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特許7076670偽造及び規格外の電子部品の検出及び特定のための方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】偽造及び規格外の電子部品の検出及び特定のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/28 20060101AFI20220523BHJP
【FI】
G01R31/28 L
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020019399
(22)【出願日】2020-02-07
(62)【分割の表示】P 2016573645の分割
【原出願日】2015-02-06
(65)【公開番号】P2020101553
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2020-03-06
(31)【優先権主張番号】14/199,687
(32)【優先日】2014-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516266710
【氏名又は名称】ケラー,ザ サード,ウォルター ジョン
(73)【特許権者】
【識別番号】516266721
【氏名又は名称】ポーチューン,アンドリュー リチャード
(73)【特許権者】
【識別番号】516266732
【氏名又は名称】チョーネンキー,トッド エリック
(73)【特許権者】
【識別番号】516266743
【氏名又は名称】デイビス,ウィリアム アンソニー
(73)【特許権者】
【識別番号】512050885
【氏名又は名称】ノコミス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【弁理士】
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】ケラー,ザ サード,ウォルター ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ポーチューン,アンドリュー リチャード
(72)【発明者】
【氏名】チョーネンキー,トッド エリック
(72)【発明者】
【氏名】デイビス,ウィリアム アンソニー
【審査官】小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0226463(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0223403(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0099830(US,A1)
【文献】特開2012-33593(JP,A)
【文献】特開2008-89359(JP,A)
【文献】特開2012-50069(JP,A)
【文献】特開平6-308202(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0082717(US,A1)
【文献】Walter J. KELLER, Bogdan A. PATHAK,“Advanced Detection of Electronic Counterfeits (ADEC)”,NOKOMIS INC.,2013年04月19日,http://www.erai.com/CustomUploads/conference/2013/PDF/TrainingTrack11BogdanPathak.pdf
【文献】Walter J. KELLER,“Advanced Detection of Electronic Counterfeits (ADEC)”,NOKOMIS INC.,2014年06月,http://www.nokomisinc.com/Nokomis%20SMTA%20Presentation%20June%202014.pdf
【文献】“Nokomis Inc.| About”,Nokomis Inc.,2014年11月20日,http://web.archive.org/web/20141120043502/http://www.nokomisinc.com:80/about.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/28-31/3193
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の電子デバイスの状態を検出する装置であって、
ウジングと、
信号出力モジュールであって、
パワー入力を提供する電源と、
前記電源からの前記パワー入力及びグランド入力の少なくとも一方を変調して変調パワー入力と変調グランド入力の少なくとも一方を提供する変調源と、
前記変調源及び前記電源に連結され、前記変調パワー入力と前記変調グランド入力の少なくとも一方を前記1以上の電子デバイスを受け入れる取付治具に接続するインタフェイス・バイアス基板と、
クロック信号を提供するクロック源と、
前記クロック源及び前記電源に連結され、前記クロック信号にバイアスを加えるとともに、該バイアスを加えたクロック信号を前記取付治具に接続するバイアス回路
を含む信号出力モジュールと、
記ハウジング内に設置され、アンテナで捕捉された前記1以上の電子デバイスからの電磁エネルギーの放射を受信可能な受信器と、
前記受信器で受信された前記電磁エネルギーの放射のシグネチャに基づいて前記1以上の電子デバイスの状態を検出するように構成された処理デバイスと
を備える、装置。
【請求項2】
前記装置は、前記1以上の電子デバイスからの反応を判別して、真正な電子デバイスが満たす特定の基準を満たさない電子デバイスを検出するように構成されている、請求項1の装置。
【請求項3】
前記装置は、少なくとも1つの既知の真正な電子デバイスが発する電磁エネルギーの放射を測定し、前記少なくとも1つの既知の真正な電子デバイスが発する前記電磁エネルギーの放射のシグネチャを複数の電子デバイスの電磁エネルギーの放射のシグネチャと比較して前記複数の電子デバイスが特定の基準を満たさない電子デバイスを含んでいるか否かを判断するように構成される、請求項1又は2の装置。
【請求項4】
前記取付治具は、可動アクセス引出し内に配置され、
前記装置は、
前記可動アクセス引出しに連結され、前記可動アクセス引出しを開閉可能な電気機械式アクチュエータと、
前記電気機械式アクチュエータが前記アクセス引出しを開いたときに前記1以上の電子デバイスを前記取付治具内に配置可能な又は前記取付治具から取出可能なロボットデバイスと
をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項の装置。
【請求項5】
前記取付治具は、一体化アンテナ筐体の中空内部に設置される、請求項1から4のいずれか一項の装置。
【請求項6】
前記アンテナは、一体化アンテナ筐体内に一体化される、請求項1から5のいずれか一項の装置。
【請求項7】
前記処理デバイスは、1以上のプロセッサと、実行可能な命令を有する一時的でないコンピュータ読取可能媒体とを含み、前記実行可能な命令は、前記1以上のプロセッサにより実行された際に、
前記受信器で受信された前記電磁エネルギーの放射の前記シグネチャに対してパターン解析を行い、
前記パターン解析の結果を予め定義されたパターンに対して比較して前記1以上の電子デバイスの状態を検出すること
を前記1以上のプロセッサにさせる、
請求項1から6のいずれか一項の装置。
【請求項8】
前記実行可能な命令は、前記1以上のプロセッサにより実行された際に、さらに、前記結果に基づいて、前記1以上の電子デバイスの前記状態が真正な電子デバイスを特定しているか否かを判断することを前記1以上のプロセッサにさせる、請求項7の装置。
【請求項9】
1以上の電子デバイスの状態を検出する装置であって、
一体化されたアンテナを有する一体化アンテナ筐体と、
前記一体化アンテナ筐体の中空内部に設置された取付治具であって、前記1以上の電子デバイスを収容し、1以上の信号を前記1以上の電子デバイスのそれぞれに接続するように構成された取付治具と
前記一体化アンテナ筐体に接続され、前記1以上の電子デバイスのそれぞれからの無線周波数(RF)域の電磁エネルギーの放射のシグネチャを処理するように構成されたセンサ・コントローラアセンブリと
を備え、
前記センサ・コントローラアセンブリは、
ウジングと、
信号出力モジュールであって、
パワー入力を提供する電源と、
前記電源からの前記パワー入力及びグランド入力の少なくとも一方を変調して変調パワー入力と変調グランド入力の少なくとも一方を提供する変調源と、
前記変調源及び前記電源に連結され、前記変調パワー入力と前記変調グランド入力の少なくとも一方を前記一体化アンテナ筐体に接続するインタフェイス・バイアス基板と、
クロック信号を提供するクロック源と、
前記クロック源及び前記電源に連結され、前記クロック信号にバイアスを加えるとともに、該バイアスを加えたクロック信号を前記一体化アンテナ筐体に接続するバイアス回路
を含む信号出力モジュールと、
記ハウジング内に設置され、前記アンテナで捕捉された電磁エネルギーの放射を受信可能な受信器と、
前記受信器で受信された前記電磁エネルギーの放射のシグネチャに基づいて前記1以上の電子デバイスの状態を検出するように構成された処理デバイスと
を含む、
装置。
【請求項10】
前記一体化アンテナ筐体と前記アンテナとの組み合わせは、前記中空内部に設置された取付治具内に収容された前記1以上の電子デバイスから放射される電磁エネルギーの外部環境的放射の影響から前記中空内部を遮蔽すること及び前記中空内部に設置された取付治具内に収容された前記1以上の電子デバイスから放射される電磁エネルギーを捕捉することの少なくとも一方を行うように構成されている、請求項9の装置。
【請求項11】
前記取付治具は、
回路基板と、
前記回路基板に設置された1以上のソケットと、
前記1以上のソケットと前記センサ・コントローラアセンブリとの間の1以上の接続部と
を含む、
請求項9又10の装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の技術分野】
【0001】
本発明は、概して、電子デバイスが発する意図的な放射又は意図しない放射を用いて偽造電子デバイスを検出するシステム及び方法に関連し得るものである。
【発明の背景】
【0002】
