(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-19
(45)【発行日】2022-05-27
(54)【発明の名称】向上された分散チャネルアクセスを使用する無線通信方法及びそれを使用する無線通信端末
(51)【国際特許分類】
H04W 74/08 20090101AFI20220520BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20220520BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W84/12
(21)【出願番号】P 2019534619
(86)(22)【出願日】2017-09-07
(86)【国際出願番号】 KR2017009841
(87)【国際公開番号】W WO2018048229
(87)【国際公開日】2018-03-15
【審査請求日】2019-03-06
【審判番号】
【審判請求日】2020-10-29
(31)【優先権主張番号】10-2016-0114822
(32)【優先日】2016-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0116877
(32)【優先日】2016-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0116965
(32)【優先日】2016-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0117898
(32)【優先日】2016-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0122488
(32)【優先日】2016-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0147189
(32)【優先日】2016-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0022227
(32)【優先日】2017-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516079109
【氏名又は名称】ウィルス インスティテュート オブ スタンダーズ アンド テクノロジー インコーポレイティド
(73)【特許権者】
【識別番号】514005836
【氏名又は名称】エスケー テレコム カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SK TELECOM CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ウジン・アン
(72)【発明者】
【氏名】ジュヒョン・ソン
(72)【発明者】
【氏名】コンチュン・コ
(72)【発明者】
【氏名】チンサム・カク
【合議体】
【審判長】國分 直樹
【審判官】廣川 浩
【審判官】中木 努
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/112146(WO,A1)
【文献】Laurent Cariou (Intel),2 sets of EDCA parameters,IEEE 802.11-16/0998r0,IEEE,2016年 7月,検索日[2019.12.05],インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/16/11-16-0998-00-00ax-rules-for-2-edca-parameters.pptx>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24- 7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース無線通信端末と無線で通信する無線通信端末において、
送受信部と、
プロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、
1つ以上の無線通信端末の上り伝送をトリガーするトリガーフレームを受信し、前記上り伝送は直交周波数分割多元接続(OFDMA)を用いて実行され、
前記送受信部を使用して、前記トリガーフレームに応答して、前記上り伝送のためのトリガー基盤物理層プロトコルデータユニット(PPDU)を、前記ベース無線通信端末に送信し、
前記ベース無線通信端末が前記無線通信端末
のマルチユーザ上り伝送の参加をトリガーするか否かに基づいて、チャネルにアクセスするために使用されるパラメータのセットであるパラメータセットを、第1パラメータセットから第2パラメータセットに転換し、
前記トリガー基盤PPDUに含まれるMACプロトコルデータユニット(MPDU)が即時応答を要請しない場合、前記トリガー基盤PPDUの送信が終了した時点で、前記MPDUのアクセスカテゴリに対して第2パラメータセットタイマーを設定し
、
前記第2パラメータセットタイマーが満了すると、前記第2パラメータセットの
適用を終了し、
前記無線通信端末がチャネルにアクセスする場合に維持されるパラメータセットにおける、前記無線通信端末が前記ベース無線通信端末に伝送するデータの優先度に対応するパラメータを用いて前記チャネルにアクセスする
ように構成されている、無線通信端末。
【請求項2】
前記トリガー基盤PPDUが含むMPDUは、QoSデータフレームである
請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記ベース無線通信端末からビーコンフレームを受信し、
前記第2パラメータセットタイマーの期間を示す情報を前記ビーコンフレームから獲得する
ように構成されている請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項4】
前記プロセッサは、
競争ウィンドウ(Contention Window、CW)のうちから無作為の整数値を算出し、
前記無作為の整数値に基づいてバックオフタイマーを設定し、
前記バックオフタイマーと予め指定されたスロットタイムに基づいて前記チャネルにアクセスする、
ように構成され、
前記パラメータセットは、
前記CWの最小値(CWmin)と前記CWの最大値(CWmax)を含む
請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項5】
前記パラメータセットは、
競争ウィンドウ(Contention Window、CW)の最小値(CWmin)と前記CWの最大値(CWmax)を含み、
前記プロセッサは、
前記C
W内で無作為の整数値を算出し、
前記無作為の整数値に基づいてバックオフタイマーを設定し、
前記バックオフタイマーと予め指定されたスロットタイムに基づいて前記チャネルにアクセスし、
前記CWの値が、前記パラメータセットが変更された後に維持されている前記パラメータセットで伝送される前記データの優先度に対応する前記CWの
前記CWma
xより大きければ、前記CWの値を
前記CWmaxに設定する
ように構成されている請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項6】
前記プロセッサは、
キューに貯蔵されるデータのアクセスカテゴリに応じて区分される複数のキューを運営し、前記複数のキューそれぞれにおいてバックオフタイマーに当たる時間に基づいてチャネルにアクセスするバックオフ手順を行い、
前記キューに貯蔵されたデータがなく、前記キューに当たるバックタイマー0であれば、前記バックオフタイマーのスロットの境界でいかなる動作も行わない、
ように構成され、
前記バックオフタイマーは、競争ウィンドウ(CW)のうちから算出された無作為の整数値に基づいて設定され、前記予め指定されたスロットタイムの間に前記チャネルが遊休であれば減少される
請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記キューに貯蔵されたデータがなく、前記キューに当たる前記バックオフタイマーが0であれば、前記バックオフタイマーを0に維持する
ように構成されている請求項
6に記載の無線通信端末。
【請求項8】
ベース無線通信端末と無線で通信する無線通信端末の動作方法において、
1つ以上の無線通信端末の上り伝送をトリガーするトリガーフレームを受信するステップであって、前記上り伝送は直交周波数分割多元接続(OFDMA)を用いて実行される、ステップと、
前記上り伝送のためのトリガー基盤物理層プロトコルデータユニット(PPDU)を、前記ベース無線通信端末に送信するステップと、
前記ベース無線通信端末が前記無線通信端末
のマルチユーザ上り伝送の参加をトリガーする否かに基づいて、チャネルアクセスのために使用されるパラメータのセットであるパラメータセットを、第1パラメータセットから第2パラメータセットに転換するステップと、
前記トリガー基盤PPDUに含まれるMPDUが即時応答を要請しない場合、前記トリガー基盤PPDUの送信が終了した時点で前記MPDUのアクセスカテゴリに対して第2パラメータセットタイマーを設定するステップと
、
前記第2パラメータセットタイマーが満了すると、前記第2パラメータセットの
適用を終了するステップと、
前記無線通信端末がチャネルにアクセスする場合に維持されるパラメータセットにおける、前記ベース無線通信端末に伝送するデータの優先度に対応するパラメータを用いて前記チャネルにアクセスするステップと、
前記チャネルを介して前記データを伝送するステップと、を含む
動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、向上された分散チャネルアクセスを使用する無線通信方法及び無線通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、モバイル機器の普及が拡大されるにつれ、これらに速い無線インターネットサービスを提供する無線LAN(Wireless LAN)技術が脚光を浴びている。無線LAN技術は、近距離で無線通信技術に基づいてスマートフォン、スマートパッド、ラップトップコンピュータ、携帯型マルチメディアプレーヤー、組み込み(embeded)機器などのようなモバイル機器を家庭や企業、または特定サービス提供地域で無線でインターネットに接続するようにする技術である。
【0003】
IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 802.11は、2.4GHzの周波数を利用した初期の無線LAN技術を支援した以来、多様な技術の標準を実用化または開発中である。まず、IEEE 802.11bは、2.4GHzバンドの周波数を使用しながら最高11Mbpsの通信速度を支援する。IEEE 802.11bの後に商用化されたIEEE802.11aは、2.4GHzバンドではなく5GHzバンドの周波数を使用することで、相当混雑な2.4GHzバンドの周波数に比べ干渉に対する影響を減らしており、OFDM技術を使用して通信速度を最大54Mbpsまで向上させた。しかし、IEEE 802.11aはIEEE 802.11bに比べ通信距離が短い短所がある。そして、IEEE 802.11gはIEEE 802.11bと同じく2.4GHzバンドの周波数を利用して最大54Mpbsの通信速度を具現し、下位互換性(backward compatibility)を満足しているため相当な注目を浴びたが、通信距離においてもIEEE 802.11aより優位にある。
【0004】
そして、無線LANで脆弱点として指摘されてきた通信速度に対する限界を克服するために制定された技術規格として、IEEE 802.11nがある。IEEE 802.11nはネットワークの速度と信頼性を増加し、無線ネットワークの運営距離を拡張するのにその目的がある。より詳しくは、IEEE 802.11nではデータの処理速度が最大540Mpbs以上の高処理率(High Throughput、HT)を支援し、また、伝送エラーを最小化しデータ速度を最適化するために送信部と受信部の両端共に多重アンテナを使用するMIMO(Multiple Inputs and Multiple Outputs)技術に基盤している。また、この規格はデータの信頼性を上げるために重複する写本を多数個伝送するコーディング方式を使用する。
【0005】
無線LANの普及が活性化され、またこれを利用したアプリケーションが多様化されるにつれ、IEEE 802.11nを支援するデータ処理速度より高い処理率(Very High Throughput、VHT)を支援するための新たな無線LANシステムに対する必要請が台頭された。このうち、IEEE 802.11acは5GHz周波数で広い帯域幅(80MHz~160MHz)を支援する。IEEE 802.11ac標準は5GHz帯域でのみ定義されていたが、従来の2.4GHz帯域の製品との下位互換性のために、初期11acチップセットは2.4GHz帯域での動作も支援する。理論的に、この規格によると、多重ステーションの無線LANの速度は最小1Gbps、最大単一リンクの速度は最小500Mbpsまで可能になる。これは、より広い無線周波数帯域幅(最大160MHz)、より多いMIMOの空間的ストリーム(最大8個)、多重ユーザMIMO、そして高い密度の変調(最大256QAM)など、801.11nで受け入れた無線インタフェース概念を拡張して行われる。また、従来の2.4GHz/5GHzの代わりに60GHzバンドを使用してデータを伝送する方式として、IEEE 802.11adがある。IEEE 802.11adはビームフォーミング技術を利用して最大7Gbpsの速度を提供する伝送規格であって、大容量のデータや無圧縮HDビデオなど高いビットレート動画のストリーミングに適合している。しかし、60GHzの周波数バンドは障害物の通過が難しく、近距離空間におけるデバイス間でのみ使用可能な短所がある。
【0006】
一方、最近では801.11ac及び802.11ad以降の次世代無線LANの標準として、高密度環境での高効率及び高性能無線LANの通信技術を提供するための論議が行われつつある。つまり、次世代無線LAN環境では高密度のステーションとAP(Access Point)の存在下で室内外で高い周波数効率の通信が提供されるべきであり、これを具現するために多様な技術が必要である。
【0007】
特に、無線LANを利用する装置の数が増えるにつれ、決められているチャネルを効率的に使用する必要がある。よって、複数のステーションとAP間のデータ伝送を同時に行うようにして、帯域幅を効率的に使用する技術が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一実施例は、向上された分散チャネルアクセスを使用する無線通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例によってベース無線通信端末と無線で通信する無線通信端末は、送受信部と、前記送受信部を介して受信された無線信号または前記送受信部を介して送信される無線信号をプロセスするプロセッサと、を含む。前記プロセッサは、前記無線通信端末が前記ベース通信端末に伝送するデータの優先度に応じてチャネルにアクセスする。
【0010】
前記ベース無線通信端末が前記無線通信端末のマルチユーザ上り伝送の参加をトリガーするのかに基づき、前記プロセッサは、前記チャネルアクセスのために使用されるパラメータの集合であるパラメータセットを第1パラメータセットから第2パラメータセットに転換する。詳しくは、前記プロセッサは、前記送受信部を使用して前記ベース無線通信端末からトリガーフレームを受信し、前記トリガーフレームが前記無線通信端末の上り伝送を指示するのかに基づいて、前記パラメータセットを前記第1パラメータセットから前記第2パラメータセットに転換する。
【0011】
前記プロセッサは、前記送受信部を使用して前記ベース無線通信端末にトリガー基盤PPDU(physical layer protocol data unit)を伝送する。この際、前記プロセッサは、前記トリガー基盤PPDUが含むMPDU(MAC protocol data unit)に対する即刻の応答を受信するのかに基づいて前記即刻の応答の受信に応じて第2パラメータセットタイマーを設定し、前記第2パラメータセットタイマーが満了すれば前記第2パラメータセットの適用を終了する。また、前記プロセッサは、前記トリガー基盤PPDUが含むMPDUに対する即刻の応答を受信するのかに基づき、前記パラメータセットを前記第1パラメータセットから前記第2パラメータセットに転換する。前記MPDUがQoSデータを含めば、前記プロセッサはアクセスカテゴリに対して第2パラメータセットタイマーを設定する。また、前記プロセッサは、前記MPDUのアクセスカテゴリに対して第2パラメータセットタイマーを設定する。
【0012】
前記プロセッサは、前記即刻の応答を受信終了した際に前記第2パラメータセットタイマーを設定する。
【0013】
前記プロセッサは、前記即刻の応答を受信したMPDUのアクセスカテゴリに対して前記第2パラメータセットタイマーを設定する。
【0014】
前記プロセッサは、前記トリガー基盤PPDUが含むMPDUが要請する応答の形態に基づき、前記第2パラメータセットタイマーを設定する時期を決定する。
【0015】
