(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220523BHJP
【FI】
A63F5/04 602A
(21)【出願番号】P 2018038167
(22)【出願日】2018-03-05
【審査請求日】2020-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【氏名又は名称】栗林 和輝
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 朋也
【審査官】佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-152883(JP,A)
【文献】特開2003-010380(JP,A)
【文献】特開2016-077507(JP,A)
【文献】特開2009-285160(JP,A)
【文献】特開2007-000360(JP,A)
【文献】NEW MACHINE新着情報,パチスロ攻略マガジン 8月号 ,第20巻,赤坂 了生 株式会社双葉社
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
押圧部の押圧操作が可能なベットボタン、ストップボタンおよび演出ボタンを有する遊技機であって、
前記押圧操作が検知される位置を検知位置とすると、
前記演出ボタンの押圧部を前記検知位置まで移動させるのに必要な荷重は、前記ベットボタンの押圧部を前記検知位置まで移動させるのに必要な荷重より大きく、
前記ベットボタンの押圧部を前記検知位置まで移動させるのに必要な荷重は、前記ストップボタンの押圧部を前記検知位置まで移動させるのに必要な荷重より大きくなっている
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、意匠部材に設けられた被照射部材を光源によって照らすことで演出を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンやパチンコ機等の遊技機では、その前面の所定の部位に、意匠部材を兼ねる照明装置が設けられ、この照明装置はLED等の光源によって、レンズ部材等の被照射部材を照らすようになっている。このような遊技機として特許文献1~3に記載のものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載の遊技機は、隣接して配置された発光素子(光源)と、発光素子の前方に配置され、各発光素子により個別に発光可能な隣接した表示部(被照射部材)を有するパネルと、パネルに形成され、表示部の境目に沿って形成された遮光部と、発光素子の間の光を遮る仕切壁と、遮光部に沿ってパネルの裏面に固定され、当該遮光部の裏側から仕切壁の端面に向かって弾性的に突出するとともに、仕切壁の端面に押されて弾性的に変形することで、仕切壁の端面に密着する凸部と、発光素子の点灯を個別に制御可能な発光制御手段を備えている。
【0004】
特許文献2に記載の遊技機は、前面パネル(例えば中央前面パネル)の裏面に固定され、四方を壁で囲まれたランプハウジングと、このランプハウジング内に位置し、前面パネルの表面の表示部(被照射部材)を裏側から照明する発光源(光源)と、ランプハウジングを取り囲む四方の壁のうち、左右に対向する両側壁に相対向して形成されるとともに、上下方向に所定間隔で複数段形成された差込溝と、複数段の差込溝のうち、少なくとも一つの段の左右に相対向した差込溝に両端部がそれぞれ差し込まれ、ランプハウジング内を上下方向に仕切る遮光板とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-106455号公報
【文献】特開平06-254213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、光源と、この光源によって照らされる被照射部材との間を光漏れしないように仕切壁によって仕切る場合、特許文献1に記載の遊技機では、表示部(被照射部材)を有するパネルに形成された遮光部に沿って当該パネルの裏面に凸部を形成し、この凸部を仕切壁の端面に密着させることで、光漏れを防止しており、特許文献2に記載の遊技機では、光源が設けられたランプハウジングを構成する左右に対向する両側壁に差込溝を所定間隔で複数段形成し、複数段の差込溝のうち、少なくとも一つの段の左右に相対向した差込溝に遮光板(仕切壁)の両端部を挿し込むことで、当該遮光板の両側に配置されている光源の光漏れを防止している。
【0007】
