IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 松下 直美の特許一覧

<>
  • 特許-音楽学習シート 図1
  • 特許-音楽学習シート 図2
  • 特許-音楽学習シート 図3
  • 特許-音楽学習シート 図4
  • 特許-音楽学習シート 図5
  • 特許-音楽学習シート 図6
  • 特許-音楽学習シート 図7
  • 特許-音楽学習シート 図8
  • 特許-音楽学習シート 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-19
(45)【発行日】2022-05-27
(54)【発明の名称】音楽学習シート
(51)【国際特許分類】
   G09B 15/02 20060101AFI20220520BHJP
   B42D 15/00 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
G09B15/02 Z
B42D15/00 331K
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019142301
(22)【出願日】2019-08-01
(65)【公開番号】P2021026071
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2020-06-11
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】719004315
【氏名又は名称】松下 直美
(72)【発明者】
【氏名】松下 直美
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-073172(JP,U)
【文献】実開昭54-075861(JP,U)
【文献】[簡単説明]移調を理解するために、曲「赤トンボ」を移調してみました。,Breezy[online],2018年12月04日,URL<https://breezy.jp/children/piano/p05/>,特に本文、図を参照。[2021年6月21日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 15/00-15/08
B42D 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音階の1オクターブの各音をグラフにして音程差を示し、1オクターブの各音を1段ずつ音高順に積み重ねて階段で示した音楽教育用の音楽学習シートであって、
前記階段と重複しない場所に調性名を記入する空欄及び調号を記入する五線を設け、
音階が自然短音階の場合、短調の階名の各音が前記階段の各段にLaSiDoReMiFaSoLaと階名が表示された音楽学習シートにおいて、
第7音の段の高さを半音の段差分上げて和声短音階を第一の破線で表示し、
前記第一の破線に加えて第6音の段差の高さも半音の段差分上げて旋律短音階を第二の破線で表示した音楽学習シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は音楽学習シート音楽教育等に関わる。
【背景技術】
【0002】
音階は五線紙と音部記号と調号と音符を用いて表すことができる。(図1)ハ長調とイ短調は調号を用いない。(図2)鍵盤楽器では白鍵、黒鍵の並びで全音(長2度)、半音(短2度)の関係を理解できる。白鍵、黒鍵を区別せず、隣接する二つの鍵の間の音程は半音であり、白鍵、黒鍵を区別せず、連続する3つの鍵盤の最初と最後の鍵の間の音程は全音である(図3)。長音階は各音の関係が第1音から順に全音―全音―半音―全音―全音―全音―半音(図4)、短音階の自然短音階は第1音から順に全音―半音―全音―全音―半音―全音-全音となる(図5)。変化記号は変記号(フラット)は半音下げ、嬰記号(シャープ)は半音上げる。調号に用いる変化記号は一つの調性でその二つを混在させることはない。
通常、音階の各音は階名も音名も同じ表記がされていることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-217851号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】「音楽の基礎」芥川也寸志著 岩波新書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
五線紙で音階を表しても音符は上昇していくが各音の関係(全音か半音か)はわかりにくい。主音が移動し調性が変わるとその音階の構成音が何になるか、どの音に変化記号がつくのかが初学者にはわかりにくい。先行技術には音階を数字、記号、印等に置き換えて表した盤があるが、音階の規則性を視覚的に即座にわかるものではない。
【0006】
本発明によれば音階の1オクターブの各音をグラフにして音程を示し、全音と半音の差を視覚でわかるようにし、音階の構成が容易にわかる音楽学習シートが提供される。
【発明の効果】
【0007】
調性が何であっても音階の構成が明瞭にわかる。調号を用いる調性では変化記号のつく音が明瞭にわかる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】調号を用いない2調性の音階
図2】調号を用いた24調性の音階
図3】鍵盤図による全音と半音の関係
図4】長音階の構成
図5】短音階の自然短音階、和声短音階、旋律短音階、の構成
図6】本件発明のシートでイ長調を取り上げた場合
図7】本件発明のシートでイ短調を取り上げた場合
図8】本件発明の長調のシート(記入前のもの)
図9】本件発明の短調のシート(記入前のもの)
【発明を実施するための形態】
【0009】
図6に本発明の実施例のイ長調の音楽学習シート100を示す。図6を参照すると音階の1オクターブの各音を音高順に積み重ねて階段で示し、階段の各段の内側にアルファベット表記の階名1を表示している。階段4段目(第3音と第4音の間)と階段8段目(第7音と第1音の1オクターブ上の音に戻る間)の高さが半分になっており、階名のMiとFaの間、SiとDoの間は半音2になっていることが図示される。
【0010】
左上方に調号3が記されイ長調は3音に嬰記号がつくことがここで示される。主音4のラを階段1段目上部に記入し、階名のならびと同じように順に音名5を記入する(ラシドレミファソラ)。シとドの間は半音であるのに段差が高くなっているので、ドに嬰記号をつけて半音高くする6。MiとFaの間の半音は嬰記号付きドとレで半音であるのでレに嬰記号はつけない。ミとファの間は半音であるのに段差が高くなっているので、ファに嬰記号をつけて半音高くする6。LaとSiの間は全音でファに嬰記号がついたためにソにも嬰記号をつける6。SiとDoの間は半音であるからソに嬰記号がついたためにそのままで主音のラに戻る。結果としてシャープが音階の中でドとファとソの3音についたことになる。
音部記号と調号と調性名、主音、音名の部分は使用する楽器、調に合わせて繰り返し書いたり消したりできる。
【0011】
音階を階段で表し、段差を全音と半音で高さを変えて表されているので視覚的に音階の構成が明瞭にわかる。調性と調号も記入できるので、階段の高さに合わせて、どこに変化記号をつけるかがどの調であってもわかる。
階名が各段に記載されているので、隣り合うMi-Faの間、Si-Doの間が半音であることがわかる。音名の文字表記を異なるものにすることによって階名(固定ド)でも音名(移動ド)でも音階の構成要素がわかりやすくなる。
【0012】
図7に本発明の実施例のイ短調の音楽学習シート100を示す。音階の1オクターブの各音を音高順に積み重ねて階段で示し、階段の各段内側にアルファベット表記の階名1を表示している。階段3段目(第2音と第3音の間)と階段6段目(第5音と第6音の間)の高さが半分になっており、階名のSiとDoの間、MiとFaの間は半音になっていることが図示される。
左上方に調号が記されイ短調は調号がつかない。主音のラを階段1段目に記入し、階名のならびと同じように順に記入する(ラシドレミファソラ)
和声短音階では第7音が半音上がり、嬰記号付きソとなる。第6音と第7音の音程は増音程となることが視覚的に理解できる。旋律短音階はそれに加えて第6音が半音上がり嬰記号付きファとなる。
【0013】
グラフの形状は1オクターブの各音を高さの変化で示し、全音と半音の差を視覚でわかるようにしたものであれば階段に限定するものではない。
【0014】
音楽学習シートの調号の位置は音階を表示した場所と重複しなければその位置は限定しない。
【0015】
図8は本件発明の長調のシート(記入前)の音楽学習シート100を示す。図9は本件発明の短調のシート(記入前)の音楽学習シート100を示す。調号を示す五線部分、長音階または短音階、長調または短調、階名は音楽学習シートに印刷されている。五線部分に調号を繰り返し記入することができ、長調、短調の前に主音を記入すると調性が表示される。
【0016】
図6図9の音楽学習シートは本発明を分かりやすく説明するための一例であって、種々の変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0017】

1 階名

2 半音

3 調号

4 主音

5 音名

6 変化記号のついた音100 音楽学習シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9