前記トリガー基盤PPDUが含むMPDUがACKを要請しなければ、前記プロセッサは前記トリガー基盤PPDUの伝送を終了した際に前記第2パラメータセットタイマーを設定する。
【0016】
前記トリガー基盤PPDUが含むMPDUは、QoSデータフレームである。
【0017】
前記プロセッサは、前記ベース無線通信端末からビーコンフレームを受信し、前記第2パラメータセットタイマーの周期を示す情報を前記ビーコンフレームから獲得する。
【0018】
前記プロセッサは、前記パラメータセットを第1パラメータセットから第2パラメータセットに転換する際、前記第2パラメータセットタイマーを設定する。詳しくは、前記トリガー基盤PPDUが含むMPDUがACKを要請しなければ、前記プロセッサは、前記トリガー基盤PPDUの伝送を終了した際に前記パラメータセットを前記第1パラメータから前記第2パラメータセットに転換し、前記第2パラメータセットタイマーを設定する。
【0019】
前記プロセッサは、競争ウィンドウ(Contention Window、CW)のうちから無作為の整数値を算出し、前記無作為の整数値に基づいてバックオフタイマーを設定し、前記バックオフタイマーと予め指定されたスロットタイムに基づいてチャネルにアクセスする。この際、前記パラメータセットは、前記CWの最小値(CWmin)と前記CWの最大値(CWmax)を含む。
【0020】
また、前記プロセッサは、前記CWの値が前記トラフィックの優先度による前記CWの最大値(CWmax)より大きければ、前記CWの値を前記CWmaxに設定する。
【0021】
前記プロセッサは、キューに貯蔵されるデータのアクセスカテゴリに応じて区分される複数のキューを運営し、前記複数のキューそれぞれにおいてバックオフタイマーに当たる時間に基づいてチャネルにアクセスするバックオフ手順を行う。前記キューに貯蔵されたデータがなく、前記キューに当たるバックタイマー0であれば、前記プロセッサは前記バックオフタイマーのスロットの境界でいかなる動作も行わなくてもよい。また、前記バックオフタイマーは、競争ウィンドウ(CW)のうちから算出された無作為の整数値と予め設定されたスロットタイムに基づいて設定され、前記予め指定されたスロットタイムの間に前記チャネルが遊休であれば減少される。
【0022】
前記キューに貯蔵されたデータがなく、前記キューに当たるバックオフタイマーが0であれば、前記プロセッサは前記バックオフタイマーを0に維持する。
【0023】
本発明の実施例によるベース無線通信端末と無線で通信する無線通信端末の動作方法は、前記ベース無線通信端末に伝送するデータの優先度に応じてチャネルにアクセスするステップと、前記チャネルを介して前記データを伝送するステップと、を含む。
【0024】
前記チャネルにアクセスするステップは、前記ベース無線通信端末が前記無線通信端末のマルチユーザ上り伝送の参加をトリガーするのかに基づき、チャネルアクセスのために使用されるパラメータの集合であるパラメータセットを第1パラメータセットから第2パラメータセットに転換するステップと、前記無線通信端末が前記ベース通信端末に伝送するトラフィックの優先度に応じて第2パラメータセットを使用してチャネルにアクセスするステップと、を含む。詳しくは、前記チャネルにアクセスするステップは、前記ベース無線通信端末からトリガーフレームを受信するステップと、前記トリガーフレームが前記無線通信端末の上り伝送を指示するのか否かに基づいて前記パラメータセットを前記第1パラメータセットから前記第2パラメータセットに転換するステップと、を含む。
【0025】
前記動作方法は、前記送受信部を使用して前記ベース無線通信端末にトリガー基盤PPDUを伝送するステップを更に含む。この際、前記第1パラメータセットから前記第2パラメータセットに転換するステップは、前記トリガー基盤PPDUが含むMPDUに対する即刻の応答を受信するのかに基づき、前記即刻の応答の受信に応じて第2パラメータセットタイマーを設定するステップと、前記第2パラメータセットタイマーが満了すれば、前記第2パラメータセットの適用を終了するステップと、を含む。また、前記チャネルにアクセスするステップは、前記トリガー基盤PPDUが含むMPDUに対する即刻の応答を受信するのかに基づき、前記パラメータセットを前記第1パラメータセットから前記第2パラメータセットに転換するステップを更に含む。
【0026】
前記第2パラメータセットを設定するステップは、前記即刻の応答の受信が終了されば前記第2パラメータセットタイマーを設定するステップを更に含む。
【0027】
前記第2パラメータセットタイマーを設定するステップは、前記即刻の応答を受信したMPDUのアクセスカテゴリに対して前記第2パラメータセットタイマーを設定するステップを含む。
【0028】
前記第2パラメータセットタイマーを設定するステップは、前記トリガー基盤PPDUが含むMPDUが要請する応答の形態に基づき、前記第2パラメータセットタイマーの設定時期を決定する。
【0029】
前記第2パラメータセットタイマーを設定するステップは、前記トリガー基盤PPDUが含むMPDUがACKを要請しなければ、前記トリガー基盤PPDUの伝送を完了した際に前記第2パラメータセットタイマーを設定するステップを含む。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一実施例は、向上された分散チャネルアクセスを使用する無線通信方法及びそれを利用する無線通信端末を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の一実施例による無線LANシステムを示す図である。
【
図2】本発明の他の実施例による無線LANシステムを示す図である。
【
図3】本発明の一実施例によるステーションの構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施例によるアクセスポイントの構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の一実施例によるステーションがアクセスポイントとリンクを設定する過程を概略的に示す図である。
【
図6】本発明の実施例による無線通信端末がUL MU伝送に応じてEDCAパラメータを調整することを示す図である。
【
図7】本発明の実施例による無線通信端末がMU EDCAパラメータセットを適用する方法を示す図である。
【
図8】本発明の実施例による無線通信端末が複数のTID A-MPDUを集合する方法を示す図である。
【
図9】本発明の実施例による無線通信端末がベース無線通信端末からMU EDCAパラメータセットに関する情報を受信し、MU EDCAパラメータセットに関する情報を適用する動作を示す図である。
【
図10】本発明の実施例によるベース無線通信端末がQoS Controlフィールドを介してBSRを伝送する動作を説明する図である。
【
図11】本発明の他の実施例による無線通信端末が無線通信端末からMU EDCAパラメータセットに関する情報を受信し、MU EDCAパラメータセットに関する情報を適用する動作を示す図である。
【
図12】本発明のまた他の実施例による無線通信端末がトリガーフレームからMU EDCAパラメータセットに関する情報を獲得し、MU EDCAパラメータセットに関する情報を適用する動作を示す図である。
【
図13】本発明の更に他の実施例による無線通信端末がターゲットウェイクタイムエレメントからMU EDCAパラメータセットに関する情報を獲得し、MU EDCAパラメータセットに関する情報を適用する動作を示す図である。
【
図14】本発明の実施例による無線通信端末がMU EDCAパラメータの適用を終了する動作を示す図である。
【
図15】本発明の更に他の実施例による無線通信端末がMU ECDAパラメータの適用を終了する動作を示す図である。
【
図16】本発明の更に他の実施例による無線通信端末がMU EDCAパラメータを適用する動作を示す図である。
【
図17】本発明の実施例による無線通信端末が生成するA-MPDUと該当A-MPDUに対する応答の形態を示す図である。
【
図18】本発明の更に他の実施例による無線通信端末がMU EDCAパラメータを適用する動作を示す図である。
【
図19】本発明の実施例による無線通信端末がMU EDCAパラメータセットを適用する動作を示す図である。
【
図20】本発明の実施例による無線通信端末がEDCAパラメータセットを変更しながらCW値を変更する動作を示す図である。
【
図21】本発明の実施例による無線通信端末がEDCAパラメータセットを変更しながらCW値を変更する動作を示す図である。
【
図22】本発明の実施例によるMU EDACパラメータセットエレメントの具体的な形式を示す図である。
【
図23】本発明の更に他の実施例によるMU EDACパラメータセットエレメントの具体的な形式を示す図である。
【
図24】本発明の実施例による無線通信端末のUL MU伝送後のEDCA動作を示す図である。
【
図25】本発明の実施例による無線通信端末のEDCAキューが空いており、バックオフタイマーが0である際の無線通信端末の動作を示す図である。
【
図26】本発明の更に他の実施例による無線通信端末のEDCAキューが空いており、バックオフタイマーが0である際の無線通信端末の動作を示す図である。
【
図27】本発明の更に他の実施例による無線通信端末のEDCAキューが空いており、バックオフタイマーが0である際の無線通信端末の動作を示す図である。
【
図28】本発明の実施例による無線通信端末の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付した図面を参照し本発明の実施例について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施例に限らない。そして、図面において、本発明を明確にするために説明とは関係のない部分は省略しており、明細書全体にわたって類似した部分に対しては類似した図面符号をつけている。
【0033】
また、ある部分がある構成要素を「含む」という際、これは特に反対する記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素を更に含むことを意味する。
【0034】
本出願は、韓国特許出願第10-2016-0114822号(2016.09.07)、第10-2016-0116877号(2016.09.10)、第10-2016-0116965(2016.09.12)第10-2016-0117898号(2016.09.13)、第10-2016-0122488号(2016.09.23)、第10-2016-0147189号(2016.11.06)及び第10-2017-0022227号(2017.02.20)を基礎とした優先順位を主張し、優先順位の基礎となる上記各出願に記述され、実施例と記載事項は、本出願の詳細な説明に含まれているものとする。
【0035】
図1は、本発明の一実施例による無線LANシステムを示す図である。無線LANシステムは一つまたはそれ以上のベーシックサービスセット(Basic Service Set、BSS)を含むが、BSSとは無事に同期化を果たして互いに通信し得る機器の集合を示す。一般に、BSSはインフラストラクチャBSS(infrastructure BSS)と独立BSS(Independent BSS、IBSS)に区分されるが、
図1はこのうちインフラストラクチャBSSを示している。
【0036】
図1に示したように、インフラストラクチャBSS BSS1、BSS2は、一つまたはそれ以上のステーションSTA1、STA2、STA3、STA4、STA5、分配サービス(Distribution Service)を提供するステーションであるアクセスポイントPCP/AP-1、PCP/AP-2、及び多数のアクセスポイントPCP/AP-1、PCP/AP-2を連結する分配システム(Distribution System, SD)を含む。
【0037】
ステーション(station、STA)はIEEE 802.11標準の基底に従う媒体接続制御(Medium Access Control、 MAC)と無線媒体に対する物理層(Physical Layer)インタフェースを含む任意のデバイスであって、広い意味では非アクセスポイント(non-AP)だけでなくアクセスポイント(AP)も含む。また、本明細書において、「端末」はnon-AP STAまたはAPを指すか、両者を全て指す用語として使用される。無線通信のためのステーションはプロセッサ(Processor)と送受信部(transmit/receive unit)を含み、実施例によってユーザインタフェース部とディスプレーユニットなどを更に含む。プロセッサは無線ネットワークによって伝送するフレームを生成するか、または前記無線ネットワークによって受信されたフレームを処理し、その他にもステーションを制御するための多様な処理をする。そして、送受信部は前記プロセッサと機能的に連結されており、ステーションのために無線ネットワークを介してフレームを送受信する。
【0038】
アクセスポイント(Access Point、AP)は自らに結合されたステーションのために無線媒体を経由して分配システムDSに対する接続を提供する個体である。インフラストラクチャBSSにおいて、非APステーション間の通信はAPを経由して行われることが原則であるが、ダイレクトリンクが設定された場合には非APステーション間での直接通信が可能になる。一方、本発明において、APはPCP(Personal BSS Coordination Point)を含むがねとして使用され、広い意味では集中制御器、基地局(Base Station、GS)、ノードB、BTS(Base Transceiver System)、またはサイト制御器などの概念を全て含む。
【0039】
複数のインフラストラクチャBSSは分配システムを介して相互連結される。この際、分配システムを介して連結された複数のBSSを拡張サービスセット(Extended Service Set、ESS)とする。
【0040】
図2は、本発明の他の実施例による無線LANシステムである独立BSSを示す図である。
図2の実施例において、
図1の実施例と同じであるか相応する部分は重複する説明は省略する。
【0041】
図2に示したBSS3は独立BSSであってAPを含まないため、全てのステーションSTA6、STA7がAPと接続されない状態である。独立BSSは分配システムとして接続が許容されず、自己完備的ネットワーク(self-contained network)を成す。独立BSSにおいて、それぞれのステーションSTA6、STA7はダイレクトで互いに連結される。
【0042】
図3は、本発明の一実施例によるステーション100の構成を示すブロック図である。
【0043】
図示したように、本発明の実施例によるステーション100は、プロセッサ110、送受信部120、ユーザインタフェース140、ディスプレーユニット150、及びメモリ160を含む。
【0044】
まず、送受信部120は無線LANパケットなどの無線信号を送受信し、ステーション100に内装されているか外装として備われる。実施例によると、送受信部120は互いに異なる周波数バンドを利用する少なくとも一つの送受信モジュールを含む。例えば、前記送受信部120は2.4GHz、5GHz及び50GHzなどの互いに異なる周波数バンドの送受信モジュールを含む。一実施例によると、ステーション100は6GHz以上の周波数バンドを利用する送受信モジュールと、6GHz以下の周波数バンドを利用する送受信モジュールを備える。それぞれの送受信モジュールは該当送受信モジュールが支援する周波数バンドの無線LAN規格によってAPまたは外部ステーションと無線通信を行う。送受信部120はステーション100の性能及び要求事項によって一度に一つの送受信モジュールのみを動作させるか、同時に多数の送受信モジュールを共に動作させる。ステーション100が複数の送受信モジュールを備える場合、各相受信モジュールはそれぞれ独立した形態に備えられてもよく、複数のモジュールが一つのチップに統合されて備えられてもよい。
【0045】
次に、ユーザインタフェース部140はステーション100に備えられて多様な形態の入出力手段を含む。つまり、ユーザインタフェース部140は多様な入力手段を利用してユーザの入力を受信し、プロセッサ110は受信されたユーザ入力に基づいてステーション100を制御する。また、ユーザインタフェース部140は多様な出力手段を利用してプロセッサ110の命令に基づいて出力を行う。
【0046】
次に、ディスプレーユニット150はディスプレー画面にイメージを出力する。前記ディスプレーユニット150はプロセッサ110によって行われるコンテンツまたはプロセッサ110の制御命令に基づいたユーザインタフェースなどの多様なディスプレーオブジェクトを出力する。また、メモリ140はステーション110で使用される制御プログラム及びそれによる各種データを貯蔵する。このような制御プログラムにはステーション100がAPまたは外部ステーションと接続を行うが、必要な接続プログラムが含まれる。
【0047】
