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特許7076761セット力向上ダメージケア剤、並びにこれらを含有するヘアケア組成物及びヘアスタイリング組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】セット力向上ダメージケア剤、並びにこれらを含有するヘアケア組成物及びヘアスタイリング組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9789 20170101AFI20220523BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20220523BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20220523BHJP
   A61K 8/63 20060101ALI20220523BHJP
   A61K 8/9794 20170101ALI20220523BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61Q5/06
A61Q5/12
A61K8/63
A61K8/9794
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017026271
(22)【出願日】2017-02-15
(65)【公開番号】P2018131408
(43)【公開日】2018-08-23
【審査請求日】2020-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】306018365
【氏名又は名称】クラシエホームプロダクツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】ブリアド ヘルレンチメグ
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-037780(JP,A)
【文献】特開2016-196425(JP,A)
【文献】特開2004-284988(JP,A)
【文献】特開平06-206809(JP,A)
【文献】特開2014-125475(JP,A)
【文献】特開2003-226655(JP,A)
【文献】特開2014-172896(JP,A)
【文献】特開2009-073773(JP,A)
【文献】特開2005-170806(JP,A)
【文献】特開2001-335499(JP,A)
【文献】国際公開第2011/117642(WO,A1)
【文献】特開2002-193760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Japio-GPG/FX
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記のA成分、B成分、及びC成分を含有することを特徴とするセット力向上ダメージケア剤。
A成分:緑茶エキス、緑茶末、ザクロ果実エキス、ザクロ果皮エキス、アマチャエキス、ユキノシタエキスの中から選択される1種または2種以上
B成分:コメ胚芽油、コメヌカ油、コメヌカロウ、オリザノール、コメエキスの中から選択される1種または2種以上
C成分:オクラ果実、サツマイモ、紫イモ、レンコン、サトイモの中から選択される1種または2種以上の植物、それらの抽出物、それらの発酵物、それらの抽出物の発酵物、それらの末、それらの抽出物の末
【請求項2】
前記A成分が全体質量中0.01質量%以上である請求項1に記載のセット力向上ダメージケア剤。
【請求項3】
前記B成分が全体質量中0.001質量%以上である請求項1又は2に記載のセット力向上ダメージケア剤。
【請求項4】
前記C成分が全体質量中0.01質量%以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のセット力向上ダメージケア剤。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載するセット力向上ダメージケア剤を含有することを特徴とするヘアケア組成物、及びヘアスタイリング組成物。
【請求項6】
ヘアケア組成物、及びヘアスタイリング組成物の性状が、ミスト、スプレー、ウォーター、フォーム、水中油型エマルション、油中水型エマルション、オイル、多層、または固形のいずれかであることを特徴とする請求項5に記載のヘアケア組成物、及びヘアスタイリング組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアスタイリング効果を有する成分のセット力を向上させながらも、スタイル崩れの原因となるダメージをケアしうるセット力向上ダメージケア剤、並びにヘアスタイルのセット力、アレンジ力(再整髪力)、及びスタイル崩れ抑制効果を有しながらも、スタイル崩れの原因となるダメージをケアすることを可能とするヘアケア組成物、及びヘアスタイリング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
