(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-19
(45)【発行日】2022-05-27
(54)【発明の名称】直流リレー
(51)【国際特許分類】
H01H 50/54 20060101AFI20220520BHJP
H01H 50/14 20060101ALI20220520BHJP
H01H 51/06 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
H01H50/54 B
H01H50/14 B
H01H51/06 K
(21)【出願番号】P 2021508300
(86)(22)【出願日】2019-08-06
(86)【国際出願番号】 KR2019009758
(87)【国際公開番号】W WO2020045844
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-02-17
(31)【優先権主張番号】10-2018-0103713
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ジョンウ
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-141893(JP,A)
【文献】国際公開第2014/208098(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 1/54
H01H 50/00
H01H 50/14
H01H 50/36
H01H 50/54
H01H 51/06
F02N 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の固定接触子と、アクチュエータにより上下運動して前記一対の固定接触子に接離する可動接触子とを含む直流リレーにおいて、
前記可動接触子の下方に備えられ、シャフトにより前記アクチュエータに連結される可動子支持台と、
前記可動接触子の上方に配置され、前記可動子支持台に固定される可動子ホルダと、
前記可動接触子と前記可動子支持台間に備えられ、前記可動接触子に接圧力を供給する接圧スプリングと、
前記可動接触子及び前記可動子ホルダに貫設される支持ピンとを含む直流リレー。
【請求項2】
前記可動接触子及び前記可動子ホルダには、中央部にそれぞれ前記支持ピンが挿入される貫通孔及び挿入孔が形成されることを特徴とする請求項1に記載の直流リレー。
【請求項3】
前記支持ピンに対して外力が加わらない状態で、前記挿入孔の直径は、前記支持ピンの直径より小さく形成されることを特徴とする請求項2に記載の直流リレー。
【請求項4】
前記貫通孔の直径は、前記支持ピンの直径より大きく形成されることを特徴とする請求項2に記載の直流リレー。
【請求項5】
前記支持ピンは、スプリング板で形成されることを特徴とする請求項1に記載の直流リレー。
【請求項6】
前記支持ピンは、断面がC字状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の直流リレー。
【請求項7】
前記可動接触子の下面部には、前記支持ピンを支持する可動支持部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の直流リレー。
【請求項8】
前記可動子支持台の上面には、前記接圧スプリングの下端を支持するスプリング支持部が突設されることを特徴とする請求項1に記載の直流リレー。
【請求項9】
前記支持ピンは、前記可動子ホルダの上方に突出することを特徴とする請求項1に記載の直流リレー。
【請求項10】
可動子ホルダの上面には、前記支持ピンを支持するように上方に延びる支持管部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の直流リレー。
【請求項11】
前記支持ピンの下端には、外周面に沿ってリング状に突設される支持リング部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の直流リレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流リレーに関し、より詳細には、可動接触子に対する支持力が向上した可動子アセンブリを有する直流リレーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、直流リレー(Direct Current Relay)又は電磁開閉器(Magnetic Switch)は、電磁石の原理を利用して機械的な駆動と電流信号を伝達する電気的な回路開閉装置の一種であり、各種産業用設備、機械、車両などに設置されている。
