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特許7076514局所的に補強された被覆鋼板を含む車両用パネル
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  • 特許-局所的に補強された被覆鋼板を含む車両用パネル 図1
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  • 特許-局所的に補強された被覆鋼板を含む車両用パネル 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-19
(45)【発行日】2022-05-27
(54)【発明の名称】局所的に補強された被覆鋼板を含む車両用パネル
(51)【国際特許分類】
   C23C 2/06 20060101AFI20220520BHJP
   C23C 2/26 20060101ALI20220520BHJP
   C23C 28/00 20060101ALI20220520BHJP
   C22C 18/04 20060101ALI20220520BHJP
   C22C 18/00 20060101ALI20220520BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20220520BHJP
   B62D 25/00 20060101ALI20220520BHJP
   C22C 38/00 20060101ALN20220520BHJP
   C22C 38/54 20060101ALN20220520BHJP
【FI】
C23C2/06
C23C2/26
C23C28/00 C
C22C18/04
C22C18/00
B60J5/00 P
B62D25/00
C22C38/00 301T
C22C38/54
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020153503
(22)【出願日】2020-09-14
(62)【分割の表示】P 2017551214の分割
【原出願日】2016-03-22
(65)【公開番号】P2021021141
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2020-09-15
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2015/000422
(32)【優先日】2015-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(73)【特許権者】
【識別番号】515214729
【氏名又は名称】アルセロールミタル
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロランス・ドダ
(72)【発明者】
【氏名】マチュー・アンブラー
【審査官】國方 康伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-056112(JP,A)
【文献】国際公開第2013/160867(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/184599(WO,A1)
【文献】特開昭63-063775(JP,A)
【文献】特開2002-146596(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-32/00
B62D29/00-29/04
C22C18/00-18/04
C23C 2/00- 2/40
C23C24/00-30/00
C25D 9/00- 9/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの外面(1a)および1つの内面(1b)を有する鋼板(1)を含む車両用パネルであって、少なくとも内面が、3.5から3.9重量%のアルミニウム、2.3から3.3重量%のマグネシウムを含み、残りは亜鉛および不可避的不純物および場合によりSi、Sb、Pb、Ti、Ca、Mn、Sn、La、Ce、Cr、ZrまたはBiから選択される1種以上の追加の元素であり、各追加の元素の重量含有率は0.3重量%未満であるコーティング(2)で被覆され、該板は該内面(1b)に固着された少なくとも1つのパッチ(3)によって局所的に補強され、
該パッチ(3)が、樹脂層(3a)および無機材料層(3b)を含み、該樹脂層が内面のコーティング(2)と接触しており
該樹脂層(3a)がエポキシゴム系材料であり、該外面(1a)および内面(1b)は、パッチの周りにリン酸塩層(4)および電気泳動コーティング層(5)をさらに含む、パネル。
【請求項2】
樹脂層(3a)は1から200MPaの間のヤング率を有し、無機層(3b)は1から15GPaの間のヤング率を有する請求項に記載のパネル。
【請求項3】
無機材料層(3b)はガラス繊維で作られ、樹脂層(3a)は発泡材料である請求項1または2に記載のパネル。
【請求項4】
樹脂層(3a)は接着剤を含む請求項1からのいずれか一項に記載のパネル。
【請求項5】
