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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-19
(45)【発行日】2022-05-27
(54)【発明の名称】多孔質物品およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 38/00 20060101AFI20220520BHJP
   B01D 39/20 20060101ALI20220520BHJP
   B01D 46/00 20220101ALI20220520BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20220520BHJP
   F01N 3/022 20060101ALI20220520BHJP
   B01J 35/04 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
C04B38/00 303Z
B01D39/20 D ZAB
B01D46/00 302
B01D53/94 222
F01N3/022
B01J35/04 301N
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018561576
(86)(22)【出願日】2017-05-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-29
(86)【国際出願番号】 US2017035125
(87)【国際公開番号】W WO2017210251
(87)【国際公開日】2017-12-07
【審査請求日】2019-10-23
(31)【優先権主張番号】62/343,496
(32)【優先日】2016-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】バックハウス-リクー, モニカ
(72)【発明者】
【氏名】ツヴェトコフ,ボリス ニコラエヴィッチ
【審査官】小川 武
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-524153(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0326279(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0338296(US,A1)
【文献】国際公開第2014/189740(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/193497(WO,A1)
【文献】特表2013-512189(JP,A)
【文献】国際公開第2014/189741(WO,A2)
【文献】国際公開第2015/042499(WO,A2)
【文献】国際公開第2014/189817(WO,A1)
【文献】特開2015-193497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/00-35/84,38/00-38/10
B01D 39/20,46/00
B01J 35/04
F01N 3/022
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互接続されたビーズ微細構造を含む、多孔質チタン酸アルミニウム含有セラミック体であって、該相互接続されたビーズ微細構造が、
ビーズ部分、及び
ビーズ接続部分であって、隣接する前記ビーズ部分が、該ビーズ接続部分によって接続されている、ビーズ接続部分、
を含
0.2未満のビーズ重複率であって、該ビーズ重複率は、隣接し、接続された前記ビーズ部分の間の放射方向干渉の割合である、ビーズ重複率、
30から70の範囲の%としての多孔度(P)、
透過性因子PQ>0.025(ここで、PQは(Kbulk)/(P・d50 )であり、Kbulkはダルシー単位の嵩透過率であり、d50はマイクロメートル(μm)単位での平均細孔寸法である)、
1.8から3の範囲の捻じれ度、および
10μmから25μmの範囲のメジアン細孔寸法径d50
を有する多孔質チタン酸アルミニウム含有セラミック体。
【請求項2】
前記ビーズ部分は無機反応焼結球を含み、かつ
前記多孔質チタン酸アルミニウム含有セラミック体を通過するランダム断面において、該ビーズ部分が球状として現れる、
請求項1に記載の多孔質チタン酸アルミニウム含有セラミック体。
【請求項3】
対向する第1および第2の端面から軸方向に延びる複数の多孔質セラミックチャネル壁であって、該対向する第1および第2の端面の間にセルチャネルが定まる、複数の多孔質セラミックチャネル壁、
軸方向に延びる外周面、および
(i)微粒子フィルタおよび部分微粒子フィルタのうちの少なくとも1つとしての前記多孔質チタン酸アルミニウム含有セラミック体を形成する該セルチャネルの一部に配置されたプラグ、または(ii)該チャネル壁の中に、または該チャネル壁に接して配置された触媒被膜、
をさらに含む、請求項1または2に記載の多孔質チタン酸アルミニウム含有セラミック体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2016年5月31日に出願された米国仮出願第62/343,496号の米国特許法第119条による優先権の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示の例示的な実施形態は、多孔質物品およびその作製方法に関する。本開示の例示的な実施形態は、高い透過性を有する多孔質セラミック物品、および予備反応した粒子を使用して多孔質セラミック物品を作製する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
コージエライト、炭化ケイ素およびチタン酸アルミニウム系ハニカム体が、触媒基板および処理後の排気用フィルタを含む様々な用途に広く使用されてきた。
【0004】
この背景技術分野で開示された上記の情報は、本開示の背景の理解を高めるためのものに過ぎず、従って、従来技術のいかなる部分も形成せず先行技術が当業者に示唆しているものでもない情報を含む。
【発明の概要】
【0005】
本開示の例示的な実施形態は、多孔質セラミック物品を提供する。
【0006】
本開示のさらなる特徴が以下に続く説明に記載され、部分的にその説明から明らかになるか、または本開示の実施によって習得され得る。
【0007】
例示的な実施形態は、約0.3から約0.7の範囲の割合としての多孔度(P)、透過性因子PQ>0.025(ここで、PQは(Kbulk)/(P・d50 )であり、Kbulkはダルシーの嵩透過率であり、d50はマイクロメートル(μm)単位の平均細孔寸法である)、約1.8から3の範囲の捻じれ度、および約10μmから約25μmの範囲のメジアン細孔寸法径d50を有する多孔質セラミック体を開示する。
【0008】
もう一つの例示的な実施形態は、接続されたビーズ微細構造を含む多孔質体を開示し、そのビーズ微細構造は、多孔質体を通過するランダム断面において球様部として現れるビーズ; 隣接ビーズがそれにより接続されるビーズ接続部分; ビーズが、約20μm<Dbead≦50μmの範囲のメジアンビーズ径(Dbead)および100μm未満のビーズ径分布(Dbreadth)を有し、Dbreadthが((D90-D10)/D50)である、隣接接続ビート間の放射方向干渉の割合である、約0.5未満のビーズの重複率を含む。
【0009】
もう一つの例示的な実施形態は、約0.3から約0.4の範囲の割合としての多孔度(P)、約0.017・P・d50 以上の透過率(K)(ここで、d50はマイクロメートル(μm)単位の平均細孔寸法である)、約2から5の範囲の捻じれ度、および水銀ポロシメトリで測定して約10μmから約35μmの範囲のメジアン細孔寸法径d50を有する、多孔質体を開示する。
【0010】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的であり、本開示のさらなる説明を提供することが意図されることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付の図面は、本開示の例示的な実施形態を示し、記載と一緒になって本開示の原理を説明する役割を果たす。
図1】本開示の例示的な実施形態による概略的なハニカム体である。
図2A】狭い細孔ネックを有する規則正しい多孔性微細構造を示す多孔質のセラミック物品の断面の模式図である。
図2B】本開示の例示的な実施形態に係る大細孔ネックを有するインバース多孔性微細構造を示す多孔質セラミック物品の断面の模式図である。
図3】いかなる細孔形成剤も含まない、広い細孔ネック242a三角チャネルを有するビーズ構築構造、三角チャネルと広い六角チャネル242bとの混合物を有するビーズ構築構造、ならびに細孔形成剤および大きなフローチャネルの増加と共に増加する六角チャネルの部分を有するビーズ構築構造を示す。
図4】2つの細孔PF1およびPF2の細孔重複率の増加と共に細孔ネック領域が増えること、およびそれに対応する代表的曲線を示す概略図である。細孔形成剤の量が増加すると、より大きな細孔重複率を提供することができる。
図5A】(a)から(c)へ減少している3つの異なる多孔度における球状細孔、および重複球状細孔を有する連続材料の、従来の微細構造のコンピュータモデルからのコンピュータ生成イメージである。
