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特許7076754トップハット光出力分布を有する非対称光方向転換フィルム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】トップハット光出力分布を有する非対称光方向転換フィルム
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20220523BHJP
   G02B 5/02 20060101ALI20220523BHJP
   G02B 5/04 20060101ALI20220523BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220523BHJP
【FI】
F21S2/00 431
G02B5/02 C
G02B5/04 A
F21Y115:10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019556561
(86)(22)【出願日】2018-01-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-12
(86)【国際出願番号】 US2018012175
(87)【国際公開番号】W WO2018129034
(87)【国際公開日】2018-07-12
【審査請求日】2020-12-25
(31)【優先権主張番号】62/442,338
(32)【優先日】2017-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】エモンズ,ロバート エム.
(72)【発明者】
【氏名】エプスタイン,ケネス エー.
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2003/065083(WO,A1)
【文献】特開2007-234430(JP,A)
【文献】特開2010-055057(JP,A)
【文献】国際公開第2003/040784(WO,A1)
【文献】国際公開第2004/079408(WO,A1)
【文献】特開2009-109990(JP,A)
【文献】特開2007-140505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G02B 5/02
G02B 5/04
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライトガイドと、
光方向転換フィルムとを備え、前記光方向転換フィルムが、
第1の主面であって、前記第1の主面に平行な基準面を定め、実質的に滑らかな、第1の主面と、
複数の非対称微細構造を含む第2の主面とを備え、前記非対称微細構造の各々が、
実質的に平坦な第1の側面と、
第2の側面を備え、第2の側面が、
実質的に平坦な表面を形成する第1の表面セグメントであって、前記基準面に対する前記第1の表面セグメントの第1の角度が、前記基準面に対して約40度~約70度であり、前記第1の角度が第1の一次方程式に基づく、第1の表面セグメントと、
非平坦な表面を形成する第2の表面セグメントであって、前記第2の表面セグメントの形状が、三次方程式又はより高次の方程式に基づき、前記三次方程式又はより高次の方程式の1階微分が、前記第1の一次方程式と一致する、第2の表面セグメントと、
実質的に平坦な表面を形成する第3の表面セグメントであって、前記第3の表面セグメントの第2の角度が前記基準面に対して約40度~約70度であり、前記第2の角度が第2の一次方程式に基づき、前記三次方程式又はより高次の方程式の1階微分が前記第2の一次方程式と一致する、第3の表面セグメントと
を備える、光学システム。
【請求項2】
第1の実質的にコリメートされた光入力分布を有するライトガイドと、
光方向転換フィルムとを備え、前記光方向転換フィルムが、
第1の主面であって、前記第1の主面に平行な基準面を定め、実質的に滑らかな、第1の主面と、
複数の非対称微細構造を含む第2の主面とを備え、前記非対称微細構造の各々が、
実質的に平坦な第1の側面と、
第2の側面とを備え、前記第2の側面が、
実質的に平坦な表面を形成する第1の表面セグメントであって、前記基準面に対する前記第1の表面セグメントの第1の角度が、前記基準面に対して約40度~約70度であり、前記第1の角度が第1の一次方程式に基づく、第1の表面セグメントと、
非平坦な表面を形成する第2の表面セグメントであって、前記第2の表面セグメントの形状が、三次方程式又はより高次の方程式に基づき、前記三次方程式又はより高次の方程式が前記光入力分布に基づき、前記三次方程式又はより高次の方程式の1階微分が、前記第1の一次方程式と一致する、第2の表面セグメントと、
実質的に平坦な表面を形成する第3の表面セグメントであって、前記第3の表面セグメントの第2の角度が前記基準面に対して約40度~約70度であり、前記第2の角度が第2の一次方程式に基づき、前記三次方程式又はより高次の方程式の1階微分が前記第2の一次方程式と一致する、第3の表面セグメントとを備え、
前記ライトガイドから発し、前記第1の主面を通って出る光の少なくとも60%が、特徴的な視野角の第1のセットに含まれ、中心視野角が、前記第1の主面により、前記第1の主面に対して垂直となるように定められ、前記特徴的な視野角の第1のセットが、前記中心視野角に対して約-35度~35度である、
光学システム。
【請求項3】
第1の光入力分布を有するライトガイドと、
光方向転換フィルムとを備える光学システムであって、前記光方向転換フィルムが、
第1の主面であって、前記第1の主面に平行な基準面を定め、実質的に滑らかな、第1の主面と、
複数の非対称微細構造を含む第2の主面とを備え、前記非対称微細構造の各々が、
第1の側面と、
第2の側面とを備え、第2の側面が、
実質的に平坦な表面を形成する第1の表面セグメントであって、前記基準面に対する前記第1の表面セグメントの第1の角度が、第1の視野角付近で第1の光分布カットオフをもたらすように構成された、第1の表面セグメントと、
非平坦な表面を形成する第2の表面セグメントであって、前記第1の光分布に基づいて、前記第1の視野角から第2の視野角まで実質的に同様の相対輝度をもたらすように構成された、第2の表面セグメントと、
実質的に平坦な表面を形成する第3の表面セグメントであって、前記第3の表面セグメントの第2の角度が、前記第2の視野角付近に第2の光分布カットオフをもたらすように構成された、第3の表面セグメントと
を備える、光学システム。
【請求項4】
前記第1の表面セグメント及び前記第2の表面セグメントが、トップハット輝度分布を有する光を出力するように構成され、前記トップハット分布が、平坦な頂部を含み、前記平坦な頂部は、輝度変化が約2%未満である、請求項1~のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項5】
車両と、
前記車両内の車両ディスプレイとを含む車両ディスプレイシステムであって、
前記車両ディスプレイが、請求項1-4のいずれかに記載の光学システムを含む、
車両ディスプレイシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
光方向転換フィルムは、ディスプレイ及び照明用途において、光学ディスプレイからの光の角度分布を変化させるために使用することができる。光方向転換フィルムは、一般に、光を屈折及び/又は反射することによって機能する特徴を有する。光方向転換フィルムは、光源と共に使用して、所望の光出力を提供することができる。
【発明の概要】
【0002】
記載された非対称光方向転換フィルム(ATF)を使用して、光の角度分布を制御して、光分布カットオフ角度、及び顕著な量の光を吸収しない平坦頂部領域を有する、トップハット形状の光出力分布を提供することができる。
【0003】
いくつかの実施例で、本開示は、ライトガイドと、光方向転換フィルムと、を含む光学システムを説明しており、光方向転換フィルムは、実質的に滑らかな第1の主面と、第2の主面とを含み、第2の主面は、複数の非対称微細構造を含み、非対称微細構造の各々が、実質的に平坦な第1の側面と、第2の側面とを含み、第2の側面は、実質的に平坦な表面を形成する第1の表面セグメントと、非平坦な表面を形成する第2の表面セグメントと、を含む。
【0004】
いくつかの実施例で、本開示は、ライトガイドと、光方向転換フィルムと、を含む光学システムを説明しており、光方向転換フィルムは、第1の主面に対して平行な基準面を定め、かつ実質的に滑らかな、第1の主面と、第2の主面とを含み、第2の主面は、複数の非対称微細構造を有し、非対称微細構造の各々が、実質的に平坦な第1の側面と、第2の側面とを含み、第2の側面は、実質的に平坦な表面を形成する第1の表面セグメントであって、基準面に対する第1の角度が約40度~約70度であり、第1の角度が第1の一次方程式に基づく、第1の表面セグメントと、非平面表面を形成し、形状が三次方程式又はより高次の方程式に基づく第2の表面セグメントであって、三次方程式又はより高次の方程式の1階微分が第1の一次方程式に一致する第2の表面セグメントと、実質的に平坦な表面を形成する第3の表面セグメントであって、その第2の角度が、基準面に対して約40度~約70度であり、第2の角度が、第2の一次方程式に基づき、三次方程式又はより高次の方程式の1階微分が第2の一次方程式に一致する第3の表面セグメントとを含む。
【0005】
いくつかの実施例で、本開示は、第1の実質的にコリメートされた光入力分布を有するライトガイドと、光方向転換フィルムと、を含む光学システムを説明しており、光方向転換フィルムは、第1の主面に平行な基準面を定め、実質的に滑らかな第1の主面と、複数の非対称微細構造を含む第2の主面と、を含み、非対称微細構造の各々が、実質的に平坦な第1の側面と、第2の側面とを含み、第2の側面は、実質的に平坦な表面を形成する第1の表面セグメントであって、基準面に対するその第1の角度が、基準面に対して約40度~約70度であり、第1の一次方程式に基づく第1の表面セグメントと、非平坦な表面を形成する第2の表面セグメントであって、その形状が、三次方程式又はより高次の方程式に基づき、三次方程式又はより高次の方程式は光入力分布に基づき、三次方程式又はより高次の方程式の1階微分が第1の一次方程式と一致する第2の表面セグメントと、実質的に平坦な表面を形成する第3の表面セグメントであって、その第2の角度が、基準面に対して約40度~約70度であり、第2の角度は、第2の一次方程式に基づき、三次方程式又はより高次の方程式の1階微分が、第2の一次方程式に一致する第3の表面セグメントと、を含み、ライトガイドから発し、第1の主面を通って出る光の少なくとも60%以上が、特徴的な視野角の第1のセットに含まれ、中心視野角が、第1の主面により、第1の主面に垂直となるように定められ、特徴視野角の第1のセットは、中心視野角に対して約-35度~約35度である。
【0006】
いくつかの実施例で、本開示は、第1の光入力分布を有するライトガイドと、光方向転換フィルムと、を含む光学システムを説明しており、光方向転換フィルムは、第1の主面に平行な基準面を定め、実質的に滑らかな第1の主面と、複数の非対称微細構造を含む第2の主面と、を含み、非対称微細構造の各々が、第1の側面と、第2の側面とを含み、第2の側面は、実質的に平坦な表面を形成する第1の表面セグメントであって、基準面に対するその第1の角度が、第1の視野角付近の第1の光分布カットオフをもたらすように構成された、第1の表面セグメントと、非平坦な表面を形成する第2の表面セグメントであって、第1の視野角から第1の光分布に基づく第2の視野角まで、実質的に同様の相対輝度をもたらすように構成された、第2の表面セグメントと、実質的に平坦な表面を形成する第3の表面セグメントであって、その第2の角度が、第2の視野角付近に第2の光分布カットオフをもたらすように構成された、第3の表面セグメントと、を備える。
【0007】