一方、意匠部材と、当該意匠部材と対向して配置された遮光部材と、当該遮光部材に設けられた複数の開孔にそれぞれ配置された光源と、前記意匠部材に設けられて、前記光源によって照らされる被照射部材とを備えた遊技機において、隣り合う前記光源間でかつ前記意匠部材と前記遮光部材との間に設けられた仕切壁によって光漏れを防止する場合、光源と被照射部材との間の距離が長いと、この仕切壁成形用の金型に仕切壁を形成するための凹部(キャビティ)に相応の深さが必要なる。この場合、凹部への樹脂材の充填が困難となったり、また、凹部から成形した仕切壁を抜き出し難くなるという問題がある。
【0008】
このため、仕切壁を被照射部材側から光源側に向けて突出する第1突出壁と、光源側から被照射部材側に向けて突出する第2突出壁によって構成し、これら第1突出壁と第2突出壁とを突き合わせて仕切壁を形成することが考えられる。この場合、第1突出壁と第2突出壁を光漏れが生じないように密着状態で突き合わせるとともに、当該第1突出壁および第2突出壁の突き合わせ方向と交差する方向の位置決めが必要なる。第1突出壁と第2突出壁とを突き合わせ方向と交差する方向に位置決めするには当該第1突出壁と第2突出壁とを突き合わせ方向と交差する方向において密着させればよいが、金型精度や成形誤差、さらに組立誤差等によって、第1突出壁と第2突出壁とを密着させて突き合わせるとともに、突き合わせ方向と交差する方向においても密着させることは困難であり、この突き合わせ方向と交差する部分から光漏れが生じてしまう。
【0009】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、仕切壁を第1突出壁と第2突出壁とで構成した場合に、第1突出壁と第2突出壁とをこれらの突出方向において密着状態で突き合わせるとともに、この突き合わせ方向と交差する部分からの光漏を防止できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、意匠部材と、当該意匠部材と対向して配置された遮光部材と、当該遮光部材に設けられた複数の開孔にそれぞれ配置された光源と、前記意匠部材に設けられて、前記光源によって照らされる被照射部材と、隣り合う前記光源間でかつ前記意匠部材と前記遮光部材との間に設けられて光を遮蔽可能な仕切壁とを備えた遊技機であって、
前記仕切壁は、前記被照射部材側から前記光源側に向けて突出する第1突出壁と、前記光源側から前記被照射部材側に向けて突出する第2突出壁とを備え、
前記第1突出壁と前記第2突出壁とは、これらの突出方向において密着状態で突き合わされ、
突き合わせ方向と交差する方向において前記第1突出壁と第2突出壁とが隙間を持った状態で凹凸嵌合していることを特徴とする。
【0011】
本発明においては、仕切壁を構成する第1突出壁と第2突出壁とがこれらの突出方向において密着状態で突き合わされているので、この部分からの光漏れを防止できる。また、突き合わせ方向と傾斜する方向において第1突出壁と第2突出壁とが隙間を持った状態で凹凸嵌合しているので、第1突出壁と第2突出壁とを密着させるとともに、第1突出壁と第2突出壁を容易に凹凸嵌合させることができる。このため突き合わせ方向と交差する方向の位置決めを容易に行えるとともに、凹凸嵌合しているので、この凹凸嵌合部によって光漏れを防止できる。
【0012】
また、本発明の前記構成において、前記第1突出壁は、当該第1突出壁の突出方向と直交する第1突出壁直交面と、前記突出方向に対して交差する第1突出壁傾斜部とを有し、
前記第2突出壁は、当該第2突出壁の突出方向と直交する第2突出壁直交面と、前記突出方向に対して交差する第2突出壁傾斜部とを有し、
前記第1突出壁直交面と前記第2突出壁直交面とが隙間なく密接され、
前記第1突出壁傾斜部と前記第2突出壁傾斜部とが隙間を持った状態で凹凸嵌合していてもよい。
【0013】
このような構成によれば、第1突出壁直交面と前記第2突出壁直交面とが隙間なく密接されているので、この部分からの光漏れを防止できる。また、第1突出壁傾斜部と第2突出壁傾斜部とが隙間を持った状態で凹凸嵌合しているので、突き合わせ方向と交差する方向の位置決めを容易に行えるとともに、第1突出壁傾斜部と第2突出壁傾斜部との凹凸嵌合部によって光漏れを防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1突出壁と第2突出壁とを密着状態で突き合わせるとともに、この突き合わせ方向と交差する部分からの光漏を防止できる
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、遊技機の正面図である。
【
図4】同、ベース部材を背面側から見た斜視図である。
【
図5】同、背面側にLED基板が設けられた遮光部材の斜視図である。
【
図7】同、(a)は
図6におけるA-A線視断面図、(b)は仕切壁の要部を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明はスロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等のその他の遊技機に適用してもよい。
