(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-19
(45)【発行日】2022-05-27
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220520BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2019105664
(22)【出願日】2019-06-05
【審査請求日】2021-03-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】谷藤 大蔵
【審査官】橘 皇徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-108140(JP,A)
【文献】特開2018-130148(JP,A)
【文献】特開2017-070456(JP,A)
【文献】特開2017-104563(JP,A)
【文献】特開2020-185049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
遊技者の動作を検知可能な動作検知手段と、
前記有利状態に制御されることを示唆する特定演出を実行する特定演出実行手段と、
前記特定演出の実行中において、遊技者の動作検知に応じて当該特定演出の実行後に前記有利状態に制御されることを示唆する動作演出を実行する動作演出実行手段と、
前記動作演出の実行態様を示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段と、を備え、
前記特定演出、前記動作演出、および前記示唆演出は、いずれも同一の前記変動表示が行われている間に実行され、
前記動作演出実行手段は、前記有利状態に制御される期待度が異なる複数種類の実行態様のうちのいずれかの実行態様で前記動作演出を実行し、
前記示唆演出実行手段は、前記特定演出の実行前から前記示唆演出を実行するとともに、当該示唆演出の実行態様を段階的に変化させることが可能であり、
前記特定演出の実行前に前記示唆演出の実行態様が特定態様に変化したときと、前記特定演出の実行中に前記示唆演出の実行態様が前記特定態様に変化したときとで、前記有利状態に制御される期待度が異なる、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技者の動作検知に応じて所定の演出を実行する遊技機が知られている。たとえば、特許文献1には、スーパーリーチの演出内において遊技者のボタン操作に応じてカットイン演出を実行する遊技機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した遊技機によれば、スーパーリーチの演出内において遊技者の動作検知に応じてカットイン演出が実行されるか否かについて遊技者に注目させることができるが、スーパーリーチに発展する前の期間はこのような演出と何ら関連しておらず、遊技の興趣を向上させることができない虞があった。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技者の動作検知に応じて実行される演出について遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)
識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
遊技者の動作を検知可能な動作検知手段(たとえば、演出制御用CPU120によるプッシュボタン31Bに対する遊技者の操作を検知する処理)と、
前記有利状態に制御されることを示唆する特定演出(たとえば、
図9-11に示すSPリーチ後半の演出)を実行する特定演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU120による可変表示開始設定処理,可変表示中演出処理)と、
前記特定演出の実行中において、遊技者の動作検知に応じて当該特定演出の実行後に前記有利状態に制御されることを示唆する動作演出(たとえば、
図9-12(a)に示す操作演出)を実行する動作演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU120による可変表示開始設定処理,可変表示中演出処理)と、
前記動作演出の実行態様を示唆する示唆演出(たとえば、
図9-9(E)に示す操作示唆演出)を実行する示唆演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU120による可変表示開始設定処理,可変表示中演出処理)と、を備え、
前記特定演出、前記動作演出、および前記示唆演出は、いずれも同一の前変動表示が行われている間に実行され、
前記動作演出実行手段は、前記有利状態に制御される期待度が異なる複数種類の実行態様(たとえば、ネコ,パンダ,ゴリラ,ライオンのアイコン画像)のうちのいずれかの実行態様で前記動作演出を実行し、
前記示唆演出実行手段は、前記特定演出の実行前から前記示唆演出を実行するとともに、当該示唆演出の実行態様を段階的に変化させることが可能であり(たとえば、
図9-2に示す操作示唆演出の実行例)、
前記特定演出の実行前に前記示唆演出の実行態様が特定態様に変化したときと、前記特定演出の実行中に前記示唆演出の実行態様が前記特定態様に変化したときとで、前記有利状態に制御される期待度が異なる(たとえば、
図9-6,
図9-7に示すように、SPリーチ前半で操作示唆のアイコン画像がライオンに変化する操作示唆パターン7は、SPリーチ後半で操作示唆のアイコン画像がライオンに変化する操作示唆パターン4~6よりも大当り期待度が高い)。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施の形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。
【
図2】パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。
【
図3】遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】遊技制御タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8-2】パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。
【
図8-3】(A),(B)は、演出制御コマンドを例示する図である。
【
図8-6】表示結果判定テーブルを示す説明図である。
【
図8-7】大当り種別判定テーブルを示す説明図である。
【
図8-9】(A)は大当り用変動パターン判定テーブル(大当りA用)を示す説明図であり、(B)は大当り用変動パターン判定テーブル(大当りB、大当りC用)を示す説明図であり、(C)は小当り用変動パターン判定テーブルを示す説明図である。
【
図8-10】はずれ用変動パターン判定テーブルを示す説明図である。
【
図8-11】遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【
図8-12】始動入賞判定処理を示すフローチャートである。
【
図8-13】入賞時乱数値判定処理を示すフローチャートである。
【
図8-14】演出制御プロセス処理の一部を示すフローチャートである。
【
図8-15】先読予告設定処理を示すフローチャートである。
【
図8-16】先読予告演出の表示パターンの決定割合を示す図である。
【
図8-17】可変表示開始設定処理を示すフローチャートである。
【
図8-18】後部可変表示中示唆演出決定処理を示すフローチャートである。
【
図8-19】(A)は後部可変表示中示唆演出として実行する演出の決定割合を示す図であり、(B)は後部可変表示中示唆演出として実行する大当り示唆演出と設定示唆演出の演出パターンを示す図である。
【
図8-20】大当り示唆演出の演出パターンの決定割合を示す図である。
【
図8-21】設定示唆演出の演出パターンの決定割合を示す図である。
【
図8-22】前部可変表示中示唆演出決定処理を示すフローチャートである。
【
図8-23】(A)は大当り示唆演出の実行が決定されている場合に前部可変表示中示唆演出として実行する演出の決定割合を示す図であり、(B)は設定示唆演出の実行が決定されている場合に前部可変表示中示唆演出として実行する演出の決定割合を示す図であり、(C)は前部可変表示中示唆演出として実行するキャラクタ演出とタイマ演出の演出パターンを示す図であり、(D)はキャラクタ演出とタイマ演出の大当り期待度および設定示唆演出の実行期待度を示す図である。
【
図8-24】(A)はキャラクタ演出の演出パターンの決定割合を示す図であり、(B)はタイマ演出の演出パターンの決定割合を示す図であり、(C)はタイマ演出の各演出パターンの内容を示す図である。
【
図8-25】スーパーリーチの可変表示における演出実行期間を示す図である。
【
図8-26】スーパーリーチの可変表示における演出態様を示す図である。
【
図8-27】スーパーリーチの可変表示における演出態様を示す図である。
【
図8-28】スーパーリーチの可変表示における演出態様を示す図である。
【
図8-29】変形例におけるキャラクタ演出とタイマ演出の前部可変表示中示唆演出としての実行決定割合と設定示唆演出の実行期待度を示す図である。
【
図8-30】変形例における保留記憶表示と演出画像との表示態様を示す図である。
【
図8-31】変形例におけるノーマルリーチ、短縮なし非リーチ、短縮非リーチの可変表示での設定示唆演出の実行期間を示す図である。
【
図9-1】変動パターンごとの演出内容の一例を示す図である。
【
図9-2】可変表示中における各種演出の実行タイミングの一例を示す図である。
【
図9-3】可変表示開始設定処理を示すフローチャートである。
【
図9-4】アクティブ表示演出のパターンの一例を示す図である。
【
図9-5】アクティブ表示演出テーブルを示す説明図である。
【
図9-6】操作示唆演出のパターンの一例を示す図である。
【
図9-7】操作示唆演出テーブルを示す説明図である。
【
図9-9】可変表示中における各種演出の一例を示す図である。
【
図9-10】可変表示中における各種演出の一例を示す図である。
【
図9-11】可変表示中における各種演出の一例を示す図である。
【
図9-12】可変表示中における各種演出の一例を示す図である。
【
図9-13】可変表示中における各種演出の一例を示す図である。
【
図9-14】操作示唆の複数段階変化の一例を示す図である。
【
図9-16】同一キャラクタによるアクティブ表示または操作示唆の変化の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<基本説明>
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成および制御(一般的なパチンコ遊技機の構成および制御でもある。)について説明する。
【0009】
[パチンコ遊技機1の構成など]
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
【0010】
遊技盤2の所定位置(
図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
【0011】
なお、特別図柄の「可変表示」とは、たとえば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄または普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示または更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出または導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
【0012】
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
【0013】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、たとえばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)などから構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタおよびスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
【0014】
たとえば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームに同期して、「左」,「中」,「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて飾り図柄が可変表示(たとえば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲームおよび飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
【0015】
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示およびアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
【0016】
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
【0017】
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
【0018】
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
【0019】
入賞球装置6Aは、たとえば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(たとえば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
【0020】
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(
図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、たとえば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(たとえば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
【0021】
遊技盤2の所定位置(
図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(たとえば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0022】
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(
図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
【0023】
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
【0024】
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(たとえば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、たとえば第1始動入賞口や第2始動入賞口および一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
【0025】
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
【0026】
遊技盤2の所定位置(
図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
【0027】
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
【0028】
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、たとえば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
【0029】
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
【0030】
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音などを再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
【0031】
遊技盤2の所定位置(
図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
【0032】
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者などによって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
【0033】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
【0034】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(
図2参照)により検出される。
【0035】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(
図2参照)により検出される。
【0036】
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作など)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
【0037】
[遊技の進行の概略]
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間などに遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(たとえば4)まで保留される。
【0038】
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図はずれ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図はずれ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
【0039】
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
【0040】
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
【0041】
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(たとえば4)までその実行が保留される。
【0042】
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、たとえば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、たとえば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(はずれ図柄、たとえば「-」)が停止表示されれば「はずれ」となる。
【0043】
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
【0044】
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
【0045】
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。たとえば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ないまたはほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
【0046】
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。たとえば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じなど)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
【0047】
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
【0048】
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させるなどにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
【0049】
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
【0050】
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことなどといった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変など)ともいう。
【0051】
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態などの有利状態、時短状態、確変状態などの特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率および特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(たとえばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
【0052】
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
【0053】
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
【0054】
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(たとえば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。たとえば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
【0055】
[演出の進行など]
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えてまたは代えて、スピーカ8L,8Rからの音声出力、および/または、遊技効果ランプ9の点灯/消灯、可動体32の動作などにより行われてもよい。
【0056】
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」,「中」,「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
【0057】
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
【0058】
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、たとえば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
【0059】
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」,「中」,「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(たとえば、「7」など)が揃って停止表示される。
【0060】
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(たとえば、「7」など)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(たとえば、「6」など)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
【0061】
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組み合わせとなる確定飾り図柄(たとえば、「1 3 5」など)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」,「中」,「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
【0062】
特図ゲームの表示結果が「はずれ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組み合わせの確定飾り図柄(「非リーチはずれ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチはずれ」となる)ことがある。また、表示結果が「はずれ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組み合わせでない所定のリーチ組み合わせ(「リーチはずれ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチはずれ」となる)こともある。
【0063】
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、たとえば、大当り信頼度を予告する予告演出などが飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
【0064】
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
【0065】
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、たとえばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
【0066】
また、たとえば特図ゲームなどが実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
【0067】
[基板構成]
図2は、パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。パチンコ遊技機1には、たとえば
図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、たとえば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
【0068】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
【0069】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、たとえば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
【0070】
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部または一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
【0071】
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
【0072】
I/O105は、たとえば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
【0073】
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過または進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過または進入が検出されたことになる。
【0074】
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(たとえば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
【0075】
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況などを指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、たとえば主基板11における各種の決定結果(たとえば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(たとえば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生などを指定するコマンドなどが含まれる。
【0076】
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知などの各種報知を含む)を実行する機能を有する。
【0077】
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
【0078】
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定などを含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
【0079】
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
【0080】
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
【0081】
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32または当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
【0082】
音声制御基板13は、スピーカ8L,8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L,8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L,8Rから出力させる。
【0083】
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
【0084】
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給など)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給など)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
【0085】
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
【0086】
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、たとえば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
【0087】
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
【0088】
<動作>
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
【0089】
[主基板11の主要な動作]
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。
図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【0090】
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポートなど)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定などが含まれる。
【0091】
次に、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、たとえば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
【0092】
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、たとえば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
【0093】
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電など(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理などが実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビットなど)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態などを含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
【0094】
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、たとえば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
【0095】
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
【0096】
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御タイマ割込処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
【0097】
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、たとえば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたことまたは電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
【0098】
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(たとえば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(たとえば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
【0099】
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、
図4のフローチャートに示す遊技制御タイマ割込処理を実行する。
図4は、遊技制御タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。
【0100】
図4に示す遊技制御タイマ割込処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、たとえばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数などを示す情報)、始動情報(始動入賞の回数などを示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数などを示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
【0101】
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込みごとに特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行および保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
【0102】
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込みごとに普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行および保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
【0103】
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御タイマ割込処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理などなどが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御タイマ割込処理を終了する。
【0104】
図5は、特別図柄プロセス処理として、
図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
【0105】
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定などの判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、たとえば特別図柄プロセス処理が終了した後、
図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
【0106】
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110~S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110~S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
【0107】
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、はずれ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特
図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口および第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
【0108】
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
【0109】
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
【0110】
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無など)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類など)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
【0111】
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
【0112】
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「はずれ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」または「はずれ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
【0113】
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、たとえば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
【0114】