本発明のプロセッサ110は多様な命令またはプログラムを行い、ステーション100内部のデータをプロセスする。また、前記プロセッサ110は上述したステーション100の各ユニットを制御し、ユニット間のデータ送受信を制御する。本発明の実施例によると、プロセッサ110は、メモリ160に貯蔵されたAPとの接続のためのプログラムを実行し、APが伝送した通信設定メッセージを受信する。また、プロセッサ110は通信設定メッセージに含まれたステーション100の優先条件に関する情報を判読し、ステーション100の優先条件に関する情報に基づいてAPに対する接続を要請する。本発明のプロセッサ110はステーション100のメインコントロールユニットを指してもよく、実施例によってはステーション100の一部構成、例えば、送受信部120などを個別的に制御するためのコントロールユニットを指してもよい。つまり、プロセッサ110は送受信部120から送受信される無線信号をモジュレーションするモジュレーション部またはデモジュレーション部(MPDUlator and/or deMPDUlator)である。プロセッサ110は本発明の実施例によるステーション100の無線信号送受信の各種動作を制御する。これに対する具体的な実施例は後述する。
【0048】
図3に示したステーション100は本発明の一実施例によるブロック図であって、分離して示したブロックはデバイスのエレメントを論理的に区別して示したものである。よって、上述したデバイスのエレメントは、デバイスの設計によって一つのチップまたは複数のチップで装着される。例えば、前記プロセッサ110及び送受信部120は一つのチップに統合されて具現されてもよく、別途のチップで具現されてもよい。また、本発明の実施例において、前記ステーション100の一部構成、例えばユーザインタフェース部140及びディスプレーユニット150などはステーション100に選択的に備えられる。
【0049】
図4は、本発明の一実施例によるAP200の構成を示すブロック図である。
【0050】
図示したように、本発明の一実施例によるAP200はプロセッサ210、送受信部220及びメモリ260を含む。
図4において、AP200の構成のうち
図3のステーション100の構成と同じであるか相応する部分に対しては重複した説明は省略する。
【0051】
図4を参照すると、本発明によるAP200は少なくとも一つの周波数バンドでBSSを運営するための送受信部220を備える。
図3の実施例で説明したように、前記AP200の送受信部220も互いに異なる周波数バンドを利用する複数の送受信モジュールを含む。つまり、本発明の実施例によるAP200は互いに異なる周波数バンド、例えば2.4GHz、5GHz、60GHzのうち2つ以上の送受信モジュールを共に備える。好ましくは、AP200は6GHz以上の周波数バンドを利用する送受信モジュールと、6GHz以下の周波数バンドを利用する送受信モジュールを備える。それぞれの送受信モジュールは該当送受信モジュールが支援する周波数バンドの無線LAN規格に従ってステーションと無線通信を行う。前記送受信部220はAP200の性能及び要求事項に応じて一度に一つの送受信モジュールのみを動作させるか、同時に多数の送受信モジュールを共に動作させてもよい。
【0052】
次に、メモリ260はAP200で使用される制御プログラム及びそれによる各種データを貯蔵する。このような制御プログラムにはステーションの接続を管理する管理プログラムが含まれる。また、プロセッサ210はAP200の各ユニットを制御し、ユニット間のデータ送受信を制御する。本発明の実施例によると、プロセッサ210はメモリ260に貯蔵されたステーションとの接続のためのプログラムを実行し、一つ以上のステーションに対する通信設定メッセージを伝送する。この際、通信設定メッセージには各ステーションの接続優先条件に関する情報が含まれる。また、プロセッサ210はステーションの接続要請に応じて接続設定を行う。一実施例によると、プロセッサ210は送受信部220から送受信される無線信号をモジュレーションするモジュレーション部またはデモジュレーション部である。プロセッサ210は本発明の実施例によるAP200の無線信号送受信の各種動作を制御する。これに対する具体的な実施例は後述する。
【0053】
図5は、STAがAPとリンクを設定する過程を概略的に示している。
【0054】
図5を参照すると、STA100とAP200間のリンクは大きくスキャニング(scanning)、認証(authentication)、及び結合(association)の3つのステップを介して設定される。まず、スキャニングステップは、AP200が運営するBSSのアクセス情報をSTA100が獲得するステップである。スキャニングを行うための方法としては、AP200が周期的に伝送するビーコン(beacon)メッセージS101のみを活用して情報を獲得するパッシブスキャニング(passive scanning)方法と、STA10がAPにプローブ要請(probe request)を伝送しS103、APからプローブ応答(probe response)を受信してS105、アクセス情報を獲得するアクティブスキャニング(active acanning)方法がある。
【0055】
スキャニングステップにおいて無線アクセス情報の受信に成功したSTA100は、認証要請(authentication request)を伝送しS107a、AP200から認証応答(authentication response)を受信してS107b、認証ステップを行う。認証ステップが行われた後、STA100は結合要請(association request)を伝送しS109a、AP200から結合応答(associtation response)を受信してS109b、結合ステップを行う。本明細書において、結合とは基本的に無線結合を意味するが、本発明はこれに限らず、広い意味での結合は無線結合及び有線結合を全て含む。
【0056】
一方、追加的に802.1X基盤の認証ステップS111、及びDHCPを介したIPアドレス獲得ステップS113が行われる。
図5において、認証サーバ300はSTA100と802.1X基盤の認証を処理するサーバであって、AP200に物理的に結合されて存在するか、別途のサーバとして存在してもよい。
【0057】
具体的な実施例ではAP(200)は、ad-hocネットワークのように、外部の分配サービス(Distribution Service)に接続されていない独立したネットワークでの通信媒体リソースを割り当ててスケジューリングを実行する無線通信端末であることができる。また、AP(200)は、ベースステーション(base station)、eNB、およびトランスミッションポイント(TP)のうちの少なくともいずれかであることができる。また、AP(200)は、ベースの無線通信端末と呼ばれることができる。
【0058】
また、ベースの無線通信端末は、複数の無線通信端末との通信で通信媒体(medium)リソースを割り当ててスケジューリング(scheduling)する無線通信端末であることができる。具体的には、ベースの無線通信端末は、セルコーディネーター(cell coordinator)の役割を実行することができる。具体的な実施例では、ベースの無線通信端末は、ad-hocネットワークのように、外部の分配サービス(Distribution Service)に接続されていない独立したネットワークでの通信媒体リソースを割り当ててスケジューリングを実行する無線通信端末であることができる。
【0059】
非免許帯域のように様々な無線通信装置が共同に使用する周波数帯域において、無線通信装置は競争手順を介してチャネルにアクセスする。詳しくは、予め指定された時間の間に無線通信装置がアクセスしようとするチャネルが遊休であれば、無線通信装置はバックオフ手順を始める。バックオフ手順において、無線通信装置は競争ウィンドウ(CW)のうちから無作為の整数値を獲得し、無作為の整数値をバックオフタイマーとして設定する。予め指定されたスロットタイム(slot time)の間に該当チャネルが遊休(idle)であれば、無線通信装置はバックオフタイマーを減少させる。バックオフタイマーの値が0であれば、無線通信端末は該当チャネルにアクセスする。この際、該当チャネルが使用中(busy)であれば、無線通信端末はバックオフ手順を中断する。予め指定された時間の間に無線通信端末がアクセスしようとするチャネルが遊休であれば、無線通信端末は更にバックオフ手順を再開(resume)する。
【0060】
また、無線通信端末は伝送するデータの優先順位に応じてチャネルにアクセスする。詳しくは、無線通信端末は伝送するデータの優先順位に応じて決定されるCWを使用する。この際、CWの最小値(CWmin)と最大値(CWmax)は、無線通信端末が伝送するデータの優先順位に応じて決定される。また、無線通信端末がバックオフ手順を始めるために待機する予め指定された時間は、無線通信端末が伝送するデータの優先順位に応じて決定される。また、無線通信端末は伝送するデータの優先順位に応じて指定された時間だけ待機した後、バックオフ手順を始める。優先順位に応じて指定された時間は、AIFS(arbitration interframe space)と称する。このような動作を向上された分散チャネルアクセス(enhanced distributed channel access、ECDA)と称する。また、データの優先順位は、アクセスカテゴリ(Access Category、AC)に応じて決定される。
【0061】
ベース無線通信端末は、一つ以上の(one or more)無線通信端末のベース無線通信端末に対する上り伝送をトリガリングする。この際、一つ以上の無線通信端末は、OFDM(orthogonal frequency-division multiple access)を利用してベース無線通信端末に対する上り伝送を行う。また、ベース無線通信端末は、トリガーフレームまたはMACヘッダを介してトリガー情報を一つ以上の無線通信端末に伝送し、一つ以上の無線通信端末のベース無線通信端末に対する上り伝送をトリガリングする。この際、ベース無線通信端末は一つ以上の無線通信端末の上り伝送のためにチャネルにアクセスする。また、一つ以上の無線通信端末も、一つ以上の無線通信端末それぞれの上がり伝送のためにチャネルにアクセスする。よって、一つ以上の無線通信端末の上り伝送がベース無線通信端末によって上り伝送がスケジューリングされれば、一つ以上の無線通信端末の上り伝送は同じ優先順位を有するデータを伝送する他の無線通信端末の伝送に比べ高い優先順位を有するようになる。また、ベース無線通信端末と一つ以上の無線通信端末が同じ伝送のために同時にチャネルにアクセスするようになり、チャネルアクセスの効率が落ちる恐れがある。よって、上りマルチユーザ(Uplink Multi-User、UL MU)の伝送がスケジューリングされれば、EDCAパラメータ値を調整する必要がある。
【0062】
図6は、本発明の実施例による無線通信端末がUL MU伝送に応じてEDCAパラメータを調整することを示す図である。
【0063】
UL MU伝送にスケジューリングされた無線通信端末は、UL MU伝送にスケジューリングされていないときより低い確率でチャネルアクセスの成功を保障するチャネルアクセス方法を使用する。詳しくは、UL MU伝送にスケジューリングされた無線通信端末は、別途のEDCAパラメータセット(set)を使用する。具体的な実施例において、UL MU伝送にスケジューリングされた無線通信端末は、同じデータを伝送するためのチャネルアクセスで以前使用していたEDCAパラメータセットより低い確率でチャネルアクセスを試みるECDAパラメータセットを使用する。この際、EDCAパラメータセットは無線通信端末が伝送するデータの優先度に応じたEDCAの動作に使用されるパラメータの集合である。詳しくは、ECDAパラメータセットはCWに関するパラメータを含む。この際、CWに関するパラメータは、CWminとCWmaxのうち少なくともいずれか一つを含む。また、EDCAパラメータセットは、無線通信端末がバックオフ手順を始めるために待機する予め指定された時間に関するパラメータ値を含む。この際、予め指定された時間は、上述したAIFSである。説明の便宜上、UL MU伝送にスケジューリングされた無線通信端末が使用する別途のEDCAパラメータセットをMU EDCAパラメータセットと称する。
【0064】
図7の実施例のように、MU EDCAパラメータセットが適用された無線通信端末は、該当データを伝送するために待機する一般的なAIFS期間より長いAIFS期間の間にアクセスしようとするチャネルが遊休であればチャネルにアクセスする。該当チャネルがMU EDCAパラメータセットに当たるAIFSの間に遊休であれば、無線通信端末は該当チャネルに対するバックオフ手順を始める。
【0065】
ベース無線通信端末は、MU EDCAパラメータセットに関する情報をUL MU伝送にスケジューリングされた無線通信端末に伝送する。詳しくは、ベース無線通信端末は、MU EDCAパラメータセットに関する情報を含むMU EDCAパラメータエレメントをUL MU伝送にスケジューリングされた無線通信端末に伝送する。この際、ベース無線通信端末はビーコンフレームを使用してMU EDCAパラメータエレメントを伝送する。EDCAパラメータセットを転換する具体的な方法について、
図7乃至
図11を介して詳しく説明する。
【0066】
図7は、本発明の実施例による無線通信端末がMU EDCAパラメータセットを適用する方法を示す図である。
【0067】
無線通信端末は、MU EDCAパラメータセットの適用可否をAC別に判断する。詳しくは、無線通信端末はUL MU伝送可否に基づいてAC別にMU EDCAパラメータセットの適用可否を決定する。具体的な実施例において、無線通信端末は、UL MU伝送にスケジューリングされたACに当たるデータの伝送にMU EDCAパラメータセットを適用する。UL MU伝送対象に該当しないACにまでMU EDCAパラメータセットを適用すれば、チャネルアクセスの平衡性が低下する恐れがあるためである。
【0068】
図7の実施例において、無線通信端末はMU EDCAパラメータセットを適用する。この際、無線通信端末はMU EDCAパラメータセットが示す一部のAC(BE、BK)に対してMU EDCAパラメータセットを適用する。よって、無線通信端末は、ACがBE、BKに当たるトラフィックを伝送するために、MU EDCAパラメータセットを使用してチャネルにアクセスする。この際、無線通信端末が一定時間内に伝送を始められる確率は、一般的なEDCAパラメータセットを使用する場合より低い。
【0069】
無線通信端末がAC別にMU EDCAパラメータセットの適用可否を決定すれば、無線通信端末はMU EDCAパラメータセットが適用されるACを特定ACに誘導して他の端末との平衡性を阻害する恐れがある。例えば、無線通信端末は、現在比較的大きいバックオフタイマー値を有するACデータのみをUL MU伝送にスケジューリングされるように誘導する可能性がある。よって、無線通信端末は、現在のチャネルアクセス待機状態に基づいてMU EDCAパラメータセットの適用可否を決定する。詳しくは、無線通信端末がMU EDCAパラメータセットを適用する際、無線通信端末はチャネルアクセス待機時間が最も短いプライマリーACにMU EDCAパラメータセットを義務的に適用すると規定されてもよい。この際、チャネルアクセス待機時間は、残っているバックオフタイマーの値とAIFS値に基づいて決定される。詳しくは、チャネルアクセス待機時間は、バックオフタイマーに当たる時間とAIFSの和であってもよい。チャネルアクセス待機時間が最小の無線通信端末が複数であれば、無線通信端末は複数のACにMU EDCAパラメータセットを義務的に適用するようにEDCAパラメータセットの適用条件を制限する。
【0070】
図8は、本発明の実施例による無線通信端末が複数のTID A-MPDUを集合する方法を示す図である。
【0071】
無線通信端末は、複数のTIDそれぞれに当たる複数のMPDUを集合して(aggregate)、A-MPDU(Aggregate-MAC Protocol Data Unit)を生成する。この際、A-MPDUを複数のTID A-MPDU(multi-TID A-MPDU)と称する。この際、無線通信端末が意図的にチャネルアクセス待機時間が多く残っているACに当たるTIDのMPDUを複数のTID A-MPDUに挿入すれば、無線通信端末間の伝送平衡性が落ちる恐れがある。よって、無線通信端末は、残っているチャネルアクセス待機時間が最も短いACに当たるTIDのMPDUを含んで複数のTID A-MPDUを伝送するように制限される。この際、複数のTID A-MPDUに含まれるチャネルアクセス待機時間が最も短いACに当たるTIDのMPDUの大きさは、予め指定された大きさ以上である。また、無線通信端末がUL MU伝送をすれば、無線通信端末はベース無線通信端末が指示するTIDを含んでTID A-MPDUを伝送するように制限される。
【0072】
図8の無線通信端末において、チャネルアクセス待機時間が最も短いACはVOである。無線通信端末は、ACがVOに当たるTID(TID1)のMDPUを含んで複数のTID A-MPDUを生成する。無線通信端末は、生成した複数のTID A-MPDUをベース無線通信端末に伝送する。この際、無線通信端末は、複数のTID A-MPDUが含むMPDUのQoS controlフィールドを介してバッファ状態レポート(Buffer Status Report、BSR)を伝送する。それについては、
図10を介して詳しく説明する。無線通信端末は、このような実施例を介して他の無線通信端末とのチャネルアクセスの平衡性を守ることができる。
【0073】