車両のダッシュパネル、内部ドアパネル、外部ドアパネル、屋根パネル、ホイールアーチ、車両フロア、内部フードパネル、外部フードパネル、フェンダーまたはボディサイドである請求項1からのいずれか一項に記載のパネル。
【請求項6】
鋼板が0.4から1.0mmの間の厚さを有する請求項1からのいずれか一項に記載のパネル。
【請求項7】
鋼板が0.5から0.7mmの間の厚さを有する請求項1からのいずれか一項に記載のパネル。
【請求項8】
A) 3.5から3.9重量%のアルミニウム、2.3から3.3重量%のマグネシウムを含み、残りは亜鉛および不可避的不純物および場合によりSi、Sb、Pb、Ti、Ca、Mn、Sn、La、Ce、Cr、ZrまたはBiから選択される1種以上の追加の元素であり、各追加の元素の重量含有率は0.3重量%未満であるコーティングで被覆された内面を、少なくとも有する鋼板の提供工程、
B) 工程A)から得られた被覆鋼板上への少なくとも1つのパッチの適用工程、該パッチ(3)が、樹脂層(3a)および無機材料層(3b)を含み、該樹脂層が内面のコーティング(2)と接触しており、該樹脂層(3a)がエポキシゴム系材料であり、
C) 工程B)の前または後のスタンピング工程
D) リン酸塩処理工程、ならびに
E) 電気泳動コーティング工程、
を含む、車両用パネルの製造方法。
【請求項9】
被覆鋼板を、工程B)の前もしくは後、または工程C)の前、間、もしくは後に切断する請求項に記載の方法。
【請求項10】
工程B)の間に、パッチが被覆鋼板に貼り付けられる請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
工程E)が、オーブン中で、160から180℃の温度で20から35分間行われる請求項から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
自動車の部品の製造のための、請求項1から7のいずれか一項に記載のパネルの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被覆鋼板を含む車両用パネルに関し、鋼板はパッチによって局所的に補強されている。本発明は自動車の部品の製造に特によく適している。
【背景技術】
【0002】
車両の重量を削減する観点から、パッチを加えて鋼板を補強することが知られている。従って、鋼板の重量、即ち、鋼板の厚さは減少し、パッチの局所的付加により高強度が可能になる。鋼板は、一般に、金属コーティングで被覆されている。次いで、被覆鋼板を含むパネルが塗装される。しかし、実際には、既知の金属コーティングは、パッチの周りの塗料層の層間剥離の問題を起こしやすいことが観察された。
【0003】
実際、水は、例えばe-コーティング層のような塗料層とパッチの縁との間に浸透する。従って、腐食生成物が塗料プレーヤーの下に形成され、その結果パッチの周りの塗料層が層間剥離する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、パッチの周りで層間剥離の問題を有さない、少なくとも1つのパッチで局所的に補強された車両用パネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に記載の局所的に補強された車両用パネルを提供することによって達成される。パネルは、請求項2から12の特徴も含むことができる。
【0006】
第2の目的は、請求項13に記載の車両用パネルの製造方法を提供することによって達成される。この方法は、請求項14から17の特徴も含むことができる。
【0007】
第3の目的は、請求項18に記載の自動車の部品の製造のための前記パネルの使用を提供することによって達成される。
【0008】
本発明の他の特徴および利点は、本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0009】
本発明を説明するために、限定しない例の様々な実施形態およびトライアルを、特に以下の図を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明による一実施形態の概略図である。
図2】本発明による別の実施形態の概略図である。
図3】本発明による車両のドアの概略図である。
図4】腐食サイクルの、168時間、即ち、1週間に対応する1サイクルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
全ての図において、示されている層の厚さは説明のために与えられており、層の縮尺比の説明とみなすことはできない。
【0012】
以下の用語が定義される。
e-コーティングは、電気泳動コーティングおよび電気泳動塗装の堆積を含む。
【0013】
本発明は、1つの外面1aと1つの内面1bとを有する鋼板1を含む車両用パネルに関する。図1は、内面が、1.0から6.0重量%のアルミニウム、0.5から5.0重量%のマグネシウム、好ましくは1.0から5.0重量%のマグネシウムを含み、残りは亜鉛および場合により不純物および場合によりSi、Sb、Pb、Ti、Ca、Mn、Sn、La、Ce、Cr、ZrまたはBiから選択される追加の元素であり、各追加の元素の重量含有率は0.3重量%未満であるコーティング2で被覆された一実施形態を示しており、該板は、該内面1bに固着された少なくとも1つのパッチ3によって局所的に補強される。好ましくは、本発明によるコーティングは、鋼板の内面および外面上に堆積される。