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
【0115】
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
【0116】
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
【0117】
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
【0118】
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
【0119】
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
【0120】
[演出制御基板12の主要な動作]
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板などから電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、
図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。
図6は、演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
【0121】
図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定などを行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
【0122】
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、たとえばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(たとえば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
【0123】
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、たとえば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、たとえば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、たとえばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0124】
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、たとえば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。たとえば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容などを演出制御プロセス処理などで確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
【0125】
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、たとえば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンドなどに応じた判定や決定、設定などが行われる。
【0126】
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
【0127】
図7は、演出制御プロセス処理として、
図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、たとえば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
【0128】
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、たとえばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170~S177の処理のいずれかを選択して実行する。
【0129】
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
【0130】
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果などを反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
【0131】
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L,8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、たとえば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
【0132】
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「はずれ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
【0133】
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、たとえば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターンなどを設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、たとえば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
【0134】
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、たとえば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターンなどを設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
【0135】
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、たとえば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターンなどを設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、たとえば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
【0136】
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、たとえば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターンなどを設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
【0137】
[基本説明の変形例]
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形および応用が可能である。
【0138】
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
【0139】
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(たとえば、「-」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「-」を示す記号が表示されなくてもよい)。
【0140】
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組み合わせが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(たとえば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナスなど)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
【0141】
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線などを介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0142】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線などを介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリなどに一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線などを介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置などとネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0143】
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。たとえば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合または「100%」未満の割合であることも含む。
【0144】
<特徴部153SGに関する説明>
次に、本実施の形態の特徴部153SGにおける遊技機につき、
図8-1~
図8-31を参照して説明する。
【0145】
まず、
図8-1は、本実施の形態の特徴部153SGにおけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。
図8-1に示すように、パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、縦長の方形枠状に形成された外枠と、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠には、ガラス窓を有するガラス扉枠が左側辺を中心として遊技機用枠の前面を開放する扉開放位置と該前面を閉鎖する扉閉鎖位置との間で回動可能に設けられ、該ガラス扉枠により遊技領域を開閉できるようになっており、ガラス扉枠を閉鎖したときにガラス窓を通して遊技領域を透視できるようになっている。
【0146】
また、遊技機用枠は、遊技場の店員などが所有する扉キーを図示しない錠前に挿入して解錠することで開放可能となり、店員以外の遊技者などは遊技機用枠およびガラス扉枠を開放することはできないようになっている。
【0147】
左遊技領域153SG002Lは、打球操作ハンドル30の操作によって比較的弱く打ち出された(左打ち)遊技球が流下する遊技領域であり、右遊技領域153SG002Rは、打球操作ハンドル30の操作によって左遊技領域153SG002Lを流下する遊技球よりも強く打ち出された(右打ち)遊技球が、画像表示装置5の上方経路153SG002Cを通過して流下する遊技領域である。
【0148】
また、左遊技領域153SG002Lには、一般入賞口10が配置されており、右遊技領域153SG002Rには、該右遊技領域153SG002Rの上流方から下流側にかけて、通過ゲート41、可変入賞球装置6B、一般入賞口10、特別可変入賞球装置7が配置されている。つまり、左遊技領域153SG002Lを流下する遊技球は、一般入賞口10と入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に入賞可能となっており、右遊技領域153SG002Rを流下する遊技球は、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口、一般入賞口10および特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口に入賞可能となっているとともに、通過ゲート41を通過可能となっている。
【0149】
図8-1に示すように、入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bおよび特別可変入賞球装置7の間には、複数の障害釘153SGK1が配設されている。このため、左遊技領域153SG002Lを流下する遊技球は、第2始動入賞口や大入賞口に入賞不能であるとともに、右遊技領域153SG002Rを流下する遊技球は、第1始動入賞口に入賞不能となっている。
【0150】
また、画像表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア153SG005D、第2保留記憶表示エリア153SG005Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア153SG005D、第2保留記憶表示エリア153SG005Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
【0151】
図8-2に示すように、本実施の形態の特徴部153SGにおける主基板11は、第1部材と第2部材とにより開放可能に構成された基板ケースに収納された状態でパチンコ遊技機1の背面に搭載されている。また、主基板11には、パチンコ遊技機1の設定値を変更可能な設定値変更状態に切り替えるための錠スイッチ153SG051と、設定値変更状態において後述する大当りの当選確率(出玉率)などの設定値を変更するための設定スイッチとして機能する設定切替スイッチ153SG052と、遊技機用枠の開放を検知する開放センサ153SG090と、が設けられている。なお、詳細は後述するが、本実施の形態の特徴部153SGにおける設定値変更状態は、遊技場の店員などがパチンコ遊技機1に設定されている設定値を確認可能な状態(設定値確認状態)でもある。
【0152】
これら錠スイッチ153SG051および設定切替スイッチ153SG052といった遊技者が操作可能な操作部が設けられた設定切替本体部は、主基板11とともに基板ケース内に収容されており、錠スイッチ153SG051および設定切替スイッチ153SG052は、基板ケースを開放しなくても操作可能となるように基板ケースの背面に形成された開口を介して背面側に露出している。
【0153】
錠スイッチ153SG051および設定切替スイッチ153SG052を有する基板ケースは、パチンコ遊技機1の背面に設けられているため、遊技機用枠を閉鎖した状態では操作が極めて困難であり、所定の扉キーを用いて遊技機用枠を開放することで操作が可能となる。また、錠スイッチ153SG051は、遊技場の店員などが所有する設定キーの操作を要することから、設定キーを所持する店員のみ操作が可能とされている。また、錠スイッチ153SG051は、設定キーによって、後述するONとOFFの切替操作を実行可能なスイッチでもある。なお、本実施の形態の特徴部153SGでは、扉キーと設定キーとが別個のキーである形態を例示しているが、これらは1のキーにて兼用されていてもよい。
【0154】
また、基板ケースには、設定値や後述するベース値を表示可能な表示モニタ153SG029が配置されている。該表示モニタ153SG029は、主基板11に接続されているとともに、基板ケースの上部に配置されている。つまり、表示モニタ153SG029は、基板ケースにおける主基板11を視認する際の正面に配置されている。主基板11は、遊技機用枠を開放していない状態では視認できないので、主基板11を視認する際の正面とは、遊技機用枠を開放した状態における遊技盤2の裏面側を視認する際の正面であり、パチンコ遊技機1の正面とは異なる。ただし、主基板11を視認する際の正面とパチンコ遊技機1の正面とが共通するようにしてもよい。
【0155】
また、
図8-1および
図8-2に示すように、本実施の形態の特徴部153SGにおけるパチンコ遊技機1の遊技盤2の所定位置(たとえば、遊技領域の左下方位置)には、第1特図の可変表示を実行可能な第1特別図柄表示装置153SG004A、第2特図の可変表示を実行可能な第2特別図柄表示装置153SG004B、第1保留記憶数を表示可能な第1保留表示器153SG025A、第2保留記憶数を表示可能な第2保留表示器153SG025B、普通図柄の可変表示を実行可能な普通図柄表示器153SG020、普図保留記憶数を表示可能な普図保留表示器153SG025C、大当り遊技中に当該大当り遊技のラウンド数(大当り種別)を表示可能なラウンド表示器153SG131、高ベース状態(時短状態)や大当り遊技状態などの遊技球を右遊技領域153SG002Rに向けて打ち出す遊技状態において点灯する右打ちランプ153SG132、確変状態であるとき点灯する確変ランプ153SG133、高ベース状態(時短状態)において点灯する時短ランプ153SG134が纏めて配置されている遊技情報表示部153SG200が設けられている。
【0156】
第1特別図柄表示装置153SG004Aと第2特別図柄表示装置153SG004Bとは、それぞれ8セグメントのLEDから構成されている。また、第1特別図柄表示装置153SG004Aと第2特別図柄表示装置153SG004Bとでは、特別図柄の可変表示結果がはずれや小当りである場合は、共通の組み合わせで該可変表示結果を導出表示可能となっている。
【0157】
第1特別図柄の可変表示において該可変表示結果が大当りとなる場合について、第1特別図柄表示装置153SG004Aは、大当り種別ごとに2種類の大当り図柄(点灯するLEDの組合せ)にて可変表示結果と導出表示可能となっている。また、第2特別図柄の可変表示において該可変表示結果が大当りとなる場合について、第2特別図柄表示装置153SG004Bは、大当り種別ごとに2種類の大当り図柄(点灯するLEDの組合せ)にて可変表示結果と導出表示可能となっている。
【0158】
なお、本実施の形態の特徴部153SGにおいては、第1特別図柄表示装置153SG004Aと第2特別図柄表示装置153SG004Bとで導出表示可能な大当り図柄は全て異なっているが、第1特別図柄表示装置153SG004Aで導出表示可能な大当り図柄と第2特別図柄表示装置153SG004Bで導出表示可能な大当り図柄は少なくとも一部が重複していてもよい。
【0159】
第1保留表示器153SG025Aと第2保留表示器153SG025Bとは、それぞれ4セグメントのLEDが左右方向に並列して配置されている。これら第1保留表示器153SG025Aと第2保留表示器153SG025Bとでは、保留記憶数が1個であれば左端部のLEDのみが点灯し、保留記憶数が増加していくごとに左から2番目、左から3番目、左から4番目のLEDが順次点灯する。そして、可変表示が実行されるごとに、保留記憶が減少する(消費される)ことに応じて、該可変表示に対応する保留表示器でのLEDが所定のシフト方向(本実施の形態の特徴部153SGでは左方向)に向けて消灯していく。
【0160】
なお、本実施の形態の特徴部153SGでは、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とが両方存在する場合は、第2特図保留記憶に基づく可変表示が優先して実行される様になっている。このためたとえば第1特図保留記憶が1個存在するとともに第2特図保留記憶が2個存在する場合(第1保留表示器153SG025Aの左端部のLEDのみが点灯しているとともに、第2保留表示器153SG25Bの左2個のLEDが点灯している場合)は、第2特図保留記憶に基づく可変表示の実行によって第2特図保留記憶が0個となった後に、第1特図保留記憶に基づく可変表示が実行される。
【0161】
また、ラウンド表示器153SG131は5個のセグメント(LED)から構成されている。なお、本実施の形態の特徴部153SGにおける大当り種別としては、5ラウンド大当りである大当りA、10ラウンド大当りである大当りB、15ラウンド大当りである大当りCの計3個の大当り種別が設けられており、これら大当り種別に応じてラウンド表示器153SG131を構成するセグメントのうちいずれのセグメントが点灯するかが異なっている。
【0162】
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、たとえば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、たとえば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるLED制御コマンドが含まれている。
【0163】
なお、本実施の形態の特徴部153SGにおける演出制御基板12には、可変表示中などにそれぞれの原点位置と演出位置との間で動作可能な第1可動体および第2可動体と、第1可動体が該第1可動体の原点位置に位置していることを検出可能な原点検出センサと、第2可動体が該第2可動体の原点位置に位置していることを検出可能な原点検出センサと、が接続されている。
【0164】
図8-3(A)は、本実施の形態における特徴部153SGで用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、たとえば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、
図8-3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
【0165】
図8-3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置153SG004Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示の開始を指定する第1可変表示開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置153SG004Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける可変表示の開始を指定する第2可変表示開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」,「中」,「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。なお、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
【0166】
コマンド8CXXHは、可変表示結果通知コマンドであり、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、たとえば
図8-3(B)に示すように、可変表示結果が「はずれ」であるか「大当り」であるか「小当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
【0167】
可変表示結果通知コマンドでは、たとえば
図8-3(B)に示すように、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「はずれ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りA」となる旨の事前決定結果および大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りB」となる旨の事前決定結果および大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りC」となる旨の事前決定結果および大当り種別決定結果を通知する第4可変表示結果指定コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を通知する第5可変表示結果指定コマンドである。
【0168】
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」,「中」,「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、たとえばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御が行われない遊技状態(低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。
【0169】
コマンド96XXHは、パチンコ遊技機1においてエラー(異常)の発生および発生したエラー(異常)の種別を指定するエラー(異常)指定コマンドである。エラー(異常)指定コマンドでは、たとえば、各エラー(異常)に対応するEXTデータが設定されることにより、演出制御基板12側において、いずれのエラー(異常)の発生が判定されたのかを特定することができ、特定したエラー(異常)の発生が、後述するエラー報知処理によって報知される。
【0170】
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
【0171】
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、たとえば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果および大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、大当り遊技状態または小当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(たとえば「1」~「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
【0172】
コマンドB100Hは、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置153SG004Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置153SG004Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
【0173】
コマンドC1XXHは、画像表示装置5などにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、画像表示装置5などにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、たとえば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、たとえば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
【0174】
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
【0175】
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否かおよび大当り種別(確変や非確変など)の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン判定用の乱数値MR3が、「非リーチ」、「スーパーリーチ」、「その他」のいずれの変動パターンとなるかの判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。
【0176】
コマンドD0XXHは、新たに設定された設定値を主基板11から演出制御基板12(演出制御用CPU120)に指定するための設定値指定コマンドである。コマンドE101Hは、パチンコ遊技機1がRAM102の内容をクリアせずに起動したこと(電断復旧したこと、ホットスタートとも言う)を通知するホットスタート通知コマンドである。コマンドE102Hは、パチンコ遊技機1がRAM102の内容をクリアして起動したこと(コールドスタート)を通知するコールドスタート通知コマンドである。
【0177】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、たとえば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データなどを記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、時刻情報を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)106とを備えて構成される。
【0178】
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
【0179】
図8-4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。
図8-4に示すように、この実施の形態の特徴部153SGでは、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1の他、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4、MR4の初期値決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1~MR5は、CPU103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路104によって更新されてもよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
【0180】
なお、本実施の形態では各乱数値MR1~MR5をそれぞれ
図8-4に示す範囲の値として用いる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら各乱数値MR1~MR5の範囲は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値に応じて異ならせてもよい。
【0181】
図8-5は、本実施の形態における変動パターンを示している。本実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。また、可変表示結果が「小当り」となる場合などに対応して、1の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「はずれ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「はずれ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。可変表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。
【0182】
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。なお、本実施の形態では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けてもよい。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けてもよい。
【0183】
図8-5に示すように、本実施の形態の特徴部153SGにおけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施の形態におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
【0184】
なお、本実施の形態では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に可変表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターンおよびスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
【0185】
なお、本実施の形態の特徴部153SGにおいては、後述するように、これら変動パターンを、たとえば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別などのように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしてもよい。
【0186】
また、本実施の形態の特徴部153SGでは、
図8-5に示すように、変動パターンごとに変動内容(演出内容)が予め決定されている形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定されている設定値に応じて同じ変動パターンであっても変動内容(演出内容)が異なるようにしてもよい。たとえば、ノーマルリーチはずれの変動パターンPA2-1の場合は、設定されている設定値が1の場合は、ノーマルリーチはずれとなる変動パターンとし、設定されている設定値が2の場合は、擬似連演出を2回実行して非リーチはずれとなる変動パターンとして、設定されている設定値が3の場合は、擬似連演出を3回実行してスーパーリーチはずれとなる変動パターン…などとすればよい。
【0187】
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行し、RAM102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
【0188】
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。たとえば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された、
図8-6~
図8-10などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの可変表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
【0189】
ROM101が記憶する判定テーブルには、たとえば
図8-6(A)に示す第1特図用表示結果判定テーブル、
図8-6(B)に示す第2特図用表示結果判定テーブル、
図8-7(A)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、
図8-7(B)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)の他、大当り変動パターン判定テーブル、小当り変動パターン判定テーブル、はずれ変動パターン判定テーブル、普図表示結果判定テーブル(図示略)、普図変動パターン決定テーブル(図示略)などが含まれている。
【0190】
本実施の形態の特徴部153SGのパチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当りの当選確率(出玉率)が変わる構成とされている。詳しくは、後述する特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率(出玉率)が変わるようになっている。設定値は1~6の6段階からなり、6が最も出玉率が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど出玉率が低くなる。すなわち、設定値として6が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。換言すれば、設定値とは、最も大きい値である6が最も遊技場側にとって不利な値であり、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど遊技場側にとって有利な値となる。
【0191】
図8-6(A)および
図8-6(B)は、表示結果判定テーブルを示す説明図である。表示結果判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される当り判定値が設定値ごとに設定されているテーブルである。本実施の形態の特徴部153SGでは、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いるようにしてもよい。
【0192】
図8-6(A)に示すように、設定値が1であり変動特図が第1特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1237までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1346までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0193】
図8-6(B)に示すように、設定値が1であり変動特図が第2特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1237までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1346までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0194】
図8-6(A)に示すように、設定値が2であり変動特図が第1特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1253までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1383までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0195】
図8-6(B)に示すように、設定値が2であり変動特図が第2特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1253までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1383までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0196】
図8-6(A)に示すように、設定値が3であり変動特図が第1特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1272までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1429までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0197】
図8-6(B)に示すように、設定値が3であり変動特図が第2特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1272までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1429までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0198】
図8-6(A)に示すように、設定値が4であり変動特図が第1特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1292までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1487までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0199】
図8-6(B)に示すように、設定値が4であり変動特図が第2特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1292までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1487までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0200】
図8-6(A)に示すように、設定値が5であり変動特図が第1特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1317までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1556までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0201】