一般的によく知られているように、例えば、半導体コンポーネントのような偽造電子デバイスが広く問題となっている。偽造半導体コンポーネントを問題なく機能する製品に取り付けた場合、偽造半導体コンポーネントが誤動作したり、環境条件によって動作しなかったり、早期に劣化したり、望まない機能を有することになったり、場合によっては、電気的には適合しているにもかかわらず、全く機能しないこともある。このため、これらを用いるデバイスやシステムの性能に影響を与え、その不十分な性能により経済的な損失を与えることとなる。
【0003】
様々な形態で偽造電子デバイスを見つけることができる。多くの偽造品を結びつける1つの大きな特徴は、内部電子部品が製造ライン直後の純正部品又は真正部品とは異なる動作をすることである(非常にわずかだけである場合もあるが、その場合でさえ異なる動作をする)。それが別個の半導体であるか、集積回路であるか、プリント回路基板であるか、回路基板アセンブリ又は製品であるかを問わず、偽造電子部品の内部部品が、真正電子部品とは異なる動作をしたり、物理的又は物質的に異なる構成を有していたりすると、その部品は異なる電磁的シグネチャを生ずる。
【0004】
本発明の着想と設計に至るまでに、偽造電子コンポーネントを検査し、選別する努力がなされてきた。そのような努力の多くは、実体のないものであるか、あるいは極めて高価なものであるか、あるいは実体がなく高価なものであるかのいずれかであり得る。実体のない手法の中で最も簡単で一般的なものは目視による検査であるが、偽造品が次第に洗練されたものになってきているため、これらの手法は信頼できないものとなってきている。これに対して、実在する偽造形式を検出できる、より信頼性のある手法は、高価であるか、あるいは本質的に破壊的なものであり得る。
【0005】
偽造電子デバイスを発見可能な異なる種類の検査手法には、再表面仕上げ(resurfacing)の痕跡に対する目視による外観検査、溶媒テスト、カプセル材仕上げ及びリード表面の視覚的顕微鏡検査、及びX線検査が含まれ得る。X線検査中に、電子コンポーネントの同一日付及びロットコードの内部構造が調べられ、既知の真正部品と比較され、ある種の偽造部品を発見することができるが、これらの手法はダイやワイヤボンディングなどにおける物理的外観の違いに制限される。洗練されていない偽造電子デバイスは、(これらに限られるわけではないが)異なるダイフレームや異なるワイヤボンディングをはじめとする内部構造において大きな違いを呈する。偽造品において見落とされることがあるコンポーネント状態を確認するためにX線蛍光分光法も用いることができる。ブランドマーク、商標、レーザダイエッチング、日付コード、及び他の定義的な特徴の顕微鏡検査のために半導体ダイから外部パッケージを取り外し、半導体ウェハ又はダイを露出させる被膜剥離法を電子デバイスが真正なものであることを判断するために用いることができる。やはり、これらの手法は、被膜剥離の際に検査可能な材料の物理的特徴に焦点を当てており、その根底にある電子的な機能性に関して情報を提供するものではない。これらの手法も本質的に破壊的なものである。プラスチックや樹脂にパッケージされたウェハやダイを露出させるために酸を用いる化学エッチング技術は、同様に検査のために内部コンポーネントを露出させることができるものの、本質的に破壊的なものである。
【0006】
検査のためにウェハ又はダイを露出させるためにセラミック又は金属をサンディング、切断、クラッキング、又はチッピングする機械的手法も用いることができ、一部では成功しているものの、やはり検査する部品を破壊してしまう。走査型音響顕微法を用いて、ブラックトップ材料の下方のレーザエッチングを分析することにより再表面仕上げ及びブラックトップ処理の証拠を発見することができる。
【0007】
内部部品レイアウトのトレースや外部パッケージ曲線のトレースは、予想される電気的特性をその製品が有しているか否かを決定するための別の選択肢であり得る。
【0008】
電気的テストは、典型的には高価な完全電気テストからグロスリーク・ファインリード機能電気テストにわたるものである。
【0009】
2012年3月2日に出願され、US 2012-0226463 A1として公開された「SYSTEM AND METHOD FOR PHYSICALLY DETECTING COUNTERFEIT ELECTRONICS」という表題の米国特許出願第13/410,797号及び2012年3月2日に出願され、US 2012-0223403 A1として公開された「INTEGRATED CIRCUIT WITH ELECTROMAGNETIC ENERGY ANOMALY DETECTION AND PROCESSING」に述べられた出願人自身の努力は、偽造電子コンポーネントの検査及び選別を改善するものである。
【0010】
しかしながら、そのような電子デバイスにより放射される無線周波数(RF)エネルギーのシグネチャを利用することによって、非破壊的な方法により偽造電子デバイスを検査及び選別するための入力信号を改良することにより偽造品検出能力を改善しつつ、繰り返し行われる試験環境においてより効率的にスペースを利用するだけではなく、RF信号放射収集能力が高く、外部ノイズ抑制のための空間効率のよいRF遮蔽を提供することができる、さらに改善された装置に対する需要があると思われている。
【0011】
1つの問題は、外部環境から測定を遮蔽する方法でその部品の放射成分を収集する必要があることである。出願人が知り得る限りにおいて、容積を最小限にすると同時に、望ましいRF収集能力を提供し、望ましくない環境放射からの遮蔽を提供する環境において偽造部品の特性を特に測定できる手段は現在のところ存在しない。
【発明の概要】
【0012】
一実施形態においては、装置は、偽造電子デバイスを検出することができ、デバイスが発する意図的な放射又は意図しない放射を用いて真正な電子デバイスについて真贋を判断することができる。他の実施形態においては、一体化アンテナ筐体は、テスト中の電子デバイスをRF遮蔽し、電子デバイスを収容し、典型的には特定の波形やパターンを含んでいても含んでいなくてもよい特定の選択された入力をデバイスに供給し、デバイスから得られる電磁エネルギーを集め、電磁エネルギーを処理するように構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、偽造及び/又は規格外の電子デバイスの検出及び/又は特定のための装置の例示的なブロック図である。
図2図2は、図1の装置内で用いられる一体化アンテナ筐体の正面図である。
図3図3は、図2の一体化アンテナ筐体の側面図である。
図4図4は、図2図3の一体化アンテナ筐体の立体図である。
図5図5は、図2図3の一体化アンテナ筐体内で用いられる取付治具の立体図である。
図6図6は、図5の取付治具のブロック図であり、特に電子デバイスのピンに対する接続部を示している。
図7図7は、図1の装置内で用いられるセンサ・コントローラアセンブリの正面立体図である。
図8図8は、図7のセンサ・コントローラアセンブリデバイスの背面図である。
図9図9は、図1の装置内で用いられる他の筐体の立体図である。
図10図10は、図1の装置の一例示的形態のブロック図を示している。
図11図11は、図1の装置の他の例示的形態のブロック図を示している。
図12図12は、図1の装置のさらに他の例示的形態のブロック図を示している。
図13図13は、図1の装置の他の例示的形態のブロック図を示している。
図14図14は、図1に示された装置のさらなる例示的形態のブロック図である。
図15図15は、本発明の装置の他の例示的形態のブロック図を示している。
図16図16は、本発明の装置の他の例示的形態のブロック図を示しており、特に一体化アンテナ筐体及びコントローラの一体構造を示している。
図17図17a~図17bは、それぞれ時間領域及び周波数領域でのグランド信号の変調手法を示している。
図18図18a~図18bは、それぞれ時間領域及び周波数領域でのパワー信号の変調手法を示している。
図19図19a図19bは、それぞれ時間領域及び周波数領域でのクロック信号の変調手法を示している。
図20図20は、図1又は図16の装置により実行される例示的論理アルゴリズムのブロック図を示している。
図21図21は、ロボットを用いた例のために構成された図1又は図20の装置のブロック図を示している。
図22図22は、従来のテープ上に設置された電子デバイスをテストするために構成された図1又は図20の装置のブロック図を示している。
図23図23は、本発明の装置のさらに他の例示的形態のブロック図を示している。
図24図24は、偽造及び/又は規格外の電子デバイスの検出及び/又は特定のための装置のさらなる例示的形態のブロック図を示しており、テスト取付治具が回転インデックステーブル上に設置されている。
図25図25は、偽造及び/又は規格外の電子デバイスの検出及び/又は特定のための装置のさらなる例示的形態のブロック図を示しており、筐体がテスト中又は検査中の電子デバイスを収容する取付治具と関連して移動するように更新されている。
【例示の実施形態の詳細な説明】
【0014】
本発明のより詳細な説明を始める前に、理解を容易にするために、図面に示されたいくつかの図を通して同一の機能を有する同一の要素は同一の参照番号により特定されていることを理解すべきである。
【0015】
偽造又は規格外の電子デバイスの定義には、類似の電子デバイス、既存のアセンブリから取り外して新品の純正品として売られた使用済み電子デバイス、モデル/部品番号、製造者、ケージコード、日付及び/又はロットコード、信頼性レベル、検査、試験レベル、性能仕様を偽ってマーキングし直した電子デバイス、元々の部品製造業者の設計、モデル及び/又は性能基準に適合しない電子デバイス、故意に又は意図せず修正された電子デバイス、セキュリティ上の脅威をもたらすように故意に修正された電子デバイス、及び意図された機能に関して偽る意図をもった悪意の目的のために故意に及び/又は意図的に修正された電子デバイスが当てはまるが、これらに限られるものではないことを理解すべきである。
【0016】
これらの偽造又は規格外の電子デバイスの定義は、アクティブ及びパッシブ回路基板部品、半導体デバイス、及び集積回路を制限なく含むすべての電子デバイスに拡張される。偽造デバイス、基板、回路基板、回路基板アセンブリ、アセンブリ、サブシステム、システム、又は製品にも同様の定義が適用される。
【0017】
さらに、本明細書において「シグネチャ」という用語は、周波数領域及びテスト中の電子デバイスから生じ、これを特徴付けるアーティファクトとして周波数領域内に含まれる現象を実質的に表現又は形成する2次元、3次元、又は多次元パターンを意味することを意図していることを理解すべきである。表現の例としては、db信号ピーク強さ対そのシグネチャ周波数領域内の周波数、db対周波数対そのシグネチャ周波数領域内の周期信号の相対時間、db対その周波数領域内の位相シフトなどが挙げられる。