なお、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0017】
まず、発明が適用されるスロットマシンMの概略構成について説明する。
図1はスロットマシンMを示す正面図である。
このスロットマシンMは、筐体1を備えており、この筐体1は、底板、左右の側板、天板および背板を備え、当該筐体1の正面側に開口する正面開口部を有する箱形に形成されている。なお、底板の上面には、各部品に電力を供給するための電源装置を内蔵した電源ユニット、メダルを貯留するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパーユニット等が設けられている。
【0018】
また、筐体1の正面には、筐体1の正面開口部を開閉可能に閉塞する前扉3が設けられており、この前扉3は、前記開口上部を開閉可能に閉塞する上扉30と、前記開口下部を開閉可能に閉塞する下扉40とを備えている。
前記筐体1内には、交換ユニットが着脱可能に設けられている。この交換ユニットは、略直方体状に組まれた金属枠である枠体と、枠体に支持されたリールユニットと、枠体に固定された基板ユニットとを備えている。
リールユニットは、枠体に設けられた3個のステッピングモータと、各々のステッピングモータの出力軸に固定された3個の回転リールとを備えている。また、基板ユニットは、CPU、ROM、RAM、I/O等の電子部品を備えた基板を、基板ケースに収納したものである。そして、基板ユニットは、スロットマシンMの遊技を制御するための遊技制御装置として機能する。
【0019】
図1に示すように、上扉30の下部には表示窓31が設けられている。この表示窓31は上側ほど後側に向かうように水平面に対して傾斜して設けられ、この表示窓31の奥には、前記3個の回転リールが横一列に設けられている。各回転リールの外周面には複数種類の図柄が配列されており、回転リールが停止すると表示窓31を通して1リール当たり3個の図柄が表示される。スロットマシンMでは、横3本と斜め2本とからなる計5本の入賞有効ラインが設定されている。
そして、3個の回転リールが停止したときに入賞有効ライン上に停止した図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが表示される。
また、上扉30の上部には、表示窓31より大きい表示窓32がほぼ鉛直に設けられている。この表示窓32は上扉30に設けられた画像表示装置の表示面を見るために設けられたものである。画像表示装置は液晶表示パネルを有し、画像表示装置では、その表示面に遊技機における演出用の画像が表示されるようになっている。
また、上扉30の表示窓32の上側中央部には、報知や演出などを行うための横長の照明装置33が設けられている。
また、表示窓32と表示窓31との間には報知や演出などを行うための横長の照明装置34,35,34が左右に隣接して設けられている。
また、表示窓31の左右両側には報知や演出などを行うための演出用パネル61が設けられ、右側の演出用パネル61には演出ボタン62が設けられている。演出ボタン62は、遊技者によって押下操作されるものであり、押下されることで例えば表示窓32を通して見える画像表示装置に表示される演出画像の態様を変化させ、遊技者に対して遊技への参加意識を高めるとともに、興趣を高めるようにしたものである。例えば、演出ボタン62の操作に連動して画像表示装置に表示される演出画像を選択することができる。なお、演出ボタン62の配置は、これに限定されるものではなく、遊技者が押下操作可能な位置に設けられていればよい。
さらに、上扉30の左右両側にはそれぞれ報知や演出などを行うための照明装置37が設けられている。
【0020】
また、上扉30は、筐体1内に設けられた前記交換ユニットにヒンジを介して回動可能に連結されることで、筐体1の開口上部を開閉するようになっている。また、下扉40は筐体1にヒンジを介して回動可能に連結されることで、筐体1の開口下部を開閉するようになっている。
【0021】
なお、このスロットマシンMは、分離型筐体タイプの構造を有するものであり、遊技店における機種の交換時に、上扉30が回動自在に取り付けられた交換ユニットを交換するようになっており、機種の交換時に筐体1、下扉40および筐体1内の電源ユニットやホッパーユニット等は、遊技店の島設備に取り付けられたままで、交換されないようになっている。また、スロットマシンMは、分離型筐体タイプに限られるものではなく、機種交換時にスロットマシン全体を交換するものであってもよい。この場合に、前扉3を上扉30と下扉40とに分けない一体の構造としてもよい。また、上扉30と下扉40とに分ける場合に、上扉30を、筐体1の側板にヒンジを介して回動自在に取り付けてもよい。
【0022】