いくつかの実施例で、本開示は、車両と、車両内の車両ディスプレイと、を含む車両ディスプレイシステムを説明しており、車両ディスプレイは、ライトガイドと、光方向転換フィルムと、を含む光学システムを説明しており、フィルムは、実質的に滑らかな第1の主面と、第2の主面を含み、第2の主面は、複数の非対称微細構造を含み、非対称微細構造の各々が、非対称微細構造はそれぞれ、実質的に平坦な第1の側面と、第2の側面とを含み、第2の側面は、実質的に平坦な表面を形成する第1の表面セグメントと、非平坦な表面を形成する第2の表面セグメントと、を含む。
【0008】
本開示の1つ以上の実施形態の詳細を、添付の図面に提示し、以下に説明する。本開示の他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】平面ファセット及び非平面ファセットを有するATFを含む例示的な光学システムの概念的な概略側面断面図である。
【0010】
図2】平面ファセット及び非平面ファセットを有するATF微細構造プリズム(「ATFプリズム」)の概念的な概略側面断面図である。
【0011】
図3】4つの例示的なATFプリズムの概念及び概略断面を示す、ダウンガイド方向対高さ方向のプロットである。
【0012】
図4図3の例示的なATFプリズムのダウンガイド角度対表面勾配の例示的なプロットである。
【0013】
図5図3の例示的なATFプリズムのダウンガイド角度対曲率の例示的なプロットである。
【0014】
図6】ATFに入射し得る光入力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的なプロットである。
【0015】
図7図6のダウンガイド断面光入力分布について、ATFに入射し得る、極角及び方位角対相対輝度の例示的なコノスコピックプロットである。
【0016】
図8図6のダウンガイド断面光入力分布について、ATFに入射し得るATFに入射し得る、極角及び方位角対相対輝度の例示的なコノスコピックプロットである。
【0017】
図9図6のダウンガイド断面光入力分布からの、図3の例示的なATFプリズムを有する例示的な光学システムの光出力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的プロットである。
【0018】
図10図6のダウンガイド断面光入力分布からの、図3の例示的なATFプリズムを有する例示的な光学システムの光出力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的プロットである。
【0019】
図11】光学システムの1つ以上の構成要素を除去した後の、ATFを有する例示的な光学システムの光出力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的なプロットである。
【0020】
図12】複数半径ファセットプリズムを有するATFの概念的な概略断面図である。
【0021】
図13】三次式によるファセットプリズムを有するATF及び複数半径ファセットプリズムを有するATFを含む、例示的なATFの光出力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的プロットである。
【0022】
図14】単一半径ファセットプリズム及び二次式によるファセットプリズムを有するATFを含む、例示的なATFの光出力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的プロットである。
【0023】
図15A】様々な出力分布幅及び角度のために設計された、三次式によるファセットプリズムを含む、例示的なATFの出力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的プロットである。
図15B】様々な出力分布幅及び角度のために設計された、三次式によるファセットプリズムを含む、例示的なATFの出力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的プロットである。
図15C】様々な出力分布幅及び角度のために設計された、三次式によるファセットプリズムを含む、例示的なATFの出力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的プロットである。
図15D】様々な出力分布幅及び角度のために設計された、三次式によるファセットプリズムを含む、例示的なATFの出力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的プロットである。
【0024】
図16A】様々な出力分布幅及び角度のために設計された、三次式によるファセットプリズムを含む、例示的なATFの出力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的プロットである。
図16B】様々な出力分布幅及び角度のために設計された、三次式によるファセットプリズムを含む、例示的なATFの出力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的プロットである。
図16C】様々な出力分布幅及び角度のために設計された、三次式によるファセットプリズムを含む、例示的なATFの出力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的プロットである。
図16D】様々な出力分布幅及び角度のために設計された、三次式によるファセットプリズムを含む、例示的なATFの出力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的プロットである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示は、非対称光方向転換フィルム(ATF)及びそれを含む光学システムを説明する。いくつかのディスプレイ用途では、光学システムが、バックライトの効率を低下させることなく、縁部における急激な輝度のロールオフ、及び、平坦頂部(すなわち、トップハット形状分布)を有する出力分布を提供することが提供することが望ましい。例えば、自動車のディスプレイでは、トップハット分布は、垂直方向の視野角範囲にわたってほぼ均一の輝度と、鋭いカットオフを有するディスプレイを提供し、低い周囲光条件の時に、フロントガラスに付いているディスプレイからのグレアを低減することができる。
【0026】
光方向転換フィルムバックライトを使用して、コリメートされた出力光分布を作り出すことができ、光方向転換フィルムのプリズムファセット角度及びプリズム傾斜を使用して、光分布の中心を制御することができる。平面と非平面を有する、記載されたATFは、例えば、トップハット分布を含む有用な又は望ましい光出力分布を提供することができる。例えば、記載されたATFを有する光学システムを使用して、そのようなATFを有さない光学システムと比較して、効率を低下させることなく、かつ広い範囲の輝度ロールオフを伴わずに、ディスプレイからの光の垂直角度分布を制御することができる。いくつかの実施例では、記載されたATFは、顕著な量の光を吸収することなくトップハット分布を提供するために、湾曲セグメントに隣接する少なくとも1つの平面セグメントを含んでもよい。いくつかの実施例では、平面セグメントは、所望の視野角において鋭い縁部を有する光出力分布を提供することができる。いくつかの実施例では、湾曲したセグメントは、平坦頂部を有する光出力分布を提供することができる。いくつかの実施例では、湾曲したセグメントの形状は、三次方程式(又はより高次の式)に基づくことができる。いくつかの実施例では、湾曲セグメントの形状は、ATFへの光入力の光入力分布に基づくことができる。いくつかの実施例では、記載されたATFは、効率を改善し、望ましくない迷光を低減するために、単独で、又はルーバフィルム、角コントラスト制御LCDなどと共に使用することができる。
【0027】
図1は、平面ファセット及び非平面ファセットを有する非対称光方向転換フィルム(ATF)110を含む、例示的な光学システム100の概念的な概略側面断面図である。図1の実施例では、光学システム100は、光源104、バックリフレクタ106、及びライトガイド108を含むライトガイドアセンブリ102、ATF110、基板112、スプレッダ114、光学接着剤116、並びに液晶ディスプレイ118を含んでもよい。いくつかの実施例では、光学システム102は、ライトガイド108及びATF110を含んでもよい。
【0028】
いくつかの実施例では、ATF110は、ライトガイド108から実質的にコリメートされた光(例えば、角度122においてコリメートされた光ビーム120)を受け取り、ディスプレイ軸124に実質的に平行な平面内で、コリメートされた光(例えば、光ビーム126)を出力するように構成されてもよい。例えば、ATF110は、光方向転換フィルムタイプのライトガイド、又は楔形ライトガイドあるいは擬似楔形ライトガイドなどから、出力されるコリメートされた光を受光してもよい。
【0029】
いくつかの実施例では、ライトガイドアセンブリ102は、任意の好適な、光源104、又は光源の組み合わせ(図示せず)のうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施例では、光源104は、1つ以上の発光ダイオード(LED)を含んでもよい。いくつかの実施例では、光源104は、それぞれ、単一光源を含んでもよく、又は複数の光源(例えば、光源の集まりあるいは連なり)を含んでもよい。いくつかの実施例では、光源104は、冷陰極蛍光灯(CCFL)又は白熱光源を含んでもよい。光源104と、任意の対応する投射、コリメーション、又は他の光学素子を選択して、任意の好適な波長又は波長の組み合わせ、偏光、点拡散分布、及びコリメーションの程度を与えてもよい。
【0030】
いくつかの実施例では、ライトガイドアセンブリ102は、ライトガイド108を含んでもよい。いくつかの実施例では、ライトガイドアセンブリ102は、実質的にコリメートされた光を出力するように構成されてもよく、例えば、実質的にコリメートされた光出力は、40度未満の半値全幅(FWHM)を有する光出力を含んでもよい。例えば、ライトガイドアセンブリ102は、高角度で、ダウンガイド方向において、ディスプレイ軸124に沿って、ライトガイドアセンブリ102から光が出力されるように、内部全反射を徐々に妨害することによって、光を取り出すために、楔形ライトガイドを含む光方向転換フィルムを含み得るライトガイド108を含んでもよい。別の実施例として、ライトガイドアセンブリ102は、取り出された光が、ダウンガイド方向において、高角度において、ライトガイドアセンブリ102から、ディスプレイ軸124に対して実質的に平行に、コリメートされるように、内部全反射を弱く妨害するために、浅い傾斜の光取出器形状を有する平坦なライトガイドを含む疑似楔形を含み得るライトガイド108を含んでもよい。このような例では、このような取出器の密度及び面積比(すなわち、バックライトガイドの全表面積に対する取出器の表面積)は、光を均一に発射し、ライトガイド108からその長さに沿って光を実質的に取り出す(例えば、ライトガイド108から光の80%、又はライトガイド108から光の90%、又はライトガイド108から光の95%を取り出す)ように配置される。加えて、このような実施例では、ライトガイドアセンブリ102は、伝播光を散乱させる、ソース画像アーチファクトを解体する、又はクロスガイドの方向に光をコリメートする(すなわち、光は、ダウンガイドとクロスガイドの両方の方向にコリメートされてもよい)ために、光の伝播方向に沿って、一方側に、レンチキュラー及び/又はプリズム形の溝又は構造を備えてもよい。
【0031】
いくつかの実施例では、ライトガイドアセンブリ102は、バックリフレクタ106を含んでもよい。いくつかの実施例では、バックリフレクタ106は、ライトガイド108からの光を再利用してもよい。例えば、バックリフレクタ106は、リフレクタ、反射型偏光子などを含んでもよい。いくつかの実施例では、バックリフレクタ106は、例えば、拡散、近鏡面、又は鏡面などの光散乱分布を含んでもよい。いくつかの実施例では、バックリフレクタ106は、1つのフィルム層を含んでもよい。いくつかの実施例では、バックリフレクタ106は、コーティングされた金属化フィルムを含んでもよい。他の実施例では、バックリフレクタ106は、例えば、改良された鏡面リフレクタフィルムなどの、2つ以上のフィルム層を含んでもよい。
