IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エンゼルプレイングカード株式会社の特許一覧

特許7076522シャッフルプレイングカードおよびプレイングカードの製造方法
<>
  • 特許-シャッフルプレイングカードおよびプレイングカードの製造方法 図1
  • 特許-シャッフルプレイングカードおよびプレイングカードの製造方法 図2
  • 特許-シャッフルプレイングカードおよびプレイングカードの製造方法 図3
  • 特許-シャッフルプレイングカードおよびプレイングカードの製造方法 図4
  • 特許-シャッフルプレイングカードおよびプレイングカードの製造方法 図5
  • 特許-シャッフルプレイングカードおよびプレイングカードの製造方法 図6
  • 特許-シャッフルプレイングカードおよびプレイングカードの製造方法 図7
  • 特許-シャッフルプレイングカードおよびプレイングカードの製造方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-19
(45)【発行日】2022-05-27
(54)【発明の名称】シャッフルプレイングカードおよびプレイングカードの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 1/06 20060101AFI20220520BHJP
   A63F 1/02 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
A63F1/06 B
A63F1/02 M
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020199279
(22)【出願日】2020-12-01
(62)【分割の表示】P 2018169522の分割
【原出願日】2018-09-11
(65)【公開番号】P2021058602
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2020-12-01
(31)【優先権主張番号】P 2017182036
(32)【優先日】2017-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000103301
【氏名又は名称】エンゼルグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230120651
【弁護士】
【氏名又は名称】山口 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】重田 泰
【審査官】西岡 貴央
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-094256(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0263469(US,A1)
【文献】特開2016-129627(JP,A)
【文献】特開2008-012360(JP,A)
【文献】特開2008-229350(JP,A)
【文献】特開2016-129626(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0031660(US,A1)
【文献】特許第6803880(JP,B2)
【文献】特開平8-257203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 1/06
A63F 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッフルされて使用される一又は複数デッキを構成するプレイングカードプレイングカードセットであって、
前記プレイングカードセットには、当該プレイングカードセットを他のプレイングカードセットと区別するためのプレイングカードIDが付与されており、
前記デッキを構成するプレイングカード以外の、スートとランクの組が印刷されてないカードに、他のプレイングカードセットカードに付与されたいずれのカードIDとも異なるカードIDが付与されており、
前記カードIDと、当該プレイングカードセットの前記プレイングカードIDとが、相互にデータベースで関連付けられており、前記カードIDから前記プレイングカードセットを一意に特定可能である、
プレイングカードセット。
【請求項2】
前記スートとランクの組が印刷されてないカードは、前記プレイングカードセットを構成する複数のプレイングカードの少なくとも一部と同時に製造される、請求項1に記載のプレイングカードセット。
【請求項3】
前記スートとランクの組が印刷されてないカードは、前記一又は複数のデッキを構成するプレイングカードとシャッフルされない、請求項1に記載のプレイングカードセット。
【請求項4】
前記デッキを構成するプレイングカードにも前記カードIDが付与されている、請求項1に記載のプレイングカードセット。
【請求項5】
前記カードIDは、通常の条件下で目に見えないインクで印刷されている、請求項1から4のいずれかに記載のプレイングカードセット。
【請求項6】
前記カードIDは、透明UVインクで印刷されている、請求項に記載のプレイングカードセット。
【請求項7】