昔からの整髪方法の一つとして、ロウやワックス類を液状の油と混合して髪の毛を固めるという方法があった。その歴史の流れで、近年では、毛髪をセットする目的で、種々の合成の皮膜形成性ポリマーや、天然高分子等が広く使われており、そのためのさまざまな整髪料や手法が検討・研究され、提案されている。(例えば、特許文献1,2参照。)
【0003】
一方、きれいなヘアスタイルを作り、維持するには、種々の合成の皮膜形成性ポリマーや、天然高分子等を用いた毛髪化粧料によるヘアセットだけでは不十分であり、毛髪がダメージを受けておらず、ハリやコシのある健康な髪の状態であることも重要である。そのため近年ではヘアケア用やダメージケア用に、毛髪のパサツキを改善し潤いを与える製剤、指どおりを改善できる製剤、毛髪内部タンパク質やアミノ酸等の溶出を防止・低減・ケアできる製剤、まとまりやすさやしなやかさを改善しハリコシを与える製剤など、さまざまな製剤が提案されている。 このような製剤としては最近ではアウトバス系オイル系化粧料、インバス系としてはカチオン系成分を配合した毛髪化粧料が多い。
【0004】
しかしながら、これらの毛髪化粧料は、基本的に毛髪の表面に付着することで効果を発揮する方法が多く、毛髪のセットのために配合される種々の合成の皮膜形成性ポリマーや、天然高分子と組み合わせて配合すると充分にその効果が発揮できないため、毛髪をハリやコシのある健康な髪の状態にするとともに、充分なセット力を有する毛髪化粧料の提案が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-034212号公報
【文献】特開2005-053810号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記状況を鑑みて、ヘアスタイリング効果を有する成分のセット力を向上させながらも、スタイル崩れの原因となるダメージをケアしうるセット力向上ダメージケア剤を提供すること、並びにヘアスタイルのセット力、アレンジ力(再整髪力)、及びスタイル崩れ抑制効果を有しながらも、スタイル崩れの原因となるダメージをケアすることを可能とするヘアケア組成物、及びヘアスタイリング組成物を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、納豆、ハス胚芽、ハス種子、オクラ果実、サツマイモ、紫イモ、レンコン、サトイモの中から選択される1種または2種以上の植物、それらの抽出物、それらの発酵物、それらの抽出物の発酵物、それらの末、それらの抽出物の末、ポリフェノール類を含有する植物エキス及び/または末、およびコメ由来成分を組み合わせることにより、毛髪化粧料における上記問題が解決されることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
本願第一の発明は、下記のA成分、B成分、及びC成分を含有することを特徴とするセット力向上ダメージケア剤である。
A成分:緑茶エキス、緑茶末、ザクロ果実エキス、ザクロ果皮エキス、アマチャエキス、ユキノシタエキスの中から選択される1種または2種以上
B成分:コメ胚芽油、コメヌカ油、コメヌカロウ、オリザノール、コメエキスの中から選択される1種または2種以上
C成分:オクラ果実、サツマイモ、紫イモ、レンコン、サトイモの中から選択される1種または2種以上の植物、それらの抽出物、それらの発酵物、それらの抽出物の発酵物、それらの末、それらの抽出物の末
【0009】
本願第二の発明は、A成分がカテキン類を含有する植物エキス及び/または末であることを特徴とする本願第一の発明に記載のセット力向上ダメージケア剤である。
【0010】
本願第三の発明は、A成分がエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、及びエピガロカテキンガレートからなる群より選択される1種又は2種以上を含有する植物エキス及び/または末であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセット力向上ダメージケア剤である。
【0011】
本願第四の発明は、B成分が、コメヌカロウ、コメ胚芽油、コメ油、米由来抽出物、米由来圧搾物、米由来発酵液、米由来末、脱脂米糠、オリザノール、米スクワラン、米糠スフィンゴ糖脂質、米由来植物ステロール、フェルラ酸、フィチン酸、コメアミノ酸、コメ粉、イネ種皮、コメデンプン、イノシトール、及びトコフェロールからなる群より選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のセット力向上ダメージケア剤である。
