(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/56 20140101AFI20220523BHJP
G06T 13/80 20110101ALI20220523BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20220523BHJP
A63F 13/65 20140101ALI20220523BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20220523BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20220523BHJP
【FI】
A63F13/56
G06T13/80 B
A63F13/58
A63F13/65
A63F13/69
A63F13/30
(21)【出願番号】P 2017182975
(22)【出願日】2017-09-22
【審査請求日】2020-09-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100080953
【氏名又は名称】田中 克郎
(72)【発明者】
【氏名】中島 章悟
(72)【発明者】
【氏名】岡林 芳弘
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特許第4922461(JP,B1)
【文献】特開2001-022264(JP,A)
【文献】特開2006-198134(JP,A)
【文献】特開2006-198156(JP,A)
【文献】特開2005-040635(JP,A)
【文献】特開2010-200830(JP,A)
【文献】特開2013-150768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
G06T 13/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキャラクタが順位を競う競技をシミュレーションするプログラムであって、
コンピュータを、
前記複数のキャラクタの各々の優劣を示すパラメータと、前記競技において前記複数のキャラクタの勝敗順位を
ユーザが指定
する順位指定情報とを取得する取得手段と、
前記順位指定情報において勝敗順位が指定されていない場合、前記パラメータに基づいて前記競技におけるシミュレーション動画を生成して出力し、前記順位指定情報において勝敗順位が指定されている場合、前記パラメータと前記順位指定情報とに基づいて、前記複数のキャラクタの勝敗順位が前記順位指定情報で指定される勝敗順位になるように前記競技におけるシミュレーション動画を生成して出力する出力手段と、
して機能させるプログラム。
【請求項2】
複数のキャラクタが順位を競う競技をシミュレーションするプログラムであって、
コンピュータを、
前記複数のキャラクタの各々の優劣を示すパラメータと、前記競技において前記複数のキャラクタの勝敗順位を指定可能な順位指定情報とを取得する取得手段と、
前記順位指定情報において勝敗順位が指定されていない場合、前記パラメータに基づいて前記競技におけるシミュレーション動画を生成して出力し、前記順位指定情報において勝敗順位が指定されている場合、前記パラメータと前記順位指定情報とに基づいて、前記複数のキャラクタの勝敗順位が前記順位指定情報で指定される勝敗順位になるように前記競技におけるシミュレーション動画を生成して出力する出力手段と、
前記競技が現実に行われた際の現実の勝敗順位と前記シミュレーション動画における勝敗順位とを比較し、前記現実の勝敗順位と前記シミュレーション動画における勝敗順位との一致度合いに基づいて報酬を決定する報酬付与手段と、
して機能させるプログラム。
【請求項3】
前記パラメータは、前記複数のキャラクタの各々に対して個別に設定される個別パラメータと、前記複数のキャラクタの各々に対して共通に設定される共通パラメータとを含み、
前記出力手段は、前記個別パラメータと前記共通パラメータとに基づいて前記シミュレーション動画を生成する、
請求項1
又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記出力手段は、前記シミュレーション動画に対応付けて、前記シミュレーション動画の生成に使用した前記パラメータを出力し、更に、
前記コンピュータを、
前記シミュレーション動画と、前記シミュレーション動画の生成に使用した前記パラメータとを他のコンピュータに送信する通信手段、
として機能させる、請求項1
乃至3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
複数のキャラクタが順位を競う競技をシミュレーションする情報処理装置であって、
前記複数のキャラクタの各々の優劣を示すパラメータと、前記競技において前記複数のキャラクタの勝敗順位を
ユーザが指定
する順位指定情報とを取得する取得部と、
前記順位指定情報において勝敗順位が指定されていない場合、前記パラメータに基づいて前記競技におけるシミュレーション動画を生成して出力し、前記順位指定情報において勝敗順位が指定されている場合、前記パラメータと前記順位指定情報とに基づいて、前記複数のキャラクタの勝敗順位が前記順位指定情報で指定される勝敗順位になるように前記競技におけるシミュレーション動画を生成して出力する出力部と、
を有する情報処理装置。
【請求項6】
複数のキャラクタが順位を競う競技をシミュレーションする情報処理装置であって、
前記複数のキャラクタの各々の優劣を示すパラメータと、前記競技において前記複数のキャラクタの勝敗順位を指定可能な順位指定情報とを取得する取得部と、
前記順位指定情報において勝敗順位が指定されていない場合、前記パラメータに基づいて前記競技におけるシミュレーション動画を生成して出力し、前記順位指定情報において勝敗順位が指定されている場合、前記パラメータと前記順位指定情報とに基づいて、前記複数のキャラクタの勝敗順位が前記順位指定情報で指定される勝敗順位になるように前記競技におけるシミュレーション動画を生成して出力する出力部と、
前記競技が現実に行われた際の現実の勝敗順位と前記シミュレーション動画における勝敗順位とを比較し、前記現実の勝敗順位と前記シミュレーション動画における勝敗順位との一致度合いに基づいて報酬を決定する報酬付与手段と、
を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、競馬、サッカー及び野球等、さまざまな競技に関するシミュレーションゲームが提供されている。例えば特許文献1には、レース中の音声実況を行うことが可能な競馬シミュレーションゲームが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シミュレーションゲームの中には、競技を行うキャラクタのパラメータ及び名称等を任意に指定することができるゲームが存在する。このようなゲームを利用することで、ユーザは、現実世界における競技をシミュレーションしたような動画を作成して楽しむといったことが可能である。例えば競馬シミュレーションゲームでは、実際の馬の名前や馬の特徴(脚質、能力等)を設定することで、現実世界における競馬レースをシミュレーションしたような動画を作成することができる。
【0005】
しかしながら、従来のシミュレーションゲームでは、ユーザが思い描いた通りのシミュレーション結果を生成することは困難であった。例えば、競馬シミュレーションゲームの場合、様々なパラメータや乱数によって各馬の着順が決定されることから、ユーザが希望する順位にすることは困難であった。そこで、もしユーザが希望する順位になるようなシミュレーション動画を容易に作成することができれば、ユーザは、他のユーザに対して、自身の着順予想に基づいて作成したシミュレーション動画を公開するといったことを容易に行うことができ、新たなユーザ体験の創造につながると考えられる。
【0006】
そこで、本発明は、複数のキャラクタが順位を競う競技をシミュレーションする際に、ユーザが思い描いた通りのシミュレーション結果を容易に生成することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、複数のキャラクタが順位を競う競技をシミュレーションするプログラムであって、コンピュータを、複数のキャラクタの各々の優劣を示すパラメータと、競技において複数のキャラクタの勝敗順位を指定可能な順位指定情報とを取得する取得手段と、順位指定情報において勝敗順位が指定されていない場合、パラメータに基づいて競技におけるシミュレーション動画を生成して出力し、順位指定情報において勝敗順位が指定されている場合、パラメータと順位指定情報とに基づいて、複数のキャラクタの勝敗順位が順位指定情報で指定される勝敗順位になるように競技におけるシミュレーション動画を生成して出力する出力手段と、して機能させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数のキャラクタが順位を競う競技をシミュレーションする際に、ユーザが思い描いた通りのシミュレーション結果を容易に生成することが可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係るシミュレーションシステム1のシステム構成例を示す図である。
【
図7】競技のシミュレーションを行う際の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】シミュレーション動画の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0011】
<全体構成>
図1は、実施形態に係るシミュレーションシステム1のシステム構成例を示す図である。
図1に示すシミュレーションシステム1は、端末10とサーバ20とを有する。端末10及びサーバ20は、インターネット、イントラネット、無線LAN、移動通信等の通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。本実施形態では、端末10及びサーバ20をまとめて情報処理装置と称してもよいし、端末10のみを情報処理装置と称してもよい。
【0012】
シミュレーションシステム1は、複数のキャラクタが順位を競う競技をシミュレーションするシミュレーター(以下「競技シミュレーター」と言う。)を提供する。本競技シミュレーターは、シミュレーションゲームの中に組み込まれてユーザに提供されてもよいし、単体でユーザに提供されてもよい。
【0013】
端末10は、ユーザが操作する端末である。ユーザは、端末10を操作することで、競技シミュレーターを実行することができる。端末10は、例えば、携帯電話(スマートフォンを含む)、タブレット、パーソナルコンピュータ、アーケードゲーム装置、又は、コンシューマゲーム装置等のコンピュータである。
【0014】
サーバ20は、例えば、競技シミュレーターを実行するための各種情報を管理したり、競技シミュレーターが行う処理の一部を実行したりする等、端末10が競技シミュレーターを提供する上でその一部の機能を担う装置である。また、サーバ20は、シミュレーション対象の競技について、実際に行われる競技に関する各種情報を運営者が入力するためにも使用される。
【0015】
<競技シミュレーターの概要>
本競技シミュレーターが対象とする「競技」は、複数のキャラクタが順位を競う競技であればどのような競技でもよく、例えば、競馬、陸上競技、野球、野球におけるペナントレース、eスポーツ(エレクトリックスポーツ)などである。「競技」には、いわゆるスポーツに限定されず、例えばゲーム等のように所定のルールに基づく活動も含む。
【0016】
本競技シミュレーターは、ユーザにより設定された、キャラクタごとの優劣を示す1又は複数のパラメータに基づいて競技のシミュレーションを行うと共に、競技開始から終了までの一連のシミュレーション結果をシミュレーション動画として出力する機能を有している。ユーザは、パラメータの指定からシミュレーション動画の出力を繰り返し試行することで、ユーザが所望のシミュレーション動画を作成することができる。キャラクタごとの優劣を示すパラメータには、複数のキャラクタの各々に対して個別に設定されるパラメータ(以下「個別パラメータ」と言う。)と、複数のキャラクタの各々に対して共通に設定されるパラメータ(以下「共通パラメータ」と言う。)とが含まれる。なお、キャラクタごとの優劣を示すパラメータはユーザによる設定のほか、シミュレーションシステム1の管理者等によって、初期設定値が設定されていてもよい。
【0017】
競技開始から終了までの競技進行は、個別パラメータ及び/又は共通パラメータに基づいて決定される。例えば競馬を例に説明すると、馬ごとの脚質(逃げ馬なのか差し馬なのか等)、馬ごとの馬場状態への適性、そのレースにおける馬場状態(良、不良等)等のパラメータに応じてレース展開及び順位が決定され、決定されたレース展開及び順位に基づいてシミュレーション動画が出力される。なお、本競技シミュレーターは、同一のパラメータ設定がなされれば同一のレース展開及び順位になるようにシミュレーションを行うようにしてもよい。すなわち、一般的なゲームのように、パラメータに乱数を加えることで結果が毎回異なるようにするのではなく、乱数の要素を排除することで、結果が毎回同一になるようにしてもよい。
【0018】
また、本競技シミュレーターは、ユーザが、複数のキャラクタの勝敗順位を指定することが可能である。例えば競馬を例に説明すると、ユーザは、シミュレーションを行う際に、予め1番レーンの馬が1着になり、6番レーンの馬が2着になり、3番レーンの馬が3着になるといったように勝敗順位を指定することができる。勝敗順位が指定された場合、シミュレーションシステム1は、複数のキャラクタの勝敗順位が指定された勝敗順位になるようにシミュレーションを行う。
【0019】
<ハードウェア構成>
図2は、端末10のハードウェア構成例を示す図である。CPU(Central Processing Unit)11、メモリ等の記憶装置12、有線又は無線通信を行う通信IF(Interface)13、入力操作を受け付ける入力デバイス14、及び情報の出力を行う出力デバイス15を有する。後述する機能ブロック構成にて説明する各機能部は、記憶装置12に記憶されたプログラムがCPU11に実行させる処理により実現することができる。なお、当該プログラムは、例えば非一時的な記録媒体に格納することができる。
【0020】
<機能ブロック構成>
図3は、端末10の機能ブロック構成例を示す図である。端末10は、受付部101と、取得部102と、出力部103と、報酬付与部104と、通信部105と、記憶部106とを有する。記憶部106には、個別パラメータ及び共通パラメータを格納するパラメータ設定情報と、競技において複数のキャラクタの勝敗順位を格納する順位指定情報とが記憶される。
【0021】
受付部101は、ユーザ又はシミュレーションシステム1の管理者等から、複数のキャラクタの各々の優劣を示すパラメータ(より詳細には個別パラメータ及び共通パラメータであり、以下の説明でも同様)の入力を受け付けてパラメータ設定情報に格納する。また、受付部101は、ユーザから、複数のキャラクタの勝敗順位の指定を受け付けて順位指定情報に格納する。
【0022】
取得部102は、パラメータ設定情報に格納されたパラメータと順位指定情報に格納された勝敗順位とを取得する機能を有する。
【0023】
出力部103は、パラメータに基づいて、シミュレーション動画を生成して出力する機能を有する。より具体的には、出力部103は、順位指定情報において勝敗順位が指定されていない場合、パラメータに基づいて競技におけるシミュレーション動画を生成して出力し、順位指定情報において勝敗順位が指定されている場合、パラメータと順位指定情報とに基づいて、複数のキャラクタの勝敗順位が順位指定情報で指定される勝敗順位になるように競技におけるシミュレーション動画を生成して出力する。出力部103は、シミュレーション動画に加えて、シミュレーション動画の生成に使用したパラメータも一緒に出力するようにしてもよい。
【0024】
報酬付与部104は、競技が現実に行われた際の現実の勝敗順位とシミュレーション動画における勝敗順位とを比較し、現実の勝敗順位とシミュレーション動画における勝敗順位との一致度合いに基づいて、ユーザに与える報酬を決定する機能を有する。
【0025】
通信部105は、サーバ20や他のユーザの端末10との間でデータの送受信を行う機能を有する。例えば、通信部105は、出力部103が出力したシミュレーション動画とシミュレーション動画の生成に使用したパラメータを、通信ネットワークNを介して他のユーザの端末10の通信部105に送信する。
【0026】
<処理手順>
続いて、実施形態に係るシミュレーションシステム1がシミュレーション動画を出力する際の処理手順について具体的に説明する。以下の説明では、シミュレーションシステム1が競馬のシミュレーションを行う前提で説明するが、本実施形態が競馬のシミュレーションに限定されることを意図しているのではない。
【0027】
まず、端末10の受付部101は、個別パラメータ及び共通パラメータの入力を受け付け、パラメータ設定情報に格納する。
図4に個別パラメータの一例を示す。
図4のうち「パラメータ」カラムは個々のパラメータのパラメータ名を意味しており、「ステータス」カラムは個々のパラメータに設定可能な値を示している。「パドック」は、パドックにおける馬の状態を示しており、馬の状態が良い順にA、B、Cのいずれかを設定可能である。「馬体重」は馬の体重を示している。「調教」は、調教の結果を示しており、調教時における馬の状態が良い順にA、B、Cのいずれかを設定可能である。「コース適正」は、馬が、対象レース(シミュレーションを行うレース)のコースに適しているか否かを示しており、適している順にA、B、Cのいずれかを設定可能である。「道悪適性」は、馬場状態が“稍重”又は“不良”である場合に能力を発揮できるか否かを示しており、発揮できる場合はA、変化がない場合はB、発揮できない場合はCを設定する。
【0028】
「脚質」は、馬が得意とする走り方を示している。「スタート」は、レース開始時に強制的に出遅れさせるか否かを示しており、出遅れさせない場合は“成功”を設定し、出遅れるか否かをランダムに決定する場合は“設定なし”を設定し、必ず出遅れさせる場合は“出遅れ”を設定する。「仕掛け」は、レース中の勝負どころでラストスパートを仕掛けるタイミングを示している。「末脚タイプ」は、ゴール前での馬の伸び脚を示しており、“持続”はゴール前で粘りを見せる(他の馬についていく)場合は“持続”を設定し、ゴール直前で加速する(他の馬より前に出る)場合は“瞬発力”を設定し、どちらでもない場合は“普通”を設定する。
【0029】
「馬名」は馬の名前を示す。「馬番(ゲート番号)」は、馬番号を示す。「基本能力値」は、馬の基本的な能力の大きさを示す。「騎手名」は、騎乗する騎手の名前を示す。「my補正」は、基本能力値をユーザが補正する際の補正量を示す。
【0030】
図5に共通パラメータの一例を示す。
図5のうち「パラメータ」カラムは個々のパラメータのパラメータ名を意味しており、「ステータス」カラムは個々のパラメータに設定可能な値を示している。「天候」は、レースが行われる際の天候を示している。「馬場状態」は、コースの地面における含水率を示している。「ペース」は、レースがハイペースで行われるのか、ミドルペースで行われるのか、スローペースで行われるのかを示す。「傾向1」は、レースが先行馬有利な展開になるのか、指し馬有利な展開になるのか、又はどちらでもないのかを示す。「傾向2」は、コースの内側を走る馬が有利な展開になるのか、外側を走る馬が有利な展開になるのか、又はどちらでもないのかを示す。
【0031】
本実施形態では、個別パラメータのうち「馬名」、「馬番(ゲート番号)」、「基本能力値」及び「騎手名」については、予めシミュレーションシステム1の管理者が実際のレースに合わせて入力しておき、これら以外の個別パラメータ及び全ての共通パラメータについてはユーザが任意に入力可能であることを想定している。しかしながら、必ずしもこれに限定されるものではない。全ての個別パラメータ及び共通パラメータをユーザが任意に入力可能としてもよい。
【0032】
続いて、端末10の受付部101は、ユーザが希望する場合、出走馬の勝敗順位の指定を受け付けて順位指定情報に格納する。
図6は、勝敗順位を指定する画面の一例である。二重丸、一重丸、黒三角は、ユーザがそれぞれ任意の馬1頭に対して設定可能であり、白三角は任意の馬3頭に対して指定可能なパラメータである。二重丸は1着の馬を意味しており、一重丸は2着の馬を意味しており、黒三角は3着の馬を意味している。白三角は4~6着の馬を意味している。
図6の画面例では4~6着の中での着順を具体的に指定することができないが、これに限定されず、具体的に指定可能なユーザインタフェースとしてもよい。また、7着以降の馬についても具体的に着順を指定可能なユーザインタフェースとしてもよい。なお、
図6の画面例では、勝敗順位を指定するのではなく“予想する”と表示されているが、これは、本競技シミュレーターでは、競技の勝敗についてユーザ自身の予想結果を反映させたシミュレーション動画を作成することを目的の一つとしているため、あえて“予想する”という表現を用いている。
【0033】
続いて、端末10の受付部101は、ユーザから、シミュレーション開始の指示を受け付ける。
図7は、競技のシミュレーションを行う際の処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、取得部102は、パラメータ設定情報を参照し、個別パラメータ及び共通パラメータを取得する(S101)。続いて、取得部102は、順位指定情報に勝敗順位が指定されているか否かを判定する(S102)。勝敗順位が指定されていない場合はステップS103に進み、指定されている場合はステップS104に進む。
【0034】
勝敗順位が指定されていない場合、出力部103は、取得部102で取得された個別パラメータ及び共通パラメータに従ってシミュレーションを行い、シミュレーションした結果をシミュレーション動画として端末10の画面又は動画ファイルとして出力する(S103)。出力部103は、シミュレーションを行う際、例えば、個別パラメータ及び共通パラメータに含まれる「基本能力値」、「調教」、「馬体重」、「コース特性」、「my補正」、「道悪適性」、「天候」、「馬場状態」等に基づいて各馬の着順を決定し、「脚質」、「仕掛け」、「ペース」、「傾向1」、「傾向2」等に基づいてレース展開を決定するようにしてもよい。
【0035】
勝敗順位が指定されている場合、出力部103は、取得部102で取得された個別パラメータ、共通パラメータ及び勝敗順位に基づいて、各馬が指定された勝敗順位の順にゴールするようにシミュレーションを行い、シミュレーションした結果をシミュレーション動画として端末10の画面又は動画ファイルとして出力する(S104)。出力部103は、シミュレーションを行う際、例えば、最初に勝敗順位に従って各馬の着順を決定すると共に、勝敗順位が指定されていない馬については個別パラメータ及び共通パラメータに含まれる各馬の「基本能力値」、「調教」、「馬体重」、「コース特性」、「my補正」、「道悪適性」、「天候」、「馬場状態」等に基づいて各馬の着順を決定するようにしてもよい。また、出力部103は、各馬の「脚質」、「仕掛け」、「ペース」、「傾向1」、「傾向2」等に基づいてレース展開を決定するようにしてもよい。出力部103は、シミュレーションした結果をシミュレーション動画として端末10の画面又は動画ファイルとして出力する。
【0036】
ステップS103及びステップS104において、出力部103は、シミュレーション動画を出力する際、シミュレーション動画と共にシミュレーションに用いた個別パラメータ及び共通パラメータも一緒に出力(順位が指定されている場合は順位指定情報も出力)するようにしてもよい。これにより、ユーザは、シミュレーション動画とシミュレーション動画の生成に用いたパラメータの両方を他のユーザに共有することが可能になる。また、他のユーザは、共有されたパラメータを再利用することで、シミュレーション動画の再現やシミュレーション動画のカスタマイズ(順位の変更等)を容易に行うことが可能になる。また、通信部105は、出力部103が出力したシミュレーション動画とシミュレーション動画の生成に使用した個別パラメータ及び共通パラメータを他のユーザの端末10に送信するようにしてもよい。他のユーザは、受け取ったシミュレーション動画を閲覧した上で、シミュレーション動画の生成に使用したパラメータを調整することで新たなシミュレーション動画の生成ができ、これにより、新たなユーザ体験を創造することが可能になる。
【0037】
また、勝敗順位が指定されている場合、順位指定情報だけではなく、更に、ユーザが指定したパラメータも用いることで、順位だけではなく、ユーザが所望の勝ち方をシミュレーション動画で演出することができる。例えば、1番レーンの馬のパラメータと6番レーンの馬のパラメータが拮抗している場合には、1番レーンの馬が1着になり、6番レーンの馬が「僅かな差で」2着になるシミュレーション動画を生成することができる。また、1番レーンの馬のパラメータと6番レーンの馬のパラメータが離れている場合には、2着の6番レーンの馬を「非常に大きな差で離して」1番レーンの馬が1着になるシミュレーション動画を生成することができる。
【0038】
図8は、シミュレーション動画の一例を示す図である。
図8に示すように、実施形態に係るシミュレーションシステム1は、実際にレースが行われているかのようなシミュレーション動画を出力することができる。また、ユーザは、勝敗順位を指定することで、自身の予想結果を反映させた臨場感のあるシミュレーション動画を他のユーザに共有することが可能になる。
【0039】
<報酬の付与>
本実施形態では、ユーザは、実際の競馬のレースが行われる前までに各自でシミュレーションを行っておき、実際に現実世界でのレースが行われて各馬の勝敗順位が確定した後、本シミュレーションシステム1の運営者が、確定した勝敗順位をサーバ20に入力することとしてもよい。報酬付与部104は、運営者により入力された現実の勝敗順位と、シミュレーション動画における勝敗順位とを比較し、現実の勝敗順位とシミュレーション動画における勝敗順位との一致度合いに基づいて、例えばシミュレーション動画を作成したユーザに与える報酬を決定する。勝敗順位の一致度合いの判定は、全ての馬を対象としてもよいし、一部の馬(例えば1~5着まで等)に限定するようにしてもよい。報酬は、シミュレーションゲームの中で用いることが可能なポイント等であってもよい。
【0040】
<まとめ>
以上説明した実施形態によれば、ユーザは、複数のキャラクタが順位を競う競技をシミュレーションするシミュレーション動画を作成する際に、勝敗を容易に指定することができる。これにより、ユーザは、競技の勝敗についてユーザ自身の予想結果を反映させたシミュレーション動画を容易に作成して他のユーザに向けて公開し、公開したシミュレーション動画が他のユーザの共感を得られることで更に拡散していくといった新たなユーザ体験を創造することが可能になる。また、本競技シミュレーターをシミュレーションゲームに組み込むことで、シミュレーションゲーム自体の興趣性を高めることも可能になる。
【0041】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0042】
10…端末、11…CPU、12…記憶装置、13…通信IF、14…入力デバイス、15…出力デバイス、20…サーバ、101…受付部、102…取得部、103…出力部、104…報酬付与部、105…記憶部