IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスジーエム・カンパニー・リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-19
(45)【発行日】2022-05-27
(54)【発明の名称】仮想ゴルフシステム
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/10 20060101AFI20220520BHJP
   A63B 69/36 20060101ALI20220520BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20220520BHJP
【FI】
G09B29/10 Z
A63B69/36 Z
G06T19/00 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020144359
(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公開番号】P2021033308
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2020-08-28
(31)【優先権主張番号】10-2019-0106393
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520330571
【氏名又は名称】エスジーエム・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SGM Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウィボム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ガプス
【審査官】長谷川 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-147798(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2019-0014798(KR,A)
【文献】米国特許第06027417(US,A)
【文献】特開2013-156261(JP,A)
【文献】特開昭61-281369(JP,A)
【文献】特表2013-516211(JP,A)
【文献】特表2013-523253(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 23/00-29/14
A63B 69/36
G06T 19/00
A63B 37/00-47/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが打撃したゴルフボールの打撃後の動きを算出する算出部と、
前記算出結果による映像とゴルフコースを表示する表示部と、
を含み、
前記表示部には、前記ゴルフコースの全体領域のうちの少なくとも一部を対象領域にするミニマップが表示され、前記ミニマップには、グリッドが表示され、
前記グリッドは、前記ミニマップにおいて重畳表示される互いに異なる第1グリッドと第2グリッドとを含み、前記第1グリッドと第2グリッドとのそれぞれは、互いに同一方向に沿う複数のラインを含み、前記第1グリッドにおける前記複数のラインの間隔は第1距離単位で表示される一方、前記第2グリッドにおける前記複数のラインの間隔は前記第1距離単位と異なる第2距離単位で表示される
仮想ゴルフシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミニマップの表示方法、ゴルフコースの表示方法と、これを利用する仮想ゴルフシステムに関する。より詳細には、仮想ゴルフなどのスポーツシミュレーション装置などを利用するユーザーが、正確に地形情報を把握することができようにしたミニマップを表示方法、ゴルフコースの表示方法と、これを利用する仮想ゴルフシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
映像とコンピュータシミュレーション技術を用いて、現場に出なくても、スポーツ競技を楽しむことができるシミュレーション装置が開発されて、ゴルフや野球などの仮想室内スポーツ競技が広く普及されている。特に、ゴルフ人口が増加しながら、仮想ゴルフシミュレーション装置を利用してゴルフを楽しむことができるスクリーンゴルフの人気はますます高まっている。スクリーンゴルフでは、スクリーンを通じてゴルフ場の映像が表示されるので、まるで屋外で実際のゴルフゲームをしているような感じを与え、屋外のフィールドで競技することと比較して、時間とコストがセーブされるので、スクリーンゴルフは、時間や経済的な理由などで屋外のゴルフをし難い現代人に非常に人気が高い。
【0003】
しかし、スクリーンゴルフの需要者が増加して、これに対するユーザーの期待はますます高まっている。したがって、スクリーンゴルフは実際のゴルフ場でプレーしているようなリアリティを提供するだけでなく、複数の先端デバイスを介してサービスされている特性上、実際のゴルフ場において提供され難い、先端技術を利用した様々なコンテントを提供することでスクリーンゴルフなどをプレーするユーザーの便宜を増進させる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の事情を勘案して発明されたものであり、ミニマップにグリッドを表示することで、便利かつ正確にプレー情報を獲得することができるミニマップの表示方法を提供することをその目的とする。
【0005】
また、本発明は、上記ミニマップの表示方法を利用する仮想ゴルフシステムを提供することをその目的とする。
【0006】
また、本発明は、地形の属性により、カラーなどが異なるように表示することにより、ユーザーがゴルフコースに対する地形情報を容易かつ正確に把握することができようにしたゴルフコースの表示方法を提供することをその目的とする。
また、本発明は、上記ゴルフコースの表示方法を利用する仮想ゴルフシステムを提供することをその目的とする。
【0007】
また、本発明の他の目的は、以下の説明と添付した図面から明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例によるミニマップの表示方法は、全体領域のうちの少なくとも一部を対象領域に選択するステップと、前記対象領域に対するミニマップを形成するステップと、前記ミニマップにグリッドを表示するステップとを、含む。
【0009】
本発明の一実施例による仮想ゴルフシステムは、ユーザーが打撃したゴルフボールの打撃後の動きを算出する算出部と、前記算出結果による映像とゴルフコースを表示する表示部とを含み、前記表示部には、前記ゴルフコースの全体領域のうちの少なくとも一部を対象領域にするミニマップが表示され、前記ミニマップには、グリッドが表示される。
【0010】
上記仮想ゴルフシステムにおいて、前記ミニマップには、現在にプレーしているユーザーが打撃するゴルフボールの位置と前記ゴルフコースの目標地点が表示され、前記ミニマップは、前記ゴルフボールの位置と前記目標地点を含む、前記ゴルフコースの全体領域のうちの少なくとも一部の領域を示し、ユーザーのプレーに基づいて、前記ゴルフボールの位置が変更されると、前記ミニマップで示す領域も変更される。
【0011】
上記仮想ゴルフシステムにおいて、前記ミニマップの対象領域は複数のサブ領域に区分され、各サブ領域は該当サブ領域の高さにより、色、明度、彩度のうちの少なくともいずれか一つが異なる。
【0012】
上記仮想ゴルフシステムにおいて、前記グリッドは互いに異なる複数のグリッドを含む。
【0013】
本発明の一実施例によるゴルフコースの表示方法は、ゴルフコースのうちの少なくとも一部を対象領域に選択するステップと、前記対象領域を複数のサブ領域に区分するステップと、前記対象領域を表示し、該当領域の属性により、前記複数のサブ領域を色、明度、彩度のうちの少なくともいずれか一つが異なる領域に表示するステップとを含む。
【0014】
本発明の一実施例による仮想ゴルフシステムは、ユーザーが打撃したゴルフボールの打撃後の動きを算出する算出部と、前記算出部によって算出された結果による映像を表示し、また、ゴルフコースの少なくとも一部を表示する表示部とを含み、前記表示部によって表示される前記ゴルフコースの少なくとも一部を対象領域とし、前記対象領域が属性が異なる複数のサブ領域を含む場合、該当領域の属性により、前記複数のサブ領域を色、明度、彩度のうちの少なくともいずれか一つが異なる領域に表示される。
【0015】
上記仮想ゴルフシステムにおいて、前記対象領域は、パッティングのためのグリーン領域であり、前記複数のサブ領域の各高さにより、色、明度、彩度のうちの少なくともいずれか一つが異なる領域に表示される。
【発明の効果】
【0016】
本発明のミニマップの表示方法、ゴルフコースの表示方法、及びこれを利用する仮想ゴルフシステムによれば、グリッドが表示されたミニマップをユーザーに提供したり、地形の属性に基づいて、カラーなどが異なるように表示することにより、ユーザーが地形情報などのようなプレー情報を便利かつ正確に獲得することができ、ユーザーの便宜を図ってユーザーのプレー能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例によるミニマップの表示方法の過程を示す図である。
図2】本発明の実施例によるミニマップの表示方法の過程を示す図である。
