電池である。電池パック10が、積層型である場合には、設置面Sに対して平行な方向に積層されていてもいし、設置面Sに対して垂直な方向に積層されていてもよい。
【0026】
電気自動車2は、
図1に示すように、電池パック10の充放電を制御するとともに、電気自動車2の走行を制御する走行制御装置20と、例えば、カーナビゲーション等により構成される車載装置21とを備える。また、電気自動車2は、交換ステーション3で交換(取り付け、取り外し)可能な状態で電池パック10を搭載する。
【0027】
車載装置21は、タッチパネル等により構成される入出力部210と、車両の各種情報を取得する車両情報取得部211と、電気自動車に搭載されている電池パック10の載置方向を検出する載置方向検出部212と、通信ネットワーク5との通信インターフェースである通信部213とを備える。
【0028】
車両情報取得部211は、電池パック10の蓄電池状態情報(例えば、充電率、充放電電力、充放電回数、温度等)、電気自動車2の走行状態情報(例えば、現在位置、車速、走行経路等)等の車両の各種情報を取得し、通信部213を介して蓄電池管理装置4に送信する。
【0029】
載置方向検出部212は、電池パック10の載置方向を検出し、その検出した検出結果を載置方向情報として、通信部213を介して蓄電池管理装置4に送信する。載置方向検出部212は、例えば、非接触センサーや接触センサーで構成されており、電池パック10の下面の所定の範囲を検出範囲として、電池パック10の凹部15の有無を検出するものである。そして、載置方向検出部212は、凹部15を検出した場合には、載置方向として第1方向を検出したものとし、凹部15を検出しなかった場合には、載置方向として第2方向を検出したものとする。なお、電池パック10の凹部15は、載置方向検出部212により検出可能なものであればよく、その形状、サイズ、位置を適宜変更してもよい。
【0030】
交換ステーション3は、
図1に示すように、電気自動車2に搭載されている放電済みの電池パック10を取り外し、充電済みの電池パック10を電気自動車2に取り付ける交換部30と、電気自動車2から取り外した電池パック10を収納する収納部31と、電池パック10の載置方向を検出する載置方向検出部32と、電池パック10の載置方向を変更する載置方向変更部33と、通信ネットワーク5との通信インターフェースである通信部34とを備える。
【0031】
交換部30は、電池パック10の取り付け、取り外しを行うともに、電気自動車2と収納部31との間で電池パック10を搬送する搬送機能を備える。
【0032】
収納部31は、複数の電池パック10を収納可能な収納棚を備える。また、収納部31は、収納棚に電池パック10を出し入れする出し入れする出し入れ機能と、収納棚に電池パック10を収納した状態で電池パック10を充電する充電機能とを備える。
【0033】
載置方向検出部32は、電池パック10の載置方向を検出し、その検出した検出結果を載置方向情報として、通信部34を介して蓄電池管理装置4に送信する。載置方向検出部32は、電気自動車2の載置方向検出部212と同様に構成されている。
【0034】
載置方向変更部33は、蓄電池管理装置4から受信した載置方向出力情報(詳細は後述する)に応じて、収納部31の出し入れ機能を用いることにより、電池パック10の載置方向を変更する。
【0035】
図3は、本発明の実施形態に係る蓄電池管理装置4を示すブロック図である。蓄電池管理装置4は、コンピュータ等の情報処理装置により構成されている。
【0036】
蓄電池管理装置4は、キーボード、タッチパネル等により構成される入力部40と、HDD、メモリ等により構成される記憶部41と、CPU等のプロセッサにより構成される制御部42と、ディスプレイ、スピーカ、振動装置等により構成される出力部43と、通信ネットワーク5との通信インターフェースである通信部44とを備える。
【0037】
記憶部41には、蓄電池管理プログラム410と、車両データベース411と、蓄電池データベース412とが記憶されている。
【0038】
車両データベース411には、電気自動車2から受信した走行状態情報が、電気自動車2毎に記憶されている。電気自動車2から受信する走行状態情報には、複数の電気自動車を識別するための車両IDが付加されており、車両IDを用いることにより、走行状態情報は、電気自動車2毎に記憶されている。
【0039】
蓄電池データベース412には、載置時間情報412aと、履歴情報412bとが記憶されている
【0040】
図4は、本発明の実施形態に係る蓄電池データベース412に記憶されている情報を示し、(a)は載置時間情報412a、(b)は履歴情報412bを示すデータ構成図である。
【0041】
載置時間情報412aには、