【0018】
さらに、「検査」という用語は、「選別」、「点検」、「品質管理」、及び電子デバイスの状態、状況、及び構成のうち少なくとも1つを判断することを意図した類似の行為を意味することを意図していることを理解すべきである。
【0019】
例示の実施形態が、例えば集積回路(IC)などの半導体タイプの電子デバイス2との組み合わせにおいて図示され述べられる。しかしながら、当業者には、例示の実施形態を他のタイプの電子デバイスに適用することができ、したがって、集積回路、部品、又は本発明を用いた回路基板全体の評価に対してさえも例示の実施形態を限定する要因として解釈すべきでないことは明らかなことである。
【0020】
発された電磁放射のシグネチャは、いずれの電子デバイスにおいても基礎的な特性である。最も基本的なレベルにおいて、電子を加速することにより、電磁シグネチャを生成する電磁エネルギーが発される。パワーを送り、入力を振動させることは、本質的に、偽造品の選別がなされている電子デバイス2内の電子を加速し、これにより電磁エネルギーを発するので、本発明による選別・検査の向上の基本的な特性はすべての近代的電子部品に適用される。ここで述べられるパワーは、外部商用電力やバッテリ電力であってもよいし、内部発電機構により供給されてもよい。
【0021】
次に、図1図19を参照すると、規格外の電子デバイス2の検出及び/又は特定のための装置(概して500として示される)がある。
【0022】
特に図1を参照すると、装置500は、2つの本質的なデバイス、一体化アンテナ筐体(概して510として示される)と、センサ・コントローラアセンブリ(概して560として示される)とを有し得る。センサ・コントローラアセンブリは、必要な信号をテスト中の電子デバイス2に供給し、好ましくは約10キロヘルツ(KHz)から約300ギガヘルツ(GHz)の無線周波数(RF)領域において、一体化アンテナ筐体510によって捕捉された電子デバイス2からの電磁エネルギーの意図的な放射4及び/又は意図しない放射4を受信及び処理するように一体化アンテナ筐体510に動作可能な状態で連結されている。
【0023】
図1に示される好ましい本実施形態において、一体化アンテナ筐体510自体の内部構造は、追加で補助アンテナ要素を設置する必要のない、電磁エネルギーを収集するアンテナ手段として作用するように構成され、構築されている。
【0024】
特に図2図4を参照すると、一体化アンテナ筐体510は、ベース520と、ベース520上に立設され、好ましい本実施形態においてはピラミッド形状を有する周壁524とを含んでいる。周壁524は、ベース520とともに筐体510の中空内部512を規定する。一体化筐体510の使用中に略水平面で移動して中空内部512へのアクセスを選択的に可能とするために引出し525が設けられ、設置されている。パワー/グランド入力接続部527及びクロック入力接続部529が従来のコネクタによって壁524に、より詳細には引出し525の外面に設けられている。周壁524の頂部の外部取付部品528は、デバイス2が発して収集されたRF放射を出力するような接続部を提供するものである。
【0025】
一体化アンテナ筐体510は、中空内部512に、例えば引出し525の内部に設置された取付治具530をさらに収容している。この取付治具530は、その内部に1以上の電子デバイス2を受け入れるように構成されている。本発明の好ましい本実施形態において、電子デバイス2は、例えば集積回路(IC)のような半導体デバイスである。したがって、取付治具530は、その内部に電子デバイス2を挿入するように構成されたソケット532を規定している。ソケット532は特定の電子デバイス2を受け入れるような構成(寸法及び形状)になっていることが理解できよう。一形態においては、ソケット532と電子デバイス2の選択的に別個となったピンとの間に3つのピン接続(パワー534、クロック536、及びグランド538)だけがある。図5において最も良く示されているように、取付治具530は、ソケット532が設置された回路基板540も含み得る。この回路基板540は、電子デバイス2に対する入力信号及び/又は出力信号を生成する手段を提供する。この形態において、回路基板540は、この文書においてさらに説明されるように、ピン接続部534、536、及び538のそれぞれをソース信号に接続する回路を有している。換言すれば、取付治具530は、これらの3つのピン接続部534、536、及び538により、取付治具530内に受け入れられた1以上の電子デバイス2のそれぞれにある3つのピンに少なくとも1つの信号、好ましくは3つの信号、3つだけの信号を送るように構成されていてもよい。3つだけの信号のそれぞれは、選択的に別個となったピンに送られる。バッチテストモードにおいて同時に複数の電子デバイス2がテストされる場合には、複数のソケット532が設けられることは理解できよう。このモードにおいては、典型的には、複数のデバイスが、信号(典型的にはパワー、グランド、及びクロック)を同時に受信し、それらの入力に基づいて意図しないRF放射を放出する。類似のカテゴリのすべてのコンポーネントに対する放射は、典型的には、類似しているか、十分に近いものであり、生成される複合シグネチャは、アクティベートされたすべてのコンポーネントの組み合わせシグネチャを含んでいる。偽造コンポーネントのような、異なるカテゴリのコンポーネントは、異なる特徴を同時に発し、電子的に取得、測定、処理、アルゴリズム処理、及び予測されるシグネチャ結果と十分に適合しないことを確認可能な修正シグネチャを放出する。このとき、特にどのデバイスの取付治具が不適切なシグネチャを放射しており、このため、そのデバイスが偽造品の疑いのあるかを決定するために、バイナリサーチをより迅速に行うことは有利である場合がある。一群のデバイスの取付治具の最も左側半分の電源を選択的に入れ、不適切な放射が存在し続けていれば、全デバイスの半分をなくし、左半分の最も上側半分などと2次元バイナリサーチとして特定の1以上の偽造デバイスが分離されるまで行うことにより、偽造品を迅速に分離するためにそのようなバイナリサーチを行うことができる。時間的にずっと厳しいものであるがより簡単な手段は、単に偽造品が見つかるまで一度にそれぞれの1つの部品を順にテストすることであろう。より単純なこのテストは、バッチにおいてより簡単に複数又は多数の偽造品を順次特定することができ、高いパーセンテージで偽造品を含むバッチをユーザがテストしているときに示される。いずれの手段も、テスト全体が完了するまで部品の移動、除去、又は置換をすることなく、電気的に部品2への信号入力を選択的に制御する(使用可能にする、あるいは使用不可能にする)ものである。
【0026】
取付治具530は、1以上の電子デバイス2からのRF放射の収集を高めるように、一体化アンテナ筐体510の性質に基づいて一体化アンテナ筐体510の中央又は他の好ましい位置に設置してもよい。上述したように、取付治具530へのアクセス、より詳細にはソケット532へのアクセスは、移動自在な引出し525により達成される。
【0027】
少なくとも1つの信号、好ましくは3つの信号、3つだけの信号を供給するデバイスを収容するために回路基板540を用いてもよい。図5をさらに参照すると、回路基板540上にはクロック入力コネクタ542が設置されており、このクロック入力コネクタ542は、ソケット532と接続するクロック接続部544を備えている。また、ソケット532と接続するパワー接続部548及びグランド接続部550を備えるコネクタ546もある。また、ソケット532とコネクタ546との間に他の接続部552があってもよい。
【0028】
本発明は、例えば入力信号を変調することにより、テストされている1以上の電子デバイス2から生じた放射を強めつつ、回路基板540内又は回路基板540上で入力信号トレースを遮蔽することによって、一体化アンテナ筐体510内の望ましくない放射を最小限にする。例示にすぎないが、図5は、クロック信号接続部トレース544を取り囲むシールド544aを図示している。テスト取付治具530上のトレース541(クロックを含むがこれに限られるわけではない)は、電気的インピーダンスの厳格な制御及びデバイスとクロック生成手段との間のトレースの終端を容易にするためにコプレーナ導波路トレースデザインを用いており、単一インピーダンスレベルがクロック源からテスト取付治具上に設置されるテスト中のデバイスにかけて維持されるようにしている。取付治具のトレースデザイン及び/又は構成は、トレース、ストリップ線路、又はクロック、I/O、又は変調振動トレースにより生成される電磁放射を抑制するのに必要な埋没ストリップ線路又はマイクロストリップ特徴部の上方又は下方又はこれに隣接してグランドシールド及びガードシールドをさらに提供してもよい。これらの特徴部は、1以上の電子デバイス2に対する接続部からの放射ではなく、一体化アンテナ筐体510内でテストされる1以上の電子デバイス2からの放射のみを最小化又は促進することを保証し得る。
【0029】
一形態においては、装置500は、コプレーナ導波路、ストリップ線路、埋没ストリップ線路、ガードトレース、グランドプラン、及び制御インピーダンストレースデザインのうち少なくとも1つを含む取付治具530を備えており、これにより、1以上の電子デバイス2との接続部からの放射を抑制しつつ、1以上のテスト中の電子デバイス2からの電磁放射を促進するように構成されている。本発明は、選択的に別個となったピンが、1以上の電子デバイス2のそれぞれへの入力及び1以上の電子デバイス2のそれぞれからの出力の一方となることを考えている。
【0030】
本出願人は、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)、アナログ-デジタル変換器(ADC)、デジタル-アナログ変換器(DAC)、DC-DC変換器、AC-AC変換器、集積回路(IC)、及びメモリなどの近代電子デバイス内のチップのほぼすべての部品にクロック、パワー、及びグランドを取り回し、典型的には、電子デバイス2の上記3つのピンの利用により、完全な計測がなくても電子デバイス2の真贋を決定する基本的機能が適切に発揮されることを見出した。
【0031】
さらに、本出願人は、これらのピンのうちの1つ又は全部に他の波形を変調する又は印加する電気信号によってその後にこれらのピンを利用することにより、例えば、付加的なシグネチャ特性特徴部、又はより高いdBレベルでより見えやすくて高い特徴部を電子的にタグ付け又は獲得することにより、1以上の電子デバイス2の内部回路からの電磁エネルギー放射のシグネチャを高める手段が提供され、これにより、偽造電子部品の検出及び一般的品質管理の改良手段が提供されることを見出した。本質的には、信号の変調により、電子デバイス2からの放射シグネチャのパラメータが増幅され、変更され、さらに、予想される放射シグネチャからの実際の放射シグネチャの差又は変化が増幅される。ある例では、ピークの高さを増やす、すなわち、出力信号のdbレベルを高くしてもよく、ピークの幅を増やしてもよく、これに加えて/これに代えて、放射のシグネチャにピークの近傍でより高いdbレベルを有する付加的なピークが表れてもよい。