図8-6(B)に示すように、設定値が5であり変動特図が第2特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1317までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1556までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0202】
図8-6(A)に示すように、設定値が6であり変動特図が第1特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1346までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1674までが「大当り」に割り当てられており、32767~33094までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0203】
図8-6(B)に示すように、設定値が6であり変動特図が第2特図である場合においては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、0~65535の範囲で値を取り得る数値であり、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1346までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。また、遊技状態が確変状態である場合は、前述の当り判定値のうち、1020~1674までが「大当り」に割り当てられており、32767~33421までが「小当り」に割り当てられており、その他の数値範囲が「はずれ」に割り当てられている。
【0204】
以上のように、各表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施の形態の特徴部153SGでは、設定値が1の場合は1/300、設定値が2の場合は1/280、設定値が3の場合は1/260、設定値が4の場合は1/240、設定値が5の場合は1/220、設定値が6の場合は1/200)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施の形態の特徴部153SGでは、設定値が1の場合は1/200、設定値が2の場合は1/180、設定値が3の場合は1/160、設定値が4の場合は1/140、設定値が5の場合は1/120、設定値が6の場合は1/100)。すなわち、各表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定値が大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
【0205】
なお、本実施の形態の特徴部153SGでは、
図8-6に示すように、各設定値に応じて通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率がそれぞれ異なる(たとえば、設定値1であれば通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は1.5倍であり、設定値2であれば通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は約1.56倍であり、設定値3であれば通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は1.625倍である)ように設定されている形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、各設定値での通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は全て一定(たとえば、5倍)に設定してもよい。
【0206】
また、各第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が同一値となるように判定値が割り当てられている。具体的には、
図8-6(A)に示すように、第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が1/200に設定されている。
【0207】
一方で、各第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が第1特図用表示結果判定テーブルとは異なる同一値となるように判定値が割り当てられている。具体的には、
図8-6(B)に示すように、第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が1/100に設定されている。
【0208】
なお、本実施の形態の特徴部153SGでは、設定値にかかわらず特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が同一確率である形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定値に応じて特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を異ならせてもよい。さらに、本実施の形態の特徴部153SGでは、変動特図に応じて特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が異なる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動特図にかかわらず特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を同一確率としてもよい。
【0209】
ここで、各表示結果判定テーブルにおいて「大当り」や「小当り」に割り当てられている当り判定値の数値範囲に着目すると、遊技状態が通常状態または時短状態の場合における第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、当り判定値のうち1020~1237までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。
【0210】
なお、設定値が1の場合は、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている(1020~1237までが「大当り」に割り当てられている)一方で、設定値2~設定値6の場合は、該大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1238から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。この大当り判定値の非共通数値範囲は、設定値2では1238~1253の範囲、設定値3では1238~1272の範囲、設定値4では1238~1292の範囲、設定値5では1238~1317の範囲、設定値6では1238~1346の範囲にそれぞれ設定されている。
【0211】
つまり、本実施の形態の特徴部153SGでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、設定値が1の場合は0~65535の範囲で値を取り得る当り判定値のうち、共通数値範囲(1020~1237)内の数値のみが「大当り」に割り当てられている一方で、設定値が2以上である場合は、大当り判定値のうち、共通数値範囲に非共通数値範囲を加えた範囲内の数値が「大当り」に割り当てられている。さらに、非共通数値範囲は、設定値の値が大きくなるに連れて1238を基準として増加していく。
【0212】
このため、大当り確率は、1020を大当り判定値の基準値(大当り基準値)として、設定値が大きくなるに連れて共通数値範囲に連続する非共通数値範囲が増加していくことによって高くなっていく。
【0213】
なお、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、当り判定値のうち32767~33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。ここで設定値が6の場合に注目すると、該設定値が6の場合は、前述したように当り判定値のうち1020~1346までが大当り判定値の数値範囲に設定されている一方で、小当り判定値は、前記設定値6の場合の大当り判定値の範囲(1020~1346)とは異なる数値範囲において、32767を小当り判定値の基準値(小当り基準値)として、32767~33094の範囲に設定されているので、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
【0214】
次に、遊技状態が確変状態の場合における第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、当り判定値のうち1020~1346までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。
【0215】
なお、設定値が1の場合は、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている(1020~1346までが「大当り」に割り当てられている)一方で、設定値2~設定値6の場合は、該大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1347から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。この大当り判定値の非共通数値範囲は、設定値2では1347~1383の範囲、設定値3では1347~1429の範囲、設定値4では1347~1487の範囲、設定値5では1347~1556の範囲、設定値6では1347~1674の範囲にそれぞれ設定されている。
【0216】
つまり、本実施の形態の特徴部153SGでは、遊技状態が確変状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、設定値が1の場合は0~65535の範囲で値を取り得る当り判定値のうち、共通数値範囲(1020~1346)内の数値のみが「大当り」に割り当てられている一方で、設定値が2以上である場合は、大当り判定値のうち、共通数値範囲に非共通数値範囲を加えた範囲内の数値が「大当り」に割り当てられている。さらに、非共通数値範囲は、設定値の値が大きくなるに連れて1347を基準として増加していく。
【0217】
このため、大当り確率は、1020を大当り判定値の基準値(大当り基準値)として、設定値が大きくなるに連れて共通数値範囲に連続する非共通数値範囲が増加していくことによって高くなっていく。
【0218】
なお、遊技状態が確変状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルと同じく、当り判定値のうち32767~33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。ここで設定値が6の場合に注目すると、該設定値が6の場合は、前述したように当り判定値のうち1020~1674までが大当り判定値の数値範囲に設定されている一方で、小当り判定値は、前記設定値6の場合の大当り判定値の範囲(1020~1674)とは異なる数値範囲において、32767を小当り判定値の基準値(小当り基準値)として、32767~33094の範囲に設定されているので、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
【0219】
遊技状態が通常状態または時短状態の場合における第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、当り判定値のうち1020~1237までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。
【0220】
なお、設定値が1の場合は、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている(1020~1237までが「大当り」に割り当てられている)一方で、設定値2~設定値6の場合は、該大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1238から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。この大当り判定値の非共通数値範囲は、設定値2では1238~1253の範囲、設定値3では1238~1272の範囲、設定値4では1238~1292の範囲、設定値5では1238~1317の範囲、設定値6では1238~1346の範囲にそれぞれ設定されている。
【0221】
つまり、本実施の形態の特徴部153SGでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、設定値が1の場合は0~65535の範囲で値を取り得る当り判定値のうち、共通数値範囲(1020~1237)内の数値のみが「大当り」に割り当てられている一方で、設定値が2以上である場合は、大当り判定値のうち、共通数値範囲に非共通数値範囲を加えた範囲内の数値が「大当り」に割り当てられている。さらに、非共通数値範囲は、設定値の値が大きくなるに連れて1238を基準として増加していく。
【0222】
このため、大当り確率は、1020を大当り判定値の基準値(大当り基準値)として、設定値が大きくなるに連れて共通数値範囲に連続する非共通数値範囲が増加していくことによって高くなっていく。
【0223】
なお、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、当り判定値のうち32767~33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。ここで設定値が6の場合に注目すると、該設定値が6の場合は、前述したように当り判定値のうち1020~1346までが大当り判定値の数値範囲に設定されている一方で、小当り判定値は、前記設定値6の場合の大当り判定値の範囲(1020~1346)とは異なる数値範囲において、32767を小当り判定値の基準値(小当り基準値)として、32767~33421の範囲に設定されているので、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
【0224】
次に、遊技状態が確変状態の場合における第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、当り判定値のうち1020~1346までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。
【0225】
なお、設定値が1の場合は、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている(1020~1346までが「大当り」に割り当てられている)一方で、設定値2~設定値6の場合は、該大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1347から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。この大当り判定値の非共通数値範囲は、設定値2では1347~1383の範囲、設定値3では1347~1429の範囲、設定値4では1347~1487の範囲、設定値5では1347~1556の範囲、設定値6では1347~1674の範囲にそれぞれ設定されている。
【0226】
つまり、本実施の形態の特徴部153SGでは、遊技状態が確変状態である場合における第2図用表示結果判定テーブルにおいては、設定値が1の場合は0~65535の範囲で値を取り得る当り判定値のうち、共通数値範囲(1020~1346)内の数値のみが「大当り」に割り当てられている一方で、設定値が2以上である場合は、大当り判定値のうち、共通数値範囲に非共通数値範囲を加えた範囲内の数値が「大当り」に割り当てられている。さらに、非共通数値範囲は、設定値の値が大きくなるに連れて1347を基準として増加していく。
【0227】
このため、大当り確率は、1020を大当り判定値の基準値(大当り基準値)として、設定値が大きくなるに連れて共通数値範囲に連続する非共通数値範囲が増加していくことによって高くなっていく。
【0228】
なお、遊技状態が確変状態である場合における第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第2特図用表示結果判定テーブルと同じく、当り判定値のうち32767~33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。ここで設定値が6の場合に注目すると、該設定値が6の場合は、前述したように当り判定値のうち1020~1674までが大当り判定値の数値範囲に設定されている一方で、小当り判定値は、前記設定値6の場合の大当り判定値の範囲(1020~1674)とは異なる数値範囲において、32767を小当り判定値の基準値(小当り基準値)として、32767~33421の範囲に設定されているので、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
【0229】
以上、本実施の形態の特徴部153SGにおいては、各表示結果判定テーブルにおいて、遊技状態および設定値にかかわらず、当り判定値の1020を基準として共通数値範囲または共通数値範囲と非共通数値範囲とからなる連続した1の数値範囲内に含まれる判定値を大当り判定値の数値範囲とするとともに、遊技状態および設定値にかかわらず、当り判定値の32767を基準として連続した1の数値範囲(共通数値範囲)内に含まれる判定値を小当り判定値の数値範囲として可変表示結果を判定するようになっている。
【0230】
さらに、これら各表示結果判定テーブルにおいては、変動特図が同一である場合は、遊技状態にかかわらず小当り判定値の数値範囲は同一(小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数が同一)である。また、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数が異なる(第1特図用表示結果判定テーブルにおける小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数は328個であるのに対して、第2特図用表示結果判定テーブルにおける小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数は655個と約2倍である)一方で、小当り判定値の数値範囲自体は、32767を基準値(小当り基準値)として設定されている。
【0231】
さらに、前述したように、各遊技状態においては、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1の場合が最も特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が低く、設定値の値が大きくなるほど特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように判定値が割り当てられている(大当り確率:設定値6>設定値5>設定値4>設定値3>設定値2>設定値1)。
【0232】
つまり、CPU103は、その時点で設定されている設定値に対応する表示結果判定テーブルを参照して、MR1の値が大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当りA~大当りC)とすることを決定する。また、MR1が小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることを決定する。すなわち、設定値に応じた確率で大当りおよび小当りの当選を決定する。なお、
図8-6に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置153SG004Aまたは第2特別図柄表示装置153SG004Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置153SG004Aまたは第2特別図柄表示装置153SG004Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
【0233】
なお、本実施の形態の特徴部153SGでは、パチンコ遊技機1に設定可能な設定値として1~6の計6個の設定値を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定可能な設定値は、5個以下や7個以上であってもよい。
【0234】
図8-7(A)および
図8-7(B)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を示す説明図である。このうち、
図8-7(A)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の可変表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。また、
図8-7(B)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の可変表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。
【0235】
大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR2)に基づいて、大当りの種別を大当りA~大当りCのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0236】
ここで、本実施の形態の特徴部153SGにおける大当り種別について、
図8-8を用いて説明する。本実施の形態の特徴部153SGでは、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する大当りA(非確変大当りともいう)と、大当り遊技の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する大当りBや大当りC(確変大当りともいう)が設定されている。
【0237】
「大当りA」による大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰り返し実行される通常開放大当りであり、「大当りB」による大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが10回(いわゆる10ラウンド)、繰り返し実行される通常開放大当りである。さらに、「大当りC」による大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが15回(いわゆる15ラウンド)、繰り返し実行される通常開放大当りである。
【0238】
「大当りA」による大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御は、所定回数(本実施の形態の特徴部153SGでは100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了する。
【0239】
一方、大当りBや大当りCの大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御と時短制御は、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行される。よって、再度発生した大当りが大当りBや大当りCである場合には、大当り遊技状態の終了後に再度、高確制御と時短制御が実行されるので、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。
【0240】
なお、本実施の形態の特徴部153SGにおいては、大当り種別として大当りA~大当りCの3種類を設ける形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り種別は2種類以下、または4種類以上設けてもよい。
【0241】
また、
図8-7(A)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)においては、MR2の判定値の範囲0~299のうち、0~99までが大当りAに割り当てられており、100~249までが大当りBに割り当てられており、250~299までが大当りCに割り当てられている。一方で、
図8-7(B)に示すように、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)においては、MR2の判定値の範囲0~299のうち、0~99までが大当りAに割り当てられており、100~199までが大当りBに割り当てられており、200~299までが大当りCに割り当てられている。つまり、本実施の形態の特徴部153SGでは、遊技球が入賞した入賞口が第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかに応じて大当り種別の決定割合が異なっている一方で、パチンコ遊技機1に設定されている設定値にかかわらず共通の割合にて大当り種別を決定するようになっている。
【0242】
なお、本実施の形態の特徴部153SGでは、大当り種別を大当り種別判定用の乱数値であるMR2を用いて決定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り種別は、特図表示結果判定用の乱数値であるMR1を用いて決定してもよい。
【0243】
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
【0244】
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、可変表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、可変表示結果を「小当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、可変表示結果を「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
【0245】
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1-1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1-2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1-3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
【0246】
図8-9(A)および
図8-9(B)に示すように、大当り用変動パターン判定テーブルとしては、大当り種別が大当りAである場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(大当りA用)と、大当り種別が大当りB、大当りC用である場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(大当りB、大当りC用)が予め用意されており、これら大当り用変動パターン判定テーブル(大当りA用)と大当り用変動パターン判定テーブル(大当りB、大当りC用)には、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1-1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1-2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1-3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
【0247】
図8-9(A)に示すように、大当り用変動パターン判定テーブル(大当りA用)においては、MR3の判定値の範囲1~997のうち、1~400までがノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1-1)に割り当てられており、401~850までがスーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1-2)に割り当てられており、851~997までがスーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1-3)に割り当てられている。
【0248】
図8-9(B)に示すように、大当り用変動パターン判定テーブル(大当りB、大当りC用)においては、MR3の判定値の範囲1~997のうち、1~200までがノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1-1)に割り当てられており、201~550までがスーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1-2)に割り当てられており、551~997までがスーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1-3)に割り当てられている。
【0249】
また、小当り用変動パターン判定テーブルにおいては、小当りの変動パターン(PC1-1)の変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。具体的には、
図8-9(C)に示すように、小当り用変動パターン判定テーブルにおいては、MR3の判定値の範囲0~997のうち、0~997までが小当りの変動パターン(PC1-1)に割り当てられている。なお、本実施の形態の特徴部153SGにおける小当りの変動パターンとしてはPC1-1のみが設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当りの変動パターンとしては2以上の変動パターンを設けてもよい。
【0250】
また、はずれ用変動パターン判定テーブルには、遊技状態が時短制御の実施されていない低ベース状態において保留記憶数が1個以下である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルAと、低ベース状態において合計保留記憶数が2~4個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルBと、低ベース状態において合計保留記憶数が5~8個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
【0251】
はずれ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1-1)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2-1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2-2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2-3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
【0252】
図8-10(A)に示すように、はずれ用変動パターン判定テーブルA(低ベース中合算保留記憶数1個以下用)においては、MR3の判定値の範囲1~997のうち、1~450までが非リーチはずれの変動パターン(PA1-1)に割り当てられており、451~700までがノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2-1)に割り当てられており、701~900までがスーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2-2)に割り当てられ、901~997までがスーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2-3)に割り当てられている。
【0253】
また、はずれ用変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2~4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1-2)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2-1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2-2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2-3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
【0254】
図8-10(B)に示すように、はずれ用変動パターン判定テーブルB(低ベース中合算保留記憶数2~4個用)においては、MR3の判定値の範囲1~997のうち、1~500までが非リーチはずれの変動パターン(PA1-2)に割り当てられており、501~700までがノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2-1)に割り当てられており、701~900までがスーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2-2)に割り当てられ、901~997までがスーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2-3)に割り当てられている。
【0255】
また、はずれ用変動パターン判定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5~8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1-3)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2-1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2-2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2-3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
【0256】
図8-10(C)に示すように、はずれ用変動パターン判定テーブルC(低ベース中合算保留記憶数5個以上用)においては、MR3の判定値の範囲1~997のうち、1~550までが非リーチはずれの変動パターン(PA1-3)に割り当てられており、551~700までがノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2-1)に割り当てられており、701~900までがスーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2-2)に割り当てられ、901~997までがスーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2-3)に割り当てられている。
【0257】
また、はずれ用変動パターン判定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1-4)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2-1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2-2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2-3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
【0258】
図8-10(D)に示すように、はずれ用変動パターン判定テーブルD(高ベース中用)においては、MR3の判定値の範囲1~997のうち、1~550までが非リーチはずれの変動パターン(PA1-4)に割り当てられており、551~700までがノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2-1)に割り当てられており、701~900までがスーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2-2)に割り当てられ、901~997までがスーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2-3)に割り当てられている。
【0259】
このように、はずれ用変動パターン判定テーブルA~Dを用いる場合、非リーチ変動パターンやノーマルリーチ変動パターンを決定する割合は、スーパーリーチ変動パターンを決定する割合よりも高設定されている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルA~Dを用いる場合は、変動パターン判定テーブルにかかわらず判定値のうち701~900までがスーパーリーチαはずれの変動パターン、901~997までがスーパーリーチβはずれの変動パターンにそれぞれ割り当てられている、つまり、可変表示結果がはずれである場合は、スーパーリーチの変動パターンを共通の決定割合で決定するので、スーパーリーチの変動パターンによる可変表示が実行されないことにより演出効果が低下してしまうことを防ぐことができる。
【0260】
なお、本実施の形態の特徴部153SGにおいては、はずれ用変動パターンとしてスーパーリーチαはずれの変動パターンの決定割合とスーパーリーチβはずれの変動パターンの決定割合とが各設定値間にて完全に同一の形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらスーパーリーチαはずれの変動パターンの決定割合とスーパーリーチβはずれの変動パターンの決定割合とは、各設定値間において僅差(たとえば、1%程度)で異なっていてもよい。
【0261】
なお、本実施の形態の特徴部153SGでは、可変表示結果がはずれである場合は、スーパーリーチの変動パターンの決定割合が同一である形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、可変表示結果がはずれである場合は、非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチの全ての変動パターンの決定割合が同一であってもよいし、また、非リーチとノーマルリーチとのいずれかの変動パターンの決定割合のみが同一であってもよい。
【0262】
なお、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1-1)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1-2)の方が変動時間は短く、さらに、変動パターン(PA1-2)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1-3)の方が変動時間は短い(
図8-6参照)。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチはずれの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1-1)が決定されることによって、可変表示の時間が長くなることにより、可変表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
【0263】
また、本実施の形態の特徴部153SGでは、
図8-10(A)~
図8-10(C)に示すように、合算保留記憶数に応じて異なるはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを決定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動対象の特別図柄における保留記憶数(たとえば、第1特別図柄の可変表示を実行する場合は第1特別図柄の保留記憶数、第2特別図柄の可変表示を実行する場合は第2特別図柄の保留記憶数)に応じて異なるはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを決定してもよい。