【0012】
本願第五の発明は、A成分が、ユキノシタエキス、ザクロ花エキス、ザクロ果皮エキス、ザクロ果実エキス、アマチャエキス、緑茶エキスの中から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のセット力向上ダメージケア剤である。
【0013】
本願第六の発明は、C成分における植物が、里芋、山芋、納豆、オクラ、モロヘイヤ、レンコン、ナメコ、昆布、もずく、キツネイモ、アシタバ、及びツルムラサキからなる群より選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のセット力向上ダメージケア剤である。
【0014】
本願第七の発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載するセット力向上ダメージケア剤を含有することを特徴とするヘアケア組成物、及びヘアスタイリング組成物である。
【0015】
本願第八の発明は、ヘアケア組成物、及びヘアスタイリング組成物の性状が、ミスト、スプレー、ウォーター、フォーム、水中油型エマルション、油中水型エマルション、オイル、多層、または固形のいずれかであることを特徴とする請求項7に記載のヘアケア組成物、及びヘアスタイリング組成物である。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、ヘアスタイリング効果を有する成分のセット力を向上させながらも、スタイル崩れの原因となるダメージをケアしうるセット力向上ダメージケア剤、並びにヘアスタイルのセット力、アレンジ力(再整髪力)、及びスタイル崩れ抑制効果を有しながらも
、スタイル崩れの原因となるダメージをケアすることを可能とするヘアケア組成物、及びヘアスタイリング組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の毛髪化粧料について詳細に説明する。
【0018】
本発明の(A)成分であるポリフェノール類を含有する植物エキス、末、発酵物として、例えば、アセンヤクエキス、アルニカ花エキス、イチョウ葉エキス、イラクサ葉エキス、オウゴンエキス、オトギリソウエキス、カニナバラ果実エキス、カミツレ花エキス、カワラヨモギエキス、クララエキス、ゲンノショウコエキス、紅茶エキス、ゴボウ根エキス、サンザジエキス、シソ葉エキス、シャクヤク根エキス、セイヨウナツユキソウ花エキス、セージ葉エキス、ゼニアオイエキス、ダイズエキス、タチジャコウソウエキス、チャ葉エキス、チョウジエキス、ドクダミエキス、ノイバラ果実エキス、ハマメリスエキス、ビターオレンジ果皮エキス、ビワ葉エキス、ブドウ葉エキス、フトモモ葉エキス、フユボダイジュ花エキス、ベニバナエキス、ベルゲニアリグラタ根エキス、ボタンエキス、ホップエキス、マグワ根皮エキス、マロニエエキス、コメヌカエキス、メリッサ葉エキス、モモ葉エキス、モリンガ末、ユーカリ葉エキス、ユキノシタエキス、ヨーロッパシラカバ樹皮エキス、ラベンダー花エキス、ローズマリー葉エキス、ローマカミツレ花エキス、ワイルドタイムエキス、ワレモコウエキス、緑茶エキス、ウーロン茶エキス、アマチャエキス、ザクロ花エキス、ザクロ果実エキス、ザクロ果皮エキス、ワインエキス、リンゴエキス、ビルベリー葉エキス、コーヒー種子エキス、カンゾウ葉エキス等が挙げられる。その中で、カテキン類を多く含む緑茶エキス、ザクロ花エキス、ザクロ果皮エキス、アマチャエキス、ザクロ果実エキス、ユキノシタエキスが好ましく、その中でエピカテキンやエピガロカテキン等を多く含むユキノシタエキス、緑茶エキスがより好ましく使用することができる。
【0019】
本発明においては、成分(A)の配合割合は特に限定されるものではなく、その1種又は2種以上を組み合わせても良いが、好ましくはヘアケア組成物及び/またはヘアスタイリング組成物中0.01~20質量%であり、より好ましくは1~10質量%である。配合量が0.01質量%未満では、スタイル崩れ抑制効果、及びダメージケア効果が不十分となる場合があり、20質量%を超えると製剤そのものの安定性を損なったりする場合がある。
【0020】
成分(A)としては、特にカテキン類としてエピガロカテキン等を含む植物エキスの配合が好ましい。 エピガロカテキン等を多く含む植物エキスの配合により、スタイル崩れ抑制効果、及びダメージケア効果に加え、紫外線や熱等による毛髪表面の酸化抑制が期待できる。
【0021】
本発明の(B)成分であるコメ由来成分は、米由来であれば特に限定するものではない。その例として、例えばコメヌカロウ、コメ胚芽油、コメ油、米由来抽出物、米由来圧搾物、米由来発酵液、米由来末、脱脂米糠、オリザノール、米スクワラン、米糠スフィンゴ糖脂質、米由来植物ステロール、フェルラ酸、フィチン酸、コメアミノ酸、コメ粉、イネ種皮、コメデンプン、イノシトール、トコフェロール等が挙げられる。その中でコメ胚芽油、コメヌカ油、γ-オリザノール、コメヌカロウ等を好ましく使用することができる。
