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特許7076417表面上にダイカットを貼付する方法並びにそのための試験方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-19
(45)【発行日】2022-05-27
(54)【発明の名称】表面上にダイカットを貼付する方法並びにそのための試験方法
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/18 20060101AFI20220520BHJP
   B05D 1/28 20060101ALI20220520BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20220520BHJP
   B05D 3/12 20060101ALI20220520BHJP
   C09J 5/00 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
B65C9/18
B05D1/28
B05D3/00 D
B05D3/12 D
B05D3/12 E
C09J5/00
【請求項の数】 25
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019164091
(22)【出願日】2019-09-10
(65)【公開番号】P2020059020
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2019-11-26
(31)【優先権主張番号】10 2018 215 412.0
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】10 2018 218 283.3
(32)【優先日】2018-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509120403
【氏名又は名称】テーザ・ソシエタス・ヨーロピア
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】ヤニク・ゼリン
(72)【発明者】
【氏名】アルネ・バルクライ
(72)【発明者】
【氏名】ハンス-ペーター・ブラント
(72)【発明者】
【氏名】マヌエル・コジャーソ
【審査官】伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-298441(JP,A)
【文献】国際公開第2017/137386(WO,A1)
【文献】特表2005-532427(JP,A)
【文献】特開平05-086341(JP,A)
【文献】特開2003-191925(JP,A)
【文献】特開平10-258818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/00- 7/26
B65C 1/00- 11/06
B65H 35/00- 35/10
C09J 1/00- 5/10,
9/00-201/10
G01L 5/00- 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイカットをライナー層から、50mN/m以下の表面エネルギーを有する表面に転写するにあたって、前記ダイカットが、アプリケータを用いてライナー層から表面上に転写され及び少なくとも一つの(感圧)接着剤層を含む方法であって、z方向での表面からのダイカットの引き剥がし力に対するz方向でのライナー層からのダイカットの引き剥がし力の比率が最大でも0.18であり、ここで「z方向」とは、ダイカットの平面的な広がりに対して垂直な方向を意味し、及び
前記アプリケータが、
(i)スタンプヘッドを備えたスタンプ、
(ii)ダイカットテープを含むダイカットロール、但し、前記ダイカットテープは、ライナー層上に施与されたダイカットから形成されており、並びに
(iii)ライナー巻きロール、
を含み、
この際、当該方法において、前記ダイカットテープは前記スタンプのスタンプヘッド上を走り、ここで前記ダイカットテープは、ダイカットのうちの一つがスタンプヘッド上に配置された時に停止され、次いでスタンプが、上昇-下降運動においてダイカットを表面上に貼付する、前記方法。
【請求項2】
前記ダイカットテープが両面接着テープであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
z方向における表面からのダイカットの引き剥がし力に対するz方向でのライナー層からのダイカットの引き剥がし力の比率が最大でも0.15であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
制御システムが使用され、この制御システムは、第一のセンサー及びロボットアームと信号伝達的に接続されており、ここで前記第一のセンサーは、走査領域がスタンプヘッドの方を向いており及びスタンプヘッド上にダイカットのうちの一つが存在することを検出し、及び前記ロボットアームにはアプリケータが配置されており、且つ前記制御システムは、スタンプヘッド上にダイカットのうちの一つが検出された時に巻きロールを停止させ、及び次いで、表面上にダイカットを貼付するための、アプリケータを備えたロボットアームの下降運動と、その後の、初期位置へ帰還させるための、アプリケータを備えたロボットアームの上昇運動を推進することを特徴とする、請求項1~のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
表面上にダイカットが貼付された後に、ダイカットテープがダイカット一つ分だけ律動的に更に送られることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項6】
制御システムがロボットアームを制御してスタンプヘッドを表面上の第一の位置に移動させて、ダイカットを第一の表面位置に貼付し、そしてこのダイカットが貼付された後に、ロボットアームを制御してダイカットテープの更なる律動的送りの間にスタンプヘッドを表面上の第二の位置に移動させ、そしてそこでアプリケータを備えたロボットアームの下降運動及びその後の上昇運動を推進することを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項7】
スタンプヘッドが弾性マウントされ、及びこのスタンプヘッドには少なくとも一つの圧力センサーが設置され、この圧力センサーが、表面に対するダイカットの押し圧力を検出することを特徴とする、請求項1~のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも一つの(感圧)接着剤層が、自着剤からなり、この自着剤が、ビニル芳香族ブロックコポリマーをベースとしかつ粘着樹脂を含むことを特徴とする、請求項1~のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
前記ビニル芳香族ブロックコポリマーが、
-主としてビニル芳香族類の重合によって形成された少なくとも一種のポリマーブロックAを含み、及び
-同時に、主として共役ジエンの重合によって形成された少なくとも一種のポリマーブロックBを含み、ここで、Bブロック中の1,2結合共役ジエンの割合は、30重量%未満である、
ことを特徴とする、請求項1~のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも一つの接着剤層が、ポリ(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする、請求項1~のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも一つの接着剤層が、合成ゴム及び/または少なくとも一種の粘着樹脂を更に含むことを特徴とし、但し、前記少なくとも一種の粘着樹脂は、ポリ(メタ)アクリレートと粘着樹脂との徹底的な混合の後に得られた系のガラス転移温度を、純粋なポリ(メタ)アクリレートと比べて変化させるが、ポリ(メタ)アクリレートと粘着樹脂とのこの混合物は、たった一つのガラス転移温度に帰属し得る、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
接着剤層が架橋されていることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一つに記載の方法。
【請求項13】
接着剤層がUVまたは電子の照射によりあるいは熱架橋剤を用いて架橋されていることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
接着剤層が発泡されていることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
接着剤層がマイクロバルーンを用いて発泡されていることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一つに記載の方法。
【請求項16】
ダイカットが形成される元の接着テープが、アクリレートベースの粘弾性発泡体を有する接着テープであることを特徴とする、請求項1~15のいずれか一つに記載の方法。
【請求項17】
ダイカットが形成される元の接着テープが、アクリレートベースの粘弾性発泡体を有する接着テープであり、この発泡体の少なくとも片面または両面には(感圧)接着剤層が施与されていることを特徴とする、請求項1~15のいずれか一つに記載の方法。
【請求項18】
接着剤層が、25~5000μmの厚さを有することを特徴とする、請求項1~17のいずれか一つに記載の方法。
【請求項19】
プラスチック部材の接着のための請求項1~18のいずれか一つに記載の方法の使用。
【請求項20】
自動車工業においてプラスチック部材の接着のための請求項1~18のいずれか一つに記載の方法の使用。
【請求項21】
ダイカットの貼付プロセスを自動的に行うことを特徴とする、請求項19または20に記載の使用。
【請求項22】
請求項1~18のいずれか一つに記載の方法に従って、ダイカットをアプリケータを用いてライナー層から基材の表面に転写する方法のための、ダイカットテープとしての接着テープの選択のための試験方法であって、ここで、前記ダイカットテープは、ライナー層上に施与されたダイカットから構成され、このダイカットは少なくとも一つの接着剤層を含み、及び次のステップ:
a) 一片のライナー上にダイカットを施与し、そしてライナー上にこのダイカットを押し圧するステップ;
b) ライナーをT字型ブロック周りに案内し、但し、この際、このダイカットがT字型ブロック上の中央に敷かれ、そして張り出したライナーをT字型ブロックの垂直部分に機械的に固定するステップ;
c) ライナー及びその上に存在するダイカットを有するT字型ブロックを、規定の力及び規定の時間、基材サンプル上に制御下に押し圧するステップ;
d) ライナーから基材上へのダイカットの転写の首尾を決定するステップ、
を含む、前記試験方法。
【請求項23】
転写の首尾が、
-ダイカットが直接かつ正確に基材上に転写された場合は成功、または
-ダイカットが直接転写されない場合には、不成功、
に分類されることを特徴とする、請求項22に記載の試験方法。
【請求項24】
転写の首尾が、ダイカットが、ライナー上に残るかまたはTブロックの持ち上げを妨げる場合には不成功に分類されることを特徴とする、請求項23に記載の試験方法。
【請求項25】
転写の首尾の予測のために、基材からのz方向での引き剥がし力に対するライナーからのz方向での引き剥がし力の引き剥がし力比が、次のステップ:
i) 規定の大きさの基材のサンプル片を試験プレートの上に機械的に固定するステップ;
ii) 規定の大きさの試験すべき接着テープのサンプル片を、T字型ブロックを用いて前記基材サンプル片上に、規定の押し圧力及び規定の押し圧時間、押し圧するステップ;iii) 引張試験器で、z方向での基材からの接着テープの引き剥がし力を測定するステップ;
iv) 規定の大きさのライナーのサンプル片を試験プレートの上に機械的に固定するステップ;
v) 規定の大きさの試験すべき接着テープのサンプル片を、T字型ブロックを用いて前記ライナーサンプル片上に、規定の押し圧力及び規定の押し圧時間、押し圧するステップ;
vi) 引張試験器で、z方向でのライナーからの接着テープの引き剥がし力を測定するステップ:
vii) z方向でのライナーからの接着テープの引き剥がし力をz方向での基材からの接着テープの引き剥がし力で除することによって商を形成するステップ;
によって求められることを特徴とし、前記において、「z方向」とは、ダイカットの平面的な広がりに対して垂直な方向を意味する、請求項2224のいずれか一つに記載の試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイカット、すなわちダイカットパーツを、ライナー層から表面に転写するにあたって、前記ダイカットが、アプリケータを用いてライナー層から表面上に転写される方法であって、z方向での表面からのダイカットの引き剥がし力に対するz方向でのライナー層からのダイカットの引き剥がし力の比率が高くとも0.18であることを特徴とする前記方法に関する。更に本発明は、アプリケータを用いてライナー層から基材の表面上にダイカットを転写するために、ダイカットテープとしての接着テープを選択するための試験方法に関し、ここで前記ダイカットテープは、ライナー層上に施与された、少なくとも一つの接着剤層を含むダイカットから形成される方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
接着剤及び接着テープは、一般的に、二つの基材をつなぎ合わせて持続的なまたは永続的な接合を生じさせるために使用される。数多くの接着剤及び接着テープがあるにもかかわらず、新しいタイプの基材並びに最終用途における高まる要求の故に、新しい感圧接着剤(すなわち、自着剤)、調合物及び接着テープ設計を開発する必要性が存在する。例えば、接着テープを一次的にもしくは永続的に付着させることが意図された、自動車の内部領域中の全く新しい部材がクリティカルな表面を有し、そしてその接着は課題であることが分かっている。これらの部材の低い表面エネルギーの故に、これらの用途に特別に開発された接着テープが求められている。
【0003】
低エネルギー材料、例えばポリプロピレンからなるプラスチック製部材の固定の時は、中でも溶接方法、例えば超音波-、振動-またはレーザー溶接法がこれまで使用されており、またクリップも使用されている。しかし、これらの方法は、非常に非柔軟性でありかつ投資集約的であるが、高い即時的な強度を保証し、それ故、プラスチック製部材の接合技術においては依然として市場の標準である。
【0004】
更に、輸送部門及び特に自動車工業おいては、例えば自動車を更に軽量化して燃料の消費量を減少させるという動向が続いており、そのため、接着テープの使用が増えている。その結果、これまでの接着テープ製品では想定されておらず、開発目的でもない用途のために接着テープが使用されるようになっており、そして機械的負荷及び接着用途にとってクリティカルな接着下地に加えて、耐紫外線安定性及び耐候安定性に関して、特に永続的な接着についての要求が高まっている。
【0005】
その結果、低エネルギー表面、例えば自動車塗装及びコーティングへの向上した付着を有し、この際、極端な気候条件下でも優れた性能プロフィルも維持する接着テープ製品への要望が存在する。低温衝撃強さ及び高温下でさえの十分な凝集力は、特に永続的な外装用接着(エンブレム、バンパー)の時に自動車工業により求められている。
【0006】
追加的に、接着テープは、製造方法にも適合している必要がある。製造プロセスは自動化が進んでいるため及びより経済的な製造方法への要望があるために、接着テープは、それが適切な箇所に配置されたら直ぐに、十分に高い接着性を示し、そして場合によっては高いせん断力にも耐える必要がある。このためには、接着テープが高いタックを示し及び接着剤が様々な下地上に迅速に流動して、非常に短時間のうちに良好な濡れと、それ故高い接着力が達成されると有利である。
【0007】
それ故、自動車工業では、低エネルギー表面の接合に適した両面接着テープ製品への大きな需要が存在する。低エネルギー表面への良好な付着を示す片面接着テープ製品も、例えば車体部品中の穴を塞ぐために需要がある。
【0008】
自動車の製造では、車体部品中に開けられた穴を、加工工程の後に再び貼って塞ぐ必要があるという問題がしばしば生じる。例えば、車体部品は、液体で表面処理することができる。この表面処理に必要な液体は、自ずと、車体部品中に先立って設けられた穴の上を通って流れ落ちる。その後に、これらの穴が再び塞がれる。穴の閉鎖は、ダイカットテープまたはダイカットシートからダイカットを取り外しそして手で穴上に貼付することによって、しばしば手作業で行われる。ダイカットは、キャリア層、及びキャリア層の片面に施与された接着剤層を有する。接着剤層は、一般的に、キャリア層の全面に施与される。
【0009】
接着テープを自動的に貼付することも既知である。このための方法は、例えばDE10035236A1(特許文献1)に記載されている。この場合、貼付プロセスの間に、先ず接着テープをロールから繰り出し、そして貼付用ローラを用いて、接着すべき表面上に押しつける。更なる工具を用いて、接着された接着テープ断片を残りの接着テープから切り離す。そうしてから、貼付用ローラを再び引っ込め、そして装置を次の接着箇所へと移動する。
【0010】
特に二つの湾曲した部材を接合するのに適した、自動車工業において両面接着テープを貼付するための更なる方法の一つは、US2005/0016671A1(特許文献2)に記載されている。
【0011】
接着テープの使用のためには、経済性が重要なファクターである。このためには、貼付方法が決定的な意味を持つ。特に、溶接点を置き換えるためには、ダイカットパーツとも称されるダイカットの使用が適している。これは、予め仕上げられた接着テープ断片である。要求及び用途に応じて、これらのダイカットの数及びサイズは適合させることができる。経済的な観点から及び確実な接合プロセスを保証するために、特に、貼付用ヘッドを備えたロボットを使用した自動化されたロボットソリューションが適している。
【0012】
これに関連して、近年、特に自動車工業の分野において、片面接着性のダイカットの自動化された貼付も可能にする、アプリケータ及び貼付方法が開発された。このようなアプリケータ及び方法は、まだ未公開のDE102018200439(特許文献3)及びDE102018210746(特許文献4)に記載されている。
【0013】
これらの方法では、保持ベルトに沿って施与されたダイカットを備えたダイカットテープを、前後に移動できるスタンプのスタンプヘッド上に動かし、この際、前記ダイカットは、キャリア層及び接着剤層を有し、そしてキャリア層は、保持ベルトと接着剤層との間に配置される。この場合、ダイカットがスタンプヘッド上に配置された時にダイカットテープを停止し、次いでスタンプをロボットを用いた前進運動で表面の方に移動させ、そしてダイカットを表面上に貼付する。この前進運動の間に、ダイカットがスタンプヘッドから滑ってずれないように、ダイカットテープは若干再調節される。同様に、ダイカットテープは、前記前進運動の間に、ダイカットテープの再調節によって伸張した状態に維持される。
【0014】
基本的には、24時間中断なしの加工の場合でも、ダイカットが欠陥なく、素早くかつ確実に貼付されることが重要である。正確さは、ロボット及びアプリケータのプログラミングと実行によって決定的に影響を受ける。素早さ及びダイカットの確実な貼付は、ロボット及びアプリケータの他に、接着テープの性質にも関係する。
【0015】