図5B】(a)から(c)へ増加しているビーズ重複率、およびそれに対応する多孔度の減少による3つの異なる多孔度における重複球を有する、本開示の例示的な実施形態による微細構造のコンピュータモデルからのコンピュータ生成イメージを示す。
図6A】比較例による反応性チタン酸アルミニウムセラミックバッチに由来する従来のタイプの微細構造の3次元(3D)トモグラムを示す実験結果である。
図6B】重複球様粒子を有する本開示の例示的な実施形態に従って得られた微細構造の3次元(3D)トモグラムを示す実験結果である。
図7A】反応性チタン酸アルミニウムバッチ材料に由来する従来のタイプの微細構造を有する比較例のトモグラフィスライスである。
図7B】本開示の例示的な実施形態によるビーズ構築(重複球状粒子)微細構造の断層スライスである。
図8A】モデル化「水銀浸透タイプ」多孔度およびd50を用いる多孔度・d50 の関数としての、連続的材料および重複球状細孔を有する比較用従来微細構造、および本開示の例示的な実施形態によるコンピュータ生成(モデル化)ビーズ構築微細構造の、壁通過透過率のグラフである。
図8B】噴霧乾燥粒子に由来する本開示の例示的な実施形態による重複球様粒子(ビーズ構築)微細構造、および反応性チタン酸アルミニウムバッチ材料に由来する従来のタイプの微細構造の追加実験データである。
図9】種々のビーズ寸法およびビーズ重複率を有する本開示の例示的な実施形態による微細構造についての、多孔度(P)×メジアン細孔寸法(d50)2乗(P・d50 )の関数としての透過率のグラフである。
図10】種々の多孔度、ビーズ寸法およびビーズ重複率を有する本開示の例示的な実施形態による、球径(D)の関数としての、透過率(K)対多孔度(P)×メジアン細孔寸法(d50)2乗(K/(P・d50 ))のグラフである。
図11】本開示の例示的な実施形態による、ビーズ重複率(dR)の関数としての、透過率(K)対多孔度(P)×メジアン細孔寸法(d50)2乗(K/(P・d50 ))のグラフである。
図12】本開示の例示的な実施形態および比較例についての、トモグラム導出の水銀浸透多孔度とメジアン細孔径の2乗との積の関数としての、実験材料についてのトモグラムから導出された壁通過(壁貫通)透過率を比較するグラフである。
図13】本開示の例示的な実施形態および比較例による、トモグラム導出の水銀浸透多孔度とメジアン細孔径2乗との積(P・d50 )の関数としての、実験構造のトモグラムから導出された壁貫通透過率と嵩透過率との比を比較するグラフである。
図14】本開示の例示的な実施形態および比較例による、トモグラム導出の水銀浸透多孔度とメジアン細孔径2乗との積(P・d50 )の関数としての、実験構造のトモグラムから導出された材料の捻じれ度の比を比較するグラフである。
図15】本開示の例示的な実施形態および比較例による、実験的水銀浸透多孔度とメジアン細孔径2乗との積(P・d50 )の関数としての、ポロメトリ測定から導出された壁透過率のグラフである。
図16】例示的な実施形態による、予備反応セラミックビーズからフィルタを作製するプロセス工程を示す概略図である。
図17A】本開示の例示的な実施形態による、ビーズ構築微細構造を加工するために用いられる複合ビーズを作製するために用いられる未焼成噴霧乾燥球のSEM後方散乱顕微鏡写真である。
図17B】か焼され予備反応された、図17Aに示すような球のSEM後方散乱顕微鏡写真である。
図18A】本開示の例示的な実施形態による、ビーズ構築微細構造を含む、押し出されたハニカム体フィルタ壁構造のSEM後方散乱顕微鏡写真である。
図18B】本開示の例示的な実施形態による、ビーズ構築微細構造を含む、押し出されたハニカム体フィルタ壁構造のSEM後方散乱顕微鏡写真である。
図19】従来の反応性チタン酸アルミニウム複合バッチから作製された微細構造を含む、押し出されたハニカム体フィルタ壁構造の断面のSEM後方散乱顕微鏡写真である。
図20】本開示の例示的な実施形態による、ビーズ構築チタン酸アルミニウム複合微細構造の、押し出され、かつ焼成されたハニカム体フィルタ壁構造の断面のSEM後方散乱顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、本開示の実施形態が示されている添付の図面を参照して、以下により詳細に記載される。しかし、本開示は、多くの異なる形態で実施されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が十分であるように提供され、そして完全に当業者には本開示の範囲を伝えるであろう。図面において、層および領域の寸法および相対的寸法は、明確にするために誇張されている場合がある。図面中の同じ参照符号は同じ要素を示す。
【0013】
ある要素または層が別の要素または層の「接している」または「接続されている」と言及されるとき、それは他の要素または層に直接接しているか、または直接接続されていてもよく、または介在要素または層が存在してもよい。これに対して、ある要素または層が別の要素または層に「直接接している」または「直接接続されている」と言及されている場合、介在する要素または層は存在しない。本開示の目的のために、「X、YおよびZの少なくとも1つ」は、Xのみ、Yのみ、Zのみ、またはX、YおよびZの2つ以上の項目の任意の組合せとして解釈され得ることが理解されるであろう(例えば、XYZ、XYY、YZ、ZZ)。
【0014】
本開示の例示的な実施形態は、多孔質セラミック物品およびその製造に関する。多孔質セラミック物品は、(50体積%より多い)主要相としてのチタン酸アルミニウム固溶体(擬板チタン石)などのチタン酸アルミニウム系材料と、他の相から作製されてよく、他の層は例えば、コージエライト、長石、ムライト、スピネル、アルミナ、ルチル、コランダム、もしくは類似の酸化物、同様のコージエライト、または他の酸化物もしくは非酸化物のセラミックスであり、含まれるものとして、金属、金属間化合物、ガラス、ムライト、アルミナ(Al)、ジルコン、アルカリおよびアルカリ土類のアルミノケイ酸塩、スピネル、ペロブスカイト、ジルコニア、セリア、イットリア、酸化ランタン、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)、酸窒化ケイ素アルミニウム(SiAlON)およびゼオライトがある。多孔質セラミック物品の用途は、例えば、ハニカム一体型および非一体型のディーゼルおよびガソリン触媒担体、基板および微粒子フィルタを含み得る。本開示の例示的な実施形態はまた、予備反応した粒子を含む多孔質セラミック物品およびバッチ組成物、ならびに予備反応した粒子の形態の少なくとも1つのバッチ材料を使用することによって多孔質セラミック物品を作製するするプロセスに関する。
【0015】
また、予備反応した粒子は、多孔質セラミック物品の反応性焼成の間に反応経路および微細構造成長をもたらすように、選択された組成、構造、寸法および寸法分布であってよい。予備反応した粒子は、多孔質セラミック物品の焼成前に完全に反応させてもよく、反応性成分を用いてまたは追加の反応性成分を用いずに、溶融、結合などによって単に互いに接続するだけでよい。
【0016】
予備反応した粒子を用いて製造された多孔質セラミック物品は、本明細書で細孔ネットワーク構造および微細構造と呼ぶことができる、設計された細孔分布および相分布を有することができる。微細構造は固体物質内の相によって特徴付けることもでき、微細構造は物質の形状およびセラミック物品内の細孔の形状によって特徴付けることもできる。一般に、微細構造は、3次元構造を通過するランダムな2次元断面の物質および細孔チャネルによって特徴付けられる。予備反応した粒子から作製された多孔質セラミック物品は、小さな細孔ネックおよび大きな物質ネックの「正常」多孔性、または大きな細孔ネックおよび小さな物質ネックの「逆」多孔性を有することができ、最終の焼成されたセラミック中においては大きな細孔寸法を有する。細孔ネックは、細孔を接続するチャネルと考えられる。逃散性細孔形成剤によって形成された細孔を有する微細構造では、細孔は、一般に、小さな細孔ネックを有する正常多孔性の例として、細孔が互いに交差する小さな接続チャネルを有する球状または他の形状である。他方、微細構造を形成する予備反応した球状粒子を有する微細構造では、大きな細孔ネックを有する逆多孔性の例として粒子材料の間に粒子を充填することによって細孔を形成することができる。後者の場合、細孔チャネルはより広く、ガス流の狭窄が少ない。さらに、逃散性細孔形成剤は、これらの粒子間の間隔をさらに開くことができる。
【0017】
本開示の例示的な実施形態による予備反応した粒子を有する多孔質セラミック物品は、予備反応した粒子を含まない粉末バッチから作製された多孔質セラミック物品と比べて、改良されたディーゼル微粒子フィルタ(DPF)、ガソリン粒子フィルタ(GPF)、触媒担体、基板、および組み合わされた基板微粒子フィルタ産物特性を提供する。予備反応した粒子を有するバッチから作製された多孔質セラミック物品は、より大きなウォッシュコートおよび触媒充填において圧力低下を小さくすることを可能にする、大きな細孔寸法および高い多孔性、良好な強度および低い熱膨張係数(CTE)を示した。したがって、本開示の例示的な実施形態は、小さい圧力低下、高い濾過効率および優れた耐熱衝撃性において、高選択的触媒還元(SCR)触媒負荷および高脱NO触媒効率の統合を可能にする。
【0018】