【0022】
本発明においては、成分(B)の配合割合は特に限定されるものではなく、その1種又は2種以上を組み合わせても良いが、好ましくはヘアケア組成物及び/またはヘアスタイリング組成物中0.001~20質量%であり、より好ましくは0.01~10%である。配合量が0.001%未満では毛髪におけるスタイルキープやダメージケア等の効果が不十分となり、20%を超えるとべた付く等の感触面が悪くなる場合がある。
【0023】
また成分(B)であるコメ由来成分の配合により、紫外線による毛髪の酸化を低減することができ、毛髪のスタイル崩れの原因となる毛髪強度低下を抑制することができる。
【0024】
なお、ここで言うスタイル崩れとは、環境や物理的な力等によって髪の毛のスタイルが乱れることをいい、例えば髪の広がり、うねり、ダレ等が挙げられる。
【0025】
本発明の(C)成分は、納豆、ハス胚芽、ハス種子、オクラ果実、サツマイモ、紫イモ、レンコン、サトイモ等の植物、その植物からの抽出物、その植物の発酵物、その植物からの抽出物の発酵物、その植物の末、及びその植物からの抽出物の末が挙げられる。本発明の(C)成分における植物、その植物からの抽出物、その植物の発酵物、その植物からの抽出物の発酵物、その植物の末、及びその植物からの抽出物の末は、その植物の花、根、葉っぱや芯等、その由来部位等は特に限定されるものではない。また複数の部位、さらには植物全体を由来とするものであっても構わない。
【0027】
本発明においては、成分(C)の配合割合は特に限定されるものではなく、その1種又は2種以上を組み合わせても良いが、好ましくはヘアケア組成物及び/またはヘアスタイリング組成物中0.01~20質量%であり、より好ましくは0.1~10%である。 配合量が0.01%未満ではスタイルのアレンジ性が不十分となり、20%を超えるとベタツキが発生したり、スタイルのアレンジがしにくくなったり等の使用感の劣化が認められる。
【0028】
本発明においては、ヘアケア組成物、及びヘアスタイリング組成物の性状は、ミスト、スプレー、ウォーター、フォーム、水中油型エマルション、油中水型エマルション、オイル、多層、または固形のいずれかであることが好ましい。
【0029】
さらに、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて、さらに通常化粧料等に用いられている他の追加成分を配合することができる。これらの追加成分としては、例えばアミノ酸類、抽出エキス類、抗菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ビタミン類、感触調整剤、保湿剤、油類、シリコン類、香料、水等を配合することができる。
【実施例
【0030】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明の技術範囲が限定されるものではない。なお、実施例に記載の、毛髪強度(ヒステリシス)、スタイル崩れ抑制、セット力、アレンジ力に関する評価法を下記に示す。また、以下の表に示す組成物の配合量は、それぞれ質量%で示す。
【0031】
(1)毛髪強度(ヒステリシス)評価
実施例及び比較例で示したヘアケア組成物及び/またはヘアスタイリング組成物を、長さ20cm、重さ5gのダメージ毛(ブリーチ3回処理した毛)の毛束に一定量塗布後、22℃、50%RHにて乾燥・調湿調温した後に、測定を実施。 測定は、テクスチャーアナライザー(英弘精機)を用いて処理済み毛束からn数20個の10cm長さの毛を取ってきて、そのヒステリシスを測定、ヘアスタイリング組成物塗布前の毛髪(コントロール毛髪)とヒステリシスについて比較評価した。
【0032】
<評価基準>
◎:コントロール毛髪のヒステリシスと比較し、
ブリーチ処理毛のヒステリシスが上昇している
(危険率 5%未満)
△:コントロール毛髪のヒステリシスと比較し、
ブリーチ処理毛のヒステリシスがやや上昇している
(危険率 5%~10%未満)
×:コントロール毛髪のヒステリシスと比較し、
ブリーチ処理毛のヒステリシスに明らかな上昇は認められない
(危険率 10%以上)
【0033】
(2)スタイル崩れ抑制(ダレ発生抑制)評価
実施例及び比較例で示したヘアケア組成物及び/またはヘアスタイリング組成物に、長さ30cm、重さ10gの健康毛の毛束に一定量塗布後、ロッドに一定間隔で巻いた。そして、40℃環境下にて、2時間静置することにより乾燥させた後、22℃、50%RHにて10gの重りをつけて30分後にその伸び(ダレ)を評価した。
【0034】
<評価基準>
◎:毛束がほとんど伸びておらず、スタイルのダレ抑制効果が認められる