【0014】
有利には、コーティングは、1.0から1.4重量%のアルミニウム、1.0から1.4重量%のマグネシウムを含み、残りは亜鉛である。
【0015】
別の好ましい実施形態では、コーティングは3.5から3.9重量%のアルミニウム、2.3から3.3重量%のマグネシウムを含み、残りは亜鉛である。
【0016】
コーティングは、当業者に既知の任意の方法、例えば、溶融亜鉛めっき法によって堆積させることができる。この方法では、例えば、熱間および冷間圧延により得られた鋼板を溶融金属浴中に浸漬する。
【0017】
浴は亜鉛、マグネシウムおよびアルミニウムを含む。浴は、Si、Sb、Pb、Ti、Ca、Mn、Sn、La、Ce、Cr、ZrまたはBiから選択される追加の元素を含むことができる。これらの追加の元素は、とりわけ延性、鋼板へのコーティング接着性を改善することができる。浴はまた、最大で0.5重量%、通常は0.1から0.4重量%の間の含有率で、鉄のような、インゴットの供給または溶融浴中を鋼板が通過することからの不純物を含むことができる。
【0018】
浴温度は、360から480℃の間、好ましくは420から460℃の間である。コーティングの厚さは、通常25μm以下である。
【0019】
コーティングの堆積後、鋼板は、例えば、被覆鋼板の両面にガスを噴出するノズルで拭き取られる。次いで、被覆鋼板は冷却される。内面のみが被覆される場合には、ブラッシングを行って、外面上に堆積されたコーティングを剥がす。
【0020】
好ましくは、冷却速度は、固化の開始から固化の終了までの間に15℃.s-1以上である。有利には、固化の開始と終了との間の冷却速度は、20℃.s-1以上である。
【0021】
その後、スキンパスを行って、被覆鋼板を加工硬化させ、被覆鋼板にその後の成形を容易にする粗さを付与することができる。例えば、脱脂および表面処理を施し、接着または耐腐食性を改善することができる。
【0022】
次に、被覆鋼板は切断される。別の実施形態では、被覆鋼板は、パッチの適用後、またはスタンピング前、スタンピング中もしくはスタンピング後に切断される。
【0023】
本発明によれば、被覆鋼板を含むパネルは、鋼板が該鋼板の内面に固着した少なくとも1つのパッチによって局所的に補強されている。例えば、該パッチは、樹脂層3aおよび無機材料層3bを含むことができ、該樹脂層は内面のコーティングと接触している。
【0024】
好ましくは、無機材料はガラス繊維で作られる。樹脂層は、好ましくは発泡材料、例えば、エポキシ-ゴム系材料である。好ましい一実施形態では、エポキシ-ゴム系材料は接着剤の役割を果たす。別の好ましい材料では、樹脂層は接着剤を含む。例えば、接着剤は,エポキシ接着剤、エラストマー接着剤、ブチルゴム接着剤またはアクリル樹脂である。このため、シートを局所的に補強するためには、鋼板の内面にパッチを貼付することが好ましい。例えば、パッチはNitohard(R)である。
【0025】
好ましい実施形態では、樹脂層は1から200MPaの間のヤング率を有し、無機層は1から15GPaの間のヤング率を有する。いずれの理論にも縛られることなく、ヤング率がこれらの値よりも大きい場合には、パッチが表面欠陥を生成する虞がより高いことが分かっている。ヤング率がこれらの値よりも小さい場合には、パッチの補強強度が低下する虞がある。
【0026】
別の実施形態では、パッチは樹脂層、好ましくは発泡材料を含み、該樹脂層は無機材料で補強される。例えば、無機材料はガラス繊維または炭素繊維で作られる。
【0027】
パッチの接着の前または後に、パネルのスタンピングが行われる。好ましくは、スタンピングは、当業者に既知の任意の方法で、例えば、外側のパネルに対し先に行われる。
【0028】
図2は、パッチの周りにリン酸塩層4およびe-コーティング層5を有する本発明によるパネルを示し、該パネルは、本発明によるコーティングで両面を被覆された鋼板を含む。この目的のために、リン酸処理工程およびe-コーティング工程が連続的に行われる。好ましくは、パッチはリン酸塩層およびe-コーティング層を含まず、即ち、その上にリン酸塩層およびe-コーティング層がない。
【0029】
塗料の接着性を改善するリン酸塩処理は、当業者に既知の任意の方法によって行われる。通常、リン酸塩層の厚さは、1から2μmの間である。
【0030】
e-コーティング工程は、例えば、PPG IndustriesからのPigment paste(R) W9712-N6およびResin blend(R) W7911-N6を含む水溶液を含む浴中に120から180秒の間、28から35℃の温度でパネルを浸漬することによって行われる。溶液のpHは好ましくは5.5から5.8の間である。200から320Vの間の電圧が印加される。次いで、パネルは拭き取られ、オーブン中で160から180℃の温度で20から35分間硬化される。硬化の間、パッチの樹脂層は発泡し、硬化する。通常、e-コーティング層の厚さは15から25μmの間、好ましくは20μm以下である。
【0031】
e-コーティング工程の後、他の塗料層、例えば、塗料の下塗りコート、ベースコート層およびトップコート層を堆積させることができる。
【0032】
このようにして、本発明による被覆鋼板を含む局所的に補強されたパネルが得られる。重量の削減は大規模である。何故ならば、鋼板が例えば0.4から1.0mmの間、好ましくは0.5から0.7mmの厚さを有するパネルが可能になるからである。