図1は、本開示の例示的な実施形態による概略的なハニカム体100を示す。ハニカム体100は、長さL1、体積V1を有し、第1の端面102と、第2の端面104と、第1の端面102から第2の端面104まで延びる外周面106とを含む。対向する端面102,104の間において軸方向「A」に伸びている互いに隣接するチャネル110を形成する複数の交差壁108が、本開示の例示的な実施形態によれば、ハニカムマトリックスを形成している。端面102,104の間に延びているチャネル114を形成する交差壁112が、説明のために示されている。軸方向は矢印「A」で示され、軸方向に垂直な最大断面寸法は「D1」で示されている。例えば、ハニカム体100が円筒形状である場合、最大寸法「D1」は、端面の直径であってよい。例えば、軸方向に垂直なハニカム体断面が長方形である場合、最大寸法「D1」は、端面の対角線であってよい。上面102は、第1端面102を指し、底面104は、図1に位置するハニカム体100の第2端面104を指し、そうでなければ、端面は、ハニカム体100の向きによって限定されない。上面102がハニカム体100の入口面で、底面104が出口面であってよい。ハニカム体100の外周面106は、第1の端面102から第2の端面104まで軸方向に延びている。
【0019】
また、ハニカム体100のセル密度は、約70セル/平方インチ(cpsi)から1200セル/平方インチ(cpsi)(約10セル/cmから190セル/cm)とすることができる。典型的なセル壁の厚さは、約0.025mmから約1.5mm(約1ミルから60ミル)の範囲であり得る。例えば、ハニカム体100の形状は、約8ミル(400/8)の壁厚または約6ミル(400/6)の壁厚さを有して400cpsiであってもよい。他の形状として、例えば、100/17、200/12、200/19、270/19、350/3、400/3、400/4、500/2、600/2、600/3、600/4、750/2、900/2、900/3、1200/2、さらには750/1および900/1がある。本明細書で使用されるハニカム体100は、概してハニカム構造を含むことが意図されているが、厳密に正方形の構造に限定されることはない。例えば、六角形、八角形、三角形、長方形、または任意の他の適切なセル形状、およびそれらの組み合わせを使用することができる。また、セル状ハニカム体の断面100は円形であるが、これに限定されず、例えば断面が楕円形、正方形、長方形、または他の所望の形状、およびそれらの組み合わせであり得る。
【0020】
説明を容易にするために、例示的な実施形態はハニカム体を指すが、本開示はそれに限定されず、例えばトラフフィルタおよびラジアルフローフィルタも本開示に含まれる。
【0021】
多孔質セラミックハニカム体の製造は、セラミック粉末バッチ混合物を可塑化し、混合物をハニカム押出ダイを介して押し出してハニカム押出物を形成し、押出物を切断、乾燥および焼成して、第1の端面から第2の端面まで軸方向に延びるチャネルを有する高強度で熱耐久性のセラミックハニカム体を製造するプロセスによって達成することができる。この意味で、セラミック粉末バッチ混合物、セラミック前駆物質バッチまたはセラミックバッチ組成物は、反応したときにセラミックを形成する無機酸化物または酸化物前駆体、ならびに未反応のままであるかまたは反応して全体としてまたは部分的に別のセラミックを形成するセラミックも含む。
【0022】
また、押出機を軸方向に出ると、バッチは、上記のように軸方向に延びるチャネルおよび軸方向に延びる外周面を形成する軸方向に延びる交差壁(ウェブ)のネットワークを含む湿潤押出物に硬化する。マトリックスの外周には外周面が配置されている。外周面は、本明細書では、共押出スキン、一体成形共押出スキンまたはスキンと呼ぶことがある。マトリックス上にスキンと共に押出された未焼成セラミックハニカム体または多孔質セラミックハニカム体は、本明細書では押出-形状ハニカム体と呼ばれる。本明細書で使用されるセラミックハニカム体は、セラミックハニカムモノリスおよびセラミックセグメント化ハニカム体を含む。
【0023】
共押出または適用後の外部スキンは、セラミックハニカム体の第2の端面に第1の端面から軸方向に延びる外周面を形成してもよい。モノリシックであろうとセグメント化されていようと、交差壁(ウェブ)によって定められるハニカム体の各チャネルは、入口面または出口面で塞がれてフィルタを生成することができる。一部のチャネルを塞がないままにすると、部分的フィルタが生成される。モノリシックであろうとセグメント化されていようと、ハニカム体は触媒作用を受けて基板を生成することができる。塞いでないハニカム体は、本明細書では一般に基板と呼ばれる。触媒された基板は、適用後に触媒を有する、または押し出された触媒を含むことができる。さらに、フィルタおよび部分的フィルタは、多機能性を提供するように触媒され得る。このようにして製造されたセラミックハニカム体は、エンジン排気の浄化などの流体洗浄のために、触媒担体、膜担体、ウォールフローフィルタ、部分的フィルタ、およびそれらの組合せとして広く使用される。
【0024】
図2Aは、狭い細孔ネックを有する規則正しい多孔性微細構造を示す多孔質セラミック物品の断面の模式図であり、図2Bは、本開示の例示的な実施形態による、大細孔ネックを有する逆多孔性微細構造を示す、多孔質セラミック物品の断面の模式図である。多孔質セラミック前駆体バッチには、細孔形成剤が含まれていてもよい。細孔形成剤は、グラファイト、ポリマー球、デンプンなどを含み得る。焼成の間、細孔形成剤は燃え尽きて焼成された多孔質セラミック物品に細孔を残す。細孔形成剤のこの焼損の間、ガスは物品から逃げる必要があり、一方、一部の反応物は最終物品の固体物質の一部として残されることがある。脱水、焼損および他の変換による発熱的および吸熱的な焼成事象は、物品の亀裂を避けるために低速焼成を必要とすることがある。
【0025】
図2Aは、固体物質212間の狭いネック208,220を有する規則的な多孔性200が、未反応の粉末を逃散性細孔形成剤と焼成することから得られるため、大きな圧力低下を生じ得ることを示している。固体物質212は、多相、多成分、および微小亀裂、または微小亀裂のない単一相であってもよい。細孔微細構造は、一般に、物品の焼成の間に燃え尽きる逃散性細孔形成剤の形状および配置に似ている。稼働中にガスがその中を通って移動する細孔ネットワーク200は、細孔204と細孔間の接続部分からなる。これらの接続部分は、細孔ネック208と呼ぶことができる。排気ガスなどの流体は、細孔ネットワーク200を通って移動するときに浄化することができる。細孔ネック208は、細孔ネック208を通過して細孔204から細孔216に流体が流れるときに流動制限を起こすことがある。小さな細孔ネック208は、多孔質セラミック物品またはハニカムフィルタにおいて大きな圧力低下をもたらすことがある。さらに、一部の細孔、例えば細孔210は、細孔ネットワークと相互接続しないことがある。
【0026】
大きな細孔ネック220は、小さなまたは狭い細孔ネック208よりも小さな圧力低下をもたらす可能性がある。大きな細孔ネック220は、図2Aにおいて細孔224を細孔228に接続する。図2Aおよび2Bは、3次元構造を通過するランダム断面(2次元)の概略図であり、2次元断面概略図において材料212により細孔224および228から細孔204および216が空間的に離れて示されていても、3次元構造は、細孔ネットワーク200において細孔204、216、224および228を接続することができるものである。逃散性細孔形成剤を用いて反応性バッチ材料から作製された構造はまた、嵩多孔性よりも低い表面多孔性を呈し得る。
【0027】
細かい低温バインダー232を用いる、または用いない最終的な焼成プロセスにおいて、本明細書ではビーズと呼ばれる反応した球状バッチ粒子(噴霧乾燥された予備焼成粒子)を焼結させることによって得られるような物質間の大きな細孔ネックを有する逆多孔性が、図2Bに示されている。小さなネックは、透過性とガスの流れを制限し、圧力低下を制御することができる。細孔構造に大きなネックを有する材料は、改善された透過性を生じ、したがって、圧力低下の小さなフィルタを提供する。図2Bは、逆細孔ネットワーク230微細構造のランダム断面を示す。予備反応した粒子は、焼結結合または反応結合した多孔質セラミック物品を形成する。物質212は、物質ネック238において形状246に結合された形状234などの、球状の予め反応した粒子(ビーズ)に一般的に類似する形状を含む。図2Bにおける物質212は、隣接するビーズ部分がビーズ接続部分によって接続されているビーズ部分とビーズ接続部分とを含む相互接続されたビーズ微細構造を含む。本体を通過するランダム断面において、ビーズ部分は球様として現れる。本開示の例示的な実施形態による設計された細孔構造を含む構造体は、逃散性細孔形成剤を用いて形成された細孔を含む構造と比較して、同じ多孔度およびメジアン孔寸法においてより高い透過性を呈す。
【0028】
逆多孔性微細構造において、物質212は、図2Aの微細構造とは対照的に、不規則な形状の細孔によって囲まれた島として断面2次元(2D)図に現れる。通常の多孔性微細構造では、図2Aに示されるように不規則な形状の物質212で囲まれた島として、細孔204、216、および224、228が、2D断面図で現れる。
【0029】
本明細書において予備反応した粒子またはビーズ312と呼ばれる焼結反応した球状バッチ粒子(噴霧乾燥された予備焼成粒子)は、ビーズ構築微細構造中に接続することができる。構造を通過するランダム平面部分で見たとき、ビーズ構築微細構造(相互接続されたビーズ微細構造)物質は、接続部分およびビーズ部分(球様部分、球状部分、円形部分、輪状部分、球根状部分、球形部分、分葉部分)として現れることができる。相互接続されたビーズ微細構造は、ビーズ部分とビーズ接続部分とを備え、隣接するビーズ部分はビーズ接続部分によって接続されている。本体を通過するランダム断面において、ビーズ部分は球様として現れる。球様部分は相互に接続されている。相互接続部分は、バインダー材料または球様部分の融合部分とすることができる。球様部分は、円形であってもよいし、表面特徴を有する円であってもよい。球様部分は、接続部分において、重なりまたは突出によって合体することができる。球様部分は、隣接する球様部分に多葉状で、溶融結合で、またはネック結合で接続することができる。