図4(a)に示すように、電気自動車2又は交換ステーション3から受信した載置方向情報に基づく、電池パック10が載置された累積載置時間が、載置時間として記憶されている。ここで、電池パック10が載置された累積載置時間とは、電池パック10が特定の方向で載置されている間の時間を累積した時間である。
【0042】
したがって、載置時間情報412aには、
図2(a)に示すように、電池パック10を第1方向で載置したときの第1方向の載置載置時間と、
図2(b)に示すように、電池パック10を第2方向で載置したときの第2方向の載置載置時間とが記憶されている。
【0043】
履歴情報412bには、
図4(a)に示すように、電気自動車2から受信した蓄電池状態情報が記憶されている。
【0044】
電気自動車2及び交換ステーション3から受信する載置方向情報、並びに、電気自動車2から受信する蓄電池状態情報には、複数の電池パック10を識別するための電池パックIDが付加されており、電池パックIDを用いることにより、載置時間情報412a及び、履歴情報412bは、電池パック10毎に記憶されている。
【0045】
制御部42は、記憶部41に記憶された蓄電池管理プログラム410を実行することにより、載置方向取得手段420、載置時間管理手段421、決定手段422、出力手段423、履歴管理手段424、及び、補正手段425として機能する。
【0046】
載置方向取得手段420は、所定の取得タイミングにて、電池パック10の載置方向を取得する。所定の取得タイミングとは、例えば、電池パック10を交換(取り付け、取り外し)するタイミングや、前回電池パック10の載置方向を取得してから一定時間が経過したタイミング、蓄電池管理装置4を操作可能なユーザから取得指示が入力されたタイミング等である。なお、載置方向を取得する対象となる電池パック10は、個別に指定されたものでもよいし、蓄電池管理装置4が管理する全てのものでもよいし、特定のグループに属するものでもよい。
【0047】
電気自動車2から電池パック10を取り外すタイミングでは、載置方向取得手段420は、その電池パック10が電気自動車2から取り外す前に電気自動車2に搭載されていたときの載置方向を取得する。すなわち、載置方向取得手段420は、電気自動車2の載置方向検出部212により検出された検出結果としての載置方向情報を電気自動車2から受信することにより、その電池パック10の載置方向を取得する。
【0048】
電気自動車2に電池パック10を取り付けるタイミングでは、載置方向取得手段420は、その電池パック10が電気自動車2に取り付ける前に収納部31に収納されていたときの載置方向を取得する。すなわち、載置方向取得手段420は、交換ステーション3の載置方向検出部32により検出された検出結果としての載置方向情報を交換ステーション3から受信することにより、その電池パック10の載置方向を取得する。
【0049】
前回電池パック10の載置方向を取得してから一定時間が経過したタイミングでは、載置方向取得手段420は、電気自動車2に搭載されている電池パック10の載置方向及び収納部31に収納されている電池パック10の載置方向を取得する。すなわち、載置方向取得手段420は、電気自動車2及び交換ステーション3に対して載置方向取得要求情報を送信し、その載置方向取得要求情報に対する応答として、電気自動車2及び交換ステーション3から載置方向情報を受信することにより、それらの電池パック10の載置方向を取得する。
【0050】
このとき、載置方向取得手段420が電気自動車2から取得する載置方向情報は、現在電気自動車2に搭載されている電池パック10の載置方向情報である。また、載置方向取得手段420が交換ステーション3から取得する載置方向情報は、現在収納部31に収納されている電池パック10の載置方向情報である。
【0051】
載置時間管理手段421は、載置方向取得手段420により取得された載置方向に基づいて、載置方向毎に、電池パック10が載置された累積載置時間を、載置時間として管理する。載置時間管理手段421は、載置方向取得手段420により取得された載置方向情報に基づいて、載置時間情報412aに記憶されている第1方向の累積載置時間及び第2方向の累積載置時間を更新することにより、載置時間を管理する。
【0052】
具体的には、載置時間管理手段421は、前回電池パック10の載置方向を取得してから現在までの経過載置時間を求め、例えば、載置方向取得手段420により取得された載置方向が第1方向である場合には、その経過載置時間を、載置時間情報412aに記憶されている第1方向の累積載置時間に積算することにより、載置時間情報412aを更新する。
【0053】
決定手段422は、載置時間管理手段421により管理されている載置時間情報412aに基づいて、電池パック10の載置方向を決定する。決定手段422は、載置時間管理手段421により管理されている載置時間情報412aとして、第1方向の累積載置時間及び第2方向の累積載置時間を参照する。そして、決定手段422は、第1方向の累積載置時間と、第2方向の累積載置時間とを比較し、第1方向の累積載置時間と、第2方向の累積載置時間との差が小さくなるように、例えば、累積載置時間が短い方の載置方向を、電池パック10の載置方向として決定する。