前記データベースでは、さらに、前記カードIDに、当該カードIDが付与された前記プレイングカードの製造に係る情報が関連付けられている、請求項に記載のプレイングカードセット。
【請求項8】
前記製造に係る情報は、前記プレイングカードの印刷日、カッティング日、工場名、製造ライン、カジノ名の少なくともいずれかを含む、請求項に記載のプレイングカードセット。
【請求項9】
前記プレイングカードに付与された前記カードIDについて前記データベースを参照することにより、当該プレイングカードが真正であるか否かを判断可能である、請求項に記載のプレイングカードセット。
【請求項10】
前記プレイングカードセットを構成する各プレイングカードには、他のプレイングカードセットを構成する各プレイングカードに付与されたいずれのカードIDとも異なる複数のカードIDのうちのいずれかが付与されている、請求項に記載のプレイングカードセット。
【請求項11】
前記プレイングカードセットを構成するすべてのプレイングカードに共通の前記カードIDが付与されている、請求項1から10のいずれかに記載のプレイングカードセット。
【請求項12】
前記プレイングカードセットは、シャッフルされて包装されている、請求項1から11のいずれかに記載のプレイングカードセット。
【請求項13】
プレイングカードセットの製造方法であって、
デッキを構成するプレイングカード及びデッキを構成するプレイングカード以外の、スートとランクの組が印刷されてないカード原紙に印刷するカード印刷ステップと、このとき、少なくとも前記スートとランクの組が印刷されてないカードにはカードIDを付与し、
前記原紙から前記デッキを構成するプレイングカード及び前記スートとランクの組が印刷されてないカードを切り出す切出しステップと、
前記スートとランクの組が印刷されてないカードを抜き出して、前記デッキを構成するプレイングカードを、他のデッキを構成するプレイングカードとともにシャッフルして前記プレイングカードセットを得るシャッフルステップと、
前記プレイングカードセットに、他のプレイングカードセットとは異なるプレイングカードIDを付与するID付与ステップと、
前記プレイングカードIDと、前記カードIDとを、相互にデータベースで関連付けて記憶するデータベース作成ステップと、
を有する、プレイングカードセットの製造方法。
【請求項14】
前記カード印刷ステップでは、通常の条件下で目に見えないインクで前記カードIDを印刷する、請求項13に記載のシャッフルプレイングカードの製造方法。
【請求項15】
前記カード印刷ステップでは、透明UVインクで前記カードIDを印刷する、請求項14に記載のシャッフルプレイングカードの製造方法。
【請求項16】
前記データベース作成ステップでは、さらに、前記カードIDに、当該カードIDが付与された前記カードと同じ原紙から切り出される前記プレイングカードの製造に係る情報を関連付ける、請求項13から15のいずれかに記載のシャッフルプレイングカードの製造方法。
【請求項17】
前記製造に係る情報は、前記プレイングカードの印刷日、カッティング日、工場名、製造ライン、カジノ名の少なくともいずれかを含む、請求項16に記載のシャッフルプレイングカードの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッフルプレイングカードおよびプレイングカードの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポーカー、バカラ、ブリッジ、またはブラックジャック等の各種のプレイングカードゲームにおいては、ディーラーが、1デッキもしくは複数デッキのプレイングカードをカードシュータ等にセットし、そこから一枚ずつ繰り出して、ゲーム参加者にカードを配る。このとき、ゲームの公平性を担保するために、それらのカードはランダムに配られる必要があるので、ゲーム主催者は、カードシュータにセットする前に、プレイングカードを十分にランダムにシャッフルしておかなければならない。
【0003】
しかしながら、ゲーム主催者がゲームに先立ってシャッフルを行う場合、シャッフルに長い時間を要することがあり、ゲームの効率的な運用を妨げる要因となっていた。また、ゲーム主催者がシャッフルを行うと、カードの抜き差しや差し替えなどの不正行為が行われる余地があるという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するために、国際公開第2009/069708号では、所定数のデッキを構成するプレイングカードがシャッフルされた状態で個別に包装されたシャッフルプレイングカードが提案されている。このシャッフルプレイングカードの包装には、シャッフルプレイングカードのシャッフルを行ったシャッフル機またはシャッフル機群を特定可能な情報にデータベース上でアクセスするためのシャッフルプレイングカードIDが、IDコードとして付与されている。
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、シャッフルプレイングカードの包装にIDコードが付与されていたとしても、並びが分かっている一組のカードと中身がすり替えられた場合には、それらのカードが真正品であるかどうかを確かめる手段がなく、その組を用いたゲームにおいて不正行為が行われたとしても、それを発見することができない。
【0006】