【0264】
また、本実施の形態の特徴部153SGでは、決定した変動パターンごとにリーチ演出を実行するか否かといずれのリーチ演出を実行するかが1対1で対応付いている形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU120が、変動パターンの特図変動時間や可変表示結果などに基づいてリーチ演出を実行するか否かや、いずれのリーチ演出を実行するかを抽選して決定してもよい。
【0265】
次に、本実施の形態の特徴部153SGにおける遊技制御メイン処理について説明する。
図8-11は、CPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。遊技制御メイン処理では、CPU103は、先ず、割込禁止に設定する(153SGSa001)。続いて、必要な初期設定を行う(153SGSa002)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポートなど)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定などが含まれる。
【0266】
次に、CPU103は、RAM102にバックアップデータが記憶されているか否か(107SGSa003)や、RAM102(バックアップRAM)が正常であるか否か(107SGSa004)を判定する。バックアップデータが記憶されていない場合(153SGSa003;No)やRAM102が正常でない場合(153SGSa004;No)は、153SGSa017に進み、バックアップデータが記憶されており、かつRAM102が正常である場合(153SGSa003;Yes、153SGSa004;Yes)は、さらにRAM102に格納されている設定値が1~6のいずれかであるか、つまり、RAM102に正常な値の設定値が格納されているか否かを判定する(153SGSa005)。
【0267】
RAM102に格納されている設定値が1~6のいずれかではない場合(153SGSa005;No)は、153SGSa017に進み、RAM102に格納されている設定値が1~6のいずれかである場合(153SGSa005;Yes)は、電断前に後述する設定値変更処理の実行中であったこと(設定値変更処理の実行中に電断が発生したこと)を示す設定値変更中フラグがセットされているか否かを判定する(153SGSa006)。設定値変更中フラグがセットされている場合(153SGSa006;Yes)は、153SGSa017に進み、設定値変更中フラグがセットされていない場合は、後述するRAMクリア処理を実行したことを示すRAMクリアフラグがセットされていれば該RAMクリアフラグをクリアし(153SGSa007)、クリアスイッチがONであるか否か、つまり、クリアスイッチが操作されている状態でパチンコ遊技機1が起動したか否かを判定する(153SGSa008)。
【0268】
クリアスイッチがONである場合(153SGSa008;Yes)は、RAMクリアフラグをセットして153SGSa011に進み(153SGSa010)、クリアスイッチがOFFである場合(153SGSa008;No)は、153SGSa010を実行せずに153SGSa011に進む。
【0269】
153SGSa011においてCPU103は、錠スイッチ153SG051がONであるか否かを判定する(153SGSa011)。錠スイッチ153SG051がONである場合(153SGSa011;Yes)は、さらに開放センサ153SG090がONであるか否かを判定する(153SGSa012)。開放センサ153SG090がONである場合、つまり、錠スイッチ153SG051がONかつ遊技機用枠が開放されている状態でパチンコ遊技機1が起動した場合(153SGSa012;Yes)は、RAMクリアフラグがセットされているか否かを判定する(153SGSa013a)。
【0270】
RAMクリアフラグがセットされている場合(153SGSa013a;Yes)は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を変更するための設定値変更処理(153SGSa013b)を実行して153SGSa013dに進み、RAMクリアフラグがセットされていない場合(153SGSa013a;No)は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を確認するための設定値確認処理(153SGSa013c)を実行して153SGSa013dに進む。
【0271】
なお、設定値変更処理(153SGSa013b)では、CPU103は、先ず、表示モニタ153SG029において現在設定されている設定値の表示を行う。次に、設定切替スイッチ153SG052が操作されるごとに表示モニタ153SG029における設定値の更新表示を行う。そして、錠スイッチ153SG051がOFFとなったことに基づいて表示モニタ153SG029に表示されている設定値をRAM102に更新記憶するとともに、該新たにRAM102に更新記憶された設定値を特定可能な設定値指定コマンドを演出制御用CPU120に対して出力する。
【0272】
また、設定値確認処理(153SGSa013c)では、CPU103は、表示モニタ153SG029において現在設定されている設定値の表示を行う。そして、錠スイッチ153SG051がOFFとなったことに基づいて表示モニタ153SG029における設定値の表示を終了すればよい。
【0273】
なお、153SGSa011において錠スイッチ153SG051がOFFである場合(153SGSa011;No)や開放センサがOFFである場合(153SGSa012;No)は、153SGSa013a~153SGSa013cの処理を実行せずに153SGSa013dに進む。
【0274】
153SGSa013dにおいてCPU103は、RAMクリアフラグがセットされているか否か、つまり、今回のパチンコ遊技機1の起動に際してRAM102をクリアするか(RAMクリア処理(153SGSa009)を実行するか)否かを判定する(153SGSa013d)。RAMクリアフラグがセットされている場合(153SGSa013d;Yes)はRAMクリア処理(153SGSa013e)を実行した後に153SGSa014に進み、RAMクリアフラグがセットされていない場合(153SGSa013d;No)はRAMクリア処理(153SGSa013e)を実行せずに153SGSa014に進む。
【0275】
なお、RAMクリア処理(153SGSa013e)では、CPU103は、設定値が格納されているアドレスとRAMクリアフラグが格納(セット)されているアドレスを除く全てのアドレスに「00H」をセットする処理を実行する。つまり、本実施の形態の特徴部153SGでは、153SGSa001~153SGSa013eおよび後述する153SGSa017~153SGSa021に示すように、RAM102に異常がない場合は、設定値が格納されているアドレスとRAMクリアフラグが格納されているドレスを除く全てのアドレスの内容をクリアするようになっている。
【0276】
153SGSa014においてCPU103は、再度RAMクリアフラグがセットされているか否か判定する(153SGSa014)。RAMクリアフラグがセットされている場合(153SGSa014;Yes)は153SGSa022に進み、RAMクリアフラグがセットされていない場合(153SGSa014;No)は、主基板11の内部状態を電力供給停止(電断)時の状態に戻すための復旧処理を行う(153SGSa015)。
【0277】
復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御タイマ割込処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。そして、CPU103は、パチンコ遊技機1が電断前の状態で復旧(ホットスタートで起動)したとして、演出制御基板12に対してホットスタート通知コマンドを含む復旧時のコマンドを送信し、153SGSa028に進む(153SGSa016)。
【0278】
また、153SGSa017においてCPU103は、クリアスイッチがONであるか否か、つまり、クリアスイッチが操作されている状態でパチンコ遊技機1が起動したか否かを判定する(153SGSa017)。クリアスイッチがONである場合(153SGSa017;Yes)は、さらに錠スイッチ153SG051がONであるか否か(153SGSa018)や、開放センサ153SG090がONであるか否かを判定する(153SGSa019)。
【0279】
錠スイッチ153SG051がONであり(153SGSa018;Yes)、かつ開放センサ153SG090がONである場合、つまり、RAM102にバックアップデータが存在しない、RAM102が正常ではない、または、正常な設定値が設定されていないが、遊技場の従業員などの操作により正式な手順によりパチンコ遊技機1を起動した場合(遊技機用枠を開放し、錠スイッチ153SG051をONとした状態でクリアスイッチを操作しつつパチンコ遊技機1を起動した場合)は、RAM102に記憶されている設定値をクリアするとともに(153SGSa020)、設定値変更中フラグがセットされていれば該設定値変更中フラグをクリアする(153SGSa021)。そして、前述した153SGSa009~153SGSa016の処理を実行する。
【0280】
なお、クリアスイッチがOFFである場合(153SGSa017;No)、錠スイッチ153SG051がOFFである場合(153SGSa018;No)、開放センサ153SG090がOFFである場合(153SGSa019;No)は、153SGSa031に進む。
【0281】
また、2078SGSa022においてCPU103は、パチンコ遊技機1がコールドスタートにて起動したとして、演出制御基板12に対してコールドスタート通知コマンドを含む復旧時のコマンドを送信する(153SGSa022)。そして、パチンコ遊技機1のコールドスタートを報知するための期間に応じたコールドスタート報知タイマをセットし(153SGSa023)、表示モニタ153SG029を構成する全セグメントの点滅を開始することによってコールドスタートの報知を開始する(153SGSa024)。
【0282】
153SGSa024の実行後、CPU103は、コールドスタート報知タイマの値を-1し(153SGSa025)、該コールドスタート報知タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(153SGSa026)。コールドスタート報知タイマがタイマアウトしていない場合(153SGSa026;No)は、153SGSa025と153SGSa026の処理を繰り返し実行し、コールドスタート報知タイマがタイマアウトした場合(153SGSa026;Yes)は、表示モニタ153SG029における全セグメントの点滅を終了し(153SGSa027)、153SGSa028に進む。
【0283】
なお、本実施の形態の特徴部153SGでは、パチンコ遊技機1のコールとスタート時にコールドスタート報知タイマの期間(たとえば、5秒間)に亘って表示モニタ153SG029を構成する全セグメントを点滅させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1のコールとスタート時には、表示モニタ153SG029を構成する全セグメントのうち一部のセグメントのみを点滅させるようにしてもよいし、また、表示モニタ153SG029を構成する全セグメントのうち少なくとも一部のセグメントを点灯させるようにしてもよい。
【0284】
そして、153SGSa028においてCPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理(153SGSa028)を実行し、所定時間(たとえば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(153SGSa029)、割込みを許可する(153SGSa030)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(たとえば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
【0285】
また、153SGSa031においてCPU103は、RAM102に異常な設定値が記憶されていること(設定値異常エラー)や、後述する設定変更中の電断から復帰したことなどに基づいて、演出制御基板12に対して設定値の異常に応じたエラー指定コマンドを送信する(153SGSa031)。さらに、エラー報知実行待ちタイマをセットする(153SGSa032)。そして、CPU103は、エラー報知実行待ちタイマの値を-1し(153SGSa033)、該エラー報知実行待ちタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(153SGSa034)。エラー報知実行待ちタイマがタイマアウトしていない場合(153SGSa034;No)は、153SGSa033と153SGSa034の処理を繰り返し実行し、エラー報知実行待ちタイマがタイマアウトした場合(153SGSa034;Yes)は、設定値異常エラーの発生や設定変更中の電断から復帰しことの報知(エラー報知)として、表示モニタ153SG029を構成する第1表示部153SG029A、第2表示部153SG029B、第3表示部153SG029C、第4表示部153SG029Dのそれぞれにおいて「E.」を表示する(153SGSa035)。
【0286】
また、CPU103は、第1特別図柄表示装置153SG004Aおよび第2特別図柄表示装置153SG004Bを構成する全てのLEDを点滅させるとともに(153SGSa036)、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないターミナル基板を介して遊技場の管理コンピュータなどの管理装置に対してセキュリティ信号を出力し153SGSa032に進む(153SGSa037)。以降、CPU103は、パチンコ遊技機1の電断発生まで(遊技場の店員などの操作によってパチンコ遊技機1の電源がOFFになるまで)153SGSa032~153SGSa037の処理を繰り返し実行することで、表示モニタ153SG029、第1特別図柄表示装置153SG004A、第2特別図柄表示装置153SG004Bによるエラーの発生報知を実行する。
【0287】
このように、本実施の形態の特徴部153SGにおけるパチンコ遊技機1は、異常な設定値が設定されていることや設定値の変更中の電断から復帰した場合に、表示モニタ153SG029、第1特別図柄表示装置153SG004A、第2特別図柄表示装置153SG004Bによるエラーの発生報知を実行するので、遊技場の店員などは、パチンコ遊技機1の正面側と背面側の両面からエラーの発生や設定値の変更中の電断から復帰したことを認識することが可能となっている。加えて、パチンコ遊技機1のエラーの発生や設定値の変更中の電断からの復帰は遊技場の管理装置においても認識することができるので、パチンコ遊技機1のセキュリティ性を向上できるようになっている。
【0288】
なお、本実施の形態の特徴部153SGの遊技制御メイン処理では、
図8-11に示すように、153SGSa008においてクリアスイッチがONであると判定した場合(153SGSa008;Yes)や153SGSa021において設定値変更中フラグをクリアした後にRAMクリア処理(153SGSa009)を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明はこれに限定されるものではなく、該RAMクリア処理は、153SGSa008においてクリアスイッチがONであると判定した場合(153SGSa008;Yes)や153SGSa021において設定値変更中フラグをクリアした後ではなく、153SGSa014においてRAMクリアフラグがセットされていると判定した場合(153SGSa014;Yes)に実行してもよい。
【0289】
図8-12は、CPU103が
図5に示す特別図柄プロセス処理において実行する始動入賞判定処理(S101)を示すフローチャートである。始動入賞判定処理においてCPU103は、まず、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(153SGS101)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(153SGS101;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(たとえば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(153SGS102)。CPU103は、たとえば図示しない遊技制御カウンタ設定部に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。153SGS102にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(153SGS102;No)、たとえば図示しない遊技制御バッファ設定部に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(153SGS103)。
【0290】
153SGS101にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(153SGS101;No)、153SGS102にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(153SGS102;Yes)、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(153SGS104)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(153SGS104;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(たとえば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(153SGS105)。CPU103は、たとえば図示しない遊技制御カウンタ設定部に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。153SGS105にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(153SGS105;No)、たとえば図示しない遊技制御バッファ設定部に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(153SGS106)。
【0291】
153SGS103,153SGS106の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(153SGS107)。たとえば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(153SGS108)。たとえば、図示しない遊技制御カウンタ設定部に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
【0292】
153SGS108の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や図示しない遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(153SGS109)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(153SGS110)。たとえば、始動口バッファ値が「1」であるときには、図示しない第1特図保留記憶部に乱数値MR1~MR3を示す数値データが格納される一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、図示しない第2特図保留記憶部に乱数値MR1~MR3を示す数値データが格納される。
【0293】
特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や飾り図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否か、さらには変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を判定するために用いられる。変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の変動表示時間を含む変動パターンを判定するために用いられる。CPU103は、153SGS109の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む可変表示態様の判定に用いられる乱数値のうち全部を示す数値データを抽出する。
【0294】
153SGS110の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(153SGS111)。たとえば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、たとえば特別図柄プロセス処理が終了した後、
図4に示すS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
【0295】
153SGS111の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(153SGS112)。その後、たとえばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(153SGS113)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、たとえば特別図柄プロセス処理が終了した後、
図4に示すS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
【0296】
153SGS113の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか否かを判定する(153SGS114)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(153SGS114でY)始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(153SGS115)、153SGS104の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(153SGS114でN)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S116)、始動入賞処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
【0297】
図8-13(A)は、入賞時乱数値判定処理として、
図8-12の153SGS112にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。本実施の形態の特徴部153SGにおいて、特別図柄や飾り図柄の変動表示が開始されるときには、特別図柄通常処理(
図5のS110)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否か、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かなどの判定が行われる。また、変動パターン設定処理(
図5のS111)において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの判定などが行われる。他方、これらの判定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103が153SGS112の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出表示すると判定されるか否かの判定や、特図表示結果として小当り図柄を導出表示すると判定されるか否かの判定、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前、つまり、該可変表示の開始時に大当りや小当りとするか否かが判定されるよりも前に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様がいずれのカテゴリの可変表示態様となるかを判定し、この判定結果に基づいて、演出制御用CPU120などにより、後述するように、保留表示予告演出が実行されるようになる。
【0298】
図8-13(A)に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、たとえば図示しない遊技制御フラグ設定部などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(153SGS121)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
【0299】
153SGS121の処理に続いて、
図8-6に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする(153SGS122)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値が1であれば
図8-6(A)に示す第1特図用表示結果判定テーブルをセットし、始動口バッファ値が2であれば
図8-6(B)に示す第2特図用表示結果判定テーブルをセットすればよい。
【0300】
その後、セットした表示結果判定テーブルにおけるパチンコ遊技機1に設定されている設定値に応じた大当りの数値範囲(大当りの判定範囲)を参照し、
図8-12の153SGS109にて抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが該大当り判定範囲内であるか否かを判定する(153SGS123)。大当り判定範囲には、153SGS122の処理により選択された表示結果判定用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各判定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する判定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる判定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく変動表示結果が「大当り」に決定されると判定できる。
【0301】
153SGS123にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合、つまり、可変表示時に大当りとならないと判定された場合には(153SGS123;No)、さらにセットした表示結果判定テーブルにおけるパチンコ遊技機1に設定されている設定値に応じた小当りの数値範囲(小当りの判定範囲)を参照し、
図8-12の153SGS109にて抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが該小当り判定範囲内であるか否かを判定する(153SGS124)。小当り判定範囲には、153SGS122の処理により選択された表示結果判定用テーブルにおいて「小当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各判定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する判定値の有無を判定できればよい。あるいは、小当り判定範囲に含まれる判定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と小当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が小当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が小当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく変動表示結果が「小当り」に決定されると判定できる。
【0302】
153SGS124にて小当り判定範囲内ではないと判定された場合、つまり、可変表示時に小当りとならないと判定された場合には(153SGS124;No)、可変表示結果が「はずれ」となることに応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行し(153SGS125)、時短フラグがセットされているか否か、つまり、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(153SGS126)。時短フラグがセットされていない場合は(153SGS126;No)はずれ用変動パターン判定テーブルAを選択してセットし(153SGS127)、時短フラグがセットされている場合は(153SGS126;Yes)、はずれ用変動パターン判定テーブルDを選択してセットする(153SGSS128)。
【0303】
なお、はずれ用変動パターン判定テーブルAは、
図8-10(A)に示すように、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルである。また、はずれ用変動パターン判定テーブルDは、
図8-10(D)に示すように、遊技状態が時短制御の実行されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルである。
【0304】
なお、本実施の形態の特徴部153SGでは、これらのはずれ用変動パターン判定テーブルAやはずれ用変動パターン判定テーブルDに加えて、合計保留記憶数が2~4個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5~8個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルCが予め用意されているが、
図8-10に示すように、これらはずれ用変動パターン判定テーブルA~Cのうち、はずれ用変動パターン判定テーブルAでは、非リーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち0~450までの値が割り当てられており、はずれ用変動パターン判定テーブルB,Cでは、非リーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち0~450を超える値が割り当てられている。一方、はずれ用変動パターン判定テーブルA~Cでは、スーパーリーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち701~997までの値が割り当てられている。
【0305】
このため、後述する153SGS132においてはずれ用変動パターン判定テーブルAを用いて変動パターン(変動カテゴリ)を判定することで、非リーチとスーパーリーチの判定は、該判定後に保留記憶数が変化しても必ず非リーチまたはスーパーリーチの変動パターンとなるので、始動入賞時の判定においては、はずれ用変動パターン判定テーブルAを用いて判定するようになっている。
【0306】
図8-13(A)に示すように、153SGS123にて大当り判定範囲内であると判定された場合、つまり、可変表示時に大当りとなると判定された場合には(153SGS123;Yes)、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(153SGS130)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別判定テーブルを構成するテーブルデータから大当り種別判定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別判定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに判定されるかを判定する。
【0307】
また、153SGS130において判定した大当り種別に応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行し(153SG131)、大当り変動パターンを複数のいずれかに判定するためのテーブルとして、大当り用変動パターン判定テーブルを選択してセットする(153SG132)。
【0308】
また、153SGS124にて小当り判定範囲内であると判定された場合、つまり、可変表示時に小当りとなると判定された場合には(153SGS124;Yes)、小当り種別に応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行する(153SG129)。
【0309】
153SGS127、153SGS128、153SGS129、153SGS132の処理のいずれかを実行した後には、153SGS127、153SGS128、153SGS129、153SGS132の処理にて設定された変動パターン判定テーブルと変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データとを用いて、乱数値MR3が含まれる判定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(153SGS133)。本実施の形態の特徴部153SGでは、
図8-13(B)に示すように、少なくとも可変表示結果が「はずれ」となる場合に、合計保留記憶数にかかわらず共通して「非リーチ」の可変表示態様となる変動カテゴリと、「スーパーリーチ」の可変表示態様となる変動カテゴリと、「非リーチ」と「スーパーリーチ」以外の可変表示態様(たとえばノーマルリーチや小当り)となる「その他」の変動カテゴリと、を設け、乱数値MR3に基づいて、このような変動カテゴリに決定されるか否かを判定できればよい。
【0310】
その後、153SGS132の処理による判定結果に応じた変動カテゴリ指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(153SGS134)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
【0311】
図8-14は、本実施の形態の特徴部153SGにおける演出制御プロセス処理(S76)のフローチャートの一部である。本実施の形態の特徴部153SGにおける演出制御プロセス処理では、
図7に示す先読予告設定処理(S161)の実行後に、第1保留記憶表示エリア153SG005Dおよび第2保留記憶表示エリア153SG005Uに表示されている保留記憶表示の表示態様や表示数を更新する保留表示更新処理を実行した後に
図7に示すS170~S177のいずれかの処理を実行するようになっている。
【0312】
図8-15は、演出制御用CPU120が
図8-14に示す演出制御プロセス処理において実行する先読予告設定処理(S161)を示すフローチャートである。先読予告設定処理において演出制御用CPU120は、先ず、始動入賞時受信コマンドバッファの内容をチェックし(153SGS241)、保留表示フラグがセットされていないエントリが有るか否かを判定する(153SGS242)。保留表示フラグがセットされていないエントリが無い場合は先読予告設定処理を終了し、保留表示フラグがセットされていないエントリが有る場合は、既に保留表示フラグの値が1~4のいずれかにセットされているエントリが有るか否かを判定する(153SGS243)。
【0313】
既に保留表示フラグの値が1~4のいずれかにセットされているエントリが有る場合、つまり、既に保留表示予告演出が実行されている場合は、該エントリ(153SGS242にて保留表示フラグがセットされていないと判定したエントリ)の保留表示フラグに保留表示予告演出の非実行に対応する「0」をセット(つまり、該エントリに対応する保留記憶表示を「○」で表示することを決定)して先読予告設定処理を終了する(153SGS251)。後述するように、既に保留表示フラグの値が1~4のいずれかにセットされているエントリが有る場合とは、既に保留表示予告演出が実行されている場合である。つまり、153SGS243の処理では、既に保留表示予告演出が実行される場合は、新たな保留表示予告演出の実行を制限している。
【0314】
演出制御用CPU120は、153SGS243において、保留表示フラグの値の1~4のいずれかにセットされているエントリが無い場合は、該エントリ(153SGS242にて保留表示フラグがセットされていないと判定したエントリ)の図柄指定コマンドが大当りを示しているか否かを判定する(153SGS244)。該エントリの図柄指定コマンドが大当りを示している場合は、該エントリの図柄指定コマンドから大当り種別を特定するとともに(153SGS245)、たとえば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部のランダムカウンタなどから抽出した保留表示予告演出用の乱数値を示す数値データと153SGS245において特定した大当り種別に基づいて、図示しない大当り時保留表示予告演出判定テーブルを参照することにより、保留表示予告演出の実行の有無と保留表示予告演出を実行する場合における表示パターンとを決定する(153SGS246)。
【0315】
153SG246においては、たとえば、
図8-16(A)に示すような決定割合で保留表示予告演出の実行の有無と表示パターン(予告種別)とを決定する。
図8-16(A)に示す決定割合の設定例では、153SGS245の処理において特定した大当り種別に応じて、保留表示予告演出の有無や表示パターン(予告種別)の決定割合を異ならせている。
【0316】
本実施の形態の特徴部153SGでは、保留表示予告演出の表示パターン(予告種別)として、表示パターンα、表示パターンβ、表示パターンγ、表示パターンδの4種類が設けられている。このうち、保留表示予告演出の表示パターンが表示パターンαに決定された場合には、保留記憶表示が白色の四角形(◇)で第1保留記憶表示エリア153SG005Dまたは第2保留記憶表示エリア153SG005Uに表示され、保留表示予告演出の表示パターンが表示パターンβに決定された場合には、保留記憶表示が白色の星型(☆)で第1保留記憶表示エリア153SG005Dまたは第2保留記憶表示エリア153SG005Uに表示され、保留表示予告演出の表示パターンが表示パターンγに決定された場合には、保留記憶表示が青色のカメラで第1保留記憶表示エリア153SG005Dまたは第2保留記憶表示エリア153SG005Uに表示され、保留表示予告演出の表示パターンが表示パターンδに決定された場合には、保留記憶表示が黄色のカメラで第1保留記憶表示エリア153SG005Dまたは第2保留記憶表示エリア153SG005Uに表示される。また、保留表示予告演出の非実行が決定された場合には、保留記憶表示が白色の丸形(○)で第1保留記憶表示エリア153SG005Dまたは第2保留記憶表示エリア153SG005Uに表示される。
【0317】
ここで、
図8-16(A)に示すように、大当り種別が大当りA(非確変大当り)である場合は、5%の割合で保留表示予告演出の非実行が決定され、55%の割合で表示パターンαでの保留表示予告演出の実行が決定され、20%の割合で表示パターンβでの保留表示予告演出の実行が決定され、10%の割合で表示パターンγでの保留表示予告演出の実行が決定され、10%の割合で表示パターンδでの保留表示予告演出の実行が決定される。また、大当り種別が大当りBまたは大当りC(確変大当り)である場合は、5%の割合で保留表示予告演出の非実行が決定され、20%の割合で表示パターンαでの保留表示予告演出の実行が決定され、55%の割合で表示パターンβでの保留表示予告演出の実行が決定され、10%の割合で表示パターンγでの保留表示予告演出の実行が決定され、10%の割合で表示パターンδでの保留表示予告演出の実行が決定される。
【0318】