【0033】
本発明によるパネルは、車両のダッシュパネル、内部ドアパネル、外部ドアパネル、屋根パネル、ホイールアーチ、車両フロア、内部フードパネル、外部フードパネル、フェンダーまたはボディサイドであることができる。
【0034】
図3は、外部ドアパネルAおよび内部ドアパネルBを含む車両のドアを示す。被覆鋼板を含む外部ドアパネルは、本発明に従ってパッチ3によって局所的に補強されている。内部ドアパネルは、本発明によるコーティングまたは亜鉛コーティングで被覆することができる。亜鉛コーティングは、当業者に知られている任意の方法、例えば、溶融亜鉛めっき法または電気亜鉛めっき法によって堆積させることができる。
【0035】
ドアパネルは、パッチの周りで塗料層の層間剥離の問題を非常に受けやすい車両の部品である。実際、車両ガラス上に存在する水は、ドアの内部、即ち、内外のドアパネルの間に浸透する。既知の金属被膜とは対照的に、本発明によるパネルは、パッチの周りの層間剥離に対する高い抵抗性を可能にする。
【0036】
さらに、パネルの厚さが薄いために、パッチが被覆パネル上に表面欠陥を生成するという重要な危険性がある。具体的には、外側のパネルの場合、ユーザーは、表面形状の品質を検証するためにネオンルーム内のパネルを見ることにある試験を行うことができる。この目的のために、パネルは、その反射率を高めるために油膜で覆われることができ、平行なネオン光のランプ(ramp)の下に置かれる。表面欠陥は、光ストリップの反射の不規則性によって十分に強調される。
【0037】
本発明によるパネルを用いると、ネオン光の下であっても表面欠陥がない良好な表面形状(これはユーザーにとって重要な基準である)がある。
【0038】
ここで本発明を、情報のみのために実施されたトライアルで説明する。それらは限定的ではない。
【実施例
【0039】
全てのトライアルにおいて、使用された鋼板は180BH(R)およびIF220(R)である。鋼180BH(R)の組成は以下のとおりである。即ち、C=0.0016%、S=0.011%、N=0.0025%、Mn=0.2%、P=0.014%、Si=0.044%、Cu=0.033%、Ni=0.015%、Cr=0.026%、Al=0.032%、As=0.002%、Mo=0.004%、V=0.002%、Sn=0.0025%、Nb=0.007%、Ti=0.001%、B=0.0028%、Zr<0.003%である。
【0040】
本発明によるパネルおよび各種パネルを作製し、層間剥離試験を行った。
【0041】
トライアル1、2および3は、本発明によるパネルである。これらのパネルは、3.7重量%のアルミニウムおよび3重量%のマグネシウムを含み、残りが亜鉛であるコーティングで被覆された鋼板を含む。トライアル1、2および3では、コーティングの厚さはそれぞれ6μm、7.5μmおよび10μmである。コーティングを、溶融亜鉛めっき法によって堆積させた。
【0042】
トライアル4は、亜鉛コーティングで被覆された鋼板を含む比較パネルである。7.5μmの厚さを有する亜鉛コーティングを、溶融亜鉛めっき法によって堆積させた。
【0043】
トライアル5は、亜鉛コーティングで被覆された鋼板を含む別の比較パネルである。7.5μmの厚さを有する亜鉛コーティングを、電気亜鉛めっき法によって堆積させた。
【0044】
全てのトライアルについて、被覆鋼板を切断し、次いでスタンピングした。その後、パッチNitohard(R) RE-2000を被覆鋼板に貼り付けた。Gardobond(R) 24TA、Gardobond(R) Add H7141、Gardobond(R) H7102、Gardobond(R) Add H7257、Gardobond(R) Add H7101、Gardobond(R) Add H7155の溶液を含む浴中に50℃で3分間浸漬することによって行われたリン酸塩処理工程が続いた。次いで、パネルを水ですすぎ、熱風で乾燥させた。
【0045】
20μmのe-コーティング層をリン酸塩層に堆積させた。この目的のために、全てのトライアルを、30℃で180秒間、PPG IndustriesのPigment paste(R) W9712-N6およびResin blend(R) W7911-N6を含む水溶液を含む浴中に浸漬した。200Vの電流を印加した。次に、パネルを拭き取り、オーブン中で180℃で35分間硬化させた。
【0046】
次いで、規格VDA 233-102に従ってパネルを腐食サイクルに付することにある試験を行った。トライアルは、1重量%の塩化ナトリウム水溶液を3mL.h-1の流量でトライアル上に気化させたチャンバーに入れた。温度は50から-15℃まで変化し、湿度は50から100%まで変化した。図4は、168時間、即ち、1週間に対応する1サイクルを示す。
【0047】
パッチの周りの層間剥離の存在を肉眼で観察し、0は優れていること、換言すれば、パッチの周りに層間剥離がほとんどまたは全くないことを意味し、5は非常に悪いこと、換言すれば、パッチの周りにたくさんの層間剥離があることを意味する。
【0048】
【表1】
【0049】
本発明によるパネルは、亜鉛被覆鋼板を含むパネルとは対照的に、25週間の腐食サイクルの後でさえも、パッチの周りに層間剥離がないか、またはほとんど生じない。
図1
図2
図3
図4