【0032】
いくつかの実施例では、ATF110は、実質的に滑らかな表面130(すなわち、第1の主面)と構造化表面132(すなわち、第2の主面)を含んでもよい。いくつかの実施例では、実質的に滑らかな表面130は、実質的に滑らかな表面130に対して実質的に垂直に延びるディスプレイ軸124を画定してもよい。いくつかの実施例では、構造化表面132は、頂点140で交差する第1の側面136と第2の側面138を、各々が有する複数の微細構造134を含んでもよい。いくつかの実施例では、頂点140は、周期の5%未満、又は周期の2%未満など、近似を含んでもよい。いくつかの実施例では、隣接する微細構造134が、谷部142を形成してもよい。いくつかの実施例では、ATF110は、ライトガイド108に光学的に結合されてもよい。いくつかの実施例では、ATF110は、ライトガイド108に直接隣接していてもよい。他の実施例では、追加の層が、ライトガイド108とATF110の間に配置されてもよく、追加の層は、例えば、光学接着剤又は別の基板を含んでもよい。いくつかの実施例では、ATF110は、第1の平面内で実質的にコリメートされた光を出力してもよい。
【0033】
いくつかの実施例では、実質的に滑らかな表面130は、完全に滑らかでなくてもよく、例えば、実質的に滑らかな表面130は、表面が微細構造を含まない場合に実質的に滑らかな表面であってもよい。例えば、アンチウェットアウト又はアンチグレアビーズコーティングは、実質的に滑らかな表面130の表面上に含まれるか、又は組み込まれてもよく、そのような表面は、なお、実質的に滑らかであると考えてもよい。換言すれば、実質的に滑らかという用語の使用は、表面が完全に平坦なことを示すものではなく、表面が構造化されていないことを示すものである。
【0034】
いくつかの実施例では、構造化されたシステム132は、微細構造134を含んでもよい。いくつかの実施例では、微細構造134は、非対称微細構造を含んでもよい。いくつかの実施例では、微細構造134は、非対称のプリズム形微細構造を含んでもよい。いくつかの実施例では、微細構造134は、実質的に同じ横方向断面形状を有してもよい。他の実施例では、構造化表面132は、2つ以上のタイプのプリズム微細構造134、例えば、角形微細構造及び/又は多面微細構造を含んでもよい。いくつかの実施例では、微細構造134は、各々、一次方程式による線形微細構造であってもよい、すなわち、微細構造134は、実質的に同じ(例えば、同じ又はほぼ同じ)断面形状を有して、ディスプレイ軸124に垂直な平面に沿って延びてもよい(例えば、図1の断面図に示され、このページの表裏を貫く軸内に延びる)。
【0035】
いくつかの実施例では、微細構造134は、各々、第1の側面136を有してもよい。いくつかの実施例では、第1の側面136は、単一の直線ファセットであってもよい。他の実施例では、第1の側面136は、多面であってもよい。他の実施例では、第1の側面136は、コリメートされた入力分布から好適な光出力分布を形成するように湾曲又は弓形であってもよい。いくつかの実施例では、ライトガイド108を出た光は、ATF110の微細構造134の第1の側面136に入射してもよい、例えば、光ビーム120は、第1の側面136に入射してもよい。
【0036】
いくつかの実施例では、微細構造134は、各々が、第2の側面138を有してもよい。いくつかの実施例では、第2の側面138は、コリメートされた入力分布から好適な光出力分布を形成するように湾曲又は弓形であってもよい。いくつかの実施例では、第2の表面セグメントは、実質的に凸状であってもよい。他の実施例では、第2の表面セグメントは実質的に凹状であってもよい。いくつかの実施例では、第2の側面138は、線形、凹状、凸状、これらの組み合わせなどとすることができる光学的に関連性を有しないセグメントを含んでもよい。いくつかの実施例では、ライトガイド108を出た光は、ATF110の微細構造134の第1の側面136に入射してもよく、例えば、光ビーム120が、第1の側面136に入射してもよい。構造化表面132上の微細構造134の全体的な配置は、任意の好適なピッチを有することができ、隣接する微細構造の間にはランド(平坦な領域)があっても、なくてもよい。いくつかの実施例では、微細構造134は、微細構造が隣接する微細構造上に陰影効果をもたらすように、互いに直接隣接しもよい。いくつかの実施例では、隣接する微細構造の影に入る微細構造134の一部分の形状は、ATFの光分布に影響を与えないとしてもよい。
【0037】
微細構造134は、任意の適切なサイズであってよい。いくつかの実施例では、微細構造134は、ミリメートル又はマイクロメートルのスケールであってよく、例えば、微細構造134のピッチを約10~約200マイクロメートル、又は約10~約100マイクロメートルとすることができる。非対称微細構造134のピッチ又はサイズは、ATF110の構造化表面132の全て又は一部について、増大しても、縮小しても、増大したり縮小したりしても、又は一定のままであってもよい。いくつかの実施例では、微細構造134は全て、実質的に同じ(例えば、同じ又はほぼ同じ)であってもよく、又は異なる形状あるいはサイズである微細構造の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、ATFプリズムのピッチは、光学システム100の外観に影響を及ぼしてもよく、光学システム100のモアレ効果を低減してもよく、又は、光学システム100の回折効果を低減するなどしてもよい。
【0038】
ATF110は、任意の好適な厚さであってよく、任意の好適な材料から作製してもよい。いくつかの実施例では、ATF110は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ(メチルメタクリレート)、及びコポリマー、並びにこれらのブレンドなどの、ポリマー材料から形成してもよい。他の適切な材料としては、アクリル、ポリスチレン、メチルスチレン、アクリレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。いくつかの実施例では、ATF110は、入射光の望ましくない散乱を回避するために、光学的に透明であってもよく、又は低いヘイズで高い透明度を有してもよい。いくつかの実施例では、ATF110は、十分に広い範囲の角度での全内部反射を容易にするために、約1.45~約1.75、又は約1.5~約1.75などの、十分に高い屈折率を有してもよい。いくつかの実施例では、ATF110の材料、寸法、又はその両方を、可撓性フィルムを製造するために選択することができる。
【0039】
微細構造134、より一般的には、構造化表面132は、微小複製工程などの任意の好適な工程により形成してもよい。例えば、構造化表面132は、所望の構造のネガを形成する表面を有する好適なツールに、順応性があって、硬化性のある、すなわち硬化可能な材料を押しあてて、切断(フライ切削、ねじ切り切削、ダイヤモンド回転など)することによって形成してもよい。その後、材料を(例えば、紫外光などの光への露出によって)硬化させ、所望の微細構造134を有する構造化表面132が残るようにしてもよい。例えば、電気めっき、レーザ切削、又はエッチングしたツールを用いた注型硬化、ツールの二光子マスタリングなどのフォトリソグラフィと注型硬化法の併用、又は直接機械加工あるいは付加式3次元印刷法も含む、ATF110を形成するための他の処理も可能である。
【0040】
いくつかの実施例では、ATF110は、基板112に光学的に結合されてもよい。いくつかの実施例では、ATF110は、基板112上に形成してもよい、すなわち、微細構造134は、基板112上に形成してもよい。いくつかの実施例では、基板112は、2つの分離した基板としてもよい。
【0041】
いくつかの実施例では、基板112は、スプレッダ114に光学的に結合されてもよい。いくつかの実施例では、スプレッダ114は、クロスガイド方向(すなわち、ページの表裏を貫く)において、ATF110からコリメートされた光を拡散するように構成されてもよい。例えば、スプレッダ114は、反射屈折光学スプレッダ微細構造を含んでもいてもよい。別の実施例として、スプレッダ114は、直交ハイブリッドレンチキュラースプレッダ微細構造を含んでもよい。いくつかの実施例では、スプレッダ114は、ダウンガイド(すなわち、ページ上の左/右)の角度輝度分布を実質的にもたらさなくてもよい。いくつかの実施例では、スプレッダ114は、基板112上に形成されてもよい、すなわち、スプレッダ114の微細構造が基板112上に形成されてもよい。いくつかの実施例では、光学システム100は、スプレッダ114を含まなくてもよい。
【0042】
いくつかの実施例では、光学システム100は、基板112を含まなくてもよく、例えば、ATF110は、スプレッダ114に直接隣接してもよい。いくつかの実施例では、基板112は、光学接着剤、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどであってもよい。いくつかの実施例では、ATF110とスプレッダ114は、基板112の両側に配置されてもよい。他の実施例では、ATF110とスプレッダ114は、2つの別個の基板上に配置されてもよく、2つの基板は一緒に積層されるか、又は別の形で光学的に結合される。
【0043】
いくつかの実施例では、液晶ディスプレイ(LCD)118は、スプレッダ114に隣接して配置されてもよい。いくつかの実施例では、LCD118は、スプレッダ114に直接隣接して配置されてもよい。他の実施例では、LCD118は、スプレッダ114に直接隣接して配置されなくてもよい。
【0044】
いくつかの実施例では、光学接着剤116が、スプレッダ114をLCD118に結合してもよい。いくつかの実施例では、光学接着剤116は、スプレッダ114の隣接するスプレッダ微細構造間の空隙を、部分的又は完全に充填してもよい。いくつかの実施例では、LCD118とスプレッダ114の間に他の層が配置されてもよく、例えば、LCD118とスプレッダ114の間に基板又はフィルムが配置されてもよい。
【0045】
いくつかの実施例では、光学システム100は、車両に搭載されてもよい。例えば、車両ディスプレイシステムは、車両(図示せず)と、バックライトライトガイド108、ATF110、スプレッダ114、及びLCD118を含む光学システム(例えば、光学システム100)を含む、車両内の車両ディスプレイとを含んでもよい。他の実施例では、車両ディスプレイシステムは、ATF110及びスプレッダ114を含み得る。いくつかの実施例では、光学システム100を含む車両ディスプレイは、ディスプレイ表面に垂直な中心視野角に対して±10度を中心として、実質的に±30度の範囲内の垂直角光分布を有して、約+35度超では、低光レベルとしてもよく、ここで、+方向は上方向(すなわち、フロントガラス方向)である。他の実施例では、光学システム10を含む車両ディスプレイは、ディスプレイ表面に垂直な中心視野角に対して実質的に-10度~+20度の垂直角光分布を有して、約+35度超では低光レベル(例えば、最大輝度の約5%未満)としてもよく、ここで、+方向は上方(すなわち、フロントガラス方向)であり、中央視野角は、運転席乗員と車両の特定のレイアウトにおいて垂直なディスプレイの間の交点の垂直角度に基づく。
【0046】
図2は、平面ファセット及び非平面ファセットを有する非対称光方向転換フィルムの微細構造プリズム(「ATFプリズム」)200の概念的な概略側面断面図である。ATFプリズム200は、図1の微細構造134に関して、上の特徴を含んでもよく、例えば、ATFプリズム200は、構造化表面132、第1の側面136、第2の側面138、頂点140、及び谷部142を含んでもよい。いくつかの実施例では、第1の側面136は、ライトガイドアセンブリ102からの光の相当な部分が透過する注入面を含んでもよい。いくつかの実施例では、第2の側面138は、光の相当な部分を反射する光方向転換面を含んでもよい。
【0047】