本発明の目的は、正しく製造、流通された真正品であるかどうかを、カード原紙のシート単位で確認することができるシャッフルプレイングカードおよびプレイングカードの製造方法を提供する。
【0007】
本発明の一態様に係るプレイングカードの製造方法は、
カード原紙の一面にスートとランクとを印刷し、裏面に裏柄を印刷する印刷ステップと、
カード原紙一枚もしくは複数枚ごとに異なるシートIDを前記カード原紙に印刷するシートID付与ステップと、
前記印刷ステップ及びシートID付与ステップを経たカード原紙を切断機により個別のカードにカッティングするカッティングステップと、
を有し、前記カード原紙から一デッキ又は複数デッキを作成する。
【0008】
このような態様によれば、カード原紙一枚もしくは複数枚ごとに異なるシートIDが印刷されたカード原紙がカッティングされて一デッキまたは複数デッキのプレイングカードが作成されるため、そのカードがいつ印刷されたものであるか、またいつ検査されたものであるかという情報まで、プレイングカードの流通履歴をさかのぼってデータベース上で確認することが可能となる。これにより、悪質な不正行為者により、包装されたシャッフ
ルプレイングカードの中身が、並びが分かっている一組のカードとすり替えられた場合であっても、中身のカードからシートIDを読み取ってデータベース上で履歴を確認することにより、正しく製造、流通された真正品であるかどうかをシート単位で確認することが可能となる。
【0009】
また、カード原紙一枚もしくは複数枚ごとに異なるシートIDが印刷されることで、工場内でのカード原紙のID管理が可能となり、たとえばカード原紙を途中で廃棄する場合であっても、どの段階で廃棄したのかをデータベースで管理することできる。これにより、製造段階での各工程での歩留まりを把握することが可能となる。また、悪質な不正行為者が、廃棄されたカード原紙を不正に入手して自らカッティングすることにより偽造カードを作成し、作成した偽造カードをゲームに持ち込んで利用したとしても、そのカードからシートIDを読み取ってデータベース上で履歴を確認することにより、偽造カードであることを容易に検出することが可能であり、ゲームのセキュリティを高めることができる。
【0010】
本発明の一態様に係るプレイングカードの製造方法において、
印刷ステップでは、前記カード原紙一枚に一デッキ又は複数デッキ分のスートとランクとを印刷し、裏面に共通の絵柄を印刷し、
シートID付与ステップでは、前記一デッキ又は複数デッキ分のカード原紙に共通のシートIDを印刷してもよい。
【0011】
本発明の一態様に係るプレイングカードの製造方法において、
前記シートIDは、デッキの組を構成するカードに印刷されてもよい。
【0012】
本発明の一態様に係るプレイングカードの製造方法において、
前記シートIDは、デッキの組を構成するカード以外のカードに印刷されてもよい。
【0013】
本発明の一態様に係るプレイングカードの製造方法において、
前記シートIDは、透明UVインクで印刷されてもよい。
【0014】
本発明の一態様に係るプレイングカードの製造方法は、
前記プレイングカードの複数デッキ分をシャッフル機によりシャッフルしてシャッフルプレイングカードの組を作るシャッフルステップと、
前記シャッフルステップを経たシャッフルプレイングカードの組を包装する包装ステップと、
前記シャッフルプレイングカードに組毎に異なるシャッフルプレイングカードIDを生成して前記シャッフルプレイングカードの組にシャッフルプレイングカードIDをIDコードとして付与するID付与ステップと、
を更に有してもよい。
【0015】
本発明の一態様に係るプレイングカードの製造方法は、
前記シャッフルプレイングカードIDと、前記シャッフルプレイングカードを構成するプレイングカードに付与された前記シートIDとを、相互にデータベースで関連付けて記憶するデータベース作成ステップを更に有してもよい。
【0016】
本発明の一態様に係るプレイングカードの製造方法において、
データベース作成ステップでは、前記カード原紙のシートIDが、カード原紙への印刷日の記録および個別のプレイングカードにカッティングされた日の記録の一方または両方とデータベースで関連付けられて記憶されてもよい。
【0017】
本発明の一態様に係るプレイングカードの製造方法において、
データベース作成ステップでは、前記シャッフルステップの前にデッキの組を構成するプレイングカードから読み取った前記シートIDを、当該デッキが所属するシャッフルプレイングカードのシャッフルプレイングカードIDとデータベースで関連付けて記憶してもよい。
【0018】
本発明の一態様に係るプレイングカードは、
カード原紙の一面にスートとランクとが印刷され、裏面には裏柄が印刷され、前記カード原紙一枚もしくは複数枚ごとに異なるシートIDが前記カード原紙に印刷された、前記カード原紙から切断機によりカッティングされた個別のカードによって一デッキ又は複数デッキを構成したプレイングカードである。
【0019】
本発明の一態様に係るプレイングカードにおいて、
前記カード原紙一枚に一デッキ又は複数デッキ分のスートとランクとが印刷され、裏面には共通の裏柄が印刷され、一デッキ又は複数デッキ分の組には共通のシートIDが印刷されていてもよい。
【0020】
本発明の一態様に係るプレイングカードにおいて、
前記シートIDは、デッキの組を構成するプレイングカードに印刷されていてもよい。
【0021】