153SGS244に戻り、演出制御用CPU120は、該エントリの図柄指定コマンドがはずれや小当りである場合は、該エントリの変動カテゴリ指定コマンドから変動カテゴリを特定し(153SGS248)、たとえば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部153SG193のランダムカウンタなどから抽出した保留表示予告演出用の乱数値を示す数値データと153SGS249において特定した大当り種別に基づいて、図示しない小当り・はずれ時保留表示予告演出判定テーブルを参照することにより、保留表示予告演出の実行の有無と表示パターンとを決定する。
【0319】
具体的には、
図8-16(B)に示すように、可変表示結果がはずれであり変動カテゴリが非リーチである場合は、95%の割合で保留表示予告演出の非実行が決定され、5%の割合で表示パターンαでの保留表示予告演出の実行が決定され、0%の割合で表示パターンβでの保留表示予告演出の実行が決定され、0%の割合で表示パターンγでの保留表示予告演出の実行が決定され、0%の割合で表示パターンδでの保留表示予告演出の実行が決定される。また、可変表示結果がはずれまたは小当りであり変動カテゴリがその他である場合(ノーマルリーチはずれまたは小当りである場合)は、75%の割合で保留表示予告演出の非実行が決定され、20%の割合で表示パターンαでの保留表示予告演出の実行が決定され、5%の割合で表示パターンβでの保留表示予告演出の実行が決定され、0%の割合で表示パターンγでの保留表示予告演出の実行が決定され、0%の割合で表示パターンδでの保留表示予告演出の実行が決定される。また、可変表示結果がはずれであり変動カテゴリがスーパーリーチである場合は、55%の割合で保留表示予告演出の非実行が決定され、25%の割合で表示パターンαでの保留表示予告演出の実行が決定され、10%の割合で表示パターンβでの保留表示予告演出の実行が決定され、5%の割合で表示パターンγでの保留表示予告演出の実行が決定され、5%の割合で表示パターンδでの保留表示予告演出の実行が決定される。
【0320】
つまり、
図8-16(A)および
図8-16(B)に示すように本実施の形態の特徴部153SGにおいては、保留表示予告演出が実行される場合は保留表示予告演出が実行されない場合よりも高い割合で大当り遊技状態に制御されるようになっているとともに、表示パターンβにて保留表示予告演出が実行される場合は、表示パターンαにて保留表示予告演出が実行される場合よりも高い割合で大当り種別が大当りBまたは大当りC(確変大当り)となるように設定されている。このような設定により、可変表示結果が「大当り」であり、かつ表示パターン(予告種別)として表示パターンβの表示が実行された場合は、表示パターンαの表示が実行された場合よりも大当り種別が確変大当りである割合が高くなり、遊技者の確変大当りとなることに対する期待度を高めることができる。
【0321】
表示パターンγや表示パターンδは、後述する設定示唆演出の実行を示唆する表示パターンであるため、表示パターンαや表示パターンβよりも大当り遊技状態に制御されることに対する期待度(大当り期待度)が高くなるように設定されていないとともに、大当り種別が大当りBや大当りCとなることに対する期待度(確変大当り期待度)が同一となっている。
【0322】
なお、本実施の形態の特徴部153SGでは、可変表示結果が大当りとなる場合に決定可能な変動パターンはノーマルリーチとスーパーリーチの変動パターンであり、
図8-16に示すように、表示パターンγや表示パターンδが決定される場合とは可変表示結果が大当りもしくは可変表示結果がはずれであり変動カテゴリがスーパーリーチである場合である。つまり、表示パターンγや表示パターンδ(青色や黄色のカメラの態様)の保留記憶表示は、後述する設定示唆演出を実行可能なスーパーリーチの可変表示であることも示唆している。一方で、
図8-16(B)に示すように、変動カテゴリが非リーチやその他(ノーマルリーチや小当り)である場合、すなわち、特図変動時間がスーパーリーチよりも短いと判定された場合には、保留記憶表示が青色や黄色のカメラの態様にて表示されることがない。
【0323】
図8-15に戻り、演出制御用CPU120は、153SGS246または153SGS249の処理の実行後、保留表示予告演出の実行を決定したか否かを判定する(153SGS250)。保留表示予告演出の実行を決定している場合は、該エントリの保留表示フラグに153SGS246または153SGS249の処理にて決定した表示パターンに対応した値(1~4のいずれか)をセットして先読予告設定処理を終了する(153SGS247)。なお、保留表示予告演出の非実行を決定している場合は、該エントリの保留表示フラグに保留表示予告演出の非実行に対応する「0」をセットして先読予告設定処理を終了する(153SGS251)。
【0324】
図8-17は、
図7に示された演出制御プロセス処理における可変表示開始設定処理(S171)を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(153SGS271)。第1変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(153SGS271;Yes)、図示しない始動入賞時受信コマンドバッファにおける第1特図保留記憶のバッファ番号「1-0」~「1-4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグ(すなわち、可変表示中である第1特別図柄に対応する各種コマンドデータと各種フラグ、1個目~4個目の第1特図保留記憶に対応する各種コマンドデータと各種フラグ)を、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(153SGS272)。なお、バッファ番号「1-0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
【0325】
具体的には、第1特図保留記憶のバッファ番号「1-1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1-0」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1-2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1-1」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1-3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1-2」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1-4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1-3」に対応付けて格納するようにシフトする。
【0326】
また、153SGS271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(153SGS271;No)、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(153SGS273)。第2変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(153SGS273;No)、可変表示開始設定処理を終了し、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(153SGS273;Yes)、図示しない始動入賞時受信コマンドバッファにおける第2特図保留記憶のバッファ番号「2-0」~「2-4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグ(すなわち、可変表示中である第2特別図柄に対応する各種コマンドデータと各種フラグ、1個目~4個目の第2特図保留記憶に対応する各種コマンドデータと各種フラグ)を、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(153SGS274)。なお、バッファ番号「2-0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
【0327】
具体的には、第2特図保留記憶のバッファ番号「2-1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2-0」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2-2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2-1」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2-3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2-2」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2-4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2-3」に対応付けて格納するようにシフトする。
【0328】
153SGS272または153SGS274の実行後、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(153SGS275)。
【0329】
次に、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(153SGS276)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた飾り図柄の停止図柄を決定し、決定した飾り図柄の停止図柄を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。
【0330】
なお、本特徴部153SGでは、受信した可変表示結果指定コマンドが大当りAに該当する第2可変表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、たとえば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った飾り図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した可変表示結果指定コマンドが大当りBに該当する第3可変表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として、「7」以外の奇数図柄の複数の組合せ(たとえば「111」、「333」、「555」、「999」などの飾り図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した可変表示結果指定コマンドが大当りCに該当する第4可変表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として3図柄が「7」で揃った飾り図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した可変表示結果指定コマンドが小当りに該当する第5可変表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として、小当りであることを示すチャンス目(3図柄が特定の法則の下で不揃いとなる「334」、「556」、「778」など)の中から決定する。また、受信した可変表示結果指定コマンドが、はずれに該当する第1可変表示結果指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる飾り図柄であって、上記したチャンス目以外の組合せ(はずれ図柄)を決定する。
【0331】
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、たとえば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、飾り図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄判定テーブルを用いて、飾り図柄の停止図柄を決定すればよい。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すればよい。
【0332】
次に、演出制御用CPU120は、当該可変表示の変動パターンがスーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する(153SGS277)。当該可変表示の変動パターンがスーパーリーチの変動パターンでない場合は153SGS285に進み、当該可変表示の変動パターンがスーパーリーチの変動パターンである場合は、当該可変表示のリーチ演出中において後部可変表示中示唆演出を実行するか否かおよび該後部可変表示中示唆演出としていずれの演出を実行するかを決定する後部可変表示中示唆演出決定処理を実行する(153SGS278)。つまり、本実施の形態の特徴部153SGでは、153SGS277~153SG278に示すように、後部可変表示中示唆演出(大当り示唆演出や設定示唆演出)は、特図変動時間が長いスーパーリーチの変動パターンの可変表示でのみ実行可能であり、特図変動時間が短いノーマルリーチや非リーチの変動パターンの可変表示では実行されることがない。
【0333】
なお、本実施の形態の特徴部153SGにおけるスーパーリーチの可変表示においては、
図8-25に示すように、可変表示の開始タイミングから前部可変表示中示唆演出として当該可変表示結果が大当りとなること画像表示装置5に表示するキャラクタによって示唆するキャラクタ演出または当該可変表示結果が大当りとなること示唆するとともに後部可変表示中示唆演出の実行開始までの期間を示唆するタイマ演出を実行可能であるとともに、該可変表示の後半であるリーチ演出中に後部可変表示中示唆演出として当該可変表示結果が大当りとなることを示唆する大当り示唆演出またはパチンコ遊技機1に設定されている設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能となっている。つまり、153SGS278の処理は、後部可変表示中示唆演出を実行するか否かと該後部可変表示中示唆演出としてリーチ演出中に大当り示唆演出と設定示唆演出のどちらを実行するかを決定する処理である。
【0334】
そして、演出制御用CPU120は、153SGS278の処理において後部可変表示中示唆演出(大当り示唆演出と設定示唆演出のどちらか)の実行を決定したか否かを判定する(153SGS279)。153SGS278の処理において後部可変表示中示唆演出の非実行を決定した場合は153SGS285に進み、153SGS278の処理において後部可変表示中示唆演出の実行を決定した場合は、さらに当該可変表示の開始時から前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出とタイマ演出のどちらを実行するかを決定する前部可変表示中示唆演出決定処理を実行する(153SGS280)。つまり、本実施の形態の特徴部153SGでは、後部可変表示中演出の実行が決定されなければ前部可変表示中示唆演出の実行を決定することが無い、すなわち、設定示唆演出を実行不能な非リーチやノーマルリーチの可変表示においては前部可変表示中示唆演出としてタイマ演出やキャラクタ演出が実行されることが無い。
【0335】
そして、演出制御用CPU120は、前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出の実行を決定したか否かを判定する(153SGS281)。前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出の実行を決定した場合は、後部可変表示中示唆演出開始待ちタイマに後部可変表示中示唆演出開始までの期間(
図8-25(A)に示すようにリーチ演出の開始から5秒後)に応じた値をセットして153SG285に進み(153SGS282)、前部可変表示中示唆演出としてタイマ演出の実行を決定した場合は、後部可変表示中示唆演出開始待ちタイマに後部可変表示中示唆演出開始までの期間(
図8-25(B)に示すように、タイマ演出の演出パターンに応じた値(具体的には、タイマ演出の演出パターンが25秒間の演出期間であるパターンTS-1である場合はリーチ演出の開始から5秒後、タイマ演出の演出パターンが30秒間の演出期間であるパターンTS-2である場合はリーチ演出の開始から10秒後))をセットして153SGS285に進む(153SGS283)。
【0336】
そして、演出制御用CPU120は、153SGS285において、変動パターンに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(153SGS286)。
【0337】
なお、プロセステーブルには、画像表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのランプ制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を制御するための操作部制御実行データなどが、各プロセスデータn(1~N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
【0338】
次に、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8L,8R、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31Aなど))の制御を実行する(153SGS287)。たとえば、画像表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプ制御基板14に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
【0339】
なお、本特徴部153SGでは、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
【0340】
そして、可変表示時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される可変表示時間に相当する値を設定する(153SGS288)。また、可変表示制御タイマに所定時間を設定する(153SGS289)。なお、所定時間はたとえば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過するごとに左中右の飾り図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を画像表示装置5に出力し、画像表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって飾り図柄の可変表示(変動)が実現される。次に、演出制御プロセスフラグの値を可変表示中演出処理(S172)に対応した値に更新して可変表示開始設定処理を終了する(153SGS290)。
【0341】
図8-18は、
図8-17に示された可変表示開始設定処理における後部可変表示中示唆演出決定処理(153SGS278)を示すフローチャートである。
図8-18に示す後部可変表示中示唆演出決定処理において演出制御用CPU120は、当該可変表示に対応する保留表示フラグの値を特定する(153SGS301)。
【0342】
次に、演出制御用CPU120は、153SGS301において特定した保留表示フラグの値に基づいて後部可変表示中示唆演出の実行の有無および後部可変表示中示唆演出として実行する演出を決定する(153SG302)。
【0343】
具体的には、
図8-19(A)に示すように、153SGS301において特定した保留表示フラグの値が「0」である場合、すなわち、当該可変表示を対象として保留表示予告演出が実行されていなかった場合は、90%の割合で後部可変表示中示唆演出の非実行を決定し、10%の割合で後部可変表示中示唆演出として大当り示唆演出の実行を決定し、0%の割合で後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出の実行を決定する。また、153SGS301において特定した保留表示フラグの値が「1」または「2」である場合、つまり、当該可変表示を対象とした保留表示予告演出として保留記憶表示が白色の四角形または星形にて表示されていた場合は、50%の割合で後部可変表示中示唆演出の非実行を決定し、50%の割合で後部可変表示中示唆演出として大当り示唆演出の実行を決定し、0%の割合で後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出の実行を決定する。
【0344】
さらに、153SGS301において特定した保留表示フラグの値が「3」である場合、つまり、当該可変表示を対象とした保留表示予告演出として保留記憶表示が青色のカメラにて表示されていた場合は、30%の割合で後部可変表示中示唆演出の非実行を決定し、35%の割合で後部可変表示中示唆演出として大当り示唆演出の実行を決定し、35%の割合で後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出の実行を決定する。そして、153SGS301において特定した保留表示フラグの値が「4」である場合、つまり、当該可変表示を対象とした保留表示予告演出として保留記憶表示が黄色のカメラにて表示されていた場合は、0%の割合で後部可変表示中示唆演出の非実行を決定し、30%の割合で後部可変表示中示唆演出として大当り示唆演出の実行を決定し、70%の割合で後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出の実行を決定する。
【0345】
つまり、本実施の形態の特徴部153SGにおいては、当該可変表示を対象として保留表示予告演出が実行されていた場合は、当該可変表示を対象として保留表示予告演出が実行されていなかった場合よりも高い割合で後部可変表示中示唆演出の実行が決定されるように設定されている。さらに、当該可変表示を対象とした保留表示予告演出として保留記憶表示が青色や黄色のカメラにて表示されていた場合(保留表示フラグの値が「3」や「4」である場合)は、当該可変表示を対象とした保留表示予告演出として保留記憶表示が白色の四角形や星形にて表示されていた場合(保留表示フラグの値が「1」や「2」である場合)よりも高い割合で後部可変表示中示唆演出の実行が決定されるように設定されているとともに、当該可変表示を対象とした保留表示予告演出として保留記憶表示が白色の四角形や星形にて表示されていた場合よりも高い割合で後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出の実行が決定されるように設定されている。
【0346】
また、当該可変表示を対象とした保留表示予告演出として保留記憶表示が青色や黄色のカメラにて表示されていた場合(保留表示フラグの値が「3」や「4」である場合)に着目すると、当該可変表示を対象とした保留表示予告演出として保留記憶表示が黄色のカメラにて表示されていた場合は、当該可変表示を対象とした保留表示予告演出として保留記憶表示が青色のカメラにて表示されていた場合よりも高い割合で後部可変表示中示唆演出の実行が決定されるように設定されているとともに、当該可変表示を対象とした保留表示予告演出として保留記憶表示が青色のカメラにて表示されていた場合よりも高い割合で後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出の実行が決定されるように設定されている。
【0347】
以上から、本実施の形態の特徴部153SGにおいては、当該可変表示を対象とした保留表示予告演出として保留記憶表示が四角形や星形にて表示されていた場合は、後部可変表示中示唆演出として大当り示唆演出が実行されるか否かに対して遊技者を注目させることができる一方で、当該可変表示を対象とした保留表示予告演出として保留記憶表示が青色や黄色のカメラにて表示されていた場合は、後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出が実行されるか否かに対して遊技者を注目させることができるようになっている。
【0348】
さらに、当該可変表示を対象とした保留表示予告演出として保留記憶表示が黄色のカメラにて表示されていた場合は、当該可変表示を対象とした保留表示予告演出として保留記憶表示が青色のカメラにて表示されていた場合よりも後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出が実行される割合が高いので、後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出が実行されるか否かに対してより一層遊技者を注目させることができるようになっている。
【0349】
図8-18に戻り、演出制御用CPU120は、153SGS302の処理において後部可変表示中示唆演出の実行を決定したか否かを判定する(153SGS303)。153SGS302の処理において後部可変表示中示唆演出の非実行を決定した場合は、後部可変表示中示唆演出決定処理を終了し、153SGS302の処理において後部可変表示中示唆演出の実行を決定した場合は、さらに、153SGS302の処理において後部可変表示中示唆演出として大当り示唆演出の実行を決定したか否かを判定する(153SGS304)。
【0350】
153SGS302の処理において後部可変表示中示唆演出として大当り示唆演出の実行を決定した場合は、可変表示結果に基づいて大当り示唆演出の演出パターンを決定して記憶し、後部可変表示中示唆演出決定処理を終了する(153SGS305)。
【0351】
なお、153SGS305の処理において決定可能な演出パターンとしては、
図8-19(B)に示すように、パターンAS-1~パターンAS-3までの計3個の演出パターンが設けられている。これら演出パターンのうちパターンAS-1は、当該可変表示結果が大当りとなる割合(大当り期待度)が最も低いことを示唆する演出パターン(大当り期待度:低)であり、パターンAS-2は、当該可変表示結果が大当りとなる割合がパターンAS-1よりも高いことを示唆する演出パターン(大当り期待度:中)であり、パターンAS-3は、当該可変表示結果が大当りとなる割合が最も高いことを示唆する演出パターン(大当り期待度:高)である。
【0352】
そして、前述した153SGS305の処理では、
図8-20に示すように、演出制御用CPU120は、可変表示結果が大当りである場合は、大当り示唆演出の演出パターンを10%の割合でパターンAS-1に決定し、30%の割合でパターンAS-2に決定し、60%の割合でパターンAS-3に決定する。
【0353】
一方、153SGS302の処理において後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出の実行を決定した場合、演出制御用CPU120は、RAM122を参照し、CPU103から受信した設定値指定コマンドから設定値(パチンコ遊技機1に設定されている設定値)を特定する(153SGS306)。そして、演出制御用CPU120は、特定した設定値に基づいて設定示唆演出の演出パターンを決定して記憶し、後部可変表示中示唆演出決定処理を終了する(153SGS307)。
【0354】
なお、153SG307において決定可能な演出パターンとしては、
図8-19(B)に示すように、パターンSS-1~パターンSS-5までの計5個のパターンが設けられている。これらパターンSS-1~パターンSS-5のうち、パターンSS-1は、設定値が奇数(たとえば1、3、5)である可能性を示唆し、パターンSS-2は、設定値が偶数(たとえば、2、4、6)である可能性を示唆し、パターンSS-3は、設定値が奇数寄りの中間設定以上(たとえば、3または5)である可能性を示唆し、パターンSS-4は、設定値が偶数寄りの中間設定以上(たとえば、4または6)である可能性を示唆し、パターンSS-5は、設定値が最高設定(たとえば、6)である可能性を示唆する。
【0355】
そして、パターンSS-1およびSS-2については、設定値が1~4(低設定)のいずれかである場合に高い割合で決定されることで、設定値5、6(高設定)のいずれかであることの期待度が低いとされ、パターンSS-3およびパターンSS-4については、設定値が5、6のいずれかである場合に高い割合で決定されることで、設定値5、6であることの期待度が高いとされている。
【0356】
なお、本特徴部153SGでは、設定値1~4を低設定、設定値5,6を高設定として説明するが、設定値1~3を低設定、設定値4~6を高設定としてもよいし、設定値1、2を低設定、設定値3、4を中間設定、設定値5、6を高設定として演出パターンの実行割合を設定するようにしてもよい。
【0357】
前述した153SGS307の処理において演出制御用CPU120は、
図8-21に示すように、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1である場合は、演出パターンを60%の割合でパターンSS-1に決定し、25%の割合でパターンSS-2に決定し、9%の割合でパターンSS-3に決定し、6%の割合でパターンSS-4に決定し、0%の割合でパターンSS-5に決定する。また、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2である場合は、演出パターンを25%の割合でパターンSS-1に決定し、60%の割合でパターンSS-2に決定し、6%の割合でパターンSS-3に決定し、9%の割合でパターンSS-4に決定し、0%の割合でパターンSS-5に決定する。また、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が3である場合は、演出パターンを50%の割合でパターンSS-1に決定し、20%の割合でパターンSS-2に決定し、20%の割合でパターンSS-3に決定し、10%の割合でパターンSS-4に決定し、0%の割合でパターンSS-5に決定する。
【0358】
また、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が4である場合は、演出パターンを20%の割合でパターンSS-1に決定し、50%の割合でパターンSS-2に決定し、10%の割合でパターンSS-3に決定し、20%の割合でパターンSS-4に決定し、0%の割合でパターンSS-5に決定する。また、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が5である場合は、演出パターンを20%の割合でパターンSS-1に決定し、30%の割合でパターンSS-2に決定し、30%の割合でパターンSS-3に決定し、20%の割合でパターンSS-4に決定し、0%の割合でパターンSS-5に決定する。また、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が6である場合は、演出パターンを30%の割合でパターンSS-1に決定し、20%の割合でパターンSS-2に決定し、15%の割合でパターンSS-3に決定し、30%の割合でパターンSS-4に決定し、5%の割合でパターンSS-5に決定する。
【0359】
このように、本特徴部153SGでは、設定値示唆演出がパターンSS-1やパターンSS-2にて実行されることで設定値が1~4のいずれかであることが示唆され、設定値示唆演出がパターンSS-3やパターンSS-4にて実行されることによって設定値が5または6であることが示唆される。そして、設定示唆演出がパターンSS-5にて実行される場合は、設定値が6であることが確定する。
【0360】
図8-22は、
図8-17に示す可変表示開始設定処理において演出制御用CPU120が実行する前部可変表示中示唆演出決定処理(153SGS280)を示すフローチャートである。
図8-22に示す前部可変表示中示唆演出決定処理において演出制御用CPU120は、先ず、当該可変表示の可変表示結果を特定する(153SGS311)。また、後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出の実行が決定されているか否かを判定する(153SGS312)。
【0361】
後部可変表示中示唆演出として大当り示唆演出の実行が決定されている場合は、大当り示唆演出の実行と可変表示結果に基づいて前部可変表示中示唆演出の実行の有無および前部可変表示中示唆演出として実行する演出をキャラクタ演出とタイマ演出とから決定する(153SGS313)。具体的には、
図8-23(A)に示すように、可変表示結果が大当りである場合は、40%の割合で前部可変表示中示唆演出の非実行を決定し、30%の割合で前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出の実行を決定し、30%の割合で前部可変表示中示唆演出としてタイマ演出の実行を決定する。また、可変表示結果がはずれである場合は、70%の割合で前部可変表示中示唆演出の非実行を決定し、25%の割合で前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出の実行を決定し、5%の割合で前部可変表示中示唆演出としてタイマ演出の実行を決定する。
【0362】
つまり、後部可変表示中示唆演出として大当り示唆演出の実行が決定されている場合については、可変表示結果が大当りである場合は可変表示結果がはずれである場合よりも高い割合で前部可変表示中示唆演出の実行が決定されるとともに、可変表示結果が大当りである場合は前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出の実行とタイマ演出の実行とが同一割合で決定される一方で、可変表示結果がはずれである場合は前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出の実行がタイマ演出の実行よりも高い割合で決定される、つまり、タイマ演出の大当り期待度がキャラクタ演出の大当り期待度よりも高く設定されている。
【0363】
また、演出制御用CPU120は、後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出の実行が決定されている場合は、設定示唆演出の実行と可変表示結果に基づいて前部可変表示中示唆演出の実行の有無および前部可変表示中示唆演出として実行する演出をキャラクタ演出とタイマ演出とから決定する(153SGS314)。具体的には、
図8-23(B)に示すように、可変表示結果が大当りである場合は、30%の割合で前部可変表示中示唆演出の非実行を決定し、0%の割合で前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出の実行を決定し、70%の割合で前部可変表示中示唆演出としてタイマ演出の実行を決定する。また、可変表示結果がはずれである場合は、80%の割合で前部可変表示中示唆演出の非実行を決定し、0%の割合で前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出の実行を決定し、20%の割合で前部可変表示中示唆演出としてタイマ演出の実行を決定する。
【0364】
つまり、後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出の実行が決定されている場合については、可変表示結果が大当りである場合は可変表示結果がはずれである場合よりも高い割合で前部可変表示中示唆演出の実行が決定されるとともに、可変表示結果が大当りであるかはずれであるかにかかわらず前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出の実行が決定されることが無いように設定されている、つまり、タイマ演出の大当り期待度がキャラクタ演出の大当り期待度よりも高く設定されている。
【0365】
このため、可変表示結果が大当りである場合は、結果的に可変表示結果がはずれである場合よりも高い割合でタイマ演出の実行が決定されるようになっているので、前部可変表示中示唆演出としてタイマ演出が実行される場合は、可変表示結果が大当りとなることに対して遊技者を注目させることが可能となっている。
【0366】
そして、
図8-22に示すように、演出制御用CPU120は、153SGS313または153SGS314の実行後、前部可変表示中示唆演出の実行を決定したか否かを判定する(153SGS315)。前部可変表示中示唆演出の非実行を決定している場合は前部可変表示中示唆演出決定処理を終了し、前部可変表示中示唆演出の実行を決定している場合は、さらに前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出の実行を決定しているか否かを判定する(153SGS316)。
【0367】
前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出の実行を決定している場合は、可変表示結果に基づいてキャラク演出の演出パターンを決定するとともに記憶し、前部可変表示中示唆演出決定処理を終了する(153SGS317)。
【0368】
なお、153SGS317の処理において決定可能なキャラクタ演出の演出パターンとしては、
図8-23(C)に示すように、パターンCS-1およびパターンCS-2の計2個の演出パターンが設けられている。これら演出パターンのうちパターンCS-1は、画像表示装置5において図示しないキャラクタAを表示することによって可変表示結果が大当りとなる割合が最も低いことを示唆する演出パターン(大当り期待度:低)であり、パターンCS-2は、画像表示装置5において図示しないキャラクタBを表示することによって可変表示結果が大当りとなる割合がパターンCS-1よりも高いことを示唆する演出パターン(大当り期待度:中)である。
【0369】
このため、153SGS317の処理において演出制御用CPU120は、
図8-24(A)に示すように、可変表示結果が大当りである場合は、キャラクタ演出の演出パターンを20%の割合でパターンCS-1に決定し、80%の割合でパターンCS-2に決定する。一方で、可変表示結果がはずれである場合は、キャラクタ演出の演出パターンを80%の割合でパターンCS-1に決定し、20%の割合でパターンCS-2に決定する。
【0370】
また、前部可変表示中示唆演出としてタイマ演出の実行を決定している場合は、演出制御用CPU120は、後部可変表示中示唆演出として実行が決定されている演出に基づいてタイマ演出の演出パターンを決定するとともに記憶し、前記部可変表示中示唆演出決定処理を終了する(153SGS318)。
【0371】
153SGS318の処理において決定可能なタイマ演出の演出パターンとしては、
図8-24(C)に示すように、パターンTS-1およびパターンTS-2の計2個の演出パターンが設けられている。これら演出パターンのうちパターンTS-1は、画像表示装置5において可変表示結果が大当りとなる割合がキャラクタ演出のパターンCS-1やパターンCS-2よりも高いことを示唆する(大当り期待度:高)とともに後部可変表示中示唆演出の実行開始までの期間をキャラクタXの画像とともに25秒間に亘って示唆する演出であり、パターンTS-2は、画像表示装置5において可変表示結果が大当りとなる割合がキャラクタ演出のパターンCS-1やパターンCS-2よりも高いことを示唆する(大当り期待度:高)とともに後部可変表示中示唆演出の実行開始までの期間をキャラクタYの画像とともに25秒間に亘って示唆する演出である(
図8-24(C)および
図8-25(A)および
図8-25(B)参照)。
【0372】
このため、153SGS318の処理において演出制御用CPU120は、
図8-24(B)に示すように、実行が決定されている後部可変表示中示唆演出が大当り示唆演出である場合は、タイマ演出の演出パターンを、80%の割合でパターンTS-1に決定し、20%の割合でパターンTS-2に決定する。また、演出制御用CPU120は、実行が決定されている後部可変表示中示唆演出が設定示唆演出である場合は、80%の割合でパターンTS-1に決定し、20%の割合でパターンTS-2に決定する。
【0373】