上述したように、ベース無線通信端末は、MU EDCAパラメータセットに関する情報を無線通信端末に伝送する。それについては、
図9乃至
図11を介して説明する。
【0074】
図9は、本発明の実施例による無線通信端末がベース無線通信端末からMU EDCAパラメータセットに関する情報を受信し、MU EDCAパラメータセットに関する情報を適用する動作を示す図である。
【0075】
無線通信端末がBSRを伝送した際、無線通信端末はMU EDCAパラメータセットを適用する。詳しくは、無線通信端末がBSRを伝送した際、無線通信端末はBSR伝送に関するACにMU EDCAパラメータセットを適用する。BSR伝送に関するACは、BSRを介してバッファ状態が報告されたACである。また、無線通信端末がBSRを伝送した際、無線通信端末は全てのACにMU EDCAパラメータセットを適用する。ベース無線通信端末が、無線通信端末が伝送したBSRに基づいてUL MU伝送をスケジューリングすることができるためである。詳しくは、無線通信端末は
図9(a)の実施例のように、BSRを伝送完了したときからMU EDCAパラメータセットを適用してチャネルにアクセスする。無線通信端末は、様々な方法を介してBSRをベース無線通信端末に伝送する。それについては
図10を介して説明する。
【0076】
図10は、本発明の実施例によるベース無線通信端末がQoS Controlフィールドを介してBSRを伝送する動作を説明する図である。
【0077】
無線通信端末は、MACヘッダのQoS controlフィールドを使用してBSRを伝送する。この際、QoS Controlフィールドの形式は
図10(a)のようである。詳しくは、無線通信端末は、QoSデータを含むMPDUを伝送しながらMPDUのQoS controlフィールドを使用してBSRを伝送する。また、無線通信端末は、データを含まないQoS Null MPDUを伝送しながらMPDUのQoS controlフィールドを使用してBSRを伝送する。また、無線通信端末は、複数のTID A-MPDUが含み得るTID個数の制限とは関係なく、A-MPDUにQoS Null MPDUを挿入する。
【0078】
図10(b)の実施例のように、上りシングルユーザ(Uplink Single User、UL SU)伝送において、無線通信端末はQoS controlフィールドを使用してBSRを伝送する。また、トリガーフレームによってトリガーされたUL MU伝送において、無線通信端末はQoS controlフィールドを使用してBSRを伝送する。また、無線通信端末がベース無線通信端末からA-MPDUを受信し、無線通信端末はA-MPDUに対するBAフレームを伝送しながらQoS controlフィールドを使用してBSRを伝送する。また、無線通信端末はBSR伝送をトリガリングするトリガーフレームであるBSRPを受信し、無線通信端末はQoS Null MPDUのQoS controlフィールドを使用してBSRを伝送する。
【0079】
更に
図9戻って説明する。他の具体的な実施例において、無線通信端末はベース無線通信端末からUL MUスケジューリングに関する情報を受信した際にMU EDCAパラメータセットを適用する。この際、UL MUスケジューリングに関する情報は、UL MU伝送がスケジューリングされたことを示す情報である。また、ベース無線通信端末は、ベーコンフレーム及びActionフレームのうち少なくともいずれか一つを使用して無線通信端末にUL MU伝送スケジューリングに関する情報を伝送する。無線通信端末は、ビーコンフレーム及びActionフレームのうち少なくともいずれか一つからUL MU伝送スケジューリングに関する情報を獲得する。この際、ActionフレームはActionフレームに対するACKフレームが要求されないAction no ACKフレームである。詳しくは、無線通信端末は、ベース無線通信端末からUL MUスケジューリングに関する情報を受信し、UL MUスケジューリングに関する情報が指示するACにMU EDCAパラメータセットを適用する。また、無線通信端末は、UL MUスケジューリングに関する情報を受信したときから一定期間内にBSRを伝送した履歴のあるACに対してMU EDCAパラメータセットを適用する。UL MUスケジューリングに関する情報は、HE operation elementのreservedビットに含まれる。また、ビーコンフレームがMU EDCAパラメータセットを含む場合、UL MU伝送がスケジューリングされていることを黙示的に(implicit)示す。また、MU EDCAパラメータセットを示すフィールドがUL MU伝送がスケジューリングされていることを示すフィールドを含む。
図9(b)の実施例において、無線通信端末はビーコンフレームを受信する。無線通信端末は、ビーコンフレームからUL MUスケジューリングに関する情報を獲得する。この際、無線通信端末は、基準地点(reference point)からUL MUスケジューリングに関する情報を受信したときまでの期間内にBSRを伝送したACに対してMU EDCAパラメータセットを適用する。
【0080】
他の具体的な実施例において、ベース無線通信端末はUL MU伝送スケジューリング可否以外に具体的なUL MU伝送スケジューリング情報を伝送する。それについては
図11を介して説明する。
【0081】
図11は、本発明の他の実施例によ無線通信端末が無線通信端末からMU EDCAパラメータセットに関する情報を受信し、MU EDCAパラメータセットに関する情報を適用する動作を示す図である。
【0082】
ベース無線通信端末は、UL MU伝送がスケジューリングされた無線通信端末を識別する情報を伝送する。無線通信端末はUL MU伝送がスケジューリングされた無線通信端末を識別する情報を受信し、UL MU伝送がスケジューリングされた無線通信端末を識別する情報に基づいてMU EDCAパラメータセットを適用する。詳しくは、ベース無線通信端末は、周期的に一定期間の間にUL MU伝送がスケジューリングされた無線通信端末を識別する情報を伝送する。この際、ベース無線通信端末は、ビーコンフレームを使用して一定期間の間にUL MU伝送がスケジューリングされた無線通信端末を識別する情報を伝送する。また、ベース無線通信端末は、ビーコンフレームのTIMエレメントを使用してUL MU伝送がスケジューリングされた無線通信端末を識別する情報を伝送する。他の具体的な実施例において、ベース無線通信端末は、UL MUスケジューリングに関する情報を示すエレメントを使用してUL MU伝送がスケジューリングされた無線通信端末を識別する情報を伝送する。また、ベース無線通信端末は、UL MU伝送がスケジューリングされた無線通信端末を識別する情報だけでなく、UL MU伝送がスケジューリングされたデータのACを示す情報を共に伝送する。この際、UL MU伝送がスケジューリングされたデータのACを示す情報は、場合によっては全てのACを示し得る。また、ベース無線通信端末は、UL MU伝送がスケジューリングされた無線通信端末を識別する情報だけでなく、UL MU伝送がトリガーされる時点を示す情報を伝送する。この際、UL MU伝送がトリガーされる時点は、トリガー情報が伝送される時点を示す。詳しくは、トリガー情報はトリガーフレームを含む。また、ベース無線通信端末は、トリガー情報を伝送するためのバックオフ手順におけるバックオフタイマー値を伝送する。
【0083】
図11の実施例において、第1ステーション(STA1)はアクセスポイント(AP)にBSRを伝送する。アクセスポイント(AP)はBSRを受信し、受信したBSRに基づいて第1ステーション(STA1)の上り伝送をスケジューリングする。アクセスポイント(AP)は、スケジューリングされたUL MU伝送に関する情報をビーコンフレームを使用して伝送する。この際、スケジューリングされたUL MU伝送に関する情報は、UL MU伝送がスケジューリングされた無線通信端末を識別する情報を含む。この際、スケジューリングされたUL MU伝送に関する情報は、AID(Association ID)またはAIDに当たる無線通信端末がUL MU伝送がスケジューリングされたのかを示すビットマップである。第1ステーション(STA1)はアクセスポイント(AP)からビーコンフレームを受信し、ビーコンフレームからスケジューリングされたUL MU伝送に関する情報を獲得する。スケジューリングされたUL MU伝送に関する情報が第1ステーション(STA1)がUL MU伝送にスケジューリングされていることを示せば、第1ステーション(STA1)はMU EDCAパラメータセットを適用する。
【0084】
図12は、本発明のまた他の実施例による無線通信端末がトリガーフレームからMU EDCAパラメータセットに関する情報を獲得し、MU EDCAパラメータセットに関する情報を適用する動作を示す図である。
【0085】
無線通信端末が受信したトリガー情報が無線通信端末のマルチユーザ上り伝送をトリガーするのかに基づいて、無線通信端末はMU EDCAパラメータセットを適用する。詳しくは、無線通信端末が受信したトリガーフレームのUser Infoフィールドが該当無線通信端末を指示するのかに基づいて、無線通信端末はMU EDCAパラメータセットを適用する。具体的な実施例において、無線通信端末は、トリガーフレームを受信した際にMU EDCAパラメータセットを適用する。このような実施例において、無線通信端末がMU EDCAパラメータを適用するようにするために、ベース無線通信端末は別途の情報を伝送しない。但し、ベース無線通信端末はトリガーフレームを伝送するためのチャネルアクセスを試みるが、この際UL MU伝送がスケジューリングされた無線通信端末も従来のEDCAパラメータセットを使用してチャネルアクセスを試みる。
【0086】
よって、ベース無線通信端末は、トリガー情報を使用してトリガー情報が伝送された後にトリガーされる無線通信端末に関する情報を伝送する。詳しくは、ベース無線通信端末は、トリガーフレームのUser Infoフィールドを使用してトリガーフレームが伝送された後にトリガーされる無線通信端末に関する情報を伝送する。具体的な実施例において、User Infoフィールドに含まれた資源単位(Resource Unit、RU)割当情報を示すフィールドが予め指定された値を示せば、User Infoフィールドは該当UserI Infoフィールドが指示する無線通信端末が指示する無線通信端末がトリガーフレームが伝送された後にトリガーされることを示す。この際、無線通信端末は、User Infoフィールドが示すRU割当情報が予め指定された値であれば、該当User Infoフィールドが指示する無線通信端末はMU EDCAパラメータセットを適用する。他の具体的な実施例において、User Infoフィールドに含まれたRU割当情報を示すフィールドの値が予め指定された値であれば、RU割当情報を示すフィールドはMU EDCAパラメータセットを適用するACを示す。
【0087】
このような実施例において、User Infoフィールドが指示する無線通信端末は、User InfoフィールドのRU割当情報を示すフィールドと、User Infoフィールドが指示する無線通信端末を示すフィールドを除いた残りのフィールドを無視する。また、トリガーフレームが伝送された後にトリガーされる無線通信端末に関する情報を示すUser Infoフィールドの大きさは一般的なUser Infoフィールドの大きさより小さい。詳しくは、ベース無線通信端末は、User InfoフィールドのRU割当情報を示すフィールドと、User Infoフィールドが指示する無線通信端末を示すフィールドを除いた残りのフィールドのうち少なくともいずれか一つのフィールドを省略したままUser Infoフィールドを伝送する。トリガーフレームが伝送された後にトリガーされる無線通信端末に関する情報を示すUser Infoフィールドは、トリガーフレームが伝送された後にトリガーされる複数の無線通信端末に関する情報を示す。この際、User InfoフィールドはグループAIDを含む。また他の具体的な実施例において、User InfoフィールドはブロードキャストAIDを含む。
【0088】
図12(a)の実施例において、ベース無線通信端末は無線通信端末にトリガーフレームを伝送する。トリガーフレームが指示する無線通信端末は、MU EDCAパラメータセットを適用する。この際、トリガーフレームは、上述したように、トリガーフレームが伝送された後にトリガーされる無線通信端末に関する情報を含む。詳しくは、トリガーフレームの形式は
図12(b)のようである。
【0089】
ベース無線通信端末は、ターゲットウェイクタイム(Target Wake Time、TWT)エレメントを伝送し、無線通信端末に無線通信端末がウェイクアップすべき時間をシグナリングする。詳しくは、ベース無線通信端末はビーコンフレームを使用してTWTエレメントを伝送する。ベース無線通信端末がTWTエレメントが指示するサービス期間(Service Period)にトリガーフレームを伝送するためにチャネルアクセスを試みる際、トリガーフレームによってトリガーされる無線通信端末が上り伝送のためにチャネルアクセスを試みる。このような状況で、無線通信端末のチャネルアクセスの試みはベース無線通信端末のチャネルアクセスの成功可能性を下げる恐れがある。よって、無線通信端末は、TWTエレメントに基づいてMU EDCAパラメータセットを適用する。それについては、
図13を介して詳しく説明する。
【0090】
図13は、本発明の更に他の実施例による無線通信端末がターゲットウェイクタイムエレメントからMU EDCAパラメータセットに関する情報を獲得し、MU EDCAパラメータセットに関する情報を適用する動作を示す図である。
【0091】
無線通信端末ば、TWTエレメントに基づいてMU EDCAパラメータセットを適用する。詳しくは、無線通信端末は、TWTエレメントが指示するサービス期間に基づいてMU EDCAパラメータセットを適用する。この際、サービス期間は、無線通信端末がベース無線通信端末とフレームを交換し得るように事前に協議した期間を示す。具体的な実施例において、無線通信端末は、TWTエレメントが指示するサービス期間の開始時点から予め指定された時間だけ遡った時間からMU EDCAパラメータセットを適用する。この際、予め指定された時間はベース無線通信端末によってシグナリングされる。詳しくは、予め指定された時間は、ビーコンフレームのエレメントを介してベース無線通信端末によってシグナリングされる。例えば、予め指定された時間はMU EDCAパラメータセットエレメントを介してベース無線通信端末によってシグナリングされる。他の具体的な実施例において、予め指定された時間はTWTエレメントを介してベース無線通信端末によってシグナリングされる。
【0092】
また、無線通信端末は、TWTエレメントが指示するサービス期間に基づいてMU EDCAパラメータセットの適用を終了する。詳しくは、無線通信端末は、TWTエレメントが指示するサービス期間から予め指定された時間が経過した際にMU EDCAパラメータセットの適用を終了する。具体的な実施例において、無線通信端末は、TWTエレメントが指示するサービス期間の開始時点に基づいてMU EDCAパラメータセットの適用を終了する。例えば、無線通信端末は、TWTエレメントが指示するサービス期間の開始時点から予め指定された時間が経過した際にMU EDCAパラメータセットの適用を終了する。また他の具体的な実施例において、無線通信端末は、TWTエレメントが指示するサービス期間の終了時点に基づいてMU EDCAパラメータセットの適用を終了する。例えば、無線通信端末は、TWTエレメントが指示するサービス期間の終了時点にMU EDCAパラメータセットの適用を終了する。
【0093】
図13の実施例において、ベース無線通信端末は、TWTエレメントを含むビーコンフレームを伝送してWTW動作のためのサービス期間をシグナリングする。ビーコンフレームを受信した無線通信端末は、TWTエレメントに基づいてMU EDCAパラメータセットの適用開始時点と終了時点を決定する。詳しくは、ビーコンフレームを受信した無線通信端末は、TWTエレメントが指示するサービス期間の開始時点に基づいてMU EDCAパラメータセットの適用開始時点を決定する。また、ビーコンフレームを受信した無線通信端末は、TWTエレメントが指示するサービス期間の開始時点に基づいてMU EDCAパラメータセットの適用終了時点を決定する。他の具体的な実施例おいて、ビーコンフレームを受信した無線通信端末は、TWTエレメントが指示するサービス期間の終了時点に基づいてMU EDCAパラメータセットの適用終了時点を決定する。
【0094】
MU EDCAパラメータは一般的なパラメータセットより不利なチャネルアクセス条件である。よって、無線通信端末は、MU EDCAパラメータセットの適用を終了する必要がある。無線通信端末は、MU EDCAパラメータの適用を終了する際にMU EDCAパラメータセットを一般のEDCAパラメータセットに転換する。それについては、
図14乃至
図15を介して説明する。
【0095】
図14は、本発明の実施例による無線通信端末がMU EDCAパラメータの適用を終了する動作を示す図である。
【0096】