【0003】
特に、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車、ゴルフカート、電動フォークリフトなどの電気自動車(Electric Vehicle)は、バッテリの電力を動力発生装置及び電装部に供給及び遮断するための電気自動車用リレー(Electric Vehicle Relay)を備えており、この電気自動車用リレーは電気自動車において非常に重要な中核部品の1つである。
【0004】
図1及び
図2は従来技術による直流リレーの内部構造図である。
【0005】
直流リレーは、上部フレーム1及び下部フレーム2で構成されるケース1、2と、前記ケースの内部に備えられるミドルプレート9と、ミドルプレート9の上方に設置される接点部3、4及び消弧部8と、ミドルプレート9の下方に設置されるアクチュエータ7とを含む。ここで、アクチュエータ7は、電磁石の原理により作動する装置である。
【0006】
上部フレーム1の上面には、接点部3、4の固定接点3が露出し、負荷又は電源が接続される。
【0007】
上部フレーム1の内部には、接点部3、4と消弧部8が設けられる。接点部3、4は、上部フレーム1に固設される固定接点3と、アクチュエータ7により可動して固定接点3に接離する可動接点4とからなる。通常、消弧部8は、セラミック材料で形成される。消弧部8は、アークチャンバ(arc chamber)ともいう。消弧部8の内部には、アーク消弧のために消弧用ガスが充填される。
【0008】
接点部3、4の遮断時(分離時)に発生するアーク(Arc)を効果的に制御するために、永久磁石(図示せず)が備えられる。永久磁石は、接点部の周辺に設置され、磁場を発生させて急激な電気の流れであるアークを制御する。永久磁石を固定するために、永久磁石ホルダ6が備えられる。
【0009】
アクチュエータは、電磁石の原理を利用して作動するものであり、固定コア7aと、可動コア7bと、可動軸7cと、復帰スプリング7dとを含む。固定コア7aと可動コア7bをシリンダ7eが覆っている。シリンダ7eと消弧部8は、密閉された空間を形成する。
【0010】
シリンダ7eの周辺にはコイル7fが備えられ、制御電源が供給されると周辺に電磁力を発生させる。固定コア7aは、コイル7fから発生する電磁力により励磁(magnetized)され、可動コア7bは、固定コア7aの磁力により吸引される。よって、可動コア7bに結合された可動軸7c及び可動軸7cの上部に結合された可動接触子4が共に動いて固定接触子3に接触し、回路が通電状態となる。復帰スプリング7dは、コイルの制御電源遮断時に可動コア7bが初期位置に復帰する付勢力を与える。
【0011】
可動接触子4は、可動軸7cに連結されて上下運動する。可動接触子4は、可動子アセンブリで構成される。ここで、可動子アセンブリは、可動接触子4と、可動子支持台4aと、可動子ホルダ4bと、可動軸7cと、接圧スプリング5とからなる。可動子支持台4aと可動子ホルダ4bは、可動軸7cと共に射出成形されて一体となって動く。このような形態の可動子アセンブリは、可動子支持台4aと可動子ホルダ4bが磁路を形成し、可動接触子4が固定接触子3に接触する接圧力を増加させる役割を果たすという利点がある。
【0012】
一方、可動接触子4は、上面が可動子ホルダ4bに接触し、下面が接圧スプリング5の圧力により支持される。
【0013】
しかし、上記従来技術による直流リレーにおいては、可動接触子4が接圧スプリング5の支持力のみで固定されるので、接圧スプリング5の力が弱かったり、外部から強い力を受けると、可動接触子4が可動子アセンブリから離脱する恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、可動接触子に対する支持力が向上した可動子アセンブリを有する直流リレーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一実施形態による直流リレーは、一対の固定接触子と、アクチュエータにより上下運動して前記一対の固定接触子に接離する可動接触子とを含む直流リレーにおいて、前記可動接触子の下方に備えられ、シャフトにより前記アクチュエータに連結される可動子支持台と、前記可動接触子の上方に配置され、前記可動子支持台に固定される可動子ホルダと、前記可動接触子と前記可動子支持台間に備えられ、前記可動接触子に接圧力を供給する接圧スプリングと、前記可動接触子及び前記可動子ホルダに貫設される支持ピンとを含む。
【0016】
ここで、前記可動接触子及び前記可動子ホルダには、中央部にそれぞれ前記支持ピンが挿入される貫通孔及び挿入孔が形成されることを特徴とする。
【0017】