【0030】
図3は、逃散性細孔形成剤を用いないで形成されたビーズ構築構造の相互接続ビーズ微細構造を示し、そのビーズ構築構造は、三角チャネルの広い細孔ネック242a、ならびに三角チャネル242aと広い六角チャネル242bとの混合物、ならびに細孔形成剤および大きなフローチャネルの増加と共に増加する六角チャネル部分を有する。ビーズ構築構造は、相互接続されたビーズの球状部分から構成され、ランダムに切断されたとき、球状部分は、概して円形部分(球様)として現れる。予備反応した球状ビーズ無機粒子のリングによって細孔形成粒子の輪郭が形成される場合は、より高い多孔度の六角チャネルが示される。6つの最も近い隣接粒子が示されているが、その数は、細孔形成剤寸法とビーズ寸法との比に依存する。細孔形成剤が存在しない場合の透過性は、三角チャネルによって決定され、細孔形成剤の添加は、より大きな多孔性と、六角形に囲まれた細孔形成剤の配置を提供し、それにより、六角チャネルが多孔性に寄与する。このようにして、多孔度/細孔形成剤レベルが増加すると、透過性は、三角チャネルと六角チャネルとの混合物の透過性への寄与により、次に六角チャネルのみによって与えられる透過性へと推移し、より高い細孔形成剤レベルにおいては、リングあたり幾つかの細孔形成剤粒子を有するより大きなリングから作製されるチャネルを含む。したがって、透過性曲線は、三角チャネルに対応する非ゼロレベルから始まり、より大きなチャネルの寄与とともに急速に増加する。
【0031】
これに対して、逃散性細孔形成剤および反応性構成要素を用いて形成された細孔を含む微細構造の従来の構造では、細孔形成剤の非存在下での構造、または低いレベルの細孔形成剤を用いる構造の透過性は、連続的に相互接続された細孔チャネルが達成されるまではゼロである。よって、図4に示されるように、細孔ネック寸法と共に、透過性が、0から、細孔径の寸法(細孔形成剤粒子径)により与えられる最大値まで増加する。図4は、2つの細孔PF1およびPF2の細孔重複度の増加による細孔ネック領域の増加、およびそれに対応する代表曲線を示す概略図である。細孔形成剤の量の増加は、より大きな細孔重複率を提供することができる。
【0032】
本開示の例示的な実施形態による設計された細孔微細構造を含む構造は、逃散性細孔形成剤および反応性構成要素を用いて形成された細孔を含む構造と比較して、同じ多孔性およびメジアン細孔寸法においてより高い透過性を呈す。この改善された透過性を呈す構造は、3次元(3D)構造を形成するようにそれらの接触点で結合され、焼結されたビーズを含む。焼結時間が増加、および/または温度が上昇すると、ビーズの重複率が増加する。ビーズ重複率dR(球重複率)は、隣接接続ビーズ間の放射方向干渉の割合を指す。例えば、図2Bに示すように、ビーズ234は半径R1を有し、ビーズ246は半径R2を有してもよい。ビーズの重複率dRは、R1とR2が互いに干渉する物質ネック238を指す。例示的な実施形態によるそのようなビーズ構築構造の透過性の利点を、実験的に加工された材料、およびコンピュータ生成細孔構造について本明細書で示す。
【0033】
本開示の例示的な実施形態によるこれらの構造は、直径が一定である完全球からのアスペクト比の偏差が20%未満である回転楕円体により再構築され、個々の回転楕円体の重複度は25%未満であり、回転楕円体粒子の少なくとも90%が少なくとも20μmの直径を有し、回転楕円体直径の90%が20μmを超え50μm未満である。これに対して、従来の材料の微細構造は、そのような狭い粒子寸法分布、そのような小さな球重複率および/または小さな球の割合の欠如のいずれかを有する球によって再構成することはできない。
【0034】
ビーズ寸法、ビーズ重複率、結果として生じる材料の多孔度およびメジアン細孔寸法などの種々の入力パラメータについて、例示的な実施形態によるコンピュータ生成ビーズ構築マイクロ構造が導出された。例示的な実施形態によれば、実験的に達成された材料の変数はビーズ寸法、ビーズ寸法分布の広さおよびビーズの重複率であり、焼結温度、焼結時間および焼結助剤を介して変化させられた。コンピュータ生成の、かつ実験的なビーズ構築構造は、逃散性細孔形成剤および反応性構成要素を用いて形成された細孔を含む従来技術の微細構造と比較して、より大きな細孔ネックを有する細孔構造を有する。
【0035】
トモグラムおよびコンピュータ生成(モデル化)構造から決定された実験材料の嵩透過率および壁貫通透過率は、フローモデリングによって評価された。実験材料について、ポロメトリおよび圧力低下をさらに測定した。結果は、従来の構造に比べ、例示的な実施形態に係るビーズ構築細孔構造の驚くべきかつ予想外の非常に高い嵩透過率と表面透過率を示している。例示的な実施形態によるビーズ構築細孔構造はまた、実験材料のポロメトリ測定におけるより高い透過率を反映する。例示的な実施形態によるビーズ構築細孔構造は、さらに材料捻じれ度から同じ濾過効率で、より小さな濾過圧低下の結果となる。透過性の利点は、ビーズの寸法が増加すると共に増加する。また、透過率は、多孔度およびメジアン細孔径の増加と共に増加する。例示的な実施形態による上記透過性の優位性を有するビーズ構築材料は、同じ多孔度およびメジアン細孔径を有する従来の材料と同様の捻じれ度および裸濾過効率を有する。例示的な実施形態によるウォッシュコート負荷細孔内均質分布および非均質分布のビーズ構築微細構造は、従来の材料と比較して、透過性および被覆圧低下の優位性を保持する。
【0036】
モデル化微細構造
立方体の中に本開示の例示的な実施形態による球状ビーズ構築微細構造を生成させるためにFORTRANプログラムを開発した。この技術は、いかなる物理入力も使用せずに幾何学的制約に基づいた。手順は以下のようであった。選択された数のビーズ「核形成」部位を、定められた立方体空間内にランダムに配置し、ビーズ核形成部位を小さな球と定義した。次いで、球重複率および最大球寸法を考慮して、球の寸法を毎回1ボクセル(概念上の3次元空間を構成する体積の要素の各配列)ずつ大きくすることにより、核形成部位を1度に1つずつ順番に「成長」させ、重なり合うビーズの微細構造が形成されるまで、このプロセスを何度も繰り返した。入力パラメータは、核形成種の数、可能な球の重複率、および最大球径であった。
【0037】
図5Aは、(a)から(c)に減少する3つの異なる多孔度における、重複する球状細孔を有する従来の微細構造のコンピュータモデルからのコンピュータ生成画像を示している。図5Bは、(a)から(c)に増加するビーズ重複率およびそれに対応する多孔度の減少の結果、3つの異なる多孔度で微細構造を生成する重複球様粒子を用いた、本開示の例示的な実施形態による微細構造のコンピュータモデルからのコンピュータ生成画像を示している。
【0038】
実験的微細構造
図6Aは、比較例による反応性チタン酸アルミニウムバッチに由来する従来のタイプの微細構造の3次元(3D)トモグラムを示す実験結果である。図6Bは、同じ化学組成および同じ相組成についての重複球様粒子を用いた本開示の例示的な実施形態による微細構造の3次元(3D)トモグラムを示す実験結果である。
【0039】
全ての構造について、それらの起源(例えば、実験材料およびコンピュータ生成構造のトモグラム)とは無関係に、それらの透過性を決定するために同じ手順を使用した。図6Aは、DURATRAP(登録商標)(CORNING社)のチタン酸アルミニウム(AT)材料の微細構造の3Dトモグラムである。図6Bは、本開示の例示的な実施形態による、噴霧乾燥された予備反応チタン酸コージエライト・ムライト・アルミニウム(CMAT)球から作製されたビーズ構築微細構造を有する材料の3Dトモグラムである。
【0040】
トモグラムおよび計算流体力学(CFD)メッシュ生成の解析は以下のようにして行った。1.4μm/ボクセルにおける微細構造の得られた3Dトモグラムは、約1000の一連のグレースケール画像で構成した。市販のソフトウェアパッケージSimpleWare ScanIPと一連の自己開発ツールを使用して、一連の画像を3Dメッシュに変換した。ビーズ構築微細構造と従来の微細構造の典型的なグレースケールヒストグラムは異なっていた。しかし、すべての解析について、多孔度と物質とを区別するために同じしきい値処理手順を使用した。
【0041】
図7Aは、反応性チタン酸アルミニウムバッチ材料に由来する従来のタイプの微細構造を有する比較例のトモグラフィスライスである。図7Bは、本開示の例示的な実施形態による重複球様粒子(ビーズ構築)材料の微細構造のトモグラフィスライスである。
【0042】
トモグラフィに基づく生成された微細構造における透過率計算
水銀浸透多孔度測定(MIP)、ポロメトリ測定、圧力低下測定、ならびにフィルタ壁の3Dトモグラム上での、およびコンピュータ生成微細構造を介してのフローモデリングなどの技術を用いて、種々の人工的および現実の材料微細構造および細孔構造を特徴付け、比較した。
【0043】