(静置後の毛束長さ/静置前の毛束長さ=80%以上~100%)
○:毛束がやや伸びており、若干のスタイルのダレ抑制効果が認められる
(静置後の毛束長さ/静置前の毛束長さ=60%以上~80%未満)
△:毛束がかなり伸びており、スタイルのダレ抑制効果が殆ど認められない
(静置後の毛束長さ/静置前の毛束長さ=10%以上~60%未満)
×:毛束の巻きがなくなり、スタイルのダレ抑制効果がまったく認められない
(静置後の毛束長さ/静置前の毛束長さ=10%未満)
【0035】
(3)セット力評価
実施例及び比較例で示したヘアケア組成物及び/またはヘアスタイリング組成物を、長さ30cm、重さ2gのダメージ毛の毛束に一定量塗布後、ロッドに一定間隔で巻いた。そして、40℃環境下にて、2時間静置することにより乾燥させ、22℃、50%RH環境下にて12時間調温調湿した後、ロッドをはずし、その時のカール毛の長さを、ヘアケア組成物及び/またはヘアスタイリング組成物を塗布せず同条件でカールさせた毛髪(コントロール毛)と比較評価した。
【0036】
<評価基準>
○:コントロール毛と比べてカール毛が短く、セット力が認められる
△:コントロール毛と比べてカール毛がやや短く、若干のセット力が認められる
×:コントロール毛と比べてカール毛が同じ程度若しくは長くなっており、
セット力が認められない
【0037】
(4)アレンジ力(再整髪性)評価
実施例及び比較例で示したヘアケア組成物及び/またはヘアスタイリング組成物を、長さ30cm、重さ2gのダメージ毛の毛束に一定量塗布後、ロッドに一定間隔で巻いた。そして、40℃環境下にて、2時間静置することにより乾燥させた後、22℃、50%RH環境下にて12時間調温調湿した後、クシ通しを30回実施し、再度ロッドに巻いて一定時間(5分間)放置。その後、ロッドを再度はずしてからカールの戻りぐあいを評価した。
【0038】
<評価基準>
◎:カール毛の長さがほぼクシ通し前の長さに戻った
(クシ通し前の毛束長さ/カール毛の毛束長さ=80%以上~100%)
○:カール毛の長さがある程度クシ通し前の長さに戻った
(クシ通し前の毛束長さ/カール毛の毛束長さ=60%以上~80%未満)
△:カール毛の長さがクシ通し前の長さよりかなり長くなった
(クシ通し前の毛束長さ/カール毛の毛束長さ=10%以上~60%未満)
×:クシ通し後の毛束の長さとカール毛の長さがほとんど変らない
(クシ通し前の毛束長さ/カール毛の毛束長さ=10%未満)
【0039】
【表1】
【0040】
表1から明らかなように実施例1~11の本発明の組成物は、比較例1~6の組成物に比べて、毛髪強度(ヒステリシス)、スタイル崩れ抑制(ダレ発生抑制)、セット力、アレンジ力(再整髪性)の各項目についていずれも優れていた。
【0041】
以下、本発明の組成物のその他の処方例を実施例12~17として挙げる。なお、これらの実施例の組成物についても、上記の毛髪強度(ヒステリシス)、スタイル崩れ抑制(ダレ発生抑制)、セット力、アレンジ力(再整髪性)について各項目を検討したところ、いずれの実施例においても、優れた特性を有しており良好であった。
【0042】
実施例12 (ヘアケアウォーター) 配合量(質量%)(1)エタノール 15
(2)DPG 3
(3)コメ胚芽油 0.1
(4)コメエキス 0.5
(5)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1
(6)ステアルトリモニウムクロリド 0.5
(7)アルギニン 0.05
(8)ハス種子発酵液 0.5
(9)ユキノシタエキス 0.5
(10)ザクロ果皮エキス 0.1
(11)ボタンエキス 0.1
(12)ツバキ種子エキス 0.1
(13)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 適量
(13)香料 適量
(14)メチルパラベン 適量
(15)純水 残量
合計 100
【0043】
(製法)(1)~(15)を均一溶解混合し、容器に充填し、ヘアケアウォーターを調製した。
【0044】
実施例13 (ヘアスタイリングウォーター) 配合量(質量%)(1)エタノール 15
(2)BG 3
(3)コメエキス 0.5
(4)コメ胚芽油 0.1
(5)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 3
(6)ステアルトリモニウムクロリド 0.5
(7)コメヌカロウ 0.01
(8)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 0.05
(9)ポリエーテル変性シリコン 3
(10)納豆エキス 0.5
(11)ユキノシタエキス 0.5
(12)ザクロ果皮エキス 0.1
(13)ボタンエキス 0.1
(14)ツバキ種子エキス 0.1
(15)グリセリン 2
(16)香料 適量