図3】本発明の実施例によるミニマップの表示方法の過程を示す図である。
図4】本発明の実施例によるミニマップの表示方法の過程を示す図である。
図5】本発明の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図である。
図6図5の仮想ゴルフシステムの主要な構成間の関係を示すブロック図である。
図7図5の仮想ゴルフシステムによって提供されることができる、ミニマップの様々な例を示す図である。
図8図5の仮想ゴルフシステムによって提供されることができる、ミニマップの様々な例を示す図である。
図9図5の仮想ゴルフシステムによって提供されることができる、ミニマップの様々な例を示す図である。
図10図5の仮想ゴルフシステムによって提供されることができる、ミニマップの様々な例を示す図である。
図11図5の仮想ゴルフシステムによって提供されることができる、ミニマップの様々な例を示す図である。
図12図5の仮想ゴルフシステムによって提供されることができる、ミニマップの様々な例を示す図である。
図13】本発明の他の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図である。
図14】本発明の他の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図である。
図15】本発明の実施例によるゴルフコースの表示方法の過程を示す図である。
図16】本発明の実施例によるゴルフコースの表示方法の過程を示す図である。
図17】本発明の実施例によるゴルフコースの表示方法の過程を示す図である。
図18】本発明の実施例によるゴルフコースの表示方法の過程を示す図である。
図19】本発明の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図である。
図20図19の仮想ゴルフシステムの主要な構成間の関係を示すブロック図である。
図21図19の仮想ゴルフシステムによって提供されることができるゴルフコースの様々な表示例を示す図である。
図22図19の仮想ゴルフシステムによって提供されることができるゴルフコースの様々な表示例を示す図である。
図23図19の仮想ゴルフシステムによって提供されることができるゴルフコースの様々な表示例を示す図である。
図24】本発明の他の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図である。
図25】本発明の他の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明の目的、特徴、利点は以下の実施例から容易に理解できるであろう。本発明は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底的で完全なものとなるように、かつ本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために提供されるものである。よって、以下の実施例により本発明が限定されてはならない。
【0019】
本明細書において、第1、第2などの用語が様々な要素(elements)を記述するために使用されたが、前記要素がこのような用語によって限定されてはならない。この用語は、単に前記要素を相互に区別するために使用されただけである。また、とある層(膜)が他の層(膜)または基板上にあると言及されている場合に、それは、他の層(膜)または基板上に直接形成されること、またはそれらの間に第3の層(膜)が介在することもできることを意味する。
【0020】
図面において、要素の大きさ、または要素間の相対的な大きさは、本発明に対するさらに明確な理解のために多少誇張して図示できる。また、図示した要素の形状が製造工程上の変異などによって多少変更できるであろう。したがって、本明細書で開示した実施例は、特別な記載がない限り、図示した形状に限定されてはならず、ある程度の変形を含むものと理解されるべきである。
【0021】
図1乃至図4は、本発明の実施例によるミニマップの表示方法の過程を示す図である。
【0022】
図1を参照すると、本発明の実施例によるミニマップの表示方法は、対象領域の選択(S10)、ミニマップの形成(S20)、およびグリッドの表示(S30)の3つステップを含む。対象領域の選択のステップ(S10)では、ミニマップとして表現する対象領域を選択する。ミニマップは、ミニマップとして表現できる特定対象の全体領域を表現するか、又は前記全体領域の一部を表現できる。ミニマップの形成のステップ(S20)では、選択された対象領域に対するミニマップを形成する。グリッド表示のステップ(S30)では、形成されたミニマップにグリッドを表示する。ミニマップの形成のステップ(S20)とグリッド表示のステップ(S30)は、その順序が変更可能である。つまり、グリッドを表示した後、ミニマップを形成することもできる。
【0023】
図2乃至図4は、図1のミニマップの表示方法が適用された、スクリーンゴルフにおいてゴルフコースのミニマップを形成する過程を示し、以下では、スクリーンゴルフのゴルフコースのミニマップに適用した場合を例に取って、本発明のミニマップの表示方法の各ステップを具体的に見てみる。
【0024】
図2を参照すると、第1のステップでゴルフコースにおいてミニマップの対象である対象領域が選択される。ゴルフはティーショットでゴルフボールを打撃してグリーンのホールカップ(Hole Cup)にゴルフボールを入れる方式で進行され、ティーショットからホールカップにゴルフボールを入れるまでの打撃回数により勝負を分ける。一般的に、ゴルフの試合は、18ホールを一つの単位で構成され、各ホールを構成するゴルフコースは、ティーインググラウンド(Teeing Ground)、スルーザグリーン(Through the Green)、グリーン(Green)、ハザード(Hazard)などのさまざまなエリアで構成される。
【0025】
ミニマップ(MiniMap)は、主にコンピュータゲームでゲーマーの便宜のために使用されたものであり、ゲームが進行されている場所を地図のように縮小した一種の縮小地図である。最近では、コンピュータゲームだけでなく、様々な分野で使用されている。スクリーンゴルフでも、各ホールごとにゴルフコースを縮小したミニマップが使用される。スクリーンゴルフにおけるミニマップは、ユーザーのプレーに大きな助けを与えることができる。ティーショットの位置からグリーンのホールカップまでの距離はかなり離れている半面、スクリーンにはゴルフボールが置かれている地点を中心にして、その周辺の限られた領域のみが表示されるので、ユーザーの立場では、全体のゴルフコースがどのようになっているかを、また、自分が打撃したゴルフボールの位置は、全体のゴルフコースにおいてある程度に位置するかを知りたがる。このような疑問は、ゴルフコースを縮小して示すミニマップを提供することで解消されることができる。
【0026】
ミニマップの対象である対象領域は、ゴルフコースの全体領域にすることができる。又は、前記対象領域は、全体領域の一部だけにすることができる。図2には、全体領域の一部が対象領域である場合を示している。対象領域は、常に固定されているのはなく、スクリーンゴルフがプレーされている間、対象領域は変更されることができ、対象領域が変更されると、その対象領域を示すミニマップも変更される。
【0027】
図3を参照すると、第2のステップで選択された対象領域に対するミニマップが形成される。ミニマップは対象領域を詳細に示すことよりは、対象領域の全体的な輪郭が含まれるように縮小して示すことが望ましい。ミニマップは、ゴルフコースに対して関連データを保存しているデータベースから必要な情報を抽出して形成されることができる。又は、ゴルフコースに対して、対象領域ごとに該当対象領域に対応するミニマップを予め形成して前記データベースなどに保存しておき、前記データベースからミニマップを抽出する方式で形成されることもできる。スクリーンゴルフにおいてミニマップは、従来から使用されているので、ミニマップは、従来技術等を利用して容易に形成されることができる。
【0028】
図4を参照すると、第3のステップで、ミニマップにグリッドを表示する。グリッドは、横方向に伸長する複数の横ライン(L1)と縦方向に伸長する複数の縦ライン(L2)を含む。図4で横ライン(L1)と縦ライン(L2)は、互いに垂直に示されているが、これらのラインは、必ず互いに垂直である必要はない。つまり、グリッドを構成する2種類のラインは、必ず横方向のラインと縦方向のラインである必要はない。また、これらのラインは直線ではなく、他の形であることも可能である。
【0029】
複数の横ライン(L1)は、互いに一定の間隔で配置されており、また、複数の縦ライン(L2)も、互いに一定の間隔で配置されている。複数のラインが一定の間隔で配置されている場合、ユーザーは、ミニマップに表示される対象物と対象物の間の距離を容易に把握することができる。例例えば、互いに隣接する横ライン(L1)と横ライン(L1)の間の間隔を1間隔とし、Aという対象物とBという対象物がそれぞれ互いに異なる横ライン(L1)に位置し、これら位置する横ラインの間が5間隔とすると、A対象物とB対象物は、1間隔に該当する距離に前記間隔の個数を乗ずるほど離れていること(例えば、1間隔は10mの距離に該当すると、50m(10m×5)ほど離れていることである)を容易に把握することができる。また、互いに異なるA、B、Cの対象物が、それぞれ互いに異なる縦ライン(L2)に位置し、AとB対象物の間の間隔が3間隔であり、AとC対象物の間の間隔が6間隔であれば、AとC対象物の間の距離はAとB対象物の間の距離の二倍であることを容易に把握することができる。このように、ミニマップにグリッドを表示することで、距離情報などミニマップからさらに多様な情報を容易に取得することができる効果がある。