無線通信端末は、タイマーを設定したときから一定時間が経過するまでMU EDCAパラメータセット適用条件が満足されなければ、MU EDCAパラメータセットの適用を終了するMU EDCAタイマーを設定する。詳しくは、無線通信端末は、トリガー情報を受信した際にMU EDCAタイマーを設定する。この際、無線通信端末は、MU EDCAタイマーを設定したときから一定期間の間にMU EDCAパラメータセットの適用条件が満足されなければ、MU EDCAパラメータセットの適用を終了する。詳しくは、無線通信端末は、MU EDCAタイマーを設定したときから一定期間の間に無線通信端末のUL MU伝送がスケジューリングされなければ、MU EDCAパラメータセットの適用を終了する。
【0097】
他の実施例において、無線通信端末は、無線通信端末のトリガー基盤PPDU伝送に対する応答を受信することでMU EDCAタイマーを設定する。詳しくは、無線通信端末がトリガー基盤PPDUの伝送に対する応答を受信したら、無線通信端末はMU EDCAタイマーを設定する。無線通信端末のトリガー基盤PPDUの伝送が失敗したら、ベース無線通信端末はトリガー情報の伝送を更に試みることができるためである。このような実施例において、無線通信端末は、トリガー基盤PPDUの伝送に対する応答を受信できなかった場合に備えられる。詳しくは、無線通信端末は、トリガー基盤PPDUを伝送した際から予め指定された時間が過ぎた時点までトリガー基盤PPDUの伝送に対する応答を受信できなければ、無線通信端末はMU EDCAパラメータセットタイマーを設定する。この際、予め指定された時間は、aSIFSTime+aRxPHYStartDelay+(2X aSlotTime)である。
【0098】
図14(a)の実施例において、無線通信端末はベース無線通信端末からトリガーフレーム(TF)を受信する。無線通信端末は、ベース無線通信端末にTID1とTID3にそれぞれ当たるMPDUを含むトリガー基盤PPDUを伝送する。無線通信端末は、ベース無線通信端末からトリガー基盤PPDUが含むMPDUに対するACKを示すM-BAフレームを受信する。このような動作において、無線通信端末は上述したようにトリガーフレーム(TF)を受信した際にMU EDCAタイマー(option1)を設定する。また、無線通信端末は、上述したようにM-BAフレームを受信した際にMU EDCAタイマー(option2)を設定する。
【0099】
また、無線通信端末がベース無線通信端末に一つ以上のACに対して該当ACに対するバッファが空いている(empty)ことをBSRにレポートしたら、無線通信端末は、該当ACのデータの伝送に対するACKを受信してMU EDCAパラメータセットの適用を終了する。
図14(b)の実施例において、無線通信端末は、ベース無線通信端末にトリガー基盤PPDUを伝送しながらTID1に対するバッファが空いていることをレポートする。よって、無線通信端末がTID1に当たるMPDUの最後の伝送に対するM-BAフレームを受信した際、無線通信端末はMU EDCAパラメータセットを一般的なEDCAパラメータセット(Legacy)に転換する。
【0100】
他の実施例において、無線通信端末は、トリガー受信情報に応じて第1MU EDCAタイマーを設定し、トリガー基盤PPDU伝送に対する応答の受信に応じてMU EDCAタイマーを設定する。この際、第1MUタイマーの周期より第2タイマーの周期が短くてもよい。詳しくは、無線通信端末は、トリガー情報を受信した際に第1MU EDCAタイマーを設定し、トリガー基盤PPDUの伝送に対する応答を受信した際にMU EDCAタイマーを設定する。
図14(c)の実施例において、無線通信端末がトリガーフレーム(TF)を受信した際に第1MU EDCAタイマー(option1)を設定する。また、無線通信端末は、M-BAフレームを受信した際に第1MU EDCAタイマー(option)によって設定された満了時間をより早い時期に満了する第2MU EDCAタイマー(option2)を設定する。
【0101】
また、無線通信端末は、MU EDCAパラメータの適用条件に応じてMU EDCAタイマーを設定する。それについては、
図15を介して詳しく説明する。
【0102】
図15は、本発明の更に他の実施例による無線通信端末がMU ECDAパラメータの適用を終了する動作を示す図である。
【0103】
無線通信端末がMU EDCAパラメータを適用する際、無線通信端末はMU EDCAタイマーを設定する。詳しくは、無線通信端末がベース無線通信端末にBSRを伝送した際、無線通信端末はMU EDCAパラメータセットを適用してMU EDCAタイマーを設定する。この際、無線通信端末が受信したトリガーフレームがBSRを伝送したACのデータ伝送をトリガーする場合、無線通信端末は従来のMU EDCAタイマーを従来のMU EDCAタイマーの満了時間より遅い時間に満了されるMU EDCAタイマーに更新する。
図15(a)の実施例において、第1ステーション(STA1)はアクセスポイント(AP)にBSRを伝送する。この際、第1ステーション(STA1)は、MU EDCAパラメータセットを適用し、MU EDCAタイマーを設定する。第1ステーション(STA1)は、アクセスポイント(AP)からBSRを伝送したACに対するトラフィック伝送をトリガーするトリガーフレームを受信する。よって、第1ステーション(STA1)は、以前設定したMU EDCAタイマーを以前設定したMU EDCAタイマーの満了時間より遅く満了されるMU EDCAタイマーに更新する。
【0104】
また、無線通信端末がビーコンフレームが含むUL MU伝送スケジューリングに関する情報に基づいてMU EDCAパラメータセットを適用すれば、無線通信端末はUL MU伝送スケジューリングに関する情報に基づいてMU EDCAパラメータセットの適用を終了する。詳しくは、ビーコンフレームがUL MU伝送スケジューリングに関する情報を含まなければ、無線通信端末はビーコンフレームに基づいてMU EDCAパラメータセットの適用を終了する。また、ビーコンフレームが含むUL MU伝送スケジューリングに関する情報が無線通信端末がUL MU伝送にスケジューリングされていないことを示せば、無線通信端末はUL MU伝送スケジューリングに関する情報に基づいてMU EDCAパラメータセットの適用を終了する。
図15(b)の実施例において、第1ステーション(STA1)はアクセスポイント(AP)からビーコンフレームを受信する。第1ステーション(STA1)は、ビーコンフレームからUL MU伝送スケジューリングに関する情報を獲得する。第1ステーション(STA1)が獲得したUL MU伝送スケジューリングに関する情報が無線通信端末のUL MU伝送がスケジューリングされていることを示せば、第1ステーション(STA1)はMU EDCAパラメータセットを適用する。次に、第1ステーション(STA1)はアクセスポイント(AP)からビーコンフレームを更に受信する。第1ステーション(STA1)は、ビーコンフレームからUL MU伝送スケジューリングに関する情報を獲得する。第1ステーション(STA1)が獲得したUL MU伝送スケジューリングに関する情報が無線通信端末のUL MU伝送がスケジューリングされていないことを示せば、第1ステーション(STA1)はMU EDCAパラメータセットから一般的なEDCAパラメータセットに転換する。
【0105】
図16は、本発明の更に他の実施例による無線通信端末がMU EDCAパラメータを適用する動作を示す図である。
【0106】
上述したように、無線通信端末がMU EDCAパラメータを適用する際、無線通信端末はMU EDCAタイマーを設定する。また、
図14を介して説明した実施例のように、無線通信端末はトリガー基盤PPDUの伝送に対する応答を受信することでMU EDCAタイマーを設定する。よって、無線通信端末は、トリガー基盤PPDU伝送に対する応答を受信することでMU EDCAパラメータセットを適用する。詳しくは、無線通信端末がトリガー基盤PPDUの伝送に対する応答を受信した際、無線通信端末はMU EDCAパラメータセットを適用する。具体的な実施例において、無線通信端末は以下の3つの条件が満足されるとMU EDCAパラメータセットを適用する。第一条件は、無線通信端末がベース無線通信端末から無線通信端末の伝送をトリガーするトリガーフレームを受信することである。詳しくは、無線通信端末が無線通信端末のAIDを指示するトリガーフレームを受信すべきである。この際、トリガーフレームは基本(basic)トリガーフレームである。具体的な実施例において、第一条件はトリガーフレームのUser Infoフィールドが無作為接続(ramdon access)を指示し、無線通信端末が無作為接続を介してトリガー基盤PPDUを伝送する場合を含む。第二条件は、トリガーフレームの受信によってQoSデータフレームを含むトリガー基盤PPDUをベース無線通信端末に伝送することである。第三条件は、無線通信端末がベース無線通信端末からトリガー基盤PPDUに対する即刻の(immediate)応答を受信することである。この際、即刻の応答は同じTXOP(transmit opportunity)内で受信者が予め決められた期間内に伝送者に応答を伝送することを示す。この3つの条件が満足されると、無線通信端末は無線通信端末が伝送したトリガー基盤PPDUが含むQoSデータフレームのACにMU EDCAパラメータセットを適用する。また、無線通信端末はベース無線通信端末からトリガー基盤PPDUに対する即刻の応答の受信を完了した時点にMU EDCAパラメータセットを適用する。例えば、無線通信端末はベース無線通信端末からトリガー基盤PPDUに対するM-BAフレームの受信を完了した時点にMU EDCAパラメータセットを適用する。また、MU EDCAタイマーが満了される前に上述した条件が満足されれば、無線通信端末はMU EDCAパラメータセットに当たる周期を有するMU EDCAタイマーに更新する。MU EDCAタイマーが満了されたら、無線通信端末はMU EDCAパラメータセットの適用を終了する。
【0107】
図16(a)の実施例において、第1ステーション(STA1)はベース無線通信端末からトリガーフレーム(TF)を受信する。この際、トリガーフレーム(TF)は第1ステーション(STA1)のAIDを指示する。第1ステーション(STA1)は、ベース無線通信端末にTID1とTID3に当たるMPDUを含むトリガー基盤PPDU(HE TRIG PPDU)を伝送する。第1ステーション(STA1)は、ベース無線通信端末からトリガー基盤PPDU(HE TRIG PPDU)に対する応答としてM-BAフレームを受信する。第1ステーション(STA1)がM-BAフレームに対する受信を完了された際、第1ステーション(STA1)はベース無線通信端末がM-BAフレームがACKを示すACに対してMU EDCAパラメータを適用する。この際、第1ステーション(STA1)はM-BAフレームがACKを示すACに対するMU EDCAタイマーを設定する。
【0108】
トリガー基盤PPDUに対する即刻の応答を含むPPDUが他のフレームを更に含む場合であっても、無線通信端末はベース無線通信端末からトリガー基盤PPDUに対する即刻の応答の受信を完了時点にMU EDCAパラメータセットを適用する。
図16(b)の実施例において、ベース無線通信端末は第1ステーション(STA1)にトリガー基盤PPDU(HE TRIG PPDU)に対するM-BAフレームを伝送しながら、他のフレーム(DL)を共に伝送する。第1ステーション(STA1)がM-BAフレームと他のフレーム(DL)を含むPPDUの受信を完了した際、第1ステーション(STA1)はM-BAフレームがACKを示すACに対してMU EDCAパラメータを適用する。この際、第1ステーション(STA1)はM-BAフレームがACKを示すACに対するMU EDCAタイマーを設定する。
【0109】
また、同じTXOP内で下り伝送と上り伝送が連続に行われる場合、無線通信端末は該当TXOPの終了時点にMU EDCAパラメータセットを適用する。
図16(c)の実施例において、ベース無線通信端末は
図16(b)の実施例のように、第1ステーション(STA1)が伝送したトリガー基盤PPDU(HE TRIG PPDU)に対するM-BAフレームと他のフレーム(DL)を共に伝送する。この際、第1ステーション(STA1)はベース無線通信端末に更に上り伝送を行う。第1ステーション(STA1)が上り伝送に対する応答を受信した際、第1ステーション(STA1)はベース無線通信端末がM-BAフレームがACKを示すACに対してMU EDCAパラメータを適用する。この際、第1ステーション(STA1)はM-BAフレームがACKを示すACに対するMU EDCAタイマーを設定する。
【0110】
他の具体的な実施例において、無線通信端末がMU EDCAパラメータセットを適用する条件で、無線通信端末が受信するトリガーフレームはBSR pollフレームのようなトリガーフレーム変更(variant)を含む。また、無線通信端末はトリガーフレームの代わりにUL MU応答スケジューリング(response scheduling)を受信する。詳しくは、無線通信端末はトリガーフレーム変更またはUL MU応答スケジューリングに基づいてQoSデータを伝送した場合、MU EDCAパラメータセットを適用する。
【0111】
上述した実施例において、無線通信端末はトリガー基盤PPDUが含むMPDUが要請する応答の形態を考慮してMU EDCAパラメータセットの適用時期とMU EDCAタイマー設定時期を決定する。それについては、
図17乃至
図18を介して説明する。
【0112】
図17は、本発明の実施例による無線通信端末が生成するA-MPDUと該当A-MPDUに対する応答の形態を示す図である。
【0113】
無線通信端末は、QoSデータフレーム、アクションフレーム、及びコントロールフレームのうち一つ以上のMPDUを一つのPSDUに集合してA-MPDUに伝送する。QoSデータフレームを含むA-MPDUは、QoSデータがAckを要請するのかに応じてData Enabled Immediate Response(DEIR)またはData Enabled No Immediate Response(DENIR)のコンテキストに分類される。A-MPDUを受信した無線通信端末は、QoSデータがAckを要請するのかを、MACヘッダのQoS ControlフィールドのACK Policyサブフィールドの値に応じて判断する。この際、ACK Policyサブフィールドの値はTID別に指示される。また、無線通信端末はTIDのサービスクラスをQoSACKとQoSNoACKに区分する。A-MPDUを伝送する無線通信端末は、QoSNoACKサービスクラスに当たるTIDに対してBA合意(agreement)をしない。また、A-MPDUを伝送する無線通信端末は、QoSNoACKサービスクラスに当たるTIDのACK Policyサブフィールドの値をNo ACKに設定する。
【0114】
無線通信端末が一つのTIDに当たる複数のMPDUを集合してA-MPDUを伝送する場合、A-MPDUのACKを要請するTIDのMDPUを含むのかに応じて該当A-MPDUの即刻の応答のコンテキストが決定される。詳しくは、一つのTIDに当たる複数のMPDUのみを含むA-MPDUがACKを要請するTIDのMPDUを含めば、該当A-MPDUの即刻の応答のコンテキストはDEIRである。また、一つのTIDに当たる複数のMPDUのみを含むA-MPDUがACKを要請しないTIDのMPDUを含めば、該当A-MPDUの即刻の応答のコンテキストはDENIRである。
【0115】
上述したように、無線通信端末は複数のTIDそれぞれに当たる複数のMPDUを集合して複数のTID A-MPDUを生成する。複数のTID A-MPDUの即刻の応答のコンテキストは、以下のように分類される。複数のTID A-MPDUがACKを要請するTIDを一つ以上含めば、該当複数のTID A-MPDUの即刻の応答コンテキストはDEIRである。また、複数のTID A-MPDUがACKを要請しないTID、またはTIDのないフレームのみを含めば、該当複数のTID A-MPDUの即刻の応答コンテキストはDENIRである。
図17(a)の実施例において、A-MPDUはTIDが1のMPDU、TIDが2のMPDU、TIDが3のMPDU、及びアクションフレームを含む。TIDが3のMPDUはAckを要請しないが、TIDが1のMPDU、TIDが2のMPDU、及びアクションフレームそれぞれは即刻の応答を要請する。よって、A-MPDUの即刻の応答コンテキストはDEIRである。
図17(b)の実施例において、A-MPDUはTIDが1のMPDU、TIDが2のMPDU、TIDが3のMPDU、及びアクションNo Ackフレームを含む。TIDが1のMPDU、TIDが2のMPDU、及びアクションフレームそれぞれは即刻の応答を要請する。TIDが1のMPDU、TIDが2のMPDU、TIDが3のMPDU、及びアクションNo Ackフレームは共に即刻の応答を要請しない。よって、A-MPDUの即刻の応答のコンテキストはDENIRである。
【0116】
図16を介して説明した実施例において、無線通信端末はトリガー基盤PPDUが含むMPDUに対する即刻の応答に基づいてMU EDCAパラメータを適用し、MU EDCAタイマーを設定する。
図17を介して説明したように、トリガー基盤PPDUが含むQoSデータフレームがAckを要請しない可能性がある。トリガー基盤PPDUが含むQoSデータフレームがAckを要請しない場合、無線通信端末のMU EDCAパラメータセットの適用動作、及びMU EDCAタイマー設定動作については