つまり、前部可変表示中示唆演出としてタイマ演出が実行される場合においては、該タイマ演出がパターンTS-1にて実行される場合よりもパターンTS-2にて実行される場合(つまり、タイマ演出の演出期間が長く、かつ画像表示装置5においてキャラクタAよりもキャラクタBが表示される場合)の方が後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出が実行される割合が高く設定されている。このため、本実施の形態の特徴部153SGにおいては、タイマ演出の演出期間や画像表示装置5に表示されるキャラクタに対して遊技者を注目させることができる。また、タイマ演出がパターンTS-2にて実行される場合は、タイマ演出がパターンTS-1にて実行される場合よりも遊技者に設定示唆演出が実行されることを期待させることができるので遊技興趣の向上を図ることができる。
【0374】
以上、本実施の形態の特徴部153SGにおいては、
図8-23(D)に示すように、前部可変表示中示唆演出としてタイマ演出が実行される場合については、前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出が実行される場合よりも大当り期待度が高く設定されているとともに、前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出が実行される場合よりも高い割合で後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出が実行されるようになっている。
【0375】
図8-17~
図8-25に示すように、可変表示中における前部可変表示中示唆演出の実行を決定した場合、演出制御用CPU120は、可変表示中演出処理(S172)において、決定した前部可変表示中示唆演出の演出パターンに応じたプロセスデータをセットし、以降の可変表示中演出処理(S172)においてプロセスタイマに応じたプロセスデータの内容にしたがって演出装置を制御すればよい。また、可変表示中における後部可変表示中示唆演出の実行を決定した場合、演出制御用CPU120は、可変表示中演出処理を実行するごとに後部可変表示中示唆演出開始待ちタイマの値を-1していき、該後部可変表示中示唆演出開始待ちタイマの値が0になったことに基づいて、決定した後部可変表示中示唆演出の演出パターンに応じたプロセスデータをセットする。そして、以降の可変表示中演出処理(S172)においてプロセスタイマに応じたプロセスデータの内容にしたがって演出装置を制御すればよい。
【0376】
なお、
図8-25(A)および
図8-25(B)に示すように、本特徴部153SGにおける後部可変表示中示唆演出としての大当り示唆演出や設定示唆演出は、リーチ演出の実行期間中において非リーチの変動パターンの特図変動時間よりも長い期間(
図8-5参照)である7秒間に亘って実行される。このため、仮に遊技者が画像表示装置5から一瞬目を離したとしても、遊技者が大当り示唆演出や設定示唆演出を見逃してしまうことを防ぐことが可能となっている。
【0377】
次に、本特徴部153SGにおける可変表示中の演出態様について
図8-26~
図8-28に基づいて説明する。先ず、
図8-26(A)および
図8-26(B)に示すように、可変表示中に新たな始動入賞が発生し、該始動入賞に基づいて先読予告演出として保留記憶表示の表示パターンが表示パターンγまたは表示パターンδに決定されると、第1保留記憶表示エリア153SG005Dや第2保留記憶表示エリア153SG005Uにおいて、新たな保留記憶表示が青色または黄色のカメラの態様にて表示される。
【0378】
そして、
図8-26(C)~
図8-26(E)に示すように、新たな可変表示として、該カメラの態様である保留記憶表示に対応した可変表示が開始されると、前部可変表示中示唆演出としてのタイマ演出が開始される。このとき、タイマ演出の演出パターンがパターンTS-1である場合は、
図8-26(D)に示すように、画像表示装置5の左部においてキャラクタXの画像153SG005Xが表示されるとともに、後部可変表示中示唆演出までの期間である25秒間のタイマの更新表示が開始される。また、タイマ演出の演出パターンがパターンTS-2である場合は、
図8-26(E)に示すように、画像表示装置5の左部においてキャラクタYの画像153SG005Yが表示されるとともに、後部可変表示中示唆演出までの期間である30秒間のタイマの更新表示が開始される。
【0379】
次に、
図8-27(F)~
図8-27(H)に示すように、後部可変表示中示唆演出までのタイマの更新表示とともに可変表示が進行すると、スーパーリーチ演出が開始される。そして、該スーパーリーチ演出の実行中にタイマが0秒に到達する(タイマ演出が終了する)と、後部可変表示中示唆演出として大当り示唆演出または設定示唆演出が開始される。
【0380】
具体的には、後部可変表示中示唆演出として大当り示唆演出の実行が決定されている場合は、決定されている演出パターンがパターンAS-1であれば、
図8-27(I)に示すように、画像表示装置5において「チャンス!」などの大当り期待度が低い旨を示すメッセージが表示され、決定されている演出パターンがパターンAS-2であれば、
図8-27(J)に示すように、画像表示装置5において「熱い!」などの大当り期待度がパターンAS-1よりも高い旨を示すメッセージが表示され、決定されている演出パターンがパターンAS-3であれば、
図8-27(K)に示すように、画像表示装置5において「激アツ!」などの大当り期待度がパターンAS-2よりも高い旨を示すメッセージが表示される。
【0381】
一方で、後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出の実行が決定されている場合は、
図8-28(L)~
図8-28(P)に示すように、設定示唆演出の演出パターンがパターンSS-1~パターンSS-4である場合は、画像表示装置5においてそれぞれで異なるキャラクタの設定値示唆画像131SG005H、131SG005I、131SG005J、131SG005Kが表示されることで、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が示唆される。さらに、設定値示唆演出の演出パターンがパターンSS-5である場合は、パターンSS-1~パターンSS-4において画像表示装置5に表示する全キャラクタが集合した設定値示唆画像131SGS005Lが画像表示装置5において表示される。
【0382】
以上のように、本実施の形態の特徴部153SGでは、大当りを期待させる演出である先読予告として保留記憶表示が青色や黄色のカメラの態様にて表示された場合は、先読予告が非実行の場合や保留記憶表示が白色の四角形や星形にて表示される場合よりも高い割合で設定示唆演出が実行されるようになっている。このため、遊技者は、保留記憶表示が青色や黄色のカメラの態様にて表示された段階で予め設定示唆演出が実行されることを予期して所持しているスマートフォンなどの携帯端末によって設定示唆演出を撮影するための準備を整えることが出来るようになっている。つまり、本実施の形態の特徴部153SGにおける青色や黄色のカメラの態様の保留記憶表示は、遊技者に対して設定示唆演出を撮影するための準備を促す演出でもある。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0383】
以上、本実施の形態の特徴部153SGにおいては、大当りを期待させる演出であって大当り期待度を示唆する前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出と該キャラクタ演出よりも大当り期待度が高いタイマ演出を実行可能であり、
図8-23(D)に示すように、可変表示中にタイマ演出が実行される場合は、可変表示中にキャラクタ演出が実行される場合よりも高い割合で後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出が実行される。つまり、タイマ演出が実行される場合は、キャラクタ演出が実行される場合よりも大当り期待度が高いことによって可変表示結果が大当りとなるか否かに遊技者がより一層注目するので、該遊技者が注目している状態で設定示唆演出が実行されることとなり、遊技者により設定示唆演出の見逃しを防ぐことができる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0384】
また、可変表示中の前部可変表示中示唆演出としては、キャラクタ演出に加えて後部可変表示中示唆演出の開始までの期間を示唆するタイマ演出を実行可能となっているので、設定示唆演出が実行されることによって設定示唆演出の実行開始タイミングを遊技者が認識し易くできる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0385】
なお、本実施の形態の特徴部153SGでは、タイマ演出として、後部可変表示中示唆演出の実行開始までの期間を数値の表示(
図8-26(D)および
図8-26(E)参照)により明確に報知する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、タイマ演出としては、たとえば、ゲージやメータなどの増加・減少表示を行うことによって後部可変表示中示唆演出の実行開始までの期間を明確に報知しない(大凡の期間のみを示唆する)ようにしてもよい。
【0386】
さらに、本実施の形態の特徴部153SGでは、
図8-26(D)および
図8-26(E)に示すように、タイマ演出を画像表示装置5での画像表示にて実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像表示装置5での画像表示、スピーカ8L,8Rからの音出力、遊技効果ランプ9の発光、画像表示装置5以外の表示手段での表示のうちいずれか1の態様また複数の態様を組み合わせて実行してもよい。
【0387】
また、本実施の形態の特徴部153SGでは、
図8-27(H)および
図8-28(L)に示すように、タイマ演出として画像表示装置5に表示されているタイマが0となったことに基づいて、後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出の他に大当り示唆演出が実行される場合がある。つまり、タイマ演出が実行された場合であっても設定示唆演出ではなく大当り示唆演出が実行される場合があるので、意外性を演出することができ、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0388】
なお、本実施の形態の特徴部153SGでは、タイマ演出として画像表示装置5に表示されているタイマが0となったことに基づいて、後部可変表示中示唆演出として設定示唆演と大当り示唆演出のいずれか一方のみを実行可能な形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、タイマ演出として画像表示装置5に表示されているタイマが0となったことに基づいて、後部可変表示中示唆演出として設定示唆演と大当り示唆演出との両方を実行可能としてもよい。
【0389】
さらに、本実施の形態の特徴部153SGでは、前部可変表示中示唆演出としてタイマ演出が実行された場合は必ず後部可変表示中示唆演出が実行される形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、前部可変表示中示唆演出としてタイマ演出が実行されても後部可変表示中示唆演出が実行されない場合を設けてもよい。
【0390】
また、
図8-24(B)および
図8-24(C)に示すように、タイマ演出の演出パターンとしては、演出期間が25秒であるパターンTS-1と演出期間が30秒であるパターンTS-2とが設けられており、タイマ演出がパターンTS-2にて実行される場合はタイマ演出がパターンTS-1にて実行される場合よりも高い割合で設定示唆演出が実行される。つまり、タイマ演出がパターンTS-2にて実行される場合はタイマ演出がパターンTS-1にて実行される場合よりも長期間に亘って設定示唆演出が実行されることが示唆されるので、遊技者による設定示唆演出の見逃しをより一層防ぐことができる。
【0391】
また、
図8-25に示すように、設定示唆演出を含む後部可変表示中示唆演出は、スーパーリーチの可変表示における後半期間であるリーチ演出期間中に実行されるので、遊技者による設定示唆演出の見逃しをより一層防ぐことができる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0392】
なお、本実施の形態の特徴部153SGでは、スーパーリーチの可変表示における後半期間であるリーチ演出期間中に設定示唆演出が実行される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチの可変表示における前半期間に設定示唆演出が実行される場合を設けてもよい。
【0393】
また、本実施の形態の特徴部153SGでは、
図8-15および
図8-19に示すように、大当りを期待させる演出である先読予告として保留記憶表示の表示態様を白色の四角形や星形、青色や黄色のカメラの態様などにて表示可能な保留表示予告演出を実行可能であり、表示態様が青色や黄色のカメラの態様である保留記憶表示(保留表示フラグの値が3や4)に対応する可変表示では、表示態様が白色の四角形や星形である保留記憶表示(保留表示フラグの値が1や2)に対応する可変表示よりも高い割合で設定示唆演出の実行を決定可能となっている。このため、表示態様が青色や黄色のカメラの態様である保留記憶表示(保留表示フラグの値が3や4)に対応する可変表示では、可変表示結果が大当りとなるか否かに遊技者が注目しているときに設定示唆演出が実行されるので、遊技者による設定示唆演出の見逃しを防ぐことができる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0394】
また、本実施の形態の特徴部153SGでは、
図8-26および
図8-28に示すように、大当りを期待させる演出である保留表示予告演出を実行した場合は、該保留表示予告演出の対象である保留記憶表示に対応した可変表示(保留表示予告演出を終了した直後の可変表示)において設定示唆演出を実行可能となっている。このため、保留表示予告演出の対象である保留記憶表示に対応した可変表示に対した遊技者が注目しているときに設定示唆演出が実行されるので、遊技者による設定示唆演出の見逃しをより一層防ぐことができる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0395】
なお、本実施の形態の特徴部153SGでは、先読予告として保留表示予告演出を実行可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読予告としては保留表示予告演出以外の演出を実行可能とし、該演出の演出態様として設定示唆演出が実行されることを示唆してもよい。
【0396】
さらに、本実施の形態の特徴部153SGでは、保留表示予告演出の対象である保留記憶表示に対応した可変表示(保留表示予告演出を終了した直後の可変表示)において設定示唆演出を実行可能な形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留表示予告演出の実行期間中(すなわち、保留表示予告演出の対象である保留記憶表示に対応した可変表示の開始よりも前のタイミング)から設定示唆演出を実行可能としてもよい。
【0397】
また、
図8-16に示すように、先読予告演出として保留記憶表示を青色や黄色のカメラの態様にて表示する割合は、先読予告演出として保留記憶表示を白色の四角形や星形にて表示する割合よりも低く設定されているので、保留記憶表示が青色や黄色のカメラの態様にて表示されることで保留記憶表示が白色の四角形や星形にて表示される場合よりも遊技者を注目させることができ、技者による設定示唆演出の見逃しをより一層防ぐことができる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0398】
また、本実施の形態の特徴部153SGでは、先読予告演出として保留記憶表示を青色や黄色のカメラの態様にて表示する割合が、先読予告演出として保留記憶表示を白色の四角形や星形にて表示する割合よりも低く設定されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読予告演出として保留記憶表示を青色や黄色のカメラの態様にて表示する割合は、先読予告演出として保留記憶表示を白色の四角形や星形にて表示する割合よりも高く設定してもよいし、また、先読予告演出として保留記憶表示を青色や黄色のカメラの態様にて表示する割合と先読予告演出として保留記憶表示を白色の四角形や星形にて表示する割合とを同一としてもよい。
【0399】
また、本実施の形態の特徴部153SGでは、大当りを期待させる演出である保留表示予告演出として、保留記憶表示を青色や黄色のカメラの態様にて表示することで、設定示唆演出を撮影するための準備を遊技者に対して促すようになっているので、遊技者は、設定示唆演出の開始前からスマートフォンなどの携帯端末を準備することができるので、遊技者による設定示唆演出の撮影の成功率を高めることができる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0400】
なお、本実施の形態の特徴部153SGでは、保留表示予告演出として、保留記憶表示を青色や黄色のカメラの態様にて表示することで、設定示唆演出を撮影するための準備を遊技者に対して促す形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留表示予告演出として保留記憶表示を青色や黄色のカメラの態様にて表示する場合は、スピーカ8L,8Rからの音出力や画像表示装置5におけるメッセージ画像の表示などにより別途遊技者に対して設定示唆演出を撮影するための準備を遊技者に対して促すようにしてもよい。
【0401】
また、本実施の形態の特徴部153SGでは、保留記憶表示を青色のカメラの態様で表示する表示パターンγと保留記憶表示を黄色のカメラの態様で表示する表示パターンδとで保留表示予告演出を実行可能であり、
図8-19(A)に示すように、保留記憶表示が青色のカメラの態様にて表示される場合(保留表示フラグの値が3である場合)と保留記憶表示が黄色のカメラの態様にて表示される場合(保留表示フラグの値が4である場合)とでは設定示唆演出が実行される割合が異なっている。特に、保留記憶表示が黄色のカメラの態様にて表示される場合は、保留記憶表示が青色のカメラの態様にて表示される場合よりも高い割合で設定示唆演出が実行されるので、保留記憶表示が黄色のカメラの態様にて表示される場合は、保留記憶表示が青色のカメラの態様にて表示される場合よりも設定示唆演出が実行されるか否かに対して遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0402】
なお、本実施の形態の特徴部153SGでは、保留記憶表示が青色や黄色のカメラの態様にて表示された場合は、該保留記憶表示に対応する可変表示が開始するまで該保留記憶表示の表示態様が変化しない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留記憶表示の表示態様が青色のカメラの態様から黄色のカメラの態様に変化する場合を設けてもよいし、また、実行中の可変表示に対応する保留記憶表示をアクティブ表示として継続して表示しておき、該アクティブ表示の表示態様を青色のカメラの態様から黄色のカメラの態様に変化する場合を設けてもよい。このようにすることで、可変表示が終了するまで設定示唆演出が実行されるか否かについて遊技者を注目させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0403】
また、本実施の形態の特徴部153SGでは、
図8-17に示すように、設定示唆演出を含む後部可変表示中示唆演出は、特図変動時間が長いスーパーリーチの変動パターンの可変表示でのみ実行可能となっており、特図変動時間が短いノーマルリーチや非リーチの変動パターンの可変表示では実行されることがないので、短い可変表示期間中に設定示唆演出が実行されることを抑え、遊技者による設定示唆演出の見逃しを防ぐことができる。
【0404】
また、
図8-6および
図8-25に示すように、設定示唆演出の実行期間は短縮非リーチの変動パターンの特図変動時間よりも長い7秒に設定されているので、スーパーリーチの可変表示中(リーチ演出の実行中)において遊技者による設定示唆演出の見逃しを一層防ぐことができる。
【0405】
また、
図8-16に示すように、保留記憶表示が青色や黄色のカメラの態様にて表示される場合は、該保留記憶表示に対応する可変表示が設定示唆演出を実行可能なスーパーリーチの可変表示であることを示唆するので、保留記憶表示が青色や黄色のカメラの態様にて表示されることにより設定示唆演出が実行されるか否かに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0406】
また、
図8-16に示すように、変動カテゴリが非リーチやその他(ノーマルリーチや小当り)である場合、すなわち、特図変動時間がスーパーリーチよりも短いと判定された場合には、保留表示予告演出として保留記憶表示が青色や黄色のカメラの態様にて表示されることがないので、保留記憶表示が青色や黄色のカメラの態様にて表示されたことによって遊技者が注目していたにもかかわらず、該保留記憶表示に対応する可変表示が非リーチやノーマルリーチなどの可変表示であったことによって設定示唆演出が実行されることなく興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
【0407】
また、
図8-17~
図8-25に示すように、スーパーリーチの可変表示中は、タイマ演出を含む前部可変表示中示唆演出を実行可能であるが、スーパーリーチの可変表示よりも特図変動時間が短い非リーチやノーマルリーチの可変表示中はタイマ演出を実行しないので、設定示唆演出を含む後部可変表示中示唆演出が実行されることのない非リーチやノーマルリーチの可変表示中にタイマ演出が実行されることによって演出に不整合が生じてしまうことを防ぐことができる。
【0408】
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0409】
たとえば、前記実施の形態の特徴部153SGでは、
図8-23(D)に示すように、前部可変表示中示唆演出としてタイマ演出が実行される場合については、前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出が実行される場合よりも大当り期待度が高く設定されているとともに、前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出が実行される場合よりも高い割合で後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出が実行されるよう設定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例153SG-1として
図8-29に示すように、前部可変表示中示唆演出としてタイマ演出の実行を決定する割合が前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出の実行を決定する割合よりも低く設定されているとともに、前部可変表示中示唆演出としてタイマ演出が実行される場合は、前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出が実行される場合よりも高い割合で後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出が実行される用に設定されてもよい。
【0410】
また、前記実施の形態の特徴部153SGでは、先読予告として、画像表示装置5の第1保留記憶表示エリア153SG005Dや第2保留記憶表示エリア153SG005Uにおいて保留記憶表示を白色の四角形や星形、青色や黄色のカメラの態様にて表示する保留表示予告演出を実行可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例153SG-2として
図8-30(A)および
図8-30(B)に示すように、第1保留記憶表示エリア153SG005Dや第2保留記憶表示エリア153SG005Uにおいて保留記憶表示が表示されているときに画像表示装置5において第1保留記憶表示エリア153SG005Dや第2保留記憶表示エリア153SG005Uに所定の演出画像153SG005Eが重複する場合は、少なくとも青色や黄色のカメラの態様の保留記憶表示を該演出画像153SG005Eよりも優先して表示する(青色や黄色のカメラの態様の保留記憶表示が演出画像153SG005Eによって隠蔽されないように表示する)ようにしてもよい。このようにすることで、青色や黄色のカメラの態様の保留記憶表示が演出画像153SG005Eに遮られてしまうことによって遊技者が青色や黄色のカメラの態様の保留記憶表示を見逃してしまうことを防ぐことができる。
【0411】
また、前記実施の形態の特徴部153SGでは、スーパーリーチの可変表示中にのみ7秒間に亘って設定示唆演出を実行可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例153SG-3として
図8-31(A)および
図8-31(B)に示すように、ノーマルリーチや短縮なしの非リーチの可変表示中に設定示唆演出を7秒間に亘って実行可能としてもよい。さらに、短縮非リーチの可変表示中においては、該短縮非リーチの可変表示専用の期間(たとえば、
図8-31(C)に示すように、短縮非リーチの可変表示の特図変動時間である3.75秒~5.75秒よりも短い3秒間)に亘って設定示唆演出を実行してもよい。
【0412】
また、前記実施の形態の特徴部153SGでは、
図8-19(A)に示すように、保留表示予告演出として保留記憶表示が青色のカメラの態様にて表示される場合と黄色のカメラの態様にて表示される場合とで設定示唆演出の実行割合が異なる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例153SG-4として、保留記憶表示が青色のカメラの態様にて表示される場合と黄色のカメラの態様にて表示される場合とで設定示唆演出における少なくとも1の演出パターンの決定割合を異ならせてもよい。このようにすることで保留表示予告演出として保留記憶表示が青色のカメラの態様と黄色のカメラの態様のどちらで表示されるかに遊技者を注目させることができるので、遊技興趣を向上できる。
【0413】
また、前記実施の形態の特徴部153SGでは、スーパーリーチの可変表示中における後部可変表示中示唆演出の開始タイミングとして2つのタイミング(可変表示開始から25秒後と30秒後)を設け、後のタイミングから後部可変表示中示唆演出を実行する方が該後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出が実行され易い形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例153SG-5として、設定示唆演出の開始タイミングを可変表示開始から30秒後とする場合は、設定示唆演出の開始タイミングを可変表示開始から25秒後とする場合よりも高い割合で該設定示唆演出をパターンSS-3~パターンSS-5などの高設定値を示唆する演出パターンにて実行してもよい。このようにすることで、設定示唆演出が実行されるタイミングに遊技者を注目させることができるので、遊技興趣を向上できる。
【0414】
また、前記実施の形態の特徴部153SGでは、前部可変表示中示唆演出として実行される演出と、保留表示予告演出として表示される保留記憶表示の表示態様と、に応じて設定示唆演出が実行されるか否かを示唆する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、前部可変表示中示唆演出として実行される演出と、保留表示予告演出として表示される保留記憶表示の表示態様と、のいずれか一方のみで設定示唆演出が実行されるか否かを示唆してもよい。また、前記実施の形態の特徴部153SGでは、前部可変表示中示唆演出としてのタイマ演出を実行する可変表示中において、後部可変表示中示唆演出として設定示唆演出を実行可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、タイマ演出を実行する可変表示の可変表示結果が大当りである場合は、該可変表示に基づく大当り遊技(本発明における有利状態)中に設定示唆演出を実行してもよい。
【0415】
また、前記実施の形態の特徴部153SGにおいては、既に保留表示予告演出が実行される場合は、新たな保留表示予告演出の実行を制限する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、既に保留表示予告演出が実行される場合は、新たな保留表示予告演出のうち一部の表示パターンでの実行のみを制限してもよい。たとえば、既に保留表示予告演出が表示パターンγや表示パターンδにて実行される場合(保留記憶表示が青色や黄色のカメラの態様にて表示されている場合)は、新たな保留表示予告演出が表示パターンαや表示パターンβにて実行されること(保留記憶表示が白色の四角形や星形にて表示されること)のみを制限する。このようにすることで、示唆する内容が異なる保留表示予告演出が同時に複数実行されることにより遊技が分かり難くなってしまうことを防ぐことができる。さらに、このように既に保留表示予告演出が表示パターンγや表示パターンδにて実行される場合に、新たな保留表示予告演出が表示パターンαや表示パターンβにて実行されることを制限することで、設定示唆演出が実行されるか否かに対して遊技者をより一層注目させることができる。また、既に保留表示予告演出が表示パターンαや表示パターンβにて実行されている場合(保留記憶表示が白色の四角形や星形にて表示されている場合)は、新たな保留表示予告演出が表示パターンγや表示パターンδにて実行されること(保留記憶表示が青色や黄色のカメラの態様にて表示されること)のみを制限することで、可変表示結果が大当りとなるか否かに遊技者をより一層注目させることができる。
【0416】
なお、前記実施の形態の特徴部153SGでは、本発明における先読演出として保留表示予告演出を実行可能な形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読演出としては、対象の可変表示が開始するよりも前のタイミングから実行可能な演出であれば保留表示予告演出以外の演出を実行可能としてもよい。
【0417】
また、前記実施の形態の特徴部153SGでは、可変表示結果が大当りとなることを示唆する前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出とタイマ演出とを実行可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前部可変表示中示唆演出としては、可変表示結果が大当りとなることを示唆する演出であればキャラクタ演出やタイマ演出以外の演出を実行可能としてもよい。
【0418】
[特徴部153SGのまとめ]
以上のように、特徴部153SGに係る遊技機は、以下のように構成されている。
【0419】
遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能であるとともに、遊技者にとって有利度が異なる複数の設定値(たとえば、1~6)のうちいずれかの設定値に設定可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
前記有利状態に制御されることを示唆する有利状態示唆演出(たとえば、前部可変表示中示唆演出)を実行可能な有利状態示唆演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU120が
図7に示す可変表示中演出処理を実行する部分)と、
設定値の設定に関する示唆を行う設定示唆演出(たとえば、後部可変表示中示唆演出としての設定示唆演出)を実行可能な設定示唆演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU120が
図7に示す可変表示中演出処理を実行する部分)と、
を備え、
前記有利状態示唆演出実行手段は、前記有利状態示唆演出を第1態様(たとえば、前部可変表示中示唆演出としてのキャラクタ演出)と該第1態様よりも前記有利状態に制御される割合が高い第2態様(たとえば、前部可変表示中示唆演出としてのタイマ演出)にて実行可能であり、
前記設定示唆演出実行手段は、前記有利状態示唆演出が前記第2態様にて実行されるときには、前記有利状態示唆演出が前記第1態様にて実行されるときよりも高い割合で前記設定示唆演出を前記有利状態示唆演出の実行後に実行可能である(たとえば、
図8-23に示すように、前部可変表示中示唆演出としてタイマ演出を実行する場合は、前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出を実行する場合よりも高い割合で設定示唆演出を実行可能な部分)ことを特徴としている。
【0420】
この特徴によれば、有利状態示唆演出として比較的有利状態に制御される割合が高い第2態様が実行されたことにより、遊技者がその後の展開に注目しているときに設定示唆演出が実行されるので、遊技者による設定示唆演出の見逃しを防ぐことができる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0421】
遊技機は、
表示を行うことが可能な表示手段(たとえば、画像表示装置5)を備え、
前記有利状態示唆演出実行手段は、前記第2態様の有利状態示唆演出として、前記表示手段に期間情報を表示した後に該期間情報を更新表示することによって特定態様とし前記設定示唆演出が実行されるまでの期間を示唆する期間示唆演出(たとえば、タイマ演出)を実行可能であることを特徴としている。
【0422】
この特徴によれば、期間示唆演出が実行されることによって、設定示唆演出の実行タイミングを遊技者が認識し易くできる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0423】
前記設定示唆演出実行手段は、前記期間情報が前記特定態様となったことに基づいて前記有利状態に制御されることを示唆する特別示唆演出と前記設定示唆演出との少なくとも一方を実行可能である(たとえば、
図8-27や
図8-28に示すように、タイマが0となったことに基づいて大当り示唆演出または設定示唆演出が実行される部分)ことを特徴としている。
【0424】
この特徴によれば、期間示唆演出が実行されたことにより設定示唆演出だけでなく特別示唆演出が実行される場合があるので、意外性を演出することにより遊技興趣を向上できる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0425】
前記有利状態示唆演出実行手段は、第1期間(たとえば、25秒)または該第1期間よりも長い期間である第2期間(たとえば、30秒)に亘って前記期間示唆演出を実行可能であり、
前記設定示唆演出実行手段は、前記数値情報の更新表示が前記第2期間に亘って実行されるときには、前記数値情報の更新表示が前記第1期間に亘って実行されるときよりも高い割合で前記設定示唆演出を実行可能である(たとえば、
図8-24に示すように、タイマ演出が30秒に亘って実行される場合は、タイマ演出が25秒に亘って実行される場合よりも高い割合で設定示唆演出が実行される部分)ことを特徴としている。
【0426】
この特徴によれば、期間示唆演出が第2期間に亘って実行されるときは、期間示唆演出が第1期間に亘って実行されるときよりも長期間に亘って遊技者に対して設定示唆演出が実行されることが示唆されるので、遊技者による設定示唆演出の見逃しをより一層防ぐことができる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0427】
可変表示を行うことが可能な遊技機であって(たとえば、CPU103が
図5に示す特別図柄変動処理を実行する部分や、演出制御用CPU120が
図7に示す可変表示中演出処理を実行する部分)、
前記設定示唆演出実行手段は、可変表示の実行期間が該可変表示の後半期間における特定タイミングに対応する特定期間となったことに応じて前記設定示唆演出を実行可能である(たとえば、
図8-25に示すように、演出制御用CPU120は、スーパーリーチの可変表示中において、リーチ演出の実行期間中にタイマ演出が終了するタイミング(可変表示の開始から25秒後または30秒後)となったことに応じて設定示唆演出を実行可能な部分)ことを特徴としている。
【0428】
この特徴によれば、可変表示の後半期間において設定示唆演出が実行されるので、遊技者による設定示唆演出の見逃しを防ぐことができる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0429】
遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能であるとともに、遊技者にとって有利度が異なる複数の設定値(たとえば、1~6)のうちいずれかの設定値に設定可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
前記有利状態に制御されることを示唆する有利状態示唆演出(たとえば、前部可変表示中示唆演出)を実行可能な有利状態示唆演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU120が
図7に示す可変表示中演出処理を実行する部分)と、
設定値の設定に関する示唆を行う設定示唆演出(たとえば、後部可変表示中示唆演出としての設定示唆演出)を実行可能な設定示唆演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU120が
図7に示す可変表示中演出処理を実行する部分)と、を備え、
前記有利状態示唆演出実行手段は、前記有利状態示唆演出を第1態様と該第1態様よりも実行割合が低い第2態様にて実行可能であり(たとえば、
図8-29に示すように、演出制御用CPU120が、前部可変表示中示唆演出をキャラクタ演出と該キャラクタ演出よりも実行割合が低いタイマ演出とから実行可能な部分)、
前記設定示唆演出実行手段は、前記有利状態示唆演出が前記第2態様にて実行されるときには、前記有利状態示唆演出が前記第1態様にて実行されるときよりも高い割合で前記設定示唆演出を前記有利状態示唆演出の実行後に実行可能である(たとえば、
図8-23に示すように、前部可変表示中示唆演出としてタイマ演出を実行する場合は、前部可変表示中示唆演出としてキャラクタ演出を実行する場合よりも高い割合で設定示唆演出を実行可能な部分)ことを特徴としている。
【0430】
この特徴によれば、有利状態示唆演出が第2態様にて実行されたことにより、該第2態様の有利状態示唆演出に遊技者が注目しているときに設定示唆演出が実行されるので、遊技者による設定示唆演出の見逃しを防ぐことができる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0431】
<特徴部045Fに関する説明>
次に、本実施の形態の特徴部045Fにおける遊技機について、
図9-1~
図9-16を参照して説明する。
【0432】
[変動パターンごとの演出内容]
図9-1は、変動パターンごとの演出内容の一例を示す図である。
図9-1に示すように、本実施の形態においては、特図ゲームの実行時間(特図変動時間,飾り図柄の可変表示の実行時間)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無など)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類など)を指定する複数の変動パターンが予め用意されている。これらの変動パターンは、
図8-5に示した各変動パターンと対応しており、
図8-9および
図8-10で示したように、大当りの有無、および大当りの種類に応じて変動パターンが決定される。また、各変動パターンに応じて、リーチ、スーパーリーチ(以下、SPリーチとも称する)、および大当りやはずれの結果表示など、各種演出が対応付けられている。
【0433】