【0030】
以下では、グリッドが表示されるミニマップが適用された具体的なシステムの例として、スクリーンゴルフ場などに備わる仮想ゴルフシステムについて見てみる。
【0031】
図5は本発明の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図であり、図6図5の仮想ゴルフシステムの主要な構成間の関係を示すブロック図である。
【0032】
図5を参照すると、本実施例による仮想ゴルフシステム(100)は、打撃プレート(110)、感知部(120)、入力部(130)、シミュレータ(140)、及び表示部(150)を含む。
【0033】
打撃プレート(110)は、ゴルフボールが置かれて打撃が行われる打撃ゾーンに該当する。打撃プレート(110)には、打撃マット(111)が具備され、打撃マット(111)には、ゴルフボール供給手段(図面に未図示)等によってユーザーに打撃用のゴルフボールが提供される。
【0034】
感知部(120)は、ユーザーが打撃したゴルフボールの動きなどを感知して、打撃されたゴルフボールに対する全般的な状態情報を把握し、ゴルフボールの動きを撮影することができるカメラだけでなく、ゴルフボールの動きを感知することができる感知センサーなどの任意の感知手段が使用されることができる。前記感知手段には、画像センシング、発光/受光センシング、レーザーセンシングなどの様々なセンシング方式が適用されることができ、このようなセンシング方法によってユーザーが打撃したゴルフボールの状態情報を把握することができる。前記カメラや感知センサーなどは単独に使用されたり、又は、一緒に使用されることができる。また、一個のみが使用されたり、複数個が使用されることもできる。
【0035】
入力部(130)は、ユーザーから各種の情報を受けるためのものであり、キーボードやマウスなどが使用されることができる。スクリーンゴルフでは、ユーザーが自分のアイディーやパスワードを入力する場合、ユーザーがプレーしたいゴルフコースや難易度を選択する場合などのように、ユーザーから情報の入力が必要な場合があるので、この場合のために入力部(130)が備わる。
【0036】
図6に図示されたように、シミュレータ(140)は、算出部(141)、映像部(142)、及びデータベース(143)を含む。算出部(141)は、ユーザーがゴルフボールを打撃すると、打撃されたゴルフボールに対する状態情報を受信した後、これに基づいてゴルフボールの軌跡をシミュレーションして算出する。映像部(142)は、ユーザーに表示されるゴルフの映像を生成して表示部(150)に渡す。映像部(142)によって生成される映像による画面は、メイン画面とサブ画面を含む。メイン画面には、ゴルフコースやゴルフボールがディスプレーされ、サブ画面には、ミニマップがディスプレーされることができる。映像部(142)は、他の構成なくメイン画面とサブ画面を同時に処理したり、またはサブ画面のミニマップに対する処理を担当するためのミニマップ部を別に備えていることができる。データベース(143)は、算出部(141)と映像部(142)の動作における必要な情報を格納することができる。
【0037】
表示部(150)は、ビームプロジェクター(151)とスクリーン(152)を含む。ビームプロジェクター(151)は、ゴルフに関する映像を投影してスクリーン(152)に提供し、スクリーン(152)は、投影された映像をディスプレーしてユーザーに提供する。
【0038】
仮想ゴルフシステム(100)は、スクリーンゴルフ場に設置されてスクリーンゴルフをプレーすることができるようにする装置であり、ユーザーがスクリーンゴルフをプレーする際に、仮想ゴルフシステム(100)は、次のように動作する。
【0039】
まず、ユーザーがゴルフボールを打撃すると、感知部(120)が、ユーザーが打撃したゴルフボールの速度や移動方向などのような物理的な状態を感知する。感知部(120)によって感知された情報は、シミュレータ(140)に伝達され、シミュレータ(140)の算出部(141)は、伝達された情報に基づいて、ユーザーが実際の屋外ゴルフ場でゴルフボールを打撃したと仮定した時に、ゴルフボールがどのような軌跡を示すかを算出する。映像部(142)では、前記算出された軌跡によりゴルフボールが動く映像を具現し、表示部(150)では、前記映像がディスプレーされてユーザーに提供される。
【0040】
スクリーンゴルフ場においてユーザーのプレーのために提供されるゴルフコースは、実際のゴルフコースをモデルにして、これを同一に再現したものであったり、または実際に存在していない仮想のゴルフ場を任意に創作したものである。いずれにしても、スクリーン(152)のメイン画面には、ユーザーがプレーしているゴルフ場の映像が表示され、ユーザーがゴルフボールを打撃して打撃されたゴルフボールの軌跡が算出されると、スクリーン(152)のメイン画面には、該当ゴルフ場のゴルフコースにおいてゴールプボールが算出された軌跡により移動した後、所定の地点で停止する映像が表示される。このように、スクリーン(152)にはゴルフボールにフォーカスを合わせて関連映像が表示されるので、ゴルフ場のゴルフコース領域の中、スクリーン(152)に主にディスプレーされる領域は、ゴルフボールを中心にしてゴルフボールとその周囲の領域であり、このディスプレー領域は、ゴルフボールの動きに応じて変更される。しかし、ゴルフコースを攻略するためには、現在のゴルフボールが位置する領域だけでなく、最終的な目標地点であるホールカップの位置、ゴルフボールとホールカップとの間の距離などのような付加情報を把握する必要がある。しかし、スクリーン(152)のメイン画面で提供される画面ばかりでは情報が不足である。したがって、ユーザーの便宜のために、他の付加情報が提供される必要がある。図5に図示されたように、スクリーン(152)に、メイン画面に加えてサブ画面が表示され、サブ画面を通じてミニマップ画面が表示されると、ユーザーに十分な情報が提供されることができる。ここで提供されるミニマップ画面の一例は、前に説明したように、様々な情報を提供することができるグリッドが表示されたミニマップであり、以下のように様々な形態のグリッドが表示されたミニマップが提供されることができる。
【0041】
図7ないし図12は、図5の仮想ゴルフシステムで提供されることができる、ミニマップの様々な例を示す図である。
【0042】
図7を参照すると、ミニマップには、グリッドのみならず、現在にプレー中であるユーザーのゴルフボール(G)の位置とホールカップ(HC)の位置が表示される。また、ユーザーがゴルフボール(G)を打撃してゴルフボール(G)の位置が変更されると、ミニマップに表示される対象領域も変更される。図7の(a)に図示されたように、ユーザーが特定のホールのゴルフコースにおいて最初のティーショットをする場合には、ゴルフボール(G)は、ホールカップ(HC)から最も遠く離れているティーショットの位置にあり、ミニマップは、該当ゴルフコースの全体領域を対象にして形成される。図7の(b)に図示されたように、ユーザーがゴルフボール(G)を打撃することにより、ゴルフボール(G)がゴルフコースにおいてホールカップ(HC)を向けて約半分くらい移動したときには、ミニマップは、該当ゴルフコースの約半分程度の領域を対象にして形成される。図7の(c)に図示されたように、ゴルフボール(G)がホールカップ(HC)に近接してグリーン領域に達したときには、ミニマップは、該当ゴルフコースのグリーン領域を対象にして形成される。
【0043】
このように、ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)との間の相対的な位置に基づいて、ミニマップに表示されるゴルフコースの対象領域が変更され、ユーザーはゴルフボール(G)とホールカップ(HC)との間の相対的な位置関係をミニマップを通じて容易に把握することができる。特に、本実施例によるミニマップには、グリッドが表示されたているので、ユーザーはゴルフボール(G)とホールカップ(HC)がグリッド上でいくら離れているかをチェックすることにより、両者の相対的な距離を把握することができる。グリッドは、互いに一定の間隔で離隔されている複数の横ライン(L1)と縦のライン(L2)を含み、ホールカップ(HC)とゴルフボール(G)が位置するラインの間の間隔をチェックして横方向の離隔距離と縦方向の離隔距離をすべて把握することができる。例えば、互いに隣接する横ライン(L1)と横ライン(L1)との間の間隔を1間隔と命名する際に、ホールカップ(HC)とゴルフボール(G)が互いに異なる横ライン(L1)に位置し、ホールカップ(HC)が位置する横ライン(L1)とゴルフボール(G)が位置する横ライン(L1)との間が10間隔であれば、ホールカップ(HC)とゴルフボール(G)との間の縦方向の距離は、1間隔の距離に前記10間隔を乗ずるもの(例えば、1間隔が10mの距離であれば、ホールカップ(HC)とゴルフボール(G)との間の距離は100m(10m×10)である)であるという点を容易に把握することができる。同様に、ホールカップ(HC)とゴルフボール(G)が互いに異なる縦ライン(L2)に位置し、これらの間が3間隔であれば、ホールカップ(HC)とゴルフボール(G)との間の横方向の距離は、30m(1間隔が10mの距離である場合)であるという点を容易に把握することができる。このような計算は、ホールカップ(HC)とゴルフボール(G)が横ライン(L1)や縦ライン(L2)上に位置する場合を前提としているが、図7に図示されたような、ホールカップ(HC)とゴルフボール(G)が横ライン(L1)や縦ライン(L2)上に位置していない場合にも、ホールカップ(HC)とゴルフボール(G)に隣接している横ライン(L1)や縦ライン(L2)を対象にして概略的にホールカップ(HC)とゴルフボール(G)との間の距離を把握することができる。