図18を介して説明する。
【0117】
図18は、本発明の更に他の実施例による無線通信端末がMU EDCAパラメータを適用する動作を示す図である。
【0118】
無線通信端末が伝送したトリガー基盤PPDUが含むQoSデータフレームがACKを要請しなければ、無線通信端末はトリガー基盤PPDUの伝送が終わる時点にMU EDCAパラメータセットを適用する。また、無線通信端末が伝送したトリガー基盤PPDUが含むQoSデータフレームがACKを要請しなければ、無線通信端末はトリガー基盤PPDUの伝送が終わる時点にMU EDCAタイマーを設定する。
図16を介して説明した実施例のように、無線通信端末がトリガーフレームの変形を受信するかUL MU応答スケジューリングに基づいてトリガー基盤PPDUを伝送した場合も、無線通信端末はトリガー基盤PPDUの伝送が終わる時点にMU EDCAパラメータセットを適用する。この際、無線通信端末はトリガー基盤PPDUの伝送が終わる時点にMU EDCAタイマーを設定する。他の具体的な実施例において、無線通信端末が伝送したトリガー基盤PPDUが含むA-MPDUの即刻の応答コンテキストがDENIRであれば、無線通信端末はトリガー基盤PPDUの伝送が終わる時点にMU EDCAパラメータセットを適用する。また、無線通信端末が伝送したトリガー基盤PPDUが含むA-MPDUの即刻の応答コンテキストがDENIRであれば、無線通信端末はトリガー基盤PPDUの伝送が終わる時点にMU EDCAタイマーを設定する。
図18(a)の実施例において、無線通信端末はベース無線通信端末からトリガーフレーム(TF)を受信する。無線通信端末は、ベース無線通信端末にトリガーフレームの受信によって即刻の応答コンテキストがDENIRであるA-MPDUを含むトリガー基盤PPDU(HE TRIG PPDU)を伝送する。無線通信端末は、トリガー基盤PPDU(HE TRIG PPDU)の伝送が終わる時点にMU EDCAパラメータセットを適用してMU EDCAタイマーを始める。
【0119】
他の具体的な実施例において、無線通信端末が伝送したトリガー基盤PPDUが含むQoSデータフレームがACKを要請しなければ、無線通信端末はトリガー基盤PPDUの伝送が終わる時点から予め設定された時間が経過した際にMU EDCAパラメータセットを適用する。また、無線通信端末が伝送したトリガー基盤PPDUが含むQoSデータフレームがACKを要請しなければ、無線通信端末はトリガー基盤PPDUの伝送が終わる時点から予め設定された時間が経過した際にMU EDCAタイマーを設定する。また他の具体的な実施例において、無線通信端末が伝送したトリガー基盤PPDUが含むA-MPDUの即刻の応答のコンテキストがDENIRであれば、無線通信端末はトリガー基盤PPDUの伝送が終わる時点から予め設定された時間が経過した際にMU EDCAパラメータセットを適用する。また、無線通信端末が伝送したトリガー基盤PPDUが含むA-MPDUの即刻の応答コンテキストがDENIRであれば、無線通信端末はトリガー基盤PPDUの伝送が終わる時点から予め設定された時間が経過した際にMU EDCAタイマーを設定する。この際、予め設定された時間はSIFS(short inter frame space)である。他の具体的な実施例において、予め設定された時間は予め設定された代表ACK伝送時間とSIFSを足した時間である。
図18(b)の実施例において、無線通信端末はベース無線通信端末からトリガーフレーム(TF)を受信する。無線通信端末は、トリガーフレームの受信によって即刻の応答コンテキストがDENIRであるA-MPDUを含むトリガー基盤PPDU(HE TRIG PPDU)をベース無線通信端末に伝送する。無線通信端末は、トリガー基盤PPDU(HE TRIG PPDU)の伝送が終わる時点から予め設定された時間が経過した際にMU EDCAパラメータセットを適用し、MU EDCAタイマーを始める。この際、設定された時間はSIFSである。他の具体的な実施例において、予め設定された時間はSIFSと予め設定された代表ACK伝送時間(Ack time)を足した時間である。
【0120】
また他の具体的な実施例において、無線通信端末が伝送したトリガー基盤PPDUが含むQoSデータフレームがACKを要請しなければ、無線通信端末は無線通信端末と同時にトリガー基盤PPDUを伝送した他の無線通信端末のトリガー基盤PPDUの伝送に対する即刻の応答に基づいてMU EDCAパラメータセットを適用する。更に他の具体的な実施例において、無線通信端末が伝送したトリガー基盤PPDUが含むA-MPDUの即刻の応答のコンテキストがDENIRであれば、無線通信端末は無線通信端末と同時にトリガー基盤PPDUを伝送した他の無線通信端末のトリガー基盤PPDUの伝送に対する即刻の応答に基づいてMU EDCAパラメータセットを適用する。このような実施例において、無線通信端末が無線通信端末と同時にトリガー基盤PPDUを伝送した他の無線通信端末のトリガー基盤PPDUの伝送に対する即刻の応答を受信した際、無線通信端末はMU EDCAパラメータセットを適用する。無線通信端末が無線通信端末と同時にトリガー基盤PPDUを伝送した他の無線通信端末のトリガー基盤PPDUの伝送に対する即刻の応答を受信できなければ、無線通信端末は無線通信端末が伝送したトリガー基盤PPDUを伝送した際から予め指定された期間が経過した際にMU EDCAパラメータセットを適用する。無線通信端末が伝送したトリガー基盤PPDUを伝送したときから予め指定された期間が経過したときは、PHY-TXEND.confirm primitiveの後の時点からaSIFSTime+aSlotTime+aRxPHYStart-Delayだけ経過したときである。
【0121】
また、無線通信端末が伝送したトリガー基盤PPDUが含むQoSデータフレームがACKを要請しなければ、無線通信端末は無線通信端末と同時にトリガー基盤PPDUを伝送した他の無線通信端末のトリガー基盤PPDUの伝送に対する即刻の応答に基づいてMU EDCAタイマーを設定する。他の具体的な実施例において、無線通信端末が伝送したトリガー基盤PPDUが含むA-MPDUの即刻の応答コンテキストがDENIRであれば、無線通信端末は無線通信端末と同時にトリガー基盤PPDUを伝送した他の無線通信端末のトリガー基盤PPDUの伝送に対する即刻の応答に基づいてMU EDCAタイマーを設定する。このような実施例において、無線通信端末が無線通信端末と同意時にトリガー基盤PPDUを伝送した他の無線通信端末のトリガー基盤PPDUの伝送に対する即刻の応答を受信した際、無線通信端末はMU EDCAタイマーを設定する。無線通信端末が無線通信端末と同意時にトリガー基盤PPDUを伝送した他の無線通信端末のトリガー基盤PPDUの伝送に対する即刻の応答を受信できなければ、無線通信端末は無線通信端末が伝送したトリガー基盤PPDUを伝送したときから予め指定された期間が経過したときにMU EDCAタイマーを設定する。無線通信端末が伝送したトリガー基盤PPDUを伝送したときから予め指定された期間が経過したときは、PHY-TXEND.confirm primitiveの後の時点からaSIFSTime+aSlotTime+aRxPHYStart-Delayだけ経過したときである。
【0122】
図18(c)の実施例において、無線通信端末はトリガーフレーム(TF)を受信し、トリガーフレームの受信によって即刻の応答のコンテキストがDENIRであるA-MPDUを含むトリガー基盤PPDU(HE TRIG PPDU)を伝送する。無線通信端末は、無線通信端末がトリガー基盤PPDU(HE TRIG PPDU)を伝送した際に、同時にトリガー基盤PPDUを伝送した他の無線通信端末のトリガー基盤PPDUに対するM-BAフレームの伝送を感知する。無線通信端末は、他の無線通信端末のトリガー基盤PPDUに対するM-BAフレームの受信が終わる時点にMU EDCAパラメータセットを適用してMU EDCAタイマーを始める。
図18(d)の実施例のように、無線通信端末が他の無線通信端末のトリガー基盤PPDUに対するM-BAフレームを受信できなければ、無線通信端末はトリガー基盤PPDU(HE TRIG PPDU)を伝送したときからaSIFSTime+aSlotTime+aRxPHYStart-Delayだけ経過した時点にMU EDCAパラメータセットを適用し、MU EDCAタイマーを始める。
【0123】
このような実施例において、無線通信端末は
図16を介して説明した実施例のように、トリガー基盤PPDUを介して伝送されたQoSデータフレームに当たるACにMU EDCAパラメータセットを適用する。
【0124】
他の具体的な実施例において、無線通信端末がトリガー基盤PPDUを伝送した際、無線通信端末はACKを要請しないQoSデータフレームを伝送できないものに制限される。詳しくは、無線通信端末がトリガー基盤PPDUを伝送する際、無線通信端末はAck PolicyサブフィールドがNo Ackに設定されたQoSデータフレームを伝送できないものに制限される。
【0125】
無線通信端末が個別MU EDCAパラメータセットを適用する動作については、
図19乃至
図21を介して説明する。
【0126】
図19は、本発明の実施例による無線通信端末がMU EDCAパラメータセットを適用する動作を示す図である。
【0127】
上述したように、EDCAパラメータセットはバックオフタイマーとCWに関するパラメータを含む。無線通信端末が現在使用中の第1EDCAパラメータセットを第2EDCAパラメータセットに転換する際、無線通信端末はバックオフ手順で現在使用中のバックオフタイマーの値を第2EDCAパラメータセットに基づいて変更する。この際、第1EDCAパラメータセットは一般のEDCAパラメータセットであり、第2パラメータセットはMU EDCAパラメータセットである。また、第1EDCAパラメータセットはMU EDCAパラメータセットであり、第2パラメータセットは一般のEDCAパラメータセットである。無線通信端末がEDCAパラメータセットを転換する際、バックオフタイマーの値を変更しなければ、EDCAパラメータセットの転換によって発生するチャネルアクセス優先順位の変更効果が直ちに適用されないことがあるためである。
【0128】
具体的な実施例において、無線通信端末は、バックオフ手順で現在使用中のバックオフタイマーに第2EDCAパラメータセットに基づいて決定された値をかける。この際、第2ECDAパラメータセットに基づいて決定された値は、第2EDCAパラメータセットのCWパラメータ値に基づいて決定された値である。詳しくは、第2パラメータセットに基づいて決定された値は、第2EDCAパラメータセットのCWminを第1EDCAパラメータセットのCWminに割った値である。他の具体的な実施例において、第2EDCAパラメータセットに基づいて決定された値は、第2EDCAパラメータえっとのCWmaxを第1ECDAパラメータセットのCWmaxに割った値であってもよい。また他の具体的な実施例において、無線通信端末がバックオフ手順で現在使用中のバックオフタイマーの値が第2EDCAパラメータセットのCWminより小さければ、無線通信端末はバックオフタイマーの値を第2EDCAパラメータセットのCWminに設定する。また、無線通信端末がバックオフ手順において現在使用中のバックオフタイマーの値が第2EDCAパラメータセットのCWmaxより大きければ、無線通信端末はバックオフタイマーの値を第2EDCAパラメータセットのCWmaxに設定する。
【0129】
無線通信端末が現在使用中の第1EDCAパラメータセットを第2EDCパラメータセットに転換する際、無線通信端末はバックオフ手順で現在使用中のCWに関するパラメータの値を第2EDCAパラメータセットに基づいて変更する。この際、CWに関するパラメータはCWminとCWmaxを含む。また、EDCAパラメータセットはチャネル再伝送試みの回数に応じてCW値を調節するパラメータであるショートリトライリミット(short retry limit)とロングリトライリミット(long retry limit)を含む。また、第1EDCAパラメータセットは一般のECDAパラメータセットであり、第2EDCAパラメータセットはMU EDCAパラメータセットである。また、第1EDCAパラメータセットはMU EDCAパラメータセットであり、第2パラメータセットは一般のEDCAパラメータセットであってもよい。無線通信端末は、バックオフ手順でCWの値を増加させる。この際、CWの値はCWmaxの値に制限されるが、無線通信端末はリトライの限界値に応じてCWの値をCWminにリセットする。無線通信端末がECDAパラメータセットを転換しながらこのような制約条件が適用されない可能性があるためである。
【0130】
詳しくは、無線通信端末がバックオフ手順において現在使用中のCW値が第2EDCAパラメータセットのCWminより小さければ、無線通信端末はCW値を第2EDCAパラメータセットのCWminに設定する。また、無線通信端末がバックオフ手順において現在使用中のCW値が第2EDCAパラメータセットのCWmaxより小さければ、無線通信端末はCW値を第2EDCAパラメータセットのCWmaxに設定する。また、QSRC(QoS short retry counter)がショートリトライリミットより大きいかQLRC(QoS long retry counter)がショートリトライリミットより大きければ、無線通信端末はCW値を第2EDCAパラメータセットのCWminに設定する。
【0131】
図19の実施例において、無線通信端末はAC BEに対する一般のEDCAパラメータセット(Legacy EDCA parameter set)をMU EDCAパラメータセットに転換する。この際、無線通信端末はバックオフタイマーの値(BO
MU[BE])をMU EDCAパラメータセットに基づいて獲得した値(a[AC])と現在のバックオフ手順におけるバックオフタイマーの値(BO[BE])の積に設定する。また、無線通信端末はCW値(CW
MU[BE])を現在のバックオフ手順においてCW値(CW[BE])とMU EDCAパラメータセットのCWmin(CWmin[BE])のうち大きい値に設定する。無線通信端末がMU EDCAパラメータセットを一般のEDCAパラメータセット(Legacy EDCA parameter set)に変換する際、無線通信端末はCW値(CW[BE])を現在のバックオフ手順からCW(CW
MU[BE])値と一般のEDCAパラメータセット(Legacy EDCA parameter set)のCWmax(CWmax[BE])のうち小さい値に設定する。
【0132】
無線通信端末がCWを設定する具体的な動作については、
図20以降を介して更に説明する。
【0133】
図20は、本発明の実施例による無線通信端末がEDCAパラメータセットを変更しながらCW値を変更する動作を示す図である。
【0134】
無線通信端末は、バックオフ手順の途中に以下のような3つの状況でCW値を変更する。
【0135】
1)TXOPの先頭(initial)PPDUの伝送が失敗し、MPDUのACがプライマリーACである場合
【0136】
2)2つ以上のEDCAFが同じ無線通信端末内で競争し、無線通信端末の伝送試みが無線通信端末の内部でより高い優先度(priority)を有する他のEDCAFと衝突する場合
【0137】
3)PHYTXSTART.request primitiveに対してPHY-TXBUSY.indication(BUSY)primitiveで応答するものであって、MM-SME(multiple MAC-station management entity)によって調整された(coordinated)無線通信端末の伝送試みが同じMM-SMEによって調整された他の無線通信端末の伝送試みと衝突する場合
【0138】
この際、無線通信端末は以下の規則に従ってCW値を変更する。
【0139】
a)ACに当たるQSRC(QSRC[AC])がショートリトライリミット(dot11ShortRetryLimit)に達するか、ACに当たるQLRC(QLRC[AC])がロングリトライリミット(dot11LongRetryLimit)に達すれば、無線通信端末は該当ACに当たるCW値(CW[AC])をCWmin値(CWmin[AC])にリセットする。
【0140】
b)dot11RobustAVStremingImplementedの値が真実(true)でACに当たるQSDRC(QoS short drop retry count)(QSDRC[AC])がdot11ShortDEIRetryLimitに達するか(reach)、ACに当たるQLDRC(QoS long drop retry count)(QLDRC[AC])がdot11LongDEIRetryLimitに達すれば、無線通信端末は該当ACに当たるCW値(CW[AC])をCWmin値(CWmin[AC])にリセットする。
【0141】
c)その他(otherwise)
【0142】
c-1)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmax値(CWmax[AC])より小さければ、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])を(CW[AC]+1)×2-1に設定する。
【0143】