本発明の一態様に係るプレイングカードにおいて、
前記シートIDは、デッキの組を構成するプレイングカード以外のカードに印刷されていてもよい。
【0022】
本発明の一態様に係るプレイングカードにおいて、
前記シートIDは、透明UVインクで印刷されていてもよい。
【0023】
本発明の一態様に係るプレイングカードにおいて、
前記カード原紙のシートIDは、カード原紙への印刷日の記録および個別のプレイングカードにカッティングされた日の記録の一方または両方とデータベースで関連付けられていてもよい。
【0024】
本発明の一態様に係るシャッフルプレイングカードは、
上述したいずれかの特徴を有するプレイングカードの複数デッキ分がシャッフル機によりシャッフルされて1組のシャッフルプレイングカードが組まれ、組毎に異なるシャッフルプレイングカードIDが前記シャッフルプレイングカードにIDコードとして付与されている、シャッフルプレイングカードである。
【0025】
本発明の一態様に係るシャッフルプレイングカードにおいて、
前記シャッフルプレイングカードを構成するプレイングカードの前記シートIDと、前記シャッフルプレイングカードIDとは、相互にデータベースで関連付けられていてもよい。
【0026】
本発明の一態様に係るシャッフルプレイングカードは、
カード原紙の一面にスートとランクが印刷され、もう一方の面には裏柄が印刷され、
前記カード原紙一枚もしくは複数枚ごとに異なるシートIDが前記カード原紙に印刷され、
前記カード原紙から切断機によりカッティングされた個別のカードによって一デッキ又は複数デッキを構成し、
前記一デッキ又は複数デッキ分がシャッフル機によりシャッフルされて1組のシャッフ
ルプレイングカードが組まれ、
組ごとに異なるシャッフルプレイングカードIDが前記シャッフルプレイングカードにIDコードとして付与され、
前記シャッフルプレイングカードを構成するプレイングカードの前記シートIDと、前記シャッフルプレイングカードIDとが、相互にデータベースで関連付けられている。
【0027】
本発明の一態様に係るシャッフルプレイングカードにおいて、
前記シャッフルプレイングカードIDから、前記シャッフルプレイングカードを構成するプレイングカードの前記シートIDもしくはシートID群を特定可能であり、
前記シートIDから前記シャッフルプレイングカードIDを一意に特定可能な構成であってもよい。
【0028】
本発明の一態様に係るシャッフルプレイングカードにおいて、
前記シートIDは、デッキの組を構成するシャッフルプレイングカードの1枚もしくは複数枚に印刷されていてもよい。
【0029】
本発明の一態様に係るシャッフルプレイングカードにおいて、
前記シートIDは、通常の条件下で目に見えないインクで印刷されていてもよい。
【0030】
本発明の一態様に係るシャッフルプレイングカードにおいて、
前記シートIDは、透明UVインクで印刷されていてもよい。
【0031】
本発明の一態様に係るシャッフルプレイングカードにおいて、
前記カード原紙のシートIDは、カード原紙への印刷日の記録および個別のプレイングカードにカッティングされた日の記録の一方または両方とデータベースで関連付けられていてもよい。
【0032】
本発明の一態様に係るシャッフルプレイングカードにおいて、
前記シャッフルプレイングカードIDから前記データベースで関連付けられた前記シートIDもしくはシートID群を特定可能であり、
前記シートIDから、前記カード原紙に使用されたスートとランクの印刷の版が特定可能であるとともに、
個別のカードを特定すると、前記カード原紙上の該当するスートとランクの位置を特定可能な構成であってもよい。
【0033】
本発明の一態様に係るシャッフルプレイングカードにおいて、
前記シートIDは、前記カード原紙のデッキの組を構成するカード以外の箇所に印刷されているが、
前記シャッフルプレイングカードIDから、前記データベースに関連付けられた前記シートIDもしくはシートID群を特定可能な構成であってもよい。
【0034】
本発明の一態様に係るシャッフルプレイングカードにおいて、
前記カード原紙一枚に複数デッキ分のスートとランクとが印刷され、もう一方の面には共通の裏柄が印刷され、複数デッキ分の組にはデッキごとに異なるシートIDが印刷され、
前記シャッフルプレイングカードIDから、前記シャッフルプレイングカードを構成するプレイングカードのデッキごとに異なるシートID群を特定可能であり、
前記デッキごとに異なるシートIDから前記シャッフルプレイングカードIDを一意に特定可能な構成であってもよい。
【0035】
本発明の一態様に係るシャッフルプレイングカードは、
カード原紙の一面にスートとランクが印刷され、もう一方の面には裏柄が印刷され、
前記カード原紙は一枚もしくは複数枚ごとに異なるシートIDを持ち、
前記カード原紙から切断機によりカッティングされた個別のカードによって一デッキ又は複数デッキを構成し、
前記一デッキ又は複数デッキ分がシャッフル機によりシャッフルされて1組のシャッフルプレイングカードが組まれ、
前記個別のカードそれぞれに前記シートIDが印刷されており、
前記個別のカードに印刷された前記シートIDから前記カード原紙が特定可能な構成である。
【0036】
本発明の一態様に係るシャッフルプレイングカードにおいて、
組ごとに異なるシャッフルプレイングカードIDが前記シャッフルプレイングカードにIDコードとして付与され、