また、上扉30の下端部には、下扉40の前面より後方側で下扉40の上端より下側に突出する係合部が設けられ、下扉40が閉じた状態で、上扉30を開放することができない構造になっている。
【0023】
また、下扉40の下部には、スロットマシン内部よりメダルを排出するためのメダル払い出し口と、メダル払い出し口から排出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿43とが形成されている。また、操作部50とメダル受け皿43との間には液晶表示パネル45が取り付けられている。また、この液晶表示パネル45の左右両側にはそれぞれ報知や演出などを行うためのランプ33dが設けられている。
【0024】
また、下扉40の上部には、スロットマシンMを操作するための操作部50が設けられている。操作部50には、クレジットされたメダルを払い出すための精算スイッチ52、遊技を開始させるためのスタートレバー53、3個の回転リールそれぞれの回転を停止させるための3個のストップボタン54、メダル(遊技媒体)を投入するためのメダル投入口42、メダル投入口42の下方のメダル通路内で発生したメダル詰まりを解消するリジェクトボタン55、最大数の3枚のメダルをベットするときに操作されるMAXベットボタン56(ベットボタン)等が設けられる他、遊技の演出等を選択するための操作盤57や、表示ユニット58が設けられている。操作盤57は操作部50の幅方向(左右方向)の略中央部に配置され、メダル投入口42およびリジェクトボタン55を挟んで、右側に表示ユニット58が配置されている。なお、操作盤57には、演出等の選択用の十字キー、決定ボタン、キャンセルボタン等を有している。
【0025】
MAXベットボタン56は、上方を向くように配置されており、上方から下方に向かって押し込まれるように形成されている。MAXベットボタン56を動作させるために必要な力(以下、操作力という)は、約1.0Nとなっている。また、MAXベットボタン56は、押圧部と弾性部材とを備えている。押圧部は、遊技者の指等によって押し込み操作される部材であり、樹脂等で形成されている。また、押圧部は、弾性部材によって上方に付勢されている。弾性部材は、押圧部を付勢するとともに、押圧部が押し込み操作された場合には付勢力に抗して弾性変形するように形成されている部材であり、ばね等が用いられている。
また、ストップボタン54は、前方を向くように配置されており、前方から後方に向かって押し込まれるように形成されている。ストップボタン54の操作力は、約0.7Nとなっている。すなわち、ストップボタン54の操作力は、MAXベットボタン56の操作力よりも小さくなっている。
また、演出ボタン62は、前方を向くように配置されており、前方から後方に向かって押し込まれるように形成されている。演出ボタン62の操作力は、MAXベットボタン56の操作力よりも大きいか、あるいは同等のものとなっている。演出ボタン62の操作力は、例えば、約3.0Nとなっている。
また、ストップボタン54および演出ボタン62は、MAXベットボタン56と同様に、押圧部と弾性部材とを備えており、ストップボタン54および演出ボタン62の押圧部は、弾性部材によって前方に付勢されている。
また、既述のとおり、MAXベットボタン56の操作力は約1.0Nとなっている。すなわち、押圧部を押し込んで弾性部材を弾性変形させ、MAXベットボタン56が備えるセンサからスイッチON信号(ボタンが押された旨の信号)が出力される位置まで押圧部を移動させるのに必要な荷重(センサ検知荷重)が約1.0Nとなっている。本実施の形態の遊技機においては、センサには、フォトセンサが用いられているが、押圧部の押し込みを検知できるものであればその他のセンサを用いてもよい。フォトセンサは、例えば、押圧部の押し込みによって動く検出物体によって、発光素子から受光素子に向かう光が変化したことを検知すると、スイッチON信号を出力するようになっている。押圧部は、センサ検知荷重より大きな荷重が加えられると、弾性部材を弾性変形させながらさらに移動し、メカストッパーに当接して停止するようになっている。ストップボタン54(操作力約0.7N)および演出ボタン62(操作力約3.0N)についても同様である。
【0026】
ここで、本実施の形態の遊技機における基本的な遊技の流れを説明する。遊技者がMAXベットボタン56を押下すると、クレジットされたメダルが投入(ベット)され、遊技を開始することが可能な状態となる。そして、遊技者が遊技を開始する操作としてスタートレバー53を押下する操作を行うと、回転リールが回転を始め、回転リールの回転速度が所定の速度まで上昇するとストップボタン54の押下操作が有効な状態となる。その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタン54を押下していくと、各回転リールが停止する。そして、すべての回転リールが停止すると、遊技の結果に応じて、メダルを払い出す処理や、メダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