たとえば、PA1-1~4は、可変表示結果が「はずれ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した非リーチはずれ変動パターンである。演出制御用CPU120は、PA1-1~4のいずれかに対応する変動パターン指定コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信した場合、飾り図柄の可変表示を開始させた後、リーチに発展させることなく、はずれの飾り図柄を停止表示させる。
【0434】
PA2-1は、可変表示結果が「はずれ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応したリーチはずれ変動パターンであって、ノーマルリーチのリーチ演出が実行される変動パターンである。演出制御用CPU120は、PA2-1に対応する変動パターン指定コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信した場合、飾り図柄の可変表示を開始させた後、リーチ後にリーチ演出を実行した上で、はずれの飾り図柄を停止表示させる。
【0435】
PA2-2は、可変表示結果が「はずれ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応したリーチはずれ変動パターンであって、スーパーリーチαのリーチ演出が実行される変動パターンである。演出制御用CPU120は、PA2-2に対応する変動パターン指定コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信した場合、飾り図柄の可変表示を開始させた後、リーチ後にリーチ演出を実行し、さらに、SPリーチ演出に発展させた後、SPリーチ演出の前半部分(以下、SPリーチ前半とも称する)のみを実行した上で、はずれの飾り図柄を停止表示させる。
【0436】
PA2-3は、可変表示結果が「はずれ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応したリーチはずれ変動パターンであって、スーパーリーチβのリーチ演出が実行される変動パターンである。演出制御用CPU120は、PA2-3に対応する変動パターン指定コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信した場合、飾り図柄の可変表示を開始させた後、リーチ後にリーチ演出を実行し、さらに、SPリーチ演出に発展させた後、SPリーチ前半のみならずSPリーチ演出の後半(以下、SPリーチ後半とも称する)まで実行した上で、はずれの飾り図柄を停止表示させる。
【0437】
PB1-1は、可変表示結果が「大当り」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した大当り変動パターンであって、ノーマルリーチのリーチ演出が実行される変動パターンである。演出制御用CPU120は、PB1-1に対応する変動パターン指定コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信した場合、飾り図柄の可変表示を開始させた後、リーチ後にリーチ演出を実行した上で、大当りの飾り図柄を停止表示させる。
【0438】
PB1-2は、可変表示結果が「大当り」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した大当り変動パターンであって、スーパーリーチαのリーチ演出が実行される変動パターンである。演出制御用CPU120は、PB1-2に対応する変動パターン指定コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信した場合、飾り図柄の可変表示を開始させた後、リーチ後にリーチ演出を実行し、さらに、SPリーチ演出に発展させた後、SPリーチ前半のみを実行した上で、大当りの飾り図柄を停止表示させる。
【0439】
PB1-3は、可変表示結果が「大当り」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した大当り変動パターンであって、スーパーリーチβのリーチ演出が実行される変動パターンである。演出制御用CPU120は、PB1-3に対応する変動パターン指定コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信した場合、飾り図柄の可変表示を開始させた後、リーチ後にリーチ演出を実行し、さらに、SPリーチ演出に発展させた後、SPリーチ前半のみならずSPリーチ後半まで実行した上で、大当りの飾り図柄を停止表示させる。
【0440】
[可変表示中における各種演出の実行タイミング]
図9-2は、可変表示中における各種演出の実行タイミングの一例を示す図である。
図9-2に示すように、飾り図柄の可変表示(特図の可変表示にも対応する)が開始されてから、飾り図柄が停止して可変表示が終了するまでの期間においては、演出制御用CPU120の制御に基づき各種演出が実行される。可変表示中において実行される演出には、アクティブ表示演出と、操作演出と、操作示唆演出と、操作前特別演出とが含まれる。
【0441】
アクティブ表示演出は、飾り図柄の可変表示中において、当該可変表示に対応する保留記憶を遊技者が見て分かるように視覚的に表された画像表示(アクティブ表示)を用いた演出である。このような実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を、可変表示対応表示とも称する。
【0442】
可変表示の実行が保留されていた保留表示について、当該可変表示が実行されることで、当該保留表示がアクティブ表示に切り替わって、画像表示装置5に表示される。たとえば、
図8-30(A)に示すように、画像表示装置5に表示されている保留表示(「○」やカメラの画像)が順番にアクティブ表示に切り替わり、当該アクティブ表示に対応する保留記憶に基づき可変表示が行われる。1つの保留表示がアクティブ表示に切り替わると、たとえば、画像表示装置5の画面上を保留表示が移動(たとえば、画面右から左に移動)し、他の保留表示よりも目立つ態様(たとえば、拡大やアクティブ表示用の台座に居座る)でアクティブ表示が表示される。
【0443】
本実施の形態においては、
図8-16で示したように、アクティブ表示に切り替わる前の保留表示のパターンとして、白色の丸形(○)、白色の四角形(◇)、白色の星型(☆)、青色のカメラ、および黄色のカメラのいずれかとなっている。これらの保留表示がアクティブ表示に切り替わると、色および形はそのままで、後述するアクティブ表示領域045F001において台座画像の上に表示される。
【0444】
アクティブ表示演出は、このようにしてアクティブ表示領域045F001に表示されたアクティブ表示の色を、当該アクティブ表示に対応する可変表示中の所定タイミングで切り替えることで、当該可変表示の結果が大当りとなることを遊技者に期待させ、さらには、大当りの種類を示唆している。
【0445】
操作演出は、SPリーチ後半において、可変表示結果が大当りとなることを遊技者の動作に応じて示唆する演出である。本実施の形態においては、操作演出が実行されることで、
図9-2に示すように、動物のアイコン画像が付されたプッシュボタン31Bの画像とともに、遊技者にプッシュボタン31Bの操作を促す「PUSH!!」の文字画像が画像表示装置5に表示される。操作演出が実行された際に遊技者がプッシュボタン31Bを操作すると、可変表示結果が大当りとなるか、あるいは、はずれとなるかが報知される。操作演出の実行態様には、ネコ、パンダ、ゴリラ、およびライオンのいずれかの動物のアイコン画像がプッシュボタン31Bの画像に付される実行態様が含まれる。さらに、ネコ、パンダ、ゴリラ、およびライオンの順に、大当り期待度が高くなるように、操作演出が実行される。
【0446】
操作示唆演出は、操作演出の実行態様を示唆する演出である。本実施の形態においては、操作示唆演出が実行されることで、操作演出で用いられる可能性のある動物のアイコン画像が操作演出が実行される前から画像表示装置5に表示される。つまり、操作示唆演出は、その実行態様(表示される動物のアイコン画像)によって、操作演出の実行態様(表示される動物のアイコン画像)を事前に示唆する演出である。操作示唆演出が実行されると、たとえば、ネコ(1段階目)、パンダ(2段階目)、ゴリラ(3段階目)、ライオン(4段階目)といったように、段階的に動物のアイコン画像が切り替わる。操作示唆演出は、操作演出の前に実行されればよく、可変表示が開始してから操作演出が実行される前までの期間(リーチ前、リーチ後、SPリーチ前半、SPリーチ後半)のうちのいずれかのタイミングで実行されうる。
【0447】
操作前特別演出は、操作示唆演出と操作演出とを視覚的に紐付ける演出である。本実施の形態においては、操作演出が実行されるタイミングの所定期間(たとえば、3秒間)前に操作前特別演出が実行されることで、操作示唆演出によって示唆された動物のアイコン画像を用いて、動物のアイコン画像が付されたプッシュボタン31Bの画像を形成するようなアニメーションが画像表示装置5に表示される。
【0448】
詳しくは後述するが、上述した各種演出の演出パターンは、可変表示が開始する前に実行される可変表示開始設定処理において決定される。そして、各種演出は、決定された演出パターンに応じて、可変表示中における所定のタイミングで実行される。
【0449】
図9-2においては、変動パターンとしてスーパーリーチβ(大当り)となるPB1-3が決定され、アクティブ表示演出の演出パターンとしてアクティブ表示パターン4が決定され、操作示唆演出の演出パターンとして操作示唆パターン4が決定された場合における各種演出の実行タイミングが示されている。
【0450】
図9-2に示す例では、t1で可変表示が開始した後、t2でリーチが成立し、その後、t3でSPリーチ前半に発展するとともに、t4でSPリーチ後半に発展し、t7で図柄が確定する。この場合、可変表示結果として「777」が表示される。
【0451】
リーチ前の期間においては、アクティブ表示演出によってアクティブ表示が白色から緑色に切り替わり、さらに、操作示唆演出が実行されることで操作示唆が開始されてネコのアイコン画像が表示される。
【0452】
リーチ後の期間においては、アクティブ表示演出によってアクティブ表示が緑色から紫色に切り替わり、さらに、操作示唆演出が実行されることで操作示唆が変更されてネコからパンダのアイコン画像に切り替わる。なお、このような動物のアイコン画像を切り替えることで操作示唆が変化するような操作示唆演出を、以下では、操作示唆変化演出とも称する。
【0453】
SPリーチ前半においては、アクティブ表示演出によってアクティブ表示が紫色から赤色に切り替わり、さらに、操作示唆演出が実行されることで操作示唆が変更されてパンダからゴリラのアイコン画像に切り替わる。
【0454】
SPリーチ後半においては、アクティブ表示演出によってアクティブ表示が赤色から金色に切り替わり、さらに、操作示唆演出が実行されることで操作示唆が変更されてゴリラからライオンのアイコン画像に切り替わる。なお、ライオンは最も大当り期待度が高いアイコン画像であり、ライオンのアイコン画像が表示されている段階を最高段階とも称する。
【0455】
SPリーチ後半においてゴリラからライオンのアイコン画像に切り替わった後、t5で操作前特別演出が実行される。その後、t6において、ライオンのアイコン画像が付されたプッシュボタン31Bの画像を形成するようなアニメーションが画像表示装置5に表示される。この時点で操作示唆演出が終了する。
【0456】
t6~t7の期間に亘ってライオンのアイコン画像が付されたプッシュボタン31Bの画像による操作演出が実行され、遊技者によってプッシュボタン31Bが操作されると、当該操作に応じて大当りが発生したことが遊技者に報知される。
【0457】
このように、可変表示中においては、リーチ前、リーチ後、SPリーチ前半、およびSPリーチ後半といったように演出が実行可能であり、その期間中において、アクティブ表示演出、操作示唆演出、操作前特別演出、および操作演出によって、当該可変表示の結果が大当りとなることを遊技者に期待させるようになっている。
【0458】
[可変表示開始設定処理]
図9-3は、
図7に示された演出制御プロセス処理における可変表示開始設定処理(S171)を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(045FS271)。
【0459】
次に、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(045FS272)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた飾り図柄の停止図柄を決定し、決定した飾り図柄の停止図柄を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。
【0460】
次に、演出制御用CPU120は、
図9-5に示すアクティブ表示演出テーブルに基づき、アクティブ表示演出の実行有無、および実行する場合のアクティブ表示パターンを決定し、その決定結果を記憶する(045FS273)。
【0461】
次に、演出制御用CPU120は、
図9-7に示す操作示唆演出テーブルに基づき、操作示唆演出の実行有無、および実行する場合の操作示唆パターンを決定し、その決定結果を記憶する(045FS274)。
【0462】
次に、演出制御用CPU120は、
図9-8に示す操作演出テーブルに基づき、操作演出の実行有無、および実行する場合の操作演出パターンを決定し、その決定結果を記憶する(045FS275)。
【0463】
次に、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに基づき特定した変動パターン、045FS273、045FS274、および045FS275の各処理において決定した各種演出のパターンに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する(045FS276)。そして、演出制御用CPU120は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(045FS277)。
【0464】
前述したように、プロセステーブルには、画像表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのランプ制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を制御するための操作部制御実行データなどが、各プロセスデータn(1~N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
【0465】
次に、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8L,8R、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31Aなど))の制御を実行する(045FS278)。たとえば、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において変動パターンに応じた画像、アクティブ表示演出に応じた画像、操作示唆演出に応じた画像、操作前特別演出に応じた画像、および操作演出に応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。
【0466】
そして、演出制御用CPU120は、可変表示時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される可変表示時間に相当する値を設定する(045FS279)。また、演出制御用CPU120は、可変表示制御タイマに所定時間を設定する(045FS280)。なお、所定時間はたとえば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過するごとに左中右の飾り図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を画像表示装置5に出力し、画像表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって飾り図柄の可変表示(変動)が実現される。次に、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を可変表示中演出処理(S172)に対応した値に更新して可変表示開始設定処理を終了する(045FS281)。
【0467】
このように、演出制御用CPU120は、可変表示開始設定処理によって、アクティブ表示演出、操作示唆演出、および操作演出などの各種演出のパターンを決定し、決定した演出パターンに応じて、その後の可変表示中演出処理によって、可変表示中に画像表示装置5などの各種演出装置を制御する。
【0468】
[アクティブ表示演出のパターン]
図9-4は、アクティブ表示演出のパターンの一例を示す図である。
図9-4に示すように、本実施の形態においては、アクティブ表示パターン1~4といった4種類のアクティブ表示パターンが設けられている。
【0469】
アクティブ表示パターン1は、リーチ前においてアクティブ表示が緑色に変化し、その後は緑色を維持するパターンである。アクティブ表示パターン2は、リーチ前においてアクティブ表示が緑色に変化し、リーチ後においてアクティブ表示が紫色に変化し、その後は紫色を維持するパターンである。アクティブ表示パターン3は、リーチ前においてアクティブ表示が緑色に変化し、リーチ後においてアクティブ表示が紫色に変化し、SPリーチ前半においてアクティブ表示が赤色に変化し、その後は赤色を維持するパターンである。アクティブ表示パターン4は、リーチ前においてアクティブ表示が緑色に変化し、リーチ後においてアクティブ表示が紫色に変化し、SPリーチ前半においてアクティブ表示が赤色に変化し、SPリーチ前半においてアクティブ表示が金色に変化し、その後は金色を維持するパターンである。
【0470】
図9-5は、アクティブ表示演出テーブルを示す説明図である。演出制御用CPU120は、アクティブ表示演出テーブルに基づき、変動パターンに応じて異なる割合で、アクティブ表示の実行有無、および実行する場合のアクティブ表示パターンの種類を決定する。
【0471】
具体的には、
図9-5に示すように、可変表示結果が大当りとなる場合は、可変表示部がはずれとなる場合よりも高い割合で、アクティブ表示が実行有に決定される。また、変動パターンに紐付けられた特図の変動時間(可変表示の変動時間)が長ければ長いほど高い割合で、アクティブ表示が実行有に決定される。
【0472】
さらに、可変表示結果が大当りとなる場合は、可変表示部がはずれとなる場合よりも高い割合で、アクティブ表示の色が切り替わる回数が多いパターン(たとえば、アクティブ表示パターン3やアクティブ表示パターン4)に決定される。また、変動パターンに紐付けられた特図の変動時間(可変表示の変動時間)が長ければ長いほど高い割合で、アクティブ表示の色が切り替わる回数が多いパターン(たとえば、アクティブ表示パターン3やアクティブ表示パターン4)に決定される。
【0473】
これにより、遊技者は、アクティブ表示が実行されることで、大当りを期待することができ、さらに、アクティブ表示の色が切り替わる回数が多ければ多いほど(たとえば、アクティブ表示が赤色や金色になることで)、大当りを期待することができる。
【0474】
[操作示唆演出のパターン]
図9-6は、操作示唆演出のパターンの一例を示す図である。
図9-6に示すように、本実施の形態においては、操作示唆パターン1~10といった10種類の操作示唆パターンが設けられている。
【0475】
操作示唆パターン1は、リーチ前においてネコのアイコン画像が表示され、その後はネコのアイコン画像の表示を維持するパターンである。操作示唆パターン2は、リーチ前においてネコのアイコン画像が表示され、リーチ後においてアイコン画像がネコからパンダに切り替わり、その後はパンダのアイコン画像の表示を維持するパターンである。操作示唆パターン3は、リーチ前においてネコのアイコン画像が表示され、リーチ後においてアイコン画像がネコからパンダに切り替わり、SPリーチ前半においてアイコン画像がパンダからゴリラに切り替わり、その後はゴリラのアイコン画像の表示を維持するパターンである。操作示唆パターン4は、リーチ前においてネコのアイコン画像が表示され、リーチ後においてアイコン画像がネコからパンダに切り替わり、SPリーチ前半においてアイコン画像がパンダからゴリラに切り替わり、SPリーチ後半においてアイコン画像がゴリラからライオンに切り替わり、その後はライオンのアイコン画像の表示を維持するパターンである。
【0476】
また、操作示唆パターン5は、リーチ前においてネコのアイコン画像が表示され、リーチ後においてアイコン画像がネコからパンダに切り替わり、SPリーチ後半においてアイコン画像がパンダからライオンへと、ゴリラを抜かして一気に切り替わり、その後はライオンのアイコン画像の表示を維持するパターンである。操作示唆パターン6は、リーチ前においてネコのアイコン画像が表示され、リーチ後においてアイコン画像がネコからパンダに切り替わり、SPリーチ後半においてアイコン画像がパンダからゴリラ、ゴリラからライオンへと、短時間で一気に切り替わり、その後はライオンのアイコン画像の表示を維持するパターンである。なお、操作示唆パターン6は、SPリーチ後半においてアイコン画像がパンダからライオンへと複数段階切り替わる点において、操作示唆パターン5と共通する。しかしながら、操作示唆パターン6は、パンダからライオンへの切替途中で、ゴリラをパンダやライオンよりも短い時間表示する点で、他の操作示唆パターン1~10よりも特殊である。
【0477】
また、操作示唆パターン7は、リーチ前においてネコのアイコン画像が表示され、リーチ後においてアイコン画像がネコからパンダに切り替わり、SPリーチ前半においてアイコン画像がパンダからライオンへと、ゴリラを抜かして一気に切り替わり、その後はライオンのアイコン画像の表示を維持するパターンである。
【0478】
また、操作示唆パターン8は、リーチ後においてネコのアイコン画像が表示され、その後はネコのアイコン画像の表示を維持するパターンである。操作示唆パターン9は、リーチ後においてネコのアイコン画像が表示され、SPリーチ前半においてアイコン画像がネコからパンダに切り替わり、その後はパンダのアイコン画像の表示を維持するパターンである。操作示唆パターン10は、リーチ後においてネコのアイコン画像が表示され、SPリーチ前半においてアイコン画像がネコからパンダに切り替わり、SPリーチ後半においてアイコン画像がパンダからゴリラに切り替わり、その後はゴリラのアイコン画像の表示を維持するパターンである。
【0479】
このように、操作示唆は、リーチ前からネコのアイコン画像が表示される場合もあれば、リーチ後からネコのアイコン画像が表示される場合もある。つまり、操作示唆演出は、複数タイミングのうちのいずれかのタイミングで実行される。さらに、リーチ後、SPリーチ前半、およびSPリーチ後半といった各期間において、操作示唆パターンに応じて異なるタイミングで、操作示唆であるアイコン画像が変化するため、遊技を多様なものとすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0480】
図9-7は、操作示唆演出テーブルを示す説明図である。演出制御用CPU120は、操作示唆演出テーブルに基づき、変動パターンに応じて異なる割合で、操作示唆演出の実行有無、および実行する場合の操作示唆パターンの種類を決定する。
【0481】
具体的には、
図9-7に示すように、可変表示結果が大当りとなる場合は、可変表示部がはずれとなる場合よりも高い割合で、操作示唆演出が実行有に決定される。また、変動パターンに紐付けられた特図の変動時間(可変表示の変動時間)が長ければ長いほど高い割合で、操作示唆演出が実行有に決定される。
【0482】
また、SPリーチ後半に発展するスーパーリーチβ(はずれ)やスーパーリーチβ(大当り)の場合、操作示唆パターン1や操作示唆パターン8が選択されず、SPリーチ後半に発展しない他の変動パターンの場合のみ操作示唆パターン1や操作示唆パターン8が選択され得る。これにより、SPリーチ後半の前にネコのアイコン画像が表示されている場合、SPリーチ後半に発展することなく可変表示が終了することがある。
【0483】
SPリーチ後半に発展するスーパーリーチβ(はずれ)やスーパーリーチβ(大当り)の場合、SPリーチ後半に発展しない他の変動パターンよりも高い割合で、操作示唆パターン3、操作示唆パターン4、あるいは操作示唆パターン7が選択され得る。
図9-6で示したように、操作示唆パターン3、操作示唆パターン4、および操作示唆パターン7の場合、SPリーチ後半の実行前において、動物のアイコン画像による操作示唆の段階が3段階(ゴリラ)以上となる。これにより、SPリーチ後半の実行前において操作示唆の段階が3段階以上となるゴリラやライオンのアイコン画像が表示されたときの方が、SPリーチ後半の実行前において操作示唆の段階が3段階未満となるネコやパンダのアイコン画像が表示されたときよりも高い割合で、SPリーチ後半に発展することになる。
【0484】
スーパーリーチα(大当り)やスーパーリーチβ(大当り)の場合、操作示唆パターン4~6よりも高い割合で、操作示唆パターン7が選択され得る。一方、はずれとなる変動パターンの場合、操作示唆パターン7よりも高い割合で、操作示唆パターン4~6のいずれかが選択され得る。
図9-6で示したように、操作示唆パターン4~6の場合、SPリーチ後半の実行中において、操作示唆の段階が最高段階となるライオンのアイコン画像が表示され、操作示唆パターン7の場合、SPリーチ後半の実行前において、ライオンのアイコン画像が表示される。これにより、遊技者は、SPリーチ後半の実行前においてライオンのアイコン画像が表示されたときの方が、SPリーチ後半の実行中にライオンのアイコン画像が表示されたときよりも高い割合で、大当りが発生することを期待することができる。
【0485】
SPリーチ後半に発展するスーパーリーチβ(はずれ)やスーパーリーチβ(大当り)の場合のみ操作示唆パターン5や操作示唆パターン6が選択されることがあり、SPリーチ後半に発展しない他の変動パターンの場合、操作示唆パターン5や操作示唆パターン6が選択されない。
図9-6で示したように、操作示唆パターン5や操作示唆パターン6の場合、SPリーチ後半の実行中において、アイコン画像が複数段階変化する。これにより、SPリーチ後半の実行中にのみ、アイコン画像が複数段階変化することがある。
【0486】
SPリーチ後半においてアイコン画像が最高段階であるライオンに変化する操作示唆パターン4~6の選択割合は、SPリーチ前半においてアイコン画像が最高段階であるライオンに変化する操作示唆パターン7の選択割合よりも、高い割合で選択される。これにより、SPリーチ後半の実行中では、SPリーチ前半などの他の期間よりも、アイコン画像が最高段階であるライオンに変化する割合が高い。
【0487】
SPリーチ後半に発展するスーパーリーチβ(はずれ)やスーパーリーチβ(大当り)の場合、操作示唆パターン2、操作示唆パターン5、操作示唆パターン6、操作示唆パターン9、あるいは操作示唆パターン10が選択されることがある。
図9-6で示したように、操作示唆パターン2、操作示唆パターン5、操作示唆パターン6、操作示唆パターン9、および操作示唆パターン10の場合、SPリーチ後半の実行前であるSPリーチ前半において操作示唆の段階が3段階未満となるネコやパンダのアイコン画像が表示される。これにより、SPリーチ後半の実行前においてネコやパンダのアイコン画像が表示されたとしても、SPリーチ後半に発展する場合があり、その割合は、操作示唆パターンの種類に応じて異なる。
【0488】
[操作演出のパターン]
図9-8は、操作演出テーブルを示す説明図である。
図9-8に示すように、本実施の形態においては、操作演出パターン1~3といった3種類の操作演出パターンが設けられている。
【0489】
操作演出パターン1は、操作演出が実行される前に実行されていた操作示唆演出によって表示されたアイコン画像の段階(ネコ、パンダ、ゴリラ、ライオンのいずれか)と同じ段階のアイコン画像が付されたプッシュボタン31Bの画像が表示されるパターンである。たとえば、操作演出が実行される前に実行されていた操作示唆演出によってゴリラのアイコン画像が表示された場合、操作演出によってゴリラのアイコン画像が付されたプッシュボタン31Bの画像が表示される。操作演出パターン2は、操作演出が実行される前に実行されていた操作示唆演出によって表示されたアイコン画像の段階よりも段階がダウンしたアイコン画像が付されたプッシュボタン31Bの画像が表示されるパターンである。たとえば、操作演出が実行される前に実行されていた操作示唆演出によってゴリラのアイコン画像が表示された場合、操作演出によってパンダやネコのアイコン画像が付されたプッシュボタン31Bの画像が表示される。操作演出パターン3は、操作演出が実行される前に実行されていた操作示唆演出によって表示されたアイコン画像の段階よりも段階がアップしたアイコン画像が付されたプッシュボタン31Bの画像が表示されるパターンである。たとえば、操作演出が実行される前に実行されていた操作示唆演出によってゴリラのアイコン画像が表示された場合、操作演出によってライオンのアイコン画像が付されたプッシュボタン31Bの画像が表示される。
【0490】
演出制御用CPU120は、操作演出テーブルに基づき、変動パターンに応じて異なる割合で、操作演出の実行有無、および実行する場合の操作演出パターンの種類を決定する。
【0491】
具体的には、
図9-8に示すように、可変表示結果が大当りとなる場合は、可変表示部がはずれとなる場合よりも高い割合で、操作演出が実行有に決定される。また、変動パターンに紐付けられた特図の変動時間(可変表示の変動時間)が長ければ長いほど高い割合で、操作演出が実行有に決定される。
【0492】
さらに、可変表示結果が大当りとなる場合は、可変表示部がはずれとなる場合よりも高い割合で、段階がアップする操作演出パターン3に決定される。また、変動パターンに紐付けられた特図の変動時間(可変表示の変動時間)が長ければ長いほど高い割合で、段階がアップする操作演出パターン3に決定される。一方、可変表示結果がはずれとなる場合は、可変表示部が大当りとなる場合よりも高い割合で、段階がダウンする操作演出パターン2に決定される。また、変動パターンに紐付けられた特図の変動時間(可変表示の変動時間)が短ければ短いほど高い割合で、段階がダウンする操作演出パターン2に決定される。
【0493】
これにより、遊技者は、操作演出が実行されることで、大当りを期待することができ、さらに、操作演出において用いられるアイコン画像の段階が操作示唆演出によって用いられたアイコン画像の段階よりもアップした場合、大当りを期待することができる。
【0494】
[可変表示中における各種演出の一例]
次に、
図9-9~
図9-13を参照しながら、可変表示中に実行される各種演出の一例について説明する。
図9-9~
図9-13は、可変表示中における各種演出の一例を示す図である。
【0495】
図9-9(A)に示すように、画像表示装置5には、背景画像とともに、飾り図柄による可変表示結果が画面中央に表示され、さらに、保留表示が画面下方に表示されている。
【0496】
図9-9(B)に示すように、待機していた保留表示がアクティブ表示に切り替わると、当該アクティブ表示に対応する可変表示が開始する。画像表示装置5には、アクティブ表示が表示されるアクティブ表示領域045F001が画面左下に設けられる一方で、操作示唆演出による操作示唆(動物のアイコン画像)が表示される操作示唆領域045F002が画面右下に設けられる。操作示唆領域045F002の位置は、アクティブ表示領域045F001の位置と異なる。操作示唆領域045F002には、可変表示の開始を契機として操作示唆を行うためのカード(以下、操作示唆カードとも称する)が表示される。
【0497】
図9-9(C)に示すように、アクティブ表示演出が実行されると、キャラクタAの画像が表示される。そして、キャラクタAがアクティブ表示に対してアクション(たとえば、魔法をかけるようなアクション)を行うアニメーションが表示されると、アクティブ表示が白色から緑色に切り替わる。この例において、キャラクタAは、アクティブ表示演出専用のキャラクタである。
【0498】
図9-9(D)に示すように、操作示唆を開始するための操作示唆開始演出が実行されると、キャラクタAとは異なるキャラクタBの画像が表示される。そして、キャラクタBが操作示唆カードにぶつかるようなアニメーションが表示される。この例において、キャラクタBは、操作示唆演出専用のキャラクタである。
【0499】
図9-9(E)に示すように、その後、キャラクタBが操作示唆カードに対してアクション(たとえば、両手を広げるようなアクション)を行うアニメーションが表示されると、操作示唆カードが裏返り、操作示唆カードにネコのアイコン画像が表示される。これによって、操作示唆演出が開始する。
【0500】
図9-9(F)に示すように、左の飾り図柄が「7」で停止した後、右の飾り図柄も「7」で停止しそうになり、リーチが成立しうる。そして、
図9-9(G)に示すように、右の飾り図柄が「7」で停止することで、リーチが成立する。
【0501】
図9-10(H)に示すように、リーチ状態となった飾り図柄が画像表示装置5の右上に小さく表示され、リーチ成立後の演出が開始する。たとえば、リーチ成立後においては、「×」、「バトルリーチ」、「NEXT」といった3種類のボックスの画像が回転するアニメーションが表示される。「×」が手前で停止すると、SPリーチに発展することなく可変表示が終了し、「バトルリーチ」が手前で停止すると、SPリーチに発展し、「NEXT」が手前で停止すると、引き続きリーチ後の演出が継続する。
【0502】
図9-10(I)に示すように、リーチ後の演出においてアクティブ表示演出が実行されると、キャラクタAがアクティブ表示に対してアクションを行うアニメーションが表示され、アクティブ表示が緑色から紫色に切り替わる。
【0503】
図9-10(J)に示すように、リーチ後の演出において操作示唆変化演出が実行されると、キャラクタBが操作示唆カードに対してアクションを行うアニメーションが表示される。そして、
図9-10(K)に示すように、操作示唆カードに表示されたアイコン画像がネコからパンダに切り替わり、操作示唆の段階がアップする。また、リーチ後の演出においては、「バトルリーチ」が手前で停止して選択されている。
【0504】
図9-10(L)に示すように、SPリーチに発展し、SPリーチの演出に対応する「バトルリーチ」の文字画像が画像表示装置5の画面中央に表示される。
図9-10(M)に示すように、SPリーチの演出においては、たとえば、味方キャラクタと敵キャラクタとが対峙して、これからバトルが始まるような画像が表示される。
【0505】
図9-10(N)に示すように、SPリーチ前半の演出として、味方キャラクタと敵キャラクタとが戦っているようなアニメーションが表示される。
【0506】
図9-10(O)に示すように、SPリーチ前半においてアクティブ表示演出が実行されると、キャラクタAがアクティブ表示に対してアクションを行うアニメーションが表示され、アクティブ表示が紫色から赤色に切り替わる。その後、この例では、
図9-11(P1)以降の演出または
図9-11(P2)以降の演出に分岐する。
【0507】
操作示唆パターン4に対応する操作示唆演出が実行される場合、
図9-11(P1)以降の演出に分岐する。具体的には、
図9-11(P1)に示すように、SPリーチ前半において操作示唆変化演出が実行され、キャラクタBが操作示唆カードに対してアクションを行うアニメーションが表示される。そして、
図9-11(Q1)に示すように、操作示唆カードに表示されたアイコン画像がパンダからゴリラに切り替わり、操作示唆の段階がアップする。つまり、この例では、SP後半に発展する前のSP前半において、操作示唆の段階が3段階目(ゴリラ)となっている。
【0508】
図9-11(R1)に示すように、SPリーチ前半の演出によって味方キャラクタと敵キャラクタとが戦っているようなアニメーションが表示されるとともに、SPリーチ後半に発展することを示唆する「勝負の行方は?」の文字画像が表示される。
【0509】
ここで、SPリーチ前半からSPリーチ後半へと発展するか否かの分岐点において表示されている、アクティブ表示の態様(アクティブ表示の色)と、操作示唆におけるアイコン画像の態様(動物の種類)との組合せに応じて、SPリーチ後半に発展する期待度が異なる。
【0510】
たとえば、アクティブ表示の色が赤色や金色であり、かつ操作示唆におけるアイコン画像がゴリラやライオンの組合せの方が、アクティブ表示の色が赤色や金色であり、かつ操作示唆におけるアイコン画像がネコやパンダの組合せよりも、高い割合でSPリーチ後半に発展する。あるいは、アクティブ表示の色が赤色や金色であり、かつ操作示唆におけるアイコン画像がゴリラやライオンの組合せの方が、アクティブ表示の色が緑色や紫色であり、かつ操作示唆におけるアイコン画像がゴリラやライオンの組合せよりも、高い割合でSPリーチ後半に発展する。また、アクティブ表示の色が赤色や金色であり、かつ操作示唆におけるアイコン画像がネコやパンダの組合せの方が、アクティブ表示の色が緑色や紫色であり、かつ操作示唆におけるアイコン画像がネコやパンダの組合せよりも、高い割合でSPリーチ後半に発展する。あるいは、アクティブ表示の色が緑色や紫色であり、かつ操作示唆におけるアイコン画像がゴリラやライオンの組合せの方が、アクティブ表示の色が緑色や紫色であり、かつ操作示唆におけるアイコン画像がネコやパンダの組合せよりも、高い割合でSPリーチ後半に発展する。
【0511】
図9-11(S)に示すように、SPリーチ後半に発展すると、味方キャラクタとともに、SP後半に発展したことを示唆する「後半戦突入!!」の文字画像が表示される。そして、
図9-11(T)に示すように、SPリーチ後半の演出として、味方キャラクタと敵キャラクタとが対峙して、再度バトルが始まるような画像が表示される。
【0512】
図9-11(U)に示すように、SPリーチ後半においてアクティブ表示演出が実行されると、キャラクタAがアクティブ表示に対してアクションを行うアニメーションが表示され、アクティブ表示が赤色から金色に切り替わる。
【0513】
図9-11(V)に示すように、SPリーチ後半において操作示唆変化演出が実行される。SPリーチ後半においては、SPリーチ前半などの他の期間と異なり、遊技者の動作を検知したことに基づきアイコン画像が変化する。具体的には、プッシュボタン31Bの画像とともに、遊技者にプッシュボタン31Bの操作を促す「PUSH!!」の文字画像が画像表示装置5に表示される。
【0514】
図9-11(W)に示すように、遊技者がプッシュボタン31Bを操作(たとえば、押下)すると、操作示唆カードに表示されたアイコン画像がゴリラからライオンに切り替わり、操作示唆の段階がアップする。
【0515】
図9-12(X)に示すように、操作示唆演出と操作演出とを視覚的に紐付ける演出である操作前特別演出が実行される。操作前特別演出が実行されると、操作示唆カードに表示されていたライオンのアイコン画像が飛び出すようなアニメーションが表示される。そして、
図9-12(Y)に示すように、飛び出したライオンのアイコン画像が段階的に大きくなり、画像表示装置5の画面中央に位置する。さらに、
図9-12(Z)に示すように、ライオンのアイコン画像を使ってプッシュボタン31Bのようなボタンの画像が形成されて表示される。
【0516】
図9-12(a)に示すように、一連の操作前特別演出の実行が終了すると、操作示唆領域045F002に表示されていた操作示唆カードが消えて、操作示唆演出が終了する。代わりに、ライオンのアイコン画像を使って形成されたボタンの画像による操作演出が実行され、遊技者にプッシュボタン31Bの操作を促す「PUSH!!」の文字画像が画像表示装置5に表示される。
【0517】
大当り時の場合(つまり、変動パターンがスーパーリーチβ(大当り))、
図9-12(b1)に示すように、バトルの結果として味方キャラクタが勝利する結果を示す画像が表示される。そして、
図9-12(c1)に示すように、中の飾り図柄が「7」で停止することで、大当りの図柄が確定する。
【0518】
一方、はずれ時の場合(つまり、変動パターンがスーパーリーチβ(はずれ))の場合、
図9-12(b2)に示すように、バトルの結果として味方キャラクタが敗北する結果を示す画像が表示される。その後、
図9-12(c2)に示すように、画像表示装置5の画面全体が暗くなることで遊技者による演出画像の視認が困難となるブラックアウト演出が実行され、画像表示装置5の画面上における場面が暗転する。そして、