【0054】
出力手段423は、載置方向取得手段420により取得された載置方向と、決定手段422により決定された載置方向とに基づいて、載置方向に関する載置方向出力情報を出力する。
【0055】
出力手段423は、例えば、載置方向取得手段420により取得された載置方向と、決定手段422により決定された載置方向とを比較し、両者が異なる場合には、載置方向の変更が必要であると判断し、載置方向出力情報として、電池パック10の載置方向の変更が必要である旨を示す載置方向変更情報を出力する。このとき、出力手段423は、決定手段422により決定された載置方向を示す情報を載置方向変更情報に含めるものである。
【0056】
なお、出力手段423は、上記のように比較し、両者が一致する場合には、載置方向の変更が必要でないと判断し、載置方向出力情報として、例えば、累積載置時間に関する情報や、載置方向の変更が必要になるまでの残り時間に関する情報を出力するようにしてもよい。
【0057】
出力手段423が載置方向出力情報を出力する出力先は、電気自動車2の車載装置21、交換ステーション3の載置方向変更部33、及び、蓄電池管理装置4の出力部43である。
【0058】
出力手段423が、載置方向変更情報を電気自動車2の車載装置21に出力した場合には、車載装置21は、電池パック10の載置方向の変更が必要である旨の情報を、例えば、警告メッセージ等により入出力部210に表示する。
【0059】
出力手段423が、載置方向変更情報を交換ステーション3の載置方向変更部33に出力した場合には、載置方向変更部33は、電池パック10の載置方向を変更する。例えば、電池パック10が電気自動車2から取り外したものである場合には、載置方向変更部33は、その電池パック10の載置方向を、載置方向変更情報に含まれる載置方向に変更した状態で収納部31に収納する。電池パック10が電気自動車2に取り付けるものである場合には、載置方向変更部33は、その電池パック10の載置方向を、載置方向変更情報に含まれる載置方向に変更した状態で電気自動車2に取り付ける。電池パック10が収納部31に収納されているものである場合には、載置方向変更部33は、その電池パック10を収納部31から取り出し、載置方向変更情報に含まれる載置方向に変更した状態で収納部31に再度収納する。
【0060】
出力手段423が、載置方向変更情報を蓄電池管理装置4の出力部43に出力した場合には、出力部43は、電池パック10の載置方向の変更が必要である旨の情報を表示、音声、振動等により出力する。
【0061】
履歴管理手段424は、電気自動車2から蓄電池状態情報を受信したとき、その蓄電池状態情報を履歴情報412bに記憶することにより、履歴情報412bを更新する。なお、蓄電池状態情報は、例えば、電気自動車2から電池パック10を取り外すタイミングや、走行中の電気自動車2において所定の周期時間が経過したタイミングにて、電気自動車2から蓄電池管理装置4に送信される。
【0062】
補正手段425は、履歴管理手段424により管理されている履歴情報412bに基づいて、載置時間を補正する。例えば、補正手段425は、履歴情報412bに基づいて電池パック10の劣化度を推定し、その劣化度が高くなるほど(電池パック10が劣化しているほど)、載置時間情報412aに記憶されている累積載置時間が長くなるように補正する。
【0063】
具体的には、載置時間管理手段421が、載置方向取得手段420により取得された載置方向に基づいて、その載置方向で載置された経過載置時間を求め、その経過載置時間を、載置時間情報412aに記憶されている第1方向の累積載置時間又は第2方向の累積載置時間に積算する際に、その経過載置時間に、劣化度が高くなるほど高い値に設定される補正係数を乗算することにより補正経過載置時間を求め、その補正経過載置時間を、載置時間情報412aに記憶されている第1方向の累積載置時間又は第2方向の累積載置時間に積算する。
【0064】
次に、蓄電池管理装置4の動作について、
図5に示すフローチャートに従って説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る蓄電池管理装置4による蓄電池管理処理(蓄電池管理方法)を示すフローチャートである。
【0065】
まず、載置方向取得手段420は、所定の取得タイミングにて、電池パック10の載置方向を取得する(ステップS1)。ここでは、所定の取得タイミングとして、電気自動車2から電池パック10を取り外すタイミングについて説明する。
【0066】