c-2)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmax値(CWmax[AC])と同じであれば、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])を変更しない。
【0144】
1)、2)、3)の状況はいずれも伝送失敗、内部競争失敗などによって無線通信端末が伝送をリトライする場合である。また、a)とb)において、無線通信端末はリトライ回数の超過のためCW値をリセットする。c)において、無線通信端末は伝送をリトライするためにCW値を変更する。a)、b)、c)において、無線通信端末はEDCAパラメータセットが変わる場合を考慮せずに動作する。例えば、ACに当たるCW値がCWminと同じ値で、無線通信端末が以前のEDCAパラメータセットより大きいCWmin を有するEDCAパラメータセットを適用する。この際、無線通信端末は新たなEDCAパラメータセットのCWminより小さいCW値を使用するようになる。また、ACに当たるCW値がCWMaxと同じ値で、無線通信端末が以前のEDCAパラメータセットより小さいCWmaxを有するEDCAパラメータセットを適用する。この際、無線通信端末は新たなEDCAパラメータセットのCWmaxより小さい大きいCW値を使用するようになる。この際、上述したc-1)とc-2)のいずれの条件にも当たらないため、無線通信端末はCW値をCWminとCWmaxの範囲内に変更できない問題が発生する恐れがある。よって、c)における無線通信端末の動作を以下のように変更することができる。
【0145】
c-1)レガシー無線通信端末(non-HE STA)の場合
【0146】
c-1-1)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmax値(CWmax[AC])より小さければ、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])を(CW[AC]+1)×2-1に設定する。
【0147】
c-2-2)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmax値(CWmax[AC])と同じであれば、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])を変更しない。
【0148】
c-2)ノンレガシー無線通信端末(HE STA)の場合
【0149】
c-2-1)ACに当たるCW値(CW[AC])がCWmin値(CWmin[AC])より小さければ、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])をCWmin値(CWmin[AC])に設定する。
【0150】
c-2-2)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmax値(CWmax[AC])より小さければ、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])を(CW[AC]+1)×2-1に設定する。
【0151】
c-2-3)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmax値(CWmax[AC])と同じであれば、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])を変更しない。
【0152】
c-2-4)ACに当たるCW値(CW[AC])がCWmax値(CWmax[AC])より大きければ、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])をCWmax値(CWmax[AC])に設定する。
【0153】
他の実施例において、無線通信端末は上述したc)において以下のように動作する。
【0154】
c-1)レガシー無線通信端末(non-HE STA)の場合
【0155】
c-1-1)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmax値(CWmax[AC])より小さければ、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])を(CW[AC]+1)×2-1に設定する。
【0156】
c-2-2)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmax値(CWmax[AC])と同じであれば、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])を変更しない。
【0157】
c-2)ノンレガシー無線通信端末(HE STA)の場合
【0158】
c-2-1)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmax値(CWmax[AC])より小さければ、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])を(CW[AC]+1)×2-1とCWmin値(CWmin[AC])のうち大きい値に設定する。
【0159】
c-2-2)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmax値(CWmax[AC])より大きいか同じであれば、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])をCWmax値(CWmax[AC])に設定する。
【0160】
また他の実施例において、無線通信端末は上述したc)において以下のように動作する。
【0161】
c-1)レガシー無線通信端末(non-HE STA)の場合
【0162】
c-1-1)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmax値(CWmax[AC])より小さければ、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])を(CW[AC]+1)×2-1に設定する。
【0163】
c-2-2)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmax値(CWmax[AC])と同じであれば、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])を変更しない。
【0164】
c-2)ノンレガシー無線通信端末(HE STA)の場合
【0165】
c-2-1)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmax値(CWmax[AC])より小さければ、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])を(CW[AC]+1)×2-1とCWmin値(CWmin[AC])のうち大きい値に設定する。
【0166】
c-2-2)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmax値(CWmax[AC])と同じであれば、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])を変更しない。
【0167】
c-2-3)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmax値(CWmax[AC])より大きければ、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])をCWmax値(CWmax[AC])に設定する。
【0168】
図21は、本発明の実施例による無線通信端末がEDCAパラメータセットを変更しながらCW値を変更する動作を示す図である。
【0169】
図20を介して説明した実施例では、ノンレガシー無線通信端末(HE STA)の動作のみが考慮されている。しかし、MU EDCAパラメータセットが適用されないレガシー無線通信端末(non-HE STA)にも類似した問題が発生する恐れがある。レガシー無線通信端末(non-HE STA)もEDCAパラメータセットのうち一部を変更することがあるためである。よって、無線通信端末は上述したc)においていかのように動作する。
【0170】
c)その他(otherwise)
【0171】
c-1)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmin値(CWmin[AC])より小さければ、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])をCWmin値(CWmin[AC])に設定する。
【0172】
c-2)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmin値(CWmin[AC])より大きく、CWmax値(CWmax[AC])値より小さいか同じであれば、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])を(CW[AC]+1)×2-1に設定する。
【0173】
c-3)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmax値(CWmax[AC])より大きければ、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])をCWmax値(CWmax[AC])に設定する。
【0174】
他の実施例において、無線通信端末は上述したc)において以下のように動作する。
【0175】
c)その他(otherwise)
【0176】
c-1)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmin値(CWmin[AC])より小さければ、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])をCWmin値(CWmin[AC])に設定する。
【0177】
c-2)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmin値(CWmin[AC])より大きく、CWmax値(CWmax[AC])値より小さければ、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])を(CW[AC]+1)×2-1に設定する。
【0178】
c-3)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmax値(CWmax[AC])と同じであれば、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])を変更しない。
【0179】
c-4)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmax値(CWmax[AC])より大きければ、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])をCWmax値(CWmax[AC])に設定する。
【0180】
また他の実施例において、無線通信端末は上述したc)において以下のように動作する。
【0181】
c)その他(otherwise)
【0182】
c-1)ACに当たるCW値(CW[AC])がCWmax値(CWmax[AC])より小さければ、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])を(CW[AC]+1)×2-1に設定する。
【0183】
c-2)ACに当たるCW値(CW[AC])がACに当たるCWmax値(CWmax[AC])より大きいか同じであれば、無線通信端末はACに当たるCW値(CW[AC])をACに当たるCW値(CW[AC])をCWmax値(CWmax[AC])に設定する。
【0184】
上述したように、ベース無線通信端末はMU EDCAパラメータセットに関する情報をシグナリングする。 MU EDCAパラメータセットに関する情報の具体的な形式については、
図22乃至
図23を介して説明する。
【0185】
図22は、本発明の実施例によるMU EDCAパラメータセットエレメントの具体的な形式を示す図である。
【0186】
本発明の実施例によるMU EDCAパラメータセットエレメントは、MU EDCAパラメータセットエレメントを識別するためのElement IDフィールドとElement ID extensionフィールドを含む。また、MU EDCAパラメータセットエレメントは、MU EDCA QoS Infoフィールドを含む。MU EDCA QoS Infoフィールドは、MU EDCAパラメータセットが変更されるたびに値が変更されるMU EDCA Parameter Set Update Countフィールドを含む。詳しくは、ベース無線通信端末がMU EDCAパラメータセットを変更する際、ベース無線通信端末はMU EDCA Parameter Set Update Countフィールド値を1ずつ増加させる。MU EDCAパラメータセットエレメントを受信した無線通信端末は、MU EDCA Parameter Set Update Countフィールド値に基づいてMU EDCAパラメータセットの変更可否を判断する。MU EDCA Parameter Set Update Countフィールド以外のMU QoS Infoフィールドの他のフィールドは、EDCA QoS Infoフィールドと同じ形式を有する。
【0187】
また、MU EDCAパラメータセットエレメントはMU EDCAタイマーに関する情報を含む。詳しくは、MU EDCAパラメータセットエレメントは、MU EDCAタイマーの満了時間を示す情報を含む。
【0188】
また、MU EDCAパラメータセットエレメントは各ACに当たる情報を示す複数のMU AC Parameter Recordフィールドを含む。詳しくは、MU EDCAパラメータセットエレメントは、MU AC_BE Parameter Recordフィールド、MU AC_BK Parameter Recordフィールド、MU AC_VI Parameter Recordフィールド、及びMU AC_VO Parameter Recordフィールドを含む。MU AC Parameter Recordフィールドは、ACI/AIFSNフィールドとECWmin/ECWmaxフィールドを含む。MU EDCAパラメータセットエレメントを受信した無線通信端末は、MU AC Parameter Recordフィールドに基づいて各ACに当たるMU EDCAパラメータセット情報を適用する。詳しくは、MU EDCAパラメータセットエレメントを受信した無線通信端末は、MU AC Parameter Recordフィールドに基づいてMIB(managementt infomation base) attributeを設定する。
【0189】
図23は、本発明の更に他の実施例によるMU EDCAパラメータセットエレメントの具体的な形式を示す図である。
【0190】
ベース無線通信端末がビーコンフレームからMU EDCAパラメータセットエレメントを伝送しない場合でも、ベース無線通信端末はビーコンフレームを使用してMU QoS Infoフィールドを伝送することができる。詳しくは、ベース無線通信端末は、MU EDCAパラメータセットエレメント以外のエレメントを介してMU QoS Infoフィールドを伝送する。具体的な実施例において、ベース無線通信端末は、MU EDCAパラメータセットエレメント以外のQoS関連エレメントを介してMU QoS Infoフィールドを伝送する。
【0191】
他の具体的な実施例において、ベース無線通信端末は、MU QoS Infoフィールドを含まないMU EDCAパラメータセットエレメントを伝送する。この際、MU EDCAパラメータセットエレメントの具体的な形式は
図23のようである。QoS Infoフィールドを受信した無線通信端末は、EDCA Parameter Set Update Countフィールドに基づいて無線通信端末が変更されたEDCAパラメータセットを適用できなかったのかを判断する。無線通信端末が変更されたEDCAパラメータセットを適用できなかったと判断し、ビーコンフレームがEDCAパラメータセットエレメントを含まなければ、無線通信端末はベース無線通信端末にプローブ要請フレームを伝送し、EDCAパラメータセットエレメントの伝送を要請する。ベース無線通信端末がMU QoS InfoフィールドをMU EDCAパラメータセット以外に他のエレメントと共に伝送することが許容されなければ、MU QoS Infoフィールドが上述したQoS Infoフィールドのような役割することができず、MU QoS Infoフィールドを伝送する必要性もなくなる。よって、MU QoS InfoフィールドをMU EDCAパラメータセットエレメント以外に他のエレメントと共に伝送することが許容されなければ、ベース無線通信端末はMU QoS Infoフィールドを含まないMU EDCAパラメータセットエレメントを伝送する。
【0192】