前記シャッフルプレイングカードを構成するプレイングカードの前記シートIDと、前記シャッフルプレイングカードIDとが、相互にデータベースで関連付けられていてもよい。
【0037】
本発明の一態様に係るシャッフルプレイングカードにおいて、
前記シャッフルプレイングカードIDから、前記シャッフルプレイングカードを構成するプレイングカードの前記シートIDもしくはシートID群を特定可能であり、
前記シートIDから前記シャッフルプレイングカードIDを一意に特定可能な構成であってもよい。
【0038】
本発明の一態様に係るシャッフルプレイングカードにおいて、
前記シートIDは、通常の条件下で目に見えないインクで印刷されていてもよい。
【0039】
本発明の一態様に係るシャッフルプレイングカードにおいて、
前記シートIDは、透明UVインクで印刷されていてもよい。
【0040】
本発明の一態様に係るシャッフルプレイングカードにおいて、
前記カード原紙のシートIDは、カード原紙への印刷日の記録および個別のプレイングカードにカッティングされた日の記録の一方または両方とデータベースで関連付けられていてもよい。
【0041】
本発明の一態様に係るシャッフルプレイングカードにおいて、
前記シャッフルプレイングカードIDから前記データベースで関連付けられた前記シートIDもしくはシートID群を特定可能であり、
前記シートIDから、前記カード原紙に使用されたスートとランクの印刷の版が特定可能であるとともに、
個別のカードを特定すると、前記カード原紙上の該当するスートとランクの位置を特定可能な構成であってもよい。
【0042】
本発明の一態様に係るシャッフルプレイングカードにおいて、
前記シートIDは、前記カード原紙のデッキの組を構成するカード以外の箇所に印刷されているが、
前記シャッフルプレイングカードIDから、前記データベースに関連付けられた前記シートIDもしくはシートID群を特定可能な構成であってもよい。
【0043】
本発明の一態様に係るシャッフルプレイングカードにおいて、
前記カード原紙一枚に複数デッキ分のスートとランクとが印刷され、もう一方の面には共通の裏柄が印刷され、複数デッキ分の組にはデッキごとに異なるシートIDが印刷され、
前記シャッフルプレイングカードIDから、前記シャッフルプレイングカードを構成するプレイングカードのデッキごとに異なるシートID群を特定可能であり、
前記デッキごとに異なるシートIDから前記シャッフルプレイングカードIDを一意に特定可能な構成であってもよい。
【0044】
本発明の一態様に係るプレイングカードの製造方法は、
カード原紙の一面にスートとランクとを印刷し、もう一方の面に裏柄を印刷する印刷ステップと、
カード原紙一枚もしくは複数枚ごとに異なるシートIDを前記カード原紙に印刷するシートID付与ステップと、
前記印刷ステップ及びシートID付与ステップを経たカード原紙を切断機により個別のカードにカッティングするカッティングステップと、
前記カード原紙から一デッキ又は複数デッキを作成するステップと、
前記一デッキ又は複数デッキ分をシャッフル機によりシャッフルしてシャッフルプレイングカードの組を作るシャッフルステップと、
前記シャッフルステップを経たシャッフルプレイングカードの組を包装する包装ステップと、
前記シャッフルプレイングカードに組毎に異なるシャッフルプレイングカードIDを生成して前記シャッフルプレイングカードの組にシャッフルプレイングカードIDをIDコードとして付与するID付与ステップと、
を有し、さらに
前記シャッフルプレイングカードIDと、前記シャッフルプレイングカードを構成するプレイングカードに付与された前記シートIDとを、相互にデータベースで関連付けて記憶するデータベース作成ステップを有する。
【0045】
本発明の一態様に係るプレイングカードの製造方法において、
前記シャッフルプレイングカードIDから、前記シャッフルプレイングカードを構成するプレイングカードの前記シートIDもしくはシートID群を特定可能であり、
前記シートIDから前記シャッフルプレイングカードIDを一意に特定可能な構成であってもよい。
【0046】
本発明の一態様に係るプレイングカードの製造方法において、
前記シートIDは、デッキの組を構成するシャッフルプレイングカードの1枚もしくは複数枚に印刷されてもよい。
【0047】
本発明の一態様に係るプレイングカードの製造方法において、
前記シートIDは、通常の条件下で目に見えないインクで印刷されてもよい。
【0048】
本発明の一態様に係るプレイングカードの製造方法において、
前記シートIDは、透明UVインクで印刷されてもよい。
【0049】
本発明の一態様に係るプレイングカードの製造方法において、
前記データベース作成ステップでは、前記カード原紙のシートIDが、カード原紙への印刷日の記録および個別のプレイングカードにカッティングされた日の記録の一方または両方とデータベースで関連付けられて記憶されてもよい。
【0050】
本発明の一態様に係るプレイングカードの製造方法において、
前記データベース作成ステップでは、前記シャッフルステップの前にデッキの組を構成するプレイングカードから読み取った前記シートIDを、当該デッキが所属するシャッフルプレイングカードのシャッフルプレイングカードIDとデータベースで関連付けて記憶してもよい。
【0051】
本発明の一態様に係るプレイングカードの製造方法において、