【0044】
上記の説明において、横/縦の両方において1間隔の距離が10mである場合を例に取ったが、横/縦の1間隔の距離がすべて同一である必要はない。例えば、横の1間隔は10mであり、縦の1間隔は5mである場合も可能である。このように、横方向と縦方向のグリッドにおいて、ラインの間隔の距離が互いに異なるように設定されることも可能である。また、グリッドにおいて、ラインの間隔の距離が一定せずに、ミニマップの対象領域により変更させるように設定されることができる。例えば、図7の(a)において、横ライン(L1)の間隔の距離は10m、図7の(b)において、横ライン(L1)の間隔の距離は5m、図7の(c)において、横ライン(L1)の間隔の距離は2m、こういう方式にグリッドにおいてラインの間隔の距離が異なるように設定されることができる。このように、方向により、及び/又はミニマップの対象領域により、1間隔の距離が変更されることも可能であるので、ミニマップの内部やミニマップの近傍には、1間隔の距離が数字で表示されていることが好ましい。
【0045】
ホールカップ(HC)とゴルフボール(G)の位置は、ミニマップに表示される重要な情報である。ユーザーの立場では、グリッドを表示することにより、ホールカップ(HC)とゴルフボール(G)との間の位置関係を直観的に容易に把握することができる。特に、ホールカップ(HC)とゴルフボール(G)が、グリッドを構成するライン上に位置している場合、上記位置関係が明らかに把握される。このような点を勘案して、ホールカップ(HC)とゴルフボール(G)がグリッドを構成するライン上に位置するように、グリッドを表示することができる。例えば、所定の方向(水平方向または垂直方向など)において、ホールカップ(HC)とゴルフボール(G)との間の距離(説明の便宜上、単に「D」と表示される場合がある)が「50m」である場合、ライン間の1間隔(説明の便宜上、単に「d」と表示される場合がある)を「10m」に設定すると、ホールカップ(HC)とゴルフボール(G)をグリッドライン上に表示し、ホールカップ(HC)が位置するグリッドラインとゴルフボール(G)が位置するグリッドラインとの間には、4個のラインを表示することができる。または、所定の方向(水平方向または垂直方向など)において、ホールカップ(HC)とゴルフボール(G)との間の距離(D)が「50m」である場合、ライン間の1間隔を5mに設定すると、ホールカップ(HC)とゴルフボール(G)をグリッドライン上に表示し、ホールカップ(HC)が位置するグリッドラインとゴルフボール(G)が位置するグリッドラインとの間には、9個のラインを表示することができる。要約すると、Dをdに割れるときの値(n)が整数になるようにdの値を設定すると、ホールカップ(HC)とゴルフボール(G)をグリッドライン上に表示し、ホールカップ(HC)が位置するグリッドラインとゴルフボール(G)が位置するグリッドラインとの間には、n-1個のグリッドラインを等間隔で表示することができる。ホールカップ(HC)の位置は固定されており、ゴルフボール(G)の位置は算出部(141)で算出された軌跡に沿って移動した後の着地位置であるので、前記距離「D」は、算出部(141)で計算されることができる。
【0046】
図8の(a)を参照すると、複数のユーザーが一緒にプレーする場合に、ミニマップには、複数のユーザーのゴルフボールの位置がすべて表示される。スクリーンゴルフは一人でプレーすることも可能であるが、複数のユーザーがチームを構成して試合する方法でプレーする場合が多い。チームプレーをする場合、ユーザーは、現在の自分のチームと相手のチームの試合状況を把握したい。ミニマップにグリッドが表示される場合に、これらのユーザーのニーズを容易に満たすことができる。例えば、4人のユーザー、A、B、C、Dが(A、B )と(C、D)でチームを構成してプレーすると、図8の(a)に図示されたように、ミニマップには、グリッドが表示され、また、ホールカップ(HC)の位置と共に、A、B、C、Dのそれぞれのゴルフボールの位置が表示されることができる。グリッドを通じてA、B、C、Dのゴルフボールとホールカップ(HC)との間の距離が把握されることができ、また、A、B、C、Dのゴルフボールの間の位置まで把握されることができるので、ユーザーは自分のチームと相手のチームにおいて景気状況を容易に把握することができる。
【0047】
図8の(b)を参照すると、ミニマップは、特定のホールに対するゴルフコースの全体を対象にし、特定のユーザーが最初の打撃(ティーショット)からホールインまでゴルフボール(G)を毎回打撃した地点での位置が表示される。このように、ユーザーがゴルフボールを打撃するときの位置が所定の経路(R)により表示されると、ユーザーはホールインまでどのような経路を経て打撃したかの経過を把握することができて、今後のコース攻略に参考することができる。
【0048】
図8の(c)を参照すると、ミニマップには、ユーザーが現在にホールインまでどのような経路(R1)を経て打撃したかの経過が表示され、また、ユーザーが過去に同一のコースでプレーした時にどのような経路(R2)を経て打撃したかの経過が表示される。前記過去のプレーの経路は、一例として、過去のベストプレー時にコースを攻略した経過である。又は、他の例として、過去のワーストプレー時にコースを攻略した経過である。このように、自分の過去のプレー経過を現在のプレー経過とともに表示することで、ユーザーは、現在/過去のプレー結果を比較しながら、今後のコース攻略に参考することができる。
【0049】
図9を参照すると、ミニマップには、グリッドが追加され、ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)の位置が表示され、また、ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)との間の距離情報が数字で表示される。前に説明したように、ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)の間にいくつの横ライン(L1)が配置されているか、および隣接する横ライン(L1)の1間隔がどの程度の距離を表しているかから、ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)との間の縦方向の距離が把握されることができる。また、ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)の間にいくつの縦ライン(L2)が配置されているか、および隣接する縦ライン(L2)の1間隔がどの程度の距離を表しているかから、ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)との間の横方向の距離が把握されることができる。また、前記横方向の距離と縦方向の距離からゴルフボール(G)とホールカップ(HC)との間の直線距離が計算されることができる。しかし、スクリーンゴルフプレーに集中しているユーザーが、ミニマップを見ながら距離計算をすることは、容易ではないので、ミニマップの近傍に(または、ミニマップの内部に)ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)との間の距離が数値で表示されると、ユーザーに便利である。
【0050】
図9に図示されたように、ゴルフコースを平面から見るときには、ゴルフボール(G)の位置とホールカップ(HC)の位置との間に高さの差はないが、実際にはゴルフボール(G)の位置とホールカップ(HC)の位置の間には、かなりの高さの差がある場合がありえる。ゴルフボール(G)の位置とホールカップ(HC)の位置との間に高さの差がある場合には、これを勘案してゴルフボールを打撃しなければならない。例えば、ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)との間の平面での距離がDであり、高さの差が0である場合と、ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)との間の平面での距離がDであり、高さの差がHである場合を比較すると、前者はゴルフボールの飛距離がDであることを目標にして打撃するが、後者は高さの差(H)に起因する変数を勘案してゴルフボールの飛距離がD±αであることを目標にして打撃する。したがって、ゴルフボール(G)の位置とホールカップ(HC)の位置との間の高さの差に対する情報もユーザーに重要であり、本実施例では、ミニマップの近傍に(またはミニマップの内部に)ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)との間の高さの差が直接的に数値で表示されている。
【0051】