確実な転写は、数秒間の押し圧時間内で及び低い押し圧力で既に保証されるべきである。従って、小さい押し圧力で既に十分であることは特に意味がある。というのも、そうでない場合には、ダイカットを貼付するべき部材が変形する虞があるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】DE10035236A1
【文献】US2005/0016671A1
【文献】DE102018200439
【文献】DE102018210746
【文献】EP2832779A1
【文献】DE69214438T2
【文献】US7491434B2
【文献】DE102013215297A1
【文献】EP1978069A1
【非特許文献】
【0017】
【文献】D.Satas,Handbook of Pressure Sensitive Adhesives,2nd Edition,page 172,1989
【文献】P. E. Hinkamp、Polymer、1967、8、381
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
それ故、本発明の課題は、ダイカットが、(特に低エネルギー性である)被着下地上に、(好ましくは弱くかつ短時間の押し圧下でも既に)信頼性高くかつしっかりと転写しそしてその上に付着されることを、特に自動化されたプロセスにおいて保証する、素早くかつ確実な、すなわち少なくとも経済的な貼付方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この課題は、主請求項に記載される方法によって解決される。下位の請求項の対象は、本発明の対象の有利な発展形態である。更に、本発明は、該方法の使用、並びに該方法における接着テープの適性についての、それ故、接着テープの選択についての検査方法、すなわち試験方法も含む。
【0020】
従って、本発明は、冒頭に述べたタイプの方法であって、z方向での(基材の)表面からのダイカットの引き剥がし力に対する、z方向でのライナー層からのダイカットの引き剥がし力の比率が最大でも0.18である方法に関する。
【0021】
他には、以下のように表現される:
【0022】
【数1】
【0023】
この際、「z方向」とは、ダイカットの平面的な広がりに対して垂直な方向のことと解される。
【0024】
ライナー層からのダイカットの引き剥がし力とは、ダイカットの面であって、本発明の方法においてそれを介してダイカットがライナー層上に配置されている方の面に関するものであることは当業者には明らかである。また、基材の表面からのダイカットの引き剥がし力とは、ダイカットの面であって、本発明の方法においてそれを介してダイカットが基材の表面上に配置されている方の面に関するものであることは当業者には明らかである。
【0025】
驚くべきことに、「送出の首尾(Spendeerfolg)」とも称される信頼性が高くかつしっかりとした転写のためには、被着基材の表面の性質、接着剤の性質またはライナーの性質だけでなく、上記特定の引き剥がし力比も重要であることが、本発明の枠内において判明した。この際、基材の表面からのダイカットの引き剥がし力は、基材表面の清浄度にもしばしば依存する。
【0026】
本方法の好ましい実施形態の一つでは、該アプリケータは
(i)スタンプヘッドを備えたスタンプ、
(ii)ダイカットテープを含むダイカットロール、但し、前記ダイカットテープは、ライナー層上に施与されかつ少なくとも一つの(感圧)接着剤層を含むダイカットから形成されており、並びに
(iii)ライナー巻きロール、
を含み、
この際、当該方法において、前記ダイカットテープは前記スタンプのスタンプヘッド上を走り、ここで前記ダイカットテープは、ダイカットのうちの一つがスタンプヘッド上に配置された時に停止され、次いでスタンプが、上昇-下降運動においてダイカットを表面上に貼付する。
【0027】
z方向における表面からのダイカットの引き剥がし力に対するz方向でのライナー層からのダイカットの引き剥がし力の比率が最大でも0.15、好ましくは最大でも0.12、特に最大でも0.10である時に特に有利である。
【0028】
本発明による方法は、手動によるダイカットの貼付だけではなく、自動的な貼付にも適している。特に自動化された貼付の場合には、本発明による方法は大きな利点をもたらす、なぜならば、この場合、送出の首尾が特に大きな重要性を持つからである。表面上へのダイカットの信頼性の高い接着が特に重要である、というのも、ダイカットが満足に貼付されたか否かがユーザーに直ぐに分かる手作業での貼付とは異なり、通常は、送出の首尾の実際の直接的な検査は行われないからである。加えて、自動化された貼付は、大きな部材上に多数の接着を施与するためにしばしば使用され、この際、個々のダイカットの転写の時の欠陥許容範囲は特に狭くなる、なぜならば、僅かな欠陥でさえ既に、大きな部材の全体的に欠陥のある接着を招くからである。数が少ないダイカットを使用したより小さい部材の手作業での接着の場合は、欠陥許容範囲は比較的広くなる、なぜならば、この際、欠陥は典型的には比較的簡単に認識及び除去できるからである。ここで、例えば75%の送出の首尾は、通常は、協力者による直接的な検査可能性に基づいて、完全に十分なものである。
【0029】
それ故、本発明による方法は、ダイカットの自動化された接着ために特に適している。この際に有利なのは制御システムであり、これは、走査領域がスタンプヘッドの方を向いておりかつダイカットのうちの一つがスタンプヘッド上に存在することを検出する第一のセンサーと信号伝達的に接続されている。これは、例えば着色された制御マークによって行うことができるが、他の認識手段も考慮され得る。この制御システムは信号伝達的にセンサーと接続されており、そしてこのセンサーの測定値は該制御システムに送られる。この制御システムは、更に、該アプリケータが配置された自由に可動なロボットアームと信号伝達的に接続されている。このロボットアームは、一方では、表面に対して垂直なz方向での該アプリケータの上昇-下降運動を制御し、そして他方では、表面に対して平行なxy面での運動を制御する。このロボットアームは、応じて制御信号に対して応答することができる。この際、前記巻きロールは、ダイカットのうちの一つがスタンプヘッド上に検出された時に停止し、そして表面上にダイカットを貼付するために、該アプリケータを備えたロボットアームを下降運動させ、次いで初期の位置への帰還のために、アプリケータを備えたロボットアームを上昇運動させる。
【0030】
更に、有利には、次に続くダイカットをスタンプヘッド上に配置することができるようにするダイカットテープの律動的な送りも制御される。このダイカットテープの送りは、ダイカットテープ用の駆動させた第一の巻きロールとして形成することができる。
【0031】
この際、適切な方法は、表面上にダイカットを貼付した後に、ダイカットテープを一つのダイカットの分だけ送ることである。就中特に有利には、該方法は、制御システムがロボットアームを制御してスタンプヘッドを表面上の第一の位置に移動させて、ダイカットを第一の表面位置に貼付し、そしてこのダイカットが貼付された後に、ロボットアームを制御してダイカットテープの更なる送りの間にスタンプヘッドを表面上の第二の位置に移動させ、そしてそこで次のダイカットの貼付のために、アプリケータを備えたロボットアームを下降運動させ及びその後に上昇運動させるようにして行われる。このような方法を用いることで、被着表面上へのダイカットの非常に迅速な貼付が可能になる。
【0032】
多くの場合、押し圧力を非常に正確に定めそしてそれが遵守されることを保証できるようにすることが望ましい。それ故、有利には、スタンプヘッドを弾性マウントし、そして表面に対するダイカットの押し圧力を検出する少なくとも一つの圧力センサーをスタンプヘッドに配置する。このようにすることで、弱い部材の場合はそれの変形が防がれることを保証できるようになる、というのも、十分に低い押し圧力を保証できるからである。
【0033】
貼付部先端、すなわちアプリケータの先端も様々に設計することができる。これは、例えば、ゴムを付けた表面を有することができ、それによって、被着基材の湾曲した輪郭に対して、貼付されるダイカットをより良好に適応できるようになる。
【0034】
アプリケータを第一の位置から次の位置へと移動させるためには、制御システムは、ロボット制御において開口パターンまたは接着パターンでプログラムすることが好ましい。このためには、制御システムはNC制御として形成することができる。表面上を通過する時に、接着箇所を指し示す規定の特徴を検出する第二のセンサーを設けることも考慮され得る。NC制御とセンサー技術との組み合わせも企図できる。
【0035】
好ましくは、制御システムはロボットを制御し、このロボットは、アプリケータをスタンプヘッドと一緒に表面上の第一の箇所に移動させ、そしてダイカットを第一の表面位置に貼付する。該システムは、前記ダイカットの貼付の後に、ロボットを再び制御してアプリケータをスタンプヘッドと一緒にxy面において表面上の第二の位置に移動させ; そこで、次のダイカットが、z方向での下降運動によって次の望ましい箇所で表面上に貼付される。
【0036】
好ましくは、ダイカットロールをスタンプヘッドの供給側に、そして巻きロールをスタンプヘッドの搬出側に設ける。巻きロールは制御システムと信号伝達的に接続され、そしてその上にライナーを巻き上げることができる。該制御システムは、巻きロールを律動的に回転させる。この際、一つの律動の送りは、それぞれ、ダイカットテープ上の隣接するダイカット間の間隔に相当する。
【0037】
スタンプヘッドは、向上した貼付のためには、45°のテーパーが付いた面を備えることができ、そこから同様にダイカットパーツを貼付することができる。この面は、水平な面と同様に制御技術に統合される。
【0038】
本発明によれば、ダイカットテープは、ダイカットがスタンプヘッド上に配置された時に停止され、次いでスタンプは下降運動でロボットアームを用いて表面上に移動され、そして該ダイカットは表面上に貼付される。この下降運動の間に、ダイカットがスタンプヘッドから滑ってずれないように、ダイカットテープは若干再調節される。スタンプヘッドの押し圧面または少なくとも外面形状はダイカットと同一である。同様に、ダイカットテープは、上昇運動の間は、ダイカットテープの再調節によって伸張された状態に維持される。
【0039】
z方向でのスタンプヘッドの上昇及び下降運動に基づいて、ダイカットを表面上に施与するためには、xy面で非常に小さな場所しか必要とされない。これは、既知のラベルディスペンサーと比べて利点である。
【0040】
本発明の特質は、本発明による引き剥がし力の比率が満たされる限りは、接着剤及びライナーに関して非常に様々な系において機能することである。
【0041】
この際、本発明は、二つの部材を互いに接合するために使用される両面接着テープとダイカットのために、並びに片面接着テープとダイカットのためにも適している。後者は、例えば製造方法の枠内で必要であるが、完成した製品では目に見えるべきではない孔を塞ぐために、自動車工業において使用される。
【0042】
このダイカットテープは接着テープである。「接着テープ」(感圧接着テープ)という一般的な表現には、本発明の意味において、二次元に伸びたフィルムまたはフィルム断片、伸びた長さ及び限られた幅を有するテープ、テープ断片及び類似物などの全ての平坦な形成物が含まれる。ダイカットテープとは、接着テープが既に予め個々の断片に仕上げられた状態で存在する接着テープのことと解される。
【0043】
それ故、該接着テープは、長さの延び(x方向)及び幅の延び(y方向)を有する。該接着テープは、両方の延びに対して垂直に延在する厚さ(z方向)も有し、この際、幅の伸び及び長さの伸びは、厚さよりも数倍大きい。厚さは、長さ及び幅によって決定される接着テープの面積全体にわたって、できるだけ同じ、好ましくは正確に同じである。
【0044】
本発明の好ましい実施形態の一つでは、本発明に従い使用される接着テープは、単一の感圧接着剤層からなる。このような単層の両面接着性接着テープ、すなわち両面接着テープは、「転写式テープ」とも称される。代替的な実施形態の一つでは、本発明により使用される接着テープは、キャリア層と、少なくとも一つの、好ましくは二つの感圧接着剤層を含み、ここでこれらの感圧接着剤層は、キャリア層の互いに反対側の表面上に配置され、そして感圧接着ストリップの外側の上側の面と外側の下側の面を形成する。それ故、これは片面接着テープであるかまたは同様に両面接着テープである。また、更に別の層及び/または中間ライナーを使用することも可能である。特性の調節の目的で、様々な接着剤層の使用、または接着剤層とキャリア層との組み合わせも可能である。このようにして影響を与え得る特性には、接着テープの厚さ、剛性、曲げ性、耐温度性、弾性及び難燃性などが挙げられる。それ故、適切な及び本発明による接着テープには、単層接着テープ及び多層接着テープが包含される。
【0045】
「感圧接着剤」という用語は、本発明の枠内では、元から接着性であるかまたは粘着性付与樹脂(「粘着性付与剤」)の添加によって粘着性であるように調合される材料(例えばエラストマー)を表すものである。本発明によれば、感圧接着剤及び/または感圧接着製品は、感圧接着剤の決定について一般的に既知の方法の一つによって感圧接着剤として分類される材料及び/または最終製品を含む。特に、次の方法の一つまたは複数によって感圧接着剤として分類できる材料及び/または最終製品が意味される。第一の方法では、感圧接着剤は、D.Satas,Handbook of Pressure Sensitive Adhesives,2nd Edition,page 172,1989(非特許文献1)に記載されるダルキスト規準によって定義される。これらの規準の一つによれば、使用温度において1×10Pa未満の弾性率を有する材料が、良好な感圧接着剤として定義される。
【0046】
ダイカットテープのダイカットは、例えば同じまたは異なる縁の長さ、丸められたもしくは鋭い角、または特別に適応された形状を持つ完全に平坦なダイカットピースとしての、あるいは全ての考え得る大きさ、形状及び枠幅の打ち抜かれたフレームとしての、全ての考え得る大きさ及び形状で形成可能である。ダイカットの大きさによって、個々の接合点の保持力を適合することができる。該ダイカットはライナー上に直接存在でき、その際、他の面は更に別のライナーで覆う必要はなく、そうして加工に供することができる。この場合、部材は、直接、更なる加工に付すのがよい。
【0047】
一般的に、ダイカットを機械的に自動化されたプロセスを用いて適用するかまたは部材上に貼付することが考えられる。この場合、場合によっては、なおも存在するライナーを必要に応じて剥がすことができる。
【0048】
更に、該接着テープは、例えば自動車分野におけるハーネスの結束のために、ロール上に既にセグメント状に切断された状態で存在できる。これは、個々のピースをライナーから剥がすことを可能にする。通常のダイカットとは異なり、これらのピースは、ライナー上に互いに隣接しており、それ故、常に矩形である。
【0049】
片面または両面が接着剤でコーティングされた本発明による接着テープは、製造プロセスの最後にたいていはアルキメデス螺旋の形態でロールへと巻回される。両面接着性の接着テープにおいて感圧接着剤が互いに接触することを防ぐために、または片面接着性の接着テープにおいてはより簡単な繰り出しを保証するために、該接着剤は、接着テープの巻回の前に、カバー材料(剥離材料とも称される)で覆われる。このようなカバー材料は、当業者にはリリースライナーまたはライナーの名称で既知である。ライナーは、片面または両面で接着性の接着テープをカバーするだけでなく、ラベルを覆うためにも用いられる。ライナー(剥離紙、剥離フィルム)は、感圧接着ストリップの構成要素ではなく、その製造、保存及び/またはダイカットによる二次加工のための補助手段に過ぎない。更に、ライナーは、(永続的な)接着テープキャリアとは異なり、接着剤層としっかりと接合されるではなく、そのためこれは一次的なキャリアとも称される。更に、ライナーは、接着剤が使用前に汚染されないことを保証する。追加的に、ライナーは、リリース材料の種類及び組成を介して、接着テープを所望の力(軽いまたは強い力)で繰り出すことができるように調節できる。両面が接着剤でコーティングされた接着テープでは、ライナーは、繰り出しの時に接着剤の適切な面が先ず開放されることを追加的に保証する。
【0050】
接着剤は、液体コーティング、押出または他の適切な方法を用いて、溶剤含有または溶剤不含のプロセスで調製できる。コーティングは、共押出または多層ノズルコーティング、またはラミネーションを包含する一つまたは複数の工程で行われる。
【0051】
この際、ライナー材料本体自体が既に抗付着性であることができるか、または少なくとも片面が、好ましくは両面が抗付着性にコーティング、例えばシリコーン被覆されている。特に、接着テープから適切に分離できる全てのウェブ形態の層、例えば元から感圧接着性を有するものも包含される。
【0052】
ライナーとしては、典型的には、紙製キャリアまたはフィルム製キャリアが使用され、これらは、接着性製品がそれらの表面に接着する傾向を低下させるために(剥離作用機能)、それらの片面もしくは特に両面に、抗付着性のコーティング剤(反接着性(dehesive)または抗接着性剤とも称される)が備えられる。自着性接着テープのためのライナーは、多くの場合に、二軸または単軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレンもしくは他のポリオレフィン、紙またはポリエステルをベースとする。(リリースコーティングとも称される)抗付着性コーティング剤としては、多数の様々な物質を使用することができる:ワックス、フッ素化もしくは部分フッ素化化合物、カルバメートワニス、及び特にシリコーン並びにシリコーン成分を含む様々なコポリマー。近年は、接着テープ用途の分野では、良好な加工性、低コスト及び幅広い特性プロフィルの故にシリコーンがリリース材料として広く受け入れられている。加えて、構造化されたライナー、あるいはフィラーまたは他の粒子状物質もしくは粒子を表面中または上に含むライナー、あるいはその他の適切な剥離層またはコーティングからなるかまたはこれらでコーティングされたライナーを、ライナーとして使用することができる。
【0053】
本発明では、どちらの面に接着層が施与されるかに依存して、一次的なキャリア(ライナー)または永続的なキャリア(すなわち、本願の意味でのキャリア)として機能するキャリアもある。キャリアが単一の抗付着性の表面のみを有し、他方で反対側の面は抗付着性ではない場合は(例えば片面がシリコーン被覆されたPETキャリア)、これは、接着層を抗付着性表面に施与する時にはライナーとして機能し、他方で、非抗付着性の表面上に接着層を施与する場合はキャリアとして機能する。
【0054】
製品構成としては、この接着テープに関しては様々なものを考え得る。自着剤の少なくとも一つの層が常に存在する。この際、この層は、15~5000μm、好ましくは50~3000μm、より好ましくは100μm~2000μm、更により好ましくは150μmから2000μm、更により好ましくは400~1500μm、特に1000~1200μm、例えば500~800μmの厚さを有することができる。該感圧接着ストリップでは、更に別の層、例えば更に別の接着剤層が含まれていることができる。更に、非接着性の層(これは、特に、弱伸張性(εmax<100%)または伸張性(εmax 少なくとも100%)のキャリア層と理解される)が該接着テープ中に含まれることができる。場合により存在するキャリアは、好ましくはキャリアフィルム、例えばポリプロピレン、ポリエチレンまたはポリエステルからなるキャリアフィルムである。剥離可能な感圧接着テープのためには、好ましくは弾性キャリアが使用され、例えば(例えばマイクロバルーンで発泡された)粘弾性アクリレート発泡体が使用される。上記アクリレート発泡体は、代替的に中空ガラスビードを含むことができる。