前記シャッフルプレイングカードIDから前記データベースで関連付けられた前記シートIDもしくはシートID群を特定可能であり、
前記シートIDから、前記カード原紙に使用されたスートとランクの印刷の版が特定可能であるとともに、
個別のカードを特定すると、前記カード原紙上の該当するスートとランクの位置を特定可能な構成であってもよい。
【0052】
本発明の一態様に係るプレイングカードの製造方法において、
前記シートID付与ステップでは、前記カード原紙のデッキの組を構成するカード以外の箇所にシートIDを印刷するが、
前記シャッフルプレイングカードIDから、前記データベースに関連付けられた前記シートIDもしくはシートID群を特定可能な構成であってもよい。
【0053】
本発明の一態様に係るプレイングカードの製造方法において、
前記印刷ステップでは、前記カード原紙一枚に複数デッキ分のスートとランクとが印刷し、もう一方の面には共通の裏柄が印刷し、複数デッキ分の組にはデッキごとに異なるシートIDが印刷し、
前記シャッフルプレイングカードIDから、前記シャッフルプレイングカードを構成するプレイングカードのデッキごとに異なるシートID群を特定可能であり、
前記デッキごとに異なるシートIDから前記シャッフルプレイングカードIDを一意に特定可能な構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1図1(a)は、一実施の形態に係るプレイングカードのうちデッキの組を構成するカードの表面を示す図であり、図1(b)は、その裏面を示す図である。
図2図2(a)は、一実施の形態に係るプレイングカードのうちデッキの組を構成するカード以外のカードの表面を示す図であり、図2(b)は、その裏面を示す図である。
図3図3は、一実施の形態に係るプレイングカードの製造方法を説明するためのフローチャートである。
図4図4は、一実施の形態に係るプレイングカードの製造方法で利用されるカード原紙であって、シートIDが印刷されたカード原紙を示す図である。
図5図5は、一実施の形態に係るプレイングカードの製造方法で利用されるカード原紙であって、シートIDが印刷されたカード原紙の一変形例を示す図である。
図6図6は、一実施の形態に係るプレイングカードの製造方法で製造されるシャッフルプレイングカードであって、包装の蓋がシールで封緘される前のシャッフルプレイングカードを示す図である。
図7図7は、一実施の形態に係るシャッフルプレイングカードであって、包装の蓋を封緘するシールにシャッフルプレイングカードIDが付与されたシャッフルプレイングカードを示す図である。
図8図8は、シャッフルプレイングカードIDとシートIDとを相互に関連付けて記憶するデータベースを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
【0056】
図1(a)は、一実施の形態に係るプレイングカードのうちデッキの組を構成するカードの表面を示す図であり、図1(b)は、その裏面を示す図である。図2(a)は、一実施の形態に係るプレイングカードのうちデッキの組を構成するカード以外のカードの表面を示す図であり、図2(b)は、その裏面を示す図である。
【0057】
図1に示すように、本実施の形態に係る1組のプレイングカードは、デッキの組を構成するカードとして、4つのスート21a(すなわち、スペード、クラブ、ダイヤ、ハート)と、13のランク21b(すなわち、A(エース)、2、3、4、5、6、7、8、9、10、J(ジャック)、Q(クイーン)、K(キング))との組み合わせからなる、4×13=52枚のカード21を有している。
【0058】
また、図2に示すように、本実施の形態に係る1組のプレイングカードは、デッキの組を構成するカード以外のカードとして、「ジョーカー」のカード22をさらに有している。1組のプレイングカードに含まれる「ジョーカー」のカード22は、1枚であってもよいし、2枚であってもよい。「ジョーカー」のカード22は、後述するシャッフルプレイングカードの作成時には、シャッフル工程の前に抜き取られて捨てられるカードである。
【0059】
本実施の形態に係る1組のプレイングカード21、22は、一枚のカード原紙20(図4参照)から切断機により個別にカッティングされることにより形成されている。
【0060】
図1および図2に示すように、1組のプレイングカード21、22の各々の表面には、共通のシートID31、32が印刷されており、裏面には、共通の裏柄29が印刷されている。シートID31、32は、複数の数字やアルファベット、記号からなる文字コードであってもよいし、文字コードが符号化されたバーコードまたは2次元コードであってもよい。
【0061】
図1に示すように、デッキの組を構成するカード21に印刷されたシートID31は、人の目で見えないインク(たとえば、透明UVインク)で印刷されていてもよいし、人の目で見えるインク(たとえば、黒色のインク)で印刷されていてもよい。シートID31が人の目で見えないインク(たとえば、透明UVインク)で印刷されている場合には、従来のカードと見た目が同様になり、カードの使用者は、違和感なくカードを使用することが可能である。一方、シートID31が人の目で見えるインク(たとえば、黒色のインク)で印刷されている場合には、カードの使用者に違和感を抱かせる可能性があるものの、シートID31は単なるIDコードであるため、ゲームにおいて特段の問題が生じるわけではない。