載置方向取得手段420は、電気自動車2から電池パック10を取り外すタイミングにて、電気自動車2の載置方向検出部212により検出された検出結果としての載置方向情報を電気自動車2から受信することにより、その電池パック10が電気自動車2から取り外す前に電気自動車2に搭載されていたときの載置方向を取得する。
【0067】
次に、履歴管理手段424は、電気自動車2から蓄電池状態情報を受信し、その蓄電池状態情報を履歴情報412bに記憶することにより、履歴情報412bを更新する(ステップS2)。
【0068】
次に、載置時間管理手段421は、前回電池パック10の載置方向を取得してから現在までの経過載置時間を求める(ステップS3)。
【0069】
次に、補正手段425は、ステップS2で更新された履歴情報412bと、ステップS3で求めた経過載置時間とに基づいて、補正経過載置時間を求める(ステップS4)。具体的には、補正手段425は、ステップS2で更新された履歴情報412bに基づいて電池パック10の劣化度を推定し、劣化度が高くなるほど高い値に設定されるように、補正係数を決定する。そして、補正手段425は、ステップS3で求めた経過載置時間にその補正係数を乗算することにより補正経過載置時間を求める。
【0070】
次に、載置時間管理手段421は、載置方向取得手段420により取得された載置方向に基づいて、載置時間情報412aに記憶されている載置方向毎の載置時間を更新する(ステップS5)。ここでは、載置方向取得手段420により取得された載置方向が第1方向であるものとして説明すると、載置時間管理手段421は、ステップS4で求めた補正経過載置時間を、載置時間情報412aに記憶されている第1方向の累積載置時間に積算することにより、載置時間情報412aを更新する。
【0071】
なお、補正手段425による補正を行わない場合には、ステップS2、S4を省略するとともに、ステップS5において、載置時間管理手段421が、ステップS3で求めた経過載置時間を、載置時間情報412aに記憶されている第1方向の累積載置時間に積算することにより、載置時間情報412aを更新すればよい。
【0072】
次に、決定手段422は、載置時間管理手段421により更新された載置時間情報412aに基づいて、電池パック10の載置方向を決定する(ステップS6)。
【0073】
具体的には、決定手段422は、載置時間管理手段421により管理されている載置時間情報412aとして、第1方向の累積載置時間及び第2方向の累積載置時間を参照する。そして、決定手段422は、第1方向の累積載置時間と、第2方向の累積載置時間とを比較し、累積載置時間が短い方の載置方向を、電池パック10の載置方向として決定する。ここでは、第2方向の累積載置時間が短く、第2方向を電池パック10の載置方向として決定したものとして説明する。
【0074】
次に、出力手段423は、ステップS1で取得された載置方向と、ステップS6で決定された載置方向とを比較することにより、載置方向の変更が必要であるか否かを判断する(ステップS10)。
【0075】
そして、出力手段423は、ステップS10の比較結果として、両者が異なる場合には、載置方向の変更が必要であると判断し(ステップS10:Yes)、載置方向の変更が必要である旨を示す載置方向変更情報を、電気自動車2の車載装置21、交換ステーション3の載置方向変更部33、及び、蓄電池管理装置4の出力部43の少なくとも1つに出力する(ステップS11)。
【0076】
ここでは、出力手段423が、載置方向変更情報を交換ステーション3の載置方向変更部33に出力した場合について説明する。載置方向変更部33は、通信ネットワーク5を介して載置方向変更情報を受信すると、電気自動車2から取り外した電池パック10の載置方向(第1方向)を、載置方向変更情報に含まれる載置方向(第2方向)に変更した状態で収納部31に収納する。
【0077】
上記の蓄電池管理処理が、所定の取得タイミングにて適宜行われることにより、電池パック10は、第1方向の累積載置時間と、第2方向の累積載置時間との差が小さくなるように、載置方向が変更される。
【0078】
図6は、本発明の実施形態に係る電池パック10の載置方向を変更する際の累積載置時間及び載置方向の推移を示すタイムチャートである。蓄電池管理装置4が、
図5に示す蓄電池管理処理を行うことにより、電池パック10は、
図6に示すように、第1方向の累積載置時間と、第2方向の累積載置時間との差が小さくなるように、載置方向が変更される。
【0079】
図6において、例えば、総経過時間が「40」のタイミングにて、蓄電池管理装置4の決定手段422が、電池パック10の載置方向を決定する際には、第1方向の累積載置時間は「15」、第2方向の累積載置時間は「25」であるため、第1方向を載置方向に決定する。そして、出力手段423は、「40」のタイミングでは電位パック10の載置方向が第2方向であるため、第1方向に載置方向の変更が必要である旨を示す載置方向変更情報を出力する。
【0080】