図10を参照すると、ミニマップには、グリッドが追加され、ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)の位置が表示される。グリッドは、互いに異なる複数のグリッドを含む。例えば、グリッドは、横ライン(L1)と縦ライン(L2)を含む第1のグリッドと、横ライン(L1')と縦ライン(L2')を含む第2のグリッドとを含む。第1のグリッドにおいて、横ライン(L1)と横ライン(L1)との間の間隔は、第2のグリッドにおいて、横ライン(L1')と横ライン(L1')との間の間隔と、同一であるか又は互いに異なる。また、第1のグリッドにおいて、縦ライン(L2)と縦ライン(L2)との間の間隔は、第2のグリッドにおいて、縦ライン(L2')と縦ライン(L2')との間の間隔と、同一であるか又は互いに異なる。このように、複数のグリッドが備わる場合、各グリッドが互いに異なる距離の単位で表示されることが可能である。例えば、第1のグリッドはメートル単位で横ラインと縦ライン(L1 、L2)の間隔を表示し、第2のグリッドはヤード単位で横ラインと縦ライン(L1 '、L2')の間隔を表示することができる。メートル単位の表示を選好するユーザーがあり、ヤード単位の表示を選好するユーザーもあるので、ユーザーは自分が選好する距離の単位で表示されたグリッドを参考して、ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)との間の距離など、自分に必要な情報を容易に把握することができる。
【0052】
図11を参照すると、ミニマップには、グリッドが追加され、ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)との位置が表示され、また、前に図7を参照して説明したように、ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)との間の距離情報が表示される。ミニマップに複数の横ライン(L1)と複数の縦ライン(L2)に構成されたグリッドを追加する場合、ミニマップに表示される領域は、複数の四角形の領域のサブ領域に区分される。本実施例において、前記複数のサブ領域はカラーで表示される(図11において、ハッチングはカラーを表現するために使用されたものであり、形態が異なるハッチングはカラーが異なるという点を示す)。前記カラーは、そのサブ領域の高さに応じて変更される。例えば、図11において、高さが高い領域を赤色(A1のハッチングに該当)で表示し、高さが低い領域を青色(A5のハッチングに該当)で表示し、赤領域と青領域との間の高さは赤と青の間の中間色(A2乃至A4のハッチングに該当)で表示する。このように、サブ領域をカラーで表示する場合、ゴルフボール(G)が置かれている地点の色とホールカップ(HC)が位置する地点のカラーを比較してゴルフボール(G)の位置とホールカップ(HC)の位置との間の高さの差を把握することができる。図11において高さの差に基づいて、サブ領域を互いに異なるカラーに表示する例を説明したが、同一のカラーを使用しながら明度や彩度などを使用して高さの差が表示するようにすることも可能である。このように、色、明度、彩度などを利用して、ミニマップにおいてサブ領域とサブ領域との間の高さの差を表示することができるが、サブ領域の他の属性の違いを示すために、サブ領域を互いに異なる色、明度、彩度などで表示することもできる。
【0053】
図12を参照すると、ミニマップには、グリッドが追加され、ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)の位置が表示される。前の実施例のミニマップ(図7ないし図11を参照)が平面図の視点により2次元的に表示されたことに比べて、本実施例によるミニマップは斜視図の視点により3次元的に表示される。また、本実施例によるミニマップのグリッドは、第1方向を従う複数の第1ライン(L1)、第2方向を従う複数の第2ライン(L2)及び第3方向を従う複数の第3ライン(L3)を含む。ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)との間の距離情報について、第1及び第2ライン(L1、L2)を通じて、ユーザーは2次元的な平面での距離を把握することができる。また、第3ライン(L3)を通じて、ユーザーはゴルフボール(G)とホールカップ(HC)との間の高さの差を把握することができる。このように、ミニマップを3次元に表現し、グリッドも互いに異なる方向を従う3つのラインで構成することにより、対象物と対象物との間の距離や高さの差などをユーザーが直観的に容易に把握することができる。
【0054】
以上、グリッドが表示されたミニマップの様々な形態でについてみてみたが、これは理解を助けるために例を挙げることであり、ここで説明しない他の形態にも本発明のグリッドが表示されたミニマップが適用されることができる。
【0055】
図13は本発明の他の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図であり、図14は本発明のまた他の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図である。図13、14の仮想ゴールプシステムは、図5の仮想ゴルフシステムと共通部分があるので、共通部分に対する詳細説明は省略する。
【0056】
図13を参照すると、本実施例による仮想ゴルフシステム(200)は、打撃プレート(210)、感知部(220)、入力部(230)、シミュレータ(240)、及び表示部(250、260)を含む。
【0057】
打撃プレート(210)には、ゴルフボールが置かれる打撃マット(211)が具備され、ユーザーは打撃マット(211)上のゴルフボールを打撃する。感知部(220)は、ユーザーが打撃したゴルフボールの移動速度や移動方向などのような物理的な状態を感知してシミュレータ(240)に伝達する。入力部(230)は、ユーザーから各種の情報を受けるためのものであり、キーボードやマウスなどが使用される。シミュレータ(240)は、感知部(220)から打撃されたゴルフボールに対する感知情報を受信した後、これに基づいてゴルフボールの軌跡を算出し、算出されたとおりゴルフボールが動く映像を生成して表示部(250、260)に渡す。表示部(250、260)は、第1表示部(250)と第2表示部(260)とを含む。第1表示部(250)は、フロントビームプロジェクター(251)とフロントスクリーン(252)を含み、第2表示部(260)は、ボトムビームプロジェクター(261)とボトムスクリーン(262)を含む。フロントビームプロジェクター(251)は、映像を投影してフロントスクリーン(252)に提供し、フロントスクリーン(252)は、投影された映像を表示してユーザーに提供する。ボトムビームプロジェクター(261)は、映像を投影して、ボトムスクリーン(262)に提供し、ボトムスクリーン(262)は、投影された映像を表示してユーザーに提供する。このようにスクリーン(252、262)がフロントとボトムにそれぞれ備わることにより、さらに多様な映像をユーザーにに提供することができる。また、本実施例による仮想ゴルフシステム(200)にも、グリッドが表示されるミニマップが表示されてユーザーに提供されることができる。前記ミニマップは、前に説明した実施例と同様に、フロントスクリーン(252)に表示されることができる。または、フロントスクリーン(252)には、ゴルフコースやゴルフボールなどのメイン画面のみ表示され、前記ミニマップは、サブ画面として別に具備されるボトムスクリーン(262)に表示されるようにすることができる。
【0058】
図14を参照すると、本実施例による仮想ゴルフシステム(300)は、打撃プレート(310)、感知部(320)、入力部(330)、シミュレータ(340)、表示部(350)、及びキオスク(360)を含む。
【0059】
打撃プレート(310)には、ゴルフボールが置かれる打撃マット(311)が具備され、ユーザーは打撃マット(311)上のゴルフボールを打撃する。感知部(320)は、ユーザーが打撃したゴルフボールの物理的状態を感知してシミュレータ(340)に伝達する。入力部(330)は、ユーザーからの入力を受けることができるキーボードやマウスなどが使用される。シミュレータ(340)は、感知部(320)から打撃されたゴルフボールに対する感知情報を受信した後、これに基づいてゴルフボールの軌跡を算出し、算出されたとおりゴルフボールが動く映像を生成して表示部(350)に渡す。表示部(350)は、ビームプロジェクター(351)とスクリーン(352)を含み、ビームプロジェクター(351)はスクリーン(352)に映像を投影し、スクリーン(352)は投影された映像を表示してユーザーに提供する。キオスク(360)は、小型ディスプレーの用途に使用され、LCD(Liquid Crystal Display)、LED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic Light Emitting Diode)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、フレキシブルディスプレー(Flexible Display)などのような様々なディスプレー機器で構成されることができる。本実施例によれば、映像を表示することができるデバイスがスクリーン(352)とキオスク(360)とのように複数個具備されることで、多様な画面をユーザに提供することができる。本実施例による仮想ゴルフシステム(300)にもグリッドが表示されるミニマップが表示されてユーザーに提供されることができる。上記ミニマップは、前に説明した実施例と同様に、スクリーン(352)に表示されることができる。または、スクリーン(352)にはゴルフコースやゴルフボールなどのメイン画面のみ表示され、前記ミニマップは、メイン画面ではなく、サブ画面として別に具備されるキオスク(360)に表示されることができる。
【0060】
図15ないし図18は、本発明の実施例によるゴルフコースの表示方法の過程を示す図である。