(17)メチルパラベン 適量
(18)アルギニン 適量
(19)純水 残量
合計 100
【0045】
(製法)(2)、(4)、(5)、(7)、(8)を加熱して均一溶解混合、冷却し、残りの成分全治を均一混合溶解した容器に充填し、ヘアケアウォーターを調製した。
【0046】
実施例14 (ヘアスタイリングミルク) 配合量(質量%)(1)エタノール 2
(2)DPG 3
(3)コメ胚芽油 1
(4)オリザノール 0.1
(5)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 4
(6)ステアリン酸グリセリル 1
(7)ポリクオタニウムー56 0.01
(8)コメヌカロウ 0.5
(9)ユキノシタエキス 0.5
(10)ザクロ果皮エキス 0.1
(11)リンゴ果実エキス 0.1
(12)オクラ果実エキス 0.1
(13)ジメチコン 0.3
(14)カルボマー 0.3
(15)クルコシルトレハロース 0.3
(16)中和剤 適量
(17)アルギニン 適量
(18)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 適量
(19)香料 適量
(20)メチルパラベン 適量
(21)純水 残量
合計 100
【0047】
(製法)(1)~(21)を加熱し、均一溶解混合後乳化させ、冷却後容器に充填し、ヘアスタイリングミルクを調製した。
【0048】
実施例15 (ヘアスタイリングワックス) 配合量(質量%)(1)ホホバ種子油 3
(2)DPG 10
(3)コメ胚芽油 1
(4)コメエキス 0.5
(5)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.3
(6)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.5
(7)トリイソステアリン酸PEG-10グリセリル 0.5
(8)ハス種子発酵液 0.5
(9)ユキノシタエキス 0.5
(10)緑茶エキス 0.1
(11)ボタンエキス 0.1
(12)ツバキ種子エキス 0.1
(13)サクラエキス 0.1
(14)カルボマー 0.5
(15)PEG-160M 0.01
(16)TEA 適量
(17)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 適量
(18)香料 適量
(19)メチルパラベン 適量
(20)純水 残量
合計 100
【0049】
(製法)(1)~(20)を均一溶解混合後、乳化させ、容器に充填して、ヘアスタイリングワックスを調製した。
【0050】
実施例16 (ヘアスタイリングフォーム) 配合量(質量%)(1)エタノール 10
(2)BG 3
(3)コメ胚芽油 0.01
(4)コメエキス 0.5
(5)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.2
(6)ステアルトリモニウムクロリド 0.5
(7)アルギニン 0.01
(8)ハス胚芽エキス 0.5
(9)オクラ果実エキス 0.1
(9)ユキノシタエキス 0.5
(10)ザクロ果皮エキス 0.1
(11)アマチャエキス 0.1
(12)オリザノール 0.1
(13)紫玄米エキス 0.1
(14)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 適量
(15)香料 適量
(16)メチルパラベン 適量
(17)純水 残量
合計 100
【0051】
(製法)(1)~(17)を均一溶解混合し、ポンプフォーム容器に充填し、ヘアケアスタイリングフォームを調製した。
【0052】
実施例17 (スタイリングミスト) 配合量(質量%)(1)エタノール 60
(2)DPG 3
(3)ポリエーテル変性シリコン 3
(4)コメエキス 0.5
(5)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1
(6)ステアルトリモニウムクロリド 0.1
(7)グルタミン酸ナトリウム 0.05
(8)ハス胚芽エキス 0.5
(9)レンコン末 0.1
(10)緑茶エキス 0.5
(11)ザクロ果皮エキス 0.1
(12)ヒオウギエキス 0.1
(13)加水分解コメ発酵液 0.1
(14)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 2
(15)ポリクオタニウムー56 0.01
(16)(VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾール)コポリマー 0.3(17)コメヌカロウ 0.01
(18)香料 適量
(19)純水 残量
合計 100
【0053】
(製法)(1)~(19)を均一溶解混合し、容器に充填し、スタイリングミストを調製した。