図9-12(d2)に示すように、画像表示装置5の画面全体が明るくなると、リーチ前の背景画像の表示に戻り、中の飾り図柄が「8」で停止することで、はずれの図柄が確定する。
【0519】
次に、
図9-10(O)において、操作示唆パターン2,5,6のいずれかに対応する操作示唆演出が実行される場合、
図9-13(P2)以降の演出に分岐する。具体的には、
図9-13(P2)および
図9-13(Q2)に示すように、SPリーチ前半の演出が実行された後、
図9-13(R2)に示すように、SPリーチ前半の演出によって味方キャラクタと敵キャラクタとが戦っているようなアニメーションが表示されるとともに、SPリーチ後半に発展することを示唆する「勝負の行方は?」の文字画像が表示される。
【0520】
SPリーチ後半に発展する場合、
図9-13(S1)に示すように、味方キャラクタとともに、SP後半に発展したことを示唆する「後半戦突入!!」の文字画像が表示される。この場合、
図9-11の(S)以降の図、および
図9-12を用いて説明したように、操作示唆演出によって示唆された動物のアイコン画像を用いて操作演出が実行される可能性がある。
【0521】
一方、SPリーチ後半に発展しない場合(この例では、変動パターンがスーパーリーチα(はずれ))、
図9-13(S2)に示すように、バトルの結果として味方キャラクタが敗北する結果を示す画像が表示される。その後、
図9-13(T2)に示すように、画像表示装置5の画面全体が暗くなることで遊技者による演出画像の視認が困難となるブラックアウト演出が実行され、画像表示装置5の画面上における場面が暗転する。そして、
図9-13(U2)に示すように、画像表示装置5の画面全体が明るくなると、リーチ前の背景画像の表示に戻り、中の飾り図柄が「8」で停止することで、はずれの図柄が確定する。この場合、SPリーチ前半に至るまでに操作示唆演出によって示唆されていた動物のアイコン画像を用いて操作演出が実行されることなく、可変表示が終了する。このように、SPリーチ後半に発展しない場合、操作示唆演出によって示唆されていた動物のアイコン画像は一切用いられることなく、その表示が消えるようになっている。
【0522】
ここで、
図9-13(S2)に示すように、操作示唆領域045F002に表示されていた操作示唆カードは、バトルで味方キャラクタが敗北する結果が表示されたときに消えるため、動物のアイコン画像を用いて操作演出が実行されないことを遊技者に認識させることができるとともに、操作示唆演出によって示唆されていた動物のアイコン画像を用いて操作演出が実行されないにも関わらず、いつまでも操作示唆カードが表示されることで、その後に動物のアイコン画像を用いた何らかの演出(たとえば、操作演出)が実行されるかのように遊技者に誤解させることもない。なお、操作示唆カードが消えるタイミングは、
図9-13(T2)に示すブラックアウト演出が実行されるときであってもよく、この場合、
図9-13(S2)に示す画面では操作示唆カードが表示される一方で、
図9-13(U2)に示す画面では操作示唆カードが消えていることになる。
【0523】
このように、本実施の形態においては、アクティブ表示演出によるアクティブ表示の表示態様(本実施の形態においては、色の種類)によって、大当り期待度を示唆するとともに、操作示唆演出によるアイコン画像の表示態様(本実施の形態においては、動物の種類)によって、大当り期待度を示唆している。これにより、アクティブ表示や操作示唆のアイコン画像によって、大当りになることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、操作示唆演出によるアイコン画像の表示態様は、大当りであることを示唆する操作演出におけるプッシュボタン31Bの画像の表示態様に対応付けられているため、アイコン画像の表示態様を手掛かりに、操作演出におけるプッシュボタン31Bの画像の表示態様を遊技者に予想させることができ、操作示唆演出によって、操作演出が実行される前から遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
【0524】
[操作示唆の複数段階変化の一例]
次に、
図9-14を参照しながら、操作示唆のアイコン画像が複数段階変化する場合の演出例について説明する。
図9-14は、操作示唆の複数段階変化の一例を示す図である。
【0525】
まず、操作示唆が複数段階変化しない場合の例について、操作示唆パターン4の演出例を説明する。
【0526】
操作示唆パターン4の場合、
図9-14(A1)に示すように、SPリーチ後半においてゴリラのアイコン画像が表示されている状態で操作示唆変化演出が実行されると、プッシュボタン31Bの画像とともに、遊技者にプッシュボタン31Bの操作を促す「PUSH!!」の文字画像が画像表示装置5に表示される。そして、
図9-14(B1)に示すように、遊技者がプッシュボタン31Bを操作すると、操作示唆カードに表示されたアイコン画像がゴリラからライオンに切り替わり、操作示唆が1段階アップする。
【0527】
次に、操作示唆が複数段階変化する場合の例について、操作示唆パターン5および操作示唆パターン6の演出例を説明する。
【0528】
操作示唆パターン5の場合、
図9-14(A2)に示すように、SPリーチ後半においてパンダのアイコン画像が表示されている状態で操作示唆変化演出が実行されると、プッシュボタン31Bの画像とともに、遊技者にプッシュボタン31Bの操作を促す「PUSH!!」の文字画像が画像表示装置5に表示される。そして、
図9-14(B2)に示すように、遊技者がプッシュボタン31Bを操作すると、操作示唆カードに表示されたアイコン画像がパンダからライオンへと、ゴリラを飛ばして一気に切り替わり、操作示唆が2段階アップする。このように、操作示唆パターン5の場合、操作示唆パターン4に比べて、アイコン画像の変化が特殊である。
【0529】
操作示唆パターン6の場合、
図9-14(A2)に示すように、SPリーチ後半においてパンダのアイコン画像が表示されている状態で操作示唆変化演出が実行されると、プッシュボタン31Bの画像とともに、遊技者にプッシュボタン31Bの操作を促す「PUSH!!」の文字画像が画像表示装置5に表示される。そして、
図9-14(B3)に示すように、遊技者がプッシュボタン31Bを操作すると、特殊変化演出が実行されて、まずアイコン画像がパンダからゴリラに切り替わり、その後、
図9-14(C3)に示すように、ゴリラのアイコン画像に対してライオンのアイコン画像が向かうようなアニメーションが表示される。そして、
図9-14(D3)に示すように、操作示唆カードに表示されたアイコン画像がゴリラからライオンに切り替わる。
図9-14(B3)~(D3)に亘る一連の操作示唆の変化において、ゴリラは、パンダやライオンよりも表示時間が短くなっており、操作示唆パターン6の場合、操作示唆パターン4や操作示唆パターン5に比べて、アイコン画像の変化が特殊である。
【0530】
ここで、本実施の形態においては、
図9-7に示したように、操作示唆パターン4は、操作示唆パターン5や操作示唆パターン6よりも大当り期待度が高く設定されているが、
図9-14に示すように、操作示唆パターン4は、操作示唆パターン5や操作示唆パターン6よりも大当り期待度が低く設定されてもよい。このようにすれば、操作示唆のアイコン画像が最終的にはライオンになるパターンのうち、アイコン画像が複数段階変化する操作示唆パターン5や操作示唆パターン6は、アイコン画像が複数段階変化しない操作示唆パターン4よりも、大当り期待度が高くなり、アイコン画像が複数段階変化したときには、アイコン画像が複数段階変化しなかったときよりも、遊技者に大当りを期待させることができる。さらに、操作示唆のアイコン画像が複数段階変化するパターンのうち、アイコン画像の変化がより特殊な操作示唆パターン6は、操作示唆パターン5よりも、大当り期待度が高くなり、操作示唆パターン6のようにアイコン画像がより特殊な態様で変化したときには、操作示唆パターン5よりも、遊技者に大当りを期待させることができる。
【0531】
[操作演出の一例]
次に、
図9-15を参照しながら、操作演出について説明する。
図9-15は、操作演出の一例を示す図である。上述した
図9-12に示す例では、操作演出パターン1による操作演出について説明した。すなわち、操作演出が実行される前に実行されていた操作示唆演出によって表示されたアイコン画像(この例ではライオン)の段階と同じ段階のアイコン画像(この例ではライオン)が付されたプッシュボタン31Bの画像が表示されるパターンについて説明した。
図9-15においては、他の操作演出パターン2および操作演出パターン3の演出例について説明する。
【0532】
まず、操作演出が実行される前に実行されていた操作示唆演出によって表示されたアイコン画像(この例ではゴリラ)の段階よりも段階がダウンしたアイコン画像(この例ではパンダ)が付されたプッシュボタン31Bの画像が表示される操作演出パターン2について説明する。
【0533】
図9-15(A1)に示すように、操作前特別演出が実行されると、操作示唆カードに表示されていたゴリラのアイコン画像が飛び出すようなアニメーションが表示される。そして、
図9-15(B1)に示すように、飛び出したゴリラのアイコン画像が段階的に大きくなり、画像表示装置5の画面中央に位置する。ここまで、操作演出パターン2は、操作示唆のアイコン画像をそのまま用いている点で操作演出パターン1と演出が共通する。
【0534】
その後、操作演出パターン2の場合、
図9-15(C1)に示すように、ゴリラではなく1段階ダウンしたパンダのアイコン画像を使ってプッシュボタン31Bのようなボタンの画像が形成されて表示される。
図9-15(D1)に示すように、一連の操作前特別演出の実行が終了すると、操作示唆領域045F002に表示されていた操作示唆カードが消えて、操作示唆演出が終了する。代わりに、パンダのアイコン画像を使って形成されたボタンの画像による操作演出が実行され、遊技者にプッシュボタン31Bの操作を促す「PUSH!!」の文字画像が画像表示装置5に表示される。
【0535】
次に、操作演出が実行される前に実行されていた操作示唆演出によって表示されたアイコン画像(この例ではゴリラ)の段階よりも段階がアップしたアイコン画像(この例ではライオン)が付されたプッシュボタン31Bの画像が表示される操作演出パターン3について説明する。
【0536】
図9-15(A2)に示すように、操作前特別演出が実行されると、操作示唆カードに表示されていたゴリラのアイコン画像が飛び出すようなアニメーションが表示される。そして、
図9-15(B2)に示すように、飛び出したゴリラのアイコン画像が段階的に大きくなり、画像表示装置5の画面中央に位置する。ここまで、操作演出パターン3は、操作示唆のアイコン画像をそのまま用いている点で操作演出パターン1および操作演出パターン3と演出が共通する。
【0537】
その後、操作演出パターン3の場合、
図9-15(C2)に示すように、ゴリラではなく1段階アップしたライオンのアイコン画像を使ってプッシュボタン31Bのようなボタンの画像が形成されて表示される。
図9-15(D2)に示すように、一連の操作前特別演出の実行が終了すると、操作示唆領域045F002に表示されていた操作示唆カードが消えて、操作示唆演出が終了する。代わりに、ライオンのアイコン画像を使って形成されたボタンの画像による操作演出が実行され、遊技者にプッシュボタン31Bの操作を促す「PUSH!!」の文字画像が画像表示装置5に表示される。
【0538】
このように、操作演出パターン1、操作演出パターン2、および操作演出パターン3の各々は、操作示唆のアイコン画像をそのまま用いている点で演出の途中まで共通するが、その後、操作示唆のアイコン画像をそのまま用いてボタンの画像による操作演出を実行するパターン(操作演出パターン1)と、操作示唆のアイコン画像よりも1段階ダウンしたアイコン画像を用いてボタンの画像による操作演出を実行するパターン(操作演出パターン2)と、操作示唆のアイコン画像よりも1段階アップしたアイコン画像を用いてボタンの画像による操作演出を実行するパターン(操作演出パターン3)とのいずれかに、演出が分岐する。さらに、
図9-8で示したように、大当りであるか否かに応じて異なる割合で操作演出パターンが決定されている。これにより、操作演出の実行態様が、当該操作演出の実行前に実行された操作示唆演出の実行態様に対応する実行態様で実行されるか否かについて遊技者に注目させるとともに、操作示唆のアイコン画像よりも1段階アップしたアイコン画像を用いてボタンの画像による操作演出が実行されたときには、遊技者に大当りを期待させることができる。
【0539】
[特徴部045Fにより得られる主な効果]
以下に、前述した特徴部045Fの各種の構成により得られる技術的効果を個別に列挙する。
【0540】
(1) 遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
遊技者の動作を検知可能な動作検知手段(たとえば、演出制御用CPU120によるプッシュボタン31Bに対する遊技者の操作を検知する処理)と、
前記有利状態に制御されることを示唆する特定演出(たとえば、
図9-11に示すSPリーチ後半の演出)を実行する特定演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU120による可変表示開始設定処理,可変表示中演出処理)と、
前記特定演出の実行中において、遊技者の動作検知に応じて当該特定演出の実行後に前記有利状態に制御されることを示唆する動作演出(たとえば、
図9-12(a)に示す操作演出)を実行する動作演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU120による可変表示開始設定処理,可変表示中演出処理)と、
前記動作演出の実行態様を示唆する示唆演出(たとえば、
図9-9(E)に示す操作示唆演出)を実行する示唆演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU120による可変表示開始設定処理,可変表示中演出処理)と、を備え、
前記動作演出実行手段は、前記有利状態に制御される期待度が異なる複数種類の実行態様(たとえば、ネコ,パンダ,ゴリラ,ライオンのアイコン画像)のうちのいずれかの実行態様で前記動作演出を実行し、
前記示唆演出実行手段は、前記特定演出の実行前から前記示唆演出を実行するとともに、当該示唆演出の実行態様を段階的に変化させることが可能であり(たとえば、
図9-2に示す操作示唆演出の実行例)、
前記特定演出の実行前に前記示唆演出の実行態様が特定態様に変化したときと、前記特定演出の実行中に前記示唆演出の実行態様が前記特定態様に変化したときとで、前記有利状態に制御される期待度が異なる(たとえば、
図9-6,
図9-7に示すように、SPリーチ前半で操作示唆のアイコン画像がライオンに変化する操作示唆パターン7は、SPリーチ後半で操作示唆のアイコン画像がライオンに変化する操作示唆パターン4~6よりも大当り期待度が高い)。
【0541】
具体的には、操作示唆演出による操作示唆のアイコン画像によって、その後に実行される操作演出の実行態様を示唆する。これにより、大当りの有無を報知するとともにその実行態様によって大当りになることを示唆する操作演出が実行されるばかりでなく、操作演出の実行前に当該操作演出の実行態様を示唆する操作示唆演出が実行されるため、操作演出が実行される前の期間において遊技の興趣を向上させることができるとともに、遊技者の動作検知に応じて実行される操作演出についても遊技の興趣を向上させることができる。さらに、
図9-6,
図9-7に示すように、SPリーチ前半で操作示唆のアイコン画像がライオンに変化する操作示唆パターン7は、SPリーチ後半で操作示唆のアイコン画像がライオンに変化する操作示唆パターン4~6よりも大当り期待度が高い。つまり、操作示唆のアイコン画像がより早くライオンに変化するほど、大当り期待度が高くなっている。これにより、SPリーチ前半で操作示唆のアイコン画像がライオンに変化するか否かについて遊技者に注目させることができ、操作示唆演出における遊技の興趣を向上させることができる。したがって、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0542】
(2) 前記遊技機は、可変表示の表示結果が特定表示結果(たとえば、7揃い)になったときに前記有利状態に制御可能であり、
前記可変表示の実行中において、当該可変表示に対応する可変表示対応表示(たとえば、
図9-9(B)に示すアクティブ表示)を行うことが可能な可変表示対応表示手段(たとえば、演出制御用CPU120による可変表示開始設定処理,可変表示中演出処理)を備え、
前記可変表示対応表示手段は、前記有利状態に制御される期待度が異なる複数種類の表示態様(たとえば、緑,紫,赤,金のアクティブ表示)のうちのいずれかの表示態様で前記可変表示対応表示を行い、
前記示唆演出実行手段は、前記可変表示対応表示が行われる領域と異なる領域で前記示唆演出を実行する(たとえば、
図9-9(B)に示すように、操作示唆領域045F002は、アクティブ表示領域045F001と異なる領域である)。
【0543】
具体的には、アクティブ表示演出における表示態様によって大当りを示唆するとともに、操作示唆演出における表示態様によって操作演出における実行態様、言い換えると、大当りを示唆し、それら両者の演出による画像は互いに異なる領域で表示される。これにより、操作示唆領域045F002におけるアイコン画像に加えて、アクティブ表示領域045F001におけるアクティブ表示に対しても、遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0544】
(3) 前記示唆演出実行手段は、複数のタイミング(たとえば、リーチ前,リーチ後,SPリーチ前半,SPリーチ後半)のうちのいずれかのタイミングで前記示唆演出を実行する(たとえば、
図9-6に示す操作示唆演出のパターン)。
【0545】
具体的には、
図9-6に示すように、操作示唆演出による操作示唆のアイコン画像は、リーチ前またはリーチ後に表示を開始し、さらに、リーチ後、SPリーチ前半、およびSPリーチ後半のいずれかで、操作示唆のアイコン画像が変化する。これにより、可変表示中の複数のタイミングにおいて、操作示唆のアイコン画像の表示が開始すること、当該アイコン画像が変化することについて、遊技者に期待させることができる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0546】
(4) 前記動作演出が開始するときに、特別演出(たとえば、
図9-12(Y)に示す操作前特別演出)が実行されて前記示唆演出が終了する。
【0547】
具体的には、
図9-12に示すように、操作前特別演出によって操作示唆カードからアイコン画像が飛び出すようなアニメーションが表示された上で、操作示唆演出が終了し、その後操作演出が開始する。これにより、操作前特別演出によって、操作示唆演出から連動した流れで操作演出が開始するため、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0548】
(5) 前記特定演出の実行前に実行される前記示唆演出の実行態様の段階が所定段階(たとえば、3段階)以上であるとき(たとえば、ゴリラやライオン)の方が、前記特定演出の実行前に前記示唆演出の実行態様の段階が当該所定段階未満であるとき(たとえば、ネコやパンダ)よりも高い割合で前記特定演出が実行され(たとえば、操作示唆パターン3,4,7は、操作示唆パターン1,2,5,6,8~10よりも高い割合でSPリーチ後半に突入する)、
前記特定演出の実行前に実行される前記示唆演出の実行態様の段階が前記所定段階未満であるときに、前記特定演出が実行されることなく前記可変表示が終了することがある(たとえば、操作示唆パターン1,8の場合、SPリーチ後半に突入しない)。
【0549】
具体的には、
図9-6,
図9-7に示すように、SPリーチ前半からSPリーチ後半に切り替わるとき(たとえば、
図9-11(R1)や
図9-13(R2)のタイミング)において操作示唆のアイコン画像が3段階以上であるゴリラやライオンとなる操作示唆パターン3,4,7は、操作示唆パターン1,2,5,6,8~10よりも、SPリーチ後半に突入するスーパーリーチβのときに決定される確率が最も高い。これにより、
図9-6,SPリーチ前半からSPリーチ後半に切り替わるときにおいて操作示唆のアイコン画像が3段階以上であるゴリラやライオンの場合、ネコやパンダの場合よりも高い割合でSPリーチ後半に突入する。さらに、操作示唆のアイコン画像がネコやパンダの場合、操作示唆パターン1,8のように、SPリーチ後半に突入しない場合もある。これにより、SPリーチ前半からSPリーチ後半に切り替わるときにおける操作示唆のアイコン画像の段階と、SPリーチ後半への突入割合とが紐付けられることで、操作示唆のアイコン画像の段階に対して遊技者に注目させることができ、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0550】
(6) 前記特定演出の実行前に実行される前記示唆演出の実行態様が所定段階未満であるとき(たとえば、ネコやパンダ)に、当該示唆演出の実行態様の段階に応じて前記特定演出が実行される割合が異なる(たとえば、操作示唆パターン1,2,5,6,8~10の中でも、操作示唆パターン1,8の場合はSPリーチ後半に突入しないが、その他の操作示唆パターン2,5,6,9,10の場合はSPリーチ後半に突入することもある))。
【0551】
具体的には、
図9-6,
図9-7に示すように、SPリーチ前半からSPリーチ後半に切り替わるときにおいて操作示唆のアイコン画像が3段階未満であるネコやパンダの場合、操作示唆パターン1,8のようにSPリーチ後半に突入しない場合もあれば、操作示唆パターン2,5,6,9,10のようにSPリーチ後半に突入する場合もある。これにより、SPリーチ前半からSPリーチ後半に切り替わるときにおける操作示唆のアイコン画像の段階に対して遊技者に注目させることができ、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0552】
(7) 前記示唆演出の実行態様の段階には、前記有利状態に制御される割合が最も高い最高段階(たとえば、4段階目であるライオン)が含まれ、
前記特定演出の実行中は、前記特定演出の実行前よりも、前記示唆演出の実行態様の段階が前記最高段階に変化する割合が高い(たとえば、
図9-6,
図9-7に示すように、SPリーチ後半は、それより前のSPリーチ前半などに比べてアイコン画像が最高段階であるライオンに変化する割合が高い)。
【0553】
具体的には、
図9-6,
図9-7に示すように、SPリーチ後半においてアイコン画像が最高段階であるライオンに変化する操作示唆パターン4~6の選択割合は、SPリーチ前半においてアイコン画像が最高段階であるライオンに変化する操作示唆パターン7の選択割合よりも、高い割合で選択される。これにより、SPリーチ後半においては、それより前のSPリーチ前半などに比べてアイコン画像が最高段階に変化し易いため、たとえば、
図9-11(S)に示したようなSPリーチ後半に突入する際の演出が行われた後の期間において、操作示唆のアイコン画像に対して遊技者により注目させることができる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0554】
(8) 前記特定演出の実行中に前記示唆演出の実行態様が変化するときの方が、前記特定演出の実行前に前記示唆演出の実行態様が変化するときよりも、前記示唆演出の実行態様が複数段階変化する割合が高い(たとえば、
図9-6,
図9-7に示すように、SPリーチ後半は、それより前のSPリーチ前半などに比べてアイコン画像が複数段階変化する割合が高い)。
【0555】
具体的には、
図9-6,
図9-7に示すように、SPリーチ後半において操作示唆のアイコン画像が複数段階変化する操作示唆パターン5,6は、SPリーチ後半に突入するスーパーリーチβのときに決定される確率が最も高い。これにより、SPリーチ後半においては、それより前のSPリーチ前半などに比べてアイコン画像が複数段階変化し易いため、たとえば、
図9-11(S)に示したようなSPリーチ後半に突入する際の演出が行われた際にパンダのアイコン画像であったとしても、その後の期間においてライオンのアイコン画像まで変化する可能性があるため、操作示唆のアイコン画像に対して遊技者により注目させることができる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0556】
(9) 前記示唆演出の実行態様が複数段階変化するときには、当該示唆演出の実行態様の変化パターンが特殊である(たとえば、
図9-14に示すように、操作示唆パターン6は、操作示唆のアイコン画像が特殊変化する)。
【0557】
具体的には、
図9-14に示すように、操作示唆パターン6が選択された場合、SPリーチ後半においてアイコン画像が複数段階変化する際に、当該アイコン画像が特殊変化するため、アイコン画像の変化態様についても遊技者に注目させることができる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0558】
(10) 遊技者の動作検知に応じて前記示唆演出の実行態様が変化する(たとえば、
図9-11(V)や
図9-14に示すように、遊技者のプッシュボタン31Bの操作によって、操作示唆カードに表示されたアイコン画像が変化する)。
【0559】
具体的には、
図9-11(V)や
図9-14に示すように、操作示唆変化演出によってプッシュボタン31Bの画像とともに、遊技者にプッシュボタン31Bの操作を促す「PUSH!!」の文字画像が画像表示装置5に表示され、遊技者がプッシュボタン31Bを操作することによって、操作示唆カードに表示されたアイコン画像が変化する。このように、遊技者の操作が介入することによって操作示唆のアイコン画像が変化するため、アイコン画像の変化について遊技者に分かり易く伝えることができる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0560】
(11) 前記動作演出は、当該動作演出の実行前に実行された前記示唆演出の実行態様に対応する実行態様で実行されるとき(たとえば、
図9-12に示す操作演出パターン1の場合)と、当該動作演出の実行前に実行された前記示唆演出の実行態様に対応しない実行態様で実行されるとき(たとえば、
図9-15に示す操作演出パターン2,3の場合)とがある。
【0561】
具体的には、
図9-12に示す操作演出パターン1のように、操作示唆のアイコン画像をそのまま用いて操作演出が実行される場合と、
図9-15に示す操作演出パターン2,3のように、操作示唆のアイコン画像とは異なるアイコン画像を用いて操作演出が実行される場合とがある。このように、必ずしも操作示唆のアイコン画像をそのまま用いて操作演出が実行されるわけではないため、遊技の興趣を向上させることができる。これにより、大当りを期待させる演出について遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0562】
[特徴部045Fの変形例]
上述した特徴部045Fに係るパチンコ遊技機1の変形例について説明する。
【0563】
(操作示唆演出について)
本実施の形態においては、
図9-10(I),(J),(K)に示すように、アクティブ表示を変化させる専用のキャラクタとしてキャラクタAを用い、操作示唆のアイコン画像を変化させる専用のキャラクタとしてキャラクタBを用いていた。つまり、操作示唆演出で登場するキャラクタは、アクティブ表示演出で登場するキャラクタと異なるキャラクタであった。しかしながら、
図9-16に示すように、操作示唆演出で登場するキャラクタは、アクティブ表示演出で登場するキャラクタと共通するキャラクタであってもよい。
【0564】
図9-16は、同一キャラクタによるアクティブ表示または操作示唆の変化の一例を示す図である。
図9-16(1)に示すように、まずキャラクタBが登場する。このとき、未だアクティブ表示が変化するのか、操作示唆のアイコン画像が変化するのかについて、遊技者は分からないようになっている。
【0565】
図9-16(2-1)に示すように、アクティブ表示が変更される場合、キャラクタBは、アクティブ表示領域045F001に表示されたアクティブ表示に対してアクション(たとえば、魔法をかけるようなアクション)を行うアニメーションが表示される。これにより、アクティブ表示が紫色から赤色に切り替わる。
【0566】
一方、
図9-16(2-2)に示すように、操作示唆のアイコン画像が変更される場合、キャラクタBは、アクティブ表示領域045F001に表示されたアイコン画像に対してアクション(たとえば、両手を広げるようなアクション)を行うアニメーションが表示される。これにより、アイコン画像がパンダからゴリラに切り替わる。
【0567】
このように、共通のキャラクタによってアクティブ表示または操作示唆のアイコン画像が変化するため、共通のキャラクタが登場したときに、アクティブ表示または操作示唆のいずれが変化するのかに対して遊技者に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0568】
本実施の形態においては、
図9-6,
図9-7に示すように、SPリーチ前半で操作示唆のアイコン画像がライオンに変化する操作示唆パターン7は、SPリーチ後半で操作示唆のアイコン画像がライオンに変化する操作示唆パターン4~6よりも大当り期待度が高い、つまり、操作示唆のアイコン画像がより早くライオンに変化するほど、大当り期待度が高くなっていたが、これに限らない。たとえば、SPリーチ後半で操作示唆のアイコン画像がライオンに変化する操作示唆パターン4~6の方が、SPリーチ前半で操作示唆のアイコン画像がライオンに変化する操作示唆パターン7よりも大当り期待度が高い、つまり、操作示唆のアイコン画像がより遅くライオンに変化するほど、大当り期待度が高くなるものであってもよい。このようにしても、SPリーチ前半で操作示唆のアイコン画像がライオンに変化するか否かについて遊技者に注目させることができ、操作示唆演出における遊技の興趣を向上させることができる。
【0569】
本実施の形態においては、
図9-6,
図9-7に示すように、SPリーチ前半からSPリーチ後半に切り替わるとき(たとえば、
図9-11(R1)や
図9-13(R2)のタイミング)において操作示唆のアイコン画像が3段階以上であるゴリラやライオンとなる操作示唆パターン3,4,7は、操作示唆パターン1,2,5,6,8~10よりも、SPリーチ後半に突入するスーパーリーチβのときに決定される確率が最も高いものであったが、これに限らない。たとえば、SPリーチ前半からSPリーチ後半に切り替わるときにおいて操作示唆のアイコン画像が3段階未満であるネコやパンダの場合には、ゴリラやライオンの場合よりも高い割合でSPリーチ後半に突入するものであってもよい。
【0570】
また、SPリーチ前半やSPリーチ後半に限らず、リーチ前やリーチ後においても、操作示唆のアイコン画像が3段階以上であるゴリラやライオンに変化してもよい。このように、SPリーチ前半やSPリーチ後半よりも早い段階でアイコン画像が3段階以上に変化する場合には、SPリーチ前半やSPリーチ後半でアイコン画像が3段階以上に変化する場合よりも、大当り期待度が高く、SPリーチ後半に突入する確率が高いものであってもよい。
【0571】
本実施の形態においては、
図9-6に示すように、SPリーチ後半のみにおいて操作示唆のアイコン画像が複数段階変化するものであったが、これに限らない。たとえば、SPリーチ前半やリーチ後など、SPリーチ後半以外の期間であっても、操作示唆のアイコン画像が複数段階変化してもよい。この場合において、SPリーチ後半で操作示唆のアイコン画像が変化するときの方が、SPリーチ前半やリーチ後など、SPリーチ後半の前の期間で操作示唆のアイコン画像が変化するときよりも、操作示唆のアイコン画像が複数段階変化する割合が高いものであってもよい。
【0572】
本実施の形態においては、操作示唆パターン7のように、SPリーチ後半に限らず、SPリーチ前半においても、操作示唆のアイコン画像が最高段階であるライオンに変化する場合があった。しかしながら、SPリーチ後半のみにおいて、操作示唆のアイコン画像が最高段階であるライオンに変化する一方で、SPリーチ前半などの他の期間においてはアイコン画像が最高段階であるライオンに変化しないものであってもよい。
【0573】
本実施の形態においては、
図9-11(V)や
図9-14に示すように、遊技者によるプッシュボタン31Bの操作によって操作示唆のアイコン画像が変化するものであったが、これに限らない。たとえば、プッシュボタン31Bの操作に限らず、スティックコントローラ31Aの操作(たとえば、スティックを引く操作)など、他のボタンやスティックレバーに対する遊技者の操作によって操作示唆のアイコン画像が変化するものであってもよい。さらに、赤外線センサによって遊技者の動作を検知する検知部(検知手段)を設けてもよく、たとえば、遊技者が赤外線センサの受光部付近を接触または非接触でタッチしたことを検知部(検知手段)が検知したことに基づき、操作示唆のアイコン画像が変化してもよい。
【0574】
本実施の形態においては、操作示唆演出はアイコン画像におけるオブジェクト(この例では動物)の種類によって大当りを示唆するものであったが、オブジェクトの色の種類によって大当りを示唆するものであってもよい。この場合において、色の大当り期待度は、アクティブ表示演出における色の期待度と同じように緑、紫、赤、金の順に段階的に大当り期待度が高くなるものであってもよい。このようにすれば、アクティブ表示演出と操作示唆演出とで、共通の段階(緑,紫,赤,金)によって大当り期待度を示唆することができるため、遊技者に分かり易く伝えることができる。
【0575】
本実施の形態においては、
図9-6に示すように、操作示唆パターンごとに、シナリオによって、アイコン画像の動物の変化タイミングや変化後の動物の種類が予め決められていたが、これに限らない。たとえば、可変表示開始設定処理においては、最終的な操作演出の直前の動物の種類のみを決めておき、その後、可変表示中演出処理によって、可変表示中の所定タイミングでアイコン画像の動物を変化するか否か、および変化する場合における変化先の動物の種類を抽選などで決めてもよい。そして、最終的には、可変表示開始設定処理において決定した動物となるように、可変表示中におけるアイコン画像の変化を調整してもよい。
【0576】
(特定演出について)
本実施の形態においては、「特定演出」として、SPリーチ後半の演出を例示したが、SPリーチ前半の演出であってもよいし、リーチ後であってもよい。特定演出をいずれの期間の演出に適用した場合でも、上述した例で示された特徴部045Fの構成および効果を適用することができる。具体的には、特定演出をSPリーチ前半の演出に適用した場合、「特定演出の実行前」はリーチ前やリーチ後の演出の実行前に適用される。
【0577】
たとえば、リーチ後において操作示唆のアイコン画像がライオンに変化したときの方が、SPリーチ前半においてアイコン画像がライオンに変化したときよりも、大当り期待度が高いものであってもよい。
【0578】
また、SPリーチ前半においてアイコン画像が変化するときの方が、リーチ後においてアイコン画像が変化するときよりも、アイコン画像が複数段階変化する割合が高いものであってもよい。
【0579】
(操作演出について)
本実施の形態においては、
図9-12に示すように、遊技者によるプッシュボタン31Bの操作によって大当りであるか否かが報知されるものであったが、これに限らない。たとえば、プッシュボタン31Bの操作に限らず、スティックコントローラ31Aの操作(たとえば、スティックを引く操作)など、他のボタンやスティックレバーに対する遊技者の操作によって大当りであるか否かが報知されるものであってもよい。さらに、赤外線センサによって遊技者の動作を検知する検知部(検知手段)を設けてもよく、たとえば、遊技者が赤外線センサの受光部付近を接触または非接触でタッチしたことを検知部(検知手段)が検知したことに基づき、大当りであるか否かが報知されてもよい。さらに、
図9-12に示すような操作演出による遊技者動作の検知は、
図9-11(V)や
図9-14に示すような操作示唆のアイコン画像が変化する際の遊技者動作の検知と異なるボタンや検知部(検知手段)を用いてもよい。たとえば、プッシュボタン31Bの操作によって大当りであるか否かが報知される一方で、スティックコントローラ31Aの操作(たとえば、スティックを引く操作)によってアイコン画像が変化してもよい。
【0580】
本実施の形態においては、操作演出が実行されることで、大当りか否かが報知されるものであったが、大当りの種類も報知されるものであってもよい。
【0581】
(アクティブ表示演出について)
本実施の形態においては、アクティブ表示演出はアクティブ表示の色の種類によって大当りを示唆するものであったが、アクティブ表示の形の種類によって大当りを示唆するものであってもよい。たとえば、アクティブ表示の形を、操作示唆演出と同じようにネコ、パンダ、ゴリラ、ライオンの順に大当り期待度が高くなるようにしてもよい。このようにすれば、アクティブ表示演出と操作示唆演出とで、共通の段階(ネコ,パンダ,ゴリラ,ライオン)によって大当り期待度を示唆することができるため、遊技者に分かり易く伝えることができる。
【0582】
(スロットマシンへの適用)
本実施の形態においては、遊技機として、パチンコ遊技機1を適用したが、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な可変表示部(リール,図柄を視認可能な表示窓)を複数備え、可変表示部を変動表示した後、可変表示部の変動表示を停止することで表示結果(図柄組合せ)を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンに対して、上述した基本構成、特徴部153SG、および特徴部045Fを適用してもよい。
【0583】
たとえば、パチンコ遊技機1における大当り遊技状態の代わりに、RB(レギュラーボーナス)やBB(ビッグボーナス)のような小役の当選確率が通常状態よりも高くなる第一種特別役物、CB(チャレンジボーナス)のような全ての小役が当選する第二種特別役物、遊技者にとって有利な入賞を発生させるためにリールを停止させるためのストップスイッチの操作態様(押し順,操作タイミング)を報知するAT(アシストタイム)、リプレイの当選確率が通常状態よりも高いRTにおいてATに制御されるART(アシストリプレイタイム)、当該ATに状態が制御される確率が通常よりも高いCZ(チャンスゾーン)、およびATやCZを含む有利区間を適用してもよい。また、パチンコ遊技機1におけるSPリーチ後半の代わりに、BBやRB、ATなどの特典の付与を示唆する示唆演出を適用してもよい。
【0584】
(特徴部の関連づけに係る説明)
特徴部に関する各構成は、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。このように組み合わせられた特徴部、あるいは、組み合わせられていない個別の特徴部について、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。
【0585】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0586】
1 パチンコ遊技機、2 遊技盤、3 遊技機用枠、4A 第1特別図柄表示装置、4B 第2特別図柄表示装置、5 画像表示装置、5C,5L,5R 飾り図柄表示エリア、6A 入賞球装置、6B 可変入賞球装置、7 特別可変入賞球装置、8L,8R スピーカ、9 遊技効果ランプ、10 一般入賞口、11 主基板、12 演出制御基板、13 音声制御基板、14 ランプ制御基板、15 中継基板、20 普通図柄表示器、21 ゲートスイッチ、22A 第1始動口スイッチ、22B 第2始動口スイッチ、23 カウントスイッチ、25A 第1保留表示器、25B 第2保留表示器、25C 普図保留表示器、30 打球操作ハンドル、31A スティックコントローラ、31B プッシュボタン、32 可動体、35A コントローラセンサユニット、35B プッシュセンサ、41 通過ゲート、81,82 ソレノイド、100 遊技制御用マイクロコンピュータ、101,121 ROM、102,122 RAM、104,124 乱数回路、110 スイッチ回路、111 ソレノイド回路、123 表示制御部。