【0055】
本発明による方法に特に適した接着テープは、例えば少なくとも一つの感圧接着剤層を含むことができ、これは、アクリレート(コ)ポリマー、シリコーン(コ)ポリマー、天然ゴム、ニトリルゴム、すなわちアクリロニトリル-ブタジエンゴム、(場合によっては化学的にもしくは物理的に架橋された)合成ゴム、例えばビニル芳香族ブロックコポリマーまたはこれらの混合物をベースとする。
【0056】
例示的に使用可能な(場合によりESH架橋された)ゴムは、EP2832779A1(特許文献5)に記載されている。この際、これらは、例えば、天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー材料、非熱可塑性エラストマー材料、熱可塑性エラストマー炭化水素材料、非熱可塑性エラストマー炭化水素材料及びこれらの任意の組み合わせまたはこれらの混合物であることができる。好ましい実施形態の一つによれば、前記ゴムは、ハロゲン化ブチルゴム、特にブロモブチルゴム、例えばLanxess社のブロモブチルゴム2030(BB2030、32のムーニー粘度ML(1+8)125℃を有するブロモブチルゴム)、またはLanxess社のブロモブチルゴムX2(BBX2、46のムーニー粘度ML(1+8)125℃を有するブロモブチルゴム)、及びクロロブチルゴム; ハロゲン化イソブチレン-イソプレン-コポリマー; ブロモイソブチレン-イソプレンコポリマー; クロロイソブチレン-イソプレン-コポリマー; ブロックコポリマー; オレフィン性ブロックコポリマー、例えばDow社のInfuse 9807(エチレン/オクテン-ブロックコポリマー)またはEvonik社のVestoplast 751(V751、非晶質ポリアルファオレフィン(99℃の軟化点を有するエテン-プロペン-ブテンコポリマー); ブチルゴム; 合成ポリイソプレン; エチレン-オクチレンゴム; エチレン-プロピレンゴム; 統計的エチレン-プロピレンコポリマー; エチレン-プロピレン-ジエン-モノマーゴム; ポリイソブチレン; ポリ(アルファ-オレフィン); エチレン-α-オレフィンコポリマー; エチレン-α-オレフィンブロックコポリマー; スチレン-ブロックコポリマー; スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー; スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー; スチレン-エチレン/ブタジエン-スチレンブロックコポリマー; スチレン-エチレン/プロピレン-スチレンブロックコポリマー; 統計的スチレン-ブタジエンコポリマー; オレフィン性ポリマー及びコポリマー; 統計的エチレン-プロピレンコポリマー; エチレン-プロピレン-ジエンターポリマー及びこれらの任意の組み合わせまたは混合物からなる群から選択される。一つの好ましい実施形態によれば、前記ゴムは、ハロゲン化イソブチレン-イソプレンコポリマー; 特にブロモイソブチレン-イソプレンコポリマー、クロロ-イソブチレン-イソプレンコポリマー; オレフィン系ブロックコポリマー、特にエチレン-オクチレンブロックコポリマー、エチレン-プロピレン-ブチレンコポリマー; スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー; スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー及びこれらの任意の組み合わせまたは混合物からなる群から選択される。更にもう一つの好ましい実施形態によれば、前記ゴムは、ハロゲン化イソブチレン-イソプレンコポリマー; 特にブロモイソブチレン-イソプレンコポリマー、クロロ-イソブチレン-イソプレンコポリマー; オレフィン系ブロックコポリマー、特にエチレン-オクチレンブロックコポリマー、エチレン-プロピレン-ブチレンコポリマー、及びこれらの任意の組み合わせまたは混合物からなる群から選択される。
【0057】
好ましい実施形態の一つでは、該感圧接着剤層は、(特にマイクロバルーンを用いて)発泡される。
【0058】
多くの場合、該感圧接着剤は、加えて、接着性の調節のために粘着樹脂を含む。例えば、炭化水素粘着樹脂を使用でき、この際、この炭化水素粘着樹脂は、それぞれ熱重量分析により測定して、好ましくは揮発性有機化合物(VOC)の含有率が1000ppm未満であり、及び揮発性フォギング化合物(FOG)の含有率が1500ppm未満である。このような粘着樹脂は、EP2832779A1(特許文献5)に記載されている。このような粘着樹脂は、例えばEastman社のRegalite R9100(部分水素化炭化水素樹脂)、Eastman社のRegalite R1090(水素化炭化水素樹脂)、Eastman社のPiccotac 1020E(液状脂肪族炭化水素樹脂)、Eastman社のPlastolyn R1140(水素化炭化水素樹脂)、ExxonMobil社のEscorez 1304(脂肪族炭化水素樹脂)、ExxonMobil社のEscorez 5615(脂肪族/芳香族炭化水素樹脂)、ExxonMobil社のEscorez 5320(水素化環状脂肪族炭化水素樹脂)及びExxonMobil社のEscorez 5340(水素化環状脂肪族炭化水素樹脂)である。
【0059】
加えて、該感圧接着剤は、UV、電子線またはその他の放射線を用いてまたは熱的に架橋されていることができる。UV重合に基づく適切な方法は、更にDE69214438T2(特許文献6)またはUS7491434B2(特許文献7)に記載されている。
【0060】
この際、アクリレート系感圧接着剤が、該接着テープのために特に好ましい。代替的に、合成ゴム、例えばビニル芳香族ブロックコポリマーをベースとする感圧接着剤が好ましい。
【0061】
合成ゴムをベースとする感圧接着剤が使用される場合は、これは、それぞれ感圧接着剤の総重量を基準にして、好ましくは合計して15~50重量%の合成ゴム、より好ましくは合計して20~40重量%の合成ゴムを含む。一種の合成ゴムまたは複数種の合成ゴムが本発明による感圧接着剤中に含まれていることができる。
【0062】
好ましくは、本発明による感圧接着剤の合成ゴムは、A-B、A-B-A、(A-B)、(A-B)Xまたは(A-B-A)Xの構成を持つブロックコポリマーであり、
式中、
- ブロックAは、互いに独立して、少なくとも一種のビニル芳香族類の重合によって形成されたポリマーを表し;
- ブロックBは、互いに独立して、炭素原子数4~18の共役ジエン及び/またはイソブチレンの重合によって形成されたポリマー、またはこのようなポリマーの部分もしくは完全水素化誘導体を表し;
- Xは、カップリング試薬または開始剤の残部を表し、そして
- nは≧2の整数を表す。
【0063】
特に、本発明による感圧接着剤の全ての合成ゴムが、先に記載した構造を有するブロックコポリマーである。それ故、本発明による感圧接着剤は、上述のような構成を持つ異なるブロックコポリマーの混合物を含むこともできる。
【0064】
すなわち、ビニル芳香族ブロックコポリマーとも称される好ましい合成ゴムは、一つまたは複数のゴム様ブロックB(軟質ブロック)及び一つまたは複数のガラス様ブロックA(硬質ブロック)を含む。特に好ましくは、本発明による感圧接着剤の合成ゴムは、A-B、A-B-A、(A-B)Xまたは(A-B)Xの構成を持つブロックコポリマーであり、ここでA、B及びXについては上述の意味が適用される。中でも特に好ましくは、本発明による感圧接着剤の全ての合成ゴムは、A-B、A-B-A、(A-B)Xまたは(A-B)Xの構成を持つブロックコポリマーであり、ここでA、B及びXについては上述の意味が適用される。特に、本発明による感圧接着剤の合成ゴムは、A-B、A-B-A、(A-B)Xまたは(A-B)Xの構成を持つブロックコポリマーからなる混合物であり、これは、好ましくは、少なくともジブロックコポリマーA-B及び/またはトリブロックコポリマーA-B-Aを含む。
【0065】
ブロックAは、特に、室温を超える好ましいガラス転移温度(T)を有するガラス様ブロックである。特に好ましくは、前記ガラス様ブロックのTは、少なくとも40℃、特に少なくとも60℃、就中特に好ましくは少なくとも80℃、非常に好ましくは少なくとも100℃である。該ブロックコポリマー全体に対するビニル芳香族ブロックAの割合は、好ましくは10~40重量%、特に好ましくは20~33重量%である。ブロックAの構成のためのビニル芳香族類は、好ましくはスチレン及びα-メチルスチレンを含む。それ故、ブロックAは、ホモポリマーまたはコポリマーとして存在することができる。特に好ましくは、ブロックAはポリスチレンである。
【0066】
ブロックBは、特に、室温未満の好ましいTgを有するゴム様ブロックまたは軟質ブロックである。該軟質ブロックのTは、特に好ましくは0℃未満、特に-10℃未満、例えば-40℃未満、非常に特に好ましくは-60℃未満である。
【0067】
軟質ブロックBのためのモノマーとしての好ましい共役ジエンは、特に、ブタジエン、イソプレン、エチルブタジエン、フェニルブタジエン、ピペリレン、ペンタジエン、ヘキサジエン、エチルヘキサジエン、ジメチルブタジエン及びファルネセン異性体、並びに上記のモノマーの任意の混合物からなる群から選択される。ブロックBもホモポリマーとしてまたはコポリマーとして存在し得る。
【0068】
特に好ましくは、軟質ブロックBのためのモノマーとしての共役ジエンは、ブタジエン及びイソプレンから選択される。例えば、軟質ブロックBは、ポリイソプレン、ポリブタジエン、またはこれら両者のポリマーの部分的にもしくは完全に水素化された誘導体、例えば特にポリブチレンブタジエン; またはブタジエン及びイソプレンからなる混合物でできたポリマーである。非常に特に好ましくは、ブロックBはポリブタジエンである。
【0069】
更に特に好ましくは、前記少なくとも一つの接着剤層は、ビニル芳香族ブロックコポリマーをベースとし及び粘着樹脂を含む自着剤でできており、この際、該ビニル芳香族ブロックコポリマーは、
-主としてビニル芳香族類の重合によって形成された少なくとも一種のポリマーブロックAを含み、及び
-同時に、主として共役ジエンの重合によって形成された少なくとも一種のポリマーブロックBを含み、ここで、Bブロック中の1,2結合共役ジエンの割合は、30重量%未満、好ましくは20重量%未満(例えばH-NMRを用いて決定可能)である。
【0070】
ビニル芳香族ブロックコポリマーのポリマーブロックBは、本発明では主として、共役ジエンの重合によって形成される。これは、ポリマーBが、典型的には、使用されたモノマーの50重量%超が共役ジエンである重合から、すなわち重合の際の共役ジエンの割合が50重量%超である重合から生じることを意味する。好ましくは、ポリマーブロックBは、モノマーとして排他的に共役ジエンが使用された重合から生じる。
【0071】
更に、Bブロック中の1,2結合共役ジエンの割合は30重量%未満、好ましくは20重量%未満、より好ましくは15重量%未満、特に約10重量%である。Bブロック中の1,2結合共役ジエンの割合とは、ポリマーブロックBの製造の時に使用された全モノマー組成物を基準とした(1,4-付加ではなく)1,2付加によって重合導入された共役ジエンの重量割合のことを意味する。共役ジエンの1,2付加は、ポリマーブロックB中のビニル系側鎖基をもたらし、他方で、共役ジエンの1,4-付加は、ポリマーブロックBの主鎖中のビニル系官能基をもたらす。それ故、共役ジエンの1,2付加とは、ジエン官能基がC1及びC4の位置に重合導入される共役ジエンの1,4-付加とは異なり、C1及びC2の位置またはC3及びC4の位置(例えば共役ジエンとしてのイソプレンの場合)のいずれかにジエン官能基が重合導入されることを意味する。
【0072】
該感圧接着剤は、典型的には、少なくとも一種の合成ゴム、例えばビニル芳香族類ブロックコポリマーの他に、接着性を望ましいように高めるために、少なくとも一種の粘着樹脂を含む。粘着樹脂は、ブロックコポリマーのエラストマーブロック(軟質ブロック)と相溶性であるべきである。適切な粘着樹脂は、中でも、好ましくは、ロジンまたはロジン誘導体をベースとする非水素化、部分もしくは完全水素化樹脂である。理想的には、これは、粘弾性ポリアクリレート発泡体キャリアのアクリレートポリマーと相溶性ではない。適した粘着樹脂は、中でも好ましくは、ジシクロペンタジエンの水素化ポリマー、C5-、C5/C9-、C9-モノマー流をベースとする非水素化、部分的、選択的もしくは完全水素化炭化水素樹脂、または特に好ましくはα-ピネン及び/またはβ-ピネン及び/またはδ-リモネンをベースとするポリテルペン樹脂である。前述の粘着樹脂は、単独でまたは混合物としても使用し得る。加えて、該接着剤調合物は、室温で液状の粘着樹脂も含むことができる。
【0073】
前記少なくとも一つの接着剤層は、好ましくは(例えばマイクロバルーンで)発泡される。「発泡された感圧接着剤層」とは、感圧接着性のマトリックス材料及び複数のガス充填中空空間を含み、そうしてこの感圧接着剤の密度が、中空空間を含まないただのマトリックス材料と比較して低められている感圧接着剤層のことと理解される。(特にマイクロバルーンを用いた)自着剤の発泡によって、原料コストを節約できるだけでなく、これは典型的には更に、例えば、製品の凝集力の向上、粗い下地への向上した接着強度並びに高められた耐衝撃性を招く。代替的に、接着剤層は未発泡であることもできる。
【0074】
該感圧接着剤層のマトリックス材料の発泡は、基本的には任意の方法で起こすことができる。
【0075】
例えば、該感圧接着剤は、導入されるもしくはその中に放出される発泡ガスを用いて発泡させることができる。この際、導入される発泡ガスとしては、例えば(場合によっては超臨界液体としての)COまたはNが考慮される。
【0076】
発泡ガスの放出の目的のためには、該感圧接着剤は、代替的に、ガスを放出しながら熱的に分解する発泡剤、例えばNaHCO、クエン酸、アスコルビン酸、フマル酸、グルコン酸または乳酸のフリーの酸もしくは誘導体、または発熱性発泡剤、例えばアゾジカルボンアミドと混合することができる。
【0077】
機械的な発泡(フローシング(起泡))も考慮される。
【0078】
一つの実施形態では、発泡された感圧接着剤層は、少なくとも部分的に膨張したマイクロ中空ビードを含む。これは、その根底状態で弾性でありかつ膨張可能であり、かつ熱可塑性ポリマーシェルを有する、少なくとも部分的に膨張したマイクロビードのことと解される。これらのビードには、その根底状態において、低沸点の液体または液化したガスが充填される。シェル材料としては、特に、ポリアクリロニトリル、PVDC、PVCまたはポリアクリレートが使用される。低沸点の液体としては、特に、低級アルカンの炭化水素、例えばイソブタンまたはイソペンタンが慣用であり、これらは、液化したガスとして加圧下にポリマーシェル中に封入されている。このようなマイクロビードには「マイクロバルーン」という用語もよく使用されている。
【0079】
マイクロバルーンに熱を作用させることによって、外側のポリマーシェルが軟化する。同時に、シェル中に存在する液状の膨張剤ガスがそれの気体の状態に変わる。この際、マイクロバルーンが不可逆的に拡大し、三次元的に膨張する。内圧と外圧が等しくなった時に膨張が終了する。ポリマーシェルは維持されるため、独立気泡型の発泡体が得られる。
【0080】
多種のマイクロバルーンを商業的に入手でき、これは、本質的に、それらのサイズ(未膨張状態で直径が6~45μm)及びそれらの膨張に必要な開始温度(75~220℃)によって区別される。未膨張のタイプのマイクロバルーンは、固形物またはマイクロバルーン含有率が約40~45重量%の水性分散液としても入手でき、更には、ポリマー結合型マイクロバルーン(マスターバッチ)、例えばエチレンビニルアセテート中にマイクロバルーン濃度約65重量%のポリマー結合型マイクロバルーンとしても入手できる。マイクロバルーン分散液もマスターバッチも、未膨張型マイクロバルーンと同様に、そのままで、発泡された感圧接着剤の製造のために適している。
【0081】
発泡した外側の感圧接着剤層は、いわゆる予膨張マイクロ中空ビードを用いても生成することができる。この部類のものにおいては、膨張は、ポリマーマトリックス中に混入する前に既に行われる。
【0082】
本発明によれば、発泡した感圧接着剤層は、それの製造経路及びマイクロ中空ビードの使用した初期形態とは無関係に、少なくとも部分的に膨張したマイクロ中空ビードを含むことが好ましい。「少なくとも部分的に膨張したマイクロ中空ビード」という記載は、本発明では、マイクロ中空ビードが、少なくとも、未膨張マイクロビードを用いた同じ接着剤と比べて、感圧接着剤の密度の低下が技術的に有意な度合いで生じる程度で膨張されることを意味する。これは、マイクロバルーンは必ずしも完全に膨張される必要はないことを意味する。好ましくは、「少なくとも部分的に膨張したマイクロ中空ビード」は、それぞれ、未膨張状態におけるそれらの最大の寸法の少なくとも二倍に膨張されている。
【0083】
「少なくとも部分的に膨張した」という記載は、個々のマイクロ中空ビードの膨張状態のことを言い、問題のマイクロ中空ビードの一部のみが膨張したまたは膨張し始めている必要があることを意図していない。すなわち「少なくとも部分的に膨張したマイクロ中空ビード」及び未膨張マイクロ中空ビードが感圧接着剤中に含まれる場合は、これは、未膨張の(全く膨張してない、すなわち膨張し始めていない)マイクロ中空ビードは、「少なくとも部分的に膨張したマイクロ中空ビード」に属さないことを意味する。
【0084】
本発明による感圧接着剤の使用分野及び所望の特性に応じて、これは更に別の成分及び/または添加剤を含むことができ、詳しくはそれぞれ単独で、または一種もしくは複数の他の添加剤または成分と組み合わせて含むことができる。
【0085】
それ故、本発明による感圧接着剤は、例えば粉末状及びグラニュール状で、研磨性及び強化性でもあるフィラー、染料及び顔料、例えばチョーク(CaCO)、二酸化チタン、酸化亜鉛及び/またはカーボンブラックを含むことができる。
【0086】
好ましくは、本発明による感圧接着剤は、一種または複数種のチョークをフィラーとして含む。本発明による感圧接着剤は、好ましくは合計で最大20重量%までの割合でチョークを含む。このような割合を用いると、本質的な接着技術的特性、例えば室温でのせん断強度、並びに鋼及びPEに対する即座の接着力が、フィラーの添加によって実質的に変化することはない。更に、様々な有機フィラーも含まれ得る。
【0087】
本発明による感圧接着剤のための適した添加剤は、更に-独立して他の添加剤から選択されて-非膨張性のポリマー中空ビード、ポリマー中実ビード、ガラス中空ビード、ガラス中実ビード、セラミック中空ビード、セラミック中実ビード及び/または炭素中実ビード(「カーボンマイクロバルーン」)である。
【0088】
更に、本発明による感圧接着剤は、難燃性フィラー、例えばポリリン酸アンモニウム、電気伝導性フィラー、例えば伝導性カーボンブラック、炭素繊維及び/または銀被覆ビード; 熱伝導性材料、例えば窒化ホウ素、酸化アルミニウム、炭化ケイ素; 強磁性添加剤、例えば酸化鉄(III); 有機系の再生可能原料、例えば木粉; 有機及び/または無機ナノ粒子、繊維、配合剤、老化防止剤、耐光保護剤及び/または耐オゾン保護剤を含むことができる。
【0089】