いくつかの実施例では、第2の側面138は、第1の表面セグメント202、第2の表面セグメント204、及び第3の表面セグメント206を含んでもよい。いくつかの実施例では、第1の表面セグメント202は、実質的に平坦な表面を形成してもよい。例えば、実質的に平坦な表面は、約4度未満、又は約2度未満、又は約1度未満の角度範囲を有するセグメントを含んでもよい。いくつかの実施例では、第2の表面セグメント204は、非平坦な表面を形成してもよい。いくつかの実施例では、第2の表面セグメントは、実質的に凸状であってもよい。他の実施例では、第2の表面セグメント204は、実質的に凹状であってもよい。いくつかの実施例では、第3の表面セグメント206は、実質的に平坦な表面を形成してもよい。
【0048】
いくつかの実施例では、第1の表面セグメント202は、頂点140から移行点208まで延びてもよく、第2の表面セグメント204は、第1の移行点208から、ATFプリズム200と隣接するプリズムの間(すなわち、微細構造134と隣接する微細構造との間)の谷部142に向かって延びてもよい。他の実施例では、図2に示されていないが、第1の表面セグメントは、谷部から第1の移行点まで延びてもよく、第2の表面セグメントは、第1の移行点から頂点に向かって延びてもよい。
【0049】
いくつかの実施例では、頂点140と第1の移行点208との間の距離は、それぞれの非対称微細構造の頂点140と谷部142との間の距離の約3%~約15%の間であってもよい。他の実施例では、図2には示されていないが、谷部と第1の移行点との間の距離は、それぞれの非対称微細構造の頂点と谷部との間の距離の約3%~約50%であってもよい。いくつかの実施例では、第1の移行点208と谷部142との間の距離は、それぞれの非対称微細構造の頂点140と谷部142との間の距離の約85%~約97%である。他の実施例では、図2に示されていないが、第1の移行点と頂点との間の距離は、それぞれの非対称微細構造の頂点と谷部との間の距離の約50%~約97%である。
【0050】
いくつかの実施例では、第1の表面セグメント202は、頂点140から第1の移行点208まで延びてもよく、第2の表面セグメント204は、第1の移行点208から第2の移行点210まで延びてもよく、第3の表面セグメント206は、第2の移行点210から、ATFプリズム200と隣接するプリズムの間(すなわち、微細構造134と隣接する微細構造の間)の谷部142に向かって延びてもよい。他の実施例では、図2に示されていないが、第1の表面セグメントは、谷部から第1の移行点まで延びてもよく、第2の表面セグメントは、第1の移行点から第2の移行点まで延びてもよく、第3の表面セグメントは、第2の移行点から頂点に向かって延びてもよい。
【0051】
いくつかの実施例では、頂点140と第1の移行点208との間の距離は、それぞれの非対称微細構造の頂点140と谷部142との間の距離の約3%~約15%であってもよく、第1の移行点208と第2の移行点210との間の距離は、それぞれの非対称微細構造の頂点140と谷部142との間の距離の約35%~約94%であってもよく、第2の移行点210と谷部142との間の距離は、それぞれの非対称微細構造の頂点140と谷部142との間の距離の約3%~約50%であってもよい。他の実施例では、図2に示されていないが、谷部と第1の移行点との間の距離は、それぞれの非対称微細構造の頂点と谷部との間の距離の約3%~約50%であってもよく、第1の移行点と第2の移行点との間の距離は、それぞれの非対称微細構造の頂点と谷部との間の距離の約35%~約94%であってもよく、第2の移行点と頂点との間の距離は、それぞれの非対称微細構造の頂点と谷部との間の距離の約3%~約15%であってもよい。
【0052】
いくつかの実施例では、ATFプリズム200は、第1の主面(図示せず)に実質的に平行な基準面212を形成してもよい。いくつかの実施例では、注入角度214は、基準面212と第1の側面136の間の角度であってもよい。いくつかの実施例では、注入角度214は、基準面212に対して約40度~約90度であってもよい。いくつかの実施例では、第1の角度216(例えば、先端角度)は、基準面212と第1の表面セグメント202の間の角度であってもよい。いくつかの実施例では、第1の角度216は、基準面212に対して約40度~約90度、又は基準面212に対して約40度~約70度であってもよい。いくつかの実施例では、第2の角度218(例えば、ベース角)は、基準面212と第3の表面セグメント202の間の角度であってもよい。いくつかの実施例では、第2の角度218は、基準面212に対して約40度~約70度であってもよい。
【0053】
いくつかの実施例では、ATF200は、望ましい深度オフセット及び傾斜を提供するために、設計工程時に、ATFプリズム200がその周りを回転する中心224を含んでもよい。例えば、注入角度214、第1の角度216、第2の角度218、及び第2の表面セグメントの傾斜は、ATFプリズム200を、中心224の周りに、正の回転方向226に、回転させ、次いで、深度を減少させ、基準面にクリップ留めすることによって変換されてもよい。別の実施例として、注入角度214、第1の角度216、第2の角度218、及び第2の表面セグメントの傾斜は、ATFプリズム200を、中心224の周りに、正の回転方向226に、回転させ、次いで、深度を増し、第1の側面136及び/又は第2の側面138を基準面212に外延することによって変換されてもよい。
【0054】
いくつかの実施例では、ATFプリズム200は、第3の表面セグメント長さ228の、プリズムベース長さ230に対する比として定義され得る、ベースの線形部分を有してもよい。いくつかの実施例では、ATFプリズム200は、第1の表面セグメント長さ232の、プリズムベース長さ230に対する比として定義され得る、先端線形部分を有してもよい。いくつかの実施例では、ATFプリズム200は、第2の表面セグメント長さ234を含んでもよい。
【0055】
いくつかの実施例では、第2の表面セグメント204の形状は、第2の移行部210に原点を有するATFプリズム200の平面に位置合わせされた座標系内の式に基づいてもよい(すなわち、座標系は、第2の表面セグメント204が、第3の表面セグメント206に接合する、原点を有するx軸218及びy軸220を有する)。他の実施例では、座標系は、第2の表面セグメント204の始点と終点に位置合わせする、又は、第1の表面セグメント202に位置合わせする、又は、第3の表面セグメント206に位置合わせするなどとしてもよい。他の実施例では、座標系原点は、第1の移行部208において位置合わせする、又は、第2の表面セグメント204の中心に位置合わせするなどとしてもよい。いくつかの実施例では、第2の表面セグメント204の形状は、以下の式によって与えられる三次方程式に基づいてもよい。
(式1)y=D・x+C・x+B・x+A
式中、A、B、C、及びDは調整可能なパラメータである。他の実施例では、第2の表面セグメント204の形状は、より高次の式、例えば、四次式に基づいてもよい。
(式2)y=E・x+D・x+C・x+B・x+A
式中、A、B、C、D、及びEは調整可能なパラメータである。いくつかの実施例では、調整可能なパラメータは、第2の表面セグメント204の縁部(すなわち、第1の移行部208及び第2の移行部210)における連続性及び連続的な勾配境界条件を満たすために、及び/又は第2の表面セグメント204に沿った曲率分布を制御するために使用されてもよい。例えば、第1の表面セグメント202の形状は、第1の一次方程式に基づいてもよく、また、第2の表面セグメント204の形状は、三次方程式に基づいてもよく、ここで、三次方程式の1階微分は、第1の一次方程式に一致する。別の実施例として、第1の表面セグメント202の形状は、第1の一次方程式に基づくことができ、第2の表面セグメント204の形状は、より高次の方程式(例えば、四次方程式)に基づいてもよく、ここで、より高次の方程式の1階微分は、第1の一次方程式に一致する。いくつかの実施例では、三次方程式は、所望の曲率分布を生成し得る一次の2階微分を与えることができるため、三次方程式が、トップハット分布を与えてもよい。いくつかの実施例では、四次以上の方程式は、四次以上の方程式が、望ましい低-高-低型の絶対湾曲分布を生成し得るニ次以上の2階微分変数を与えることができるため、トップハット分布を与えてもよい。いくつかの実施例では、境界制約を適合するために、すなわち、第1の移行部208又は第2の移行部210の位置と勾配と一致するために、3つの調整可能なパラメータが、使用されてもよく、第2の表面セグメント204の曲率分布を制御するために、追加の調整可能なパラメータが使用されてもよい。
【0056】
いくつかの実施例では、第2の表面セグメント204は、2階微分比を特徴としてもよく、これは、三次方程式の、第2の移行部210において解かれた2階微分と、第2の移行部210における三次方程式と同じ座標及び傾き、並びに第1の移行点208における三次方程式と同じ傾きを有する、二次方程式の、第2の移行点210において解かれた2階微分の比と定義されてもよい。
【0057】
いくつかの実施例では、第1の角度、第2の角度、第1の移行部、及び第2の移行部は、設計工程時に調整されて、所望の角度位置及び正確な全高のトップハット分布の鋭い縁部を生成され得る。いくつかの実施例では、第2の表面セグメントの方程式の調整可能なパラメータは、トップハット分布を提供するように調整されてもよい。例えば、トップハット分布は、実質的に平坦な上部領域を含んでもよい。
【0058】
いくつかの実施例では、実質的に平坦な上部は、例えば、ディスプレイの利用要件(例えば、視野距離、ディスプレイサイズ、視聴者に対する表示方向など)、又は、視覚科学、産業慣行、及び製造要件(例えば、実装置の製造におけるばらつきを可能にするための許容帯域など)を通じて理解される、人間の視覚システム(すなわち、視覚に関連する人間の目及び神経系構造)の応答に依存してもよい。いくつかの実施例では、知覚可能な輝度変動は、眼から見られる変動の角周波数に依存してもよいと理解される。いくつかの実施例では、変動の角周波数は、特定の視野距離(例えば、60センチメートルの視野距離)でのディスプレイにおける相当空間変化に関連してもよいと理解される。いくつかの実施例では、輝度変化パターンの視認性は、観察者、又はディスプレイ上の輝度変化パターンが、動いているか、又は時間的に変調されている場合には、輝度変化パターンの知覚を、2倍又は4倍に増加させる動的特性を含んでもよいと理解される。いくつかの実施例では、望ましい角周波数範囲は、トップハット分布の実質的に平坦な頂部にわたる低角周波数の低-高-低輝度変化パターンを含む、輝度変動に依存するとみなしてもよい。いくつかの実施例では、角周波数範囲は、輝度が一つ以上の高-低-高輝度パターンの範囲を有する領域内では、より高い角周波数変動からなる輝度変化に依存するものとみなしてもよい。いくつかの実施例では、輝度変動の均一性は、輝度比、すなわち、最小輝度と最大輝度の比として定義してもよい。いくつかの実施例では、輝度比は、少なくとも約70%以上、又は少なくとも約80%以上、又は約85%超でもよい。いくつかの実施例では、追加の許容帯域が必要とされてもよい。いくつかの実施例では、より高い角周波数変調は、変調の特定の空間周波数に基づいて異なる設計要件を有してもよい。
【0059】
いくつかの実施例では、トップハット出力分布の実質的に平坦な上部領域は、約5%未満の変調(すなわち、平坦な上部領域における出力分布の10%未満のピーク-ピーク変動性)、又は約4%未満の変調、又は約3%未満の変調、又は約2%未満の変調、又は約1%未満の変調を有する分布を含んでもよい。いくつかの実施例では、第2の表面セグメントの方程式の調整可能なパラメータは、メリット関数と結合された非線形オプティマイザによって調整されてもよい。
【0060】