オープンソース計算流体力学(CFD)ソフトウェアOpenFoamを、多孔質構造中の複雑な流れの解析、およびデジタル化されたトモグラム微細構造中の透過性の決定のために使用した。メッシュ生成器は、デジタル化された微細構造の細孔空間の構造化メッシュの迅速な構築を可能にする。選択された微細構造3Dユニットの対向面に圧力差を与えた。スリップ/対称境界を、モデルドメインの残りの4つの境界面において特定した。細孔空間全体にわたる複雑な流れおよび速度成分を、幾何学的形状、圧力低下および粘度と共に全流量を用いて決定した。透過性はダルシーの法則を用いて導出した。このようにして、加えられた圧力勾配の3つの方向における3つの異なる透過率値を決定した。微細構造細孔空間の透過率値は、加えられた圧力勾配の3つの方向における3つの異なる透過率値を平均することによって決定した。選択された3D微細構造単位および流れ方向に応じて、嵩透過率および壁通過透過率を導出した。特に興味深いのは、ハニカム体における圧力低下を決定する壁通過透過率である。
【0044】
水銀浸透中、水銀は、増加する圧力の下に細孔構造の中に押し込まれ、浸透水銀の量は、圧力の関数として決定される。所与の圧力で浸透する水銀の量は、細孔および細孔ネックの寸法および細孔の相互接続性に依存する。実施例では、寸法10mm×20mm×20mmのサンプルを使用した。標準的なアルゴリズムを用いて、浸透曲線から多孔度、メジアン細孔寸法および嵩透過率を導出した。
【0045】
加圧ガス導管内のフレームに接着された2インチ(5.08cm)×2インチ(5.08cm)×2セル厚のプレート上でポロメトリを測定し、プレートを通過する圧力低下を測定した。1インチ(2.54cm)押出部品の場合、2枚の押出スラブを一緒に接着して必要なプレート寸法に達した。実験データは透過率に変換した。
【0046】
10mm×10mm×1の単一壁体積においてトモグラムを得た。Simpleware ScanIPソフトウェアを使用した。最初のトモグラムについて、しきい値を手動で設定し、他のトモグラムについては同じ値を使用した。
【0047】
市松模様のパターンで塞がれた直径2インチ (5.08cm)、長さ6インチ(15.24cm)のハニカム部品について圧力低下を測定した。部品を圧力低下設定部に取り付け、圧力低下を異なるガス流速で測定した。圧力低下を裸部品で測定した。煤付着構造についても圧力低下を測定した。
【実施例
【0048】
実施例1
例示的な実施形態によるコンピュータ生成球構築(ビーズ構築)微細構造(連続細孔および球状物質を有する)および比較用の従来の微細構造(連続物質および球状細孔を有する)についての透過性/流動特性
【0049】
【表1】
【0050】
表1は、本開示の例示的な実施形態によるコンピュータ生成ビーズ構築微細構造の代表的なデータである。表1は、これらの例示的な構造についてのモデル解析を介して全て導き出された、多孔度、d50、壁通過透過率、嵩透過率および捻じれ度などの細孔ネットワーク特性を示している。
【0051】
図8Aは、モデル化「水銀浸透タイプ」多孔度およびd50を用いる多孔度・d50 の関数としての、本開示の例示的な実施形態によるコンピュータ生成ビーズ構築微細構造、および重複球状細孔を含む連続材料を用いた比較用の従来の微細構造の嵩(および壁通過)透過率のグラフである。図8Bは、チタン酸アルミニウム複合体の焼結反応セラミック球状粒子から加工された本開示の例示的な実施形態によるビーズ構築微細構造、および反応性チタン酸アルミニウムバッチ材料から誘導された比較用の従来のタイプの微細構造を有する、実験的に加工された材料の実験データが加えられた図8Aのグラフである。噴霧乾燥された粒子に由来する本開示の例示的な実施形態による微細構造の嵩透過率および壁通過透過率は、例示的な実施形態によるモデル化ビーズ構築構造に非常に類似している。
【0052】
本明細書で用いられるチタン酸アルミニウム複合体は、チタン酸アルミニウムを含む、例えば、チタン酸アルミニウムとチタン酸アルミニウムの固溶体、例えば、Mg、Feを有するチタン酸アルミニウムなどを含み、擬板チタン石相中で結晶化する複合体を指す。複合体の他の相は、コージエライト、ムライト、スピネル、長石、ガラス、コランダム、ルチルなどとすることができる。例えば、チタン酸アルミニウム複合体は、チタン酸コージエライト・ムライト・アルミニウム(CMAT)、および米国特許第8,394,167(B2)号明細書に記載のチタン酸アルミニウム組成物を含むことができ、その公報は、本明細書に完全に記載されているかのようにあらゆる目的のために参照により組み込まれる。
【0053】
図8Aおよび図8Bは、モデル化「水銀浸透タイプ」多孔度およびd50を用いる多孔度・d50 の関数としての、例示的な実施形態によるコンピュータ生成ビーズ構築微細構造、および重複球状細孔を有する従来の微細構造の壁通過透過率を示す。球形細孔および種々の細孔寸法、細孔寸法分布および細孔重複率を有する従来の微細構造は、黒色中実円で示され、一般的な傾向線(図示せず)に従う。同じ傾向線上では、逆の多孔度、例示的な実施形態によるビーズ構築構造が見られる(中空の菱形)。例示的な実施形態による逆多孔度ビーズ構築構造において、ビーズ構築構造の多孔度および材料は逆転した。例示的な実施形態による全てのコンピュータ生成ビーズ構築微細構造は、比較用の従来の微細構造よりもはるかに高い透過率を示す。
【0054】
材料のいくつかの集団は、一連の異なる入力パラメータを用いて生成した。独自のビーズ寸法14μm(灰色の十字)、16μm(中空の黒色の三角形)、20μm(中空の黒色の菱形と星形)および24μm(黒色の中空の円)について異なるビーズ重複率を有するモノモーダルビーズ構築構造の比較は、多孔度と2乗したメジアン細孔径との2乗関係にしたがって、傾向線上で透過率と整合する。これらの傾向線の傾きは、ビーズ寸法の増加とともに増加する。同じ多孔度およびd50において、14μmのビーズ寸法(不連続な傾向線)から16μmの寸法(連続線)に移動するときに透過性の大きな増加(ほぼ100%)が観察され、さらに20μmのビーズ寸法に移動するときに、さらに20%増加する。より広いビーズ寸法分布、14μmから24μm(灰色の水平線記号)、またはより広範な14μmから50μmの分布を有する生成した微細構造が、16μmモノモーダル微細構造ラインの周りに集まっている。分布が広ければ広いほど、ビーズの重複率が変化するときの透過率の範囲がより広い。このプロットは、ビーズの寸法が所望のメジアン細孔径のオーダではビーズ構築構造に高透過率を生じさせるのに有効ではないことを示している。ビーズの寸法に伴い、透過率が向上し、より大きなビーズ寸法および狭い粒子寸法分布について最も高い透過率を生じる。球状反応セラミック球状体(黒色四角)から作製された実験材料のトモグラフィ解析から得られた実験データが図8Bに示されている。
【0055】
実施例2
異なる球寸法と球重複率を有するコンピュータ生成球構築微細構造
透過性の優位性(本明細書において透過性因子PQとも呼ばれる)は透過率/(多孔度・d50 )または(Kbulk)/(P・d50 )と表され、Kbulkはダルシーの嵩透過率であり、d50はマイクロメートル(μm)単位での平均細孔寸法である。球形細孔構造を有する材料の透過率は、固定された倍率で(多孔度・d50 )に調整し、例示的な実施形態による球構築(ビーズ構築)構造の利点は、より大きな倍率によって示される。したがって、透過性因子PQに対する、例示的な実施形態によるビーズ構築構造の種々のパラメータの影響が明らかに示されている。
【0056】
例示的な実施形態によるこのようなビーズ構築微細構造におけるビーズ寸法およびビーズ重複率の効果を研究するために、異なるビーズ寸法および異なるビーズ重複率を有する一連の別の組のコンピュータ生成ビーズ構築微細構造を生成した。コンピュータ生成ビーズ構築構造は、40%から60%の多孔度、直径12から20μmの範囲の球(ビーズ)寸法、および種々の球重複率を含む。2μmボクセル分解能の計算分解能内で、ビーズ重複率<0.1はボクセル分解能の誤差の範囲内であった。
【0057】
【表2】
【0058】
図9は、種々のビーズ寸法およびビーズ重複率を有する本開示の例示的な実施形態による微細構造についての、多孔度(P)・メジアン細孔寸法(d50)2乗(P・d50 )の関数としての透過率のグラフである。ビーズは、微細構造を定めるように接続または融合された球様粒子(通常は球状)を指す。
【0059】
上記の試みにより生成される本開示の例示的な実施形態による微細構造は、多孔度とd50 と共に増加する透過率を示し、広い範囲において多孔度とd50 の傾向にしたがう。微細構造は異なるビーズ寸法と異なるビーズ重複率を有して構築され、異なる多孔度とd50を有する。傾向線からの偏差を解析して、球寸法および球重複率の影響を理解することができる。従って、透過性因子PQに等しい透過率/(多孔度・d50 )は、実際の材料のトモグラフィによって得られた3D微細構造を通過する流れの評価によって決定される透過性についてのバルク材料の微細構造性能指数と考えられる。
【0060】
図10は、球径(D)の関数としての、多孔度(P)・メジアン細孔寸法(d50)2乗に対する透過率(K)(K/(P・d50 ))のグラフであり、40%から60%の種々の多孔度、直径12μmから20μmの範囲の球寸法および変化する球重複率を有するコンピュータ生成ビーズ構築構造について、透過性因子(PQ)=K/(P・d50 )で表されるビーズ構築構造の透過性の優位性が、同じ多孔度および同じビーズ重複率の個々のサブセットについて、また図10に示す一般的傾向についても、ビーズ寸法の増加と共に増加することを示している。
【0061】
図11は、ビーズ重複率(dR)の関数としての、多孔度(P)・メジアン細孔寸法(d50)2乗に対する透過率(K)(K/(P・d50 ))のグラフである。ビーズ重複率dR(球重複率)は、隣接接続ビーズ間の放射方向干渉の割合を指す。図11は、40%から60%の種々の多孔度、直径12μmから20μmの範囲の球寸法および変化するビーズ重複率を有するコンピュータ生成ビーズ構築構造について、透過性因子(PQ)=K/(P・d50 )で表されるビーズ構築構造の透過性の優位性が、同じビーズ寸法の個々のサブセットについて、あわせて一般的傾向についても、ビーズ重複率の増加と共に減少することを示している。