また、総経過時間が「130」のタイミングにて、蓄電池管理装置4の決定手段422が、電池パック10の載置方向を決定する際には、第1方向の累積載置時間は「55」、第2方向の累積載置時間は「75」であるため、第1方向を載置方向に決定する。そして、出力手段423は、「130」のタイミングでは電池パック10の載置方向が第1方向であるため、載置方向の変更が必要でないため、載置方向変更情報を出力しない。
【0081】
(他の実施形態)
上記のように、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0082】
例えば、上記実施形態では、載置時間管理手段421は、載置方向取得手段420により取得された載置方向に基づいて、載置方向毎に、電池パック10が載置された累積載置時間を、載置時間として管理するものとして説明したが、電池パック10が載置された累積載置時間に代えて、電池パック10が使用された累積使用時間を載置時間として管理するようにしてもよい。ここで、電池パック10が使用された累積使用時間とは、電池パック10が特定の方向で載置されている状態で充放電を行っている間の時間だけを累積した時間である。また、載置時間管理手段421は、電池パック10が載置された累積載置時間と、電池パック10が使用された累積使用時間とを組み合わせたもの(例えば、重み付け和)を、載置時間として管理するようにしてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、設置面Sに対して電池パック10を載置可能な面が、
図2に示すように、第1面11及び第2面12の2面であって、電池パック10の載置方向が、第1方向及び第2方向の2方向であるものとして説明したが、設置面Sに対して電池パック10を載置可能な面が3面以上であって、電池パック10の載置方向が3方向以上であってもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、電池パック10が、凹部15を備え、電気自動車2の載置方向検出部212及び交換ステーション3の載置方向検出部32が、凹部15の有無に応じて載置方向を検出するものとして説明したが、載置方向を検出する手段は、凹部15のように、電池パック10の外形形状を検出する手段に限られず、例えば、電池パック10にバーコードやQRコード(登録商標)等の識別コードを設け、その識別コードを認識可能なコード認識手段を載置方向検出部として用いるようにしてもよいし、電池パック10に目印となるマークを設け、そのマークを認識可能なカメラ等の撮像手段を載置方向検出部として用いるようにしてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、電気自動車2が載置方向検出部212を備え、交換ステーション3が載置方向検出部32を備えるものとして説明したが、電池パック10が、自己の載置方向を検出する載置方向検出部を備えていてもよい。その場合には、蓄電池管理装置4の載置方向取得手段420が、例えば、電池パック10と無線通信を行うことにより、電池パック10により検出された載置方向を取得すればよい。また、蓄電池管理装置4が、載置方向検出部を備えていてもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、出力手段423は、電気自動車2の車載装置21、交換ステーション3の載置方向変更部33、及び、蓄電池管理装置4の出力部43に載置方向出力情報を出力するものとして説明したが、例えば、電池パック10と無線通信を行うことにより、電池パック10に載置方向出力情報を出力するようにしてもよい。そして、出力手段423が、載置方向出力情報として、載置方向変更情報を電池パック10に出力した場合には、電池パック10は、その載置方向変更情報に含まれる載置方向とは異なる載置方向で電池パック10が載置されることを防止する載置方向不一致防止部を備えるようにしてもよい。電池パック10は、載置方向不一致防止部として、例えば、その載置方向変更情報を表示する表示部を備えるようにしてもよいし、その載置方向変更情報に含まれる載置方向とは異なる載置方向で電池パック10が載置された場合に、例えば、警告音や警告メッセージ等を発する警告部を備えるようにしてもよいし、その載置方向変更情報に含まれる載置方向とは異なる載置方向で電池パック10が載置された場合に電池パック10の充放電を禁止するように、電池パック10の機能の一部を無効化する無効化部を備えるようにしてもよい。無効化部としては、例えば、電池パック10の充放電を禁止する側のプラス端子及びマイナス端子を物理的に塞ぐようにしてもよいし、電池パック10の内部の電気回路を制御(例えば、遮断、スイッチ等)するようにしてもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、電池パック10は、交換ステーション3で交換可能なものとして説明したが、電気自動車2やハイブリッド自動車に固定されているようなものであってもよい。その場合には、載置方向取得手段420は、所定の取得タイミングとして、例えば、車検時や故障時に、電池パック10の載置方向を取得するようにすればよい。