ビニル芳香族ブロックコポリマーをベースとする転写テープの形の例示的な感圧接着剤層及びそれの製造法(ホットメルト法)は以下に開示され、そして本願においては接着テープK2と称される。処方は次の通りである:25重量%のKraton D 1101(ジブロック16重量%、ブロックポリスチレン含有率31重量%、ブタジエンブロック中の1,2-結合共役ジエンの割合10重量%の、Kraton Polymers社のスチレン-ブタジエン-スチレントリブロックコポリマー)、25重量%のKraton D1118(ジブロック78重量%、ブロックポリスチレン含有率33重量%、ブタジエンブロック中の1,2-結合共役ジエンの割合10重量%の、Kraton Polymers社のスチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー)、48重量%の、DRT社のDercolyte A115(環球式軟化温度が115℃及びDACPが35℃の固形のα-ピネン樹脂)、2重量%の、Pinova社のPiccolyte A25(環球式軟化温度が22~28℃の、α-ピネンをベースとするポリテルペン樹脂)、3重量%の、Akzo Nobel社のExpancel 920DU40(未膨張マイクロバルーン)。マイクロバルーンは除いた構成成分の合計は100重量%であり、そしてマイクロバルーンの量は、その他の構成分の合計に基づく。該感圧接着剤は、ホットメルト法を用いて調製した。エラストマー成分の添加は、一つの取り入れ領域及び二つのプロセスパートを含むPWE(遊星ローラ押出機)の取り入れ口で行った。スラストリングはプロセス方向に増大する直径を有した。様々なスピンドルフィッティングが適切ではあるものの、第一のプロセスパート中で最大装備数の少なくとも3/4である装備数が好ましかった。樹脂成分を溶融し、そしてPWEの第二のプロセスパートに加えた。均一な混合物の製造に特に適したものは、樹脂の一部を第一のプロセスパートに加え、そして残部を下流で第二のプロセスパートに添加する樹脂分割であった。この際、特に適した方法は、側方供給口及びトラストリングを介した液状状態での両部分の添加であり、この際、全樹脂量の第一の部分は約10%であり、そして他に記載がなければ、プロセスはこのように実施した。PWEの取り入れ口中へのまたは第一のプロセスパートにおける側方供給口を介した固体状態の第一樹脂部分の添加も適しているであろう。コンパウンド化した組成物は、加熱された管を介して二軸スクリュー押出機中に移した。マイクロバルーンは、側方供給管を介してDSE(二軸スクリュー押出機)の最初の三分の一の部分に加え、そしてそこで発泡させて、発泡が、該装置の出口の前に本質的に終了するようにした。摩擦熱によって、DSE中の材料温度は、常に、調製した壁温度を超えていた。DSEの端部では、適切な箇所で減圧した。材料出口温度は約130℃であった。次いで、材料は、予備分配ノズル(コートハンガーダイ)を介して二本ロールカレンダーに移し、そして両面がシリコーン被覆された二枚の50μmPETフィルム間で成形した。この有利な方法によって、R<5μmの粗さを常に達成できた(白色干渉法により測定)。
【0090】
【表1】
【0091】
他の好ましい実施形態の一つでは、ダイカットがそれから形成される接着テープは、少なくとも片面に、好ましくは両面に感圧接着剤層を施与することができるアクリレートベースの粘弾性発泡体を有する接着テープである。施与される感圧接着剤は、例えば、合成ゴム、例えばビニル芳香族ブロックコポリマー(例えば先に定義したもの)をベースとする感圧接着剤であることができる。代替的に、これは、例えばアクリレートをベースとする感圧接着剤であることができる。これは、先に記載したアクリレート発泡体と同様に定義でき、この際、アクリレートをベースとする感圧接着剤は発泡されていてもまたは発泡されていなくともよい。同様のことが、アクリレート系感圧接着剤を含む任意の本発明による接着テープにも該当する。アクリレート系接着剤は、一つの実施形態では、ポリアクリレートの他に、更に別のエラストマー、例えば合成ゴムも含むことができる。
【0092】
一つの好ましい実施形態では、シンタクチックフォームが粘弾性発泡体を形成する。シンタクチックフォームでは、ガラスビードやセラミック中空ビード(マイクロスフィア)またはマイクロバルーンがポリマーマトリックス中に組み入れられる。それによって、シンタクチックフォームでは、中空空間は互いから離れており、そして中空空間中に存在する物質(ガス、空気)は膜によって周囲のマトリックスから隔離されている。それによって、該材料は、強化されていないガス包含物を含む慣用の発泡体よりも本質的に強い。
【0093】
後に記載する本発明による方法を用いて製造される本発明による接着テープの粘弾性発泡体は、本発明により企図されるポリアクリレートの他に、当業者には既知の全てのポリマー及び/または複数種のポリマーの混合物を含むことができる。好ましくは、発泡体は、骨格ポリマーとしてはポリアクリレートのみからなる。
【0094】
該ポリアクリレートは、好ましくは一種または複数種の(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸エステルのフリーラジカル重合または制御されたラジカル重合によって得ることができ、そして(特に厚手の発泡体層の場合には)光化学的架橋方法または電子線架橋から必然的に生じる架橋勾配を防ぐために、特に好ましくは熱的に架橋されている。
【0095】
好ましい変形態様の一つでは、粘弾性発泡体のためには、ポリ(メタ)アクリレートをベースとする熱架橋可能なポリマーが使用される。該組成物は、有利には、
(a1)次の構造式を有するアクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステル及び/またはそれのフリーの酸70~100重量%
【0096】
【化1】
【0097】
[式中、RはHまたはCHを表し、RはHまたは1~14個のC原子を有するアルキル鎖を表す]
(a2)官能基を有するオレフィン性不飽和モノマー0~30重量%、及び
(a3)任意選択的に、更に別のアクリレート、及び/またはメタクリレート、及び/または成分(a1)と共重合可能であり、かつカップリング試薬を用いて共有結合型架橋をもたらす官能基を有する、オレフィン性不飽和モノマー(好ましくは0から5重量%の割合)、
からなるポリマーを含む。
【0098】
上記の重量値は該ポリマーを基準にする。
【0099】
好ましくは、モノマー(a1)のためには、1~14個のC原子からなるアルキル基を有するアクリル-及びメタクリル酸エステルを初めとしたアクリルモノマーが使用される。具体的な例は、この列挙によって制限する意図はないが、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、n-ブチルアクリレート、n-ブチルメタクリレート、n-ペンチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、n-ヘプチルアクリレート、n-オクチルアクリレート、n-ノニルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルアクリレート、及びこれらの分枝異性体、例えば2-エチルヘキシルアクリレートである。
【0100】
同様に(a1)の下に少ない量で加えることができる更に別の使用できる化合物の部類は、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルアクリレート及びイソボルニルメタクリレートである。
【0101】
その割合は、それぞれモノマー(a1)ーの総量を基準にして、好ましくは最大で20重量%まで、更に好ましくは最大で15重量%までである。
【0102】
好ましくは、(a2)のためには、例えばマレイン酸無水物、イタコン酸無水物、グリシジルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、tert-ブチルフェニルアクリレート、tert-ブチルフェニルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、2-ブトキシエチルメタクリレート、2-ブトキシエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、及びテトラヒドロフルフリルアクリレートなどのモノマーが使用されるが、このリストは排他的ではない。
【0103】
同様に好ましくは、成分(a2)のためには、芳香族ビニル化合物が用いられ、この際、芳香族核はC~C18構成要素からなることができ、かつヘテロ原子も含むことができる。特に好ましい例は、スチレン、4-ビニルピリジン、N-ビニルフタルイミド、メチルスチレン、及び3,4-ジメトキシスチレンであり、但し、このリストは排他的ではない。
【0104】
成分(a3)の特に好ましい例は、ヒドロキシエチルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、アリルアルコール、イタコン酸、アクリルアミド及びシアノエチルメタクリレート、シアノエチルアクリレート、6-ヒドロキシヘキシルメタクリレート、N-tert-ブチルアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド、N-(ブトキシメチル)メタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-(エトキシメチル)アクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、ビニル酢酸、β-アクリロイルオキシプロピオン酸、トリクロロアクリル酸、フマル酸、クロトン酸、アコニット酸、ジメチルアクリル酸、4-ビニル安息香酸でありが、このリストは排他的ではない。
【0105】
成分(a3)のモノマーは、後の(例えば電子線またはUVによる)放射線化学的な架橋を補助する官能基を含むようにも有利に選択できる。適切な共重合性光開始剤は、例えばベンゾインアクリレート及びアクリレート官能化ベンゾフェノン誘導体である。電子線照射により架橋を補助するモノマーは、例えばテトラヒドロフルフリルアクリレート、N-tert-ブチルアクリルアミド、アリルアクリレートであり、但しこのリストは排他的ではない。
【0106】
重合のために、モノマーを、結果として生じるポリマーが熱架橋可能なポリアクリレート組成物として用いることができ、とりわけ、結果として生じるポリマーがDonatas Satasの「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」(van Nostrand、New York 1989)(非特許文献1)に相応する感圧接着特性を有するように選択する。
【0107】
感圧接着剤としては、ポリアクリレートの他に合成ゴムも含む感圧接着剤も使用できる。例えば、DE102013215297A1(特許文献8)は、ポリアクリレート及び合成ゴム並びに-30℃~70℃の温度範囲、特に室温でも良好な接着性能を有する規定の粘着樹脂をベースとする感圧接着剤を開示している。該感圧接着剤は、(a)感圧接着剤の総重量を基準にして40~70重量%の少なくとも一種のポリ(メタ)アクリレート; (b)感圧接着剤の総重量を基準にして15~50重量%の少なくとも一種の合成ゴム; 及び(c)前記ポリ(メタ)アクリレート(複数可)と相溶性の少なくとも一種の粘着樹脂を含む。
【0108】
「ポリ(メタ)アクリレート」とは、モノマーベースが少なくとも60重量%でアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及び/またはメタクリル酸エステルからなるポリマーのことであり、その際、アクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステルを少なくともその配分に応じて、好ましくは当該ポリマーのモノマーベース全体に対して少なくとも50重量%で、含有している。とりわけ、「ポリ(メタ)アクリレート」とはアクリルモノマー及び/またはメタクリルモノマー並びに場合によっては更なる共重合性モノマーのラジカル重合によって得られる重合体のことである。
【0109】
本発明によれば、感圧接着剤の総重量に対して40~70重量%で、1種または複数のポリ(メタ)アクリレートが含有されている。本発明による感圧接着剤は、少なくとも1種のポリ(メタ)アクリレートを、感圧接着剤の総重量に対して45~60重量%含有しているのが好ましい。
【0110】
本発明により使用可能なポリ(メタ)アクリレートのガラス転移温度は、好ましくは<0℃、より好ましくは-20~-50℃の間である。
【0111】
本発明による感圧接着剤のポリ(メタ)アクリレートは、官能性で、好ましくはエポキシ基と架橋し得るモノマーを、少なくともその配分に応じて組込み重合することによって得られるのが好ましい。この場合特に好ましいのは、酸性基(特にカルボン酸基、スルホン酸基、もしくはホスホン酸基)及び/またはヒドロキシ基及び/または酸無水物基及び/またはエポキシ基及び/またはアミン基を有するモノマーであり、とりわけ好ましいのはカルボン酸基含有モノマーである。ポリアクリレートが、組込み重合されたアクリル酸及び/またはメタクリル酸を有する場合がとりわけ有利である。これら全ての基は、エポキシ基との架橋能力を有しており、これによりポリアクリレートは、加えられたエポキシドと熱架橋できることが有利である。
【0112】
ポリ(メタ)アクリレートのためのコモノマーとして使用可能な更なるモノマーは、1分子につき最大30個のC原子を有するアクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステルと共に、例えば最大20個のC原子を含むカルボン酸のビニルエステル、最大20個のC原子を有するビニル芳香族類、エチレン性不飽和ニトリル、ハロゲン化ビニル、1~10個のC原子を含むアルコールのビニルエーテル、2~8個のC原子及び1つもしくは2つの二重結合を有する脂肪族炭化水素、またはこれらモノマーの混合物である。
【0113】
当該のポリ(メタ)アクリレートの特性には、とりわけ、個々のモノマーの重量分率の違いによるポリマーのガラス転移温度の変化を介して影響を及ぼすことができる。本発明の1種または複数のポリ(メタ)アクリレートは、好ましくは、下記のモノマー組成に基づき得ることができる。
a)下式のアクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステル
CH=C(R)(COORII
[式中、R=HまたはCHであり、RIIは4~14個のC原子を有するアルキル残基である]
b)好ましくはエポキシ基との反応性に関して既に定義した種類の官能基を有するオレフィン性不飽和モノマー、
c)任意選択で、成分(a)と共重合可能である更なるアクリレート及び/またはメタクリレート及び/またはオレフィン性不飽和モノマー。
【0114】
対応する成分(a)、(b)、及び(c)の割合は、重合生成物のガラス転移温度が<0℃、より好ましくは-20~-50℃の間であるように選択するのが好ましい。特に有利なのは、成分(a)のモノマーの割合を45~99重量%、成分(b)のモノマーの割合を1~15重量%、及び成分(c)のモノマーの割合を0~40重量%と選択することである(データは、「ベースポリマー」のためのモノマー混合物に対してであり、つまり出来上がったポリマーへの場合によってはあり得る樹脂などのような添加剤の添加を含まない)。
【0115】
成分(a)のモノマーは、とりわけ軟化性及び/または非極性のモノマーである。好ましいのは、モノマー(a)として、4~14個のC原子、特に好ましくは4~9個のC原子から成るアルキル基を有するアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルを用いることである。このようなモノマーの例は、n-ブチルアクリレート、n-ブチルメタクリレート、n-ペンチルアクリレート、n-ペンチルメタクリレート、n-アミルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、n-ヘプチルアクリレート、n-オクチルアクリレート、n-オクチルメタクリレート、n-ノニルアクリレート、及びそれらの分枝異性体、例えばイソブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、または2-エチルヘキシルメタクリレートである。
【0116】
成分(b)のモノマーはとりわけ、官能基を有する、とりわけエポキシ基と反応し得る官能基を有するオレフィン性不飽和モノマーである。
【0117】
成分(b)のために、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、またはホスホン酸基、酸無水物、エポキシド、アミンを含む群から選択される官能基を有するモノマーを用いることが好ましい。
【0118】
成分(b)のモノマーのとりわけ好ましい例は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、アコニット酸、ジメチルアクリル酸、β-アクリロイルオキシプロピオン酸、トリクロロアクリル酸、ビニル酢酸、ビニルホスホン酸、無水マレイン酸、ヒドロキシエチルアクリレート、とりわけ2-ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、とりわけ3-ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、とりわけ4-ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシヘキシルアクリレート、とりわけ6-ヒドロキシヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、とりわけ2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、とりわけ3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、とりわけ4-ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシヘキシルメタクリレート、とりわけ6-ヒドロキシヘキシルメタクリレート、アリルアルコール、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートである。
【0119】
原理的には、成分(c)として、成分(a)及び/または成分(b)と共重合性である全てのビニル官能化された化合物を用いることができる。成分(c)のモノマーは、結果として生じる感圧接着剤の特性を調整するために用いることができる。
【0120】