また、外力が加わらない状態で、前記挿入孔の直径は、前記支持ピンの直径より小さく形成されることを特徴とする。
【0018】
さらに、前記貫通孔の直径は、前記支持ピンの直径より大きく形成されることを特徴とする。
【0019】
さらに、前記支持ピンは、スプリング板で形成されることを特徴とする。
【0020】
さらに、前記支持ピンは、断面がC字状に形成されることを特徴とする。
【0021】
さらに、前記可動接触子の下面部には、前記支持ピンを支持する可動支持部が形成されることを特徴とする。
【0022】
さらに、前記可動子支持台の上面には、前記接圧スプリングの下端を支持するスプリング支持部が突設されることを特徴とする。
【0023】
さらに、前記支持ピンは、前記可動子ホルダの上方に突出することを特徴とする。
【0024】
さらに、可動子ホルダの上面には、前記支持ピンを支持するように上方に延びる支持管部が形成されることを特徴とする。
【0025】
さらに、前記支持ピンの下端には、外周面に沿ってリング状に突設される支持リング部が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一実施形態による直流リレーによれば、可動接触子及び可動子ホルダを連結して支持する支持ピンが備えられるので、可動接触子の離脱が防止される。
【0027】
また、前記支持ピンは、スプリング板で形成され、可動子ホルダと可動接触子に挟めばよいので、組立が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】従来技術による直流リレーの内部構造図である。
【
図2】
図1に示す可動子アセンブリの斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態による直流リレーの内部構造図である。
【
図4】
図3に示す可動子アセンブリの斜視図である。
【
図5】
図4に示す可動子アセンブリの分解斜視図である。
【
図6】本発明の他の実施形態による直流リレーに用いられる可動子アセンブリの断面斜視図である。
【
図7】本発明のさらに他の実施形態による直流リレーに用いられる可動子アセンブリの断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について説明するが、これらは本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が発明を容易に実施することができるように詳細に説明するためのものであり、本発明の技術的思想及び範囲を限定するものではない。
【0030】
図3は本発明の一実施形態による直流リレーの内部構造図であり、
図4は
図3に示す可動子アセンブリの斜視図であり、
図5は
図4に示す可動子アセンブリの分解斜視図である。図面を参照して、本発明の各実施形態による直流リレーについて詳細に説明する。
【0031】
本発明の一実施形態による直流リレーは、一対の固定接触子14と、アクチュエータ60により上下運動して一対の固定接触子14に接離する可動接触子50とを含む直流リレーにおいて、可動接触子50の下方に備えられ、シャフト57によりアクチュエータ60に連結される可動子支持台40と、可動接触子50の上方に配置され、可動子支持台40に固定される可動子ホルダ45と、可動接触子50と可動子支持台40間に備えられ、可動接触子50に接圧力を供給する接圧スプリング55と、可動接触子50及び可動子ホルダ45に貫設される支持ピン35とを含む。
【0032】
フレーム11、12は、構成要素を内蔵して保護及び支持することのできる箱状のケースで形成される。フレーム11、12は、上部フレーム11と、下部フレーム12とから構成される。
【0033】
アークチャンバ(arc chamber)13は、下面が開放された箱状に形成され、上部フレーム11の内部に設置される。アークチャンバ13は、遮断時に接点部14、50から発生するアークを消弧できるように、絶縁性、耐圧性、耐熱性に優れた材質で形成される。例えば、アークチャンバ13は、セラミック材質で作製される。アークチャンバ13は、ミドルプレート70の上方に固設される。
【0034】
固定接触子(fixed contact)14は、一対で備えられ、アークチャンバ13に固設される。固定接触子14は、上部フレーム11に露出する。固定接触子14のいずれか一方は電源側に接続され、他方は負荷側に接続される。
【0035】
可動接触子(moving contact)50は、所定の長さの板状体で形成され、一対の固定接触子14の下方に設置される。可動接触子50は、可動子アセンブリ30に設置されて一体となって動く。可動接触子50は、下部フレーム12の内部に設置されるアクチュエータ60により上下に直線運動することができ、固定接触子14に接離して回路を接続又は遮断する。