【0032】
そのような少数の入力及び/又は出力を利用することは、特に一部の電子デバイス2が数百本のピンを有する点において、例えばそのような電子デバイス2をそれぞれのアセンブリに組み立てる前の製造設備において、多数の電子デバイス2の選定、検査、又は品質管理中に明確な利点を提供し得る。
【0033】
他の形態においては、本発明は、電子デバイス2の付加的なピンを利用して、そのような付加的なピンのアクティベーションから生じる放射を用いた検出及び/又は特定の時に電子デバイス2の付加的な特性を高め、本文書においてさらに説明されるような付加的な信号接続部を提供することを考えている。
【0034】
さらに付加的な形態においては、本発明は、上述したパワー548、グランド550、及びクロック544の接続部のうち1つだけを使用することを考えている。
【0035】
一実施形態において、装置500は、周壁524の内面に対して等角な、あるいは周壁524の内面に統合された、あるいはその厚さに完全に一体化された少なくとも1つのアンテナ素子556、好ましくはアンテナ素子556の列を含んでいてもよい。このアンテナ素子556は、従来のアンテナ形態/構造のいずれの形態で設けられていてもよい。
【0036】
アンテナ素子556によって1以上の電子デバイス2から放射RFエネルギー4を収集可能としつつ、電磁エネルギーの環境放射の影響から中空内部512を遮蔽する一体化アンテナ筐体510を提供するように周壁524とアンテナ素子556の組み合わせを構成してもよい。
【0037】
容積測定において最も効率的な構成は、一体化アンテナ筐体の外部の電磁エネルギーが一体化アンテナ筐体510の内部に入ることを防止する遮蔽機構としてアンテナの物理的構造を使用するものであることに留意しておくことは重要である。好ましい本実施形態は、アンテナ556と筐体の遮蔽特徴部とを密接に統合した一体化アンテナ筐体510を用いている。図4は、先細ピラミッド形状の例を示している。1以上のアンテナ素子556は、この構造に完全に一体化されていてもよい。一実施形態例においては、一体化アンテナ筐体510内の適切な位置で導電材料、半導体材料、絶縁材料、及び電磁波吸収材料のうち少なくとも1つを用いて一体化アンテナ筐体510を調整している。
【0038】
図2図4の対称4辺ピラミッド形状は、外部ノイズを遮蔽する完全包囲空間を生成するとともに、RF信号の最大量を捕捉する手段を提供する。
【0039】
次に、図9を参照すると、概して510'として示される、他の実施形態例における一体化アンテナ筐体が示されている。この一体化アンテナ筐体510'は、その内面に一列のアンテナ556が配置された立方体を有するものとして示されている。先に述べたように、この場合における1以上のソケット532を有するテスト取付治具530は、ベース520'に設置されているが、取付治具530は、1以上のアンテナ素子556の構成によっては他の配置で設置され得る。
【0040】
一体化アンテナ筐体510'は、一体化アンテナ510の上述した実施形態と類似の機能を有し得るが、典型的には、別個のRF周波数領域に影響され易いかもしれない、離れるように配置され方向付けられたアンテナ素子556の列によってテスト中のデバイス2により発される特定の意図していないRF放射の発生源位置に関してさらに分別が可能であって、単一の周波数で部品内での放射の位置の識別を改善することができる。楕円状領域、球状領域、円筒状領域、ピラミッド状領域、及び非ピラミッド領域を単一の筐体に組み込んだものをはじめてとして種々の幾何的立体形状を具体化する、他の形状を有する筐体が考えられる。
【0041】
一体化アンテナ筐体510の他の構成は、それぞれ電子デバイス2を挿入できるように構成された1以上のソケット532を規定する、典型的に矩形の取付治具530を設けた円錐(断面円形)形であってもよい。一体化アンテナ筐体510のさらに他の構成は、三角形形状を規定し得る。さらに他の構成は、指数ホーンの構成と類似するものであってもよい。
【0042】
付加的な一体化アンテナ筐体の形状は、放物線、あるいは楕円体を含み得る。そのようなデバイスの内部に位置する複数のアンテナ素子556は、典型的には先に述べた構成と同様に全利得が少なく、感度が低く、広帯域性能が良くないが、異なる角度からの信号収集能力に優れている。楕円体の焦点に設置された取付治具530内に位置する1以上の電子デバイス2は、RFエネルギーを反対側の焦点に収束されるように一体化アンテナを位置させることによって、1以上のテスト中の電子デバイス2のすべての方向から放射されたより多くの信号を取得する手段として考えられる。
【0043】
取付治具530内の1以上の電子デバイス2が、典型的には、球形一体化アンテナ筐体の中心に実質的に位置し、アンテナ素子556が球体の表面の様々な位置にあることも考えられる。これにより、構造の体積が小さくなり、強度が上がる場合があるが、電子デバイス2が導電グランド平面上のホーンの反対端に位置する図2図4の対称4辺ピラミッド形状としてRF利得は下がる場合がある。
【0044】
図1及び図7図8をさらに参照すると、センサ・コントローラアセンブリ560は、接続部568及び568aによって一体化アンテナ筐体510に接続されており、接続部568及び568aのそれぞれは従来のケーブルであってもよい。
【0045】
好ましくは、センサ・コントローラアセンブリ560は、図7図8に示されるように、筐体510の外部にスタンドアロンユニットとして位置しているが、センサ・コントローラアセンブリ560及び一体化アンテナ筐体510は、例えば図16に示されるように単一の構造にすべて一体化することができる。上述したように、センサ・コントローラアセンブリ560は、必要とされる信号を1以上のテスト中の電子デバイス2に供給し、一体化アンテナ筐体510により捕捉された放射を処理して、真正又は純正の電子デバイス2から偽造及び/又は規格外の電子デバイス2を区別するように構成されている。
【0046】
図1をさらに参照すると、好ましい本実施形態のセンサ・コントローラアセンブリ560は、必要な信号を一体化アンテナ筐体510に供給又は連結する外部接続部566と、筐体562内に設置され、外部接続部566と動作可能に接続される信号出力モジュール564とを有するハウジング562を含んでいる。また、ハウジング562内には、例えば、広帯域RF形のような受信器572が設置されており、これは、別の外部接続部570と動作可能に連結され、接続部570からRF放射成分を取得し、放射成分を時間領域から周波数領域に変換するように構成されている。
【0047】
また、センサ・コントローラアセンブリ560は、例えばマイクロプロセッサのような処理デバイス574を含んでいる。処理デバイス574は、1以上のプロセッサと、実行可能な命令を有する一時的でないコンピュータ読取可能媒体とを含んでいる。実行可能な命令が1以上のプロセッサにより実行されると、1以上のプロセッサが、受信器572で受信された放射のシグネチャに対してパターン分析を行い、そのような分析の結果を定義済みパターンと比較し、1以上の電子デバイス2の状態について最終的な判断を行い、より詳細には、そのような電子デバイス2が純正品か、偽造品か、規格外品質品かを判断する(そのように処理デバイス574が本質的に構成され動作可能とされる)。本明細書において、規格外という用語は、例えば経時劣化により機能的及び/又は性能的要求を満たさない電子デバイス2として解釈されることを意図している。換言すれば、そのような規格外の電子デバイスは、使用済みデバイスから取り出されて、内部のコンポーネントがすべて新しいものとなるように新しいデバイス又はアセンブリに挿入されている場合がある。処理デバイス574は、一連の自動検出アルゴリズムを実行するように構成され動作可能とされる。センサ・コントローラアセンブリ560は、デバイス2に対する特定の分解能帯域幅(RBW)でシグネチャ周波数領域の1つ以上の周波数領域に自動的に調整する。この周波数領域は、典型的には、異常及び偽造品をリアルタイムに検出するための1以上のアルゴリズムを用いて、既知のカテゴリのコンポーネントの対応する標準化されたシグネチャ周波数領域に対して繰り返し取得され比較される特定の信号アーティファクトを含んでいる。処理デバイス574が電子デバイス2の異常を判断する手段を提供することは理解されよう。
【0048】
最後に、センサ・コントローラアセンブリ560は、(これに限定されるわけではないが)ハウジング562の外表面から操作可能なタッチスクリーン578を少なくとも含むユーザインタフェイス576を含んでいてもよい。
【0049】
本発明は、センサ・コントローラアセンブリ560の構造及び機能が異なる形態で現れてもよいことを考えている。また、本発明は、信号出力モジュール564及び変調モジュール580が、概して571にて示されるスタンドアロンのサブアセンブリとして設けられてもよいことを考えている。
【0050】
ここで、特に図10を参照すると、本発明は、1以上のデバイス2がパワー及びグランド入力/出力信号の一方又は双方によって駆動されることを考えている。したがって、信号出力モジュール564は、電源564a及びインタフェイス回路/基板582bによりそのようなグランド及び入力/出力信号を供給するように構成され動作可能とされる。
【0051】
ここで、特に図11を参照すると、本発明は、1以上のデバイス2がパワー及びグランド入力/出力及びクロック入力/出力の双方によって駆動されることを考えている。この形態においては、信号出力モジュール564は、電源564a及びインタフェイス回路/基板582bによりそのようなグランド及び入力/出力信号を供給するように、また、クロック源564c及び配電回路/基板582dによりクロック信号を供給するように構成され動作可能とされる。
【0052】
ここで、特に図12を参照すると、本発明は、1以上のデバイス2がパワー及びグランド入力/出力とクロック入力/出力の双方によって駆動され、パワー入力及びグランド入力が変調されることを考えている。この形態においては、信号出力モジュール564は、電源564aと、インタフェイス・バイアス回路/基板582fに接続された変調源564eと、インタフェイス・バイアス回路/基板582fとによりそのようなグランド及び入力/出力信号を供給するように構成され動作可能とされる。クロック信号は、クロック源564cと、電源564aに対する接続部も有するバイアス回路/基板582gとにより供給される。定常電圧又は非定常電圧を変調するためにバイアス回路/基板モジュール582が必要である。