成分(c)の例示的なモノマーは次のものである:メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、sec-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、tert-ブチルフェニルアクリレート、tert-ブチルフェニルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、n-ウンデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、トリデシルアクリレート、ベヘニルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロペンチルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、2-ブトキシエチルメタクリレート、2-ブトキシエチルアクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート、3,5-ジメチルアダマンチルアクリレート、4-クミルフェニルメタクリレート、シアノエチルアクリレート、シアノエチルメタクリレート、4-ビフェニルアクリレート、4-ビフェニルメタクリレート、2-ナフチルアクリレート、2-ナフチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、2-ブトキシエチルアクリレート、2-ブトキシエチルメタクリレート、3-メトキシアクリル酸メチルエステル、3-メトキシブチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、2-フェノキシエチルメタクリレート、ブチルジグリコールメタクリレート、エチレングリコールアクリレート、エチレングリコールモノメチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート350、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート500、プロピレングリコールモノメタクリレート、ブトキシジエチレングリコールメタクリレート、エトキシトリエチレングリコールメタクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-ペンタデカフルオロオクチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N-(1-メチルウンデシル)アクリルアミド、N-(n-ブトキシメチル)アクリルアミド、N-(ブトキシメチル)メタクリルアミド、N-(エトキシメチル)アクリルアミド、N-(n-オクタデシル)アクリルアミド、更にN,N-ジアルキル置換アミド、例えばN,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、N-ベンジルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-tert-ブチルアクリルアミド、N-tert-オクチルアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルエーテル、例えばビニルメチルエーテル、エチルビニルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、塩化ビニル、ハロゲン化ビニル、塩化ビニリデン、ハロゲン化ビニリデン、ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、N-ビニルフタルイミド、N-ビニルラクタム、N-ビニルピロリドン、スチレン、α及びp-メチルスチレン、α-ブチルスチレン、4-n-ブチルスチレン、4-n-デシルスチレン、3,4-ジメトキシスチレン。マクロモノマー、例えば2-ポリスチレンエチルメタクリレート(重量平均分子量M 4000~13000g/モル)、ポリ(メチルメタクリレート)エチルメタクリレート(M 2000~8000g/モル)。
【0121】
成分(c)のモノマーは、後の(例えば電子線、UVによる)放射線化学的な架橋を補助する官能基を含むようにも有利に選択できる。適切な共重合性光開始剤は、例えばベンゾインアクリレート及びアクリレート官能化ベンゾフェノン誘導体である。電子照射による架橋を補助するモノマーは、例えばテトラヒドロフルフリルアクリラート、N-tert-ブチルアクリルアミド、及びアリルアクリレートである。
【0122】
ポリアクリレート(「ポリアクリレート」は本発明内では「ポリ(メタ)アクリレート」と同義に理解される)の製造は、当業者に周知の方法に基づいて行うことができ、とりわけ有利には従来のラジカル重合または制御ラジカル重合によって行うことができる。ポリアクリレートは、通常の重合開始剤及び場合によっては調節剤を使用したモノマー成分の共重合によって製造することができ、その際、通常の温度で、塊状で、エマルション中で、例えば水もしくは液状炭化水素中で、または溶液中で重合される。
【0123】
好ましいのは、ポリアクリレートが、(モノマーの総重量に対して)一般的に0.01~5、とりわけ0.1~2重量%の通常の量の重合開始剤を使用した、溶剤中、とりわけ沸点範囲が50~150℃、好ましくは60~120℃の溶剤中でのモノマーの重合によって製造されることである。
【0124】
原理的には、当業者に周知の全ての通常の開始剤が適している。ラジカル源の例は、ペルオキシド、ヒドロペルオキシド、及びアゾ化合物、例えばジベンゾイルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド、シクロヘキシルスルホニルアセチルペルオキシド、ジイソプロピルペルカルボネート、t-ブチルペルオクトエート、ベンゾピナコールである。非常に好ましい手順の一つでは、ラジカル開始剤として、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(DuPont社のVazo(登録商標)67TM)または2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)(2,2’-アゾビスイソブチロニトリル;AIBN;DuPont社のVazo(登録商標)64TM)が使用される。
【0125】
ポリ(メタ)アクリレートを製造するための溶剤としては、アルコール、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール及びイソプロパノール、n-ブタノール及びイソブタノール、好ましくはイソプロパノール及び/またはイソブタノール、並びに炭化水素、例えばトルエン及びとりわけ沸点範囲が60~120℃のベンジンが考慮される。更にケトン、例えば好ましくはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びエステル、例えば酢酸エチルエステル、並びに挙げた種類の溶剤の混合物を用いることができ、とりわけ、用いられる溶剤混合物に対して2~15重量%、好ましくは3~10重量%の量でイソプロパノールを含有する混合物が好ましい。
【0126】
好ましいのは、ポリアクリレートの製造(重合)後に濃縮が行われ、ポリアクリレートの更なる加工が実質的に溶剤なしで行われることである。重合体の濃縮は、架橋剤物質及び促進剤物質の不在下で行うことができる。ただし、これらの化合物クラスの1つを濃縮前に既に重合体に添加してもよく、つまりその場合、濃縮はこの(これらの)物質の存在下で行われる。
【0127】
重合物は、濃縮ステップの後に配合機に移すことができる。場合により、濃縮及び配合は同じ反応器中で行うこともできる。
【0128】
ポリアクリレートの重量平均分子量Mは、好ましくは20,000~2,000,000g/molの範囲内、非常に好ましくは100,000~1,500,000g/molの範囲内、極めて好ましくは150,000~1,000,000g/molの範囲内である。所望の平均分子量を調整するため、適切な重合調節剤、例えばチオール、ハロゲン化合物、及び/またはアルコールの存在下で重合を実施することが有利であり得る。
【0129】
本明細書における重量平均分子量M、数平均分子量M及び多分散度PDのデータは、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)による決定に関する。この決定は、清澄ろ過した試料100μl(試料濃度4g/l)について行われる。溶離液としては、トリフルオロ酢酸を0.1体積%含むテトラヒドロフランを用いる。測定は25℃で行う。プレカラムとして、PSS-SDVタイプ、5μm、10Å、8.0mm×50mmのカラム(データはここで及び以下では順番に:タイプ、粒子サイズ、多孔度、内径×長さ;1Å=10-10m)を使用する。分離には、PSS-SDVタイプ、5μm、10Å並びに10Å及び10Å、それぞれ8.0mm×300mmのカラムの組合せを用いる(Polymer Standards Service社のカラム;示差屈折計Shodex RI71によって検出)。貫流量は1分当たり1.0mlである。較正は、ポリアクリレートの場合はPMMA標準に対して(ポリメチルメタクリレート較正)、及びその他(樹脂、エラストマー)はPS標準に対して(ポリスチレン較正)行われる。
【0130】
ポリアクリレートは、トルエン(1%濃度溶液、21℃)中で測定したK値が30~90、特に好ましくは40~70であることが好ましい。フィケンチャー法に基づくK値は、重合体の分子量及び粘度に関する尺度である。この方法の原理は、相対的な溶液粘度を毛管粘度計によって決定することに基づいている。このために、試験物質をトルエン中に、30分振動することで溶解させ、これにより1%濃度溶液を得る。Vogel-Ossag粘度計において流出時間を25℃で測定し、それを基に、純粋な溶剤の粘度に対する試料溶液の相対粘度を決定する。フィケンチャー法[P.E.Hinkamp、Polymer、1967、8、381(非特許文献2)]に基づき、表からK値を読み取ることができる(K=1000k)。
【0131】
本発明により特に適しているのは、狭い分子量分布(多分散度PD<4)を有するポリアクリレートである。このポリアクリレートは、分子量が比較的低いにもかかわらず、架橋後に特に良好なせん断強度を有する。加えて比較的低い多分散度は、適用特性がほぼ同じであれば、より幅広く分布したポリアクリレートに比べて流動粘度が低いので、融体状での加工を比較的容易にすることができる。狭く分布したポリ(メタ)アクリレートは、アニオン重合または制御ラジカル重合法によって有利に製造でき、制御ラジカル重合法が特によく適している。N-オキシルにより、対応するポリアクリレートを製造することもできる。更に、狭く分布したポリアクリレートの合成に原子移動ラジカル重合(ATRP)を有利に用いることができ、その際、開始剤として、単官能性または二官能性の第二級または第三級のハロゲン化物、及びこの(これらの)ハロゲン化物の引き抜きのためにCu錯体、Ni錯体、Fe錯体、Pd錯体、Pt錯体、Ru錯体、Os錯体、Rh錯体、Co錯体、Ir錯体、Ag錯体、またはAu錯体を用いることが好ましい。
【0132】
ポリ(メタ)アクリレートを製造するためのモノマーは、エポキシ基との連結反応に適した官能基をその配分に応じて含むことが好ましい。これは、エポキシドとの反応によるポリアクリレートの熱架橋を有利に可能にする。連結反応とは、とりわけ付加反応及び置換反応のことである。つまりとりわけ、エポキシ基を有する連結ブリッジとしての架橋分子を介して、官能基を有するポリマー構成要素を架橋するという意味における、官能基を有する構成要素とエポキシ基を有する構成要素との連結が生じることが好ましい。エポキシ基含有物質は、多官能性エポキシド、つまり少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシドであることが好ましく、したがって総括すると、官能基を有する構成要素の間接的な連結が生じることが好ましい。
【0133】
本発明による感圧接着剤のポリ(メタ)アクリレートは、熱架橋により、ポリ(メタ)アクリレートに含有されている官能基が、とりわけ付加反応または置換反応の意味における連結反応によって架橋されるのが好ましい。加工プロセス、とりわけ押出成形プロセス中にゲル化が生じない十分に長い加工時間を保証すると共に、加工温度より低い温度、とりわけ室温での、所望の架橋度へのポリマーの迅速な後架橋をもたらす全ての熱架橋剤を使用することができる。架橋剤としては、例えばカルボキシル基、アミン基、及び/またはヒドロキシ基を含むポリマー、並びにイソシアナート、とりわけ脂肪族イソシアナートまたはアミンによって不活化され三量化されたイソシアナートからの組合せが可能である。
【0134】
適切なイソシアナートは、とりわけMDI[4,4-メチレン-ジ(フェニルイソシアネート)]、HDI[ヘキサメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキシレンジイソシアネート]、及び/またはIPDI[イソホロンジイソシアナト、5-イソシアナト-1-イソシアナトメチル-1,3,3-トリメチルシクロヘキサン]の三量化された誘導体であり、例えばDesmodur(登録商標)N3600及びXP2410タイプ(それぞれBAYER AG:脂肪族ポリイソシアネート、低粘度のHDIの三量体)である。 微粒子化され三量化されたIPDI BUEJ339(登録商標)、現在はHF9(登録商標)(BAYER AG)の表面不活化された分散系も適している。
【0135】
ただし他のイソシアネート、例えばDesmodur VL 50(MDIベースのポリイソシアネート、Bayer AG)、Basonat F200WD(脂肪族ポリイソシアネート、BASF AG)、Basonat HW100(HDIベースの水乳化性多官能性イソシアネート、BASF AG)、Basonat HA 300(HDIイソシアヌレートベースのアロファネート修飾されたポリイソシアネート、BASF)、またはBayhydur VPLS2150/1(親水性に修飾されたIPDI、Bayer AG)も、基本的に架橋に適している。
【0136】
熱架橋剤は、架橋すべきポリマーの総量に対して0.1~5重量%で、とりわけ0.2~1重量%で用いられるのが好ましい。
【0137】
本発明による感圧接着剤のポリ(メタ)アクリレートは、エポキシド(複数種可)または1種もしくは複数のエポキシ基含有物質(複数種可)によって架橋されるのが好ましい。エポキシ基含有物質は、とりわけ多官能性エポキシド、つまり少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシドであり、したがって総括すると、官能基を有するポリ(メタ)アクリレート構成要素の間接的な連結が生じる。エポキシ基含有物質は、芳香族化合物であっても脂肪族化合物であってもよい。
【0138】
ことさら適した多官能性エポキシドは、エピクロロヒドリンのオリゴマー、多価アルコール(とりわけエチレングリコール、プロピレングリコール、及びブチレングリコール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、ペンタエリトリトール、ソルビトール、ポリビニルアルコール、ポリアリルアルコール、及びその類似物)のエポキシエーテル、多価フェノール[とりわけレゾルシン、ヒドロキノン、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-メタン、ビス-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-メタン、ビス-(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロムフェニル)-メタン、ビス-(4-ヒドロキシ-3,5-ジフルオロフェニル)-メタン、1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシ-3-クロロフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)-プロパン、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-フェニルメタン、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-フェニルメタン、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4’-メチルフェニルメタン、1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-2,2,2-トリクロロエタン、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-(4-クロロフェニル)-メタン、1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-シクロヘキサン、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-シクロヘキシルメタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、2,2’-ジヒドロキシジフェニル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン]のエポキシエーテル及びヒドロキシエチルエーテル、フェノール-ホルムアルデヒド縮合生成物、例えばフェノールアルコール、フェノールアルデヒド樹脂、及びその類似物、S含有及びN含有のエポキシド(例えばN,N-ジグリシジルアニリン、N,N’-ジメチルジグリシジル-4,4-ジアミノジフェニルメタン)、並びに通常の方法に基づいてポリ不飽和カルボン酸または不飽和アルコールのモノ不飽和カルボン酸エステルから製造されたエポキシド、グリシジルエステル、不飽和酸のグリシジルエステルの重合もしくは混合重合によって獲得し得るか、またはそのほかの酸性化合物(シアヌル酸、ジグリシジルスルフィド、環状トリメチレントリスルホン、もしくはそれらの誘導体など)から得られるポリグリシジルエステルである。
【0139】
非常に適したエーテルは、例えば1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、ポリグリセロール-3-ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテル、ビスフェノール-A-ジグリシジルエーテル、及びビスフェノール-F-ジグリシジルエーテルである。
【0140】
架橋すべきポリマーとしてのポリ(メタ)アクリレートのために特に好ましいのは、加工時間、架橋キネティクス、及び架橋度についてのより良いコントロールを得るために、例えばEP1978069A1(特許文献9)に記載された架橋剤・促進剤系(「架橋系」)を使用することである。架橋剤・促進剤系は、架橋剤として、少なくとも1種のエポキシ基含有物質を、及び促進剤として、架橋すべきポリマーの融解温度未満の温度でエポキシ基含有化合物による架橋反応に促進性に作用する少なくとも1種の物質を含んでいる。
【0141】
促進剤としては、本発明によりアミン(正式にはアンモニアの置換生成物と解釈され;下記の式では、これらの置換基を「R」で表しており、かつとりわけアルキル残基及び/もしくはアリール残基並びに/またはそのほかの有機残基を含んでいる)が用いられるのが特に好ましく、とりわけ用いられるのが好ましいのは、架橋すべきポリマーの構成要素と反応しないかまたは僅かにしか反応しないアミンである。
【0142】
原理的には、促進剤として第一級アミン(NRH)も、第二級アミン(NRH)も、第三級アミン(NR)も、もちろん複数の第一級アミン基及び/または第二級アミン基及び/または第三級アミン基を有するアミンも選択することができる。ただし特に好ましい促進剤は、第三級アミン、例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6-トリス-(N,N-ジメチルアミノメチル)-フェノール、N,N’-ビス(3-(ジメチルアミノ)プロピル)尿素である。ジアミン、トリアミン、及び/またはテトラミンのような多官能性アミンも促進剤として有利に用い得る。ことさら適しているのは、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリメチルヘキサメチレンジアミンである。
【0143】