図3は、4つの例示的非対称光方向転換フィルム微細構造プリズム(ATFプリズム)302、304、306、308の概念的及び概略断面を示す、ダウンガイド方向対高さ方向のプロット300である。図3に示すように、ATFプリズム302、304、306、308は、ダウンガイド方向が正方向(すなわち、負方向が光源側に向かう)である第1の側面のベースにある原点から測定されるプリズムベース長さを含んでもよい。図3に示されるように、ATFプリズム302、304、306、308は、正方向がライトガイドに向かう第1の側面のベースの原点から測定され得るプリズム高さを含んでもよい(すなわち、負方向はディスプレイ表面に向かう)。図3に示すように、ATFプリズム302、304、306、308は、平面と非平面を含んでもよい。例えば、図3に示すように、ATFプリズム302と306は、実質的に平面であってもよい(例えば、9度未満、好ましくは5度未満、より好ましくは2度未満の範囲の傾斜範囲を有する)第1の表面セグメント、実質的に非平面であってもよい(例えば、好適な調整可能なパラメータ又は係数を有する三次、二次、又はより高次の方程式などの、関数形式によって形状化される)第2の表面セグメント、及び実質的に平面であってもよい第3の表面セグメントからなるものとしてもよい。いくつかの実施例では、図2に関して上述したように、ATFプリズムは、望ましい深度オフセット及び傾斜を与えるために、設計工程時に、ATFプリズム200を回転させる中心を含んでもよい。例えば、好適な深度オフセット及び好適な傾斜をATFプリズム302に適用して、ATFプリズム304の形状を作成し、それにしたがって、ATFプリズム302を、プリズム中心の周りを正の回転方向に回転させ、次いで、深度を減少させ、基準面にクリップ留めすることによって、注入角度、第1の角度、第2の角度、及び第2の表面セグメントの傾斜を変更して、ATFプリズム304に変換した。
【0061】
表1は、例えば、注入角度、ベースの線形部分、第2の角度(すなわち、ベース角)、先端線形部分、第1の角度(すなわち、先端角度)、2階微分比、ピッチ、及び傾斜を含む、プリズム302、304、及び306のATFプリズム設計パラメータを示す。
【表1】
【0062】
いくつかの実施例では、ATFプリズム300は、第4の表面セグメントを含んでもよい。いくつかの実施例では、ATFプリズム300は、複数の表面セグメントを含んでもよい。いくつかの実施例では、第2の表面セグメントは、各々、別個の一次、三次、又はより高次の方程式によって定義される、2つのセグメントを含んでもよい。いくつかの実施例では、第2の側面138の形状は、実質的に連続し、実質的に連続的な傾きを有してもよい。他の実施例では、第2の側面138の形状は、不連続、あるいは別の形でセグメント化されてもよく、又は不連続な傾きを有してもよい。例えば、第2の表面セグメント204は、区分的弧、例えば区分的な円弧、二次以上の多項式の区分的弧などを含んでもよい。このような例では、区分的な円弧は、規則的又は不規則なパターンで、2つの間は、全て凸状、全て凹状、又は交互としてもよい。図3に示すように、ATFプリズム308は、4つの表面セグメントを含んでもよく、そこにおいて、第2の表面セグメントと第4の表面セグメントは区分的な円弧を含む。
【0063】
図4は、図3の例示的なATFプリズム302と308についてのダウンガイド角度対表面勾配の例示的プロット400である。図4の実施例では、曲線402と408は、それぞれ、ATFプリズム302と308に対応する。図5は、図の例示的なATFプリズム302と308についてのダウンガイド角度対曲率の例示的プロット500である。図5の例において、曲線502と508は、それぞれ、ATFプリズム302と308に対応する。図4及び図5の実施例に示されるように、例示的ATFプリズムは、実質的に平面(すなわち、一次)である第1の表面セグメントと、より高い曲率の混合領域を含み得る第2の表面セグメントと、実質的に平面(すなわち、線形)であり得る第3の表面セグメントとを含んでもよい。いくつかの実施例では、第3の表面セグメントは、ATFプリズムのベースに実質的に延びてもよい。他の実施例では、第3の表面セグメントは、ATFプリズムのベースまで延びていなくてもよい。いくつかの実施例では、第3の表面セグメントの少なくとも一部分は、隣接するATFプリズムの陰影の下に入ってもよい。いくつかの実施例では、隣接する微細構造の陰影の下にある第3の表面セグメントの部分の形状は、ATFの光分布に影響を与えなくてもよい。いくつかの実施例では、隣接するATFプリズムの陰影の下にある第3の表面セグメントの少なくとも一部分は、いくつかの他の勾配又は形状(例えば、凹状あるいは凸状の形状、又は円形、二次、三次、あるいは四次方程式など)の第4の表面セグメントに接合してもよい。
【実施例
【0064】
図6は、非対称光方向転換フィルムに入射し得る第1及び第2の光入力分布についての、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的プロット600である。いくつかの実施例では、ATF光入力分布は、ライトガイドアセンブリの光出力分布であってもよい。例えば、図1に示すように、光ビーム120は、ライトガイドアセンブリ102の角度122における、実質的にコリメートされた光出力分布を表してもよい、すなわち、ライトガイドアセンブリの光出力分布は、角度122を中心として約40度未満の半値全幅(FWHM)を有してもよい。
【0065】
図6に示すように、第1のライトガイドアセンブリは、第1のダウンガイド断面入力分布602を出力してもよく、第2のライトガイドアセンブリは、第2のダウンガイド断面入力分布604を出力してもよい。いくつかの実施例では、ダウンガイド断面入力分布は、トップハット出力分布を生成し得るATF微細構造の形状に影響を与えてもよい。図6の実施例では、分布602は、物理的サンプル(すなわち、Hewlett-Packard Company(Palo Alto,California)から入手可能なSure Viewライトガイドアセンブリ)で測定したものである。図6の実施例では、分布604は、別の物理的サンプル(すなわち、Dell(Round Rock,Texas)から入手可能なXPSラップトップからのライトガイドアセンブリ)で測定されたダウンガイド断面から構築されたものである。分布602と604の両方について、水平輝度プロファイルは、Westar,St.Charles,Missouriから入手可能なゴニオメーター及びPhoto Research(Syracuse,New York)から入手可能なPR-705 SpectraScan分光放射計を使用して、特性が測定された。断面を±20度掃引して近似分布を作成し、その後、中心±20度の領域±90度を掃引することによって、中心を満たして、レイトレーシングのための近似的近断面軸モデルを構築した。
【0066】
図7は、図6の第1のダウンガイド断面光入力分布602についての、ATFへの入射し得る、極角及び方位角対輝度の例示的コノスコピックプロット700である。図8は、図6の第2のダウンガイド断面光入力分布604についての、ATFへの入射し得る、極角及び方位角対輝度の例示的なコノスコピックプロット800である。図7図8の実施例では、座標系は、90度方位角へ向かうダウンガイド方向及び270度方位角へ向かう光源方向を有する。
【0067】
例えば、車両ディスプレイシステムの場合、運転席座標系は、+/上方向と-/下方向を定義してもよく、これは、図6図7、又は図8に示される方向に一致しても一致しなくてもよいと理解される。したがって、上方向又は下方向として示される方向は、図を説明する便宜上であり、必ずしも、ATFの構成、例えば、車両ディスプレイアセンブリにおけるATF又は光学システムの向きを、説明するものではない。例えば、光学システムは、ダウンガイド断面入力分布、例えば、図6の第1のダウンガイド断面光入力分布602又は第2のダウンガイド断面光入力分布604上に、(正方向に対して)負方向に、より鋭いカットオフを有し得るトップハット分布を生成してもよい。このような実施例では、運転席座標における+/上方向と整列するように負方向の向きを定めることが望ましいことがあり得る。
【0068】
図9は、図6の第1のダウンガイド断面光入力分布602からの、図3の例示的なATFプリズム302、304、及び306を有する例示的な光学システムの光出力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的プロット900である。いくつかの実施例では、ライトガイドから発して、第1の主面を通って出る、光の少なくとも約60%以上が、特徴的な視野角の第1のセットに含まれてもよく、ここで、中心視野角は、第1の主面により、第1の主面に垂直となるように定められる。例えば、特徴的な視野角の第1のセットは、中心視野角に対して約-35度~約35度であってもよい。別の実施例として、特徴的な視野角の第1のセットは、中心視野角に対して約-20度~約20度であってもよい。
【0069】
図9の実施例では、光学システムは、図1の光学システム100と実質的に同様の特徴を含んでもよい。図9の実施例では、ATFプリズム302、304及び306は、屈折率実部1.565と屈折率虚部9.104×10-7、並びに、0.965鏡面反射と0.02ランバート反射のライトガイドアセンブリに遡及する、反射光特性を有すると想定される。図9の実施例では、光学システムは、屈折率1.58、吸収係数0.0191/mm、及び厚さ86.2μmを有すると想定される基板を含んでもよい。図9の実施例では、光学システムは、屈折率1.7、及び吸収係数0.0107/mmを有すると想定され、接着剤を用いてLCDの後部偏光子に結合されたスプレッダを含んでもよい。図9の実施例では、接着剤は、屈折率1.5、及び厚さ100μmを有してもよく、スプレッダ機能に完全充填されてもよい。図9の実施例では、LCDは、後部偏光子が通過状態で0.95、遮断状態で0.001の透過率を有し、内部モジュールの後方反射0.001、材料インデックス1.5を有し、出口空気境界における9度の表面偏位から散乱を生じるものと想定してもよい。いくつかの実施例では、9度の表面偏位の実際の勾配分布は、部分球面偏位のものと同様であってもよい。いくつかの実施例では、光学システムの特徴は、省略されてもよく、又は他の値を有してもよい、例えば、反射率値及び入力分布は、単に例示的目的で記載されており、本明細書に記載される光学システムは、他の反射率値及び他の光分布と共に使用されてもよいことが理解される。
【0070】
図9の実施例に示すように、目標トップハット分布は、目標トップハット分布902として例示されてもよい。いくつかの実施例では、目標トップハット分布902は、実質的な平坦な頂部、例えば、約5%未満変調(すなわち、平坦な頂部領域における出力分布のピーク-バレー変動性が10%未満)又は、約4%未満変調、又は約3%未満変調、又は2%未満変調、又は約1%未満変調を有する出力分布の平坦な頂部領域を含んでもよい。いくつかの実施例では、目標トップハット分布902は、約-20~約10度の実質的に平坦な頂部を含んでもよい。いくつかの実施例では、目標トップハット分布902は、トップハット領域の外側の床領域(例えば、トップハット領域外の光分布の1つ又は両方の側面について、ピーク相対輝度の約5%以下の相対輝度)を含んでもよい。いくつかの実施例では、目標トップハット分布902は、カットオフ角度又はその近くに、相当に急激な縁部移行部を含んでもよい(例えば、トップハットの側面の一方又は両方について、平坦な頂部領域から床領域へ、約15度未満の移行)。いくつかの実施例では、目標トップハット分布902は、例えば、特定のダウンガイド角を中心としたトップハット、上限のカットオフ角度及び下限のカットオフ角度の近くに急激な縁部移行部を有するトップハット、平坦な上部領域の相対輝度のあるパーセンテージ以内の床領域相対輝度など、他の基準を含んでもよい。
【0071】
いくつかの実施例では、ATFプリズムは、所与の光入力分布に対して、トップハット出力分布を生成するように構成されてもよく、例えば、ライトガイドが、ある光入力分布で、ATFに光を入力する場合、第1の角度、三次方程式、及び第2の角度が、その光入力分布に基づいてもよい。例えば、図9に示すように、ATFプリズム302は、入力分布602を使用するとき、目標トップハット分布902に近似し得る光分布904を生成してもよい。他の実施例では、ATFプリズムは、目標のトップハット分布と一致する出力分布を生成するように構成されてもよい。他の実施例では、ATFプリズムは、目標のトップハット分布と実質的に同様の出力分布を生成するように構成されてもよい。他の実施例では、ATFプリズムは、目標のトップハット分布に類似する出力分布を生成するように構成されてもよい。
【0072】
いくつかの実施例では、ATFプリズムは、所与の光入力分布に対するトップハット出力分布を生成しなくてもよい。例えば、図9に示すように、ATFプリズム304は、目標トップハット分布902と一致しない(又は実質的に同様ではない)光分布908を生成し得る。別の実施例として、図9に示すように、ATFプリズム306は、目標トップハット分布902と一致しない(又は実質的に同様ではない)光分布906を生成し得る。
【0073】
いくつかの実施例では、図9の実施例と同様に、実質的に凸状の第2の表面セグメントを有するATFプリズムを有する光学システムで、第2の角度(すなわち、ベース角)は、第1の角度(すなわち、先端角度)よりも大きく、トップハット出力分布のプラス縁部は、第1の表面セグメントから始まり、トップハット出力分布のマイナス縁部は、第3の表面セグメントから始まってもよい。他の実施例では、実質的に凹状の第2の表面セグメントを有するATFプリズムを有する光学システムで、第2の角度(すなわち、ベース角)は、第1の角度(すなわち、先端角度)よりも小さく、トップハット出力分布のプラス縁部は、第3の表面セグメントから始まり、トップハット出力分布のマイナス縁部は、第1の表面セグメントから始まってもよい。
【0074】
図10は、図6の第2のダウンガイド断面光入力分布604からの、図3の例示的なATFプリズム302、304、及び306を有する例示的な光学システムの光出力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的プロット1000である。図10の実施例では、光学システムは、図9に関して上に述べた光学システムと実質的に同様であってもよい。
【0075】
図10の実施例に示すように、目標のトップハット分布は、目標のトップハット分布1002として例示され得る。目標トップハット分布1002は、図9の目標トップハット分布902に関して上に述べた発明を含んでもよい。
【0076】
いくつかの実施例では、ATFプリズムは、所与の光入力分布に対してトップハット出力分布を生成するように構成されてもよい。例えば、図10に示すように、ATFプリズム306は、入力分布604を使用するとき、目標トップハット分布1002に近似する光分布1004を生成してもよい。
【0077】
いくつかの実施例では、ATFプリズムは、所与の光入力分布に対してトップハット出力分布を生成しなくてもよい。例えば、図10に示すように、ATFプリズム302は、入力分布604を使用するとき、目標のトップハット分布1002と実質的に同様ではない、光分布1008を生成してもよい。別の実施例として、図10に示すように、ATFプリズム306は、入力分布604を使用するとき、目標トップハット分布1002と実質的に同様ではない光分布1004を生成してもよい。
【0078】
図7図8の比較によって示されるように、第1の入力分布に対する目標トップハット分布に一致、実質的に類似、近似、又は類似しているATFプリズム形状は、第2の入力分布に対する目標トップハット分布と実質的に類似、近似、又は類似していなくてもよい。例えば、ATFプリズム302は、入力分布602を与えられて、トップハット分布902に近似する分布904を生成するが、ATFプリズム302は、入力分布604を与えられて、トップハット分布1002に近似しない分布1008を生成する。別の実施例として、ATFプリズム304は、入力分布604を与えられて、トップハット分布1002に近似する分布1006を生成するが、ATFプリズム304は、入力分布602を与えられて、トップハット分布902に近似しない分布908を生成する。このように、プリズム形状は、光入力分布に依存してもよい。
【0079】
図11は、光学システムの1つ以上の構成要素を除去した後の、図3のATFプリズム302を有するATFを有する例示的な光学システムの光出力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度(例えば、正規化された輝度)の例示的プロット1100である。図10の実施例では、光学システムの1つ以上の特徴が除去されたことを除いて、図9に関して上に述べた光学システムと実質的に同様であってもよい。図11の実施例では、光学システムは、LCDに積層され、光学的に結合されたスプレッダを含んでもよく、ここで、LCDは、例えば、LCD表面上の粗いアンチグレアコーティングからのいくらかの拡散を含んでもよい。
【0080】
図11の実施例に示すように、目標トップハット分布は、目標トップハット分布1102として例示され得る。図11に示すように、三次方程式の第2の表面セグメントを有するATFプリズム302、スプレッダ、及びスプレッダをLCDに積層し、光学的に結合する光学接着剤が、出力分布1104を生成してもよい。
【0081】
図11に示すように、光学接着剤によってLCDに積層され、光学的に結合された三次方程式の第2の表面セグメントを有するATFプリズムが、スプレッダなしに、出力分布1106を生成してもよい。いくつかの実施例では、出力分布1106によって示されるように、スプレッダ層の除去は、スプレッダを有する光出力分布1104と比較して、床部上の光出力を増加させ、それ以外では、出力分布に影響を与えないこともあり得る。
【0082】
図11に示されるように、光学接着剤がスプレッダをLCDに積層して光学的に結合しない、三次方程式の第2の表面セグメントを有するATFプリズム、スプレッダ、及びLCDが、出力分布1108を生成してもよい。いくつかの実施例では、出力分布1108によって示されるように、光学接着剤の除去は、接着剤がある場合の出力分布1104との比較で、出力分布の平坦な頂部に影響を与えず、出力分布の床部に影響を及ぼす(すなわち、広角迷光を増加させ得る)こともあり得る。
【0083】
図11に示すように、三次方程式の第2の表面セグメントを有するATFプリズム、スプレッダ、及びLCDなしの光学接着剤が、出力分布1110を生成してもよい。出力分布1110の例では、LCDの除去は、LCDがある場合の出力分布1104と比較して、出力分布の平坦な頂部の平坦性及び出力分布の床部の平坦性に影響を及ぼし得る。いくつかの実施例では、LCDの除去による出力分布の平坦な頂部の平坦性及び床部の平坦性の変化は、LCD内、又は、望ましくはLCDにより近い別の場所のいずれかでの、拡散を示すことがあり得る。例えば、この拡散角度は、例えば、最大輝度の5%で半幅が約15度未満、又は、最大輝度の5%で半幅が約7度未満、又は最大輝度の5%で半幅が約4.5度未満であってもよい。
【0084】
図12は、複数半径のファセットプリズムを有するATFの概念的な概略断面図である。ATFプリズム1200は、図1の微細構造134に関して上述したような特徴を含んでもよく、例えば、ATFプリズム1200は、構造化表面132、第1の側面136、第2の側面138、頂点140、及び谷部142を含んでもよい。いくつかの実施例では、第1の側面136は、ライトガイドアセンブリ102からの光の相当な部分が透過する注入面を含んでもよい。いくつかの実施例では、第2の側面138は、光の相当な部分が反射される光方向転換面を含んでもよい。
【0085】
いくつかの実施例では、第2の側面138は、複数の表面セグメントを含んでもよい。例えば、複数の表面セグメントは、第1の表面セグメント1202、第2の表面セグメント1204、第3の表面セグメント1206、第4の表面セグメント1208、及び第5の表面セグメント1210を含んでもよい。
【0086】
いくつかの実施例では、複数の表面セグメントは、任意の好適な長さ及び形状であり得る。いくつかの実施例では、第1の表面セグメント1202は、頂点140から第1の移行点1212まで延びてもよい。いくつかの実施例では、第2の表面セグメント1204は、第1の移行点1212から第2の移行点1214まで延びてもよい。いくつかの実施例では、第3の表面セグメント1206は、第2の移行点1214から第3の移行点1216まで延びてもよい。いくつかの実施例では、第4の表面セグメント1208は、第3の移行点1216から第4の移行点1218まで延びてもよい。いくつかの実施例では、第5の表面セグメント1210は、第4の移行点1218から、ATFプリズム1200と隣接するプリズムの間の谷部142に向かって延びてもよい。いくつかの実施例では、第1の表面セグメント1202は、実質的に平坦な表面を形成してもよい。いくつかの実施例では、第2の表面セグメント1204は、非平坦な表面を形成してもよい。いくつかの実施例では、第3の表面セグメント1206は、非平坦な表面を形成してもよい。いくつかの実施例では、第4の表面セグメント1208は、実質的に平坦な表面を形成してもよい。いくつかの実施例では、第5の表面セグメント1206は、実質的に平坦な表面を形成してもよい。いくつかの実施例では、図12に示すように、ATFプリズム1200は、第1の側面136のベースに原点を有する座標系内に形成されてもよく、ここで複数のセグメントの各々の始点はX-Y座標として定義されてもよく、ここで、X軸は、複数のセグメントの各々のベース角度の測定の始点がある基準面を形成し、複数のセグメントの各々は、コード長を有してもよく、複数のセグメントの各々の曲率は、合計弧度値として定義されてもよく、複数のセグメントの各々の曲率半径は、原点曲率半径X及び曲率半径Yとして定義されてもよい。例えば、図12の実施例では、以下の表は、複数の表面セグメントを定義し得る。
【表2】
【0087】
いくつかの実施例では、ATFプリズム1200は、基準面1220を形成してよい。いくつかの実施例では、注入角度1222は、基準面1220と第1の側面136の角度であってもよい。いくつかの実施例では、注入角度1222は、基準面1222に対して約40度~約90度であってもよい。図12の実施例では、注入角度1222は65度であった。
【0088】
いくつかの実施例では、図12に示すように、第2の側面138は連続面を形成してもよく、複数の表面セグメントの各々は、複数の移行点において不連続勾配を形成してもよい。図12に示すように、複数の移行点における、複数の各隣接表面セグメントの勾配は、互いに対して小さくてもよい。図12の実施例では、各隣接表面セグメントの弧の合計は、交互に正の曲率と負の曲率となって、区間同士の勾配差を低減してもよい。他の実施例では、各隣接表面セグメントの弧の合計は、全て正であってもよい。他の実施例では、各隣接表面セグメントの弧の合計は、全て負であってもよい。他の実施例では、各隣接表面セグメントの弧の合計は、その他の配置であってもよい。
【0089】
図13は、図6の光入力分布602を与えられた、図3の例示的なATFプリズム302(すなわち、三次方程式に基づく第2の表面セグメント)、及び図12の1200(複数半径ファセットベースの第2の表面セグメント)の光出力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的プロットである。図13の実施例に示すように、目標のトップハット分布は、目標トップハット分布1302として例示され得る。図13に示すように、ATFプリズム302は、入力分布602を使用するとき、目標トップハット分布1302に近似し得る光分布1304を生成してもよい。図13に示すように、ATFプリズム1200は、入力分布602を使用するとき、目標トップハット分布1302に近似し得る光分布1306を生成してもよい。このようにして、図13は、第2の表面セグメントの第1の及び第2の移行部及びサブセグメントに不連続性勾配を有する複数半径を有する第2の表面セグメントが、トップハット光出力分布を生成し得ることを示す。
【0090】