【0053】
図13の他の形態においては、図12の信号出力モジュール564がクロック変調源564hに適合される。このように、本発明は、デバイス2がパワー及びグランド入力/出力及びクロック入力/出力の双方によって駆動され、パワー、グランド、及びクロック入力/出力が変調されることを考えている。
【0054】
図14のさらに他の形態では、図11の信号出力モジュール564が付加的な入力/出力源564i及び関係する回路/基板564jに適合される。この配電基板582jは、部品に対する入力が3つより多い場合に使用される。
【0055】
図15のさらに他の形態では、本発明は、信号出力モジュール564が、コントローラ560から離れて設けられ(コントローラ560から取り除かれ)、1以上のテスト中の電子デバイス2に非変調信号又は変調信号を供給するようにオプションの変調モジュール580(上述したモジュール564e及び564hの動作も実現する意味がある)にさらに連結されることを考えている。図15においては、モジュール582は、5682f、582g、582b、582d、及び582jのうちの少なくとも1つを備えている。信号出力モジュール564は、564a、564c、564i、グランド、付加的なクロック及び任意の付加的な入力/出力(I/O)564i、及び信号I/O564lのうち少なくとも1つを備えている。また、信号出力モジュール564は第2のクロック源564kを含んでいてもよい。
【0056】
図16のさらに他の例示的な形態では、一体化筐体510及びコントローラ560は、センサ・コントローラアセンブリ560’とそのような筐体510’の内部に設置されたアンテナ素子556’とを有する立方体又は直方体状の筐体502を備えた装置500’の単一構造として設けられており、引出し525’及びさらにオン/オフスイッチ578aを備えるユーザインタフェイス578が、筐体510’の外表面からアクセス可能となっている。センサ・コントローラアセンブリ560’はベース520’内に設置されることが考えられる。
【0057】
内面526'に隣接して、あるいは内面526'の内側に設置される同軸ケーブル579aは、アンテナ素子556’をベース520'内に設置されたセンサ・コントローラアセンブリ560’に接続し、アンテナ素子556’が受信した信号をコントローラアセンブリ560’に送信する。さらに、内面526'に隣接して、あるいは内面526'の内側に設置されるヒューマン-マシンインタフェイス制御配線579bは、オン/オフスイッチ578及びユーザインタフェイス578をベース520'内に設置されたセンサ・コントローラアセンブリ560’に接続する。内面526'上又は内面526'の内側の位置は、ソケット532の内側に設置された電子デバイス2から発される信号との望まない相互作用を最小限にする。
【0058】
3つのピン接続部534、536、及び538のうち1つ又は好ましくはすべてへの信号が一緒に又は別々に変調される場合、変調源564a、564h、又は580は、パルス変調、デューティサイクル変調、位相変調、FM変調、AM変調、及びこれらの任意の組み合わせのうち1つを提供可能とされる。これらのピン接続部のうち1つ以上に対して変調信号を使用することで、テストされている電子デバイス2が発する放射シグネチャをさらに高めることができる。
【0059】
ある形態においては、発振器入力によって変調手段564a、564h、又は580が提供される。発振器入力は、周波数ベースの発振を生じさせる任意の発振源であり得る。例えば(これに限定されるものでないことは明らかであるが)水晶発振器やセラミック振動子のような単調なものがあり得る。非常に複雑なタイミング制御が行われた信号や通信信号、又は任意の波形生成器を用いて再構築された信号の場合もある。本質的には、近代電子工学においては、高レベルと低レベルとの間で発振し、回路に対する無数の他の作用及び回路の他の作用を調整し、制御し、これと通信し、同期し、参照し、提供するような信号は非常にたくさん存在する。この発振は、放射的導電手段による様々な態様の物理法則により電子部品又は電気デバイスの外部に発される大きなエネルギー源となる。
【0060】
偽造/規格外の電子デバイス2と真正な電子デバイス2との間の差を大きくするために変調ロジック機構が特に選択される。
【0061】
ここで、特に図17a図19bを参照すると、グランド信号(図17a図17b)、パワー信号(図18a図18b)、及びクロック信号(図19a図19b)のそれぞれに対する変調手法の例が示されている。図17a図18a、及び図19aは、Y軸を電圧、X軸を時間とした時間領域における変調手法を示しており、図17b図18b、及び図19bは、Y軸をパワー(単位はデシベル)、X軸を周波数とした周波数領域における変調手法を示している。
【0062】
本明細書において考えられている拡張変調手法には、同一の信号又は異なる信号で複数の別個の入力又は出力を実質的に同時に変調すること、互いに位相シフトされた信号で複数のピンを変調すること、変調の結果を用いて複数ステップで変調を変化させること、一連の異なる変調パターンをテスト中のデバイスに適用すること、ランダム化された変調パターンを適用して(次に放射シグネチャ処理において)新しい及び/又は有用な識別力のある放射結果を求めること、少しの間(典型的には、電子デバイス2の処理速度が高い場合の約1ナノ秒から、電子デバイス2の処理速度が遅い場合の約10秒まで)テスト中のコンポーネントの特定のパワー、立ち上がり時間、立ち下がり時間、タイミング、電圧、電流、又は周波数限界を少しの間超える変調を適用すること、変調信号の周波数、位相、及び振幅を同時に(わずかな時間的許容偏差は認めるが)変化させること、典型的には変調されていないピン、例えばパワー、グランド、リセット、チップセレクト、制御ライン、データライン、アドレスライン、出力イネーブルライン、アナログ入力ライン、ここで挙げた複数のライン、複数のクロックライン、複数のデータライン、複数のアナログライン、複数のデジタル入力ライン、複数の別個の電圧レベルの入力ラインなどの典型的には変調されていないピンに付加的なサイン波、方形波、パルス波、任意の波形、掃引電圧、のこぎり波、三角波、又は他のアナログ変調を適用すること、テスト中のコンポーネントを少しの間製造メーカの特定の最小限度、例えば電圧低下条件で運転させる変調を適用すること、可能な変調電流を制限しつつ、少しの間(典型的には、電子デバイス2の処理速度が高い場合の約1ナノ秒から、電子デバイス2の処理速度が遅い場合の約10秒まで)逆バイアス状態でピンを変調すること、製造メーカにより特定された周波数領域よりもずっと高い又はずっと低い周波数領域でピンを変調することが含まれるが、これに限られるものではない。さらに、変化信号を振動させるステップをアナログ-デジタル(A/D)変換器や演算増幅器などの入力のようなアナログ成分に適用することができる。また、例えば巻線型金属膜と炭素複合抵抗器とを簡単に区別できるように、特性や組成を特定するために、高周波RF信号を抵抗器のようなパッシブ成分に適用することもできる。例えば、従来の埋込型コントローラチップのようなもので、チップスタートアップシーケンス、電圧低下防止パワーダウン、又は電圧低下防止イベントからの回復のような電子デバイス2のステータス及び/又は状態の変化を示す、時間とともに変化する放射変化シーケンスを有する放射を測定するのに、上記の入力信号は特に有用である。別の例としては、デバイス2としてのA/D-LVDSシリアルデジタル出力変換器に入力されるのこぎり波信号は、のこぎり波アナログ入力が典型的に周期的に変化する放射を生じるような現象を起こさせる。
【0063】
特に図10を参照すると、パワーライン564P及びグランドライン564Gを用いて、一体化アンテナ筐体510内でテスト中の電子デバイス2の特性を決定するように、高周波(典型的には10KHzから100GHz)電圧源によって、例えば、パッシブ抵抗器、キャパシタ、インダクタ、ダイオード、UJT、IGBT、MOSデバイス、又は他の単純なデバイスのような電子デバイス2に電源を供給してもよい。この場合において、部品取付治具530内でテスト中の電子デバイス2を取付治具530の2つのピンにのみ接続してもよく、取付治具530は、抵抗器を収容するために使用可能なピンを2つだけ備えていてもよい。あるいは、取付治具530は、軸方向リード抵抗器、表面実装抵抗器、及びフォームファクタサイズ0603、フォームファクタサイズ0402、フォームファクタサイズ0201の表面実装抵抗器などのような、1つの取付治具内に種々の部品を収容するのに利用可能な、平行に有線接続された接続点を複数備えていてもよい。
【0064】
上記で示されたように、変調ロジックメカニズムは、一体化アンテナ筐体510の一部として存在可能な、あるいは電子デバイス2間のシグネチャを測定し比較し、電子デバイス2が偽造又は規格外であるか否か、あるいは品質管理活動のために不適切な電子デバイス2であることが推量される他の異常があるか否かを判断するセンサ・コントローラアセンブリ560の一部であり得る制御部を含んでいる。
【0065】
他の実施形態においては、本発明は、偽造及び/又は規格外の電子デバイス2を検出及び/又は特定する方法を提供する。この方法は、1以上の電子デバイス2を取付治具内に設置し、内部に一体化されたアンテナを有する筐体の中空内部にその取付治具を配置するステップを有する。次に、1以上の電子デバイスのそれぞれのパワーピン、クロックピン、及びグランドピンのうちの1つに信号を送り、テスト中の電子デバイスがRFエネルギー放射を生ずる又は発するように誘導する。そして、接続部を有する1以上のデバイスのそれぞれからの(RF)エネルギーの放射をアンテナで捕捉した後、その放射の特性が分析のために利用可能とされる。最後に、真贋、適合性、古さ、出所、又は機能性に関する決定がなされ、アンテナに接続された処理手段で、1以上の電子デバイス2のそれぞれについて真正状態、偽造状態、及び規格外状態のいずれかを検出及び/又は特定する。
【0066】
システム全体の識別能力をさらに高めるために、特別に選択又は構成された1以上の変調信号を、接続された入力又は出力、典型的には上述したパワーピン、クロックピン、又はグランドピンのうちの1つ以上に適用してもよい。
【0067】
また、この方法は、パワーピン、クロックピン、及びグランドピンのそれぞれを入力ピン又は出力ピンとして選択するステップを考えている。
【0068】
さらなる実施形態においては、本発明は、偽造及び/又は規格外の電子デバイス2を検出及び/又は特定する方法を提供する。この方法は、1以上の電子デバイス2を図5に最もよく示されている取付治具530内に設置し、その内部の一体化アンテナの中空内部にその取付治具530を配置するステップを有する。次に、3つだけの信号を1以上の電子デバイス2のそれぞれのパワーピン、クロックピン、及びグランドピンのそれぞれに適用し、テスト中のデバイスはRF放射を生成するように誘導される。その後、変調信号が送られた1以上のデバイスのそれぞれからの無線周波数(RF)エネルギーの放射を一体化アンテナ筐体で捕捉し、その放射の特性が分析のために利用可能とされる。最後に、一体化アンテナ筐体に接続された処理手段で、1以上の電子デバイス2のそれぞれについて真正状態、偽造状態、及び規格外状態のいずれかを検出及び/又は特定する。
【0069】
この方法は、偽造又は規格外の電子デバイス2から真正/純正の電子デバイス2を識別するための放射シグネチャを高めるように、1以上の電子デバイス2のそれぞれのパワーピン、クロックピン、及びグランドピンのうち1つ以上に変調を送るオプションのステップを考えている。この実施形態においては、パワーピン、クロックピン、及びグランドピンのそれぞれを電子デバイス2への入力又は電子デバイス2からの出力として選択してもよい。換言すれば、典型的には信号を出力するピンに変調を送ってもよい。変調信号は、依然として電子デバイス2内の深部に伝搬し、そのピンに接続されたデバイス内部コンポーネントについて明確な放射を生成する。
【0070】
ここで、特に図20を参照すると、例示的な方法は、引出し525が開いているときに、手動又は自動で電子デバイス2をソケット532内に配置するステップ601を含んでいる。ステップ603において、引出し525は手動又は自動で閉じられ、ステップ607で電力を送ることによりステップ605でスキャンが開始される。これにより、放射を伝達すると同時に、あるいはこれと非常に近い時間内に、望まない外部のRF干渉を内部に許容しないように遮蔽された筐体を密閉するための最適な位置に電子デバイス2が置かれる。引出し525を閉じる動作が、そのソケット532の内部に設置された電子デバイス2を自動的に接続部528でのアンテナ頂点の反対側の体積の実質的な中心であって、センサユニットが電子デバイス2からの放射を伝達及び受信するのに実質的に最適な位置に移動させることに留意することは重要である。この位置は、意図しない信号放射のすべてを低減し得る悪影響を低減する干渉グランドプレーンのかなり上方にある。
【0071】
一体化アンテナ筐体510のベース520は、次に挙げるような、いくつかの機能を有している。筐体の遮蔽を完全にする機能、電子デバイス2を物理的及び機械的に支持する機能、引出し525の水平移動を支持し、引出し525を物理的に支持する機能、外部のRFの影響及び雰囲気から一体化アンテナ筐体を密閉するために使用される構造を形成する機能、ユーザのワークステーションとして作用するのに適切な面上の適切な位置に配置するための手段を提供する機能。
【0072】
また、ステップ605は、処理デバイス574により実行されたロジックがセンサ・コントローラアセンブリ560のためのパラメータを規定するステップ613のトリガとなり、さらに、処理デバイス574により実行されたロジックが電子デバイス2に対する入力パラメータを規定するステップ615のトリガとなる。また、ステップ605は、処理デバイス574により実行されるロジックを開始し、RF信号識別アルゴリズムのためのパラメータを規定する。ステップ615は、電子デバイス2の入力ピン及び/又は出力ピンを変調するための手段を提供する回路/基板564a、564h、及び/又は582を用いてパワー、グランド、クロック源及び変調パラメータを設定する。ステップ617、619、及び620は、ステップ609を介して続いて電子デバイス2に送られる設定済入力を生成する。このように、これらのステップは、電子デバイス2の予め指定されたピンに対する予め指定された信号を提供する。
【0073】
電子デバイス2に電源が投入されると、電子デバイス2は、ステップ623で電磁エネルギーを発し、これはステップ639でアンテナ構造556を介して一体化アンテナ筐体500により収集され、RF受信器572で受信される。このようにして、RF受信器572は、電子デバイス2からの意図した放射4又は意図しない放射4を受信する。これらの放射4は電子デバイス2から外側に生じ、放射4はアンテナ手段により収集され、典型的には同軸ケーブル568a、あるいは他の好適なデバイスによってRF受信器572に送られる。典型的には、RF受信器572は、高感度低雑音増幅器(LNA)を用いて放射信号を最初に増幅する。
【0074】
ステップ625において、受信されたRF放射がデジタル化され、ステップ627において、デジタル信号が処理される。さらに、ステップ631において、処理デバイス574により実行される論理アルゴリズムによってRF放射シグネチャが特徴付けられ、デバイス2は、ステップ633において、所定の性能基準又は所定の放射シグネチャを満足すると判断されるか、あるいは、ステップ635において、偽造又は規格外なものであると判断される。必要に応じて、ステップ641において、結果がディスプレイ576上に表示される。
【0075】
ユーザの視点からすると、本発明の典型的な動作シーケンスは次のようなものである。引出し525を開ける/引くことにより一体化アンテナ筐体510内部の取付治具530とその部品ソケット532にアクセスが可能となる。テストされる電子デバイス2は、取付治具530内に配置される。引出し525が閉じられると、外部のRFノイズから一体化アンテナ筐体510が密閉されると同時に、内部アンテナ構成が完成する。スイッチ578aを介したプロセス開始により1以上の信号が自動で又は手動で予め指定された電子デバイスピンに送られ、受信器572は、テストされている電子デバイス2からのすべての放射を受信し始める。そして、RF受信器572は、受信された時間領域放射データを周波数領域データに変換し、処理デバイス574は、周波数領域データの分析を始める。スペクトルのうち意図した放射部分及び意図していない放射部分が処理され、基準構成と比較される。予測される基準放射構成から著しく偏位していた場合は、処理デバイス574内で実行されるソフトウェアロジックが、電子デバイス2が偽造品の疑いがあるか否かを判断する。基準構成からの十分な偏位(例えば、得られたシグネチャと予測されるシグネチャとの間で実験的に予め決められた閾値パーセンテージの相違又は偏位、例えばシグネチャの特定のRBWを用いたシグネチャ周波数領域におけるノイズフロアの標準偏差の2つの標準偏差のdB位置より高い位置で生じるピークの数が10%変化する形態の偏位)が特定されない場合は、処理デバイス574のソフトウェアは、電子デバイス2が偽造品の疑いがなく、真正な電子デバイスであると判断する。その後、ソフトウェアロジックは、電子デバイス2を正しい分類に分類分けする動作を実行する。操作が手動で行われる場合、装置500のユーザに電子デバイス2のステータスが通知され、ユーザは、電子デバイス2を適切なカテゴリに置き、それまでに異なる分類に分けられた電子デバイス2から隔離する。操作を自動的に行ってもよく、これにより、ドア525が自動的に開き、図21のロボットアーム700のような手段により電子デバイス2が自動的に取り除かれ、電子デバイス2がその分類に属する関連する他の電子デバイス2とともにビン又はホルダ702に置かれる。次の候補の電子デバイス2が配置され、上記プロセスが繰り返される。
【0076】
本発明は、手動動作だけではなく、例えば図22に示されるような完全自動動作も考えていることに留意すべきである。一体化アンテナ筐体510’’は、そこを通過する従来のテープ710を受け取るように構成され、テープ710はその上に複数の電子デバイス2を含んでいる。電子デバイス2のグランドピン、パワーピン、及び/又はクロックピンへの接続部が、線形移動又は旋回移動のいずれかを行う精密手段を有する可動型であってもよく、これは本発明にとって重要なものではない。また、外部干渉からテスト中及び/又は検査中の電子デバイス2を遮蔽するように、装置500の動作中に筐体510への搬入及び筐体510からの搬出を密閉することも考えられる。
【0077】
一例では、電気信号をテープ710上の各電子デバイス2に送るように(おそらく、小さな開口をテープ710に開けることでも電気プローブ又はリードを選択されたピンに接続するのには十分である)取付治具530を垂直方向に移動するように構成してもよい。
【0078】
図24の他の実施形態の例では、複数の取付治具530を回転テーブル720上に設置し、上述した実施形態の例のいずれかに従ってそれぞれの取付治具530を電気的に接続してもよい。この例における1以上の取付治具530を筐体510内で同時に位置決めしてもよい。さらに、2以上の電子デバイス2を同時にテストできるように一度に2以上の取付治具に通電してもよい。
【0079】
図25の他の実施形態の例では、筐体510を底部開口筐体としてもよく、テスト中又は検査中の電子デバイス2に対して選択的なアクセスを可能とするように取付治具530と一定の関係を持って垂直に移動するように構成されていてもよい。筐体510を移動させるために任意の手法を用いることができる。一例においては、筐体510をリニアドライブデバイス730に連結してもよい。他の例においては、オーバーヘッド型クレーン又はガントリー型装置732によって筐体510を持ち上げてもよい。ベース520の上に取付治具530が配置され、シールを形成するようにそのような底部開口筐体510の底部周縁部510aの形状及び寸法とすることができる。あるいは、外部干渉からテスト中の電子デバイス2を遮蔽するように取付治具530の形状を底部周縁部に合わせてもよい。また、図25の可動筐体510を図24の実施形態の例で設けてもよい。
【0080】
また、電子デバイス2の配置と取出の一方又は双方のためにロボットアーム700を用いてもよい。
【0081】
また、ユーザが手動で現在の電子デバイス2を取付治具530内に配置するとともに、新しい電子デバイス2の自動アクセスや以前にテストされてカテゴリ分けされた電子デバイス2の予め指定された位置への自動配置を行うような自動操作及び手動操作の組み合わせが考えられる。
【0082】
ユーザには、典型的にはセンサ・コントローラアセンブリ560上に配置されるコンピュータスクリーン、LEDライト、及び/又はブザーのようなユーザインタフェイス576を介して電子デバイスが偽造か真正かのステータスが通知されてもよい。また、センサ・コントローラアセンブリ560が、例えばユーザインタフェイス578によって、動作ステータス、新しい電子デバイス2を受け入れ可能か否か、現在電子デバイス2をテスト中であるとか、電子デバイスのテストの完了までの予測残り時間、最終判断、及び現在取付治具に対して設定されている電子デバイス数を含む他の事実などをユーザに通知してもよい。この情報は、1人だけあるいは数人のユーザによって操作される複数の機械を利用する環境においては有用である。一体化アンテナ筐体510は、引出し525の開位置/閉位置/中間位置の位置ステータスを検知するために引出し525に関連付けられたリミットスイッチ(図示せず)を備えていてもよい。一体化アンテナ筐体510は、引出し525を自動的に開閉するために電気機械式アクチュエータ704を有していてもよい。装置500は、偽造電子デバイスが取付治具530内にあり取り出される前に、偽造電子デバイスに印をつける又は偽造電子デバイスを無効化する手段を有していてもよい。例えば、色を塗ったり、電子デバイスのピンを切断したり、電子デバイスに孔を開けたり、電子デバイスの入力に過負荷をかけたり、これに加えて/代えて反対のバイアスをかけたりすることが挙げられる。繰り返すが、これは、電子デバイス2が取付治具530から手動又は自動で取り出される前に行われる。一体化アンテナ筐体510は、特にテストが広範囲にわたり、ユーザが必ずしも常に付いているわけではない場合や近くの他の装置500を見ている場合に、電子デバイス2をテストしている間に引出し525をロックするためのオプションのロックを含んでいてもよい。
【0083】
ここで、特に図23を参照すると、本発明は、装置500又は500’の動作を向上/改善するための付加的なオプションのデバイス及び/又はルーチンを考えている。一体化アンテナ筐体装置510又は510’は、重要な特徴をさらに抽出するために通常のテストの制限、試験的な制限、製造上の制限、又はデバイス動作上の制限を超える温度範囲又は圧力範囲で動作するような状態を生ずるようにさらに構成されていてもよい。アクティブな電子デバイス2の断熱及びイメージングを向上するために真空が有用であり得る。装置500又は500’は、テスト及び/又は検査中の電子デバイス2の別々の領域を異なる温度値に加熱又は冷却するように、加えて/あるいは、テスト中及び/又は検査中に電子デバイス2の温度を制御するように構成され動作可能とされた冷却装置又は手段650を有するように構成されていてもよい。そのような冷却装置又は手段650は、ソケット532の下方に設置された電気的に制御可能な熱電冷却器又はソケット532の上方の中空内部512に設置された赤外レーザ652であり得る。また、冷却装置又は手段650は、温度制御された熱電ペルチェ冷却器又は単純な温度制御された抵抗加熱ヒータであり得る。この実施形態の例では、温度に応答して電子デバイス2の値を調整又は変更することが行われる。
【0084】
装置500又は500’は、中空内部512に設置された、外部RF放射又はミリメートル波放射又はX線放射を行う装置654を用いてテスト中の電子デバイス2を照明するように構成されていてもよい。装置500又は500’は、さらに、周壁524に連結された外部冷却システム656を有するように構成され、これにより冷却可能となり、加えて/あるいはより効果的にRF放射を遮蔽し、封じ込めるための超伝導体となってもよい。装置500又は500’は、さらに、静電板又は磁気コイル又はアンテナ列、あるいは電子デバイス2の上方又は下方で電子デバイス2に隣接し、テスト中の電子デバイス2の選択された特定の領域において電圧又は電流を誘導可能な磁気コイル又は静電板を有していてもよい。装置500又は500’は、さらに、ソケット532に、あるいは取付治具530に接続され、中空内部512でテスト中の電子デバイス2の空間的配向を変更可能な、動力付関節移動装置660を含んでいてもよい。装置500又は500’は、さらに、電子デバイス2の特定の領域からの不要な放射が受信されないように、あるいは、放射近距離場パターンに影響を与えるように、あるいは、さらに、受信される放射の特定の位置又は領域を区別するように、テスト中の電子デバイス2に隣接して又はその周囲に設置された接地電磁遮蔽662を操作するように構成されていてもよい。装置500又は500’は、さらに、抵抗、誘導性リアクタンス、容量性リアクタンス、これら抵抗及びリアクタンスの組み合わせ、又は電子デバイス2のグランドピン、パワーピン、又は他のピンのインピーダンスを追加するように、信号出力モジュール564及び取付治具530を介して動作可能であってもよい。装置500又は500’、より詳細には信号出力モジュール564は、さらに、選択又は無効化フィルタキャパシタ、特に低キャパシタンス高周波数成分のような電源フィルタ成分値を変更するように構成されていてもよい。装置500又は500’、より詳細には信号出力モジュール564は、RF放射周波数領域の選択されたリアルタイムフィードバックを電子デバイス2の1以上のピンに給電する変調回路に供給するように構成されていてもよい。装置500又は500’は、さらに、好ましくは中空内部512に設置され、テスト中及び/又は検査中の電子デバイス2の温度又はテスト中及び/又は検査中の電子デバイス2の特定の領域の温度を検出するように構成されている又は検出可能となっている、温度センサ664を含んでいてもよい。装置500又は500’は、さらに、電子デバイス2の特性をさらに区別するためにテスト中又は変調中の任意の時点において電子デバイスのピンのいずれかにおける電流を検出するように、及び/又は、テスト中及び/又は検査中の電子デバイス2に対する適切な接続又は良好な接続を確認するように電子デバイス2の入力ラインに流れる電流を測定するように、及び/又は電子デバイス2による電流領域プロファイル全体を決定するように構成された手段又は装置666あるいは他の好適な手段を含んでいてもよい。そのような手段/装置666は、AC又はDCスナップオンアンメータから電流を測定するための単純な分路抵抗器又は電子デバイス2上に配置されたホール効果磁気センサ・コントローラアセンブリプローブに至るまでの装置を含んでいてもよい。装置500又は500’は、先行のテストの過去の結果に応じて組み合わせ及び程度を変化させつつ上述した一連のテストを適用し、電子デバイス2の真贋又は偽造品の性質をこれら2つの間で基準の計算の境界となるぎりぎりのところでさらに見分けるように構成及び動作可能とされていてもよい。装置500又は500’は、基準の計算の境界となるぎりぎりのところで電子デバイスに対して上記テストを繰り返し行い、より高い確度で判別の決定を行うために実質的にさらに大きな統計サンプルを集めるように構成及び動作可能とされていてもよい。例えば、使用されるアルゴリズムに基づいて、ほぼ同じ値のテスト結果が1回のテストではなく合計2回のテストにおいて2回起きた場合には、(「確率の乗法定理」、すなわちP(AかつB)=P(A)*P(B)を用いた)確率又は判断の確度を概念上2乗する。すなわち、(1.0-(1.0-真の陽性テスト#1の確率)*(1.0-真の陽性テスト#2の確率))である。したがって、例えば、1回目のテストで80%の確率確度が得られ、2回目のテストで同様に80%の確率確度が得られた場合には、両方のテストの複合確率確度を(1.0-(0.2*0.2))、すなわち96%と考える。所望の確度が95%のレベルであれば、2回目のテストは確度の閾値レベルを上回る確度を達成していることになる。この方法は、テスト結果が互いに独立している場合に適用することができる。装置500は、統計的確度について予め設定された閾値が得られるまで上記テストを自動的に繰り返してもよい。このため、テストの数又はテスト反復の数を予め設定していなくてもよく、これらを先のテストの結果に基づいて、あるいは、最近の先行する実験又は長期間収集したデータから蓄積された知識や統計に基づいて調整してもよい。先に要求された確度閾値パーセントは、テスト手順の一部であってもよく、予め決められた確度閾値に達するスピードに応じてテストの数がテストの数に関する最大限度まで変化してもよい。このように、プロセッサ574は、一群のテスト電子デバイス2に対して偽造品の特定のタイプを見つけ出すのに最も効率的なテストルーチン/タイプを把握し、テスト中の電子デバイス2の真贋をより高速に又はより確実に確かめるためにそれらのテストルーチン/タイプをいち早く適用するような人工知能ルーチンを実行するようにプログラミングされていてもよい。装置500は、電子デバイス2の組に対して行われる異なるテストから得られる異なる結果に基づいて、異なるグループの偽造電子デバイス2をカテゴリ分けするように構成されていてもよい。装置500は、このカテゴリ分けされたグループを用いて、コスト又は電子デバイス2の利用可能性に基づいて、加えて電子デバイス2が組み込まれるシステムの装置の欠陥の重要性及びコストに基づいて、実行されるテストの重み付けを変更したり、テスト時間又はテスト確度又はこれら2つを最適化するためにテストの実行時間を変更したりしてもよい。
【0085】
装置500又は500’は、さらに、テスト中の電子デバイス2の複数のピンではなく1つのピンだけへの入力を変調するように構成又は適合されていてもよい。このとき、残りの接続されていないピンは、実質的にアンテナグランドであると考えることができ、テスト中のデバイス全体が1つの複合アンテナであると考えることができる。
【0086】
図14は、変調はしていないが、パワー、グランド、及びクロック以外のピンに対して入力/出力(I/O)信号が追加された実施形態を示していることに留意されたい。これらの追加されたI/O信号は、テスト中の電子デバイス2を新規及び/又は複雑な手法で作動させて、おそらく状況変化を生じさせ、あるいは付加的な処理を行って、付加的な又は異なる内部回路が作動されるようにしてもよい。この例は、DMA転送用のアドレスバスを作動させること又はチップセレクトピンをオン/オフすることであろう。さらなるテストにおいては、典型的にはデータを転送するために自己のクロック及び別個のクロック周波数を必要とするSPIシリアルバスに別のクロック信号が供給される。
【0087】
さらに、グランド信号、パワー信号、又はクロック信号を変調することは一般的な方法として認められていないことに留意されたい。販売業者の使用及び日々の動作において、典型的には、電子デバイス2にできるだけ安定して一定となるようにしたパワー、クロック、及びグランドが供給される。本発明では、通常の正常な回路インタフェイス及び動作と直感的に反するものではあるが、電子デバイス2をテストする従来の見識から逸脱するものであり、販売業者が意図していない放射をより測定しやすくするために意図的に1以上の変化を導入するものである。販売業者が供給する仕様の多くは、パワーに対する最大入力電圧リプルと最大クロック変化パラメータとを記載している。本発明は、偽造検出性を向上させるためにこれらの変化を最大化しようとするものである。本発明のアプローチを見る他の方法は、電子回路設計は通常ノイズと外部からの信号を除去し、フィルタキャパシタやローパスフィルタ、バンドパスフィルタなど様々な手段を用いてこれをフィルタすることを強調するものであることに留意することである。典型的には、できるだけ多くのノイズを除去するのが通常である。本発明の変調は、テスト中の電子デバイス2のトレースの至るところに経時変化する信号を供給するものである。パワー、グランド、及びクロックは、典型的には、電子デバイスの回路の最大量に達し、電子デバイスのすべての動作に一体的に関係するものであるので、導入された変調信号は、テスト中の電子デバイス2の作動中の回路のすべてに届く。
【0088】
このように、本発明は、(これらに限られるわけではないが)種々の変調手段をはじめとする入力信号変化を利用して、意図しない出力信号をさらに高めようとするものである。本発明は、レバレッジ効果を奏し、これにより、電子デバイスの真贋を検出又は確認するために回路起動シーケンスを行うことによって、少量の入力信号変調(例えば、200ミリボルトの入力パワーピンの電圧を変化させてCPU回路がパワーオンとリセットの状態を繰り返す)が、いくつかのシグネチャ周波数領域にわたって、いくつかだけではなく大量の意図しないRF放射4を生成する
【0089】
反復変調パターンとは異なる他の入力信号タイプとしては、広帯域ノイズ又は狭帯域ノイズ及び擬似ランダムノイズを導入することが挙げられる。入力ピンを選択するために追加された変調がその電子デバイスの入力に関する販売業者の仕様内で低いレベルのものであれば、その変調は、電子デバイスの性能に影響を与えることなく意図しない放射の特性を高める。
【0090】
真正コンポーネントと偽造コンポーネントとをよりはっきりと区別できるようにするため、上記テストの組み合わせ及び順列を同時に又は順番に、あるいは程度を変化させて同時に及び/又は順番に適用してもよい。
【0091】
ある実施形態の例においては、装置は、偽造及び/又は規格外の電子デバイスを検出及び/又は特定する。
【0092】
他の実施形態の例においては、装置は、個々の部品を回路基板上に一体化する前に、それらの部品の真贋を判断する。
【0093】
さらなる実施形態の例においては、装置は、偽造及び/又は規格外の電子デバイスを検出及び/又は特定するものであり、一体化アンテナ筐体を含んでいる。上記電子デバイスは、一体化アンテナ筐体の中空内部に設置される。
【0094】
ある実施形態の例では、装置は、偽造及び/又は規格外の電子デバイスを検出及び/又は特定するものであり、一体化アンテナ筐体を含んでいる。上記電子デバイスは、一体化アンテナ筐体の中空内部に設置されている。一体化アンテナ筐体の構造は、外部環境からの遮蔽を提供すると同時に、テスト中の電子デバイスからの意図しない放射エネルギーを収集するためのアンテナとして作用する。
【0095】
他の実施形態の例では、装置は、偽造及び/又は規格外の電子デバイスを検出及び/又は特定するものであり、そのような規格外の電子デバイスのパワーピン、クロックピン、及びグランドピンのみを導通させるように構成されている。
【0096】
さらなる実施形態の例では、装置は、偽造及び/又は規格外の電子デバイスを検出及び/又は特定するものであり、そのような電子デバイスのパワーピン、クロックピン、及びグランドピンのうち少なくとも1つを変調するように構成されている。
【0097】
ある実施形態の例では、装置は、偽造及び/又は規格外の電子デバイスを検出及び/又は特定するものであり、そのような電子デバイスの製造業者により記載される変調形態の変調信号を典型的には受信しない入力に送られる信号を変調するように構成されている。
【0098】
他の実施形態の例では、装置は、テスト又は検査中の電子デバイスの機能に影響を与えず、かつ、テストされている電子デバイスが典型的には通常の標準的な動作条件で機能するように設計された典型的な予測電磁干渉ノイズを超えることがないように変調を提供するように構成されている。
【0099】
さらなる実施形態の例では、テストされている部品がテスト中に劣化することがない。
【0100】
ある実施形態の例では、装置は、偽造及び/又は規格外の電子デバイスを検出及び/又は特定するものであり、電子デバイスのパワーピンへの接続部のみを変調するように構成されている。
【0101】
他の実施形態の例では、装置は、偽造及び/又は規格外の電子デバイスを検出及び/又は特定するものであり、電子デバイスのパワーを変調するように構成されている。デバイスのすべての回路に接続するパワーピンの変調は、部品内のすべての回路を変調で刺激する手段を提供する。
【0102】
さらなる実施形態の例では、装置は、偽造及び/又は規格外の電子デバイスを検出及び/又は特定するものであり、電子デバイスのパワーの低レベル変調を提供するように構成されている。デバイスのすべての回路に接続するパワーピンの変調は、部品内のすべての回路を刺激し、部品内の任意のサブ回路のシグネチャ特性を提供してその部品が真正なものではないと示す異常を特定する手段を提供する。
【0103】
ある実施形態の例では、装置は、偽造及び/又は規格外の電子デバイスを検出及び/又は特定するものであり、電子デバイスのパワーの低レベル変調を提供するように構成されている。任意のピンの変調は、部品が真正なものではないこと又は部品が予測される状態から変化していることを示す異常を特定する、部品のサブ回路のシグネチャ特性を提供するように部品内の回路を刺激する手段を提供する。
【0104】
他の実施形態の例では、装置は、偽造者によって意図的に修正された偽造及び/又は規格外の電子デバイスを検出及び/又は特定する。
【0105】
他の実施形態の例では、装置は、偽造者によって部品内の機能を変更する意図をもって意図的に修正された偽造及び/又は規格外の電子デバイスを検出及び/又は特定する。
【0106】
他の実施形態の例では、装置は、偽造マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及びメモリ部品を検出するように構成されている。
【0107】
他の実施形態の例では、少数の入力のみを用いた部品により生成される付加的な放射による利益が実現され、これは、製造設備における多くの部品の選別に対して明確な利点を提供する。
【0108】
他の実施形態の例では、装置は、偽造及び/又は規格外の電子デバイスを検出及び/又は特定するものであり、電磁エネルギーの環境的放射からテスト中の電子デバイスを遮蔽するように構成されている。
【0109】
ある実施形態の例では、装置は、偽造及び/又は規格外の電子デバイスを検出及び/又は特定するものであり、一体化アンテナ筐体と、該アンテナに連結され、アンテナにより捕捉されたそれぞれの放射のシグネチャを処理するように構成されたセンサとを含んでいる。上記電子デバイスは、一体化アンテナ筐体の中空内部に設置される。
【0110】
他の実施形態の例では、1つの方法は、上述した装置のいずれかを用いて、偽造のデバイス及び/又は規格外の電子デバイスを検出及び/又は特定する。
【0111】
他の実施形態の例では、1つの方法は、上述した装置のいずれかを用いて、電子デバイスの品質管理を行う。
【0112】
他の実施形態の例では、一体化アンテナ筐体が、環境ノイズが筐体の中空内部に置かれた電子デバイスの測定又はテストに干渉しないように構成される。
【0113】
他の実施形態の例では、一体化アンテナ筐体が、偽造又は異常検出装置が検出する測定値に関して、10KHzから300GHZの周波数帯域として定義されるRFエネルギーを捕捉する。
【0114】
他の実施形態の例では、一体化アンテナ筐体が、部品に電力を供給し、部品を接地し、部品にクロックを送信し、部品が必要とする他の入力/出力を送信する手段を提供する。
【0115】
他の実施形態の例では、一体化アンテナ筐体が、部品を収容するテスト取付治具を収容する。
【0116】
他の実施形態の例では、一体化アンテナ筐体が、測定の再現性があるように部品の位置を登録する手段を提供する。
【0117】
ある実施形態の例では、一体化アンテナ筐体が、パワー、グランド、クロック、又は部品に対する他の入力又は出力に対して変調を行い、部品からのシグネチャを高める手段を提供する。
【0118】
他の実施形態の例では、特に偽造部品と真正部品との判別性を高めるために変調メカニズムが選択される。
【0119】
他の実施形態の例では、変調メカニズムは、一体化アンテナ筐体の一部として存在可能な、あるいは、部品間のシグネチャを測定及び比較して部品が偽造品であるか又は品質管理上良くない部品であることを示唆する他の異常があるかを決定する測定システムの一部になり得る制御を含んでいる。
【0120】
ある実施形態の例では、偽造の測定が一般化される。
【0121】
他の実施形態の例では、広帯域受信放射収集と、異常及び偽造品のリアルタイム検出を行うための自動検出アルゴリズムを備えたプロセッサとを用いて偽造部品の検出を行う手段が提供される。
【0122】
他の実施形態の例では、センサアセンブリ及び一体化アンテナ筐体アセンブリが、高度に一体化され、センサアセンブリと一体化アンテナ筐体アセンブリとの間のインタフェイス接続が不要な単一のハウジングに構成される。
【0123】
ある実施形態の例では、センサ・コントローラアセンブリは、シグネチャファイルを維持し、捕捉された放射のシグネチャを部品のロットと比較してロットが偽造及び/又は規格外の電子デバイスを含んでいるか否かを判断する。
【0124】
他の実施形態の例では、装置は、電子デバイスの経年状況、偽造状況、劣化状況、変更状況、及び不一致状況のうち少なくとも1つを検出するように構成される。
【0125】
本発明は、半導体タイプの偽造及び/又は規格外の電子デバイス2の検出及び/又は特定のための装置及び方法に関して示されてきたが、本発明を他の電子デバイス、例えば、そのような電子デバイスを収容するように修正された取付治具530を有する回路基板をはじめとする回路基板及びアセンブリなどに適用できることは当業者には明らかである。
【0126】
このように、本発明の属する技術分野における当業者が本発明を製造し使用できるように完全、明確、簡潔、及び正確に本発明を述べた。当業者は、添付した特許請求の範囲に述べられた本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、特に述べられた本発明の実施形態の構成要素に対する変形例、変更例、等価物、及び置換例を考えることができることは理解できよう。
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