また、演出ボタン62は、例えば、ボーナスに当たったことや、遊技者にとって有利な状態に移行することが決定したこと等の、遊技者にとって喜ばしいことを遊技者に報知する場合や、遊技者にとっての勝負所等の所定のタイミングで、演出の態様を変化させるための押下操作が有効な状態となる。そして、当該押下操作が有効な状態で、演出ボタン62が押下されると、画像表示装置に表示される演出画像の態様が変化したり、可動役物が動いたりして、演出の態様が変化する。
【0027】
上記から明らかなように、ストップボタン54は、遊技毎に回転リールの数に応じた複数個押下する必要がある。このとき、ストップボタン54の操作力が、MAXベットボタン56および演出ボタン62の操作力よりも小さく設定されていることにより、遊技者は、ストップボタン54の操作に関して軽くて心地よい操作フィーリングを得ることができるとともに、テンポよくすべてのストップボタン54を押下することが可能となる。したがって、遊技者は快適に遊技を行うことが可能となり、遊技性が向上する。また、このように使用頻度の高いストップボタン54の操作力が小さく設定されていることにより、遊技者の疲労の蓄積が軽減され、遊技性が向上する。
【0028】
また、MAXベットボタン56は、遊技を開始するための操作に用いられることや、上から叩くようにして操作することが可能であることから、強い力で操作されることも多いが、ストップボタン54よりも操作力が大きく設定されていることにより、遊技者は適度に押しごたえのある操作フィーリングを得ることができ、遊技性が向上する。
【0029】
また、演出ボタン62は、ストップボタン54やMAXベットボタン56よりも操作頻度が低い。また、演出ボタン62は、上記のように遊技者にとって喜ばしいことを遊技者に報知する場合や、遊技者にとっての勝負所等で、演出の態様を変化させるための押下操作が有効な状態となるので、気分が高揚した状態の遊技者によって強い力で操作される傾向がある。このような演出ボタン62の操作力が、ストップボタン54の操作力より大きく、かつMAXベットボタン56の操作力以上となるように設定されているので、遊技者は重くてずっしりとした操作フィーリングを得ることができ、遊技性が向上する。
【0030】
図2は照明装置33の分解斜視図、
図3は同正面図である。照明装置33は、正面の長手方向(左右方向)中央部に中央部レンズ100を有し、当該中央部レンズ100を挟んで左右両側でかつ上部にそれぞれスポットレンズ101を有している。また、中央部レンズ100の背面(裏面)側には中央部インナーレンズ100fが設けられている。
スポットレンズ101は左右に所定間隔で設けられた3個のレンズ部材(被照射部材)101a,101b,101cによって構成されている。レンズ部材101a,101b,101cはそれぞれ略截頭八角錐筒状に形成されるとともに、その外周面には段差部が設けられている。また、レンズ部材101a,101b,101cは連結部によって連結されている。
【0031】
このようなスポットレンズ101の外周側にはリフレクタ103が設けられている。リフレクタ103は左右に所定間隔で設けられた筒状部材103a,103b,103cによって構成されている。筒状部材103a,103b,103cはそれぞれ略八角形筒状に形成され、連結部によって連結されている。筒状部材103a,103b,103cの内側にレンズ部材101a,101b,101cが設けられている。
【0032】
前記中央部レンズ100、中央部インナーレンズ100f、左右のスポットレンズ101およびリフレクタ103はベース部材(意匠部材)105に取り付けられている。
すなわち、
図2に示すように、ベース部材105は左右方向に長尺な部材であり、上壁105a、下壁105b、左側壁105cおよび右側壁105dを備え、背面側(裏面側)は大きく開口している。また、ベース部材105の前面中央部には略矩形の開口部106が設けられ、この開口部106に略矩形板状の中央部インナーレンズ100fが嵌め込まれて固定されている。
また、この中央部インナーレンズ100fに被さるようにして中央部レンズ100が設けられている。中央部レンズ100は上壁100a、下壁100b、左側壁100cおよび右側壁100dを備え、背面側は大きく開口している。そして、上壁100aの後端面がベース部材105の上壁105aの前端面に係合し、下壁100bの後端面がベース部材105の下壁105bの前端面に係合し、さらに、左側壁100cおよび右側壁100dがベース部材105の中央部に上下に延在して設けられた立壁105e,105eの外側面に係合することによって、中央部レンズ100がベース部材105に取り付けられている。
【0033】
また、ベース部材105の左右両端部の上部には、正面視略八角形状の3つの開孔110a,110b,110cが所定間隔で左右に隣り合って設けられている。3つの開孔110a,110b,110cはその上下方向略中央部において連続しており、3つの開孔110a,110b,110cにそれぞれスポットレンズ101の3個のレンズ部材(被照射部材)101a,101b,101cが挿入固定されている。また、3つの開孔110a,110b,110cの深さ方向略中央部には、内側に突出する略八角形リング状のフランジが設けられ、当該フランジにそれぞれ3個のレンズ部材101a,101b,101cを当接することで、当該レンズ部材101a,101b,101cの深さ方向(軸方向)の位置決めがなされている。
また、3つの開孔110a,110b,110cの前面開口部の開口端面には、リフレクタ103の筒状部材103a,103b,103cがそれぞれ設けられ、当該筒状部材103a,103b,103cはそれぞれレンズ部材101a,101b,101cの外周部に嵌合されている。
【0034】
また、ベース部材105の前面には、スポットレンズ101の下側に、固定部材104aによって固定された縦型レンズと、この縦型レンズ104aに直角に接合された複数の棒状の横型レンズ104bが設けられており、複数の横型レンズ104bは互いに平行離間して配置されている。
【0035】
また、
図4に示すように、ベース部材105の裏面側には、正面側に設けられた3つの開孔110a,110b,110cが開口しており、隣り合う開孔110a,110b間と、隣り合う開孔110b,110c間にそれぞれ、レンズ部材101a,101b,101c側から後述するLED127a~127c側に向けて突出する第1突出壁115が設けられている。
この突出壁115の上端部はベース部材105の上壁105aの内面に結合され、下端部は上壁105aの端部に対して平行離間して設けられた中壁105eの上面に結合されている。また、ベース部材105の長手方向(左右方向)の中央部と端部との間には立壁105fが設けられ、この縦壁105fの上端部は上壁105aの内面に結合され、下端部は中壁105eの端部に結合されている。
【0036】
また、第1突出壁115は、
図4および
図6に示すように、板状の突出壁本体115aと軸部115bとを有している。突出壁本体115aの後端部には台形状の切欠部が設けられており、この切欠部によって突出壁本体115aは、第1突出壁115の突出方向と交差する第1突出壁傾斜部116,116を有している。また、突出壁本体115aの後端面は第1突出壁115の突出方向と直交する第1突出壁直交面117となっている。
また、前記切欠部の先端部に軸部115bが設けられており、この軸部115bには座堀部が設けられ、この座堀部の底面に貫通孔115cが設けられている。
【0037】
一方、
図6に示すように、スポットレンズ101の外周側に嵌合しているリフレクタ103の裏面側には、筒状部103dが突出して設けられている。この筒状部103dは、開孔110a,110b間および開孔110b,110c間に設けられている凹部115gに挿入されている。また、筒状部103dにはねじ孔103eが設けられ、このねじ孔103eに、前記軸部115bの座堀部から貫通孔115cに挿通されたねじ118をねじ込むことによって、リフレクタ103およびスポットレンズ101がベース部材105に取り付けられている。
【0038】
ベース部材105の内部には、遮光部材120がベース部材105の前面部と対向離間して配置されている。遮光部材120は、
図2および
図5に示すように、左右に長尺な部材であり、上壁121a、下壁121b、左側壁121cおよび右側壁121dを有する枠体121を備え、この枠体121の内側の左右方向中央部に中央遮光基板部122が設けられ、左右両側の上部に側方遮光基板部123が設けられている。なお、中央遮光基板部122には、その左右幅方向の中央部に上下に延在する補強リブ122dが設けられている。
【0039】
中央遮光基板部122には、正面視略矩形状の複数の開孔122aが上下左右に所定間隔で設けられている。また、中央部基板部122の左右両側部にはそれぞれ縦長矩形状の開孔122bが設けられている。
側方遮光基板部123には、3つの開孔123a,123b,123cが左右に隣り合って設けられている。開孔123aは正面視略矩形状に形成され、一方の縦縁部が側方遮光基板部123の左右方向外側に開放されている。開孔123b,123cは正面視略八角形状に形成されている。また、開孔123a,123b,123cは開孔122aより大径となっている。
【0040】
また、遮光部材120の裏面側にはLED基板125が設けられている。
図2に示すように、LED基板125は中央基板125aと、この中央基板125aの上端部から左右に突出している突出基板125b,125bとを備えている。また、LED基板125は、固定部材135によって遮光部材120の裏面側に固定されている。
LED基板125の中央基板125aの表面には、複数のLED126aが縦横に所定間隔で設けられ、中央基板125aの左右側部の表面には、複数のLED126bが上下に所定間隔で設けられている。
図5に示すように、複数のLED126aは、1個ずつ複数の前記開孔122aに配置され、複数のLED126bは縦一列まとめて前記開孔122bに配置されている。
【0041】
そして、複数のLED126aによって中央部インナーレンズ100fおよび中央部レンズ100が照らされ、複数のLED126bによって縦型レンズ104aおよび横型レンズ104bが照らされるようになっている。
なお、複数のLED126bから照射される光は縦型レンズ104aを照らすとともに、この縦型レンズ104aから横型レンズ104bに光が導入されることで、当該横型レンズ104bが照らされるようになっている。
【0042】
また、
図2に示すように、突出基板125bには複数のLED127a~127cが設けられている。LED127aは左右方向に隣接して2つあり、LED127bも左右方向に隣接して2つあり、LED127cも左右方向に隣接して2つある。
LED127a,127aとLED127b,127bとは左右に離間して配置され、LED127b,127bとLED127c,127cとは左右に離間して配置されている。LED127a、LED127bおよびLED127cはそれぞれ独立して別々に点灯、点滅制御されるようになっている。
2つのLED127a,127aは前記開孔123aに配置され、2つのLED127b,127bは前記開孔123bに配置され、2つのLED127c,127cは前記開孔123cに配置されている。
【0043】
そして、2つLED127a,127aによってスポットレンズ101のレンズ部材101aが照らされ、2つのLED127b,127bによってレンズ部材101bが照らされ、2つのLED127c,127cによってレンズ部材101cが照らされるようになっている。スポットレンズ101の外周側にはリフレクタ103が設けられているので、スポットレンズ101のレンズ部材101a,101b,101cの外周側はリフレクタ103の筒状部材103a,103b,103cによって覆われ、これによって、LED127a~127cによってそれぞれ照らされるレンズ部材101a~101cの光が互いに干渉するのを抑制できる。
【0044】
また、左右両側の側方遮光基板部123の下側にはそれぞれ矩形状の貫通孔128が設けられている。この貫通孔128はスピーカ129(
図5参照)の後部を挿入するためのものであり、当該貫通孔128にスピーカ129の後部が挿入され、スピーカ129の前部は、ベース部材105の裏面側の左右両側部にそれぞれ設けられたスピーカ固定部105k(
図4参照)にビス等によって固定されている。
【0045】
また、
図2、
図5および
図6に示すように、側方遮光基板部123には、隣り合う開孔123a,123b間と、隣り合う開孔123b,123c間にそれぞれ、LED127a~127c側からレンズ部材101a,101b,101c側に向けて突出する第2突出壁130が設けられている。
この第2突出壁130は板状の突出壁本体130aと軸部130bと張出壁130c,130cとを有している。軸部130bは円柱状に形成され、突出壁本体130aの上下方向の中央部において、突出壁本体130aより突出するようにして設けられている。突出壁本体130aから突出する軸部130bの外周部には、三角形板状の張出壁130c,130cが軸部130bの径方向に対向して設けられている。また、軸部130bの先端面によってねじ118の頭部が嵌め込まれる座堀部の開口が塞がれている。
突出壁本体130a、軸部130bおよび張出壁130c,130cは一体的に成形されており、張出壁130c,130cは、レンズ部材101a101b,101c側に向かうほど軸部130bの径方向における幅が狭くなっている。
このような張出壁130cの斜辺部が第2突出壁130の突出方向に対して傾斜する第2突出壁傾斜部131となっている。また、突出壁本体130aの先端面は第2突出壁130の突出方向と直交する第2突出壁直交面132となっている。
また、第2突出壁130の上端部は遮光部材120の上壁121aの内面に結合され、下端部は上壁121aの端部に対して平行離間して設けられた中壁121eの上面に結合されている。さらに、中央遮光基板122の表面と側方遮光基板123との境界部には上下方向に延在する縦壁121fが設けられ、この縦壁121fの上端部は遮光部材120の上壁121aの内面に結合され、下端部は中壁121eの端部に結合されている。
【0046】
このような構成の遮光部材120は、その上壁121aと下壁121bをベース部材105の上壁105aと下壁105bの内面に当接するとともに、中央遮光基板部122および側方遮光基板部123,123の所定の部位をベース部材105の裏面側にビス止めすることによってベース部材105に取り付けられている。
【0047】
この状態において、前記第1突出壁115と第2突出壁130とは、
図6に示すように、それらの突出方向において密着状態で突き合わされるともに、突き合わせ方向と交差する方向において第1突出壁115と第2突出壁130とが隙間を持った状態で凹凸嵌合している。
すなわちまず、第1突出壁115の第1突出壁直交面117と第2突出壁130の第2突出壁直交面132とが隙間なく密接されている。
また、
図6および
図7に示すように、第1突出壁115の第1突出壁傾斜部116は横断面が谷形(V字形)の凹条に形成され、第2突出壁130の第2突出壁傾斜部131は横断面が山形(三角形状)の凸条に形成されている。そして、第1突出壁傾斜部116と第2突出壁傾斜部131とが隙間を持った状態で凹凸嵌合している。つまり、第1突出壁傾斜部116の凹条116aと、第2突出壁傾斜部131の凸条131aとが隙間Sを持った状態で凹凸嵌合している。
また、第2突出壁130の軸部130bの先端面は第1突出壁115の軸部115bの後端面に隙間なく密着するとともに、軸部115bに設けられている座堀部の開口を塞いでいる。
【0048】
このような第1突出壁115と第2突出壁130とによって、仕切壁140が構成されている。この仕切壁140は、隣り合うLED127a,127b間およびLED127b,127c間でかつ、ベース部材105と遮光部材120との間に設けられて光を遮蔽可能な壁となっている。つまり、仕切壁140を構成する第1突出壁115と第2突出壁130とは第1突出壁直交面117と第2突出壁130の第2突出壁直交面132とが隙間なく密接されているので、この部分からの光漏れを防止できる。また、第1突出壁傾斜部116の凹条116aと、第2突出壁傾斜部131の凸条131aとが隙間Sを持った状態で凹凸嵌合しているが、この凹凸嵌合部では、仕切壁140の壁厚方向において、凹凸嵌合している第1突出壁傾斜部116の凹条116aと、第2突出壁傾斜部131の凸条131aとが重なりあうので、前記隙間Sがあっても光漏れを防止できる。
【0049】
また、ベース部材105の中壁105eおよび縦壁105fに、それぞれ遮光部材120の中壁121eおよび縦壁121fが密接する。
したがって、中壁105e,121eどうしの間および縦壁105f,121fどうしの間からの光漏れを防止できる。
【0050】
以上のように、本実施の形態によれば、仕切壁140を構成する第1突出壁115の第1突出壁直交面117と第2突出壁130の第2突出壁直交面132とが隙間なく密接されているので、この部分からの光漏れを防止できる。
また、第1突出壁115の第1突出壁傾斜部116と第2突出壁130の第2突出壁傾斜部131とが隙間を持った状態で凹凸嵌合しているので、突き合わせ方向と交差する方向の位置決めを容易に行えるとともに、第1突出壁傾斜部116と第2突出壁傾斜部131との凹凸嵌合部によって光漏れを防止できる。
【0051】
なお、本実施の形態では、第1突出壁傾斜部116に凹条116aを設け、第2突出壁傾斜部131に凸条131aを設けたが、これとは逆に第1突出壁傾斜部116に凸条を設け、第2突出壁傾斜部131に凹条を設けてもよい。
また、第1突出壁115の第1突出壁傾斜部116と第2突出壁130の第2突出壁傾斜部131とが隙間を持った状態で凹凸嵌合させる場合、上述した凹条116aと凸条131aとの凹凸嵌合に限ることはない。例えば、第1突出壁傾斜部116に第2突出壁傾斜部131に向けて突出する第1突出部を第1突出壁115の半分の厚さで設けるとともに、第2突出壁傾斜部131に第1突出壁傾斜部116に向けて突出する第2突出部を第2突出壁130の半分の厚さで設け、これら第1および第2の突出部を仕切壁140の厚さ方向において重ねるようにして凹凸嵌合すすればよい。つまり、第1突出壁傾斜部116には、第1突出部に対して壁厚方向に隣接する第1凹所が設けられ、第2突出壁傾斜部131には、第2突出部に対して壁厚方向に隣接する第2凹所が設けられるので、第1突出部を第2凹所に凹凸嵌合し、第2突出部第1凹所に凹凸嵌合すればよい。
【符号の説明】
【0052】
101a,101b,101c レンズ部材(被照射部材)
105 ベース部材(意匠部材)
115 第1突出壁
116 第1突出壁傾斜部
117 第1突出壁直交面
120 遮光部材
123a,123b,123c 開孔
127a,127b,127c LED(光源)
130 第2突出壁
131 第2突出壁傾斜部
132 第2突出壁直交面
140 仕切壁