【0036】
接点部14、50の遮断時(分離時)に発生するアーク(Arc)を効果的に制御するために、永久磁石(図示せず)が備えられる。永久磁石は、接点部14、50の周辺に設置され、磁場を発生させて急激な電気の流れであるアークを制御する。永久磁石を固定するために、永久磁石ホルダ15が設けられる。
【0037】
可動子アセンブリ30、特に可動接触子50を動作させるために、アクチュエータ60が設けられる。アクチュエータ60は、U字状に形成されて磁路(a magnetic circuit)を形成するヨーク61と、ヨーク61の内部に設置されるボビン62に巻回され、外部電源が供給されると磁場を発生するコイル63と、コイル63の内部に固設され、コイル63が発生する磁場により磁化されて磁気吸引力を発生する固定コア65と、固定コア65の下方に直線運動可能に設置され、固定コア65の磁気吸引力により固定コア65に接離する可動コア67と、下端が可動コア67に結合され、上端が可動接触子50に摺動可能に貫挿されるシャフト57と、固定コア65と可動コア67間に設置され、可動コア67を下方に復帰させるリターンスプリング69と、固定コア65、可動コア67及びリターンスプリング69を収容するシリンダ68とを含む。
【0038】
アクチュエータ60とアークチャンバ13間には、ミドルプレート70が備えられる。ミドルプレート70は、ヨーク61の上方に設置され、磁性体で形成されてヨーク61と共に磁路を形成する。ミドルプレート70は、上側のアークチャンバ13及び下側のアクチュエータ60がそれぞれ設置される支持板の役割も果たす。ミドルプレート70の下部に、シリンダ68が密封結合される。
【0039】
ミドルプレート70とアークチャンバ13間には、密封用部材72が備えられる。すなわち、アークチャンバ13の下部周囲に沿って密封用部材72が備えられ、アークチャンバ13、ミドルプレート70(ミドルプレートの中央部の孔)及びシリンダ68が形成する空間が密閉されるようにする。
【0040】
可動子アセンブリ30は、シャフト57と、可動子支持台40と、可動子ホルダ45と、可動接触子50と、接圧スプリング55と、支持ピン35とを含む。
【0041】
シャフト57は、一文字状の棒やロッドで構成される。シャフト57の下端は、可動コア67に固設される。よって、シャフト57は、可動コア67の動作に伴って上下運動をし、可動接触子50を固定接触子14に接離させる。
【0042】
シャフト57の上端部には、結合部58が形成される。結合部58は、板状、例えば円板状に形成される。シャフト57の結合部58は、可動子支持台40の内部に固定結合される。シャフト57の結合部58は、可動子支持台40への挿入結合、例えばインサート射出成形により作製される。
【0043】
可動子支持台40は、可動接触子50などを支持するために設けられ、シャフト57が固設される。可動子支持台40は、第1平板部41と、第1平板部41の両側端から上方に突設されるアーム部(arm)42とから構成される。
【0044】
可動子支持台40の第1平板部41の上部には、スプリング支持部43が突設される。
【0045】
可動子支持台40のアーム部42には挿入溝44が形成され、挿入溝44に可動子ホルダ45が固設される。
【0046】
正面から見ると(
図3~
図5参照)、第1平板部41の(左右方向の)長さは、可動接触子50の(左右方向の)長さより小さく形成される。よって、可動接触子50の接点は、可動子支持台40の両側にそれぞれ露出する。
【0047】
第1平板部41の内面(上面)の(前後方向の)幅は、可動接触子50の(前後方向の)幅より広く形成される。よって、可動接触子50は、可動子支持台40内で安定して上下運動することができる。
【0048】
可動接触子50を支持するために、可動子ホルダ45が設けられる。
【0049】
可動子ホルダ45は、可動子支持台40に固設される。可動子ホルダ45は、コ字状に形成される。すなわち、可動子ホルダ45は、第2平板部46と、両側面部47とを有する。両側面部47は、第2平板部46の両端から下方に延設される。
【0050】
第2平板部46の幅(左右方向の長さ)は、可動接触子50の長さより小さく形成される。よって、可動接触子50の接点は、可動子ホルダ45の両側にそれぞれ露出する。
【0051】
第2平板部46の中央部には、挿入孔48が形成される。挿入孔48には、支持ピン35が挿入される。挿入孔48は、外力が加わらない状態での支持ピン35の直径より小さく形成される。よって、支持ピン35が可動子ホルダ45の挿入孔48に締り嵌めされると、支持ピン35が可動子ホルダ45に固定される。
【0052】
側面部47は、第2平板部46に隣接して下方に延びる。側面部47の幅(左右方向の長さ)は、第2平板部46の幅と同じ幅に形成される。