図14は、単一半径回転ファセットプリズムを有するATF及び二次方程式によるファセットプリズムを有するATFを含む、例示ATFの光出力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的プロットである。いくつかの実施例では、三次方程式(又はより高次の方程式)に基づくファセットを有するATFプリズムを含むATFによって与えられるトップハット分布は、三次方程式(又はより高次の方程式)によるファセットを有しないATFと比較して、改善されたトップハット出力分布を与え得る。例えば、出力分布1404は、第1の表面セグメントを有さず、半径形状の第2の表面セグメント及び平面の第3の表面セグメントに対応するとしてもよく、出力分布1406は、第1の表面セグメントを有さず、二次方程式による形状の第2の表面セグメント及び平面の第3の表面セグメントに対応するとしてもよく、出力分布1408は、平面的な第1の表面セグメントとともに二次方程式による形状の第2の表面セグメント、及び平面の第3の表面セグメントを有する二次形状の第2の表面セグメントに対応するとしてもよい。いくつかの実施例では、出力分布1404、1406、及び1408は、目標分布1402と一致しないこともあり得る。いくつかの実施例では、出力分布1404、1406、及び1408は、目標分布1402と実質的に同様でないこともあり得る。いくつかの実施例では、出力分布1404、1406、及び1408は、目標分布1402に類似しないこともあり得る。いくつかの実施例では、出力分布1404、1406、及び1408は、トップハット分布、すなわち、実質的に平坦又は突出ドーム形状を有する平坦な頂部で、この突出ドーム形状から約3%未満、約2%未満、又は約1%未満の偏位を有してもよく、分布は、90%輝度点によって測定されると、少なくとも約20度幅、又は約25度幅、又は約30度幅であってもよく、約15度又は約7度未満の角範囲にわたる出力分布の少なくとも一方側面において、最大輝度の5%未満に低下する。
【0091】
図15A~Bは、様々な出力分布の幅及び角度のために設計された三次方程式による面のプリズムを含む、例示的なATFの光出力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的プロットである。いくつかの実施例では、ATFプリズム設計パラメータを調整して、目標幅を有する目標中心角度(例えば、目標カットオフ角度)上又はその付近に中心を合わせた出力分布を生成してもよい。いくつかの実施例では、調整可能なATF設計パラメータは、例えば、第1の表面セグメント202の、第2の側面138の弦長(すなわち、先端線形部分)に対する比、第3の表面セグメント206の、第2の側面138の弦長(すなわち、ベース線形部分)に対する比、第1の角度216(すなわち、先端角度)、第2の角度218(すなわち、ベース角)、2階微分比などを含んでもよい。表3は、目標中心角度(例えば、-10度、0度、又は10度を中心とする出力分布)及び目標幅(例えば、約25度、30度、及び35度の幅)を満たすように設計されたATFプリズム1502~1518の例示的なATFプリズム設計パラメータを示す。表3のATFプリズム1502~1518は、図15A~Dの出力分布1502~1518に対応する。
【表3】
【0092】
いくつかの実施例では、ATFプリズム設計パラメータは、目標中心角を変化させるように調整されてもよい。例えば、図15Aのプロット1500Aは、ATFプリズム1502、1504、1506に対応する出力分布を示す。図15Aに示すように、ATFプリズム1502は、0度(すなわち、y軸上)に中心があり、ATFプリズム1504は、-10度に中心があり、ATFプリズム1506は、10度に中心がある。別の実施例として、図15Bのプロット1500Bは、ATFプリズム1508、1510、1512に対応する出力分布を示す。図15Bに示すように、ATFプリズム1508は、0度(y軸)に中心があり、ATFプリズム1510は、-10度に中心があり、ATFプリズム1512は、10度に中心がある。例えば、図15Cのプロット1500Cは、ATFプリズム1514、1516、1518に対応する出力分布を示す。図15Cに示すように、ATFプリズム1514は、0度(y軸)に中心があり、ATFプリズム1516は、-10度に中心があり、ATFプリズム1518は、10度に中心がある。このようにして、本明細書に開示するATFのATFプリズム設計パラメータを調整して、出力分布の中心を目標中心角度上に置くことが可能である。
【0093】
いくつかの実施例では、ATFプリズム設計パラメータを調整して、出力分布の目標幅を変更することもできる。例えば、図15Dのプロット1500Dは、ATFプリズム1502、1508、1514に対応する出力分布を示す。図15Dに示すように、ATFプリズム1502は、約30度の幅を有し、ATFプリズム1508は、約25度の幅を有し、ATFプリズム1514は、約35度の幅を有する。このようにして、本明細書に開示するATFプリズム設計パラメータを調整して、目標出力分布幅を有する、又はそれに近似する、出力分布を生成することが可能である。
【0094】
図16A~Bは、様々な出力分布幅及び角度のために設計された三次方程式による面プリズムを含む、例示的なATFの光出力分布を示す、ダウンガイド角度対相対輝度の例示的プロットである。図16A~16Dの実施例は、図15A~15Dに関連して上述したものと同様の調整可能なATF設計パラメータを使用する。表4は、目標中心角度(例えば、-10度、0度、又は10度に中心がある出力分布)及び目標幅(例えば、約25度、30度、及び35度の幅)を満たすように設計されたATFプリズム1602~1618の例示的なATFプリズム設計パラメータを示す。表4のATFプリズム1602~1618は、図16A~16Dの出力分布1602~1618に対応する。
【表4】
【0095】
いくつかの実施例では、ATFプリズム設計パラメータを調整して、目標中心角を変化させてもよい。例えば、図16Aのプロット1600Aは、ATFプリズム1602、1604、1606に対応する出力分布を示す。図16Aに示すように、ATFプリズム1602は、0度(すなわち、y軸上)に中心があり、ATFプリズム1604は、-10度に中心があり、ATFプリズム1606は、10度に中心がある。別の例として、図16Bのプロット1600Bは、ATFプリズム1608、1610、1612に対応する出力分布を示す。図16Bに示すように、ATFプリズム1608は、0度(y軸)に中心があり、ATFプリズム1610は、-10度に中心があり、ATFプリズム1612は、10度に中心がある。例えば、図16Cのプロット1600Cは、ATFプリズム1614、1616、1618に対応する出力分布を示す。図16Cに示すように、ATFプリズム1614は、0度(y軸)に中心があり、ATFプリズム1616は、-10度に中心があり、ATFプリズム1618は、10度に中心がある。このようにして、本明細書に開示するATFのATFプリズム設計パラメータを調整して、目標中心角度上に中心を置くことが可能である。
【0096】
いくつかの実施例では、ATFプリズム設計パラメータを調整して、出力分布の目標幅を変更することができる。例えば、図16Dのプロット1600Dは、ATFプリズム1602、1608、1614に対応する出力分布を示す。図16Dに示すように、ATFプリズム1602は、約30度の幅を有し、ATFプリズム1608は、約25度の幅を有し、ATFプリズム1614は、約35度の幅を有する。このようにして、本明細書に開示するATFプリズム設計パラメータを調整して、目標出力分布幅を有する、又はそれに近似する、出力分布を生成することが可能である。
【0097】
いくつかの実施例では、ATFプリズム設計パラメータは、1つ以上のATFプリズム表面セグメントの予測出力光線角度に基づいて調整されてもよい。例えば、ATFプリズム表面セグメントの出力光線角度は、
(式3)β=90+arcsin(n×sin[Θ-(Θ-arcsin((1/n)×sin(90-Θ-α)))])
によって与えられ、
式中、βは、ディスプレイ軸(すなわち、第1の主面法線)に対する出力光線角度であり、nは、ATFプリズム屈折率であり、Θは、表面セグメントの角度(例えば、第1の角度、第2の角度など)であり、Θは、プリズム頂角(すなわち、第1の側面と第2の側面の間の角度)であり、Θは、注入角度214(すなわち、入口ウィンドウ面角)であり、αは、第1の側面の表面に対する、ATFプリズムの第1の側に入射する光線の角度である。いくつかの実施例では、方程式3を使用して、ATFの出力分布(すなわち、トップハット分布の縁部)のカットオフ角度を予測するために、ATFプリズムの第1の表面セグメントと第3の表面セグメントの出力光線を予測してもよい。
【0098】
いくつかの実施例では、ATFプリズム設計パラメータを調整して、設計基準、標準、又は仕様を満たしてもよい。例えば、ATFプリズム設計パラメータは、欧州連合OEM標準、例えば、自動車適用ディスプレイ仕様V4.5.2などに適合するように調整されてもよい。例えば、ATFプリズム設計パラメータを調整して、ライトガイドから発し(すなわち、光方向転換フィルムを通り、ディスプレイ偏光子の前に出力されるバックライト全出力)、ディスプレイ軸を中心にして+20度と-10度に含まれる、ATFを通って出る光の少なくとも約60%以上、又は、ライトガイドから発し、ディスプレイ軸を中心にして+8度と-4度に含まれる、ATFを通って出る光の少なくとも約60%以上などを、含む出力分布を与えてもよい。以下、例示的実施形態について述べる。
[1]
ライトガイドと、
光方向転換フィルムとを備え、前記光方向転換フィルムが、
実質的に滑らかな第1の主面と、
第2の主面とを備え、前記第2の主面が、複数の非対称微細構造を含み、前記非対称微細構造の各々が、
実質的に平坦な第1の側面と、
第2の側面とを含み、前記第2の側面が、
実質的に平坦な表面を形成する第1の表面セグメントと、
非平坦な表面を形成する第2の表面セグメントと
を含む、光学システム。
[2]
前記第1の表面セグメントが、前記第1の側面と前記第2の側面との交点にある頂点から第1の移行点まで延び、前記第2の表面セグメントが、前記第1の移行点から、それぞれの前記非対称微細構造と隣接する非対称微細構造との間の谷部に向かって延びる、[1]に記載の光学システム。
[3]
前記第2の表面セグメントが実質的に凸状である、[2]に記載の光学システム。
[4]
前記頂点と前記第1の移行点との間の距離が、それぞれの前記非対称微細構造の前記頂点と前記谷部との間の距離の約3%~約15%である、[2]又は[3]に記載の光学システム。
[5]
前記第1の移行点と前記谷部との間の距離が、それぞれの前記非対称微細構造の前記頂点と前記谷部との間の距離の約85%~約97%である、[2]~[4]のいずれか一項に記載の光学システム。
[6]
前記第1の表面セグメントが、それぞれの前記非対称微細構造と隣接する非対称微細構造との間の谷部から第1の移行点に向かって延び、前記第2の表面セグメントが、前記第1の移行点から第1の側面と第2の側面の交点にある頂点に向かって延びる、[1]に記載の光学システム。
[7]
前記第2の表面セグメントが実質的に凹状である、[4]に記載の光学システム。
[8]
前記谷部と前記第1の移行点との間の距離が、それぞれの前記非対称微細構造の前記頂点と前記谷部との間の距離の約3%~約50%である、[6]又は[7]に記載の光学システム。
[9]
前記第1の移行点と前記頂点との間の距離が、それぞれの前記非対称微細構造の前記頂点と前記谷部との間の距離の約50%~約90%である、[6]~[8]のいずれか一項に記載の光学システム。
[10]
前記複数の非対称微細構造の各々が、実質的に同じ横方向断面形状である、[1]に記載の光学システム。
[11]
前記第1の主面が、前記第1の主面に実質的に平行な基準面を定め、前記第1の表面セグメントの第1の角度が、前記基準面に対して約40度~約70度である、[1]に記載の光学システム。
[12]
前記第2の表面セグメントの形状が、三次方程式に基づく、[1]~[11]のいずれか一項に記載の光学システム。
[13]
前記第1の表面セグメントの形状が、第1の一次方程式に基づき、前記第2の表面セグメントの形状が、三次方程式に基づき、前記三次方程式の1階微分が前記第1の一次方程式と一致する、[11]に記載の光学システム。