無線通信端末は、内部EDCAキュー(queue)を使用して、複数のACそれぞれに当たるデータに対する内部競争手順を行う。詳しくは、無線通信端末は、キューに貯蔵されるデータのアクセスカテゴリに応じて区分される複数のEDCAキューを運営する。また、無線通信端末は複数のEDCAキューそれぞれからバックオフタイマーに当たる時間に基づいてチャネルにアクセスするバックオフ手順を行う。この際、無線通信端末がEDCAキューを使用する方法に応じて、
図24乃至
図27を介して詳しく説明する。
【0193】
図24は、本発明の実施例による無線通信端末のUL MU伝送後のEDCA動作を示す図である。
【0194】
無線通信端末は、バックオフ手順において各スロットの境界で以下のように動作する。
【0195】
1)バックオフタイマーが0ではなければ、無線通信端末はバックオフタイマーの値を1だけ減少させる。
【0196】
2)EDCAキューにデータが存在し、バックオフタイマーが0であって、ユーザ優先度(User Priority、UP)が高い他のEDCAキューにおいて伝送が試みられなければ、無線通信端末は該当EDCAキューのデータのための伝送シーケンスを始める。
【0197】
3)EDCAキューにデータが存在し、バックオフタイマーが0であって、ユーザ優先度(UP)が高い他のEDCAキューにおいて伝送が試みられれば、無線通信端末は内部衝突(internal collision)による動作を行う。
【0198】
4)それ以外の状況において、無線通信端末はいかなる動作も行わない。
【0199】
但し、バックオフタイマーは0で、無線通信端末のEDCAキューが空いていれば、スロットの境界(boundary)で無線通信端末がいかなる動作をすべきであるのかが明確に定義されていないため問題になる。詳しくは、以下のような状況においてバックオフタイマーが0であれば、無線通信端末のEDCAキューが空いている可能性がある。
【0200】
上述したように、ベース無線通信端末はトリガー情報を伝送して無線通信端末の上り伝送をトリガーする。この際、ベース無線通信端末は、バックオフ手順を介してトリガー情報を伝送するためのTXOPを獲得する。よって、無線通信端末は、UL MU伝送を介して伝送されたACに対するバックオフタイマーをUL MU伝送前の状態のままに維持することができる。この際、無線通信端末は該当ACに対するバックオフ手順を再開してチャネルアクセスを試みる。バックオフタイマーが0に達するまで、該当ACのEDCAキューにデータが到達しなくてもよい。
【0201】
また、
図19乃至
図21を介して説明したように、無線通信端末が伝送を試みて失敗した場合ではなければ、EDCAパラメータセットが変更された場合であってもCW値はそのまま維持される。また、該当ACのEDCAキューが空いている(empty)状態で新たなデータが該当ACのEDCAキューに到着したら、無線通信端末は現在のCWうちから無作為の整数値を獲得してバックオフタイマーを設定する。よって、無線通信端末は、以前のEDCAパラメータセットに応じて演算されたCWを使用して新たなバックオフタイマーを獲得する。例えば、
図24の実施例において、無線通信端末はバース無線通信端末からトリガーフレーム(TF)を受信する。この際、無線通信端末はACがVOであるデータに対するバックオフ手順を中断する。無線通信端末は、バックオフタイマー4とCW値127を維持する。無線通信端末は、ベース無線通信端末にトリガーフレームに基づいてACがVOのQoSデータ(TID1、TID3)を含むトリガー基盤PPDUを伝送する。無線通信端末は、ベース無線通信端末からM-BAフレームを受信する。無線通信端末は上述したようにM-BAフレームを受信し、MU EDCAパラメータセットを適用する。次に、無線通信端末はバックオフタイマーの値が4で、CW値が127のバックオフ手順を再開する。無線通信端末がアクセスするチャネルが、AIFSに当たる時間及びバックオフタイマー値4に当たる時間の間に遊休である。よって、バックオフタイマーは0になる。但し、無線通信端末はトリガー基盤PPDUを使用してACがVOの全てのデータを伝送したため、VOのためのEDCAキューは空いている状態である。無線通信端末のVOのためのEDCAキューに新たなデータが到着したら、無線通信端末はMU EDCAパラメータセットのCWmin及びCWmaxとは関係なく、従来のCW値127のうちから無作為の値66を獲得して、バックオフタイマー値に設定する。
【0202】
また、UL MU伝送とは関係なくEDCAキューが空いており、バックオフタイマーが0であれば、以下のような状況で発生する。無線通信端末がプライマリーACのためのEDCAキューの全てのデータを伝送し、バックオフタイマーの値が0に到達するまでプライマリーACのためのEDCAキューに追加のデータが到着していないことがある。また、ベース無線通信端末がMU-MIMO或いはDL OFDMAを利用してDL MU伝送をする際、ベース無線通信端末はプライマリーACでチャネルを占有し、プライマリーAC以外の他のACに当たるデータをプライマリーACに当たるデータと共に伝送する。この際、プライマリーAC以外の他のACに当たるバックオフタイマーが残っており、該当ACのEDCAキューは空いている状態になる。また、BA合意のあるACのうちいずれか一つのACに当たる(A-)MSDUが残っており、該当MSDUのライフタイム(lifetime)が満了されたら、無線通信端末は該当(A-)MSDUを廃棄する。この際、無線通信端末のいずれか一つのACのためのEDCAキューが空いている状態で、バックオフタイマーが0に達する。
【0203】
EDCAキューが空いており、バックオフタイマーが0であれば、スロットの境界における無線通信端末の動作については
図25乃至
図27を介して詳しく説明する。
【0204】
図25は、本発明の実施例による無線通信端末のEDCAキューが空いており、バックオフタイマーが0である際の無線通信端末の動作を示す図である。
【0205】
EDCAキューが空いており、バックオフタイマーが0であれば、スロットの境界において無線通信端末はいかなる動作も行わない。詳しくは、無線通信端末はバックオフタイマーを0に維持する。また、無線通信端末は伝送シーケンスを始めない。具体的な実施例において、無線通信端末はEDCAF(EDCA function)の全ての状態変数をそのまま維持する。
図25の実施例において、VOのための無線通信端末のEDCAキューが空いている状態でバックオフタイマー(BO[VO])は0に到達する。この際、無線通信端末はいかなる動作も行わない。
【0206】
図26は、本発明の他の実施例による無線通信端末のEDCAキューが空いており、バックオフタイマーが0である際の無線通信端末の動作を示す図である。
【0207】
EDCAキューが空いており、バックオフタイマーが0であれば、スロットの境界において無線通信端末はバックオフ手順を更に始める。この際、無線通信端末はCW値をそのまま維持する。無線通信端末が伝送に失敗した場合ではないため、CWを2倍にする(doubling)必要がないためである。詳しくは、無線通信端末はバックオフタイマーを除いたEDCAFの全ての状態変数をそのまま維持する。また、EDCAキューが空いており、バックオフタイマーが0である状況が更に発生すれば、無線通信端末はバックオフ手順を更に始める。
図26の実施例において、VOのための無線通信端末のEDCAキューが空いている状態でバックオフタイマー(BO[VO])は0に到達する。無線通信端末は、他のEDCAF状態変数を全て維持したまま、VOに当たるCW(CW(VO))のうちから無作為の値10を獲得し、10を使用してバックオフタイマー(BO[VO])を設定する。
【0208】
図27は、本発明のまた他の実施例による無線通信端末のEDCAキューが空いており、バックオフタイマーが0である際の無線通信端末の動作を示す図である。
【0209】
EDCAのキューが空いており、バックオフタイマーが0であれば、スロットの境界で無線通信端末はEDCAFを初期化する。この際、無線通信端末はCWをCWminに設定する。また、無線通信端末はQSRCとOLRCを初期値に設定する。詳しくは、無線通信端末はOSRCとOLRCを0に設定する。無線通信端末はEDCAFを初期化した後、更にバックオフ手順を始める。この際、無線通信端末はCW値をそのまま維持する。無線通信端末が伝送に失敗した場合ではないため、CWを2倍にする必要がないためである。
【0210】
また、EDCAキューが空いており、バックオフタイマーが0である状況が更に発生すれば、スロットの境界で無線通信端末は更にEDCAFを初期化する。無意味な初期化を防止するために、EDCAFの状態変数が初期値を維持すれば、無線通信端末は初期化を行わなくてもよい。
【0211】
図28は、本発明の実施例による無線通信端末の動作を示す図である。
【0212】
本発明の実施例による無線通信端末は、伝送するデータの優先度に応じてチャネルにアクセスする(S2801)。詳しくは、無線通信端末は上述したEDCA手順に応じてチャネルにアクセスする。この際、無線通信端末ベース無線通信端末である。また、無線通信端末は、ベース無線通信端末煮連結された(associated)無線通信端末である。
【0213】
ベース無線通信端末と無線で通信する無線通信端末は、UL MU伝送がスケジューリングされるのかに基づいて、無線通信端末はチャネルアクセスに使用するパラメータセットを第1パラメータセットから第2パラメータセットに転換する。詳しくは、無線通信端末は、ベース無線通信端末が無線通信端末のUL MU伝送の参加をトリガーするのかに基づいて、チャネルアクセスで使用するパラメータセットを第1パラメータセットから第2パラメータセットに転換する。また、ベース無線通信端末は無線通信端末にトリガーフレームを伝送し、ベース無線通信端末が無線通信端末のUL MU伝送の参加をトリガーする。無線通信端末は、トリガーフレームのuser Infoフィールドが無線通信端末のAIDを含むのかに応じて、ベース無線通信端末が無線通信端末のUL MU伝送の参加をトリガーするのかを判断する。
【0214】
この際、チャネルアクセスに使用するパラメータセットは、データの優先度に応じてチャネルにアクセスするために使用されるパラメータの集合である。詳しくは、チャネルアクセスに使用されるパラメータセットは、上述したEDCAパラメータセットである。詳しくは、EDCAパラメータセットはCWに関するパラメータを含む。この際、CWに関するパラメータはCWminとCWmaxのうち少なくともいずれか一つを含む。また、EDCAパラメータセットは、無線通信端末がバックオフ手順を始めるために待機する予め指定された時間に関するパラメータ値を含む。この際、予め指定された時間は上述したAIFSである。
【0215】
また、無線通信端末はデータのアクセスカテゴリ別に第1パラメータセットから第2パラメータセットに転換するのかを決定する。また、無線通信端末がBSRを伝送した際、無線通信端末は第1パラメータセットから第2パラメータセットに転換する。他の具体的な実施例において、無線通信端末がUL MU伝送に関する情報を獲得した際、無線通信端末は第1パラメータセットから第2パラメータセットに転換する。また他の具体的な実施例において、無線通信端末は前記ベース無線通信端末のトリガリングに応じて前記ベース無線通信端末にトリガー基盤PPDUを伝送する。この際、無線通信端末はトリガー基盤PPDUを含むMPDUに関する即刻の応答に応じて、第1パラメータセットから第2パラメータセットに転換する。詳しくは、無線通信端末がトリガー基盤PPDUが含むMPDUに対する即刻の応答の受信に終了した際、無線通信端末は第1パラメータセットから第2パラメータセットに転換する。トリガー基盤PPDUが含むMPDUは、QoSデータフレームである。
【0216】
無線通信端末は、タイマーを設定したときから一定時間が経過するまで第2パラメータセットの適用条件が満足されなければ、MU EDCAパラメータセットの適用を終了する第2パラメータセットタイマーを設定する。詳しくは、無線通信端末がトリガー基盤PPDUが含むMPDUに対する即刻の応答を受信するのかに基づいて、無線通信端末は即刻の応答の受信に応じて第2パラメータセットタイマーを設定する。第2パラメータセットタイマーが満了したら、無線通信端末は第2パラメータセットの適用を終了する。また、無線通信端末が第1パラメータセットから第2パラメータセットにて転換する際、無線通信端末は第2パラメータセットタイマーを設定する。また、無線通信端末はトリガー基盤PPDUが含むMPDUが要請する応答の形態に基づいて、第1パラメータセットから第2パラメータセットに転換する時期を決定する。また、無線通信端末はトリガー基盤PPDUが含むMPDUが要請する応答の形態に基づいて、第2パラメータセットタイマーの設定時期を決定する。無線通信端末が伝送したトリガー基盤PPDUが含むMPDUがACKを要請しなければ、無線通信端末はトリガー基盤PPDUの伝送を終了した際、第2パラメータセットタイマーを設定する。また、無線通信端末はアクセスカテゴリ別に第2パラメータセットタイマーを設定する。詳しくは、トリガー基盤PPDUが含むMPDUがACKを要請しなければ、無線通信端末はトリガー基盤PPDUの伝送を終了した際、パラメータセットを第1パラメータセットから第2パラメータセットに転換し、第2パラメータセットタイマーを設定する。上述したように、トリガー基盤PPDUが含むMPDUは、QoSデータフレームである。無線通信端末の具体的な動作は、
図6乃至
図18を介して説明した通りである。
【0217】
また、無線通信端末がバックオフ手順を行いながら、バックオフ手順に使用されるパラメータセットの変数が変更される。CW値がCWmaxより大きければ、無線通信端末はCW値をCWmaxに設定する。また、CW値がCWminより小さければ、無線通信端末はCW値をCWminに設定する。詳しくは、無線通信端末が現在使用中の第1パラメータセットを第2パラメータセットに転換する際、無線通信端末はバックオフ手順で現在使用中のバックオフタイマーの値を第2パラメータセットに基づいて変更する。具体的な実施例において、無線通信端末はバックオフ手順で現在使用中のバックオフタイマーに第2パラメータセットに基づいて決定された値をかける。無線通信端末が現在使用中の第1パラメータセットを第2パラメータセットに転換する際、無線通信端末はバックオフ手順で現在使用中のCWに関するパラメータ値を第2パラメータセットに基づいて変更する。この際、CWに関するパラメータはCWminとCWmaxを含む。詳しくは、無線通信端末は、
図19乃至
図21を介して説明した実施例のように動作する。
【0218】
無線通信端末は、キューに貯蔵されるデータのアクセスカテゴリに応じて区分される複数のキューを運営する。また、無線通信端末は、複数のキューそれぞれからバックオフタイマーに当たる時間に基づいてチャネルにアクセスするバックオフ手順を行う。この際、キューは上述したEDCAキューを示す。キューに貯蔵されたデータがなく、該当キューに当たるバックタイマーが0であれば、無線通信端末はスロットの境界でいかなる動作も行わなくてもよい。この際、無線通信端末はバックオフタイマーを0に維持する。他の具体的な実施例において、無線通信端末はスロットの境界で無線通信端末はバックオフ手順を更に始める。この際、無線通信端末はCW値をそのまま維持する。また他の具体的な実施例において、無線通信端末はスロットの境界でチャネルアクセスパラメータセットを初期化する。この際、無線通信端末はCWをCWminに設定する。また、無線通信端末はQSRCとOLRCを初期値に設定する。詳しくは、無線通信端末はQSRCとOLRCを0に設定する。詳しくは、無線通信端末は、
図24乃至
図27を介して説明した実施例のように動作する。
【0219】
無線通信端末は、アクセスしたチャネルを介してデータを伝送する(S2803)。
【0220】
上記のように、無線LAN通信を例に挙げて、本発明を説明したが、本発明はこれに限定せず、携帯電話通信などの他の通信システムでも同様に適用することができる。また、本発明の方法、デバイス、およびシステムは、特定の実施例に関連して説明されたが、本発明の構成要素、動作の一部または全部は、汎用ハードウェアアーキテクチャを有するコンピュータシステムを使用して実装することができる。
【0221】
これまで実施例に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施例に含まれるが、必ずしも一つの実施例にのみ限定されない。なお、各実施例に例示されている特徴、構造、効果などは、実施例の属する分野の通常の知識を有する者によって他の実施例についても組み合わせられるかまたは変形されて実施されてもよい。よって、このような組み合わせと変形に関する内容は、本発明の範囲に含まれると解釈すべきである。
【0222】
これまで実施例を中心に説明したが、これは単なる例示であって本発明を限定するものではなく、本発明の属する分野の通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲内で前記に例示されていない様々な変形と応用が可能であることを理解できるはずである。例えば、実施例に具体的に示した各構成要素は変形して実施されてもよいものである。そして、このような変形と応用に関する差は、添付した特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれると解釈すべきである。