(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】電気めっきスラッジの重金属を抽出および回収するための抽出装置およびその方法
(51)【国際特許分類】
C22B 7/00 20060101AFI20220523BHJP
C02F 1/36 20060101ALI20220523BHJP
C02F 1/461 20060101ALI20220523BHJP
C02F 1/52 20060101ALI20220523BHJP
C02F 1/62 20060101ALI20220523BHJP
C02F 1/72 20060101ALI20220523BHJP
C02F 11/00 20060101ALI20220523BHJP
C22B 3/02 20060101ALI20220523BHJP
C22B 3/12 20060101ALI20220523BHJP
C22B 3/44 20060101ALI20220523BHJP
C25D 21/06 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
C22B7/00 H
C02F1/36
C02F1/461 101B
C02F1/52 K
C02F1/62 Z
C02F1/72 Z
C02F11/00 A
C22B3/02
C22B3/12
C22B3/44 101A
C25D21/06
(21)【出願番号】P 2021204671
(22)【出願日】2021-12-16
【審査請求日】2021-12-17
(31)【優先権主張番号】202111479302.8
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520223723
【氏名又は名称】生態環境部華南環境科学研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】521551548
【氏名又は名称】広州工控環保科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】黄凱華
(72)【発明者】
【氏名】張文超
(72)【発明者】
【氏名】胡小英
(72)【発明者】
【氏名】温勇
(72)【発明者】
【氏名】杜建偉
(72)【発明者】
【氏名】李彦希
(72)【発明者】
【氏名】張明楊
(72)【発明者】
【氏名】田雨
(72)【発明者】
【氏名】段振▲はん▼
(72)【発明者】
【氏名】徐暁玲
【審査官】▲来▼田 優来
(56)【参考文献】
【文献】特表平02-501578(JP,A)
【文献】特開2009-167462(JP,A)
【文献】中国実用新案第208182760(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第104016506(CN,A)
【文献】特開昭50-105597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B1/00-61/00
C25D1/00-21/22
C02F1/00-11/20
B01D1/00-71/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気めっきスラッジの重金属を抽出および回収するための抽出装置であって、
電気めっきスラッジと重金属を分離するための第1の処理装置(1)と、前記第1の処
理装置(1)の下に配置されて重金属を階段的に抽出するための第2の処理装置(2)と
を含み、
前記第1の処理装置(1)は、浸出処理タンク(10)と、前記浸出処理タンク(10
)の上端に配置されたスラッジ入口(11)と、溶液添加口(12)と、前記浸出処理タ
ンク(10)内部に配置されたメカニカルスターラー(13)と、前記浸出処理タンク(
10)の内壁に均一に環状に配置された超音波コンポネント(14)と、前記浸出処理タ
ンク(10)の下に配置された吸引フィルターセパレーター(15)とを含み、
前記第2の処理装置(2)は、前記負圧コンポネント(151)に接続された複合抽出
タンク(20)と、前記複合抽出タンク(20)の内部の側壁に配置された攪拌ドラム(
21)と、複合抽出タンク(20)の中心に可動的に配置された重金属抽出コア(22)
とを含む、
ことを特徴とする電気めっきスラッジの重金属を抽出および回収するための抽出装置。
【請求項2】
前記重金属抽出コア(22)は、前記複合抽出タンク(20)の中心に配置された取付ラ
ック(220)、前記取付ラック(220)の中心に配置された濾過カートリッジ(22
1)、前記取付ラック(220)の上であって濾過カートリッジ(221)の両側に配置
された電着溝(23)、前記濾過カートリッジ(221)の内部の中心に取り付けられた
抽水羽根(223)を含み、前記濾過カートリッジ(221)の上端に抽水羽根(223
)と連通する液体排出口(224)が設けられ、前記濾過カートリッジ(221)の下に
抽水羽根(223)を駆動するための動力モジュール(227)が設けられ、前記濾過カ
ートリッジ(221)の側面に外側に開く吸引濾過収集溝(225)が均一に設けられ、
前記吸引濾過収集溝(225)の上に濾過膜(226)が設けられ、前記濾過カートリッ
ジ(221)に、吸引濾過収集溝(225)に接続された第1の掻取リング(222)が
嵌設され、
前記電着溝(23)の下端に重金属収集管(26)が接続され、
前記電着溝(23)の上に第2の掻取リング(230)が摺動に嵌設され、複合抽出タン
ク(20)の外部に電着溝(23)に接続された電源装置(231)が配置され、前記第
1の掻取リング(222)、第2の掻取リング(230)間に第1の掻取リング(222
)、第2の掻取リング(230)を上下に摺動させるように駆動するための駆動コンポネ
ント(24)が配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気めっきスラッジの重金属を抽出および回収するた
めの抽出装置。
【請求項3】
複合抽出タンク(20)の下に、取付ラック(220)を回転させるように駆動するため
の回転式モータ(25)が配置される、
ことを特徴とする請求項
2に記載の電気めっきスラッジの重金属を抽出および回収するた
めの抽出装置。
【請求項4】
前記複合抽出タンク(20)の上に液体入口(27)、液体排出口が設けられ、前記液体
入口(27)、溶液添加口(12)にそれぞれ流量計が備えられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気めっきスラッジの重金属を抽出および回収するた
めの抽出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気めっきスラッジ処理の技術分野に関し、具体的に電気めっきスラッジの重
金属を抽出および回収するための抽出装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気めっきスラッジは、電気めっき廃水処理の過程で生成される銅やクロムなどの重金属
水酸化物を主成分とする沈殿物であり、その組成は複雑である。電気めっき廃水が多く、
組成が複雑で、CODが高く、重金属含有量が高いため、処理せずに排出すると深刻な環
境汚染を引き起こす。環境保護の観点からであれ、会社の経済的利益の観点からであれ、
電気めっきスラッジのリサイクルは現在の研究焦点である。
【0003】
従来の電気めっきスラッジの資源処理では、重金属を抽出するための技術のほとんどは実
験室段階であり、例えば浸出抽出、火抽出、電気分解などを含むが、しかし、電気めっき
スラッジから重金属を抽出できる産業機器はまだなく、資源処理のための電気めっきスラ
ッジの社会的ニーズに適応するために、異なるタイプの電気めっきスラッジから重金属を
抽出するのに適し、抽出率が高く、設置面積が小さく、操作しやすい重金属を抽出および
回収するための装置および処理方法を提供することが緊急に必要である。
【発明の概要】
【0004】
上記の背景技術における問題を考慮して、本発明は、電気めっきスラッジと重金属を分離
するための第1の処理装置、前記第1の処理装置の下に配置され重金属を階段的に抽出す
るための第2の処理装置を含む電気めっきスラッジの重金属を抽出および回収するための
抽出装置を提供し、
前記第1の処理装置は、浸出処理タンク、前記浸出処理タンクの上端に配置されたスラッ
ジ入口、溶液添加口、前記浸出処理タンク内部に配置されたメカニカルスターラー、前記
浸出処理タンク内壁に環状に均一配置された超音波コンポネント、前記浸出処理タンクの
下に配置された吸引フィルターセパレーターを含み、
前記第2の処理装置は、前記負圧コンポネントに接続された複合抽出タンク、前記複合抽
出タンク内部の側壁に配置された攪拌ドラム、前記複合抽出タンクの中心に可動的に配置
された重金属抽出コアを含む。
【0005】
さらに、前記浸出処理タンク、複合抽出タンクにそれぞれpH検出器、温度制御装置が設
けられる。
pH検出器の設置により、浸出処理タンク、複合抽出タンク内のpH環境を精度よく検出
し、温度制御装置の設置により、良好な温度環境を提供し、pH、温度を設定することで
、目標環境下で高効率に反応させ、処理品質の向上に役立つ。
【0006】
さらに、前記重金属抽出コアは、前記複合抽出タンクの中心に配置された取付ラック、前
記取付ラック中心に配置された濾過カートリッジ、前記取付ラックであって濾過カートリ
ッジの両側に配置された電着溝、前記濾過カートリッジ内部の中心に配置された抽水羽根
を含み、前記濾過カートリッジの上端に抽水羽根と連通する液体排出口が設けられ、前記
濾過カートリッジの下に抽水羽根を駆動するための動力モジュールが設けられ、前記濾過
カートリッジの側面に外側に開く吸引濾過収集溝が均一に設けられ、前記吸引濾過収集溝
に濾過膜が設けられ、前記濾過カートリッジに、吸引濾過収集溝に接続された第1の掻取
リングが可動に嵌設され、前記電着溝の下端に重金属収集管が接続され、
前記電着溝に第2の掻取リングが摺動に嵌設され、複合抽出タンクの外部に電着溝に接続
された電源装置が配置され、前記第1の掻取リング、第2の掻取リング間に、第1の掻取
リング、第2の掻取リングを上下に摺動させるように駆動するための駆動コンポネントが
設けられる。
重金属抽出コアは、浸出液を吸引濾過や電着という2種類の方法で処理し、吸引濾過によ
り、錯化反応で生成した重金属を沈殿および収集し、超臨界状態での電着により、浸出液
内の残りの重金属を収集して、重金属の抽出品質をさらに向上させることができる。
第2の掻取リングにより、電着溝内に堆積した重金属物質を掃き取り、操作しやすく効率
が高く、後処理にも便利であり、全体の処理効率を効果的に向上させることができ、駆動
コンポネントの設置により、第1の掻取リング、第2の掻取リングを電気的に制御し、駆
動コンポネントは、電気スライドレール、ボールねじであり得、駆動コンポネントを制御
することで、第1の掻取リング、第2の掻取リングを自動的に上下に摺動させ、重金属を
掻き取る。
【0007】
さらに、前記吸引フィルターセパレーターは、浸出処理タンクの下に配置された円筒形分
離チャンバー、前記円筒形分離チャンバーの下に配置された負圧コンポネントを含み、前
記円筒形分離チャンバーの下端と負圧コンポネントの接続部に第1のスラッジ遮断綱が設
けられ、円筒形分離チャンバーの上端と浸出処理タンクの接続部にバッフルが可動的に配
置され、円筒形分離チャンバーの内部に回転式スラッジスイーパーが可動に取り付けられ
、円筒形分離チャンバーの側壁にスラッジ排出口が開設され、前記負圧コンポネントは、
一端が第1のスラッジ遮断綱と連通する円錐形接続管、前記円錐形接続管の内部に配置さ
れた負圧装置、円錐形接続管の他端に配置された第2のスラッジ遮断綱を含む。
吸引フィルターセパレーターは、電気めっきスラッジと浸出液を高効率に分離し、浸出液
とスラッジを徹底的に分離し、浸出液を複数回濾過して、高い純度の浸出液を得、重金属
の抽出品質を向上させる。
円錐形接続管の設置により、浸出液を合流して流量を増やし、負圧装置は負圧を提供して
浸出液は順次第1のスラッジ遮断綱、円錐形接続管、第2のスラッジ遮断綱を通過して浸
出液の高効率濾過を実現し、電気めっきスラッジが複合抽出タンクに流入することを回避
し、重金属の抽出品質を確保する。
【0008】
さらに、複合抽出タンクの下に取付ラックを回転させるように駆動するための回転式モー
タが配置される。複合抽出タンクの下に配置された回転式モータは、取付ラックを回転さ
せるように駆動し、取付ラックの回転により、重金属抽出コアが回転し、反応速度を高め
、重金属沈殿物の収集に役立つ。
【0009】
さらに、前記複合抽出タンク上に液体入口、液体排出口が設けられ、前記液体入口、溶液
添加口にそれぞれ流量計が配置される。流量計の設置により、各薬剤の添加量を精度よく
制御でき、添加量を制御することで、装置の動作中、反応速度を高め、反応時間を短縮さ
せ、電気めっきスラッジの処理量を向上させる。
上記抽出装置により電気めっきスラッジの重金属を抽出および回収する方法は、
(1)電気めっきスラッジと水酸化ナトリウム溶液を混合し、超音波発生器付きの抽出装
置に置き超音波前処理を行うステップと、
(2)抽出装置に酸化剤溶液を加え、超音波作用下で反応を継続し、濾過して浸出液を得
るステップと、
(3)浸出液溶液のpHを調節し、浸出液中の重金属を抽出し、最終的に得られた溶液は
クロム酸ナトリウム溶液であるステップと、を含む。
さらに、電気めっきスラッジの重金属を抽出および回収する方法は、
S1:超音波前処理
電気めっきスラッジと水酸化ナトリウム溶液を一定割合で混合し、抽出装置の第1の処理
装置内に置き、3~10分間超音波処理し、処理温度は20~100℃であり、電気めっ
きスラッジと水酸化ナトリウムの固液比は2~20mL/gであり、水酸化ナトリウム濃
度は5~50%であるステップと、
S2:酸化処理
その後一定の割合で第1の処理装置に酸化剤溶液を加え、超音波作用下で反応を10~3
0分間継続し、酸化剤溶液と水酸化ナトリウム溶液の割合は1:2~20であり、
前記酸化剤溶液は濃度12~23wt%の次亜塩素酸ナトリウム、または濃度25.5~
36.5wt%の過酸化水素水であるステップと、
S3:スラッジと水の分離
吸引フィルターセパレーターを使用して電気めっきスラッジと浸出液を分離して浸出液を
得るステップと、
S4:重金属抽出
第2の処理装置内に脱イオン水を加えて浸出液のpHを5~6に調節し、20~30分間
攪拌し続け、沈殿物を生成し、次に重金属抽出コアにより沈殿物を濾過および回収し、最
終的に得られた溶液はクロム酸ナトリウム溶液であるステップと、を含む。
上記方法は、具体的に、以下の通りである。
S1:超音波前処理
浸出処理タンクに電気めっきスラッジおよび濃度30~50wt%の水酸化ナトリウム溶
液を加え、電気めっきスラッジと水酸化ナトリウムの固液比は3~10mL/gであり、
そしてメカニカルスターラー、超音波コンポネントを始動し、電気めっきスラッジを攪拌
しながら超音波処理を行い、処理温度は25~45℃で、処理時間は3~10分である。
S2:酸化処理
その後一定の割合で第1の処理装置に酸化剤溶液を加え、超音波作用下で反応を10~3
0分間継続し、酸化剤溶液と水酸化ナトリウム溶液の割合は1:2~20であり、
前記酸化剤溶液は濃度12~23wt%の次亜塩素酸ナトリウム、または濃度25.5~
36.5wt%の過酸化水素水である。
S3:スラッジと水の分離
吸引フィルターセパレーターを使用して超音波で浸出された電気めっきスラッジを分離し
、負圧コンポネントを始動し、第1のスラッジ遮断綱により電気めっきスラッジを遮断し
、回転式スラッジスイーパーによりスラッジを排出して、浸出液を得て複合抽出タンクに
輸送する。
S4:重金属抽出
まず複合抽出タンクに酸性液を加え、pH環境を5~6とし、温度は25~45℃で、攪
拌ドラムにより20~30分間攪拌し続け、沈殿物を生成し、抽水羽根の回転により沈殿
物を吸引濾過収集溝に堆積させ、収集した後、第1の掻取リングにより沈殿物を掃き取り
、得られた溶液はクロム酸ナトリウム溶液である。
【0010】
従来技術と比較すると、本発明は以下の有益な効果を有する。
本発明は、抽出率が高く、安定しており、異なる電気めっきスラッジを資源処理すること
ができる重金属抽出および回収技術を提供し、電気めっき企業の工業生産の要件を満たし
、本発明によって提供される抽出装置は、第1の処理装置により電気めっきスラッジを浸
出し、第2の処理装置により浸出液を処理して重金属を回収し、重金属抽出コアの設置に
より、浸出液の様々な処理を実現し、設置面積が小さく、回収効率が高く、操作しやすく
、安定した動作ができるなどの利点を有する。
本発明によって提供される抽出および回収方法は、電気めっきスラッジに水酸化ナトリウ
ムを加え超音波酸化条件下で電気めっきスラッジから重金属の沈殿物を抽出し、最終的に
クロム酸ナトリウム溶液を得、クロムを有意に回収し、抽出率が高く、反応効率が高いな
どの利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例1の全体構造の概略図である。
【
図2】本発明の実施例1のメカニカルスターラー、超音波コンポネントの構造概略図である。
【
図3】本発明の実施例1の吸引フィルターセパレーターの構造概略図である。
【
図4】本発明の実施例1の重金属抽出コアの構造概略図である。
【
図5】本発明の実施例1の抽水羽根の構造概略図である。
【
図6】本発明の実施例2の負圧コンポネントの構造概略図である。
【
図7】本発明の実施例3の回転式モータの構造概略図である。
【0012】
[符号の説明]
1 第1の処理装置
2 第2の処理装置
10 浸出処理タンク
11 スラッジ入口
12 溶液添加口
13 メカニカルスターラー
14 超音波コンポネント
15 吸引フィルターセパレーター
150 円筒形分離チャンバー
151 負圧コンポネント
152 第1のスラッジ遮断綱
153 バッフル
154 スラッジ排出口
155 円錐形接続管
156 負圧装置
157 第2のスラッジ遮断綱
158 回転式スラッジスイーパー
20 複合抽出タンク
21 攪拌ドラム
22 重金属抽出コア
220 取付ラック
221 濾過カートリッジ
222 第1の掻取リング
223 抽水羽根
224 液体排出口
225 吸引濾過収集溝
226 濾過膜
227 動力モジュール
23 電着溝
230 第2の掻取リング
231 電源装置
24 駆動コンポネント
25 回転式モータ
26 重金属収集管
27 液体入口
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施例1:
図1に示すように、電気めっきスラッジの重金属を抽出および回収するための抽出装置は
、電気めっきスラッジと重金属を分離するための第1の処理装置1、第1の処理装置1の
下に配置され重金属を階段的に抽出するための第2の処理装置2を含み、
図1および
図2に示すように、第1の処理装置1は浸出処理タンク10、浸出処理タンク
10の上端に設けられたスラッジ入口11、溶液添加口12、浸出処理タンク10内部に
配置されたメカニカルスターラー13、浸出処理タンク10内壁に環状に均一配置された
超音波コンポネント14、浸出処理タンク10下に配置された吸引フィルターセパレータ
ー15を含み、
第2の処理装置2は、吸引フィルターセパレーター15に接続された複合抽出タンク20
、複合抽出タンク20内部の側壁に配置された攪拌ドラム21、複合抽出タンク20内に
可動的に配置された濾過スクリーンピックアップコンポネントを含み、
浸出処理タンク10、複合抽出タンク20にそれぞれpH検出器、温度制御装置が設けら
れる。
複合抽出タンク20に液体入口27、液体排出口が設けられ、液体入口27、溶液添加口
12にそれぞれ流量計が設けられる。
ここで、流量計、pH検出器、温度制御装置、濾過スクリーンピックアップコンポネント
、攪拌ドラム21、負圧コンポネント151、吸引フィルターセパレーター15は、すべ
て従来技術の市販されている製品であり、当業者は必要に応じて具体的な製品モデルはを
選択すればよい。
本装置は、従来の吸引フィルターセパレーター15を使用して電気めっきスラッジと浸出
液を分離し、複合抽出タンク20内で通常の攪拌により重金属沈殿物を生成し、濾過スク
リーンピックアップコンポネントによってピックアップし、重金属沈殿物を分離する。
【0014】
実施例2:
実施例1とは以下の点で異なる。
図3に示すように、吸引フィルターセパレーター15は、浸出処理タンク10下に配置さ
れた円筒形分離チャンバー150、円筒形分離チャンバー150下に配置された負圧コン
ポネント151を含み、円筒形分離チャンバー150の下端と負圧コンポネント151の
接続部に第1のスラッジ遮断綱152が設けられ、円筒形分離チャンバー150の上端と
浸出処理タンク10の接続部にバッフル153が可動的に配置され、円筒形分離チャンバ
ー150内部に回転式スラッジスイーパー158が可動に取り付けられ、円筒形分離チャ
ンバー150の側壁にスラッジ排出口154が開設される。
図6に示すように、負圧コンポネント151は、一端が第1のスラッジ遮断綱152と連
通する円錐形接続管155、円錐形接続管155内部に設けられた負圧装置156、円錐
形接続管155の他端に設けられた第2のスラッジ遮断綱157を含む。
本装置は、負圧装置156により浸出液と電気めっきスラッジを分離し、回転式スラッジ
スイーパー158により第1のスラッジ遮断綱152で遮断されたスラッジをスラッジ排
出口154を介して高速に排出し、分離効率が高く、不純物の少ない浸出液を得ることが
できる。
【0015】
実施例3:
実施例1とは以下の点で異なる。
図1に示すように、第2の処理装置2は、負圧コンポネント151に接続された複合抽出
タンク20、複合抽出タンク20内部の側壁に配置された攪拌ドラム21、複合抽出タン
ク20中心に可動的に配置された重金属抽出コア22を含み、
図4および
図5に示すように、重金属抽出コア22は、複合抽出タンク20中心に設けら
れた取付ラック220、取付ラック220中心に設けられた濾過カートリッジ221、取
付ラック220上であって濾過カートリッジ221の両側に設けられた電着溝23、濾過
カートリッジ221内部の中心に設けられた抽水羽根223を含み、濾過カートリッジ2
21の上端に抽水羽根223と連通する液体排出口224が設けられ、濾過カートリッジ
221下に抽水羽根223を駆動するための動力モジュール227が設けられ、濾過カー
トリッジ221の側面に外側に開く吸引濾過収集溝225が均一に設けられ、吸引濾過収
集溝225上に濾過膜226が設けられ、濾過カートリッジ221に吸引濾過収集溝22
5に接続された第1の掻取リング222が可動に嵌設される。
図4に示すように、電着溝23上に第2の掻取リング230が摺動に嵌設され、複合抽出
タンク20の外部に電着溝23に接続された電源装置231が配置される。
図5に示すように、第1の掻取リング222、第2の掻取リング230間に、第1の掻取
リング222、第2の掻取リング230を上下に摺動させるように駆動するための駆動コ
ンポネント24が配置される。駆動コンポネント24はボールねじを採用する。
電着溝23の下端に重金属収集管26が接続される。
図7に示すように、複合抽出タンク20下に取付ラック220を回転させるように駆動す
るための回転式モータ25が配置される。
本装置は、PLCコントローラーにより制御を行う。
ここで、PLCコントローラー、回転式モータ25、ボールねじ、電源装置231、動力
モジュール227は、すべて市販されている製品であり、当業者は必要に応じて具体的な
製品モデルを選択すればよい。
本装置は、重金属抽出コア22により複合抽出タンク20内で吸引濾過、電着の2種類方
法で重金属沈殿物を抽出および収集することができる。
【0016】
実施例4:
図1に示すように、電気めっきスラッジの重金属を抽出および回収するための抽出装置は
、電気めっきスラッジと重金属を分離するための第1の処理装置1、第1の処理装置1下
に配置され重金属を階段的に抽出するための第2の処理装置2を含み、
図1および
図2に示すように、第1の処理装置1は、浸出処理タンク10、浸出処理タン
ク10の上端に設けられたスラッジ入口11、溶液添加口12、浸出処理タンク10内部
に配置されたメカニカルスターラー13、浸出処理タンク10内壁に均一に設けられた超
音波コンポネント14、浸出処理タンク10下に配置された吸引フィルターセパレーター
15を含み、
図3に示すように、吸引フィルターセパレーター15は、浸出処理タンク10下に設けら
れた円筒形分離チャンバー150、円筒形分離チャンバー150下に設けられた負圧コン
ポネント151を含み、円筒形分離チャンバー150の下端と負圧コンポネント151の
接続部に第1のスラッジ遮断綱152が設けられ、円筒形分離チャンバー150の上端と
浸出処理タンク10の接続部にバッフル153が可動的に配置され、円筒形分離チャンバ
ー150内部に回転式スラッジスイーパー158が可動に取り付けられ、円筒形分離チャ
ンバー150の側壁にスラッジ排出口154が開設され、
図1に示すように、第2の処理装置2は、負圧コンポネント151に接続された複合抽出
タンク20、複合抽出タンク20内部の側壁に設けられた攪拌ドラム21、複合抽出タン
ク20中心に可動的に配置された重金属抽出コア22を含み、
図4および
図5に示すように、重金属抽出コア22は、複合抽出タンク20の中心に設け
られた取付ラック220、取付ラック220中心に設けられた濾過カートリッジ221、
取付ラック220上であって濾過カートリッジ221の両側に設けられた電着溝23、濾
過カートリッジ221内部の中心に設けられた抽水羽根223を含み、濾過カートリッジ
221の上端に抽水羽根223と連通する液体排出口224が設けられ、濾過カートリッ
ジ221下に抽水羽根223を駆動するための動力モジュール227が設けられ、濾過カ
ートリッジ221の側面に外側に開く吸引濾過収集溝225が均一に設けられ、吸引濾過
収集溝225上に濾過膜226が設けられ、濾過カートリッジ221に吸引濾過収集溝2
25に接続された第1の掻取リング222が可動に嵌設される。
浸出処理タンク10、複合抽出タンク20にそれぞれpH検出器、温度制御装置が取り付
けられる。
図4に示すように、電着溝23に第2の掻取リング230が摺動に嵌設され、複合抽出タ
ンク20の外部に電着溝23に接続された電源装置231が設けられる。
図5に示すように、第1の掻取リング222、第2の掻取リング230間に第1の掻取リ
ング222、第2の掻取リング230を上下に摺動させるように駆動するための駆動コン
ポネント24が設けられる。
電着溝23の下端に重金属収集管26が接続される。
複合抽出タンク20に液体入口27、液体排出口が設けられ、液体入口27、溶液添加口
12にそれぞれ流量計が設けられる。
図6に示すように、負圧コンポネント151は、一端が第1のスラッジ遮断綱152と連
通する円錐形接続管155、円錐形接続管155内部に設けられた負圧装置156、円錐
形接続管155の他端に設けられた第2のスラッジ遮断綱157を含む。
図7に示すように、複合抽出タンク20下に取付ラック220を回転させるように駆動す
るための回転式モータ25が設けられる。
本装置は、PLCコントローラーにより制御を行う。
ここで、回転式モータ25、PLCコントローラー、流量計、駆動コンポネント24、p
H検出器、温度制御装置、動力モジュール227、超音波コンポネント14、メカニカル
スターラー13は、すべて市販されている製品であり、当業者は必要に応じて具体的な製
品モデルを選択すればよい。
【0017】
実施例5:
本実施例では、実施例1の抽出装置を応用して電気めっきスラッジの重金属を抽出および
回収する抽出方法を開示し、この方法は以下のステップを含む。
S1:超音波前処理
電気めっきスラッジと水酸化ナトリウム溶液を一定割合で混合し、抽出装置の浸出処理タ
ンク10内に置き、超音波コンポネント14、メカニカルスターラー13を始動し、6.
5分間超音波処理し、処理温度は60℃であり、電気めっきスラッジと水酸化ナトリウム
の固液比は11mL/gで、水酸化ナトリウム濃度は40%である。
S2:酸化処理
その後一定の割合で浸出処理タンク10内に酸化剤溶液を加え、超音波作用下で反応を2
0分間継続し、酸化剤溶液と水酸化ナトリウム溶液の割合は1:11であり、
前記酸化剤溶液は濃度18wt%の次亜塩素酸ナトリウムである。
S3:スラッジと水の分離
吸引フィルターセパレーター15を使用して電気めっきスラッジと浸出液を分離して、浸
出液を得る。
S4:重金属抽出
複合抽出タンク20内に酸性液を加え浸出液のpHを5.5に調節し、攪拌ドラム21に
より25分間攪拌し続け、沈殿物を生成し、沈殿が終了するまで静置し、濾過スクリーン
ピックアップコンポネントにより重金属沈殿物を収集し、重金属沈殿と浸出液を分離して
、重金属の抽出を完成させ、最終的に得られた溶液はクロム酸ナトリウム溶液である。
【0018】
実施例6:
本実施例では、実施例2の抽出装置を応用して電気めっきスラッジの重金属を抽出および
回収する抽出方法を開示し、この方法は以下のステップを含む。
S1:超音波浸出
電気めっきスラッジと水酸化ナトリウム溶液を一定割合で混合し、抽出装置の浸出処理タ
ンク10内に置き、超音波コンポネント14、メカニカルスターラー13を始動し、6.
5分間超音波処理し、処理温度は60℃であり、電気めっきスラッジと水酸化ナトリウム
の固液比は11mL/gで、水酸化ナトリウム濃度は40%である。
S2:酸化処理
その後一定の割合で浸出処理タンク10内に酸化剤溶液を加え、超音波作用下で反応を2
0分間継続し、酸化剤溶液と水酸化ナトリウム溶液の割合は1:11であり、
前記酸化剤溶液は濃度18wt%の次亜塩素酸ナトリウムである。
S3:スラッジと水の分離
吸引フィルターセパレーター15を使用して超音波で酸性液浸出された電気めっきスラッ
ジを分離し、負圧コンポネント151を始動し、第1のスラッジ遮断綱152により電気
めっきスラッジを遮断し、回転式スラッジスイーパー158の回転により電気めっきスラ
ッジをスラッジ排出口154を介して排出させ、第2のスラッジ遮断綱157により浸出
液を再び濾過した後浸出液を複合抽出タンク20に輸送する。
S4:重金属抽出
複合抽出タンク20内に酸性液を加え浸出液のpHを5.5に調節し、攪拌ドラム21に
より25分間攪拌し続け、沈殿物を生成し、沈殿が終了するまで静置し、濾過スクリーン
ピックアップコンポネントにより重金属沈殿物を収集し、重金属沈殿と浸出液を分離して
、重金属の抽出を完成させ、最終的に得られた溶液はクロム酸ナトリウム溶液である。
【0019】
実施例7:
本実施例では、実施例3の抽出装置を応用して電気めっきスラッジの重金属を抽出および
回収する抽出方法を開示し、この方法は以下のステップを含む。
S1:超音波浸出
電気めっきスラッジと水酸化ナトリウム溶液を一定割合で混合し、抽出装置の浸出処理タ
ンク10内に置き、超音波コンポネント14、メカニカルスターラー13を始動し、6.
5分間超音波処理し、処理温度は60℃であり、電気めっきスラッジと水酸化ナトリウム
の固液比は11mL/gで、水酸化ナトリウム濃度は40%である。
S2:酸化処理
その後一定の割合で浸出処理タンク10内に酸化剤溶液を加え、超音波作用下で反応を2
0分間継続し、酸化剤溶液と水酸化ナトリウム溶液の割合は1:11であり、
前記酸化剤溶液は濃度18wt%の次亜塩素酸ナトリウムである。
S3:スラッジと水の分離
吸引フィルターセパレーター15を使用して電気めっきスラッジと浸出液を分離して、浸
出液を得る。
S4:重金属抽出
複合抽出タンク20内に酸性液を加え浸出液のpHを5.5に調節し、攪拌ドラム21に
より25分間攪拌し続け、沈殿物を生成し、抽水羽根223の回転により沈殿物を吸引濾
過収集溝225内に堆積させ、収集した後、第1の掻取リング222により沈殿物を掃き
取る。
そして、複合抽出タンク20内の液体を超臨界状態になるまで加熱し、電着溝23に電源
を投入し、40分間処理した後、第2の掻取リング230により堆積物を掃き取り、重金
属の抽出を完成させる。
【0020】
実施例8:
本実施例では、実施例4の抽出装置を応用して電気めっきスラッジの重金属を抽出および
回収する抽出方法を開示し、以下のステップを含む。
S1:超音波前処理
浸出処理タンク10内に電気めっきスラッジおよび濃度40wt%の水酸化ナトリウム溶
液を加え、電気めっきスラッジと水酸化ナトリウムの固液比は11mL/gであり、そし
てメカニカルスターラー13、超音波コンポネント14を始動し、電気めっきスラッジを
攪拌しながら超音波処理を行い、処理温度は60℃で、処理時間は6.5分である。
S2:酸化処理
その後一定の割合で浸出処理タンク10内に酸化剤溶液を加え、超音波作用下で反応を2
0分間継続し、酸化剤溶液と水酸化ナトリウム溶液の割合は1:11であり、
前記酸化剤溶液は濃度18wt%の次亜塩素酸ナトリウムである。
S3:スラッジと水の分離
吸引フィルターセパレーター15を使用して超音波で酸性液浸出された電気めっきスラッ
ジを分離し、負圧コンポネント151を始動し、第1のスラッジ遮断綱152により電気
めっきスラッジを遮断し、回転式スラッジスイーパー158によりスラッジを排出し、浸
出液を得て複合抽出タンク20に輸送する。
S4:重金属抽出
まず複合抽出タンク20内に酸性液を加えpH環境を5.5とし、温度は35℃であり、
攪拌ドラム21により25分間攪拌し続け、沈殿物を生成し、抽水羽根223の回転によ
り沈殿物を吸引濾過収集溝225内に堆積させ、収集した後、第1の掻取リング222に
より沈殿物を掃き取り、得られた溶液はクロム酸ナトリウム溶液である。
【0021】
実施例9:
実施例8とは以下の点で異なる。
電気めっきスラッジの重金属を抽出および回収するための抽出方法は、以下のステップを
含む。
S1:超音波前処理
浸出処理タンク10内に電気めっきスラッジおよび濃度5wt%の水酸化ナトリウム溶液
を加え、電気めっきスラッジと水酸化ナトリウムの固液比は2mL/gであり、そしてメ
カニカルスターラー13、超音波コンポネント14を始動し、電気めっきスラッジを攪拌
しながら超音波処理を行い、処理温度は20℃で、処理時間は3分である。
S2:酸化処理
その後一定の割合で浸出処理タンク10内に酸化剤溶液を加え、超音波作用下で反応を1
0分間継続し、酸化剤溶液と水酸化ナトリウム溶液の割合は1:2であり、
前記酸化剤溶液は濃度12wt%の次亜塩素酸ナトリウムである。
S3:スラッジと水の分離
吸引フィルターセパレーター15を使用して超音波で酸性液浸出された電気めっきスラッ
ジを分離し、負圧コンポネント151を始動し、第1のスラッジ遮断綱152により電気
めっきスラッジを遮断し、回転式スラッジスイーパー158によりスラッジを排出し、浸
出液を得て複合抽出タンク20に輸送する。
S4:重金属抽出
まず複合抽出タンク20内に酸性液を加え、pH環境を5とし、温度は25℃で、攪拌ド
ラム21により20分間攪拌し続け、沈殿物を生成し、抽水羽根223の回転により沈殿
物を吸引濾過収集溝225内に堆積させ、収集した後、第1の掻取リング222により沈
殿物を掃き取り、得られた溶液はクロム酸ナトリウム溶液である。
【0022】
実施例10:
実施例8とは以下の点で異なる。
S1:超音波前処理
浸出処理タンク10内に電気めっきスラッジおよび濃度50wt%の水酸化ナトリウム溶
液を加え、電気めっきスラッジと水酸化ナトリウムの固液比は20mL/gであり、そし
てメカニカルスターラー13、超音波コンポネント14を始動し、電気めっきスラッジを
攪拌しながら超音波処理を行い、処理温度は100℃で、処理時間は10分である。
S2:酸化処理
その後一定の割合で浸出処理タンク10内に酸化剤溶液を加え、超音波作用下で反応を1
0分間継続し、酸化剤溶液と水酸化ナトリウム溶液の割合は1:20であり、
前記酸化剤溶液は濃度23wt%の次亜塩素酸ナトリウムである。
S3:スラッジと水の分離
吸引フィルターセパレーター15を使用して超音波で酸性液浸出された電気めっきスラッ
ジを分離し、負圧コンポネント151を始動し、第1のスラッジ遮断綱152により電気
めっきスラッジを遮断し、回転式スラッジスイーパー158によりスラッジを排出し、浸
出液を得て複合抽出タンク20に輸送する。
S4:重金属抽出
まず複合抽出タンク20内に酸性液を加え、pH環境を6とし、温度は45℃で、攪拌ド
ラム21により30分間攪拌し続け、沈殿物を生成し、抽水羽根223の回転により沈殿
物を吸引濾過収集溝225内に堆積させ、収集した後、第1の掻取リング222により沈
殿物を掃き取り、得られた溶液はクロム酸ナトリウム溶液である。
試験例:
上記の実施例5~10の方法を使用して電気めっきスラッジを処理し、従来技術(出願番
号CN202011614333.5の中国発明特許)を対照組として使用し、電気めっ
きスラッジ中のクロムの含有量は15650mg/kgで、亜鉛の含有量は5686mg
/kgであり、
処理後の重金属回収率を測定して、表1のように以下のデータを得る。
表1:実施例5~10の方法で電気めっきスラッジを処理する場合の重金属回収率
【0023】
【0024】
(1)実験により得られた上記の表1から分かるように、本発明によって提供される処理
技術は、電気めっきスラッジ中の重金属を高効率に回収でき、従来装置および処理方法と
比較すると、本発明は、複数種類の重金属の回収率は従来技術よりも高く、複数種類の重
金属の抽出率を向上させ、全体的な効果において従来技術を大幅に向上および改善でき、
電気めっきスラッジ企業の生産要件を満たし、生産効率を向上させる。
(2)実施例6と実施例5を比較して分かるように、反応時間、温度およびpHが同じで
ある場合、実施例6は実施例5よりも重金属の抽出品質をさらに改善でき、実施例6では
実施例2の装置を使用し、本発明によって設計された吸引フィルターセパレーターを使用
して、電気めっきスラッジと浸出液を高効率に分離し、浸出液とスラッジを徹底的に分離
でき、浸出液を複数回濾過することで高い純度の浸出液を得、重金属の抽出品質を向上さ
せることができる。
(3)実施例7と実施例5を比較して分かるように、反応時間、温度およびpHが同じで
ある場合、実施例7は実施例5よりも重金属の抽出品質をさらに改善でき、実施例7では
実施例3の装置を使用し、複合抽出タンク内に重金属抽出コアを設け、この装置により浸
出液を吸引濾過、電着という2種類の方法で処理し、吸引濾過により錯化反応によって生
成した重金属沈殿物を収集し、超臨界状態での電着により浸出液内の残りの重金属を収集
し、重金属の抽出品質をさらに向上させる。
(4)実施例8と実施例5~7を比較して分かるように、反応時間、温度およびpHが同
じである場合、実施例8は重金属の抽出率を顕著に向上させ、吸引フィルターセパレータ
ー、重金属抽出コアの設置により、電気めっきスラッジ中の重金属を高効率に抽出するこ
とができる。
(5)実施例8と実施例9~10を比較して分かるように、反応時間、温度およびpHな
どの環境が変更される場合、実施例8の複数種類の重金属の抽出率は実施例9および実施
例10よりも高い。
以上のように、実施例8で提供される処理方法は、本発明で開示される最良の技術的解決
策であり、クロムの回収率が95.2%に達し、亜鉛の回収率が93.5%に達すること
ができる。
【要約】 (修正有)
【課題】電気めっきスラッジの重金属を抽出および回収するための抽出装置および回収するための方法を提供する。
【解決手段】抽出装置は、第1の処理装置1、第2の処理装置2を含み、第1の処理装置は、浸出処理タンク10、メカニカルスターラー、超音波コンポネント、吸引フィルターセパレーターを含み、第2の処理装置は、複合抽出タンク20、攪拌ドラム21、重金属抽出コア22を含み、上記の抽出方法は、電気めっきスラッジと水酸化ナトリウム溶液を混合し、超音波で処理して酸化剤溶液を加え、超音波作用下で反応を継続し、吸引フィルターセパレーターにより電気めっきスラッジを浸出液から分離し、重金属抽出コアにより沈殿物を濾過および回収し、得られた溶液はクロム酸ナトリウム溶液であり、本発明は、抽出率が高く、安定しており、設置面積が小さく、スラッジ処理効率が高く、電気めっき企業の工業化生産の要件を満たすことができる。
【選択図】
図1