【0053】
側面部47には、複数の孔47aが形成される。よって、インサート射出時の結合力を向上させることができる。
【0054】
可動接触子50は、第2平板部46の下面に接触するように設置される。可動接触子50は、可動子ホルダ45に固定されておらず、分離することができる。よって、可動子アセンブリ30が上方に移動すると、可動接触子50が第2平板部46から分離され、接圧スプリング55による接圧力を受けて固定接触子14に密着する。
【0055】
可動接触子50の下面には、可動支持部51が形成される。可動支持部51には、接圧スプリング55の上端部が装着される。可動支持部51は、支持ピン35を支持する役割も果たす。
【0056】
可動接触子50の中央部には、貫通孔52が形成される。貫通孔52は、可動接触子50の上面から可動支持部51の下面にわたって形成される。よって、支持ピン35が貫通孔52から可動子支持台40の内部に挿入される。
【0057】
貫通孔52の直径は、挿入孔48の直径より大きく形成される。また、貫通孔52の直径は、支持ピン35の直径より大きく形成される。よって、可動接触子50は、支持ピン35の干渉を受けずに、自由に上下運動することができる。
【0058】
支持ピン35は、丸く巻いた(rolled)板状に形成されて設けられる。すなわち、支持ピン35の断面はC字状に形成される。よって、支持ピン35の円周面に力が加わると、直径が小さくなる方向に締め付けられる。すなわち、支持ピン35は、断面方向に板ばねのような役割を果たす。
【0059】
支持ピン35は、可動子ホルダ45の挿入孔48と、可動接触子50の貫通孔52に挿入装着される。支持ピン35の直径は挿入孔48の直径より大きいが、半径方向に締め付けられるので、挿入孔48に挿入された後に広がると固定力を発揮する。
【0060】
支持ピン35の下端部は、可動子支持台40の第1平板部41に接触して支持される。
【0061】
支持ピン35の上端は、可動子ホルダ45の上方に突出する。よって、可動子アセンブリ30が上下運動することにより衝撃が発生しても、可動子ホルダ45や可動接触子50が離脱しないようにする。
【0062】
接圧スプリング55は、可動接触子50と可動子支持台40間に備えられる。接圧スプリング55は、可動接触子50を支持し、通電時に可動接触子50に接圧力を供給するために設けられる。接圧スプリング55は、圧縮コイルばねで構成される。
【0063】
接圧スプリング55は、通電時に可動接触子50を加圧して固定接触子14から離脱しないようにする。
【0064】
図6を参照して、本発明の他の実施形態による直流リレーの可動子アセンブリについて説明する。
【0065】
本実施形態の可動子アセンブリにおいて、可動子ホルダ45を除く他の構成要素は、前述した実施形態と同一又は類似の形態に形成される。
【0066】
前述した実施形態とは異なり、可動子ホルダ45には、支持管部45aが形成される。よって、支持ピン35は、可動子ホルダ45において接触する長さが長くなるので、より安定して維持される。
【0067】
図7を参照して、本発明のさらに他の実施形態による直流リレーの可動子アセンブリについて説明する。
【0068】
本実施形態の可動子アセンブリにおいて、支持ピン35を除く他の構成要素は、最初の実施形態と同一又は類似の形態に形成される。
【0069】
支持ピン35の下端部には、リング状の支持リング部37が形成される。支持リング部37は、支持ピン35の外周面に沿って形成されることが好ましい。支持リング部37により支持ピン35が第1平板部41に接触する面積が増大するので、支持ピン35はさらに安定して設置状態が維持される。
【0070】
本発明の一実施形態による直流リレーによれば、可動接触子及び可動子ホルダを連結して支持する支持ピンが備えられるので、可動接触子の離脱が防止される。
【0071】
また、前記支持ピンは、スプリング板で形成され、可動子ホルダと可動接触子に挟めばよいので、組立が容易である。
【0072】
前述した実施形態は本発明を実現する実施形態であり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な変更及び変形が可能であろう。よって、本発明の実施形態は本発明の技術思想を説明するためのものであり、これらの実施形態に本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。すなわち、本発明の保護範囲は請求の範囲により解釈されるべきであり、それと均等の範囲内にあるあらゆる技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈すべきである。