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特許7076739低温ガラスソルダプリフォームの焼結・製造方法及びそのガラスソルダプリフォームの使用方法
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  • 特許-低温ガラスソルダプリフォームの焼結・製造方法及びそのガラスソルダプリフォームの使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】低温ガラスソルダプリフォームの焼結・製造方法及びそのガラスソルダプリフォームの使用方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 19/06 20060101AFI20220523BHJP
   C03C 27/04 20060101ALI20220523BHJP
   C03C 29/00 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
C03B19/06 C
C03C27/04 B
C03C29/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020080326
(22)【出願日】2020-04-30
(65)【公開番号】P2021109820
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2021-04-14
(31)【優先権主張番号】201911400560.5
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520152940
【氏名又は名称】河南理工大学
(73)【特許権者】
【識別番号】520152951
【氏名又は名称】河南晶泰航空航天高新材料科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】王 振江
(72)【発明者】
【氏名】牛 済泰
(72)【発明者】
【氏名】楚 軍龍
(72)【発明者】
【氏名】高 増
【審査官】永田 史泰
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107021635(CN,A)
【文献】特開2010-18502(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C8/00-8/24
C03C27/00-29/00
C03B19/06,19/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温ガラスソルダプリフォームの焼結・製造方法であって、
溶接試験片の形状に基づいて金型を設計し、金型材質としてステンレス鋼が用いられ、低温ガラス粉末を金型空洞部内に投入し、ロッキングブロックの作用下、前記低温ガラス粉末の軟化点より20~40℃高い条件下で焼結してガラスソルダプリフォームを得る
ことを特徴とする低温ガラスソルダプリフォームの焼結・製造方法。
【請求項2】
前記金型は、ロッキングブロック(1)、固定板(2)、位置決めピン(3)、凸型(4)及び凹型組立体(5)で構成され;前記凸型(4)の型面は、凹型組立体(5)の型面に対応して金型空洞部を形成し;前記固定板(2)は、前記凸型(4)の上端面に水平に配置され、前記位置決めピン(3)により前記凸型(4)と前記凹型組立体(5)を固定し、前記固定板(2)の上端面にロッキングブロック(1)が設けられている
請求項1に記載の低温ガラスソルダプリフォームの焼結・製造方法。
【請求項3】
前記金型の材質は、0Cr18Ni9或いはその他のオーステナイト系ステンレス鋼である
請求項1に記載の低温ガラスソルダプリフォームの焼結・製造方法。
【請求項4】
前記低温ガラス粉末の軟化点は、400℃~450℃で、その溶接温度が軟化点より50℃~100℃高く、熱膨張係数が(65~110)×10-7/℃である
請求項1に記載の低温ガラスソルダプリフォームの焼結・製造方法。
【請求項5】
前記ガラスソルダプリフォームの厚さは、0.5~1.5mmである
請求項1に記載の低温ガラスソルダプリフォームの焼結・製造方法。
【請求項6】
前記焼結は、温度勾配をつけ、まず温度を室温から250~350℃に上げ、温度250~350℃の条件で10~60分間保持し、次に温度を250~350℃から低温ガラス粉末の軟化点よりも20~40℃高くし、この温度で10~60分保持し;昇温速度が5℃/分を下回ることである
請求項1に記載の低温ガラスソルダプリフォームの焼結・製造方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法で製造されたガラスソルダプリフォームの使用方法であって、
ガラスソルダプリフォームは、体積分率の高いアルミニウム基複合材料間の接合又は前記体積分率の高いアルミニウム基複合材料とガラスの接合に使用され;
ガラスソルダプリフォームを溶接試験片の中央に組み付け、溶接専用治具内に入れられてから大気焼結炉に移して焼結し、焼結過程で圧力を5~10KPaに保持し、焼結完了後中央に低温ガラスソルダ層を形成すると、溶接後の試験片が得られ;前記低温ガラスソルダ層の厚さは、100μm未満であり;
前記体積分率の高いアルミニウム基複合材料内の強化相の体積分率は、55~70%である
ことを特徴とするガラスソルダプリフォームの使用方法
【請求項8】
ガラスソルダプリフォームは、航空、航空宇宙、船舶、地上フェーズドアレイレーダー用T/R管の筐体用のアルミニウム基複合材料のパッケージに使用される
請求項に記載のガラスソルダプリフォームの使用方法
【請求項9】
前記焼結は、温度勾配をつけ、まず温度を室温から250~350℃に上げ、温度250~350℃の条件で10~60分間保持し、次に温度を250~350℃からガラスソルダの軟化点よりも50~100℃高くし、この温度で10~60分保持し;その後ガラスソルダプリフォームの軟化点よりも50℃~100℃高い温度から250~350℃に下げ、100℃まで炉冷したら、炉から取り出し;ここで、昇温速度は5℃/分を下回り、降温速度が5℃/分を下回る
請求項に記載のガラスソルダプリフォームの使用方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温ガラスソルダプリフォームの焼結・製造方法及びその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム基複合材料、特に粒子強化アルミニウム基複合材料(ハイシリコンアルミニウム、カーボンシリコンアルミニウムを含む)は、近年研究の最もホットな複合材料の1つであり、現在その材料の製造工程がすでに成熟しており、アルミニウム基複合材料が低膨張係数、高熱伝導率、軽量などの利点を有し、電子パッケージング、航空宇宙、軍需装備、自動車及びスポーツ用品などの分野で広く活用されている。しかしながら、強化相の炭化ケイ素又はシリコン粒子は、非金属相に属しているため、溶接が非常に困難である。国内外の学者も溶融溶接、ロウ付けについて一連の研究に着手しているが、溶融溶接において常に界面反応の問題が存在している。ロウ付けは、一般的に真空炉内で行う必要があり、アルミニウム基複合材料の表面を合金化してから溶接できるため、溶接工程が複雑である。低温ガラスソルダペーストを使用して溶接するものもあるが、気孔欠陥、不純物混入及び強度確保困難があり、ガラス粉末の造粒工程を使用すると溶接工程が複雑、不純物の混入も避けられない。そこで低温ガラスソルダプリフォームを使用すると上記の問題を解決できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ガラスソルダペーストによるアルミニウム基複合材料の接合で生じる多くの気孔、不純物混入及び強度確保困難で、ガラス粉末の造粒工程が複雑である課題を解決するため、低温ガラスソルダプリフォームの焼結・製造方法及びその応用を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の低温ガラスソルダプリフォームの焼結・製造方法は、具体的に以下の工程により行われ、すなわち、溶接試験片の形状に基づいて金型を設計し、金型材質としてステンレス鋼が用いられ、低温ガラス粉末を金型空洞部内に投入し、ロッキングブロックの作用下、前記低温ガラス粉末の軟化点より20~40℃高い条件下で焼結してガラスソルダプリフォームを得る。
【0005】
本発明のガラスソルダプリフォームは、体積分率の高いアルミニウム基複合材料間の接合又は体積分率の高いアルミニウム基複合材料とガラスの接合に使用され;具体的に以下の工程により行われ、すなわち、
ガラスソルダプリフォームを溶接試験片の中央に組み付け、溶接専用治具内に入れられてから大気焼結炉に移して焼結し、焼結過程で圧力を5~10KPaに保持し、焼結完了後中央に低温ガラスソルダ層を形成すると、溶接後の試験片が得られ;前記低温ガラスソルダ層の厚さは、100μm未満であり;
前記体積分率の高いアルミニウム基複合材料内の強化相の体積分率は、55~70%である。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、独創した低温ガラスソルダプリフォーム焼結技術を採用してアルミニウム基複合材料をはんだ付けし、異なる被接合材(ハイシリコンアルミニウムとアルミニウム基複合材料)に応じて、対応する軟化温度と線膨張係数を持つ低温ガラス粉末及び工程パラメータが用いられ、専用金型及び治具によってアルミニウム基複合材料自体又はアルミニウム基複合材料とガラスの接合を実現する。これにより、アルミニウム基複合材料の金属用はんだの真空環境でのロウ付けを避け、従来のソルダペースト塗布量の不均一、不純物混入、多くの気孔、強度確保困難などの欠点も防止でき、このプロセスのガラス粉末に造粒を必要とせず、簡単かつ高効率で、緻密、高強度、気孔のない低温ガラスソルダロウ付けシームを得ることができ、封止部品の気密性に対し関連基準の要件を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】金型の構造を示す模式説明図
図2】実施例1で得られたガラスソルダプリフォームの写真(背部の四角部分は背景である)
図3】溶接専用治具の組立説明図
図4】実施例1における低温ガラスで溶接されたハイシリコンアルミニウムの接合部の金属組織写真
図5】実施例1における低温ガラスで溶接されたハイシリコンアルミニウムの接合部の走査電子顕微鏡写真(領域Aは、低温ガラスであり、領域Bがハイシリコンアルミニウム合金である)
図6】実施例1における低温ガラスで溶接されたハイシリコンアルミニウムの接合部のせん断切り口写真(背部の四角部分は背景である)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の技術的手段は、以下に列挙される具体的実施形態に限定されず、各具体的実施形態間の任意の組み合わせも含む。
【0009】
(第1具体的実施形態)
本実施形態に係る低温ガラスソルダプリフォームの焼結・製造方法は、具体的に以下の工程により行われ、すなわち、溶接試験片の形状に基づいて金型を設計し、金型材質としてステンレス鋼が用いられ、低温ガラス粉末を金型空洞部内に投入し、ロッキングブロックの作用下、前記低温ガラス粉末の軟化点より20~40℃高い条件下で焼結してガラスソルダプリフォームを得る。
【0010】
(第2具体的実施形態)
本実施形態と第1具体的実施形態との相違点は、前記金型がロッキングブロック1、固定板2、位置決めピン3、凸型4及び凹型組立体5で構成され;前記凸型4の型面は、凹型組立体5の型面に対応して金型空洞部を形成し;前記固定板2は、凸型4の上端面に水平に配置され、位置決めピン3により凸型4と凹型組立体5を固定し、前記固定板2の上端面にロッキングブロック1が設けられていることである。その他は第1具体的実施形態と同じである。
【0011】
(第3具体的実施形態)
本実施形態と第1又は第2の具体的実施形態との相違点は、前記金型の材質が0Cr18Ni9或いはその他のオーステナイト系ステンレス鋼である。その他は第1又は第2の具体的実施形態と同じである。
【0012】
(第4具体的実施形態)
本実施形態と第1~第3の具体的実施形態のいずれかとの相違点は、低温ガラス粉末が鉛含有低温ガラス、ビスマス系鉛フリー低温ガラス、リン酸系鉛フリー低温ガラス或いは膨張係数調整相を含む複合ガラス粉末である。その他は、第1~第3の具体的実施形態のいずれかと同じである。
【0013】
(第5具体的実施形態)
本実施形態と第1~第4の具体的実施形態のいずれかとの相違点は、前記低温ガラス粉末の軟化点が400℃~450℃で、その溶接温度が軟化点より50℃~100℃高く、熱膨張係数が(65~110)×10-7/℃である。その他は、第1~第4の具体的実施形態のいずれかと同じである。
【0014】
(第6具体的実施形態)
本実施形態と第1~第5の具体的実施形態のいずれかとの相違点は、前記ガラスソルダプリフォームの厚さが0.5~1.5mmである。その他は、第1~第5の具体的実施形態のいずれかと同じである。
【0015】
(第7具体的実施形態)
本実施形態と第1~第6の具体的実施形態のいずれかとの相違点は、前記焼結が温度勾配をつけ、まず温度を室温から250~350℃に上げ、温度250~350℃の条件で10~60分間保持し、次に温度を250~350℃から低温ガラス粉末の軟化点よりも20~40℃高くし、この温度で10~60分保持し;昇温速度が5℃/分を下回ることである。その他は、第1~第6の具体的実施形態のいずれかと同じである。
【0016】
(第8具体的実施形態)
本実施形態に係るガラスソルダプリフォームは、体積分率の高いアルミニウム基複合材料間の接合又は体積分率の高いアルミニウム基複合材料とガラスの接合に使用され;具体的に以下の工程により行われ、すなわち、
ガラスソルダプリフォームを溶接試験片の中央に組み付け、溶接専用治具内に入れられてから大気焼結炉に移して焼結し、焼結過程で圧力を5~10KPaに保持し、焼結完了後中央に低温ガラスソルダ層を形成すると、溶接後の試験片が得られ;前記低温ガラスソルダ層の厚さは、100μm未満であり;
前記体積分率の高いアルミニウム基複合材料内の強化相の体積分率は、55~70%である。
【0017】
本実施形態のガラスソルダプリフォームは、溶かして母材を濡れ広がり、広がり過程で周囲の空気が排出されると、緻密、高強度、気孔のない低温ガラスソルダ層が得られる。
【0018】
本実施形態の低温ガラスソルダ層の厚さは、100μm未満であり、低温ガラスソルダ層の割れを避けることができる。
【0019】
本実施形態は、ガラスの成分を調整することによって、他の体積分率のアルミニウム基複合材料(及びアルミニウム合金)とガラスの接合に適することができる。
【0020】
(第9具体的実施形態)
本実施形態と第8具体的実施形態との相違点は、ガラスソルダプリフォームが航空、航空宇宙、船舶、地上フェーズドアレイレーダー用T/R管の筐体のアルミニウム基複合材料のパッケージに使用されることである。その他は、第8具体的実施形態と同じである。
【0021】
(第10具体的実施形態)
本実施形態と第8又は第9の具体的実施形態との相違点は、前記焼結が温度勾配をつけ、まず温度を室温から250~350℃に上げ、温度250~350℃の条件で10~60分間保持し、次に温度を250~350℃からガラスソルダの軟化点よりも50~100℃高くし、この温度で10~60分保持し;その後ガラスソルダプリフォームの軟化点よりも50℃~100℃高い温度から250~350℃に下げ、100℃まで炉冷したら、炉から取り出し;ここで、昇温速度は5℃/分を下回り、降温速度が5℃/分を下回ることである。その他は、第8又は第9の具体的実施形態と同じである。
【0022】
(第11具体的実施形態)
本実施形態と第8~第10の具体的実施形態のいずれかとの相違点は、前記溶接専用治具が押さえ金6及び黒鉛敷板7で構成され;溶接試験片を2層の黒鉛敷板7間に配置し、前記押さえ金6が上層の黒鉛敷板7の上端面に設けられることである。その他は、第8~第10の具体的実施形態のいずれかと同じである。
【0023】
以下の実施例を用いて本発明の有利な効果を検証する。
【実施例1】
【0024】
本実施例のビスマス系低温ガラスでハイシリコンアルミニウムを溶接する方法は、具体的に以下の工程により行われ、すなわち、
工程1:低温ガラス粉末0.5gを取り、金型空洞部内に投入し、ロッキングブロックの作用下で0.5KPaの圧力を加えてから、大気焼結炉内に入れ、焼結炉の温度を40分以内に室温から300℃まで昇温させ、温度300℃の条件下で30分間保持した後、40分以内に300℃から460℃まで昇温させ、30分間保持し、100℃まで炉冷したら、炉から取り出し、図2に示す低温ガラスソルダプリフォームを得;得られた低温ガラスソルダプリフォームの寸法は、10×7×1.4mmであり;マクロ及び顕微鏡観察により、表面が滑らかで、光沢がよく、結合が緻密である。前記低温ガラス粉末は、ビスマス系低温ガラスである。
【0025】
工程2:ワイヤー放電加工機で、ブロック状のハイシリコンアルミニウム合金を寸法10mm×15mm×2mmの溶接試験片に切り、400#金属組織サンドペーパーでハイシリコンアルミニウム試験片の一面を磨き、表面の不純物及び酸化膜を除去し;まず溶接試験片をアセトンで15分間超音波洗浄して油分を除去し、さらにアルコールで2~3回超音波洗浄し、洗浄後冷風乾燥し、545℃の大気焼結炉内で120分間予備酸化し、その後ガラスソルダプリフォームを溶接試験片の中央に組み付けて、溶接専用治具内に入れ、押さえ金の作用下で5KPaの圧力を加えてから大気焼結炉内に移して溶接する。製造プロセスは次の通りで、すなわち、焼結炉の温度を40分以内に室温から300℃まで昇温させ、温度300℃の条件下で30分間保持した後、40分以内に300℃から490℃まで昇温させ、30分間保持し、さらに40分以内に温度を490℃から300℃まで降温し、最後に100℃まで炉冷したら、炉から取り出すと、溶接が完了する。パッケージ対象となる部品の材質は、Siの含有量が50.3%の2AS50CE11高シリコンアルミニウム合金であり、低融点ガラス粉末の軟化点が429℃である。
【0026】
溶接後の外観、強度、気密性を測定したところ、いずれも基準を満たした。パラメータは次の通りであり、すなわち、外観の成形が良好で、質感が均一で、気孔が見られず;せん断強度が33.7MPaであり;気密性が1.0×10-10Pa・m/sであった。
【0027】
ビスマス系低温ガラスで溶接されたハイシリコンアルミニウム接合部の光学顕微鏡の金属組織、SEM写真、せん断された実物写真は、それぞれ図4乃至図6に示される。
【実施例2】
【0028】
本実施例のビスマス系低温ガラスで体積分率の高いアルミニウム基複合材料を溶接する方法は、具体的に以下の工程により行われ、すなわち、
【0029】
工程1:低温ガラス粉末0.5gを取り、金型空洞部内に投入し、ロッキングブロックの作用下で0.5KPaの圧力を加えてから、大気焼結炉内に入れ、焼結炉の温度を40分以内に室温から300℃まで昇温させ、温度300℃の条件下で30分間保持した後、40分以内に300℃から460℃まで昇温させ、30分間保持し、100℃まで炉冷したら、炉から取り出し、図2に示す低温ガラスソルダプリフォームを得;得られた低温ガラスソルダプリフォームの寸法は、10×7×1.4mmであり;マクロ及び顕微鏡観察により、表面が滑らかで、光沢がよく、結合が緻密である。
【0030】
工程2:ワイヤー放電加工機で、ブロック状の体積分率の高いアルミニウム基複合材料を寸法10mm×20mm×2mmの溶接試験片に切り、400#金属組織サンドペーパーで複合材料試験片の一面を磨き、表面の不純物及び酸化膜を除去し;まず溶接試験片をアセトンで15分間超音波洗浄して油分を除去し、さらにアルコールで2~3回超音波洗浄し、洗浄後冷風乾燥し、545℃の大気焼結炉内で120分間予備酸化し、その後ガラスソルダプリフォームを溶接試験片の中央に組み付けて、溶接専用治具内に入れ、押さえ金の作用下で5KPaの圧力を加えてから大気焼結炉内に移して溶接する。製造プロセスは次の通りで、すなわち、焼結炉の温度を40分以内に室温から300℃まで昇温させ、温度300℃の条件下で30分間保持した後、40分以内に300℃から490℃まで昇温させ、40分間保持し、さらに40分以内に温度を490℃から300℃まで降温し、最後に100℃まで炉冷したら、炉から取り出すと、溶接が完了する。パッケージ対象となる部品の材質は、55vol.%SiCp/ZL102体積分率の高いアルミニウム基複合材料であり、低融点ガラス粉末の軟化点が429℃である。
【0031】
溶接後の外観、強度、気密性を測定したところ、いずれも基準を満たした。パラメータは次の通りであり、すなわち、外観の成形が良好で、質感が均一で、気孔が見られず;せん断強度が31.5MPaであり;気密性が4.0×10-10Pa・m/sであった。
図1
図2
図3
図4
図5
図6