【0062】
実施例4
トモグラフィからの加工材料の流動特性
例示的な実施態様によるバッチ材料としての予備反応したセラミック球状ビーズから加工された材料の透過性を、球状細孔を有する焼結材料から加工された比較材料と比較した。透過率および捻じれ度を、これらの材料のトモグラフィから導出した。さらに、壁貫通透過率および壁内透過率を導出した。
【0063】
【表3】
【0064】
表3は、重複球状細孔を有する従来のチタン酸アルミニウム(AT)材料のトモグラム導出特性のデータを提供する。表3は、多孔度、メジアン細孔径、壁通過透過率、嵩透過率、壁通過透過率と嵩透過率との比、および捻じれ度を含む。
【0065】
【表4】
【0066】
表4は、細孔形成剤を用いて反応性バッチから作製されたチタン酸コージエライト・ムライト・アルミニウム(CMAT)の従来のチタン酸アルミニウム系複合材料のトモグラム導出特性のデータを提供する。表4は、多孔度、メジアン細孔径、壁通過透過率、嵩透過率、壁通過透過率と嵩透過率との比、および捻じれ度を含む。
【0067】
【表5】
【0068】
表5は、球状予備反応ビーズから、本開示の例示的な実施形態により作製されたCMAT材料(チタン酸アルミニウム複合体)のトモグラム導出特性のデータを表す。表5は、多孔度、メジアン細孔径、壁通過透過率、嵩透過率、壁通過透過率と嵩透過率との比、および捻じれ度を含む。
【0069】
【表6】
【0070】
表6は、予備反応材料の粉砕断片から、本開示の例示的な実施形態により作られたCMAT材料のトモグラム導出特性のデータを表す。表6は、多孔度、メジアン細孔径、壁通過透過率、嵩透過率、後者の比、および捻じれ度を含む。
【0071】
図12は、トモグラム導出水銀浸透多孔度とメジアン細孔径の2乗との積の関数としての、実験材料についてのトモグラムから導出された壁通過透過率を比較したグラフである。図12は、表3から表6のデータをまとめたものである。噴霧乾燥された予備反応チタン酸コージエライト・ムライト・アルミニウム(CMAT)ビーズから作製されたビーズ構築微細構造を含む本開示の例示的な実施形態による構造を中実球として示し、非ビーズ構築微細構造材料を中空記号として示す。中空三角は従来の反応性CMATバッチ(11-19)から作製された構造を表し、中空菱形は重複球状細孔(1-7)を有する構造を表し、星型は予備反応して粉砕断片化された材料から作られたCMAT構造を表す。驚くべきことに、本開示の例示的な実施形態によるビーズ構築構造は、図12に明らかなように、著しく良好な透過性を有することが見出された。同じ組成および類似のメジアン粒子寸法であっても、ビーズ構築構造は、断片構築構造と比較して依然として優位性を示す。断片とは、スライバー、スプリンター、チップ、ピース、フラグメント、フレークなどの凹面または凸面またはファセット部分を含む粒子を意味する。断片は、過度に焼成したビーズ凝集物を研磨および粉砕することによって得た。
【0072】
図13は、トモグラム導出水銀浸透多孔度とメジアン細孔径2乗との積(P・d50 )の関数としての、実験構造のトモグラムから導出される壁貫通透過率と嵩透過率との比を比較しているグラフである。噴霧乾燥された予備反応CMATビーズから作製されたビーズ構築微細構造を含む本開示の例示的な実施形態による構造を中実球として示し、非ビーズ構築微細構造材料を中空記号として示す。中空三角は従来の反応性CMATバッチ(11-19)から作製された構造を表し、中空菱形は重複球状細孔(1-7)を有する構造を表し、星型は、予備反応によりブロック化され、次に粉砕により断片化された材料から作製されたCMAT構造を表す。図13は、本開示の例示的な実施形態によるビーズ構築構造の大部分について、壁通過(壁貫通)透過率(KTW)および壁内透過率(嵩透過率)(Kbulk)が非常に類似している(比=1)ことを示し、これは、表面多孔度が、これらのビーズ構築構造体の嵩多孔度に非常に類似していることを示している。
【0073】
従来の材料では、表面の多孔度は典型的には小さく、多くの場合、嵩多孔度よりもはるかに小さく、それにより壁を貫通する流れが制限される。本開示の例示的な実施形態による材料は、ビーズ重複率が最少となるように低温および/または短時間で焼成した場合、そのような不利益が無い。比<1である僅かのビーズ構築材料がより高い温度で効果的に焼成され、さらに焼結されてより大きなビーズ重複率が作り出された。
【0074】
図14は、トモグラム導出水銀浸透多孔度とメジアン細孔径2乗との積(P・d50 )の関数としての、実験構造のトモグラムから導出された材料の捻じれ度の比を比較したグラフである。噴霧乾燥された予備反応CMATビーズから作製されたビーズ構築微細構造を含む本開示の例示的な実施形態による構造を中実球として示し、非ビーズ構築微細構造材料を中空記号として示す。中空三角は従来の反応性のCMATバッチ(11-19)から作られた構造を表し、中空菱形は重複球状細孔(1-7)を有する構造を表し、星型は、予備反応して粉砕断片化された材料(22)から作られたCMAT構造を表す。図14は、P・d50 が高いと、捻じれ度が1.5を超えたままであり、濾過効率(FE)が著しく低下しないことを示している。大部分の中および高多孔度のビーズ構築構造の場合、捻じれ度は従来の材料と同じ範囲にあることがわかる。非常に高い多孔度および大きなd50の場合でも、捻じれ度は2に近いままである。
【0075】
実施例5
ポロメトリ測定によって導出された、材料の透過率
【0076】
【表7】
【0077】
【表8】
【0078】
表7および表8は、比較用の反応性バッチCMAT材料、および本開示の例示的な実施形態による予備反応したCMATビーズから作製された材料のポロメトリ測定をまとめたものを示している。
【0079】
図15は、実験的な水銀浸透多孔度とメジアン細孔径2乗との積(P・d50 )の関数としての、測定から導出された壁貫通透過率のグラフである。噴霧乾燥された予備反応CMATビーズから作製されたビーズ構築微細構造を含む本開示の例示的な実施形態による構造を中実記号として示し、非ビーズ構築微細構造を中空記号として示す。驚くべきことにかつ意外にも、非ビーズ構築微細構造材料と比較して、多くのビーズ構築構造について、優れた透過性が示されている。より大きなビーズ寸法で比較的高い透過率に達した。いくつかのビーズ構築構造は、このタイプのポロメトリ測定において比較的低い透過性を示す。理由は、過剰な焼結による大きなビーズ重複率、または直径1インチ(2.54cm)のハニカム体の測定アーチファクトであり、いくつかのスラブをポロメトリ測定のために一緒に接着して測定するのに十分な大きさの構造を作り、結果として、断面の一部分に接着剤が浸透し貫流を妨げるからである。
【0080】
圧力低下は、ビーズ構築微細構造の直径2インチ(5.08cm)の押し出され焼成されたビーズ構築ハニカム体フィルタ(300/14)について測定した。本開示の例示的な実施形態による実施例SBSは、細孔形成剤としてエンドウ澱粉およびグラファイトを用いて作製し、実施例SBTは、本開示の例示的な実施形態による細孔形成剤としてポテト澱粉およびグラファイトを用いて形成した。比較例として、高い多孔度(HP)AT反応性焼結バッチの比較例SBRを同じ条件下に同時に押し出し、焼成した。従来のHP AT材料は、57%の多孔度と、約17μmから18μmのメジアン細孔径を有することができる。実施例SBSは、焼成条件により、60%から65%の多孔度および約14.0μmから15.5μmのd50を有していた。実施例SBTは、約59%から62%の多孔度および約14.5から15.5μmのメジアン細孔径を有していた。ハニカム体を市松模様に塞いで、裸で清潔なものと煤がついた部品について圧力低下を測定した。結果として、(300/14)の直径2インチ(5.08cm)/長さ6インチ(15.24cm)のフィルタについて、かなり小さなメジアン細孔径にもかかわらず、例示的な実施形態による噴霧乾燥された予備反応CMATバッチからの実施例SBSおよび実施例SBTのフィルタは、比較例SBRに非常に近い、裸の清潔な状態での圧力低下を示す。しかし、実施例SBSおよび実施例SBTフィルタは、比較例SBRよりも厚い壁を有することが予想され、したがって、最終的に補正された圧力低下は、本開示の例示的な実施形態による実施例SBSおよび実施例SBTのフィルタについて低いはずであると予想される。
【0081】
ビーズ構築HP AT(噴霧乾燥/予備反応バッチ)から作製された本開示の例示的な実施形態による実施例SBSおよびSBTフィルタ、および従来のHP ATの反応性バッチから作製された比較例SBRフィルタについての煤付着の関数としての裸フィルタの圧力低下の比較。ハニカム体は、(300/14)の直径2インチ(5.08cm)/長さ6インチ(15.24cm)のフィルタであった。このデータは、噴霧乾燥された予備反応HP ATバッチからの実施例SBSおよびSBTのフィルタのメジアン細孔径がはるかに小さいにもかかわらず、裸の煤付着状態での圧力低下が比較例SBRと非常に類似していることを示した。膝部分は、高多孔度のフィルタで予想されるように無視できる程度であった。しかし、実施例SBSおよび実施例SBTのフィルタは、比較例SBRよりも厚い壁を有すると予想されるので、最終的な補正された煤付着状態での圧力低下は、本開示の例示的な実施形態による実施例SBSおよび実施例SBTのフィルタについて、より低いはずであると予想される。
【0082】
実施例6
球重複率の増加に伴う、本開示の例示的な実施形態による加工された材料の透過性の減少
本開示の例示的な実施形態によるバッチ材料としての予備反応した無機球から加工された材料において、材料は焼成中にある程度は安定であり、個々の球は、ハニカム体の短時間および/または低温での焼成中に充分に保持されたままである。しかし、長時間および/または高温での焼成は焼結につながり、焼結されたビーズ微細構造は従来の微細構造により近づくので、球重複率が増加し、透過率が低下する。焼結中の球重複進行を支持する理論が充分に理解されていないとしても、球重複率の増加は、実験的に観察されており、焼成温度および/または焼成時間による透過性の変化により説明することができる。
【0083】
焼成時間および/または焼成温度と共に透過性が減少する傾向を示す、無機の反応した球から押し出された材料の幾つかの例を提供する。表9は、バッチ材料としての予備反応した無機球から加工される材料において、材料は焼成中にかなり安定であり、個々の球が、ハニカム体の短時間および/または低温焼成中に充分に保持されたままであることを示すデータを示している。しかし、長時間および/または高温での焼成は焼結につながる可能性があり、球重複率が増加する。表9は、無機バッチとしての予備反応した球から作製された材料の幾つかの例を青色でまとめており、比較のために従来の材料も含んでいる。本開示の例示的な実施形態による材料において、焼結時間および/または焼結温度の増加と共に、すなわち、ビーズ重複率の増加と共に、透過率が低下することがわかる。
【0084】
【表9】
【0085】
本開示の例示的な実施形態により成される材料加工および実験的材料微細構造
図16は、例示的な実施形態による予備反応したCMATビーズからフィルタを作製するためのプロセス工程を示す概略図である。例えば、操作において、焼結助剤および有機バインダーのパッケージと共に、シリカ、アルミナ、チタニアおよびマグネシア用の、低コスト無機原料材料の25%固体充填水性スラリーを噴霧乾燥することによりCMATビーズを作製した。狭い粒子寸法分布および20マイクロメートルから50マイクロメートルのメジアン粒子寸法を有する未焼成固体球を作製した。固体状態の反応によってCMAT複合体形成が完了するまで、球体をか焼した。一例では、か焼から完全な反応までを1250℃から1350℃で1時間から10時間実施した。一実施例では、少量のガラスおよびチタン酸セリウムを含む、コージエライト、ムライトおよびMg置換チタン酸アルミニウムまたはムライトおよびMg-安定化チタン酸アルミニウムの複合体であるセラミックビーズを作製した。
【0086】
次いで、予備反応した球状CMAT粒子を、少量の無機バインダー、セルロースバインダー、細孔形成剤、水および有機押出助剤と共に、ハニカム押出のためのバッチ材料として用いた。一実施例において、セラミック押出ペーストをラム押出機上に1インチまたは2インチ(300/13)または(300/14)ハニカム体として押し出した。ハニカム体を、例えば、空気中または電子レンジの中で乾燥した。
【0087】
押し出し、乾燥させたハニカム体を、高温で比較的短い時間焼成して、予備反応ビーズを結合させた。一実施例において、ハニカム体を、1280℃から1350℃などのビーズの予備反応に使用される温度よりも低い温度で1時間から6時間焼成した。CMATが使用され、説明および例示目的で本明細書で説明したが、他の材料も使用され、それに応じてプロセスを調整することができる。
【0088】
本開示の例示的な実施形態において、予備反応した球状粒子(ビーズ)は、ガラスを用いて、またはガラスを用いないで、CMATと3つの主要相、チタン酸アルミニウム(AT)-長石と2つの主要相、AT-ムライトと2つの主要相、AT-コージエライトと2つの主要相などの、少なくとも1つまたは複数の結晶相を含む無機反応焼結酸化物を含むことができる。例えば、ビーズは、CMAT、AT-長石、AT-ムライトまたはAT-コージエライトを含むことができ、ガラスを用いても用いなくてもよく、アルミニウム、チタン、シリコン、マグネシウム、カルシウムなどの未反応原料を用いても用いなくてもよく、セリア、イットリア、酸化ランタン、他のランタニド酸化物などのような希土類酸化物などの焼結助剤を用いても用いなくてもよく、およびホウ素、およびコランダム、スピネル等、またはそれらの組み合わせなどの他の相を含むことができる。さらなる例として、ビーズは、単相のコージエライト、ムライト、AT等を含むことができ、ガラスを用いても用いなくてもよく、アルミニウム、チタン、シリコン、マグネシウム、カルシウム等の未反応原料を用いても用いなくてもよく、セリア、イットリア、酸化ランタン、他のランタニド酸化物のような希土類酸化物などの焼結助剤を用いても用いなくてもよく、およびホウ素等を含むことができる。
【0089】
図17Aは、本開示の例示的な実施形態による、ビーズ構築微細構造を加工するために使用される複合ビーズを作製するために使用される未焼成噴霧乾燥球のSEM後方散乱顕微鏡写真である。図17Bは、か焼され予備反応した図17Aに示すような球のSEM後方散乱顕微鏡写真である。図17Aに示すビーズの組成物は、セリアを含むCMAT前駆体材料であった。図17Bに示されるか焼され予備反応したビーズの組成物は、ガラスおよびチタン酸セリアを含むCMATであった。
【0090】
図18Aおよび図18Bは、本開示の例示的な実施形態によるビーズ構築微細構造を含む押し出されたハニカム体フィルタ壁構造のSEM後方散乱顕微鏡写真である。ハニカム体微細構造は、ビーズ重複がほとんどなく高い多孔度を有する3D足場の中に配置された、図17Bに示すようなビーズを含む。隣接ビーズへの接続の間にも球様部分が明白である。
【0091】
図19は、従来の反応性CMATバッチから作製された微細構造を含む押し出されたハニカム体フィルタ壁構造を通過する断面のSEM後方散乱顕微鏡写真である。微細構造は、物質の球様部分を含まないことがわかる。
【0092】
図20は、本開示の例示的な実施形態によるビーズ構築微細構造の、押し出され焼成されたハニカム体フィルタ壁構造を通過するランダム断面のSEM後方散乱顕微鏡写真である。球様部分は、隣接するビーズとの接続の間の物質の円形部分として現れる。例えば、接続部分は、拡散結合またはビーズの融着部分および無機バインダー材料などの結合とすることができる。
【0093】
例示的な実施形態によれば、多孔質体は、約0.3から約0.7の範囲の割合としての多孔度(P)、透過性因子PQ>0.025(ここで、PQは(Kbulk)/(P・d50 )であり、Kbulkはダルシーの嵩透過率であり、d50はマイクロメートル(μm)単位での平均細孔寸法である)、約1.8から3の範囲の捻じれ度、および約10μmから約25μmの範囲のメジアン細孔寸法径d50を有する。例えば、多孔質体は、透過性因子PQ>0.03、PQ>0.04、PQ>0.046または、さらにPQ>0.05を含むことができる。
【0094】
これらの例示的な実施形態によれば、多孔質体は、隣接ビーズがビーズ接続部分により接続されるビーズおよびビーズ接続部分を含む接続されたビーズ微細構造をさらに含むことができ、PQはビーズ寸法に正比例し、本体を通過するランダム断面において、ビーズが球様部分として現れる。これらの例示的な実施形態において、球様部分は、ほぼ輪状、楕円形などの湾曲界面を有する物質を指す。
【0095】
これらの例示的な実施形態によれば、多孔質体は、0.9より大きな、壁貫通透過率KTWと嵩透過率Kbulkとの比(KTW/Kbulk>0.9)を有する。例えば、KTW/Kbulk>0.95、またはさらにKTW/Kbulk>0.99である。これらの例示的な実施形態によれば、多孔質体は、約30%から約40%の範囲の多孔度(%P)を有する。これらの例示的な実施形態によれば、多孔質体は、約40%から約70%の範囲の多孔度(%P)を有する。
【0096】
これらの例示的な実施形態によれば、多孔質体は、ビーズ、隣接ビーズがそれによって接続されているビーズ接続部分、および隣接接続ビーズの間の放射方向干渉の割合であり、約0.5未満であるビーズ重複率を含む、接続されたビーズ微細構造をさらに含む。これらの例示的な実施形態において、ビーズは無機の反応焼結球を含み、本体を通過するランダム断面において、ビーズが球様部分として現れる。
【0097】
これらの例示的な実施形態によれば、無機反応焼結球は、少なくとも1つの結晶相とガラス相とからなる酸化物を含む。これらの例示的な実施形態によれば、結晶相は、擬似ブルカイト、コージエライト、ムライト、スピネル、ストロンチウム、アルミニウム長石、ベータ-スポジュメンおよびベータ-ユークリプタイトのうちの少なくとも1つを含む。
【0098】
これらの例示的な実施形態によれば、多孔質体の無機反応焼結球は、アルミナ、チタニア、シリカ、希土類、SiC、SiNおよびアルカリ土類酸化物のうちの少なくとも1つから構成される。これらの例示的な実施形態によれば、ビーズ接続部分は、各ビーズ表面の50%未満のバインダーを含み、ビーズ微細構造はさらに細孔を含む。これらの例示的な実施形態によれば、ビーズ微細構造は、ビーズの表面間にさらに細孔を含む。
【0099】
これらの例示的な実施形態によれば、ビーズの重複率は約0.2未満であり、例えば、約0.05未満である。これらの例示的な実施形態によれば、メジアンビーズ径(Dbead)は、約14μm<Dbead≦50μmの範囲にある。例えば、Dbeadは約20μm<Dbead≦45μmの範囲内にあり、またはDbeadは約30μm<Dbead≦40μmの範囲でさえある。
【0100】