[14]
前記第1の角度は第1の一次方程式に基づき、前記第2の表面セグメントの形状は四次以上の方程式に基づき、前記四次以上の方程式の1階微分は、前記第1の一次方程式に一致する、[11]のいずれかに記載の光学システム。
[15]
前記ライトガイドから発し、前記第1の主面を通って出る光の少なくとも約60%が、特徴的な視野角の第1のセットに含まれ、中心視野角が、前記第1の主面により、前記第1の主面に垂直となるように定められる、[1]~[14]のいずれか一項に記載の光学システム。
[16]
前記特徴的な視野角の第1のセットが、前記中心視野角に対して約-35度~約35度である、[15]に記載の光学システム。
[17]
前記ライトガイドから発し、前記第1の主面を通って出る光の少なくとも60%が、特徴的な視野角の第1のセットに含まれ、中心視野角が、前記第1の主面により、前記第1の主面に垂直となるように定められ、前記特徴的な視野角の第1のセットは、前記中心視野角に対して約-20度~約20度である、[1]~[14]のいずれか一項に記載の光学システム。
[18]
前記第2の側面が、実質的に平坦な表面を形成する第3の表面セグメントを更に含む、[1]~[17]のいずれか一項に記載の光学システム。
[19]
前記第3の表面セグメントの第2の角度が、前記基準面に対して約40度~約70度である、[18]に記載の光学システム。
[20]
前記ライトガイドが、光入力分布で前記光方向転換フィルムに光を入力し、前記第1の角度、前記三次方程式、及び前記第2の角度が、前記光入力分布に基づく、[19]に記載の光学システム。
[21]
前記ライトガイドから発し、前記第1の主面を通って出る光の少なくとも60%が、特徴的な視野角の第1のセットに含まれ、中心視野角が、前記第1の主面により、前記第1の主面に垂直となるように定められる、[18]~[20]のいずれか一項に記載の光学システム。
[22]
前記特徴的な視野角の第1のセットが、前記中心視野角に対して約-35度~約35度である、[21]に記載の光学システム。
[23]
前記ライトガイドから発し、前記第1の主面を通って出る光の少なくとも60%が、特徴的な視野角の第1のセットに含まれ、中心視野角が、前記第1の主面により、前記第1の主面に垂直となるように定められ、前記特徴的な視野角の第1のセットが、前記中心視野角に対して約-20度~約20度である、[18]~[20]のいずれか一項に記載の光学システム。
[24]
ライトガイドと、
光方向転換フィルムとを備え、前記光方向転換フィルムが、
第1の主面であって、前記第1の主面に平行な基準面を定め、実質的に滑らかな、第1の主面と、
複数の非対称微細構造を含む第2の主面とを備え、前記非対称微細構造の各々が、
実質的に平坦な第1の側面と、
第2の側面を備え、第2の側面が、
実質的に平坦な表面を形成する第1の表面セグメントであって、前記基準面に対する前記第1の表面セグメントの第1の角度が、前記基準面に対して約40度~約70度であり、前記第1の角度が第1の一次方程式に基づく、第1の表面セグメントと、
非平坦な表面を形成する第2の表面セグメントであって、前記第2の表面セグメントの形状が、三次方程式又はより高次の方程式に基づき、前記三次方程式又はより高次の方程式の1階微分が、前記第1の一次方程式と一致する、第2の表面セグメントと、
実質的に平坦な表面を形成する第3の表面セグメントであって、前記第3の表面セグメントの第2の角度が前記基準面に対して約40度~約70度であり、前記第2の角度が第2の一次方程式に基づき、前記三次方程式又はより高次の方程式の1階微分が前記第2の一次方程式と一致する、第3の表面セグメントと
を備える、光学システム。
[25]
第1の実質的にコリメートされた光入力分布を有するライトガイドと、
光方向転換フィルムとを備え、前記光方向転換フィルムが、
第1の主面であって、前記第1の主面に平行な基準面を定め、実質的に滑らかな、第1の主面と、
複数の非対称微細構造を含む第2の主面とを備え、前記非対称微細構造の各々が、
実質的に平坦な第1の側面と、
第2の側面とを備え、前記第2の側面が、
実質的に平坦な表面を形成する第1の表面セグメントであって、前記基準面に対する前記第1の表面セグメントの第1の角度が、前記基準面に対して約40度~約70度であり、前記第1の角度が第1の一次方程式に基づく、第1の表面セグメントと、
非平坦な表面を形成する第2の表面セグメントであって、前記第2の表面セグメントの形状が、三次方程式又はより高次の方程式に基づき、前記三次方程式又はより高次の方程式が前記光入力分布に基づき、前記三次方程式又はより高次の方程式の1階微分が、前記第1の一次方程式と一致する、第2の表面セグメントと、
実質的に平坦な表面を形成する第3の表面セグメントであって、前記第3の表面セグメントの第2の角度が前記基準面に対して約40度~約70度であり、前記第2の角度が第2の一次方程式に基づき、前記三次方程式又はより高次の方程式の1階微分が前記第2の一次方程式と一致する、第3の表面セグメントとを備え、
前記ライトガイドから発し、前記第1の主面を通って出る光の少なくとも60%が、特徴的な視野角の第1のセットに含まれ、中心視野角が、前記第1の主面により、前記第1の主面に対して垂直となるように定められ、前記特徴的な視野角の第1のセットが、前記中心視野角に対して約-35度~35度である、
光学システム。
[26]
第1の光入力分布を有するライトガイドと、
光方向転換フィルムとを備える光学システムであって、前記光方向転換フィルムが、
第1の主面であって、前記第1の主面に平行な基準面を定め、実質的に滑らかな、第1の主面と、
複数の非対称微細構造を含む第2の主面とを備え、前記非対称微細構造の各々が、
第1の側面と、
第2の側面とを備え、第2の側面が、
実質的に平坦な表面を形成する第1の表面セグメントであって、前記基準面に対する前記第1の表面セグメントの第1の角度が、第1の視野角付近で第1の光分布カットオフをもたらすように構成された、第1の表面セグメントと、
非平坦な表面を形成する第2の表面セグメントであって、前記第1の光分布に基づいて、前記第1の視野角から第2の視野角まで実質的に同様の相対輝度をもたらすように構成された、第2の表面セグメントと、
実質的に平坦な表面を形成する第3の表面セグメントであって、前記第3の表面セグメントの第2の角度が、前記第2の視野角付近に第2の光分布カットオフをもたらすように構成された、第3の表面セグメントと
を備える、光学システム。
[27]
前記ライトガイドから発し、前記第1の主面を通って出る光の少なくとも60%が、特徴的な視野角の第1のセットに含まれ、中心視野角が、前記第1の主面により、前記第1の主面に垂直となるように定められ、前記特徴的な視野角の第1のセットが、前記中心視野角に対して約-35度~約35度である、[26]に記載の光学システム。
[28]
前記第1の表面セグメント及び前記第2の表面セグメントが、トップハット輝度分布を有する光を出力するように構成され、前記トップハット分布が、平坦な頂部を含み、前記平坦な頂部は、輝度変化が約2%未満である、[1]~[27]のいずれか一項に記載の光学システム。
[29]
前記トップハット分布が、前記トップハット分布の、前記平坦な頂部の領域から最大輝度の約5%未満の輝度を含む床部領域への移行が約15度未満である、第1のカットオフ角度を更に有する、[28]に記載の光学システム。
[30]
前記第1の表面セグメント、前記第2の表面セグメント、及び前記第3の表面セグメントが、トップハット輝度分布を有する光を出力するように構成され、前記トップハット分布が平坦な頂部を含み、前記平坦な頂部は、輝度変化が約2%未満である、[18]~[27]のいずれか一項に記載の光学システム。
[31]
前記トップハット分布が、前記トップハット分布の前記平坦な頂部の領域から最大輝度の約5%未満の輝度を含む床部領域への移行が約15度未満である、第1のカットオフ角度を更に有する、[30]に記載の光学システム。
[32]
車両と、
前記車両内の車両ディスプレイとを含む車両ディスプレイシステムであって、前記光学システムが、
ライトガイドと、
光方向転換フィルムとを備え、前記光方向転換フィルムが、
実質的に滑らかな第1の主面と、
複数の非対称微細構造を含む第2の主面とを含み、前記非対称微細構造の各々が、
実質的に平坦な第1の側面と、
第2の側面とを含み、前記第2の側面が、
実質的に平坦な表面を形成する第1の表面セグメントと、
非平坦な表面を形成する第2の表面セグメントと
を含む、車両ディスプレイシステム。
[33]
前記ライトガイドが、第1の光入力分布を提供するように構成され、前記第1の主面が、前記第1の主面に平行な基準面を定め、前記基準面に対する前記第1の表面の第1の角度が、前記基準面に対して約40度~約70度であり、前記第1の角度が、第1の一次方程式に基づき、前記第2の表面セグメントの形状が、三次方程式又はより高次の方程式に基づき、前記三次方程式又はより高次の方程式の1階微分が前記第1の一次方程式と一致する、[32]に記載の車両ディプレイシステム。
[34]
前記ライトガイドから発し、前記第1の主面を通って出る光の少なくとも60%が、特徴的な視野角の第1のセットに含まれ、中心視野角が、前記第1の主面により、前記第1の主面に垂直となるように定められ、前記特徴的な視野角の第1のセットは、前記中心視野角に対して約-35度~約35度である、[32]又は[33]に記載の車両ディプレイシステム。
[35]
前記第1の表面セグメントと前記第2の表面セグメントが、トップハット輝度分布を有する光を出力するように構成され、前記トップハット分布が、平坦な頂部を含み、前記平坦な頂部は、輝度変化が約2%未満である、[32]~[34]のいずれか一項に記載の車両ディスプレイシステム。
[36]
前記トップハット分布が、前記トップハット分布の前記平坦な頂部の領域から最大輝度の約5%未満の輝度を含む床部領域への移行が約15度未満である、第1のカットオフ角度を更に有する、[35]に記載の車両ディスプレイシステム。
[37]
前記第2の側面が、実質的に平坦な表面を形成する第3の表面セグメントを更に備える、[32]に記載の車両ディスプレイシステム。
[38]
前記ライトガイドが、第1の光入力分布を提供するように構成され、前記第1の主面が、前記第1の主面に平行な基準面を定め、前記基準面に対する前記第1の表面セグメントの第1の角度が、前記基準面に対して約40度~約70度であり、前記第1の角度が、第1の一次方程式に基づき、前記第2の表面セグメントの形状が、三次方程式又はより高次の方程式に基づき、前記三次方程式又はより高次の方程式が、前記光入力分布に基づき、前記三次方程式又はより高次の方程式の1階微分が、前記第1の一次方程式に一致し、前記第3の表面セグメントの第2の角度が、前記基準面に対して約40度~約70度であり、前記第2の角度が、第2の一次方程式に基づき、前記三次方程式又はより高次の方程式の1階微分が、前記第2の一次方程式に一致する、[37]に記載の車両ディスプレイシステム。
[39]
前記ライトガイドから発し、前記第1の主面を通って出る光の少なくとも60%が、特徴的な視野角の第1のセットに含まれ、中心視野角が、前記第1の主面により、前記第1の主面に垂直となるように定められ、前記特徴的な視野角の第1のセットが、前記中心視野角に対して約-35度~約35度である、[37]又は[38]に記載の車両ディスプレイシステム。
[40]
前記第1の表面セグメント、前記第2の表面セグメント、及び前記第3の表面セグメントが、トップハット輝度分布を有する光を出力するように構成され、前記トップハット分布が平坦な頂部を含み、前記平坦な頂部は、輝度変化が約2%未満である、[37]~[39]のいずれか一項に記載の光学システム。
[41]
前記トップハット分布が、前記トップハット分布の前記平坦な頂部の領域から最大輝度の約5%未満の輝度を含む床部領域への移行が約15度未満である、第1のカットオフ角度を更に有する、[40]に記載の光学システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図16A
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図16C
図16D