それだけでなくアミノアルコールを促進剤として使用することが好ましい。第二級及び/または第三級のアミノアルコールが用いられるのが特に好ましく、その際、1分子にアミン官能基が複数ある場合には、好ましくは少なくとも1つの、好ましくは全てのアミン官能基が、第二級及び/または第三級である。好ましいアミノアルコール促進剤としては、トリエタノールアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)エタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、2-アミノシクロヘキサノール、ビス(2-ヒドロキシシクロヘキシル)メチルアミン、2-(ジイソプロピルアミノ)エタノール、2-(ジブチルアミノ)エタノール、N-ブチルジエタノールアミン、N-ブチルエタノールアミン、2-[ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、1-[ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-プロパノール、トリイソプロパノールアミン、2-(ジメチルアミノ)エタノール、2-(ジエチルアミノ)エタノール、2-(2-ジメチルアミノエトキシ)エタノール、N,N,N’-トリメチル-N’-ヒドロキシエチルビスアミノエチルエーテル、N,N,N’-トリメチルアミノエチルエタノールアミン、及び/またはN,N,N’-トリメチルアミノプロピルエタノールアミンを用いることができる。更なる適切な促進剤は、ピリジン、イミダゾール類(例えば2-メチルイミダゾール)、及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンである。脂環式ポリアミンも促進剤として用いることができる。リン酸塩ベースの促進剤、例えばホスフィン類及び/またはホスホニウム化合物、例えばトリフェニルホスフィンまたはテトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートも適している。
【0144】
本発明による感圧接着剤は、更に少なくとも一種の合成ゴムを含む。本発明によれば、感圧接着剤の総重量に対して15~50重量%で、1種または複数の合成ゴムが含有されている。好ましくは、該感圧接着剤は、少なくとも1種の合成ゴムを、感圧接着剤の総重量に対して20~40重量%含有する。
【0145】
好ましくは、本発明による感圧接着剤の少なくとも一種の合成ゴムは、A-B、A-B-A、(A-B)、(A-B)Xまたは(A-B-A)Xの構成を持つブロックコポリマーであり、
式中、
-ブロックAは、互いに独立して、少なくとも一種のビニル芳香族類の重合によって形成されたポリマーを表し;
- ブロックBは、互いに独立して、炭素原子数4~18の共役ジエン及び/またはイソブチレンの重合によって形成されたポリマー、またはこのようなポリマーの部分もしくは完全水素化誘導体を表し;
- Xは、カップリング試薬または開始剤の残部を表し、そして
- nは≧2の整数を表す。
【0146】
特に、本発明による感圧接着剤の全ての合成ゴムが、先に記載した構造を有するブロックコポリマーである。それ故、本発明による感圧接着剤は、上述のような構成を持つ異なるブロックコポリマーの混合物を含むこともできる。
【0147】
すなわち、適当なブロックコポリマー(ビニル芳香族ブロックコポリマー)は、一つ以上のゴム様ブロックB(軟質ブロック)及び一つ以上のガラス様ブロックA(硬質ブロック)を含む。特に好ましくは、本発明による感圧接着剤の少なくとも一種の合成ゴムは、A-B、A-B-A、(A-B)Xまたは(A-B)Xの構成を持つブロックコポリマーであり、ここでA、B及びXについては上述の意味が適用される。中でも特に好ましくは、本発明による感圧接着剤の全ての合成ゴムは、A-B、A-B-A、(A-B)Xまたは(A-B)Xの構成を持つブロックコポリマーであり、ここでA、B及びXについては上述の意味が適用される。特に、本発明による感圧接着剤の合成ゴムは、A-B、A-B-A、(A-B)Xまたは(A-B)Xの構造を持つブロックコポリマーからなる混合物であり、これは、好ましくは、少なくともジブロックコポリマーA-B及び/またはトリブロックコポリマーA-B-Aを含む。
【0148】
ブロックAは、一般的に、室温を超える好ましいガラス転移温度(T)を有するガラス様ブロックである。特に好ましくは、前記ガラス様ブロックのTは、少なくとも40℃、特に少なくとも60℃、就中特に好ましくは少なくとも80℃、非常に好ましくは少なくとも100℃である。該ブロックコポリマー全体に対するビニル芳香族ブロックAの割合は、好ましくは10~40重量%、特に好ましくは20~33重量%である。ブロックAの構成のためのビニル芳香族類は、好ましくはスチレン、α-メチルスチレン及び/または他のスチレン誘導体を含む。それ故、ブロックAは、ホモポリマーまたはコポリマーとして存在することができる。特に好ましくは、ブロックAはポリスチレンである。
【0149】
該ビニル芳香族ブロックコポリマーは、一般的に、室温より低い好ましいTgを有するゴム様ブロックBまたは軟質ブロックを更に含む。該軟質ブロックのTは、特に好ましくは0℃未満、特に-10℃未満、例えば-40℃未満、非常に特に好ましくは-60℃未満である。
【0150】
軟質ブロックBのためのモノマーとしての好ましい共役ジエンは、特に、ブタジエン、イソプレン、エチルブタジエン、フェニルブタジエン、ピペリレン、ペンタジエン、ヘキサジエン、エチルヘキサジエン、ジメチルブタジエン及びファルネセン異性体、並びに上記のモノマーの任意の混合物からなる群から選択される。ブロックBもホモポリマーとしてまたはコポリマーとして存在し得る。
【0151】
特に好ましくは、軟質ブロックBのためのモノマーとしての共役ジエンは、ブタジエン及びイソプレンから選択される。例えば、軟質ブロックBは、ポリイソプレン、ポリブタジエン、またはこれら両者のポリマーの部分的にもしくは完全に水素化された誘導体、例えば特にポリブチレンブタジエン; またはブタジエン及びイソプレンからなる混合物でできたポリマーである。非常に特に好ましくは、ブロックBはポリブタジエンである。
【0152】
更に、本発明による感圧接着剤は、前記ポリ(メタ)アクリレート(複数種可)と相溶性の少なくとも一種の粘着性付与剤(これは、接着力増強剤または粘着樹脂とも称し得る)を含む。「粘着性付与剤」とは、当業者の一般的な理解に一致して、粘着性付与剤は含まないものの他は同じ感圧接着剤と比べてた場合に感圧接着剤の自動付着(タック、固有粘着性)を高めるオリゴマー性またはポリマー性樹脂のことと解される。
【0153】
「前記ポリ(メタ)アクリレート(複数種可)と相溶性の粘着性付与剤」とは、ポリ(メタ)アクリレートと粘着性付与剤との徹底的な混合の後に得られた系のガラス転移温度を、純粋なポリ(メタ)アクリレートと比べて変化させるが、ポリ(メタ)アクリレートと粘着性付与剤との混合物でさえ、たった一つのTgに帰属し得る粘着性付与剤のことと解される。前記ポリ(メタ)アクリレート(複数種可)と非相溶性の粘着性付与剤は、ポリ(メタ)アクリレートと粘着性付与剤との徹底的な混合の後に得られた系では、一つはポリ(メタ)アクリレートに、他は樹脂ドメインに帰属するものであろう二つのTgを与えるであろう。これに関連してTgの決定は、DSC(示差走査熱量測定)を用いて熱量測定により行われる。
【0154】
本発明による組成物のポリ(メタ)アクリレート相溶性樹脂は、好ましくは、0℃未満の、非常に好ましくはせいぜい-20℃のDACP値、及び/または好ましくは40℃未満の、非常に好ましくはせいぜい20℃のMMAP値を有する。DACP及びMMAP値の決定のためには、C.Donker,PSTC Annual Technical Seminar,Proceedings,S.149-164,Mai 2001(非特許文献1)を参照されたい。
【0155】
本発明によれば、好ましくは、ポリ(メタ)アクリレートと相溶性の前記粘着性付与剤は、テルペンフェノール樹脂またはロジン誘導体、特に好ましくはテルペンフェノール樹脂である。本発明による感圧接着剤は、複数の粘着性付与剤の混合物も含むことができる。ロジン誘導体の中では、ロジンエステルが好ましい。
【0156】
本発明による感圧接着剤は、感圧接着剤の総重量を基準にして、ポリ(メタ)アクリレートと相溶性の少なくとも一種の粘着性付与剤を好ましくは7~25重量%の割合で含む。特に好ましくは、ポリ(メタ)アクリレートと相溶性の一種または複数種の粘着性付与剤は、感圧接着剤の総重量を基準にして12~20重量%の割合で含まれる。
【0157】
好ましくは、本発明による感圧接着剤のポリ(メタ)アクリレートと相溶性の一種または複数種の粘着性付与剤は、合成ゴムと、特にそれの軟質ブロックBとも相溶性であるか、または少なくとも部分的に相溶性であり、この際、用語「相溶性」についての上記の定義が応じて当てはまる。ポリマー/樹脂相溶性は、とりわけ、ポリマー及び樹脂のモル質量に依存する。モル質量(複数可)が小さいほど相溶性はより良好である。或る所定のポリマーについては、樹脂モル質量分布の低分子量成分がこのポリマーと相溶性であり、他方で高分子量成分とは相溶性でないことが可能である。これは、例えば部分相溶性の場合の一例である。
【0158】
本発明による感圧接着剤中のポリ(メタ)アクリレートと合成ゴムとの重量比は好ましくは1:1~3:1、特に1.8:1~2.2:1である。
【0159】
本発明による感圧接着剤中のポリ(メタ)アクリレートと相溶性の粘着性付与剤と合成ゴムとの重量比は、好ましくは最大で2:1、特に最大で1:1である。少なくとも、この重量比は好ましくは1:4である。
【0160】
特に好ましくは、本発明による感圧接着剤は、
a) 感圧接着剤の総重量に対して50~60重量%の少なくとも一種のポリ(メタ)アクリレート;
b) 感圧接着剤の総重量に対して20~40重量%の少なくとも一種の合成ゴム; 及び
c) 7~25重量%の、一種または複数種のポリ(メタ)アクリレートと相溶性の少なくとも一種の粘着性付与剤、
を含む。
【0161】
好ましくは、合成ゴムは、本発明による感圧接着剤内では、ポリ(メタ)アクリレート中に分散した状態で存在する。応じて、ポリ(メタ)アクリレート及び合成ゴムそれら自体は、好ましくはそれぞれ均一な相である。該感圧接着剤中に含まれるポリ(メタ)アクリレート及び合成ゴムは、これらが、23℃では、均質となるまでは互いに混和可能ではないように選択されることが好ましい。それ故、本発明による感圧接着剤は、少なくとも微視的には及び少なくとも室温では、好ましくは少なくとも二相の構造で存在する。特に好ましくは、ポリ(メタ)アクリレート(複数種可)及び合成ゴム(複数種可)は、0~50℃、特に-30~80℃の温度範囲で互いに均質に混合可能ではなく、そのため、感圧接着剤は、これらの温度範囲で少なくとも微視的には少なくとも二相の状態で存在する。
【0162】
緊密な混合の後にも、少なくとも二つの安定な相の形成を物理的に及び/または化学的に少なくとも微視的に検出できる場合に、成分は、本明細書の意味では「互いに均質に混合可能ではない」と定義され、この際、一方の相は一方の成分に富んでおり、そして第二の相は他方の成分に富んでいる。この際、一方の成分が他方の成分中に、多相の形成を妨げない取るに足らない少量で存在することは、重要とは見なされない。それ故、相の分離に影響を与える本質的な量ではない限りは、ポリ(メタ)アクリレート相中に少量の合成ゴムが及び/または合成ゴム相中に少量のポリ(メタ)アクリレート成分が存在し得る。
【0163】
相の分離は、特に、合成ゴムに富む、すなわち本質的に合成ゴムから形成される個別の領域(“ドメイン”)が、ポリ(メタ)アクリレートに富む、すなわち本質的にポリ(メタ)アクリレートから形成される連続マトリックス中に存在することによって、実現され得る。
【0164】
相分離のための適切な分析装置は、例えば走査電子顕微鏡である。しかし、相分離は、例えば、異なる相が動的示差熱量分析(DDK、DSC)で互いに独立したガラス転移温度を示すことによっても確認できる。本発明においては、上記の分析方法の少なくとも一つによって明らかに示され得る場合に相分離が存在する。
【0165】
加えて、成ゴムに富むドメイン内では、追加的な多相性が微細構造として存在し得、この際、Aブロックが一つの相を、そしてBブロックが第二の相を形成する。
【0166】
本発明による感圧接着剤は、これまで記載した構成分の他に、ポリ(メタ)アクリレートとは相溶性ではない一種または複数種の炭化水素樹脂を含むことができる。同様に粘着性付与剤でもあるこのような炭化水素樹脂には、好ましくは、ジシクロペンタジエンの水素化重合体; C5-、C5/C9-もしくはC9-モノマー流をベースとする非水素化、部分的、選択的もしくは完全水素化炭化水素樹脂、及びα-ピネン及び/またはβ-ピネン及び/またはδ-リモネンをベースとするポリテルペン樹脂が包含される。これらの炭化水素樹脂は、好ましくは少なくとも0℃、非常に好ましくは少なくとも20℃のDACP値、及び/または好ましくは少なくとも40℃、非常に好ましくは少なくとも60℃のMMAP値を有する。
【0167】
上記の炭化水素樹脂は、単独でも、または混合物としても該感圧接着剤中に含まれ得る。特に好ましい炭化水素樹脂は、α-ピネン及び/またはβ-ピネン及び/またはδ-ピネンをベースとするポリテルペン樹脂である。
【0168】
好ましくは、本発明による感圧接着剤は発泡されている。発泡は、任意の化学的及び/または物理的方法を用いて行うことができる。しかし、好ましくは、発泡された本発明による感圧接着剤は、マイクロバルーンを導入し、その後それを膨張させることによって得られる。マイクロバルーンに関しては、上記の記載が当てはまる。
【0169】
発泡された本発明による感圧接着剤の密度は、好ましくは200~1000kg/m、より好ましくは300~900kg/m、特に400~800kg/mである。
【0170】
本発明による感圧接着剤の使用分野及び所望の特性に応じて、これには更に別の成分及び/または添加剤を加えることができ、詳しくはそれぞれ単独で、または一種もしくは複数の添加剤または成分と組み合わせで加えることができる。
【0171】
例えば、本発明による感圧接着剤は、例えば粉末状及びグラニュール状で、特に研磨性及び強化性でもあるフィラー、染料及び顔料、例えばチョーク(CaCO)、二酸化チタン、酸化亜鉛及び/またはカーボンブラックを含むことができる。好ましくは、該感圧接着剤は、一種または複数種の形態のチョーク、特に好ましくはSoehlde社のマイクロゼール(Mikrosoehl)チョークをフィラーとして含む。20重量%までの好ましい割合では、接着技術上の特性(室温でのせん断強度、鋼及びPE上での即時接着力)は、フィラーの添加によっては事実上変化しない。更に、様々な有機フィラーも含まれ得る。本発明による感圧接着剤のための適した添加剤は、更に-独立して他の添加剤から選択されて-非膨張性のポリマー中空ビード、ポリマー中実ビード、ガラス中空ビード、ガラス中実ビード、セラミック中空ビード、セラミック中実ビード及び/または炭素中実ビード(「カーボンマイクロバルーン」)である。更に、本発明による感圧接着剤は、難燃性フィラー、例えばポリリン酸アンモニウム、電気伝導性フィラー、例えば伝導性カーボンブラック、炭素繊維及び/または銀被覆ビード; 熱伝導性材料、例えば窒化ホウ素、酸化アルミニウム、炭化ケイ素; 強磁性添加剤、例えば酸化鉄(III); 有機系の再生可能原料、例えば木粉、有機及び/または無機ナノ粒子、繊維、配合剤、老化防止剤、耐光保護剤及び/または耐オゾン保護剤を含むことができる。
【0172】
任意選択的に、軟化剤が含まれ得る。軟化剤としては、例えば(メタ)アクリレートオリゴマー、フタレート、シクロヘキサンジカルボン酸エステル、水溶性軟化剤、軟化樹脂、ホスフェートまたはポリホスフェートを計量添加できる。
【0173】
該感圧接着剤の熱せん断強度を調節するためには、シリカ、有利にはジメチルジクロロシランで表面変性された沈降シリカの添加を利用できる。
【0174】
本発明による感圧接着剤の製造方法は、最初に、ポリマーの製造から生じたポリアクリレート溶液または分散液の濃縮を含むことができる。重合体の濃縮は、架橋剤物質及び促進剤物質の不在下で行うことができる。ただし、これらの物質のうちの最大1つを濃縮前に既に重合体に添加してもよく、つまりその場合、濃縮はこの(これらの)物質の存在下で行われる。
【0175】
合成ゴムは、ポリ(メタ)アクリレートと相溶性の樹脂と一緒に、(例えば遊星ローラ押出機の)配合機中に固形物計量供給装置を介して加えることができる。サイドフィーダーを介して、濃縮された及び場合によっては既に溶融されたポリ(メタ)アクリレートを配合機中に導入することができる。該方法の特定の実施形態の一つでは、濃縮と配合とを同じ反応器中で行うことも可能である。該ポリ(メタ)アクリレート相溶性樹脂は、樹脂溶融物及び更に別のサイドフィーダーを介して、プロセスの他の場面、例えば合成ゴム及びポリ(メタ)アクリレートの投与後にも供給することができる。
【0176】
更に別の添加剤及び/または軟化剤も同様に、固形物もしくは溶融物としてまたは他の調合物成分と組み合わせたバッチとしても供給することができる。配合機としては、特に押出機を使用することができる。該ポリマーは、配合機中に好ましくは溶融物として存在する、というのも、これらは既に溶融状態で導入されるかまたはこれらは配合機中で溶融物になるまで加熱されるからである。有利には、重合体は配合機中で加熱することによって溶融の状態に維持される。
【0177】
ポリ(メタ)アクリレートの架橋のために促進剤物質が使用される場合は、これらは、好ましくは二次加工、特にコーティングまたは他の方法での成形の直前になって始めて重合に加えられる。コーティングの前の添加の時間窓は、特に、供されるポットライフ、すなわち、生じる製品の特性が不利に変化することのない溶融物の状態での加工時間に依存する。
【0178】
架橋剤、例えばエポキシドド及び促進剤は、両方とも、組成物の二次加工の直前に、すなわち有利には、促進剤について上述したような段階で加えることができる。このためには、架橋剤及び促進剤を、場合によってはエポキシ-促進剤混合物として、一つの同じ箇所で同時に該プロセスに導入することが有利である。基本的には、上記の実施態様において、促進剤を架橋剤物質の前に添加できるように、架橋剤及び促進剤の添加時点及び添加箇所を取り替えることも可能である。
【0179】
組成物の配合の後は、それの二次加工、特に永続的または一次的なキャリア上へのコーティングを行うことができる。永続的なキャリアは、使用時に接着剤層と接合したままで残り、他方で、一次的なキャリアは、更なる加工プロセス、例えば接着テープの仕上げ加工においてまたは接着層の使用の時には除去される。
【0180】
自着剤のコーティングは、当業者には既知のホットメルトコーティングノズルまたは好ましくはロール塗布装置(コーティングカレンダとも称される)を用いて行うことができる。このコーティングカレンダは、有利には、二つ、三つ、四つまたはそれ超のロールからなることができる。
【0181】
好ましくは、ロールのうちの少なくとも一つは、抗付着性のロール表面を備えている。好ましくは、感圧接着剤と接触するカレンダの全てのロールが抗付着性に加工されている。抗付着性ロール表面としては、好ましくは鋼-セラミック-シリコーン複合材料が使用される。このようなロール表面は、熱及び機械的負荷に対して耐性がある。
【0182】
表面構造を有するロール表面、特に表面が加工される材料層と完全に接触するのではなく、接着面が平滑なロールと比べて小さくなるような表面構造を有する時に特に有利であることが判明した。特に有利なのは、金属製彫刻ロール、例えば鋼製彫刻ロールなどの構造化されたロールである。
【0183】
本発明の更に別の対象の一つは、このような感圧接着剤の少なくとも一つの層を含む接着テープ、例えば転写式テープである。これらは、特により厚手の層厚の形成のために適している。
【0184】
例示的に使用可能なポリアクリレート系ベースポリマーは次のように製造される:
ラジカル重合のために慣用の反応器に、2-エチルヘキシルアクリレート72.0kg、メチルアクリレート20.0kg、アクリル酸8.0kg、及びアセトン/イソプロパノール(94:6)66.6kgを充填した。撹拌しながら窒素ガスを45分間導通させた後に、反応器を58℃に加熱し、AIBN 50gをアセトン500g中に溶解させて添加した。次いで、外部の加熱浴を75℃に加温し、そして反応をこの外部温度で一定に行った。1時間後に新たにAIBN 50gをアセトン500g中に溶解させて加え、4時間後にアセトン/イソプロパノール混合物(94:6)10kgで希釈した。5時間後及び7時間後にそれぞれ、それぞれアセトン500g中に溶解させたビス-(4-tert-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート150gでそれぞれ再び開始させた。22時間の反応時間の後に、重合を中断し、室温まで冷却した。生成物は固形物含有率55.8%を有し、乾燥された。生じたポリアクリレートは、K値58.9(決定は上述のように行った)、平均分子量M=748,000g/mol、多分散度D(M/M)=8.9、及びガラス転移温度T=-35.2℃を有した。
【0185】
このポリアクリレートベースポリマーを使用した場合は、本発明による接着テープは、例えば次のように製造できる(DE102013215297A1(特許文献8)の例1参照、この接着テープは以下にK1と称する)。
【0186】
遊星ローラ押出機中で、固形物質計量供給装置を介して、グラニュールとしての合成ゴムKraton D1118(ジブロック78重量%、ブロックポリスチレン含有率33重量%、ブタジエンブロック中の1,2-結合共役ジエンの割合10重量%のKraton Polymers社のスチレン-ブタジエン-スチレントリブロックコポリマー)を溶融した。その後、マイクロバルーンペーストを添加した(Akzo Nobel社の、Ethomeen C25中50%のExpancel 051DU40、すなわち第三級アミンエトキシレート中の未膨張マイクロバルーン)。サイドフィーダーを介して、このポリアクリレートベースポリマーを供給し、これを単軸スクリュー押出機中で予溶融し、そしてテルペンフェノール樹脂(DRT社製のDertophen DT105)を計量添加した。この混合物に、架橋剤溶液(Polypox R16、Rheofos RDP中15%)及び促進剤溶液(Rheofos RDP中15%のEpikure 925)を添加した。Polypox R16は、熱誘導エポキシド架橋剤(ペンタエリトリトールポリグリシジルエーテル、製造業者:BASF)であり、Epikure 925は、Hexion社のトリエチレンテトラミンである。Reofos RDPは高分子量リン酸エステルであり、これは難燃剤として作用する(製造業者: Great Lakes)。溶融物を十分に混合し、そして二本ロールカレンダーを用いて二つの剥離紙(シリコーン被覆したPETフィルム)の間にコーティングした。例えば、1000μmの層厚及び550kg/mの密度を有する単層接着テープが得られた。組成は、48%のポリアクリレート、25%のKraton D1118、18%のDertophen DT105、4%の架橋剤/促進剤溶液(架橋剤:促進剤=1:1)、5%のマイクロバルーンペーストであった(重量%単位)。他の例では、Kraton D1118の代わりに、同様にKraton Polymers社のKraton D1102、すなわちスチレン及びブタジエンをベースとし、28重量%のポリスチレン含有率を有する線状トリブロックコポリマーを使用する。更に、Dertophen DT105の他、Piccolyte A115、すなわちPinova社のポリテルペン樹脂も使用できる。
【0187】
本発明は、先に記載した通り、本発明による引き剥がし力比が遵守される限り、接着すべき表面、接着剤及びライナーとは無関係に使用可能である。特に、本発明は、低エネルギー表面、すなわち非極性表面(LSE(low surface energy)表面)にも適している。このような表面では、慣用の貼付方法はしばしばうまく機能せず、接着ダイカットの信頼できる貼付を保証することができない。
【0188】
これに対して本発明は、低エネルギー表面上への信頼できる貼付も可能にする。本発明は、50mN/m以下、好ましくは40mN/m未満、特に35mN/m未満の表面エネルギーを有する表面の接着のために特に適している。
【0189】
特に、自動車分野における使用では、金属の代わりにプラスチックが益々より頻繁に使用されてるようになっている。これらは、一般的に低い表面エネルギーを有し、このような低い表面エネルギーは、これらの下地への接着をしばしば困難にする。ここで、本発明による方法は特に有用である。本発明による方法を用いて特に良好に接着可能な非極性表面には、例えば、フッ素含有ポリマー、例えばテフロン、ケイ素有機ポリマー、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、EPDMまたはポリプロピレン-EPDM複合体、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、ポリビニル芳香族類、例えばポリスチレン、またはスチレンをベースとするコポリマー(例えばスチレン-ブタジエン-ブロックコポリマー、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー)、ポリビニルアセテート、ポリアクリレート、例えばポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、セルロースアセテート、エチルセルロースをベースとする非極性表面、あるいは上記のポリマーのセグメントを含むポリマーをベースとする非極性表面、あるいは(場合により他のポリマーと組み合わせた)上記のポリマーの混合物をベースとする非極性表面が挙げられる。これに関連して「ポリマーをベースとする」という記載は、上記のポリマーが主として表面材料の機能を担うことを意味する。典型的には、上記のポリマーは、表面材料中において単一のポリマーとして企図されるか、またはいずれの場合でも、前記ポリマーは、全ポリマー成分の総割合を基準にして少なくとも50重量%の割合まで意図される。これに関連して樹脂はポリマーとは見なされない。しかし、本発明による方法は、ポリマー材料以外の基材、例えばガラスまたはセラミック材料、金属、例えば特殊鋼、金属酸化物またはこれらの組み合わせの接着にも適している。この際、これらの材料は、純粋な形で存在し得るか、または他の材料がブレンドもしくは充填されていることができる。更に、該材料は、リサイクル材料であることができ、または(例えば伝導性または触覚を高める/低めるための)機能性物質であることができる。
【0190】
それ故、本発明による方法は、非常に様々な工業的な用途に適しており、好ましくは、内装の用途に、及びこの際特に建物、自動車または電子部門において使用される。
【0191】
該方法は、例えば自動車の室内領域での接着に使用でき、この際、ドア、特に内部ドア、運転席、センターコンソール、座席、またはそれのベース構造または個々の部材が互いに接合される他の部材などに使用できる。またこれは、例えば、自動車の車体側の成形部材、バックミラー、外装部材、ウェザーストリップ、道路標識、看板、建築物、制御キャビネット、シェルモールド、機械部材、接続ソケット、または光起電モジュール用のバックシートソリューション(すなわち太陽電池工業でのバックシートソリューション)の接着において使用することができる。更に、これは自動車透明塗料表面、例えば特に乗用車などの乗り物用の透明塗料との接合のために使用できる。該ダイカットを貼付できる基材は、各々の用途に応じて選択できる。例えば、該ダイカットは、フィルム製品(例えば、装飾用図柄及び反射性製品)、ラベル材料及びテープキャリア上に貼付することができる。更に、これは、他の基材、例えば金属プレート(例えば、乗り物のパネル)またはガラス窓上に直接貼付でき、そうして、他の基材または物品を、このプレートまたは窓上に取り付けることができる。
【0192】
本発明による方法は、ダイカットの手作業による貼付において重要な向上をもたらすだけでなく、特に、例えばアプリケータを備えた制御されたロボットアームを用いた、自動化された貼付においても重要な向上をもたらす。
【0193】
先に記載した通り、本発明による方法は、特に自動化された貼付において、大きな利点を与える、なぜならば、この場合、送出の首尾が特に大きな重要性を持つからである。表面上へのダイカットの信頼性の高い接着が特に重要である、というのも、ダイカットが満足に貼付されたか否かがユーザーに直ぐに分かる手作業での貼付とは異なり、送出の首尾の直接的な検査が行われないか、または首尾のよい送出がコストのかかる機械的な検査及び後からの加工を行わないと保証できないからである。
【0194】
特に、これは接着するべき部材が大きな場合に重要である、というのも、このような部材上には多数のダイカットが貼付されるからである。これらのダイカットの各々の個々のものを、接着すべき部材の欠陥のない接着を保証すべき場合には欠陥なく貼付する必要があるため、生産廃棄物の数は、貼付すべきダイカットの数とともに増大する。それ故、信頼性の高い貼付が必須である。それ故、本方法は、(特に自動車工業における)プラスチック部材の貼付において欠陥頻度を減少させるために特に適している。
【0195】
貼付速度もダイカットの自動貼付にとって重要である。これは、貼付すべきダイカットの間隔に依存する。本発明によるダイカットは、プラスチック上の超音波溶接点を置き換えるのに適しているため、50mmと200mmとの間、特に80mmと100mmとの間の二つの貼付点の典型的な間隔が予期される。この時、ダイカット一つあたりの貼付時間は、典型的には5秒間未満、好ましくは2秒間未満、特に1.5秒間未満である。
【0196】
接着テープが、特にダイカットの自動化された貼付のためにダイカットテープとして適しているか否かを決定するためには、規定の進行で進められる試験方法が必要である、というも、そのようにしない限り、比較可能性及び反復性が得られないからである。
【0197】
それ故、本発明は、アプリケータを用いた基剤表面へのダイカットの貼付についての、ダイカットテープとしての接着テープの適性を検査するための試験方法も提供し、この際、このダイカットテープは、ライナー層上に設けられたダイカットから形成されており、前記ダイカットは、少なくとも一つの接着剤層を含むものである。この際、該方法は、本発明に従い以下のステップを含む:
a) 一片のライナー上にダイカットを貼付し、そしてライナー上にこのダイカットを押し圧するステップ;
b) ライナーをT字型ブロック周りに案内し、但し、この際、このダイカットがT字型ブロックの中央に敷かれ、そして張り出したライナーをT字型ブロックの垂直部分に機械的に固定するステップ;
c) ライナー及びその上に存在するダイカットを有するT字型ブロックを、規定の力及び規定の時間、基材サンプル上に制御下に押し圧するステップ;
d) ライナーから基材上へのダイカットの転写の首尾を決定するステップ。
【0198】
本発明による試験方法では、実際の用途において通常貼付が行われるような清浄度の基材を使用するのがよい。実際の用途では、接着すべき部材(基材)は、多くの場合に、(例えば油の除去のために)前もって洗浄せずに直接使用される。この場合、本発明による試験方法では、布を用いて基材から汚れを簡単におおかた除去できるのであれば、特別に洗浄した基材は使用されない。
【0199】
この際、押し圧時間としては、規定の、しかし1秒間と10秒間の間の自由に選択可能な値が好ましい。信頼性が高い結果は、1秒間の押し圧時間で既に得られるが、5秒間の押し圧時間も好適である。押し圧重量としては、特に100~1000gの範囲、例えば500gの重量が適している。
【0200】
この際、転写の首尾の好ましいクラス分けは、転写の首尾が次にクラス分けされるようであってよい。
-ダイカットが直接かつ正確に基材上に転写された場合は成功、または
-ダイカットが直接転写できず、特にライナー上に残り、基材上に完全に付着せずまたはT字型ブロックを持ち上げるのが妨げられた場合には、不成功。
【0201】
ダイカットが基材上に完全に付着しない場合には、これは、例えば、いわゆる「一部めくり上げ(Anlupfen)」が起こり、すなわち基材に付着していない部分のダイカットが折り畳まれ、ダイカットの一部がそれ自体の上に横たわるために全接着面が小さくなる。更に、これは、部品公差の不履行を招く虞がある。
【0202】
基材からまたはライナーからの各々の引き剥がし力の決定は、好ましくは以下のように行われる:
先ず、基材からの引き剥がし力の決定:
i) 規定の大きさの基材のサンプル片を試験プレートの上に機械的に固定する;
ii) 規定の大きさの試験すべき接着テープのサンプル片を、T字ブロックを用いて前記基材サンプル片上に、規定の押し圧力及び規定の押し厚時間、押し圧する;
iii) 引張試験器で、z方向での基材からの接着テープの引き剥がし力を測定する。
【0203】
以下は、ライナーからの引き剥がし力の決定:
iv) 規定の大きさのライナーのサンプル片を試験プレートの上に機械的に固定する;
v) 規定の大きさの試験すべき接着テープのサンプル片を、T字ブロックを用いて前記ライナーサンプル片上に、規定の押し圧力及び規定の押し厚時間、押し圧する;
vi) 引張試験器で、z方向でのライナーからの接着テープの引き剥がし力を測定する。
【0204】
基材またはライナーは、機械的固定のために、追加的に、シリコーン組成物を施与した接着テープを用いても、滑って位置がずれることから更に守ることができる。
【0205】
引張試験器での合目的的な測定速度は、100~500mm/分、特に好ましくは200~400mm/分、特に300mm/分である。引き剥がし角度は90°である。
【0206】
ライナーからのz方向での引き剥がし力と、基材からのz方向での引き剥がし力との商が、z方向での引き剥がし力比である。
【0207】
この場合も、押し圧時間としては、規定の、しかし1秒間と10秒間の間の自由に選択可能な値が好ましい。信頼性が高い結果は、1秒間の押し圧時間で既に得られるが、5秒間の押し圧時間も好適である。押し圧重量としては、100~1000gの範囲の重量、特に500gの重量が適している。基材またはライナーのサンプル片の好ましい縁長さは、5mmと50mmとの間、特に10mmと30mmとの間である。20mm×12mmのサンプル片サイズが中でも特に適している。
【0208】
以下に記載の図1に基づいて、本発明の特に有利な形態をより詳しく説明するが、それによって本発明を無用に限定することを意図するものではない。
【0209】
図1は、本発明による方法において使用するための、アプリケータ10の原理的な側面図を示す。アプリケータ10は、ライナー3を有するダイカットテープ1からダイカット2を貼付するために企図されたものである。アプリケータ10は、時計回りに巻き出すダイカットロール7を備える。ダイカットロール7上には、ダイカットテープ1が巻回されている。ダイカットテープ1は、ライナー7と、並びに相次いで続いて配置されている両面接着性のダイカット2とを備える。ダイカットテープは、露出している接着剤層で巻回されてダイカットロール7を与える。この際、接着剤層の接着力は、ダイカットテープ1の自由末端で引っ張られることによるダイカットロール7からのダイカットテープ1の問題のない巻き出しが可能となるように決定される。ダイカットテープ1の自由末端は、スタンプ9のスタンプヘッド8周りに案内されている。ダイカットテープ1は、巻回ロール13の駆動された回転によって、ライナー3で引っ張られ、そしてこのようにして、接着すべき箇所12上に配置されて、ダイカット2がキャリアヘッド8上に正確に配置される。次いで、アプリケータ10は、アプリケータ10が配置されている(図示していない)ロボットアームの動きで箇所12上に押し下げられ、そして表面11へのダイカット2の接着剤層の接着力によって、ダイカット2が、アプリケータ10の前進運動の時に、ダイカットテープ1の表面から離れて表面11へと転写される。残ったライナー3は、巻きロール13上に巻回される。ライナー3の巻回によって、ダイカットテープ1は、その律動的な送りを得て、そして次のダイカット2が、スタンプヘッド8上に配置される。
【0210】
この際、アプリケータ10の制御システムは次のように機能する:第一のセンサーを供し、このセンサーは、スタンプヘッド8の方を向いており、そしてスタンプヘッド8上のダイカット2の存在を検出する。これは、例えば着色された制御マークによって行うことができるが、他の認識手段も考慮され得る。ダイカット2が存在する時に、前記第一のセンサーは、信号を制御システムに送り、制御システムは、巻きロール13の駆動部に停止信号を送る。巻きロール13の回転運動は停止される。アプリケータ10及びそれ故、ダイカット2は、フランジを介して固定されたロボットアームによって、接着すべき箇所12上に押し下げられる。次いで、アプリケータ10が再び持ち上げられ、そして制御システムによって調節して、巻きロール13を若干回転させて、ダイカットテープ1が、引っ込めたスタンプヘッド18に緩んだ状態でぶら下がらないようにする。それによって、ダイカット2がライナーから剥離する。
【0211】
ダイカット2の露出表面が、接着すべき表面の方を向くことによって、表面11へのダイカット2の即座の貼付が可能となり、かつ表面11へのダイカット2の即座の付着によって促進される。
【図面の簡単な説明】
【0212】
図1図1は、本発明による方法において使用するための、アプリケータ10の原理的な側面図を示す。
図2図2は、例示的に、ライナー3からのダイカット2のz方向での引き剥がし力を求めるための動的Tブロック試験の簡略図を示す。
図3図3は、図2の動的T字型ブロック試験をそれぞれの段階で示す。
図4図4は、転写試験の簡略化した描写をそれぞれの段階で示す。
【実施例
【0213】
以下の模範的な実験は本発明をより詳しく説明するものであり、提示した例の選択によって、本発明を不必要に限定することを意図するものではない。
【0214】
試験法
全ての測定は、(別の記載がない限り)23℃及び相対湿度50%で実施した。
【0215】
機械的及び接着技術的データは以下のように求めた:
動的T字型ブロック試験
この試験は、ライナー及び基材からの各々の接着テープのz方向での引き剥がし力を求めるのに使用される。この際、実際の用途において通常貼付が行われるような清浄度の基材を使用するのがよい。他に記載がなければ、この決定は、23℃±1℃の温度及び50%±5%の相対湿度の試験雰囲気で行う。以下ダイカットと称する接着テープサンプルは、20mm×12mmに切断し、そして鋼製のT字型ブロックの下面上に貼り付ける。典型的には、ライナーについてのT字型ブロックの検査のためには、製品ライナーで覆われた方のダイカットの面を検査する。この際、このダイカットは、それ自体の製品ライナーによって汚染から保護される。典型的には、基材についてのT字型ブロックの検査のためには、露出された、すなわち製品ライナーで覆われていない方のダイカットの面を検査する。最後に述べたケースでは、ダイカットは、測定するまでは適当なライナーで覆って、同様に汚染から保護する。鋼製の試験プレート上に、ライナーまたは基材を機械的に固定する。このライナーを、追加的に、シリコーン組成物を施与した接着テープを用いて、位置ずれしないように固定する。典型的には、ライナーの内側面を試験する、すなわちライナーを含む巻回された接着テープの場合は、典型的には、接着テープロールの芯の方を向いたライナーの面を試験する。測定のためには、ダイカットを保護しているライナーを引き剥がす。このダイカットを備えたT字型ブロックを、1秒間、500gの押し圧重量で、前記試験プレート上に固定されたライナーまたは前記試験プレート上に固定された基材上に押し圧する。次いで、この試験片を、Zwick社の引張試験機中で、詳しくは300mm/分の引き剥がし速度で、直接引き剥がす。このためには、試験プレートを、保持レールに固定し、そしてT字型ブロックを引き剥がす。引き剥がし角度は90°である。測定結果はN/cmで表示し、そして三回の測定から平均する。
【0216】
図2は、例示的に、ライナー3からのダイカット2のz方向での引き剥がし力を求めるための動的Tブロック試験の簡略図を示す。ここでは、ダイカット2を備えるT字型ブロック5がライナー3から引き剥がされる時点を示す。
【0217】