これらの例示的な実施形態によれば、多孔質体は、チタン酸アルミニウム擬板チタン石、コージエライト、長石、ガラスおよびムライトのうちの少なくとも1つを含むセラミック体を含む。これらの例示的な実施形態によれば、多孔質体は、それらの間にセルチャネルを定める対向する第1および第2の端面から軸方向に延びる複数の多孔質セラミックチャネル壁、および軸方向に延びる外周面をさらに含む。これらの例示的な実施形態によれば、多孔質体は、セルチャネルの一部に配置されたプラグをさらに備えて、微粒子フィルタおよび部分微粒子フィルタの少なくとも1つを形成する。これらの例示的な実施形態によれば、多孔質体は、チャネル壁内に配置された触媒被覆およびチャネル壁上に配置された触媒被覆の少なくとも1つをさらに含む。
【0101】
例示的な実施形態によれば、多孔質体は接続されたビーズ微細構造を含み、そのビーズ微細構造は、本体を通過するランダム断面においてそれが球様部分として現れるビーズ、隣接するビーズがそれによって接続されているビーズ接続部分、および隣接接続ビーズ間の放射方向干渉の割合であり、約0.5未満であるビーズ重複率を含み、本ビーズは、約20μm<Dbead≦50μmの範囲のメジアンビーズ径(Dbead)、および(Dbreadth)が100μm未満であり、Dbreadthが((D90-D10)/D50)であるビーズ径分布(Dbreadth)を有する。。
【0102】
例示的な実施形態によれば、多孔質体は、
約0.3から約0.4の範囲の割合としての多孔度(P)、0.017・P・d50 以上の透過率(K)(ここで、d50はマイクロメートル(μm)単位での平均細孔寸法)、 約2から5の範囲の捻じれ度、および
約10μmから約35μmの範囲のメジアン細孔寸法径d50
を有する。
【0103】
本開示の精神または範囲から逸脱することなく様々な修正および変形が本開示になされ得ることが当業者には明らかであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内に入るならば、本開示の修正および変形を包含することが意図される。
【0104】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0105】
実施形態1
約0.3から約0.7の範囲の割合としての多孔度(P)、
透過性因子PQ>0.025(ここで、PQは(Kbulk)/(P・d50 )であり、Kbulkはダルシーの嵩透過率であり、d50はマイクロメートル(μm)単位での平均細孔寸法である)、
約1.8から3の範囲の捻じれ度、および
約10μmから約25μmの範囲のメジアン細孔寸法径d50
を有する多孔質セラミック体。
【0106】
実施形態2
PQ>0.03である、実施形態1に記載の多孔質セラミック体。
【0107】
実施形態3
PQ>0.04である、実施形態1に記載の多孔質セラミック体。
【0108】
実施形態4
PQ>0.046である、実施形態1に記載の多孔質セラミック体。
【0109】
実施形態5
PQ>0.05である、実施形態1に記載の多孔質セラミック体。
【0110】
実施形態6
隣接するビーズ部分がビーズ接続部分によって接続されているビーズ部分とビーズ接続部分とを含む相互接続されたビーズ微細構造をさらに含み、
PQはビーズ寸法に正比例し、
本体を通過するランダム断面において、ビーズ部分が球様として現れる、
実施形態1から5のいずれか1つに記載の多孔質セラミック体。
【0111】
実施形態7
隣接するビーズ部分がビーズ接続部分によって接続されているビーズ部分とビーズ接続部分とを含む相互接続されたビーズ微細構造をさらに含み、
PQはビーズ重複率に反比例し、ビーズ重複率は隣接接続ビーズ部分間の放射方向干渉の割合であり、
本体を通過するランダム断面において、ビーズ部分が球様として現れる、
実施形態1から6のいずれか1つに記載の多孔質セラミック体。
【0112】
実施形態8
壁貫通透過率KTWと嵩透過率Kbulkとの比が0.9より大きい(KTW/Kbulk>0.9)、実施形態1から7のいずれか1つに記載の多孔質セラミック体。
【0113】
実施形態9
TW/Kbulk>0.95である、実施形態8に記載の多孔質セラミック体。
【0114】
実施形態10
TW/Kbulk>0.99である、実施形態8に記載の多孔質セラミック体。
【0115】
実施形態11
多孔度(%P)が約30%から約40%の範囲内である、実施形態1から10のいずれか1つに記載の多孔質セラミック体。
【0116】
実施形態12
多孔度(%P)が約40%から約70%の範囲内である、実施形態1から11のいずれか1つに記載の多孔質セラミック体。
【0117】
実施形態13
ビーズ部分、
隣接するビーズ部分がそれによって接続されているビーズ接続部分、および
隣接接続ビーズ部分間の放射方向干渉の割合であり、約0.5未満であるビーズ重複率を含み、
ビーズ部分は無機反応焼結球を含み、かつ
本体を通過するランダム断面において、ビーズ部分が球様として現れる、
相互接続されたビーズ微細構造をさらに含む、実施形態1から12のいずれか1つに記載の多孔質セラミック体。
【0118】
実施形態14
前記無機反応焼結球が、少なくとも1つの結晶相およびガラス相からなる酸化物を含む、実施形態1から13のいずれかに1つに記載の多孔質セラミック体。
【0119】
実施形態15
前記結晶相が、擬似ブルカイト、コージエライト、ムライト、スピネル、ストロンチウム、アルミニウム長石、ベータ-スポジュメンおよびベータ-ユークリプタイトのうちの少なくとも1つを含む、実施形態4に記載の多孔質セラミック体。
【0120】
実施形態16
前記無機反応焼結球が、アルミナ、チタニア、シリカ、希土類、SiC、SiNおよびアルカリ土類酸化物のうちの少なくとも1つからなる、実施形態1から15のいずれか1つに記載の多孔質セラミック体。
【0121】
実施形態17
ビーズ接続部分が、各ビーズ部分表面の50%未満のバインダーを含み、前記ビーズ微細構造がさらに細孔を含む、実施形態1から16のいずれか1つに記載の多孔質セラミック体。
【0122】
実施形態18
前記ビーズ微細構造が、前記ビーズ部分の表面間にさらに細孔を含む、実施形態1から17のいずれか1つに記載の多孔質セラミック体。
【0123】
実施形態19
前記ビーズ重複率が約0.2未満である、実施形態1から18のいずれか1つに記載の多孔質セラミック体。
【0124】
実施形態20
前記ビーズ重複率が約0.05未満である、実施形態1から19のいずれか1つに記載の多孔質セラミック体。
【0125】
実施形態21
前記メジアンビーズ部分径(Dbead)が、約14μm<Dbead≦50μmの範囲内である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の多孔質セラミック体。
【0126】
実施形態22
前記メジアンビーズ部分径(Dbead)が、約20μm<Dbead≦45μmの範囲内である、実施形態1から21のいずれか1つに記載の多孔質セラミック体。
【0127】
実施形態23
前記メジアンビーズ部分径(Dbead)が、約30μm<Dbead≦40μmの範囲内である、実施形態1から22のいずれか1つに記載の多孔質セラミック体。
【0128】
実施形態24
チタン酸アルミニウム、擬板チタン石、コージエライト、長石、ガラスおよびムライトのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1から23のいずれか1つに記載の多孔質セラミック体。
【0129】
実施形態25
それらの間にセルチャネルを定める対向する第1および第2の端面から軸方向に延びる複数の多孔質セラミックチャネル壁、および
軸方向に延びる外周面
をさらに含む、実施形態1から24のいずれか1つに記載の多孔質セラミック体。
【0130】
実施形態26
微粒子フィルタおよび部分微粒子フィルタのうちの少なくとも1つを形成するセルチャネルの一部に配置されたプラグをさらに備える、実施形態1から25のいずれか1つに記載の多孔質セラミック体。
【0131】
実施形態27
チャネル壁内に配置された触媒被膜およびチャネル壁に接して配置された触媒被膜のうちの少なくとも1つをさらに含む、実施形態1から26のいずれか1つに記載の多孔質セラミック体。
【0132】
実施形態28
本体を通過するランダム断面において球様部分として現れるビーズ、
隣接するビーズがそれによって接続されているビーズ接続部分、および
隣接接続ビーズ間の放射方向干渉の割合であり、約0.5未満であるビーズ重複率を含み、
前記ビーズが、約20μm<Dbead≦50μmの範囲のメジアンビーズ径(Dbead)を含み、かつ
ビーズ径分布(Dbreadth)が100μm未満であり、Dbreadthが((D90-D10)/D50)である、
接続されたビーズ微細構造を含む、多孔質体。
【0133】
実施形態29
約0.3から約0.4の範囲の割合としての多孔度(P)、
約0.017・P・d50 以上の透過率(K)(d50は平均細孔寸法)、
約2から5の範囲の捻じれ度、および
約10μmから約35μmの範囲の水銀ポロシメトリによって測定されるメジアン細孔寸法径d50
を有する多孔質体。
【符号の説明】
【0134】
100 ハニカム体
102、104 端面
106 外周面
108、112 交差壁
110、114 チャネル
A 矢印
D1 最大寸法
200 細孔ネットワーク
204、210、216、224、228 細孔
208、220 細孔ネック
212 固形物質
230 逆細孔ネットワーク
232 低温バインダー
234、246 ビーズ
238 物質ネック
242 チャンネル
R1、R2 半径
PF1、PF2 細孔
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18A
図18B
図19
図20