【0088】
また、上記実施形態では、蓄電池管理装置4は、サーバ型の装置であるものとして説明したが、電気自動車2又は交換ステーション3に設けられるようにしてもよく、スタンドアローン型の装置として機能するようにしてもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、電池パック10は、電気自動車2に用いられものとして説明したが、電気自動車2以外に、電動フォークリフト、電車、電動アシスト自転車等の他の電動車両、ドローン、無人ヘリコプター等の無人航空機(UAV)、非常用電源やピークシフト等を目的とする定置用蓄電池等に用いられるものでもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、蓄電池管理プログラム410は、記憶部41に記憶されたものとして説明したが、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。また、蓄電池管理プログラム410は、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供されてもよい。
【0091】
以上のように、本発明の実施形態に係る蓄電池管理装置4による蓄電池管理処理(蓄電池管理方法)によれば、載置時間管理手段421が、載置方向毎に、電池パック10が載置された累積載置時間及び電池パック10が使用された累積使用時間の少なくとも一方を、累積時間として管理し、決定手段422が、その累積時間に基づいて、電池パック10の載置方向を決定するので、電池パック10の充放電状態に関わらず、電池パック10の寿命の短縮化を確実に防止することができる。
【0092】
また、本発明の実施形態に係る蓄電池管理装置4による蓄電池管理処理(蓄電池管理方法)によれば、決定手段422が、載置方向毎の載置時間を比較し、載置時間が短い方の載置方向を、電池パック10の載置方向として決定するので、載置方向毎の載置時間に偏りが発生することを抑制するため、電池パック10の寿命の短縮化を確実に防止することができる。
【0093】
また、本発明の実施形態に係る蓄電池管理装置4による蓄電池管理処理(蓄電池管理方法)によれば、出力手段423が、載置方向取得手段420により取得された載置方向と、決定手段422により決定された載置方向とに基づいて、載置方向に関する載置方向出力情報を出力するので、載置方向出力情報に基づいて各種の処理(例えば、情報の報知)が実行可能となるので、電池パック10の寿命の短縮化を確実に防止することができる。
【0094】
また、本発明の実施形態に係る蓄電池管理装置4による蓄電池管理処理(蓄電池管理方法)によれば、出力手段423が、載置方向取得手段420により取得された載置方向と、決定手段422により決定された載置方向とが異なるとき、載置方向出力情報として、載置方向の変更が必要である旨を示す載置方向変更情報を出力するので、載置方向の変更が必要であることが確実に出力されるため、電池パック10の寿命の短縮化を確実に防止することができる。
【0095】
また、本発明の実施形態に係る蓄電池管理装置4による蓄電池管理処理(蓄電池管理方法)によれば、履歴管理手段424が、電池パック10の履歴情報412bを管理し、補正手段425が、その履歴情報412bに基づいて、載置時間管理手段421により管理されている載置時間を補正するので、電池パック10の状態を加味して、電池パック10の載置方向が決定されるため、電池パック10の寿命の短縮化を確実に防止することができる。
【符号の説明】
【0096】
1…蓄電池管理システム、
2…電気自動車、3…交換ステーション、
4…蓄電池管理装置、5…通信ネットワーク、
10…電池パック(蓄電池)、11…第1面、12…第2面、
13a…第1のプラス端子、13b…第2のマイナス端子、
14a…第1のプラス端子、14b…第2のマイナス端子、
15…凹部、20…走行制御装置、21…車載装置、
30…交換部、31…収納部、32…載置方向検出部、
33…載置方向変更部、34…通信部、
40…入力部、41…記憶部、42…制御部、
43…出力部、44…通信部、
210…入出力部、211…車両情報取得部、
212…載置方向検出部、213…通信部、
410…蓄電池管理プログラム、
411…車両データベース、412…蓄電池データベース、
412a…載置時間情報、412b…履歴情報、
420…載置方向取得手段、421…載置時間管理手段、
422…決定手段、423…出力手段、
424…履歴管理手段、425…補正手段、S…設置面