【0062】
また、図2に示すように、デッキの組を構成するカード以外のカード22に印刷されたシートID32は、人の目で見えないインク(たとえば、透明UVインク)で印刷されていてもよいし、人の目で見えるインク(たとえば、黒色のインク)で印刷されていてもよい。人の目で見えるインク(たとえば、黒色のインク)で印刷されている場合には、後述する製造工程において、製造者が、印刷されたカード原紙の品質の検査を行う際に、シートID32を容易に確認することが可能である。
【0063】
図8に示すように、各プレイングカード21、22に印刷されたシートID31、32は、元となるカード原紙20へのシートIDの印刷日の記録および個別のプレイングカード21、22にカッティングされた日の記録の一方または両方とデータベースで関連付け
られて記憶されている。
【0064】
図6は、本実施の形態に係るシャッフルプレイングカードであって、包装がシールで封緘される前のシャッフルプレイングカードを示す図である。図7は、本実施の形態に係るシャッフルプレイングカードであって、包装を封緘するシールにシャッフルプレイングカードIDが付与されたシャッフルプレイングカードを示す図である。
【0065】
本実施の形態に係るシャッフルプレイングカード12は、上述のプレイングカード21の複数デッキ分(たとえば4デッキ分または8デッキ分)が1組としてシャッフル機により十分にシャッフルされたものである。シャッフルプレイングカード12には、組ごとに異なるシャッフルプレイングカードID13aがIDコードとして付与されている。図示された例では、シャッフルプレイングカード12は、箱形状の包装11に収納され、その蓋がシール13により封緘されている。シャッフルプレイングカードID13aは、バーコードとして符号化されており、包装11を封緘するシール13に印刷されている。
【0066】
図8に示すように、シャッフルプレイングカード12を構成するプレイングカード21のシートID31と、シャッフルプレイングカードID13aとは、相互にデータベースで関連付けられて記憶されている。
【0067】
次に、本実施の形態に係るプレイングカード21およびシャッフルプレイングカード12の製造方法について説明する。図3は、本実施の形態に係るプレイングカード21およびシャッフルプレイングカード12の製造方法を示すフローチャートである。
【0068】
本実施の形態に係るプレイングカード21およびシャッフルプレイングカード12の製造工程においては、工程管理システムによって、受注から出荷まで一貫した工程管理がなされることが好ましい。本実施の形態では、そのような工程管理システムを利用した製造方法について説明する。
【0069】
図3および図4に示すように、まず、印刷工程として、印刷機により、カード原紙20の表面にスートとランクとが印刷され、裏面に裏柄を印刷される(ステップS40)。図示された例では、4つのスートと13のランクとの組み合わせからなる52枚のカード21と、1枚の「ジョーカー」のカード22と、その他の3枚のカード23とからなる、合計56枚のカードが、8行×7列の行列配置にて印刷される。
【0070】
一変形例として、図5に示すように、4つのスートと13のランクとの組み合わせからなる52枚のカード21を2デッキ分と、その他の1枚のカード23とからなる、合計105枚のカードが、7行×15列の行列配置にて印刷されてもよい。
【0071】
次に、シートID付与工程として、工程管理システムにより、カード原紙一枚もしくは複数枚ごとに異なるシートIDが起番され、印刷機により、カード原紙20の表面にシートID31、32が印刷される(ステップS41)。また、工程管理システムにより、シートID31、32と、カード原紙20へのシートID31、32の印刷日とが、データベースにて相互に関連付けられて記憶される(図8参照)。図示は省略するが、シートID31、32は、工場名、製造ライン、顧客名(カジノ名)のうちの1つまたは2つ以上と関連付けられてデータベースに記憶されてもよい。
【0072】
本実施の形態では、デッキの組を構成するカード21には、人の目で見えないインク(たとえば、透明UVインク)にてシートID31が印刷される。これにより、デッキの組を構成するカード21は、従来のカードと見た目が同様になり、カードの使用者は、違和感なくカードを使用することが可能である。なお、シートID31は、デッキの組を構成
するカード21のうちの特定のカード(たとえば、スペードのA)のみに印刷されてもよいし、全てのカードに印刷されてもよい。
【0073】
一方、デッキの組を構成するカード以外のカード22、23には、人の目で見えるインク(たとえば、黒色のインク)にてシートID32が印刷される。これにより、製造者が、印刷されたカード原紙の品質の検査を行う際に、シートIDを容易に確認することが可能である。
【0074】
なお、本実施の形態では、印刷工程(ステップS40)の後に、シートID付与工程(ステップS41)が行われたが、これに限定されず、シートID付与工程(ステップS41)の後に、印刷工程(ステップS40)が行われてもよい。
【0075】
次に、印刷工程(ステップS40)及びシートID付与工程(ステップS41)を経たカード原紙20が、切断機により個別のカード21、22、23にカッティングされる(ステップS42)。カッティングされたカードから、デッキの組を構成するカード以外のカード22、23が取り除かれることにより、一デッキ分(図5に示すカード原紙20からは2デッキ分)のプレイングカード21が作成される。