【0061】
図15を参照すると、本発明の実施例によるゴルフコースの表示方法は、対象領域の選択(S100)と、サブ領域の区分(S200)と、カラーの表示(S300)との3つステップを含む。対象領域の選択のステップ(S100)では、画面に表示するゴルフコースの対象領域を選択する。対象領域としては、画面に表示されることができる特定のゴルフコースの全体領域が選択されることができ、または前記全体領域の中の一部が選択されることができる。サブ領域の区分のステップ(S200)では、選択された対象領域を複数のサブ領域に区分する。カラーの表示のステップ(S300)では、区分されたサブ領域を、各領域の特性に応じて、互いに異なる色で表示する。例えば、区分されたサブ領域の特性が高さである場合に、複数のサブ領域において高さが異なる領域は、互いに異なる色で表示する。
【0062】
図16ないし図18は、図15のゴルフコースの表示方法がスクリーンゴルフに適用されたときの過程を示す。図16ないし図18を通じて、本発明のゴルフコースの表示方法の各ステップを具体的に見てみる。
【0063】
図16を参照すると、第1のステップにおいて、ゴルフコースにおいてスクリーン画面に表示される対象領域が選択される。ゴルフは、ティーショットでゴルフボールを打撃してグリーンのホールカップにゴルフボールを入れる方式で進行され、ティーショットからホールカップにゴルフボールを入れるまでの打撃回数により勝負を分ける。一般的に、ゴルフの試合は、18ホールを一つの単位で構成され、各ホールを構成するゴルフコースは、ティーインググラウンド(Teeing Ground)、スルーザグリーン(Through the Green)、グリーン(Green)、ハザード(Hazard)などのさまざまなエリアがある。
【0064】
ゴルフ場のゴルフコースにおいてスクリーン画面に表示される領域は、主にゴルフボールを中心にしてゴルフボールとこの周囲の領域である。このディスプレー領域は、ゴルフボールが動きに応じて変更される。例えば、ユーザーがゴルフボールを打撃する前に、ゴルフボールの位置を「現在の打撃位置」とし、ユーザーがゴルフボールを打撃してゴルフボールが所定の距離を飛行した後、所定の位置に着地した時にその着地位置を「次の打撃位置」とすれば、ユーザーがゴルフボールを打撃する前には、スクリーンに現在の打撃位置を中心にして、その周辺の領域が表示され、ユーザーがゴルフボールを打撃し次の打撃をする前には、次の打撃位置を中心にして、その周辺の領域が表示される。このようにスクリーン画面に表示される対象領域は、固定されていなく、スクリーンゴルフがプレーされている間、対象領域は変更されることができる。
【0065】
図17を参照すると、第2のステップにおいて、選択された対象領域を複数のサブ領域(Sub)に区分する。図17には、対象領域を第1ないし第4のサブ領域(Sub1、Sub2、Sub3、Sub4)のように、4つのサブ領域(Sub)に区分した例が図示されているが、サブ領域(Sub)の形態や数には制限がない。サブ領域(Sub)は、そのサブ領域(Sub)が有する地形の属性に応じて区分されることができる。例えば、ゴルフコースの領域は、すべて同一の高さに位置しなく、領域での高さの差が有り得る。高さの差がある領域を互いに異なるサブ領域(Sub)に区分することができる。スクリーンゴルフでは、ゴルフコースに対するデータを保存しているデータベースが具備されている。ゴルフコースに対するデータは、ゴルフコースに対する映像情報とゴルフコースを構成する領域の詳細な地形情報などを含む。したがって、前記詳細な地形情報などを参照して、対象領域を該当領域の属性に応じて、適切に複数のサブ領域(Sub)に区分することができる。
【0066】
図18を参照すると、第3のステップにおいて、区分されたサブ領域(Sub)にカラーを表示する(図18において、ハッチングはカラーを表現するために使用されたものであり、形態が異なるハッチングはカラーが異なるという点を示す)。サブ領域(Sub)の地形属性により、互いに異なる色を使用することで、互いに異なる地形特性を有するサブ領域(Sub)は、カラーによって容易に識別されることができる。例えば、高さが他の領域に比べて高い第1のサブ領域(Sub1)は赤色(Sub1に表示されたハッチングに該当)で表示され、高さが他の領域に比べて低い第4のサブ領域(Sub4)は青色(Sub4に表示されたハッチングに該当)で表示され、第1および第4 のサブ領域の中間の高さを有する第2及び第3のサブ領域(Sub2、Sub3)は黄色(Sub2に表示されたハッチングに該当)や緑色(Sub3に表示されたハッチングに該当)などのような中間色で表示されることができる。ここで、カラーは例を挙げることであり、どの程度の高さをどのような色に表示するかは、任意に設定することができる。ただし、ユーザーがサブ領域(Sub)のカラー表示を見て高低を把握できるように、どの程度の高さをどのような色に表示するがを告知する、高さとカラー表示の対応関係がスクリーン画面に表示されることが好ましい。または、スクリーン画面以外の他の方法によって、高さとカラー表示の対応関係が告知されることもできる。
【0067】
上記のように、本発明は、ディスプレーされるゴルフコースの領域の地形特性を容易に把握することができるように、該当領域の高さなどのような地形属性によりカラーを区分して表示する。カラーを利用して領域を区分して表示する画面の一例は、図18の(a)に図示されたように、ゴルフコースの領域を平面で見たときの2次元平面図の形である。または、他の例として、図18の(b)に図示されたように、カラーを利用して領域を区分して表示する画面は、遠距離画面(主に、背景画面)(A1)と近距離画面(主に、ゴルフボールが置かれている地点の近傍の画面)(A2)のように、複数の対象の画面を含み、地形の特性を示す必要がない遠距離画面(A1)は通常の方法で表現し、近距離画面(A2)についてだけ領域により互いに異なるカラーを表示する方式を適用して表現する。ここで領域ごとに高さに応じて互いに異なるカラーを表示するとしたが、地形属性の一例として高さを言及したものであり、高さだけでなく、地形の傾斜やゴルフコースにおけるグリーンの速度などのような他の属性についても互いに異なるカラーを表示する方式が適用されることができる。
【0068】
以下では、上記ゴルフコースの表示方法が具体的に適用された仮想ゴルフシステムについて見てみる。
【0069】
図19は、本発明の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図であり、図20は、図19の仮想ゴルフシステムの主要な構成間の関係を示すブロック図である。
【0070】
図19を参照すると、本実施例による仮想ゴルフシステム(400)は、打撃プレート(410)、感知部(420)、入力部(430)、シミュレータ(440)、及び表示部(450)を含む。
【0071】
打撃プレート(410)は、ゴルフボールが置かれて打撃が行われる打撃ゾーンに該当する。打撃プレート(410)には、打撃マット(411)が具備され、打撃マット(411)には、ゴルフボール供給手段(図面に未図示)等によってユーザーに打撃用のゴルフボールが提供される。
【0072】
感知部(420)は、ユーザーが打撃したゴルフボールの動きなどを感知して、打撃されたゴルフボールに対する全般的な状態情報を把握し、ゴルフボールの動きを撮影することができるカメラだけでなく、ゴルフボールの動きを感知することができる感知センサーなどの任意の感知手段が使用されることができる。前記感知手段には、画像センシング、発光/受光センシング、レーザーセンシングなどの様々なセンシング方式が適用されることができ、このようなセンシング方法によってユーザーが打撃したゴルフボールの状態情報を把握することができる。前記カメラや感知センサーなどは単独に使用されたり、一緒に使用されることができる。また、一個のみが使用されたり、複数個が使用されることもできる。
【0073】
入力部(430)は、ユーザーから各種の情報を受けるためのものであり、キーボードやマウスなどが使用される。スクリーンゴルフでは、ユーザーが自分のアイディーやパスワードを入力する場合、ユーザーがプレーしたいゴルフコースや難易度を選択する場合などのように、ユーザーから情報の入力が必要な場合があり、このような場合のために入力部(430)が備わる。
【0074】
図20 に図示されたように、シミュレータ(440)は、算出部(441)、映像部(442)、及びデータベース(443)を含む。算出部(441)は、ユーザーがゴルフボールを打撃すると、打撃されたゴルフボールに対する状態情報を受信した後、これに基づいてゴルフボールの軌跡をシミュレーションして算出する。映像部(442)は、ユーザーに表示されるゴルフの映像を生成して表示部(450)に渡す。映像部(442)によって生成される映像による画面は、複数の対象画面を含む。前記複数の対象画面の例として、遠距離画面と近距離画面とが有り得る。遠距離画面は、主に背景画面に該当し、地形の特性を示す必要がない。近距離画面は、主にゴルフボールが置かれている地点の近傍のボトム画面に該当し、ゴルフボールが置かれている地点の特性がゴルフボールの打撃に影響を与えるので、ユーザーの立場では、近距離画面に表示される地形の特性を把握する必要がある。したがって、近距離画面については、前に説明したゴルフコースの表示方法(領域の特性により複数のカラーなどを使用する表示方法)を適用することができる。このようなゴルフコースの表示方法を適用することは、映像部(442)によって行われる。または、映像部(442)にカラー表示部が具備されて、カラー表示部がその役割を専担することができる。データベース(443)は、算出部(441)と映像部(442)の動作における必要な情報を格納する。