図3は、図2の動的T字型ブロック試験をそれぞれの段階で示す。左から一番目の図は、ダイカット2を備えたT字型ブロック5及びそれから離れた状態のライナー3を示す。左から二番目の図は、ダイカット2を備えたT字型ブロック5がどのようにライナー2上に押し圧されるかを示す。左から三番目の図は、ダイカット2を備えたT字型ブロック5が、ライナー3からの引き剥がし力を求めるために、どのように引き剥がされるかを示す。右側の図では、ダイカット2を備えたT字型ブロック5は再びライナー3から分離している。ライナー3上のT字型ブロック試験と類似して、基材6上のT字型ブロック試験を実施する(図示せず)。
【0218】
転写試験
この試験は、送出の首尾を確定するために役立つ、すなわち、以下にダイカットと称する接着テープサンプルが適切に基材上に転写されたか否かを確定する。他に記載がなければ、この決定は、23℃±1℃の温度及び50%±5%の相対湿度の試験雰囲気で行う。20mm×12mmのサイズのダイカットを、ライナーサンプル上に施与し、そして25kPaの圧力で1秒間押し圧する。典型的には、ダイカットを、その覆われた面の方で、使用するライナーの内側面上に施与する; このためには、開放面を、先ず、適切なライナーで保護し、そして覆われた面の製品ライナーを、試験のために使用するライナー上に施与する前に引き剥がす。その後、ダイカットを24時間、ライナー上に施与した状態のままにする。このライナーをT字型ブロック周りに案内して、ダイカットが、T字型ブロックの下に中央にあるようにする。張り出したライナーを、T字型ブロックの垂直な部分に機械的に固定する。測定のためには、ダイカットを保護しているライナーを引き剥がす。制御された押し圧を用いて、T字型ブロックを、試験プレート上に固定された基材上に25kPaの押し圧力で1秒間押し付ける。この際、実際の用途において通常貼付が行われるような清浄度の基材を使用するのがよい。次いで、この試験片を、Zwick社の引張試験機中で、詳しくは300mm/分の引き剥がし速度で、直接引き剥がす。このためには、試験プレートを、保持レールに固定し、そしてT字型ブロックを引き剥がす。引き剥がし角度は90°である。
【0219】
ダイカットが直接かつ正確に基材に転写された場合は、送出作業は上首尾と称される。これがライナー上に残り、T字型ブロックを持ち上げるのを妨げたりまたは直接転写されず、例えば部分的に持ち上がる、すなわち基材上に完全に施与されず、部分的にのみ貼付し、それによって例えばダイカットの折り畳みが可能である場合は、その送出作業は不成功と評価される。四回の転写が行われる。それらの結果から平均をとる。送出作業が全ての場合で成功の時は、その送出の首尾は100%と評価され、他は、百分率で表した対応する割合で評価する。
【0220】
図4は、転写試験の簡略化した描写をそれぞれの段階で示す。左から一番目の図は、ダイカット2がT字型ブロック5の下に中央に存在するようにT字型ブロック5周りに案内されているライナー3を示す。張り出したライナー3は、T字型ブロック5の垂直な部分に機械的に固定する。基材6は、それから離れて存在する。左から二番目の図は、ライナー3及びその上に配置されたダイカット2を持つT字型ブロック5がどのように基材6上に押し付けられるかを示す。左から三番目の図は、T字型ブロック5がどのように基材6から引き剥がされるかを示す。右側の図では、下方に、ダイカット2が基材上に直接かつ正確に基材6上に転写され、送出作業を成功と称し得る態様を示す。右側の図の上方では、ダイカット2がライナー3上に残っており、その結果、送出作業が成功と評価できない態様を示す。
【0221】
表面エネルギー
表面エネルギー(表面張力)はDIN ISO8296に従って決定する。このためには、例えば、Softal社の試験インキを使用することができる。このインキは、30~72mN/mの範囲で入手可能である。このインキを、23℃及び50%相対湿度で一本のインキの線で表面上に施与する。このインキ線が2分間未満内に幅が縮まった場合には、2秒間に達するまで、より低い表面エネルギーを持つインキで測定を繰り返す。インキ線が2秒超変化しない場合には、2秒間に達するまで、より高い表面エネルギーを持つインキを用いて測定を繰り返す。その時の適切なインキボトルに表示される値が、基材の表面エネルギーに相当する。
【0222】
厚さ
接着剤層、接着テープもしくはキャリア層またはライナーの厚さは、慣用の厚さ測定器(センサー試験機)を用いて1μm未満の誤差の精度で求めることができる。本出願では、直径10mm(平面)の円形センサーを有する精密厚さ計Mod.2000Fを使用する。測定力は4Nである。この値は、荷重後1秒間で読み取る。厚さの変動が確認されたら、少なくとも三カ所の代表的な箇所での測定の平均値をとる。すなわち、ひだ、折り目、隆起部及び類似の部分では測定しない。接着剤層の厚さは、特に、キャリアまたはライナー上に施与されたこのような接着剤層のその長さ及び幅に関して定義された断片の決定された厚さから、使用したキャリアまたはライナーの同じ寸法の断面の(既知のまたは別途求めた)厚さを差し引いて決定することができる。
【0223】
ガラス転移温度T、溶融粘度、軟化温度
(特にポリマーまたはポリマーブロックの)ガラス転移点(同義語としてガラス転移温度とも称する)は、DIN 53 765、特に7.1章及び8.1章に基づくダイナミック示差走査熱量測定DDK(英語名 Dynamic Scanning Calorimetry; DSC)による測定、ただし全ての加熱ステップ及び冷却ステップにおいて10K/分の統一された加熱速度及び冷却速度での測定の結果として表示される(DIN53765;7.1章;注1を参照)。試料重量は20mgである。ポリマーまたはポリマーブロックの溶融温度または軟化温度もこのように求められる。
【0224】
DACP
乾燥した標本ビン中に、5.0gの試験物質(被調査粘着樹脂サンプル)を計量し、そして5.0gのキシレン(異性体混合物、CAS[1330-20-7]、≧98.5%、Sigma-Aldrich#320579または等価物)と混合する。130℃において、試験物質を溶解し、その後、80℃に冷却する。場合により漏れ出すキシレンを、更なるキシレンで満たして、再び5.0gのキシレンが存在するようにする。次いで、5.0gのジアセトンアルコール(4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、CAS[123-42-2]、99%、Aldrich#H41544または同等品)を加える。この標本ビンを、試験物質が完全に溶解するまで振盪する。このために、この溶液を100℃に加熱する。次いで、この樹脂溶液を含む標本ビンを曇点測定装置のNovomatics社製Chemotronic Cool中に取り入れ、そこで110℃に温度調節する。1.0K/分の冷却速度で冷却する。曇点は光学的に検出される。このためには、溶液の曇り度が70%に達する時の温度を記録する。その結果は℃で表示する。DACP値が小さい程、試験物質の極性は高い。
【0225】
MMAP
乾燥した標本ビン中に、5.0gの試験物質(検査すべき粘着樹脂サンプル)を計量して取り入れ、そして10mLの乾燥アニリン(CAS[62-53-3]、≧99.5%、Sigma-Aldrich#51788または同等品)及び5mLの乾燥メチルシクロヘキサン(CAS[108-87-2]、≧99%、Sigma-Aldrich#300306または同等品)と混合する。この標本ビンを、試験物質が完全に溶解するまで振盪する。このために、この溶液を100℃に加熱する。次いで、この樹脂溶液を含む標本ビンを曇点測定装置のNovomatics社製Chemotronic Cool中に取り入れ、そこで110℃に温度調節する。1.0K/分の冷却速度で冷却する。曇点は光学的に検出される。このためには、溶液の曇り度が70%に達する時の温度を記録する。その結果は℃で表示する。MMAP値が小さい程、試験物質の芳香族度は高い。
【0226】
以下の接着テープ、ライナー及び基材を使用した。
【0227】
【表2】
【0228】
接着テープ:
【0229】
【表3】
【0230】
基材としては、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー(ABS)並びにアクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー(tesa ABS)を使用した。前記ポリプロピレン基材(PP)は、20重量%のタルクを含み、そして32mN/mの表面エネルギーを有する。前記アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー(ABS)は、20重量%のガラス繊維を含み、そして40mN/mの表面エネルギーを有する。前記アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー(tesa ABS)はフィラーを含まず、そして36mN/mの表面エネルギーを有する。
【0231】
試験列 基材1-ポリプロピレン(PP)
第一の試験列では、様々なライナー並びにPP上の各々の接着テープについて、z方向での引き剥がし力を求めた。値を表4.1に記載する。
【0232】
【表4】
【0233】
表4.1の値から、様々なライナー:PPの引き剥がし力比を求めた。これらの比率を表4.2に記載する。
【0234】
【表5】
【0235】
転写試験に従って、PP上への送出の首尾を求めた。結果を表4.3に記載する。
【0236】
【表6】
【0237】
第二の試験列では、様々なライナー並びにABS上の各々の接着テープについて、z方向での引き剥がし力を求めた。値を表5.1に記載する。
【0238】
【表7】
【0239】
表5.1の値から、様々なライナー:ABSの引き剥がし力比を求めた。これらの比率を表5.2に記載する。
【0240】
【表8】
【0241】
転写試験に従って、ABS上への送出の首尾を求めた。結果を表5.3に記載する。
【0242】
【表9】
【0243】
第三の試験列では、様々なライナー並びにtesa ABS上の各々の接着テープについて、z方向での引き剥がし力を求めた。これらの値を表6.1に記載する。
【0244】
【表10】
【0245】
表6.1の値から、様々なライナー:tesa ABSの引き剥がし力比を求めた。これらの比率を表6.2に記載する。
【0246】
【表11】
【0247】
転写試験に従って、tesa ABS上への送出の首尾を求めた。結果を表6.3に記載する。
【0248】
【表12】
【0249】
引き剥がし値の測定値(表4.1、5.1及び6.1)の考察では、傾向は認められない。これらのデータは、様々なライナー上のそれぞれ同じ接着テープは、異なる引き剥がし力をz方向で示すことを示している。更に、これらの接着テープが、それぞれ同じライナー上で、同様に異なる引き剥がし力をz方向で示すことが確認できる。送出の首尾は、これらのデータに基づいて予見できない。
【0250】
以下には、基材からのz方向での引き剥がし力に対するライナーからのz方向での引き剥がし力の比率を形成した(表4.2、5.2及び6.2)。個々の接着テープは、基材及びライナー上で異なる初期付着性を有するものの、傾向が現れることが明らかである。それ故、これらの異なる接着テープは、基材に対する引き剥がし力比において同等のオーダーの値を示す。
【0251】
引き剥がし力比のデータと、送出の首尾のデータ(表4.3、5.3及び6.3)の比較は、十分な送出の首尾(少なくとも75%まで、ただし100%まで)は、引き剥がし力比が規定の値を下回る時、すなわちせいぜい0.18の時に起こることを示す。
【0252】
驚くべきことに、送出の首尾は、ライナー:基材の接着テープの引き剥がし力の比率を用いて予測できることが判明する。それ故、基材への付着性に関して接着テープ及びライナーを選択するときにこれを考慮に入れると、安定した貼付プロセスを保証することができる。
本願は、特許請求の範囲に記載の発明に係るものであるが、本願の開示は以下も包含する:
1.
ダイカットをライナー層から表面に転写するにあたって、前記ダイカットが、アプリケータを用いてライナー層から表面上に転写される方法であって、z方向での表面からのダイカットの引き剥がし力に対するz方向でのライナー層からのダイカットの引き剥がし力の比率が最大でも0.18であることを特徴とする前記方法。
2.
上記1に記載の方法であって、前記アプリケータが、
(i)スタンプヘッドを備えたスタンプ、
(ii)ダイカットテープを含むダイカットロール、但し、前記ダイカットテープは、ライナー層上に施与されかつ少なくとも一つの(感圧)接着剤層を含むダイカットから形成されており、並びに
(iii)ライナー巻きロール、
を含み、
この際、当該方法において、前記ダイカットテープは前記スタンプのスタンプヘッド上を走り、ここで前記ダイカットテープは、ダイカットのうちの一つがスタンプヘッド上に配置された時に停止され、次いでスタンプが、上昇-下降運動においてダイカットを表面上に貼付することを特徴とする、前記方法。
3.
z方向における表面からのダイカットの引き剥がし力に対するz方向でのライナー層からのダイカットの引き剥がし力の比率が最大でも0.15、好ましくは最大でも0.12、特に最大でも0.10であることを特徴とする、上記1または上記2に記載の方法。
4.
制御システムが使用され、この制御システムは、第一のセンサー及びロボットアームと信号伝達的に接続されており、ここで前記第一のセンサーは、走査領域がスタンプヘッドの方を向いており及びスタンプヘッド上にダイカットのうちの一つが存在することを検出し、及び前記ロボットアームにはアプリケータが配置されており、且つ前記制御システムは、スタンプヘッド上にダイカットのうちの一つが検出された時に巻きロールを停止させ、及び次いで、表面上にダイカットを貼付するための、アプリケータを備えたロボットアームの下降運動と、その後の、初期位置へ帰還させるための、アプリケータを備えたロボットアームの上昇運動を推進することを特徴とする、上記1~3のいずれか一つに記載の方法。
5.
表面上にダイカットが貼付された後に、ダイカットテープがダイカット一つ分だけ律動的に更に送られることを特徴とする、上記4に記載の方法。
6.
制御システムがロボットアームを制御してスタンプヘッドを表面上の第一の位置に移動させて、ダイカットを第一の表面位置に貼付し、そしてこのダイカットが貼付された後に、ロボットアームを制御してダイカットテープの更なる律動的送りの間にスタンプヘッドを表面上の第二の位置に移動させ、そしてそこでアプリケータを備えたロボットアームの下降運動及びその後の上昇運動を推進することを特徴とする、上記5に記載の方法。
7.
スタンプヘッドが弾性マウントされ、及びこのスタンプヘッドには少なくとも一つの圧力センサーが設置され、この圧力センサーが、表面に対するダイカットの押し圧力を検出することを特徴とする、上記1~6のいずれか一つに記載の方法。
8.
前記少なくとも一つの接着剤層が、自着剤からなり、この自着剤が、ビニル芳香族ブロックコポリマーをベースとしかつ粘着樹脂を含み、ここで、前記ビニル芳香族ブロックコポリマーが、典型的には
-主としてビニル芳香族類の重合によって形成された少なくとも一種のポリマーブロックAを含み、及び
-同時に、主として共役ジエンの重合によって形成された少なくとも一種のポリマーブロックBを含み、ここで、Bブロック中の1,2結合共役ジエンの割合は、30重量%未満、好ましくは20重量%未満である、
ことを特徴とする、上記1~7のいずれか一つに記載の方法。
9.
前記少なくとも一つの接着剤層が、ポリ(メタ)アクリレート、並びに場合によっては合成ゴム及び/または前記ポリ(メタ)アクリレート(複数種可)と相溶性の少なくとも一種の粘着樹脂を含むことを特徴とする、上記1~7のいずれか一つに記載の方法。
10.
接着剤層が架橋されている、例えばUVまたは電子の照射によりあるいは熱架橋剤を用いて架橋されていることを特徴とする、上記1~9のいずれか一つに記載の方法。
11.
接着剤層が発泡されている、好ましくはマイクロバルーンを用いて発泡されていることを特徴とする、上記1~10のいずれか一つに記載の方法。
12.
ダイカットが形成される元の接着テープが、アクリレートベースの粘弾性発泡体を有する接着テープであり、場合により、この発泡体の少なくとも片面、好ましくは両面には(感圧)接着剤層が施与されていることを特徴とする、上記1~11のいずれか一つに記載の方法。
13.
接着剤層が、25~5000μm、好ましくは50~3000μm、より好ましくは100~2000μm、更により好ましくは400~1500μm、例えば特に1000~1200μmの厚さを有することを特徴とする、上記1~12のいずれか一つに記載の方法。
14.
ダイカットテープが両面接着テープであることを特徴とする、上記1~13のいずれか一つに記載の方法。
15.
50mN/m以下、好ましくは40mN/m未満、特に35mN/m未満の表面エネルギーを有する表面の接着のための、上記1~14のいずれか一つに記載の方法の使用。
16.
特に自動車工業において、プラスチック部材の接着のための上記1~14のいずれか一つに記載の方法の使用。
17.
特に自動車工業において、プラスチック部材の接着での欠陥頻度を減少させるための、上記1~14のいずれか一つに記載の方法の使用。
18.
ダイカットの貼付プロセスを自動的に行うことを特徴とする、上記15~17のいずれか一つに記載の使用。
19.
特に上記1~14のいずれか一つに記載の方法に従って、ダイカットをアプリケータを用いてライナー層から基材の表面に転写する方法のための、ダイカットテープとしての接着テープの選択のための試験方法であって、ここで、前記ダイカットテープは、ライナー層上に施与されたダイカットから構成され、このダイカットは少なくとも一つの接着剤層を含み、及び次のステップ:
a) 一片のライナー上にダイカットを施与し、そしてライナー上にこのダイカットを押し圧するステップ;
b) ライナーをT字型ブロック周りに案内し、但し、この際、このダイカットがT字型ブロック上の中央に敷かれ、そして張り出したライナーをT字型ブロックの垂直部分に機械的に固定するステップ;
c) ライナー及びその上に存在するダイカットを有するT字型ブロックを、規定の力及び規定の時間、基材サンプル上に制御下に押し圧するステップ;
d) ライナーから基材上へのダイカットの転写の首尾を決定するステップ、
を含む、前記試験方法。
20.
転写の首尾が、
-ダイカットが直接かつ正確に基材上に転写された場合は成功、または
-ダイカットが直接転写されず、特にライナー上に残るかまたはTブロックの持ち上げを妨げる場合には、不成功、
に分類されることを特徴とする、上記19に記載の試験方法。
21.
転写の首尾の予測のために、基材からのz方向での引き剥がし力に対するライナーからのz方向での引き剥がし力の引き剥がし力比が、次のステップ:
i) 規定の大きさの基材のサンプル片を試験プレートの上に機械的に固定するステップ;
ii) 規定の大きさの試験すべき接着テープのサンプル片を、T字型ブロックを用いて前記基材サンプル片上に、規定の押し圧力及び規定の押し圧時間、押し圧するステップ;iii) 引張試験器で、z方向での基材からの接着テープの引き剥がし力を測定するステップ;
iv) 規定の大きさのライナーのサンプル片を試験プレートの上に機械的に固定するステップ;
v) 規定の大きさの試験すべき接着テープのサンプル片を、T字型ブロックを用いて前記ライナーサンプル片上に、規定の押し圧力及び規定の押し圧時間、押し圧するステップ;
vi) 引張試験器で、z方向でのライナーからの接着テープの引き剥がし力を測定するステップ:
vii) z方向でのライナーからの接着テープの引き剥がし力をz方向での基材からの接着テープの引き剥がし力で除することによって商を形成するステップ;
によって求めることを特徴とする、上記19または20に記載の試験方法。
図1
図2
図3
図4