【0076】
後述するシャッフル機によりシャッフルされる前またはシャッフル中に、工程管理システムにより、デッキの組を構成するプレイングカード21からシートID31が読み取られ、シャッフル機(またはシャッフル機群)およびシャッフルされた日時と関連付けてデータベースに記憶される(図8参照)。
【0077】
次に、シャッフル工程として、プレイングカード21の複数デッキ分(たとえば4デッキ分または8デッキ分)が、シャッフル機によりシャッフルされ、シャッフルプレイングカード12の組が作られる(ステップS43)。シャッフル機としては、たとえば国際公開第2009/069708号に記載されたシャッフル機を利用することができる。
【0078】
次に、包装機により、シャッフル工程(ステップS43)を経たシャッフルプレイングカード12の組が包装される(ステップS44)。本実施の形態では、図6に示すように、シャッフルプレイングカード12の組が、箱形状の包装11に収納される。包装11の材質は、特に限定されるものではなく、紙であってもよいし、樹脂フィルムであってもよい。図7に示すように、包装11の蓋は、シール13により封緘される。
【0079】
次に、工程管理システムにより、シャッフルプレイングカードの組毎に異なるシャッフルプレイングカードIDを生成され、シャッフルプレイングカード12の組に、シャッフルプレイングカードID13aがIDコードとして付与される(ステップS45)。図示された例では、シャッフルプレイングカードID13aは、バーコードとして符合され、印刷機により、包装11の蓋を封緘するシール13に印刷される。
【0080】
図示された例では、シール13には、シャッフルプレイングカードID13aに加えて、仕様表13bが印刷される。仕様表13bには、たとえば、このシャッフルプレイングカードの製造番号、品番、品名、色、製造年月日などの任意の情報が記載される。
【0081】
また、工程管理システムにより、シャッフル工程(ステップS43)の前にデッキの組を構成するプレイングカード21から読み取られたシートID31が、当該デッキが所属するシャッフルプレイングカード12の組のシャッフルプレイングカードID13aとデータベースで関連付けて記憶される(図8参照)。図示された例では、4デッキ分のプレイングカード21から1組のシャッフルプレイングカード12が構成されており、シャッフルプレイングカードID13aごとに4つのシートID31が、データベースで関連付
けて記憶される。
【0082】
以上のような本実施の形態によれば、カード原紙一枚もしくは複数枚ごとに異なるシートID31、32が印刷されたカード原紙20がカッティングされて一デッキまたは複数デッキのプレイングカード21が作成されるため、そのカードがいつ印刷されたものであるか、またいつ検査されたものであるかという情報まで、プレイングカード21の流通履歴をさかのぼってデータベース上で確認することが可能となる。これにより、悪質な不正行為者により、包装されたシャッフルプレイングカード12の中身が、並びが分かっている一組のカードとすり替えられた場合であっても、中身のカードからシートID31を読み取ってデータベース上で履歴を確認することにより、正しく製造、流通された真正品であるかどうかをシート単位で確認することが可能となる。
【0083】
また、カード原紙一枚もしくは複数枚ごとに異なるシートID31、32が印刷されることで、工場内でのカード原紙20のID管理が可能となり、たとえばカード原紙20を途中で廃棄する場合であっても、どの段階で廃棄したのかをデータベースで管理することできる。これにより、製造段階での各工程での歩留まりを把握することが可能となる。また、各工程で不良と判断され、廃棄されるカード原紙のカードが商品に誤って混入していないかどうかが分かるようになる(すなわち、良品のカード原紙のカードのみが商品に使われているかどうかが分かるようになる)。さらに、悪質な不正行為者が、廃棄されたカード原紙20を不正に入手して自らカッティングすることにより偽造カードを作成し、作成した偽造カードをゲームに持ち込んで利用したとしても、そのカードからシートID31を読み取ってデータベース上で履歴を確認することにより、偽造カードであることを容易に検出することが可能であり、ゲームのセキュリティを高めることができる。
【0084】
なお、上述した実施の形態では、シートID付与工程において、図6および図7に示すように、カード原紙20のうちのカード21~23が印刷される部分にシートID31、32が印刷されたが、これに限定されるものではなく、カード原紙20のうちのカードが印刷されない部分にシートIDが印刷されてもよい。この場合、カード原紙20からカード21~23を抜いた後の残りの部分(いわゆる、抜きカス)からシートIDを取得することが可能である。
【0085】
上述した実施の形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の様々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲とすべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8