【0075】
表示部(450)は、ビームプロジェクター(451)とスクリーン(452)を含む。ビームプロジェクター(451)は、ゴルフに関する映像を投影してスクリーン(452)に提供し、スクリーン(452)は、投影された映像をディスプレーしてユーザーに提供する。
【0076】
仮想ゴルフシステム(400)は、スクリーンゴルフ場に設置されてスクリーンゴルフをプレーすることができるようにする装置であり、ユーザーがスクリーンゴルフをプレーする際に、仮想ゴルフシステム(400)は、次のように動作する。
【0077】
まず、ユーザーがゴルフボールを打撃すると、感知部(420)が、ユーザーが打撃したゴルフボールの速度や移動方向などのような物理的な状態を感知する。感知部(420)によって感知された情報は、シミュレータ(440)に伝達され、シミュレータ(440)の算出部(441)は、伝達された情報に基づいて、ユーザーが実際の屋外ゴルフ場でゴルフボールを打撃したと仮定した時に、ゴルフボールがどのような軌跡を示すかを算出する。映像部(442)では、前記算出された軌跡によりゴルフボールが動く映像を具現し、表示部(450)では、前記映像がディスプレーされてユーザーに提供される。
【0078】
スクリーンゴルフ場においてユーザーのプレーのために提供されるゴルフコースは、実際のゴルフコースをモデルにして、これを同一に再現したものであったり、または実際に存在していない仮想のゴルフ場を任意に創作したものである。いずれにしても、スクリーン(452)の画面には、ユーザーがプレーしているゴルフ場の映像が表示され、ユーザーがゴルフボールを打撃して打撃されたゴルフボールの軌跡が算出されると、スクリーン(452)の画面には、該当ゴルフ場のゴルフコースにおいてゴールプボールが算出された軌跡により移動した後、所定の地点で停止する映像が表示される。つまり、ユーザーが打撃する前に、スクリーン(452)には、所定の位置に置かれているゴルフボールとゴルフボールの周辺の領域が主にディスプレーされ、ユーザが打撃した後には、飛行するゴルフボールとゴルフボールが飛行しながら迅速に通過するゴルフコースの領域がディスプレーされる。ユーザーの立場では、ゴルフボールが飛行するときにゴルフボールが通過するゴルフコースの領域は主要な関心対象ではなく、ゴルフボールを打撃する前に、ゴルフボールが置かれている地点の周辺領域が主要な関心対象である。なぜなら、ゴルフボールが置かれている地点の地形特性によりゴルフボールの打撃に影響を与えることができるからである。例えば、実際のゴルフにおいて、ゴルフボールがフェアウェイ地域に置かれている場合の打撃難易度は、ゴルフボールがラフ地域に置かれている場合の打撃難易度と差がある。フェアウェイはラフに比べて芝が短いので、ゴルフボールを打撃するのが容易であり、打撃難易度が低い。ラフは芝が相対的に長いので、ゴルフボールを打撃するのが不利であり、打撃難易度が高い。スクリーンゴルフでは、スクリーン(452)のゴルフボールがフェアウェイに位置するか又はラフに位置するかに関係なく、打撃マット(411)に置かれたゴルフボールを打撃するため、実際のゴルフにおいてゴルフボールが置かれた地形の属性によって打撃に影響を与える効果が、スクリーンゴルフでは100%同一に再現されない。しかし、スクリーンゴルフでは、打撃マット(411)がフェアウェイ/ラフに対応する複数の領域に区分されるか、またはスクリーン(452)のゴルフボールが置かれている地形の属性により飛距離を調整する方式などを利用して、実際のゴルフにおけるゴルフボールが置かれた地形の属性により打撃に影響を与える効果をある程度再現している。フェアウェイ/ラフなどの地形は、地形の属性がユーザーの打撃に影響を与えることができるという点を説明するための一例だけであり、重要な点は、実際のゴルフにおいてゴルフボールが置かれている地点の地形属性が打撃に影響を与え、スクリーンゴルフでも、実際のゴルフのリアリティを体感することができるように、スクリーンのゴルフボールが置かれている地形(スクリーンに表示される地形)の特性により、ゴルフボールの打撃に影響を与える効果が再現されている点である。したがって、実際のゴルフと同様に、スクリーンゴルフでもゴルフボールが置かれている地点の地形属性は、ユーザーに重要な情報である。
【0079】
特に、パットをする場合に、ゴルフボールは、ゴルフコースのホールカップが位置するグリーン領域に置かれていて、パットの前にゴルフボールが置かれている地点の地形情報は、ユーザーに非常に重要である。なぜなら、パットの前にゴルフボールが置かれている地点の傾斜に応じて、それに合わせてパットの強さや方向を調整する必要があるからである。したがって、ユーザーがパットをする時に、ゴルフボールが置かれている地点の地形特性をユーザーが容易に把握することができように、適切な情報が提供される必要がある。前に説明したように、領域ごとに地形属性に基づいて、複数の色で表示されたゴルフコース画面をスクリーン(452)に表示する場合、ユーザーはゴルフボールの周辺の地形特性を容易に把握することができる。以下では、パット前のゴルフボールとその周辺領域を示す画面にフォーカスを合わせて領域ごとに複数の色を表示する方式が適用される様々な表示例を見てみる。
【0080】
図21ないし図23は、図19の仮想ゴルフシステムによって提供されることができるゴルフコースの様々な表示例を示す。
【0081】
図21を参照すると、スクリーンの画面には、ホールカップ(HC)とゴルフボール(G)が一緒に表示される対象領域がディスプレーされる。前記対象領域は、ゴルフコースにあけるグリーン領域の一部又は全部を含む。ホールカップ(HC)とゴルフボール(G)との間の領域には、グリッドが表示されている。グリッドは、横方向に従う複数の横ライン(L1)と縦方向に従う複数の縦ライン(L2)を含む。グリッドの複数の横ラインと縦ライン(L1、L2)によって、その領域は、複数のサブ領域(Sub)に区分されている。横ラインと縦ライン(L1、L2)は互いに直交する直線であり、各ラインの間隔が同一の場合に、グリッドは、サブ領域(Sub)を同一の大きさや形で明確に区分することができる。ただし、グリッドを構成する水平および垂直方向のライン(L1、L2)が、必ずしも互いにに直交する直線である必要はない。また、各ラインの間隔が必ずしも同一である必要もない。グリッドは、視覚的に領域区分を明確にすることができるという利点があるが、カラーだけで区分領域を識別することができるので、グリッドは選択的な構成であり、必ずグリッドを使用して領域を区分する必要はない。
【0082】
グリッドによって区分された複数のサブ領域(Sub)は地形属性、例えば、その領域の高さにより、互いに異なる色で表示される(図18において、ハッチングはカラーを表現するために使用されたものであり、形態が異なるハッチングはカラーが異なるという点を示す)。つまり、サブ領域(Sub)において高さが他の領域に比べて相対的に高い第1のサブ領域(Sub1)は赤色(Sub1に表示されたハッチングは赤色を示す)で表示され、高さが他の領域に比べて相対的に低い第5のサブ領域(Sub5)は青色(Sub5に表示されたハッチングは青色を示す)で表示され、第1及び第5のサブ領域(Sub1、Sub5)の中間の高さを有する第2ないし第4のサブ領域(Sub2、Sub3、Sub4)は黄色(Sub2に表示されたハッチングは黄色を示す)や緑色(Sub3に表示されたハッチングは緑色を示す)などのような中間色で表示される。ここで、カラーは例を挙げることであり、どの程度の高さをどのような色に表示するかは、任意に設定することができる。このように、ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)との間の地域の高低が一定しない場合に、ユーザーはサブ領域(Sub)に表示されたカラーを見てゴルフボール(G)とホールカップ(HC)との間の地域の高低分布を容易に把握することができる。例えば、図21に図示されたように、ゴルフボール(G)からホールカップ(HC)の位置まで、サブ領域(Sub)のカラーが青色から黄色に変更されると、ユーザーはホールカップ(HC)の位置がゴルフボール(G)の位置よりも高さが高いという点をわかる。これは、ゴルフボール(G)をパッティングする時に、傾斜が高い地点に向かって傾斜をさがのぼることを意味するので、ユーザーはゴルフボール(G)が傾斜をさがのぼることができる十分な動力を提供するために、さらに強くパットするという戦略を立てることができる。また、図19に図示されたものと反対に、ホールカップ(HC)の位置がゴルフボール(G)の位置よりも高さがひくい場合、これは、ゴルフボール(G)をパッティングする時に、傾斜が低い地点に向かって傾斜を従って下りることを意味するので、ユーザーはゴルフボール(G)が傾斜を従って下りながら過度に加速されてホールカップ(HC)を通り過ぎることを防止するために、さらに弱くパットするという戦略を立てることができる。
【0083】
上記のようにスクリーンに表示される所定の領域を複数のサブ領域(Sub)に区分した後、そのサブ領域(Sub)の地形属性により、これを互いに異なる色で表示することにより、ユーザーはゴルフボール(G)の打撃に影響を与える地形情報を容易に把握することができる。その結果、ゴルフボール(G)の打撃に必要な戦略を適切に立てることができる。また、サブ領域(Sub)を区別するために、グリッドを使用することにより、ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)との間の横ライン(L1)の間隔や縦ライン(L2)の間隔をチェックして、ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)との間の距離も把握することができる。
【0084】
図21を参照して説明した実施例において、サブ領域(Sub)の前記属性による区分のため、互いに異なる色を使用すると説明したが、必ずしもカラー表示だけ使用する必要はない。例えば、図22に図示されたように(図22において、ハッチングは明度や彩度を表現するために使用されたものであり、形態が異なるハッチングは明度や彩度が異なるという点を示す)、同一のカラーで表示するが、互いに異なる明度や彩度を使用することにより、サブ領域(Sub)を、その地形の属性に基づいて複数のサブ領域(Sub1、Sub2、Sub3)に区分して表示することができる。
【0085】
また、図21を参照して説明した実施例のように、サブ領域(Sub)を、その地域の属性に基づいて互いに異なる色で表示した後、図23に図示されたように(図23において、ハッチングはカラーを表現するために使用されたものであり、形態が異なるハッチングはカラーが異なるという点を示す)、グリッド上を移動するインジケーター(I)を追加することができる。インジケーター(I)は、横ライン(L1)を沿って移動する横インジケーター(I1)と縦ライン(L2)を沿って移動する縦インジケーター(I2)を含む。横インジケーターと縦インジケーター(I1、I2)は、必ず一緒に具備される必要はなく、必要に応じていずれか一つだけ具備されることも可能である。
【0086】
インジケーター(I)は、グリッドを沿って移動し、移動する速度を適切に表示してユーザーに付加的な情報を提供することができる。例えば、横インジケーター(I1)は、 横ライン(L1)での傾斜により、傾斜が大きいほど速い移動速度で表示されることができる。同様に、縦インジケーター(I2)は、縦ライン(L2)での傾斜により、傾斜が大きいほど速い移動速度で表示されることができる。または、ゴルフでは、グリーン領域での芝の状態によりグリーン速度が異なり、ユーザーはグリーン速度を把握した後、グリーン速度によりパットの強さを適切に調節する必要がある。したがって、グリーン速度はパッティング時、ユーザーがチェックすべき変数の一つであり、ユーザーがグリーン速度をチェックする方法として、インジケーター(I)を利用することができる。例えば、グリーン速度に合わせてインジケーター(I)の移動速度が変更されるように表示されることができる。このように、インジケーター(I)を導入することにより、ユーザーは、横インジケーター及び/または縦インジケーター(I1、I2)の移動速度をチェックして、ゴルフボール(G)とホールカップ(HC)との間の領域の傾斜の変化やグリーン速度などのような付加的な情報を正確に把握することができる。
【0087】
以上、地形属性に基づいて複数の領域に複数のカラーを使用するゴルフコースの様々な表示例を見てみたが、これは理解を助けるために例を挙げることであり、ここで説明しない他の形態にも本発明のゴルフコースの表示方法が適用されることができる。
【0088】
図24は本発明の他の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図であり、図25は本発明のまた他の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図である。図24、25の仮想ゴルフシステムは、図19の仮想ゴルフシステムと共通部分があるので、共通部分に対する詳細説明は省略する。
【0089】
図24を参照すると、本実施例による仮想ゴルフシステム(500)は、打撃プレート(510)、感知部(520)、入力部(530)、シミュレータ(540)、及び表示部(550、560)を含む。
【0090】
打撃プレート(510)には、ゴルフボールが置かれる打撃マット(511)が具備され、ユーザーは打撃マット(511)上のゴルフボールを打撃する。感知部(520)は、ユーザーが打撃したゴルフボールの移動速度や移動方向などのような物理的な状態を感知してシミュレータ(540)に伝達する。入力部(530)は、ユーザーから各種の情報を受けるためのものであり、キーボードやマウスなどが使用される。シミュレータ(540)は、感知部(520)から打撃されたゴルフボールに対する感知情報を受信した後、これに基づいてゴルフボールの軌跡を算出し、算出されたとおりゴルフボールが動く映像を生成して表示部(550、560)に渡す。表示部は、第1表示部(550)と第2表示部(560)とを含む。第1表示部(550)は、フロントビームプロジェクター(551)とフロントスクリーン(552)を含み、、第2表示部(560)は、ボトムビームプロジェクター(561)とボトムスクリーン(562)を含む。フロントビームプロジェクター(551)は、映像を投影してフロントスクリーン(552)に提供し、フロントスクリーン(552)は、投影された映像を表示してユーザーに提供する。ボトムビームプロジェクター(561)は、映像を投影して、ボトムスクリーン(562)に提供し、ボトムスクリーン(562)は、投影された映像を表示してユーザーに提供する。このようにスクリーン(552、562)がフロントとボトムにそれぞれ備わることにより、多様な映像をユーザーにに提供することができる。また、本実施例による仮想ゴルフシステム(500)にも、地形属性に基づいて領域別に複数のカラーなどを使用してゴルフコースを表示した画面がユーザに提供されることができる。このような画面は、ユーザーの打撃に影響を与える情報を提供することが注目的であり、ゴルフコース自体を表示する画面はないので、ゴルフコース自体の画面は、フロントスクリーン(552)に表示され、前記情報提供のために領域別に地形属性に基づいて複数のカラーなどを使用する画面は、ボトムスクリーン(562)に表示されるようにすることができる。
【0091】
図25を参照すると、本実施例による仮想ゴルフシステム(600)は、打撃プレート(610)、感知部(620)、入力部(630)、シミュレータ(640)、表示部(650)、及びキオスク(660)を含む。
【0092】
打撃プレート(610)には、ゴルフボールが置かれる打撃マット(611)が具備され、ユーザーは打撃マット(611)上のゴルフボールを打撃する。感知部(620)は、ユーザーが打撃したゴルフボールの物理的状態を感知してシミュレータ(640)に伝達する。入力部(630)は、ユーザーからの入力を受けることができるキーボードやマウスなどが使用される。シミュレータ(640)は、感知部(620)から打撃されたゴルフボールに対する感知情報を受信した後、これに基づいてゴルフボールの軌跡を算出し、算出されたとおりゴルフボールが動く映像を生成して表示部(650)に渡す。表示部(650)は、ビームプロジェクター(651)とスクリーン(652)を含み、ビームプロジェクター(651)はスクリーン(652)に映像を投影し、スクリーン(652)は投影された映像を表示してユーザーに提供する。キオスク(660)は、小型ディスプレーの用途に使用され、LCD(Liquid Crystal Display)、LED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic Light Emitting Diode)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、フレキシブルディスプレー(Flexible Display)などのような様々なディスプレー機器が使用される。本実施例によれば、映像を表示することができるデバイスがスクリーン(652)とキオスク(660)とのように複数個具備されることで、より多様な画面をユーザに提供することができている。本実施例による仮想ゴルフシステム(600)にも地形属性に基づいて領域別に複数のカラーなどを使用してゴルフコースを表示した画面がユーザに提供されることができる。このような画面は、ユーザーの打撃に影響を与える情報を提供することが注目的であり、ゴルフコース自体を表示する画面はないので、ゴルフコース自体の画面は、スクリーン(652)に表示され、前記情報提供のために領域別に地形属性に基づいて複数のカラーなどを使用する画面は、キオスク(660)に表示されるようにすることができる。
【0093】
以上、本発明の具体的な実施例について考察した。本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形した形態で具現できることを理解することができるであろう。したがって、開示された実施例は限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されるべきである。本発明の範囲は前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての差異点は本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0094】
100、200、300、400、500、600:仮想ゴルフシステム
110、210、310、410、510、610:打撃プレート
120、220、320、420、520、620:感知部
130、230、330、430、530、630:入力部
140、240、340、440、540、640:シミュレータ
150、250、350、450、550、650:表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25